平成二十八年東京都議会会議録第十六号

   午後一時開議

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(川井しげお君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(松丸俊之君) 平成二十八年十二月五日付で、知事より、本定例会に提出するため、議案七件の送付がありました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、第二百十一号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案六件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加をいたします。

○議長(川井しげお君) これより質問に入ります。
 百十二番崎山知尚君。
   〔百十二番崎山知尚君登壇〕

○百十二番(崎山知尚君) 平成二十八年第四回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問をさせていただきます。
 まず冒頭、三笠宮崇仁親王殿下におかれましては、去る十月二十七日、薨去されました。考古学にお心を注がれ、国際親善に尽くされたお姿を、国民はひとしくお慕い申し上げておりました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
 さて、質問に入ります。
 就任四カ月を経た小池知事の基本姿勢について、何点かお伺いをいたします。
 知事は、約二十四年間の国会議員活動を経て、この八月に都知事に就任されました。政治家小池代議士と立場が変わり、首長としての小池知事の政治姿勢は変わりましたか。まず初めに、その所感をお伺いいたします。
 これまで小池知事が過ごした国会と地方自治の違いはどこにあるのか。あえて私から申し上げれば、国は一元的な代表制に基づく議院内閣制をとっています。国民によって選挙された国会議員の中から、国会の議決で内閣総理大臣が指名され、総理大臣が各国務大臣を任命し、内閣が組織されます。議院内閣制の場合、当然に与党と野党が形成されることになります。
 一方、国政の仕組みに対して、地方自治は、知事も議員もともに直接選挙で公選される二元代表制で、互いに対等な立場で代表であり、かつ選挙民である住民から大きな責務を任されています。このことは、憲法第八章、九十三条の二項に明記されており、議論の余地のないところであります。
 だからこそ、知事選直後の不信任案提出など、地方議会人としてはあり得ないことなのであり、これをセンセーショナルに実現できるがごとくマスコミに訴える方がいれば、それは民主主義の原点である地方自治を知らない人の発言であります。
 私ども東京都議会自由民主党は、都民の信託を受け、都政に対して責任を持ち、都政の混乱を回避し、都民福祉を最大限に実施していく都民の与党であり、これからも都民の与党であることを肝に銘じて、議会活動をしてまいります。着実に、確実に、派手なパフォーマンスはせず、本会議や委員会での質問を通し、都政を正すとともに、議会の権能である行政の監視、建設的な批判、修正、対案の提案など、精力的に活動をしてまいります。
 そこで、第三回定例会の高木幹事長の代表質問でも触れましたが、改めて二元代表制について知事の所見をお伺いいたします。
 また、知事は、十一月二十五日の定例記者会見において、突如として復活予算を廃止する旨の発言をされました。我が党は、小池知事の発言後、直ちに抗議文を提出いたしました。復活予算は、これまで長年にわたって、知事と議会の意思を予算にバランスよく反映させる仕組みとして続けられてきましたが、議会側に何の連絡も相談もなく唐突に廃止するということは、まさに一方の都民の代表としての議決機関である議会軽視といわざるを得ません。
 また、その内容は、所信表明でも明らかにされました。しかし、議場で知事の所信表明を伺う前に朝のNHKニュースで所信表明の内容を知るとは、考えつかないことでした。所信表明を解説つきで一報道機関に事前にリークするなど、一連の行為は、首長と議会の民主的正当性を無視した行為といわざるを得ません。復活予算を廃止する理由についてお答えください。
 加えて、新年度の予算編成に当たって、知事は、直接、各種団体の皆さんからヒアリングを行うとおっしゃっていました。まず真っ先に現場の声を聞くべきは、築地市場関係者及び関係団体であり、豊洲市場への移転にかかわるさまざまな関係者ではないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
 また、具体的にどれぐらいの時間をかけ、何団体の意見を聞くのか、一団体当たり何分程度のヒアリングを予定しているのか、お答えください。
 老婆心ながらあえて申し上げますが、予算を編成する知事は、各種団体から見れば、ある意味、優越的なお立場であり、オープンとはいえプレッシャーを感じると思います。くれぐれもご注意をなさってください。
 次に、特別顧問について伺います。
 地方自治体に設置される機関を大別して、公選された首長、知事を中心とする執行機関、このうち副知事、会計管理者、職員などの補助機関に加え、教育委員や、都市計画審議会などの附属機関、そして自治体の意思を決定する我々がいる議会、議決機関であります。
 知事は、就任後間もなく、外部助言者となる特別顧問を十六人委嘱されました。アドバイザーの知見と意見をかりることによって都政を前に進めることには異論を挟む余地はありませんが、その守備範囲を超え、外部助言者としてのお立場で、のりを超えるような発言が目立ち、首をかしげる場面も少なくありませんので、この際、何点か確認をさせていただきます。
 そもそもアドバイザー的な外部助言者である特別顧問の皆さんは、条例ではなく、あくまでも設置要綱によって委嘱された方々であり、知事の都政改革推進のための、いわゆる政治的任用というお立場だと理解をしています。したがって、特別顧問等の立場と権限をより明確にし、その活動の情報公開をさらに進めるために、設置要綱は条例化されることが望ましいと考えます。知事の所見を伺います。
 さらに、特別顧問が知事にかわって職員に施策の指示を出せるのか伺います。もし出せるとするならば、その根拠となる法令等をお示しください。
 また、指示を出せるとするならば、責任の所在はどこにあるのか、改めて知事の所見をお伺いいたします。
 また、特別顧問は、東京都を代表して都政に係る重要な情報を発信する権限があるのか疑問を感じます。
 具体的には、上山特別顧問作成の資料がIOCのバッハ会長に手渡されていたことであります。上山特別顧問は、十月十八日のIOCのバッハ会長と小池知事との面会に同席し、その場で知事がバッハ会長に渡されたようですが、その調査チームの資料の表紙には、ガバナーズ・オフィス・トウキョウ・メトロポリタン・ガバメントと書いてあったと聞いており、当然、知事から会長に渡した資料は公文書となります。
 しかし、東京都としての組織決定をなされていたのか、大きな疑問を感じています。なぜなら、東京都の職制上の組織決定に関与することが義務づけられている担当局長にすら全く知らされなかったものを、なぜバッハ会長に手渡すことが可能だったのか、疑義を感じます。いかがでしょうか。
 加えて、後日、その文書の表紙の部分に訂正がなされました。十月二十八日にIOC事務総長に対して、総務局長とオリンピック・パラリンピック準備局長との連名で訂正の文書を送られましたが、果たして公文書の中身を知らされていなかった総務局長とオリンピック・パラリンピック準備局長との連名で訂正文を送付することの妥当性はあるのでしょうか。
 特別顧問の職務上の責任については、一義的にはみずからが負うとされています。上山氏ご本人か、さもなくば手渡した知事ご自身の名前で訂正文を送付すべきではなかったのでしょうか。知事の見解をお伺いいたします。
 また、五輪会場変更問題では、ただいま指摘した調査チームの報告書において、ボート、カヌー会場を海の森から宮城県長沼ボート場に変更する案が提起をされました。調査チームが九月一日に組織され、その八日後の九月九日、上山顧問は、村井宮城県知事に調査チームの取りまとめ役との立場でメールを送っていることが、村井知事のぶら下がり記者会見で確認をされています。東京都及び組織委員会が過去に調査し、既に取り下げられた長沼ボート場が再び候補地として調査報告書に書かれるに至った経緯を、私たちは知りません。
 そこで、情報公開、都政の見える化を進めるのは知事の意向とも合致すると思いますので、上山顧問と村井知事とのこの間の一連のメールでのやりとりを全て公開していただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
 また、長沼ボート場の会場変更が実現した暁には、被災者用仮設住宅を選手用に転用するという目的で、小池知事の視察に合わせて改装したものがマスコミに公開されましたが、仮設住宅の改装は誰のアイデアだったのでしょうか。お答えください。
 また、仮設住宅の改装は、いつ、誰が指示したのか。また、その経費と費用の負担者は誰なのか、お答えをいただきたいと思います。
 我が党は、先月二十八日に、二〇二〇年東京大会の経費削減に向けて緊急提言を行いました。主な内容は、三兆円とひとり歩きしている大会経費の正確な公表、総経費の削減に向けて、セキュリティー要員に自衛隊の支援をお願いすること。さらには、地域消防団等の皆さんにも自主的なご協力をお願いできれば、ホストシティーとしての機運の醸成も期待できると述べました。また、チケットキャンセルの有効活用、国庫補助金の導入などの提言を行いました。ぜひ実現に向けてご検討ください。知事の見解をお伺いいたします。
 そして、その翌日に行われた東京五輪パラリンピック大会での見直しを議論する、いわゆるトップ四者協議が開催されました。知事は当初、二十九日までに結論を出したい旨の発言をしていたものと理解をいたしております。
 また、ボート、カヌー会場の長沼はどんな経緯で断念したのか、知事の見解をお伺いいたします。
 フルオープンの四者協議では、その冒頭で不思議な光景を拝見いたしました。四者がなかなかそろわず、会議の開始がおくれました。最後に知事が会場に入り、四者がそろったところで会議が始まるや、知事は活発な議論を避け、先に結論を話し始めました。アクアティクスセンターは一万五千席にして新設、ボート、カヌーは海の森で、そして有明アリーナの結論は先延ばしにされました。
 そのとき知事は、クリスマスまでに結論を出したいので猶予をいただけないかと先ほどコーツ委員長と話をしたと述べられました。要は、会議の開始がおくれたのは、コーツ委員長とカメラのないところで打ち合わせをした上でカメラのある会場に来たからだと一部マスコミが報道しています。情報公開、都政の見える化を標榜する小池知事としては、このときの経緯、決して陰で手打ちをしたのではないということを、都民、国民に説明をする必要があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
 また、知事は、横浜アリーナでの開催の可能性を検討する上で、横浜市の意向を受け、これからクリスマス前までの間、何をなさるおつもりでしょうか。議会の場でつまびらかにしていただきたいと思います。お答えください。
 さらに、先日の記者会見で、横浜アリーナの問題に関する横浜市から東京都に出された、横浜市の考え方についてという文書を、知事は十二月一日に初めて知ったと述べられました。これが事実なら、横浜市の文書を見ずに十一月二十八日の四者協議に臨み、横浜市の考え方を知らずに結論を先延ばしにしたことになります。実はこの文書は、十一月二十五日にオリ・パラ局職員に届けられており、その後、オリ・パラ局職員は、都政改革本部に横浜市職員を案内し、上山特別顧問らにこの文書を手交したことがわかっています。さらに、十一月二十七日には、上山特別顧問を交えたワーキンググループが開催されており、この文書の情報が共有されているはずであります。
 四者協議に臨むに当たって、知事がこの文書の存在を十二月一日まで知らなかったのは事実でしょうか。お答えください。
 事実であるとするならば、上山特別顧問は、なぜ文書の存在と内容を知事に知らせなかったんでしょうか。知事と上山顧問との間のガバナンスの問題として、これは看過できないことです。事実関係を正確にお答えいただきたいと思います。
 また、知事は先週の定例記者会見では、オリンピック施設の見直しの質問に対して、ネズミどころか、大きい頭のネズミがいっぱいいることがここでわかったじゃないですか、報道陣に対して、これから黒いネズミをどんどん探していきたいので、ジャーナリズムとしてそちらの方を研究されたらいかがでしょうかとお答えになりました。このような発言は、公職につく者として恥ずべき発言であると思うところであります。
 少なくとも、私の目には、大きな黒い頭のネズミは見当たりません。もしかしたら、知事の思いどおりにならない方のことをおっしゃっているのでしょうか。この大きな黒い頭のネズミとは、一体誰のことですか。はぐらかさず、明確にお答えください。そして、その理由もお答えください。
 もう一方、特別顧問の鈴木亘氏についても、ご自身にお聞きをしなければなりません。今定例会の所信表明演説でも一言だけ触れられていましたが、混合介護についてであります。
 知事は、十一月十日、高齢者施設の視察を行いました。機動的に、そして必要に応じて現場に赴くこと、政策判断の参考にされることは、大いに結構なことだと思います。
 しかし、その翌日の新聞を見て驚きを禁じ得ませんでした。特区で混合介護推進、小池知事が表明との見出しがあり、予算にも盛り込みたいとのコメントが記されていました。急ぎ担当職員を呼び、混合介護についての資料と国の動向について問い合わせをしたところ、示された資料は公正取引委員会の資料のみでした。担当者からは、これ以上の説明をする材料はないとの回答で、仕方なくウエブ上で調べると、特別顧問の鈴木亘氏の名前がヒットしました。
 小池知事は、担当局及び職員には全く知らせず、特区とはいえ、余りにも唐突に混合介護の導入を決断されました。このことの賛否を議論する機会を都庁内に設けることなく、一人の特別顧問の意見のみによって、このような重大な政策が決定されたことは、正常な組織の手続とは思えず、極めて稚拙で拙速な決断だといわざるを得ません。
 知事がおっしゃるブラックボックスとは、このことを指すのでしょうか。鈴木亘特別顧問との二人だけでお決めになったことでしょうか。この場で事のてんまつをご存じなのは、知事お一人です。介護保険制度は、我が国の社会保障制度の根幹をなす、いざというときのセーフティーネットです。混合介護導入決断に至る経緯と、極秘裏に進めてきたその考え方についてお伺いをいたします。
 こうした対応は、情報公開を進めるとしている知事の発言とは明らかに違います。我が党は、計画段階から都民参加を訴え、都民目線で都民福祉の最大値を目指しています。それには、都庁の組織力を最大限活用し、都民ニーズを把握し、計画をつくり、都民の皆様に提案し、ご説明し、ご理解をいただきながら施策を進めてきました。都庁の組織力で及ばないところがあれば、民間の英知をかりながら都政を前進させてきました。
 開かれた都政とは、常日ごろから都民の意見が都政に反映する行政運営であって、マスコミに都合のいい情報を提供することではありません。ましてや、知事に都合のいい情報を一方的に流して情報操作することでもありません。
 都議会には、我が党と考え方の異なる会派も当然あります。その中で、都民の幸せの追求を第一に考え、その上で自己の正当性を主張し議論する場が、この都議会であります。それこそが民主主義であって、地方自治の活力の源泉であります。
 ところが、就任以来の知事の都政運営は、議会に都政の計画や事業を付す前に、一方的な報道発表により既成事実化を図ることが目立ちます。これは、反対意見を封じ込める極めて不健全な都政運営です。それも、知事みずからが選んだ外部助言者である特別顧問の意見が、東京都の公式見解であるかのように公表されるスタイルが目立ちます。
 都庁の優秀な職員の能力と組織力を軽んじ、顧問政治または側近政治を重視することは、都民ファーストを標榜する知事の目指す方向とは逆行するのではないでしょうか。
 さらには、副知事を中心とするトップマネジメント体制を確立して、その補助機関である職員を掌握する努力をなぜしないのでしょうか。所見をお伺いいたします。
 さて、我が党は四年前に、東京を世界で一番の都市にと題した政策集をまとめました。この政策を柱に、今任期の都政のかじ取り役を担わせていただいていると自負しています。
 そして、私たちの目指す目標に追い風となる結果が先日発表されました。森記念財団が毎年公表している世界都市ランキングです。ことしは、パリを抜いて、昨年の四位から三位へと一歩前進する結果となりました。また、米国の富裕層向け旅行誌コンデ・ナスト・トラベラーの読者投票では、東京が世界で最も魅力的な都市に選ばれました。
 我が党の取り組みは、単に世界からの評価を得るためのものではなく、東京の魅力を引き出し、これからもさらに輝き続け、そして山積する課題を一つ一つ地道に解決していく、その強い意思を標榜したものであります。加えて、日本の首都たる役割を果たす責任が東京にはあります。
 過日、五年に一度行われる国勢調査の確定値が示されました。既に我が国は人口減少社会に本格突入したとはいえ、東京は、一部の地域で人口が減少したものの、引き続き転入超過、社会増となりました。それは、まだ東京が教育、文化、ビジネスに活気があり、人を引き寄せる魅力的な都市だからと考えます。
 さらに、若い人が希望を持って結婚し、東京で子供を産み育てたくなる社会経済環境をつくることが都政の喫緊の課題と考えます。少子化対策としてのさまざまな子育て支援策の充実が重要であります。
 我が党がかねてから求めてきた待機児童解消のための取り組みは、第三回定例会での保育士のキャリアアップ補助を初めとする処遇改善等の百二十六億円の補正予算決定で、子育て支援を大きく前進させました。
 しかし、東京への流入による人口増も、二〇二〇年東京五輪パラリンピック大会をピークに減少するとの予測もなされています。国も、人口規模の縮小がイノベーションを停滞させるおそれがあるとともに、社会保障費の増大によって働き手一人当たりの負担が増加し、勤労意欲にマイナス影響を与えるとして、危機感を募らせています。
 東京の繁栄は、今まで地方出身の方々によって支えられてきたといっても過言ではありません。つまり、地方の疲弊は回り回って東京が疲弊していくことにほかならず、それは我が国の国力の低下に直結します。だからこそ、国には地方創生に力を入れていただかなければなりませんし、東京もみずからのこととして、東京にできる地方創生の有効な施策を展開する必要があります。
 このことは、これさえすればというような決定打もなければ奇策もありません。これまで、東京の出生率が低下しても、第二次ベビーブーマーや転入増によって出生数、つまり子供の数が減らないことが要因となって、本格的な議論や具体的な施策を打ち出してきませんでしたが、もう待ったなしの状況です。このままでは人口減は加速度的に進むと見られ、少子化に歯どめをかけることは、首都東京の責任でもあります。
 そこで、都内で最も人口減少の顕著な多摩・島しょ地域への対応も含め、抜本的な少子化対策について、知事の所見をお伺いいたします。
 さて、我が都議会自民党は、これまで九年間にわたり、入札契約制度PTにおいて、建設請負や業務委託などの契約において受注者の過度のダンピングが横行し、社会資本の品質や住民サービスの質が著しく損なわれていく状況を変えるべく活動をしてきました。この活動の最中には、東日本大震災と復興支援事業の集中的実施などにより労務費や資材価格が上昇し、需給バランスが崩れ、これを契機として構造的な担い手不足が顕在化し、一転して入札不調が増加する状況にも直面いたしました。このような相反する状況の中でも、都政改革を前に進めるため、さまざまな具体的な提言をしてきました。
 知事は、我々とは異なる考えをお持ちのように見えますが、まず、現在に至る入札契約をめぐる社会経済状況というものをどのように認識しているのか伺います。
 この間、我々が持ち続けた問題意識は、いかに公共調達の品質を確保し、持続的な都民サービスにつなげるのかということに集約できます。そのためには、発注者である都が、受注者のみならず下請企業も含む事業者やその従業者が技術力を培い、それを十分に活用できる環境を整備していくことが極めて重要です。この我々の考え方は、国においても品確法の改正という形で結実いたしました。
 だからこそ、発注者が市場価格を反映した適正な予算価格で調達を実施し、サプライチェーン全体の持続性を保っていくことこそが、その出発点であります。発注者のみがコストカットの恩恵を受け、そのツケを受注者、さらにその下請業者にしわ寄せするような公共調達は、決して長続きはしません。その意味で、公共調達が目指すべきは、コストカットではなく、公平、公正な競争性があり、そして品質の確保を図ることであります。
 そこで、公共調達の役割、考え方について、知事の所見をお伺いいたします。
 知事は、改正された品確法をご存じなのでしょうか。そこには、知事や側近の方々が信奉している最低価格自動落札方式、つまり、安ければよい、安くてもよいという発注者の考えでは到底実現できない理念が、この法律にはうたわれています。
 我々は今、都がこの改正品確法の理念を実現するために、発注者としての責任と行動をもって公共調達に臨むことが、二〇二〇年大会のレガシーにもつながるものと考えています。制度の運用というものは、社会経済状況にかかわりなく常に有効に機能するものではありません。それゆえ、断片的な欠陥なら幾らでも批判できます。しかし、それでは単なる批評家であり、行政の責任者ではありません。
 その意味で、知事及び側近の皆さんが現状の制度や運用のどこに課題があり、どのようにしていくべきか、ぜひ全体像を示した所見をお伺いいたします。
 また、財務局が主催し、有識者によって現在の入札契約制度の実施方針を取りまとめた入札契約制度改革研究会があります。この会は、現在もその役割を担い、必要に応じて開催できる仕組みになっているはずであります。
 知事は、就任から今日まで、都政改革会議を初め、知事の肝いりで数多くの会議体を立ち上げられました。新たに、入札契約制度をテーマにして、研究会の学識経験者の皆さんと都政特別顧問とで、今後の都の入札契約制度のあり方について、公開による議論の場を設けてみてはいかがかと提案いたします。知事の所見を伺います。
 次に、無電柱化についてであります。
 我が党の政策集には、東京から電柱をなくしますと明記して、これまで機会あるたびに都側に無電柱化のさらなる推進を求めてきました。熊本地震の報告書でも、電柱の傾斜や倒壊によって救急救援活動や支援物資の輸送、復旧に支障が生じたと記されています。
 知事の所信表明では、東京から電柱をゼロにする無電柱化を推進する条例案を検討するとの発言は、我が党とまさに軌を一にするものであり、さらに加速化する取り組みを求めます。
 具体的には、一昨年十二月に策定した無電柱化推進計画をバージョンアップさせることです。この計画では、平成三十年までに都道七百十七キロ、区市町村道百九十キロ、合わせて九百十キロを無電柱化するとされていますが、まずは整備計画を上方修正すること、加えて、優先的に整備を進めるとしていた東京大会競技場周辺に限定せず、区市町村への支援を拡充し、さらには民間電線管理者との合意形成が必要です。それには当然、財政的な支援の仕組みの充実が伴います。
 知事並びに建設局長に、その取り組みについての具体策と所見をお伺いいたします。
 また、防災の観点から道路整備についてお伺いします。
 東京の区部の大きな課題は木密対策です。このことについて、知事は所信表明で触れていました。この問題は、もとをただせば帝都復興事業の総予算が縮小されたことに起因しますが、前回の東京五輪以降、都市の不燃化対策と土地政策が手薄だったため、特に山手線の内外、環七通り沿いの小規模住宅地が老朽化、そしてさらなる小規模化によって、いわゆる木密地域となりました。
 しかし、阪神大震災、東日本大震災の教訓に加え、首都直下地震の切迫性が叫ばれ、平成二十二年に木密不燃化十年プロジェクトがスタートいたしました。この事業の画期的なところは、十年間という終期を定めたこと、地元区も含め局横断で、一時的な避難場所や避難路にも使え、延焼遮断帯となる特定整備路線を整備し、整備地域内の不燃領域率を七〇%にしていくというものです。
 大切なことは、特定整備路線と面整備を同時に進めていくことで、緊急自動車等の通行を可能にする幅員六メートル程度の防災生活道路の拡幅整備と建てかえによる不燃化を促進することにあります。
 既に木密不燃化十年プロジェクトの終期まであと四年となり、都は、特定整備路線の整備を強力に進めていくとしていますが、災害時の救援活動には、防災生活道路の整備や沿道の不燃化も必須となります。
 知事は、木密対策の充実、前倒しをかねてからいわれておりますけれども、具体的には何を充実、前倒しされるのか、知事の所見を伺います。
 知事は先月、記者会見で豊洲移転に向けたロードマップを示し、環境アセスが順調に進めば、来年の夏に総合的な判断をして、冬から再来年の春には移転に向けた環境が整い得ると説明されました。このことだけであれば、豊洲移転に向けた具体的なステップとして受けとめることができます。
 しかしながら、その一方で、記者とのやりとりでは、移転が確実とはいえないと答え、その翌日の朝刊では、市場問題PTが築地市場の存続を検討する方針であるといった記事も掲載されています。知事が一体どういうスタンスでこの問題に向き合っているのか、築地市場の事業者の皆さんは、はかりかねています。
 こうした中、議会として、豊洲市場移転問題特別委員会も先週から実質的な審査に入りました。審査の主な内容は、専門家会議、市場問題プロジェクトチームの両調査の経過報告でありました。
 質疑を通して、市場問題PTでは、豊洲市場建屋の構造の安全性は、積載荷重、耐震設計においても法令上の問題はないことが確認され、少なくとも建屋の安全性には問題がないとの結論が出ました。
 今後は、既に第三回定例会で我が党の代表質問に環境局長が答弁したように、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策は、法律上求められる対策は適正に行われていたのですから、常識的には安全性は担保されていると考えます。したがってこれからは、都民の安心をどうつくり上げていくのかという観点で、専門家会議の皆さんの英知を結集し、一日も早く結論を導き出していただくことです。
 当日の委員会で我が党から求めたことは、安心・安全には丁寧であることはもちろんですが、迅速に両会議での議論を進めるよう、知事から関係者に指示すべきというものであります。環境アセスメントが変更で済むのか、やり直しになるのかは重要な問題ですが、変更で済むならば、私たちは、総合的な判断の時期をさらに前倒しできると考えます。知事の所見を伺います。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。
 まず、パラリンピックについて伺います。
 前回の定例会で、知事は我が党の質問に対し、パラリンピックの認知度向上や機運醸成、パラリンピックを見据えた施設整備などを行うことで、二〇二〇年大会を、誰にとっても住みやすい東京の実現への大きな転換点として、全力で成功へと導いていくとビジョンを語られました。
 東京大会に向けては、もう既に四年を切ったところであり、あらゆる面において取り組みを加速させていかなければなりません。そこで、東京大会に向けて、都として今後どのように準備を行っていくのか伺います。
 次に、会場に至るアクセス経路のバリアフリー化について伺います。
 競技会場には、オリンピック時は座席数の〇・七五%、パラリンピック時は一から一・二%の車椅子の座席が用意され、新国立競技場周辺や競技会場の集まる臨海部には、多くの車椅子の観客が集中することが想定されます。
 そこで、会場内だけでなく、駅から会場に至るアクセス経路についても、アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえ、連続的にバリアフリー化を進め、円滑な移動を確保していくことが、大会の成功やレガシーという観点から非常に重要です。
 都は、競技会場に至るアクセス経路のバリアフリー化についてどのように取り組んでいくのかお伺いします。
 次に、競技会場周辺駅の都営地下鉄のバリアフリー化について伺います。
 メーンの競技会場である新国立競技場の直近には大江戸線の国立競技場駅があります。この駅は、既にいわゆる一ルートが整備されておりますが、地上へのエレベーターは十一人乗りで、車椅子利用者は一人しか利用できません。なおかつ、駅が深いため往復に時間がかかり、車椅子利用者が集中すると円滑に移動できないおそれがあります。
 国立競技場駅などの会場駅周辺については、こうした需要に適切に対応できる規模のエレベーターを整備するなど、バリアフリー化を、より一層充実させることが重要です。そこで、競技場周辺駅について積極的にエレベーターの整備を進めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、障害者スポーツについてです。
 我が党は、障害者スポーツが都民、国民の日常に溶け込んだ東京を実現することこそが、二〇二〇年大会のレガシーの最たるものになると主張してきました。障害のある方が身近な地域で気軽にスポーツを始められるよう、場所や人材等の環境を整えていくことも大切です。さらに、選手の発掘、育成や選手の受け皿となる競技団体の体制強化も、都として取り組んでいくべき重要な課題です。
 こうした障害者スポーツのさまざまな課題に対して、都は今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、新たなスポーツ推進計画の策定についてお伺いをいたします。
 我が党は、全ての都民を元気にするスポーツ文化都市の実現を公約に掲げて、都のスポーツ振興に取り組み、二〇二〇年大会の招致実現を初め、数多くの成果を上げてきました。そして、東京は今、二〇一九年ラグビーワールドカップ及び二〇二〇年東京大会開催を控え、スポーツ振興の大きな転換期を迎えています。この二つの世界大会を起爆剤に積極的な取り組みを展開していくことが、世界一のスポーツ都市東京の実現につながります。
 知事が所信表明で述べていた新たなスポーツ推進計画は、二〇二〇年東京大会だけではなく、その先も見据えたスポーツを通じて東京を発展させるための羅針盤となるものでなければなりません。
 都は、スポーツ都市東京の実現に向けてどのような計画を策定していくのか、見解を伺います。
 次に、築地市場の豊洲移転について伺います。
 都は、移転延期に伴う損失補償の検討を進めています。延期決定から既に三カ月、一刻も早く補償スキームを明らかにし、事業者に知らせるべきであります。
 同時に、実際の補償まで事業者は資金繰りに奔走せざるを得ません。都は、我が党の要望に応え、仲卸事業者向けの融資を開始しましたが、事業者の状況を踏まえたさらなる支援の拡充が必要です。
 また、既に多くの事業者がさまざまな設備を豊洲に設置し、電気代などの維持管理の負担がふえています。施設を管理する都として、事業者負担を考慮した責任ある対応をとるべきです。
 さらにいえば、知事は記者会見で補償金を市場会計で賄うといっています。事業者の納める使用料を充てるつもりなのでしょうか、明確にすべきであります。
 都は、移転延期に伴い大きな影響を受けている市場業者の負担を考慮した適切な対応を進めるべきですが、見解を伺います。
 ロードマップでは、豊洲への移転は早くても一年後の冬、市場業者と移転時期を調整するとなると翌年の春まで延びることも考えられ、少なくとも一年から一年半の間、築地市場を使い続けることになります。知事は、このことの大変さを理解しておられるのでしょうか。
 開設から八十年以上が経過した築地市場の老朽化は著しく、耐震性やアスベストの問題など、施設面でさまざまな課題を抱えています。豊洲への移転は、この間さまざまな曲折を経ており、移転方針が示された後も、その時期はたびたび延び、都にしても事業者にしても、無駄な投資を避けるため、移転まで何とか持たせようと、だましだまし使ってきたのです。豊洲市場が実現するまでの間、開設者として築地市場の機能を確保する責務を果たすとともに、事業者への補償や支援にも取り組むべきですが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、都市政策について伺います。
 最初に、誰もが快適に利用できることのできるトイレの整備について伺います。
 トイレを見れば、その国の文化がわかるといわれます。我が国における公共や民間のトイレは概して清潔で、加えて、温水洗浄便座が普及するなど、クールジャパンを象徴するといっても過言ではありません。二〇二〇年に向け、こうした清潔で公衆衛生にすぐれた国民性をアピールすることは、日本全体のイメージを向上させます。急増する外国人旅行者をおもてなしするためにも、この文化をより洗練させていくべきです。
 そこで、トイレの洋式化は、高齢者や障害を抱える人にとっても意義があります。超高齢化社会に向け、バリアフリー化という観点からも洋式化を強力に進めることが必要です。これは、東京トイレ革命とも呼ぶべきものであります。もちろん、一朝一夕にはこの革命はなし得ません。
 そこで、区市町村や民間への波及も見据え、全庁横断の調整を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 同時に、こうした動きを加速していくために、都みずからも率先して整備に取り組むことが必要です。そうした点において、我々都民にも身近で、東京を訪れる外国人にとっても、日本文化を体感できる都立公園や庭園の対応は、おもてなしの観点からも喫緊の課題です。近年のインバウンドの状況を見ても、都立公園等において、誰もが利用しやすいトイレの整備に積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 さらに、公立学校のトイレの整備について伺います。
 都内公立学校のトイレは、住宅等に比べ和式便器が多く残り、また老朽化による問題から、児童生徒が敬遠している状況です。また、学校には災害時の地域避難所としての役割も求められます。東日本大震災や熊本地震の際、学校施設のトイレにさまざまなふぐあいや不便が生じたことから、災害時に高齢者や障害の方々など、さまざまな避難者の使用を想定したトイレの確保は重要な課題です。首都直下地震等を踏まえ、地域の避難所としての機能を強化するためにも、学校のトイレ対策が求められます。
 そこで、都内公立学校におけるトイレの整備について、今後の取り組みを伺います。
 次に、インフラの予防保全型管理について伺います。
 東京のインフラは、高度経済成長期に集中的に整備されたため、建設後既に三十年から五十年の期間が経過をいたしております。それゆえ、今後多くの施設が一斉に更新や大規模補修の時期を迎えることから、東京のインフラの老朽化対策は喫緊の課題であります。
 東京のインフラがその機能を果たせなくなることは、ついこの間起きた東京電力の洞道における火災事故や、博多での地下鉄工事中の道路陥没事故からもわかるよう、都民や都市機能に甚大な被害を与えてしまいます。
 東京の道路、河川が本来の機能を提供し続け、都民に安心・安全を与え続けていくためには、日々の点検に応じた対策を実施することはもとより、壊れてから対応する対症療法型の維持管理から転換して、計画的に更新を進める予防保全型管理をインフラ全般に拡大していく必要があると考えますが、都の所見を伺います。
 次に、外環の整備推進について伺います。
 首都圏三環状道路の一つである外環は、交通渋滞の解消や迅速かつ円滑な物流に資するとともに、防災力を高める上で重要な高速道路であります。
 このため、都議会では、超党派による外かく環状道路建設促進議員連盟を平成十三年に結成し、さまざまな取り組みを行ってきました。こうした取り組みなどにより、平成二十一年に関越道から東名高速間が事業化され、現在、国など事業者により整備が進められています。
 外環の早期整備に向け、都も積極的に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、環境エネルギー施策について伺います。
 災害廃棄物処理計画の策定に向けた取り組みについてでありますが、災害からの早期復旧、復興を図るには瓦れき処理が何よりも重要です。発災後、ちゅうちょする間もなく、直ちに災害廃棄物処理の方針を定め取り組まなくては、その後の取り組みに大きな支障となりかねません。
 熊本地震においては都も職員を派遣し、災害廃棄物処理実行計画の策定や近隣自治体との連携などについて支援したと聞いております。都においても、災害廃棄物処理計画を策定しているところですが、熊本の今の現状を調査し、計画に反映させる必要があります。
 都は、熊本地震で得られた教訓や経験を、どう計画の策定に反映させていくのか、考えを伺います。
 世界で一番の環境都市を目指す首都東京は、省エネルギーを大幅に進めるとともに、CO2を排出しない再生可能エネルギーをふやしていくことが必要です。
 太陽光発電については、昨年、携帯電話やスマートフォンに充電する自立型ソーラースタンド、いわゆるシティーチャージが設置されました。都民や訪日観光客など、誰でも無料で充電でき、好評を得ていると聞いています。このシティーチャージには蓄電池も内蔵され、災害発生時においても利用可能ですが、さらにサイネージなどの機能もあわせ持てば、誰もが身近に再生可能エネルギーを実感でき、観光振興と防災の両面で役立つとも思われます。
 こうしたシティーチャージを普及させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 続いて、福祉政策について伺います。
 まず、待機児童解消に向けた取り組みについてであります。
 我が党はこれまでも、待機児童ゼロを実現するために都に対してさまざまな政策提言をし、国をリードする施策を実現してまいりました。
 さきの第一回定例会からは、整備目標の見直しや保育人材の確保策など、さらなる取り組みの強化を繰り返し求めてきました。
 都は、待機児童解消に向けた新たな支援策を平成二十九年度予算に反映していくとしています。保育人材不足は深刻であり、現場で保育を担う職員の処遇を確実に、かつ早急に改善し、人材の確保、定着を図る必要があります。
 そこで、実施主体である区市町村や保育事業者と意見を交わし、取り組み状況や課題、処遇改善の状況を把握しながら、キャリアアップ補助の充実など待機児童対策をさらに強化する必要があると思いますが、見解をお伺いいたします。
 待機児童の解消が一刻も早く解決すべき喫緊の課題であることを踏まえれば、従来の対策の拡充に加えて、新しい対策を取り入れることも重要であります。
 その一つとして、税制の活用が考えられます。例えば、更地を所有するオーナーが、その更地を保育施設のために貸し出す場合、税負担が土地供給の妨げになっているとの声が寄せられており、特別区議会議長会や区長会からも、民有地の供給を促進するため、固定資産税の減免など税制の優遇措置を要望する声が上がっています。
 今年度の東京都税制調査会の答申では、都の重要施策を支援する税制の役割が提言されており、現在の待機児童の状況を踏まえれば、公平性の確保という租税原則は重要であるものの、特例措置として税制面からも手当てを講じ、こうした声に応えるべきであります。
 都は、保育施策の整備促進に向けて、税制による支援も活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、障害者施策について伺います。
 本年四月に、障害者への不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供を求める障害者差別解消法が施行されました。差別解消法に関しては、障害のある方々から、差別を受けたときにどこに相談したらいいかがわかりづらいといったご意見を聞いています。
 知事は所信表明で、障害のある方々への差別をなくすための取り組みを一層推進する条例案の策定について、検討を開始すると述べられました。条例策定に当たっては、こうしたことも踏まえ、検討を進めていくことが必要と考えますが、都の所見を伺います。
 次に、ユニバーサルデザインのまちづくりについて伺います。
 東京大会に向けた都立競技施設の整備では、大会組織委員会が定めるバリアフリーの指針であるアクセシビリティ・ガイドラインの遵守はもちろん、障害者団体から使い勝手について意見を伺いながら整備を進めていると聞いております。障害者等の当事者を含めた都民からのさまざまな意見や要望を伺いながら整備を進める手法は、道路や公園などの身近な施設や設備の改修にも有効であり、障害者への理解を促進するためにも重要であると考えます。
 東京大会の開催やその後も見据えて、今後、都はユニバーサルデザインのまちづくりにどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、家庭的養護の推進について伺います。
 先月、東京都児童福祉審議会から、家庭的養護の推進についてという提言が出され、家庭と同様の環境における養育のさらなる推進に向け、今後都が取り組むべき施策の方向性が示されました。
 都は提言を受け、今後どのように家庭的養護を推進していくのか、基本的な方向性を伺います。
 次に、健康寿命の延伸に向けた取り組みについて伺います。
 最近、フレイルという言葉を耳にします。厚生労働省の資料によると、フレイルとは、加齢とともに筋力や認知機能等の心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態とされています。ただし、適切な介入、支援により、生活機能の維持向上が可能ともいわれています。
 高齢化が進む中、健康寿命の延伸に向け、今後、都としてフレイルの予防にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
 次に、産業政策について伺います。
 商店街は、古くは楽市楽座までさかのぼるともいわれ、長きにわたり市民の暮らしを支える生活の場として存在してきました。現在でも、買い物だけでなく、通勤や子供の送り迎えなど、人々の生活動線が交差する場として、地域の中で重要な役割を果たしています。
 しかし、昨今、ライフスタイルの多様化や商店主の高齢化など、商店街を取り巻く環境は大きく変化しています。
 都は、さまざまな商店街振興策を講じてきましたが、商店街が抱える課題が多様化する中、解決へ向けた道筋を見つけられずにいる商店街も多いと思います。商店街がそれぞれの課題をしっかりと把握した上で、みずから知恵を絞り、将来を見据えた取り組みを展開できるよう支援していくべきと考えますが、見解を伺います。
 近年、企業経営の中で、リスク管理の必要性が叫ばれています。風水害や地震などの自然災害が頻発し、インターネット上での情報流出も社会問題となっています。こうしたさまざまなリスクへ適切に対応するためには、災害などの緊急事態が発生したときに効果を発揮するBCPの策定や、ICTなどへのセキュリティー対策が重要であります。その一方で、このような危機管理対策は、専門性が高く、投資も伴うことから、特に中小企業においてはなかなか前に踏み出せないとの声が聞かれます。
 首都直下地震やサイバー攻撃など、さまざまなリスクに直面する首都東京において、中小企業の危機管理対策への支援を一層充実させるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 産業の活性化に向けては、観光の振興も重要です。観光関連の事業者が外国人旅行者のさまざまなニーズに対応できるよう、都としてしっかりサポートすることが重要であります。
 事業者にとっては、外国語表示や利用者のための情報インフラを整えるとともに、サービスの質を高める取り組みなども、経営上の重要な課題となると考えます。また、特にトイレについては、外国人に合わせた洋式の設備を整えることが欠かせません。こうした対応をサポートしつつ、観光関連事業者の経営効率化など、マネジメントの力を高めることが重要であります。
 今後、成長が期待される観光産業の発展に向け、事業者の経営力の強化につながる支援を充実すべきと考えますが、所見を伺います。
 安倍政権では、現在、一億総活躍社会の実現や働き方改革の実現を、一丁目一番地の政策として取り組んでいます。誰もが希望や能力に応じて最大限活躍できる環境を整備し、多様な個人が能力を発揮できる社会をつくっていくことは喫緊の課題です。
 このような中で、働く意欲と能力があるのにもかかわらず、難病やがんなどの病気によって職場での活躍を諦めざるを得ないことは、社会にとって大きな損失です。
 これまで都は、難病患者の就業支援については、障害施策とあわせて進められてきました。今後は、難病患者やがんサバイバー、がん患者の方々が、治療と仕事を両立しながら、希望とやりがいを持って生き生きと働けるよう、一歩踏み込んだ就業支援を行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 東京五輪が開催される二〇二〇年には、団塊の世代が七十五歳に差しかかり、介護ニーズは一層の増加が見込まれます。全国では既に、年間十万人を超えるともいわれる方が介護を理由に離職していますが、介護に従事する方の多くは四十代、五十代であり、企業にとってはまさに中核と呼べる方々です。こうした人材の離職は、人材確保に苦しむ中小企業にとっては、経営存続にかかわる大変深刻な問題です。
 企業の中核を担う方々が介護を理由に退職することのないよう、企業を積極的に支援すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、安心・安全対策について伺います。
 防犯カメラの設置補助についてであります。
 都の刑法犯認知件数の減少は、警察の取り締まりに加え、地域における防犯ボランティア団体の活動や防犯カメラの設置促進が寄与したといわれています。しかし、都内の設置状況を見ると、設置地域に偏りが生じております。地域の治安情勢の違いもありますが、資金力の差も要因の一つと考えられます。今後は、希望する全ての団体が設置できるよう、負担軽減なども検討が必要であります。
 また、保護者などからは、子供が安全に遊べるよう公園に防犯カメラを設置してほしいとの声を聞きます。都として、地域の安心・安全の向上を図るために、住民にとって身近な公園への防犯カメラの設置が進むよう、区市町村を支援していくことも重要だと考えます。
 今後、地域の防犯力を高めていくため、防犯カメラの設置促進を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、教育政策について伺います。
 まず、私立学校助成に対する基本的な考え方について伺います。
 東京の私立学校は、建学の精神と独自の教育理念に基づく個性豊かな教育を展開し、多彩な人材を育成してきました。こうしたことから、都議会自民党は、長きにわたりさまざまな努力と工夫により、すぐれた教育を行ってきた私立学校への支援を重要な政策の柱と位置づけ、取り組んできました。学校に対する基幹的補助である経常費補助を充実させ、教育条件の維持向上に力を尽くすとともに、どのような環境にあっても、私学を希望する子供たちが私学に通うことができるよう、保護者負担の軽減も取り組んできました。
 都は、さきの都議会第三回定例会での我が党の質問に対し、都独自の給付型奨学金について検討を進めていくと答弁されましたが、私学振興には、これまでの歴史、議論、制度の積み重ねがあり、それを大事にして予算編成に臨むべきと考えます。
 今後の私立学校への助成制度に関する基本的な考え方について、都の見解を伺います。
 次に、私立学校におけるグローバル人材の育成について伺います。
 日本の将来を担っていく若者にとって、積極的に世界中の人々とコミュニケーションを図り、国際感覚を身につけることは、大変重要です。都議会自民党は、私立学校のグローバル人材の育成を支援するため、高校生の海外留学に対する支援を初め、さまざまな施策を提案、実現させてきたところであります。
 支援を受け、留学した生徒の数が延べ人数千人を超えるなど、各事業の実績は着実に上がってきていますが、世界一の都市東京の将来を担う、より広い視野と豊かな国際感覚を持った人材を育成するためには、さらなる支援の充実が必要であります。
 これまでの実績を今後につなげていくための展開について、見解をお伺いいたします。
 次に、私立幼稚園における預かり保育等への支援について伺います。
 東京の幼稚園児の九割以上が通う私立幼稚園は、都の幼児教育において大きな役割を果たしています。また、多くの私立幼稚園が、教育時間終了後などに預かり保育に取り組んでいます。この預かり保育の促進は、幼稚園が共働き世帯等の教育需要に対応できるようになることに加え、三歳以降の子供の預け先探しに苦労する、いわゆる三歳児の壁の問題にも有効で、待機児童解消にもつながる取り組みであると考えます。
 幼稚園や幼稚園団体からも、預かり保育等を拡充し、地域や保護者の要望に一層応えていきたいとの声を聞いています。しかし、一方で職員の確保などが困難なため、長時間の預かり保育を必要とする子供の受け入れができない幼稚園もあります。
 そこで都は、預かり保育など、保護者の多様なニーズに応える私立幼稚園の取り組みを積極的に支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、肢体不自由特別支援学校のスクールバスについて伺います。
 先般、都教育委員会は、今後十年を見通した特別支援教育推進計画について、その骨子を公表いたしました。知的障害特別支援学校の普通教室確保や発達障害の都立高校生の在学中支援などが盛り込まれたことは評価したいと思います。
 スクールバスの乗車時間については、バスの台数をふやすなどにより、年々改善が図られていますが、現在もなお六十分を超える乗車となっている子供がいると聞いています。特に肢体不自由児の保護者の方々からは、車椅子で長時間バスに揺られることは負担が大きいので、改善してほしい旨の声が寄せられています。
 そこで、肢体不自由特別支援学校スクールバスの乗車時間のさらなる短縮を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、多摩振興についてであります。
 多摩地域は、豊かな自然と、東京の三分の一に相当する四百万もの人口を擁し、また多くの大学や研究機関が集積するなど、東京を世界で一番の都市にするため欠かせない地域であります。また、一口に多摩地域といっても、一くくりに論じることは適当ではありません。
 これまで、都は、新たな多摩のビジョン行動戦略に基づき、道路ネットワークの充実や防災力の向上、医療体制の充実などに取り組み、多摩地域の振興を推進してきました。
 一方、各市町村においては、総合交付金を初めとした都からの財政支援を活用しながら、地域に密着した独自の取り組みを展開しています。
 都では、地域の実情に見合った新たな多摩の振興策を検討するとのことですが、こうした市町村への支援も含め、今後、都として多摩振興にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、上下水道施策について伺います。
 まず、多摩地区の水道について伺います。
 国は、水道事業に関して、施設の老朽化などの課題を抱える全国の小規模事業体等の広域化の推進を検討していると聞いています。
 一方、東京都では、全国に先駆け、多摩地区の水道事業の都営一元化、いわゆる経営統合による広域化を推進してきました。
 しかし、多摩地区は、区部以上に面積が広い一方で、市町ごとに水道事業を経営していた経緯から、二百七十もの施設が点在しており、今後は、より効率性を重視した施設の再構築を進めていくことが重要であります。また、多摩水道が広域化の先駆者として取り組んできた経験や知見を生かしていくことが望まれます。
 そこで、多摩地区における水道事業の今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 JR博多駅前で発生した道路陥没は、かつてない規模の事故として、海外メディアでも大きく取り上げられました。今回の事故は、地下鉄の延伸工事が原因でありました。
 一方、東京の地下に目を向けると、膨大なインフラが張りめぐらされています。これらの多くは、高度経済成長期以降に整備されたものであり、今後、一斉に更新時期を迎えることから、破損による道路陥没が非常に危惧されます。万一、道路陥没が発生すれば、首都機能が集積する東京の都市活動に重大な影響を与えます。
 老朽化の問題は、下水道においても例外ではなく、昨年五月には下水道法施行令が改正され、下水道管の定期的な点検が義務づけられました。こうしたことを踏まえ、下水道管の機能を維持するためどのような取り組みを行うか、お伺いをいたします。
 以上、都政の諸課題について質問をさせていただきました。
 冒頭にも申し上げさせていただきましたが、二元代表制について改めて述べさせていただきます。
 私は、高木執行部の政調会長を八月一日に拝命をいたしました。この間、今日までの四カ月間、自問しながら職務に当たらせていただいております。
 小池知事が就任後、メディアを介して東京の露出度は一段と高まり、都民の都政への関心も広がっています。しかし、残念ながら、断片的な情報であったり、必ずしも議会での議論が正確に伝わっていないのも事実であります。
 都民から選挙された知事と議会が、都政を前に進めるために、お互いの代表性を認め合いながら議論する場が、ここ議場です。
 知事並びに関係局長に、我が党の代表質問及び提言に誠実にお答えくださいますようお願い申し上げまして、そして再質問を留保いたしまして、質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 自民党崎山政調会長、議員のご質問にお答えをさせていただきます。
 まず、ご質問につきまして、特に私、知事に対しましてのご質問は、事前に一切いただいておりません。その意味で、私、速記者ではありませんので、全部書き取ることはできませんでしたが、今、ご質問いただきましたことにつきましては、誠心誠意、私の言葉でお答えをさせていただきとうございます。
 しかしながら、十分書き取れなかった部分もございますので、その件につきましては、この後、休憩をおとりになるということもお聞きしております。再質問ということもお聞きしておりますが、一〇〇%お答えできるようにいたしますけれども、その件についてはぜひともご容赦いただきたく存じます。
 また、最後にご指摘になりました、議会とそして知事との関係、これは地方自治法によりまして定められたものであり、国会と内閣、議院内閣制とは異なるものであることは重々承知をしているところでございます。そしてまた、私自身が、知事選におきましては都民ファーストをずっとお訴えをし、そのことについて都民の皆様方から圧倒的多数のご支持をいただいたものと、このように思っているわけでございますけれども、それはすなわち、この都政というもの、都政は、知事と、そしてまた、二元代表制のもう一つのご代表であり、都民を代表しておられる皆様方としっかりと議論を重ねて、よりよい都政をつくっていくんだ、そして、おっしゃるように世界で一番すばらしい東京にしていくんだ、その意味では方向性は全く一致しているものと思います。
 しかしながら、これまでの都政のあり方でよかったのかどうか、そのことを、都知事選におきまして私は都民の皆様方にお訴えをし、そのことに対して多くの皆様方が、よし、小池頑張れとおっしゃっていただいたのだと思っております。
 よって、私は、この二元代表制というベースに基づきながら、しかしながら、東京大改革という大きな看板を掲げながら、一つ一つその改革を進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞ皆様方からも率直なご議論、そしてまた、ご指摘、ご提案を私はしっかりと受けとめてまいりますので、そういった点におきまして、ぜひとも――私の政治姿勢、今申し上げたとおりでございます。
 都民ファースト、それは、国会議員のときは国民ファーストでありました、日本ファーストでありました。そのことにつきましては、何を第一にするのかということこそ、まさしく一人の政治家の姿勢そのものでございますので、私は、知事として選んでいただいた今は、都民ファーストの姿勢をしっかりと貫きながら、そして二元代表制を頭に置きつつ、皆様方の声もしっかり受けとめ、今後――先ほども、この後、ご質問がございますように、いわゆる復活予算の仕組みでございます折衝につきましても、その点につきましては、各会派の皆様方からお声を頂戴することとなっておりまして、全く皆様方の声を無視するという考えはないことを、ここでまず最初に冒頭申し上げておきたいと、このように思っております。どうぞご理解のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 私の政治姿勢につきましての問題、そして二元制についてのご質問でございました。今、私の心情を吐露させていただき、それはもちろん法律に基づいたことをベースにしておりますことを、改めて申し上げておきたいと思います。
 もちろん地方自治につきましては、国会とは違います。そして、むしろ地方自治こそ政治の現場であると、このように思っておりますので、この東京ですばらしい地方自治を示すことが――今、四十七都道府県、さまざまな問題を抱えております。別々の問題も抱えておりますが、共通する部分は、それぞれの県民ファーストだと思っておりますので、私は、東京大改革を進めることによって、新しい地方自治、その姿をぜひ指し示し、それはすなわち、日本全体としての持続可能な、ちょっと待ってください。――失礼いたしました。それはすなわち、日本全体が持続可能な国家である、そして、それぞれの地域が生き生きと輝き続ける社会である、都道府県である、そういったモデルにしていきたい、そのような思いを持っているわけでございます。
 そして、済みません、少々順番が異なることになるかもしれませんが、よろしゅうございますでしょうか。
 そして、三番目に――私に対してのご質問は、多分四十三問あったと思います。そして、全部書き切れなかったものもございますので、それが順番が変わってしまうかもしれませんが、その点をぜひとも、事前通告いただきませんでしたこともこれあり、ご理解を賜りたいと思います。(発言する者あり)
 そして、予算編成のプロセスに……(発言する者多し)十分書き取れなかったものもあるので、その点はご理解いただきたいということを申し上げたわけでございます。
 さて、そういう意味で、予算編成のプロセスの見直しをさせていただいたところでございますけれども、これにつきましては、来年度予算案の編成において予算の調製権を有しておりますのは知事である私であることは皆様方もご承知のとおりでございます。そして、都議会の皆様、各種団体の皆様から、ご意見、ご要望をオープンな場で伺うことといたしております。それによって、都民の皆様方の声を予算に最大限反映させていくことといたしました。
 そして、各局の予算要求内容、そしてまた財務局によります査定につきましては、ご承知のようにホームページで公開をするなど、既に情報公開をしたところでございます。
 このようなプロセスをしっかりと踏みながら、かつオープンにするということでございまして、これまで続いてまいりました、いわゆる政党復活予算の仕組みにつきましては終了するということを申し上げたところでございます。
 四十七都道府県、それぞれ調べてみましたけれども、東京都のみがこの方式をずっと守ってきたということについて、私もこういった形は、東京都の場合、終了させるべきではないかと考えたことから、本来の、今回の結論とさせていただいたところでございます。
 また、本来、団体ヒアリングを行うわけでございますけれども、各事業の団体から、それぞれ率直なご意見などもお聞きをしながら、それについても公開をさせていただく予定といたしております。しっかりとお話を聞く、そしてまたエッセンスをしっかりと伺うことになろうかと思っております。
 団体ヒアリングに関しましては、築地でございますけれども、市場の関係者の方々からもお話を伺うことといたしております。
 それから、ヒアリングの具体的な方法につきましては、これにつきましては、それぞれ日程について既に各団体にもご報告をしているところでございます。
 それから、各種団体のヒアリングの具体的な進め方でございますけれども、先ほど申し上げたように、直接ご要望を伺いまして、都民の声を最大限予算に反映するという趣旨をもとといたしまして、具体的な対象団体や進め方などの検討、調整も行っているところでございます。
 そして、多くの団体からの要望を一人で聞くことには当然限界があるわけでございますので、これまでの、さまざまな都政の現場を見て回っておりますけれども、そして率直に皆様方からの声も直接伺ってまいったわけでございますけれども、こうした積み重ねに含めまして、全体のバランスを考えながら、各分野で活躍する団体のご意見をお聞きするということでございます。しっかり皆様方のお話を伺いつつ、必要な都政へ導いていく、その予算づけということを対応してまいりたいと思っております。
 そしてまた、タイトな日程となってしまうかもしれませんけれども、こうした、これまでではない見直しの趣旨を、それぞれの団体にご理解をいただきまして、そして、しっかりとお話を伺うこととさせていただきたいと思います。
 こうした中におきまして、やはり都政をめぐります社会状況も目まぐるしく変化をしております。そして、都民の意識も大きく変わってきているわけでございまして、そういった意味で、新しく――新しくと申しましょうか、いわゆる政党復活予算の制度にかえて、さらに新しく声を聞いていくというのも、一つの大きな流れではないかと、このように思っております。
 また、復活予算の廃止に対しましては、御党から抗議文も頂戴したわけでございますけれども、議会軽視であるとご指摘もいただいたところで、拝読もさせていただきました。しかしながら、これまでの流れでございますけれども、これをさらに情報の公開という観点からも、廃止をするという判断をしたものでありまして、議会軽視には当たらないと、このように考えております。
 そして、次に、特別顧問の設置要綱の条例化についてのお話、関係がどうなっているのかという話がございました。
 まず、都政改革と特別顧問の関係でございますけれども、確かに今回、私、知事になりまして、外部のさまざまな有識者の皆様方に顧問、特別顧問などに就任をしていただきまして、これは都の規則にのっとった形でつくらせていただいたシステムでございます。これまでの都政を変えていく、そしてまたバージョンアップをしていく、さらには東京を大改革をしていくという私の政策の、これを強化していくというためにも、さまざまなご意見を伺いたいということでございます。
 都庁の職員は、このように既におられます。そして都議会の皆様もおられます。しかし、そこから新しい切り口を、そして東京大改革をしていくというためには、新しいアイデアも必要とするわけでございまして、私一人でそれをやり抜くというよりは、そういった新しい考えの方々、改革を目指す方々とともにチームワークで進めていくというのも、これも一つの考え方でございます。
 そういった中から、それぞれの専門の知識を持った方々、ご経験のある方々を、それぞれ私なりに集めさせていただきまして、そして、その規則にのっとった形でご就任をいただいたものでございます。
 そして、この都政運営に当たりましては、まず何よりも、みずからの判断と責任において都政を運営する責務を負っているわけでございますけれども、その中で、まずは、具体的な担い手として、各局長を初めとする一人一人の職員でございます。これは都政の一番のエネルギーであり、エンジンであり、そしてまた現場で汗をかく人たちでございます。
 こういった職員と課題を共有しながら、議論を交わしながら、都政を前に進めていくというのがまず第一でございますけれども、先ほど申し上げましたように、単にこれまでの延長線でない方向を探していく、求めていくというのが私の東京大改革である限りは、ここでギアチェンジが必要なわけでございますので、その意味で、外部の有識者の方々に顧問をお引き受けいただいたということでございます。
 こういった観点からも、今も職員の皆様方と改革をともに進め、また、都政改革本部を設けました。こちらの本部長は私であり、そしてその構成員は都の職員でございます。そこに外部の顧問の皆様方からのアドバイスを頂戴をして進めているということでございまして、それがゆえに、都政改革本部の第一の目標に、自律改革ということを挙げたわけであります。自律は、自分で律すると書きます。自律改革を進めていくのが東京大改革の一番の、一丁目一番地でございますので、そのためのアドバイスをいただきながらも、それを実際に進めるのは、東京都の職員、そして都知事みずから、私みずからで率いていくということでございます。
 なお、実際にこの東京都政を大きく改革をするためにも、これまで聞こえてこなかったような声もぜひ集めていきたいということから、目安箱という制度を設けました。これによりまして、都政の皆様、都庁の……(発言する者あり)はい――都庁の皆様、都庁の職員の皆様方から、この目安箱にはいろんな要望、そしてこうした方がいいんじゃないかといったような意見がどんどんと出てきているわけでございまして、これらを都政に生かしていくということが都民ファーストであり、そして都民を、この都民ファーストを支える都職員の皆様方のご意見を伺うというのも、私は都知事としての役割ではないかと、このように思うところでございます。
 よって、私が任命いたしました都政改革本部の特別顧問などには、専門知識、そして経験に基づいて、客観的な第三者の視点から直接、調査分析を行っていただき、私、知事の指示によりまして、時にさまざまな会合に出て、そしてヒアリングなどを行っていただく等々を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後も都政の課題の解決に向けまして、職員、そして特別顧問、一層協力していき、そして議論していく、そのような工夫を図って、改革は不断に続けてまいりたいと、このように考えております。
 そして、六番、特別顧問――済みません、私の自分の字が読めないぐらいでございますけれども、市場の声と豊洲――それから、ご質問がございました四番目につきまして、オリンピック・パラリンピックに関してのご質問もございました。
 これにつきましては、特別顧問が、オリンピック・パラリンピックについて、この特別顧問などから構成される調査チームで、客観的かつ経営的な手法で分析をしていただいて、その大変貴重な報告書をお取りまとめいただいたわけでございます。
 そして、IOC会長との面会、そして四者協議への特別顧問にもご参加いただいておりますのは、それは私自身が指示をし、そしてまた調査チームが報告書づくりに当たっていただいたということもございましたものですから、ご参加いただいたところでございます。
 今後も引き続き、必要に応じて特別顧問等のアドバイスも受けながら、都政の改革、それぞれの分野での改革を進めてまいりたいと考えております。
 それから、さらには、ご質問にありましたが、ガバナーズオフィスという言葉を使ったのはどうかというご質問もあったかと思いますけれども、これにつきましては、その表紙については、これについては調査チームがつくったものであるということを、その場で私は申し上げております。公文書には当たらないという認識でございます。メモでございます。それは既に(発言する者あり)既にそれにつきましては、私はその前にバッハ会長宛てに、この文書につきまして、いえ、もっと詳しいものについては、メールでやりとりなどもいたしております。私は会長とのその場だけでなく、いろいろな場でのやりとりがあるということについては、皆様ご承知おきいただければ、そしてまた、そうやって国際機関との間で人間関係を築くということの大切さ、これについて、私は皆様方に改めて申し上げておきたいと、このように思います。
 また、それにつきまして、四者会議の前に、コーツ委員長とカメラのないところで話していたではないかというお話でございますけれども、その前にも、組織委員会などの関係者とはカメラのないままで、いろいろと委員長自身も、そして関係者も、皆さん会議をなさっているわけでございまして、私の部分だけを挙げておっしゃるということは、それはフェアではないのではないかと、このように思います。
 そして、この件につきましては、ボートの会場の云々につきましては、このコーツ委員長の方からお話もこれあり、そしてまたこの会議そのものを公開にしてほしいということを、私はその場でお訴えをしたということでございまして、それ以上でもそれ以下でもございません。
 そしてまた、訂正文を出すかどうかということでございますが、訂正の要はないと考えておりますので、このことについては、私とは認識を確かに共有をいたしておりません。
 それから、仮設住宅につきましては誰のアイデアかということでございますけれども、長沼の会場で仮設住宅を有効に活用するということでございますけれども、これについては、私自身も兵庫県の出身でもございます。そして、それにおいて仮設住宅がいかに有効に活用されてきたかなどなど、お話をしたこともございます。そういったヒントを総合的に判断されて、知事を初めとする宮城県が、何とかして復興五輪ということを、そのアイデアそのものを復活させていきたいという、そのようなお考えではなかったか、このように思うところでございます。
 それから、仮設の費用につきましては、これにつきましては、まず、それぞれの費用負担がいまだに国、そして組織委員会、東京都、そして実際に会場を設ける地域ですね、これらの負担については明確に決まっていないのが現状でございます。そして、これは皆様方と意識を共有すると思いますけれども、実際に二〇二〇大会は、間もなく準備を済ませていかなければならない。これは当たり前のことでございます。
 そういう中で、一番肝心の部分のところで氷を割るという表現がございますけれども、仮設につきまして、一つ東京都としての方法を指し示したわけでございまして、これによって会議を進めていくという意味でございました。それについて、私も一つの考えとして了承したところでございます。
 それから、緊急提言を頂戴いたしました。よりよい二〇二〇年東京大会にしていくためには、こういったご意見をどしどし頂戴できればと思うところでございます。そしてまたそれらを、いい考えについては、ぜひ東京都としても取り入れてまいりたいと、このように思っておりますので、各会派の皆様方におかれましては、よりよい東京大会にしていくためのご意見をぜひとも頂戴をいたしたいと。大歓迎をしたいところでございます。
 それから、十一、先ほど――ちょっと待ってくださいね、順番が前後しておりますので、失礼をいたします。それから、クリスマスまでに結論を、有明アリーナについて結論を出すということでございますけれども、これまでの総合的な判断、そしてまたIOC、テクニカルワーキンググループ、さまざまな動きがございました中で、三つ、特に経費のかかる会場につきましては、二つ、まず結論を出すということで、冒頭で私自身が東京都としての考えということについて、ご説明をさせていただいたところでございます。
 あの四者会議の場でいろいろと議論をするということも重要ではございますが、三者の皆さんは何を待っていたかというと、東京都の結論でございます。そういった意味で、冒頭からご説明をさせていただいたということでございます。
 そして、最後に残っております有明アリーナか横浜アリーナかという問題でございますけれども、あくまでもこれはアジェンダ二〇二〇にうたっております、いかにして既存の施設を使うかという、その項目に合致しているものでございますので、その点も説明をし、そしてまた、いかにしてコストを下げる、そしてさらにはサステーナブルな大会にしていくかということについて、そういった意味で、より探ってみるということで、もう少し時間を頂戴をしたいということを申し上げたわけでございます。
 そして、何をするのかということで、そのときにもお話がございましたけれども、これにつきましては、今申し上げましたように、東京都として、このバレーボールの会場について、よりコストが下がり、かつその後の、大会終了後のランニングコストなど、いわゆるライフサイクルコスト、これをしっかりと取り組んでいくという、そのようなことも計算に入れながら、ベストを尽くしていきたいと考えているところでございまして、こういったIOCの皆様方とは日々連携をしているということだけ、お伝えしておきたいと思っております。
 それから、横浜市からの文書でございますが、そもそもこれは、横浜市のご担当者から当方の担当局長のもとへ寄せられたペーパーでございました。文書でございました。こういったことで、その後配られたのは二十七日のことというふうに聞いております。
 そして、その中身につきましては、これは私自身は、林市長とは長年の友人であり、本件につきましては日々連絡もとっております。そういったことから、横浜市長からは、そのお考えについては、私自身、直接聞いておりますので、このペーパーを自分自身が紙として受け取ったか、物理的な日はいつなのかというのは、私にとりましては余り大きな問題ではございません。(発言する者あり)そして、そういう中で、上山特別顧問につきましては、二十七日、組織委員会との会議の場で――会議の場で、組織委員会に関係ない、それを拝読したということでございます。
 本来ですと、これは都庁内部の話でございまして、しっかりとその担当局長、担当者には、私のところに情報を速やかに出すようにということも申し上げているわけでございまして(発言する者多し)そういった意味では、これからも……

○議長(川井しげお君) 静粛にしてください。

○知事(小池百合子君) これからも緊張感を持って、そして必要な、何が必要な情報で何が必要でないかということについては、職員もしっかりとそこは緊張感を持って対応するようにということも求めたところでございます。
 それから――それからちょっとお待ちください。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(川井しげお君) 傍聴席からの発言、注意を受けた後に再度注意された場合には、退出を願います。

○知事(小池百合子君) 少々お待ちくださいませ。
 次でありますけれども……。
 失礼をいたしました。今、さまざまなご質問をいただいている中で、前後左右が少し私のメモと、そのままでいいんですけれども、もう少し整理をさせていただいた方が、結果としてこの審議がより深いものに、そして意味のあるものになろうかと、このように考えております。
 よって、まず整理をされている部分、つまり事前にご通告いただいた部分につきましてお答えをさせていただき、まず二問をお答えさせていただきたく存じます。
 先ほど都市政策、話は飛びますけれども、都市政策についてご質問をいただきました。
 外環の整備推進でございます。国などが整備を進めておりますこの外環でございますけれども、これについては、首都圏の陸海空の要衝を結ぶ、経済、環境、防災、安全のいずれにとりましても、極めて重要な環状道路でございます。
 このうち、埼玉区間につながります千葉区間は、来年度の開通が予定されているということで、東京の東部地域では、物流の効率化、地域の安全性向上など、さまざまな効果が期待されるところでございます。
 都内の関越―東名間は、大深度地下におけます難工事、そしてプロジェクトでございますので、都は、コスト縮減、そして工事の安全を確保しながら二〇二〇年の東京大会までの開通を要望して、大泉ジャンクションの用地取得を受託するなど、支援を行ってきたのは、もう皆様方がよくご存じだと思います。
 そして、残る東名―湾岸道路間でございますが、首都圏三環状道路のいわば総仕上げとなる区間でございまして、中央環状線の例からも明らかなように、環状道路が完成することの効果ははかり知れないものと、このように認識を共有させていただきます。
 今後とも、関越―東名間の早期の整備に向けましては、青梅街道インターチェンジの用地取得などの支援を行うとともに、東名―湾岸道路間におきましても、国、関係機関とともに計画の早期具体化に取り組んでまいるところでございます。(発言する者あり)よろしいでしょうか――はい。では、もう一問いきます。
 もう一問は産業政策――産業というか、介護離職の問題でございますので、産業を超えて、より深い問題だと思います。これについてご質問がございました。
 高齢人口の増加、家族形態の変化を背景といたしまして、働きながら介護をする人、介護を理由として離職する人がふえております。介護と仕事を両立できる環境は、早急に整備をしていかなければなりません。
 ちなみに、私も母を自宅でみとりました。地域包括ケアシステム、さまざまこれからも改善していかなければならない点はございます。そして皆様方も、いろんな世代の議員の皆様方がおられますので、これについては、ご意見を皆様お持ちだと思っております。
 そういった意味で、これからも議会においても議論を深めていただきたい。そのことを私、知事としてしっかり受けとめていきたい。これが二元化じゃない、二元制ではないかなと思うわけでございます。
 そして、介護にかかわる問題は、突然直面することも多いのも事実でございまして、そしてまた、働いておられる方々というのは、それは従業員によっても、また企業によっても、それぞれ異なってくるわけでございます。
 このために、離職を防止する、これは国でも当たっているところでございますけれども、個別のケースに応じて専門家が助言や情報提供を行うといった新たな相談対応の仕組みを検討してまいります。
 また、介護をしながら安心して働けるということ、これのためには、まず長時間労働を削減していかなければならない、休暇の取得促進に加えなければならないと思います。例えばテレワークでございます。柔軟な働き方を広める必要がございます。先日、国家戦略特区の会議においても、テレワーク推進センターの設置を提案したところでございますけれども、こうした新しい仕組みも活用しながら、企業における働き方の改革を後押しさせていただきます。
 誰もが個々の事情に合わせまして、生き生きと安心して働くことのできる都市、そういったことが、私の標榜いたしておりますダイバーシティーの原則だと、このように思っております。
 なお、そのほか多くのご質問をいただきました。四十問近くでございますが、この場で私もそのご質問を伺ったものでございます。
 私の政治姿勢などは、冒頭に申し上げましたように、いかにして東京大改革を進めていくのか、都民ファーストというものはどういうものなのか、二元制ということについてどう考えているのか、私の姿勢についてお話をさせていただきました。しかし、何月何日にどうするとか、そのときの発言はどうか等々は、やはり前もって伺わせていただけなければ、それは、正しい正確な、ご質問に対しての答弁は、これは正確さを欠くと、このように思っております。
 議論をすることは大切でございますけれども、そういった形で、真に意味のある形に持っていくためにも、少しここで私は登壇――登壇じゃなくて反対、降壇させていただきまして、これで私の最初のご答弁とさせていただくことをお許しいただきたいと存じます。(「ネズミとりの話が抜けてるぞ」と呼ぶ者あり)わかりました、はい。では、それ、つけ加えさせていただきます。
 一言で――ご想像にお任せします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、公立学校のトイレの整備についてでございますが、学校は、児童生徒が一日の多くの時間を過ごす場所であることから、清潔で使いやすいトイレを整備し、児童生徒が安心して学習、生活できる環境を確保することが極めて重要でございます。さらに、避難所としての機能を備えたトイレ整備も、あわせて進めていく必要がございます。
 このため、都教育委員会は、都立学校に洋式トイレや多機能トイレを今後、計画的に整備するとともに、改築等の際に、トイレ用水の確保やマンホールトイレの設置など、災害時の対策を推進してまいります。また、区市町村立の小中学校においても、都立学校と同様の整備が促進されるよう、都としての支援を検討してまいります。
 次に、スクールバス乗車時間の短縮についてでありますが、障害のある子供たちが健やかに学び続けられるよう、身体的、精神的負担の少ない環境を整えることは重要でございます。
 肢体不自由特別支援学校には、体温調節や自力での体位変換が困難であるなど、長時間のスクールバス乗車が負担となる子供たちも在籍しております。このため、都教育委員会では、継続的にバスの台数をふやし、乗車時間の改善を行ってまいりましたが、一部の子供たちは、現在も六十分を超える乗車時間となっております。
 このため、今後は、バスの小型化やコース設定の工夫など、効果的に乗車時間を短縮する方策を検討し、肢体不自由特別支援学校の全ての子供の乗車時間を六十分以内にすることを新たな特別支援教育推進計画に盛り込んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) 五点の質問にお答えをいたします。
 まず、冒頭の質問の中で、仮設住宅の選手村への仕様の改修につきまして、日付と金額のご質問がありましたので、私から答弁させていただきます。
 これは、村井宮城県知事が十月の四日に仮設住宅の活用について指示を出し、これを受けて、県が四百九十六万八千円で選手村の仕様に改修したと聞いております。
 次に、東京パラリンピックに向けました取り組みについてでございます。
 東京は世界で初めて二回目のパラリンピックを開催する都市であり、ダイバーシティー実現の大きな契機となる大会とすべく、準備を行っていくことが重要でございます。
 都はこれまで、主に競技体験イベントなどによる開催機運の醸成や、大会時におけるハード、ソフト両面のバリアフリー化の推進に取り組んでまいりました。
 今後は、選手や観客の輸送、ボランティアの育成、セキュリティー対策、標識、サインなど全ての準備が本格化する中で、パラリンピックの視点を十分に取り入れてまいります。
 また、オリンピック・パラリンピック教育、障害者の芸術文化支援や人権施策など、関連施策を実施する各局とも十分に連携しながら、都として一体となって、パラリンピックの成功に向けて取り組んでまいります。
 次に、会場に至る経路のバリアフリー化についてでございます。
 アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえ、会場ごとに障害者などの動線となるアクセシブルルートの選定を進めつつ、必要な改修を事業者などに促しております。
 鉄道駅につきましては、千駄ケ谷駅や新木場駅など一部の会場周辺駅において、事業者がバリアフリー対策に取り組んでおりまして、今後、大会時に想定される車椅子利用者数などをもとに、エレベーターの設置や道路へのスムーズな動線の確保などを強く働きかけてまいります。
 道路につきましては、都、区市など管理者が異なる道路を横断的に捉えまして、段差の解消や車椅子が走行可能な空間の連続的な確保などを実現すべく、調整を進めてまいります。
 都は、今後も、組織委員会とともに、各主体の取り組みが一体性を持って確実に進むよう、取り組んでまいります。
 次に、障害者スポーツの振興についてでございます。
 まず、普及啓発につきましては、さまざまなメディアを活用して継続的に情報を発信していくとともに、先月、本格稼働したファンサイト、チームビヨンドやSNSの活用によりまして、障害者スポーツのファンをふやしてまいります。
 また、場の開拓や人材育成につきましては、都立特別支援学校や味の素スタジアムの室内施設の活用を計画的に推進するとともに、東京都障害者スポーツ協会のノウハウを生かして、指導者育成事業などを実施してまいります。
 さらに、競技力向上では、選手発掘にあわせ、二〇二〇年大会に向けて競技団体が行う選手育成を支援するとともに、大会後を見据え、競技団体の運営能力向上を後押ししてまいります。
 都は、障害者スポーツの裾野の拡大と競技力向上という高みも目指して、さらなる施策を展開してまいります。
 最後に、新たなスポーツ推進計画の策定についてでございます。
 スポーツを取り巻く環境は、二〇二〇年大会の開催決定や障害者スポーツへの関心の高まり、国のスポーツ庁の設置など、大きく変化しておりまして、今こそ世界一のスポーツ都市東京を実現する絶好の機会でございます。
 こうした中、国や都の審議会などにおいても、スポーツ実施による健康寿命の延伸や、健常者と障害者がともにスポーツを楽しむことによる心のバリアフリー化など、スポーツの新たな価値に関する議論が活発になされてまいりました。
 そこで、この機を逃さず、スポーツの持つ新たな可能性に着目し、二〇二〇年のさらなる先を見据えた計画を来年度末までに策定いたします。
 今後、都の審議会等での議論を踏まえまして、健康長寿や共生社会の実現等を目指す計画作成に全力で取り組んでまいります。
   〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 競技会場周辺駅のエレベーター整備についてでございますが、交通局では、二〇二〇年東京大会も見据えまして、都営地下鉄相互の乗りかえ駅や、東京メトロなど他路線との乗りかえ経路等へのエレベーター整備に取り組んでおります。
 競技会場周辺駅につきましては、現在、オリンピックスタジアムの最寄り駅の一つでございます大江戸線青山一丁目駅や、両国国技館の最寄り駅である両国駅などにおきまして、新たなエレベーターの整備を進めてございます。
 さらに、組織委員会など関係機関との協議の中で、国立競技場駅における大型エレベーターの増設が課題となりましたことから、アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえまして、具体的に検討を進めてまいります。
 今後とも、二〇二〇年東京大会の輸送の主力を担う公共交通機関として、都営地下鉄のバリアフリー化に積極的に取り組んでまいります。
   〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、市場業者の負担への対応についてでございますが、補償が実施されるまでの間、市場業者の負担を極力軽減する取り組みが必要であることから、都は、今月一日から仲卸、関連事業者の資金繰りを支援するための新たなつなぎ融資制度を開始いたしました。
 これに加えまして、市場業者が豊洲市場に設置した設備に係る電気代や借地料につきまして、市場業者のキャッシュ・フローも考慮し、補償スキームが確定するまでの間は請求を見合わせるほか、資金ニーズを踏まえた金融支援の拡充についても検討を進め、負担軽減を図ってまいります。
 なお、市場業者への補償に要する費用について、市場業者が支払う使用料を直接その財源に充てることは適当ではないことから、市場会計の保有資金の活用など、財政当局と十分に調整しつつ検討を進めてまいります。
 次に、築地市場の機能の確保等についてでございますが、豊洲市場への移転延期に伴い、築地市場を使用する間、その機能を十分に発揮できるよう対応していく必要がございます。
 このため、都は先月、築地市場内の都の施設の劣化状況について、臨時の点検を実施いたしました。この結果を踏まえまして、市場内の路面補修、給水設備や電気設備の修繕など、緊急度に応じて、順次必要な対策を講じてまいります。
 また、事業者が築地市場に設置しております設備を引き続き使用するための、点検や修繕等に関する補償や支援の方策についても、速やかに検討してまいります。
   〔政策企画局長長谷川明君登壇〕

○政策企画局長(長谷川明君) トイレの整備についてでございますが、トイレの整備は、二〇二〇年大会の開催に向けて、高齢者や障害者、さらには外国人観光客を含む全ての人に優しいまちづくりを進める上で、また防災上の観点からも重要でございます。
 都では、既存施設の改修工事などを行う中で、トイレの洋式化等を進めており、今後とも、都営地下鉄の各駅や都立公園などのトイレの洋式化等を進めてまいります。また、公民館、公園、小中学校などのトイレの整備に向けて、区市町村とも連携してまいります。加えて、外国人旅行者の受け入れ環境の充実を図る観点から、旅館等のトイレの洋式化を促進してまいります。
 こうした取り組みを実行プランの検討を通じて、全庁的に推進するとともに、区市町村や民間事業者と連携しながら、清潔で快適なトイレの整備を進めてまいります。
   〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、区市町村道の無電柱化についてでございますが、東京の都市防災機能の強化、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保を図るため、都道のみならず区市町村道の無電柱化を促進することは重要でございます。
 これまで都は、区市町村に対しまして、センター・コア・エリア内の道路や、防災に寄与する道路などを対象に無電柱化事業への財政支援を行いますとともに、職員向けに実物大モデルを活用した実践的な研修を行うなど技術支援にも取り組んでまいりました。
 今後は、コスト縮減に向け、電線等の埋設の深さを浅くする手法を導入するなど、チャレンジする区市町村に対して財政支援の拡充を検討してまいります。
 引き続き、区市町村と連携し、都内における無電柱化のより一層の促進に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、都立公園におけるトイレの整備についてでございますが、公園を利用する全ての人々が快適に利用できるトイレを整備することは重要でございます。
 国内外から多くの来園者が見込まれます二〇二〇年東京大会の競技会場となる公園や文化財庭園など二十二公園では、これまで、誰でもトイレの百六カ所の設置も含めて、約九百基の便器の半数以上を洋式化してまいりました。
 今後、これらの公園では、誰でもトイレを新たに十六カ所設置するとともに、トイレの新設や改築、維持補修等のあらゆる機会を捉えまして、積極的に洋式便器への転換を図るなど、これまでの取り組みをさらに加速し、利用者のニーズを踏まえ、二〇二〇年までに便器の約八割の洋式化を目指します。あわせまして、整備したトイレの適切な管理にも努め、快適なトイレ環境の実現に取り組んでまいります。
 最後に、インフラの予防保全型管理についてでございますが、道路、河川などの東京のインフラは、都市の安全・安心を確保するとともに、都民生活や都市活動を支える重要な社会資本で、東京の発展を支えるものでございます。
 これらのインフラが本来持つストック効果を十分に発揮するためには、施設の損傷や劣化が進行する前に適切な対策を行い、補修費用の低減や更新時期の平準化を図る予防保全型管理を導入していくことが重要でございます。
 都はこれまで、橋、トンネル、地下調節池などにおきまして、予防保全型管理を進めてまいりました。
 今後は、道路擁壁や砂防施設など他の施設にも拡大し、持続的な安全性の確保と補修費用のコスト縮減を図ってまいります。
 引き続き、都民の安全を確保するため、予防保全型管理を推進し、良質な社会資本ストックを次世代に継承してまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害廃棄物処理計画についてでございますが、現在、東京都廃棄物審議会の部会におきまして、埋立処分量軽減のための分別や資源化の徹底、経済性への配慮などを基本方針に据えました計画の策定を進めております。
 検討を進める中で、熊本地震では、市町村や関係事業者間での連携体制が十分に機能せず、また、発災初動期での廃棄物の分別等の不徹底が、その後の円滑な処理に支障を来したことがわかってまいりました。
 今後、審議会委員を熊本に派遣いたしまして、より詳しい調査を行い、各主体の役割分担や、発災後の時間経過に応じた各段階において配慮すべき事項等を明確化してまいります。
 さらに、計画の内容を受けて、具体的な手順を定める処理マニュアルも作成し、災害時に機能する実践的なものとしてまいります。
 次に、自立型ソーラースタンドの普及についてでございますが、いわゆるシティーチャージは、太陽光発電を利用してスマートフォンなどに無料で充電でき、多くの都民や観光客に、再生可能エネルギーの重要性について、身近に感じていただくことを目的に、昨年、東京タワー等、都内三カ所に設置をいたしたものでございます。
 このシティーチャージは、災害による停電時にも、太陽光発電と蓄電池の組み合わせにより、充電やLED照明の点灯ができるなど、自立型電源としてのメリットも大きなものでございます。
 そこで、都は、防災情報の表示など多面的な機能を有する新たなタイプのシティーチャージにつきまして、公園や公民館等、都内全域において、ふだんから多くの都民の目に触れやすく災害時には重要な役割を果たす施設等への設置を検討するなど、区市町村と連携して取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、待機児童対策のさらなる強化についてでありますが、都はこれまで、区長会、市長会、町村長会や区市町村の部長会、課長会等におきまして、本年九月に発表した緊急対策の説明を行いますとともに、現場の課題や要望などを伺ってまいりました。
 また、先月には待機児童解消に向けた緊急対策会議を立ち上げ、第一回目の会合には、区長、市長にご出席いただき、保育所用地や物件の確保、保育士の確保、法や手続の課題などについて、知事と意見交換を行ったところでございます。
 さらに、保育事業者からも、人材確保や整備促進に向けた規制改革などに関し、さまざまなご意見をいただいております。
 平成二十九年度の予算案には、こうした区市町村や事業者の意見等も踏まえ、さらなる支援策を盛り込んでいく考えでございまして、キャリアアップ補助につきましても、処遇改善の実態の検証、分析も踏まえ、一層の充実を検討してまいります。
 次に、障害者差別の解消に向けた条例の策定についてでありますが、本年四月の障害者差別解消法の施行を踏まえ、都はさまざまな障害特性や配慮すべき事項等をまとめたハンドブックを作成するほか、相談窓口を広く都民に周知してまいりました。また、六月には、関係機関が連携協力し、取り組みを進めるために、障害者差別解消支援地域協議会を設置いたしました。
 こうした差別解消の取り組みを一層進めるため、新たな条例の制定に向けまして検討を開始いたします。条例には、二〇二〇年東京大会の開催を見据え、障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向け、相談、紛争解決のための仕組みや、意思疎通のための配慮などを盛り込む考えでございまして、今後、障害のある方々の意見も聞きながら丁寧に議論を進め、平成三十年度の施行を目指してまいります。
 次に、ユニバーサルデザインのまちづくりについてでありますが、施設や設備の改修に当たり、高齢者や障害者など当事者の視点を反映することは、誰もが暮らしやすいユニバーサルデザインのまちづくりを進める上で有効でございます。
 そのため、都は、こうした取り組みを行う区市町村を包括補助で支援しており、現在、区市町村の取り組みを加速するためのさらなる支援策について検討をしております。
 また、本年十月から、福祉のまちづくり推進協議会において、平成三十一年度からの新たな福祉のまちづくり推進計画の策定に向け、当事者参加の必要性など、より望ましい整備等の方向性についての審議も開始しており、二〇二〇年東京大会、さらには、その後も見据え、今後ユニバーサルデザインのまちづくりを一層推進してまいります。
 次に、家庭的養護の推進についてでありますが、本年十一月に児童福祉審議会からいただいた提言には、民間団体のさらなる活用、区市町村の子育て支援サービスの活用、児童相談所の支援体制の強化という三つの考え方に基づきまして、家庭的養護の推進に向けた十一の方策が盛り込まれております。
 具体的には、乳児院を活用した乳児委託の促進や、特別養子縁組を前提とした新たな委託の仕組みの構築、養育家庭と関係機関の連携によるチーム養育体制の整備、養育家庭への研修の充実などが提言されております。
 都は現在、里親支援機関や乳児院、児童養護施設などと連携しながら、養育家庭等への委託の促進に取り組んでおりまして、今後、この提言も踏まえ、養育家庭を初めとした家庭的養護を一層推進してまいります。
 最後に、フレイルの予防についてでありますが、フレイルとは、加齢に伴い、筋力、認知機能等の心身の活力や、社会とのつながりなどが低下した状態といわれておりまして、フレイルを予防するためには、その意味と予防の重要性を広く啓発するとともに、地域における健康づくりや介護予防の取り組みを支援することが必要でございます。
 都は今年度、医療や介護関係の団体で構成する多職種連携連絡会におきまして、フレイル予防に関する勉強会を開催したほか、フレイルを都民にわかりやすく紹介する冊子の作成に取り組んでおります。
 また、包括補助等によりまして、健康教育や高齢者の通いの場づくりなどに取り組む区市町村を支援しております。
 今後も、関係団体や区市町村と連携しながらフレイル予防に取り組み、健康寿命の延伸を図ってまいります。
   〔主税局長目黒克昭君登壇〕

○主税局長(目黒克昭君) 保育施設の整備促進に向けた税制支援についてでありますが、現在、都では、保育施設に係る固定資産税等について、自己所有または無料貸付の場合、認可保育所等は、地方税法の規定により非課税とし、認証保育所は独自に減免しております。
 一方、有料で貸し付けている所有者の税負担を軽減する場合は、他の非課税措置との公平性や軽減の効果が特別区の区域に限られることなど、さまざまな課題がございます。
 今後は、こうした点に留意しつつも、特別区等の要望を踏まえるとともに、待機児童の解消が都政において一刻の猶予も許されない極めて重要な課題であることに鑑み、税制面からの支援について、関係局と連携しながら検討してまいります。
   〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、商店街への支援についてでございますが、商店街がその活力を将来にわたり維持向上させていくためには、それぞれが目指すべき目標を定め、その実現に向けて意欲的な取り組みを展開していくことが重要でございます。
 都はこれまで、新・元気を出せ商店街事業など、さまざまな施策により、幅広い支援を展開してまいりました。
 今後、商店街みずからが創意工夫を凝らしながら、地域のにぎわいづくりやまちの活性化に取り組めるよう、ニーズ調査や将来のビジョンづくり、事業実施に向けた計画立案等を専門家が支援する新たな仕組みについて検討してまいります。
 さらに、商店街の取り組みを一過性のものとせず、地域の中で定着させていけるよう、商店街と地域団体等とが連携して実施する取り組みへの支援の拡充についても検討してまいります。これらによりまして、商店街の持続的な発展を強力に後押ししてまいります。
 次に、中小企業の危機管理対策の推進についてでございますが、東京の産業を支える中小企業が、自然災害やサイバー攻撃などさまざまなリスクから身を守り、安定的に事業活動を継続していくためには、リスク管理の重要性を認識し、平時から適切な対策を講じていく必要がございます。
 都はこれまでも、専門家を活用したBCPの策定支援を行いますとともに、警視庁や中小企業支援機関等とも連携し、サイバーセキュリティー対策の普及啓発に取り組んでまいりました。
 今後は、危機管理の取り組みをさらに多くの企業へと行き渡らせるため、一社一社への働きかけを充実するとともに、サイバー攻撃に備えた訓練や、危機管理対策の実施に必要な設備導入に対する支援などを検討してまいります。これらによりまして、中小企業の危機管理能力の向上を強力に後押ししてまいります。
 次に、観光関連事業者の経営力の強化についてでございますが、東京の観光産業の成長に向け、各事業者が外国人旅行者にすぐれたサービスを効率的に提供できるよう、経営の力を高めることは重要でございます。
 このため、都は今年度より、事業者に対して、サービスの質や業務効率の向上に役立つ知識を提供するセミナーを開催するとともに、より詳しいノウハウを必要とする事業者に専門家を派遣し、アドバイスを実施しております。
 今後は、多言語対応やトイレの洋式化など、サービス内容を充実する取り組みや専門家の助言による経営向上の計画の策定、最新のICT機器等の設備導入など、生産性を高める取り組みに対するサポートを検討してまいります。こうした観光事業者の積極的な取り組みを後押しし、観光産業の発展につなげてまいります。
 最後に、難病患者やがん患者の方々への就業支援についてでございますが、難病患者やがん患者の方が職場で安心して働けるようにするためには、職業生活と疾患管理の両立が可能な職場環境を整備していく必要がございます。
 都はこれまで、難病患者の就業支援について、企業の理解を進めるための普及啓発や、東京ジョブコーチの派遣などを障害者の雇用促進に向けた施策の一環として実施してきたところでございます。
 今後は、難病患者やがん患者の方にとって働きやすい職場環境が整備されるよう、疾患の特性に配慮した採用や、就業継続を進める企業に対する奨励金などの新たなインセンティブを検討してまいります。
 こうした取り組みにより、難病患者やがん患者の方が生き生きと働けるよう支援の充実を図ってまいります。
   〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 防犯カメラの設置補助についてですが、都では防犯カメラの設置を契機として、地域の見守り活動が活発に展開されることなどを目的に、平成十六年度から防犯カメラの補助を開始いたしました。これまで、商店街や町会、自治会等に対し、累計約一万台の設置を補助しております。
 防犯カメラは、眠らない、疲れない、見逃さない、忘れないなどの特性から、犯罪抑止や地域の安心感の向上等に大変有益であると考えており、設置した地域の方からも、治安が改善したと好評であることから、その設置をさらに促進していくことが重要であると認識しております。
 今後は、より活用しやすく効果的な支援となるよう、補助制度の充実を検討し、防犯カメラのさらなる普及に努めますとともに、警視庁や区市町村等とも連携し、都民や事業者の自主的な防犯活動の一層の活性化を図り、地域の防犯力向上に積極的に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長中嶋正宏君登壇〕

○生活文化局長(中嶋正宏君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、私立学校への助成制度についてでございますが、東京のみならず、日本がさらなる成長を遂げていくためには、その将来を背負う若者の育成が不可欠であり、それを担う私学の振興は都政の最重要課題の一つでございます。
 これまでも都は、基幹的補助である経常費補助や、施設整備のための補助など、学校に対する支援を実施してまいりました。あわせて、保護者に対しましては、特別奨学金などにより、教育費負担の軽減を図っており、私学振興のための幅広い施策の拡充に努めてまいりました。
 今後も、これまでの経緯を踏まえ、推進してまいりました施策を総合的にバランスよく展開しますとともに、都独自の給付型奨学金について検討を進め、引き続き、東京の公教育に重要な役割を果たす私立学校の振興に全力で取り組んでまいります。
 次に、私立学校のグローバル人材の育成についてでございますが、来る二〇二〇年大会を契機に、東京が国際都市としてさらに飛躍するためには、次代を担う若者が語学力や国際感覚を身につけることが重要でございます。
 そのため都は、平成二十五年度からこれまで、長期の海外留学に参加する延べ千人以上の高校生を支援してまいりましたほか、二十七年度には、外国語指導助手を受け入れる百四十校以上に経費を助成してまいりました。
 今後、さらに成果を上げるため、グローバル人材育成に向けた明確な目標の設定や、その効果を学校や生徒みずからが客観的にはかれる取り組みを支援する方策を検討してまいります。
 引き続き、私立学校におけるグローバル人材の育成を積極的に支援してまいります。
 最後に、私立幼稚園の預かり保育等への支援についてでございますが、私立幼稚園の預かり保育は、家庭の状況や働き方などにかかわらず、幼稚園での教育を望む保護者にその機会を提供するという重要な役割を担っております。
 都はこれまでも、幼稚園の預かり保育を支援してまいりましたが、保護者の教育需要に十分に対応するには、年間を通じ、さらに預かり時間を延長するなど、体制の拡充が必要でございます。
 また、幼稚園が小規模保育施設と連携し、三歳以降の子供を引き続き受け入れる環境を整えますことは、小規模保育施設の整備を促し、喫緊の課題であります待機児童解消にもつながります。
 都は、これらの取り組みを行う幼稚園に対する独自の支援策を検討しますとともに、幼稚園団体や区市町村と連携を進めるなど、私立幼稚園の取り組みを積極的に支援し、多様な子育て環境の整備に努めてまいります。
   〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 今後の多摩振興についてですが、多摩地域は、地勢、人口動向、土地利用、産業構造など、地域ごとにさまざまな特性を有しております。
 そこで、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、効果的な振興策を講じていくためには、多様な地域の実情を十分に把握するとともに、市町村と緊密に連携し、その主体的な取り組みを支援していくことが重要でございます。
 これまで都は、市町村によるまちづくりや魅力発信など、地域特性を生かした独自性、先進性ある取り組みに対し、丁寧に意見を聞きながら財政支援を行ってまいりました。
 今後、将来の社会情勢の変化も見据え、地域特性や課題を踏まえた新たな多摩の振興策を策定し、推進していく中で、市町村支援についても、より地域の実情に即した効果的なものとなるよう積極的に取り組んでまいります。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 多摩地区の水道事業の今後の取り組みについてでありますが、多摩の水道は、各市町が水道事業を運営してきた経緯から、市町域ごとに配水区域や施設が多数存在するとともに、施設の老朽化が進行しているなどの課題がございます。
 このため、水源や地形、地盤の高低差や給水人口等の地域特性を踏まえまして、多摩地区を山間部や市街地など四つのエリアに分けて、市町域にとらわれない合理的な配水区域の設定や拠点となる給水所の整備等を進めていきます。
 また、多摩水道が一元化の過程で蓄積してまいりました、広域化のノウハウを全国に発信し、国内事業体の課題解決にも寄与していきます。
 今後、これらの内容を取りまとめ、都民の声を反映させた上で、今年度中に多摩水道の新たな運営プランを策定し、強靱で信頼される広域水道を目指してまいります。
   〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) 下水道管の機能を維持する取り組みについてでございますが、これまでも、下水道管の整備年次や道路状況等に基づき、定期的に管路内の老朽化状況を調査し、その結果をデータベース化することで、計画的に下水道管の補修や再構築を進めてまいりました。
 今年度からは、下水道法施行令の改正で規定された、腐食のおそれの大きい箇所のみならず、局独自の取り組みといたしまして、国道及び都道下にある下水道管についても調査を重点化するとともに、これまで以上に調査頻度を高めることといたしました。これらの取り組みによりまして、下水道管の調査延長を従来と比べ、区部全体で約二割増加させ、年間約八百キロメートルといたします。
 今後とも、下水道管の老朽化状況を的確に把握し、再構築などを計画的に推進することで、将来にわたって下水道機能を安定的に確保し、都民生活や都市活動を支えてまいります。

○議長(川井しげお君) この際、議事整理のため、十五分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時三十五分開議

○議長(川井しげお君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百十二番崎山知尚君。
   〔百十二番崎山知尚君登壇〕

○百十二番(崎山知尚君) それでは、再質問に入らせていただきたいと思いますが、その前に、きょうの質問に至った経緯についてお話をさせていただきたいと思っております。
 私は、先ほども申し上げましたように、八月一日に政務調査会長を拝命いたしました。そして、その中で、第三回定例会の代表質問のつくり込みをさせていただいたところでもあります。
 そして、その中で、これまでと同じように、私どもといたしましては、もちろん必要な質問通告もいたし、そして、これまでの慣例に従った答弁調整をさせていただきましたが、残念ながら小池知事からは、なれ合いをやめたいと、日本的な根回しもやめたいということで、答弁調整は残念ながらできませんでした。
 そしてまた、十月三十日、毎日新聞でも書かれておりますけれども、根回しはしない、そして、議会と緊張感を持ってそう臨みたいという毎日新聞の記事がありました。
 そうした中で、私どもといたしましては、答弁調整はいたしませんでしたけれども、質問通告はルールに従ってさせていただいたところでもあります。どうぞよろしくお願いしたいと思っております。
 加えて、知事が先ほどもおっしゃいましたけれども、四十問近く質問をされているというふうにおっしゃっておりましたけれども、正確には知事に私が質問をしたのは二十八問であります。その中でお答えをいただけなかったのが十九問ありました。
 そしてまた、答弁の中に事実誤認とも思われる答弁がございました。これは何かというと、バッハ会長に手渡された書類、あれは公文書ではないというふうにこの議会の場で、この席で発言をされましたけれども、これは事実誤認であります。
 というのは、なぜかというと、私も総務委員会に所属をいたしております。総務委員会、そして文教委員会、オリンピック・パラリンピック特別委員会でも、理事者のお答えは、あれは公文書だったというふうに明確にお答えをいただいております。改めて、知事には訂正を願いたいというふうに思っているところであります。
 私たち議員は、この議会において、都政全般にわたる質問の権利を有します。そして、知事を初めとする理事者は、その質問に責任を持って答える義務があります。だからこそ、理事者には、今お座りになっている説明員席が設けられているのであり、聞かれたことには答える義務があります。
 知事は、私の質問に対して十九カ所の答弁をしていません。また、答えた答弁の内容にしても極めて不十分だといわざるを得ません。鳴り物入りで始まった知事の都政大改革は、このように議会を形骸化させることだったんでしょうか。残り十九問について再答弁を求めたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、復活予算について再質問いたします。
 復活予算に関する知事の記者会見及びマスコミの報道は、あえて政党復活予算とされました。知事は、財務局の作成した復活予算案の概要という書類をごらんになったことがありますか。正式な復活予算案には政党という言葉はついていません。それをあえて政党復活予算と記者会見で発言したことは、極めて不適切かつ間違った表現と指摘せざるを得ません。
 つまり、政党復活予算とのイメージを都民にすり込むことで、都議会、なかんずく最大会派である都議会自民党があたかも二百億円の予算を自由に使ってきたかのような印象を与えています。
 ましてや知事は、復活予算案について、議会が白地小切手で使える予算を持っていたのには驚くとおっしゃいました。もしそのようなことがあるならば、明らかに予算編成権を侵す地方自治法違反であります。この発言は、議会のみならず、東京都を侮辱する甚だしい誤解であり、全く事実と異なります。知事は、都政に責任を持つ立場として、これらの発言をこの場で撤回すべきであります。
 知事は、ここ数年の復活予算案の内容を確認したことはありますか。二十八年度復活予算案の中で最も大きなものは、道路の路面補修等、都市基盤の整備六十四億四千万円、次に、市町村総合交付金等、区市町村の振興五十九億六千万円、三番目が、福祉保健区市町村包括補助事業等、福祉、保健、医療の充実四十六億二千五百万円、その他教育の充実、商店街の振興などになっています。
 これらは、そもそも予算原案作成に当たって、知事査定で削減された各局の概算要求額を復活財源によって戻したものであって、議会側の予算要望によって概算要求額を大きく超えて予算が積み増しされたものではありません。また、議会側が新たな項目を起こして予算をつくらせたこともありません。
 都議会自民党を初めとする都議会は、議会の権限である予算の修正権と議決権を行使する中で、よりよい予算をつくる不断の努力と提言をしてきたのであります。
 そこで伺いますが、復活予算のどの部分が白地の小切手で、その金額は幾らなのか教えてください。知事のご答弁を求めます。
 次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 知事が提起をした会場見直し問題は、三会場のうちで二つの結論が出ており、残る一つも近々結論を見るでしょう。経費節減と五輪の成功は誰もが願うことであり、議論の余地はありません。最少の経費で最大の効果を上げなければなりません。
 そのためには、さきの第三回定例会でもお伺いしたように、まず、小池知事の五輪に対するコンセプトを明らかにしていただくことが必要であります。招致成功以来の都知事には、それぞれ五輪開催に対する明確なコンセプトがありました。
 猪瀬知事はコンパクト開催、その後を引き継いだ舛添知事は史上最高のオリンピック・パラリンピック、それでは小池知事はと考えると、小池知事のコンセプトが見えません。第三回定例会で理念、哲学という表現で質問をいたしましたが、単なる一九六四年の東京大会の繰り返しではなくて、成熟都市ならではの創意工夫を凝らして、最先端都市でありますTOKYOの魅力を世界中にアピールする、そんな大会にしたいとのお答えでした。この答弁は誰が書いたんでしょうか。小池知事らしくない極めて官僚的な答弁です。
 会場問題も含めて、二〇二〇年大会自体が迷走しているように感じられるのは、こうした知事の姿勢にあると思います。知事はまず、どのようなオリンピック・パラリンピックを目指すのか都民にわかりやすく示すべきであります。答弁を求めまして、以上、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 再質問及び先ほどいただきましたご質問につきまして、お答えをさせていただきます。
 まず、先ほどからのご質問で残された部分からお答えをさせていただきます。
 十九問と議員はおっしゃったわけでございますが、まず、都政改革と特別顧問との関係についてのご質問から改めてお答えをさせていただきます。
 都政改革本部の特別顧問等の職の条例化についてのご質問があったかと存じます。特別顧問というのは、広い識見と経験を生かして、大所高所の観点から都政の課題について調査検討、そして助言、提言を行う職として位置づけております。
 そしてその都民の皆様にとりまして、特別顧問の位置づけ、そしてその役割がよりわかりやすくなるように、職の位置づけ、そしてその職責が明確になるような整理も検討してまいりたいと存じます。
 そしてその特別顧問の指示でありますけれども、各局への実質的な指示を行っているというのは、私の指示を受けての対応でございます。都政の課題について調査検討し、そして知事である私に助言をすることも職務としているわけでございますけれども、この特別顧問の皆様方には、外部からの目で専門的な知見を生かしていただいて、そして東京都の改革を促してくれる、そのことを望んでいるわけでございます。そして実際にそのように活躍してくれていると私は認識をいたしております。
 それから、特別顧問と職員との関係でございますけれども、職務上の指揮命令関係にあるものではございません。
 それから、先ほどのバッハ会長に渡った資料について、もう一度整理をしておきたいと思います。
 十月十八日のバッハ会長との面会時でございますけれども、お渡しした資料でございますが、これは調査チームの考えをまとめたものでございます。当日施設の見直しにつきまして議論となったときのために、事前に上山顧問に作成をしていただいたわけでございますけれども、私も相談を受けまして、調査チームの提言として出すことを了解したものでありまして、これはそのとき、その会場そのものでは結局は使われませんでしたけれども、そういった流れでつくったものということでございます。
 そして、先ほど最後にご指摘がございましたバッハ会長に渡した文書でございますけれども、先ほどメモと私、申し上げました。これを公文書に当たるということを確認いたしましたので、私の事実誤認ということで、この場で謝らせていただきたい。そして訂正をさせていただきます。ご指摘ありがとうございました。
 IOCへの訂正文書でございますが、上山特別顧問か知事の名前で出すべきではなかったかとのご質問もございました。この文書につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますけれども、都そのものとして決定した内容と受け取られる懸念がございましたために、作成者を削除、そしてその訂正理由を説明する文書をIOCに送付をするように両局に指示をしたものでございました。ということで、手続上は問題ないと、このように考えております。
 それから、上山特別顧問と村井宮城県知事との間のメールのやりとりの全てを公開すべきではないかというご質問でございます。
 宮城県知事とのメールのやりとりの公開につきましては、オリ・パラ調査チームによるボート、カヌー会場の検討作業の中で、長沼ボート場というのが候補地として挙がったわけでございます。海の森水上競技場の整備も進みまして、時間も限られているという中で、そういった中で復興五輪の旗印のもとに、早急に村井知事の意向と意欲を確認するために、上山特別顧問からメールを送ったとのことでございます。
 以前からの親友ということもございまして、メールだけでなく、電話でも話をされていると聞いております。
 私自身も村井知事とはかねてより面識がございます。メールの具体的な内容については、私自身は存じ上げておりませんが、公開については条例にのっとって、このメールを組織的に用いたかどうかということで判断すべきかと考えております。
 それから、同じくオリンピック・パラリンピック問題につきまして、これは先ほどお答えをしたかと思いますけれども、長沼案ということで、四者協議におきましては費用、そして立地など、さまざまな面から総合的に判断されたものでございまして、十一月二十九日の四者協議において、都としては、海の森水上競技場を、経費を縮減し、スマート案という形で、これまでの予算よりもさらに縮減した案について整備することを提案して、その場で合意をいただいたものでございます。
 ちなみに、宮城県の長沼ボート場につきましては、復興五輪、そして既存のコースの活用という観点から、事前のキャンプ場として活用することとされたことも付言をいたしておきます。
 それから、分野が変わりまして、混合介護についてのご質問もございました。
 現行の介護保険制度でございますが、保険内サービス、そして保険外サービスと同時、一体的に提供することや、公定価格以外に指名料を受け取ることなど、いわゆる混合介護は認められていないところでございます。
 こうした混合介護の弾力化が認められますと、事業者が創意工夫を行う幅が広がります。そして利用者の利便性やサービスの質の向上、ひいては介護職員の待遇改善にもつながることが期待されているわけでございます。
 このため、事業者団体であります一般社団法人の日本在宅介護協会の要望もこれあり、国家戦略特区の取り組みを国と連携して強力に進めていこうということで立ち上げた、それが東京特区推進共同事務局でございますけれども、この事務局を活用しながら、混合介護の弾力化に取り組むことといたしたわけでございます。国家戦略特区のワーキンググループでも、この件が取り上げられたわけでございまして、ここは鈴木亘氏が事務局長を務めているということで、リンクされるものでございます。
 もちろん、混合介護についてはさまざまなご意見がございます。いろいろな意見もございます。そういった中で、今後介護をどのようにして、真に安心でき、そして今後膨れ上がってまいりますこの分野でのコスト、費用をどのような流れで抑えていくのか、そしてかつ、安心できる介護が行われるのかといったような点につきましては、さまざまな考え方がございますけれども、さらに皆様方のお声も伺いながら、具体的な内容については検討をいたしてまいります。そしてまずは、モデル事業という形で取り組んでいきたい。これが考え方でございます。
 それから、都政改革と改めて特別顧問との関係でございますけれども、知事である私は、みずからの判断と責任において都政を運営する責任を負っているわけでございまして、そしてこれについて職員と一緒に都政改革を進め、そして特別顧問の皆様方から、さまざまなご助言をいただきたいと考えているところでございます。
 都政の課題解決に向けまして、職員と特別顧問、一層協力して議論していけるように工夫を図ってまいります。これにつきましては、先ほどもお答えしたところかと存じます。
 少子化対策についてもご質問がございました。
 ご指摘のように、我が国では世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進んでいるわけでございます。こうした中で、この東京におきましても、誰もが生き生きと生活し、また活躍できるダイバーシティーを実現するためには、子供を持ちたいと願う全ての人々が安心して子供を産み育てることができる環境を整備していかなければならないというのは、この議会でも、そして都政でも大きな課題となっているわけでございます。
 そのためには出産、子育ての支援はもとより、女性の活躍支援、そして、働き方改革によりますライフワークバランスの推進、さまざまな分野の取り組みを総合的に進めてまいる必要があるわけでございます。
 よって、今後も、待機児童対策など関連施策のさらなる充実を図ってまいり、特に多摩・島しょ地域を含めまして、この少子化対策を全般的に進めてまいりたいと考えております。
 それから、入札関連、公共調達について何問かご質問がございましたので、まとめてお答えをさせていただこうと思います。
 公共調達のあり方や今後の改革については、まず調達でございますが、都民の貴重な税金を原資とするわけでございます。そしてその上で、都民の信頼の上で、透明性、公正性、競争性、その確保に万全を期さなければならないことはいうまでもございません。
 そして、いわゆる品確法、公共工事の品質確保の促進に関する法律につきましては、これまで国会におきましても数次の改正を経てきているわけでございますが、いわゆるこの品確法に規定されます公共工事の品質の確保、それから担い手の育成の確保を初めとしまして、官公需法に定められた中小企業の振興や、環境への配慮などの社会的要請にも対応する必要がございます。
 こうした課題に対しての背景、そして政策提言などを都議会自民党の皆様方も、入札・契約制度改革プロジェクトチームとして報告書をおまとめになっておられます。私もこれについては精読をさせていただきました。そのご苦労には敬意を表したいと存じます。
 その上で、都の公共調達が真に都民の利益にかなうのかどうか、改めてワイズスペンディングの視点で検証する必要もあると認識をいたしております。
 この入札制度というのは、さまざまな事件などが起こるたびにもう一度見直そうということで、そのたびに内容が違ってきているわけでございます。
 いつもベストな方法を探そうというのは、これはどの自治体においても、それぞれ、国におきましても、いろんな入札制度については議論のあるところでございまして、ベストな方法、ベターな方法を見つけていくというのは当然の努力ではないかと思っております。
 全ての施策やお金の使い道に大きくかかわります入札契約制度でございます。都政改革本部内にも、内部統制プロジェクトチームの中で熱心なご議論をお願いもしているところでございます。
 そして、入札制度、メリット、デメリット、それぞれ全て満足させるということは難しいところではございますけれども、しかしながら、時々の社会情勢に応じて、より多くの方が納得できる制度、これを構築していく必要がございます。
 例えば、一者入札で九九・九%と限りなく一〇〇%に近い落札など、都民の視点から見ますと、これは一体どうなのかといったような疑問が生じるような事態は回避する工夫なども考えていかなければならないのではないでしょうか。私といたしましては、何でも安ければいいということはいっておりません。
 そして、そのときに、一時につくるためのお金と、それからその後、それを管理運営していくためのライフサイクルコストという、こういった観点も見ていかなければならないわけでございまして、そういった総合的な判断を示していくというのがこれからの入札制度を考える上で大きなベースになってくるのではないか、このように考えているわけでございます。
 そして、その際の基本になる考え方は、賢いお金の使い方、そしてそれを都民の皆様方に信頼していただくという、まさしく都民ファーストの視点ではないかと、このように思うわけでございます。
 そのためにも、公開議論をすべしという崎山議員のご提言については、これは大歓迎でございます。できるだけオープンな場で、何が語られ、何が語られなかったのかということを明確にしていくことこそ都政の改革の一歩であり、そしてまた、特にお金が絡みますこの分野での議論というのは、まさしく都民の皆様方の前で展開されるべきだと、このように考えております。
 そして、より多くの方々からさまざまな意見をいただくというのは極めて重要なことでございますし、また、ご指摘の研究会を含めた多くの外部の方からご意見も頂戴したい、まさにこの外部の方々というのが特別顧問であったりもするわけでございますけれども、より多くの皆様方からのご意見を頂戴し、そしてより透明な、より皆さんが信頼できる、そのような方法をともに見出していきたい、私はこのように率直に考えているところでございます。
 無電柱化についてのご質問がございます。
 昨日の衆議院の本会議におきまして、無電柱化推進法案が衆議院の本会議場で採決が行われて、そして参議院に送られることとなりました。これから委員長提案になるかと思いますけれども、これまで私、国会議員として長年手がけてまいりました法案がいよいよ成立の運びとなり、それを受けて、東京都におきましても、この推進法を条例化して、そしてご指摘のように、区市町村等とより連携をしながら、この東京をオリ・パラ関連のみならず、センター・コア・エリアのみならず、広く防災の観点からも、景観の観点からも、無電柱化を促進していきたいと、このように考えております。
 そして、これまで定められてきた、これから何年間に何キロ進めますという計画でございますが、そもそもの問題点は、技術革新を行ってコストを削減しなければいけないということでございまして、これから条例化するに当たりまして、関係の事業者、都を含めまして、この無電柱化を進める最大のポイントがイノベーション、技術革新、そしてそれがコスト削減でございますので、それを進めていかなければ、幾ら何キロメーターという計画を定めても、コストによってそれは大きく違ってくるという観点から、無電柱化については皆様方のご協力も得ながら、ぜひともそういった本質問題を含めて進めさせていただきたいと思っております。
 それから、木密地域の不燃化についてのご質問にお答えをさせていただきます。
 前倒ししていくのかどうかというご質問でございました。都民の生活、命、財産を守るためには一刻も早く取り組みを進めていかなければなりませんし、また、住民一人一人がみずからの問題として認識していただくということが必要でございます。
 そこで、一つ一つ、全戸訪問などによって現地に入って理解とご協力を得ていただくという作業が必要になってまいります。不燃化の建てかえについては、それぞれ区と連携した不燃化特区の取り組み、そして防災生活道路の整備で促進してまいります。
 避難、そして救援活動の空間ともなります延焼遮断帯の形成、これが必要でございますが、都が特定整備路線を整備してまいります。そして、こういう取り組みは一層加速いたしまして、木密地域を燃えない、そして燃え広がらないまちとしてまいりたいと考えております。
 それから、中央卸売市場のご質問でございます。
 一日も早い豊洲の移転に向けてロードマップを少しでも早めていく、そのために精力的に取り組むべしというご質問でございました。これについては、多くの市場関係者の方々が移転時期を含めて、早く今後の見通しを立てたいとのお考えであるということは十分に承知をいたしております。そのためにも、そのお声に応えていかなければならないということで、具体的な道筋をロードマップとしてお示ししたところでございます。
 そして、この問題はスピード感が重要であります。と同時に、何よりも大切なのは、都民の食の安全・安心がしっかりと確保されているかどうかでございます。それから、皆様方もご議論いただいた建物の地下に盛り土がないという状態などにつきましては、安全性の科学的な検証を十分行うことは不可欠だと、このように考えております。
 先日の安全性の問題等につきましては、建物の観点からのお答えであったかと思いますけれども、現在、専門家会議、そして市場問題プロジェクトチームでさまざまな専門家からの知見に基づく検討を精力的に進めていただいているわけでございます。今、建物と申しましたけど、建物であったり、環境、使い勝手、それから今後の市場の持続可能性、そういった観点から、いろいろとご専門の方々に点検をしていただいているわけでございます。
 そしてまた、法律に基づいたさまざまな手続がございます。一つ一つ確実に行っていく、そのことが都民の安心、信頼の確保につながると、このように考えております。着実にそれらのステップを踏むことによって、結果的にも食の安全の確保、市場関係者の方々が安心して事業を続けられる環境の実現が行われると、このように考えております。
 以上、先ほどご質問いただきました点につきましてお答えをさせていただきました。
 そしてまた、再質問で、新たにと申しましょうか、新たに七問ほどご質問をいただいたかと思います。
 そして、最初に答弁調整ということではなく、そしてまた根回しではなく、緊張感を持ってという最初の所信表明、前回の議会での表明等々についてのお話がございました。
 私はこのように、今、みずからご質問について、再質問についてもゆっくりお話しいただいたので、しっかり書きとめました。ありがとうございます。そういう中で、お答えをさせていただきたいと思います。
 国会におきましても、最後の瞬間までなかなかご質問をいただけないということで、ばたばたしたこともございます。しかしながら、議会の皆様方とはしっかりとコミュニケーションをとり、そして、しっかりとしたご答弁ができるような、そのような環境が保てればと、このように思うところでございます。
 そして、そのためにも、きょうは、本日はこの後の各会派の皆様方からは事前にいただいておりますので、しっかりとまたお答えさせていただきたいと、このように思っているわけでございまして、私は、このような形で着実に、この議会と、そして私、知事、そして都政とともにキャッチボールをしながら進めていくということを行っていきたいと、このように思っております。
 そしてまた、議会を形骸化するのではないかというようなご指摘もございましたけれども、私はそのようなことは全く考えておりません。むしろ、こうやって各メディアもこのように、これまでになく都政を見ていただいている。そして、このやりとりについても見ていただいている。これこそが情報公開の一歩を、各メディアの皆様方のご協力も得てといいましょうか、ご関心もこれだけ高まった中で進められているというのは、これまでの都政にはほとんどなかったことなのではないだろうかと、このようにも思うところでございます。
 それから、当然皆様方の質問権があるわけでございますから、そのために都庁の側として責任を持って答弁をするというのは当然でございますし、これからもそのような関係については、しっかりと議会とのコミュニケーションをよくしながら、必要なときには議論をし、そして必要なときにお互いにアドバイスを相互的に交わすといった関係が望ましいのではないかと、このように思っております。
 復活予算のお話がございました。先ほども少々お答えしたかと思いますけれども、昨年度まで行われていた都の予算編成プロセスでございますが、知事によります予算原案の策定の後、各局から復活要求を議会にお聞きいただき、そして、議会が聞き入れて、これらに議会側独自の案件を含めたものを、いわゆる政党復活要望として受け入れてきたと、このように聞いております。
 この要望に基づいて、復活の知事査定を経まして、復活予算案が策定されてきているというふうに認識をいたしております。政党復活要望に基づいて復活予算案を策定するという、これは一言でいうと、他の道府県では例がないということでございます。そういう中で、都民の皆様にわかりやすくお伝えするために、いわゆる政党復活予算という呼称を使ってまいりましたけれども、その中身についてどうかということでございます。
 この具体的な、総額では二百億円ということで、主なものとしてはお話しのとおりかと、このように思います。区市町村や各種団体の要望なども踏まえました各局から議会側への復活要求、そして都議会の各政党からの政党復活要望に基づきまして、復活知事査定を経て策定されたものと、このように認識をいたしております。
 そしてまた、都側が編成をいたしました予算につきましてのご議論はこの議会でいただくわけで、それを議決していただくという、その過程におきまして議論を行っていただくというのが基本的な関係ではないかと、このように私は考えております。
 それによって、区市町村のご意見、団体の皆様方のご意見もしっかりと反映させたものにし、そしてまた、予算の審議において皆様方からのご意見等々も伺うという話になるのではないかと思います。そしてまた、各種団体、区市町村などの組織、団体からご要望をいただく件につきましても、情報公開を基本として考えているところでございます。
 そして何よりも、予算の修正権というものを皆様方はお持ちなわけでございますし、また、必要な予算は、そもそもその予算に組み入れていればいいということで、これはどこの道府県でもこのような形でやっているわけでございまして、それを否定することが地方自治法の否定につながっているとは私は考えておりません。
 それから、知事査定後の予算原案の段階で復活財源として議会のために留保しておくという仕組みでございますけれども、歴代の知事が都議会にその使途を全面的に委ねてきたという意味で、白地小切手という言葉を使わせていただきました。これは戦後長らく続いてきた慣例ということで聞いております。そして、都議会が一部の予算について実質的に予算編成権を行使してこられたという意味でございます。そして、このことにつきまして皆様方と――復活予算案についてのご質問につきましては、今お答えしたとおりでございます。
 それから、オリンピック・パラリンピックの件につきまして、知事のオリンピックへのコンセプトは何かというお問い合わせがございました。
 六四年の繰り返しではなく、成熟都市にふさわしいオリンピックをというのは官僚的といわれましたが、これ、私、官僚ではないですが、以前からも使っている言葉でございまして、どうぞその点はご心配なく。
 そしてコンセプトにつきましては、私は、これはバッハ会長と同じでございます。いかにしてサステーナブル、持続可能なオリンピックにするかということでございます。
 オリンピックそのものも持続可能かどうかということが今のIOCの大きな課題でございます。そして、そのためにアジェンダ二〇二〇を編成し、その中には、いかにして既存の施設を使ってコストを削減するのかといったようなコストの面だけでなくて、いかにしてそのまちがサステーナブルであるか、持続可能であるのか、そしてまた、食品残渣をゼロにするであるとか、CO2などの削減のための自然再生エネルギーを使っていきましょうといったような意味での持続可能性、サステーナブル、私はまさしく、まあ片仮名ばっかり使っているというお叱りを受けるのでございますけれども、コンセプトがもともとコンパクトであったというふうにお話がございました。
 前の知事は、世界一という言葉を使っておられました。私は、それを日本語でいうならば、持続可能な日本、持続可能な東京にしていくということでございます。そして、これこそがまさしくIOCのバッハ会長とも意気投合したところでございまして、これはコスト面、環境面、そしてまた社会全体、これらのことを踏まえての大きな枠のまさしくコンセプトに当たるものではないかと、このように思っております。
 これから残された日数、千三百三十数日を切ったかと思いますけれども、これからのオリンピック・パラリンピックが持続可能性、サステーナブル、このことを標榜し、そしてまた、それに資するような会場づくり、交通、セキュリティー、食品などの問題、そして再生可能なエネルギーを活用するといったようなさまざまな観点を抱合するような、そのようなオリンピック・パラリンピックとしてまいりたいと、このように考えております。
 皆様の中からも、組織委員会の中にメンバーとして入っておられる方もおられるわけでございますので、ぜひ組織委員会の中でも東京都としての立場をしっかりお伝えいただき、また、私、東京都知事、東京都、それから政府、そしてIOC、各種IF、NF、連携しながら、すばらしい大会にしていきたいと、このように考えております。
 ぜひとも皆様方のご協力を今後とも賜りますようにお願い申し上げまして、私からの再答弁とさせていただきます。ありがとうございました。

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