平成二十七年東京都議会会議録第十三号

○副議長(藤井一君) 四番川松真一朗君。
〔四番川松真一朗君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○四番(川松真一朗君) 現在、イングランドにおいてラグビーワールドカップが開催されていますが、オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐスポーツの世界大会です。
 イングランド大会の次は、二〇一九年日本大会です。新国立競技場が使用できなくなったことで東京開催が危ぶまれましたが、東京スタジアムへの会場変更が、このたび正式に決定いたしました。
 二〇〇二年日韓サッカーワールドカップでは、東京開催がなく、残念な思いをいたしました。今度のワールドカップは、そもそも東京都みずから誘致をしてかち取ってきたものであります。
 大規模なスポーツ大会は、文化、産業、教育などあらゆる行政分野、安全、交通、都市基盤など、ハード、ソフト両面にかかわります。そのため、国際大会の経験を東京の発展にどうつなげ、レガシーとしてどう生かしていくかが重要であります。
 とりわけ、二〇一九年、二〇年と世界最大級のスポーツイベントが連続するこの機に、その価値をそれぞれで考えるのではなく、両大会の特徴を生かして、一体的に相乗効果を含めて考えていくべきです。
 オリンピック・パラリンピックの拠点としては、国で設計、施工の新国立競技場があります。オリンピック後には、東京における極めて重要なスポーツ拠点となり、都も主体的に機能を考えていく必要があります。
 都には、六四年大会のレガシーである駒沢競技場があり、一九年大会の拠点である東京スタジアムは、セカンドフィールドも有し、球技が幅広く行えることに加え、西競技場も整備され、第一種公認競技場にもなっているなど、各種の国際大会やイベントも開催できるのが特徴です。
 ワールドカップに合わせ、東京スタジアムも、観客席の増設やさまざまな機能を有する部屋の確保、メディアやVIPの対応など、さまざまな改修が必要になると予想されます。
 国際的な大会やイベントの開催は、直接的な効果にとどまらず、東京、さらには日本の魅力を世界に発信し、交流を促し、ビジネスチャンスを生み出すきっかけともなり、スポーツの拠点整備は東京の活力を高めるはずです。
 既存の施設を改修する際の技術的な制約や法的な課題もあるでしょうが、東京の将来を見据えて、大胆で抜本的な改善、改良工事も含め、世界における競争力を高めていくことも意識した投資を行う絶好の機会です。
 東京スタジアムについては、二つの国際大会の開催会場として近視眼的に大会を開催、運営、支援をしていくことにとどまらず、その先の都の重要なスポーツ拠点として位置づけ、改修や周辺整備など、中長期的な視点を持って取り組むべきです。所見を伺います。
 さらに、ラグビーワールドカップは日本全国での開催となり、各開催都市が手を携えて取り組んでいくことになります。
 その中で、二〇年大会を控える東京が、各組織、各自治体などと緊密に連携し、みずから積極的に汗を流していくことが必要です。それにより、オリンピック・パラリンピックも、全ての人の理解と共感を得ることにつながります。
 ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックを前輪後輪として、責任を持って開催都市として取り組んでいくことが、東京にレガシーを根づかせることとなります。
 都市と地方の共存共栄にも寄与し、東京、そして日本の発展につながるラグビーワールドカップ開催都市の長として、将来のレガシーを見据えて、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会にどのように取り組むのか、舛添知事の所見を伺います。
 人口減少社会にあって、都内の生産年齢人口も今後段階的に減少していく試算がなされています。こうした中で、日本が引き続き発展していくためには、人口の半分を占める女性の活躍が重要なポイントであり、都議会自民党は、東京を世界で一番女性が輝く都市にすることを目指し、女性が活躍できる環境整備を公約に掲げています。
 また、国会では、いわゆる女性活躍推進法が成立、施行されました。
 都庁でも、女性の活躍に向けたさまざまな事業が行われていますが、今年度策定予定の白書でも、東京の実態と課題をしっかりと分析し、その解決の方向性も含めて可視化することが重要です。
 先般、女性の活躍推進と働き方の見直しに向けた国際シンポジウムが開催され、舛添知事もこのシンポジウムに参加されたと聞いています。女性が社会に出やすい時代になったという声は聞こえますが、私自身はそうとはいい切れません。
 そこで、女性の活躍推進と働き方の見直しに向けて、今後どのように政策を進めていくのか、知事の所見を伺います。
 女性のみならず、働く全ての方の障壁の一つに介護があります。現実に親の介護を行うことは大きな負担で、介護に直面して仕事をやめざるを得ない状況に陥る方も少なくありません。
 平成二十四年の総務省調査では、介護、看護を理由に離職した方が全国で一年間に十万人を超え、離職後の就業状況を見ると、無業者が八割を超えています。親の介護により、子の世代が厳しい生活を余儀なくされる負の連鎖が発生し、企業にとっても、介護離職により貴重な人材を失うことは大きな痛手です。
 今後、団塊の世代の多くが介護を必要とする状況になることが予想され、団塊ジュニア世代の介護離職は深刻な社会問題です。
 突然の介護に直面しても仕事を続けられる社会を実現するには、企業における対応が重要であり、仕事と介護の両立について企業が経営上の重要な課題であると認識し、取り組みを進めることが必要です。都の見解を伺います。
 東京には、小さくとも確かな技術を持つ企業が数多く存在し、国内外から評価を受けている上質な製品が、実は社員数十人足らずの企業でつくられていることも珍しくありません。
 例えば、私の地元墨田では、こうした企業が集まり、アパレル、ニットや生活雑貨など、特色ある地場産業を形づくっております。もちろん、市場は技術力のみで切り開けるほど甘くはありません。ニーズを捉えた製品開発や広報を巧みに活用したイメージ戦略など、総合力が問われています。
 しかし、これを個々の中小企業がなし遂げるのは容易ではなく、多くの企業では、厳しい事業環境から抜け出せないままにあるのが現実です。
 四国の今治では、品質基準や製品の認定制度づくり、徹底したブランド戦略などに業界全体で取り組んだ結果、今治タオルというブランドを確立させました。
 東京の地場産業を未来へつないでいくため、世界の関心が東京に向けられる今こそ、果敢な挑戦が求められています。
 そこで、都は、ブランド化の推進など一歩先へ進もうとする業界の努力に対し、しっかりと手を差し伸べていくべきと考えますが、所見を伺います。
 地域産業のブランドづくりもさることながら、地域の特色を最大限に活用した観光施策も重要です。
 かつて水の都と呼ばれた東京には、東京湾を初め、さまざまな河川や運河等の水辺環境があり、これらは旅行者を引きつける観光資源としての活用が期待できます。
 私の地元墨田区にも、かつて江戸の華といわれた隅田川に加えて、数多くの河川が縦横に流れ、豊かな水辺空間を形成しています。東京の観光振興のレベルを高めていくため、水辺の魅力を十分に引き出す舟運の活用に力を入れることが重要になると考えます。
 また、ハード面でも、例えば東京都長期ビジョンでは、歴史と文化が息づく東京の顔づくりとして両国エリアが挙げられ、隅田川テラスの整備も記されております。
 だからこそ、今、水辺の魅力をさまざまな方法でしっかりと紹介するとともに、船の中での観光案内を充実させるなどした観光ルートを体験する旅行者をふやしていく工夫にも取り組むことが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、外国人旅行者による情報の入手について伺います。
 訪日観光客数が年々増加している中、東京のまち中では、目的地への行き方や交通手段がわからずに困っている方を見かけることも多くなってきています。
 なれない土地で快適に観光を楽しむには、必要な情報をすぐに入手できるようにしていくことが大切です。
 特に、情報通信アイテムの進歩に伴い、Wi-Fiは旅行者が情報を手に入れるための重要なツールとなっていますが、実際には、電車や駅、バスでWi-Fiを利用できても、おりた途端に通信が途切れてしまい、困ったなという話をよく耳にします。
 まち中では、誰もが無料で使えるWi-Fiを初め、必要な情報をわかりやすく提供するシステムを速やかに整備し、利便性の向上を図ることが重要です。
 二〇二〇年が一つの目標となるのでしょうが、旅行者が情報を入手できる仕組みについては一日でも早く整えていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都営地下鉄の安全・安心について伺います。
 ことしに入り、鉄道の輸送トラブルが頻発しています。
 四月の山手線の電柱倒壊は、電柱が傾いているという情報を得ながら放置されており、八月の山陽新幹線の車体カバー脱落は、ボルトを手順どおりに締めず、作業後の確認でも見落とされていました。
 これらの共通点は、組織や職員の安全意識の低下であり、今、鉄道事業者は利用者の安全をいかに守っていくかが問われています。安全を守るのは最後は人です。組織として、職員一人一人の安全意識をどう高めていくか、これまでに蓄積してきた技術力をどのように継承、維持向上させるのかが重要です。
 都営地下鉄も東京の稠密な鉄道網の一つであり、相互直通運転などにより、輸送トラブルの影響は何万人にも及びます。
 そこで、都営地下鉄では、輸送の安全を守るため、どのように技術系職員の育成を図ろうとしているのか伺います。
 最後に教育です。
 世界で一番の都市を目指す東京から、世界で一番の人材を輩出する教育施策の確立が必要であると常々考えております。
 グローバル人材の輩出という言葉はあちらこちらで聞こえてまいりますが、育成すべきグローバル人材とはどのようなものなのか、都教育委員会の見解を伺います。
 このグローバル人材の育成とほぼセットで、英語教育の重要性が叫ばれます。とはいえ、英語を学ぶということは最新の課題ではなく、ずっといわれてきたことです。
 さかのぼってみれば、一八九四年、内村鑑三「日本及び日本人」、一九〇〇年、新渡戸稲造「武士道」、一九〇六年、岡倉天心「茶の本」、これら日本を世界へ発信した著作はいずれも英語で書かれています。
 それから百年以上が経過した今、当時に比べたら、通信機器や教材を含めて英語を学ぶための環境は格段にすぐれています。
 しかしながら、この環境を十分に生かし切れていない子供たちが多いのも実情であります。
 そして、大切なのは、英語を覚えることではなく、それをみずからの武器にできるかどうかです。そのために、人間の中身の充実こそが大切なのではないでしょうか。
 ゆえに、学際的な興味、知識、能力等を幼少時代から教育していくリベラルアーツを重視した施策を展開していただきたいと願います。
 子供たちが社会に出るときに、自分のやりたいこと、生きがい等をそれぞれが積極的に見出していける人材を育成するために、幅広い教養をどのようにして身につけさせていくのか、教育長の見解を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 川松真一朗議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、ラグビーワールドカップへの取り組みについてでありますが、このたび都議会の皆様からの強力な後押しを得まして、ラグビーワールドカップの会場に東京スタジアムが選ばれました。
 二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックと、東京において世界が注目するスポーツの祭典が二年連続で開催されることは大変喜ばしいことであります。
 ラグビーワールドカップは、被災地であります釜石を含め、全国十二会場で開催されます。私は開催自治体協議会会長として、各自治体間の相互連携を図り、日本全国での機運醸成に努めてまいります。
 さらに、会場周辺のセキュリティー確保、交通対策、多言語アプリによる観客誘導への活用など、オリンピック・パラリンピック準備で蓄積したノウハウを各自治体と共有し、全国に貢献してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、ラグビーワールドカップを成功させることで、二〇二〇年大会のオールジャパンでの盛り上がりにつなげ、確かなレガシーを残せるように、まさにラグビーのモットーでありますワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンの精神で全力で取り組みたいと思っております。
 続きまして、女性の活躍推進と働き方の見直しについてでございますが、東京が将来にわたって活力を維持し、持続的な発展を遂げるためには、女性も男性も全ての人が持てる能力を発揮し、活躍できる社会の実現が不可欠であります。
 都は、私が知事に就任して以降、女性活躍推進会議の設置や知事賞の創設など、女性の活躍に向けた機運の醸成を推進してまいりました。
 先日開催しました国際シンポジウムでは、女性活躍に関する内外の先進事例を都民に広く発信するため、海外の専門家や国内の企業経営者をお招きいたしました。そこでは、トップの強力なリーダーシップのもとで、組織全体の意識改革や、女性が活躍する機会を拡大することで企業の業績向上につながった事例などをもとに、私も加わりまして活発な議論を行いました。
 今年度策定します女性活躍推進白書では、これらの議論なども踏まえまして、企業の経営風土や人事政策と労働者の意識の関係を調査分析し、大企業から中小企業まで多くの企業が集積します東京特有の課題も浮き彫りにしたいと考えております。
 今後、この白書で明らかにいたします取り組みの方向性に基づきまして、東京における女性の活躍推進や働き方の見直しに向けた施策を早期に具体化し、社会全体での意識改革を図ってまいりたいと考えております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長からお答えをいたします。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、育成すべきグローバル人材についてでありますが、我が国では、企業の海外における事業展開を初め、経済、学術、文化等、さまざまな分野でグローバル化が進展しております。
 さらに、オリンピック・パラリンピック開催に向けて、その流れは一層加速し、東京においては、外国人との交流機会が飛躍的に増大することが予想されます。
 こうした社会で活躍する人材を育成するためには、英語教育の充実により、世界で通用する英語力を向上させることはもとより、国際交流の活性化により、豊かな国際感覚を身につけさせることや、伝統文化理解教育を促進し、日本人としての自覚や誇りを養うことが必要でございます。
 都教育委員会は、これらの資質や能力を高める取り組みを充実し、世界一の都市東京を支え、国際社会で活躍するグローバル人材を育成する教育を一層推進してまいります。
 次に、幅広い教養を身につけることについてでありますが、これからの時代を担う子供たちには、相互に複雑に関係するさまざまな課題を解決する力を身につけることが、これまで以上に重要でございます。
 そのためには、基礎的、基本的な学習を徹底させ、全ての教科をバランスよく習得させるとともに、主体的に学び、考え、行動することを通して、幅広い教養の素地を養う必要がございます。
 都教育委員会では、このような学びの実現に向け、習熟度別指導を推進し、基礎学力を定着させるとともに、アクティブラーニングにかかわる指導方法の開発や、ICT機器を効果的に活用した授業実践の検討を進めてまいります。
 こうした取り組みを積極的に進め、東京の子供たちを世界を舞台に活躍できる人材へと育成してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 東京スタジアムに対する取り組みについてでございますが、東京スタジアムは、現在建設中の武蔵野の森総合スポーツ施設とあわせ、多摩のスポーツの一大拠点として発展させていくことが重要でございます。
 ラグビーワールドカップと二〇二〇年大会に向けて、アクセシビリティー、観客数、メディアやVIPなどの諸室、周辺の土地の活用など、施設のあり方について、さまざまな視点からの検討が必要であります。
 同時に、鉄道や道路など交通アクセスも含め、地域の中長期的な将来を見据えた検討も求められます。
 さらに、都全体のスポーツの拠点として、神宮外苑や駒沢地区など、他の拠点との相乗効果、相互補完的な役割を踏まえる必要がございます。
 このような観点から、東京スタジアム及びその周辺のあり方について、多角的に調査分析することが重要であると認識しており、今後、鋭意検討を行ってまいります。
〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、仕事と介護の両立についてでございます。
 超高齢社会の到来により、今後、介護を要する高齢者の大幅な増加が見込まれる中、企業にとって介護離職が一層重要な課題になっていくものと認識をしております。
 このため、都は今年度から、介護休業等に伴う代替要員の人件費補助や、社内相談窓口の設置を初めとする体制整備を促す奨励金の支給など、企業への支援を開始いたしました。
 さらに、来月、仕事と介護の両立をテーマに、経営者、人事労務担当者等を対象としたシンポジウムと相談会を開催し、介護離職防止の重要性とその対策について理解を広めるとともに、具体的な助言を行ってまいります。
 今後も、施策のさらなる充実を図り、仕事と介護の両立の推進に向け、積極的に取り組んでまいります。
 次に、業界の新たな取り組みへの支援についてでございます。
 経営資源に限りのある中小企業が持続的に発展をしていくためには、協同組合などの中小企業団体において、直面する課題の解決や将来を見据えた事業の展開に共同で取り組んでいくことが重要でございます。
 これまで都は、市場の縮小や従業員の高齢化などの業界の課題を抱える中小企業団体等に対し、専門家の活用などにより、販路開拓や人材育成などの取り組みへの支援を実施してまいりました。
 今後は、団体のこうした取り組みに加えて、ブランド戦略の策定、展開や、海外からの観光客等、新たな顧客層の取り込みなど、将来の発展を目指した意欲的な取り組みをさらに引き出していけるよう、支援内容の一層の充実を検討してまいります。
 次に、舟運を生かした観光振興についてでございますが、東京の河川などを中心とする水辺空間は、観光資源として高いポテンシャルを持ち、舟運の活用を通じて、その魅力を十分に発揮するための取り組みは重要でございます。
 これまで都は、河川を船でめぐる観光ルートの開発への助成や、水辺の魅力を伝えるシンポジウムの開催、船着き場の周辺施設の整備により、舟運の観光利用を支援してまいりました。
 今後は、舟運ルートについて、その魅力の紹介の方法やボランティアを活用した観光案内を検討いたします。また、MICE開催で東京を訪れた参加者に、船で水辺の魅力を体験する機会の提供も検討をしてまいります。
 こうした取り組みにより、水辺空間の観光資源としての魅力の向上を実現してまいります。
 最後に、外国人旅行者による情報の入手についてでございますが、海外からの旅行者が観光を安心して楽しむため、都内の各地域で情報を速やかに入手できる環境を整備することは重要でございます。
 このため、都は、ITを活用した情報提供体制を二〇二〇年までに整備する方針を策定いたしました。
 今年度は、三十五の都立施設や都内の歩道の一部で共通して利用できる無料Wi-Fiの導入を図ります。また、旅行者に役立つ情報を画面により多言語で提供するデジタルサイネージを新宿と上野に合計で四基設置をいたします。
 さらに、外国人旅行者の急増を受け、今後、情報提供の体制整備を一層加速させてまいります。
 このような取り組みにより、IT技術を活用した情報提供を早期に充実させ、東京の観光振興を的確に進めてまいります。
〔交通局長塩見清仁君登壇〕

○交通局長(塩見清仁君) 都営地下鉄の技術系職員の育成についてでございますが、交通事業者の最大の責務である安全の確保には、高い安全意識と技術力を持った職員の育成が極めて重要でございます。
 このため、交通局では、日ごろから各職場で、基本動作、基本作業を徹底させ、OJTや各種訓練を通じて実践力を養うとともに、外部の専門研修も活用して、最新の知見を習得させるなど、職員の意識と能力の向上に努めております。
 また、若手職員への着実な技術の継承を図るため、現場の業務に必要な技術スキルの体系化や、レール交換など実践的な訓練を行う模擬実習設備の整備を進めております。
 さらに、今年度、人事任用制度を見直し、第一線の業務に携わる職員を積極的に監督職に登用するなど、これまで以上に技術を支える職員を育成する環境を整備いたしました。
 今後とも、安全を最優先する人材の育成に全力で取り組んでまいります。

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