平成二十九年東京都議会会議録第九号

平成二十九年六月七日(水曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番大門さちえ君
四番和泉ひろし君
五番山森 寛之君
六番立石 晴康君
七番大場やすのぶ君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番やながせ裕文君
十一番小松 久子君
十二番西沢けいた君
十三番宮瀬 英治君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番前田 和茂君
二十一番菅野 弘一君
二十二番川松真一朗君
二十三番栗山よしじ君
二十四番小松 大祐君
二十五番木村 基成君
二十六番山内  晃君
二十七番上田 令子君
二十八番おときた駿君
二十九番山内れい子君
三十番中山ひろゆき君
三十一番田中 朝子君
三十二番石川 良一君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番まつば多美子君
三十九番高倉 良生君
四十番堀  宏道君
四十一番松田やすまさ君
四十二番柴崎 幹男君
四十三番舟坂ちかお君
四十四番清水 孝治君
四十五番鈴木 錦治君
四十六番神野 次郎君
四十七番北久保眞道君
四十八番高椙 健一君
四十九番栗山 欽行君
五十番両角みのる君
五十一番西崎 光子君
五十二番小山くにひこ君
五十三番あさの克彦君
五十四番新井ともはる君
五十五番中村ひろし君
五十六番とくとめ道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番野上 純子君
六十一番中山 信行君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番藤井  一君
六十四番和泉 武彦君
六十五番近藤  充君
六十六番ほっち易隆君
六十七番河野ゆうき君
六十八番島崎 義司君
六十九番小宮あんり君
七十番鈴木 章浩君
七十一番きたしろ勝彦君
七十二番田中たけし君
七十三番鈴木 隆道君
七十四番神林  茂君
七十五番早坂 義弘君
七十六番島田 幸成君
七十七番尾崎 大介君
七十八番今村 るか君
七十九番石毛しげる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番鈴木貫太郎君
八十四番ともとし春久君
八十六番長橋 桂一君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番桜井 浩之君
九十番山崎 一輝君
九十一番三宅 正彦君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番山田 忠昭君
九十六番林田  武君
九十七番こいそ 明君
九十八番田島 和明君
九十九番古賀 俊昭君
百番山下 太郎君
百一番酒井 大史君
百二番大西さとる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番小磯 善彦君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番高橋 信博君
百十二番崎山 知尚君
百十三番高木 けい君
百十四番相川  博君
百十五番吉原  修君
百十六番野島 善司君
百十七番三宅 茂樹君
百十八番川井しげお君
百十九番野村 有信君
百二十番高島なおき君
百二十一番吉野 利明君
百二十二番内田  茂君
百二十三番柿沢ゆきえ君
百二十四番斉藤あつし君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし
 欠員
    八十五番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事安藤 立美君
副知事川澄 俊文君
副知事中西  充君
副知事山本  隆君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務邊見 隆士君
政策企画局長長谷川 明君
総務局長多羅尾光睦君
財務局長武市  敬君
警視総監沖田 芳樹君
主税局長目黒 克昭君
生活文化局長中嶋 正宏君
オリンピック・パラリンピック準備局長塩見 清仁君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長藤田 裕司君
建設局長西倉 鉄也君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長浅川 英夫君
消防総監高橋  淳君
交通局長山手  斉君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長福田 良行君
人事委員会事務局長松山 英幸君
労働委員会事務局長土渕  裕君
監査事務局長猪熊 純子君
収用委員会事務局長砥出 欣典君

六月七日議事日程第三号
第一 議員提出議案第四号
  東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
第二 第九十一号議案
  行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
第三 第九十五号議案
  住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
第四 第九十七号議案
  東京都人権プラザ条例の一部を改正する条例
第五 第百二十四号議案
  平成二十九年度十三号地新客船ふ頭駐車場等用地建設工事請負契約
第六 第百五号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第七 第九十号議案
  東京都公文書の管理に関する条例
第八 第九十二号議案
  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第九 第九十三号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第十 第九十四号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第九十六号議案
  住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
第十二 第九十八号議案
  東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
第十三 第九十九号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第十四 第百十三号議案
  警視庁神田警察署庁舎(二十九)改築工事請負契約
第十五 第百十四号議案
  東京消防庁臨港消防署庁舎(二十九)新築工事請負契約
第十六 第百十五号議案
  都立千歳丘高等学校(二十九)改築及び改修工事請負契約
第十七 第百十六号議案
  都立神代高等学校(二十九)校舎棟改築工事請負契約
第十八 第百十七号議案
  警視庁有家族者待機寮駒場住宅(二十九)改築工事請負契約
第十九 第百十八号議案
  都営住宅二十八CH―一〇六東(江東区豊洲四丁目・江東区施設)工事その二請負契約
第二十 第百十九号議案
  平成二十九年度辰巳排水機場(再整備)ポンプ設備製作据付工事請負契約
第二十一 第百二十号議案
  内川排水機場耐震補強工事請負契約
第二十二 第百二十一号議案
  都立府中療育センター(二十九)改築電気設備工事請負契約
第二十三 第百二十二号議案
  東京消防庁消防学校第一校舎ほか一か所(二十九)空調設備改修工事請負契約
第二十四 第百二十三号議案
  カヌー・スラローム会場整備工事請負契約
第二十五 第百二十五号議案
  野川大沢調節池工事(その一)請負契約
第二十六 第百二十六号議案
  扇橋閘門耐震補強工事(その二)請負契約
第二十七 第百二十七号議案
  扇橋閘門耐震補強工事請負契約
第二十八 第百号議案
  東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第二十九 第百一号議案
  東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第百二号議案
  東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第百三号議案
  特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
第三十二 第百四号議案
  都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第百六号議案
  東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第三十四 第百七号議案
  東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第三十五 第百八号議案
  東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第三十六 第百九号議案
  東京都無電柱化推進条例
第三十七 第百十号議案
  都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第百二十八号議案
  多摩市公共下水道使用料徴収に係る受託事務の変更について
第三十九 第百十一号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第百十二号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第百二十九号議案
  ヘリコプターの買入れについて
第四十二 第百三十号議案
  エンジン(PT六C―六七C型(ヘリコプター用))の買入れについて
第四十三 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第三号追加日程の一
第一
二九第三七号
  築地市場の豊洲移転を一日も早く実現することを都に求めることに関する陳情
第二
二九第三六号の一
  建築物における性的少数者への配慮に関する陳情
二九第三八号
  二〇二〇年に向け、都営地下鉄及び東京メトロの業務一元化を求めることに関する陳情
第三
二八第一四五号
  都議会において非核都市宣言をすることを求めることに関する陳情
二九第三二号
  東京二〇二〇大会における性的少数者への配慮に関する陳情
二九第三四号の二
  首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情
第四
二九第二号
  羽田空港増便による都心への新低空飛行ルートの撤回に関する請願
二九第四号
  安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願
第五
二九第二三号の二
  南風時に都心上空を飛行する羽田空港機能強化計画に関する陳情
二九第二五号
  中学校卒業生の急増に対応した都立高校の新設を求めることに関する陳情
二九第二三号の一
  南風時に都心上空を飛行する羽田空港機能強化計画に関する陳情
二九第一四号の一
  社会保険料等の算定における交通費の除外を求める意見書の提出に関する陳情
第六
二九第三四号の一
  首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情
二九第三四号の三
  首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情
第七
二九第三号
  都にタクシーに関する局、部又は課の設置を求めることに関する請願
第八
二九第八号
  日本放送協会の受信契約要件改悪阻止に係る意見書の提出を求めることに関する陳情
二九第六号
  携帯電話契約等から消費者を保護する法改正等に係る意見書の提出に関する陳情
二九第七号
  携帯電話の利用者を不当な契約等から保護する法改正等に係る意見書の提出に関する陳情
第九
二九第五号
  民間開発事業における無電柱化に対する新たな支援に関する請願
第十
二九第六号
  狭あい道路等における電線共同溝の設計基準の見直しに関する請願
第十一
二八第一四四号
  東京都正規職員採用試験等における客観的な能力実証の重視等を求めることに関する陳情
二八第一四六号の一
  都職員に誠実な回答をさせる(虚偽の回答をさせない)こと等を求めることに関する陳情
二九第一号
  都職員採用試験等における受験者の性別情報を収集しないことを求めることに関する陳情
二九第二号
  職員団体の活動に休暇扱い以外の職務専念義務免除を認めないことに関する陳情
二九第四号
  都の職員団体によるオルグの緩和を求めることに関する陳情
二九第三六号の二
  建築物における性的少数者への配慮に関する陳情
二九第四〇号
  都が公募する意見書等の受理方法の統一及び改善を求めることに関する陳情
二九第五号
  都立図書館における不健全図書のレーティング表示を求めることに関する陳情
二九第二八号
  「東京都いじめ防止対策推進条例」等の改正を求めることに関する陳情
二九第二九号
  「いじめ防止対策推進法」の改正を求める意見書の提出に関する陳情
二九第一一号
  保育施設の設置又は存続に際しひるまないことに関する陳情
二九第二六号の二
  〇歳児の家庭保育の充実及び一歳児の認可保育所「入園予約制」の実施に関する陳情
二九第二六号の一
  〇歳児の家庭保育の充実及び一歳児の認可保育所「入園予約制」の実施に関する陳情
二八第一四六号の二
  都職員に誠実な回答をさせる(虚偽の回答をさせない)こと等を求めることに関する陳情
二九第一二号
  公共職業安定所における性別や年齢の限定求人等の是正を求める意見書提出に関する陳情
二九第一三号
  公共職業安定所における性風俗求人等の是正を求める意見書提出に関する陳情
二九第三〇号
  東京障害者職業能力開発校における生徒の健康・安全管理の是正に関する陳情
議事日程第三号追加の二
第十二 議員提出議案第十一号
  駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書
議事日程第三号追加の三
第十三 豊洲市場移転問題に関する諸事項の調査(豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会調査報告)
第十四 元東京都副知事濱渦武生氏の告発に関する動議
第十五 元政策報道室理事赤星經昭氏の告発に関する動議
第十六 議員提出議案第十二号
  東京都議会議員河野ゆうき君に対する問責決議

   午後一時開議

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) まず、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(松丸俊之君) 知事より、東京都が出資または債務保証等をしている法人の経営状況について、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの説明書類の提出がありました。
 また、都有地の信託に係る事務の処理状況について、新宿副都心三号地の二土地信託外四件の説明書類の提出がありました。
 次に、平成二十八年第四回定例会において採択された請願・陳情の処理経過及び結果について報告がありました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十一号、駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書、委員会より、豊洲市場移転問題に関する諸事項の調査報告書及び築地市場の豊洲移転を一日も早く実現することを都に求めることに関する陳情外請願五件、陳情三十一件の委員会審査報告書がそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加をいたします。

○議長(川井しげお君) 次に、文書質問について申し上げます。
 お手元配布の文書質問事項表のとおり、質問の通告がありました。
 本件は、直ちに執行機関に送付いたしておきました。
 なお、本件答弁書は、速やかに提出されるよう希望いたしておきます。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾に掲載〕

文書質問事項表
氏名件名
塩村あやか君女性消防団員・若者の入団促進について ほか
宮瀬 英治君都立公園のグランドについて ほか
中村ひろし君学校における児童生徒への相談体制について
小竹ひろ子君私立学校の教育費父母負担軽減と特別支援教育充実のために ほか
柿沢ゆきえ君消防庁及び消防団の公平公正な組織運営と活動充実・強化について

○議長(川井しげお君) これより日程に入ります。
 日程第一から第四十三まで、議員提出議案第四号、東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例外議案四十一件、専決一件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   厚生委員会議案審査報告書
 議員提出議案第四号
  東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を否決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 厚生委員長 小林 健二
 東京都議会議長 川井しげお殿

   総務委員会議案審査報告書
 第九十一号議案
  行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
 第九十五号議案
  住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
 第九十七号議案
  東京都人権プラザ条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百二十四号議案
  平成二十九年度十三号地新客船ふ頭駐車場等用地建設工事請負契約
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
財政委員長 栗山 欽行
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会議案審査報告書
 第百五号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   総務委員会議案審査報告書
 第九十号議案
  東京都公文書の管理に関する条例
 第九十二号議案
  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
 第九十三号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
 第九十四号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
 第九十六号議案
  住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
 第九十八号議案
  東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   財政委員会議案審査報告書
 第九十九号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
 第百十三号議案
  警視庁神田警察署庁舎(二十九)改築工事請負契約
 第百十四号議案
  東京消防庁臨港消防署庁舎(二十九)新築工事請負契約
 第百十五号議案
  都立千歳丘高等学校(二十九)改築及び改修工事請負契約
 第百十六号議案
  都立神代高等学校(二十九)校舎棟改築工事請負契約
 第百十七号議案
  警視庁有家族者待機寮駒場住宅(二十九)改築工事請負契約
 第百十八号議案
  都営住宅二十八CH―一〇六東(江東区豊洲四丁目・江東区施設)工事その二請負契約
 第百十九号議案
  平成二十九年度辰巳排水機場(再整備)ポンプ設備製作据付工事請負契約
 第百二十号議案
  内川排水機場耐震補強工事請負契約
 第百二十一号議案
  都立府中療育センター(二十九)改築電気設備工事請負契約
 第百二十二号議案
  東京消防庁消防学校第一校舎ほか一か所(二十九)空調設備改修工事請負契約
 第百二十三号議案
  カヌー・スラローム会場整備工事請負契約
 第百二十五号議案
  野川大沢調節池工事(その一)請負契約
 第百二十六号議案
  扇橋閘門耐震補強工事(その二)請負契約
 第百二十七号議案
  扇橋閘門耐震補強工事請負契約
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 財政委員長 栗山 欽行
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会議案審査報告書
 第百号議案
  東京都情報公開条例の一部を改正する条例
 第百一号議案
  東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
 第百二号議案
  東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
 第百三号議案
  特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
 第百四号議案
  都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百六号議案
  東京都営住宅条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 都市整備委員長 あさの克彦
 東京都議会議長 川井しげお殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百七号議案
  東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 厚生委員長 小林 健二
 東京都議会議長 川井しげお殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百八号議案
  東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 経済・港湾委員長 柴崎 幹男
 東京都議会議長 川井しげお殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百九号議案
  東京都無電柱化推進条例
 第百十号議案
  都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 環境・建設委員長 両角みのる
 東京都議会議長 川井しげお殿

   公営企業委員会議案審査報告書
 第百二十八号議案
  多摩市公共下水道使用料徴収に係る受託事務の変更について
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 公営企業委員長 高椙 健一
 東京都議会議長 川井しげお殿

   警察・消防委員会議案審査報告書
 第百十一号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
 第百十二号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
 第百二十九号議案
  ヘリコプターの買入れについて
 第百三十号議案
  エンジン(PT六C―六七C型(ヘリコプター用))の買入れについて
 本委員会は、六月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 警察・消防委員長 田中たけし
 東京都議会議長 川井しげお殿

   財政委員会専決処分審査報告書
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
 本委員会は、六月二日付託された右専決処分を審査の結果、承認すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年六月五日
 財政委員長 栗山 欽行
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 四十六番神野次郎君。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(川井しげお君) 傍聴人はご静粛に願います。退場を申しつけるときがございますので、ご静粛にお願いします。
   〔四十六番神野次郎君登壇〕

○四十六番(神野次郎君) 私は、東京都議会自由民主党を代表して討論を行います。
 初めに、小池都知事の基本姿勢について申し上げます。
 昨年八月からスタートした小池都政は、残念ながら今に至って結論を出すことはできておりません。築地市場の豊洲移転は、昨年八月末の知事の独断による移転延期宣言以来、一切、方向性が出されておりません。そのため、既に完成した市場の単なる維持管理に一日当たり五百万円、昨年十一月から七カ月間、既に十億円以上が浪費されています。事業者への補償費も合わせ、百億円ともいわれる貴重な都民のお金が垂れ流されているのです。ワイズスペンディング、賢い支出を標榜する小池知事にとって、この状態を続けていくことに自責の念はないのでしょうか。
 オリ・パラ開催の費用負担の問題も、六月五日の文教委員会質疑で明らかになったように、大事なことは何一つ詰められておりません。つまり、都政は完全に停滞し、都民に実害が出始めているということです。
 多くのマスコミが決められない知事と評しているのは、都政が停滞し、結果が出されていないのですから、あながち間違っているとは思いません。知事には、その評価を一日も早く覆していただくべく、決断し、実行し、都政を前に進めていただくことを望みます。
 決められない知事の象徴的な出来事は、豊洲やオリ・パラ問題にとどまりません。ご自身の自民党籍問題は、まさに象徴中の象徴といえるでしょう。自民党が決めないから離党したとの詭弁は、責任転嫁も甚だしく、党に所属するもしないも、出処進退はご自身で決めることです。
 知事は、自民党を離党すると同時に、政治団体である都民ファーストの会の代表に就任されました。同会は、六月二十三日から始まる東京都議会選挙に多数の候補者を擁立し、都議会で過半数を獲得することを目標にしています。
 こうした知事の一連の行動は、地方自治の原則である二元代表制の根幹を揺るがすものであります。知事と議会は、それぞれが都民の代表として対等の立場から建設的に議論を行っていくことが求められます。
 しかし、知事の判断を尊重するという白紙委任状を市場移転問題の選挙公約とする、政治哲学も政策も持たない都民ファーストという政治勢力が、議会で一体何を主張するというのでしょうか。
 重要な政策について、知事の判断をうのみにするだけなら、議会は単なる知事の追認機関と成り下がります。私たちは、小池知事がこうした政治勢力を率いて、都政をみずからの思いどおりに進めていこうとする、いわば独裁ともいわれかねない危険な試みを容認するわけにはいきません。
 知事も議会も、ともに都民の代表であり、お互いの代表性を尊重することが二元代表制の基本であることは再三申し上げてきましたが、知事就任以来、今日まで議会の代表性が尊重されることはありませんでした。知事には、もう一度、二元代表制の特性をどうしたら最も有効に発揮させることができるのか、熟考されることを改めて申し上げておきます。
 次に、個別施策について申し上げます。
 初めに、オリンピック・パラリンピックについて申し上げます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会まで残り三年となりました。あらゆる大会準備を加速させなければなりません。中でも、パラリンピックの機運醸成や障害者スポーツの振興は極めて重要な課題です。東京で開催する二回目のパラリンピックの競技会場が観客で満員となるよう、二十二全ての実施競技のPR強化、障害者スポーツの情報発信など、積極的な施策の推進を求めます。
 また、我が党は、二〇二〇年大会前年のラグビーワールドカップ開催を契機に、受動喫煙防止対策を強化し、都民の健康増進に取り組むことが重要と考え、都独自の罰則規定のある受動喫煙防止条例の制定を公約に掲げています。知事は、都独自の条例化も見据えると答弁されましたが、条例制定に当たっては、関係団体等の理解と協力が不可欠であることはいうまでもありません。飲食店や宿泊施設の実態把握など、対策に向けた準備を進め、スピード感を持って取り組まれることを求めます。
 次に、無電柱化の推進について申し上げます。
 都議会自民党は、災害に強い安全な東京をつくるを公約の柱として、東京から電柱をなくすという政策提言を四年前から掲げ、都道はもとより、区市町村道も含めた都内全域での無電柱化の推進を強く求めてきました。
 今定例会では、無電柱化を推進する条例が提案されていますが、条例制定を推進の力として、区市町村への支援や新たな計画の策定、コスト削減につながる技術開発など、取り組みを加速化し、無電柱化を強力に進めていくことを求めます。
 次に、中小企業振興について申し上げます。
 日本全体の経済活性化を図るためには、二〇二〇年大会の開催がもたらすさまざまなビジネスチャンスの効果を、東京の中小企業はもちろん、全国に波及させていくことが重要です。
 都は、昨年四月に、受発注案件や企業情報などを集約する情報サイト、ビジネスチャンス・ナビを開設し、登録企業数も二万件を突破したとのことですが、受発注取引の活性化を図るためには、一層の努力、工夫が必要です。発注案件のさらなる提供や民間発注案件の開拓の強化、展示会への出展支援など、登録企業のすぐれた技術等の発信、受注獲得に向けて施策の実効性を高めていくことを求めます。
 次に、東京の農業振興について申し上げます。
 都議会自民党はこれまで、あらゆる機会を通して東京農業のさらなる発展に向けた政策提言を行い、この五月には、生産緑地の指定面積要件が緩和されるなど成果を上げてきました。しかし、都市農地の賃借や税制の改正は先送りされている状況にあります。
 一方、二〇二〇年大会で、会場や選手村等に農産物を提供するために必要なGAP認証を取得している都内農業者はほとんどいないという課題もあります。二〇二〇年大会を契機とした都内農産物の供給拡大に向け、本定例会では、都独自の基準を設けた東京都版GAP制度を構築すると答弁されました。安心・安全な農産物の提供に加え、緑の保全による快適な住環境の創出にも貢献している東京農業の継続、持続的な発展に向けて、施策のさらなる充実を求めます。
 最後に、多摩・島しょの振興について申し上げます。
 我が党はこれまで、都と一体となり、多摩地域における道路ネットワークの整備、産業振興、医療の充実、防災力の向上など、地域の発展に尽力してきました。一方、人口減少、少子高齢化の進展など、引き続き対応が必要な課題も山積しています。今般、多摩の振興プランの素案が公表されましたが、多摩地域の中でも、地域ごとに特性や課題はさまざまであることから、最終の取りまとめに向けて地域の実情を十分に把握、整理し、地域の実情に見合った多摩の振興策を検討する必要があります。
 また、本定例会では、島しょ地域の水道事業体に対する技術支援について質疑が交わされました。多摩・島しょ地域の豊かな潜在力を引き出し、新たな発展を加速させるため、多摩・島しょの振興に向けた取り組みの推進を求めます。
 以上、今定例会に付託された知事提案の全ての議案に賛成し、議員提出議案第四号に反対をいたします。
 さて、第十九期都議会は、残すところあとわずかとなりました。
 我が党は、四年前の選挙において、東京を世界で一番の都市にすることを公約に掲げ、都民の皆様から厚い信任をいただきました。この間、我が党は、二〇二〇年という一つの時間軸を持って、公約の実現に向け、全力で取り組んでまいりました。そして、昨年、世界都市ランキングで、東京は世界第三位の都市と、ランクを押し上げることができました。これは、私たちの努力が大きく実った成果の一つであると思っています。
 豊富な経験と実績、決断力と行動力、正しい政策目標、着実な実行、それが責任政党である私たち自民党の政治であります。現在、安倍政権では、戦後最大の名目GDP六百兆円の実現などを目指し、日本経済の新たな成長軌道を描こうとしています。
 我が党は、こうした国の動きともしっかりスクラムを組んで、十年後、二十年後、その先の時代においても輝き続ける東京をつくっていく所存です。
 二十五日後に迫った東京都議会選挙において、候補者全員が都民の皆様方のご信任をいただき、都民の与党として、再びこの場で都民の幸せのための政策実現に全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 二十九番山内れい子さん。
   〔二十九番山内れい子君登壇〕

○二十九番(山内れい子君) 都議会生活者ネットワークを代表して、知事提出の全ての議案に賛成の立場から討論を行います。
 第九十号議案、東京都公文書の管理に関する条例と第百号議案、東京都情報公開条例の一部を改正する条例についてです。
 豊洲市場問題が明らかにした重要な課題の一つが文書管理です。百条委員会では、東京ガスとの交渉記録が都側にほとんど保存されていなかったことが白日のもとにさらされ、改めて公文書管理のずさんさが明らかになりました。公文書の管理は情報公開の基盤となるものです。意思決定過程の透明性を図り、説明責任を果たすとともに、都政への都民参加を進めるために、公文書管理条例は重要な条例です。
 この条例案に関してはパブリックコメントが行われましたが、そのとき公表されたのは条例案の概要で、余りにも大枠の内容だけでした。初めて制定する公文書管理条例については、本来であれば、もっと時間をかけて専門家や市民による議論を重ねるべきでした。せめてパブコメを実施する際に、今後は詳細な情報提供をするよう要望します。
 都は、さまざまな計画策定時にもパブコメを実施していますが、都のパブコメは募集期間や公表される内容にばらつきがあります。期間が短いために、アリバイづくりで実施していると指摘されており、そして何より、呼びかけに応えて意見を出しても、提出した意見を取り入れられたことがないといわれることが多いのです。今回のような条例案への意見募集も含めて、パブリックコメントについてルール化することを求めます。
 二〇二〇年東京大会についてです。
 シドニーやロンドンの大会では、オリンピック・パラリンピックを契機にホームレス政策が進みました。二〇〇〇年シドニー大会は、ホームレスの人たちがともに地域で暮らす市民であり、公共空間にいる権利を持つと宣言し、二〇一二年のロンドン大会では、オリンピック開催までに路上ホームレス問題を終わらせるようにするための対策を実施し、成果を上げています。
 そこで、二〇二〇年東京大会が本気でホームレス問題に取り組み、住居や仕事の支援を提供するハウジングファーストの仕組みを浸透させ、本人が地域の中で生活できる支援体制を構築することを要望します。
 今議会で都外施設の仮設負担について議論になりました。そもそも仮設は組織委員会が負担することになっていましたが、昨年三月、舛添前知事とオリ・パラ担当大臣、組織委員会会長の三者の会談から、突如、見直しが始まったものです。
 都外にある既存の施設を活用し、観客席や規模など足りないところを仮設で補うという考え方には、生活者ネットワークは賛成です。そこで、経費削減の観点から、オーバースペックにならないように都としてもチェックしていく必要があります。仮設の発注は組織委員会が行い、請求書が東京都に回ってくるという図式になると、どこでチェックが働くのか危惧しています。組織委員会が決めたものを唯々諾々と都が支払うのではなく、妥当性をきちんと見きわめる必要があります。
 市場問題プロジェクトチームが、五日、報告書をまとめました。豊洲市場では運営費の赤字が続き、築地再整備が優位であることを強調しています。豊洲の土壌汚染は解決しておらず、市場外流通の増加と今後の人口減少を見据えて、巨大な市場規模についても考え直す必要があります。
 豊洲市場問題を通して露呈したのは、都庁官僚制の制度疲労、機能不全です。豊洲市場の主な建物の下に盛り土が行われなかった経過についても、百条委員会で証言した四人の市場長は、四人とも知らないと答えました。豊洲市場地下空間に関する調査特別チームの報告書はもとより、本委員会においても、石原元知事を初め、最終的な判断は誰が行ったのか、このことについては、結局、明らかにされませんでした。
 しかし、豊洲移転問題がこれだけ大きな問題となり、とりわけ、用地取得や土壌汚染対策、建物の建築などに六千億円に迫る費用負担を都民に強いたことに対し、その当時、最高責任者であった石原元知事の責任は重大だと指摘しておきます。
 次に、子育て支援についてです。
 都内の自治体は、待機児童ゼロに向けて対策を講じてきましたが、四月の時点では、ほとんどの自治体が解決できていません。全国でもトップクラスの世田谷区では、待機児童数が前年度より三百三十七人減ったものの、保育関連費用も膨らんでいます。
 良質な保育が提供されることは、子供の育つ権利の保障であるとともに、社会にとっては次世代の健やかな育成の核心部分です。
 今後は、都立高校や地元の小中学校の敷地の活用や、保育士の人材確保などの支援を進め、保育の質も高めていくことを要望します。
 都議会生活者ネットワークは、東京改革議員団と共同で議会基本条例を提案しましたが、議会運営委員会で継続審査となりました。都政の課題が山積している今、議会の役割、機能についても社会的関心が高まっています。議会改革は、市民のための改革です。議会への都民参画を進め、開かれた議会にすることによって、市民のニーズを反映し、市民の福祉の向上につながらなければなりません。小池知事は、スピード感を持って都政改革を進めており、それにおくれることなく都議会も改革を進めていくことが求められています。
 最後に、二〇二〇年東京大会後には、人口減少や高齢都市問題が目の前に迫っています。地球温暖化対策も待ったなしです。都議会生活者ネットワークは、安心して地域で暮らせる持続可能なまち、環境、福祉優先の東京をつくるために、全力で取り組むことを決意し、討論とします。(拍手)

○議長(川井しげお君) 三十六番大松あきら君。
   〔三十六番大松あきら君登壇〕

○三十六番(大松あきら君) 私は、都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成し、議員提出議案第四号に反対する立場から討論を行います。
 初めに、第九十号議案、東京都公文書の管理に関する条例案について申し上げます。
 豊洲市場への移転問題をめぐる、いわゆる百条委員会や特別委員会での審議などを通じて明らかになった都の公文書管理の問題点を解決するため、条例が見直されるに至ったことは大きな意義があります。今後は、役職者の個人名も記載する稟議書フォーマットの改善や政策形成過程の透明化に取り組むとともに、文書のデータ化を進め、インターネット公開にも対応できるように改めていくべきであります。
 次いで、第百九号議案、東京都無電柱化推進条例案について申し上げます。
 本条例の制定により、今後、都内では原則、都道、国道での電柱の新設が禁じられるほか、区市町村が管理する道路の無電柱化事業に対しても、都が支援を行う意義はまことに大きいと思います。今後の整備に当たっては、人命尊重を最優先に、防災上、救命医療上重要な路線の優先整備など、無電柱化を都内全域で着実に進めるよう求めるものであります。
 さらに、議員提出議案第四号について申し上げます。
 本件は、シルバーパス制度の改定を求めるもので、我が党は、厚生委員会でさらに丁寧な議論が必要であるとの観点から、継続審議を主張しましたが、賛成少数で否決され、改めての採決でやむを得ず否決としたものです。シルバーパスの見直しには正確な実績把握が必要であり、それにはIC化が不可欠といわれています。約十億円といわれるIC化費用の負担等の検討を欠いたまま、条例案の提示は拙速であり、不適切であると指摘せざるを得ません。
 続いて、幼児教育、保育の無償化について申し上げます。
 国に先駆けて都が実施した私立高校授業料の実質無償化について、我が党は、年収約九百十万円未満の世帯にまで拡大を図り、都認可の通信制高校にも適用する等の改善を求めています。その上で、幼児教育及び保育の実質的な無償化が都における次の課題と考え、今定例会の代表質問では、まず都が検討を開始すべきと主張しました。
 これに対し知事は、幼児期の教育や保育は重要なもので、全ての子供に質の高い幼児教育を保障することが必要であるとの認識を示し、国の動きを踏まえて対応していくとの方針を表明されました。今後しっかり対応されることを強く求めます。
 次に、受動喫煙対策について申し上げます。
 我が党は、スモークフリーの東京を目指す立場から、東京二〇二〇大会をたばこのない五輪とすることを一貫して主張してまいりました。
 しかしながら、国はいまだ方向性が定まらず、それどころか、報道によれば、結局は今国会での上程を断念しそうな状況であります。
 こうした状況の中で、今定例会で我が党は、都が率先して屋内禁煙を内容とする条例を制定するべきと主張しました。知事は、受動喫煙防止対策にスピード感を持って取り組み、都独自の条例も検討していくという考えを示されました。我が党も独自の条例案を提出する用意があり、条例制定に向けて、ともに全力で取り組みたいと考えます。
 次に、難病患者やがん患者の就業支援について申し上げます。
 昨年十二月の我が党の予算要望を踏まえ、小池知事が今年度から、都道府県で初めて難病やがんの患者の治療と仕事の両立に取り組む企業への支援制度を導入したことを大いに評価するものであります。
 今定例会の代表質問で、治療と仕事の両立に向けた支援計画の作成が進むよう、きめ細かに本事業を推進すべきとの我が党の主張に対し、都は、事業主や医療機関向けの説明会の開催やリーフレットの配布、国の専門機関にも協力を要請したサポートなど、具体的な施策を明らかにしました。制度の実効性を高めるため、着実な実施を求めるものであります。
 次に、入札契約制度改革について申し上げます。
 我が党の要請に応え、知事による二十六の業界団体からのヒアリングが実施され、中小零細企業への影響を最小限に抑えるため、低入札価格調査の適用範囲の下限額が当初の改革案より大幅に引き上げられることとなりました。六月から施行される予定であった対象案件が見直されたことによって、低入札価格調査制度の適用範囲に含まれる建築、土木、設備の登録事業者数のうち、小規模事業者が占める割合は、見直し前の約五割から一割未満へと大幅ダウンすることが明らかになりました。
 我が党は、十月からの各局案件について見切り発車を行うことなく、六月から施行する財務局案件での課題を精査し、しっかりと対策を講じるべきと求めたところであります。
 これに対し知事は、財務局案件の試行の実施状況を踏まえ、現場に混乱が生じないよう、万全の準備を整えた上で試行を実施していくと明言されました。今後、中小零細企業に十分配慮した上で、入札契約制度改革に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、住宅政策について申し上げます。
 本年の第一回定例会で我が党は、住宅に困窮する子育て世帯が都営住宅に入居しやすくなるよう、収入基準などの入居要件の改善などを主張しました。都はこれを受けて、収入基準の改善に関して、早速、本定例会で高校終了期までの子供のいる世帯にまで特例基準の適用範囲を拡大する条例案を提出しました。
 また、子育て世帯の応募機会の拡大について、新たに明三十年一月以降、毎月五十戸ほど募集を開始するとの方針を打ち出しました。今後一層、子育て世帯の積極的な支援に努めていただきたいと思います。
 一方、単身の若者や高齢者に向けた住まいの提供策は喫緊の課題であり、民間賃貸住宅の入居支援策における都独自の取り組みの強化や、高齢者が安心して入居できるようにするための支援を求めた我が党の代表質問に対し、いずれも積極的な答弁を得ました。今後、施策の具体化を急ぐよう求めるものであります。
 次に、豊洲市場移転問題について申し上げます。
 豊洲市場の安全性を調査分析した三月の専門家会議では、地下水管理システムの浄化機能を活用することで、将来、環境基準を目指すことが可能であるとの見解が示されました。環境基準を将来に向けた目標として掲げつつ、専門的、科学的に妥当な対策を講じ、都民の理解を得る努力を続けていくというのが、選択すべき現実的な対応であると考えます。
 専門家会議では冷静な議論を進めていただき、会議の結論を受けて、小池知事は、都民が安心して利用できる市場という大きな目標の実現に向けて、早急に判断を示すべきです。
 最後に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会について申し上げます。
 先日、政府と東京都、大会組織委員会、関係地方自治体が大会経費をめぐって連絡協議会を開き、都が六千億円を分担することなどが合意に至りました。
 しかし、大会後、結果的に支出総額が大会全体の経費の総額とされる一兆三千八百五十億円を上回れば、都にさらなる負担が求められかねません。支出総額全体について、経費の抑制と透明化を図るべきという我が党の質問に対し、知事は、組織委員会に公費が投入される事業について、特別勘定を設置し、区分経理して収支を明確化する考えを示しました。
 また、公費が投入される事業の実施に当たっては、組織委員会、都、国などが共同実施事業管理のための委員会を設置し、コスト管理、執行統制の強化を図るとの方針も示しました。早急な具体化を強く求めるものであります。経費については、リデュース、リユース、リサイクルという3Rの視点の徹底追及など、もったいないの精神を貫き、英知を結集した抑制を図るべきであることを改めて申し述べます。
 都議会公明党は、これからも現場第一主義のもと、都民目線に立って具体的な提案を重ね、都政のかじ取り役として、都民の負託に応えてまいります。
 東京オリンピック・パラリンピックの成功、安全・安心のまちづくり、子育て、医療、福祉、教育支援など、都民が求める喫緊の課題にも的確に対応するため、来る都議会議員選挙での二十三名完全勝利を決意し、討論とさせていただきます。(拍手)

○議長(川井しげお君) 五十五番中村ひろし君。
   〔五十五番中村ひろし君登壇〕

○五十五番(中村ひろし君) 私は、東京改革議員団を代表して、知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、第九十号議案、東京都公文書の管理に関する条例について申し上げます。
 本条例案は、情報公開の前提、都政改革の土台となる公文書の管理を徹底するため、私たちが知事に求め、今定例会に提案されました。本条例の制定によって、誰が、いつ、何をどのように決めたのか、その経過も含めて文書を作成し、公文書として記録する。適切な保存期限が設定されるようにし、間違っても事業の終了前や保存期限前に資料が散逸、廃棄されたり、情報公開を逃れるために公文書にしないなどということがないようにしなければなりません。これまでの都の文書管理を変え、公文書の適切な作成、保存、公開を徹底することを求めます。
 また、いつの時点からどの文書を公文書とするのか、保存年限の起点をいつにするのか、廃棄の際は局内のチェックだけではなく、外部の目を入れた判断を行うなど、その徹底には細部が重要と考えますので、今後の運用をしっかりとしていただくよう、また必要に応じた見直しを随時行っていくよう申し添えておきます。
 次に、議員提出議案第十号、東京都議会基本条例について申し上げます。
 私たち東京改革議員団と都議会生活者ネットワークとが共同提案する同条例は、本来であれば、都議会のあり方検討会の中で、各会派の議論が十分になされた上で提出されるべきものでした。しかしながら、議会改革に及び腰の最大会派である自民党が、あり方検討会の設置を渋り続け、設置後においても定数以外の議論が全くなされないまま今日を迎えてしまったのです。
 通年議会の導入や開かれた議会などを規定する同条例は、都議会として当然制定されるべきものであり、私たちは条例制定後も、その期、その期で検証を重ねながら、時代に応じて必要な改正を続けていくべきだと考え、まずは今期の集大成として、多くの会派が賛同しやすい内容の条例案を提出したものです。
 次に、さきの代表質問でも述べた都政の課題について改めて申し上げます。
 これまで、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会準備では、一部の人による密室での協議や交渉で、不透明なまま都民の負担が膨らむことがたびたびありました。森友学園問題、加計学園問題では、国民から隠れた密室でそんたくが行われ、政治不信が募っています。
 私たちは、東京都政において、旧来の密室型政治に終止符を打ち、透明で公正な新しい東京へと改革を進めるための取り組みを推進するよう求めるものです。
 入札契約制度改革について申し上げます。
 豊洲市場の事業費は六千億円、建物だけで二千七百億円、当初見込みから三倍近くに膨張しました。建設費の高騰や一者入札などに対する都民の疑念を払拭し、同じことが繰り返されない都政にしなければなりません。今回の改革に伴い、中小事業者が仕事をとれなくなるなどの懸念の声が聞かれることから、私たちは代表質問で、意欲と能力がある中小事業者がより多くの参加機会を得られる改革を行うべきだと主張してきました。
 私たちの質問に対し小池知事も、意欲と能力のある中小企業が単独でも入札に参加できる取り組みを行い、中小企業が活躍できる環境を確保すると答弁しています。一者入札や契約不調を防ぎ、意欲と能力のある事業者にチャンスがある健全な競争環境をつくり出すため、不断の見直しを行いながら改革を進めるよう求めるものです。
 次に、子供施策について申し上げます。
 教育に対する日本の公的支出が世界的に低水準であることは公然の事実です。このような中、小池知事が今年度予算において、私立高校等特別奨学金の拡充などに取り組まれてきたことは評価するものです。その上で私たちは、私立高校等特別奨学金のさらなる拡充を初め、小中学校における給食費の無償化など、教育の無償化に向けて積極的に取り組まれることを強く要望するものです。
 待機児童対策について、小池知事は、昨年九月に保育バウチャーの創設に踏み出しました。わずかなポイント差で保育所に入れなければ、受けられるサービスは全く異なります。保育所整備は急務ですが、目標達成までのあと数年、待機児童世帯は確実に存在するのです。私たちが提案した東京都版子供手当の創設に対して、小池知事は、世帯間の公平性の観点からさまざまな課題がある旨、答弁されましたが、保育所を利用できずに困っている人たちがいるという事実に目を向け、手を差し伸べる手だてを講じられることを改めて要望するものです。
 次に、都市づくりについて申し上げます。
 今回、私たちは、家賃補助制度の創設を提案しました。住まいは人間の生活にとって欠かせない生活の基盤ですが、住宅の確保に困難を来している都民が数多く存在します。ところが、都の主な住宅セーフティーネットである都営住宅は非常に高倍率であり、必要でありながら入居できない人が数多くいます。
 一方、都内の空き家、空き室は約八十二万戸、空き家率は約一一%もあるのです。高齢者が老後を安心でき、また、子育て世帯を応援することができる新たな家賃補助制度の検討、構築に向けて、積極的に取り組まれることを求めるものです。
 次に、東京二○二○大会における役割と経費分担について申し上げます。
 都と国、組織委員会、関係自治体が大会における役割と経費の分担について大枠で合意し、都が公立の仮設施設経費を全額負担することとなりました。知事がこの決断をしたことは、開催都市の責任として理解したいと思います。しかし、そもそも仮設施設の整備費を負担すべき組織委員会において、ここまで巨額に経費を膨らませたこと、そして、みずから負担できずに都民が負担することになった責任を誰がとったのでしょうか。いまだ誰もとっていません。責任の所在を明らかにすべきと考えます。
 私たちは、大会開催経費を早期に明らかにすること、そして、経費のさらなる縮減と見える化を図るよう繰り返し求めてきました。開催都市である都が、さらなる負担をふやすことのないよう、大会経費のマネジメントを行い、一層の縮減に取り組むよう強く求めるものです。
 次に、受動喫煙ゼロ実現のための禁煙条例の早期制定について申し上げます。
 昨日、今国会への提出を目指していた受動喫煙防止のための法案を自民党が先送りすると報じられました。小池知事に対して、決められない知事とのネガティブキャンペーンをするのであれば、みずからも行動で示すべきです。国が提出を見送りする中、受動喫煙ゼロを実現するために、都が独自の禁煙条例を制定する意義はますます高まったと考えます。
 小池知事におかれましては、都独自の支援策を講じるなどして、厳しい基準の条例の制定に向けて直ちに取り組むべきであると求めるものです。
 最後に、豊洲市場移転問題について申し上げます。
 小池知事に対し、豊洲移転の早期決断を迫る声もありますが、無害化を求めた付帯決議を付したのは私たち都議会であり、その付帯決議を無視しろというのであれば、それこそ議会軽視、言語道断です。
 また、盛り土がなかった問題などで、東京都に対する都民の不信感が解消したわけでもありません。だからこそのロードマップであり、専門家会議であり、プロジェクトチームなのです。こうした手続を経ずに、拙速に決断を下しても、都民の理解と納得を得ることはできません。
 私たちは、豊洲移転は安心・安全が最優先と申し上げ、都民の理解と納得なくして豊洲市場への移転はあり得ないと改めて申し上げ、東京改革議員団を代表しての討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 十四番米倉春奈さん。
   〔十四番米倉春奈君登壇〕

○十四番(米倉春奈君) 日本共産党都議団を代表し、第百二十四号議案、平成二十九年度十三号地新客船ふ頭駐車場等用地建設工事請負契約外四議案に反対、その他の知事提出議案に賛成、我が党と生活者ネット共同提出のシルバーパス条例一部改正条例案に賛成の立場から討論を行います。
 最初に、豊洲新市場への移転計画についてです。
 豊洲市場用地の地下水モニタリング調査の四月の調査結果は、環境基準の百倍を超えるベンゼンを初め、基準を上回る有害物質が多数検出され、全体の汚染数値は、昨年十二月、一月の結果よりも悪化していました。こうした事態を受け、知事が所信表明で、八百六十億円もの土壌汚染対策をしながら、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民との約束を守れなかったことを初めて認めたことは重要です。
 そして、無害化が実現できていない中、法的、科学的根拠に基づく安全と、都民の理解、納得に基づく安心が確保できるのか、総点検を進めていることを明らかにしました。食の安全・安心を確保するという都民との約束を守る立場を貫くよう、強く求めておくものです。
 土壌汚染は残り、取り除く展望がない東京ガス豊洲工場跡地に、生鮮食料品を扱う卸売市場を移転するべきではありません。卸売市場開場の認可をする農水省の大臣も、国会で、汚染の除去を行わず、盛り土等のみを行った状態で市場用地とすることは想定し得ないと答弁しているのです。しかも、建物下は盛り土すらされていません。築地市場の水産仲卸業者の七、八割が移転に反対、青果の仲卸組合も、食の安全・安心が確保できなければ豊洲新市場移転は反対との声明を出しています。
 豊洲新市場への移転はきっぱり中止し、築地市場の再整備を進めるべきです。世界に誇る築地ブランドを未来の世代に引き渡そうではありませんか。
 市場問題プロジェクトチームが、豊洲新市場移転は六十年後には一兆円の赤字、築地市場は若干の赤字などと試算した報告書案をまとめました。知事も述べたように、築地市場の水産物取扱量は、三十年前の約半分に減少しており、この変化も踏まえて市場のあり方を検討すべきです。我が党は、豊洲新市場のような過大な市場は赤字を大きくするだけであり、市場として活用すべきではないと考えます。
 また、市場問題プロジェクトチームが、築地市場の価値について、圧倒的ブランド力と評価し、豊富な品ぞろえ、仲卸の目ききのわざ、場外市場と一体となったにぎわい、長い歴史と都心に近い好立地などを挙げ、その経済的価値は高いとしたことも重要です。一方、豊洲市場については、十年後には、もはや卸売市場ではなく、主に物流センターになってしまうと指摘したことも注目されます。
 我が党は、市場問題プロジェクトチームの再整備案を初め、広く専門家の英知を集め、市場関係者の合意を得ながら、築地市場再整備案を練り上げれば、必ずや市場業者や都民が納得できる再整備ができると確信するものです。
 自民党、公明党などは、東京ガス豊洲工場跡地への移転について、移転延期に伴い、豊洲市場で一日五百万円が浪費されている、業者への補償費も合わせれば百億円などと攻撃をしていますが、地上も地下も環境基準以下にすることが確認もされていないにもかかわらず、三千億円近いお金をつぎ込んだ建物建設を進めることに賛成し、豊洲新市場移転を既成事実化しようとしてきたみずからの責任こそ、厳しく問われているのです。
 深刻な土壌汚染地への移転を推進したため、都民や市場業者の批判が大きく高まり、両党とも無害化された状態での開場ということを付帯決議でつけざるを得なかったことを思い起こすべきです。それができないからといって、みずからの約束もほごにしてはばからないのは、余りにも無責任であり、断じて許されないことを厳しく指摘しておくものです。
 我が党が国民健康保険料の大幅値上げを指摘し、負担軽減への都の支援を求めたことに対し、都は、保険料を決めるのは区市町村だと答弁しました。しかし、東京都自身の区市町村への補助が一九九〇年代の一人当たり八千円から九千円という水準から、二〇一五年度は約千七百円まで縮小しているのです。その上、東京都は国とともに、一般会計から国保会計への繰入金の削減を区市町村に求めることまで行い、値上げを促進しています。来年度から国保の運営主体となる都がやるべきことは、繰入金の削減を迫ることではなく、保険料負担の軽減ではないでしょうか。都として、一人平均一万円の国保料引き下げを行うというのが日本共産党の提案です。その実現のために全力を挙げる決意を表明するものです。
 我が党はまた、待機児が二万四千人を超える中で、認可保育園を九万人分ふやすこと、特養ホームの増設を加速させるとともに、介護職員をふやすために待遇改善に本腰を入れること、私立高校生へのさらなる学費負担の軽減などを求めました。
 さらに、シルバーパス条例一部改正条例案についても、都議会生活者ネットワークと共同で前定例会で提出しました。
 シルバーパスは、高齢者の社会参加に貢献し、経済的支援になるとともに、公共交通の利用による環境への貢献や外出の促進による健康づくりなど、多くの効果を持つ制度です。しかし、石原都政が全面有料化して以降、パスの利用率は下がり続け、今では五〇%を切っています。このため、負担を軽減し、使いやすくしてほしいということが都民の長年の願いです。
 また、多摩都市モノレール等で利用できるようにしてほしい、都県境の路線で利用できるようにしてほしいという声も広がっており、他の会派からも同様の意見が出されていることから、これを踏まえて提案したものです。ぜひ可決、成立させることを強く呼びかけるものです。
 こうした都民施策の充実のための財源は、一メートル一億円もかかる東京外環道を初めとした大型開発優先の予算の使い方を、暮らし、福祉最優先に転換すれば十分生み出すことができることを重ねて強調しておくものです。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック経費の役割分担の合意で、費用膨張分の多くを東京都が負担することになり、都民負担が七千億円を超えることが明らかになりました。当初都民に約束した千五百三十八億円はおろか、五輪基金四千億円もはるかに超える都民負担は、到底都民の理解を得られるものではありません。我が党は、都民施策を守るためにも知事に大幅な削減の努力を求めました。
 この点で、小池知事が今回の合意を前提にしつつも、組織委員会に対してはさらに増収を図るよう求めていく、国の財政負担についても、これからも国に要望していく旨の答弁をしたことは重要です。
 開催都市契約が公開され、組織委員会が五輪開催の当事者であることが改めて確認されました。組織委員会は主体者として、役割分担で合意した六千億円を超えて資金確保を図り、仮設整備費や大会運営費などで、今回都が肩がわりした部分をできるだけ縮減する、国もオールジャパンにふさわしく、閣議了解を乗り越えた財政支援を行うべきであることを改めて強調しておきます。
 最後に、目前に迫った都議選で、日本共産党は、築地市場の豊洲市場移転を中止し、築地再整備の実現、そして都民の福祉、暮らし最優先の都政、都議会をつくることを都民の皆さんに呼びかけるとともに、安倍自公政権による憲法破壊から九条を守るために全力を尽くす決意を申し上げ、討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 二十七番上田令子さん。
   〔二十七番上田令子君登壇〕

○二十七番(上田令子君) 都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池百合子知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第四号に反対する立場から討論を行います。
 今定例会は、知事による所信表明、代表、一般質問、各委員会を経て、知事提出議案と議員提出の条例案一件、都民からの請願陳情が審査されました。
 さきの定例会におきましては、小池知事が初めて編成した一般会計当初予算が昭和四十八年以来四十四年ぶりに全会一致で可決、成立いたしました。予算成立により、東京大改革は大筋として本格軌道に乗りました。本定例会におきまして、知事より提案された各議案は具体化に向けた個々の政策の裏づけをもたらすものでございます。
 まず、第九十号議案、東京都公文書の管理に関する条例について申し上げます。
 本条例案は、これまで各執行機関において、規則等を定め、規則等に基づき文書を管理してきたものを、公文書が都民による都政への参加を進めるために不可欠な都民共有の財産であることを明らかにするとともに、その適正な管理を図り、もって都政の透明化を推進し、現在及び将来の都民に対する説明責任を果たすため、条例に格上げし、新設されました。
 具体的には、実施機関の責務として、各執行機関に公文書を適正に作成し管理すること、職員に対し研修を実施すること、文書により事案を決定することを義務づけ、重要な事案の決定に当たっては文書を作成、整理及び保存を適正に行い、廃棄や管理状況の点検等を求めております。
 現在、国におきましては、防衛省や文科省におきまして、行政執行の適正さに疑義が生じる原因として、公文書管理のあり方が大きく注目をされております。この事態を他山の石とし、公文書管理の適正化を担保し、都政運営を伏魔殿から検証可能なオープンなものとしていくべきです。あわせて、閲覧手数料を廃止し、写しの交付手数料を軽減する第百号議案、情報公開条例等の改正にも賛成いたします。
 次に、第九十二号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例は、知事の公約に基づき、都政改革のさらなる推進に向けた知事の決意及び姿勢を明らかにするため、知事の給料等を五〇%減額する特例措置を一年間延長するものです。議会としてもこれにのっとった対応をすべきと申し添えます。
 第百九号議案、東京都無電柱化推進条例です。
 これも知事の公約に基づき、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保及び良好な都市景観の創出に向けて、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するものです。二〇二〇年に向け、都市景観の改善とともに、来るべき首都直下地震や大規模水害に備えて無電柱化は遅滞なく進められるべきでございます。
 契約議案につきまして一言申し添えます。
 第百二十三号議案、カヌー・スラローム会場整備工事請負契約については、円滑な事業実施のため、過去の経緯を踏まえまして、工事実施に当たり周辺住民と環境への配慮を引き続きお願いいたします。
 議員提出議案第四号、シルバーパス条例の一部を改正する条例であります。
 私どもの昨年の決算審査において、平成十九年度からこれまで、福祉保健費が平均して四・四二%増加し続けており、景気変動の影響を受けやすく、極めて不安定な形で増減を繰り返す法人二税と福祉保健費が二〇二八年、ほぼ同額となり、都税収入の三四・八%を占める法人二税で福祉費用が賄えなくなってしまうのかもしれないと指摘をしました。このような財政状況を鑑みますと、拙速な判断はしかね、継続した審議を求めましたが、否決をされましたことから、議会運営上やむなく賛否を問われ、反対という判断をさせていただきました。
 七月の改選に向けて、東京大改革のもと、新しい都政において、日暮里・舎人ライナー、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」の利用をしたい健康な高齢者需要と中長期的な財政予測を鑑み、引き続き検討、検証を重ねてまいります。
 最後に、議員提出議案第十号、東京都議会基本条例についてです。
 条例研究をされ、議案提出された各位には敬意を表しますが、議会改革は、各会派が一致して取り組まねばならないことは、法政大の廣瀬克哉教授を初め、指摘するところでございます。今任期では、都議会のあり方検討会が設置されたものの、少数会派が加われず、旧態依然とした都議会制度、慣習の改革について前進が見られなかったことは極めて遺憾です。来期においては、オール都議会にて議会基本条例の制定を含め、実効性を伴う都議会改革が都民とともに検討され、具体的に実現していくことを切望し、引き続きの課題とすべきと申し添えます。
 また、本定例会におきましては、中央卸売市場移転問題や受動喫煙防止施策につきましても闊達な議論がありました。
 豊洲新市場につきましては、昨年の移転延期の決断以降、盛り土の問題が発覚し、施設の使い勝手の悪さなども市場関係者からも指摘されるところです。これらの問題は、食の安全・安心を最優先に対応するとともに、市場事業者の安定的な事業継続が確保されなければなりません。
 一部の会派からは、知事の姿勢を決断できないと根拠なく批判し、早期移転を求める声が聞かれました。市場問題の早期決着を求める都民の声は日に日に強くなっていることは痛感しております。だからこそ、一旦立ちどまる姿勢、徹底調査の上、全ての情報をオープンにする姿勢が求められているのです。盛り土問題に象徴される諸問題の根源的な原因は、都政における意思決定のブラックボックス、住民参加の不在にあるのは火を見るより明らかです。闇に光を当て、都民に見える形で選択肢を示して、手続を踏んでいくことが問題の正常化につながります。
 今までの都政が怠惰にも放棄し、ごまかしてきた正当な合意形成を確立していくことについて、政治問題化させ、批判のための批判を繰り返すことこそ、議会人として無責任のそしりは免れません。
 都議会としては、経済・港湾委員会とともに二つの特別委員会を設置し、市場移転問題を調査してまいりました。調査の成果として報告書が上程されております。限られた期間であったにもかかわらず、休日返上で調査が行われ、段ボール百箱を超える膨大な資料を精査し、証人尋問、参考人質疑を敢行された後、谷村委員長のもと、各委員に加え、議会事務局の努力もあって、非常に明瞭かつ的確で、とてもわかりやすく読みやすい報告書ができ上がったと高く評価するものです。
 我が会派は、百条調査報告書に賛成するとともに、偽証を認定した二名の証人の告発を求めるものです。議会の権威を傷つけ、真実を隠匿しようとしたことは許されることではなく、両人については司直の手により速やかな処断がされることを希望いたします。
 さて、さきの知事選におきまして、小池百合子知事は公約の中に受動喫煙対策の推進を掲げており、都民ファーストの会としても、受動喫煙、いわゆる煙害を防止し、被害者、特に子供を保護するための施策は、まさに都民ファーストの根幹をなすものであり、国や他自治体を先導すべく、大いに取り組むべきと考えます。
 さきの我が会派の、おときた議員の一般質問への知事答弁では、命と健康を重要視され、特に未成年の従業員や妊娠している方、食事をする場所、遊ぶ場所などを自分で選ぶことができない子供たちを、望まない受動喫煙から守ることは非常に重要だと思う旨を述べられました。
 今後の施策展開、特に条例化の検討に当たりましては、事業者のみならず議論を広範に求め、罰則についても実効性を担保するためには、国の動向を注視しつつも、ちゅうちょなく都全体で検討されるべきでございます。罰則の構成要件を厳格化するとともに、義務履行確保、すなわち受動喫煙防止のための措置を徹底するための具体的な措置を条例に定め、実効性を確保することが不可欠です。
 現在、喫煙している場に非喫煙者が入っていかなければならない場面があり、私も多々経験があります。都民ファーストの会といたしましては、隗より始めよということで、煙害の中、陳情、傍聴に訪れなければならない都民の健康を守るため、都議会の議事堂の全面禁煙を強く求めるものであります。
 いうまでもなく、知事と議会は憲法に定める地方自治の本旨にのっとり、二元代表制のもと、車の両輪として機能していくものとされております。都民益の具現化に向け、両輪が切磋琢磨していかなければなりません。仮に片輪が改革を進めようとするときに、もう一方が現状維持とあしき既得権に固執し、抵抗し、回転を妨げては、都政は停滞を強いられ、グローバル規模の都市間競争の中、都民益は日々失われていくばかりです。
 都政改革は、一日一秒たりともとめてはいけません。
 我が都民ファーストの会は、都民と進める東京大改革を高らかに掲げ、個々の自由意思と問題意識のもと、議論を深め、小池知事の都政改革を加速度的に進めていく先兵となることを都民各位にお誓いすることを宣言し、以上をもちまして討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川井しげお君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一、議員提出議案第四号、東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は否決でありますので、原案について起立により採決をいたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立少数と認めます。よって、本案は否決されました。

○議長(川井しげお君) 次に、日程第二から第六まで、第九十一号議案、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例外議案四件を一括して採決をいたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決をいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、日程第七から第四十二まで、第九十号議案、東京都公文書の管理に関する条例外議案三十五件を一括して採決をいたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りをいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、日程第四十三、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを採決いたします。
 本件に関する委員会の報告は、承認することであります。
 お諮りをいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり承認することに決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、二九第三七号、築地市場の豊洲移転を一日も早く実現することを都に求めることに関する陳情を議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   経済・港湾委員会陳情審査報告書
二九第三七号
 築地市場の豊洲移転を一日も早く実現することを都に求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  豊島区
   幸福実現党 東京都本部
 代表 吉井としみつ外二、二九七人
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 経済・港湾委員長 柴崎 幹男
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第二、二九第三六号の一、建築物における性的少数者への配慮に関する陳情外陳情一件を議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   都市整備委員会陳情審査報告書
二九第三六号の一
 建築物における性的少数者への配慮に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  中央区
 西田 知可
二九第三八号
 二〇二〇年に向け、都営地下鉄及び東京メトロの業務一元化を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  中央区
 太田 健一
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 都市整備委員長 あさの克彦
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第三、二八第一四五号、都議会において非核都市宣言をすることを求めることに関する陳情外陳情二件を議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   総務委員会陳情審査報告書
二八第一四五号
 都議会において非核都市宣言をすることを求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会陳情審査報告書
二九第三二号
 東京二〇二〇大会における性的少数者への配慮に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  新宿区
 中村 介乙
二九第三四号の二
 首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  八王子市
   日本民主青年同盟 八王子地区委員会及び首都大学東京班
 代表 吉川 穂香
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第四及び第五、二九第二号、羽田空港増便による都心への新低空飛行ルートの撤回に関する請願外請願一件、陳情四件を一括議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   都市整備委員会請願審査報告書
二九第二号
 羽田空港増便による都心への新低空飛行ルートの撤回に関する請願
 (平成二十九年三月三十日付託)
  請願者  江東区
   羽田増便による都心低空飛行計画に反対する東京連絡会
 共同代表 松橋 隆司
 外二、七七二人
 本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 都市整備委員長 あさの克彦
 東京都議会議長 川井しげお殿

   厚生委員会請願審査報告書
二九第四号
 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願
 (平成二十九年三月三十日付託)
  請願者  台東区
   東京医療関連労働組合協議会
代表 千葉かやと
 本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 厚生委員長 小林 健二
 東京都議会議長 川井しげお殿

   総務委員会陳情審査報告書
二九第二三号の二
 南風時に都心上空を飛行する羽田空港機能強化計画に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  新宿区
 五味 広美
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会陳情審査報告書
二九第二五号
 中学校卒業生の急増に対応した都立高校の新設を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  調布市
   都立高校のいまを考える全都連絡会
 代表者 国松 芳美
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   都市整備委員会陳情審査報告書
二九第二三号の一
 南風時に都心上空を飛行する羽田空港機能強化計画に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  新宿区
 五味 広美
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 都市整備委員長 あさの克彦
 東京都議会議長 川井しげお殿

   経済・港湾委員会陳情審査報告書
二九第一四号の一
 社会保険料等の算定における交通費の除外を求める意見書の提出に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 経済・港湾委員長 柴崎 幹男
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第六、二九第三四号の一、首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情外陳情一件を議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   総務委員会陳情審査報告書
二九第三四号の一
 首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者 八王子市
   日本民主青年同盟 八王子地区委員会及び首都大学東京班
 代表 吉川 穂香
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   経済・港湾委員会陳情審査報告書
二九第三四号の三
 首都大学東京の学費の引下げ、学生寮・食堂の改善、給付型奨学金の創設等に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者 八王子市
   日本民主青年同盟 八王子地区委員会及び首都大学東京班
 代表 吉川 穂香
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 経済・港湾委員長 柴崎 幹男
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第七及び第八、二九第三号、都にタクシーに関する局、部又は課の設置を求めることに関する請願外陳情三件を一括議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   都市整備委員会請願審査報告書
二九第三号
 都にタクシーに関する局、部又は課の設置を求めることに関する請願
 (平成二十九年三月三十日付託)
  請願者  台東区
   自交総連 東京地連
 執行委員長 高城 政利
 本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 都市整備委員長 あさの克彦
 東京都議会議長 川井しげお殿

   総務委員会陳情審査報告書
二九第八号
 日本放送協会の受信契約要件改悪阻止に係る意見書の提出を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会陳情審査報告書
二九第六号
 携帯電話契約等から消費者を保護する法改正等に係る意見書の提出に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第七号
 携帯電話の利用者を不当な契約等から保護する法改正等に係る意見書の提出に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第九、二九第五号、民間開発事業における無電柱化に対する新たな支援に関する請願を議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   都市整備委員会請願審査報告書
二九第五号
 民間開発事業における無電柱化に対する新たな支援に関する請願
 (平成二十九年三月三十日付託)
  請願者  台東区
   特定非営利活動法人 快適まちづくり支援センター
 理事長 八木  浩
 本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 都市整備委員長 あさの克彦
 東京都議会議長 川井しげお殿
       記
 (意見)
   趣旨にそうよう努力されたい。

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第十及び第十一、二九第六号、狭あい道路等における電線共同溝の設計基準の見直しに関する請願外陳情十七件を一括議題といたします。
 委員会審査報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   環境・建設委員会請願審査報告書
二九第六号
 狭あい道路等における電線共同溝の設計基準の見直しに関する請願
 (平成二十九年三月三十日付託)
  請願者  台東区
   特定非営利活動法人 快適まちづくり支援センター
 理事長 八木  浩
 本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月三十日
 環境・建設委員長 両角みのる
 東京都議会議長 川井しげお殿
       記
 (意見)
   趣旨にそうよう努力されたい。

   総務委員会陳情審査報告書
二八第一四四号
 東京都正規職員採用試験等における客観的な能力実証の重視等を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二八第一四六号の一
 都職員に誠実な回答をさせる(虚偽の回答をさせない)こと等を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第一号
 都職員採用試験等における受験者の性別情報を収集しないことを求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第二号
 職員団体の活動に休暇扱い以外の職務専念義務免除を認めないことに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第四号
 都の職員団体によるオルグの緩和を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 総務委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会陳情審査報告書
二九第三六号の二
 建築物における性的少数者への配慮に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  中央区
 西田 知可
 本委員会は、右陳情審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿
       記
 (意見)
   趣旨にそうよう努力されたい。

   文教委員会陳情審査報告書
二九第四〇号
 都が公募する意見書等の受理方法の統一及び改善を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  中央区
 太田 健一
 本委員会は、右陳情審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿
       記
 (意見)
   趣旨にそうよう努力されたい。

   文教委員会陳情審査報告書
二九第五号
 都立図書館における不健全図書のレーティング表示を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第二八号
 「東京都いじめ防止対策推進条例」等の改正を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  品川区
   一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
 東京代表 栗岡真由美 外一四一人
二九第二九号
 「いじめ防止対策推進法」の改正を求める意見書の提出に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  品川区
   一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
 東京代表 栗岡真由美 外一五六人
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   厚生委員会陳情審査報告書
二九第一一号
 保育施設の設置又は存続に際しひるまないことに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第二六号の二
 〇歳児の家庭保育の充実及び一歳児の認可保育所「入園予約制」の実施に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  江戸川区
 薦田 真由美
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十六日
 厚生委員長 小林 健二
 東京都議会議長 川井しげお殿

   経済・港湾委員会陳情審査報告書
二九第二六号の一
 〇歳児の家庭保育の充実及び一歳児の認可保育所「入園予約制」の実施に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  江戸川区
 薦田 真由美
 本委員会は、右陳情審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 経済・港湾委員長 柴崎 幹男
 東京都議会議長 川井しげお殿
       記
 (意見)
   趣旨にそうよう努力されたい。

   経済・港湾委員会陳情審査報告書
二八第一四六号の二
 都職員に誠実な回答をさせる(虚偽の回答をさせない)こと等を求めることに関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第一二号
 公共職業安定所における性別や年齢の限定求人等の是正を求める意見書提出に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第一三号
 公共職業安定所における性風俗求人等の是正を求める意見書提出に関する陳情
 (平成二十九年三月二日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
二九第三〇号
 東京障害者職業能力開発校における生徒の健康・安全管理の是正に関する陳情
 (平成二十九年三月三十日付託)
  陳情者  埼玉県北葛飾郡杉戸町
 小畑 孝平
 本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年五月二十九日
 経済・港湾委員長 柴崎 幹男
 東京都議会議長 川井しげお殿

○議長(川井しげお君) お諮りをいたします。
 本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第十二、議員提出議案第十一号、駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書を議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

議員提出議案第十一号
   駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十九年六月七日
(提出者)
 小林 健二  加藤 雅之  大門さちえ
 和泉ひろし  山森 寛之  立石 晴康
 大場やすのぶ 大津ひろ子  塩村あやか
 小松 久子  西沢けいた  宮瀬 英治
 米倉 春奈  白石たみお  斉藤やすひろ
 栗林のり子  遠藤  守  伊藤こういち
 前田 和茂  菅野 弘一  川松真一朗
 栗山よしじ  小松 大祐  木村 基成
 山内  晃  上田 令子  おときた駿
 山内れい子  中山ひろゆき 田中 朝子
 石川 良一  里吉 ゆみ  和泉なおみ
 尾崎あや子  大松あきら  吉倉 正美
 まつば多美子 高倉 良生  堀  宏道
 松田やすまさ 柴崎 幹男  舟坂ちかお
 清水 孝治  鈴木 錦治  神野 次郎
 北久保眞道  高椙 健一  栗山 欽行
 両角みのる  西崎 光子  小山くにひこ
 あさの克彦  新井ともはる 中村ひろし
 とくとめ道信 河野ゆりえ  小竹ひろ子
 上野 和彦  野上 純子  中山 信行
 谷村 孝彦  藤井  一  和泉 武彦
 近藤  充  ほっち易隆  河野ゆうき
 島崎 義司  小宮あんり  鈴木 章浩
 きたしろ勝彦 田中たけし  鈴木 隆道
 神林  茂  早坂 義弘  島田 幸成
 尾崎 大介  今村 るか  石毛しげる
 畔上三和子  大島よしえ  松村 友昭
 鈴木貫太郎  ともとし春久 長橋 桂一
 秋田 一郎  中屋 文孝  桜井 浩之
 山崎 一輝  三宅 正彦  鈴木あきまさ
 山加 朱美  高橋かずみ  山田 忠昭
 林田  武  こいそ 明  田島 和明
 古賀 俊昭  山下 太郎  酒井 大史
 大西さとる  植木こうじ  かち佳代子
 曽根はじめ  小磯 善彦  橘  正剛
 東村 邦浩  中嶋 義雄  宇田川聡史
 高橋 信博  崎山 知尚  高木 けい
 相川  博  吉原  修  野島 善司
 三宅 茂樹  川井しげお  野村 有信
 高島なおき  吉野 利明  内田  茂
 柿沢ゆきえ  斉藤あつし  清水ひで子
 大山とも子  吉田 信夫
東京都議会議長 川井しげお殿

   駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書
 駐留軍関係離職者等臨時措置法は、平成二十五年の改正により、五年の期限延長を経て、平成三十年五月十六日をもって失効となる。
 同法は、昭和三十三年の制定以来、昭和四十八年の関東平野空軍施設整理統合計画(関東地区の米空軍施設を横田基地に統合する計画)等による基地の統合・返還により生じた多数の離職者対策を始めとして、必要に応じた施策を講じつつ、期限延長を続けてきたところである。
 現在においても、在日米軍再編に伴う雇用問題が懸念される中にあって、駐留軍労働者の離職者対策は、より重要性を増している。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限を延長し、日本人従業員の雇用安定確保及び離職者対策に万全を期するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十九年六月七日
東京都議会議長 川井しげお
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
厚生労働大臣
防衛大臣 宛て

○六十七番(河野ゆうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十一号については、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りをいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十一号は、原案のとおり可決されました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第十三、豊洲市場移転問題に関する諸事項の調査を議題といたします。
 本件に関する委員会の報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   〔豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会調査報告書は本号末尾に掲載〕

○議長(川井しげお君) 本件に関し、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員長より報告を求めます。
 調査特別委員長谷村孝彦君。
   〔六十二番谷村孝彦君登壇〕

○六十二番(谷村孝彦君) 豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会における調査の結果について、委員会を代表し、その概要をご報告申し上げます。
 本委員会は、築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯や、東京ガス株式会社などとの交渉、土地売買に関する経緯、豊洲市場の土壌汚染対策などを調査することを目的に、平成二十九年二月二十二日の第一回定例会本会議において、起立総員により、地方自治法第百条に基づいて設置されました。都議会で百条委員会が設置されたのは実に十二年ぶりのことであります。
 二月二十二日の第一回委員会以降、六月二日の調査報告書取りまとめに至るまでの百一日間、通常は委員会が開催されない土日や祝日にも委員会を開催するなど、十五回にわたり審議を行いました。この間、二十四人の証人の方に対し、五日間で合計二十三時間にわたる尋問を行いました。さらに、四百二十五件の記録を請求し、百七十四箱にも及ぶ記録の提出を受けるなど、極めて精力的に調査検討を重ね、多様な観点から調査事項の解明を目指してまいりました。
 途中、委員長不信任動議の可決、二十日間に及ぶ委員長不在、委員会条例第十三条第二項による委員会招集が行われるなど、都議会史上初めてとなる困難な状況を乗り越え、全容解明を進めた結果を調査報告書として取りまとめることができました。これもひとえに上野和彦副委員長、こいそ明副委員長、酒井大史副委員長を初め、理事、委員の皆様方の熱心なご審議とご協力のたまものと心から感謝を申し上げる次第でございます。
 また、東京都関係局、東京ガス株式会社を初めとする関係各位の皆様方におかれましても、記録の提出など、本委員会の運営にご協力いただきましたことに改めて御礼申し上げます。
 さて、本委員会における調査の結果、豊洲市場移転問題に関して、次の四つの事項が明らかになりました。
 第一に、豊洲市場が築地市場の移転先として選定された経緯であります。
 石原元知事が就任した当初、築地市場は現在地再整備案が検討されており、豊洲地区への移転は既定路線といえる状況ではありませんでした。その後、現在地再整備案につきましては、業界団体との合意に至らず、移転も視野に入れた検討が開始されました。このような状況において、石原元都知事は、土壌汚染に関する報告を受けながら、最終的に五カ所の候補地の中から豊洲への移転を決断し、推進していったのであります。
 第二に、東京都と東京ガス等との土地売買交渉の内容であります。
 土地売買をめぐる水面下交渉について、次の三点が浮き彫りとなりました。
 まず、平成十三年二月二十八日付の覚書の確認という文書の存在であります。この文書には、都と東京ガスとの間で、平成十三年二月二十一日に締結された覚書の具体的な内容が記載されているものであります。さらに、防潮護岸等を含む開発者負担の見直しや土壌処理方法等について、今後、協議が調った場合、確認書を締結することが明記されており、後の基本合意の確認書の基礎となった重要な文書であります。
 そして、平成十三年七月十八日付の基本合意の確認書の存在であります。この文書において、土壌汚染対策は現処理計画により進めていくことが確認されており、後に必要となった追加の土壌汚染対策の際に、都が多額の費用を負担する根拠の一つとなったと考えられます。また、防潮護岸整備について、開発者負担の見直しが行われております。このような大幅な譲歩が公式の記録に残らない形で合意されていたということは、土地の取得の交渉をまとめるために、不透明な形で東京ガスの利益確保を図ったと考えられます。
 これに対し、この護岸対策工事費の負担変更は、開発計画の変更による結果であり、東京ガスに対して不正、不当な利益は供与されていないという意見もありました。
 さらに都は、政治的圧力ともとれる言動で交渉を進めたと推察されることであります。これは、土地の取得を最優先する余り、土壌汚染対策の視点が抜け落ちており、安全を軽視していたことを示すものであります。
 第三に、豊洲市場用地における土壌汚染対策について、次のことが明らかになりました。
 豊洲市場用地の土壌から環境基準の四万三千倍ものベンゼンが検出されたことを受け、都は、法令を上回る追加的な土壌汚染対策を実施することとし、費用の一部負担を東京ガスに申し入れ、東京ガスが七十八億円を負担することで合意しました。
 しかし、基本合意の確認書で汚染土壌が残る計画を都が認めていたことや、追加対策の費用負担に関する交渉時の東京ガスの要望などを受けて、都は東京ガスにそれ以降の追加負担を求めることができなくなりました。東京ガスは企業の社会的な責任として、追加負担したものと解されます。
 第四に、都庁におけるガバナンス上の問題について、次の点が浮き彫りとなりました。
 まず、都政の重要課題を部下に一任したままの元知事や、水面下で交渉を進めて、その結論を隠蔽した元副知事など、都の執行部の無責任体質が明らかとなりました。
 本委員会が調査を行うまで明らかにならなかった覚書の確認や基本合意の確認書など、重要な内容を含む合意文書の存在自体が都庁内で隠蔽または破棄され、結果として引き継がれることもなく、共有もされていなかったという不適切な公文書の作成、保存及び管理の実態が明らかとなりました。
 そして、いわゆる盛り土問題に端的にあらわれているように、都庁の組織内部における縦の連絡や横の連携が不十分であったことも確認されました。
 以上が本委員会の調査で明らかになった事項であります。
 このように、調査で明らかになった事項がある一方、証人尋問において虚偽の陳述があったとの結論に至りました。
 これを受けて、五月三十一日の委員会において、小林健二委員外十二名の委員から、元東京都副知事濱渦武生氏が虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議が文書により提出されました。
 これは、三月十九日に行った尋問において濱渦氏が証言した、基本合意の確認書は全く知らない、基本合意以降のことは私は存じ上げない、担当部長が連名で来るなんてことはあり得ないなどの証言が虚偽の陳述に当たるというものであります。
 また、小林健二委員外十二名の委員から、元政策報道室理事赤星經昭氏が虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議が文書により提出されました。
 これは、四月四日に行った尋問において赤星氏が証言した、覚書の確認は知らない、基本合意の確認書は知らないなどの証言が虚偽の陳述に当たるというものであります。
 これらの動議はいずれも起立多数で可決されました。
 また、五月三十一日の委員会において、おときた駿委員より、河野ゆうき委員に問責に値する発言があったと認め、その旨議会運営委員会に協議を求める動議が提出されました。
 これに対し、河野委員の発言は、提出された資料の特徴を明らかにするためのものであり、委員会を軽視したものではないとの反対意見が表明された後、本動議について採決が行われ、起立多数で可決されました。
 さて、豊洲市場移転問題につきましては、これまで述べましたように、本委員会の調査によって多くの課題が浮き彫りとなりました。仮に本委員会が設置されていなければ、先ほど述べましたように、水面下交渉における交渉記録が作成されていたという事実は明らかになることはなく、また、関係者間の交渉などに関する数々の証言を得ることもできなかったことと思います。本委員会が設置され、一定の結論に至った意義は極めて大きなものとなりました。
 一方、本委員会では、時間的制約などにより、豊洲市場建設工事における契約に関する事項につきましては、十分に調査を行うことはできませんでした。
 都議会としても、当時、水面下交渉の経緯や盛り土の問題を見抜けなかった反省を踏まえ、行政の重要課題に対して都議会がチェックできる体制を構築していくことが必要であります。
 また、今後の都政運営においては、都民の財産としての公文書の作成、保存及び管理のさらなる適正化や情報公開の推進、組織内の連携の強化によってガバナンス上の問題を改善し、再発防止に最大限努めるよう、執行機関に対して求めるものであります。
 最後に、本委員会の調査結果が、今後の都政の発展に十分に生かされることを望みます。
 以上をもちまして豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会を代表しての委員長報告とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって報告は終わりました。

○議長(川井しげお君) これより討論に入ります。
 順次発言を許します。
 六十七番河野ゆうき君。
   〔六十七番河野ゆうき君登壇〕

○六十七番(河野ゆうき君) 自由民主党を代表して、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会の報告書は、多数派意見を偏重する余り、審議内容が正しく反映されていないことから、報告書として認定することに反対の立場から討論を行います。
 本百条委員会は、調査項目について、資料及び証人尋問等により事実を明らかにすることを目的とする委員会であり、偽証告発をすることが目的ではありません。
 豊洲を移転先に決定した経緯、東京ガスと東京都との交渉経過など、事実関係をつぶさに検証いたしました。その結果、東京都が東京ガスから豊洲を市場用地として入手する際に、不正、不当な利益供与があったという事実は発見されませんでした。
 そして、土壌汚染対策に関する費用負担も、法令基準を満たす対策と市場用地という特別の条件を勘案したさらなる対策それぞれについて、東京ガスと東京都、双方が了解のもと、取り決めがきちんと行われたことも明確になりました。
 さらに、あたかも裏取引のようにいわれた水面下での交渉とは、事務的に細部を詰めていくという意味にしかすぎませんでした。
 そして、二者間合意と呼ばれ、密約があったかのようなレッテルが張られた平成十三年七月の東京都と東京ガスの部長級の職員の間での確認書も、それまで担当レベルで協議した内容を確認したものを文章化したものにすぎないということもわかりました。つまり、豊洲への移転を決めるに当たって、東京都と東京ガスの交渉経過や双方の検討作業において、その不当性を疑うべき事実は何ら発見できなかったのです。
 また、濱渦元副知事、赤星元政策報道室理事の二人に対しての偽証認定についてですが、その根拠として、虚偽の陳述に当たると考えられる案件一覧が自民党以外の五会派から提出されました。
 これに対して我が党は、この一覧に書かれた内容は、偽証と認定するにはいずれも曖昧かつ薄弱なものであり、偽証認定、そして告発の根拠とはなり得ないことを、委員会において逐一具体的に明らかにいたしました。
 また、重大な人権侵害のおそれのある刑事告発という案件の場合、法的な判断も加味すべきことはいうまでもありません。
 我が党の顧問弁護団、また議会局の顧問弁護団からも、提出された資料や証言からは偽証を認定できる事実は見出すことができず、告発したとしても、検察が起訴することは困難と思われるとのご指摘もいただいております。このことも委員会で明らかにいたしました。
 ところが、こうした我が党の意見や専門家からの指摘には、五会派の委員は全く耳をかさず、三十一日の委員会では、二人の証人に対する偽証認定、告発が多数決で強行されたのです。
 このため我が党の委員は、他の五会派が確たる証拠もないまま、人権にかかわる重要な決定を強行したことに強く抗議するとともに、両証人に対する偽証告発に断固反対の意見表明を行ったところです。
 このように、我が党は、具体的かつ明確に意見を主張してきたものです。もちろん、各会派の議員もそれぞれの立場で主張を展開いたしました。こうした議論があったのです。
 委員会の報告書とは、委員会でどのように質疑が行われ、どのような議論が交わされて、どのような理由で結論が導き出されたのか、そのことが本会議場にお集まりの全議員、そして都民の方々にもわかるものでなければなりません。
 ところが、現在提出されている本報告書は、豊洲移転は間違い、不正があった、偽証に間違いないといった五会派の主張のみが全面的に展開をされており、我が党の委員の意見や主張が全くといっていいほど反映されておりません。
 委員会の報告書は、多数派の見解を対外的に主張するための材料ではありません。実際に議論された内容を、公平、中立にバランスよく記載する必要があります。その観点から、現在提出されている報告書の内容は、著しく公平を欠く不確実なものであるといわざるを得ません。
 我が党は、こうした報告書の不備を訂正していただくため、具体的に対案を示しつつ、加筆、訂正を委員長に求めてまいりましたが、ほとんど無視されたのが実態であります。
 このように、多数意見を偏重し、審議内容が正確に反映されていない報告書を本委員会の報告書として決定することに断固反対いたします。
 さらに、この報告書の中には大きな問題があることを指摘しておきます。
 それは、安全を軽視した交渉姿勢と題して、東京ガスの資料の中にあった一枚のメモを頼りに、東京ガスと東京都の交渉自体を否定するかのような記述がなされていることです。
 東京ガスから提出された膨大な資料に目を通すと、東京都が豊洲移転に決定してから、もともと東京ガスが有していた計画を変更し、法令を上回る土壌汚染対策まで行い、東京都に用地を売却するまで東京ガスの中でいろいろな議論があり、時には反発もある中、常に誠実に取り組んでおられたことがよくわかります。東京ガスの方々は、その業態から、環境問題には特に誠実に取り組んでおられ、当時、環境確保条例を先取りした環境対策の方針を決定する、そのような対応もなされていたのです。
 こうした東京ガスの皆さんの環境問題への誠実な取り組みを前提に、東京都としても、市場用地として必要な安全対策については東京都が行うという内容で交渉が進められたのです。このことは多くの資料、証言から明らかな事実です。
 ところが、委員会報告書の中で、誰が、いつ、どこで作成されたかも不明な一枚のメモを根拠に、東京ガスは東京都におどされて、東京都と東京ガスの間では、安全を軽視した交渉が行われたとする記載がされているのです。
 このメモが東京ガスから提出された資料の中にあったことは間違いありませんが、しかし、その後このメモは、いつ、誰が、何のために作成したのかを議会局を経由して東京ガスに質問したところ、東京ガスからは不明であるとの回答がありました。そのようなメモであります。
 さらに、証人尋問の中で、東京ガスの社長広瀬氏は、豊洲の件では、東京都初め関係者と真摯に向き合い、真剣に協議した、東京ガスの事業は非常に公益性の高い事業であり、企業としての経済性と公益性を両立させるのがポリシーである、そして、東京都との協議は、恐らく何百回、いろいろなレベルでなされたと思う、協議や交渉事ではいろいろな提案があり、結果的にその場限りのものもあり、最終的に、合意、契約となっていく、それが交渉だと考えている、また、東京ガスから提出した資料について、時の経営者、そして、本日出席の証人が見ていないものも含め、担当レベルで作成した資料も含めて出すようにと指示をしたと述べられております。
 このような証言がある中、東京ガスも確認できないメモについて、殊さらにこだわり、事実誤認をしていることも気づかずに、新事実を発見したかのような、センセーショナルに取り上げた委員もいらっしゃいました。
 しかし、委員会の報告書となると、これは別の問題です。これまでは東京都が安全を軽視して東京ガスをおどした、もしくは、両者はそのような関係で交渉を進めてきた、これを、東京都議会がこのようなことを認定してよろしいのでしょうか。当時、交渉にかかわった東京ガス、そして東京都関係各局、それぞれの関係者に余りに失礼で、かつ、全く根拠のない記載です。直ちに削除するべきです。
 このような本報告書は、委員会における審議内容が正確に記載されておらず、先ほど指摘した極めて不適切な記述まで含まれています。
 私は、この百条委員会が政治利用の場と化してしまったと思っております。何かの意向をそんたくしているかのような委員会報告書ができてしまったとも感じております。選挙が間近といっても、余りに異常であります。(発言する者あり)
 そもそも委員会の報告書です。審議したことを公正中立に、幅広く網羅して、意見が分かれたところがあっても、両論併記をするのが当たり前であります。
 しかしながら、報告書の賛否について多数決をとる、これは極めて異例のことであり、我々の意見はほぼ無視され、数に物をいわせ強行に採決をされる。ましてや、我々は少数派といっても、委員二十二名のうち十名を有する最大勢力であります。(発言する者あり)それにもかかわらず、我々自民党以外の五会派は、仲よく野合を組み、みずからの組み立てたストーリーを正当化するゆえに、我々自民党の主張をもみ消してしまうかのような、こんな暴挙は到底許されるものではありません。
 政治家として良心や矜持をお持ちの議員諸君に対し、我々とともに……(発言する者あり)

○議長(川井しげお君) 静粛にしてください。

○六十七番(河野ゆうき君) この偏った報告書を認定しないよう、反対することを呼びかけ、討論を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 一番小林健二君。
   〔一番小林健二君登壇〕

○一番(小林健二君) 私は、都議会公明党を代表し、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会の委員長口頭報告に対し、賛成の立場から討論を行います。
 本委員会は、豊洲市場移転問題について、これまでの経緯や土地売買交渉、土壌汚染対策などを調査することを目的に、第一回定例会本会議において、起立総員により、地方自治法第百条に基づいて設置されました。
 設置以降、百一日間、土日や祝日も返上して委員会を開催し、二十四人の証人の方に対し、五日間で合計二十三時間にわたる尋問を行いました。さらに、百七十四箱にも及ぶ記録の提出を受けるなど、精力的に調査検討を重ね、多様な観点から調査事項の解明をしてまいりました。
 特に、土地売買や土壌汚染対策をめぐる交渉については、濱渦元副知事が主導し、赤星元政策報道室理事が交渉に当たった水面下交渉により、交渉記録も残さず、交渉結果をも水面下に隠蔽あるいは破棄したことが、豊洲市場移転問題の最大の問題であります。
 東京都と東京ガスの間で交わされた平成十三年二月二十八日付の覚書の確認、平成十三年七月十八日付の基本合意の確認書、この二つの確認書は、東京都には保管されず、百条調査権によって、初めて東京ガス側には保管されていたことが明らかになりました。後に必要となった追加の土壌汚染対策の際に、都が多額の費用を負担する原因の一つとなり、都側に公式の交渉結果を残さない形で合意されていたという事実は、土地取得交渉をまとめるために、不透明な形で東京ガスの利益確保を図ったものと考えられます。
 ゆえに、濱渦元副知事、赤星元理事の政治的、行政的責任は極めて重いものといわざるを得ません。特に、濱渦元副知事は、覚書の確認、基本合意の確認書が決して表には出ないという前提で各種メディアに発信してきたがゆえに、証人尋問での証言には明らかなほころびが生じてしまったものであります。
 そもそも百条調査権の権能は、記録の提出と証人の出頭で行使されるものであります。この二つを照合しつつ真相を究明するものであり、その大前提として、記録の不提出と偽証には刑罰を定めているわけであります。
 都議会自民党のご主張は、証人の証言をそのまま受けとめることに終始しており、提出された記録をメモとしか呼ばず、その信憑性のみを問うという姿勢では、百条調査権そのものを否定することになります。
 さらに、自民党の顧問弁護団による偽証認定は困難との見解を披瀝されておりますが、法律の解釈、適用、事実認定についての見解は、往々にして弁護士や識者によっても分かれ得るものであります。事実、全ての尋問に立ち会った自民党委員からも、都議会自民党は偽証なしとの立場でしたが、私は、濱渦武生氏と赤星經昭氏は偽証の疑いありという見解ですと発表されております。この事実をどうご説明されるのでしょうか。
 さて、本百条委員会では、突然の委員長辞職表明を受けて、委員長不信任動議の可決、二十日間に及ぶ委員長不在、委員会条例第十三条第二項による委員会招集が行われるなど、都議会史上初めてとなる困難な状況を乗り越え、全容解明を進め、調査報告書として取りまとめられました。
 こうした経過を踏まえ、今定例会では、公文書管理条例が新設されました。これに加えて公明党は、現状では議会の議決事項ではない公営企業にかかわる契約締結などの事務について、事前に議会に報告する仕組みづくりも提案させていただいております。
 本委員会の調査結果が今後の都政の発展に生かされることを強く希望し、委員長口頭報告に対する賛成討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 百一番酒井大史君。
   〔百一番酒井大史君登壇〕

○百一番(酒井大史君) 私は、豊洲市場移転問題に関する諸事項を調査することを目的に設置された豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、事実解明の調査が終了したことをもって、東京改革議員団を代表し、同委員会の調査報告に賛同する討論を行います。
 同委員会においては、二月二十二日、都議会本会議において全会派一致で設置され、六月二日の調査報告書の決定まで、土日祝日の開催も含め、十五回の委員会を開催、延べ二十四名の証人尋問を行い、二十三時間にわたって証人尋問を実施しました。また、現在までに提出された記録は四百二十五件、段ボール箱百七十四箱分の量となり、各委員はこうした大量の記録を読み込むとともに、証人尋問を行うなど、精力的な審議、活動を行ってまいりました。
 同委員会は、五月二十四日、各会派による意見開陳を実施して、報告書の調査結果などを起案し、六月二日において報告書の決定を議決しました。
 まずは、同委員会における調査の結果と改善意見について述べます。
 石原都政における豊洲移転交渉の端緒を開いたのは、石原元知事と同窓の後輩である上原元東京ガス社長のトップ会談となっています。平成二十二年の市場移転の最終決断についても、石原元知事が、私が判断したと証言して、石原元知事がみずから責任を持って決断したことが確認されたことから、豊洲移転の最高責任者は石原元知事であり、その責任は重いものと考えます。
 東京都と東京ガス等との土地売買交渉は、水面下交渉と呼ばれていますが、水面下交渉は、東京ガスが都に対して、豊洲・晴海開発整備計画が進んでいることから、他の地権者などへの影響を考慮し、水面下での交渉を求めたものです。濱渦元副知事は、石原元知事からの至上命令、豊洲に市場用地を取得するために、この水面下交渉を受け入れ、都庁全体に東京ガスに損をさせない仕組みづくりの構築を指示しました。東京ガスが都と土地取得の協議を行う上での条件は、平成十年の豊洲地区開発整備にかかわる基本合意時の開発利益と事業採算性を確保することでした。
 都が豊洲用地の取得を優先させ、東京ガス側に豊洲開発負担において譲歩をし続けた結果、東京ガスの利益確保を図ることにつながっていったと考えられます。
 同委員会の調査によって、平成十三年二月二十八日付築地市場の豊洲移転に関する協議事項(確認)と、平成十三年七月十八日付築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書(二者間合意)の二つの文書が明らかにされたことは、都と東京ガスとの交渉の真相を解明する上で、大変重要な調査結果であると考えています。
 東京ガスが豊洲用地の土壌汚染を公表した翌月に、都が覚書を締結し、基本合意への締結へと進める過程や、都が土地の取得を優先した姿勢を具体的に裏づける文書もあり、東京ガス側に豊洲開発負担において譲歩をし続けた交渉の実態がわかる文書となっています。
 豊洲市場における土壌汚染対策については、平成二十年に東京ガス所有の豊洲新市場予定地の土壌から環境基準の四万三千倍ものベンゼンが検出されたことで、都民の新市場の安全・安心に対する期待を損なうものとなりました。
 同委員会においては、歴代市場長による平成十七年五月の豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書の締結や、平成二十一年から二十三年にかけての東京ガスへの土壌汚染対策の追加費用負担交渉の証人尋問、記録検証が行われました。交渉の中では、東京ガスによる豊洲への市場移転の白紙撤回も辞さないとした発言などがあり、都が東京ガスの主張を受け入れ、その後も追加負担なしとする最終合意を行った状況が確認できました。
 同委員会を設置したことで、水面下交渉に関する大量の交渉記録が提出され、各証人による数々の証言を得ることができました。これらを精査して、豊洲市場移転問題の真相解明に向けた厳正な調査を行った結果、今後の都政運営におけるさまざまな改善策が報告書で示された意義は極めて大きいと述べさせていただきます。
 次に、虚偽の陳述の認定及び告発の議決を求める決定について述べます。
 良心に従って真実を述べ何事も隠さず、また何事もつけ加えないことを誓うとする宣誓を行った証人、濱渦元副知事ら二名について、同委員会は、虚偽の陳述の認定及び告発の議決を求める決定を行いました。
 証人尋問で、濱渦元副知事らは、東京ガスとの交渉など、当時の状況を詳細に繰り返し証言を行っていたことから、石原元知事からの至上命令、豊洲に市場用地を取得するために、東京ガスとの交渉に責任を持って深くかかわっていたことや、現在もそれらの記憶を有していることは明白な事実と考えます。
 しかしながら、重要な事実については、みずからの関与を否定し、または、知らないと証言したことから、提出された記録から見ても、濱渦元副知事らが異なることを認識した上で証言をしたと判断し、また、その証言は、同委員会の真相究明に重大な影響を与えるものであることから、見過ごすことができないと考えるものです。
 次に、委員長の辞任の申し出及び不信任に関する動議について述べます。
 四月二十六日の同委員会理事会において、桜井前委員長は、都議会自由民主党も含めて、各会派から提出された虚偽の陳述に当たると考えられる案件について確認をし、桜井前委員長によって理事会全体による了承をとり行ったにもかかわらず、その直後、偽証認定の対象となっている証言は、偽証というより単なる記憶違い程度のものであるなどとした辞任表明を配布し、同委員会の運営、真相解明に向けた取り組みを封じるような暴挙に出ました。
 桜井前委員長の職責放棄によって、その後二十日間も委員会が開会されなかったことは、委員会での審議、真相の追及に多大な影響を及ぼしました。四月二十八日に委員長不信任動議が可決されたことは至極当然のことであり、同委員会の報告において、記録に記すべき事項であると申し上げておきます。
 最後に、副委員長を務めた者として一言申し上げます。
 先ほど、都議会自民党は、谷村委員長の口頭報告に対し、反対の立場でるる意見を述べられておりました。しかし、本来であれば、都議会第一党として、同委員会設置時に委員長ポストを受けた御党の議員が委員長として報告を行い、その報告書の作成もリードできる立場にあったはずです。
 にもかかわらず、その立場も責任も放棄をしたのは、責任政党を自認する御党の桜井前委員長です。辞任後も、同委員会の正常化に向け何ら取り組もうとすらしなかったことは、都議会第一党としての矜持すら失ってしまったのではないかと残念でなりません。
 事態の収拾に尽力し、まさに火中のクリを拾ったのが公明党の谷村委員長です。本日、一定の成果を報告書として、議決に付すまでに至ったことに感謝すればこそ、批判することは本末転倒も甚だしいと申し上げておきます。
 以上、東京改革議員団は、この調査報告をもって同委員会の報告書とすることに賛同し、安全・安心な市場の実現に向けた議論を前進させていくことを表明して、討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 百五番曽根はじめ君。
   〔百五番曽根はじめ君登壇〕

○百五番(曽根はじめ君) 日本共産党都議団を代表し、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会調査報告書に対し、賛成の立場から討論を行います。
 豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会、いわゆる百条委員会は、時間的な制約もあり、残された課題もありますが、東京ガス豊洲工場への築地市場移転の経過、交渉及び土地売買に関する経緯などで重要な事実を明らかにし、責任の所在も明らかにできたことは重要と考えます。この事実を報告書として都議会と都民に報告することが特別委員会の責務です。
 以下、報告書で特に重要と思われる点について述べます。
 まず、報告書が、豊洲市場が移転先として選定された経緯について、最高責任者として交渉の状況や結果についての報告を受け、適時適切に判断を下すべき立場にあった石原元知事の責任は重いものであると考えると記載されたことは重要です。
 自民党はこの記述に対し、豊洲移転が誤りであったことを前提とした一方的かつ不適切な表現であり、全く不明な記載であり、削除すべきと特別委員会で発言しましたが、これら記録と陳述は、具体的事実をもって石原元知事の責任を明確にしたものです。
 そもそも石原氏は、昨年十月、小池知事からの質問状に対し、豊洲移転は既定路線だった、移転予定地が東京ガス工場跡地とは聞いていない、契約に当たり、汚染対策の東京ガス負担が七十八億円だったことや、瑕疵担保責任を免責することは判断を求められることはありませんでしたと回答しました。これらは、みずからの責任を逃れようとするものです。
 しかし、特別委員会に提出された記録と尋問は、こうした回答が偽りであることを浮き彫りにしました。既定路線という点では、石原氏が根拠にした青島元知事との引き継ぎ事項に移転の記載はなく、尋問の中で石原氏自身、みずからが決裁したと認めました。
 土壌汚染とガス工場跡地だったことは聞いていなかったという主張についても、我が党が明らかにした記録によって、石原氏は、一九九九年十一月十七日、豊洲地区の土壌汚染についてという報告を受けていたことが確認されました。みずからも豊洲移転の決裁に当たり、土壌の汚染の問題もあるけれどもと当時発言したと陳述しました。明らかに汚染を知りながら移転を判断したのです。
 さらに、売買契約に当たり、汚染処理費の東京ガス負担がわずか七十八億円であることや、今後、瑕疵担保責任を求めないことも、判断を求められないどころか、当時の市場長が説明し、了解を得ていたことが記録と陳述で明らかになったのです。
 石原氏は、特別委員会ではわずか一時間の尋問の中で、記憶にありませんを連発しましたが、この記憶にない陳述は、明らかに小池知事に対する、知らなかった、判断を求められなかったという回答とは異なるもので、虚偽の陳述です。
 石原氏は、私が尋問の中で、七十八億円について知事に説明した記録を示したのに対し、それが何ですかと居直るという驚くべき態度でした。虚偽と居直りで、汚染が深刻な東京ガス豊洲工場跡地への移転の決断、そして、東京ガス優遇の売買契約の了承というみずからの重大責任を免れようとすることは、絶対に許されません。
 また、いまだに石原元知事を擁護し続けようとする自民党の態度は、都民から厳しい批判を受けることは免れません。
 次に、汚染軽視の問題です。
 自民党は、委員会報告書の安全を軽視した交渉姿勢という記載は載せるべきではないと主張し、その根拠として、元市場長が専門家の意見も聞いた上で対策が可能だと判断していたと証言したと強調しました。しかし、この元市場長は、我が党が、対策が可能だといった専門家が誰なのか、可能だという根拠は何かと尋問したのに対し、確認していない旨陳述したのです。その上、元市場長は、東ガスが売ってくれるかどうかが最大の戦略目標だったとし、汚染問題について、安易な判断だといわれりゃそれまでと陳述しています。
 陳述を通して、濱渦氏も石原氏も、汚染対応については、この元市場長の、対策をとれば可能との安易な判断を精査することもなくうのみにして移転可能との判断をしているんです。石原氏に至っては、みずからの責任を逃れるために、汚染について知らなかったという態度をとっていました。
 このように、移転判断に当たって、移転優先で汚染問題を軽視したことは明白です。多くの都民が、深刻な土壌汚染地であるガス工場跡地についてどう検討したのか疑問に思っており、この点でも、特別委員会として報告することは重要です。
 次に、特別委員会の調査、尋問によって、初めて、都と東京ガスとの基本合意文書とは別に、これと一体となった確認書の存在が明らかになったことは重要です。
 二〇〇一年七月六日に都と東京ガスで結んだ基本合意は、初めて東京ガスが築地市場の豊洲移転に協力を表明したものですが、そのための具体的条件は記載されず、専ら確認書に委ねていたことがわかりました。そして、この確認書では、東京ガスの防潮護岸負担をゼロにするなど、東京ガスの事業費負担を四百八十六億円も削減すること、汚染処理についても、汚染は全て除去はせずに残される計画で了承するというものでした。
 このように確認書が移転の了解を得ることを優先し、汚染対策でも、費用の軽減でも、東京ガスに譲歩したものであることは明らかです。にもかかわらず自民党は、不十分な汚染対策も、防潮護岸負担をなしにしたことも、特別委員会で何ら問題ではない旨の主張をしました。
 都と東京ガスの協議記録でも、当時、環境局は、東京ガスの汚染処理計画では汚染が残るので不十分だと見直しを求めましたが、東京ガスは、不満なら合意は白紙だとまで居直りました。尋問でも、東京ガスの担当者は、汚染問題は非常に大きな課題だという認識であり、土地売却の判断をする一つの要因だったと陳述しているのです。
 また、防潮護岸負担と事業費の軽減は、基本合意締結に向けて最後まで東京ガスが強く要望し続け、基本合意直前の六月二十八日の時点でも、課題として残されていたことが記録によって確認できます。
 このように、確認書は、東京ガスから移転への協力を得るために東京ガスの要求を受け入れ、確認事項としたものであり、その後の売買契約における東京ガスへの譲歩のレールを敷いたともいえるものです。だからこそ、確認書は特別委員会によって明らかにされるまで隠されていたのです。
 基本合意と確認書にかかわった赤星証人、野村証人は、確認書について、誰の指示、了解のもとで作成し、誰が最終決裁をしたのか、そして文書はどこで管理されたのか、全く陳述しませんでした。
 しかも、確認書は、東京ガスからは提出されながら、都からは提出されず、その後、委員会に提出された文書はファクスで送付されたものでした。報告書が指摘した文書管理の問題について、事実を隠蔽するような意図は見つけられないという自民党の主張は成り立ちません。
 報告書のあり方に関して自民党は、議論が分かれた場合、均衡を図るよう両論併記をすべきだが、報告書では記載内容に偏りがあると主張しています。
 しかし、百条委員会の報告書は、調査課題に基づく調査結果の事実に基づいて報告書をまとめるものです。単に各党の見解を併記すべきものではありません。しかも、各党の見解については、報告書におのおのの意見開陳が全文紹介されています。自民党が委員長を務めた十二年前の百条委員会でも、当時の民主党は、報告書に対して見解の違いを主張した結果、最終的には、委員会として採決をいたしました。
 最後に、特別委員会では、石原氏や濱渦氏の責任が明らかにされ、確認書の存在が明らかにされるなど、これまで隠されていた闇ともいえる部分の一部が明らかにされました。また、都における決定手続や重要記録の保管のあり方についても、問題点を浮き彫りにすることができました。
 小池知事は、報告書の指摘を受けとめ、知事として真相解明と必要な改善に取り組むことを求めるものです。
 また、特別委員会は、調査事項の全てについて調査が行われたものではありません。部分的な解明にとどまり、さらに全面的解明が求められる課題は残されました。とりわけ調査事項の第四、豊洲市場建設工事における契約事務については全く調査されていません。大手ゼネコンによる談合で建設費が三倍に引き上がって疑惑が強いことから、この問題の調査、解明は必要不可欠です。
 本日をもって特別委員会は終了となります。我が党は、引き続き独自の調査を進める決意ですが、改選後の都議会においても引き続き百条委員会を設置し、都民の期待に応え、真相解明を進めることを呼びかけ、調査報告書に対する賛成討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川井しげお君) これより採決に入ります。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会の調査の終了について、起立により採決いたします。
 本件に関する調査は、これをもって終了することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件に関する調査はこれをもって終了することに決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) ただいま一番小林健二君外六十四名より、元東京都副知事濵渦武生氏の告発に関する動議が文書をもって提出されました。
 これを本日の日程に追加し、追加日程第十四とし、直ちに議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   元東京都副知事濱渦武生氏の告発に関する動議
 右の動議を別紙のとおり提出します。
  平成二十九年六月七日
(提出者)
 小林 健二  加藤 雅之  小松 久子
 西沢けいた  宮瀬 英治  米倉 春奈
 白石たみお  斉藤やすひろ 栗林のり子
 遠藤  守  伊藤こういち 木村 基成
 山内  晃  上田 令子  おときた駿
 山内れい子  中山ひろゆき 田中 朝子
 石川 良一  里吉 ゆみ  和泉なおみ
 尾崎あや子  大松あきら  吉倉 正美
 まつば多美子 高倉 良生  両角みのる
 西崎 光子  小山くにひこ あさの克彦
 新井ともはる 中村ひろし  とくとめ道信
 河野ゆりえ  小竹ひろ子  上野 和彦
 野上 純子  中山 信行  谷村 孝彦
 藤井  一  島田 幸成  尾崎 大介
 今村 るか  石毛しげる  畔上三和子
 大島よしえ  松村 友昭  鈴木貫太郎
 ともとし春久 長橋 桂一  山下 太郎
 酒井 大史  大西さとる  植木こうじ
 かち佳代子  曽根はじめ  小磯 善彦
 橘  正剛  東村 邦浩  中嶋 義雄
 柿沢ゆきえ  斉藤あつし  清水ひで子
 大山とも子  吉田 信夫
東京都議会議長 川井しげお殿

   元東京都副知事濱渦武生氏の告発に関する動議
 ただいま、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会からの調査報告書が承認された。
 調査報告書によると、元東京都副知事濱渦武生氏は、第一に、平成十三年七月十八日付けの「「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」にあたっての確認書」(二者間合意)について知っていたにもかかわらず、知らない旨の証言を行い、第二に、平成十三年七月六日付けの「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」以降の関与について関与していたにもかかわらず、否定し、第三に、平成十五年五月二十二日付けの「豊洲地区土壌汚染対策について」と題する文書について、部長級職員とのやり取りの事実について、やり取りをしていたにもかかわらず、否定したことなどが明らかにされた。これらについて、平成二十九年五月三十一日の同委員会では、賛成多数で虚偽の陳述をしたものと認定し、本会議における告発の議決を求めることを決定した。
 虚偽の陳述であると認定された証言は、同委員会の調査の核心部分に関する内容であり、真相究明に重大な影響を与え、看過できるものではない。
 よって、地方自治法第百条第九項の規定により、濱渦武生氏を告発されたい。

○議長(川井しげお君) 本動議に関し、七十六番島田幸成君より、趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 七十六番島田幸成君。
   〔七十六番島田幸成君登壇〕

○七十六番(島田幸成君) 私は、東京改革議員団、都議会公明党、日本共産党東京都議会議員団、都民ファーストの会東京都議団、都議会生活者ネットワークを代表しまして、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、元東京都副知事濱渦武生氏が虚偽の陳述をしたものと認め、告発に関する動議を提案することを求めて、説明を行います。
 豊洲市場移転問題に関する調査のため、平成二十九年三月十九日の同委員会において、元東京都副知事濱渦武生氏に証人として宣誓の上、証言を求めたところ、調査報告書のとおり、提出された公文書などの記録や、ほかの証人の証言とは異なる証言を行いました。
 私たちは、濱渦元副知事が、同委員会の調査を妨げる、平成十三年七月の築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書を知らないとの証言や、同月の基本合意以降のことは私は存じませんとの証言を行ったことなどを踏まえ、全証人尋問の証言や提出された記録を精査した結果、濱渦元副知事が異なることを認識した上で証言したと判断し、また、その証言は、同委員会の真相究明に重大な影響を与えるものであることから、見過ごすことができないと考えるものであります。
 当時、濱渦元副知事は、石原都政において知事本局や中央卸売市場を所管する副知事で、豊洲問題の実質の最高決定権者でありました。また、濱渦元副知事は、石原元知事の至上命令、豊洲に市場用地を取得するため、東京ガスに損をさせない仕組みづくりの構築を指示し、水面下交渉による減価や支援策などによる譲歩や利益供与を実行した結果、都民に大きな負担を負わせることとなりました。
 濱渦元副知事は、平成十三年七月の基本合意以降も、十月の江東区と江東区議会への協力要請を初めとして、平成十五年二月の豊洲市場関係のブリーフィングでの指示、三月の東京ガスとの土壌汚染対策交渉での指示、五月の知事本部と環境局、中央卸売市場の三局と東京ガスとの交渉に関する相談、平成十六年六月、七月のブリーフィングなど、同委員会での証言とは異なり、築地市場の豊洲移転問題に関して主体的にかかわってきました。
 また、平成十七年五月、都と東京ガスは、豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書を合意しましたが、この合意内容についても、濱渦元副知事に報告が上げられていたとの前川元知事本局長による証言があり、濱渦元副知事が一貫して築地市場の豊洲移転に関与していたことがわかりました。
 石原元知事が週二、三日しか登庁しない中、濱渦元副知事が、豊洲問題についても所管局を越えて部課長を指揮していた実態が明らかになっていますが、濱渦元副知事がこれを認めない証言を行っていることから、同委員会における問題の真相究明を妨げる行為であると強く断ずるものであります。
 よって、濱渦元副知事が同委員会における豊洲市場移転問題の真相究明への活動を大いに妨げ、虚偽の陳述をしたものと認め、告発に関する動議を提出し、厳正に対処していくべきだと申し上げて、動議に対する趣旨説明といたします。
 以上であります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。

○議長(川井しげお君) これより討論に入ります。
 順次発言を許します。
 六十八番島崎義司君。
   〔六十八番島崎義司君登壇〕

○六十八番(島崎義司君) 都議会自民党を代表して、平成二十九年三月十九日に行われた豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会の証人尋問における東京都の元副知事濱渦武生氏の証言を、地方自治法第百条第七項に定める偽証に認定することに断固反対する立場から、意見を申し上げます。
 豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会は、調査項目について、その事実関係を資料及び証人尋問等により明らかにすることを目的とする委員会であります。この証人尋問に関して、偽証認定、そして告発という強い権限を有しているため、偽証告発をすることが目的であるかのように取り上げられることもありますが、偽証告発は手段にすぎず、目的ではありません。まず、このことを最初に申し上げておきます。
 そして、虚偽の陳述、つまり偽証として認定するに当たっての基本的認識についても明らかにしておきます。
 虚偽の陳述とは、事実と異なるとの認識を持ちながら、あえて違うことを証言するということであります。要するに、故意にうそをつくということであります。時間の経過などによって忘れてしまったり、勘違いのため、結果的に事実とは異なる証言をしただけでは虚偽の陳述とはならない、このことを明確に申し上げておきます。
 つまり、ある証言を虚偽の陳述として告発するためには、それが客観的事実と相違する証言であったというだけでは足りず、証人が事実をわかっていたのに、故意に記憶、そして事実に反する発言をしたというところまで証拠で立証する責任があるということなのであります。
 さて、濱渦元副知事に対する偽証認定及び告発の決議に関して、生活者ネット、都民ファースト、共産党、東京改革、公明党の五会派から、偽証の根拠であるとして、虚偽の陳述に当たると考えられる案件一覧が資料として提出され、その中で三つの発言が偽証であると主張をしております。この資料は報告書にも添付されております。
 それによりますと、まず最初に、濱渦元副知事が、平成十三年七月十八日付の築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書、いわゆる二者間合意と呼ばれているものでありますが、この確認書について全く知らないとする証言は虚偽であるとし、濱渦氏が交渉にかかわっていた時期に作成された資料の中に、この確認書の締結について記載があることをその根拠として挙げております。
 しかし、冒頭にお話ししたとおり、偽証認定するには、事実と異なる可能性があるというだけでなく、事実と異なることを知りながら、あえて全く知らないと証言したのであるというところまで立証できることが必要であります。
 そうした視点から見ると、偽証の根拠として指摘されている濱渦氏が交渉にかかわっていた時期に作成された資料が、実際に濱渦氏に提出されたということを示すものはなく、また、この内容が濱渦氏に報告されたことを示すものもありません。
 そもそも、ここに記載されていることは、実務担当者が検討する細目に関するものであり、その全てについて副知事である濱渦氏に報告がなされていたとは考えがたいものなのであります。
 したがって、この資料をもって、濱渦証人が確認書について知っていたと評価することはできませんし、ましてや、みずからの記憶に反してうその証言をしたことを立証する証拠とはなり得ないものであります。
 そして、根拠の2とされている平成十三年六月二十八日付会談については、基本合意締結前のことであり、その中で赤星氏が、引き続き本件を担当するようにいわれていると発言したことは、濱渦氏の証言と矛盾するものではありませんし、覚書の締結について、濱渦氏に報告したということを読み取れる部分もありません。
 また、根拠3及び4、基本合意書案については、東京都から東京ガス側に渡された資料をもって偽証の根拠としているものでありますが、右上に、都より受領、TG修正案を加筆という書き込みがされており、同資料への書き込みは、東京ガス側において行われたと考えられるものであります。
 この資料をもって、都の提案で概略事業費が基本合意から外されたとする前提そのものが誤っております。
 そして、やはりその修正が、肝心の濱渦氏に報告されたのか、また、仮に報告されたとしてどのように報告されたのか、全く不明であります。つまり、濱渦氏が基本合意の確認書について知っていたと認められるというのは、臆測の域を出ないものであります。
 したがって、これらは、ともに濱渦元副知事が偽証をしたことに関する具体的な証拠とはならないものであります。
 さらに、根拠5の野村証人の証言についても、実務担当者レベルでの通例を証言しているにすぎず、上司に報告し、さらに上司に上げるという発言は一般論で、野村氏がみずから濱渦氏に報告したということを証言したものではありません。当然、野村氏の上司が濱渦氏に覚書の確認書について報告をしたことを証言するものでもありません。
 このように、平成十三年七月十八日付の確認書に関する濱渦元副知事の証言を偽証とする根拠として示されているものは、いずれも偽証認定の根拠としては極めて不十分なものであるといわざるを得ません。
 次に、二つ目として、平成十三年七月六日の築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意以降の関与に関する証言を偽証として認定すべきであるとし、1から19までの根拠を示しております。
 この件に関して、そもそも濱渦氏の証言全体を理解しておくことが必要であります。
 濱渦氏は、証人尋問において、基本合意後は一切さわっていないと発言する一方で、細かなことは、それぞれの担当者、担当者でやっておりますので、それはよく承知していないところですとして、私の手元でそういうものは記憶にございません、その以降にですね、そういう指示を出したとか、そういうのは全く記憶がありませんという発言も行っているのです。
 つまり、自分の記憶の中に、そのような文書を受け取ったとか、担当者に指示を出したという、そうした記憶がない旨を述べているのであります。
 濱渦氏が行った証言全体を俯瞰すると、自分が指示を出すなどした具体的な記憶がなかったため、一切さわっていない、一切私は相談にあずかっていないというように、ご自身の記憶に基づいて証言をしていた、このように考えるのが合理的な判断であると考えるわけであります。
 こうした濱渦証人の証言全体を見ずに、証言中の一部の発言を殊さらに取り上げ、偽証を論ずること自体に無理があるのであります。
 都議会自民党の委員は、委員会において、この十九項目全てについて、一つ一つ、その主張が偽証の根拠としてはいずれも不十分なものであることを、具体的かつ明確に立証をいたしました。
 本日、この場では、その詳細を繰り返し申し上げることはいたしませんが、簡単にいえば、濱渦氏の証言の意味するところは、そこに行った記憶はないので行ったことはないと答えたというものであります。
 これに対して、十九項目のいずれも、濱渦氏が、自分の記憶に反する証言をしたことを示す証拠とはなり得ないものであります。そもそも、証言全体から浮かび上がる証言の趣旨を無視して、一部の発言を殊さらに取り上げて、偽証であると無理やりこじつけようとする論理には、大きな飛躍があるとしかいいようがありません。
 次に、三つ目として、平成十五年五月二十二日の豊洲地区土壌汚染対策についてですが、濱渦証人の、担当部長が連名で来るなんてあり得ないとの証言について、平成十五年五月二十二日付濱渦副知事様と題する資料の発信元として三名の部長の名前が記載されていることをもって、虚偽の陳述であるとしております。
 しかし、この資料も、そもそも実際に濱渦氏に提出されたのかどうか、そのこと自体が不明なのであります。仮に提出されていたとしても、濱渦氏は、この文書については記憶がない旨を証言しているのであって、受け取っていないと断定しているわけではありません。
 また、このほか、偽証を立証する根拠として挙げられている前川証人の証言については全て、記憶している、覚えております、思いますといった、前川証人の個人的な考えを述べている発言にすぎず、偽証を立証する根拠とはなり得ないものばかりであります。
 このように、土壌汚染対策に関する濱渦氏の発言を偽証であると主張する根拠として指摘されているものは、根拠として曖昧で、不十分なものばかりなのであります。
 三月十九日の証人尋問における濱渦氏の証言は、全体として見ると、大きな流れの指示をした、細かなことは、それぞれの担当者、担当者でやっているので、よく承知していないという趣旨の証言であって、報告を受けたり、指示をした記憶がないので、基本合意以降はかかわっていない旨を証言したにすぎないと考えられるものであります。
 冒頭に申し上げたとおり、虚偽の陳述か否かを判断する際には、事実と異なり、誤った証言であったかどうかでは足りず、その証言は、証人が、記憶と異なることを承知しながら行った虚偽の証言であったということまで立証できるかどうかが重要であり、このことを理解した上で、慎重に判断することが不可欠なのであります。
 そして、当委員会において、多くの時間を割き、多数の証人から証言を得ましたが、それらの証言や当委員会に提出された膨大な資料を精査しても、そもそも、濱渦氏があえて記憶と異なる証言をしなければならない理由はどこにも見出し得ないとともに、濱渦氏があえて虚偽の証言をしてまで、みずからの責任回避を図らなければならない理由そのものが見当たらない、つまり、偽証する動機がないのであります。
 このように、本委員会に提出された資料、虚偽の陳述に当たると考えられる案件一覧をもって、濱渦氏の証言を偽証、つまり、自分の記憶に反して虚偽の事実を証言したと認定することは困難であり、ましてや、告発をしたとしても、これをもって検察が起訴に持ち込むことは難しいといわざるを得ないのであります。
 偽証告発は、調査特別委員会の厳正な調査を担保する手段にすぎません。そして、偽証告発は、偽証罪による刑事処分を前提としており、都議会が都民を代表して告発する以上は、十分な根拠と法的な裏づけが必要不可欠であります。
 都議会議員が、与えられた権限を誤って運用してしまうと、時には関係する方々の基本的人権を損なうおそれすらあることを忘れてはならないのであります。
 元東京都副知事濱渦武生氏の証言を偽証認定し、告発する根拠として、生活者ネット、都民ファースト、共産党、東京改革、公明党の五会派から提出されている資料については、今明らかにしたように、いずれも偽証を立証する根拠とはなり得ないものばかりであります。
 このため、都議会自由民主党は、元東京都副知事濱渦武生氏の告発に関する動議には断固反対することを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 三十五番尾崎あや子さん。
   〔三十五番尾崎あや子君登壇〕

○三十五番(尾崎あや子君) 告発動議を提案した会派を代表し、元東京都副知事濱渦武生氏が虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議に賛成の立場から討論を行います。
 本動議で虚偽と認定する陳述は、平成十三年、二〇〇一年七月六日の東京ガスとの築地市場の豊洲移転に関する基本合意以降は、豊洲開発に関して一切相談にあずかっていない、報告も受けていない旨の陳述及び都と東京ガスとの確認書、いわゆる二者間合意は全く知らないという陳述です。
 自民党は、さきの調査特別委員会、すなわち百条委員会での本動議採決に先立って反対意見を展開しました。その最大の理由としたのは、そもそも濱渦氏は個々の指示や報告の記憶がなかったから、その記憶に基づいて一切知らない旨証言したものだという主張です。この主張は、濱渦氏の陳述自体をねじ曲げ、さらに虚偽と認定した根拠を記憶の有無にすりかえるものです。
 しかし、濱渦陳述は、関与し、報告を受けた記憶がないと主張したのではなく、豊洲移転に関しては、基本合意以降、関与や報告を受けたことは一切ないと繰り返し断言したものです。その根拠として、自民党の尋問に対し濱渦氏は、外れたのは石原知事の指示でありましたからと陳述しているではありませんか。勝手に陳述をねじ曲げ、虚偽陳述をすりかえ、偽証告発反対の根拠とすることは許されません。
 自民党は、証言全体を見ずに証言中の一部だけを殊さらに取り上げ、偽証を論じること自体に無理があると百条委員会で主張してきましたが、それは自民党にこそいえることではありませんか。
 濱渦氏が、基本合意以降は、豊洲移転に関して一切相談にあずからず、報告も受けていない旨の陳述が明らかに偽証であることは、百条委員会に提出された数々の記録によって明白です。
 その一つが、我が党が百条委員会で示した、平成十五年、二〇〇三年五月二十二日付の知事本局など三局部長連名による濱渦副知事様、豊洲地区土壌汚染対策についてという文書です。これは明らかに、東京ガスとの交渉に臨む方針についてお伺いをし、指示を求める文書です。
 自民党は、この書類について、実際受け取ったか不明とか、受け取っても失念したとしても不自然ではないなどと主張しましたが、文書を作成した三部長は、三月に報告をし、その際に指示があったと書いています。そして今後、必要な指示を仰ぎたいと書いています。これは濱渦氏の記憶の有無にかかわらず、濱渦氏が交渉に関与し、相談を受け、報告を受けていたことを示す客観的根拠ではありませんか。
 さらに、根拠として示した平成十五年、二〇〇三年二月十日付の豊洲新市場関係濱渦副知事ブリーフィング状況についても、自民党は、記憶に残っていなかったとしてもおかしくありませんと弁解しましたが、逆にこの記録によっても、報告を受け、指示を出していたことは明白です。
 また、中央卸売市場当局が作成した文書、築地市場豊洲移転これまでの経緯の中に、基本合意後の二〇〇一年八月七日に濱渦副知事、江東区を訪問し協力要請と記載されていることは、基本合意以降も関与した有力な根拠です。自民党は、特別区との間においてやりとりがあったことをもって、濱渦氏の証言が偽証であると評価することは困難などと発言しましたが、移転への協力要請に地元区である江東区に行ったことは、濱渦氏自身が自民党に答えているのではありませんか。
 このように、虚偽陳述の根拠を無理やり否定しようとする自民党の主張は、全く道理の通らないものです。
 さらに、知事本局長を務めた前川氏の証人尋問での陳述は、濱渦陳述が虚偽であることを記録とともに補完するものです。
 前川氏は、濱渦氏が副知事在任中は一貫して市場を所管し、かつ濱渦氏にお手紙を出して了承を求める状況があったことも陳述しました。これは記録にあった東京ガスとの交渉に当たって、三部長がお伺いの文書を出したことの現実性を示すものです。また、前川氏は、濱渦氏が主張した基本合意をもって豊洲問題から外れる指示があったことを否定しました。さらに、濱渦氏が知事本部に預けたという発言に関して、そもそも知事本部は、副知事として濱渦氏が担当しており、豊洲問題の実際の責任者だったと陳述しました。
 こうした前川陳述を、前川氏の個人的認識であり、一般論だとして、退けようとする自民党の主張は成り立ちません。そもそも記録でも、ほかの証人の陳述でも、濱渦氏が基本合意をもって豊洲担当から排除されたことを示す事実は全くありません。しかも、濱渦氏は、基本合意後は誰に預けたのかという自民党の質問に、ただ、知事本局というだけで、役職も氏名も陳述できなかったではありませんか。
 次に、基本合意と一体の確認書を知らない、かかわっていないという濱渦陳述についてです。
 濱渦氏は、確認書について、全くわかりません、都が隠していたのは不愉快とまで陳述しましたが、記録と陳述全体の流れを見れば、虚偽陳述は明白です。濱渦氏は、自分は東京ガスから用地取得の了解を得るまでで、具体的な話はその先の話でかかわっていないと陳述しました。
 しかし、根拠で示した平成十三年、二〇〇一年二月二十一日の覚書直後の協議事項(確認)という文書では、移転の合意をする上での協議課題として、例えば、現行土壌処理汚染計画、水準、方法等の合意が記載され、協議が調った場合に確認書を締結すると明記されています。
 したがって、東京ガスにとっては、どのような汚染処理計画で都が了解するのかは移転合意の重要な課題の一つだったことは明白です。それは都と東京ガスとの協議記録でも示されています。
 そして、基本合意に向けて、こうした課題一つ一つの協議が進められ、その合意の到達点が確認書でまさに確認されているのです。だからこそ、確認書の表題は、基本合意に当たっての確認書であり、直接の当事者である野村証人も、基本合意と一体だと強調しているのです。こうした記録と陳述全体を見れば、濱渦陳述が成り立たないことは明らかです。
 また、記録の中に、本合意直前の基本合意の案文があり、この案文では、土地区画整理事業の事業費について、原案では、基本合意本体に添付する予定だったが、これを本体から外したことがわかります。そしてこの事業費は確認書に移行したのです。
 自民党は、本体から外す修正加筆は都によるものでなく、東京ガス側によるものと考えられるから根拠にならないと発言しましたが、たとえそうだとしても、濱渦氏は、基本合意に添付する予定だった事業費削減一覧を、基本合意本体から外し、確認書で処理することを知り、了承していたことになるではありませんか。
 以上、濱渦陳述がいかに虚偽であるかを紹介してきました。
 同時に注目すべきは、濱渦氏は、四月十日の記者会見で、報告の有無にかかわって、市場が私に説明に来るということは職務上あると思うんですと発言。さらに、指示はしていないがといいつつ、聞かれれば答えていましたと発言したことです。これは、相談も報告も一切なかったというみずからの陳述を訂正するものであり、この点でも、偽証告発に当たることを示すものです。
 最後に、自民党は、濱渦氏があえて虚偽の証言をしてまでみずからの責任回避を図らなければならない理由はないと強調しました。
 しかし、記録と尋問を通じて明らかになった確認書は、汚染処理計画でいえば、売買時に汚染の残る計画を都として了承するものです。また、防潮護岸の負担を求めないなど、東京ガスの負担を総額四百八十六億円削減することを確認するものでした。このように、土地取得の合意を引き出すために、都が東京ガスに譲歩したことが、その後の交渉のレールを敷く結果になったのです。
 濱渦氏が、基本合意以降は一切相談にあずからず、報告もなかったと何度も強調したのは、こうした結果を招いたみずからの責任を逃れようとする意図があったことは、誰が見ても明らかです。
 自民党は濱渦氏への尋問の中で、間違いなく、濱渦副知事がいらっしゃらなければなし得なかった大事業だと思っております、非常に困難な中、世界一の市場、豊洲を完成したと私たちは考えていますと、驚くべき大賛美を送りました。こうした立場に立って、偽証告発をねじ曲げ、否定する自民党の態度は、都民の厳しい批判は免れないことを強く指摘し、賛成討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川井しげお君) これより採決に入ります。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、元東京都副知事濵渦武生氏の告発に関する動議は、可決されました。

○議長(川井しげお君) ただいま一番小林健二君外六十四名より、元政策報道室理事赤星經昭氏の告発に関する動議が文書をもって提出されました。
 これを本日の日程に追加し、追加日程第十五とし、直ちに議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   元政策報道室理事赤星經昭氏の告発に関する動議
 右の動議を別紙のとおり提出します。
  平成二十九年六月七日
(提出者)
 小林 健二  加藤 雅之  小松 久子
 西沢けいた  宮瀬 英治  米倉 春奈
 白石たみお  斉藤やすひろ 栗林のり子
 遠藤  守  伊藤こういち 木村 基成
 山内  晃  上田 令子  おときた駿
 山内れい子  中山ひろゆき 田中 朝子
 石川 良一  里吉 ゆみ  和泉なおみ
 尾崎あや子  大松あきら  吉倉 正美
 まつば多美子 高倉 良生  両角みのる
 西崎 光子  小山くにひこ あさの克彦
 新井ともはる 中村ひろし  とくとめ道信
 河野ゆりえ  小竹ひろ子  上野 和彦
 野上 純子  中山 信行  谷村 孝彦
 藤井  一  島田 幸成  尾崎 大介
 今村 るか  石毛しげる  畔上三和子
 大島よしえ  松村 友昭  鈴木貫太郎
 ともとし春久 長橋 桂一  山下 太郎
 酒井 大史  大西さとる  植木こうじ
 かち佳代子  曽根はじめ  小磯 善彦
 橘  正剛  東村 邦浩  中嶋 義雄
 柿沢ゆきえ  斉藤あつし  清水ひで子
 大山とも子  吉田 信夫
東京都議会議長 川井しげお殿

   元政策報道室理事赤星經昭氏の告発に関する動議
 ただいま、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会からの調査報告書が承認された。
 調査報告書によると、元政策報道室理事赤星經昭氏は、第一に、平成十三年七月十八日付けの「「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」にあたっての確認書」(二者間合意)について知っていたにもかかわらず、知らない旨の証言を行い、第二に、平成十三年二月二十八日付けの「築地市場の豊洲移転に関する協議事項(確認)」(覚書の確認)について知っていたにもかかわらず、知らない旨の証言を行ったことなどが明らかにされた。これらについて、平成二十九年五月三十一日の同委員会では、賛成多数で虚偽の陳述をしたものと認定し、本会議における告発の議決を求めることを決定した。
 虚偽の陳述であると認定された証言は、同委員会の調査の核心部分に関する内容であり、真相究明に重大な影響を与え、看過できるものではない。
 よって、地方自治法第百条第九項の規定により、赤星經昭氏を告発されたい。

○議長(川井しげお君) 本動議に関し、五十一番西崎光子さんより、趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 五十一番西崎光子さん。
   〔五十一番西崎光子君登壇〕

○五十一番(西崎光子君) 私は、都議会公明党、東京改革議員団、日本共産党東京都議会議員団、都民ファーストの会東京都議団、都議会生活者ネットワークを代表して、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、元政策報道室理事赤星經昭氏が虚偽の陳述をしたものと認め、告発に関する動議を提案することを求めて、趣旨説明を行います。
 豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会からの調査報告書にありますように、平成二十九年四月四日の本委員会において、元政策報道室理事赤星經昭氏に、証人として宣誓の上、証言を求めたところ、調査報告書のとおり、提出された記録やほかの証人の証言と食い違う証言がありました。
 それは第一に、平成十三年七月十八日付の築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書、二者間合意について、知らない旨の証言を行ったことです。
 そして第二に、平成十三年二月二十八日付の築地市場の豊洲移転に関する協議事項、覚書の確認について、知らない旨の証言を行ったことであります。
 しかし、同じ日に尋問を行った野村寛証人は、基本合意には基本項目、それぞれの細目、確認書で結ぶことが、当時の都の通例のやり方だと証言しています。
 赤星氏が本委員会におけるほかの尋問に対して、当時の状況を詳細に、かつ繰り返し証言していることから、築地市場の豊洲移転に関する都と東京ガス株式会社の交渉に深くかかわり、かつ現在もその記憶を有することは明らかであります。
 それにもかかわらず、赤星氏が、重要な事実について知らない旨証言したことは、提出された記録から見ても、その記憶と異なることを認識した上でなされたと判断するのが合理的であります。
 また、赤星氏が東京ガス株式会社と協議を行う際に、市場用地としての土地取得を優先する余り、東京ガス株式会社の開発負担を軽減し、汚染が残る土壌処理計画を認め、その交渉経緯と結果を隠蔽したことなどにより、後に都が多額の土壌汚染対策費用を負担する原因になったという不都合な事実を隠したかったとの動機も推認されます。
 これらのことから、自己の記憶に反する証言を故意に行ったものと認められます。同証言は、本委員会の調査の核心部分に関する内容であり、真相究明に重大な影響を与え、看過できるものではありません。
 よって、元政策報道室理事赤星經昭氏が虚偽の陳述をしたものと認め、告発に関する動議を提出し、厳正に対処していくべきと申し上げ、動議に対する趣旨説明といたします。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。

○議長(川井しげお君) これより討論に入ります。
 順次発言を許します。
 六十六番ほっち易隆君。
   〔六十六番ほっち易隆君登壇〕

○六十六番(ほっち易隆君) 私は、都議会自民党を代表して、平成二十九年四月四日に行われた本委員会の証人尋問における東京都の元政策報道室理事赤星經昭氏の証言を、地方自治法第百条第七項に定める偽証に認定することに断固反対する立場から討論を行います。
 先ほど、我が党の島崎議員が申し上げましたが、結果的に事実とは異なる証言をしただけでは、虚偽の陳述とはなりません。偽証告発には、証人が故意に記憶や事実に反する証言をしたことまで明確に立証できることが必要であります。
 こうした観点からすると、赤星証人の証言を偽証認定する根拠として各会派から提出されている資料は、全て虚偽の陳述の根拠とはなり得ないものばかりです。
 まず、平成十三年七月十八日の、赤星証人が、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書に関して、基本合意の確認書というのは全然知らない、存じ上げないと証言したのは虚偽の陳述であるとし、その根拠として、四点示されております。
 根拠としている四点について触れる前に、まず、赤星証人の証言全体を整理する必要があります。
 赤星証人は、基本合意の確認書というのは、当然知りませんと証言したのに続けて、もう次のポストに移って次の仕事を始めていますので、それは知りません、今いわれた覚書の確認書というのを、中身を見ていないので、ぜひ見せていただければと思いますがと証言しているように、確認書については、締結された事実及び実際に締結された中身については、これが締結されたときに、証人は、既に他の部署に異動していたので知らないという趣旨であったことは明らかであります。
 そして、平成十三年二月二十八日付協議事項に関する資料と、平成十三年六月二十八日の市野専務との会談に関する資料の二点が、偽証の根拠であると主張をされております。
 この資料からは、覚書の内容がずれないように、何らかの確認文書を交わす必要性について会議で話し合われたことはうかがえますが、そのような交渉にかかわっていたというだけで、直ちに覚書の確認の詳細を赤星氏が認識していたということまで立証されるものではありません。また、実際に、覚書の確認書が締結されたことを知っていたことを立証するものでもありません。
 確認書を締結する方向であったということと、実際に確認書が、いつ、どのように締結されたかは別の問題であり、当時政策報道室の理事であった赤星証人が、野村担当部長による確認書締結の具体的事務までかかわっていなかったのであれば、知らないと証言したことに何ら矛盾はありません。また、これらの資料は、偽証を裏づけるものとしては極めて不十分なものであります。
 このほか、偽証の根拠としている野村証人の証言は、実務担当者レベルでの通例を証言しているにすぎない発言であり、当時本人が理解していた一般論を述べたにすぎず、野村氏がみずから赤星氏に報告したということを証言したものではありませんし、野村証人がいう通例と同様の認識を赤星氏も有していたことを示すものは何もありません。
 つまり、偽証の根拠としている野村証人の証言は、赤星氏の知らないという証言を覆すだけの証言とはなり得ないのであります。
 次に、平成十三年二月二日、覚書について、赤星証人が、私は存じ上げませんでしたと発言したことを虚偽の陳述とすることについて申し上げます。
 この証言を偽証とする根拠として、1から5までが示されていますが、これらは、基本的に野村証人が覚書作成についてのみずからの認識を証言しているにすぎず、このことから、直ちに赤星証人の認識が導かれるものではありません。
 まず、根拠1とされる資料については、覚書の内容がずれないよう、何らかの確認文書を交わす必要性について会議で話し合われた、こうしたことがうかがえるのみで、それ以上の事実を証明するものではありません。
 また、根拠としている2から4までについては、証言自体が、したと思いますというように曖昧なもので、赤星氏であったと断定しているわけではありません。そして、野村氏が赤星氏に報告をしたことを示す客観的な資料もないのですから、野村証言が正しく、しかも、あくまでも、思うという域を出ない証言でしかないにもかかわらず、赤星氏に報告したという事実を断定する証拠として用い、赤星氏の存じ上げませんでしたとする証言を偽証であると断じることは到底できません。
 そして、根拠5とされる証言も、単に基本合意と確認書に関する野村証人の認識を述べたものにすぎず、これも赤星氏の証言を偽証と断じる証拠とはなり得ません。
 このように、赤星証人の証言を虚偽の陳述と認定すべきであるとして本委員会に提出された資料を検討すると、いずれも赤星証人が事実を承知しながら意図的に虚偽の証言を行ったということを立証する根拠としては、甚だ不十分なものであるといわざるを得ません。
 さきの濱渦証人の偽証認定の際にも、我が党の島崎議員が明確に指摘したように、偽証告発を行うのであれば、証人が事実を承知しながら故意に事実や記憶と異なる証言をしたことまで立証する必要があります。その意味では、偽証の根拠とされている資料はいずれも全く不十分であり、このような薄弱な理由で偽証認定を行うことは、断じて容認できません。
 そして、今回の証人尋問での証言や提出された資料からは、濱渦証人のときと同様、赤星証人があえて虚偽の証言をしなければならない理由が見当たりません。本委員会に提出された資料、虚偽の陳述に当たると考えられる案件一覧をもって、赤星氏の証言を偽証、つまり、自分の記憶に反して虚偽の事実を証言したと認定することは困難であり、ましてや、告発したとしても、これをもって検察が起訴に持ち込むことは難しいといわざるを得ないのであります。
 都民の代表者である都議会が告発することの重みを十分に認識し、確実な証拠に基づき、公平、中立に、そして法律家の、専門家の意見もお聞きするなど慎重に判断をすべきであります。このように、曖昧かつ薄弱な理由で偽証認定を行い、そして立件も見込まれないような告発を強行するようなことは、厳に慎むべきであります。
 以上の理由により、都議会自由民主党は、元政策報道室理事赤星經昭氏の告発に関する動議に断固反対することを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 二十八番おときた駿君。
   〔二十八番おときた駿君登壇〕

○二十八番(おときた駿君) 私は、提出五会派を代表いたしまして、元政策報道室理事赤星經昭証人の告発に関する動議に賛成の立場から意見表明を行います。
 赤星証人は、平成十三年二月二十一日の覚書の確認書並びに平成十三年七月十八日の築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書に関連して、明らかに偽証と考えられる証言を行っています。
 まず、覚書の確認書に関しては、吉田理事からの尋問に対して、私は存じ上げませんでしたと証言をしています。しかしながら、平成十三年二月十九日の交渉記録には、覚書の確認が必要であると理解できるなどのやりとりが残っており、出席者として赤星証人がしっかりと記載をされています。加えて、赤星証人と同時に証人尋問をされた野村寛証人は、赤星証人に報告したと明確に述べています。当時の実務者である野村証人の証言と明確な記録、この二つから赤星証人の発言が偽証、虚偽の陳述であることは明白です。
 もう一方の基本合意の確認書についても、赤星理事は、谷村、当時副委員長などからの尋問に対して、当然知りません、存じ上げませんと強い口調で断定しています。
 しかしながら、記録によれば、平成十三年二月二十八日に都と東京ガスが行った築地市場の豊洲移転に関する協議事項の中で、確認書を締結することを赤星証人自身が確認をしています。
 加えて、平成十三年六月二十八日の市野専務と赤星次長との会談の記録上でも、本確認書についての言及があり、赤星次長がこの場で、引き続き担当するようにいわれていると述べている様子がしっかりと残されています。知らなかったという赤星証人の発言は、信憑性が全くないと指摘せざるを得ません。
 あえて偽証をするとは考えづらい、理由がないとの指摘もありましたが、これら二つの確認書の存在は、豊洲移転問題に大きな影響を及ぼしていることは明白であり、その関与を否定することは責任逃れを意図するものといわざるを得ず、都民を無視した保身のための証言で、調査妨害をした責任は極めて重大です。
 以上、複数の記録と証言を確かな根拠とし、都議会として赤星証人を虚偽の陳述の認定、告発をするべきだと強く申し上げまして、動議賛成の討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川井しげお君) これより採決に入ります。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、元政策報道室理事赤星經昭氏のの告発に関する動議は可決されました。

○議長(川井しげお君) ただいま一番小林健二君外六十四名より、議員提出議案第十二号、東京都議会議員河野ゆうき君に対する問責決議が提出されました。
 これを本日の日程に追加し、追加日程第十六とし、直ちに議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

議員提出議案第十二号
   東京都議会議員河野ゆうき君に対する問責決議
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十九年六月七日
(提出者)
 小林 健二  加藤 雅之  小松 久子
 西沢けいた  宮瀬 英治  米倉 春奈
 白石たみお  斉藤やすひろ 栗林のり子
 遠藤  守  伊藤こういち 木村 基成
 山内  晃  上田 令子  おときた駿
 山内れい子  中山ひろゆき 田中 朝子
 石川 良一  里吉 ゆみ  和泉なおみ
 尾崎あや子  大松あきら  吉倉 正美
 まつば多美子 高倉 良生  両角みのる
 西崎 光子  小山くにひこ あさの克彦
 新井ともはる 中村ひろし  とくとめ道信
 河野ゆりえ  小竹ひろ子  上野 和彦
 野上 純子  中山 信行  谷村 孝彦
 藤井  一  島田 幸成  尾崎 大介
 今村 るか  石毛しげる  畔上三和子
 大島よしえ  松村 友昭  鈴木貫太郎
 ともとし春久 長橋 桂一  山下 太郎
 酒井 大史  大西さとる  植木こうじ
 かち佳代子  曽根はじめ  小磯 善彦
 橘  正剛  東村 邦浩  中嶋 義雄
 柿沢ゆきえ  斉藤あつし  清水ひで子
 大山とも子  吉田 信夫
東京都議会議長 川井しげお殿

   東京都議会議員河野ゆうき君に対する問責決議
 都議会は、地方自治法第百条の権限を付与した「豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会(以下「同委員会」という。)」を設置し、関係者に膨大な記録を請求するとともに、多くの証人を尋問し、疑惑の真相究明に向け、精力的に調査を実施してきたところである。
 しかるに、同委員会の委員である東京都議会自由民主党河野ゆうき議員が、同委員会において数々の不適切な発言を繰り返してきたことは誠に遺憾である。
 まず、河野議員は、同委員会で行われた証人尋問の中で、東京ガス株式会社から提出された公的な記録に対して、「いつ、どこで、誰が出席して、誰が書いたのか、出どころも不明」、「ことさら取り上げるようなメモではない」など、その信憑性を疑う発言を行った。これは「提出した記録に虚偽はない」としている同社を誹謗中傷し、同委員会の権威を傷つける重大な行為である。
 また、河野議員は、東京都財産価格審議会の関係者への証人尋問の際に、「私は、皆様方にご足労いただく場所がこのような形でよかったのか、いささか疑問に思っております」などと発言している。これは全会一致で決定された証人喚問を否定するもので、ご足労いただいた証人に対しても失礼極まりなく、同委員会に対する信頼を著しく損なうものである。
 こうした河野議員の言動は、同委員会を冒とくし、都議会の名誉と品位を損なうものである。
 よって、東京都議会は、河野ゆうき議員に対して、都議会の権威と信頼を失墜させた行為について反省を求め問責するものである。
 以上、決議する。
  平成二十九年六月七日
 東京都議会

○議長(川井しげお君) 本案に関し、二十八番おときた駿君より、趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 二十八番おときた駿君。
   〔二十八番おときた駿君登壇〕

○二十八番(おときた駿君) 私は、都議会公明党、東京改革議員団、共産党都議団、都議会生活者ネットワーク、そして都民ファーストの会東京都議団の五会派を代表して、東京都議会議員河野ゆうき君に対する問責決議の趣旨説明を行います。
 都議会は、地方自治法第百条の権限を付与した豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会を設置し、関係者に膨大な記録を請求するとともに、多くの証人を尋問し、疑惑の真相究明に向け精力的に調査を実施してきたところです。しかるに、同委員会の委員である都議会自由民主党河野ゆうき議員が、同委員会内において数々の不適切な発言を繰り返してきたことはまことに遺憾であります。
 まず、河野委員は、三月十九日の本委員会で行われた証人尋問の中で、東京ガス株式会社から提出された公的な記録に対して、いつ、どこで、誰が出席して、誰が書いたのか出どころも不明、殊さら取り上げるようなメモではないなどと、その信憑性を疑う発言を行いました。
 しかしながら、本資料は本委員会の調査権限に基づいて提出され、東京ガス側から出席した広瀬証人が、委員長からの尋問に対して、虚偽はございませんとはっきり証言をしているものです。
 資料、記録の解釈はそれぞれの委員の自由でありますが、提出先がその信義をかけて提出している資料そのものへの信憑性を尋問の中で口にすることは、甚だ不適切であるといわざるを得ません。加えて、殊さらに取り上げるようなメモではないと自分自身でいいながら、後日の委員会にて河野委員自身が、この資料に基づいた尋問をみずから行っていることにも強い疑問を覚えます。
 さらに、河野委員は、三月十八日に行われた東京都財産価格審議会の方々への証人尋問の際に、私は、皆様方にご足労いただく場所がこのような形でよかったのか、いささか疑問に思っておりますなどと明確に発言をしています。
 しかしながら、この証人尋問は、本特別委員会が全会一致で決定したものであり、その決定を不服とする個人の所感を述べること、とりわけそれを尋問当事者の前で述べることは、本委員会そのものの権威を毀損するだけではなく、出頭していただいた証人に対して失礼きわまりない行いであり、到底看過することはできません。
 以上、公的記録を軽視し、証人尋問を否定した言動の数々は、都議会の総意で設置をされた本委員会を冒涜し、都議会の名誉と品位を損なうものです。
 よって、東京都議会は、河野ゆうき議員に対して、都議会の権威と信頼を失墜させた行為について反省を求め、問責の決議を提出するものです。各議員のご賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。

○議長(川井しげお君) これより討論に入ります。
 発言を許します。
 七十一番きたしろ勝彦君。
   〔七十一番きたしろ勝彦君登壇〕

○七十一番(きたしろ勝彦君) 我々議会人は、発言自由の原則に基づいて、節度と品位を保ち、議会活動を行わなければなりません。
 また、議会というのは、議員自身の思想、信条に基づき、自身の信ずることを自由に主張する場でもあります。その意味で、問責決議の対象とされている河野ゆうき議員の発言は、まさに自身の見解を率直に披瀝したものにすぎず、そして、その内容も問責されるようなものでは全くありません。
 本会議に提出されている河野議員に対する問責決議は、その内容が余りに稚拙かつ無責任であり、むしろこのような問責決議が提出されたことが問題だといわざるを得ません。全く容認できない問責決議であり、即刻取り消し、こうした振る舞いに及んだことを河野議員に、そして全都議会議員に謝罪すべきです。
 このような数による暴挙としかいいようのない決議が、今ここでまかり通ってしまうのか、東京都議会のかなえの軽重が問われています。このことを本日出席の全議員の皆様に対し、討論の冒頭で申し上げておきます。
 さて、我が党の河野議員は、調査特別委員会が行った証人尋問の中で、東京都の審議会である東京都財産価格審議会の委員の方々に対して証人尋問を行いました。そして、この尋問を開始するに当たり、偽証罪という刑事罰の制裁もある証人という立場でお話を伺うのではなく、例えば、所管局を通して当時の状況を伺うなど、他の調査方法もあったのではないか。こうした思いから、ご足労いただく場所がこのような形でよかったのか、いささか疑問に思っていますという議員としての見解を発言したものにすぎません。
 この何の問題もない発言に対して、委員会の信頼を著しく損なうものだという全く的外れな指摘がなされているのです。こうした指摘をすること自体、いわゆるパフォーマンスにすぎず、論評する価値もないほどの空虚な指摘です。
 また、河野議員は、濱渦元副知事への証人尋問の際に、東京ガスから提出された資料の中にあった出所不明のメモに関して、そのメモは記録資料としての最低条件である、いつ、誰が、どこで、何のために作成されたのか全くわからない、まさにブラックボックスのようなものであると、誰の目にも明らかな、至極当然の事実を指摘する発言を行いました。
 なお、このメモについて、議会局を通して、誰が、いつ、何のために書いたメモなのか東京ガスに確認したところ、不明ですという回答があった。このことも事実でございます。いうまでもなく、メモが存在しているということと、そのメモが信頼に足るものかどうかは全く別の意味です。河野議員は、この信頼性に関してみずからの見解を披瀝したにすぎません。問責の対象となるような発言では全くありません。
 むしろ、このメモに関して看過できない事実があります。
 都民ファーストのおときた議員は、この出所不明のメモにあるXデーという文言に飛びつき、東京ガスが東京都におどかされて交渉に応じたかのような発言をしているのです。こうした無責任な発言こそ、環境問題に誠実に取り組んでいる東京ガスの皆さんを誹謗中傷するものです。
 このようなみずからの行為を隠蔽したいのか、それとも河野議員が行った事実を直視した発言が耳に痛いのかわかりませんが、突然、河野議員の発言は、東京ガスを誹謗中傷し、委員会の権威を傷つけるものだなどと荒唐無稽な理屈で問責決議を提出し、あろうことか、これが数の力で委員会で決定されてしまったのです。
 このような問責決議が提出され、委員会で決議されたこと自体、委員会における民主主義の根幹である議員の率直で真摯な議論を抑圧し、言論統制につながるものであり、民主的な委員会運営を阻害するものであります。
 そもそも、問責決議を提出するには、問責の対象とすべきか、公平な目で見て、議員誰もが納得できる内容なのか、そして、民主的かつ自由闊達な議論を抑圧することにならないのか、よくよく吟味した上で責任を持って行うべきものなのです。
 私は、警察官として、告訴、告発がいかに重いものか、実際に経験しております。人権を重んじる姿勢が大事なのです。
 本日の会議で偽証告発に対する我が党の反論が展開されていますが、この問責決議も問題の本質は全く同じであります。今回、このような問責決議が委員会において多数派のごり押しで決定されたということは、調査特別委員会でのまさにパフォーマンスとして、問責決議が悪用されたとしかいいようがありません。
 この中身のない、無責任な問責決議は即刻撤回されるべきです。多数派になったときには謙虚さも必要なのです。この決議は、本当に都議会の決議にふさわしいとお考えなのでしょうか。(発言する者あり)静かに聞いてください。この決議への賛成討論を……(発言する者あり)

○議長(川井しげお君) ご静粛にお願いします。

○七十一番(きたしろ勝彦君) 賛成討論をどの会派も行わないと聞いております。賛成にちゅうちょされているのでしょうか。
 議会の健全な運営を阻害し、都議会議員の自由な言論を抑圧しかねない、このような決議が委員会で提案され、決議されること自体、許しがたいことなのです。
 以上、都議会自由民主党は、河野ゆうき議員に対する不当な問責決議に断固反対であることを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川井しげお君) これより採決に入ります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本案は、可決されました。

○議長(川井しげお君) この際、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長より、調査の経過について中間報告書が提出されました。
 報告書は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   〔オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会中間報告書は本号末尾に掲載〕

○議長(川井しげお君) 本件に関し、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長より、調査の経過について中間報告をいたしたい旨、申し出がありましたので、これを許します。
 オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長高島なおき君。
   〔百二十番高島なおき君登壇〕

○百二十番(高島なおき君) オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会における調査検討の状況について、委員会を代表してご報告いたします。
 その内容につきましては、お手元に配布いたしました中間報告書のとおりでありますが、私からその概要についてご報告申し上げます。
 本委員会は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決定されたことを受け、平成二十五年十月十一日に設置され、平成三十二年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会、この開催に向けた準備や計画に関する事項について、三年八カ月にわたり、六十回もの委員会を開催し、精力的に調査検討を行ってまいりました。
 また、第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた審議を行う、ラグビーワールドカップ特別対策委員会を本委員会の小委員会として設置し、集中的な調査検討を行ってまいりました。
 この間の副委員長、理事、委員の皆様の精力的な調査検討、そして関係各局の理事者の皆様のご協力に感謝申し上げます。
 それでは、委員会で調査検討いたしました主な事項についてご報告申し上げます。
 本委員会では、これまで東京二〇二〇大会の開催に向けたさまざまな取り組みを、主に、施設・輸送等、大会運営、機運醸成、連携協力、費用負担、レガシーの六つの事項に分け、審議してまいりました。
 また、調査検討に当たっては、オールジャパンでの連携、機運醸成、被災地の復興、オリンピックのレガシーなど、東京二〇二〇大会開催を契機として、東京や日本全体が活気づくような、そういった視点からも前向きに議論をし、多くの意見を述べてまいりました。
 中でも施設・輸送等と費用負担に関する事項については、多くの時間を割いて審議してまいりました。特に新規恒久施設のコスト見直し、後利用等については、パラリンピック競技の会場として必要な機能の充実や、オリンピックのレガシーをよい形で残せるよう、本委員会において何年にもわたり継続的な議論を重ねてきました。また、都外の競技施設は、オールジャパンでの連携のもと、関係自治体との調整、協力の上で実施し、コスト削減にもつながりました。
 三年後の七月二十四日には、東京二〇二〇大会の開会式を迎えるという今日、残された大会準備期間は限られており、これらを滞りなく進めていかなければならないと考えております。
 一方、新規恒久施設の整備や大会輸送関係、セキュリティー対策やボランティア、さまざまな費用負担、財源問題など、開催までにさまざまな課題が山積をしております。
 今後、こうした課題を解決し、大会準備を加速させていくためには、開催都市である都、大会運営を担う組織委員会、開催国である国、競技会場が所在する関係自治体の各主体が、それぞれの役割を明確にした上で緊密に連携し、責任を果たしていくことが極めて重要であります。
 そのためには、まず二元代表制のもと、都議会と都がより緊密な意思疎通と情報共有を行い、十分なコンセンサスと都民の理解を得ながら進めていくことが不可欠であります。
 東京二〇二〇大会並びにラグビーワールドカップ二〇一九の成功に向け、引き続き積極的に取り組むという決意を申し上げ、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会の中間報告とさせていただきます。
 以上でございます。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもってオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長の中間報告は終わりました。

○議長(川井しげお君) 次に、豊洲市場移転問題特別委員長より、調査の経過について中間報告書が提出されました。
 報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   〔豊洲市場移転問題特別委員会中間報告書は本号末尾に掲載〕

○議長(川井しげお君) 本件に関し、豊洲市場移転問題特別委員長より、調査の経過について中間報告をいたしたい旨、申し出がありましたので、これを許します。
 豊洲市場移転問題特別委員長山崎一輝君。
   〔九十番山崎一輝君登壇〕

○九十番(山崎一輝君) 豊洲市場移転問題特別委員会における調査検討の経過について、委員会を代表して中間報告をいたします。
 内容につきましては、お手元に配付しております報告書のとおりでありますが、私からその概要についてご報告申し上げます。
 本委員会は、豊洲市場の移転にかかわる諸課題について、調査検討を行うことを目的として、平成二十八年十月十三日に設置されました。その後、平成二十九年六月二日まで、約八カ月以上にわたり、委員会を二十一回、理事会を二十二回開催するとともに、延べ六人の参考人から意見聴取や、豊洲市場への視察も実施してまいりました。
 豊洲市場移転問題の重要性や都民から寄せられている大変高い関心に鑑み、この間、非常に限られた厳しい日程の中で、各委員の皆様にも協力をいただき、可能な限り多くの審議時間を確保できるよう、通例では委員会が開催されない午前中や土曜日にも質疑や視察、参考人招致等の委員会活動を行いました。
 このように、スピード感を持って精力的に審議を進めることができましたのは、ひとえに副委員長、理事を初めとする責任感の強い委員の皆様、そして理事者の皆様の多大なご協力によるものです。日程調整や円滑な質疑へのご理解など、この間の関係の皆様方のご協力に、委員長として心より深く感謝を申し上げます。
 それでは、主な事項についてご報告申し上げます。
 審議の中心となったのは、都庁に設置された三つの会議です。毎回、会議終了後にその内容について理事者から報告を聴取し、その報告内容に沿って資料要求及び質疑を行ってまいりました。
 第一に、豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議につきましては、地下水モニタリング調査の分析結果や環境基準の意義、地下水管理システムの機能などに関する審議を行いました。
 第二に、市場問題プロジェクトチームの会議につきましては、プロジェクトチームの位置づけや豊洲市場の施設の安全性及び機能性、事業継続性、プロジェクトチームによる報告書案の取りまとめ状況などに関する審議を行いました。
 第三に、市場のあり方戦略本部につきましては、豊洲市場の課題への対応や築地市場現在地再整備における課題、中央卸売市場会計の持続可能性などに関する審議を行いました。
 これら三点のほかにも、豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて、市場業者に寄り添った対応といった観点から審議を行うとともに、先月結果が公表された築地市場の土壌汚染調査について、現在進行形で稼働している市場における食の安全・安心を確保する観点から審議を行いました。
 また、専門家会議の平田健正座長、中島誠フェローにもご同席をいただき、豊洲市場の視察と意見交換を実施いたしました。各委員が現場で地下水モニタリング調査の採水の様子や、地下ピット内の地下水が排水された床面が乾燥している状態などを実際に目で見て確認をいたしました。都民、国民に対し、客観的なデータから導き出される安全性や、豊洲市場の最新の状況について、正確な情報に基づく丁寧な説明をしていくことの重要性を改めて認識をしたところであります。
 なお、来週には、新たな試みとして、豊洲市場を広く一般に公開する都民向けの見学会が実施をされます。
 さらに、本委員会では参考人招致も実施いたしました。これは、地下水モニタリング調査の採水及び分析作業などについて確認する趣旨で行ったものであり、調査に携わった六事業者から、技術的な部分を中心に意見の聴取及び質疑を行いました。
 なお、参考人招致については、私案として築地改修案、豊洲移転案を公表した小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長に対しても、全会一致で出席を求めましたが、出席できない旨の回答がありました。
 以上のとおり、これまで本委員会は、都民、国民の関心が高い豊洲市場移転問題について、議会の権能を行使し、精力的に調査検討を行ってまいりました。
 現在、豊洲市場移転問題に関しては、第六回専門家会議が休会中であることに加え、市場問題プロジェクトチームの報告書の取りまとめが当初の予定よりおくれており、これも踏まえて、市場のあり方戦略本部で検討が続いている状況であります。
 いまだ最終的な結論が見えない中、引き続き、二元代表制の一翼を担う議会として、執行機関に対するチェック機能をしっかりと果たし、議会人としての責務を全うしなければなりません。本日も、この本会議終了後に、早速、委員会の開催を予定しているところであります。
 我々、第十九期都議会議員の任期が満了する平成二十九年七月二十二日まで、今後も引き続き、豊洲市場移転に向けた諸課題を解決し、前に進めていくための調査検討を行っていくことを表明し、本委員会の中間報告とさせていただきます。
 以上です。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって豊洲市場移転問題特別委員長の中間報告は終わりました。

○議長(川井しげお君) この際、継続調査及び審査について申し上げます。
 まず、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長及び豊洲市場移転問題特別委員長より、委員会において調査中の案件について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続調査の申し出があります。
 申出書の朗読は省略をいたします。

平成二十九年六月一日
   オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長
高島なおき
 東京都議会議長 川井しげお殿
   オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会継続調査申出書
 本委員会は、平成二十五年十月十一日及び平成二十七年十二月十六日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。
       記
 二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。

平成二十九年六月二日
豊洲市場移転問題特別委員長
山崎 一輝
 東京都議会議長 川井しげお殿
   豊洲市場移転問題特別委員会継続調査申出書
 本委員会は、平成二十八年十月十三日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。
       記
 豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討を行う。

○議長(川井しげお君) お諮りをいたします。
 本件は、申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり、それぞれ閉会中の継続調査に付することに決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、議会運営委員長より、委員会において審査中の議員提出議案第十号、東京都議会基本条例について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続審査の申し出があります。
 申出書の朗読は省略をいたします。

平成二十九年六月六日
議会運営委員長 高木 けい
 東京都議会議長 川井しげお殿
   議会運営委員会継続審査申出書
 本委員会は、平成二十九年六月二日付託された左記議案を審査中であるが、今会期中に審査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。
       記
 議員提出議案第十号 東京都議会基本条例

○議長(川井しげお君) お諮りをいたします。
 本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定をいたしました。

○議長(川井しげお君) 陳情の付託について申し上げます。
 本日までに受理いたしました陳情二件は、お手元に配布の陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) お諮りをいたします。
 ただいま常任委員会に付託いたしました陳情は、お手元に配布をいたしました委員会から申し出の請願・陳情継続審査件名表の分とあわせて、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件請願及び陳情は、いずれも閉会中の継続審査に付することに決定をいたしました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 次に、各常任委員会及び議会運営委員会の所管事務について、閉会中の継続調査の申し出があります。
 本件は、お手元に配布の特定事件継続調査事項表のとおり、閉会中の継続調査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、閉会中の継続調査に付することに決定をいたしました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 以上をもって本日の日程は全部議了いたしました。
 会議を閉じます。
 これをもって平成二十九年第二回東京都議会定例会を閉会いたします。
   午後四時三十三分閉議・閉会


文書質問趣意書及び答弁書

29財主議第217号
平成29年6月30日
東京都議会議長
川井しげお殿
東京都知事
小池 百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 平成29年第二回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

塩村あやか議員
宮瀬英治議員
中村ひろし議員
小竹ひろ子議員
柿沢ゆきえ議員

平成29年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 塩村あやか

質問事項
一 女性消防団員・若者の入団促進について
二 都立公園内の手すりについて

一 女性消防団員・若者の入団促進について
 平成28年第四回定例会にて、消防団の女性団員の入団促進について質問をさせて頂きました。消防団は首都直下地震をはじめ、火災や地震などの災害に対応する地域防災の要です。
 その地域防災の要である消防団員は近年残念ながら定員割れの状態であり、特にポンプ操法大会前の訓練において支障が出ている状態も稀に発生をしている状態です。
 私は現役の消防団員として日々活動をする中で気づいた、東京消防庁が訴求し切れていないポテンシャル層について指摘をしました。それが女性・若者です。
 団の訓練活動は夜に行われることが多く、子どものいない未婚の女性層は家族の食事の用意や片づけなどの負担も育ちざかりの子供を抱える女性と比較をして重くなく、比較的参加しやすいことが挙げられます。また、災害発生時には地域との関わりの薄い東京の一人暮らしや未婚の女性は被災者になりがちですが、消防団として訓練に参加をすることで、被災者から地域の防災リーダーになり得るのです。
 女性に消防団活動はできないという声もあると聞いていますが、私は活動をする中で決してそんなことはないと感じています。事実、先般行われたポンプ操法大会でも筒先を持ち放水を担当する一番員と、三番員を女性で戦った団もあり健闘をしています。また、地域への防災広報活動などもあり、女性が活躍する場は多々あります。
 そうした事実を踏まえ、昨年の第四回定例会で「団活動のメリットを知ってもらい、若者や特に単身女性の入団の促進を行うべきだと考えますが、消防総監の所見を伺う」と質問をさせて頂きました。
 総監からは「東京消防庁では、広く都民に対して、ポスター、リーフレット、プロモーションビデオ、ホームページ等を活用し、女性消防団員の入団促進を図っております。今後とも、女性消防団員の活躍を紹介するなど、さらに、女性が消防団の活動を理解し、魅力を感じるような募集広報等の充実に努めてまいります」との答弁を頂いており、地元消防団の団員達も大きな期待を消防庁に寄せています。
 年を越し、予算議会を終え、新年度になりましたが、まだ団員不足を解消するための動きが現場には伝わっておらず、引き続き消防庁に寄せる期待が高い状態となっています。
1 今後、若者や女性団員を増やすための施策が消防庁は必要であると考えているのか伺います。
2 また、消防団は日々の活動と併せ、定員割れの現状に危機感を持ち、団員の勧誘にも力を入れているため、女性ならではの募集に対する消防庁からの積極的な動きがあれば団や団員にとって大変心強く、より一層訓練に集中ができるようになると考えますが見解を伺います。

二 都立公園内の手すりについて
 都立公園は多くの都民の方が散歩やスポーツなどを楽しんでいます。しかし、公園を訪れる全ての方が健康と限らず、障がいをお持ちであったり、高齢であったり、リハビリの為に公園を訪れるなど、その目的は様々です。
 都立公園はそうした多くの方が安全・安心に過ごせる場でなくてはいけません。
 都立駒沢公園には、都民の皆様に親しまれている大階段北広場という場所があります。横幅80メートル、40段近い大規模なもので、多くの方が階段としての利用だけではなく、日光浴をしたりと思い思いの時間を過ごしています。先般、その階段に波型手すりが採用されました。
 私自身も足を怪我したとき、波型手すりを偶然利用したことがあり、その効果に驚きました。階段を下りる時の痛みがかなり軽減され、怪我をした方や高齢の方には大変にメリットがあると感じた次第です。
1 都はこの波型手すりについてどのようなメリットが都民にあると考えているのか伺います。
2 東京都での導入実績と時期も伺います。
3 また、棒型の手すりと比較しどのような違いがあると認識しているのか伺います。
4 導入の決め手は何だったのかも併せて伺います。
 一方で波型手すりについて「障害のある利用者から、一段一段手が離れて危ないとの意見や、障害などの状況によっては危ないないし使いにくいという意見などが寄せられており、波型手すりには大きな課題がある」と答弁をしている局もあり、同じ東京都で認識の違いが気になります。
5 都立公園は波型手すりに大きな課題があると認識しているのか伺います。
6 その場合、なぜ導入をしたのか伺います。
7 今後どのような対策を取るのかを伺います。

平成29年第二回都議会定例会
塩村あやか議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 女性消防団員・若者の入団促進について
1 団員不足を解消するための動きが現場には伝わっておらず、引き続き消防庁に寄せる期待が高い状態となっている。今後、若者や女性団員を増やすための施策が必要であると考えているのか、見解を伺う。

回答
 特別区消防団では、約14,000名の消防団員のうち、17パーセントを超える約2,400名の女性消防団員や、約560名の学生消防団員が活躍しています。
 このように女性消防団員や学生消防団員が地域防災の要として大きな役割を担っていることから、今後とも若者や女性団員の入団促進が必要であると考えています。

質問事項
一の2 消防団は日々の活動と併せ、定員割れの現状に危機感を持ち、団員の勧誘にも力を入れているため、女性ならではの募集に対する消防庁からの積極的な動きがあれば団や団員にとって大変心強く、より一層訓練に集中ができるようになると考えるが見解を伺う。

回答
 若者や女性消防団員に対する入団促進を図るため、庁有車両に女性や学生消防団員をモデルとしたラッピングを施し、広く募集広報を推進しています。
 平成29年度は、女性消防団員を対象とした新たなリーフレットを作成するなど、対象に応じた募集広報を積極的に展開していきます。

質問事項
二 都立公園内の手すりについて
1 波型手すりは、怪我をした方や高齢の方には大変にメリットがあると感じるが、都はこの波型手すりについて、どのようなメリットがあると考えているのか伺う。

回答
 波型手すりについては、足腰の弱い高齢者なども握りやすく楽に移動できることから、一部の都立公園で導入した事例があります。

質問事項
二の2 波型手すりについて、東京都での導入実績と時期を伺う。

回答
 都立公園では、平成18年度以降、武蔵野公園、光が丘公園、駒沢オリンピック公園等で導入実績があります。

質問事項
二の3 波型手すりは棒型の手すりと比較し、どのような違いがあると認識しているのか伺う。

回答
 波型手すりは、棒型手すりと比較して、コストが高いことや、形状の違いによって、障害の部位や状態によっては、使いやすさに違いが生じるなどの意見があることを認識しています。

質問事項
二の4 波型手すりの導入の決め手は何だったのか伺う。

回答
 階段や手すり等の公園施設の整備は、公園の利用状況や施設の設置場所の条件、周辺の自然環境、景観との調和など、個々の公園の特性に合わせて実施しています。
 波型手すりは、ユニバーサルデザインへの対応の一つとして導入しました。

質問事項
二の5 一方で波型手すりについて「障害のある利用者から、一段一段手が離れて危ないとの意見や、障害などの状況によっては危ないないし使いにくいという意見などが寄せられており、波型手すりには大きな課題がある」と答弁をしている局もあるが、都立公園は波型手すりに大きな課題があると認識しているのか伺う。

回答
 利用者の障害の部位や状態によっては、使いやすさに違いが生じるなどの意見があることを認識しています。

質問事項
二の6 波型手すりに課題があると認識しているのであれば、なぜ導入をしたのか伺う。

回答
 波型手すりは、足腰の弱い高齢者なども握りやすく楽に移動できることから、ユニバーサルデザイン対応として導入しました。

質問事項
二の7 波型手すりの課題に対して、今後どのような対策をとるのか、見解を伺う。

回答
 波型手すりは、利用者の障害の部位や状態によっては、使いやすさに違いが生じるなどの意見があることは認識しており、今後とも公園の利用状況や設置場所の条件等に合わせて適切に対応していきます。

平成29年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治

質問事項
一 都立公園のグランドについて
二 都道高島通りについて
三 都営地下鉄三田線における下りエスカレーターについて
四 都営住宅について

一 都立公園のグランドについて
 都立公園では園内に様々な球技施設が設置され都民の憩いの場となっている。しかし現状は申込者が多いにもかかわらず急なキャンセルなどによりグランドが実際には活用されていないケースが多く見受けられる。そこで申し込み時の工夫や空き状況を常時インターネットで公開し受付をするなど、都民にとって活用性の高い競技施設にするべきと考えるが所見を伺う。

二 都道高島通りについて
 高島通りは車両にとっては東西を結ぶ重要な道路である一方、周辺住民にとっては時に騒音や排ガスなど生活に支障が出かねない通りである。以下伺う。
 高齢者が多く住む高島平団地。その高島平駅前の横断歩道にある中央分離帯は凹凸があり、シルバーカーが挟まって高齢者が動けなくなり命の危険にさらされている。さらには車椅子の方は都道を渡りきった後、区道への道路傾斜が激しく自力では区道に出ることができないといった声も聞く。都としてそれぞれ早急に対応すべきと考えるが所見を伺う。

三 都営地下鉄三田線における下りエスカレーターについて
 高島平、西台駅等、高齢化が進む地域においては、下りエスカレーター設置が急務であると認識している。都において研究調査をしていると考えるが、現在の取り組み状況と今後の展開について伺う。

四 都営住宅について
1 都の主な住宅セーフティネットである都営住宅は、非常に高倍率であり、必要でありながら入居出来ない人が数多くいます。2015年度、いわゆる収入超過で、低額所得者とはいえない入居者が約1万5千世帯であり、一方で高額所得者として明け渡しを行ったのは207件である。抜本的な対策をこうじるべきと考えるが、現在の具体的な対策や今後の取り組みについて伺う。
2 都営住宅の駐車場が長年活用されていないように見受けられる。駐車場の活用状況について伺うとともに、今後の対策について伺う。
3 若者や子育て世帯、高齢者など家賃に対する家計の圧迫は、深刻である。また都営住宅は高倍率で入居が困難であり新規建設が厳しい状況においては、住宅のセーフティネットの確立が急務といえる。そこでその家賃を補助する安心居住家賃補助制度や住宅クーポン(仮称)を早急に検討するなど、入居者もオーナーも安心できる制度の構築に向けて取り組むべきと考えるが、都の見解を伺う。

平成29年第二回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都立公園のグランドについて
  都立公園では、申込者が多いにもかかわらず急なキャンセルなどによりグランドが実際には活用されていないケースが多く見受けられる。申し込み時の工夫や空き状況を常時インターネットで公開し受付をするなど、都民にとって活用性の高い競技施設にするべきだが所見を伺う。

回答
 都立公園の野球場やテニスコート等の予約は、インターネット等で受け付けています。
 予約の入っていない施設や時間帯については、利用日の2日前までインターネット等で空き状況を公開し、申込みを受け付けています。
 また、急なキャンセルなどにより空き施設がある場合には、当日であっても電話で手続を行うことで利用が可能です。
 今後とも、施設の空き情報等の提供に努め、施設の有効活用を図っていきます。

質問事項
二 都道高島通りについて
  高島平駅前の横断歩道にある中央分離帯は凹凸があり、シルバーカーが挟まったり、車椅子の方は都道を渡りきった後、区道への道路傾斜が激しく自力では区道に出ることができないといった声も聞く。都としてそれぞれ早急に対応すべきだが所見を伺う。

回答
 高齢者や障害者を含む全ての歩行者が、安全かつ快適に歩行・移動できるよう、歩道の段差の解消や勾配の改善といった道路のバリアフリー化を進めることが重要です。
 高島平駅周辺の都道高島通りにおいては、平成26年度までに、視覚障害者誘導用ブロックを連続設置するなどのバリアフリー化を実施したところです。
 当該箇所は、沿道の民地等との高低差が大きいことから、勾配を改善するには、広範囲における道路の改良が必要です。
 このため、今後、路面補修工事など車道や歩道の改修にあわせ、改善の可能性を検討していきます。

質問事項
三 都営地下鉄三田線における下りエスカレーターについて
  高島平、西台駅等、高齢化が進む地域においては、下りエスカレーター設置が急務である。都において研究調査をしていると考えるが、現在の取組状況と今後の展開について伺う。

回答
 都営地下鉄では、駅のバリアフリー化を進めるという観点から、エレベーターの整備を進めていますが、エスカレーターの整備についても、お客様がスムーズに駅構内を移動できるなど、利便性の向上を図ることを目的に設置してきました。
 都営地下鉄三田線における地上駅の下りエスカレーターについては、高架下に店舗や駐輪場、トイレ、電気室等の駅施設などがあり、整備に必要なスペースの確保が困難であることから、駅の大規模改修などの機会を捉え、必要性も含め検討することとしています。

質問事項
四 都営住宅について
1 都営住宅は、必要でありながら入居出来ない人が数多くいる。2015年度、いわゆる収入超過で、低額所得者とはいえない入居者が約1万5千世帯であり、一方で高額所得者として明け渡しを行ったのは207件である。抜本的な対策を講じるべきだが、現在の具体的な対策や今後の取組について伺う。

回答
 収入超過者は、都営住宅に3年以上入居し、収入の増加などにより入居収入基準を超えた者であり、平成27年度末現在で約1万5,000世帯が対象となっています。公営住宅法では、収入超過者は住宅明渡し請求の対象となっていないことから、自主的な退去を促進するため、都は、収入超過の度合いに応じて一定期間後に近傍同種家賃となる割増使用料を徴収するとともに、毎年度、住宅明渡し努力義務について通知を行うほか、移転候補地を具体的に提示するなどの対応に努めています。
 一方、高額所得者は、都営住宅に5年以上入居し、2年間引き続き政令で定める基準を超える高額の収入のある者であり、公営住宅法では、期限を定めて住宅の明渡しを請求することができると規定しています。平成27年度における明渡し請求対象世帯は389世帯であり、同年度内に207世帯が住宅を明け渡し、残りの世帯も明渡しに向けた準備を行っています。
 今後とも、こうした取組を適切に行っていきます。

質問事項
四の2 都営住宅の駐車場が長年活用されていないように見受けられる。駐車場の活用状況について伺うとともに、今後の対策について伺う。

回答
 平成29年3月末現在、都営住宅の駐車場は約48,000区画あり、そのうち契約中のものは約7割となっていますが、近年は居住者の高齢化等により、空き区画は増加傾向にあります。
 こうした空き区画については、有効活用の観点から、定期公募後の入居者に対する常時受付や、近隣にある都営住宅の居住者に対する募集に加え、地域住民向けの貸出しを行うなど、利用の拡大を図っています。
 さらに、介護事業など、様々な目的で都営住宅に車で訪れる人々の利便性を考慮し、試験的に9団地でコインパーキングを設置しています。
 今後とも、これらの取組を適切に行っていきます。

質問事項
四の3 若者など家賃に対する家計の圧迫は、深刻である。また都営住宅は高倍率で入居が困難であり新規建設が厳しい状況においては、住宅のセーフティネットの確立が急務といえる。家賃を補助する安心居住家賃補助制度や住宅クーポン(仮称)を早急に検討するなど、入居者もオーナーも安心できる制度の構築に向けて取り組むべきだが、都の見解を伺う。

回答
 住宅は生活の基盤であり、住宅確保要配慮者の居住の安定確保のためには、住宅セーフティネット機能の強化が重要と考えています。
 このため、都は、居住支援協議会を通じた借り手への入居あっせんや、貸主への家賃債務保証制度の紹介等の取組を促進してきました。
 借り手に対する家賃補助については、国も、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担等の点を指摘しており、また生活保護制度との関係等、多くの課題があります。
 都としては、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度の創設を進めるとともに、国が導入した家賃低廉化に対する貸主への支援措置の活用等を区市町村の動向も踏まえ検討するなど、今後も借り手と貸主双方に対する取組を進めていきます。

平成29年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 学校における児童生徒への相談体制について

一 学校における児童生徒への相談体制について
 子どもたちを巡る様々な問題が報道される中で、都は、全小中高校にスクールカウンセラーの配置をしました。残念ながら、全国的に、いじめに関する報道が絶えない中で、スクールカウンセラーの配置についてもさらなる拡充が求められます。また、いじめだけではなく、子どもたちを取り巻く環境には様々な課題が関わることから、平成26年第二回定例会の代表質問でもスクールソーシャルワーカーの配置についてさらなる促進を図るよう質問しました。急速な環境の変化から、再度、配置の拡充を求める趣旨で以下、質問します。
1 スクールカウンセラーの配置については平成28年度までに都内の全小中高校全課程に配置されているとのことです。都による配置に加えて市区町村独自の配置もあります。配置の状況について伺います。
2 スクールカウンセラーの全校配置により、相談の状況、子どもを巡るいじめなどの問題がどのように改善されたか伺います。
3 スクールカウンセラーについて、全校配置はされたものの日にちや時間が限られているため、さらなる拡充が必要と考えます。見解を伺います。
4 スクールソーシャルワーカーの配置状況について伺います。
5 どのような資格の方がスクールソーシャルワーカーになっているか伺います。また、報酬が少なくいくつかの自治体をかけもちで行うなど、大変厳しい環境にあるとの声も聴きます。報酬について改善すべきと考えますが、見解を伺います。
6 スクールカウンセラーの全校配置に比べて、スクールソーシャルワーカーはまだ配置が不足しています。拡充の必要があると考えますが、見解を伺います。

平成29年第二回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 学校における児童生徒への相談体制について
1 スクールカウンセラーの配置については、平成28年度までに都内の全小中高校全課程に配置されているとのことであり、都による配置に加えて市区町村独自の配置もある。配置の状況について伺う。

回答
 都教育委員会は、平成7年度から都内公立学校へのスクールカウンセラーの配置を開始し、その後、順次拡充を図り、平成25年度から都内の全公立小・中・高等学校に配置しています。
 また、平成28年度からは、高等学校全日制、定時制、通信制のそれぞれの課程別に配置しています。
 なお、区市町村において、心理職等を独自に配置していることは承知していますが、人数等の配置状況については把握していません。

質問事項
一の2 スクールカウンセラーの全校配置により、相談の状況、子どもを巡るいじめなどの問題がどのように改善されたか伺う。

回答
 都教育委員会が策定した「いじめ総合対策」に基づき、平成26年度から毎年度、都内全ての公立小・中・高等学校において、スクールカウンセラーによる小学校第5学年、中学校第1学年、高等学校第1学年の全員を対象とした面接を実施しています。
 また、スクールカウンセラーを学校いじめ対策委員会のメンバーに位置付け、子供の状況について教職員全体で情報を共有できるようにするなど、学校の教育相談体制の強化を図っています。
 これらの取組の成果として、スクールカウンセラーへの子供の相談件数が増えたことや、子供の様子の変化に気付きやすくなったことなどにより、いじめ等の問題行動の防止につながった事例が報告されています。

質問事項
一の3 スクールカウンセラーについて、全校配置はされたものの、日にちや時間が限られているため、さらなる拡充が必要と考えるが、見解を伺う。

回答
 平成28年度から、スクールカウンセラーを配置する全ての学校において、年間勤務日数をそれまでの35日から38日に増やしました。
 今後とも、都教育委員会は、教職員がスクールカウンセラーの専門的な知見からの助言を得て、児童・生徒への理解を深め、指導力を強化するなど、学校全体の教育相談機能の一層の充実に向けて指導・助言を行っていきます。

質問事項
一の4 スクールソーシャルワーカーの配置状況について伺う。

回答
 区市町村は、社会福祉等に関する専門的な知識を有する人材を用いて、問題を抱える児童・生徒への支援を行うため、スクールソーシャルワーカーを活用しています。平成29年度は、都内50区市町にスクールソーシャルワーカーが配置されています。

質問事項
一の5 どのような資格の方がスクールソーシャルワーカーになっているか伺う。また、報酬が少なくいくつかの自治体をかけもちで行うなど、大変厳しい環境にあるとの声もあり、報酬について改善すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 スクールソーシャルワーカーとして配置されている者の資格等については、社会福祉士や精神保健福祉士のほか、教育や福祉の分野において実務経験を有する者などであり、その要件は自治体ごとに定めています。
 スクールソーシャルワーカーの報酬は、各自治体が実情に応じて設定しており、都教育委員会は、その経費の2分の1を補助しています。

質問事項
一の6 スクールカウンセラーの全校配置に比べて、スクールソーシャルワーカーは配置が不足しており、拡充の必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、平成20年度から区市町村におけるスクールソーシャルワーカー配置のための支援を開始し、その後、順次、配置が拡充されてきました。
 また、スクールソーシャルワーカーの活用事例等をまとめた資料を、区市町村教育委員会や学校に配布するなどして、その活用を促進してきました。
 こうした取組に加え、平成27年度からは全ての自治体の配置計画に沿って経費を補助しており、引き続き、この補助のための予算確保など、区市町村のスクールソーシャルワーカーの配置拡充に向けて支援をしていきます。

平成29年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 小竹ひろ子

質問事項
一 私立学校の教育費父母負担軽減と特別支援教育充実のために
二 戦争の惨禍を風化させず後世に引き継ぐために

一 私立学校の教育費父母負担軽減と特別支援教育充実のために
 私立高校への授業料補助の拡充は、東京の6割の生徒が私学で学んでいることから重要です。私学に通う生徒、子どもを学ばせる保護者に大歓迎されています。
 わが党都議団は都民のみなさんとともに、私学の父母負担軽減や、高校教育の無償化等を一貫して強く求めてきました。今年度予算化された、年収760万円未満の家庭の子どもたちの授業料が無償になることは、日本政府が批准した国際人権規約の中等教育の無償化の実現に一歩、近づくものです。
 今、子どもの貧困率が16.3%と、6人に1人は貧困といわれているなかで、すべての子どもの学ぶ権利を保障する支援が求められています。小池知事も「家庭の経済状況が、子どもたちの将来の希望を閉ざすことがあってはなりません」と言い続けてこられました。
 東京都は1月に、「子どもの生活実態調査、小中高校生等調査」を発表しました。この調査によれば、子どもの学びの項で、学校選択について一般層では55.8%が私学を選んでいるのに対し、困窮層は59.2%が公立を選択しています。また、私立学校の授業料等の費用負担が、高かったとしている人が、貧困層では85.5%にものぼり、一般層の61.3%と比べても多くの人が高いと感じていることがわかります。
 私立高校に進学した理由も、公立高校の入試に合格しなかったが54.4%で圧倒的に高く、一般層では教育の質が高い43.6%、教育方針が気に入った37.5%が多いのに比べても、経済的な問題が大きなウエイトを占めていることを示しています。
 このことは同調査の「若者(青少年)調査」でも、同様の傾向があらわれています。所得の低い層では、学校をやめたくなるほど経済的に悩んだことのある人が15.1%(非低所得者は6.3%)にのぼり、経済的な悩みがあった割合は、経済的に余裕がない(11.4%)、授業料・教材費などの支払い(9.1%)、友人つきあい等に要する費用の支出(9.1%)、通学費用の支払い(6.7%)、修学旅行費の支払い(4.5%)等となっています。さらに、この経済的悩みの世帯別状況ではいずれも、ひとり親世帯で高くなっており、経済的困難を抱えていることが示されています。ひとり親世帯では、学校がやめたくなるほど経済的に悩んだことがある人は21%と、5人に1人にのぼっています。
 この点からも、高校生に対する、給付型奨学金制度は時宜にかなっていると思います。高校生に対する奨学給付金が、国の就学支援金制度に合わせてつくられましたが、今年度は、私立高校生への支給額は、住民税非課税と均等割世帯の第一子67,200円が84,000円に上がっただけで、第二子138,000円は変わらず、支給も年1回だけです。支給を受けた方は、「助かるけれど、教科書代等で消えてしまう」と言っています。
 私立高校に入学するには、入学時に入学金として都内平均25万円用意をして納入しなければなりません。入学支度金貸付制度があり、貸付枠が20万円から25万円にアップされたことは重要ですが、困窮層や低所得層、ひとり親家庭では、日常的な教育費の負担にも困難を抱えていることが、先ほど紹介した実態調査の結果にも表れており深刻です。無利子だから借りればいいといわれますが、借りたものは返さなければなりません。当事者の方は「日常的な教育費の負担、教科書代、行事費、部活費、修学旅行費等、学校に納める費用を工面するのも大変で、子どもに苦労させています」「借りて返済をする余裕もないのが実態です」と訴えています。
1 安心して私立高校で学べるようにするためにも、入学金や施設費なども学費支援の対象にしていただきたいと思いますが、いかがですか。
2 また実際に修学旅行費等にかかる金額がまかなえるよう、奨学給付金制度の拡充を求めます。所得についても現行では年収250万円未満の家庭になっていますが、引き上げるべきと考えます。いかがですか。
 今、発達障害など特別な支援を必要とする子どもが増加し、公立学校でもその支援体制の拡充が大きな課題になっています。私立学校でも同様の課題があると思います。
3 私立学校における障害をもつ子どもの受け入れはどのようになっているのか、また、東京都の支援策はどのようなものがあるのかうかがいます。
 私は、私立高校生の保護者の方から相談を受けました。お子さんは、学力は高いものの発達障害があり、民間の療育や相談を受けながら学校に通っています。ものごとを四角四面に受けとってしまうなど発達障害の特性によるつまずきが、問題行動と受けとられてしまい、自主退学を学校から求められてしまいました。今は和解し、元気に学校に通学しています。
4 このような発達障害を持った子どもを受け入れている学校は多いと思いますが、学校数や児童生徒数などはわかりますか。また、受け入れている学校への支援策はどのようになっているのか、うかがいます。
 私立学校への入学の基準は、基本的には学力であり、障害者差別解消法の観点からいっても、入学した生徒への合理的配慮が求められます。発達障害のある子どもたちが学校で受け入れられ、のびのびと成長できるようにするためにも、東京都の支援が必要なのではないでしょうか。
5 まずは私立学校に対し、発達障害等支援を必要とする児童生徒の実態と、学校の東京都への要望等を調査をすべきと考えますが、認識を伺います。
6 スクールカウンセラーは、発達障害のある生徒やその保護者の相談や支援に力を発揮しています。私立学校が配置を強化できるよう、都の支援を充実する必要があると思いますが、いかがですか。
 公立小中学校では、必要な生徒には特別支援教育支援員が配置されるなどの配慮が行われています。都立高校でも、保護者等からの申し出があり、都教委が必要と判断した場合には、支援員を配置しています。私学でも幼稚園には障害児のための補助がありますが、通常の私立小中高等学校にはこうした制度がありません。
7 私立小中高等学校にも障害児のための補助制度をもうけることを求めます。
8 私立学校が独自に、発達障害について理解し教育を向上させるための研修を行えるよう、希望する学校には出前研修を行う、支援の強化を求めます。いかがですか。
9 都立高校の生徒に対しては、希望すれば放課後等にソーシャルスキルトレーニングなどを受けられる制度が今年度からはじまりました。都教委と協力して、私学に通う生徒も希望がある場合は参加できるように、道を開いてはどうでしょうか。
10 私立学校でも障害者差別解消法により合理的配慮への努力が求められることを啓発するパンフレットやリーフレットを作成し、学校や保護者に配布することも重要だと思いますが、いかがですか。
 また、発達障害のある児童生徒に必要な配慮などをわかりやすく啓発することも求められます。私が相談を受けた保護者の方も、たとえば、発達障害のある子どもには、声で伝えるだけでなく板書するなど視覚的にわかりやすくすると理解しやすい、指導も「きちんとしろ」「しっかりしろ」と抽象的に言っても伝わらないので「宿題は何月何日までに提出してください」と伝えた方がよいなどということも、知らない先生は知らないとおっしゃっていました。
11 都教委では今年3月に「高等学校における発達障害のある生徒への指導・支援」のポイントを解説する冊子とDVDを作成し、すべての都立高校に配布しています。こうしたとりくみを参考に、私学でも先生が適切に指導できるように、都が支援することを求めます。

二 戦争の惨禍を風化させず後世に引き継ぐために
 1945年3月10日未明の東京大空襲をはじめ、都内各地が終戦の8月まで空襲に見舞われ、10万人を超える人々が亡くなりました。死者の数だけみても広島に次ぐものとなっています。戦後70年以上が過ぎ、戦争の体験者も亡くなったり、生存者も高齢化しています。二度と戦争を繰り返さないために、戦争の惨禍を風化させないで次世代に引き継ぐ努力が、今ほど求められているときはありません。
 東京都は3月10日を「東京都平和の日」として条例を制定し、「東京都平和の日」記念行事企画検討委員会(以下検討委員会)を設置して、毎年の記念行事を行うこととしてきました。しかし、石原都知事になって、2001年以降「企画検討委員会」は開催されず、記念行事は行うものの、内容を豊かにする努力がされてきたとは言い難い状況になっていることは重大です。平和を願う都民などの声に押され、昨年度から、検討委員会が再開されたことは重要であり、歓迎するものです。
 「平和の意義を確認し、平和意識の高揚を図る」という検討委員会設置要綱の目的からも、記念行事をはじめとした事業のあり方等基本に立ち返り、改めて都民や関係者等から意見を求め充実をはかり、次世代への継承を図っていくことが、重要だと考え、提案します。
1 まず委員の構成についてです。現在の委員は学識経験者2名、都議会議員5名、行政関係者(区市町村長)3名、計10名となっています。戦後70年が経過し戦争を知らない世代が多くなっているもとで、“戦争を二度と繰り返さない”という日本国憲法の精神をいかした「平和の日」の記念行事のとりくみと充実が必要です。また、オリンピック開催都市として、平和の祭典であるオリンピックの一環として、平和の願いを次世代へ継承する取組みとしても重要です。そのために都民や専門家の知恵をあつめられるよう、委員の増員が必要です。「平和の日」記念行事の内容を充実するために、戦争体験者、研究者、平和活動を行っている人たちに委嘱するなど都民の代表を補充して、定員の20人まで増員するべきと考えますが、いかがですか。
2 東京都主催の平和の日の記念式典は、希望する都民が誰でもが参加できるようにすること、そのために会場の設定、内容・参加方法など改善することが必要です。都としての認識を伺います。
 平和の日に合わせ、記念式典とともに資料展も行われていますが、その企画も都民の知恵を集めて充実が必要です。今、戦争を知らない世代が都民の多数を占めています。今年の平和の日に合わせた空襲資料展は、記念式典会場の都庁内と、東京芸術劇場で行われました。
 私は、都が行った2ヶ所の展示とともに、「東京空襲犠牲者追悼記念資料展実行委員会」が主催、台東区が共催、台東区教育委員会が後援した「被災72周年東京大空襲資料展」を見ました。この展示は市民が実施し、30回目を迎える展示で、多くの見学者でにぎわっていました。展示している写真等は、都の展示品と共通し、重なるものも多いのですが、写真等の大きさが大きく、展示にも工夫が施され、戦災の実相、被災状況の説明等、見る人に迫る緊迫感があるのです。会場も浅草公会堂の1階で、気軽に入れることもあり、小中学生、修学旅行の生徒等が立ち寄って見て行き、開催4日間で7千人の入場者があったとのことでした。
 これに対し芸術劇場の入場者は975人と聞いています。会場が芸術劇場の地階であるため、劇場に来た人でも、展示していることを知っていなければ入れません。
3 多くの人に観てもらうこと、特に戦争を知らない世代、小中学生に観てもらうために、会場を、気軽に入れる場所、通りがかりの人でも見ることができる場所にする必要があると思います。会場について見直しを求めます。見解をうかがいます。
4 展示についても、戦争の実相を知ってもらえるよう、東京空襲等の展示にとりくんでいる人達や専門家の知恵を借り、さらなる充実をはかる必要があると思いますが、いかがですか。
5 平和のための事業は「平和の日」の記念行事や終戦の日の行事にとどまるものではなく、身近な地域での民間の平和のための事業や活動と相乗することで、その効果が一層広がるといえます。その点では都が民間の平和事業と連携支援することが重要です。
  現在、都内各地で民間団体による平和のための戦争展、戦跡めぐり、体験を語る会などの多彩な行事が行われています。民間での取組みを把握して連携奨励するためにも、これらの団体の要望やどのようなことをやっているかを調査することを求めます。
 都は、東京都平和祈念館(仮称)を建設するに当たり、都民からの戦災資料の提供を求め、5千点余の資料及び300人以上の方々からの証言ビデオを所有しています。これらの貴重な資料は、祈念館建設が進まないため、15年以上眠ったまま、現在は庭園美術館の倉庫に収蔵されたままになっています。
 調査で私は、きちんと種類別に分類、整理、保管されていることを確認することができました。
6 5千点余の所蔵品のうち、展示等に活用されているのは120点とのことです。戦争を知らない世代が圧倒的になった現在、これらの活用は急務であり、提供された方にとっても歓迎されることだと思います。
  学芸員が1人で整理に当たっていますが、資料の活用を図るためには体制の強化が必要です。学芸員等職員を増やし、小中高校等への貸し出しの体制をとれるようにすべきだと考えますがいかがですか。
 300人以上の方の証言ビデオがあり、大変貴重だと思います。ビデオテープの劣化を防ぐため、デジタル化をはかりDVDに複製されていることも重要です。
 この証言ビデオは1996年~99年度に撮影されたものです。2年半をかけて280人分撮影をした映画監督の渋谷昶子さんは、「身を切るような思いで証言してくれた方々の思いを、無駄にしないでほしい」と常々語っておられたといいます。
 証言者の自宅や仕事場に赴いて、1人あたり2~3時間、話を聞いて、1時間以内に編集する作業を繰り返して作られたもので、渋谷さんは亡くなられるまで、1日も早い公開をのぞんでいたと、知り合いの方からうかがいました。
 証言者の方も、身近な人を助けられなかった罪悪感から、長年口を閉ざしてきた人も多かったが、証言を終えると皆、一様に安堵の表情になったといいます。私の知り合いの体験者も、なかなか体験を語りたがりませんでしたが、亡くなる数年前になって、やっと重い口を開き、身内の被災の体験を語ってくれました。その点からも、この貴重なビデオを眠ったままにすることは、許されないと思います。
7 現在活用されているのは、300人のうち9人の方々にとどまっています。証言された方々の多くがもう亡くなられたと推測される現在、その方々の「二度と戦争を繰り返してはならない」との思いから、重い口を開いて語られた証言は、多くの若い戦争を知らない世代に訴え伝える力をもつものだと思います。「りんごの唄」で知られる歌手の並木路子さん等、著名な方も証言していると聞いています。
  その責任は東京都にあります。証言ビデオを編集する等して、小中学校などの平和教育に活用することを求めるものですが、どうですか。
8 都民から提供された5千点余の戦災の資料、300人以上の証言ビデオを、このまま倉庫に眠ったままにしておくことは、都民との約束からいっても許されません。戦争で多くの死者を出した自治体で、戦争被害を伝える資料館がないのは東京都のみと言われています。都の責任で、これらの資料を閲覧できる資料館を、作るべきと考えますが、認識をうかがいます。

平成29年第二回都議会定例会
小竹ひろ子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 私立学校の教育費父母負担軽減と特別支援教育充実のために
1 安心して私立高校で学べるようにするためにも、入学金や施設費なども学費支援の対象にしてほしいと思うが、見解を伺う。

回答
 都はこれまでも、私立高校に対し、経常費補助を通じて授業料や施設費等学校納付金の抑制に努めてきました。
 また、国の就学支援金や都の特別奨学金により授業料の保護者負担軽減を図るほか、奨学給付金や入学支度金貸付などにより、授業料以外の教育費の負担についても軽減を図っています。
 都は、引き続き、保護者負担の軽減に努め、子供たちの学びたいという気持ちに応えていきます。

質問事項
一の2 実際に修学旅行費等にかかる金額がまかなえるよう、奨学給付金制度の拡充を求める。所得についても現行では年収250万円未満の家庭になっているが、引き上げるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 都は、平成29年度から授業料以外の教育費負担を軽減するため、国の制度改正に合わせて奨学給付金の住民税非課税又は均等割のみ課税世帯の第一子に対する給付額を年額6万7,200円から8万4,000円に引き上げるとともに、所得にかかわらず、無利子の入学支度金貸付額を20万円から都内私立高校入学金の平均額である25万円まで引き上げています。
 また、年収約760万円未満の世帯に対し、国の就学支援金と都独自の特別奨学金を合わせて、都内私立高校の平均授業料額まで支援を大幅に拡充しました。
 都は、引き続き、保護者負担の軽減に努め、子供たちの学びたいという気持ちに応えていきます。

質問事項
一の3 発達障害など特別な支援を必要とする子どもが増加し、公立学校でもその支援体制の拡充が大きな課題となっているが、私立学校における障害をもつ子どもの受け入れはどのようになっているのか、また、東京都の支援策はどのようなものがあるのか伺う。

回答
 都内の私立学校における障害を持つ児童生徒の受入れについては、特別支援学校4校、特別支援学級を置く小中学校各1校において特別支援教育を行っています。
 都は、これらの学校に対し、私立特別支援学校等経常費補助を実施しています。

質問事項
一の4 発達障害を持った子どもを受け入れている学校数や児童生徒数を伺う。また、受け入れている学校への支援策はどのようになっているのか伺う。

回答
 発達障害を持った児童生徒の受入れについては、それぞれの私立学校の判断に基づき、受け入れているものと認識していますが、学校数や児童生徒数は把握していません。
 都においては、公益財団法人東京都私学財団が実施する教職員向けの研修や私立学校のスクールカウンセラーの配置に対する補助等を実施しています。

質問事項
一の5 私立学校に対し、発達障害等支援を必要とする児童生徒の実態と、学校の都への要望等を調査をすべきと考えるが、認識を伺う。

回答
 発達障害等支援を必要とする児童生徒については、それぞれの私立学校の判断に基づき、適切に対応しているものと認識しています。

質問事項
一の6 スクールカウンセラーは、発達障害のある生徒やその保護者の相談や支援に力を発揮している。私立学校が配置を強化できるよう、都の支援を充実する必要があると思うが、見解を伺う。

回答
 都は、私立学校経常費補助の特別補助により、スクールカウンセラーを配置する小学校、中学校及び高等学校に対して、その配置を促進するため、1校当たり40万円の補助を実施しており、引き続き、その支援に努めていきます。

質問事項
一の7 公立小中学校では、必要な生徒には特別支援教育支援員が配置されるなどの配慮が行われており、都立高校でも、保護者等からの申し出があり、都教委が必要と判断した場合には、支援員を配置している。私学でも幼稚園には障害児のための補助があるが、通常の私立小中高等学校にはこうした制度がない。私立小中高等学校にも障害児のための補助制度を設けることを求めるが、見解を伺う。

回答
 私立小中高等学校における特別な支援が必要な児童生徒については、それぞれの私立学校の判断に基づき、適切に対応しているものと認識しています。
 都においては、公益財団法人東京都私学財団が実施する教職員向けの研修や私立学校のスクールカウンセラーの配置に対する補助等を実施しており、引き続き、私立学校の支援に努めていきます。

質問事項
一の8 私立学校が独自に、発達障害について理解し教育を向上させるための研修を行えるよう、希望する学校には出前研修を行う、支援の強化を求めるが、見解を伺う。

回答
 公益財団法人東京都私学財団において、都内の私立学校の教職員を対象に、専門家を講師として発達障害の子供を理解し、支援するための研修を実施しています。
 都はその経費の一部を補助することで、私立学校への支援を行っています。

質問事項
一の9 都立高校の生徒に対しては、希望すれば放課後等にソーシャルスキルトレーニングなどを受けられる制度が今年度から始まった。都教委と協力して、私学に通う生徒も希望がある場合は参加できるように、道を開いてはどうか、見解を伺う。

回答
 私立小中高等学校における特別な支援が必要な児童生徒については、それぞれの私立学校の判断に基づき、適切に対応しているものと認識しています。

質問事項
一の10 私立学校でも障害者差別解消法により合理的配慮への努力が求められることを啓発するパンフレットやリーフレットを作成し、学校や保護者に配布することも重要だと思うが、見解を伺う。

回答
 都は、障害者差別解消法の学校教育分野における合理的配慮の具体例及び各教育段階における留意点等を示した対応指針並びに啓発リーフレット等について、都内全ての私立学校に周知を行っています。
 都は、引き続き、同法の啓発に努めていきます。

質問事項
一の11 都教委では今年3月に「高等学校における発達障害のある生徒への指導・支援」のポイントを解説する冊子とDVDを作成し、全ての都立高校に配布している。こうした取組を参考に、私学でも先生が適切に指導できるように、都が支援することを求めるが、見解を伺う。

回答
 公益財団法人東京都私学財団において、都内の私立学校の教職員を対象に、専門家を講師として発達障害の子供を理解し、支援するための研修を実施しています。
 都はその経費の一部を補助することで、私立学校への支援を行うとともに、必要な情報の提供に努めています。

質問事項
二 戦争の惨禍を風化させずに後世に引き継ぐために
1 「東京都平和の日」記念行事企画検討委員会の委員の構成について、「平和の日」記念行事の内容を充実するために、戦争体験者、研究者、平和活動を行っている人たちに委嘱するなど都民の代表を補充して、定員の20人まで増員するべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 東京都平和の日記念行事企画検討委員会は、「東京都平和の日に行う記念行事の実施に当たり、基本的事項について意見を求め、もってその円滑な運営に資する」ことを目的に設置しており、学識経験者、都議会議員及び各区市町村代表の首長で構成しています。
 ここ数年、記念行事の企画内容は定着し、参加者・来場者からも多くの賛意が得られていることもあり、現在の任期においては、委員の増員は行っていません。
 今後の委員会については、今期委員の任期満了後に検討していきます。

質問事項
二の2 東京都主催の平和の日の記念式典は、希望する都民が誰でもが参加できるようにすること、そのために会場の設定、内容・参加方法など改善することが必要であるが、都としての認識を伺う。

回答
 記念式典は、毎年、都庁舎内で最も収容人数の大きい第一本庁舎5階の大会議場で実施しています。
 それに加え、平成28年度からは、都庁に来場しなくても、希望する都民が都庁大会議場の式典来場者とともに空襲犠牲者を追悼し、平和の意義を確認する機会を得ることができるよう、式典のインターネット中継放送を開始しています。
 なお、都民の式典参加は、公募による抽選としており、来場者の状況に応じて座席を調整するなど、多くの方が参加できるよう、柔軟に運営しています。

質問事項
二の3 平和の日に合わせた空襲資料展は、記念式典会場の都庁内と、東京芸術劇場で行われた。多くの人に観てもらうこと、特に戦争を知らない世代、小中学生に観てもらうために、会場を、気軽に入れる場所、通りがかりの人でも見ることができる場所にする必要がある。会場について見直しを求めるが、見解を伺う。

回答
 平成28年度の東京都平和の日記念式典を含む期間に開催する空襲資料展は、都庁第一本庁舎1階の中央部入口付近にあるアートワーク台座のほか、区部では東京芸術劇場、多摩地域では、福生市民会館・公民館、東大和市役所1階入口ホールなど、誰でも立ち寄れる場所で実施しました。
 今後も、多くの方々に見てもらえる場所の確保や広報の充実に努めます。

質問事項
二の4 展示についても、戦争の実相を知ってもらえるよう、東京空襲等の展示に取り組んでいる人達や専門家の知恵を借り、さらなる充実をはかる必要があると思うが、見解を伺う。

回答
 東京都平和の日記念式典を含む期間に開催する空襲資料展はもとより、年間を通じて区市町村が実施する資料展も、資料の確実な保全を基本としつつ、都の学芸員の専門知識や区市町村の要望に基づき実施しています。
 今後も、資料展における展示効果が上がるよう、展示内容を工夫していきます。

質問事項
二の5 現在、都内各地で民間団体による平和のための戦争展、戦跡めぐり、体験を語る会などの多彩な行事が行われている。民間での取組を把握して連携奨励するためにも、これらの団体の要望やどのようなことをやっているかを調査することを求めるが、見解を伺う。

回答
 都は、毎年、「都・区市町村平和関連担当者連絡会」を主催し、それぞれの区市町村が実施する平和関連事業の情報を共有しています。
 また、この連絡会を通じて区市町村の要望を把握し、区市町村における空襲資料展への協力を行うとともに、区市町村が把握している主な民間団体の取組についても適宜、情報を共有しています。

質問事項
二の6 都は、都民からの戦災資料の提供を求め、5千点余の資料及び300人以上の方々からの証言ビデオを所有しているが、5千点余の所蔵品のうち、展示等に活用されているのは120点とのことである。学芸員が一人で整理に当たっているが、資料の活用を図るためには体制の強化が必要である。学芸員等職員を増やし、小中高校等への貸し出しの体制をとれるようにすべきだと考えるが、見解を伺う。

回答
 空襲資料は、専門の学芸員の管理の下で、都が主催する空襲資料展で活用するほか、資料の確実な保全を基本としながら、展示効果の高い資料に限定し、区市町村が主催する平和関連の資料展にも貸出しを行ってきました。
 都が主催する資料展の実施に当たっては、テレビ、ラジオ及び新聞等の媒体を通じて告知するほか、区市町村の教育委員会等にチラシやポスターを配布し、若い世代にも資料展の開催について知ってもらうことができるよう、広く周知を図っています。

質問事項
二の7 証言ビデオについて、現在活用されているのは、300人のうち9人の方々にとどまっている。証言ビデオを編集する等して、小中学校などの平和教育に活用することを求めるが、見解を伺う。

回答
 証言映像は、「東京都平和祈念館(仮称)」で展示することを前提として収集、作成したものです。そのうち、都主催の空襲資料展で公開することに同意が得られた9名の方の証言をダイジェスト版として編集し、毎年、都が主催する空襲資料展で紹介してきました。
 なお、空襲資料展の開催に当たっては、若い世代にも広く周知を図っています。

質問事項
二の8 都民から提供された5千点余の戦災の資料、300人以上の証言ビデオを、このまま倉庫に眠ったままにしておくことは、都民との約束からいっても許されない。戦争で多くの死者を出した自治体で、戦争被害を伝える資料館がないのは東京都のみと言われている。都の責任で、これらの資料を閲覧できる資料館を作るべきと考えるが、認識を伺う。

回答
 都が収蔵している空襲資料や証言映像は、「東京都平和祈念館(仮称)」において展示することを前提として収集、作成したものです。
 祈念館の建設に関しては、都議会において展示内容に係る歴史的認識や見解の相違があり、平成11年3月の予算審議の結果、その建設について付帯決議がなされています。
 そのため、祈念館の建設については、改めて都議会の合意を得た上で実施することが必要であると認識しています。

平成29年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 柿沢ゆきえ

質問事項
一 消防庁及び消防団の公平公正な組織運営と活動充実・強化について

一 消防庁及び消防団の公平公正な組織運営と活動充実・強化について
 消防団は、消防本部や消防署と同様、消防組織法に基づき、それぞれの区市町村に設置される消防機関であり地域における消防防災のリーダーとして、平常時・非常時を問わずその地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担っている。
 一方で、消防団員は、自治体から装備及び報酬が支給され、区市町村における非常勤の特別職地方公務員である。そこで、以下について伺う。
1 消防団員の待遇について
ア 年間一定の金額が報酬として支給されるとともに、災害や訓練に出動した際手当てが支給されている。その待遇の内訳と団員活動充実のためにどのように待遇充実を図っていくのか伺う。
イ 団員に支給されている式服・防火被服・夏冬帽・防火帽などの種類とそれにかかる一人当たりの平均費用について伺う。また、今後どのように充実をはかっていくのか伺う。
ウ 一定期間勤務して退団した場合には、退職報償金が支払われているが、その待遇内訳について伺う。また、今後どのように充実を図っていくのか伺う。
2 消防団の公式行事およびその地位を利用した政治的活動防止について
  消防団には、公式行事・式典として消防出初式、消防団点検、消防操法大会などがある。公式行事には、消防署長および消防庁職員が出席するほか、一般都民も自由に参加でき、さらには地域の関係団体や議員などが来賓として招待されている。しかし、そうした行事の折に、議長ではない特定の政党の議員に議員代表と指名をしたり、特定の議員のみに公式行事中に挨拶をさせたりしていることがしばしば見受けられる。公務員である消防署長や署員も出席し、非常勤で特別職の地方公務員と規定されている消防団の公式行事・式典においては、このような特定の政党や議員をあたかも消防庁や団として支援しているような疑いをもたれないような公平公正な組織運営が必要である。
ア 消防署員は、消防団の公式行事において公正公平な運営が行われるようどのような指導や助言を与えてきたのか。また、今後行事や式典が政治的な運営と疑念をもたれることにならないよう、どのように行事や式典運営を行っていくのか伺う。
イ これまで、都議会議員が複数来賓として出席する場合は、議員代表として挨拶を行う者を、基本的には出席した議員らで話し合って決めることとしている。しかし、話し合いさえも行われず団長や署員が議員代表を指名しているケースや、出席した議員全員で話し合っても挨拶の代表を決められない場合もみうけられる。前者においては、明らかに公務員法違反であり、後者においては式典の進行に大きな支障がでている。式典・行事の公平公正な運営とスムーズな進行を行うためには、式典運営と進行準備に工夫が必要であり、政治的に運用されているような疑念をもたれないような手順の改善が必要であると考える。今後、こうした疑念をもたれないような消防庁運営、団運営にむけてそれぞれどのように改善をはかっていくのか所見を伺う。

平成29年第二回都議会定例会
柿沢ゆきえ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 消防庁及び消防団の公平公正な組織運営と活動充実・強化について
1 消防団員の待遇について
ア 消防団員は、年間一定の金額が報酬として支給されるとともに、災害や訓練に出動した際手当てが支給される。その待遇の内訳と団員活動充実のためにどのように待遇充実を図っていくのか伺う。

回答
 消防団員に対しては、階級に応じて報酬が支給されており、支給額については、団員の42,500円から団長の113,000円までで、平成21年4月には一律2,000円の増額を行っています。
 また、災害や訓練等の出場に対しては、平成29年4月から500円の増額を行い、現在、費用弁償として4,000円を支給しています。
 今後とも、地域防災力の要となる消防団員の活動環境の整備に努めていきます。

質問事項
一の1のイ 団員に支給されている式服、防火被服等の種類とそれにかかる一人当たりの平均費用について伺う。また、今後どのように充実をはかっていくのか伺う。

回答
 特別区消防団員へ支給している被服等は、正服、活動服、兼用外とう、活動用雨外とう、防火服、防火帽、ゴム長靴、保安帽、編上活動靴などであり、一人当たり約21万円です。
 平成29年度は、安全性を向上させた新型防火帽を特別区の全消防団員に整備します。
 今後とも、消防団活動の更なる向上を図るため、被服等の改善や充実に努めていきます。

質問事項
一の1のウ 一定期間勤務して退団した場合には、退職報償金が支払われているがその処遇内訳について伺う。また、今後どのように充実を図っていくのか伺う。

回答
 退職報償金の支給額については、5年以上10年未満の勤務で退団した団員の200,000円から、30年以上勤務して退団した団長の979,000円までの間で、勤務年数と階級により支給額は異なります。
 この支給額については、「消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律施行令」において定められており、平成26年4月の一部改正に伴い、「特別区の消防団員に係る退職報償金に関する条例」を改正し、同年4月1日から5年以上10年未満勤務をした団員に対する支給額を56,000円、その他の階級、勤務年数の消防団員については一律50,000円を引き上げています。
 今後も、国等の動向を見極め、適切に対応していきます。

質問事項
一の2 消防団の公式行事およびその地位を利用した政治的活動防止について
ア 消防団の公式行事・式典においては、特定の政党や議員を支援していると疑いをもたれないような公平公正な組織運営が必要である。消防署員は、消防団の公式行事において、どのような指導や助言を与えてきたのか。また、今後どのように行事や式典運営を行っていくのか伺う。

回答
 特別区消防団における行事は、地域住民等に対する消防団活動への理解促進と日頃の消防団活動の成果等を披露するため実施されており、各消防団において自主的に運営されているものです。
 東京消防庁では、今後とも消防団に対し必要に応じて助言等を行っていきます。

質問事項
一の2のイ 式典等の公平公正な運営を行うには、式典運営と進行準備に工夫が必要であり、政治的に運用されているような疑念を持たれないような手順の改善が必要であると考える。今後、疑念を持たれないような消防庁運営、団運営に向けてどのように改善をはかっていくのか、見解を伺う。

回答
 特別区消防団における行事は、地域住民等に対する消防団活動への理解促進と日頃の消防団活動の成果等を披露するため実施されており、各消防団において自主的に運営されているものです。
 東京消防庁では、各種消防団行事を通じ、地域住民等の消防団活動への理解が深まるよう必要に応じて助言等を行っていきます。


豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会調査報告書

 本委員会は、豊洲市場移転問題に関する諸事項を調査することを目的に、平成29年2月22日に設置され、事実解明のための調査を行ってきたが、平成29年6月2日に本課題の調査を終了したので報告する。
 平成29年6月2日
            豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会
                    委員長 谷村 孝彦
東京都議会議長 川井 しげお 殿

目次
1 調査の概要
 (1)設置の経緯及び調査事項
 (2)審議の経過
 (3)調査の結果明らかになった事項
2 調査特別委員会の設置
 (1)調査特別委員会設置の経過
 (2)委員会の権限と調査事項
 (3)委員会の公開
3 調査の経過
 (1)委員会等の開催状況
 (2)証人尋問の状況
 (3)記録提出等の状況
 (4)委員長の辞任申し出及び不信任に関する動議
 (5)虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議
 (6)委員に問責に値する発言があったと認め、その旨議会運営委員会に協議を求める動議
4 調査の結果
 (1)豊洲市場が築地市場の移転先として選定された経緯
 (2)東京都と東京ガス等との土地売買交渉の内容
 (3)豊洲市場用地における土壌汚染対策0
 (4)都庁におけるガバナンス上の問題1
 (5)虚偽の陳述の認定及び告発の議決を求める決定2
 (6)調査事項に関する改善意見

《証人尋問》
1 証人尋問の概要
2 各証人による証言の概要
   第5回委員会(平成29年3月11日)の概要
   第7回委員会(平成29年3月18日)の概要
   第8回委員会(平成29年3月19日)の概要
   第9回委員会(平成29年3月20日)の概要
   第10回委員会(平成29年4月4日)の概要

《参考資料》
§1 豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会設置要綱
§2 委員名簿
§3 記録の提出状況一覧表
§4 築地市場から豊洲市場への移転等に関する経緯について
§5 豊洲市場用地の取得に係る合意文書等について(第2回委員会(平成29年3月1日)資料2)
§6 各会派による意見開陳全文(第13回委員会(平成29年5月24日))
§7 虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議(第14回委員会(平成29年5月31日))
§8 地方自治法関連条文

1 調査の概要
(1)設置の経緯及び調査事項
 平成28年8月に就任した小池知事は、安全性への懸念等の理由から、同年11月に予定されていた築地市場から豊洲市場への移転の延期を表明した。
 この後、盛り土がなされず地下空間が設置されていたことが判明し、さらに、地下水から環境基準を超えるベンゼンが検出されるなどしたため、移転問題に対して都民・国民の注目が集まり、市場の移転用地の選定や土地売買に関する経緯、土壌汚染対策等を明らかにする必要性が高まった。
 これらの流れを受け、平成29年2月22日、平成29年第一回都議会定例会において、起立総員により、地方自治法第100条に基づく豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会の設置が決定された。
 本委員会は、次の5点を調査事項とした。
〔1〕 築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性
〔2〕 東京ガス株式会社などとの交渉及び土地売買に関する経緯
〔3〕 豊洲市場の土壌汚染対策及び豊洲市場の主な建物下に盛り土が行われなかった経緯
〔4〕 豊洲市場建設工事における契約事務
〔5〕 その他調査に必要な事項

(2)審議の経過
 本委員会は、2月22日の第1回委員会以降、6月2日の調査報告書とりまとめまで、15回にわたり審議を行ってきた。この間、24人の証人に対し合計23時間に及ぶ尋問を行うとともに、425件の記録請求により提出を受けた174箱の記録を精査するなど、極めて精力的に調査を行い、多様な観点から調査事項の解明を目指した。

(3)調査の結果明らかになった事項
 本委員会の調査の結果、次の事項が明らかとなった。
ア 豊洲市場が築地市場の移転先として選定された経緯
 石原元知事が就任した当初、築地市場は現在地再整備案が検討されており、豊洲地区への移転は「既定路線」と言える状況ではなかった。その後、現在地再整備案は業界団体との合意に至らず、移転も視野に入れた検討が開始された。石原元知事は、土壌汚染に関する報告を受けていたにもかかわらず、最終的に、5か所の候補地の中から、豊洲への移転を決断し、推進していった。
イ 東京都と東京ガス等との土地売買交渉の内容
 土地売買を巡る「水面下交渉」について、次の三点が浮き彫りとなった。
 第一に、「覚書の確認」という文書の存在である。この文書には、都と東京ガスとの間で締結された「覚書」の具体的な内容が記載されている。さらに、防潮護岸等を含む開発者負担の見直しや土壌処理方法等について、今後協議が整った場合、「確認書」を締結することが明記されており、後の「基本合意の確認書」の基礎となった。
 第二に、「基本合意の確認書」(二者間合意)という文書の存在である。この文書で、土壌汚染対策は「現処理計画」により進めていくことが確認されており、後に必要となった追加の土壌汚染対策の際に、都が多額の費用を負担する根拠の一つとなったと考えられる。また、防潮護岸整備について開発者負担の見直しが行われている。このような大幅な譲歩が公式の記録に残らない形で合意されていたということは、土地取得の交渉をまとめるために、不透明な形で東京ガスの利益確保を図ったと考えられる。
 第三に、都は政治的圧力とも取れる言動で交渉を進めたと推察されることである。これは、土地の取得を最優先にするあまり、土壌汚染対策の視点が抜け落ちており、安全を軽視していたことを示している。
ウ 豊洲市場用地における土壌汚染対策
 豊洲市場用地の土壌からの環境基準の4万3千倍ものベンゼン検出などを受け、都は、法令を上回る追加的な土壌汚染対策を実施することとし、費用の一部負担を東京ガスに申し入れ、東京ガスが78億円を負担することで合意した。しかし、「基本合意の確認書」で汚染土壌が残る計画を都が認めていたことや、追加対策の費用負担に関する交渉時の東京ガスの要望などを受けて、都は東京ガスにそれ以降の追加負担を求めることができなくなった。
エ 都庁におけるガバナンス上の問題
 都庁におけるガバナンス上の問題について、次の三点が浮き彫りとなった。
 第一に、都政の重要課題を部下に一任したままの元知事や水面下で交渉を進めた元副知事など、都の執行部の無責任体質が明らかとなった。
 第二に、本委員会が調査を行うまで明らかでなかった重要な内容を含む合意文書について、その存在自体が都庁内で引き継がれず、共有もされていなかったという、不適切な公文書の作成・保存及び管理の実態が明らかとなった。
 第三に、いわゆる盛り土問題に端的に表れているように、都庁の組織内部における縦の連絡や横の連携が不十分であったことが明らかとなった。

2 調査特別委員会の設置
(1)調査特別委員会設置の経過
 昭和10年に開場し80年を超える歴史がある築地市場は、施設の老朽化・過密化が著しく、市場機能の低下という深刻な問題が生じていた。この問題を解決するため、昭和61年に現在地再整備が決定し、一部本格工事に着手したものの、工期の大幅な遅れ、建設費の増大、業界調整の難航などの問題に直面したため、整備計画の見直しを行った。その結果、改めて現在地再整備の困難性が指摘され、移転整備に方向転換すべきとの結論に至った。
 そして、平成11年に都は東京ガスと市場移転の交渉を始め、平成13年に豊洲地区への移転が決定し、以降、豊洲市場整備に向けた各種検討や東京ガスによる土壌汚染対策が行われた。平成19年からは都独自の土壌汚染対策の検討が始まり、平成26年に土壌汚染対策工事が全街区において完了した。同時に、平成26年に着手された新市場の建設工事は、平成28年5月には水産卸売場棟など主要な建物の建設が完了し、平成28年11月7日に豊洲市場が開場する予定となっていた。
 そのような中、同年8月31日に小池知事が「立ち止まって考えるべき」との考えの下、安全性への懸念などの理由から、豊洲市場への移転延期を表明した。また、同年9月10日に、豊洲市場の主な建物下に、土壌汚染対策の一環である盛り土が行われておらず、地下空間(ピット)が存在することが発覚した。さらに、平成29年1月14日、第9回目の地下水モニタリング調査で、環境基準の約79倍のベンゼンが検出された。
 これにより、豊洲市場移転問題は、都民のみならず国民全体が関心を寄せる事項となり、市場の移転用地の選定や土地売買に関する経緯、土壌汚染対策等を明らかにする必要性が高まった。
 こうした流れを受け、東京都議会として豊洲市場の移転問題に関する徹底した調査を行うため、平成29年2月22日、平成29年第一回定例会において、小林健二議員外125名から特別委員会設置に関する動議が文書により提出され、起立総員にて設置が決定された。
 地方自治法第100条に基づく強力な調査権限を持つ、いわゆる100条委員会の設置は、東京都議会においては平成17年以来、12年ぶりのことである。

(2)委員会の権限と調査事項
 ア 委員会の法的根拠と権限
  地方自治法第98条第1項並びに同法第100条第1項から第8項まで及び第10項に基づく調査を行うため、同法第109条第1項及び東京都議会委員会条例第4条により特別委員会を設置した。
 イ 調査事項
  豊洲市場移転問題に関する次の事項
〔1〕 築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性
〔2〕 東京ガス株式会社などとの交渉及び土地売買に関する経緯
〔3〕 豊洲市場の土壌汚染対策及び豊洲市場の主な建物下に盛り土が行われなかった経緯
〔4〕 豊洲市場建設工事における契約事務
〔5〕 その他調査に必要な事項

(3)委員会の公開
 豊洲市場移転問題について都民・国民の関心が高いことに鑑み、本委員会は広く公開して開催することとした。通常の委員会と同様、全ての委員会の傍聴と取材を許可することはもとより、3月11日から行われた証人尋問、5月24日の各会派による意見開陳及び同月31日の虚偽の陳述の認定と告発の議決を求める決定については、通常の委員会室ではなく、予算特別委員会の会場を使用した。これにより、傍聴席を69席と大幅に増やすとともに、庁内放送、インターネット中継により、委員会審議の全模様を放映した。
 また、報道機関の撮影・テレビ放映については、証人の意見を考慮し、人権に配慮をした上で撮影を認めるとともに、速記録は速やかに都議会ホームページに掲載するなど、委員会の公開に最大限努めた。

3 調査の経過
(1)委員会等の開催状況
 本委員会は、平成29年2月22日の設置から、6月2日の調査報告書の決定まで、計15回開催した。とりわけ、第一回定例会中は、本会議や常任委員会、予算特別委員会など、日程が輻輳する中、通常は委員会が開催されない土日祝日にも委員会を開催するなど、精力的に審議を行ってきた。

回数
開催日
議事内容

第1回
平成29年
2月22日
・委員長、副委員長及び理事の互選等
・視察の実施

2月25日
(豊洲市場移転問題特別委員会による豊洲市場視察・意見交換に、本委員会委員もオブザーバーとして参加)

第2回
3月1日
・報告事項「築地市場から豊洲市場への移転等に関する経緯について」
・記録提出要求(1号から282号まで)
・証人出頭要求(3月11,19,20日分)

第3回
3月3日
・証人出頭要求(3月11日の追加分)

第4回
3月8日
・副委員長の辞任及び互選
・記録提出要求(283号から372号まで)
・証人出頭要求(3月18日分)

第5回
3月11日
・証人尋問(11名)

第6回
3月13日
・今後の証人出頭要求

第7回
3月18日
・証人尋問(8名)

第8回
3月19日
・証人尋問(1名)

第9回
3月20日
・証人尋問(1名)
・記録提出要求(373号から425号まで)
・記録作成者の照会(133号,152号)
・証人出頭要求(4月4日分)
・閉会中の継続調査

第10回
4月4日
・証人尋問(3名)

第11回
4月28日
・委員長の辞任の申し出(4月26日付)
・桜井委員長の不信任に関する動議
・委員長の辞任の申し出(4月28日付)

第12回
5月18日
・委員長、副委員長及び理事の互選など

第13回
5月24日
・意見開陳

第14回
5月31日
・虚偽の陳述の認定・告発の議決を求める決定
・委員に問責に値する発言があったと認め、その旨議会運営委員会に協議を求める動議

第15回
6月2日
・調査報告書の決定

(2)証人尋問の状況
 本委員会は、付託事項調査のため、地方自治法第100条第1項に基づき、24人を証人として喚問し、5日間で計23時間にわたる尋問を行った。出頭した証人や出頭日時、主な証言については、後述「証人尋問」に記載したとおりである。

(3)記録提出等の状況
 本委員会は、付託事項調査のため、地方自治法第100条第1項に基づき、東京都知事等に対して3回にわたり、合計425件の記録の提出を請求し、174箱に及ぶ記録の提出を受けた。記録の件名及び提出日等については、後述「参考資料」の3に添付した一覧表のとおりである。
 また、3月20日の委員会において、提出された記録の一部について、その作成者を特定することを目的として、地方自治法第100条第10項に基づく照会を行った。

(4)委員長の辞任申し出及び不信任に関する動議
 4月26日付けで、桜井委員長より委員長を辞任したい旨の申し出がなされたことを受け、同月28日の委員会において、まず、委員長辞任許可の採決を行い、起立少数で否決された。
 続いて、酒井副委員長より「桜井委員長の不信任に関する動議」が提出されたため、各会派の意見表明を行った後、起立多数で可決された。
 これを受け、桜井委員長より改めて委員長を辞任したい旨の申し出がなされたため、簡易採決によりこれを許可した。

(5)虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議
 5月31日の委員会において、小林健二委員外12名から、「元東京都副知事濱渦武生氏が虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議」が文書により提出されたため、趣旨説明及び意見表明を行った後、起立多数で可決された。
 また、小林健二委員外12名から、「元政策報道室理事赤星經昭氏が虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において告発の議決を求める動議」が文書により提出されたため、趣旨説明及び意見表明を行った後、起立多数で可決された。

(6)委員に問責に値する発言があったと認め、その旨議会運営委員会に協議を求める動議
 5月31日の委員会において、おときた委員より、公的記録を軽視する発言と証人尋問を否定する発言により都議会の総意で設置された本委員会の権威を貶めた責任は重大であるとして、「河野ゆうき委員に問責に値する発言があったと認め、その旨議会運営委員会に協議を求める動議」が提出された。     
これに対し、河野委員の発言は、提出された資料の特徴を明らかにするものであり、かつ、委員会を軽視したものではないとの反対意見が表明された後、本動議について採決が行われ、起立多数で可決された。

4 調査の結果
 本委員会は、5月24日の委員会で行われた各会派による意見開陳等を踏まえ、調査結果について次のとおり総括する。
(各会派による意見開陳の全文は、「参考資料」の§6を参照)

(1)豊洲市場が築地市場の移転先として選定された経緯
 石原元知事は豊洲への移転を「既定路線」との認識を示していた。しかし、石原元知事が知事に就任した平成11年当初、築地市場については現在地再整備案が検討されており、築地市場を豊洲地区へ移転させることは、都における「既定路線」と言える状況ではなかった。
 その後、現在地再整備案は業界団体との合意に至らず、移転も視野に入れた検討が開始された。移転候補先としては、〔1〕40ヘクタール以上の広い敷地、〔2〕良好な交通アクセス、〔3〕築地との商圏の継続性の要件から、5か所の候補地のうち豊洲地区が有力となった。なお、この背景には、臨海会計の破たんが懸念されるという事情もあった、という意見もあった。
 石原元知事が上原東京ガス元社長と会い、これを受け、大矢元市場長から石原元知事に対して、築地と豊洲の比較対照表を用いた説明が行われ、石原元知事が豊洲地区への移転を決断し、推進していったのである。それを裏付けるように、平成22年の市場移転の最終判断について、石原元知事自身も「私が判断した」と証言している。
 また、都から提出された記録には、石原元知事に対して豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について、たびたび知事ブリーフィングで報告されていたことが示されている。
 したがって、都の重要課題である豊洲市場移転問題について、最高責任者として交渉の状況や結果についての報告を受け、適時適切に判断を下すべき立場にあった、石原元知事の責任は重いものであると考える。

(2)東京都と東京ガス等との土地売買交渉の内容
 築地市場の移転先として選定された豊洲地区の土地売買を巡り、平成11年から、東京都と東京ガスとの間で交渉が行われた。
 平成12年に、石原元知事の特命により、濱渦元副知事が交渉の責任者になると、それまで、土地の売却に消極的だった東京ガスは、一転して東京都に土地を売却することを決めた。この時の交渉は「水面下交渉」と呼ばれている。
「水面下」という言葉は、「多岐にわたる具体的な細部は、事務レベルで詰めていくという趣旨」との証言もあったが、実際には豊洲の土地取得を優先し、東京ガスに「損をさせない仕組みづくり」を、記録を残さない不透明な形で進めていた交渉であったと言える。すなわち、東京ガスが都と土地取得の協議を行う上での条件は、都や東京ガスなどがこれまで進めていた「豊洲・晴海開発整備計画」 のうち、平成10年の豊洲地区開発整備に係る基本合意 時の開発利益と事業採算性を確保することであった。
 具体的には、土地売買交渉について次の点が判明した。
ア 「覚書の確認」の存在
 本委員会の調査により、平成13年2月28日付け「築地市場の豊洲移転に関する協議事項(確認)」という文書の存在が判明した。この文書は、文末に東京都の担当部長と東京ガスの活財推進室長の名前が記されており、同年同月21日に都と東京ガスとの間で締結された「覚書」の具体的な内容が記載されている。
 防潮護岸等を含む開発者負担の見直しや、現行土壌処理計画・水準・方法等の合意をはじめ、協議を東京都と東京ガスで誠意を持って行うことや、協議が整った場合、双方の同意に基づき「確認書」を締結することが明記されている。
 この「覚書の確認」において、土壌汚染対策は、それまで東京ガスが進めてきた「現処理計画」で行うとの方針が東京ガスから東京都に伝えられるなど、次に述べる「基本合意の確認書」の基礎となった。
 なお、この文書は東京ガスから提出があったが、東京都からは提出がなかった。
イ 「基本合意の確認書」の存在
 本委員会の調査により、平成13年7月18日付け「「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」にあたっての確認書」(二者間合意)という文書の存在が判明した。この文書は、東京都の担当部長と東京ガスの活財推進室長の自署があり、同年同月6日に都と東京ガスとの間で締結された「基本合意」の具体的な内容が記載されている。
 土壌汚染対策については、「現処理計画」により進めていくことが確認されている。この「現処理計画」は、東京ガスが実施するもので、都の条例を先取りした汚染の拡散防止を目的とした内容であった。しかし、これを認めたことが、後に必要となった追加の土壌汚染対策に際して、都が多額の費用を負担せざるを得ない根拠の一つとなったと考えられる。
 また、防潮護岸の整備については、従前の「豊洲・晴海開発整備計画」では、東京ガスに開発者負担を求めていたにもかかわらず、当該「確認書」によって東京ガスの負担が無くなっている。
 この護岸対策工事費の負担変更は、開発計画の変更による結果であり、東京ガスに対して不正不当な利益が供与されていなかったことは、提出された資料から明らかに読み取れる事実である、という意見もあった。しかし、このような大幅な譲歩が公式の記録に残らない形で合意されていたということは、土地取得の交渉をまとめるために、不透明な形で東京ガスの利益確保を図ったと考えられる。
 なお、この文書は、当初、東京ガスからのみ提出があり、再度の請求によって東京都から提出があった。
ウ 安全を軽視した交渉姿勢
 この間の都と東京ガスとの交渉は、汚染があることを知りながらも土地の取得を第一に進められていた。さらに、都が政治的圧力とも取れる言動で売却を迫ったことが推察される文書が見つかっている。この文書には、都側の交渉担当者から、「土地の価格が下がって困るだろう」、「知事の安全宣言で救済するから結論を出せ」、などの発言があった旨の記載があり、東京ガスが圧力と受け止めていたことが見て取れる。
 こうした交渉姿勢は、土地の取得を最優先にするあまり、土壌汚染対策はどうするのかという点が抜け落ちており、安全を軽視したものであったと言える。

(3)豊洲市場用地における土壌汚染対策
 平成14年に、市場の移転を見据えて豊洲地区開発整備について地権者(東京ガス等)と合意した。その確認書において、土壌汚染については、東京ガスが環境確保条例に基づき責任をもって調査し、汚染が判明した場合は必要な処理対策を実施することとされた。
 さらに、平成17年の「豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書」では、環境確保条例に上乗せする追加対策を行うことで東京ガスと合意し、平成19年に東京ガスは土地区画整理事業としての土壌汚染対策を完了した。
 その後、平成20年に豊洲市場用地の土壌から環境基準の4万3千倍ものベンゼンが検出されたため、都における専門家会議 や技術会議 において対策が検討され、法令を上回る追加的な土壌汚染対策を実施することとし、都は費用の一部負担を東京ガスに申し入れた。
 最終的には、平成23年3月に締結した土壌汚染対策の費用負担に関する協定書とその確認において、東京ガスが精算払いではなく予算上の確定払いで 78億円を負担することが決まった。このことについては、石原元知事も報告を受けている。一方で、平成13年の基本合意の確認書によって汚染土壌が残る計画を都が認めたことや、追加対策の費用負担に関する交渉時の東京ガスの要望などを受けて、今後、東京ガスは土壌汚染に関する費用は負担しないこととされた。
 この費用負担を巡っては、平成17年の「豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書」には、「内容に疑義が生じた場合は、誠意を持って協議する。」との記載があり、東京ガスに追加対策の免責を約束したわけではない旨、当時の市場長である森澤元市場長は証言した。一方で、費用負担の協定書締結時の岡田元市場長からは、その後の協議では、「東京ガスが、東京ガスに対する追加負担がないことを明示しない限り協定書を結ぶことができないなどと述べたことから、主張を受け入れて最終合意を行った。」との証言があった。こうした経緯により、事実上の瑕疵担保の免責として、都が追加負担を求めることができなくなったものである。
 なお、東京ガスの78億円の負担については、法的に責任はないものの企業の社会的な責任として追加で負担したものであり、法令基準を満たす土壌汚染対策と卸売市場用地という特別な条件を勘案した更なる対策の、それぞれについて、東京ガスと東京都の双方が了解の下で、取り決めがきちんと行われていた、という意見もあった。

(4)都庁におけるガバナンス上の問題
 上記(1)から(3)など、豊洲市場移転に関する様々な問題に共通しているのは、都庁におけるガバナンス上の問題である。
 具体的には、次の三点である。
 第一に、当時の都の執行部の無責任体質が明らかとなった。石原元知事は、自身が決定をした豊洲への移転を「既定路線」だったと主張するとともに、用地取得交渉を部下に一任したまま適切な指示や判断を行わなかった。また、濱渦元副知事は、土壌汚染がある土地であるにもかかわらず、不透明な「水面下」での土地取得交渉に関わっていた。
 第二に、不適切な公文書の作成・保存及び管理の実態が明らかとなった。「水面下交渉」の内容や経緯については、本委員会が調査を行うまで明らかにされてこなかった。特に、重要な合意内容が記載された上記(2)イの「基本合意の確認書」は、その存在自体が都庁内でも引き継がれず、共有もされていなかった。また、この文書は、情報公開を故意に避ける意図か、公印ではなく部長によるサインが記されていた。さらに、当該「確認書」に限らず、この時期の東京ガス等との交渉記録などの文書は、都にはほとんど残されておらず、東京ガスによる記録の提出により初めてその存在が明らかとなったものが多かった。
 第三に、都庁の組織内部における縦の連絡や横の連携が不十分であったことが明らかとなった。豊洲市場の主な建物下に盛り土がされていなかった問題では、歴代市場長がいずれも、実際の設計が都民向けの説明と異なっていることを認識せず、ひいては、都民の代表である議会に対して事実と異なる説明を続けてきた。この問題では、中央卸売市場の幹部が市場長に報告せずに豊洲市場の建物下に盛り土を行わなかったことなどが、都庁による自己検証で示された。

(5)虚偽の陳述の認定及び告発の議決を求める決定
 以下の2名の証人について、地方自治法第100条第7項に規定する虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において、同条第9項の規定による告発の議決を行うことを求めることを、5月31日の委員会において、起立多数で可決した。(詳細は、「参考資料」の§7を参照)
 ア 証人:濱渦武生 元東京都副知事(尋問日:平成29年3月19日)
 第一に、平成13年7月18日付け「「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」にあたっての確認書」(二者間合意)について、「全く知りません」等の証言をした。
 しかし、以下の記録及び他の証人による証言から、当該証言は虚偽であると認められる。
〔1〕濱渦氏が交渉に関わっている平成13年2月28日の文書(東京ガス提出)の中で、土壌汚染対策などを盛り込む「確認書」の締結が確認されている。また、土壌汚染対策は「基本合意」ではなく、「基本合意の確認書」で取り交わされている。これらのことから、濱渦氏は基本合意の後に「確認書」を作成することを知っていたと認められる。
〔2〕平成13年6月28日の会談内容を記した文書(東京ガス提出)によると、土壌汚染対策などの合意事項について「7月末までに、確認文書の作成・取り交し」と記載された文書(東京ガス提出)が提示され、赤星次長が「引き続き本件は担当するように(濱渦氏から)言われている」と述べたと記載されている。このことから、濱渦氏は「確認書」を作成することを知っていたと認められる。
〔3〕「基本合意」前に、東京ガスの「概略事業費の見直し」を「基本合意」本体から外すよう、都から提案されていたことを示す文書(東京ガス提出)がある。「基本合意」本体から削除した重要な合意内容は、当時の通例では、その細目である「基本合意の確認書」に記載されることから、濱渦氏は確認書を作成することを知っていたと認められる。
〔4〕野村寛証人の「(確認書は)基本合意までの間に、各局が東京ガスの各担当と合意した中身を記載」「基本合意には基本項目、細目は確認書で結ぶということが、当時の都の通例のやり方」「上司に報告し、さらに上司(濱渦氏)に上げるのが組織の当然のルール」との証言から、濱渦氏は「確認書」の内容について報告を受けていたと認められる。
〔5〕野村寛証人の「(確認書の締結について)当時、都は通常、基本合意には基本的な事項、細目は確認書に載せていた。当然、基本合意を結んだら、付随した一体のものとして確認書をつくると理解していた」などの証言から、基本合意を結んだ場合、細目を記載する確認書を作成することは都の通常の手法として、濱渦氏も把握していたと認められる。
 第二に、平成13年7月6日の「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」以降は、「基本合意以降のことは私は存じ上げません」等の証言をした。
 しかし、以下の記録及び他の証人による証言から、当該証言は虚偽であると認められる。
〔1〕平成15年5月22日の濱渦副知事宛ての文書(東京都提出)に、「豊洲地区の土壌汚染対策は、本年3月に報告した際、「操業由来の汚染は東京ガスに処理させる」との指示を受けている」「今後、交渉の状況を改めてご報告し、必要なご指示を仰ぎたい」と書かれている。このことから、平成15年3月及び5月に濱渦氏が土壌汚染対策について報告を受けており、平成13年7月6日の基本合意以降に関与していたと認められる。 
〔2〕平成16年7月22日の都と東京ガスの打ち合わせを記録した文書(東京都提出)に、知事本局参事の発言として「土壌汚染の問題は、副知事には昨年5月以降一切上げていない。」と記載されている。このことから、平成15年5月に濱渦氏が報告を受けており、平成13年7月6日の基本合意以降に関与していたと認められる。
〔3〕平成13年10月3日の文書(東京ガス提出)に、「H13,8,7 ○浜渦副知事 江東区 (江東区長ほか)を訪問し、協力要請」と記載されており、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔4〕平成13年12月26日に濱渦副知事宛てに中央卸売市場第7次整備計画の関連事項を報告した文書(東京都提出)がある。このことから、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔5〕平成15年2月10日付けの「豊洲新市場関係浜渦副知事ブリーフィング状況」という文書(東京都提出)に、「副知事発言“わかりました。”
とのこと。特に質疑なし。“跡地については、あわてないこと“などの副知事の発言があった」との記載がある。このことから、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔6〕平成16年6月28日付けの文書(東京都提出)に、「Ⅴ2レク」と書かれている(Ⅴ2は当時濱渦副知事)。このことから、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔7〕平成16年7月8日付けの文書(東京都提出)に、「7/8 15:45〜Gブリ(G、V2、SS…)」と書かれている(Ⅴ2は当時濱渦副知事)。このことから、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔8〕前川燿男証人の「特に市場については、実態として直接、部課長も指揮をし、実際上、決定権、責任を負っていたと、そう申し上げて間違いない」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔9〕前川燿男証人の「17年確認のように重大な問題を濱渦さんに上げないのは、当時は大変なことだった。担当の部課長に確認し、手紙を出して、それで特段の指示はなかったと聞いたことを覚えております」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔10〕前川燿男証人の「濱渦さんの担当局には終始一貫、市場と知事本部が入っていた、豊洲問題についての、実態上の最高の決定権者は濱渦さんだった。責任をほかに預けたり任せることはあり得ないと私は考えている」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔11〕前川燿男証人の「濱渦さんは、在任中一貫して市場を所管していた。市場行政の実態として、庁内の最高決定権者だったことは紛れもないと思う。責任をずっと負っていた」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔12〕前川燿男証人の「責任者としての地位あるいは権限をほかに渡すということは、あり得ないと思う。もしそれをやったら、組織は崩壊するから、終始一貫、濱渦さんが責任を持っていた」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔13〕前川燿男証人の「知事本局にとって、濱渦さんに上げているか、上げていないかということは、極めて重大なことだったため、確認していた。例えば、平成17年5月の確認は、ちゃんと上げたのかと。上げたと確か言っていたと記憶をしている」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔14〕前川燿男証人の「問題によっては、濱渦さんの了解を得なければ、後で大変なことになるから、それはとっていたのであろうと思う」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔15〕前川燿男証人の「平成17年確認について、当時の感覚としては濱渦さんに上げておくということは一番大事だった。そこでそれを上げたかどうかを確認して、上げたと聞いた」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔16〕前川燿男証人の「知事の指示であれ、ほかの形であれ、濱渦さんを市場担当から外すという意思決定は一切行われていないと思う」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔17〕赤星經昭証人の「(濱渦副知事の)所管(政策報道室、市場など)は、平成12年から変わっていないと思うので、その間何らかの報告は、当然受けていたと思う」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔18〕前川燿男証人の「石原さんがなかなか出勤をされていない中で、濱渦さんが石原さんの分身として権力を握っていたのは事実だと思う」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
〔19〕前川燿男証人の「知事がほとんど登庁しない中で、濱渦さんには権力が集中した。しかも、濱渦さんにはお手紙を出さなければ会えない状況だった。所管の部課長としては、自分の仕事をきちんとやるために、濱渦さんへお手紙を出して了承を求めると。紙に書かれた組織とは別に機能していたというのが現実」との証言から、平成13年7月6日の基本合意以降に濱渦氏が関与していたと認められる。
 第三に、平成15年5月22日付け「豊洲地区土壌汚染対策について」という3名の担当部長の連名による濱渦氏宛の文書について、「そもそも担当部長が連名で来るなんてことはあり得ません」、「そういう問題については局長がお話に来る」等の証言をした。
 しかし、以下の記録及び他の証人による証言から、当該証言は虚偽であると認められる。
〔1〕平成15年5月22日付けの本文書は、「築地市場の再整備及び豊洲移転にかかわる、石原知事(中略)および濱渦副知事にあがったすべての文書」として都が提出したものである。連絡先として、都の3名の部長の名前が記載されていることから、都の3名の部長が濱渦氏宛てに出した文書であり、濱渦氏が直接部長とやりとりをしていたと認められる。
〔2〕前川燿男証人の「本来なら、局長、部長、課長と行くべきことが、いきなり濱渦さんから部長とか課長に行っていたのが現実であったと記憶している」との証言から、濱渦氏が直接部長、課長とやりとりをしていたと認められる。
〔3〕前川燿男証人の「17年確認のような重大な問題を濱渦さんに上げないのは、当時は大変なことだった。担当の部課長に確認し、お手紙を出して、それで特段の指示はなかったと聞いたことを覚えている」との証言から、濱渦氏が直接部長、課長とやりとりをしていたと認められる。
〔4〕前川燿男証人の「濱渦さんは私の知る限り、自分の所管の局はもちろん、その局を越えて、ほかの局についても、直接、部課長を指揮していたのが実態であろうと思う」との証言から、濱渦氏が直接部長、課長とやりとりをしていたと認められる。
 イ 証人:赤星經昭 元政策報道室理事(尋問日:平成29年4月4日)
 第一に、平成13年7月18日付け「「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」にあたっての確認書」(二者間合意)について、「当然知りません」等の証言をした。
 しかし、以下の記録及び他の証人による証言から、当該証言は虚偽であると認められる。
〔1〕赤星氏が交渉に関わっている平成13年2月28日の文書(東京ガス提出)の中で、土壌汚染対策などを盛り込む「確認書」の締結が確認されている。また、土壌汚染対策は「基本合意」ではなく、「基本合意の確認書」で取り交わされている。これらのことから、赤星氏は基本合意の後に「確認書」を作成することを知っていたと認められる。
〔2〕平成13年6月28日の会談内容を記した文書(東京ガス提出)によると、土壌汚染対策などの合意事項について「7月末までに、確認文書の作成・取り交し」と記載された文書が提示され、赤星次長が「引き続き本件は担当するように(濱渦氏から)言われている」と述べたと記載されている。これは、7月1日付けで異動後も、引き続き担当するとの趣旨と考えられ、7月以降も「確認書」の作成に赤星氏が関わっていたと認められる。
〔3〕野村寛証人の「(確認書は)基本合意までの間に、各局が東京ガスの各担当と合意した中身を記載」「基本合意には基本項目、細目は確認書で結ぶということが、当時の都の通例のやり方」との証言から、基本合意に至るまでに関わっていた赤星氏は、その基本合意の細目を記載した確認書についても、認識をしていたと認められる。
〔4〕野村寛証人の「(確認書の締結について)当時、都は通常、基本合意には基本的な事項、細目は確認書に載せていた。当然、基本合意を結んだら、付随した一体のものとして確認書をつくると理解していた」などの証言から、基本合意に至るまでに関わっていた赤星氏は、その基本合意と一体のものである確認書についても、認識をしていたと認められる。
 第二に、平成13年2月28日付け「築地市場の豊洲移転に関する協議事項(確認)」(覚書の確認)について、「私は存じ上げませんでした」との証言をした。
 しかし、以下の記録及び他の証人による証言から、当該証言は虚偽であると認められる。
〔1〕平成13年2月19日の交渉メモ(東京ガス提出)に、「覚書の中身がずれないように、又実務者協議の具体的項目として(「覚書の確認」が)必要であることは理解できる」と都側の答えが記載されており、このときの出席者として赤星氏の名前が記されている。このことから、「覚書」の中身を記載した「覚書の確認」を作成することを、赤星氏は承知していたと認められる。
〔2〕野村寛証人の「覚書の確認」について、「報告はですね、当然、上司にしたと思います」等の証言から、赤星氏は「覚書の確認」について野村氏から報告を受け、承知していたと認められる。
〔3〕野村寛証人の「覚書の確認」について、「報告をするとすれば赤星理事だったのではないかなとは思っている」との証言から、赤星氏は「覚書の確認」について野村氏から報告を受け、承知していたと認められる。
〔4〕野村寛証人の(「覚書の確認書」の当時の上司、東京ガスと交渉していた上司は誰かと問われて)「たしか赤星理事だったと思います」との証言から、赤星氏は「覚書の確認」について野村氏から報告を受け、承知していたと認められる。
〔5〕野村寛証人の「あの時の都の通常のやり方は、基本合意には基本的な事項、細目は確認書に載せるというやり方をとっていたので、当然、基本合意を結んだら、付随して一体のものとして確認書をつくるという理解をしていた」との証言から、「覚書」についても基本合意と同様、その細目を確認としてまとめることについて、都の当時の通常のやり方として赤星氏は承知していたと認められる。
ウ 故意に虚偽の陳述を行ったと判断する理由
 濱渦、赤星両証人は、本委員会における他の尋問に対して、当時の状況を詳細に、かつ、繰り返し証言していることから、築地市場の豊洲移転に関する都と東京ガスの交渉に深く関わり、かつ、現在もその記憶を有することは明らかである。それにもかかわらず、両証人が、上記のとおり、重要な事実について関与を否定し、または、知らない旨証言したことは、提出された記録から見ても、その記憶と異なることを認識した上でなされたと判断することが合理的である。
 また、両証人は、東京ガスと協議を行う際、市場用地としての土地取得を優先する余り、同社の開発負担を軽減し、汚染が残る土壌処理計画を認め、その交渉経緯と結果を隠蔽したこと等により、後に、都が多額の土壌汚染対策費用を負担する原因となったという不都合な事実を隠したかったとの動機も推認される。
 これらのことから、自己の記憶に反する証言を故意に行ったものと認められる。
エ 虚偽の陳述の認定及び告発の議決を求める決定
 これらの証言は、本委員会の調査の核心部分に関する内容であり、真相究明に重大な影響を与え、看過できるものではない。よって、両証人が、地方自治法第100条第7項に規定する虚偽の陳述をしたものと認め、本会議において、同条第9項の規定による告発の議決を行うことを求めることとした。
 言うまでもなく、告発を求めることは本委員会の主目的ではない。しかし、本委員会の主目的である豊洲市場移転を巡る諸問題の真相解明が、虚偽の陳述により阻害され、ひいては都民の付託を受けた議会による調査権限の行使が侵害されたと認められたことから、委員会として、本会議における告発の議決を求めていくべきであると判断した。
 なお、上記の認定及び決定について、次のような意見があった。
 虚偽の陳述とは、「故意に嘘をつく」ことである。ある証言を「虚偽の陳述」として告発する為には、それが「客観的事実と相違する証言であった」というだけでは足りず、「証人が、故意に、記憶そして事実に反する発言をした」というところまで立証する責任がある。
 両証人が、証人尋問において、自身の記憶とは敢えて異なる証言を意図的に行ったことを裏付ける証拠はない。証言や膨大な資料を精査しても、両証人が敢えて記憶と異なる証言をしなければならない理由は見出せない。豊洲への移転は両証人が決めたことではなく、土壌汚染対策やその費用負担も、不合理な形で決着しているものではない。つまり、両証人が敢えて虚偽の証言をしてまで、自らの責任回避を図らなければならない理由はなく、偽証の動機がない。
 このように、本委員会に提出された資料をもって、両証人の証言を自分の記憶に反して虚偽の事実を証言したものと認定することは困難であり、ましてや告発をしたとしても、これをもって検察が起訴に持ち込むことは難しい。
 そもそも、本委員会の目的は厳正な調査であり、偽証告発は、その厳正な調査を担保する手段に過ぎない。そして、偽証告発は、偽証罪による刑事処分を前提としており、都議会が都民を代表して告発する以上、十分な根拠と法的な裏付けが必要不可欠である。都民の代表者である都議会が告発することの重みを十分に認識し、確実な証拠に基づき、公平中立、かつ、慎重に判断すべきである。

(6)調査事項に関する改善意見
 豊洲市場移転問題については、これまで述べたように、本委員会の調査によって多くの課題が浮き彫りとなった。仮に本委員会が設置されなかったとしたら、(2)で述べた「水面下交渉」に関する大量の交渉記録が作成されていたという事実は明らかになることはなく、また、当事者たちの交渉などに関する数々の証言を得ることもできなかったであろう。したがって、本委員会を設置した意義は極めて大きなものであった。
 一方、本委員会では、時間的制約などにより、豊洲市場建設工事における契約に関する事項については、十分に調査を行うことはできなかった。都議会としても、当時、「水面下交渉」の経緯や盛り土の問題を見抜けなかった反省を踏まえ、行政の重要課題に対してチェックできる体制を構築していくことが必要である。特に、現状では議会の議決事項ではない公営企業に関わる契約締結等の事務について、例えば事前に議会に報告するルールをつくることなどが必要であると考える。
 また、豊洲市場移転に関して生じた様々な問題は、(4)に記載したとおり、当時の都の執行部の無責任体質、不適切な公文書の作成・保存及び管理の実態、都庁の組織内部における不十分な縦の連絡や横の連携といった、数々の都庁におけるガバナンス上の問題を浮かび上がらせた。なお、こうした問題等を踏まえて、平成29年第二回定例会では東京都公文書管理条例が提案されているところである。
 今後の都政運営においては、都民の財産としての公文書の作成・保存及び管理の更なる適正化や情報公開の推進、組織内の連携の強化によりガバナンス上の問題を改善し、再発防止に最大限努めるよう、執行機関に対して求めるものである。
1 豊洲・晴海開発整備計画:豊洲・晴海地区の地域整備を進めるにあたって、平成2年6月に策定された計画。広域幹線道路等の整備促進のための開発者負担の導入を前提としている。
2 豊洲地区開発整備に係る基本合意:豊洲地区の開発を推進するため、土地区画整理事業等の推進、開発者負担に関する確認等について、平成10年1月に都と地権者で合意したもの。
3 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議:市場が生鮮食料品を扱うことの重要性から、都民が安心できる市場とするため、土壌汚染対策等を検証するために平成19年5月に設置された。平成20年7月に報告書を公表。
4 豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議:専門家会議の報告を踏まえ、都の土壌汚染対策計画をとりまとめるため平成20年8月に設置し、技術工法などの評価・検証を行った。平成21年2月及び平成22年8月に報告書を公表。平成26年11月に土壌汚染対策工事が全街区においてすべて完了したことを確認した。


オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会中間報告書

 本委員会は、平成25年10月11日に設置され、2020年オリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決定されたことを受け、同オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた計画や準備に関すること、並びにラグビーワールドカップ2019TMの開催に向けた事項についての調査・検討、及び必要な活動を行ってきたところですが、現在までの調査、審議の経過について別紙のとおり中間報告いたします。
平成29年6月1日
オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長
高島 なおき
東京都議会議長
川井 しげお 殿

目次
1 本委員会の設置
(1)設置の経過
(2)委員及び役員
(3)小委員会の設置
2 調査審議及び必要な活動の経過
3 調査・検討の概要
(1)施設・輸送等について
(2)大会運営について
(3)気運醸成について
(4)連携協力について
(5)費用負担について
(6)レガシーについて
(7)ラグビーワールドカップ特別対策委員会(小委員会)での調査・検討について
4 今後に向けて
(資料)
資料1 これまでにIOC理事会に報告し、承認を得たオリンピック競技会場(32競技、35会場)
資料2 これまでにIPC理事会に報告し、承認を得たパラリンピック競技会場(22競技、18会場)

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
 本委員会は、東京都議会として、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行うことを目的として、平成25年10月11日の平成25年第三回定例会本会議において、小林健二君外126名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。


オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会設置要綱
1 名称
 オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会とする。
2 設置の根拠
 地方自治法第109条第1項及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的
  2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う
4 委員会の組織
  委員の定数は、18名とし、委員長1名、副委員長3名及び理事3名を置く。
注釈 平成27年12月16日の本会議においてオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会設置要綱の一部改正に関する動議が提出され、以下のとおり要綱の一部改正が可決された。

オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会設置要綱
1 名称
 オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会とする。
2 設置の根拠
 地方自治法第109条第1項及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的
  2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会並びに2019年に開催される第9回ラグビーワールドカップ2019の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う
4 委員会の組織
  委員の定数は、23名とし、委員長1名、副委員長3名及び理事5名を置く。

(2)委員及び役員
ア 議長は、平成25年10月11日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
小林 健二君 山内れい子君
野上ゆきえ君 小山くにひこ君
橘  正剛君 山崎 一輝君
鈴木 隆道君 両角みのる君
畔上三和子君 小磯 善彦君
村上 英子君 林田  武君
吉原  修君 高島なおき君 
立石 晴康君 川井しげお君
酒井 大史君 吉田 信夫君

イ 平成25年10月11日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。 委員長  高島なおき君
副委員長 畔上三和子君
副委員長 小磯 善彦君
副委員長 村上 英子君
理事   橘  正剛君
理事   吉原  修君
理事   吉田 信夫君

ウ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成27年2月18日の平成27年第一回定例会本会議で報告した。
平成26年12月25日付け
○辞任  野上ゆきえ君
○選任  石川 良一君
平成27年2月10日付け
○辞任  両角みのる君
○選任  徳留 道信君

エ 議長は次のとおり、委員の辞職に伴い、新たに委員を指名した旨を平成27年6月9日の平成27年第二回定例会本会議で報告した。
平成27年4月7日付け
○辞職  村上 英子君
○選任  秋田 一郎君

オ 平成27年4月10日の委員会において、村上 英子副委員長の辞職に伴い、欠員となった副委員長1名及び副委員長就任に伴い欠員となった理事1名が次のとおり互選された。
副委員長 吉原  修君
理事   秋田 一郎君

カ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成27年 12月1日の平成27年第四回定例会本会議で報告した。
平成27年10月13日付け
○辞任  小磯 善彦君  橘  正剛君
○選任  藤井  一君  伊藤こういち君

キ 平成27年11月9日の委員会において、小磯 善彦副委員長及び橘 正剛理事の辞任に伴い、欠員となった副委員長1名及び理事1名が次のとおり互選された。
副委員長 藤井  一君
理事  伊藤こういち君

ク 平成27年12月16日の平成27年第四回定例会本会議において、設置要綱の一部改正による委員定数の増に伴い、議長は同本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
○選任  相川  博君 川松真一朗君 斉藤やすひろ君 今村 るか君 上田 令子君

ケ 平成27年12月16日の委員会において、次のとおり理事が互選された。
理事  相川  博君
理事  小山くにひこ君

コ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成28年 9月28日の平成28年第三回定例会本会議で報告した。
平成28年9月14日付け
○辞任  小山くにひこ君
○選任  菅野 弘一君
平成28年9月15日付け
○辞任  上田 令子君
○選任  おときた 駿君

サ 平成28年10月11日の委員会において、畔上三和子副委員長の辞任が許可され、欠員となった副委員長1名及び欠員と副委員長就任に伴い欠員となった理事2名が次のとおり互選された。
副委員長 秋田 一郎君
理事  山崎 一輝君
理事  酒井 大史君

シ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成28年 12月1日の平成28年第四回定例会本会議で報告した。
平成28年10月14日付け
○辞任 藤井 一君  伊藤こういち君 小林 健二君 斉藤やすひろ君 酒井 大史君
○選任 吉倉 正美君 遠藤 守君 まつば多美子君 谷村 孝彦君 小山くにひこ君

ス 平成28年11月2日の委員会において、藤井 一副委員長及び伊藤こういち理事、酒井 大史理事の辞任に伴い、欠員となった副委員長1名及び理事2名が次のとおり互選された。
副委員長 吉倉 正美君
理事  遠藤  守君
理事  小山くにひこ君

セ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年 2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年1月12日付け
○辞任 石川 良一君
○選任 野上ゆきえ君
平成29年2月15日付け
○辞任 林田  武君
○選任 木村 基成君
平成29年2月20日付け
○辞任 おときた 駿君
○選任 上田 令子君
平成29年2月22日付け
○辞任 木村 基成君
○選任 林田  武君

ソ 平成29年2月28日の平成29年第一回定例会本会議において、委員の辞任及び選任が行われた。
○辞任 谷村 孝彦君
○選任 鈴木貫太郎君

タ 平成29年3月9日の委員会において、秋田 一郎副委員長及び山崎一輝理事の辞任が許可され、欠員となった副委員長1名及び理事1名並びに副委員長就任により欠員となった理事1名が次のとおり互選された。
副委員長 小山くにひこ君
理事  秋田 一郎君
理事  野上ゆきえ君

チ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年 6月1日の平成29年第二回定例会本会議で報告した。
平成29年5月10日付け
○辞任 立石 晴康君
○選任 神野 次郎君
平成29年5月25日付け
○辞任 神野 次郎君
○選任 尾崎 大介君

(3)小委員会の設置
ア 設置の経過
本委員会では、ラグビーワールドカップ2019TMの開催に向けた事項の調査を行うため、平成27年12月16日に、11名の委員をもって構成する「ラグビーワールドカップ特別対策委員会」を本委員会の小委員会として下記のとおり設置した。


ラグビーワールドカップ特別対策委員会運営要領
                       平成27年12月16日
1 名称
  ラグビーワールドカップ特別対策委員会(以下「ラグビー委員会」という。)
2 目的
  第9回ラグビーワールドカップ2019の開催に向けた効率的かつ専門的 な調査・検討及び必要な活動を行う。
3 組織等
(1)ラグビー委員会は、11名の委員をもって構成する。
(2)ラグビー委員会の委員は、委員会の委員長が指名する。
(3)ラグビー委員会に、委員長1名及び副委員長2名を置く。
(4)ラグビー委員会の委員長及び副委員長は、ラグビー委員会において互選する。
(5)ラグビー委員会は、ラグビー委員会の委員長が招集する。
(6)ラグビー委員会の運営に関し必要な事項を協議するため、打合会を置く。
ア 打合会は、ラグビー委員会の委員長及び副委員長で組織する。
イ ラグビー委員会の委員長が必要と認めるときは、ラグビー委員会の委員を打合会に出席させることができる。
4 理事者の出席
  オリンピック・パラリンピック準備局長及び関係する担当部長は、原則とし て出席するものとし、その他の関係局長等は、必要に応じて出席するものとする。
5 ラグビー委員会の報告
  ラグビー委員会の委員長は、調査・検討の結果を委員会の委員長に報告する。
6 委員会室
  第4委員会室
7 その他
  この要領に定めるもののほか、ラグビー委員会の運営は委員会に準じて行う。

イ 小委員会委員及び役員
○ 委員会委員長は、平成27年12月16日のオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会において、次のとおり小委員会委員を指名した。
川松真一朗君 斉藤やすひろ君
伊藤こういち君 山崎 一輝君
石川 良一君 徳留 道信君
今村 るか君 秋田 一郎君
相川  博君 吉原  修君 
吉田 信夫君

○ 平成27年12月16日の小委員会において、次のとおり小委員会の委員長及び副委員長が互選された。
委員長  吉原  修君
副委員長 伊藤こういち君
副委員長 相川  博君

○ 委員会委員長から、平成28年10月14日付で次のとおり委員の辞任と新たに委員を指名した旨、通知があった。
○辞任 伊藤こういち君 斉藤やすひろ君
○選任 谷村 孝彦君 吉倉 正美君 

○ 平成28年11月2日の小委員会において、伊藤こういち副委員長の委員辞任に伴い、欠員となった副委員長1名が互選された。
副委員長  谷村 孝彦君

○ 委員会委員長から、平成29年1月12日付で次のとおり委員の辞任と新たに委員を指名した旨、通知があった。
○辞任 石川 良一君
○選任 野上ゆきえ君

○ 委員会委員長から、平成29年2月20日付で次のとおり委員の辞任と新たに委員を指名した旨、通知があった。
○辞任 野上ゆきえ君
○選任 小山くにひこ君

○ 委員会委員長から、平成29年2月28日付で次のとおり委員の辞任と新たに委員を指名した旨、通知があった。
○辞任 谷村 孝彦君
○選任 鈴木貫太郎君

○ 平成29年3月9日の小委員会において、谷村 孝彦副委員長の委員辞任に伴い、欠員となった副委員長1名が互選された。
副委員長 鈴木貫太郎君

2 調査審議及び必要な活動の経過
本委員会は、60回の委員会及び60回の理事会の開催を実施し、次のとおり調査・検討を行った(開催回数には、小委員会及び打合会の回数を含む)。
年 月 日 委員会及び理事会の調査事項
委員会(小委員会) 理事会(打合会)
平成25年
10月11日(金)
○委員長の互選
○副委員長の互選
○理事の互選
○議席について
・運営要領について
・その他

11月29日(金)
・今後の委員会運営について
・その他

12月11日(水)
○報告事項(説明・質疑)
(1)新国立競技場の整備について
(2)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の設立について
(3)ナショナルトレーニングセンターについて
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・委員長口頭報告について
・閉会中の継続調査について
・その他

平成26年
2月26日(水)
○報告事項(説明)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会について
(2)東京都が整備する施設の建設スケジュール(案)について
・本日の委員会運営について
・その他

3月17日(月)
○閉会中の継続調査について

4月18日(金)
○報告事項
(1)ソチ・オリンピック・パラリンピックについて(説明)
(2)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動報告について(説明)
(3)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会について(質疑)
(4)東京都が整備する施設の建設スケジュール(案)について(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

6月11日(水)
○報告事項(質疑)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動報告について
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・その他

6月19日(木)
・今後の委員会運営について
・その他

6月23日(月)
○報告事項(説明)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の見直しについて
・本日の委員会運営について
・その他

9月1日(月)
○報告事項(説明)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況について
(2)選手村の整備について
・本日の委員会運営について
・その他

9月10日(水)
○報告事項(質疑)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の見直しについて
(2)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況について
(3)選手村の整備について
・本日の委員会運営について
・その他

9月25日(木)
○閉会中の継続調査について

11月17日(月)
・今後の委員会運営について
・その他

11月19日(水)
○報告事項(説明)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況について
・本日の委員会運営について
・その他

12月22日(月)
○報告事項
(1)オリンピックアジェンダ2020について(説明)
(2)選手村 大会終了後における住宅棟のモデルプランについて(説明)
(3)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況について(質疑)
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・閉会中の継続調査について
・その他

平成27年
1月27日(火)
○報告事項
(1)大会開催基本計画の概要について(説明)
(2)選手村 大会終了後における住宅棟のモデルプランについて(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

2月27日(金)
○報告事項(説明)
(1)大会開催基本計画について
・本日の委員会運営について
・その他

3月6日(金)
○報告事項
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について(説明)
(2)大会開催基本計画の概要について(質疑)
(3)大会開催基本計画について(質疑)
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・閉会中の継続調査について
・その他

4月10日(金)
○副委員長の互選
○報告事項
(1)平成27年度における競技会場等整備の予定について(説明)
(2)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案について(説明)
(3)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

5月27日(水)
○報告事項(質疑)
(1)平成27年度における競技会場等整備の予定について
(2)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案について
・本日の委員会運営について
・その他

6月11日(木)
○報告事項(説明)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について
(2)新規恒久施設に係る後利用の方向性等について
(3)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた今後の開催準備について
・本日の委員会運営について
・その他

6月22日(月)
○報告事項(質疑)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック会場計画の再検討の状況等について
(2)新規恒久施設に係る後利用の方向性等について
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・閉会中の継続調査について
・その他

8月4日(火)
○報告事項(説明)
(1)新国立競技場の整備計画見直しについて
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について
(3)東京2020パラリンピック競技大会について
(4)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムについて
・本日の委員会運営について
・その他

8月28日(金)
○報告事項
(1)新国立競技場の整備計画見直しについて(その2)(説明)
(2)新国立競技場の整備計画見直しについて(質疑)
(3)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について(質疑)
(4)東京2020パラリンピック競技大会について(質疑)
(5)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムについて(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

9月7日(月)
・今後の委員会運営について
・その他

9月17日(木)
○報告事項
(1)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止について(説明)
(2)新国立競技場の整備計画見直しについて(質疑)
(3)新国立競技場の整備計画見直しについて(その2)(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

10月6日(火)
○報告事項
(1)東京2020オリンピック競技大会の追加種目について(説明)
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について(説明)
(3)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた都立競技施設整備の進捗状況について(説明)
(4)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止(その2)について(説明・質疑)
(5)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムの使用中止について(質疑)
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・閉会中の継続調査について
・その他

11月9日(月)
○副委員長の互選
○理事の互選
○報告事項
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その2)について(説明)
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた都立競技施設整備の進捗状況(その2)について(説明・質疑)
(3)東京2020オリンピック競技大会の追加種目について(質疑)
(4)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について(質疑)
(5)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた都立競技施設整備の進捗状況について(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

11月20日(金)
○報告事項
(1)大会後のレガシーを見据えた2020年に向けた東京都の取組について(説明)
(2)東京2020パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について(説明)
(3)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における国際放送センター及びメインプレスセンターの配置計画について(説明・質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

12月1日(火)
○報告事項(説明)
(1)新国立競技場の整備について
・本日の委員会運営について
・その他

12月14日(月)
○報告事項
(1)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その2)について(説明)
(2)新国立競技場の整備について(質疑)
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・その他

12月16日(水)
○理事の互選
○報告事項(説明)
(1)ラグビーワールドカップ2019の概要について
・本日の委員会運営について
・その他
〈小委員会〉
○委員長の互選
○副委員長の互選
○議席について 〈打合会〉
・今後のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

12月17日(木)
○報告事項(質疑)
(1)大会後のレガシーを見据えた2020年に向けた東京都の取組について
(2)東京2020パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況について
(3)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その2)について
・本日の委員会運営について
・その他

平成28年
1月18日(月)
○報告事項(説明)
(1)都有財産の取扱いについて
・本日の委員会運営について
・その他

1月26日(火)
○報告事項(質疑)
(1)都有財産の取扱いについて
・本日の委員会運営について
・その他

1月29日(金)
〈小委員会〉
○報告事項
(1)ラグビーワールドカップ2019の東京都における経済波及効果について(説明・質疑)
(2)ラグビーワールドカップ2019の概要について(質疑)
〈打合会〉
・本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

2月17日(水)
○報告事項(説明)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その3)について
(2)「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」暫定基準の承認について
・本日の委員会運営について
・その他

3月4日(金)
○報告事項(質疑)
(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その3)について
(2)「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」暫定基準の承認について
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・その他

5月12日(木)
○報告事項(説明)
(1)平成28年度における競技会場等整備の予定について
(2)東京2020パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その2)について
(3)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムについて
・本日の委員会運営について
・その他

5月25日(水)
○報告事項
(1)新規恒久施設の施設運営計画(中間のまとめ)について(説明)
(2)平成28年度における競技会場等整備の予定について(質疑)
(3)東京2020パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その2)について(質疑)
(4)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムについて(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

6月8日(水)
○報告事項(説明)
(1)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その4)について
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・その他

6月17日(金)
○報告事項(質疑)
(1)新規恒久施設の施設運営計画(中間のまとめ)について
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その4)について
・本日の委員会運営について
・その他

7月12日(火)
〈小委員会〉
○報告事項(説明)
(1)開催都市マークについて
(2)公認チームキャンプ地について
(3)ラグビーワールドカップリミテッドによる会場視察について
(4)ラグビーテストマッチについて
〈打合会〉
・本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

8月31日(水)
○報告事項(説明)
(1)東京2020オリンピック競技大会の追加種目(その2)について
・本日の委員会運営について
・その他
〈小委員会〉

○報告事項(質疑)
(1)開催都市マークについて
(2)公認チームキャンプ地について
(3)ラグビーワールドカップリミテッドによる会場視察について
(4)ラグビーテストマッチについて
〈打合会〉
・本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

10月11日(火)
○副委員長の辞任
○理事の互選
○報告事項
(1)東京2020パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その3)について(説明)
(2)東京2020参画プログラムについて(説明)
(3)リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックについて(説明)
(4)東京2020オリンピック競技大会の追加種目(その2)について(質疑)
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・その他

10月25日(火)
・今後の委員会運営について
・その他

11月2日(水)
○副委員長の互選
○理事の互選
○報告事項(説明・質疑)
(1)オリンピック・パラリンピック調査チームについて
(2)トーマス・バッハIOC会長と小池知事との面会時の資料について
・本日の委員会運営について
・その他
〈小委員会〉
○副委員長の互選

11月7日(月)
○報告事項(説明)
(1)オリンピック・パラリンピック調査チームの調査報告書について
(2)新規恒久施設の見直しについて
・本日の委員会運営について
・その他

11月11日(金)
○報告事項(質疑)
(1)東京2020パラリンピック競技大会会場計画の再検討の状況(その3)について
(2)東京2020参画プログラムについて
(3)リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックについて
・本日の委員会運営について
・その他

11月18日(金)
○報告事項
(1)東京2020大会に向けたボランティア戦略(案)について(説明)
(2)オリンピック・パラリンピック調査チームの調査報告書について(質疑)
(3)新規恒久施設の見直しについて(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

12月6日(火)
○報告事項
(1)四者協議について(説明)
(2)東京2020大会に向けたボランティア戦略(案)について(質疑)
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・その他

12月21日(水)
○報告事項
(1)東京2020オリンピック競技大会の追加種目(その3)について(説明・質疑)
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場見直しについて(バレーボール・車椅子バスケットボール会場)(説明・質疑)
(3)四者協議について(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

12月26日(月)
○報告事項(説明)
(1)四者協議(その2)について
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における業務と経費について
(3)オリンピック・パラリンピック調査チームの提言等について
・本日の委員会運営について
・その他

平成29年
1月26日(木)
○報告事項(質疑)
(1)四者協議(その2)について
(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における業務と経費について
(3)オリンピック・パラリンピック調査チームの提言等について
・本日の委員会運営について
・その他

2月21日(火)
〈小委員会〉
○報告事項(説明)
(1)ラグビーワールドカップ2019における東京スタジアムの会場運営計画案について
(2)ラグビーワールドカップ2019における交通アクセス対策について 〈打合会〉
・本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

3月9日(木)
○副委員長の辞任
○副委員長の互選
○理事の辞任
○理事の互選
○閉会中の継続調査について
〈小委員会〉
○副委員長の互選
○報告事項(質疑)
(1)ラグビーワールドカップ2019における東京スタジアムの会場運営計画案について
(2)ラグビーワールドカップ2019における交通アクセス対策について 〈打合会〉
・本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

4月5日(水)
○報告事項(説明)
(1)「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」について
(2)東京2020オリンピック競技大会の追加種目(その4)について
(3)平成29年度における競技会場等整備の予定について
(4)カヌー・スラローム会場の整備について
(5)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その5)について
(6)選手村のマスタープラン等について
・本日の委員会運営について
・その他

4月19日(水)
○報告事項
(1)2020年大会開催準備に関わる主な取組について(説明)
(2)新規恒久施設の施設運営計画(最終のまとめ)について(説明)
(3)大井ホッケー競技場の整備について(説明)
(4)有明テニスの森の整備について(説明)
(5)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その6)について(説明)
(6)「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」について(質疑)
(7)東京2020オリンピック競技大会の追加種目(その4)について(質疑)
(8)平成29年度における競技会場等整備の予定について(質疑)
(9)カヌー・スラローム会場の整備について(質疑)
(10)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その5)について(質疑)
(11)選手村のマスタープラン等について(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

5月11日(木)
○報告事項
(1)開催都市契約2020の公表について(説明)
(2)2020年大会開催準備に関わる主な取組について(質疑)
(3)新規恒久施設の施設運営計画(最終のまとめ)について(質疑)
(4)大井ホッケー競技場の整備について(質疑)
(5)有明テニスの森の整備について(質疑)
(6)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案(その6)について(質疑)
・本日の委員会運営について
・その他

5月26日(金)
〈小委員会〉
○報告事項
(1)ラグビーワールドカップ2019TM日本大会プール組分け抽選会(説明)
(2)東京スタジアムの改修整備計画について(説明・質疑)
○ラグビーワールドカップ特別対策委員会調査報告(中間報告書)について 〈打合会〉
・本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会の運営について
・その他

6月1日(木)
○報告事項
(1)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の役割(経費)分担について(説明)
(2)開催都市契約2020の公表について(質疑)
○委員会調査報告(中間報告書)について
○閉会中の継続調査について
・本日の委員会運営について
・閉会中の継続調査について
・その他

3 調査・検討の概要
 本委員会は、大会招致決定後の平成25年10月11日に設置された後、これまで約3年8か月にわたり60回開催し、精力的に調査・検討を行ってきた。
 委員会では、まず、第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会(以下、「東京2020大会」という)の開催に必要な取組や実施状況等について理事者から報告を受け、多岐にわたる事項について調査を実施した。その調査事項は大きく分類すると、〔1〕施設・輸送等、〔2〕大会運営、〔3〕気運醸成、〔4〕連携協力、〔5〕費用負担、〔6〕レガシーの6つに分けられる。
 特に〔1〕施設・輸送等については、施設整備では新国立競技場の整備費用負担や、有明アリーナや海の森水上競技場等の新規恒久施設等の仕様やコスト、大会後の後利用等について、詳細な調査・検討が行われた。
 このほか、本委員会に第9回ラグビーワールドカップ2019TMの開催に向けて効率的かつ専門的に調査・検討を行うラグビーワールドカップ特別対策委員会を小委員会として設置し、競技会場となる東京スタジアムへの交通アクセス改善などについて、幅広く質疑を行った。
 本委員会における調査・検討の具体的な内容は、次のとおりである。

(1) 施設・輸送等について
 今回の特別委員会の中で、一番集中的に議論を行ったのが、施設・輸送等に関する事項である。特に施設整備については、平成26年6月から既に会場計画の見直しについて議論を開始し、既存施設の活用促進を踏まえ、これまで何度も検討を重ねてきた。新規恒久施設の整備、既存施設の改修など、コスト縮減を念頭に置きつつ、アスリートや競技団体の意見も尊重し、競技特性を踏まえた会場計画の見直しに取り組んできた。
 例えば、大会時のメインスタジアムとなる新国立競技場については、国との役割分担や費用負担の在り方、負担額の根拠等について、多岐にわたり活発な議論が行われた。また、各競技会場については、本委員会において単にコストの問題だけでなく、実現可能性や大会後のレガシー、パラリンピック競技の会場として必要な機能の充実といった点も含め、総合的な観点から議論を行ってきた。その後、オリンピックアクアティクスセンター・有明アリーナ・海の森水上競技場の3施設については、オリンピック・パラリンピック調査チームによる検討や一定の見直しも行われたが、最終的に当初計画の場所で新規恒久施設として整備することとなった。
 また、選手村と新国立競技場・各競技施設等を結ぶ輸送については、輸送インフラ(環状二号線)の整備状況により、大会輸送計画や大会関係者の車両基地などに影響を与えることから、実現可能な輸送インフラの整備等について、質疑が行われた。
 晴海五丁目西地区に設置を予定している選手村は、大会後のレガシーを踏まえ、選手村の整備や運営計画の策定について、様々な議論が行われ、特にリオ2016大会に出場したアスリートからの経験や知見を選手村整備に反映するよう、要望した。
 この他、競技種目についてオリンピック32競技の35会場、パラリンピック22競技の18会場がIOC・IPCの各理事会で承認され、残るオリンピックのサッカーと、パラリンピックの自転車競技(ロード・レース)についてもIOC・IPCの承認を得るため、準備を進めていくことが報告された。

(2) 大会運営について
 東京2020大会を成功させるためには、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するための施設整備などのハード面はもとより、ボランティアやセキュリティ等の日本のおもてなし文化や防犯技術といったソフト面も大会運営に欠かせない要素となっている。
 特に、大会期間中9万人以上は必要とされるボランティアは、東京都ボランティア活動推進協議会の設置(平成27年9月)や東京2020大会に向けたボランティア戦略の策定(平成28年12月)等により、募集や運営のあり方等ボランティアの基本的な考え方について確認し、「東京ボランティアナビ」の開設(平成28年3月)やラグビーワールドカップ2019TM大会との連携等について、幅広い質疑が行われた。
 更に、開閉会式での演出等については、組織委員会において設置された、「東京2020有識者懇談会」により今後検討していくこととなるが、国との役割分担や費用負担など引き続き調査・検討が必要であることを確認した。
 また、大会運営におけるハード・ソフト両面のバリアフリー化を目的とした指針として平成29年3月に公表された「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」については、東京2020大会の各会場のアクセシビリティに配慮が必要な大会関係者の活動エリアや動線、会場へのアクセスルートとなる経路等のほか、組織委員会による情報発信・表示サイン等の基準なども対象となっていることから、新設又は改修が行われる競技施設等への影響などについて、活発な議論が行われた。
 多言語対応については協議会の設置やポータルサイトの開設等の取組の他、多言語音声翻訳システム等のICTの活用を推進していくことや、セキュリティ対策については「治安対策」「サイバーセキュリティ」「災害対策」「感染症対策」の4つの視点から庁内横断的な検討を推進していくこと等について議論を行った。

(3) 気運醸成について
 競技者はもとより、観戦者を含め一体となって東京2020大会を盛り上げていくためには、様々なイベントの実施等を通じて、気運醸成を図ることが求められる。
 まずはリオ2016大会の熱気を引き継ぐ、東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアーの実施や、東京2020大会2,020日前、4年前等のカウントダウンイベント等がこれまで行われており、今後も引き続きこうしたイベント等の実施を通じて、更なる気運醸成を図っていくことについて、議論が行われた。
 特にパラリンピックは気運醸成のみならず、パラリンピックの体験プログラム「No Limits Challenge」等を通じてパラリンピック競技への理解促進を図ることが重要であることから、今後もこうした取組を着実に都内各地で実施していくことを強く求めた。
 また、リオ2016大会ではライブサイトによるパブリックビューイングやリオ現地でのジャパンハウスによるPR等を実施しており、そこで得た知見を踏まえ、東京2020大会に活かしていくよう要望した。
 そしてアスリートが最適な環境で事前トレーニングを行うために重要な事前キャンプは、キャンプを受け入れる自治体にとっても、地域振興や国際交流の促進が期待できる大切な気運醸成の1つである。「東京事前キャンプガイド」の開設により、都内区市町村施設の紹介や東日本大震災被災3県を含む全国のキャンプ候補地情報について掲載するとともに、国際スポーツ大会や国際会議の開催に併せたPR活動の実施等について議論を行った。
 また、組織委員会がオリンピック・パラリンピックムーブメントへの参加促進とレガシー創出に向けたアクションの促進を目的として実施する「東京2020参画プログラム」について、都内における積極的な活用に向けた議論を行った。

(4) 連携協力について
 東京2020大会は都が開催都市ではあるが、オールジャパンでの連携なくして実現はできない。関係自治体との連絡協議会(平成27年11月)や、東日本大震災被災地復興支援映像の作成や各種スポーツ交流事業の実施等を通じた被災地復興支援に関する取組について質疑を行い、関係自治体と緊密に連携を図っていくことを要望した。

(5) 費用負担について
 立候補ファイル時点では競技施設の大半が都内で実施されるコンパクトな大会を目指していたが、近隣県などの都外施設に競技会場を移すことにより、大幅なコスト縮減が実現した。このことは都外施設が所在する各自治体の協力なしには実現できないことであり、今後も関係自治体との連携は、東京2020大会の成功の重要な役割を担っている。こうした都外施設のうち、他県市が所有する施設の仮設について、都が費用負担することが公表され、負担を決めた理由や仮設の定義、費用負担の財源やこれまでの国・都・組織委員会の三者協議等について、活発な議論が行われた。

(6) レガシーについて
 新規恒久施設や選手村の後利用等のハード面のみならず、ボランティア、文化、教育、産業等ソフト面を含む2020大会後のレガシーを見据えて策定した「2020年に向けた東京都の取組」(平成27年12月)について質疑を行った。競技施設・選手村の大会後の有効活用、誰もがスポーツに親しむ環境の整備、都民参加やボランティア等によるかけがえのない感動や記憶といった心のレガシー、世界で初めて2回目の開催となるパラリンピック大会を契機とした誰もが暮らしやすい共生社会の実現、被災地が復興へ歩む姿の世界への発信など大会に関連する幅広い分野について、議論を行った。

(7) ラグビーワールドカップ特別対策委員会(小委員会)での調査・検討について
 本小委員会は、平成27年12月16日の本会議においてオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会設置要綱の一部改正に関する動議が提出、可決され、目的の中に2019年に開催される第9回ラグビーワールドカップ2019TMの開催に向けた調査・検討が加わったことにより、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会の小委員会として設置された。これまで8回の小委員会及び7回の打合会を開催し、特別委員会から付託を受けた、第9回ラグビーワールドカップ2019TMの開催に向けて、精力的に調査・検討を行った。
小委員会における調査・検討の状況は次のとおりである。
ア 開催概要及び開催都市マークの決定について
開会式及び開幕戦が実施される東京スタジアムの課題が議論され、ファンゾーンやホスピタリティ施設の設置、シャトルバスの運行など交通アクセスの改善、観客及びVIPの会場動線、周辺道路や広域的な移動手段の確保など、大会実施までに改善しなければならない課題について、質疑が行われた。
また、施設面以外でも開催気運の醸成、ボランティアの育成、シティドレッシングの実施、会場周辺のセキュリティ確保等のソフト面に加え、開催都市マークを活用した2019年大会のPR等についても議論が行われた。
イ ラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)による視察報告について
平成28年4月4日から28日まで(東京スタジアムは4月18日・19日)ラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)による会場視察が行われ、6月にその視察報告書の内容が明らかになった。この中で芝フィールドの耐久性確保、競技用照明の改善、ホスピタリティスペースの確保、運営・メディア席の設置の必要性などが指摘され、これらを踏まえた今後のスタジアム改修等について議論を行った。
ウ ラグビーテストマッチ及びイベントの実施結果と課題について
平成28年6月25日に開催された日本代表とスコットランド代表によるテストマッチでは、会場となった東京スタジアムに約34,000人の観客が来場した。当日は本番となるラグビーワールドカップ2019TM大会を想定し、ラグビーフェスティバル2016 & TOKYOのイベントも同時開催した。今回のテストマッチ等の実施により、シャトルバスの確保を含む交通アクセスや地元3市との連携の重要性、バリアフリー対策、会場内動線の確保等の課題が浮き彫りにされ、幅広く質疑が行われた。
エ 東京スタジアムの会場運営計画案について
 ラグビーワールドカップ2019TMにおける東京スタジアムの会場運営計画案について理事者から説明があり、ハイブリッド芝と天然芝の耐久性を比較実験し、その使用感について選手からヒアリングを行う等、大会で採用する芝について平成29年度内に都としての結論を出していくことや、武蔵野の森総合スポーツプラザ等をホスピタリティスペースとして活用すること等について質疑が行われた。
オ 交通アクセス対策について
 公共交通機関による輸送計画の検討やファンゾーンを活用した観客の分散等について議論が行われ、西武多摩川線多磨駅やJR中央線武蔵境駅等を利用するスタジアム北側ルートや、小田急線狛江駅等を利用するスタジアム南側ルートの必要性、各駅とスタジアムを結ぶシャトルバスによる輸送計画などについて、様々な議論が行われた。
カ 東京スタジアムの改修整備計画について
 ラグビーワールドカップ2019TMの開催に向け、車いす席、昇降機、車いす対応トイレの増設などTokyo2020アクセシビリティ・ガイドラインに基づくバリアフリー対応をはじめとする東京スタジアムの改修工事の方向性について質疑が行われた。

4 今後に向けて
 本委員会では、これまで東京2020大会の開催に向けた様々な取組を調査してきたが、それは単に2回目の東京オリンピック開催ではなく、オールジャパンでの連携、気運醸成、被災地の復興、オリンピックのレガシーなど、開催を契機として東京や日本全体が活気づいていくような、そういった視点から精力的かつ前向きな議論をし、多くの意見を述べてきた。
 この間の議論でも新国立競技場の費用負担や新規恒久施設の整備や円滑な輸送といったハード面のみならず、ボランティアやセキュリティ対策、多言語対応などのソフト面等の課題も多く、そうした課題にも1つ1つ議論を行ってきた。
 特に新規恒久施設のコスト見直し、後利用などについては、パラリンピック競技の会場として必要な機能やオリンピックのレガシーを良い形で残せるよう、本委員会で何年にもわたり継続的な議論を重ねてきた。オールジャパンでの連携、特に都外の競技施設は関係自治体との調整・協力の上で実現し、コストの削減にもつながってきた。
 一方で、オリンピック・パラリンピック調査チームによる新規恒久施設の検討や一定の見直しが行われたが、最終的には当初計画の場所で新規恒久施設として整備することとなった。
 しかし、国と都と組織委員会並びに競技会場が所在する関係自治体による費用負担問題や大会輸送計画など課題は数多く残されている。引き続きしっかり議論を行い、あと3年後にまで迫った東京2020大会の開催準備を滞りなく進めていかなければならない。今後、こうした大会準備を加速させていくためには、開催都市である都、大会運営を担う組織委員会、開催国である国、競技会場が所在する関係自治体の各主体がそれぞれの役割を明確にした上で、緊密に連携し、責任を果たしていくことが極めて重要である。そのためには、まず二元代表制のもと、都議会と都がより緊密な意思疎通と情報共有を行い、十分なコンセンサスと都民の理解を得ながら進めていくことが不可欠である。
 本委員会における調査が、東京2020大会の成功に活かされることを強く希望して、本委員会の中間報告とする。

資料1
これまでIOC理事会に報告し、了承を得たオリンピック競技会場【32競技・35会場】
平成29年6月1日現在
競技名 立候補ファイル時(注1) 再検討後(注2) 会場変更
水泳 競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング オリンピックアクアティクスセンター 新設 オリンピックアクアティクスセンター 新設 水球 ウォーターポロアリーナ 仮設 東京辰巳国際水泳場 既存 有
マラソン10キロメートル お台場海浜公園 仮設 お台場海浜公園 仮設アーチェリー 夢の島公園 新設 アーチェリー会場(夢の島公園) 新設陸上競技 オリンピックスタジアム 計画 オリンピックスタジアム 計画バドミントン  夢の島ユース・プラザ・アリーナA 新設 武蔵野の森総合スポーツプラザ 計画 有
野球・ソフトボール — — 横浜スタジアム 既存 —
福島あづま球場 既存 —
バスケットボール 夢の島ユース・プラザ・アリーナB 新設 さいたまスーパーアリーナ 既存 有
ボクシング 国技館 既存 国技館 既存カヌー スプリント 海の森水上競技場 新設 海の森水上競技場 新設 スラローム 葛西臨海公園 新設 カヌー・スラローム会場 新設 有
自転車競技 トラック・レース 有明ベロドローム 仮設 伊豆ベロドローム 既存 有
ロード・レース スタート 皇居外苑 仮設 皇居外苑 仮設 ゴール 武蔵野の森公園 仮設 有
マウンテンバイク 海の森マウンテンバイクコース 仮設 伊豆マウンテンバイクコース 既存 有
BMX 有明BMXコース 仮設 有明BMXコース 仮設馬術 馬場馬術、障害馬術、総合馬術 夢の島競技場 既存 馬事公苑 既存 有
総合馬術(クロスカントリー) 海の森クロスカントリーコース 仮設 海の森クロスカントリーコース 仮設フェンシング 東京ビッグサイト・ホールB 既存 幕張メッセBホール 既存 有
体操 有明体操競技場 仮設 有明体操競技場 仮設ゴルフ 霞ヶ関カンツリー倶楽部 既存 霞ヶ関カンツリー倶楽部 既存ハンドボール 国立代々木競技場 既存 国立代々木競技場 既存ホッケー 大井ホッケー競技場 新設 大井ホッケー競技場 新設柔道 日本武道館 既存 日本武道館 既存空手 — — 日本武道館 既存 —
近代五種 フェンシング 武蔵野の森総合スポーツ施設 計画 武蔵野の森総合スポーツプラザ 計画 水泳、馬術、ランニング、射撃 東京スタジアム 既存 東京スタジアム 既存ボート 海の森水上競技場 新設 海の森水上競技場 新設ラグビー オリンピックスタジアム 計画 東京スタジアム 既存 有
セーリング 若洲オリンピックマリーナ 新設 江の島ヨットハーバー 既存 有
射撃 陸上自衛隊朝霞訓練場 仮設 陸上自衛隊朝霞訓練場 仮設スケートボード — — 青海アーバンスポーツ会場 仮設 —
スポーツクライミング — — 青海アーバンスポーツ会場 仮設 —
サーフィン — — 釣ヶ崎海岸サーフィン会場 仮設 —
卓球 東京体育館 既存 東京体育館 既存テコンドー 東京ビッグサイト・ホールB 既存 幕張メッセAホール 既存 有
テニス 有明テニスの森 既存 有明テニスの森 既存トライアスロン お台場海浜公園 仮設 お台場海浜公園 仮設バレーボール インドア 有明アリーナ 新設 有明アリーナ 新設 ビーチバレーボール 潮風公園 仮設 潮風公園 仮設ウエイトリフティング 東京国際フォーラム 既存 東京国際フォーラム 既存レスリング 東京ビッグサイト・ホールA 既存 幕張メッセAホール 既存 有
(注1)・(注2)
 既存:既存の競技会場(恒久工事の必要な競技会場を含む)
 計画:大会開催に関わらず新設する予定の競技会場
 新設:大会開催のために新設する予定の競技会場
 仮設:仮設の競技会場
◆サッカーについては、予選会場の追加を検討中。

資料2
これまでIPC理事会に報告し、承認を得たパラリンピック競技会場【22競技・18会場】
平成29年6月1日現在
競技名 立候補ファイル時 再検討後 会場変更
アーチェリー 夢の島公園 新設 夢の島公園 新設陸上競技 オリンピックスタジアム 計画 オリンピックスタジアム 計画バドミントン − − 国立代々木競技場 既存 有
ボッチャ 東京ビッグサイト・ホールB 既存 有明体操競技場 仮設 有
カヌー 海の森水上競技場 新設 海の森水上競技場 新設自転車競技 トラック・レース 有明ベロドローム 仮設 伊豆ベロドローム 既存 有
馬術 夢の島競技場 既存 馬事公苑 既存 有
5人制サッカー 大井ホッケー競技場 新設 青海() 仮設 有
ゴールボール 有明体操競技場 仮設 幕張メッセ 既存 有
柔道 日本武道館 既存 日本武道館 既存パワーリフティング 東京ビッグサイト・ホールA 既存 東京国際フォーラム 既存 有
ボート 海の森水上競技場 新設 海の森水上競技場 新設射撃 陸上自衛隊朝霞訓練場 仮設 陸上自衛隊朝霞訓練場 仮設シッティングバレーボール 有明アリーナ 新設 幕張メッセ 既存 有
水泳 オリンピックアクアティクスセンター 新設 オリンピックアクアティクスセンター 新設卓球 東京体育館 既存 東京体育館 既存テコンドー − − 幕張メッセ 既存 有
トライアスロン お台場海浜公園 仮設 お台場海浜公園 仮設車椅子バスケットボール 夢の島ユース・プラザ・アリーナB 新設 有明アリーナ 新設 有
夢の島ユース・プラザ・アリーナA 新設 武蔵野の森総合スポーツ施設 計画 有
車いすフェンシング 夢の島ユース・プラザ・アリーナA 新設 幕張メッセ 既存 有
ウィルチェアーラグビー 国立代々木競技場 既存 国立代々木競技場 既存車いすテニス 有明テニスの森 既存 有明テニスの森 既存
(注1)バドミントン、テコンドーについては、立候補ファイル提出後、東京2020パラリンピック競技大会の実施競技として選定された競技
(注2)「既存」「計画」「新設」「仮設」について
 既存:既存の競技会場(恒久工事の必要な競技会場を含む) 計画:大会開催に関わらず新設する予定の競技会場
 新設:大会開催のために新設する予定の競技会場      仮設:仮設の競技会場


豊洲市場移転問題特別委員会中間報告書

 本委員会は、平成28年10月13日に設置され、豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討を行ってきたところですが、これまでの経過について、別紙のとおり中間報告いたします。
平成29年6月2日
豊洲市場移転問題特別委員長
山崎 一輝
東京都議会議長
川井 しげお 殿

目次
1 本委員会の設置
(1)設置の経過
(2)委員及び役員
2 調査審議及び必要な活動の経過
3 調査・検討の概要
(1)「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」について
(2)「市場問題プロジェクトチーム」の会議について
(3)豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
(4)視察(豊洲市場)・意見交換
(5)地下水モニタリング調査に関する参考人からの意見聴取と関連する報告・質疑
(6)「市場のあり方戦略本部」について
(7)築地市場の土壌調査について
4 今後に向けて

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
 本委員会は、東京都議会として、豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討を行うことを目的として、平成28年10月13日の平成28年第三回定例会本会議において、小林健二君外109名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。


豊洲市場移転問題特別委員会設置要綱
1 名称
 豊洲市場移転問題特別委員会とする。
2 設置の根拠
 地方自治法第109条第1項及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的
  豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討する。
4 委員会の組織
  委員の定数は、23名とし、委員長1名、副委員長3名及び理事6名を置く。

(2)委員及び役員
ア 議長は、平成28年10月13日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
菅野 弘一君 栗林のり子君
伊藤こういち君 松田やすまさ君
小松 久子君 田中 朝子君
尾崎あや子君 和泉 武彦君
両角みのる君 中村ひろし君
上野 和彦君 島崎 義司君
田中たけし君 木内 良明君
鈴木あきまさ君 桜井 浩之君
山崎 一輝君 三宅 正彦君
かち佳代子君 曽根はじめ君
宇田川聡史君 崎山 知尚君
酒井 大史君

イ 平成28年10月13日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。
委員長  山崎 一輝君
副委員長 上野 和彦君
副委員長 鈴木あきまさ君
副委員長 三宅 正彦君
理事   伊藤こういち君
理事   尾崎あや子君
理事   和泉 武彦君
理事   中村ひろし君
理事   田中たけし君
理事   崎山 知尚君

ウ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年1月20日付け
○辞任  木内 良明君
○選任  小林 健二君

エ 平成29年2月7日の委員会において、中村ひろし理事の辞任が許可され、欠員となった理事1名が次のとおり互選された。
理事   酒井 大史君

オ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月15日付け
○辞任  三宅 正彦君
○選任  大場やすのぶ君

カ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月16日付け
○辞任  田中 朝子君
○選任  あさの克彦君

キ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月20日付け
○辞任  両角みのる君
○選任  おときた駿君

ク 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月22日付け
○辞任  大場やすのぶ君
○選任  三宅 正彦君

ケ 平成29年2月22日の委員会において、三宅正彦副委員長の委員辞任に伴い欠員となった副委員長1名が次のとおり互選された。
副委員長 酒井 大史君

コ 平成29年2月22日の委員会において、酒井大史理事の副委員長就任に伴い欠員となった理事1名が次のとおり互選された。
理事  あさの克彦君

サ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年6月1日の平成29年第二回定例会本会議で報告した。
平成29年4月7日付け
○辞任  崎山 知尚君 菅野 弘一君
     島崎 義司君 桜井 浩之君
○選任  小松 大祐君 鈴木 章浩君
     川松真一朗君 早坂 義弘君

シ 平成29年4月11日の委員会において、崎山知尚理事の委員辞任及び和泉武彦理事の理事辞任により欠員となった理事2名が次のとおり互選された。
理事  小松 大祐君 鈴木 章浩君

ス 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年6月1日の平成29年第二回定例会本会議で報告した。
平成29年5月25日付け
○辞任  三宅 正彦君
○選任  山下 太郎君

2 調査審議及び必要な活動の経過
 本委員会は、21回の委員会及び22回の理事会の開催並びに1回の視察を実施し、次のとおり調査・検討を行った。
年 月 日 委員会及び理事会の調査事項
委員会 理事会
平成28年
10月13日(木)
○委員長、副委員長及び理事の互選
○議席について
1 今後の委員会運営について
2 その他

11月25日(金)
1 運営要領について
2 今後の委員会運営について
3 その他

11月28日(月)
○報告事項(説明)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(概要・第1回・第2回)について
・市場問題プロジェクトチームについて
1 本日の委員会運営について
2 その他

12月2日(金)
○報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(概要・第1回・第2回)について
・市場問題プロジェクトチームについて
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

12月13日(火)
○報告事項(説明)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第3回)について
・市場問題プロジェクトチーム(第3回会議)について
○閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会日程について
4 その他

12月27日(火)
○報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリングについて
・市場問題プロジェクトチーム(第4回会議)について
○報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第3回)について
・市場問題プロジェクトチーム(第3回会議)について
1 本日の委員会運営について
2 その他

平成29年
1月23日(月)
○報告事項(説明)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第4回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

1月31日(火)
○報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第4回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

2月7日(火)
○理事の辞任及び互選
○報告事項(説明)
・豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
・市場問題プロジェクトチーム(第5回会議)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

2月14日(火)
○報告事項(質疑)
・豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
・市場問題プロジェクトチーム(第5回会議)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

2月22日(水)
○副委員長の互選
1 今後の委員会運営について
2 その他

2月25日(土)
○視察(豊洲市場)・意見交換

3月4日(土)
○参考人からの意見聴取
・地下水モニタリング調査について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

3月6日(月)
○委員会調査報告書について
注釈 委員長から、本日終了とする予定だったが、参考人からの意見聴取により新たな事実が判明したために、今後も審議を継続していくと理事会で申し合わせた旨の報告があった。
1 本日の委員会運営について
2 委員長口頭報告について
3 その他

3月13日(月)
○報告事項(説明)
・第9回地下水モニタリング調査の経過等について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

3月24日(金)
○報告事項(説明・質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第5回)について
○報告事項(質疑)
・第9回地下水モニタリング調査の経過等について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

3月25日(土)
○閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について

4月11日(火)
○理事の辞任及び互選
○報告事項(説明)
・市場問題プロジェクトチーム(第6回会議)について
・市場問題プロジェクトチーム(第7回会議)について
・市場のあり方戦略本部について
1 本日の委員会運営について
2 その他

4月18日(火)
○報告事項(質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第6回会議)について
・市場問題プロジェクトチーム(第7回会議)について
・市場のあり方戦略本部について
1 本日の委員会運営について
2 その他

5月9日(火)
○報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第8回会議)について
○報告事項(説明)
・市場のあり方戦略本部(第2回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

5月23日(火)
○報告事項(質疑)
・市場のあり方戦略本部(第2回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

5月30日(火)
○報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第9回会議)について
・築地市場の土壌調査について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他

6月2日(金)
○委員会調査報告(中間報告書)について
○閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 その他

3 調査・検討の概要
 本委員会は、平成28年10月13日に設置された後、これまで約8か月にわたり精力的に調査・検討を行ってきた。その際、諸課題について、優先順位をつけて理事者から報告を聴取し、その範囲内でスピード感を持って資料要求及び質疑を行ってきた。
 本委員会におけるこれまでの調査・検討の具体的な内容は、以下のとおりである。

(1)「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」について
 「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」は、生鮮食料品等を扱う豊洲市場において、食の安全・安心を確保する観点から、改めて土壌汚染対策について検討を行うために設置された。
 本委員会では、この会議で検討されてきた地下水モニタリング調査や地下ピット内及び補助第315号線高架橋下の空気・地下水等の測定結果、地下水位の状況などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、環境基準・指針値の意義や地下水の管理、地下水モニタリング調査における採水・分析方法などについて、質疑が行われた。
 なお、平成29年5月23日の委員会において、5月18日に開催された第6回専門家会議に関して理事者から説明があった。説明によると、当該会議は、議事の途中で傍聴人からの意見が集中し議事進行ができなくなったため、今後の対策について議論ができなくなり、一時休会したとのことである。

(2)「市場問題プロジェクトチーム」の会議について
 「市場問題プロジェクトチーム」は、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関し、情報を公開し、関係者から意見を聴くとともに、専門的見地からの知見の集約を行うために設置された。
 本委員会では、この会議で検討されてきた豊洲市場の施設の安全性・機能性や豊洲市場の事業継続性、第一次報告書案などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、「市場問題プロジェクトチーム」の役割・位置づけや豊洲市場の構造上の安全性、豊洲市場の収益・費用、第一次報告書案に対する専門委員からの意見などについて、質疑が行われた。
 なお、平成29年4月18日の委員会において、小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長に参考人として出席を求め、意見を聴くことについて、全会一致で決定した。しかし、5月9日の委員会において、委員長より、出席依頼をしたが、「知事への報告書のとりまとめに専念しなければならず、その作業もできていない段階で議会に説明することは控えさせていただきたい」との理由で、参考人として出席できない旨の回答があったとの報告があった。

(3)豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
 豊洲市場への移転延期に伴い市場業者等に生じている損失に対して行われる補償のスキームに関して、市場業者へのヒアリング結果や補償対象者・原則・対象項目、今後のスケジュールなどについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、ヒアリングの状況やつなぎ融資制度、補償に関する相談体制などについて、質疑が行われた。

(4)視察(豊洲市場)・意見交換
 本委員会では、平成29年2月25日、豊洲市場の現地視察を行うとともに、視察にご同行いただいた「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の平田健正座長及び中島誠フェローとの意見交換を行った。
 視察では、豊洲市場における地下水モニタリング調査の採水作業の様子や地下水が排水され床面が乾燥した地下ピット、補助第315号線連絡通路部の状況を確認した。
意見交換では、これまでの測定結果に関する詳しい説明を受けるとともに、市場関係者、都民、国民に対し、データから導き出された安全性を適切に説明していくことの重要性に関して議論が行われた。

(5)地下水モニタリング調査に関する参考人からの意見聴取と関連する報告・質疑
 平成29年3月4日、地下水モニタリング調査の採水及び分析などについて確認する趣旨で、参考人として招致した10者のうち出席のあった以下の6者から、技術的な部分を中心に意見聴取及び質疑を行った。
 参考人からの意見聴取では、作業実施当時の具体的な現場状況や採水・分析作業の実施体制や方法などについて、参考人が意見を述べた。
 意見を受け、採水・分析に関する詳細や作業体制、作業の適正性、事業者の実績などについて、質疑が行われた。
○ 株式会社日水コン 事業統括本部環境・資源部チーフエンジニア
○ 鹿島・西松・東急・岩田地崎建設共同企業体
代表者 鹿島建設株式会社 土木営業本部プロジェクト推進部次長
○ 清水・大林・鴻池・錢高建設共同企業体
代表者 清水建設株式会社 東京支店建築第四部部長
○ 大成・竹中・名工・大日本建設共同企業体
代表者 大成建設株式会社 環境本部環境イノベーション推進部長
○ 株式会社湘南分析センター 統括部長
○ ユーロフィン日本環境株式会社 環境ラボ副ディレクター 平井真砂郎 氏
小沢 明正 氏
望月 尚幸 氏
氏家 正人 氏
市川 泰之 氏
関  淳也 氏
 参考人からの意見聴取により、第1回から第8回の作業手順と第9回の作業手順が異なっていることが明らかとなった。そこで、まず、理事者から、第9回地下水モニタリング調査の経過等について、報告を聴取した。
 報告を受け、地下水採水手順書の作成過程及び利用実態、都と事業者との間の指示・報告内容、職員の意識改革に対する考え方などについて、第5回専門家会議において評価された内容も含めて、質疑が行われた。

(6)「市場のあり方戦略本部」について
 「市場のあり方戦略本部」は、専門家会議や市場問題プロジェクトチームによる検証の成果を集約した上で、残された諸課題を総点検し、総合的な判断に繋げるための庁内検討組織として設置された。
 本委員会では、この会議の位置づけや会議で議論されている豊洲市場の課題への対応・築地市場現在地再整備における課題・中央卸売市場会計の持続可能性の検証などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、会議のロードマップ上の整理や関係者へのヒアリングの状況、今後のスケジュールなどについて、質疑が行われた。

(7)築地市場の土壌調査について
 築地市場において、過去に環境確保条例に基づく手続きが必要であった8件の工事に関して、土地利用の履歴等調査届出書を提出後、土壌汚染概況調査が実施された。
 本委員会では、調査の概要や結果などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、結果に対する専門家の見解や汚染の分布状況、今後予定されている詳細調査の内容などについて、質疑が行われた。

4 今後に向けて
 以上のとおり、これまで本委員会は、都民、国民の関心が高い豊洲市場移転問題について、議会の権能を行使し、精力的に調査・検討を行ってきた。調査・検討に当たっては、限られた議会日程の中、通常は委員会が開催されない午前中や土曜日にも委員会活動を設定するなど、全会派が一致して、スピード感を持って取り組んできた。
 本報告書とりまとめ時点の平成29年6月2日現在、豊洲市場移転問題に関しては、第6回専門家会議が休会中であることに加え、市場問題プロジェクトチームの報告書のとりまとめが当初の予定より遅れており、これらも踏まえて、「市場のあり方戦略本部」で検討が続いている状況である。
 また、本委員会設置からこれまでの間、最新の豊洲市場の地下水モニタリング調査結果の公表や、築地市場の土壌調査の実施など、豊洲及び築地の両市場を巡る状況は刻々と変化している。最近では、小島敏郎専門委員の私案である「築地改修案」及び「豊洲移転案」が築地市場内の事業者等と意見交換されたことで、築地の現在地再整備が再び議論の俎上にのる一方で、都では豊洲市場を広く一般に公開し、生鮮食料品を扱う卸売市場としての現状をご覧いただくための都民向け見学会を実施するなど、新たな動きも生じている。
 このように、未だ最終的な結論が見えない中、引き続き、二元代表制の一翼を担う議会として、執行機関に対するチェック機能を全うする責務を的確に果たしていかなくてはならない。
 本委員会のこれまでの成果が、豊洲市場移転問題の一日も早い解決に向けて十分に生かされることを希望する。さらに、第19期都議会議員の任期が満了する平成29年7月22日まで、今後も引き続き、豊洲市場移転に向けた諸課題を解決するための調査・検討を行っていくことを表明し、本委員会の中間報告とする。

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