平成二十八年東京都議会会議録第八号

○議長(川井しげお君) 七十九番小山くにひこ君。
   〔七十九番小山くにひこ君登壇〕

○七十九番(小山くにひこ君) 質問に先立ち、熊本県、大分県を震源とする熊本地震で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復旧、復興に向けて、私たち都議会民進党も全力を尽くしてまいります。
 私は、都議会民進党を代表して、都政の喫緊かつ主要課題について、舛添知事ご自身に関する問題については知事に答弁を求め、他の質問については、疑惑が晴れず、都民の信頼を失っている知事が都政の未来を語る立場にはないと考え、関係局長に答弁を求めます。
 また、舛添知事の公私混同問題により、他の都政にかかわる質問を割愛しなければならなくなった事態は極めて遺憾であると知事に申し上げておきます。
 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 知事の海外出張や公用車の使い方に端を発し、政治資金の使途などについて連日報道され、多くの都民から批判の声が多数寄せられております。
 都議会民進党は、一連の知事の問題に対し、五月十三日に、四項目の申し入れを行いましたが、知事からは明確な対応が示されないばかりか、多くの都民は知事の記者会見を見るたびに、いいわけや、ごまかしに終始していると感じております。
 六月一日の所信表明も、具体的言及がなく、説明責任を果たしたとは到底いえません。本日、代表質問の答弁を聞いても、何ら、きのうの調査報告を受けた記者会見と変わらない姿勢、内容であります。知事は、本当にこのような対応で都民の信頼を回復できると思っていらっしゃるのでしょうか。私は全く思いません。知事の一連の問題や対応は、都政に対する信用と信頼を著しく失墜させ、政治不信を増大させております。知事の責任は極めて重大であると断じざるを得ません。
 舛添知事は、自身が出版された「日本政府のメルトダウン」という本の中で、情報公開について、民主主義国家で、権力の座についている者が公開する情報を選別すると、民主主義にならない、進んで不利な情報を出してこそ民主主義だと述べておられます。
 しかし、今回の問題については、いいわけとごまかしに終始しており、また、知事日程や公用車の運行記録については、一年分しか存在をしておりません。
 そこで、今回の問題を契機に、知事日程や公用車の運行記録の保存期間を大幅に延長するとともに、知事交際費のように、情報公開請求がなくとも、みずから率先して情報公開すべきと考えますが、見解を伺います。
 今回の一連の問題の端緒となった海外出張は、スイートルーム利用など都民の理解が得られないばかりか、都市外交そのものをおとしめております。
 知事は、今後、航空機のファーストクラス、宿泊施設のスイートルームは使用しないと述べられましたが、この海外出張についても、これまでの出張費用に係る情報を包み隠さず公開し、さらに費用計上に当たっての積算、必要性の根拠も明示すべきと考えますが、見解をお伺いします。
 公用車の利用については、所信表明で、厳格な運用を徹底すると述べましたが、私たちは、運用の範囲を明確にして新たな基準を設けるべきだと考えています。都事業でもない美術展への頻繁な利用や、週末ごとの湯河原への移動、一度自宅、事務所に立ち寄った後の湯河原行きなどは疑義が呈されているところであり、加えて公務外の頻繁な都外への宿泊については、危機管理の観点からもやめるべきです。
 公用車の新たな基準についてどのように考えているのか、知事の見解を伺います。
 参議院議員当時の舛添知事の政治資金についても、いまだ十分な説明が行われたとはいえません。昨日、知事のいうところの公正な第三者の厳しい目による調査報告書が示されましたが、そもそも日弁連による企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインは、委員数は三名以上を原則とするなどの基準があり、第三者ということ自体に正当性があるのか、疑問の声が上がっております。調査報告書の内容も甘い印象で、単なる舛添知事の弁護団ではないかともいわれております。舛添知事の、舛添知事による、舛添知事のための弁護団ではないでしょうか。
 基準や人選などについての客観性があるのか、第三者性の担保について、知事の見解をお伺いいたします。
 今回の調査報告書について、舛添知事は、第三者の厳しい目と繰り返しておりますが、そもそも、みずからが依頼した弁護士を第三者といい切るところに、都民感情、都民感覚との乖離があるのです。第三者性の担保として、最低限、調査の過程で得られた資料を全て開示すべきであります。一例として、ホテル三日月で会議があったことを客観的に示す調査レポート、周辺状況の聞き取り調査書などを明らかにすべきだと考えておりますが、知事の見解を伺います。
 あわせて、調査報告書からは新たな疑惑も生じております。例えば、平成二十二年十一月二十七日のホテルの宿泊で、舛添知事は、参議院本会議が深夜まで続き、翌日は大阪に移動するためとして、お台場のホテルに宿泊をしております。しかし、自宅に帰らず宿泊したというのは、普通に考えれば、翌日の大阪へは早朝の出発だと思われます。したがって、ほんの数時間の滞在で十万六千円余もの部屋を利用することは常識ではとても考えられません。また、平成二十三年十月九日には、野球観戦に家族を同行させ、家族とともに福岡市のホテルに宿泊しておりますが、これが不適切ではないという判断も、都民から到底理解されるものではありません。
 こうしたことが一事が万事、一件や二件ではなく何件もあることが、第三者の調査の信頼性、公平性を損なっているということに気づかないのでしょうか。違法でなければよいという問題ではありません。
 私は、弁護士の判断に委ねるだけではなく、あくまで知事みずからが、道義的観点から真に厳しい目で精査し直し、適切な対応をとることが必要と考えますが、見解を伺います。
 調査報告書では、美術品の購入に関しても課題が残されました。私たちは、知事が政治資金で購入した美術品をリスト化し、現在どのような状況にあるのか、贈り先や現在の所有者の名義、保管場所などが一目でわかるような資料を明示されるものだと思っておりました。しかし、報告書では、今後、それらの所有関係を明確にするとともに、政治資金を用いて購入した絵画、版画等を私物化したとの批判を招かないような措置を講じていく必要があるとされただけであります。
 そこで、美術品等において、公私混同疑惑を招かないような措置とはどういうものなのか、今後、いつまでにこの措置を講じるのか、見解をお伺いいたします。
 昨日の会見で知事が述べました、返金や別荘の売却が今回のけじめだと考えていらっしゃるのであれば、知事は、都民の心や気持ちが全くわかっていらっしゃらないということの証左であります。都民は、知事を信用、信頼しておりません。民信なくば立たずです。まさに都民の信なくば立たずであります。
 都政改革を推進し、果断な施策を実行するためには、何よりも都民の理解と信頼が大切であり、昨今の状況は、都政の推進力を大きくそぐものであります。
 都議会民進党は、知事みずからの判断で、事態の収拾に向けた潔い対応をとることを強く求めるものであります。
 都政のトップである知事には、都民目線で、しっかりと説明責任を果たすことが求められており、法令遵守はもとより、李下に冠を正さずの姿勢が必要であるにもかかわらず、この間の説明は到底不十分であるといわざるを得ません。
 私たち都議会民進党は、都議会に対する説明責任を果たした上で、なお、公私混同疑惑について都民の納得を得られない場合は、みずから潔く身を処すべきだと考えておりますが、知事の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 大会経費について、そもそも招致時の積算が不十分であったことが問題であり、知事が三兆円かかると言及した総額が幾らになるのか、都議会民進党が求めたコスト縮減の取り組みがいかに行われてきたのか、都民、国民への丁寧な説明が必要だと考えます。
 また、追加種目候補五競技については、さらなる都の負担増を避けなければなりません。開催都市としての招致時の積算を検証するとともに、改めて、コンパクトな大会運営の経費に向けて取り組むべきだと考えております。
 都は、この三カ月間、どう経費縮減に取り組んできたのか。あわせて、今後、リオ大会中のIOC総会などに向けてどう取り組むのか、都の見解をお伺いいたします。
 次に、東京大会における役割分担について伺います。
 競技施設整備の原則は、国立競技場を国、その他の恒久施設を都、そして仮設施設を組織委員会が負担することとなっており、都議会民進党は、競技施設の整備にそれぞれ責任を持つ国や都、組織委員会がコスト縮減を初め諸課題に努力すべきと考えております。しかしながら、国立競技場での都の整備費用負担に続き、有明体操競技場の一部整備費を都が負担することとなり、整備費負担の原則が再び破られました。
 そこで、都民が納得し得る大会費用分担の説明責任が今まさに問われていると考えますが、都の見解を伺います。
 ここで、二〇二〇年大会招致に関して一言申し上げます。
 東京開催が決まりました平成二十五年九月を挟む七月と十月、招致委員会が海外コンサルタント会社に支払った合計約二億三千万円の契約が国際的に問いただされております。
 都においては、捜査当局から捜査への協力を求められた際には、全面的に協力をしていただくよう求めておきます。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九について伺います。
 先月二十八日、東京スタジアムの補助競技場であります西競技場で、府中、調布、三鷹の地元三市が主催をいたしますラグビーフェスティバルが開催をされ、会場いっぱいの観客がラグビートップリーグの東芝、サントリー戦に声援を送りました。この熱意を都内全域に広げ、都民がこぞって二〇一九年大会を迎える機運をつくるべきであります。
 今月二十五日には東京スタジアムでラグビーテストマッチが行われます。この絶好の機会に、主催者、日本ラグビーフットボール協会と東京都、地元を初め多摩地域が連携してテストマッチを成功させ、二〇一九年につなげていくべきであります。
 ラグビーワールドカップ二〇一九を成功させるためにも、来るラグビーテストマッチの集客に万全の対応を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、子供、教育について伺います。
 まずは、貧困の連鎖を断ち切る教育です。ユニセフの子供たちの格差報告書によりますと、近年、日本の子供の相対的所得の底辺格差が拡大しているとの調査結果が示されました。貧困の連鎖や格差拡大の解消に向けた、都のさらなる取り組みが求められております。
 私たち都議会民進党は、教育がその解消に極めて重要な役割を果たすと考え、予算議会において、都内の子供たちの実態把握の調査を実施し、具体的な対策に取り組むべきだと求めました。
 都においては、子供の貧困実態調査の結果などを踏まえ、高校生を対象とした東京都版給付型奨学金を創設すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、保育所の待機児童解消対策です。
 この四月、都内の待機児童がさらに増加し、各自治体が待機児童ゼロを目指す緊急対策を講ずる切迫した事態となっております。
 都議会民進党も、待機児童の解消を初めとした十八項目から成る子育て環境の整備推進を求める緊急申し入れを行いました。待機児童数調査によって実態をしっかり捉えるとともに、保育定員の拡充、整備に向けたさまざまな規制緩和、近隣住民との理解促進に加えて、保育バウチャーの支給など、あらゆる対策を講じて、待機児童を解消すべきと考えます。
 保育の質を確保しながら、保育サービス利用児童数の計画目標を引き上げ、待機児童を解消すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、都民の命を守る防災対策について伺います。
 四月十四日の前震に始まった熊本地震は、熊本県、大分県に甚大な被害を及ぼしました。
 私は、五月九日から十一日まで現地を訪れ、被災地支援のボランティア活動を行うとともに被災状況を視察してまいりましたが、改めて活断層型地震のすさまじさを感じました。十二万棟を超える家屋が損壊し、阿蘇大橋を初めとする橋梁が崩落している状況を目の当たりにし、言葉を失いました。
 そのような状況下、現地でもお会いしましたが、被災地派遣されておりました都職員を初めとする他自治体職員の皆様のご奮闘に敬意と感謝の意を表したいと思います。
 都においても、被災地の継続的な支援を行っていただくよう要望しておきます。
 今回の熊本地震では、大きな被害が断層帯付近に集中しており、二〇〇〇年基準で建てられました耐震等級二の建築物も倒壊したことは重く受けとめなければなりません。今回の地震の特徴として、数日の間に強い揺れが何度も襲ったために、想定とは異なる被害が発生したとされております。
 一方、都は、立川断層帯地震も含めた被害想定を作成し、これをもとに対策を講じております。都の震災対策は、阪神・淡路、東日本の大きな震災を踏まえ、逐次改定されております。断層地震である熊本地震における新たな知見をもとに、東京の防災対策を検証し、防災力をより高めるように取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
 また、復旧、復興に向けた動きの中で大きな力となる市民ボランティアの活動について課題が見られました。ボランティア希望者が多く集まり、途中で受け付けを締め切らざるを得ない地域がある一方、必要な作業量を満たす希望者が集まらない地域もあり、偏在が起きておりました。
 災害ボランティアの活動においては、支援ニーズの把握やボランティア募集人数の決定、ボランティアとニーズのマッチングなどで、地域の災害ボランティアセンターの運営能力が求められてまいります。また、被災者のニーズとボランティアをつなぐ災害ボランティアコーディネーターの確保や、地域の正確な情報の収集、発信も重要であります。
 そこで、災害時に、地域の災害ボランティアセンターが役割を十分に果たせるよう、都は、平時から市区町村等と協力し、発災時への備えをしていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 阪神・淡路大震災で救助された方の九割は、近隣住民によるものであったことからもわかるとおり、大規模災害時には、消防、警察など行政だけでは到底救助が追いつかず、消防団を初めとした地域防災活動が大変重要な役割を果たします。
 熊本県西原村大切畑地区では、四月十六日、九名が下敷きとなりましたが、地域の消防団員らによって全員が救出をされました。このことで、奇跡の集落として報道され、改めて、地域のきずな、地域活動の重要性を知らしめることとなっています。
 私も現地を訪れ、その被害の甚大さを目の当たりにいたしてまいりました。ほとんどの家屋が損壊する中での死者ゼロは、まさに奇跡と呼ぶべきでありますが、これは他力本願の奇跡ではなく、地元を熟知し、なおかつ経験、技能のある消防団員等によって、なし遂げられたことであります。
 都においても、地域防災力向上の取り組みについて、これまで以上にしっかりと進めなければならないと考えますが、見解をお伺いいたします。
 以上で、私の代表質問とし、なお、答弁によっては、知事への再質問を留保し、知事には、都民の信を得る真摯かつ誠意ある答弁を求め、質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 小山くにひこ議員の代表質問にお答えをいたします。
 知事日程や公用車の運行記録の保存と公開についてご質問がございました。
 まず、知事日程や、これと一体をなす公用車の運行記録の公開につきましては、面会の相手方などとの関係もございまして慎重な対応が必要ではございますけれども、情報公開請求に基づいて文書開示を行っているところであります。また、文書の保存期限につきましては、それぞれの文書の性格も踏まえ、適切な保存期間を設定しているところであります。しかしながら、どのようなことが今後できるのかを検討してまいりたいと思います。
 続きまして、海外出張費用の公開及び費用の積算、必要性の根拠の明示についてご指摘がございました。
 海外出張の経費の公開につきましては、これまで、その総額のみを公開しておりましたけれども、昨年のパリ、ロンドン出張に関しまして、航空賃や宿泊料など、経費の詳細を、先日、都のホームページで公開したところであります。
 今後、ほかの出張にも拡大し、同様の情報を公開してまいりたいと思っております。
 また、先般設置しました海外出張経費検討会では、出張経費の縮減策に加えまして、情報開示請求への対応についても検討を指示しているところであります。
 今後、より一層の透明性を確保する観点から、非開示項目の見直しを行い、可能な限り開示項目を拡大する方向であります。
 公用車の新たな基準についてご質問をいただきました。
 都民の皆様からのご批判を真摯に受けとめ、今後は、疑念を抱かれることのないよう、第三者の弁護士による調査報告書の内容も踏まえまして厳格な運用を図ってまいります。
 具体的には、まず、移動元または移動先は公務場所であることという基本的なルールを徹底いたします。また、公用車を使用する場合は、行く先や用件などを明らかにすることで、都民への説明責任を果たしていきたいと考えております。さらに、途中で用務のために立ち寄る場合についても、より厳格に取り扱うことにいたします。
 第三者性の担保についてご質問がございました。
 一連の問題につきましては、当初、私自身や事務所関係者が調査してきたところでございますけれども、身内の調査では納得がいかないと、そういう意見が出てまいりまして、そこで、この際、私や事務所関係者とは全く無縁の第三者、それも政治資金の実務に精通した法曹関係の方に調査をお願いしようということになり、昨日の調査報告に至ったものでございます。
 昨日の会見で、弁護士みずからが述べられておりますように、弁護士の知人から話があったことを契機に、私の秘書とも面会していただきまして、最終的に引き受けていただくことになったものでございまして、人選についても客観性があるものと考えております。
 また、今回、調査をお願いした弁護士の方々は政治資金の実務だけではなく、第三者委員会の弁護士の経験もあることから、第三者性については十分確保されているものと考えております。
 ホテル三日月の件での調査リポートなどを明らかにすべきだとご指摘をいただきました。
 昨日、元検事で政治資金の実務に精通している二名の弁護士から詳細な報告書を発表させていただきました。昨日の会見においても、当該弁護士から、事実認定については十分尽くしたとのコメントもございまして、そうした調査の上での報告であることから、私といたしましては、昨日発表した報告書をもって調査結果の第三者性は担保できていると考えている次第でございます。
 疑惑に対する適切な対応についてご指摘がございました。
 今回の調査につきましては、当初、私の説明に対して、わかりにくい、信じがたいとの声があったことを真摯に受けとめまして、政治資金の専門家である弁護士の第三者の公正な目で、しっかりと調査していただく必要があると考え依頼したものでございます。その調査の中で、私自身も、二日間で十時間近くのヒアリングを受けました。その中で、さまざまな質問にお答えしてきた次第でございます。
 今回の調査において、不適切というご指摘を受けた点はしっかりと改善するとともに、失われた信頼に対しましては、生まれ変わった気持ちで都政に全力を挙げ、都民の皆様のために努力をしてまいる決意でございます。
 美術品等における公私混同疑惑を招かない措置についてご質問がございました。
 私の政治団体が所有している絵画等は、都庁の知事執務室、応接室、廊下などに展示して、外国の要人との話題づくりに活用しておりまして、私物化しようという考えはございません。
 今後は、知事室での展示のほか、病院や福祉施設など、展示していただけるところがございましたら、そのような場所で、ぜひ活用していただきたいと考えております。
 また、これらの美術品につきましては、私が政治団体を解散するときには、これらを必要としてくれる美術館などに寄附したいと考えております。
 みずからの身を処すべきだと、厳しいご指摘をいただきました。
 都民の皆様の信頼を失っていることは大変重く受けとめております。失った信頼は、すぐには回復できるものでないことも十分承知しております。そうした中で、まず、私が行うべきことは、今回の調査結果を踏まえ、一連の問題について誠実に説明し、改めていくことでございます。その上で、引き続き、都議会の皆様と真摯な議論を重ねさせていただき、都政の発展に成果を上げることで都民の皆さんのご理解を得たいと、そう考えている次第でございます。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、大会経費縮減に向けた取り組みについてでございます。
 二〇二〇年東京大会の準備に当たっては、大会を取り巻く環境の変化や競技種目の追加など、さまざまな状況にしっかりと対応し、大会を成功に導いていかなければなりません。そのため、三月末の森大会組織委員会会長、遠藤東京オリンピック・パラリンピック大臣と知事との会談の場で、大会準備全般にわたり、三者で実務的に検討しようということを決め、協議に入ったところでございます。
 大会の成功に向け、どのような事業がどの程度必要なのか、経費も含め、引き続き、都、組織委員会、国の三者で検討を進めてまいります。リオ大会以降、多岐にわたる準備に遅滞なきよう、丁寧に説明しながら、おのおのの役割をしっかりと果たしてまいります。
 次に、大会の役割分担についてでございます。
 二〇二〇年東京大会の準備に当たりましては、施設整備のほか、輸送、交通対策などもあり、さらにテロ対策など、招致段階では想定されていなかった新たなものも含め、膨大な業務を着実に実行していく必要がございます。その役割分担につきましては、都、組織委員会、国が責任を持って、しっかりと役割を果たしていけるよう、今後、三者で適切に調整し、追加種目の決定やリオ大会の状況なども踏まえまして、本格化する準備に万全を期してまいります。また、その際には、都民、国民の皆様に理解し納得していただけるよう丁寧に説明してまいります。
 なお、有明体操競技場につきましては、大会後に、都の展示場として活用することから、後利用に相当する整備費を負担することとしたものでございます。
 最後に、ラグビーテストマッチへの集客についてでございます。
 これまで都は、市区町村等への周知、都民観戦招待、SNSなどによる情報発信、都議会ラグビー議連の先生方と連携いたしましたチケット販売促進などを行ってまいりました。
 お話の先月末のラグビーフェスティバルでは、主催の府中、調布、三鷹の地元三市と協力し、本テストマッチをアピールいたしました。今月二十五日のテストマッチでは、会場周辺で、地元三市による伝統芸能等のステージ、スコットランドの食と文化の紹介、子供向けのラグビー指導などの盛り上げのイベントを実施いたします。
 このイベントをテストマッチと一体的にPRして集客に結びつけるため、沿線の駅、電車での広告掲出や地元への新聞折り込みなど、広報活動を一層強化してまいります。
 今後とも、あらゆる機会を通じまして集客に努め、その先の二〇一九年大会の成功につなげてまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 高校生に対する給付型奨学金についてですが、高等学校の授業料については、公立、私立を問わず、法律に基づき、保護者の所得水準に応じて就学支援金を支給しております。
 私立学校においては、都独自の給付型奨学金である特別奨学金を既に設け、低所得世帯に手厚い支援を行っております。授業料以外の教育費についても、低所得世帯を対象に奨学給付金を支給しており、今後もこれらの施策を適切に運用してまいります。
 今後、庁内各局で構成する子供の貧困対策推進連携部会において、首都大学東京と連携した調査研究の結果も活用しながら、子供の貧困対策を検討してまいります。
 次に、地域の災害ボランティアに係る取り組みについてですが、発災時には、第一線でボランティアの調整機能を担う災害ボランティアセンターが市区町村に設置されます。このセンターが有効に機能するためには、平時から災害に対する体制を整えることが重要であり、共助社会づくりを進めるための東京都指針にも明記いたしました。
 具体的には、発災時において、ニーズや受け入れ状況を的確に把握し、参加希望者等へ迅速な情報発信につなげられるよう、市区町村等と連絡会議や模擬訓練を実施しております。
 また、災害ボランティアコーディネーターを毎年約二百人養成し、引き続きセンターを支える人材を確保いたします。
 都は、熊本地震におけるボランティア活動の状況も踏まえ、東京ボランティア・市民活動センターと協力し、災害時に向けた取り組みを進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 待機児童解消に向けた取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
 本年四月の保育サービスの利用状況は、現在集計中でございますが、利用児童数は、整備目標の一万二千人を上回り、一万四千人以上ふえる一方、出生数の増加や人口の流入、共働き世帯の増加などにより、待機児童数は昨年を上回ると見込まれております。
 都は現在、待機児童数の多い区市町村を中心に調査やヒアリングを実施しており、今後、国の施策や区市町村の現状も踏まえながら、副知事をトップとした関係各局から成る検討チームで、夏までに待機児童解消に向けた新たな対策を取りまとめ、整備目標についても引き上げてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 防災対策についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都の防災対策の検証についてでございます。
 今回の地震では、強い揺れの連続など、これまでの経験が通用しない側面もあるため、まず、地震の原因及び被害との因果関係等の解明が、都の防災対策にも極めて重要と考えております。
 都は、今後、被害の詳細など必要な情報を収集し、国が実施する予定の日奈久断層帯調査等の動向を注視しつつ、専門家の見解などを求めるなど、検証作業を進めてまいります。こうした作業により、都の防災対策をより実効性の高いものとするよう取り組んでまいります。
 次に、都における地域防災力の向上についてでございます。
 災害時に一人でも多くの命を救うためには、消防団はもちろんのこと、地域の防災力向上の取り組みが重要でございます。そのため、都は、住民参加型訓練を年四回実施し、都民、事業者等による自助、共助の推進に取り組んでおります。
 また、地域において意欲的な防災活動を行う団体を、東京防災隣組に認定し、その取り組みを紹介することで、他の地域に地域防災活動を波及させております。
 さらに、今年度から、希望する町会や自治会等に対して、防災の専門家を講師として派遣する東京防災学習セミナーを開催し、地域活動の活性化を進めております。
 今後も、地域の主体的な防災活動を支援し、市区町村とも連携しながら、東京の地域防災力を向上させてまいります。
   〔七十九番小山くにひこ君登壇〕

○七十九番(小山くにひこ君) ただいま、知事からお答えをいただきました答弁でありますが、全く都民の気持ちや考えから遠くかけ離れている答弁といわざるを得ません。
 改めてお伺いをいたします。
 まず、知事のおっしゃられる公正な第三者の厳しい目ということですが、知事の答弁では、知事の依頼した弁護士が、到底、第三者性を担保しているとはいいがたいわけであります。
 二日間で十時間のヒアリングということでありましたが、それはヒアリングではなくて、適法性、適切性をどう都民に説明するのかという、単なる打ち合わせではないのですか。そして、都民の信を得ないと厳しく断じざるを得ませんが、一連の問題についても、いまだ真相が明らかにならず、多くの公私混同疑惑を残したままです。
 私たちは、知事の出席の一問一答における委員会の集中審議を改めて求めるとともに、知事の身の処し方について伺い、質疑を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 小山くにひこ議員のご質問にお答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、今回ご依頼申し上げました弁護士は、政治資金の実務だけではなく第三者委員会の弁護士の経験もある方でありまして、また、私や事務所関係者との、もう全くそれまで無縁の方々でありますので、私は、第三者性については十分担保されていると考えてございます。

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議は、これをもって散会されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認め、さよう決定をいたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時四十分散会

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