平成二十八年東京都議会会議録第五号

平成二十八年三月三日(木曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番菅野 弘一君
四番川松真一朗君
五番山内  晃君
六番栗山よしじ君
七番堀  宏道君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番やながせ裕文君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番中山ひろゆき君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番松田やすまさ君
二十一番河野ゆうき君
二十二番ほっち易隆君
二十三番舟坂ちかお君
二十四番島崎 義司君
二十五番鈴木 錦治君
二十七番宮瀬 英治君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番西沢けいた君
三十二番田中  健君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番まつば多美子君
三十九番高倉 良生君
四十番神野 次郎君
四十一番木村 基成君
四十二番北久保眞道君
四十三番高椙 健一君
四十四番栗山 欽行君
四十五番大場やすのぶ君
四十六番近藤  充君
四十七番桜井 浩之君
四十八番山崎 一輝君
五十番石川 良一君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番あさの克彦君
五十四番新井ともはる君
五十五番中村ひろし君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番野上 純子君
六十一番中山 信行君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番東村 邦浩君
六十四番崎山 知尚君
六十五番鈴木 章浩君
六十六番清水 孝治君
六十七番小松 大祐君
六十八番柴崎 幹男君
六十九番和泉 武彦君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番鈴木 隆道君
七十二番早坂 義弘君
七十三番高木 けい君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番島田 幸成君
七十七番今村 るか君
七十八番大西さとる君
七十九番小山くにひこ君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番高橋 信博君
八十八番中屋 文孝君
八十九番三宅 正彦君
九十番小宮あんり君
九十一番田中たけし君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番山田 忠昭君
九十六番林田  武君
九十七番こいそ 明君
九十八番田島 和明君
九十九番古賀 俊昭君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番小磯 善彦君
百七番橘  正剛君
百八番長橋 桂一君
百九番中嶋 義雄君
百十番立石 晴康君
百十一番神林  茂君
百十二番秋田 一郎君
百十三番宇田川聡史君
百十四番相川  博君
百十五番吉原  修君
百十六番野島 善司君
百十七番三宅 茂樹君
百十八番川井しげお君
百十九番高島なおき君
百二十番野村 有信君
百二十一番吉野 利明君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
百二十二番 内田  茂君
 欠員
    二十六番  四十九番  七十四番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務安井 順一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長長谷川 明君
主税局長小林  清君
警視総監高橋 清孝君
生活文化局長多羅尾光睦君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
建設局長佐野 克彦君
港湾局長武市  敬君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長塩見 清仁君
消防総監高橋  淳君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
病院経営本部長真田 正義君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長安藤 弘志君
人事委員会事務局長藤田 裕司君
労働委員会事務局長櫻井  務君
監査事務局長猪熊 純子君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

三月三日議事日程第五号
第一 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第九十五号議案
オリンピックアクアティクスセンター(仮称) (二十七)新築工事請負契約
第三 第九十六号議案
有明アリーナ(仮称) (二十七)新築工事請負契約
第四 第九十七号議案
平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
第五 第百三号議案
平成二十七年度十三号地新客船ふ頭岸壁(-(マイナス)十一・五m)防波堤建設工事請負契約
第六 第百十六号議案
平成二十七年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第七 第八十六号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第八 第八十七号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第九 第百十五号議案
平成二十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第十 第百十九号議案
平成二十七年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第十一 第九十八号議案
警視庁大森合同庁舎(二十七)改築工事請負契約
第十二 第九十九号議案
都営住宅二十七H―一〇二・一〇三西(練馬区上石神井四丁目)工事請負契約
第十三 第百号議案
木下川排水機場耐震補強工事請負契約
第十四 第百一号議案
上平井水門耐震補強工事請負契約
第十五 第百二号議案
上平井水門耐震補強工事(その二)請負契約
第十六 第六十号議案
東京都国民健康保険財政安定化基金条例
第十七 第百十一号議案
平成二十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
第十八 諮問第一号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第五号追加の一
第一 第百二十六号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

   午後一時開議

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) まず、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(新美大作君) 平成二十八年三月二日付で、知事より、本定例会に提出するため、議案一件の送付がありました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、第百二十六号議案、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○議長(川井しげお君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十八まで、第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)外議案十六件、諮問一件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

   総務委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出
繰越明許費 総務委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
         総務委員長 加藤 雅之
 東京都議会議長 川井しげお殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
予算総則
歳入
歳出
繰越明許費
都債 財政委員会所管分

 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年三月一日
         財政委員長 鈴木 錦治
 東京都議会議長 川井しげお殿

   文教委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)
   歳出 文教委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
   歳出 都市整備委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
       都市整備委員長 中村ひろし
 東京都議会議長 川井しげお殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出
繰越明許費 厚生委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
        厚生委員長 斉藤やすひろ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出
繰越明許費 経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
      経済・港湾委員長 島崎 義司
 東京都議会議長 川井しげお殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
   歳出 環境・建設委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
      環境・建設委員長 田中 朝子
 東京都議会議長 川井しげお殿

   警察・消防委員会議案審査報告書
 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
   歳出 警察・消防委員会所管分
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
      警察・消防委員長 中屋 文孝
 東京都議会議長 川井しげお殿

   財政委員会議案審査報告書
 第九十五号議案
オリンピックアクアティクスセンター(仮称) (二十七)新築工事請負契約
 第九十六号議案
有明アリーナ(仮称) (二十七)新築工事請負契約
 第九十七号議案
平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
 第百三号議案
平成二十七年度十三号地新客船ふ頭岸壁(-(マイナス)十一・五m)防波堤建設工事請負契約
 第百十六号議案
平成二十七年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年三月一日
         財政委員長 鈴木 錦治
 東京都議会議長 川井しげお殿

   警察・消防委員会議案審査報告書
 第八十六号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
 第八十七号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
      警察・消防委員長 中屋 文孝
 東京都議会議長 川井しげお殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百十五号議案
平成二十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 第百十九号議案
平成二十七年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
         総務委員長 加藤 雅之
 東京都議会議長 川井しげお殿

   財政委員会議案審査報告書
 第九十八号議案
  警視庁大森合同庁舎(二十七)改築工事請負契約
 第九十九号議案
都営住宅二十七H―一〇二・一〇三西(練馬区上石神井四丁目)工事請負契約
 第百号議案
木下川排水機場耐震補強工事請負契約
 第百一号議案
上平井水門耐震補強工事請負契約
 第百二号議案
上平井水門耐震補強工事(その二)請負契約
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年三月一日
         財政委員長 鈴木 錦治
 東京都議会議長 川井しげお殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第六十号議案
東京都国民健康保険財政安定化基金条例
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
        厚生委員長 斉藤やすひろ
 東京都議会議長 川井しげお殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百十一号議案
平成二十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
 本委員会は、二月二十五日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
      環境・建設委員長 田中 朝子
 東京都議会議長 川井しげお殿

   環境・建設委員会諮問審査報告書
 諮問第一号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
 本委員会は、二月二十五日付託された、右諮問を審査の結果、左記のとおり答申すべきものと決定したので報告します。
  平成二十八年二月二十九日
      環境・建設委員長 田中 朝子
 東京都議会議長 川井しげお殿
       記
 本件は、これを棄却すべきである。

○議長(川井しげお君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 八十二番松村友昭君。
   〔八十二番松村友昭君登壇〕

○八十二番(松村友昭君) 私は、日本共産党を代表して、第九十五号議案外七議案に反対する立場から討論を行います。
 オリンピック関係の工事請負契約は、三施設で総額約一千七十九億円、改修費や関連工事費を含めれば、都負担は一千五百億円に及び、整備費は当初計画に比べ二・六倍になります。
 こうした負担増は、水泳競技会場のアクアティクスセンターの場合、IOC基準を超える二万席の巨大施設を整備するからであり、ボート、カヌー競技場の場合、波や風の影響を受け、巨額な水門整備などの負担が強いられる海の森に固執するからです。
 競技場整備に当たっては、見直しの努力を尽くし、整備費の縮小に努めるべきです。よって、本契約議案には反対です。
 さて、本定例会の本会議の一般質問で、自民党の古賀俊昭議員が、あたかも我が党が改憲政党であるかのように決めつけ、護憲政党のごとく装っているなどと誹謗中傷したことは断じて許されません。
 そもそも議会の場で事実をゆがめ、公党を誹謗する発言を行うことは、議員としての品位をおとしめ、議会を冒涜するものであり、絶対にあってはならないことであります。我が党は、謝罪と議事録からの削除を求めるものです。
 古賀俊昭議員は、憲法制定時に我が党が憲法草案に反対したことをもって、あたかも我が党が改憲政党であるかのように決めつけていますが、これほど荒唐無稽の暴論はありません。
 当時、日本共産党が憲法草案に反対した理由の一つは、当時の吉田首相が、憲法九条のもとで、自衛権はないとの立場をとり、急迫不正の侵害から国を守る自衛の権利を否定したからです。我が党は、これでは我が国の独立を危うくする危険があると判断したのです。
 しかし、その後、戦争を放棄し、戦力の不保持を定めた憲法九条のもとでも自衛権を持っていることが広く認められるようになり、以来、日本共産党は、憲法九条を積極的に擁護する立場をとってきました。
 さらに、古賀議員は、憲法制定時にこの九条について、我が党が一個の空文にすぎないという立場から反対したかのように事実をねじ曲げた発言をしました。
 古賀議員が引用したのは、一九四六年八月二十四日の野坂参三議員の憲法草案に対する反対討論の部分からのものですが、この空文にすぎないと述べたのは、他党の議員の発言を指したものであり、九条について述べたものではありません。それは議事録を見れば明白です。
 そして我が党は、憲法九条が自衛権を否定するものであるとの答弁があったから、賛成できないと述べているのです。この点でも古賀議員の発言は、議事録の読み間違いか、あるいは意図的な誹謗であることは明らかです。
 日本共産党は、一九六一年に綱領を制定して以来、一貫して憲法改悪に反対し、憲法九条を積極的に擁護してきました。
 今から四半世紀前の一九九〇年には、世界の平和を守ろうという流れが大きく発展しているもとで、憲法の平和への確固とした立場は、第九条が示しているように、国際的にも先駆的な意義を持つものであり模範だ、将来にわたって憲法九条を守るという立場を高らかにうたい上げています。
 我が党の憲法九条を守る立場は、世界と日本の平和を求める流れとともに打ち固められて発展させてきたものです。
 二〇〇四年に改定した現綱領では、象徴天皇制を含む憲法の全条項を守ることを明記しているのです。
 古賀議員の発言は、文字どおりの護憲政党である日本共産党への悪質な誹謗であることは余りにも明白ではありませんか。
 古賀俊昭議員の発言は公党に対する重大な誹謗であり、謝罪と議事録からの削除を求めて、討論を終わるものです。(拍手)

○議長(川井しげお君) 二十二番ほっち易隆君。
   〔二十二番ほっち易隆君登壇〕

○二十二番(ほっち易隆君) 東京都議会自由民主党を代表して、第百十四号議案、平成二十七年度一般会計補正予算(第一号)を初め、本日の本会議において議決する全ての議案に賛成の立場から討論を行います。
 年明け以降、日本経済は、我が党の政策により、緩やかな回復基調が続いておりますが、世界経済の先行きには不透明感が強まりつつあります。そうした中にあって、現在の景気回復の流れを確かなものとし、経済の好循環につなげていかなければなりません。
 平成二十七年度の都税収入は、企業収益が堅調に推移していることなどから、四年連続の増収となり、当初予算を千八百四十二億円上回る見込みとなりました。
 補正予算第一号では、都税の増収や不用額の精査等によって確保した財源を活用し、防災街づくり基金、社会資本等整備基金、そして、福祉先進都市実現基金に積み立てを行っています。
 都民の安全・安心の確保は我々の最大の使命です。社会資本ストックの着実な維持更新、少子高齢化などの福祉施策の推進、とりわけ耐震化や豪雨対策などの防災力の強化は、その取り組みを加速化させていくことが重要です。
 景気変動の影響を受けやすく、地方交付税の不交付団体である都において、都民サービスを安定して継続的に実施していくためには、強固な財政基盤が不可欠であります。
 将来の財政需要を見据え、今後の政策展開に向けた備えをしっかりと講じることを評価します。
 また、先般成立した国の補正予算に迅速に対応をしております。
 具体的には、保育士や介護人材の確保に向けた取り組みを充実させるとともに、低所得者世帯やひとり親家庭に対する自立支援策を講じるなど、一億総活躍社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
 いずれも都民生活に密着した重要性の高い分野であり、我が党の政策と軌を一にするものであり、事業の着実な推進を強く要望します。
 このほかにも、第九十五号議案、オリンピックアクアティクスセンター新築工事請負契約を初め、都営住宅練馬区上石神井四丁目工事請負契約や木下川排水機場耐震補強工事などの契約案が提出されています。
 オリンピック・パラリンピックの競技施設の着実な整備はもとより、都有施設の適切な維持更新や防災対策は、都民の安全・安心の確保に直結する課題であり、事業を着実に進めていくことを求めます。
 本定例会も、本日の中途議決の後、予算特別委員会で平成二十八年度予算の審議が本格的に始まります。
 我々都議会自由民主党は、責任政党として、物事の本筋を捉えた建設的な議論を展開し、世界で一番の都市東京の実現に向け、全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 三十九番高倉良生君。
   〔三十九番高倉良生君登壇〕

○三十九番(高倉良生君) 都議会公明党を代表し、平成二十七年度一般会計補正予算を初め、知事提出の全議案に賛成する立場から討論いたします。
 まず、第百十四号議案、一般会計補正予算(第一号)についてであります。
 この補正予算案は、企業収益が堅調に推移している中、四年連続となった都税収入増や、歳出の執行状況の精査などで生み出された財源を活用し、将来の財政需要に対する備えとして、福祉先進都市実現基金など基金への積み立てを行い、都が進める施策展開の財政基盤を強化するものとなっております。
 また、国の一億総活躍社会の実現に向けた補正予算等に対応し、新規に設置される国民健康保険財政安定化基金や地域医療介護総合確保基金、安心こども基金への積み立てを行う一方、保育士確保に向けた貸付事業や介護福祉士等修学資金貸付事業など、重要な施策を迅速に実行するため、必要な予算が盛り込まれております。
 二百億円の積み立てが計上されている福祉先進都市実現基金は、子育て家庭や超高齢化への対応などを推進し、誰もが地域で安心して暮らすことができる社会を構築するため、今年度創設された基金です。
 この基金を活用し、平成二十八年度予算案では、出産・子育て応援事業、子供の居場所創設事業、介護職員キャリアパス導入促進事業、介護職員宿舎借り上げ支援事業、医療施設耐震計画作成支援事業、福祉・トライアルショップの展開、ICT遠隔手話通訳等モデル事業など、合計七十九億円が充当されています。
 将来にわたり、こうした都独自の事業を安定的に実施していくために、基金への積み立ては不可欠であります。
 防災街づくり基金には、二千億円の積み立てを行っております。これは沿道建築物の耐震化や津波、高潮対策、豪雨対策を対象事業に追加し、安全・安心な東京を目指し、防災、減災対策を着実に前進させるために必要なものであります。
 一方、国の補正予算に対応した内容については、地域医療介護総合確保基金の拡充のほか、保育士就学資金貸付の拡充、保育補助者雇上支援貸付制度の創設、離職した介護人材に対する再就職準備金貸付制度の創設などが盛り込まれています。
 これらは福祉人材の確保に資するものであり、少子高齢化対策に重点を置く都議会公明党の主張に合致するものであります。最終補正予算へ迅速に反映させたことを評価いたします。
 また、都議会公明党が代表質問において、都として早期の普及、活用を都内全域で進めるよう求めました、ひとり親家庭の親に対する自立の促進を図る貸付制度の創設も重要な施策であります。
 補正予算の成立後は、これら諸事業を早期に執行していくよう求めます。
 また、国の法改正に伴う国民健康保険財政安定化基金の創設は、平成三十年度から、都道府県が区市町村とともに国民健康保険の運営を担うこととなったため、予期せぬ給付増や保険料収納不足により財源不足になった場合、都道府県や区市町村に貸し付けや交付を行う体制確保を目的とするものです。
 都は、財政運営の責任主体という新たな役割を担うことになりますが、新制度の実施に向けて、区市町村や関係機関と十分協議し、準備に万全を期すよう要請いたします。
 最後に、契約案についてであります。
 このうち、第百号議案の木下川排水機場耐震補強工事請負契約でありますが、昭和五十二年、設置された木下川排水機場は、江東三角地帯の中でも特に地盤の低い地域にあり、東部低地帯の浸水被害への対策として、最大級の地震が発生した場合にも、津波等による浸水から都民を守るため、ポンプ設備の耐震、耐水化は急務であります。
 先般、都議会公明党の防災・減災対策プロジェクトチームが、大規模水害から人の命と首都東京を守る緊急提言を行い、排水ポンプ等の排水施設の水防対策強化を最重要事項として訴えたところでありますが、東部低地帯の河川整備計画に基づく、水門、排水機場等の耐震、耐水対策を着実に推進していくよう強く要望して、討論を終わります。(拍手)

○議長(川井しげお君) 七十六番島田幸成君。
   〔七十六番島田幸成君登壇〕

○七十六番(島田幸成君) 私は、都議会民主党を代表して、知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、第六十号議案、東京都国民健康保険財政安定化基金条例についてです。
 この条例は、平成三十年度から国民健康保険の財政運営の責任主体となる東京都に、財政安定化基金を設置することを目的に新設されたものであります。
 しかし、国民健康保険の恒常的な赤字の原因である構造的問題を解決するためには、第一義的には国に責任があります。
 東京都としては、国に対して、制度改革後も財政基盤の強化を図るよう提案要求を行うことを初め、徴収事業などに関する区市町村への助言や医療費の適正化など、財政運営の改善に向けて積極的に取り組むべきです。
 また、制度変更を行うに当たっては、医療などの社会保障の現場を担っている区市町村の意見が十分反映されるよう、国に求めていくべきと考えます。
 さらに、都民の健康を維持増進させていくためにも、医療と介護の提供体制を充実させるとともに、計画の整合性を図るなど、今まで以上に医療と介護の連携を強化していくことを求めます。
 次に、第九十五号議案、オリンピックアクアティクスセンターなど三件のオリンピック関連工事請負契約についてです。
 私たちは、東京都が整備する新規恒久施設について、当初見込みより大幅にふえた費用や整備内容を検証すべきと訴えてまいりました。その結果、都としても改めて必要な調査を行い、物価上昇など、あらゆる要素を見込んで、新たな整備費を計上しております。
 二〇二〇年大会に向け、工事が着実に進捗し、工期内に施設が竣工するよう進行管理を行うとともに、予算の適切な管理に基づいて、引き続き工事費の縮減に努めるよう求めるものであります。
 また、設計施工一括発注方式、いわゆるデザインビルドについては、都は慎重に採用する姿勢を示していますが、品質や工程などの工事監理において、アドバイザリーを適切に活用して対応していくことを求めます。
 施設整備に当たっては、都民の情報提供を適時適切に行うなどを通じて、大会後も末永く使用され、都民から親しまれる施設となるよう取り組まれることを求めておきます。
 最後に、第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算についてであります。
 本案中、都市整備局関係では、一般会計建築行政費の耐震改修促進事業に計上した予算、三百三十四億円余の七五%以上にもなる二百五十一億円余を、事業の実績減により減額補正しております。
 災害は避けることはできませんが、その被害を事前の努力で大きく減少させることができます。その具体的取り組みの一つが耐震化です。
 都議会民主党は、かねてより、耐震化の促進は、平成七年の阪神・淡路大震災の教訓として直後に着手し、既に完成間近となっているべき事項だと申し上げてまいりました。
 被害抑止の観点から、緊急輸送道路沿道建築物を初めとした耐震化への取り組みを急務として、しっかりと取り組むよう強く求めるものであります。
 また、最終補正予算案は、国の補正予算への対応として、昨年、安倍総理が打ち出した新三本の矢に関する施策が並んでおります。
 国は、希望出生率一・八、介護離職ゼロなどの目標を掲げておりますが、今、私たちが直面しているのは、正規雇用の三分の一にも満たない平均年収百七十万円という非正規雇用労働者が国内で四割を超えていることや、子育てへの不安や負担感、将来の格差にも直結する子供の貧困、教育格差、国の介護報酬引き下げなどによる介護人材不足といった厳しい現実であります。
 このような現実に対し、今回の施策はある程度有効であるとは考えますが、格差や貧困、少子高齢化といった課題を解決するには、まだまだ不十分であります。
 私は、これらの課題を解決すべく、国に対して、取り組みの強化を求めるとともに、東京都においても、舛添知事のリーダーシップのもと、格差や貧困、少子高齢化などの課題解決に向けて、国に先んじて、積極的に取り組まれることを強く要望いたします。
 以上で都議会民主党を代表しての討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 五十番石川良一君。
   〔五十番石川良一君登壇〕

○五十番(石川良一君) 都議会維新の党を代表して、今回議決案件として提出をされております知事提案の全ての議案に賛成の立場で討論を行います。
 まず、三月十一日を迎えますと、未曽有の被害をもたらした東日本大震災から五年目を迎えるわけであります。国を挙げて被災地の復興のために努力をしてきておるわけでありますが、震災の経験を風化させてはならないわけで、東京都の支援もしっかりと継続をしていかなければなりません。
 また、二〇一九年には、ラグビーワールドカップが被災県である岩手県釜石市でも開催をされることになっております。ラグビーを通じて復興の姿を世界に紹介できるように、また、ワールドカップ釜石大会を成功させるために、東京都も開催自治体としっかりと連携をとり、大会成功のための準備に取り組んでいかなければならないと思っております。
 そして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催も、被災地の復興に結びつけていかなければなりません。
 同時に、東京でも直下型地震がいつ発生してもおかしくない時期に入っているわけで、今回の補正予算の中で、防災街づくり基金を二千億円積み立てているわけでありますが、長期的な視点を持ちながら、木密地域等の解消や耐震対策に、まさにスピード感を持って取り組んでいかなければならないと思います。
 さて、平成二十七年度一般会計補正予算は、都税の増収や不用額を集約することによって四千百十億円の財源を生み出し、急を要する事業を中心に補正をしております。
 その中で、島しょの超高速ブロードバンドによるサービス提供を可能にするための予算、二十六億三千四百万円が計上されております。
 全国の整備率が九九・九八%ということや、小笠原は平成二十一年に整備が終わっていることや、八丈島は平成二十三年のデジタル化切りかえ時にNTT事業として完成をしているわけで、早期の完成が待たれるわけであります。
 今回、全体を四分割して進めることになっておりますが、遠隔医療の充実や災害時の通信手段であることを考えると、命にかかわる事業でもあります。
 また、本年八月には、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市提案の競技を正式決定することになっております。
 新島はサーフィンのメッカであり、しかも東京都にあるわけでございます。オリンピック・パラリンピックサーフィン競技の開催地に新島は名乗りを上げており、東京都町村会も全力で支援をしているわけであります。こういったことも都としてはしっかりと受けとめ、早期のブロードバンドの完成を図っていただきたいと思います。
 また、今回、新規に東京都国民健康保険財政安定化基金が制定されることになりました。国民健康保険財政を安定化させるために、都道府県に基金を設置するもので、平成二十七年度は、国民健康保険財政安定化基金二百億円を、二十八年度は四百億円を予算措置することになっているわけで、総額で二千億円を目標とするものであります。
 市区町村の国民健康保険財政は、高齢化や雇用の不安定化による無職者の増などの波をもろに受けて、今後ますます運営が厳しくなることは必定であります。
 しかも、どの自治体も一般会計から財源を多く繰り入れていることから、住んでいる自治体の財政力によって保険料にもばらつきがあり、国保の保険者である市区町村にとっては、財源の安定化と保険料の適正化は喫緊の課題となっております。
 介護保険制度のように一般会計からの繰り入れに制限があるわけではありません。まずは、この安定化の基金制度をしっかりとつくり上げ、三十年度に備えていただきたいと思っております。
 以上、意見を申し上げまして、賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川井しげお君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一から第八まで、第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)外議案七件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、日程第九から第十七まで、第百十五号議案、平成二十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)外議案八件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、日程第十八、諮問第一号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを採決いたします。
 本件に関する委員会の報告は、棄却することであります。
 お諮りいたします。
 本件は、委員会の報告のとおり答申することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり答申することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、第百二十六号議案、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事安藤立美君。
   〔副知事安藤立美君登壇〕

○副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました議案についてご説明を申し上げます。
 第百二十六号議案、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、政令の改正に伴い、公務災害補償についての併給調整率を改めるものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(川井しげお君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいまの議題となっております追加日程第一は、警察・消防委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、追加日程第一は、警察・消防委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 明四日から二十四日まで二十一日間、委員会審査のため休会したいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、明四日から二十四日まで二十一日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は三月二十五日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十四分散会

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