平成二十八年東京都議会会議録第三号

○副議長(小磯善彦君) 四十八番山崎一輝君。
   〔四十八番山崎一輝君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十八番(山崎一輝君) 初めに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会への参加機運醸成について伺います。
 二〇二〇年大会まで、いよいよあと四年半となりました。大会の参加機運をより一層、都民、国民の間で広くつくり出していく上で、重要な時期を迎えています。
 最近、私のもとには、自分たちのお金を寄附することで、ぜひ協力をしたい、大会を応援したいという多くの声が寄せられています。
 現在、オリンピック・パラリンピックの組織委員会では、二〇二〇年大会の寄附を募ることを検討していると聞いています。
 しかし、大会を目的に寄附を集めることは、IOCの要請により、組織委員会のみに限られているとのことです。したがって、現在、都や区市町村では、大会成功に向けた寄附を創設することができないのが現状です。
 しかし、オリンピックやパラリンピックの名称を使って寄附を募ることができないとしても、大会を契機に、選手の育成を支援する目的で、例えば、みんなで応援しよう、障害者アスリート応援募金などと銘打って、広く寄附を募ることは、可能であると私は考えます。それは、大会終了後においても、継続的にスポーツ振興していく上でも、有効な取り組みです。
 二〇二〇年大会に向け、都民、国民みずからが大会の成功にかかわっていると感じることができるさまざまな取り組みを進めるべきと考えますが、率直な知事の考え方をお聞かせください。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育について伺います。
 オリ・パラ教育の一つに、長野オリンピックで始まった一校一国運動は、その後のオリンピックでもレガシーとして引き継がれてきています。都教育委員会は、一校一国運動を受け継ぎ、世界ともだちプロジェクトを推進することとしています。この取り組みは、世界中に友達をつくろうということで、各学校でさまざまな国際理解や国際交流への工夫した取り組みが展開されることが期待できます。
 我が党は、これまでにも、東京の未来を築いていくために、日本人としての自覚と誇りを持ち、世界と渡り合える若者を育てていくことを求めてきており、子供たちが、世界には人種、文化、生活習慣の異なる国々の存在を知ることは重要であると考えています。さらに、特定の国と交流活動を通じて、多くの海外の子供たちとコミュニケーションをとることは、グローバル時代を生き抜く子供たちにとっては、自分の国との違いを感じるだけでなく、みずからの国を見詰め直す機会として、貴重な経験として、大人になってからも財産につながるわけです。
 そこで、世界ともだちプロジェクトにおいては、子供たちの発達段階、小中高に応じてさまざまな体験ができる国際理解、国際交流活動を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、世界ともだちプロジェクトは子供たちが中心となりますが、PTAや保護者や地域住民の協力を得て、地域全体で取り組むことも大変重要であると考えますが、見解を伺います。
 次に、私立学校の振興について伺います。
 ことしは、東京私立中学高等学校協会設立七十周年、父母の会設立五十周年という記念すべき年に当たりますが、都議会自民党は長きにわたり、ともに私立学校の振興に取り組んできました。
 平成二十五年度には高校生の海外留学支援、二十七年度にはJETプログラムを活用した支援を実現し、生徒の意識が大きく変わったという声も聞こえ、成果が上がってきております。さらに、二十八年度は、私立学校の英語科教員の指導力向上の必要性を強く訴え、外国語科教員の海外派遣研修事業費が予算案に盛り込まれました。
 今回は英語科ですが、真のグローバル化のためには、理数系を初めとする幅広い分野において、国際的に通用する人材を育成することが重要であり、英語科だけでなく、ほかの科目の教員も海外へ派遣できるよう検討すべきと考えます。
 そこで都は、このように先進的な教育に果敢に取り組む私立学校を、より一層支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック開催を契機とした受注機会の拡大について伺います。
 二〇二〇年大会等の開催を契機に、今後、さまざまなビジネスチャンスが生まれることが期待されます。中小企業がこの機を捉え、受注機会の拡大につなげていけるよう、都はさまざまな発注情報を一元的に集約するポータルサイト、ビジネスチャンスナビ二〇二〇の開設に向けた準備を進めており、去る二月十二日にはキックオフフォーラムが盛大に開催をされました。
 二〇一二年ロンドン大会でも、先行事例として、コンピートフォーというサイトがあり、約十四万社が登録、利用をし、事例を挙げますと、馬術用の帽子や公式マップの出版など多様な案件を中小企業が受注したと聞いております。
 今回の都の取り組みが成功するためには、まずは、発注、受注双方で多くの企業が登録することが重要であり、とりわけ多数の発注案件の掲載がキーポイントになると考えます。このサイトの利用促進に向けた都の取り組みについて伺います。
 次に、中小企業のサイバーセキュリティー対策について伺います。
 サイバー攻撃により、一たび企業の大切な技術情報が漏えいすれば、事業の活動にも甚大な支障が生じるばかりでなく、取引先にも影響を及ぼし、企業の信用も失いかねません。全ての中小企業にとって大きな課題ではあるはずですが、内容が専門的過ぎて、どのように対策してよいかわからないというのが実情だと思います。
 そこで、警視庁などサイバー対策のプロの力を結集し、国とも連携しながら、それぞれの中小企業の実情に応じた対策を速やかに講じていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、地方との連携について伺います。
 国では、大都市以外の地方の経済を活性化させるために、さまざまな検討を行い、政策を打ち出しております。日本の各地域が活力を高めて、真の意味での地方創生を実現するためには、東京と地方が互いの魅力の向上を図り、協力し合うことが重要と考えます。
 都では、そのような視点に立って、外国人の旅行者を東北地域に観光へと送り出す取り組みに乗り出しておりますが、今後は、対象となるエリアを広げるとともに、外国人向けに、日本各地の魅力をより幅広く伝えていく仕組みの充実にも取り組むべきと考えます。
 このような考え方に立ち、都は来年度に、日本の各地域と連携した観光振興をどう展開していくのか伺います。
 次に、MICE誘致について伺います。
 MICEについては、国際的に誘致をめぐる競争が激しくなってきています。これまで都は、国際会議の誘致に役立つ海外の連携組織への加盟や、海外専門誌を通じたPR等を実施することで、MICEの誘致に取り組んできました。
 今後、東京でのMICE開催をふやしていくためには、会議を主催する海外企業等に対して、東京の魅力をしっかり伝えることができるかが、誘致の決め手になると考えます。そのためには、事前に正確な情報を十分集めて、実際に海外に出向き、効果的な手法を用いてPRを行うような工夫が重要であります。
 また、東京の魅力を強調する上では、会議等に合わせて、自然豊かな多摩・島しょ地域や日本の各地へも足を運び、観光のできる仕組みをつくり、それらをメリットとして説明することも大変大切であります。
 東京へのMICE誘致をより効果的に進めるため、来年度はどのように取り組みを行っていくのか、見解を伺います。
 次に、建設人材の育成について伺います。
 中小企業では人材不足の状況にあるが、中でも建設分野の人材不足への対応は喫緊の課題となっております。
 都では、建設人材不足に対応するため、昨年度から緊急対策として鉄筋工、型枠大工の養成訓練を実施しています。
 しかしながら、建設現場の実態を見ると、中核となる技能者の高齢化が進み、次世代の人材育成が急務であります。業界からは、熟練技能者の減少で現場でのOJTが困難であるとか、建設業界への定着には資格取得によるキャリアアップが必要であるとか、そういうような声が聞こえます。
 そこで都は、建設分野の中小企業のニーズに応えた人材育成に果敢に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、自転車シェアリングについて伺います。
 この二月から江東、千代田、港、中央、四区で、自転車シェアリングの広域実験が始まっております。電動アシスト自転車になって、坂道でも快適に運転できるようになり、また各区の区境を越えた相互利用が可能になったため、大変使いやすくなったとの声をいただいております。
 今後、ナビゲーションシステムのような観光情報をさまざまな工夫により自転車に搭載するなど、利便性の向上を図っていくことも必要だと考えます。
 しかし、昨日の我が党の代表質問でも触れましたが、一番は、自転車を利用する人たちのマナー、ルールをより一層、認識を向上してもらわないと、この事業は前に進むことができません。
 そこで、今回の広域実験の取り組み状況及び今後の自転車シェアリングのさらなる普及促進に向けた取り組みについて、見解を伺います。
 次に、海上公園について伺います。
 先月末、港湾審議会において、海上公園を中心とした水と緑のあり方、中間のまとめが了承されました。中間のまとめでは、臨海地域ごとの特徴に合わせて目標像が設定されていますが、こうした地域ごとの特徴を生かして水と緑の施策を推進していくことは、重要であると考えます。現在、中間のまとめの段階ではありますが、二〇二〇年大会開催とその先を見据え、やるべきことは一日でも早くするべきです。
 そこで、港湾審議会のこの中間のまとめを踏まえ、海上公園では当面どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、豊洲の水辺について伺います。
 豊洲の水際では、既に緑地帯や水陸両用専用スロープの整備が進められており、今後の水辺のにぎわい創出に大いに期待しております。
 こうした動きに対応し、水上レクリエーションの場を創出していくことが重要と考えますが、豊洲における取り組みについて伺います。
 また、豊洲の水辺に整備される緑地は、水際を一周する約五キロの連続したウオーターフロントプロムナードが来年度には完成をし、近くに隣接して、江東区立の公園の整備も予定されていると聞いております。
 豊洲の水際緑地が統一感のあるシームレスなにぎわい空間となるよう、管理者の境界を越えて、一体的に利用できることが重要と考えますが、都の見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 山崎一輝議員の二〇二〇年大会への参加機運の醸成に関する一般質問にお答えをいたします。
 おっしゃるように、都民、国民一人一人が自分たちの大会だと感じてもらうことが、大会の成功につながると思っています。
 そのため、都はボランティアの裾野の拡大に取り組むとともに、リオ大会以降、多くの都民が参加します文化プログラムなども本格的に展開してまいります。また、障害者スポーツを体験して、パラリンピックを応援する取り組みを強化します。選手の発掘の試みもずっと今、行っています。
 そういう中で、ご指摘の幅広く寄附を募るということも、これは非常に参加機運の醸成に役立つと思っています。この日曜日、東京マラソンですけれども、これは自分が選んだ団体に十万円チャリティーを払うことによって走ることができると。この寄附金が年々増加しておりまして、もう東京マラソンの大会の盛り上げに大変に役立っているわけであります。
 今、組織委員会におきまして、二〇二〇年大会、寄附の仕組みをどうするかということを検討しております。大会を応援したいという人々の思いに応えるため、都としても、まずその取り組みを支援したいというふうに思っています。
 さらに、大会準備を進める中で、ご指摘のようにスポーツ振興への寄附のあり方も含めまして、一人一人が大会の成功や大会後のスポーツ都市東京の実現に向け、幅広く参加できる取り組みについて、これは鋭意検討してまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、世界ともだちプロジェクトについてでございますが、本プロジェクトは、児童生徒が大会参加国を幅広く学ぶとともに、多くの国の人々との国際交流活動を展開することにより、世界の多様性やさまざまな価値観を尊重する態度を身につけることを目的としております。
 本プロジェクトを充実したものとするためには、海外の学校との手紙等のやりとりや、地元留学生との交流等に加え、姉妹都市との交流や海外派遣研修など、各学校や区市町村教育委員会が行う特色ある取り組みも生かしていくことが重要であります。
 今後、都教育委員会は、学校と大使館などの関係機関との調整を行うコーディネート事業を新たに実施し、区市町村教育委員会と連携を図りながら、子供たちが豊かな体験活動を通して学習できるように支援をしてまいります。
 次に、世界ともだちプロジェクトにおける保護者や地域住民との連携についてでありますが、本プロジェクトにおいて、保護者や地域住民の積極的な参加を促進することは、活動の質を高め、広がりを持った創意工夫ある活動を展開していく上で非常に有効でございます。
 例えば、保護者等とともに、近隣の外国人と日本の伝統文化体験を行う取り組みや、キャンプ地誘致等を契機に地域一体となって特定国を応援する活動などが行われることも考えられます。
 このような取り組みを後押しするため、都教育委員会は、開設予定のウエブサイト等を活用し、保護者や都民に、本プロジェクトの取り組みについて広く情報を提供するとともに、大会組織委員会とも連携し、東京ならではの取り組みを、日本、そして世界中へ発信してまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 私学振興についてですが、東京の多くの子供が通う私立学校は、それぞれが建学の精神と独自の教育理念に基づき、特色ある教育を展開しており、東京の公教育に果たす役割は極めて大きいものとなっております。
 そのため、都は、私学振興を都政の最重要課題の一つとして位置づけ、経常費補助を初め、耐震化などの学校の施設整備補助や保護者負担軽減など、私学団体等のご意見も聞きながら、幅広い私学振興策を展開しております。
 また、これまで東京の私立学校が取り組んできたグローバル人材の育成をさらに進めるため、来年度は、JETプログラムによる外国語指導助手活用事業を拡充するとともに、英語科教員の海外派遣研修を行う私立中学校及び高等学校への補助を新たに行うこととしております。
 今後とも、私立学校の振興に全力で取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、ビジネスチャンスナビ二〇二〇についてでございますが、二〇二〇年大会に向けて中小企業の受注機会の拡大を図るため、このサイトの利用促進を図る必要がございます。
 このため、都は、国や道府県、中小企業支援機関、組織委員会など関係機関と連携し、さまざまなルートを通じてサイトの周知を図り、利用登録を働きかけてまいります。
 また、本サイトは、企業同士のマッチングが効果的に行われるよう、発注企業が求める技術や環境配慮への取り組みなどの条件を設定し、その要件に合致した企業を容易に検索できる仕組みといたします。
 こうしたサイト利用のメリットを特に発注側の企業に理解してもらうため、十名の専従ナビゲーターが企業に出向いて周知するなど、利用促進に向けて精力的に取り組んでまいります。
 次に、中小企業のサイバーセキュリティー対策についてでありますが、サイバー攻撃から中小企業のすぐれた技術を守り抜くためには、それぞれの企業の実情を踏まえ、専門的知見に基づく的確な対策を講じていく必要がございます。
 このため、都は来年度、警視庁と連携して、中小企業のサイバーセキュリティー対策を推進する専管部署を設置し、国や関係機関等と連携しながら、中小企業からの個別相談に対応をいたします。また、企業の取り組み状況に応じたさまざまな啓発セミナーを開催するとともに、企業を訪問し、現場の実情を踏まえた対策を促してまいります。
 こうした取り組みを通じて、有効な対策を事例集としてまとめ、広く周知をしてまいります。加えて、中小企業の情報管理の実態や取り組みを進める上での課題について調査を行い、さらなる対策の検討に生かすなど、中小企業の実情に即した取り組みを進めてまいります。
 次に、日本の各地域と連携した観光振興についてでございますが、東京が他の自治体と協力し、都内を訪れる外国人旅行者に各地の魅力を効果的に伝えて、観光で各地に足を伸ばしてもらう取り組みを行うことは重要でございます。
 都は今年度から、東京と東北地域を結ぶ観光ルートを設け、海外に影響力を持つメディア等を招き、体験旅行を実施し、ウエブサイトでその内容を発信する取り組みを開始いたしました。
 来年度は、中国、四国地域への観光ルートをつくり、同様の取り組みを始めるとともに、東北へのルートにつきましては、羽田と成田の空港や国際線の機内誌でPRを開始いたします。また、ウエブサイトにより全国の祭りを紹介することで、各地の観光情報の発信を強化いたします。
 こうした取り組みにより、東京と日本各地の共存共栄を目指す観光振興を着実に推進いたします。
 次に、MICE誘致の効果的な展開についてでありますが、MICE誘致を一層推進するため、会議の主催者等に効果的な働きかけを行うとともに、開催地としての東京の魅力を高める工夫を行うことが重要でございます。
 このため、都は来年度から、海外企業の会議の主催者への働きかけの強化として、会議運営を担当する事業者と連携し、効果的な情報収集等を行ってまいります。また、会議施設の運営会社と海外に出向き、新たに制作するPR映像を使い、商談や宣伝を実施いたします。
 さらに、東京での開催の魅力を高めるため、会議に合わせた多摩・島しょ地域への観光ツアーや、京都市を初め国内他都市と連携した報奨旅行を実施いたします。
 こうした取り組みにより、国際的な競争を勝ち抜くMICE誘致を確実に進めてまいります。
 最後に、建設人材の育成についてでございますが、建設需要の増加等を背景として、現場で働く技能者の育成が求められております。
 都はこれまで、鉄筋、型枠の基礎のほか、住宅の内外装や設備工事など、業界ニーズを踏まえた職業訓練を行い、若者を即戦力となる人材として育ててまいりました。
 来年度は、若者向け訓練に加えて、高齢化が進み中堅技能者が不足している現状を踏まえ、若手を指導し、現場の中心となる人材を育成する訓練を拡充してまいります。具体的には、新たに在職者を対象として、指導方法や安全衛生管理を学ぶ訓練、作業主任者の資格取得のための訓練などを実施してまいります。
 こうした取り組みにより、建設業界のニーズに応えた人材の育成を図ってまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 自転車シェアリングについてでございますが、今回の広域実験は、区境を越えた自転車の相互利用による利便性向上とともに、利用が集中するステーションにおいても、円滑に自転車の貸し出し、返却ができる運営体制の検証を目的としております。
 四月までの実験により得られたデータを活用して、豊洲、新橋、東京駅など、利用が多く見込まれる地域における自転車の効率的な再配置体制を確立し、本格的な相互利用への移行につなげてまいります。
 今後、利用者に対する自転車交通ルール、マナーのさらなる啓発に努めるとともに、四区によるステーションの拡充や、四区以外の新たな区による事業展開に向けて、広域実験の成果も活用しながら、都は、用地確保のための調整や初期投資に係る各自治体への財政支援などを多角的に行ってまいります。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、海上公園の今後の取り組みについてでございますが、お話にありましたように、海上公園を中心とした水と緑のあり方についての中間のまとめでは、二〇二〇年大会及びその先を見据え、観光、水辺の活性化やレガシーの活用などが盛り込まれております。
 この中間のまとめを踏まえまして、来年度、有明北地区では、運河に面する立地を生かし、子供たちが水辺に親しめるいそ浜を設けた有明親水海浜公園の整備に着手する予定であります。また、観光でにぎわう台場地区では、魅力的な空間の形成を目指し、水陸両用車用のスロープ整備などを行います。
 こうした取り組みを通じて、海上公園を中心に臨海部の水と緑のポテンシャルを最大限に引き出し、その魅力をさらに向上させてまいります。
 次に、豊洲における水上レクリエーションについてでありますが、水の都東京の再生を進めるためには、都民が水と親しめ、水辺の魅力を実感できることが重要であります。豊洲の東電堀と呼ばれる水域は波が静ひつな入り江でございまして、しかも交通至便な地域でもあることから、都民がカヌーなどの水上レクリエーションを楽しむ上で非常に好条件を備えたエリアとなっております。
 こうした立地を生かしまして、水上レクリエーションに係る機運の高まりも踏まえまして、このエリア内にカヌー桟橋を整備し、多くの人が集う、にぎわいのある水辺空間を創出してまいります。
 豊洲の水辺でイベントや講習会など、さまざまな活動が活発に展開されることによりまして、水辺のにぎわいを醸成し、東京の水辺の魅力をより一層高めてまいります。
 最後に、豊洲の水辺のにぎわい創出についてでございますが、豊洲の水辺空間につきましては、港湾局、中央卸売市場、江東区が整備するエリアに分かれておりまして、その一体的管理が豊洲の水辺のにぎわい創出に効果的であると認識をしております。
 このため、水辺緑地に区立公園を有し、地元の事業者とも緊密に連携できる地元区に、都が整備する部分も含めて管理運営を一体的に任せることといたしました。
 これにより、地元の住民組織や商業施設などの事業者と連携し、おのおのの持つアイデアやノウハウを生かした、より一層のにぎわい創出が可能になるものと考えております。

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