平成二十八年東京都議会会議録第十三号

○副議長(小磯善彦君) 十番やながせ裕文君。
   〔十番やながせ裕文君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○十番(やながせ裕文君) まず、豊洲新市場の問題について伺います。
 一つ目は、盛り土についてであります。
 豊洲での土壌汚染対策として、専門家会議は四・五メートルの盛り土を提言し、これが実行されなかったわけでありますけれども、さまざまな資料を読み込んでも、四・五メートル必要だという数字の出どころがよくわかりません。
 失われた四・五メートルの盛り土の存在意義をもう一度確認したいと考えますが、盛り土の四・五メートルという数字は、当初、東京都が提案したものなのか、それとも専門家会議が提案したものなのか。また、四・五メートルは、汚染から防御する上で最低限必要なものだという認識かどうか、お答えをいただきたいと思います。
 また、盛り土をしなかったことによるコストの削減額はどれだけか、教えてください。
 二つ目は、地下水管理システムであります。
 土壌汚染対策のかなめとなっている地下水管理システムですが、これがきちんと機能するのかどうか、これを確認したい。
 まず、地下水管理システムの性能についてであります。過去の地下水の最高水位から考えると、専門家会議の提言であるA.P.一・八メートルで地下水を維持するためには、莫大な、途方もない排水能力が必要となります。
 平田座長も先日の記者会見で、どれくらいの性能があるかわからないといいましたが、A.P.一・八メートルを維持する排水が可能であるという根拠をお示しいただきたいと思います。
 また、これまでに設計会社である日水コンを含め、これだけの大規模な地下水の浄化管理をした事例、実績があるのか、教えていただきたいと思います。
 また、技術会議の資料を見ると、地下水管理システムの揚水井戸が目詰まりを起こして、機能が低下する可能性についても言及されています。
 そこで、いまだ試運転を続けている地下水管理システムの現在の稼働状況、これは先ほど五〇%だと聞きました。目詰まりによる揚水能力の低下が見られないか、これを聞きたいと思います。
 また、十月十七日から本格稼働するとのことですが、これは本当にできるのか、この見通しを教えてください。
 きのうの議論を聞いていますと、A.P.五メートルの高さまで地下水が来ているといったことがわかりました。これは非常に私、驚いたわけでありますけれども、これ、建築物以外のところは、盛り土があるんですね。地下水が盛り土部分まで、これは到達しているということになります。これはA.P.五メートルまで来ていればですね。
 すると、これはきれいな盛り土が地下水によって再汚染されていると、この可能性があるんではないかという問いかけをしたいと思います。
 かつて、東京ガスが豊洲で土壌汚染対策を実施した後、きれいな土を盛り土したんですけれども、その後、東京都が調査をすると大変な汚染が、きれいな盛り土から発見された、そんな事件がありました。
 これは地下水が上昇することによって再汚染が起こったということなんですけれども、こういったことが起きないように地下水管理システムというのはあるんですね。それが稼働していないということは、同様にこの盛り土が再汚染される、この可能性があるんではないか。この盛り土の再汚染、これは非常に大きな問題だというふうに私は考えていますので、ぜひはっきりと、この可能性があるのかないのか、これははっきりと答弁をいただきたいと思います。
 三点目、今後の方向性についてであります。
 今後の方向性を検討する上で、市場会計の現状を知ることは重要です。豊洲新市場への莫大な投資によって、借金を多く背負っていると考えますけれども、現在の状況を教えてください。
 これまでは築地の土地を売却することを前提にしてきたわけですが、想定してきた築地の売却金額、また、その跡地利用については、これまでどのように検討してきたのか伺います。
 また、仮に築地市場の土地を売却せずに維持することになったとき、どのように市場会計ではやりくりをしていくことになるのか伺います。
 豊洲移転を白紙にして築地で再整備すればいいではないかとの発言を聞きます。七年前、私は、築地再整備特別委員会のメンバーで、再整備ができることを立証することが私に与えられたミッションでした。当時出した答えは、再整備は可能だという結論でした。
 しかし、それには条件があって、仮移転先が必要であり、長期にわたる工事期間を覚悟しなければなりませんでした。当時は晴海に仮移転することを想定しましたが、これは選手村として使用することになっています。これから再整備を検討すれば、最低でも十年から二十年の時を費やすことになります。これまでさんざん振り回してきた市場関係者の皆さんのことを考えたときに、今、再整備は可能だなどと、とても軽々にいえたものではありません。
 これまでの土壌汚染対策の実効性と効果を検証することは何よりも重要なことだと考えます。ただ、同時に、私たちが目指してきた土壌汚染対策の到達点が本当に現実的なものだったのかどうか、ここを省みる必要があるんではないか。安心を目指す余りに実現不可能な目標となっているのではないか、過剰防御となっていることはないか、ここもあわせて検証していただきたいと思います。知事の答弁を求め、次の質問に移ります。
 行革についてであります。
 東京は巨大な肥満都市だと知事はおっしゃいましたが、私は都庁組織が肥満状態にあるのではないかと考えています。それは、本来都がするべき事業は何かを問うことなく、歴史的な役割を終えた事業を温存してきた。私は、都庁のスリム化を目指して、官と民の役割分担をもう一度明らかにし、問い直す作業が必要だと考えます。
 私は、民でできることは民でという大原則をもとに、都が行う事業の守備範囲を決めるべきと考えますけれども、知事は、官と民の役割分担についてどのようにお考えなのか、基本認識を伺います。
 肥満化した東京の皮下脂肪に当たるのが、多数存在する東京都の外郭団体。そして、そこには天下りの問題がある。民間でできることを都が行い、その業務は競争にさらされることなく、外郭団体が独占する。そして、その外郭団体は都の職員の天下りの受け皿となっている。これこそが東京都が肥満化していく構造的な問題なんです。
 例えばマンション事業、都は約三十三万戸もの住宅を提供しています。これらは高度経済成長期に東京の人口が急激に増加する中、住宅面での受け皿として役割を果たしてきた。しかし、今はどうでしょうか。民間賃貸住宅の市場は成熟し、都内には空き家が八十二万戸もあり、問題化している。
 都の監理団体である東京都住宅供給公社は、賃貸住宅を約七万戸所有していますが、きれいなタワーマンション、家賃が二十万円を超えるもの、とても民間のマンションとの違いはわかりません。
 東京都もこれから人口の減少が見込まれる中、歴史的な意義を終えた公社住宅は、建てかえの際などに規模縮小を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、都は、都営住宅を約二十六万戸所有しています。これらは低所得者向け住宅で、都が設置する意義は理解します。しかし、その維持管理は、競争することなく、特命随意契約で住宅供給公社が独占的に行っている。
 平成十九年度の包括外部監査では、競争原理を導入するよう検討すべきという意見が出ました。そこで都は、一旦民間企業も入れて公募をしたのですが、驚くべきことに、民間企業が公社よりも安い金額を提案しているにもかかわらず、さまざまな理由をつけ、公社が再び受注を獲得したんですね。
 そして、今は公募もやめてしまって、特命随意契約に後戻りしている。結局、昭和四十五年から四十四年間にもわたって事業を独占している。年間約八十五億円の契約です。
 今後、都営住宅の指定管理者の選定に当たっては、競争原理を働かせるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
 住宅供給公社の理事長は、現在は元東京都技監、歴代東京都の幹部が天下りをしている。ちなみにほかの自治体では、公営住宅の管理を民間に委託することが進んでおり、公社でなければできない事業ではありません。さまざまな理由をつけて、天下り団体が民間企業を押しのけて、都の事業を総取りしている例であります。
 また、都では、再開発ビルなどを所有し、テナント賃料により収益を上げている。水道局では七つのビルの管理業務について都の報告団体、東京都市開発と随意契約し、多額の委託料が支払われています。東京都市開発は、歴代水道局長の天下り先であり、三十年にもわたって特命で随意契約が結ばれています。
 都は、八重洲などに五つの駐車場を保有していますが、管理運営は都の監理団体である東京都道路保全公社が一手に引き受けています。現在の道路保全公社の理事長は、元東京都技監、歴代理事長は全て都の幹部の天下りとなっています。このような事例は挙げれば切りがありません。
 都は、この監理団体を指導監督し、その業績を評価する立場にありますが、この評価もとても甘いものとなっています。
 都は、監理団体改革の一環として、団体にみずから経営目標を設定させ、その達成度を評価している。しかし、その目標設定が過去の実績よりも低い目標を設定して、達成したことになっている。そんな事例がずらずら並んでいるんですね。報告書を一見すれば、これはわかります。
 このような監理団体の目標設定のあり方を改善すべきだと提案してきましたけれども、どのように取り組んでいくのか聞かせてください。
 現職の都の幹部が、OBがトップとなっている天下り団体を厳しく評価できるわけがありません。そもそも評価システムは破綻している。
 各局の局長クラスによる天下り先の年収は、監理団体で最高で約一千八百万円程度となっているわけですが、ここで、過去十年間の局長級職員の退職者数、そのうち外郭団体に再就職した職員数について、それぞれ十年間の合計数を聞いておきます。
 また、豊洲新市場に関連する取引があった東京ガス、鹿島、大成、清水建設にどれくらいの幹部職員が天下ってきた実績があるのか、あわせて伺います。
 知事は、その著書「議員と官僚は使いよう」の中で、独立行政法人や公益法人などの税金が投入されている法人に、中央官庁から指定席のごとく順番に天下る慣例は、当然全廃すべきだと述べられています。まさにその状況が東京にはあります。
 東京都は、改革が進まず、天下り天国といわれています。この現状をどのように評価、認識されているのか、知事ご自身のお言葉でお聞かせいただけたらありがたいなと思います。
 そもそも、マンション事業や貸しビル業や駐車場経営、これは都がやるべきものなのかどうか。そして、もしやるべき事業であったとしても効率性が求められる中、都の外郭団体が事業を独占的に行う必要性があるのか。そして、その都の外郭団体は天下りの受け皿となって、またその団体を都は甘く評価し続けてきたという実態があるんです。
 各局から天下り監理団体への特命随意契約は、平成二十六年度で一千百六十三億円、この額は毎年ふえ続けています。肥大化がとまりません。小池知事のいう都民ファーストではなく、都庁ファーストになっているのではないか。都民のための事業が、いつの間にか性格を変えて都庁のための事業になっているんではないか。
 知事は利権に切り込むとおっしゃっています。切り込むべき最大の利権、都庁利権がここにあると考えます。監理団体のスリム化を進めるなど、どのように行革に取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 最後に、時間がありませんので、納得できないお金の使い方について一つだけ挙げます。
 水道局は大作映画をつくっているんですね。これであります。これは五十八分のDVDですけれども、多摩丘陵幹線第二次整備区間工事記録総集編、技術の継承を目的とした水道システムの工事記録映画であります。これ、四年前に制作費が一億三千万円だと聞いて私は仰天したわけですけれども、そのときはまだ未完成でした。それがようやく完成したと聞きましたので、映画の完成までの総制作費は幾らなのか、また、それを妥当だと考えているのか、水道局長に伺いたいと思います。
 小池知事は、知事給与を半減するという、みずから身を切る改革を断行されました。改革に邁進する決意が伝わってまいります。都政を都民の手に取り戻す。どうかその大改革を実現していただきたい、このことを申し上げ、私の質問を終わります。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) やながせ裕文議員の一般質問にお答えいたします。
 最初に、土壌汚染対策についてのご質問がございました。その実効性云々の話でございますけれども、まず豊洲市場におけます食の安全性については、これまでも生活者の目線や都民ファーストの感覚でまずは大切にしなければならないと述べてまいりました。
 そこに盛り土がないこと、地下水がたまっていることということで、市場における食の安全に不安が生じているというのが現状でございます。
 そして、その不安の払拭のためには、まずは科学的に安全性を確認するということが何よりも重要であり、そのためには、専門家会議等で科学的な知見に基づいて、冷静に安全性について、過剰かどうかも含めて検証していただくことが必要と考えております。
 官民の役割分担についての考え方についてご質問がございました。
 効率性や柔軟性にすぐれた民と、公共性や安定性を有する官とがそれぞれ特徴を生かして、知恵を持ち寄る、そして、それによって東京という都市を発展させていくということが、私は安定した、また発展する新しい東京につながるものと考えております。
 こうした考えのもとで、都民ファースト、ワイズスペンディングの観点から、個々の課題に応じて、官民の役割分担や協働については考えていくべきものと認識をしております。基本的には、民ができることは民に任せようというスタンスでございます。
 監理団体等への再就職についてでございますが、職員の再就職については、都民から公正な都政運営が損なわれるといった疑念を持たれることがあってはならないと考えます。
 都はこれまでも、再就職情報を一元管理する都庁版人材バンクを独自に設置したということで、本年四月には退職管理条例を施行し、外部有識者で構成されます退職管理委員会を新たに設置、運用しながら、再就職のより一層の公正性、透明性の確保に努めてきたとの報告を受けているところであり、議会の皆様方については、より多くご存じなのではないかと思います。
 都民の信頼を損なうことのないように、新たな退職管理制度の運用も含めて、再就職の公正性、透明性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
 そこで、今後の行政改革でございますけれども、私の都政運営に対する基本姿勢というのは、まずは都政を透明化することでございます。そして、情報を公開することでございます。そして、都民とともに進める都政を実現していく、これがその一つ一つの段階でございます。
 そして、その具現化のためには、都庁の自己改革精神をまずは呼び覚ますこと、そして東京大改革を進める装置としての都政改革本部があるわけでございます。
 既に二回の本部会議を開催いたしております。そして監理団体等の指導監督につきましても、本部に設置された内部統制プロジェクトチームの検討テーマに位置づけております。
 また、各局からは、自律的な改革に向けた今後の方向性などについて報告がなされるなど、さまざまな取り組みが始まったところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、都民の皆様からお預かりしている税金、これを有効に活用する。つまりワイズスペンディングでございますが、常に都民の利益を重んじる改革マインドを都庁全庁に根づかせて、都民に信頼される都政の実現に邁進したいと考えております。
 残余のご質問については、関係局長からご答弁させていただきます。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲市場の盛り土についてでございますが、盛り土の高さ四・五メートルは、都から提案したものでございます。専門家会議におきまして、四・五メートルの盛り土の安全性をリスク評価モデルにより試算したところ、揮発ガスにより生鮮食料品に付着する水分中の濃度は、飲料水の水質基準の一割未満となっており、より高い安全性の確保が確認できたところでございます。
 なお、盛り土をしなかったことによるコストの削減額につきましては、条件等によって変動することから、お示しすることは困難でございます。
 次に、地下水管理システムの排水能力についてでございますが、地下水管理システムは、三つの街区ごとに整備しており、合計で一日当たり六百立方メートルの排水能力を有しております。
 この排水能力につきましては、豊洲近傍で過去百四十年間の降雨情報から、時間最大、一日最大、三十日間最大の降雨におきましても、降雨時の管理水位であるA.P.二・〇メートル以下を保てるように設計をされております。
 現在、降雨等により、地下水の上昇が見られておりますが、外構工事がほぼ終了し、今後、地下水への雨水の浸透が抑制されます。また、地下水管理システムも本格稼働いたしますことから、日常管理水位であるA.P.一・八メートルで地下水を管理できるものと考えております。
 次に、大規模な地下水の浄化管理の実績についてでございますが、豊洲市場の地下水管理システムは、約四十ヘクタールの敷地の地下水を管理し、浄化して処理を行う施設でございます。これと同等な規模の地下水の浄化管理をしている事例は把握しておりません。
 次に、地下水管理システムについてでございますが、揚水能力が低下する主な理由としては、井戸の目詰まりがございまして、その対策として、必要に応じ、井戸の洗浄を行うこととしております。
 現在、地下水管理システムは試運転中でございまして、今月中に本格稼働する予定でございます。
 次に、盛り土の再汚染についてでございますが、豊洲市場用地のA.P.二メートル以下の土壌を対象に、環境基準を超えた有害物質が確認された区域において全て掘削除去をしております。
 今回、地下水モニタリングにおいて環境基準の超過が確認され、水位も盛り土部であるA.P.五メートルを確認いたしました。
 今後、継続して地下水モニタリングを実施し、水位を確認するとともに、専門家会議におきまして対応を検討することとしております。
 次に、市場会計の現状についてでございますが、平成二十八年度末の予定貸借対照表におきます企業債残高は三千七百六十三億円と見込んでおり、豊洲市場を整備するための資金調達の手段として企業債の発行を始める前の平成十六年度末残高と比べて、約四・七倍となっております。
 次に、築地市場跡地の売却金額と利用についてでございますが、平成二十二年に当時の公示地価等に基づき、跡地の売却収入を試算した際には、三千五百億円程度と見込んでおりました。
 近年は近隣の地価に上昇傾向も見られますが、処分価格は、処分時期や土地利用等の前提条件が明らかになった段階で改めて算定する必要がございます。
 また、跡地利用につきましては、築地の伝統文化や、隅田川などの観光資源を踏まえ、活気とにぎわいのあるまちを形成するという観点から、関係局において調査等を行っております。
 最後に、市場会計の運営についてでございますが、豊洲市場の整備に当たり発行した企業債の償還には、築地市場跡地の処分収入を充てることを想定しております。仮に跡地を処分しない場合、内部努力の徹底はもちろん、企業債の借りかえ、市場施設の整備の抑制、さらには、使用料の大幅な見直しなど、今後の市場財政に非常に大きな影響が生じると考えております。
   〔都市整備局長邊見隆士君登壇〕

○都市整備局長(邊見隆士君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、公社住宅についてでございます。
 公社は、良質な賃貸住宅を供給しながら、団地内に保育所等の公共施設を整備するなど、都の政策課題の解決にも大きな役割を果たしてきてございます。
 近年は、住宅の建てかえを公的資金に頼らず、計画的に実施しており、その際には、保有する敷地を有効に活用して用地を創出し、地域の実情を踏まえ、高齢者施設等の福祉インフラの整備などにも貢献をしてございます。
 また、時代の要請に応え、民間では入居しにくい高齢者やファミリー世帯向けの住宅の提供にも取り組んでございます。
 公社は、自主自立かつ長期的安定経営を実現するとともに、新たな都民ニーズに応えることで、都の住宅政策の一翼を担うなど、その公的役割を果たすことが期待されてございます。
 次に、都営住宅の指定管理者についてでございます。
 都は、都民共有の財産であり、住宅セーフティーネットの中核である都営住宅を、住宅困窮者の居住の安定を図るために、公平、的確に供給する必要がございます。
 その管理者には、安定したサービスの提供に加え、区市の福祉部門と連携したサポートや、災害時の緊急対応など、公的な役割を適切に果たすことが求められてございます。
 都の住宅政策の一翼を担う住宅供給公社は、そういったノウハウを蓄積し、安定した経営基盤と執行体制を整えてきてございます。
 これらのことから、都は、指針に基づき、外部委員による選定委員会で、事業計画の内容と、それに基づくサービスや効率性の向上を確認して、公社を選定してございます。
 引き続き、指定管理者の選定を適切に行ってまいります。
   〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、監理団体経営目標評価制度についてですが、本制度は、監理団体改革の一環として、団体自身に経営目標を設定させ、都がその達成度を評価するもので、これまで必要な見直しを適宜行いながら、各団体の経営改善や、自律的経営の促進につなげてまいりました。
 今般、都政改革本部内に内部統制プロジェクトチームを設置し、都庁の自己改革を進めることとしており、監理団体についてもテーマの一つに掲げたところでございます。
 今後、本制度を初め監理団体の指導監督全般に関する検証を行った上で、都民ファースト、情報公開、ワイズスペンディングの視点を踏まえた改善策等について検討を進めてまいります。
 次に、局長級職員の退職者数及び外郭団体への再就職者数についてですが、平成十七年夏季幹部異動後の過去十年間において、局長級で退職した職員は、特別職に就任した職員を除き、合計百二十九名となっており、このうち監理団体へ五十三名、報告団体へ三十六名が再就職しております。
 また、同期間において退職した幹部職員のうち、お話の企業に再就職した人数でございますが、大成建設株式会社には四名、鹿島建設株式会社には三名、清水建設株式会社には三名、東京ガス株式会社には六名の幹部職員がそれぞれ再就職しております。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 多摩丘陵幹線の工事記録映像についてでありますが、この工事は、約三十キロに及ぶ大口径管路の布設や関連する給水所の整備など、総額にして約六百三十億円を投じた大規模かつ複雑な工事であったことから、その施工内容等を適切に保存し、次世代への技術継承やお客様の水道施設工事への理解を図るために、記録映像を制作したものでございます。
 映像の制作に当たりましては、企画提案方式による競争で受託者を決定し、完成までの支出額は、平成十六年度から二十六年度までの十一カ年の合計で約二億円となっております。
 この制作を進める中で、都の監査委員による定例監査の指摘も受け、撮影対象の工事項目や撮影回数を詳細に規定するなど、制作経費の削減につながる取り組みも実施をしてきておるところでございまして、私ども、この金額は妥当であるというふうに認識しております。

○議長(川井しげお君) 以上をもって質問は終わりました。

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