平成二十九年東京都議会会議録第二十号

○議長(尾崎大介君) 九十一番桐山ひとみさん。
〔九十一番桐山ひとみ君登壇〕

○九十一番(桐山ひとみ君) 都市計画道路について。
 西東京三・三・一四号線の取り組み状況について、多摩地域が魅力と活力にあふれ、一層発展するためには、都民生活を支える道路ネットワークの整備が重要であります。
 地元西東京三・三・一四号線は、都心部から放射七号線を経て埼玉県新座市につながる幹線道路で、現在、練馬区内放射七号の外環自動車道練馬インターへと続く北園交差点から福泉寺通りまでの整備が順調に進んでおり、西東京三・三・一四号線も練馬区境から調布保谷線までが既に完成をしています。
 第四次事業化計画では、西東京市三・三・一四号線の残る約四百三十メートルの未整備区間が優先整備路線に位置づけられており、この区間の整備は、第四次事業化計画の検証項目二の都県間ネットワークの形成とあるように、都県境を越えた都市間の連携交流についても強化していく必要があり、多摩地域の発展にも寄与する路線であります。
 また、この路線は、青嵐中学校の南門に接することから、整備により歩道ができることで、通学路として生徒の安全性が向上することは承知をしていますが、地元中学校との連絡を密にとっていただきまして、安全・安心にご配慮いただきますようよろしくお願いいたします。
 あわせて、中学校は災害時の避難広場にも指定されているために、避難路として地域の防災性も向上することを期待しています。
 そこで、西東京三・三・一四号線の事業化に向けた取り組み状況について伺います。
 次に、西東京三・三・三号線の取り組み状況について。
 多摩東西の主要四路線の一つであります新五日市街道について伺います。
 西東京市の新五日市街道である西東京三・三・三号線は、西武新宿線の南側に計画をされ、過去には第二次事業化計画で選定されましたが、第三次事業化計画には選定されなかった路線であり、再び第四次事業化計画で東京都施行の優先整備路線となっています。
 また、西武新宿線田無駅と南部地域を南北に結ぶ西東京三・四・二四号線は、このたび市施行の優先整備路線であり、西東京三・三・三号線と接続をします。このため、西東京三・三・三号線の整備は、周辺道路ネットワークを強化し、田無駅南口のまちづくりに大きく貢献することから、多くの市民が待ち望んでおります。
 また、西東京三・三・三号線は、防災都市づくり推進計画の中で、広域的な都市構造から見て骨格的な防災軸の形成を図るべき路線とし、骨格防災軸に位置づけられており、市街地火災の延焼を阻止する機能のほか、震災時の避難経路、震災時の発生確率が高まっている中で、この地域の防災性の確保や安全・安心のまちづくりを進める上でも早期の整備が求められております。
 そこで、西東京三・三・三号線の事業化に向けた取り組み状況について伺います。
 次に、鉄道立体化事業についてです。
 西武新宿線井荻から東伏見駅間の鉄道立体化事業については、西武新宿線の井荻から東伏見駅間は、いまだ数多く踏切が残されており、これらの踏切は慢性的な交通渋滞や踏切事故の原因となっています。このような問題を抜本的に解決するためには、複数の踏切を同時に除去する鉄道立体化事業が不可欠であります。
 本区間は、昨年三月に新規に着工準備する区間となったことを受け、本年三月に東伏見駅周辺まちづくり懇談会を設立しましたが、もともと東伏見駅周辺地域には鉄道立体化事業の強い意向があり、懇談会設立以前より市の担当者を招いて任意の勉強会を行うなど、積極的に取り組んでいます。現在は、懇談会の中で、東伏見駅周辺まちづくり構想策定に向けて地域の方々と意見交換を行うなど、検討を進めています。
 そこで、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間の鉄道立体化の取り組み状況について伺います。
 また、井荻駅から東伏見駅から先の鉄道立体化の検討対象区間である田無駅から花小金井駅間についても、特に西武柳沢駅第四号踏切の除却に対する強い要望があり、多くの市民から早期の対応が求められております。
 さらには、この二カ所の鉄道立体化の検討対象区間に挟まれる西武柳沢駅付近についても、第四次事業化計画の西東京市施行の優先整備路線である西東京三・四・一八号線の整備とあわせて鉄道立体化が進めば、それぞれの整備効果が格段に上がるものと思いますので、意見として述べさせていただきます。
 次に、都立公園について伺います。
 本年五月、都立公園の多面的な活用の推進について、東京都公園審議会から答申が出されました。
 都立公園を含む東京都内の公園面積は七千八百二ヘクタール、うち都立公園約二千二十二ヘクタールで、都民一人当たりでは五・七〇平方メートルとなっており、一人当たりの公園面積の目標にはいまだ届いていない現状です。
 都立公園の多面的な活用の推進については、都民の貴重な緑と防災機能といった重要な機能や地域資源も活用しながら、民間によるまちづくりと連携することで、都立公園が核となり、まちの魅力を高められることを期待しております。
 それらをベースに、都立東伏見公園について質問いたします。
 都立東伏見公園は、西東京市東部に位置する新しい都立公園です。公園の近くには、早稲田大学のキャンパスや古く縄文時代から人々の活動拠点としての環状集落があるとされ、国の史跡として指定をされた下野谷遺跡、特別緑地保全地区に指定されている東伏見稲荷神社の森や石神井川が隣接するなど、緑と水に恵まれた立地条件にあります。
 都立東伏見公園は平成十三年に整備計画が策定され、道路、河川、公園が一体となった水と緑の都市空間が創出されることとなりました。
 今後、南側には石神井川が流れる恵まれた環境を生かした整備を進めていくことで、さまざまなレクリエーションが楽しめ、災害時にはさまざまな活動の拠点としての役割を果たす公園となっていきます。
 現在、検討が進められている東伏見駅周辺まちづくり構想や、柳沢駅周辺においても東伏見公園に対する地域の期待も高まっています。
 そこで、東伏見公園の整備事業の進捗について伺います。あわせて、今後どのような公園を目指していくのか、ご所見を伺います。
 また、未整備エリアである東側には多くの地権者がいる中で、事業認可の取得の手続など、まだ先は長いように見受けられます。今後、時代の経過とともに、近隣施設の状況や地元市のさまざまなニーズ変化に伴い、要望も変化してくると思われます。
 今回の都立公園の活用にも民間連携によるまちづくりがあるように、西東京市には公園に強い思い入れのある多くの市民が活発で多様な活動を行政との協働で実践をしています。
 まちづくりを進めていく中での時代のニーズに即した整備計画の見直しなども視野に入れながら、取り組みを行っていただきたいことを要望しておきます。
 次に、二〇二〇東京大会機運醸成についてです。
 オリンピック・パラリンピックを東京にて成功させるために、さまざまな取り組みを現在行っております。何をもって機運醸成とするのか、オリンピック・パラリンピック東京大会の開催は知っていても、区市町村がどのように盛り上げていくのか、さまざまな意見もあります。
 大会まで千日を切った今、競技施設のある自治体や近隣自治体だけでなく、機運を盛り上げていくために、今後とも区市町村へのさまざまな後方支援をしていただきたいと思います。
 さて、その中でも参加型の取り組みでは、都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクトがあり、知事もオリンピック・パラリンピックイベントで必ずPRされております。プロジェクト参加自治体は、九月一日で自治体の九割の千百三十六自治体が参加をしております。
 プロジェクト開始から八月末の集計では、全国参加自治体による回収が五百三十六トン、NTTドコモの回収が百三十万台と発表されていますが、いまだ目標に達成する五千個までの到達レベルが公表されておりません。
 さらなるモチベーションを高めるためにも、組織委員会への公表要請を引き続きお願いしたいと思っております。
 さて、もう一つの参加型は、みんなでラジオ体操プロジェクトです。ラジオ体操は、ご承知のとおり国民の体操であり、いつでもどこでも誰でもできる体操として、広く今でも愛されており、全国ラジオ体操連盟を中心に各自治体に広く浸透しています。
 知事が発信することにより、ラジオ体操のイメージも明るく新しいものに感じるようになっております。東京都ではイベントで行ったり、大会開催期間を重点期間と位置づけ、都庁職員もこの夏に毎日ラジオ体操を実施されたと承知しています。職員の皆さんも、最初は嫌々だったとしても、音楽が流れて仕方なく動いていたとしても、リフレッシュできていたのではないでしょうか。知事からは、議員もやればと聞こえてきそうです。
 知事、ぜひとも職員の健康を考えたなら、毎日続けた方がいいと思っています。ラジオ体操は、今では世界各国で普及され、オリンピック・パラリンピックにも参加型としてみんなで盛り上がるものになることを期待しています。
 そこで、みんなでラジオ体操プロジェクトを開始した意図と、これまでの取り組み、オリ・パラ機運醸成とあわせ、知事のご所見を伺います。
 最後に、子供の体力の低下についてです。
 近年、子供の体力の低下の原因は、保護者を初めとする国民意識の中で、外遊びやスポーツの重要性を学力の状況と比べ軽視する傾向が進んだことにあるといわれています。
 また、生活の利便化や生活様式の変化は、日常生活における体を動かす機会を減少しております。
 外で遊んだり、スポーツに親しむ機会を意識して確保していく必要があり、保護者が子供の体力の低下を認識することも大事なことです。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技向上の陰に隠れ、子供たちの体力の低下を大変心配しております。
 最後の質問ですが、東京都の公立小中学校の児童生徒の体力は、小学生においては全国平均を上回っているものの、中学生は全国平均に比べて低い水準にあります。
 そこで、特に中学生の体力向上策の現状と今後の取り組みについて伺います。
 以上、質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 桐山ひとみ議員の一般質問にお答えいたします。
 議員が一番よくご存じのみんなでラジオ体操プロジェクトについてのご質問がございました。
 ラジオ体操は、誰もが知っています。そして、いつでもどこでも一緒にできる、手軽で身近な運動であります。
 こうした特性を生かして、都民、国民の健康増進と二〇二〇年大会の機運醸成につなげようと、この夏、みんなでラジオ体操プロジェクトを開始したところでございます。
 二〇二〇年大会の開催期間を浸透させるためにも、都庁におきましては、七月二十四日から九月六日までの間、平日毎日午後二時五十五分からラジオ体操を実施したところでございます。
 また、都内の企業を初め、各道府県にもラジオ体操の動画の作成を呼びかけました。その結果として、現在までに五つの企業、そして八府県から、職場や観光名所などで知事や職員、ゆるキャラなどがともに体操する動画の提供がございました。そして、それを順次東京動画のサイトに掲載をしているところでございます。ぜひ一度ごらんいただければと存じます。
 今後も、都民、企業、自治体など、多くの方々にこのラジオ体操プロジェクトへの参加を呼びかけまして、運動を通じた健康づくりの推進、そして二〇二〇年大会への期待感を全国に広げていく、この二つの目的に向かって続けてまいりたいと存じます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 中学生の体力向上についてでございますが、体力は人間のあらゆる活動の源であり、生涯にわたり健康で充実した生活を送る上で極めて重要であります。
 そのため、都教育委員会は、平成二十七年度に体力向上計画を策定し、二〇二〇年大会までに中学生の体力を全国平均まで向上させることを目標として、六十二校の研究校を指定いたしました。
 これらの研究校では、運動が苦手な生徒でも楽しく参加することができる運動プログラムや、大学と連携しながら投げる力を高める指導方法などを開発しており、体力の着実な向上が見られております。
 今後、目標の達成に向け、こうした実践を全中学校に普及するとともに、各校の取り組みの成果を検証し、二〇二〇年大会以降も体力向上の取り組みが一層推進されるよう、次期計画策定に向けた検討を進めてまいります。
〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 五点のご質問にお答えいたします。
 初めに、西東京三・三・一四号線の取り組み状況についてでございますが、本路線は、都県境を越えた広域的な道路ネットワークの一部を形成し、交通、物流機能の強化、災害時の迅速な救急救援活動等を確実に行う上で重要な路線でございます。
 このうち、調布保谷線から埼玉県新座市までの延長約四百メートルの区間を第四次事業化計画の優先整備路線に選定いたしました。
 本区間では、埼玉県と整備時期等の調整を行いまして、昨年六月、測量及び事業概要説明会を開催し、現況測量を実施いたしました。現在、用地測量を進めており、今年度内の事業化を予定しております。
 引き続き、埼玉県と連携を図りながら、多摩地域、さらには都県境の道路ネットワークの整備に向けまして、着実に取り組んでまいります。
 次に、西東京三・三・三号線の取り組み状況についてでございますが、本路線は、多摩地域における東西方向の主要な幹線道路であります新五日市街道の一部を形成し、交通の円滑化や防災性の向上に寄与する極めて重要な路線でございます。
 このうち、西東京市内におきましては、青梅街道から小平市境までの約二・六キロメートルの区間を第四次事業化計画の優先整備路線に選定いたしました。
 本区間では、蛇行している石神井川と六カ所で交差しているため、河川計画との整合や幹線道路である青梅街道との接続方法など整理すべき課題がございまして、昨年度に航空測量を実施し、その成果に基づきまして、今年度道路の概略設計に着手いたしました。
 今後、道路構造等の検討を重ねますとともに、関係機関との協議を進め、事業化に向け取り組んでまいります。
 次に、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間の鉄道立体化についてでございますが、この区間には、あかずの踏切が十二カ所あるほか、都市計画道路が五カ所で交差することとなり、鉄道立体化による踏切解消が必要でございます。
 本区間では、外環ノ2などの関連する道路の整備計画が具体化するとともに、上石神井駅や東伏見駅周辺などにおきまして、沿線区市によるまちづくりが進められております。
 連続立体交差事業の効果を高めるためには、本事業と並行しまして、地元区市が駅前広場や関連する街路など、まちづくりに着実に取り組むことが重要でございます。
 現在、構造形式や施工方法の検討を進めておりまして、今後とも、地元区市や鉄道事業者と連携いたしまして、事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、東伏見公園の整備事業の進捗についてでございますが、本公園は、西東京市南東部に位置する計画面積約十三・七ヘクタールの都市計画公園でございまして、区域内に石神井川が流れ、水と緑のネットワークの拠点として、また、災害時には避難場所ともなる重要な公園でございます。
 これまで道路、河川事業と一体となって整備を進めまして、平成二十五年度に約二・七ヘクタールで新規開園いたしました。現在の開園面積は約三・九ヘクタールとなっておりまして、園内にはアスレチック遊具や多目的広場等を有し、子供の遊び場や都民の憩いの場として親しまれております。
 現在、用地取得を進めるとともに、開園部分南側におきまして、園地造成のための基盤整備工事に取り組んでおります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、東伏見公園の整備を着実に推進してまいります。
 最後に、東伏見公園の将来像についてでございますが、都は、東京都公園審議会の審議を経て、それぞれの公園ごとに将来の姿を示す整備計画を策定しておりまして、整備に当たりましては、その計画を基本としつつ、社会状況の変化に対応して公園が持つ多面的な機能を一層発揮できるよう取り組むことが重要でございます。
 本公園の整備計画におきましては、道路、河川、公園が一体となった潤い空間を創出することなどが位置づけられておりまして、これを踏まえ、親水空間を形成する緩傾斜護岸への改修や四季を彩る草花を植栽する広場等を整備することとしております。
 今後、地元市が進める公園周辺のまちづくりの動向や地域のニーズも踏まえながら、本公園の持つポテンシャルを最大限発揮できるよう、整備に取り組んでまいります。

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