平成二十九年東京都議会会議録第三号

○議長(川井しげお君) 六十一番中山信行君。
〔六十一番中山信行君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○六十一番(中山信行君) 初めに、都外の知的障害者の施設における地域移行について質問します。
 平成十八年、私は都議会公明党の一員として、秋田県内の都外施設を視察しました。折しも都民である利用者の方々は、豊かな自然に恵まれた生活の中で、リンゴや農作物などの収穫を楽しまれていました。東京で暮らす両親や家族も毎年リンゴが届くことを楽しみにしており、職員の方々も優しい笑顔でお世話されていました。
 周囲の無理解などから、都内ではまだ知的障害者の施設の建設が進みにくかった時代に、救いの手を差し伸べてくださったのが、秋田県など、現在の都外施設を支えてくださる各地元地域の皆様であります。まず、こうした歴史を持つ知的障害者の都外施設を都として今後も堅持することについて、小池知事の見解を求めます。
 そうした都外施設でありますが、いざ地域移行となると、都内に戻る道しかない点が課題でありました。入所から何十年も経た現在、既に都内の両親は高齢化し、兄弟姉妹も独立しています。必ずしも都内に戻ることが最善の道とは限らない状況にあります。
 私は、昨年の予算特別委員会や厚生委員会で、利用者にとって住みなれた都外施設の周辺でグループホームの整備が進むよう、都内への地域移行と同様に補助すべきと主張しました。この主張に応え、都は来年度、どう具体的に対応するのか説明を求めたいと思います。
 次に、国立市内の多摩障害者スポーツセンターについて質問します。
 かつての障害者スポーツは、あくまでリハビリやレクリエーションといった位置づけでありましたが、今では生きがいや社会参加、さらにはスポーツ競技としての魅力に注目が集まり、アスリートの育成も課題になっています。
 しかし、同センターは、古い時代の昭和五十九年に開所したものであり、今から見れば障害者スポーツの拠点とは呼びがたいような設備のまま老朽化し、ようやく改修のタイミングを迎えています。
 そこで我が党は、改善すべきポイントを利用者の皆様とともに確認し、その内容を一昨年の第三回定例会の代表質問に尽くしたところであります。
 改修工事は、現在、基本設計が完了した段階と聞きます。障害者スポーツの一層の振興に役立つ改修とすべきであります。利用者への適切な情報提供も含め、見解を求めます。
 私は一月二十三日、二棟の高層の都営住宅を活用した墨田区白鬚橋の都の防災用の備蓄倉庫を地元の加藤雅之議員とともに視察しました。使用期限の定めがないためか、カーペットや毛布類などは、昭和五十年代に備蓄された当時のまま保管されており、こん包にはほこりがかぶり、カビの発生が心配されるような状態でした。
 さらに問題なのは、備蓄品のこん包の重さです。二、三人で持ち上げても重く、全て人力で運ぶというのは困難です。倉庫にはエレベーターが停止した場合の備えとして、らせん式シューターも用意されていますが、そこまで運ぶ途中に段差や障壁があり、実用に適しません。加えて、油圧式のハンドリフトなどを用いた方が明らかに効率的に運べるのですが、パレットを敷いて積んでいない備蓄品も多く、ハンドリフトが使えない状態も見受けられました。
 さらに、十三階という高層二棟の各フロアに分けて備蓄をしているにもかかわらず、一台ずつしかハンドリフトを用意していないこと自体が問題であります。
 災害が発生した場合、備蓄品は都の職員に加え、支援協定を結ぶトラック協会の方々によって運び出すことになります。作業に伴う負担をあらかじめ可能な限り減らしておく必要があります。備蓄品のパレット積み化を進めるとともに、こん包の少量化、軽量化に向けてリパックを急ぐべきであります。
 都は今後、倉庫管理や物流などの専門的知見の導入を図り、備蓄倉庫の実用性を高めるべきと考えます。見解を求めます。
 加えて、区市町村の倉庫内に多くの都の備蓄品が保管されています。私が地元の足立区の倉庫を視察した際、区の担当職員は、都の備蓄品に関するリパックの見通しなどについて、何の情報も得られていないという点を大変危惧していました。
 都は今後、区市町村との情報交換を進め、設置主体の相違を超えて、都内全体の備蓄倉庫の機能性の向上を図るべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都外から届く支援物資の搬送について伺います。
 被災時にあっては都内の道路事情は混乱し、大型車両で避難所まで運ぶのは困難です。打開策としては、都県境に近く、しかも高速道路の出口に近い大手運送会社のターミナル施設などを活用し、小型車両への積みかえを図る方法があります。積みかえ拠点の選定を含め、都は、関係自治体や民間企業との協議に取りかかるべきであります。見解を求めます。
 また、積みかえ後の搬送には、トラック協会に所属する中小運送会社の協力が不可欠であります。災害時に円滑に積みかえができるよう、新たに選定される積みかえ拠点で訓練を重ね、あらかじめ課題を把握し、その解決を図っておくべきであります。見解を求めます。
 次いで、経済的に困窮する生活からの立て直しについて、二点質問します。
 まず、居住の安定です。
 子育てには一定の広さを必要としますが、都内で安い家賃で広めの物件を確保することは難しく、都営住宅に入居しやすくするための工夫が必要です。まずは収入基準などの入居要件を、子育て中の世帯の実態に合わせ改善すべきと考えます。加えて、現在、都営住宅では年二回、若年ファミリー向けの優先入居の募集を行っていますが、新入学や引っ越しシーズンなどの需要が高まる時期に入居できるとは限りません。
 今後は、随時適時の募集に切りかえるなど、募集回数をふやすべきであります。あわせて見解を求めます。
 次いで、進学支援であります。
 親の経済力に左右されない教育の機会の保障は、貧困の連鎖を断ち切る上で大事な取り組みです。既に都は生活保護受給世帯に対し、高校進学に要する塾代や受験料、高校での学習継続に要する塾代を支給しています。しかし、保護世帯では利用できない受験生チャレンジ支援貸付事業に比べると限度額に差があり、しかも、大学受験料が対象外になっています。我が党が昨年十二月の第四回定例会の代表質問で取り上げたこの課題に関し、都は今後、具体的にどう改善を図るのか見解を求めます。
 次に、病児保育について質問します。
 病児保育の推進は福祉保健局の所管でありますが、都みずからの率先垂範も重要であります。そこで私は、一昨年の予算特別委員会と昨年の厚生委員会で、都立病院と公社病院での病児保育の実施を求め、質疑いたしました。
 とりわけ東部地域病院は、病院が立地する葛飾区と足立区との区境に存在しており、両区の公明党はともに、同病院を活用した病児保育の実現に向け、それぞれの区長に対し具体的な推進を申し入れしています。
 病児保育は喫緊の課題であります。病院経営本部は取り組みを加速し、病児保育の円滑な実施に努めるべきであります。見解を求めます。
 次に、旗ざお地の規制について質問します。
 足立区では、四メートル以下の狭隘道路の奥に空地が広がる旗ざお地内に大規模な長屋住宅を建設する事例を初め、安全性の確保が懸念される長屋計画が、竹ノ塚駅近くなど数カ所で相次いでおり、問題になっています。
 旗ざお地では原則、共同住宅や寄宿舎の建設は禁止されていますが、個々の住戸の玄関が直接に二メートル以上の通路に接する長屋形式であれば、戸数制限はあるものの建設が認められています。
 問題は、都が平成五年及び十二年に建築安全条例を改正し、準耐火建築物の木造の長屋を戸数制限の対象外とした点にあります。木密地域に限らず、二メートルほどの狭隘通路では消火活動が困難であります。壁が準耐火材であっても、長く炎の熱を浴びれば窓などが壊れ、そこから室内の可燃物に燃え移ります。戸数が増すほど延焼の危険も消火活動の困難も増してきます。
 そのため、足立区議会は全会一致で意見書を決議し、都の規制強化を求めています。同様の事例に苦慮する世田谷区では、建築基準法に基づかない独自の条例を設けて、一戸当たりの面積要件やセットバックを促しています。足立区も同趣旨の基準を要綱に取りまとめ、今月から指導を開始しており、年内には条例化を目指すとのことであります。
 さらに、足立区の調査では、現時点で判明しているだけでも、同様の問題を抱える区は既に六区あり、同じ問題意識を抱く区がほかに六区もあります。しかし、区が単独の自治条例で設ける面積要件などの制限に従うとしても、直接、戸数を制限できないので、広い空地への大量の長屋の建設計画は阻止できません。
 また、区が直接戸数制限や通路幅員の強化を試みることは、都条例に矛盾抵触するおそれがあり、条例化になじみません。無理に強行しても、建築確認と連動しない条例であるため、従わない事業者の確認申請などを拒めない状況になります。
 平成五年、十二年の改正には、塩漬け空地の開発を促すという意味で一定の効果があったと考えますが、防火、防災という課題に直面し、責任を負うのは地元自治体であります。規制の強化を必要とする自治体の取り組みが効果を上げられるように、都条例を改正するべきであります。都技監の見解を求めます。
 都の改良土施設を活用した高台公園について質問します。
 足立区中川に立地する通称土づくりの里は、都内区部の下水道工事に伴う掘削土を仮置きし、液状化しにくい土壌に改良してから埋め戻す役割にあります。しかし、地元にとっては暫定だから認めてきただけの、土ぼこりが絶えず大型車両の出入りも続く迷惑施設であります。私も再三、一日も早い迷惑状態の改善を求めてまいりました。
 下水道局は、平成二十五年の九月、土づくりの里の恒常的な運用を打ち出すとともに、四ヘクタールもの施設を覆って、上部を都市公園化する方針を示しました。周辺の町会、自治会から構成される協議会で検討が進む中、平成二十七年五月、土づくりの里の直接の地元である大谷田東町会は総会を開き、地元要望への善処を条件に覆蓋化案の受け入れを決議しました。
 同施設の操業開始は昭和六十三年、平成十七年に前任都議から対応を引き継いだ私としても、大所高所に立って決断を下された地元町会に敬意を表したい気持ちでいっぱいです。覆蓋公園が完成すれば中川水再生センターの上部の屋上公園と合わせて、水害に強い、約八ヘクタールもの高台公園が出現します。
 今後、覆蓋の体整備を担う下水道局と覆蓋上部の公園整備を担う建設局は、地元要望に真摯に対処するべきです。また、既存の屋上公園に存在している突起状のトップライトは、これを機に除去するべきと考えます。
 加えて、周囲にスロープやエレベーターを整備するなどして、周辺住民の高台公園への円滑なアクセスや、平地である中川公園B地区との一体的利用を実現するべきと考えます。下水道局、建設局、それぞれの見解を求めます。
 最後に、都バスの安心対策について伺います。
 昨今、センサーで障害物を察知して、事故の回避を図る自動ブレーキなどの開発が進んでいます。既に乗用車では実用化され、大型の貨物輸送車でも進む予定となっています。しかし、都バスの乗客は着席していてもシートベルトはしておらず、つり革などに立って乗車する利用者も多くいます。障害物を感知するごとに急ブレーキがかかるようであれば、かえって事故がふえることにつながりかねません。
 都は、ヒューマンエラーを防ぐための取り組みの一環として、都バス車両において、東京の道路事情やバス事業の特性に適した都独自の安全対策を、最新の技術革新を踏まえて導入すべきと考えますが、見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 中山信行議員の一般質問にお答えをさせていただきます。
 知的障害者の都外の施設についてのご質問がございました。
 東京都外にある障害者の入所施設は、在宅福祉サービスが十分ではなくて、都内での土地確保が難しかった昭和四十年代から平成の初めにかけて整備をされてまいりました。
 これらの都外施設は、入所による支援を必要とする約三千人の障害者に、安定した生活の場を提供するという大きな役割を担っております。
 今後とも、利用者に質の高いサービスを提供いたしまして、安定した運営ができるように、都外施設を支援してまいりたいと考えております。
 その他、残余の質問につきましては、技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監邊見隆士君登壇〕

○東京都技監(邊見隆士君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都営住宅での子育て世帯への支援についてでございます。
 人口減少社会に向かう中、安心して子供を産み育てることができ、子供たちが健やかに成長できる環境を整えることは重要でございます。
 このため、子供の成長とともに教育費の家計負担が重くなることを勘案し、入居する世帯の収入基準を緩和する要件について、同居する子供の年齢を、現在の小学校就学前までから引き上げることを検討してまいります。
 また、居住者の転出入に際して、それに要する期間を圧縮することなどにより、これまで以上にストックを有効活用することで、募集回数の増加や募集戸数の拡大を図り、子育て世帯を対象とした都営住宅への入居機会の一層の充実に取り組んでまいります。
 次に、大規模長屋についてでございます。
 平成二十三年度に世田谷区で起きた紛争を契機として、大規模長屋に係る規制のあり方について、都と特別区とで協議がなされてございます。
 当時、地域により状況が異なることや、独自の条例を制定した区では事態の鎮静化が見られたこともあって、引き続き特別区間で情報交換や検討を行っていくことが、特別区の副区長会で確認されてございます。
 今般、一部の区で再び紛争などが起きていることから、都は、区や市の建築主管部課長会に対して、大規模長屋に関する見解の取りまとめを依頼したところでございます。
 都は引き続き、区市と連携し状況把握に努めるとともに、その見解も踏まえて規制のあり方について検討してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都外施設入所者の地域移行についてでありますが、都は現在、三カ所の都外入所施設に地域移行促進コーディネーターを配置し、入所者の希望を把握いたしますとともに、グループホームでの生活体験の機会を提供するなど、地域移行を支援しております。
 今年度は、施設入所者やその家族に対しまして、地域移行について具体的な意向を把握するための調査を実施いたしました。その結果を踏まえまして、来年度から、都外施設入所者が都内のグループホームに移行した場合に行っている受入れ先への支援について、都外施設周辺に移行した場合にも拡大することといたしました。
 今後とも、都外施設入所者やその家族の希望を十分に踏まえながら、地域生活への移行を積極的に支援してまいります。
 次に、備蓄物資の保管についてでありますが、都は現在、二十一カ所の備蓄倉庫を設置し、アルファ化米、クラッカー等の食料や、毛布、敷物、紙おむつ、生理用品等の生活必需品を備蓄しております。こうした備蓄物資を災害時に効率的に搬出できるよう、食料品につきましては、賞味期限に合わせてパレットを利用した保管方法へ変更するとともに、備蓄倉庫へのハンドリフトの配備を順次進めております。
 一方、お話のように毛布、敷物については、個々のこん包が大きい、使用期限の定めがないため、こん包の状態が古いなどの課題がございます。そのため、今後、物流事業者など関係機関の助言も得ながら、再こん包など、備蓄物資の保管方法等の検討を進めてまいります。
 次に、備蓄倉庫の機能向上についてでありますが、都は、二十一カ所の備蓄倉庫に加え、都内全ての区市町村との寄託契約に基づき、区市町村設置の備蓄倉庫六百七十九カ所に、都が購入した物資を備蓄しております。寄託している備蓄物資のうち、毛布、敷物の保管状況につきましては都の倉庫と同様の課題があることから、区市町村と意見交換を行い、保管方法の検討を進めてまいります。
 また、毎年、区市町村や関係機関と実施している訓練を通じ、備蓄倉庫の機能向上に向け、随時必要な検証や見直しを行ってまいります。
 最後に、生活保護世帯の子供の進学支援についてでありますが、都は現在、生活保護世帯の中学生、高校生の学習を支援するため、学習塾等の費用助成を行う区市に対し、包括補助で独自に支援をしております。
 来年度は、受験を控えた中学三年生及び高校三年生に対する補助上限額を、これまでの十五万円から二十万円に引き上げますとともに、高校三年生に対し、八万円を上限に大学等の受験料の補助を開始いたします。
 また、現在、高校生に対して包括補助を活用した学習支援を行っている自治体が一区一市にとどまっていることから、説明会や課長会などさまざまな機会を捉えて区市に働きかけるなど、生活保護世帯の子供たちの進学を支援してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) 多摩障害者スポーツセンターの改修についてでございます。
 平成二十六年に策定いたしました改修計画では、利用者ニーズ調査に基づきまして、老朽化対策、利便性向上、競技力向上の三つの方針を定め、施設の機能向上を実現することにより、障害者スポーツの一層の振興を図ることといたしております。
 現在、この方針に沿ってスポーツ器具庫の設置による運動スペースの拡大や、障害のある方の移動に配慮したサウンドテーブルテニス室の移設、車椅子駐車場の通路部への屋根の設置、家族更衣室や宿泊室の間取りの改善などを実施設計の中で検討をしているところでございます。
 今後は、工事の概要を都民に公開していくほか、定期的に開催している利用者懇談会などの場を活用いたしまして、工事に係る情報提供や意見聴取を行い、利用者ニーズにかなった施設となるよう改修に取り組んでまいります。
〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、支援物資の積みかえ拠点についてですが、昨年四月の熊本地震では、県の地域防災計画で位置づけられていた施設が被災により使用できなかったことから、県外に所在する民間の流通センターを活用し、物資の受け入れや各市町村、避難所への配送を行ったということがございました。
 これを踏まえ、昨年十二月に国のワーキンググループが公表した報告では、拠点設置に当たり、近隣都道府県等も含めた広域的視点の必要性や、国が物流事業者の拠点をリスト化すべきことなどに言及しております。
 都としても、ご指摘の点も含め、物資輸送の実効性を高める検討は非常に重要であると認識しております。民間施設の活用は、通常物流との兼ね合いなどの課題もあるため、国の検討を注視しつつ、各事業者や近隣自治体、区市町村等と緊密に連携し取り組んでまいります。
 次に、訓練を通じた物資輸送の円滑化についてですが、災害対応力を強化するためには、訓練により課題を洗い出し、その解決策を検討し、そして次の訓練に反映させる継続的な取り組みが不可欠でございます。
 こうした認識のもと、例えば、都の拠点での支援物資の荷さばきや区市町村への輸送訓練では、事前、事後に民間物流事業者等と意見交換を行うことで、課題や問題意識を共有するとともに、拠点施設内の動線や物資の搬出手段の変更などの改善を図ってまいりました。
 今後とも、拠点施設のあり方を初め、円滑な物資輸送体制の構築に向けた検討を不断に行うとともに、その結果を踏まえ、訓練における会場や参加者などの条件設定が、より実際の災害に即し、課題の解決につながるものとなるよう、創意工夫を重ねてまいります。
〔病院経営本部長内藤淳君登壇〕

○病院経営本部長(内藤淳君) 東部地域病院における病児保育についてでございますが、その実施に当たっては、病院が所在する葛飾区に加え、隣接する足立区からも要望があることから、複数区の児童を受け入れる広域利用という手法が必要であると認識しております。
 現在、都側におきましては、病院内における保育室の設置場所や病児保育を医療面からサポートする小児科の診療体制等について検討するとともに、広域利用の円滑な実施に向けて、既に両区を交えた協議の場を設置いたしました。
 一方、事業規模や利用方法に係る取り決め、地区医師会との協議など、関係する両区において対応すべきさまざまな課題もございます。
 今後、両区における調整状況を踏まえつつ、病児保育の早期実施に向けた準備を進め、働きながら安心して子育てができる環境づくりに貢献してまいります。
〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) 土づくりの里の覆蓋化に向けた取り組みについてでございますが、下水道局では、昭和六十三年に土づくりの里を運用開始して以来、土ぼこり対策や交通誘導員の配置、施設見学会の開催など、地元に受け入れていただける施設となるよう取り組んでまいりました。
 現在は、足立区が主体となり設置され、当局もオブザーバーとして参加している中川公園整備検討協議会において、公園となる覆蓋上部の利用方法などについて、地元の要望が取りまとめられているところでございます。
 今後とも、議員ご指摘の、以前からいただいているトップライトの撤去などのご要望も踏まえ、建設局、足立区等と連携を図りながら、覆蓋の設計に取り組んでまいります。
〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 中川公園の整備についてでございますが、本公園は、下水道施設と重複して決定された面積約二十七・六ヘクタールの都市計画公園でございまして、現在、中川水再生センター上部を含む約十二ヘクタールを開園しております。
 都はこれまで、子供の遊びや運動に利用される広場のほか、震災時の避難場所としての機能を向上させるため、非常用照明やマンホールトイレ等を整備してまいりました。
 今後、覆蓋化される土づくりの里の上部を公園として整備することとしており、その整備計画の策定に当たりましては、区が主体となった協議会が取りまとめる地元からの要望を受けまして、覆蓋上部の公園へのアクセス向上などの検討を進めてまいります。
 引き続き、下水道局や地元区等と緊密に連携して、中川公園の整備に取り組んでまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 都営バスのハード面を含む安全対策についてでございますが、安全の確保には、乗務員みずからが安全について考え、常に基本動作を徹底することが重要でございます。このため、都営バスでは、ドライブレコーダーの画像などを活用した安全研修や乗務員同士が安全について考えるグループ討議など、乗務員に対する安全教育の充実を図っております。
 その上で、車両の安全対策といたしまして、雨でも曇らない熱線式サイドミラーや左折時警報装置を導入しております。また、現在、都内の厳しい走行環境の中で、人や自転車等の接近を検知するセンサーの実証実験を行っておりまして、来年度からの導入を目指しております。さらに、メーカーに対し、路線バス用の衝突被害軽減システムを開発するよう働きかけてございます。
 今後とも、ソフト、ハード両面から、都営バスの安全対策に積極的に取り組んでまいります。

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