平成二十九年東京都議会会議録第十九号

○議長(尾崎大介君) 五十四番西沢けいた君。
〔五十四番西沢けいた君登壇〕

○五十四番(西沢けいた君) 私は、都議会民進党を代表して、都政の主要課題について伺います。
 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 小池知事は、さきの所信表明で都政に専念する旨述べられました。一方で、さきの国政政党の代表辞任は、説明不足と唐突感もあって、投げ出しとも指摘されるとともに、地域政党の代表の辞任や過去の例なども相まって、小池知事に対しては唐突に辞任するというイメージが拭い切れません。
 さきの総選挙においては、小池知事が任期半ばで都政を投げ出すのかと懸念する声も聞かれました。
 そこで、小池知事は任期を全うするのか、その上で都政に専念すると考えていいのか、改めて知事の決意を伺います。
 知事の都政への姿勢、本気度が問われている課題として最も象徴的なのが市場移転問題です。豊洲市場の安全・安心を最優先するためには、追加工事も欠かせませんが、その実施に向けては柔軟な対応が必要です。
 また、築地再開発検討会議でのプレゼン内容を大々的に訴えるよりも、今、優先すべきなのは市場建設協議会であり、市場関係者との信頼回復も欠かせません。
 そこで、市場業者や江東区に対して、みずからが足を運んで説明、お願いをするなど、知事自身が汗をかくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、小池知事は所信表明において、しかるべき段階において、みずから安全・安心についての発信を行っていくと述べられました。
 しかし、私は、発信するだけにとどまらず、豊洲新市場の安全・安心に対して、もっと主体的に責任を持つべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、ダイバーシティーの推進について伺います。
 来年二月には、いよいよ平昌オリンピックが開催されますが、二〇一四年に開催されたソチ大会では、ロシアで成立した同性愛宣伝禁止法に抗議する形で、アメリカやドイツ、フランス、イギリスなど各国要人が開会式を欠席したことが思い起こされます。
 もちろん、ダイバーシティーを標榜する東京では、このようなことはないとは思いますが、職場や学校での差別や偏見、いじめや嫌がらせなどを受けている、あるいは受けたことがあるLGBT当事者からは、これまでの普及啓発にとどまらず、より踏み込んだ施策への期待があります。
 そこで、二〇二〇年大会を見据え、ダイバーシティーの推進、とりわけLGBTへの施策についてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 次に、天下り、職員の再就職について伺います。
 今定例会には、東京都職員の退職管理に関する条例の改正案が提案されています。これは、これまで管理職だけを対象としていた再就職情報を、勤続二十年以上の一般職員にまで拡大するというもので、情報公開という視点からは評価できます。
 しかし、私は、福祉やまちづくりなどの現場で二十年以上働いた一般職員が、その能力を買われて民間企業に再就職することが問題視されているとは思いません。むしろ、かつての上司が現場に口を出し、許認可や契約、情報提供などで行政をゆがめてしまわないように、また、都民に疑念を持たれないようにすることこそが必要だと考えます。
 その意味から、課題は、退職後二年としている管理職の再就職先情報の管理期間であり、口ききリストの公開、適材推薦団体の名のもとにチェックが甘くなっている状況、もっといえば、第三者による監視の徹底だと考えます。
 私は、引き続き適材推薦団体の見直しや第三者による監視の強化、加えて管理職における制度の対象となる期間の延長などの再就職情報の公開拡充を求めるものですが、今回の条例改正の意図も含め、見解を伺います。
 次に、二〇二〇改革プランについて伺います。
 小池知事は、二〇二〇改革プランを策定中です。これは、知事にとって東京大改革の青写真ともいえる重要な計画だと思いますが、これまでの議会答弁などでは、監理団体について、機能強化、戦略的活用といった言葉を使われています。
 もちろん、行政を補完する監理団体の機能が弱体、非戦略的では困ります。しかし、監理団体に任せている仕事は民間でもできることではないか、費用は高額過ぎないか、厳しく点検、検証することが必要です。
 また、現在、監理団体ではないものの、年間百九億円もの収入のほとんど全てが東京都交通局からの支出と交通局の資産を使って得た収益で運営され、しかも九九%が特命随意契約という、一般財団法人東京都営交通協力会のような団体があります。こうした団体はほかにもあるのではないか、監理団体への指定も含めた一斉点検を行うべきと考えます。
 私たちはこれまで、外部の目を入れた事業評価や計画策定時の目標数値の明確化などを求めてきました。これは、改革や計画を看板倒れや看板のつけかえに終わらせず、しっかりと都民に成果を還元するために必要不可欠と考えるからです。
 知事就任二年目に入り、成果を求められる時期に入ってきています。こうした点を踏まえ、二〇二〇改革プラン策定についての知事の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 ことし五月、大会経費の総額一兆三千八百五十億円の分担を大筋合意して以降、東京都や国、組織委員会、関係自治体の四者による共同実施事業管理委員会によって、コスト管理や執行統制の強化などに取り組んでいくと聞いています。
 この委員会においては、組織委員会が、東京都や国などの関係者が負担する資金を使用して実施する共同事業を適切に管理することとされており、第一回の会議は九月七日に行われ、その会議資料、議事要旨は既に都において公表されています。
 大会まで千日を切った中、組織委員会において、都民に対してさまざまな情報を適切に提供することが重要であると考えます。
 ことしじゅうにV2予算の発表が行われる予定となっていますが、組織委員会の財政を保証している東京都は、大会運営にも重い責任を持っており、私は、組織委員会への積極的な情報公開を働きかけるべきと考えます。情報公開を一丁目一番地とする知事の見解を伺います。
 次に、受動喫煙の防止についてです。
 受動喫煙防止に向けた健康増進法について、店舗面積百五十平方メートル以下の飲食店での喫煙を可能とする案で自民党が調整している報道に対して、小池知事は、何もしないといっているに等しいと厳しく批判しました。
 しかし一方で、知事が制定しようとしている受動喫煙防止条例のパブリックコメントでも反対の意見が多数寄せられており、条例制定に向けては、より丁寧な対応が必要であると考えます。
 私は、飲食店への支援強化を初め、区市町村と連携しながら、実効性のある受動喫煙防止条例の制定に向けて積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都市づくりについて伺います。
 ホームドアの設置については、各鉄道事業者が補助金を活用しながら整備を進めていますが、遅延など鉄道運行上の課題、相互乗り入れなどドア位置の違いによる課題、ホーム構造上の課題などがあります。
 都営は、ホーム事故ゼロを掲げ、他社線の乗り入れもある新宿線、浅草線などでも全駅整備を進めています。私鉄は、都と地元自治体、鉄道事業者が協議して設置促進をしていますが、設置率は三割ほどにとどまっています。
 ホームドアの設置について、これまで実施してこなかった技術的な支援も加え、事業者の取り組みを一層強力に後押しするとともに、東京都みずからがホームドアの設置に強い姿勢で取り組んでいく必要があります。
 都民と東京に訪れる全ての方の生命、安全を守り、円滑な公共交通運営をするためにも、関係者との関係構築や調整など、知事がリーダーシップを発揮していくことで、さらに進めることができると思いますが、知事の見解を伺います。
 次に、子供、子育て支援について伺います。
 保育無償化については、政府が、所得や納付額の制限、対象となる保育所や提供サービスの範囲について、これから専門家による検討の場を設置、来年六月に結論を出すとしております。制度設計によっては供給を上回る需要増という状況で、保育所整備を進める上で最も大きな課題となっている保育士不足、保育士争奪戦がさらに激化するなど、現場の大混乱が懸念されます。
 そのような中でも、都として、大規模な保育士と保育所のマッチングフェアを開催したり、私たちがかねてより主張してきた子育てクーポンのように、保育所以外のサービスを利用する、例えばベビーシッターを利用する保護者への支援を行うなど、より一層の待機児童対策を実行すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 貧困の連鎖防止の観点からは、幼少期から早期支援の必要性が指摘されておりますが、生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業の対象人数に対する参加率は約三割、都が支援する子供食堂は二自治体六カ所という状況です。
 家庭が貧困であるがゆえに、教育の機会が損なわれたり、食事や親の監護を十分に受けられずに育つ子供への支援はまだまだ十分とはいえません。
 加えて、生活保護受給世帯の高校進学率は低く、中退率も一般世帯に比べて三倍にも上っているなど、中学、高校生に対するサポート体制の拡充も必要です。
 都内、どの自治体のどこに住んでいても、年齢に応じて利用できる子供の居場所があり、地域の子供食堂などと連携して、必要な支援がコーディネートされることが重要です。
 都として、子供の居場所づくりへの支援を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、働き方改革について伺います。
 政府は、二〇一八年度税制改正で賃上げや設備投資を積極的に行う企業に対する税負担の軽減を検討しています。
 景気回復、消費拡大のためには、サラリーマンの賃上げ、分厚い中間層の復活が欠かせませんが、一方で、私は、格差是正、同一労働同一賃金を標榜する観点から、不本意非正規労働者の正規雇用化を推進するとともに、その後の職場定着などを含め、施策のさらなる拡充が必要であると考えます。
 不本意非正規の正規雇用化施策の拡充に向けて見解を伺います。
 障害者施策について、さきの私たちの代表質問に対して、小池知事は、現在策定中の第五期障害福祉計画においても、法定雇用率の引き上げを踏まえた就労支援の強化などを施策の柱に位置づける旨の答弁をされました。
 障害者の法定雇用率は、来年四月には、現在の二・〇%から二・二%に引き上げられ、その後、二〇二〇年度末までに二・三%にする計画となっていますが、とりわけ法定雇用率の算定基礎に追加される精神障害者の雇用については、積極的な支援が求められます。
 そこで、法定雇用率の引き上げを踏まえて、障害者の就労支援に全力で取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 以上で都議会民進党を代表して質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 西沢けいた議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、都政の私の決意についてのお尋ねがございました。
 何度も申し上げますが、さきの総選挙におきましては、私の行動によりまして、都議会の皆様、都民の皆様方にご心配をおかけいたしました。みずからを厳しく省みまして、改めて都民ファーストの姿勢で、都政に邁進、推進、専念していく所存でございます。
 私に与えられました責任と時間を十分に自覚をし、都民の皆様の負託に全力で応えるべく、引き続き都議会の皆様と建設的な議論を積み重ねながら、都政を着実に前へと進めていきたいと考えております。
 市場移転に関してでございますが、市場業界、そして江東区との調整についてのご質問、豊洲市場への円滑な移転を実現するためには、市場業者と江東区のご理解とご協力をいただく必要がございます。
 業界団体の皆様には、先般の新市場建設協議会におきましては、開場時期を来年十月中旬とすることに合意をいただいております。今後、具体的な移転の期日を決められるように、業界団体とは丁寧に調整をしてまいります。
 また、江東区に対しましては、土壌汚染対策、交通対策、にぎわいの場の整備ということで、時間軸も見定めながら、その実現に向けてしっかり取り組んでまいる所存でございます。
 とりわけ、にぎわいの場の整備というのは、豊洲地域の活性化を図る上で極めて重要と認識をしておりまして、引き続き、誠実に粘り強く事業者と調整するとともに、都の取り組み状況を区に説明いたしまして、理解を求めてまいります。
 こうした取り組みを一つ一つ積み重ねた上で、私自身が足を運ぶということも考えてまいりたいと思います。
 豊洲市場の安全・安心についてでございますが、市場における安全・安心の確保が開設者としての責務であることは、これまでも申し上げてきたところでございます。
 豊洲市場用地に関しまして、専門家会議は、法的、科学的な安全性は確認されていますが、一方で、さらなる安全性の向上を図るため、将来のリスクに備えて、地下ピットの追加対策、地下水管理システムの機能強化といった対策を求められておりまして、着実にこれを実施してまいります。
 こうした追加対策の実施状況とあわせまして、空気、地下水の測定結果などのデータを専門家による評価とともに、都民、そして市場業者にわかりやすくお伝えしてまいります。
 さらに、農林水産大臣の認可手続などの一連のステップを経まして、しかるべき段階におきまして、私みずから安全・安心について発信をしてまいることでございます。
 LGBTへの施策についてのご質問がございました。
 都は、LGBTの方々への差別、偏見を解消するために、啓発のためのリーフレットの作成や配布、また大型人権啓発イベントでありますヒューマンライツ・フェスタ二〇一七におけるLGBTを題材とする映画を上映したり、そしてパネルを展示したり、東京都人権プラザや人権週間行事における啓発など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 二〇二〇年東京大会を成功させるためには、女性も、男性も、子供も、高齢者も、障害のある方も、そしてお話しのLGBTの方々も、誰もが希望を持って生き生きと生活ができる、活躍ができる、そんなダイバーシティーの実現を目指しております。
 引き続き、LGBTの方々も含め、みんなが輝ける東京としていくための取り組みを、さらに推進してまいりたいと考えております。
 なお、都主催の外交関係のイベントなどにおきましては、パートナーといらっしゃる場合、既に性別を問わずお招きをしているところでございます。
 職員の再就職についてのお尋ねでございます。
 情報公開は改革の一丁目一番地でございます。都民から公正な都政運営が損なわれるといった疑念を持たれることのないように、透明性を高めていく必要がございます。
 都におきましては、元職員による働きかけ規制に加えて、外部有識者によります退職管理委員会の設置、利害関係企業などへの求職活動の禁止、再就職情報の公表など、都独自の規制も整備をいたしまして、退職管理の厳格化を図っているところであります。
 さらに、私が知事に就任いたしました後は、働きかけの記録の義務づけ、概要を公表する、公益通報制度の見直し、広く都民の方々からの通報を受け付ける外部窓口を設置などなど、退職管理に加えまして、不適正な働きかけを防ぐ複合的な仕組みを整えたところでございます。
 その上で、今回条例を改正して、従来の管理職に加えて、職場の中核を担う一般職員につきましても再就職情報を公表することによって、退職管理のさらなる透明化を進めることといたしました。
 引き続き、退職管理のあり方につきましては、都民から疑念を持たれることのないように、国や他団体の動向も見つつ、今後、監理団体改革など都政改革にあわせて必要な検討を行ってまいります。
 二〇二〇改革プランの策定についてのお尋ねがございました。
 私が本部長を務める都政改革本部におきましては、ことしの四月から、これまでの組織、制度、政策、これら全てを包括的に見直すということで、仕事改革、見える化改革、仕組み改革から成ります二〇二〇改革の取り組みをスタートさせております。
 監理団体改革につきましては、全団体を対象とする自己点検を実施、自律的な経営改革に向けた取り組みへの着手をしております。今後、局との役割分担や戦略的な活用方策を整理するとともに、ガバナンスのあり方を見直すなど、抜本的な改革に取り組んでまいります。
 また、事業の評価につきましては、現在、各局の主要事業の現状につきまして、二〇二〇年に向けた実行プランで掲げた政策目標などに照らしまして、局みずからが分析、評価を行います見える化改革を精力的に進めております。
 今後、見える化改革を一層加速するとともに、各局の政策、施策におけますPDCAサイクルがより有効に機能するための仕組みも検討してまいります。
 今年度末に策定をいたします二〇二〇改革プランにおきましては、こうした改革の成果を取りまとめると同時に、今後の改革の方向性を示しまして、都庁の機能強化を着実に図ってまいります。
 組織委員会の情報公開についてのお尋ねがございました。
 都と組織委員会が一体となりまして、二〇二〇年大会の準備を万全に行って、大会を成功に導くためには、都民、国民に大会準備の状況を丁寧に説明して理解を得ていくこと、これが不可欠でございます。
 そのためには、都はもとより、組織委員会におきましても情報公開をしっかりと進めていく必要がございます。
 現在、組織委員会では、事業計画や予算、決算を初めとして、重要事項の意思決定機関であります理事会の資料など、大会運営に関する情報を公開しているところでございます。
 都は、今後とも、二〇二〇年大会に向けました開催準備を加速する中で、組織委員会との連携を一層強化して、ともに、より積極的な情報公開を進めてまいります。
 受動喫煙防止対策についてのご質問がございました。
 都は、飲食店におけます受動喫煙防止対策を推進するために、利用者が店内の禁煙、分煙の状況を把握できる店頭表示ステッカーを配布するほか、禁煙、分煙の取り組みを呼びかけるリーフレットを配布して、事業者の取り組みを促しております。
 また、本年の七月から八月にかけて都民の意識調査を行うとともに、都内の飲食店や宿泊施設を対象といたしまして、法律や条例による規制、禁煙、分煙の取り組み状況などに関する調査も実施したところでございます。
 現在、こうした調査結果や東京都受動喫煙防止条例、仮称でございますが、こちらの基本的な考え方への意見募集でいただきました約一万七千件のご意見も踏まえまして、区市町村とも意見交換を行いながら、ご指摘のように実効性のある条例の制定に向けて検討を重ねているところでございます。
 今後、来年の第一回の定例会に条例案を提出する考えでございます。二〇一九年のラグビーワールドカップ開催までの施行を目指してまいりたいと考えております。
 ホームドアの整備についてのご質問でございます。
 高齢者、障害のある方々を初めとして、誰もが活躍できるダイバーシティーを実現する、そのためには、安心して快適に移動できる環境を整えることは大切でございます。
 東京には、世界に類を見ないほどの高密度な鉄道ネットワークが形成されておりますが、これを生かしながら、利用者の視点に立ちまして、駅などの既存ストックの質を高めていく必要がございます。
 とりわけホームドアの整備は、利用者の安全を確保する上で重要であります。都は、事業者の取り組みを支援するために全国に先駆けまして補助を開始し、その後も、競技会場の周辺駅などに対しまして、制度を拡充してまいりました。
 これによりまして、鉄道事業者はこれまで、みずから新たな技術開発を行うなど工夫を加えながら、整備を加速させてきているところでございます。
 二〇二〇年東京大会を契機といたしまして、また、その先も見据えながら、事業者の取り組みを後押しして、成熟都市東京の一層の進化につなげてまいりたいと考えております。
 待機児童対策についてのご質問がございました。
 私は、待機児童の解消を都政の最重要課題の一つと位置づけております。就任以来、保育所などの整備促進、人材の確保、定着の支援、利用者支援の充実、この三つを柱にさまざまな取り組みを進めてまいりました。
 保育人材の確保、定着に向けましては、キャリアアップの補助、宿舎の借り上げ支援、就職から定着までの相談支援などを行っております。
 さらに、ことしの九月に取りまとめました待機児童解消に向けました追加対策によりまして、保育現場の業務負担を軽減するためのICT化の促進、保育士の復職を支援するための資金貸付の拡充など、新たな施策も開始しているところでございます。
 また、利用者の支援策といたしましては、保育コンシェルジュを都独自に拡充するほか、認可外保育施設の利用者の負担軽減を実施いたしております。
 今後、子育て世帯を対象といたしました保育ニーズ実態調査の結果も踏まえながら、区市町村としっかり連携しながら、待機児童の解消に向けて効果的な施策をさらに推し進めてまいりたいと考えております。
 その他のご質問は、関係局長よりのご答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 子供の居場所づくりへの支援に関するご質問にお答えをいたします。
 現在、都内の区市は、生活困窮者自立支援法に基づく子供の学習支援を行っており、都は、区市町村が民間団体等と連携して子育て家庭の状況を把握し、必要な援助につなげるための支援員を配置し、学習支援に加え、食事の提供や親への養育支援を一体的に行う居場所づくりを支援しております。
 また、支援員が中心となった居場所と地域の子供食堂との連携や、学校給食がない夏休みなどに昼食等を提供する取り組みなどに対しても助成を行っております。
 さらに、民間団体が行う学習支援や食事提供等の事業の立ち上げも支援しており、今後、より多くの区市町村で子供の居場所づくりが進むよう、積極的に支援してまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、非正規雇用対策についてでございますが、都は、非正規労働者の正規雇用化に向けて、社内での正規雇用転換を促進する助成事業のほか、セミナーと企業実習を組み合わせたプログラム、また、専任コーディネーターによるマッチング支援など、平成二十七年度から三年間で一万五千人を目標に、総合的な対策を実施しているところでございます。
 こうした取り組みにより、昨年度までの二年間で、三年間での目標を上回る一万六千四百二人の正規雇用化を実現するなど、企業による正社員化の動きは活発化をしております。
 今後は、正規雇用化後の定着を見据えた質のよい転換を促進することが重要でございまして、継続した育成を行うなど、安心して働き続けられる労働環境の整備に取り組む企業への支援を検討してまいります。
 次に、障害者の就労支援についてでございますが、障害者の方が職場で活躍するためには、企業が障害者雇用についての理解を深め、適切な配慮を行うことが重要でございます。
 都はこれまで、企業の障害者雇用に対する理解促進を図るため、国や都の支援機関が一堂に会するイベントやセミナーを実施するとともに、職場への定着を目的として、継続雇用に対する助成金の支給や東京ジョブコーチによる支援等も行っております。
 また、来年度から法定雇用率算定の対象となる精神障害者につきましては、採用前の職場環境整備から採用後の雇用管理までの一貫した支援を実施しております。
 今後は、精神障害者の雇用を進める企業へのインセンティブの拡充や相談対応の充実についても検討し、障害者雇用を促進してまいります。

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明七日は議事の都合により休会されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明七日は議事の都合により休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月八日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時五十一分散会

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