平成二十九年東京都議会会議録第四号

○副議長(小磯善彦君) 二十七番上田令子さん。
〔二十七番上田令子君登壇〕

○二十七番(上田令子君) 小池知事は就任以来、オリンピック・パラリンピック施設の再検討により四百億円超もの経費を圧縮し、関係自治体へ呼びかけ連携を進め、さらには復興五輪を掲げ、被災地へフラッグツアーで訪ね、豊洲移転に一旦立ちどまる英断を下し、前知事、前任者らの後始末に奔走しています。
 ひとえに土地、建物、税金、基金、物品などの都有財産はそもそも都民の共有財であり、不正も癒着も利権も入り込む余地を与えず、税金の無駄を徹底的に排除しようという知事の強い意思のあらわれと考えます。
 いうまでもなく、都民の財産は、都民ファースト、ワイズスペンディングの観点で、有効かつ有益に、毀損することなく利活用されるべきであります。保育所整備のため都有地を公表する等、これまでの知事がなし得なかった画期的な施策展開を進めていますが、小池知事の都有財産の管理、利活用への基本的な考え方をお示しください。
 都有財産の有効活用についてです。具体的に、都では、待機児童解消に向けた緊急対策にて、保育所などの整備を一層推進するため、都有地活用推進本部を設置、現在、全区市町村に対し二百二十八件の情報提供をしています。あわせて、とうきょうほうれんそうにより、保育所の開設を希望する者に、都有地に関する問い合わせ、活用の提案などを進めております。
 つきましては、一、財務局はこれに向け、適切に資産管理、把握を行っているのか、その上で適切に、関係部署にどのように情報提供や連携を図っているのか、具体的にご説明ください。
 二、また、推進本部やとうきょうほうれんそうを通じて問い合わせを受けた部署は、いかに区市町村や都民に情報提供、手続に向けてのサポートをし、待機児童解消に向けて対応しているか、現時点の実績と今後の事業展開に向けたご所見をお示しください。
 三、保育施設のみならず、例えば高層化の可能な用地では、介護、障害者向け総合施設等の併設など、柔軟かつ弾力的な検討を速やかに進めるか、ご所見を求めます。
 動物愛護政策です。
 知事は、環境大臣であった平成十七年、動物愛護管理法改正に当たり、動物取扱業の登録制、許可制の導入、責任者の設置等に取り組まれました。同時に、中央環境審議会に行政機関、動物愛護団体、動物の所有者等の団体らとのネットワーク、相互の共通認識の形成、共同関係の構築を図ることが肝要と基本指針が示されました。
 当時、所管大臣として愛護政策をリードされた知事が、十二年を経て都政事業として結実しつつあります。法改正のおかげさまで、昨年私の指摘を受け、劣悪猫カフェの資格停止処分が全国で初めて下されました。
 施政方針で、平成三十一年度までに殺処分ゼロを達成、老朽化した動物愛護相談センター本所について、新しい飼い主へのかけ橋となる施設へと明言された知事のこれまでの取り組みを踏まえた、包括的な愛護、共生地域社会の構築の実現に向けての意気込みと来年度に向けてのご所見をお示しください。
 また、殺処分ゼロを達成することで、子供が命の大切さを学ぶ機会の充実をも明示されていますが、教育現場の情操教育を通じた愛護への学びも大切であり、その一環として、多くの学校で動物が飼育されています。長期休暇もある小学校における命を通じた情操教育の現状と、動物愛護の観点に立った学校飼育動物の愛護につき、教育庁のご所見をお示しください。
 教育政策です。
 来年度予算は、教育機会の格差の解消を高らかに掲げております。現在、我が国では、いじめ、子供の自殺、虐待が報じられない日はないほどです。つきましては、昨今改定された教育施策大綱を受けての学校の現場の課題認識と、教育行政のあり方を確認します。
 学級担任がいじめに加担し、中二男子生徒が自殺をした中野富士見中事件から三十年がたとうとしております。愛知県でも、教員にいじめられたと自殺した生徒に対して、学校、教育委員会の説明、対応が二転三転しています。
 都では、体罰により処分を受けた教職員は、平成二十七年度五十八人、都の教員による前代未聞の児童ポルノ事件なども報じられ、改めて教職員の綱紀粛正が求められております。
 知事は定例会見で、教育の現場、教育の中身もさることながら、やはり教職員の人たちが働く環境、これをしっかり整えていくことが必要と述べられました。憲法二十六条で、中立性、専門性のもと、教育環境の整備が教育行政本来の役割であるとされております。
 つきましては、中井教育長に伺います。
 東京都教育施策大綱のもと、いかに都と区市町村、教職員が一丸となりこの役割を果たし、子供たちが安心して育ち、学ぶ場としての学校や各種施設における教育を保障していくのか、都教育委員会の役割について、考え方と具体策をご説明ください。
 いじめです。
 横浜市、千葉県、新潟県などで、被災地から避難してきた児童生徒へのいじめ、金銭の強要が明らかになりました。今週月曜には、残念ながら都内小学校における同様事案も報道されております。
 新聞投稿で、高校生が、原発事故で避難してきた生徒へのいじめのニュースを知り、僕はとても悲しい気持ちになった。なぜ避難をしたのかしっかりと大人が子供に伝えてほしかった。先生の配慮で大きな変化があると、学校での体験をもとに指摘しております。教育現場での被災者に対するいじめはもちろん、いかなる人権侵害も許されません。
 つきましては、いじめ防止条例制定、総合対策の制定から二年半余りがたちますが、その成果と課題をご説明ください。また、いじめ撲滅に向けて、都と区市町村が児童生徒ファーストを実現するために、教育行政の当事者たる子供たちの意見の反映をどのように進めていくのか、ご所見をお示しください。
 過去三年間における都内での教職員による児童生徒へのいじめ、あるいは生徒児童を傷つける発言等による処分事例の有無について、こうした事例が発生した場合の教職員への指導、職場復帰の状況についてご説明ください。また、さきの都内の小学校におけるいじめについての報道への対応もあわせてご説明ください。
 百条委員会が設置されるまでに至った豊洲問題事案に関してです。
 都におけるこれまでの内部統制の問題と、小池知事による改革本部設置やプロジェクトチームによる問題解決の成果と今後の取り組みについて伺います。
 監査委員制度は、地方公共団体の事務執行の正否や適性をチェックし、住民や議会が正しく判断するもととなる情報を提供、監査委員は、知事の指揮監督から職務上独立し、常に公正不偏の態度を保持して監査を実施しています。本来であれば、中央卸売市場が議会に虚偽の報告をさせるまでもなく、新たに調査チームをコストをかけて設置するまでもなく、事前に監査委員制度によるチェックができなかったのかと私はかねがね考えておりました。
 中央卸売市場として、今回の盛り土、地下空間事案を踏まえて、これからの工事入札と施工管理等、行政管理総体において、適正化をいかに進めていくかのご所見と現状、今後の対応について、具体的に因果関係を示した上でご説明ください。
 次に、監査委員についてです。
 監査事務局職員には一級建築士がおり、図面確認及び現地に赴いていたはずなのに、監査委員が盛り土、地下空間の問題を正せなかったのかご説明していただいた上で、今後の委員の指導的立場の実効性向上について、今回の反省を踏まえ、今後の具体的取り組みとご所見をお示しください。
 以上、内部統制、コンプライアンスを徹底することによって、都民が決める、都民と進める、当たり前のことが当たり前に行われる都政の実現を期待し、私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 上田令子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、都の財産に関する考え方についてのお尋ねがございました。改めて申すまでもなく、東京都という巨大な組織が有しております土地、建物、物品などの物、そして税金、基金などの公金、そして、職員などの人材は、すべからく都民の生活の向上、そして都民の幸せのために活用されるべき財産と考えます。
 その有効活用のためには、将来を見据えて、無駄を排除し、真に必要なもの、効果の大きい施策にその財産を投じていく、その判断こそが知事である私に求められていると存じます。
 お話にあった区市町村に対する保育所用地としての情報提供を初めとして、都政の透明化など、さまざまな改革を積極的に進めて、都民の皆様の意見にも耳を傾けながら、知事としてリーダーシップを発揮し、都の財産について、都民のために賢い活用を図ってまいります。
 次に、人と動物の調和のとれた共生社会の実現についてのご質問をいただきました。
 動物は家族の一員であります。そして社会の一員でもございます。私たちの生活に潤いや癒しを与えてくれる大切な存在でございます。私は、こうした考えのもと、動物愛護施策に力を注いでまいりました。
 平成三十一年度までに動物の殺処分をゼロにする。これは私の都民へのお約束でございます。必ず達成をし、人と動物との調和のとれた共生社会を実現したいと、このように思っております。
 そのため、今年度から、都独自に十一月を動物譲渡促進月間と位置づけまして、PRイベントの開催や私からのビデオメッセージの配信など、さまざまな取り組みに着手をしてまいりました。
 また、来年度につきましては、ボランティア団体と連携をいたしまして、離乳前の子猫の育成や譲渡を行う取り組みを始めるとともに、譲渡活動を広く都民に発信するサイトも開設してまいります。
 老朽化した動物愛護相談センター本所につきましては、移転、改築をいたしまして、都民が来所したり、見学しやすい環境や譲渡会などのイベントを開催するスペースを整えるなど、新しい飼い主へのかけ橋となる施設にしてまいりたいと存じます。
 残余のご質問については、教育長、関係局長からご答弁をさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、小学校における動物飼育についてでございますが、子供たちが学校生活の中で動物と触れ合い、飼育に直接かかわることは、生命の尊重や思いやりなど、動物愛護の心を育成する上で重要でございます。
 都内の公立小学校では、動物愛護管理法や学習指導要領等に基づき、生活科や特別活動等で小動物を適正に飼育する体験を通して、生き物に対する親しみや生命のとうとさなどを実感する教育を行っております。
 また、都教育委員会が指定する小学校動物飼育推進校では、獣医師の指導のもと、動物の生態や長期休業中も含めた飼育方法等について、子供と教員が計画的に学ぶ取り組みを実践しております。今後とも、区市町村教育委員会と連携し、小学校における動物飼育を通した命の教育を推進してまいります。
 次に、子供たちの安心な学びに対する都教育委員会の役割についてでございますが、都教育委員会は、東京都教育施策大綱に基づき、全ての子供が将来の希望を抱き、持てる力を伸ばせる教育の仕組みを整えるとともに、悩みや課題を抱える子供へのサポートを充実する取り組みを推進しております。
 具体的には、誰もが安心して学べる環境整備としての給付型奨学金の創設、基礎学力の定着を図るきめ細やかな教育の推進、多様な専門人材の活用によるいじめ防止や不登校対策の充実などに取り組んでおります。
 今後、こうした取り組みを一層推進するため、区市町村教育委員会や学校と連携しながら、子供たちの安心な育ちや学びを支える教育を実現してまいります。
 次に、いじめ対策についてでございますが、いじめ総合対策に基づく学校の取り組みの成果としては、教職員による子供への定期的な面談等により、相談しやすい体制が整ったこと、また、課題としては、いじめに対する組織的対応の徹底を図ることなどが挙げられます。
 これらの成果と課題を踏まえ、都教育委員会は、教職員が一体となって、人権尊重の理念に基づき、子供の訴えを共感的に受けとめるとともに、子供に誤った認識や偏見を抱かせないための指導を徹底することができるよう、本年二月に策定したいじめ総合対策第二次の中で、教員研修や授業のプログラムを示したところでございます。
 今後とも、都教育委員会は、教職員がいじめ防止対策推進法等の法令を遵守し、子供をいじめから守り抜くことができるよう、学校の取り組みを全力で支援してまいります。
 最後に、教職員による児童へのいじめ等についてでございますが、過去三年間において、教職員による児童生徒へのいじめと認定し、処分を行った事例はございませんが、教職員が一時的な感情から児童等に対して不適切な発言等を行ったことにより、処分した事例は三件ございます。
 都教育委員会は、教職員のこうした行為に厳正に対処するとともに、被処分者に服務事故再発防止研修を実施する等、反省を促し、区市町村教育委員会等と連携して、児童等の心のケアを行った上で職場復帰をさせております。
 なお、先日報道があった原発事故による避難児童へのいじめにつきましては、現在、当該地区の教育委員会が調査を開始しております。
 都教育委員会は、調査を適切に進めるよう、地区の教育委員会に既に助言を行ったところでございます。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 都有地を活用した保育所等の整備についてでございますが、都は、全庁横断的な都有地活用推進本部を設置し、都有地を活用した保育所等の整備推進に向けまして、全庁を挙げて土地の洗い出しを行いました。
 洗い出しに当たりましては、都民から負託を受けた貴重な都有地を効率的かつ効果的に活用するため、事務局である財務局から各局に対しまして、それぞれが所有する行政財産を含め、活用可能性のある土地につきまして、可能な限り情報提供してもらえるよう依頼をいたしまして、各局等もこれに応え、精力的に所管の土地を調査し、洗い出しを進めたところでございます。
 こうした取り組みを踏まえまして、各局等から提供された都有地につきまして、財務局の未利用地と合わせ、先月、区市町村に対して情報提供をしたものでございます。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、とうきょう保育ほうれんそうについてでございますが、都は昨年十月、区市町村や民間保育事業者等からの都有地に関する照会や提案などを受け付ける窓口、とうきょう保育ほうれんそうを開設し、先月末までに五十二件の問い合わせがございました。
 この窓口では、問い合わせに対し、土地の現況や活用可能な時期のほか、貸し付けに必要な手続などを回答しておりまして、一部の土地につきましては、区市町村や事業者から保育所としての活用意向が示されております。
 本年一月には、事業者の公募など区市町村の適切な関与を条件に、事業者への転貸を前提とした都有地の区市町村への貸付制度も開始しておりまして、今後とも都有地を活用して区市町村が保育所を整備できるよう支援してまいります。
 次に、福祉インフラ整備における都有地活用についてでありますが、都は、地域の福祉インフラの整備を促進するため、保育所を初め福祉施設の運営事業者等に対して、未利用の都有地を減額して貸し付けております。保育所のほか、高齢者や障害者の施設も貸付対象としておりまして、区市町村の意向によっては、それらの施設を一体的に整備することも可能となっております。
 今後とも、区市町村が地域のニーズを踏まえて福祉インフラの整備を進められるよう、都有地の有効活用を図ってまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 中央卸売市場の組織運営についてでございますが、豊洲市場に地下空間が設置され、盛り土がなされなかったことや、事実と異なる説明を行ってきたことなどにつきましては、二次にわたる自己検証報告書の中で、経緯を含め責任の所在を明らかにいたしました。
 このような事態を招いた要因といたしましては、意思決定プロセスの不備やチェック体制の不足、連携不足など、組織運営上のシステムの問題と認識しております。
 これらを踏まえまして、部門間や市場間、関係局との連携強化、適時適切なタイミングでの上司への報告など、情報の共有化を図るとともに、法令遵守の観点からの総点検を実施することとしております。
 こうした取り組みを積極的に進めることによりまして、組織の適正な運営に努めてまいります。
〔監査事務局長猪熊純子君登壇〕

○監査事務局長(猪熊純子君) 工事監査についてでございますが、工事監査は、都が行う工事などを対象として、技術面から工事が適正に行われているかなどを主眼に、監査案件を抽出の上、実施しております。
 工事関係書類について、積算や設計などの基準に適合しているか審査した上で、必要な場合は現場に赴き、契約内容どおりに施工されているか、監査を行っております。
 監査では、工事の計画が適切に策定され、関係書類に反映されていることを前提に実施しております。豊洲市場についても同様に実施した結果、指摘は見つかりませんでした。
 工事監査の実効性をより高めるため、平成二十九年監査基本計画において、長期間にわたる大規模工事などについては、設計、施工が計画どおりに適正に行われているかを含め、確認することとしたところでございます。

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