平成二十九年東京都議会会議録第十九号

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) これより質問に入ります。
 百十六番山内晃君。
〔百十六番山内晃君登壇〕

○百十六番(山内晃君) 都民ファーストの会東京都議団を代表して質問をいたします。
 改めて申し上げますが、私たち都民ファーストの会は、古い都議会を新しくを掲げ、その必要性を強く認識し、立ち上がりました。都議選後五カ月が経過をし、さきの定例会で議員提案条例を成立に導きましたが、都政改革は緒についたばかりであります。私たち都民ファーストの会は、東京大改革を牽引をして、その責務を果たしていくことをお約束いたしますとともに、総選挙を経て、小池知事が都政に一層専念されますことを期待するものであります。
 そこで、都政への取り組みの決意を改めて知事にお伺いをいたします。
 都議会改革の第一歩として、政務活動費での飲食禁止、議会公用車の見直しが実現に向かっています。また、都議会の本会議だけではなく、常任委員会の審議もインターネット中継し、さらにアーカイブ化をすることで、都民の皆様がいつでも都議会の審議をごらんいただけるよう、都議会審議の見える化にも着手をしております。
 去る十一月二十二日、熊本市議会で子育てに関してさまざまな報道がなされ、議会における育児、子育てに関する問題に注目が集まっております。
 東京都では、民間事業者等における地域に開放した事業所内保育所の設置を促進し、待機児童解消を進めるための取り組みとして、平成二十八年の十月一日、都議会議事堂一階にとちょう保育園を開設しております。都議会においても、議員が子育て並びに職務の両立を図ることができるよう、保育の課題があることを指摘しておきたいと思います。
 現在、国では、平成三十年度税制改正の議論が今まさに山場を迎えています。その中で、東京を初めとする大都市から税収を取り上げることを意図して、地方の自主財源のかなめである地方消費税の清算基準の見直しについて、客観的な消費活動を示す統計の比率を下げ、消費を代替する指標にすぎない人口の比率を大幅に引き上げるなど、あるべき税制の姿をゆがめる見直しが議論をされています。
 こうした動向に対し、都議会においては、国による不合理な見直しに反対をする意見書を都民ファーストの会を初めとして全会一致で可決をし、一丸となって全力で国に働きかけを行っております。都庁におかれても、小池知事が先頭に立ち、野田総務大臣を皮切りに、国会議員に対し精力的に要請を行っておられます。しかし、事態は予断を許さない状況です。
 国による不合理な税制改正が実際に行われれば、少子高齢化への対応や首都東京の防災力の強化など、喫緊の課題への対応が妨げられるばかりか、オールジャパンで取り組むべきオリンピック・パラリンピックの機運醸成にも水を差すことになります。
 地方税を譲与税として配分するかのような時代錯誤の見直しは、地方分権への明らかな逆行であります。税制改正の最終局面を迎えるに当たり、こうした国による地方消費税の清算基準の見直しの動きに対する知事の断固たる決意をお伺いいたします。
 次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 東京は、一九六四年大会以来、初めてパラリンピックを二度開催する都市となり、その取り組みに注目が集まっています。
 知事は、パラリンピックの成功なくして東京大会の成功なしという強い決意のもと、大会後の東京のあるべき姿を見据えて、準備に邁進をしております。大会に向けて、メディア等を活用し、機運を盛り上げていくことが重要ですが、あわせて、この機を捉え、障害者スポーツを盛り上げて社会に根づかせていくことが大切であります。
 大会後のレガシーとして障害者スポーツをどのように振興し、定着をさせていくのか、知事のご見解を伺います。
 また、社会全体で障害者の方々とともに暮らせる東京づくりをしていく必要があります。企業には既に障害者雇用二・二%が義務づけられており、中にはクリエーターとして、デザイナーとして第一線で活躍されている方が日本にはたくさんいらっしゃいます。大会の機運醸成とともに、ハンディーを背負いながらも、才能に満ちあふれた方々が活躍できる機会を創出することにも取り組んでいく必要があります。
 そこで、二〇二〇大会の機運醸成に用いるパンフレットやグッズ等を作成する際には、障害者雇用を重視する企業への発注や障害者のボランティア活用の促進など、大会を契機とした障害者の活躍の場を広げるための取り組みを進めるべきと考えますが、都の考えを伺います。
 オリンピック・パラリンピックまで残された時間が少なくなっている一方で、機運醸成は十分ではありません。都内を走る公共交通の車両にラッピングを施す、あるいは、中づり広告などの車内広告を打つことも機運醸成には有効であります。
 そこで、さまざまな広告媒体を持つ都営交通として、組織委員会やオリンピック・パラリンピック準備局など、関係機関と連携をしながら、大会機運の醸成に積極的に協力をしていくべきと考えますが、東京都の考えを伺います。
 WHOとIOCは、二〇一〇年にたばこのないオリンピックとする協定を締結しており、近年のオリンピック・パラリンピック開催都市では、法律や条例で、屋内を全面禁煙とし、罰則を伴う受動喫煙防止対策を講じております。
 また、日本政府は、WHOたばこ規制枠組み条約を締結し、その国内法の検討を行っております。
 条約のガイドラインでは、屋内を全面禁煙にしていますが、受動喫煙防止の法律案では、全面禁煙ではなく、規制対象となるサービス業の裾切りを検討しています。裾切りを何平米店舗とするかについては、最近では、厚生労働省案、百五十平米という数字も聞かれます。
 都民ファーストの会は、さきの都議会議員選挙でスモークフリー社会を基本政策に掲げ、みずから環境を選択できない子供を受動喫煙から守るため、第三回定例会に東京都子どもを受動喫煙から守る条例を議員提案によって上程をし、可決、成立をいたしました。
 また、知事は、ことし九月八日に東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方を発表されております。
 二〇二〇大会を控え、WHOとIOCの受動喫煙に関する協定を踏まえ、東京都受動喫煙防止条例(仮称)において、WHOたばこ規制枠組み条約及びガイドラインを踏まえ、かつ、東京都の現状に即した実効あるものとするべきと考えますが、知事の決意を伺います。
 また、東京都子どもを受動喫煙から守る条例の執行に当たって、飲食店等にもご協力をいただいて、子供を同伴している利用客を飲食店の喫煙席へ案内しない、禁煙席へと案内するなどのキャンペーンや、学校、PTA、その他の学校関係者などとも連携の上、学校周辺や公園などにおいて、子供の受動喫煙防止の啓発キャンペーンなどを行っていただきたいと考えますが、東京都は具体的にどのような普及啓発を行っていくつもりなのかを伺います。
 人種や肌の色、国のルーツによる差別に関して、ヘイトスピーチやLGBTなど性的マイノリティーによる差別が、国際的にも課題となっております。人種や国籍による差別的発言や行為は、オリンピック・パラリンピックでは厳しく規制をされています。
 また、ソチ・オリンピックでは、ロシアのLGBTへの対応により、アメリカやEUの首脳がオリンピックの開会式を欠席するという事件も起きております。
 オリンピック憲章では、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自その他の身分などの理由によるいかなる差別もなくすこととされています。
 特に二〇二〇大会開催都市である東京にとって、このオリンピック憲章をしっかりと実現することが、小池都知事が提唱するダイバーシティー東京にも資すると思います。
 そこで、オリンピック憲章の精神を実現するための取り組みについて、知事の見解を伺います。
 ラグビーワールドカップの開催都市として、釜石で既に海外旅行者向け英語サイトや飲食店向け接客英語レッスンが行われるなど、全方位的に機運を高めていこうと、自治体が主体となって力強く推進している様子がうかがわれます。
 オリンピック・パラリンピックの前年に開催されるラグビーワールドカップ二〇一九に向け、ほかの開催都市と連携するなど、開催機運を一層高めていくべきと考えますが、都の取り組みを伺います。
 IOCコーツ委員長が十二月に来日予定ですが、IOCからもさらに一千億円の経費削減を求められているということを聞いています。二〇二〇大会の経費については、小池知事の見直しのもと、三施設で約三百五十億円の削減を初め四百十三億円の削減を達成いたしました。この削減を成果と受けとめていますが、さらなる大会経費の圧縮が都民、国民からも求められております。
 大会経費の圧縮には、運用基準を定めるIOCと都の協議も必要となるため、圧縮に向けて協力要請を組織委員会やIOCに行うべきと考えます。二〇二〇年大会以降も、オリンピック・パラリンピックを継続する視点からも、このことは有益であると考えます。
 そこで、大会経費のさらなる圧縮に向けた東京都の取り組みについてを知事に伺います。
 賢い支出、ワイズスペンディングの観点から、東京都の入札制度の改革は極めて重要な課題であります。
 入札制度改革は六月二十六日公告の財務局案件から試行され、十一月二十二日、第一回入札監視委員会制度部会が開催をされました。入札制度改革の試行では、監視委員会としての検証結果を二〇一八年三月末までに取りまとめ、知事を本部長とする都政改革本部に報告をし、検討の上、二〇一八年度から制度改革の本格運用に移行することになっています。
 十一月二十二日の入札監視委員会に関する報道では、財務局案件で入札不調の発生率が二倍の一九%になったという数字が見出しで使われ、殊さら喧伝されていますが、記事をよく読んでみますと、一九%という不調率について、予定価格を事後公表する国の不調率は一六年度一八・七%で、都の試行中とほぼ同じ程度だったとの委員会の評価も示され、さらに、当然の効果として、一〇〇%、九九%といった高い落札率での受注は減っているなどとされています。引き続き正確かつ丁寧な説明を心がけるようお願いし、質問をいたします。
 入札制度改革については現在試行中であり、さらに事案を積み重ねて、それらのデータを監視委員会において適切な評価を行うこととなりますが、その際、入札参加者に対してもヒアリングを行い、検証に生かしていくことが有益だと考えますが、都の考えを伺います。
 入札改革の試行の検証に当たっては、試行対象案件の状況の全体像を捉えた上で、客観的に検証を行っていくことが重要であり、木を見て森を見ずということであってはなりません。しかし、一部には、今回の入札契約制度改革で豊洲市場の追加対策工事の不調が発生しており、改革を見直すべきとの声があります。
 およそ制度設計に当たっては、制度の根幹となり、大半のケースに適用する原則と、特別な例外的なケースに柔軟に対応する例外との両方が必要となります。
 そもそも豊洲市場の追加工事は、建物地下に盛り土をしていると都議会で答弁されていた工事が実際には行われていなかったことや、地下水コントロールシステムも都議会に説明されていた機能を発揮していなかったことによって必要となった工事であって、小池知事が就任する以前に、東京都が都議会で答弁いただいていたとおりに工事を行っていれば、必要がなかった工事であります。
 また、二〇二〇大会という期限を動かせない国際的イベントに関連するという特別の事情もあり、高い注目を集めています。特別の事情については、議会においても関係者の声を伺うとともに、入札監視委員会で詳しく検証していただくことが適切であります。つまり、個別、特別な事例である豊洲の追加工事の入札不調をもって、制度全体の原則をゆがめることは不適切であると考えます。
 そこで、入札制度改革においては、現場の声も聞きながら、客観的にデータを分析し、原則としてのルールや例外的な事例への対応措置などを含めて、検証作業を今後着実に進めていくことが重要であることを踏まえた上で、豊洲市場の追加対策工事については、二〇二〇大会に関連する個別、特別な事例として、早期の移転に向けて速やかに契約手続を進めていくべきであると考えますが、知事のご見解を伺います。
 次に、働き方改革について伺います。
 学校を取り巻く環境が複雑多様化する中、教員の業務は、授業以外にも保護者対応、部活動、成績処理など多岐にわたっており、教員の長時間労働は社会問題となっております。
 そのため、負担軽減の方策を講じることが喫緊の課題となっています。その方策として、例えば都が設置する学校問題解決サポートセンターでは、保護者との問題解決のため、弁護士などの専門家を置いて教員を間接的に支援しています。また、中学、高校の部活動では、専門性の高い部活動指導員を確保し、活用していくことが可能です。
 都立学校ではパソコンが一人一台貸与され、成績処理等を電子的に行っております。小中学校では、校務支援システムを導入している自治体は約三分の二程度で、パッケージや内容もばらつきがありますが、区市町村へのICT化支援によって、教員の負担を軽減できるものと考えます。
 教員の業務負担を軽減し、教育に注ぐ時間を確保するため、教員以外の人材活用や区市町村への校務のICT化など、支援を行っていくことが効果的だと考えますが、都の考えを伺います。
 日本では長時間労働が当たり前のように行われてきましたが、過労による自殺を含む過労死の事件がきっかけとなり、民間企業でも働き方の改革が始まりました。
 小池知事は、テレワーク、時差ビズ、働き方改革宣言企業を柱として、企業の働き方改革を支援しております。東京においては、とりわけ満員電車が大変な負担であり、本年七月の十一日から二週間、鉄道の混雑緩和に向けた取り組みとして、時差ビズを都が主導して実施したことは大変価値のあるものであります。
 そこで、この夏、初の試みとして実施した時差ビズの内容と結果、そして、今後さらに拡大をし、定着させていくための方策について、知事のご見解を伺います。
 都庁でも、十一月七日に働き方改革宣言を行い、働き方改革を進めておられます。人口減少、超高齢化という大きな潮流に向かう東京において、都庁が取り組むべき課題も多様化をしており、これまで以上に都民サービスを充実させ、都庁の組織、制度、文化を見直し、業務の効率化やさらなる機能強化を図っていかなくてはなりません。
 都庁においては、窓口業務や交代制で働く職場、また現場に赴いての業務など、さまざまな業務が存在しますが、都庁が働き方改革に取り組む意義について、知事にこのご見解を求めます。
 また、利益を追求しない都庁における生産性向上とはどのような状況を指すのか、そのためにどのような環境整備が必要なのかについて伺います。
 働き方改革を根づかせていくには進捗管理も重要です。どのような指標をもって進捗管理を行うのかについて伺います。
 次に、環境政策と安全政策について伺います。
 東京都の環境政策について、まず知事が新機軸を打ち出されたことを歓迎いたします。
 来年ポーランドで開催される国連気候変動枠組条約の第二十四回締約国会議、COP24では、二〇五〇年以後、二十一世紀後半には温室効果ガスの排出を実質ゼロにするパリ協定の実施ルールを採択する予定になっています。
 東京都は、エネルギーの大消費都市であり、気候変動の原因である温室効果ガスの排出に多大な寄与をしています。これを踏まえ、東京都では、二〇一五年度から二〇一九年度のスマートエネルギー都庁行動計画を実施し、二〇一九年度の計画最終年の目標は、温室効果ガス排出量を二〇〇〇年度比二五%削減する、再生可能エネルギーを四千二百キロワット新規導入するなどとなっております。
 二〇一七年度はその中間年ですが、電力自由化を踏まえて、二〇二〇年からの次期行動計画では一〇〇%再生可能エネルギーの導入目標を立てられるよう、直ちに検討を開始することを求めたいと考えます。
 また、東京都の排出量取引制度も二〇一五年度から二〇一九年度が第二計画期間となっています。これまでは、企業は電力を選ぶことができず、電力の温室効果ガス排出原単位を固定していましたが、電力自由化になり、電力をどこから買うかも選択できることをどのように制度に組み込むか、大きな課題であります。
 国は、固定価格買い取り制度による電力を排出量取引制度に組み込むことには否定的ですが、再生可能エネルギーの普及の観点から、東京都の独自制度であるスマートエネルギー都庁行動計画や排出量取引制度の中でどのような判断をするか、再検討の余地があります。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開会式と閉会式の四日間において、温室効果ガスをオフセットする東京ゼロカーボンフォーデーズの企画は、ショーウインドー的な効果があり、ぜひ実現していただきたいと考えます。
 また、東京都は、来年五月、欧米の先進都市も交えてアジアの大都市の環境国際会議の開催を計画しています。大気汚染や水質汚濁も大きな課題でありますが、温室効果ガスの排出削減問題も避けては通れません。
 来年五月に東京で開催される国際会議、ポーランドでのCOP24に向け、さらに二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都排出量取引制度の第三計画期間及びスマートエネルギー都庁行動計画の制度設計において飛躍的な前進を図ることができるよう、早急に学識者や実務者による検討会を発足して、集中的な検討を開始する必要があると考えますが、基本的な考えを知事にお伺いいたします。
 環境影響評価制度の全面見直しは、既にことし六月の市場問題プロジェクトチームの報告書で指摘をされていた事項であり、今回の環境影響評価条例の抜本的な見直しには、他の地方自治体と同様、審議会において専門的見地からも審議され、時代に即した条例となるよう改正すべきと考えます。
 そこで、環境影響評価制度の全面見直しについて、都の考えを伺います。
 東日本大震災の際、都内では人があふれ、大きな混乱が発生しました。そこで都は、震災から二年後の平成二十五年四月に東京都帰宅困難者対策条例を施行するとともに、平成二十三年度から二十七年度の五カ年計画により、都市機能の維持に不可欠な施設への自立分散型電源導入や燃料供給体制を整えてきました。これに加えて、都では指揮系統となる都庁舎の電力供給体系の二重化も進めています。
 平成二十八年四月に発生した熊本地震では、庁舎が被災したため、避難行動要支援者の名簿を活用できないなどの機能低下が発生しました。大規模な都市である東京では、都と連携をする区市町村との連携の確保を含めて、通信を初めとして、指揮命令系統の機能維持に不可欠な電源を確保することが肝要であります。
 この観点から、太陽光やバイオマス、さらに水素エネルギーや電気自動車のバッテリーなどの再生可能エネルギーや分散型エネルギーは非常用電源に適しており、災害対策としても普及を推進するべきであります。また、これらの電源に限らず、区市町村庁舎には非常用電源を確保していくことが必要であります。
 そこで、区市町村庁舎における非常用電源に関し、整備状況及び東京都の取り組みについてを伺います。
 平成二十七年、調布飛行場を離陸した直後の自家用機が住宅街に墜落をし、八人が死傷した事故が発生しました。航空機事故は原因究明が難しく、被害者救済に時間がかかるケースが多くありますが、都営空港を離着陸する飛行機による都内での事故について、被害者を迅速に救済できる制度をつくり、今なお苦しまれている調布飛行場の事故の被害者の方々にも適用するべきと考えます。
 そこで、このような事故の再発防止対策と被害者救済に向けた取り組みについて、都の見解を伺います。
 次に、待機児童などの対策、教育について伺います。
 小池知事は、待機児童解消を都政の最重要課題の一つと位置づけ、去年の緊急対策に加え、ことしの九月には追加対策も行われています。
 東京都では、追加対策に関する区市町村への説明会等を開催するなどしており、賃借料補助、ICT化促進、監視モニターやベビーセンサーなどについての問い合わせがふえ、その効果があらわれつつあると伺っておりますが、まだまだ待機児童の解消に至るまでには道のりがあるようであります。
 平成二十九年四月の待機児童八千五百八十六人のうち、ほとんどがゼロ歳から二歳までの低年齢児が占めています。待機児童対策は、すなわち低年齢児受け入れ対策だといえます。
 認可保育所一辺倒だけではなく、保育ママやベビーシッターも含めたさまざまな保育サービスを拡充していくことで、低年齢児の受け入れを促進すべきだと考えますけれども、都の考えを伺います。
 国の示す幼児教育の無償化問題では、認可外保育園も対象とすることとあわせて、無償化よりも保育園の待機児童対策が先という議論となっているようですが、東京都では三十一年までに待機児童ゼロを目指しています。
 去年の緊急対策において、都として支援を開始した認可外保育施設の利用者負担軽減についてですが、都の財源を活用して、区市町村が利用者への助成額を充実するなどの効果があらわれてきていると聞く一方で、都民への助成内容はまちまちで、都民の間からも差が生じている状況もあります。
 利用者負担の軽減についての都の考えを伺います。
 中学生や高校生らがインターネットで知り合った相手に自分の裸などを送らせられる、いわゆる自画撮りの被害が後を絶たないことから、今定例会に青少年健全育成条例の改正案が提出をされています。
 改正案では、十八歳未満を都内でだましたりおどしたりして撮影をさせた裸などの画像や映像の提供を求めた段階で処罰できることとなっております。しかし、自画撮りはインターネットを介して行われるため、県境を越えることが推測できます。
 そこで、国への法整備要望はもちろんのこと、同じく十二月定例会で同趣旨条例が提出をされる兵庫県以外の道府県に対し、規定整備を強く求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、悪質な行為について罰則をもって禁止をすることにより、青少年への不当な要求を抑止するため、普及啓発を所管局初め、全庁的な取り組みが必要と考えますが、都の考えを伺います。
 都立中高一貫教育校は、将来、社会のさまざまな分野でリーダーとなり得る人材を育成するため、高校受験のない六年間という期間を生かして、継続的、計画的な教育を展開するものであり、生徒の能力、資質をより高く開花させ、将来の日本を支える優秀な人材を育成する上で効果の高い取り組みの一つと考えます。
 都立中高一貫教育校は、おおむね旧学区に一校、全部で十校あり、都内のどこからでも通える範囲に一校あることは、東京都の中高一貫教育に関する取り組みが全国的に見ても充実をしているといえます。
 これまでの都立中高一貫教育校の成果を踏まえ、より効果的な教育内容や適切な運営方法など、さらなる充実策を検討していくべきと考えますが、東京都の考えを伺います。
 また、都立立川国際中等教育学校では、平成三十四年度に附属小学校を新たに設置し、小中高一貫教育を実施する予定となっております。
 小中高一貫教育校では、世界で活躍をし、貢献できる人間を育成していくことを教育理念とし、現在、都立小中高一貫教育校教育内容等検討委員会報告書に基づいて、具体的な教育課程を検討中であると聞いております。
 そこで、東京都の小中高一貫教育校の設置に向けた取り組みについて伺います。
 高齢化、女性の社会進出、障害者の地域生活移行や就労の進展などに伴い、介護、保育、障害等の福祉ニーズが増大する中、それらを担う人材の確保が大きな課題となっております。
 福祉の職場には、給与や福利厚生等の処遇の問題に加え、肉体的、精神的に厳しいなどのイメージがあること、また、小規模な事業者が多いため、人材不足は深刻であります。福祉サービスのさらなる拡充のためには、サービスを担う人材の確保は急務であり、確保、育成、定着の全ての段階における対策が必要であります。
 一方、高齢者が、可能な限り住みなれた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことを可能としていくためには、十分な介護サービスの確保のみにとどまらず、高齢者みずから積極的に介護予防に取り組むことや、区市町村において高齢者の自立支援に資する取り組みを推進するなど、高齢者が生きがいや役割を持って生活できる地域づくりが必要であります。
 東京都では、現在、第七期高齢者保健福祉計画を策定中とのことですが、介護予防にかかわる人材をどのように確保、育成し、介護予防の取り組みを推進していくのか、都の考えを伺います。
 教育においては、多様な選択肢を用意することが大切です。専修学校のうち、専門課程を置く専門学校は、学校教育法の中で、実践的な職業教育や専門的な技術教育を行う教育機関として、特に資格取得や就職支援など、豊富な経験を有しています。
 専門学校では、そのノウハウを生かして、地域の中高生、フリーターや離職した女性や中高年などを対象とした就職支援の取り組みを行っており、東京都はこのような取り組みを支援していましたが、残念なことに、この補助金は平成二十七年度に廃止をされてしまいました。
 多様性に富んだ社会、ダイバーシティー東京を実現していく上で、情報処理、農業、医療、調理、保育、介護福祉、経理、簿記、ファッションデザイン、グラフィックデザインなど、社会のニーズに対応した多種多様な分野にわたるプロフェッショナルを育成する専門学校の支援を拡充していくべきと考えますけれども、知事の見解を伺います。
 次に、東京の経済活性化について伺います。
 金融は経済の血液です。海外ではこれまで、米国市場ではニューヨーク、欧州市場ではロンドンが国際金融センターの機能を担ってきました。かつて東京は、ニューヨークやロンドンと並ぶ国際金融都市の地位を占めていましたが、アジアにおける香港やシンガポールの発展などにより、アジアにおける東京の地位が相対的に低下していることは否定できない事実です。
 オリンピック・パラリンピックを控え、世界から東京への注目度が高まっている今こそ、東京がアジアナンバーワンの国際金融都市の地位を取り戻すラストチャンスであります。
 なぜ今、東京がアジアナンバーワンの国際金融都市の地位を取り戻すことを目指すのか、知事の見解と国際金融都市東京に対する決意を伺います。
 また、国際金融都市東京構想をスピード感を持って実現するため、具体的にどのような施策内容なのかを伺います。
 また、東京がアジアナンバーワンの国際金融都市の地位を取り戻すためには、香港やシンガポールとの競争に勝つため、東京、日本ならではの国際金融センターとしての魅力をどのように打ち出していくのか、都の見解を伺います。
 二〇二〇年大会の開催を契機として、中長期的なさまざまなビジネスチャンスが見込まれる中で、東京都では、世界発信プロジェクトを実施して、中小企業に多くの仕事の発注が及ぶように支援をしています。特に、プロジェクトの一つであるビジネスチャンス・ナビは、組織委員会等から電子入札で発注が出る仕組みとなっています。
 しかし、今後は、世界発信プロジェクトでなければできない事業に絞り込んでいくとか、中小企業同士で商談をしていけるような工夫をするなど、二〇二〇大会後も継続できるような改善が必要であります。
 こうした観点から、世界発信プロジェクトを改善していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京を訪れる海外からの観光客の利便性を高めるには、都内の訪問スポットを効率的に見て回ることができるよう、タクシー利用を広げることが有効であり、タブレットを活用して、タクシーの中で多様な観光情報を自国の言葉で理解できる案内システムを築き上げていくことや、タクシー料金や買い物の支払いなどの決済を車内でできる仕組みづくりを行うことも有効であります。
 そこで、東京へのインバウンドをふやすための観光振興に向け、タクシーをどのように活用していく考えがあるか、知事の所見を伺います。
 都内の商店街は、住民の買い物の場としての商業機能を担い、地域経済の活力を維持する上で極めて重要な役割を果たしております。
 一方、多くの商店街では、少子高齢化に伴う深刻な後継者不足などに見舞われて、存在が危ぶまれる事例などがふえ続けています。
 東京都も新・元気を出せ商店街事業などにより、来客をふやすためのイベント開催助成などに取り組んでおりますが、十分な効果を上げるためには、予算の組み替えなどの工夫が必要であります。
 これまでの商店街支援策のあり方を改めて見直しながら、新しい視点に立って、今後の商店街の活性化と発展とを後押しする施策が必要であると考えますが、今後の商店街振興に向けた施策について、知事の見解を伺います。
 東京の都市農地は、景観や環境に加え、災害時の避難地としての役割も担ってきました。しかし、東京の都市農地は年々減少傾向にあり、都市農地を守り、農業経営の継続を確立していくため、区市との連携を図りながら、生産緑地の面積要件緩和や特定生産緑地制度の活用を促すよう支援していくことが重要であります。
 今般、都市緑地法一部改正により、住居系用途地域に田園住居地域が創設をされ、農産物の直売所や農家レストランなど、農業用施設の建築が可能となりました。
 そこで、農業生産を柱に付加価値を高め、地域のにぎわいを創出していくため、各地の事例の情報を提供しながら、民間の知恵や活力を生かして、にぎわい創出に向けて取り組むべきと考えますけれども、東京都の考えを伺います。
 日本各地で大規模な地震、豪雨災害などが頻繁に起こり、被災地において水の復旧は命に直結をする大変重要な問題です。本年二月、都が全国に先駆けて東京水道災害救援隊、いわゆるTokyowater Rescueを結成したことが、都水道局の矜持を全国に示したものとして高く評価をいたします。
 また、震災に備えるためには、施設耐久化を初め、ネットワーク化が重要であり、特に多摩地域の水道事業は、現在は名実ともに都営水道となっているものの、各市町の境界の連携が不十分であるなど、配水管網のおくれなどが指摘をされています。
 多摩地区における今後の水道管の整備に当たっては、水道事業の歴史的な経緯によって生じた区部と多摩の違いも十分踏まえて実施をしていくことが必要ですが、知事の見解を伺います。
 多摩振興に当たっては、市町村の厳しい財政状況を踏まえたきめ細やかな支援が必要です。
 先日、我が会派では、市長会及び町村会から、平成三十年度の東京都予算編成に関し、市町村総合交付金のさらなる拡充と市町村の自主性、特殊性を尊重した的確な配分、二〇二〇大会を契機とした地域活性化及び防災対策の充実強化など、さまざまな要望を伺いました。
 知事ご自身も、先月開催された都市町村協議会において同様の要望を受けたと聞いており、知事には、これから行われる予算編成の中で、これらの市町村の訴えに耳を傾け、市町村の厳しい財政状況に十分な配慮をしていただきたいと思います。
 多摩振興に関して、都は本年九月に新たな多摩の振興プランを策定しました。いよいよ本プランに掲げる施策を着実に実施していくステージに入ることになります。
 今後、多摩の振興に取り組むことで、多摩地域が成長し発展する可能性、多摩が持つポテンシャルについて、知事の思いと今後の取り組みに向けた決意を伺います。
 最後に、豊洲市場及び築地の場外市場について伺います。
 豊洲市場の開場日は、十一月六日の新市場協議会で平成三十年十月中旬とすることが了承されています。このように、開場日は十月十一日から二十日の間で決まっていますが、新市場協議会が平成三十年十月中旬の何日に開場するかを決定しないという状況が続いています。
 一方で、業者の方々、特に仲卸の組合である東京魚市場卸協同組合、通称東卸の方々に対する中央卸売市場当局の対応は不十分であります。東卸からは、既に多くの要望が都に寄せられています。
 例えば、ターレの充電用コンセントが新市場で合わない問題は、すぐにでも改善を約束するべき事案であります。また、早朝に豊洲新市場に通う市場関係者の公共交通がない問題も早急に改善計画を示し、市場関係者の不安払拭に努めるべき問題であります。このほか、仲卸の方々が安心して豊洲に移転できるように、きめ細やかな対応をしていかなければなりません。
 そこで、東卸を中心に寄せられている豊洲新市場の改善要望に対し、都はどのように対応するのかを伺います。
 築地の場外市場の方々は、築地市場の豊洲移転後のことを心配しております。場外市場には、仲卸業者の方々と同じような商売をされている方が多数おられ、買いつけに来る方の駐車場がなければ営業も成り立ちません。場外市場もなくなってしまっては、都にとっても大きな損失であります。
 築地市場内の駐車場については、市場関係者や場外市場の方々が、市場が移転した後も利用を希望しているという声を聞いています。築地市場の既存施設の有効利用という観点も含め、さまざまな要望への配慮を検討すべきと考えますが、都の考えを伺います。
 豊洲新市場の入札で不調が相次いでおります。震災復興工事では、入札不調を繰り返して価格をつり上げていたとして、公正取引委員会が調査に入るという事件がありました。豊洲新市場の建設工事は、東京都の仕事をほかにも受注している大手建設会社のJVが請け負っており、今回はその建物に関する附帯工事ですから、そのようなことはないと考えています。
 しかし、不調が続くことによって関係者にも不安が広がっていることも事実であり、新市場協議会で了承された来年十月中旬の開場に間に合うように工事会社を決めていかなければなりません。
 豊洲の追加工事の入札について、都はどのような見通しを持っているのかを伺います。
 来年十月中旬の開場まで残り十カ月となっております。豊洲新市場に多くの来場者が集い、活気あふれる新市場として開場することが望まれますが、都は既に多くの見学者を募り、新市場のPRを行ってきています。今後さらに新市場をPRするには、国内のメディアはもちろんのこと、海外のネットワークにも豊洲の安全性をアピールし、来場者を呼び込む必要があります。
 豊洲新市場のにぎわい施設とともに、新市場や豊洲のまちそのものに多数の方々に来ていただく工夫が求められますが、その方策について伺います。
 以上をもちまして、都民ファーストの会東京都議団を代表しての質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山内晃議員の代表質問にお答えいたします。
 まず冒頭、都政への決意についてのお尋ねがございました。
 このたびの総選挙に当たりましては、私自身の行動によりまして、都議会の皆様、都民の皆様を困惑させ、ご心配をおかけいたしました。そうした思いのもとで、みずからを厳しく省み、改めて都民第一、都民ファーストの姿勢で都政に専念をしていく、このことを改めて申し上げます。
 ご承知のように、人口減少と超高齢化によりまして、東京、ひいては日本にはかつてない危機が見込まれている、そういう中で、都は改革のスピードを上げるとともに、人に焦点を当てた施策を初め、課題解決に向けた幅広い政策を展開することによって持続的な成長を実現して、日本全体を牽引していかなければなりません。
 東京に課せられました使命を肝に銘じながら、改めて私は先頭に立ち、東京大改革を推し進めて、新しい東京をつくり上げていく所存でございます。まさに一心一意の思いでございます。都議会の皆様と建設的な議論を積み重ねながら、改めて都政に邁進する決意でございます。都議会の皆様、都民の皆様のご理解、ご協力、よろしくお願いを申し上げます。
 地方消費税の清算基準の見直しについてのお尋ねがございました。
 国で今議論がなされております地方消費税の清算基準の見直しですが、税収を最終消費地に帰属させるという本来の趣旨をゆがめるというだけではありません、地方が抱える巨額の財源不足を、日本の経済成長を支える東京などの地域に穴埋めさせるものにほかならないではありませんか。
 地方分権の理念に逆行するこうした見直しが断行されれば、東京の貴重な財源が失われ、都民生活に大きな影響をもたらすことになりかねず、到底承服することはできないのではないでしょうか。
 このため、七月の全国知事会議など、あらゆる機会を捉えて都の主張を強く訴えるとともに、先月には、愛知県、大阪府、都内自治体とともに、地方税を所管する総務大臣への要請行動を行いました。
 また、総務省有識者検討会の検討状況に合わせまして、国の主張に対する反論書を発表し、宮沢自由民主党税制調査会長など税制調査会のメンバーや鴨下自民党都連会長、高木公明党東京都本部代表をはじめ、多くの国会議員の皆様に直接要請活動を行うとともに、全ての東京都選出の国会議員に対しましても精力的に働きかけを行うなど、都の主張の正当性を繰り返し訴えてまいりました。
 平成三十年度の税制改正はまさに大詰めを今迎えております。都議会の皆様方からも、国の動きに反対する意見書を全会一致で可決していただくなど、多大なご尽力をいただいているところでございます。
 都民の生活、東京の未来を守ることが都知事としての最大の責務であり、私みずから先頭に立って、最後まで力を尽くしてまいります。都議会を初め、東京にかかわる全ての皆様のご支援、ご協力、改めてお願いを申し上げます。
 加えて申し上げるならば、国は、都からの財源を奪い取ることだけを考えるのではなく、例えばオールジャパンの考えのもと、オリンピックに対しましても、より積極的に財政面での関与を行うべきだということをここで強く訴えてまいりたいと思います。
 障害者スポーツの振興についてでございますが、障害の有無にかかわらず、誰もが生き生きと活躍できる都市、ダイバーシティー東京を実現することが重要でございます。そのためにも、障害者スポーツを振興し、東京パラリンピックを成功に導いていく。
 具体的には、まず、障害者スポーツ応援プロジェクト、チームビヨンドや競技大会体験イベントなどを通じまして、その魅力、会場で応援する楽しさ、これらのことを多くの人に広めてまいります。
 そして、身近な地域におけます障害者スポーツの場といたしまして、都立特別支援学校の活用を順次拡大するほか、指導者養成事業などによりまして、支える人材の育成を行ってまいります。
 さらに、パラリンピックなどの国際大会を目指す選手の発掘、育成に加えまして、競技団体の基盤を強化するなど、競技力の向上を図ってまいります。
 これらの多角的な取り組みによりまして、大会後の社会に障害者スポーツをレガシーとして根づかせてまいります。
 先日行われましたパラリンピック千日前イベントでは、都民、国民の皆様と大会の成功を祈るために、都内各所でライトアップを行いました。その明かりが皆様の心にともって大きな光となるように、障害者スポーツの振興に全力を尽くしてまいります。
 受動喫煙防止対策についてのご質問がございました。
 ことし九月に公表いたしました東京都受動喫煙防止条例、仮称でございますが、この基本的な考え方への意見募集におきましては、約一万七千件のさまざまなご意見をちょうだいしたところでございます。
 また、ことしの七月から八月にかけて実施をいたしました受動喫煙に関する都民の意識調査では、約八千七百人の方からご回答をいただいて、その七割の方が法的な規制に賛成とお答えになっておられます。飲食店や宿泊施設を対象に行った調査で見ましても、屋内の禁煙、分煙の取り組みは着実に進んでおります。
 お話にありましたように、国際条約でありますたばこ規制枠組み条約、いわゆるFCTCでありますが、その実施のためのガイドラインにおきましては、受動喫煙防止対策として罰則つきの立法措置を求めております。
 また、WHOとIOCは、たばこのないオリンピックを共同で推進することに合意をいたしておりまして、近年の大会開催都市では屋内を全面禁煙とするなど、法律や条例で罰則を伴う受動喫煙防止対策を講じております。
 こうしたことを踏まえながら、現在実効性のある条例制定に向けまして検討を重ねているところでございます。来年の第一回定例会には条例案を提出する考えでありまして、二〇一九年ラグビーワールドカップ開催までの施行を目指してまいります。
 オリンピック憲章の精神を実現するための取り組みについてのご質問でございます。
 二〇二〇年東京大会を成功させるためには、外国人はもとより、女性も、男性も、子供も、高齢者も、障害のある方も、LGBTの方なども、誰もが希望を持って生き生き生活ができ、活躍できる都市、すなわちダイバーシティーを実現しなければなりません。
 都はこれまでも、ダイバーシティーをテーマとした大型人権啓発イベント、ヒューマンライツ・フェスタ二〇一七や人権週間行事、さらには東京都人権プラザでの啓発などを通じまして、あらゆる差別を許さないという人権意識が広く浸透した社会の実現に向けて取り組んでまいりました。
 お話のオリンピック憲章の考え方でございますが、ダイバーシティーの実現に資するものであります。このため、そこに掲げられた理念を東京のまちの隅々にまで行き渡らせ、都民の皆様と意識を共有するために条例化に向けた検討をするように指示をしたところでございます。
 今後、オリンピック憲章の精神を東京で実現していくため、より一層取り組みを推進してまいり、都民の皆様とともに、多様性が尊重され、温かく優しさにあふれる都市をつくってまいりたいと思います。
 大会経費の縮減についての取り組みについてでございます。
 都民に支持され喜ばれるオリンピック・パラリンピックとするためには、大会経費の圧縮に向けた取り組みは重要でございます。昨年、都、IOC、組織委員会、国の四者協議におきまして経費の精査を行って、その後も、ことし五月の大枠の合意に向けまして、都、組織委員会、国の三者で大会経費の縮減に取り組んでまいりました。
 本年十月にコーツ委員長が、冬季大会では五億ドル、夏季大会では十億ドルを節約したいと発言をしていますが、目指す方向は同じでございます。
 一方で、競技種目数の増加など、コスト増に影響する要素もあることから、大会経費の縮減は容易な課題ではございません。
 都といたしまして、毎年度更新される大会経費全体の予算の作成に当たりましては、費用対効果を踏まえて、必要な経費をしっかりと見きわめて精査をしてまいります。また、組織委員会と連携いたしまして、IOCに対しては、放送用回線の二重地下化などの要件の見直し、緩和を求めてまいります。
 こうした経費縮減に向けた取り組みをIOCと共有いたしまして、パリなど次の大会以降の開催都市に、大会の財産として引き継いでまいりたい考えであります。
 次に、入札契約制度改革についてでございます。
 今回の改革は、六月下旬に公表を開始した財務局契約案件から開始をして、順次対象を拡大しながら、一年間の試行として実施することといたしておりまして、そして第三者機関である入札監視委員会におきまして、来年三月の検証結果の取りまとめを目指しまして、先月から本格的な検証作業を行っていただいております。
 一方、豊洲市場の件につきましては、業界の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、早期に具体的な移転の準備を進めていく必要がございます。
 このために、追加対策工事につきましては、適切な手続を踏みながら、速やかな契約締結に向けまして再発注を進めているところであります。七月末までに専門家会議の確認も含めまして工事を完了させる方針でございます。移転、開場日に影響が出ないように取り組んでまいります。
 続いて、時差ビズについてでございます。
 満員電車の混雑緩和は、社会の生産性向上のための重要な課題であります。快適に通勤することのできる環境づくりを進めていくことが重要。この夏実施した時差ビズにおきましては、約三百二十社の企業にご賛同いただきまして、オフピーク通勤を促進する取り組みを一斉に行いました。
 民間のインターネット調査によりますと、約七割の方々が時差ビズを認知しているとの結果が得られております。
 また、時差ビズを契機として、テレワークや時差出勤の制度の定着、鉄道事業者によりますオフピーク通勤者への特典付与の拡大など、取り組みの輪が着実に広がりを見せてきております。
 先月には、積極的に活動した企業などを時差ビズ推進賞として表彰いたしまして、その取り組み内容を広く紹介をいたしました。
 来年度は、時差ビズの実施時期や日数の増加を検討するとともに、企業や鉄道事業者などと連携をいたしまして、さまざまな工夫を取り入れながら、ムーブメントの輪をさらに広げて、新たな常識として定着をさせていきます。
 働き方改革についてのご質問がございました。
 我が国が直面する少子高齢社会におきましては、生産性を高めていくことは、将来への成長を維持していく上で必要不可欠でございます。そのため、働く側の価値観やライフスタイルの多様化に応じました選択肢を広げていく、働き方改革のムーブメントを都から先導する必要がございます。隗より始めよの認識のもと、都庁への柔軟な働き方導入に積極的に取り組んでまいります。
 今回の改革の主眼でございますが、勤務時間に合わせまして一斉に業務を処理するこれまでの固定的な働き方から、業務の状況に合わせて職員が主体的、計画的に勤務時間や場所などを選択できる、弾力的な働き方への転換を可能とするというものでございます。
 このことは、職員個人のライフワークバランスを大きく後押しするだけでなく、組織にとりましても、有為な人材や就業の継続が確保できる、時間、場所を柔軟に活用することで行政課題への即応力が高まる、これらのことが期待できます。
 今後も、都庁の多様な現場の特質に応じまして、長時間労働の是正や柔軟な働き方の実現、さらには健康保持、休養確保への休み方改革など、さまざまな取り組みを行うことによりまして、全ての職員のマンパワーを最大限に発揮できる生産性の高い都庁を実現してまいります。
 二〇二〇年度以降のキャップ・アンド・トレード制度及び次期都庁行動計画の検討についてのご質問でございます。
 都は、温室効果ガスの排出量を二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減するというEUや他の大都市とも遜色のない水準の目標を掲げております。
 この目標の達成に向けましては、これまで大きな成果を上げているキャップ・アンド・トレード制度は不可欠な手段でございます。第三計画期間の制度設計に当たりましては、専門家の検討会の設置に向けまして早急に準備を進めてまいります。
 また、都庁みずからの次の行動計画につきましては、キャップ・アンド・トレード制度の検討準備を見据えながら、最先端の省エネ対策、再生可能エネルギーの一層の導入、これらを図るために都有施設の詳細な分析や技術動向の調査などを行ってまいります。
 都は、世界有数の大都市の責務といたしまして、気候変動対策を着実に展開して、持続可能な都市東京を目指してまいります。
 いわゆる自画撮り被害の防止に係る法整備についてのご質問がございました。
 次代を担う子供たちは東京の宝でございます。その健やかな成長に対するあらゆる脅威は断じて許されるものではありません。子供の判断能力の未熟さにつけ込んだ性的な自画撮り画像の要求行為は、現行法制度では取り締まるための規定がありません。そして、その被害は後を絶たず、喫緊の課題となってまいりました。
 都といたしましては、被害防止の取り組みを強化するために、条例改正によりまして、子供を守るための普及啓発などのさらなる充実、民間技術の活用に加えまして、子供に画像の提供を執拗に要求するなどの行為を罰則をもって禁じて、抑止を図っていくことといたしました。
 要求行為の多くはインターネットを介して行われることから、より効果を高めるためには、同様の規制を全国的に広めていく必要がございます。
 そこで、都は、国に対しまして、法規制の要望を重ねて行うとともに、道府県に同様の条例規定の整備が図られますよう、さまざまな機会を活用して積極的に情報提供を行ってまいります。
 今後とも、子供たちを取り巻く脅威に的確に対応して、子供たちを健全に育む社会の実現をさらに加速してまいります。
 専門学校への支援についてのご質問でございます。
 専門学校は、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行って、さまざまな分野のスペシャリストの育成に大きな役割を果たしていると認識をしております。
 これまでも、都といたしまして、国との役割分担を踏まえながら、教育環境の整備を目的とした設備等への補助など、専門学校に対しましては独自に必要な支援を実施してまいりました。
 現在、東京が直面している課題であります超高齢社会への対応、待機児童の解消、産業の一層の活性化などに取り組んでいくためには、各分野で活躍できる人材の育成が急務でございます。とりわけ私の目指しますダイバーシティー東京を実現するためには、専門学校で学んだ多くの専門人材が福祉やものづくりなどの現場で活躍する、そのことも重要であります。
 こうしたことから、実践的な職業教育や専門的な技術教育がより効果的に行われますよう、専門学校への支援のあり方について検討してまいります。
 国際金融都市東京構想の目的についてのご質問がございました。
 金融の活性化は、ロンドンやニューヨークの例をまつまでもなく、都市の魅力、そして競争力の維持には不可欠でございます。そして、東京の成長戦略に必須の要素と考えます。
 近年、アジアのライバルともいえますシンガポールや香港の発展によりまして、東京をめぐる国際的な競争環境が厳しくなる中で、東京が世界に冠たる国際金融都市としての地位を取り戻すには、まさに今回はラストチャンスであると考えております。
 このため、昨年十一月から約一年かけまして有識者によります懇談会で議論を行って、このたび国際金融都市東京構想を発表したところでございます。これからは具体的な行動につなげていく、その段階に入りました。
 十一月十五日から十七日にかけまして、私みずからシンガポールに赴き、世界の投資家や企業幹部などに対しても、東京を国際金融都市として復活させるための決意を示したところでございます。
 また、去る十二月四日、先日でございますが、ロンドンの金融の中枢でありますシティー・オブ・ロンドンと金融分野におけます合意書を締結いたしました。
 今後も、構想に掲げる各施策を可能な限り速やかに展開することによって、東京を再びアジアナンバーワンの都市に導いてまいります。
 世界発信プロジェクトについてでございますが、二〇二〇年東京大会の開催を契機といたしまして、中長期にわたってさまざまなビジネスチャンスが生まれることが見込まれます。これまでにないビジネスの盛り上がりを多くの中小企業に行き渡らせること、それが大切でございます。
 世界発信プロジェクトは、中小企業のすぐれた技術や商品などを国内外に伝えることによって、商談を数多くまとめ上げる有力なツールとしての役割を発揮することが重要でございます。
 そのため、大会の開催に係ります受注の確保にとどまらず、企業同士の取引を将来に向けて大きく伸ばす、より広い視野からプロジェクトを進めてまいりたいと考えております。
 特に、大会に関連する受注や商談の機会を提供する情報サイト、ビジネスチャンス・ナビにつきましては、大会後を見据えまして、多数の商談を成立させる、より高い機能をしっかり備えることに力を注いでいく必要がございます。
 プロジェクトにおきましては、中小企業の技術開発や販路の開拓など、さまざまな支援を展開しておりますが、事業や経費の必要性を改めて検証して内容を研ぎ澄ます、そのことによって大会の重要なレガシーの一つとしてまいりたいと考えております。
 外国人旅行者が利用するタクシーの活用についてのお尋ねでございます。
 都内各地には豊かな自然や食のほか、すぐれた文化や芸術など、昼夜を問わず楽しめる観光スポットが豊富に存在していることはご承知のとおりでございます。
 こうした魅力にあふれた東京のまちを、時間帯や距離を選ばずに効率よく快適にめぐることができる交通手段としてタクシーは有効であるということから、多くの外国人の旅行者に利用されているところでございます。
 このため、都は、さらなる利便性の向上に向けまして、タクシー運転手と外国人旅行者のコミュニケーションを手助けする多言語コールセンターサービスを実施しております。また、特区を活用いたしまして、ドライバーが英語での観光案内を行う観光タクシーの普及も図っております。
 今後は、ICT技術の進展も踏まえまして、タブレット端末などを、新しい多言語対応や旅行者のニーズが高い決済手段として活用するなど、おもてなしの環境を整えてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、東京を訪れる外国人旅行者の受け入れ環境の整備を着実に進めてまいります。
 商店街に対しての支援についてであります。
 商店街は、住民に身近な買い物の場としてその日々の生活を支えるとともに、人々が交流する地域コミュニティの中心として、暮らしの中に安全や安心を生み出す重要な役割を果たしています。
 しかしながら、近年、消費者の買い物のスタイルや商品へのニーズの変化によりまして、売り上げの伸び悩み、商店の後継者不足による空き店舗の発生など、商業活動の拠点としての活力を確保する上で厳しさを増しているところでございます。
 都内の商店街がにぎわい、地域において存在感を発揮できるよう、時代の変化に応じてより効果の高い支援を打ち出しながら、事業メニューの見直しを不断に行っていくことが大切であります。
 これからの商店街にとりましては、担い手の育成は最も重要。新しい発想を持ち、将来のリーダーとなり得る女性や若者の開業を積極的に後押しするほか、空き店舗を活用して意欲的に商売に取り組む人材の確保に力を入れてまいります。
 また、まちづくりの専門家などの人材を活用する新たな手法によりまして、商店街再生に向けた計画を描いて、その実現に向けて取り組む商店街への支援を行ってまいります。
 その一方で、例えば商店街の広域的な連携を促す先導的な事業につきましては、既に一定の成果を上げている中で、今後はより主体的に協力関係をつくり上げる仕組みへと見直してまいります。
 こうした取り組みを通じて、都内の商店街がいつまでも輝き続けていけるように力強く支援をしてまいります。
 多摩地区における水道管の整備についてのご質問でございます。
 多摩地区におきましては、かつて市や町がそれぞれ水道事業を経営しておりましたけれども、昭和四十年代の後半から都営一元化が進められまして、現在では二十六市町におきまして、区部と同様に都が運営をしているところでございます。
 都営一元化にあわせまして、都ではこれまで浄水場など基幹的な施設の強化や拡充を進めてまいりましたが、配水管につきましては、市町単位で構築された施設を都が引き継いだ歴史的な経緯がございまして、市町域を越えたネットワークが十分ではないわけでございます。
 そのため、災害などによって、配水管の事故が発生した場合には十分なバックアップ機能がなくて、断水の被害が広範囲に及ぶ懸念がございます。
 そこで、ことしの三月に策定いたしました多摩水道運営プラン二〇一七におきましては、市町の域を越えた広域的な配水管のネットワークを計画的に整備していくことといたしました。
 今後は、この運営プランに基づきまして、水道施設の整備を積極的に進めて、多摩地区において、より一層、強靱な水道システムを構築していく所存でございます。
 そして多摩振興についてのご質問でございます。
 多摩地域は、東京の三分の一、都道府県レベルで見ますと、全国で十番目の規模に相当する四百万人もの人口を擁して、高い技術力を持つ中小企業、大学、研究機関が集積するなど、多くの強みを有しているところでございます。
 また、豊かな自然や歴史、文化、地域の特産物など、東京ブランドの種となり得る、きらりと光る宝物がたくさんございます。そして、その発展は東京の活力を一層伸ばしていく上で欠くことができません。
 そして、二〇一九年にはラグビーワールドカップ、翌二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックの開催と、多摩地域にとりましてはさらなる発展へとつながる絶好の機会が訪れるわけでございます。
 こうした機会を捉えまして、多摩地域がそのポテンシャルをいかんなく発揮して、今後も持続的に発展していけるように、二〇二〇年に向けた実行プランを踏まえた取り組み、二〇二〇年の先を見据えました多摩の目指すべき地域像と施策の方向性を示します、多摩の振興プランを策定したところでございます。
 今後、市町村とも緊密に連携をしながら、人口動向、産業構造、行財政制度など、地域特性を踏まえた振興策を着実かつ効果的に推進をいたしまして、多摩地域の持続的発展につながりますよう全力で取り組んでまいります。
 なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長よりの答弁とさせていただきます。
 大変お聞き苦しい点がございましたところ、恐縮でございます。おわびいたします。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、学校における働き方改革の推進についてでございますが、学校現場において教員は授業や授業準備はもとより、いじめや不登校への対応、部活動指導など広範な役割を担っており、こうしたことが教員の長時間労働の大きな要因となっております。
 また、学校徴収金の徴収、管理や、学習評価、成績処理等に関する事務が教員の負担となっておりますことから、業務の効率化やシステム化を一層推進する必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、今後策定する働き方改革推進プランにおいて、教員以外でも対応できる業務を行う専門スタッフの配置や、都立高校等におけるより効率的、効果的な情報システムの調査研究、小中学校における校務のICT化に向けた区市町村教育委員会への技術支援策等について、総合的に検討を行ってまいります。
 次に、都立中高一貫教育校についてでございますが、都教育委員会では、東京都の公立学校における中等教育の複線化を図るため、通学時間や地域バランス等を考慮して、十校の都立中高一貫教育校を設置してまいりました。
 都立中高一貫教育校では、六年間の一貫した教育を通じて生徒一人一人の資質、能力の伸長に取り組むことにより、難関といわれる大学に毎年一定の合格者を出すとともに、科学分野の国際オリンピック等で活躍する生徒や海外大学への進学に挑戦する生徒など、多様な人材の育成に取り組んでおります。
 昨年の三月で十校全てから卒業生を輩出したことを踏まえ、現在、これまでの成果の検証や課題の把握を行っており、今後の都立中高一貫教育校十校における教育がさらに充実したものとなるよう取り組んでまいります。
 最後に、都立小中高一貫教育校についてでございますが、都立小中高一貫教育校では、十二年間の教育活動を通して国際的に活躍できる人間を育成していくため、言語能力を育成する教育、他者と協働して新しい価値を創造する力を育てる異文化、異学年交流や体験活動、論理的思考力を高める探求活動等、さまざまな教育を実践してまいります。
 特に英語教育については、一貫教育の利点を生かし、小学校一年生から系統的、継続的に行うことで高い語学力の獲得を目指しており、このため、現在、学習指導要領に示されていない内容も含め、小学校六年間の具体的な学習内容の策定に取り組んでおります。
 今後、都教育委員会は、都立小中高一貫教育校の教育内容や施設整備、入学者決定に係る検討等を行い、平成三十四年度の開校に向け着実に準備を進めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、障害者の活躍の場を広げる取り組みについてでありますが、二〇二〇年大会に当たりましては、障害者を初め、誰もが生き生きと活躍し、一人一人が参画できるよう取り組んでいくことが重要であります。
 そのため、都では、障害者就労施設等からの物品等の調達方針を策定し、受注機会の確保に努めており、東京二〇二〇大会ガイドブックの印刷などを発注しているところでございます。
 また、昨年度策定したボランティア戦略では、障害者が安心してボランティア活動に参加できるよう、環境の整備に取り組むこととしております。
 具体的には、一人一人の身体の状況に応じた適切な配置や、介助者などとグループで応募できる仕組みを構築してまいります。
 今後とも、大会開催に当たり、障害者がさまざまな機会を通じ、多様な活躍ができるよう取り組んでまいります。
 次に、ラグビーワールドカップの機運醸成についてでありますが、都はこれまでも、各地で開催されるテストマッチにつきまして、東京でもファンゾーン等を実施するとともに、各開催都市と協力したSNSによる広報や、会場での大会PRを進めてまいりました。
 また、ことし五月のプール組分け抽せん会や十一月の試合日程発表会では、各都市が同時にパブリックビューイングを実施するなど、一体的な取り組みを行っております。
 さらに、日ごろから大会マークを用いたバッジ、ポスターの活用や、大会公式メールマガジンの登録促進により、他の都市とともに認知度向上に努めております。
 今後、チケットの販売時期に合わせプロモーションを同時期に行うなど、効果的なPRを展開しながら、二〇一九年に向け一層の機運の盛り上げに取り組んでまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 東京大会に向けた機運醸成への取り組みについてでございますが、交通局では、二〇二〇年東京大会に向けまして、これまでも、オリンピック・パラリンピック準備局や組織委員会と連携し、大会関連情報の発信などを通じまして機運醸成に協力をしてまいりました。
 具体的には、昨年度、都営地下鉄駅構内におきまして、パラリンピック競技の魅力を体感できる大江戸ステーションスタジアムを実施し、その取り組みを車内中づり広告などでPRをいたしました。
 また、先月には、地下鉄の車内液晶モニターを活用しまして、千日前キャンペーンの広報動画を放映いたしました。さらに、大会の開催を記念した特別仕様ナンバープレートを都営バス約千五百両に装着することといたしまして、順次作業を進めてございます。
 今後とも、都営交通のさまざまな媒体の活用を通じまして、大会に向けた機運の醸成に貢献してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、子どもを受動喫煙から守る条例の普及啓発についてでありますが、都は現在、ホームページ、広報誌等を活用した普及啓発を進めており、今後、区市町村や関係機関に対しまして、条例の趣旨や目的などをわかりやすく示したポスターやリーフレットを配布し、保健所や学校、医療機関などに掲示するよう働きかけていく予定でございます。
 また、子供連れが訪れる機会の多い飲食店に対しましては、受動喫煙防止対策研修会で周知するほか、店内の禁煙、分煙等の取り組み状況を店頭に表示するステッカーとあわせて、リーフレットを配布する考えでございます。さらに、包括補助を活用して区市町村が独自に行う取り組みも支援し、条例の普及啓発を進めてまいります。
 次に、保育サービスの拡充についてでありますが、都は現在、ゼロ歳児から二歳児の保育サービスについて、区市町村が年度当初の待機児童数以上の定員拡充などを行う場合、保育所等の整備費の負担軽減を行っております。
 また、昨年の緊急対策では、空きスペース等を活用した定期利用保育への支援を拡充するほか、今年度から企業主導型保育施設への補助を開始するなど、待機児童解消に向けた効果的な取り組みを進めております。
 お話のように、都の待機児童は、その九割以上がゼロ歳児から二歳児までとなっており、今後、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型の保育サービスなど、多様な保育資源を活用しながら、待機児童の解消に取り組む区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、認可外保育施設の利用者の負担軽減についてでありますが、都は昨年度の緊急対策において、認可外保育施設を利用する保護者の負担を軽減する事業を開始し、二十二区二十三市一町がこの事業を活用いたしました。そのうちの七区市では、それまでの助成額を増額するなど、利用者負担の軽減が図られております。
 今年度は、二十三区二十六市一町が活用を申請しており、そのうち二十七の区市が助成額の増額や助成対象施設の拡大を行い、さらなる負担軽減を図るとともに、三市が新たに補助制度を創設する見込みでございます。
 認可外保育施設の利用者の負担軽減は、区市町村が地域の実情に応じ、議会の議論を経て実施しており、都は今後とも、本事業の積極的な活用を働きかけてまいります。
 最後に、介護予防を支える人材の確保、育成についてでありますが、都は今年度から、リハビリテーション専門職等と連携して、体操などを行う通いの場の運営ノウハウの提供や、ボランティアの養成などを行う地域づくり推進員を新たに地域包括支援センター等に配置し、住民が主体となって介護予防の取り組みを進める区市町村を支援しております。
 また、都における高齢者医療、研究の拠点である東京都健康長寿医療センターに介護予防推進支援センターを設置し、地域で介護予防に取り組む人材の育成や、専門的知見を生かした相談支援等を行っております。
 現在策定中の第七期高齢者保健福祉計画におきましても、地域における高齢者の自立した日常生活を支援するため、介護予防の推進と支え合う地域づくりを重点分野の一つに位置づけ、施策の充実を図っていく考えでございます。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 入札契約制度改革についてでございますが、今回の改革は、六月下旬に公表を開始した財務局契約案件から試行を開始いたしまして、財務局以外の知事部局の契約案件につきましても、十月末から予定価格の事後公表の試行を実施しております。
 第三者機関である入札監視委員会の制度部会には、十月末の状況につきまして、今後の検証の進め方に係る審議とあわせまして、十一月二十二日に報告を行ったところでございます。
 検証を適切に行うためには、データを用いた統計的な分析だけでなく、入札に参加される事業者等の現場の声をしっかりと把握することも重要であると認識をしております。
 今後、制度改革に関する建設業界団体との意見交換会を一月下旬に実施することを予定しておりまして、試行に関する現場のご意見もいただきながら、検証作業を進めてまいります。
〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都庁の働き方改革による生産性向上についてですが、公務職場でも限られた資源で最大の効果を実現することは不可欠であり、最小限のコストでより充実した質の高い行政サービスを提供していくことが求められます。
 現在進めている働き方改革は、効率的な行政執行はもとより、全ての職員がライフステージに応じた働き方を選択でき、マンパワーを最大限に発揮していける組織を実現するものであり、職員の意欲や業務の継続性が高まり、都庁全体の生産性向上につながるものと考えております。
 そのため、新しい働き方への意識改革やワークスタイルの変革、必要な制度の整備、さらに、ICT環境の充実などをあわせて進めていくことが重要となります。
 こうした認識のもと、今後も、誰もが活躍できる生産性の高い都庁を目指し、働き方改革に取り組んでまいります。
 次に、働き方改革の進捗管理についてですが、働き方改革は、職員のライフスタイルに応じた働き方を実現するだけではなく、都民サービスの向上を目指していくものでございます。したがって、的確な進捗管理も必要であります。
 そのためには、詳細かつ具体的な取り組みが職員、組織双方に求められ、改革の進捗状況や効果について指標で捉え、継続的に把握、評価していくことが重要となります。
 今後、超過勤務時間数、年次有給休暇や男性の育児休業の取得率などについて、部署ごとの目標設定の促進、職員アンケート等によるフィードバックに加え、ペーパーの削減数の把握など、既定の各種調査の活用も含め、また、あわせて生産性の向上の動向も視野に入れながら、重層的に取り組んでまいります。
 次に、区市町村庁舎の非常用電源の整備等についてですが、大規模災害時に、まず被害状況を把握し対応を行う区市町村において、その庁舎の非常用電源を確保することは、迅速かつ的確に応急対策活動を進める上で極めて重要であり、各団体が確保に取り組む必要がございます。
 非常用発電機は多くの団体で整備されており、課題としては、長時間必要な発電ができることが望ましく、そのための燃料の確保等が重要であると認識しております。
 都ではこれまで、重要施設の電源確保のため、東京都石油商業組合と協定を締結するとともに、国、石油連盟など関係者との連携体制を構築し、非常用発電機への燃料供給体制の整備に努めております。
 今後とも、区市町村庁舎の非常用電源の状況把握に努めるとともに、非常用発電機の燃料確保を図ってまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 環境影響評価制度の見直しについてでございますが、環境影響評価条例の対象事業について施設の更新があった場合、新たに施設を設置する際と同程度の環境への影響を及ぼすおそれもあることから、これまでは条例の新設等の規定を適用して手続を実施してまいりました。
 しかし、高度成長期以降に整備した施設等、更新期を迎える施設の増加が見込まれるなど、制度を取り巻く状況の変化が生じてございます。
 環境影響評価手続は、事業者の一定の負担を伴うことから、施設の更新について対象を明確化するなど、より適切でわかりやすい手続が必要でございます。
 そのため、条例改正を含めた制度の見直しについて、今月中に環境影響評価審議会に諮問し、検討を進めてまいります。
〔港湾局長斎藤真人君登壇〕

○港湾局長(斎藤真人君) 調布飛行場周辺における航空機事故に関する再発防止対策と被害者救済に向けた取り組みについてでございますが、一昨年の墜落事故以来、都は、再発防止に向け安全対策を検討してまいりましたが、本年七月の航空機事故調査報告書等を踏まえ、さらなる対策に取り組むことといたしました。
 具体的には、自家用機の出発前点検における都独自の新たなチェックシートの導入や、必要滑走距離の基準を規定値よりも厳しくする調布ルールの策定など、より安全性の高い運航体制を確保いたします。
 被害者救済につきましては、都営空港を離着陸した航空機が都内で事故を起こした場合に、被害者を迅速に救済する制度を新たに整備いたしました。
 具体的には、被害者が当座必要とする資金を迅速に支出する一時支援金と、住宅の建てかえ費用等、速やかな生活再建を目的とした貸付金であり、本制度は一昨年の事故被害者に遡及して適用いたします。
〔青少年・治安対策本部長大澤裕之君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(大澤裕之君) 自画撮り画像の不当な要求行為の抑止に向けた取り組みの推進についてでありますが、条例規制による抑止効果を高めるためには、青少年に裸の画像を求めること自体が犯罪となり得るという認識を社会全体に広げていく必要があります。
 改正条例の施行に当たっては、犯罪を取り締まる警視庁を初めとした関係部局はもとより、国やさまざまな民間事業者の協力も得て、あらゆる機会での情報発信を通じて警鐘を鳴らし、要求行為の抑止を図ってまいります。
 加えて、関係機関や団体との新たな連携、連絡体制の構築により、具体的な被害の事例や傾向を共有し、それぞれの活動に反映させるなど、緊密な連携のもと、自画撮り被害の根絶に向けた取り組みを強化してまいります。
〔政策企画局長遠藤雅彦君登壇〕

○政策企画局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、国際金融都市東京構想の具体的施策についてでございますが、構想では、魅力的なビジネス面、生活面の環境整備、東京市場に参加するプレーヤーの育成、金融による社会的課題解決への貢献の三本の柱を掲げ、国際金融都市東京の実現に向けて必要とされるさまざまな施策を盛り込んでおります。
 今後、金融手続の相談体制や英語対応の強化、東京金融賞の創設、官民一体となったプロモーション組織の設立、新興資産運用業者育成プログラムの創設などの具体的な施策の実施に向けて検討をしてまいります。
 これらの施策を、都のみならず国内外の関係機関と連携し、スピード感を持って果敢に推進することで、国際金融都市東京の実現を目指してまいります。
 次に、東京、日本ならではの国際金融センターとしての魅力についてでございますけれども、世界第三位の経済大国である日本には、約一千八百兆円に上る個人金融資産がございます。中でも首都東京は、一千三百万人を超える人口、百兆円近いGDPに代表される巨大市場に加え、世界に誇る治安のよさを有しているという都市でございます。
 また、都内には高い技術力を有する中小企業を初めとする産業の厚みが存在することも、アジアのライバルにはない東京の強みと考えております。
 このような東京ならではの魅力を十分にアピールすることで、海外の金融系企業を積極的に誘致し、東京の成長につなげてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 農業生産を柱としたにぎわいの創出についてでございますが、農業や農地を地域のにぎわいの創出に生かしていくためには、都市の中で農産物を生産する東京農業の特徴を生かし、コミュニティやレクリエーション機能など、農地の持つ多面的機能を発揮させる取り組みが必要でございます。
 東京では、地域住民が集い交流する農業体験農園や、新鮮な農産物を収穫し、味わえる観光農園が多数開設されておりまして、共同直売所も含め、都はその整備を引き続き支援してまいります。
 また、地域の活性化に資する特産加工品開発等の取り組みや、にぎわいを創出するマルシェの開催などに対し、民間の専門家による助言も行ってまいります。
 今後は、こうした取り組みに加え、新たな発想を持つ女性農業者等、多様な担い手の育成支援の充実を検討するなど、地域のにぎわい創出に向けた取り組みを強化してまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲市場に関する要望についてですが、築地市場業者の方々からは、豊洲市場の施設の使い勝手等についてさまざまなご意見やご要望をいただいております。
 都は、こうした業界の声を踏まえて、必要な工事等に関する経費を補正予算に計上し、業界団体と現場確認や意見交換を行った上で、各種工事の設計等の作業を進めているところでございます。
 また、多岐にわたる業界との調整事項については、現在、各街区別に設置いたしました幹事会や協議会等の場を活用し、実務者レベルでさまざまな調整を行っておりまして、ターレの電源や交通アクセスといった要望につきましても、こうした場を通じて鋭意調整してまいります。
 今後とも、これらの取り組みを一つ一つ積み重ね、業界団体と緊密に調整した上で必要な対策を講じ、市場業者が働きやすい豊洲市場の実現を目指してまいります。
 次に、駐車場の確保についてでございますが、豊洲市場への移転完了後、築地市場跡地では、東京二〇二〇大会までの限られた期間で解体工事、環状第二号線工事、車両基地の整備工事が並行して進められる予定でございまして、工事期間中の跡地内の施設の活用については、確実な工事の完成や安全確保など、厳しい制約条件の中で検討することとなります。
 業界団体からは、豊洲市場での円滑な事業運営を図るため、駐車場の確保を求める旨の要望をいただいておりまして、都といたしましては、こうした要望を踏まえ、豊洲市場周辺用地の確保を含めた多面的な方策を検討してまいります。
 また、場外事業者や来街者用の駐車場等として中央区に暫定的に貸し付ける予定となっております築地市場跡地の一部につきましては、各種工事動線等との調整を適切に行ってまいります。
 次に、豊洲市場の追加対策工事についてですが、都は、豊洲市場への円滑な移転に向けて、開場前の準備期間も考慮し、専門家会議の確認も含めて、来年七月末までに追加対策を完了させる方針で取り組んでおります。
 入札不調となった工事につきましては、その原因を調査するため、入札参加者や資機材メーカーへのヒアリング等を実施いたしました。
 こうしたヒアリングで把握いたしました施工環境に起因する工事の困難性などを踏まえて、工事予定価格を再積算し、再発注の手続を進めているところでございます。
 これらの取り組みにより、早期に契約を締結し、開場時期に影響を与えることのないよう適切に取り組んでまいります。
 最後に、豊洲のにぎわい創出についてですが、豊洲市場の魅力を幅広く発信し、多くの方々が訪れ、豊洲地域を新たなにぎわいを生み出すエリアとしていくことは極めて重要であると考えております。
 そのため、これまで都では、都民や地元住民、市場関係者を対象とした見学会の開催、屋上緑化広場の一日開放など、豊洲市場を多くの方々に見ていただき、魅力発信に取り組んでまいりました。
 今後は、これらに加えまして、千客万来施設の整備や豊洲ぐるり公園の開放、市場用地を活用したイベントの開催などにつきまして、地元区や関係者とも協力しながら進めてまいります。
 こうした取り組みにより、豊洲市場の魅力を一層高めていくとともに、豊洲ならではの活気やにぎわいを創出してまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時四十五分休憩

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