平成二十九年東京都議会会議録第三号

○副議長(小磯善彦君) 四十七番高椙健一君。
〔四十七番高椙健一君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○四十七番(高椙健一君) きょう三月一日からは、春の火災予防運動が始まります。電気設備機器関連の火災が多くなっていると聞いております。消防庁によりますと、特に電気ストーブ、差し込みプラグの火災が多いということなので、皆さん十分ご注意くださいませ。
 それでは質問に入ります。
 多摩振興についてお尋ねします。
 昨年、小池知事就任後の第三回定例会に出されました所信表明の終わりの言葉で、東京がまだ市であった時代、第七代東京市長を務められた後藤新平氏の残した自治三訣のお話をされ、私も強く共感したところでございます。
 甲州街道沿いにあった旧谷保村から現在の国立市になったのは、その後藤新平氏が関東大震災から帝都東京を復興させる中にあって、神田一ツ橋にあった大学の移設地を求めたことから始まります。国分寺駅と立川駅の間に国立駅というものをつくり、その南側ロータリーを中心として放射状の道路をつくり、現在の一橋大学が移転しました。
 今、都立国立高校、都立第五商業高等学校、有名私立校があり、すばらしい学園都市となっております。
 昨年暮れ、国立市の財政再建をされた佐藤市長が急逝され、年末の選挙で佐藤市政を継承する永見新市長が誕生いたしました。国立市は、ことし市制五十周年を迎えました。永見市長も国立市の第七代市長となったわけでございます。
 ここでは国立市の例を挙げましたが、多摩の市町村はそれぞれに固有の歴史があります。
 現在、多摩の市町村は、行財政改革に真摯に取り組みながら、膨大な住民ニーズに応えるべく日々尽力されております。それでも財政状況は依然厳しく、こうした住民ニーズに的確に応えていくためには、市町村の一般財源を補完する制度である市町村総合交付金が必要不可欠であります。
 今定例会に小池知事初の予算原案が出されました。市町村総合交付金も五百億円を組んでいただき、多摩・島しょ地域の観光産業振興ネットワーク事業にも力を入れていただけるようなので、大変うれしく喜ばしく思っております。
 多摩・島しょの基礎自治体は区部との制度の違いがありますが、区部にお住まいの都民も多摩にお住まいの都民も、同じ都民でございます。
 総合交付金につきましては、今後、五百億円にとどまらず、さらなる充実をしていかなければならないと考えます。多摩の各市町村が抱える課題の解決に向け、市町村総合交付金を初めとする財政支援の充実はもとより、都が実施するさまざまな事業も着実に推進していくべきものと考えますが、知事の見解をお伺いします。
 多摩の観光産業振興ネットワーク事業についてお尋ねします。
 年々、海外から東京を訪れる旅行者が増加しております。多摩地域でも、国内はもとより、海外からの観光客誘致に向けて、観光協会による取り組みや商工関連の団体が、積極的な企画やプロジェクトを検討されております。それらの団体が連携協力してネットワーク化していけば、その効果はより高いものになっていくと私は考えます。
 商工関連の団体を初めとするさまざまな主体が協議会を設けて、観光振興の企画を行う取り組みやその実現を図る取り組みをサポートすることが必要として、都はこのたび、この取り組みを次年度予算案に盛り込みました。この事業についての説明を求めます。
 都市計画道路についてお尋ねします。
 過去数回、多摩南北道路につきましての質問をさせていただいております。南北幹線道路は、日常の人の移動や物資輸送、何より病人やけが人の緊急搬送、そして災害時の緊急車両の移動にも重要な役目があります。小池知事もご経験なさったと思いますが、多摩地域の車での移動は、まだまだ時間的に困難さが残ります。
 このたび、立川広域防災基地内に、災害時における救援物資の備蓄などに活用される倉庫ができると聞いております。大災害時における緊急物資輸送に対応するためにも、立川東大和線である国立三・三・一五号線、立川三・三・三〇号線についても重要と考えます。
 そこで、南武線の立体化も含め、立川東大和線の整備について、東京都の考え方と現在の状況についてお示しください。
 無電柱化についてお尋ねします。
 先ほど我が党の田中たけし議員からも質問がございましたが、昨今、埋設方法が共同溝方式から、それ以外の埋設方式も検討されると聞いております。用地の問題、コストの問題、いろいろございますが、私からは、特に市町村道のような狭い道路では、地上機器を設置する、電線を取り出すための地上機器を設置する、その場所が課題となっておると聞いております。当局に地上機器の設置場所に対する取り組みにつきましてお伺いしたいと思います。
 都市公園の利用についてお尋ねします。
 公園の用地の大小といった規模にもよりますし、周辺の環境や立地によってさまざまなものがあると思います。都民の方々の癒やしの場としての機能、健康維持、観光にもつながる、季節を彩る花木の鑑賞の場としての利用、また、スポーツを初め、いろいろなイベント会場としての利用などがあると思います。
 国分寺市には、都立武蔵国分寺公園があり、さまざまなイベントでにぎわっております。今後、このような取り組みをさらに進めていくべきと考えますが、所見をお聞かせください。
 また、昨今いわれております防災まちづくりの観点から、武蔵国分寺公園の防災機能の充実についても、都のお考えがあればお聞かせください。
 治安対策についてお尋ねします。
 かねてより、国分寺市におきましては警察署の設置、国立市におきましては他の交番から離れている地区の新たな交番の設置、これらは多くの方の署名のついた要望書となっております。また、交番が幾つも統合され、現在、地域安全センターになっている施設につきましては、駐在時間の延長も求められております。
 事件が起きるたびに、自治会等からパトロールの強化、パトロール車の増車についてもご要望をいただいております。
 去る二月二十二日の本会議において、警視総監から治安状況説明がありました。都内の犯罪件数や検挙率、またテロ対策等における人材の養成や増員についてのご報告がありました。
 多摩地域におきましても、昨今、女優を目指している女子大生が生命にかかわる傷害事件の被害者となるなど、さまざまな事件があります。また、女性や子供に対してのつきまとい犯罪や振り込め詐欺なども多発しております。防犯カメラの増設や青パトなどの防犯活動も官民で進めておりますが、いまだ住民の不安解消が十分であるとは考えられません。
 住民の不安感を解消し、地域の防犯力を高めるには、見守り活動等の強化も重要であります。これらについて、当局の今後の取り組みについてお伺いします。
 交通安全対策についてお伺いします。
 多摩地域では交通の利便性も、区部と比べてはるかに悪く、通勤、通学等における自転車の利用は必須であります。自転車と歩行者の関与事故は、重大な結果をもたらします。そこで、多摩地域における自転車走行空間の整備状況をお示しください。
 次に、自転車走行におけるルール、マナーの周知も重要であります。多摩地域における各自治体、学校等での自転車安全教育のこれまでの取り組み及び今後の都の方針をお示しください。
 私は、昨年九月に公営企業委員会の委員長に就任してから、これまでの委員会における質疑を通じて、都民生活や東京の都市活動を地下から支える下水道の重要性を、改めて実感してまいりました。ふだん私たちは、水道の蛇口をひねれば当たり前のようにきれいな水が出てきたり、生活しているわけでございますけれども、使い終わったその後、どうなるかまでは、なかなか意識することは少ないのではないかと考えます。
 一千三百万都民の社会活動を支える東京の下水道は、一世紀以上の歳月をかけて整備され、その施設は膨大な規模となっております。その膨大な施設の維持管理を行い、一日も休むことなく稼働させることで、汚れた水を浄化し、再び水循環のサイクルに戻すという役割を担っているのが下水道でございます。
 当たり前に下水道が使えること、それを支えているのが、これまで長年にわたって培われてきた東京の下水道技術です。私は、学生時代に技術を勉強してきた一人として、東京の下水道技術の高さに注目しております。
 そこで、下水道局がことし一月に公表した技術開発推進計画二〇一六策定の背景と取り組み内容についてお伺いします。
 私は昨年十一月に、流域下水道では三本目の連絡管となる北多摩二号、浅川水再生センターの連絡管の完成式典に委員長として出席してまいりました。この事業は、多摩地域の安全・安心の確保に大きく寄与するものであり、私も地元の一人として大変心強く思っております。
 そこで改めて、流域下水道における連絡管の整備効果についてお伺いします。
 都立図書館についてお伺いします。
 東京都が運営する図書館は、港区南麻布にあります都立中央図書館と、都立多摩図書館であります。今までは立川市の南部地域にありましたが、老朽化などのため、JR西国分寺駅にほど近い地点に移転して、オープンしてまいりました。東京マガジンバンクの雑誌一万七千タイトルと、児童、青少年向けの資料約二十二万冊を生かした、さまざまなサービスが行われております。
 一月二十四日の開館式典には、小池知事や井澤国分寺市長、松井国分寺教育長、都議会からは、小磯副議長を初め我々もお招きをいただき、多くの関係者もご来臨のもと、盛大な記念式典と内覧会が行われました。
 開館から一カ月がたった今でも、市内近隣の方々から、一度行ってみようかなという声も聞きます。私もPRに努めておりますが、開館からこれまでの利用状況について、また利用者拡大に向けての取り組みと当館のコンセプトについてお伺いします。
 次に、障害者福祉についてお尋ねします。これは福祉保健局にお尋ねいたします。
 今般、国立市にあります多摩障害者スポーツセンターの改修工事実施に伴い、同じ建物に入っている心身障害者福祉センター多摩支所、来年度、立川市にある仮庁舎へ移転が行われると伺っております。仮移転に当たっては、利用する障害者やそのご家族の方々にご不便のないよう、十分に配慮すべきと考えますが、都のご所見をお伺いします。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 高椙健一議員のご質問にお答えをいたします。
 多摩振興についてのご質問がございました。
 多摩地域は、豊かな自然と、東京の三分の一に相当する四百万人もの人口を擁しておられます。また、多くの大学、研究機関が集積しており、東京の持続的な発展に欠かすことができない地域と考えております。
 その一方で、多摩地域の市町村におきましては、人口減少、少子高齢化の進展、そして大規模工場などの撤退など、課題を抱えています。厳しい財政状況の中で、それぞれ地域の課題の解決に取り組んでおられると認識をいたしております。
 そこで、市町村の課題などへの対応を支援する市町村総合交付金につきまして、市町村の強いご要望も踏まえまして、来年度予算への計上を前倒しいたしまして、今年度の最終補正予算で五百億円に増額したところであります。
 また、来年度の予算におきましても、活力と魅力を高めるまちづくりの推進や、道路交通インフラの整備、観光やものづくりを初めとする産業振興など、多摩地域の発展に必要な施策の一層の充実を図ったところでございます。
 先般、全ての市町村長の皆様と意見交換を行いました。それぞれの直面する課題やご要望などを伺ったところであります。
 引き続き市町村と緊密に連携をしながら、財政支援を含めまして、地域特性を踏まえた効果的かつ重層的な振興策を展開していくことで、オール東京の発展につなげてまいりたいと考えております。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 都立多摩図書館の利用状況等についてでございますが、一月二十九日の開館後、一日平均で約千人の方の利用があり、移転前のほぼ五倍の入館者数となっております。
 同図書館では、移転に合わせ、平日の開館時間を夜九時までに延長し、自由に閲覧できる雑誌を、移転前の五百三十四タイトルから約六千タイトルにするなど、利用者本位のサービス向上を図ったほか、読み聞かせの部屋やカフェを設けるなど、居心地のよい空間を確保いたしております。
 今後とも、雑誌と児童、青少年資料に関する専門図書館として、調査研究などのニーズに応えますとともに、雑誌を活用したセミナー等を定期的に開催するなど、人が集い、学び合う場を提供してまいります。さらに、区市町村立図書館や学校への支援を強化することで、一層の利用者の拡大と多様なサービスの充実を図ってまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 多摩地域のさまざまな団体による観光振興の取り組みへの支援についてでございますが、多摩地域で活動する民間の機関や団体が協力し、観光振興の計画をつくり、その実現を主体的に行っていくことは、国内外からより多くの観光客誘致を図る上で重要でございます。
 都は現在、多摩地域の自治体の観光振興事業への助成のほか、地元の観光協会等による集客のアイデアを民間会社のノウハウに結びつけ、実現する取り組みへの支援を進めております。
 今後は、多摩地域で観光や商工業などに関連する団体が連携して、旅行者の誘致を計画し、実施する取り組みを支援してまいります。
 具体的には、民間団体が集まる協議会の設立をサポートし、多摩のすぐれた観光資源の一つでございます古民家を活用した旅行者誘致の企画の実現などを後押しいたします。こうした手法により、多摩地域の観光振興を着実に進めてまいります。
〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 五点のご質問にお答えいたします。
 初めに、立川東大和線に関する都の考え方と現在の状況についてでございますが、立川東大和線は、多摩地域における南北方向の主要な幹線道路であり、人や物の流れの円滑化のみならず、災害時における物資輸送や救援、救助活動など、防災性の向上にも寄与する極めて重要な路線でございます。
 現在、未整備の区間のうち、泉体育館駅付近から都道一四五号線までの区間につきまして、昨年十二月に地元説明会を開催し、都市計画変更に向けた手続などを進めております。残る都道一四五号線より南側の区間につきましては、鉄道との交差などが事業化に向けた課題であり、JR南武線矢川駅から立川駅付近につきまして、平成二十四年に鉄道立体化の事業候補区間に位置づけ、事業範囲や構造形式の検討を進めております。
 今後とも、多摩地域の活力と防災性を一層高める骨格幹線道路の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、無電柱化の地上機器の設置場所についてでございますが、道幅の狭い区市町村道で無電柱化を進めるためには、地上機器の設置場所の確保が課題の一つとなっております。
 このため、都は昨年、民有地や公共空間、都道などを活用する際の事務手続や整備事例、民有地活用における地上機器部分の非課税の取り扱いなどを盛り込んだ手引を作成いたしました。
 今後は、区市町村がこの手引を活用して事業を進められるよう、毎年実施している研修会で周知を図るとともに、都道や公園等の都有地の活用による設置場所の確保に向けて、区市町村を支援してまいります。
 引き続き、区市町村と連携し、無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、武蔵国分寺公園におけるにぎわいの創出についてでございますが、本公園は、国分寺崖線の豊かな自然環境に加えまして、外周五百メートルに及ぶ円形の広場などを備えた開放感あふれる公園でございます。
 これまでも、自然を体感できるガイドウオークを初め、広場や森で子供たちが忍者に扮して遊ぶイベントやオープンカフェなど、公園の特性を生かしたさまざまな催しを、地域と一体となって開催してまいりました。
 今後、二〇二〇年東京大会に向け、誰もが気軽にスポーツに親しめるよう、専用ポールを使用して歩くノルディックウオーキングや、子供向けの走り方教室などの多様な運動プログラムを拡充してまいります。
 引き続き、公園の特性や利用者ニーズを踏まえまして、その魅力をさらに高め、利用の促進に取り組んでまいります。
 次に、武蔵国分寺公園の防災機能の充実についてでございますが、本公園は、憩いやスポーツ・レクリエーションの場として親しまれる一方、震災時の広域避難場所として都民の命を守る貴重なオープンスペースとなっております。
 都はこれまで、円滑な避難のための入り口表示灯や避難誘導灯のほか、防災トイレの整備など、公園の防災機能の強化に取り組んでまいりました。
 引き続き、二〇二〇年に向けた実行プランに基づきまして、停電時にも管理所等が機能するよう、非常用発電設備等を整備いたしますとともに、地震や避難所等に関する情報を避難者に提供するデジタルサイネージの設置を進めてまいります。
 今後とも、公園の防災機能の一層の充実に取り組んでまいります。
 最後に、多摩地域の自転車走行空間の整備についてでございますが、自転車は都市内の有効な交通手段の一つであり、誰もが安全で快適に利用できるよう、自転車走行空間の整備を進めることが重要でございます。
 多摩地域におきましては、調布保谷線など、道路の新設、拡幅の際にその整備に取り組むとともに、既設道路では東八道路など、自転車交通量が多く、事故の危険性がある区間等、約五十キロメートルを優先整備区間と定め、地域の道路事情に応じた整備手法により整備を進めております。
 このうち、平成二十七年度までに十一キロメートルの整備が完了し、既存の自転車走行空間三十一キロメートルと合わせまして、四十二キロメートルが完成しております。
 引き続き、立川昭島線など、残り三十九キロメートルの整備に取り組み、誰もが安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。
〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、地域における見守り活動の強化についてですが、地域の防犯力を強化するためには、町会、自治会や防犯団体等の活動に加え、地域で活動する事業者など、さまざまな主体による見守りの目をふやすことが重要でございます。
 都では昨年度から、地域を巡回する事業者の協力を得て、業務の傍ら、子供や高齢者等の弱者を見守る、ながら見守り連携事業を進め、現在、十八事業者と協定等を締結し、都内では約一万一千店舗と五万五千車両が見守り活動を行っております。また、より地域の実情を踏まえた取り組みとなるよう、見守り要望箇所の走行などを内容とする個別の協定も、六市十区で締結されております。
 今後も、さまざまな業種の事業者や市区町村に積極的に働きかけ、地域の実情に応じた見守り活動を展開することにより、地域の防犯力をより一層強化してまいります。
 次に、多摩地域における自転車安全教育についてですが、安全利用の推進には、行政や学校を初め、社会全体でルール、マナーの啓発に取り組むことが重要でございます。
 多摩地域の各自治体では、昨年度、二万三千人を超える小学生に自転車安全教室修了証を発行したり、スタントマンが事故の危険性を再現する安全教室を中学校等で約八十回開催するなど、さまざまな取り組みが行われております。
 また、都は全ての小中高校生等へのリーフレットの配布に加え、小学校等と連携した自転車シミュレーター教室を約七十回開催するなど、学校における安全教育を推進しております。
 さらに、来年度は、昨年改正した自転車安全利用条例を踏まえ、街頭で直接啓発、指導する安全利用指導員の多摩地域への配置や、販売店による啓発の促進など、自転車が安全に利用される社会の実現に一層取り組んでまいります。
〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) まず、技術開発推進計画の策定背景と取り組みについてでございますが、東京の下水道は、普及から維持管理の時代へと移り変わっており、現場では、従来技術の延長では解決できない新たな課題に直面しております。また近年、IoT、人工知能等の先端技術が登場しておりまして、下水道技術への活用が期待されております。
 こうした課題の解決や先端技術の活用を図るため、五十三の開発テーマを掲げた技術開発推進計画二〇一六を策定いたしました。本計画に基づき、革新的な技術を取り入れるため、下水道の枠を超えた産学公の連携を一層強化するとともに、民間企業等の開発意欲を高めるため、具体的な開発テーマの積極的な発信や、開発した技術の事業への導入を前提とした共同研究を推進してまいります。
 今後とも、東京下水道は、多くの現場を持つ強みを生かし、創意工夫から新たな技術を開発することで課題を克服するとともに、日本の下水道技術をリードしてまいります。
 次に、連絡管の整備効果についてでございますが、多摩川を挟む水再生センター間を結ぶ連絡管は、平成十五年度に着手をいたしまして、今年度、三本目の運転を開始いたしました。これまで整備した連絡管の相互融通機能により、地震時や平常時のバックアップが可能となっております。
 具体的には、東日本大震災で一部施設が停止した際、汚泥を対岸のセンターへ送ることで対応し、安定的な下水処理を確保いたしました。また、施設の再構築では、汚泥焼却炉を集約化、大型化することで更新台数を削減するとともに、維持管理面では、定期点検や補修工事に伴う施設停止時の機能低下を補っております。これらにより、建設費や維持管理費の縮減を図っております。
 今後とも、連絡管を有効活用することで、多摩地域の下水道の信頼性の向上と経営の効率化に努めてまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 東京都心身障害者福祉センター多摩支所の仮移転についてのご質問にお答えをいたします。
 多摩支所では、知的障害者を対象とした愛の手帳の判定や、身体障害者を対象とした補装具の判定等を行っており、来年三月に予定をしております仮移転に当たりましては、利用する障害者やその家族にご不便のないよう、十分な配慮が必要でございます。
 このため、仮庁舎への移転日程や交通経路、連絡先等につきまして事前にホームページ等に掲載いたしますとともに、区市町村や障害者団体などを通じて周知をいたします。
 また、エレベーターやトイレ設備などのバリアフリー化や、来庁者のための駐車スペースの確保に加え、最寄り駅との間の送迎を行うなど、利用者の利便性に十分に配慮してまいります。

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