平成二十九年東京都議会会議録第三号

○議長(川井しげお君) 六十二番谷村孝彦君。
〔六十二番谷村孝彦君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○六十二番(谷村孝彦君) 初めに、多磨全生園に関連して質問いたします。
 私は、昨年の第一回定例会の一般質問でハンセン病の歴史をひもとき、私の地元東村山にある多磨全生園と人権の森構想に絞って質問をいたしました。
 我が国では、明治四十二年、全国に五つの府県立のハンセン病療養所をつくり、昭和六年には、癩予防法が制定され、徹底的に患者の強制隔離が行われました。これは基本的人権の尊重をうたった日本国憲法下でも続き、療養所とは名ばかりの終身強制収容所であったこと、当時は、入所者の方の平均年齢も若く、結婚すれば落ちつき、逃げ出すこともなくなるだろうと、望む人には結婚を認めました。
 もとより、ハンセン病は遺伝するものではありませんが、療養所の経費抑制のため、絶対に子供ができないようにと男性には断種手術をした場合のみ結婚を認め、万が一、女性に子供ができると、すぐに中絶させました。その数は、全国で三千百七十三人、六つの療養所には百十六体の胎児のホルマリン漬けの標本が残っていた事実が判明、多磨全生園にも三十六体の標本が残っていたこと。平成十年には、熊本、鹿児島を皮切りに、国を相手に、らい予防法違憲国家賠償訴訟が提起され、平成十三年五月に熊本地裁は、国の憲法違反、人権無視の誤った政策を全面的に認めると同時に、国会議員の立法不作為の責任まで認めるという、我が国の裁判史上、類例のない断罪が下されたことなどを取り上げさせていただきました。
 多磨全生園は、現在は国立の療養所ですが、開設したのは、当時の東京府と関東の十一県立で、開設時には、当時の阿部浩東京府知事や府会議員も出席しております。昨年は、らい予防法が廃止されてから二十年、熊本地裁の判決確定より十五年という節目を迎えました。
 東京都知事の多磨全生園訪問は、昭和三十四年九月の東都知事が最後となっておりますが、小池知事には、ぜひとも約半世紀ぶりのご訪問を、できれば多磨全生園の桜が満開になるころにお越しいただき、入所者の方々を励ましていただければと思います。そして、まだまだハンセン病に対する偏見や差別をなくしていく取り組みを進めていかなくてはなりません。あわせて知事の見解を求めます。
 次に、市町村総合交付金について質問します。
 申し上げるまでもなく、市町村総合交付金は、十年前の平成十八年度に、それまでの市町村の振興交付金、市町村調整交付金及び多摩島しょ底力発揮事業交付金の三つを統合して創設されました。市町村の包括的な財源補完制度として大変に重要な制度となっております。当初は三百十億円からスタートをしましたが、私ども公明党の強い要請により、年々増額し、今年度は補正予算を加えて、念願の五百億円に達したところであります。
 私はこれまで、総務委員会や決算委員会で、交付額の決定のあり方について取り上げてまいりましたが、問題なのは、これまで各市町村への交付額を、市町村の都合があるとし、決して明らかにされることがなかったことであります。
 これまで、交付額を決定する際には、市町村からの申請を受けて、総務局行政部が財政力指数や公共施設整備事業などをヒアリングして査定し、総務局長決裁で決められておりました。
 しかし、この手法には二つの問題があります。
 一つは、都が市町村から総合交付金の申請を受けて査定することにより、財政補完の金額の多寡の決定を通して、市町村の主体性、自立性を左右しかねないこと。
 そして、もう一つは、五百億円もの予算が、交付金の名のもとに、その詳細が誰もわからない、まさにブラックボックスとなっていることであります。東村山市の平成二十九年度の一般会計予算が五百三十億円ですので、この金額がいかに大きなものかは指摘するまでもありません。
 都政全体のあらゆる課題を見える化することを標榜される小池知事の誕生により、このたび全ての市町村長と意見交換をされ、平成二十八年度分から、知事の責任のもとで交付額が決定されることになったことを高く評価するものであります。
 あくまでも市町村の財源補完制度として維持をしつつも、透明化した手法で交付額の決定のあり方を構築すべきであります。知事の見解を求めます。
 次に、ペットボトルの「東京水」について質問します。
 私は一昨年、平成二十七年の予算特別委員会で、ペットボトルの「東京水」が浄水場の地域のシンボルとして身近に感じられるように、ペットボトルのラベルに採水した浄水場名、例えば東村山浄水場であれば、東村山と大きく表示をしていただくと、地元の浄水場への理解もより深まるのではと提案させていただき、早速その年の六月から、採水した浄水場名を大きく表示していただけるようになりました。東村山では、これが大きな反響を呼び、都庁だけではなく、ぜひとも地元東村山でも販売してほしいとの希望の声が上がり、その要請を水道局が受けとめてくださり、本年一月から徐々に東村山での販売が開始されたところであります。
 私は、この「東京水」を東村山ブランドとして発信していきたいと念願しておりますが、ペットボトルのラベルデザイン一つで、付加価値もより高くなるものであります。
 国内外に大きな発信力のある小池知事のもとで、国内外の広報はもとより、地域ブランドを高めるラベルデザインへと一新していただければと願うものでありますが、知事の見解を求めます。
 次に、村山上貯水池堤体の耐震化についてであります。
 耐震強化を進めるに当たって、私どもの強い要請を受け、半年間の技術的検討を加えていただいた結果として、堤体道路に歩道を設置し、車道幅も六メートルから九メートルへと一・五倍に拡幅する決定をいただいております。村山上貯水池は多くの都民が訪れる貯水池であり、堤体強化事業を進めるに当たっては、住環境や歩行者の通行への配慮が必要であります。現在の取り組み状況について答弁を求めます。
 次に、北多摩地域の都市基盤整備について、四点質問いたします。
 一点目は、多摩都市モノレールの上北台から箱根ヶ崎への延伸についてであります。
 昨年四月、国土交通省は交通政策審議会の答申を決定し、同路線の延伸については、導入空間となり得る道路整備が進んでおり、事業化に向けて、関係地方公共団体、鉄道事業者等において具体的な調整を進めるべきとしました。
 これは、武蔵村山市民の方々の一万名署名の請願に、私が紹介議員となり、平成二十六年十二月に都議会で採択され、都の広域交通ネットワーク計画に優先的な路線として位置づけられたことが大きなステップとなったものであります。
 そこで、この延伸に向けた連絡調整会議について、現在の進捗状況と、連絡調整会議に臨む都のスタンスについて見解を求めます。
 二点目は、東村山駅周辺の連続立体交差化事業であります。
 平成二十年の予算特別委員会で、私と当時の道家孝行建設局長との質疑を受け、都は、翌平成二十一年、全国でわずか三カ所しかなかった新規着工準備採択の一つを、東村山駅周辺の連続立体交差事業でかち取ってくださいました。
 平成二十五年十二月に事業着手し、三年が過ぎました。現在、多摩地域で唯一の連続立体交差化事業となっておりますが、現在の進捗状況と今後の予定について答弁を求めます。
 三点目は、踏切改良についてであります。
 西武新宿線東村山駅の北側の通称大踏切につきましては、私と地元市議会公明党の強い要請を受けていただき、踏切と都道の交差点が一体となっていたものを分離する改良工事により、昨年十月には安全性が大きく向上しました。
 次は、西武新宿線久米川駅の南北ロータリーをつなぐ都道の久米川第一号踏切の拡幅、改良の番であります。久米川駅は、東村山市の主要な交通結節点のため、自動車はもちろんのこと、歩行者や自転車、車椅子等の交通量が多く、当該踏切の幅員は道路幅員よりも狭くなっており、朝夕のラッシュ時には、人と自転車、自動車が錯綜するなど、交通安全上、大変に危険な踏切として、多くの都民の方々からその危険性が指摘されております。
 東村山市と協力して、一日も早く事業に取りかかっていただきたいと思います。見解を求めます。
 四点目は、都と地元市が連携協力して都道を整備する事業、新みちづくり・まちづくりパートナー事業がこのたび終了し、平成二十九年度からいよいよ第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業がスタートします。事業中及び新規路線の東村山市内、武蔵村山市内での取り組みについて答弁を求めます。
 最後に、都の用地買収の取り組みについてであります。
 道路や公園、河川の都市基盤の整備を進めていくためには、そこにお住まいになっている関係権利者の方々から大切な土地をお譲りいただく用地取得が不可欠であります。しかし、関係権利者からは、生活再建が可能な移転先を見つけることができず、大変ご苦労されている状況をお伺いする機会がよくあります。
 都は、都内全域で百カ所余りの代替地を保有し、移転先としてあっせんしておりますが、関係権利者の希望には十分に応えられていないのが実情であります。都は、関係権利者の移転先となる代替地をこれまで以上に確保していくべきであります。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 谷村孝彦議員のご質問にお答えいたします。
 まず、多磨全生園についてのご質問がございました。
 ご指摘のように、私は国会議員の時代に、厚生労働委員会で二度にわたりまして、このハンセン病問題を取り上げました。そして、患者や回復者の皆様の名誉回復や生活の保障、そして過去の歴史の検証などといった問題に正面から取り組んでまいりました。
 また、患者さんや回復者の皆様の声をお聞きした際、結婚などで厳しい差別や偏見を受けること、それが今でも続いているといったお話を耳にし、この問題が持つ根の深さを痛感したものでございます。
 都知事となりました今も、ハンセン病に関します人権問題の解決にかける思いは変わりません。東京には、国立療養所多磨全生園があります。平成二十九年一月末現在で百八十名の入所者の皆様が生活をされていると聞いております。できるだけ早期に入所者の皆様とお会いして、長年の労苦をねぎらいたいと考えております。
 引き続き、ハンセン病患者、回復者、そのご家族の皆様が差別や偏見で苦しむことがないように、ハンセン病に対します理解を深め、差別、偏見をなくすための啓発を行ってまいる所存でございます。
 市町村総合交付金についてのご質問もございました。
 先般、全ての市町村長の皆様と意見交換を行い、それぞれが抱える課題、ご要望を伺ったところであります。
 とりわけ、市町村総合交付金は、財政状況の厳しい市町村の一般財源の補完として重要でございます。大半の市町村長からその充実、改善のご要望を伺いまして、改めて期待が大きいことを認識いたしました。
 今回の意見交換では、情報公開を進めるために、そのやりとり、様子をインターネット中継を通じて公開をいたしております。
 また、今月交付予定の交付金でございますが、私の指示のもとで、意見交換の結果も踏まえつつ、その交付額を決定するとともに、市町村別の交付額につきまして初めて公表する予定といたしております。
 今後も、都政の見える化を一層推進するという観点から、市町村の長、そして都議会の皆様のご意見も十分聞きつつ、算定の透明化を含めました交付額決定のあり方についても検討してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
 残余のご質問につきましては、関係局長からお答えをさせていただきます。──済みません、残余ではございませんでした。私に対してもう一問、ペットボトルの「東京水」のデザインについてもご質問がございました。失礼いたしました。
 ご指摘のように、東京は、安全でおいしい高品質な水道水が、二十四時間三百六十五日、ひねればジャーと飲めるというすばらしい世界でも希有な都市でございます。国でございます。安心して直接飲める、まさしく世界でも数少ない都市でありまして、都市間競争の時代にありましては、この水というのは最大の売りにもなるなと。東京が世界に誇る大きな強みだと思います。
 ペットボトル「東京水」は、東京の水道水の安全性やおいしさを実感できるグッズとして作製しておりまして、国内外への広報にも効果的でございます。
 二〇二〇年東京大会や、これに先立ちまして、二〇一八年に東京で開催されます国際水協会世界会議などを見据えまして、東京の水道水を国内外に向けてPRしていくために、ペットボトル「東京水」のラベルデザインも、より発信力のあるデザインに変更したいと考えております。
 新しいデザインの作成に当たりましては、東京らしさや安全性、おいしさが伝わるような、クールで高品質なデザインをベースといたしまして、地産地消の観点から、貯水池の景観など、その地域のシンボリックなイメージを盛り込んだものにしたいとも考えております。
 今後、新たなデザインを、ペットボトル以外にも広報グッズや工事現場などさまざまな場面で活用いたしまして、東京水の持つブランドイメージを展開させることで、首都東京の魅力を国内外に広く発信してまいります。
 その他のご質問につきまして、東京都技監、関係局長からご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監邊見隆士君登壇〕

○東京都技監(邊見隆士君) 多摩都市モノレールの箱根ヶ崎延伸についてでございます。
 本路線は、開業区間と一体となって、多摩地域の活力や魅力の向上に資する路線でございます。昨年四月の交通政策審議会答申において、お話のように、地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクトの一つとして、事業化に向けて関係者間で調整を進めるべきと位置づけられたものでございます。
 一方、本路線の整備に向けては、多摩都市モノレール株式会社の経営状況や土地区画整理事業の進捗など、周辺の開発動向を踏まえ、コスト縮減策や収入確保策、事業採算性を見きわめながら検討を行う必要がございます。これらの課題について、都は昨年八月より、沿線市町、多摩都市モノレール株式会社とともに連絡調整会議を設置し、検討を進めてございます。
 引き続き関係者間で連携し、課題の解決に向けて検討の深度化を図ってまいります。
〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 村山上貯水池堤体強化事業についてでありますが、この事業は、東京水道の貴重な水がめである貯水池の耐震性を強化する、大規模かつ極めて重要な取り組みでありますが、工事の実施に当たりましては、周辺地域への影響も踏まえ、地域の生活環境等に十分配慮する必要がございます。
 このため、堤体強化に必要な土を極力現地調達することで、大型車両の通行台数を抑制し、振動や騒音を軽減するとともに、閉鎖する歩行者用通路のかわりとなる仮設通路を整備することで、通行の安全性を確保するなどの対策を講じていきます。
 今後は、平成二十八年度内の工事着手に向けまして、準備に万全を期しますとともに、地域住民の生活や周辺環境にきめ細かく配慮しながら、村山上貯水池堤体強化事業を着実に推進してまいります。
〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業についてでございますが、本事業は、鉄道を高架化することにより、府中街道など五カ所の踏切を除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 現在、本事業に必要となる用地の取得率は約六割となっており、駅部におきまして新しい駅舎のくい基礎工事や、仮設地下通路等の工事を行っております。また、今月末には、工事を進めていくため支障となる一番線ホームの変更を実施いたします。さらに、来年度より、駅部以外にも工事範囲を広げ、仮線路を敷設するための路盤工事等に着手いたします。
 今後とも、地元市や鉄道事業者と連携し、地域の理解と協力を得ながら、本事業を着実に推進してまいります。
 次に、久米川第一号踏切内の歩道拡幅についてでございますが、都は、歩行者の安全で円滑な通行を確保するため、歩道が狭隘な踏切や事故の危険性が高い踏切におきまして、踏切内のカラー舗装や歩道拡幅などの安全対策に取り組んでおります。
 西武新宿線久米川駅に隣接する久米川第一号踏切につきましては、平成二十八年六月に国が抽出しました、緊急に対策の検討が必要な踏切に位置づけられておりまして、東村山市が進めている駅前広場の整備にあわせ、踏切内の歩道拡幅につきまして、現在、市や鉄道事業者と検討を進めております。
 引き続き、関係機関と緊密に連携しながら、踏切の安全対策に積極的に取り組んでまいります。
 次に、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業についてでございますが、本事業は、地域にとって重要な役割を果たす都道を、都と市が協力して整備するものであり、地元市の要望を踏まえ、十一市十八路線、約七キロメートルを選定し、平成二十九年度から新たに実施いたします。
 東村山市内では、東村山三・四・五号線の事業中路線に加えまして、空堀川を渡る区間を新規路線として整備し、東村山駅へのアクセスを強化いたします。また、東村山三・四・一〇号線及び東村山三・四・三一号線を新たに整備し、西武線の連続立体交差事業と一体となって、東村山駅周辺のまちづくりを促進いたします。
 武蔵村山市内では、新たに新青梅街道に接続する立川三・四・三九号線を整備し、地域交通の円滑化を図ってまいります。
 今後とも、市と連携しながら、多摩地域のまちづくりに寄与する道路整備を積極的に推進してまいります。
 最後に、関係権利者の移転先となる代替地の確保についてでございますが、関係権利者の理解と協力を得て用地取得を進めるためには、移転先をあっせんするなど、生活再建に資する支援が極めて重要でございます。
 都は、用地折衝に際し、生活再建に関する意向を十分に確認するとともに、民間不動産物件の紹介や代替地の情報提供など、関係権利者一人一人の事情に配慮した支援を行っております。
 代替地につきましては、その取得に努めてきておりますが、近隣への移転希望を満たす土地が不足してございます。
 そこで、今後は、さらに関係権利者の意向を踏まえまして、用地取得に伴い発生する残地など、事業施行地近隣の私有地、都や区市が所有する公有地を積極的に取得するなど、多角的な取り組みにより、代替地の確保を推進してまいります。

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