平成二十七年東京都議会会議録第四号

   午後一時開議

○議長(高島なおき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(高島なおき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(高島なおき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都収用委員会委員の任命の同意について外人事案件九件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(高島なおき君) 一昨日に引き続き質問を行います。
 四十八番三宅正彦君
   〔四十八番三宅正彦君登壇〕

○四十八番(三宅正彦君) 先般、知事は小笠原を視察し、その際、本土から千キロ離れた離島の厳しい現状について、直接現地を見て島民の声を聞いていただきました。
 小笠原諸島は、島民が居住することで、領域の保全や海洋資源の確保など、国益に重要な役割を担っています。今般の中国漁船の違法操業問題などにおいても、漁業への影響などを踏まえて、国や都による対応がなされたものと考えていますが、現地懇談会でも話に出たとおり、島民の感じている大きな不安を払拭し、安全・安心を確保するべく、関係機関と連携しながら、気を緩めることなく取り組んでいただきたいと思います。
 昭和四十三年に我が国に復帰した小笠原諸島は、特別措置法のもと、復興、振興開発が進められ、生活基盤が重点的に整備されてきましたが、依然として課題は山積しています。
 こうした課題の解決に向け、都は昨年十二月に小笠原諸島振興開発計画を策定しましたが、この計画の中では、交通アクセスは小笠原村の最重要課題とうたわれており、改善に向けた取り組みを着実に進めていく必要があります。
 航路については、本土と父島を結ぶ「おがさわら丸」と、父島と母島を結ぶ「ははじま丸」が平成二十八年度に新造船の就航を目指して順調に準備が進んでいます。
 一方、多くの島民から期待を寄せられている航空路の開設については、民生の安定と産業振興を進める上で極めて重要な課題であるとともに、今回の中国漁船による違法操業問題において、改めて国境離島としての存在価値が大きくクローズアップされました。
 そこで、小笠原の航空路の開設について、現地を視察された知事に改めて所見を伺います。
 次に、大島の観光復興について伺います。
 甚大な被害を受けた一昨年十月の台風から一年半が過ぎようとしています。都は発災以来、我が党の要望を踏まえて、被災者の生活再建、インフラの復旧、産業の復興などさまざまな取り組みを実施してきました。観光面においても、宿泊費用の割引や復興応援ツアーなどにより、旅行者誘致を強力に推進してきました。
 島内でも、大島の再生に向け、さまざまな取り組みが行われています。民間からの提案で、大島公園、大島高校、椿花ガーデンの三つのツバキ園を国際ツバキ協会の優秀ツバキ園に認定しようとする動きが出ていますし、リオデジャネイロ五輪の自転車ロードレースのアジア予選の会場としても名乗りを上げ、大島の再生に向け全島一丸で取り組んでいるところです。
 地元の努力と都の支援により来島者数は回復傾向にありますが、発災前の水準に戻るまでには至っておりません。大島が本格的な復興をなし遂げるためには、基幹産業の一つである観光産業が活力を取り戻すことが鍵となります。旅行者の関心と来島意欲が途切れることのないよう、都として継続的な支援が重要と考えますが、見解を伺います。
 災害に見舞われた大島だけではなく、交通網の発達による移動時間の短縮や格安海外ツアーの普及などにより、島を訪れる観光客数は減少傾向にあります。今後、観光客を増加へと転じていくためには、島を訪れた観光客が最初に利用する船客待合所や空港ターミナルにおいて島の魅力を存分にアピールし、島の第一印象を高めることが重要と考えます。
 都ではこれまでも、船客待合所等の建てかえを順次進めてきてはいますが、これからは単なる老朽化した施設の建てかえではなく、新たな観光需要にも対応していく必要があります。
 特に近年、日本への外国人観光客数が大幅に増加する中で、外国人を含む来島者に対する観光情報の提供や案内表示、インターネットなどの接続環境にも十分に配慮し、サービスの拡充を図ることが重要です。
 また、津波対策を初め、防災対策をより一層強化することも不可欠です。
 そこで都は、今後、こうした点を踏まえて、船客待合所や空港ターミナルを整備していくべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。
 次に、御蔵島の就航率向上について伺います。
 昨年から新造船「橘丸」が就航し、東京から南方へ約二百キロ離れた御蔵島へも、より快適な船旅ができるようになりました。
 御蔵島は、島しょ全体の観光客が減少している中、イルカウオッチングなどで多くの若者などが訪れる人気の観光スポットとなっています。
 しかし、御蔵島の岸壁は外海に突き出していることから、波浪による影響を直接受け、定期船の欠航が多く発生しており、観光振興の妨げとなっています。特に、季節風が強く吹く冬場は極端に就航率が低く、島民生活に必要な物資の搬入も滞ることがあります。島民生活の安定や豊かな自然を生かした観光振興を図るためには、定期船の就航率を向上させることは不可欠です。
 そこで、御蔵島への定期船の就航率を向上させるため、都ではどのような取り組みを行うのか伺います。
 次に、臨海副都心について伺います。
 MICE、国際観光拠点として開発を進めている臨海副都心は、東京を世界で一番の都市に牽引する上で重要なエリアです。
 このたび策定された都の長期ビジョンにおいては、平成三十六年、二〇二四年の訪都外国人旅行者数を年間千八百万人とする目標を掲げています。
 一方、海外に目を向けると、例えばシンガポールでは、MICE施設やリゾート施設、カジノ施設等を含む統合型リゾート、いわゆるIRを整備し、外国人旅行者を着実に増加させ、雇用効果や経済成長率の改善など、大きな経済波及効果が確認されています。
 これまで我が党は、国を挙げてIRを推進すべきと議員連盟を設立し、国への法整備等を強く働きかけてきました。
 東京が厳しい都市間競争に打ち勝ち、日本経済を牽引し続けるためには、日本ならではの伝統文化の視点も取り入れながら、国際観光拠点としてIRを整備し、東京の魅力を高める必要があります。
 そこで、都としてもIR導入に向けて具体的な検討を進めていくことが重要と考えます。知事の見解を伺います。
 次に、東京の地域特産品の開発について伺います。
 近年、日本各地で、地域の代表的な農林水産物等を加工して、地域特産品として売り出すことが盛んに行われています。都内各地でも、野菜や魚介類などの一次産品を活用したさまざまな加工品がつくられており、現在でも新たな特産品の開発や販路開拓が検討されています。
 このような加工、特産品開発の試みは、一次産業ばかりではなく、食品製造などの二次産業の活性化にもつながることから、大消費地を身近に抱え、多くの食品産業が集積する東京でこそ一層進めるべきです。
 昨年、知事は、食という観点から東京の魅力を発信するため、東京産の多種多様な農林水産物を使った東京味わいフェスタを開催し、訪れた多くの人々の反響から、改めて東京産の食材が持つ力を再確認されたことと思います。
 そこで、二〇二〇年大会の開催時に国内外から訪れる多くの観光客にも提供できるよう、農林水産物という地域資源を活用した新たな特産品の開発に都が取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、災害廃棄物の処理について伺います。
 大島の土砂災害では、町の年間ごみ処理量の実に九年分の災害廃棄物が発生し、一刻も早い復興のためには、その早期処理が喫緊の課題となりました。そのため、町は島外処理を都に委託して早期処理を進め、昨年十二月末には災害廃棄物処理が完了しました。
 そこで、島外処理に当たって直面した課題と対応について伺います。
 さて、いわゆる首都直下地震は、今後三十年の間に七〇%の確率で発生するといわれています。
 不幸にも首都直下地震が起きた場合、市域を越えた甚大な被害と東日本大震災の数倍にも及ぶ災害廃棄物の発生が見込まれます。
 大島町土砂災害のように、災害廃棄物処理には国や都道府県の広域支援はもちろん必要ですが、被災自治体の主体的な取り組みや発災に備えた事前準備が災害廃棄物を着実に処理する上で極めて重要です。
 しかしながら、現在、都内自治体がこうした準備を整えようにも、単独では、知見、組織体制などの面で困難です。
 そこで、都内市区町村における災害廃棄物の円滑な処理に向けた取り組みへの支援について所見を伺います。
 また、南海トラフ地震等の巨大災害時の災害廃棄物処理においては、都道府県の区域を越えた広域処理も重要となります。
 国は、昨年度立ち上げた検討委員会において対策スキームを取りまとめるとともに、これに基づき災害廃棄物の処理を民間処理施設で行う際の手続の簡素化や、国みずからの処理も可能となるよう法律改正を行うとのことです。このような広域処理を想定した新しいやり方は、首都直下地震においても有効に機能すると期待できます。
 また、対策スキームでは、国が対策の指針を示し、関東などの各地域ブロックでは、指針に基づき域内の自治体が広域連携に関する行動計画を策定することを求めています。
 都は、これまでの災害廃棄物処理の経験を生かし、関東ブロックの行動計画策定に向け、リーダーシップを発揮すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 最後に、入札契約制度について伺います。
 都の公共工事における入札不調については、今年度上半期の建築工事の不調発生率が二二・三%となる中にあって、特に、島しょ地域における発生率は三四・五%と、都全体の平均を大幅に上回っています。
 入札不調となった島しょの工事を見ると、都立高校や港湾施設など重要な施設が含まれており、不調の増加による島民生活や地域経済への影響が懸念されます。
 地元業者の方々からは、地域的条件によって、内地と比べて資材や作業員の確保が困難であることが不調の原因だと伺っています。気象条件や輸送条件など、内地と異なる実情を踏まえ、積算や工期などの面で事業者が積極的に受注を目指すことができる環境を発注者側がしっかり整えていくことが、事業者の不安感を払拭するためにも重要です。
 そこで都は、発注者として、島しょ地域の入札不調対策に喫緊の課題として取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 入札不調の問題は、島しょ地域に限った課題ではなく、都内全体に共通する課題でもあります。
 不調対策の一つとして、事業者が入札に参加するに当たっては、先の見通しを立てやすい環境を整えることが有効だと考えます。なぜなら、どの中小企業にとっても、技術者や技能員を効率よく手配する上で、いつ、どこで、どのような工事が発注されるのかといった詳細な情報が欠かせないからです。
 さらには、昨年六月に成立した改正品確法では、計画的な発注が発注者の責務として位置づけられており、事業者が繁閑の差がなく安定して仕事を請け負えるような環境をつくることが求められています。
 そこで、各局の計画的な発注を促し、事業者の受注計画策定を支援するために実効性ある発注情報の提供が重要と考えますが、所見を伺います。
 今まさに東京は、五輪開催に必要な施設整備に総力を挙げて取り組み、安全・安心で災害に強い都市づくりを是が非でも加速させなければなりません。
 これらを確実に実現するためには、都の施策を支える事業者の力が不可欠です。
 地域の中小企業が都の公共工事で最大限に力を発揮できるよう、入札に参加しやすい環境の整備に向けて、全庁一丸となってしっかり取り組んでいただくことを求め、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 三宅正彦議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、小笠原の交通アクセスについてでございますが、本土から千キロメートル離れた小笠原諸島への交通アクセスの改善は、島民生活の安定と産業振興を図る上で極めて重要であります。
 先般、都議会正副議長、そして三宅正彦議員とともに小笠原を訪れた際に、村長から説明を受けまして、航空路の開設は小笠原村民の長年にわたる切なる願いであるということを改めて強く認識いたしました。
 一方で、航空路開設に当たりましては、自然環境への影響を初め、さまざまな課題があることもまた事実でございます。
 このため、国や小笠原村など関係機関との調整を丁寧に行いながら、自然環境の保全と両立する航空路案が取りまとめられるよう、最新の技術開発動向なども含めまして、幅広く課題の整理、検討を行ってまいります。
 今後とも、島民生活の安定と産業振興を図り、国境離島であります小笠原諸島の自立的発展を目指して積極的に取り組んでまいります。
 続きまして、統合型リゾート、いわゆるIRについてでございますが、ホテルや国際会議場、カジノなどを一体的に整備したIRは、シンガポールなど海外の例を見ると有力な観光資源となっております。
 東京におきましても、臨海副都心などのMICE、国際観光拠点化に向けまして、IRは国際競争力を高めるための有力なツールとなる可能性を有しております。
 一方で、カジノを含むIRの導入にはさまざまな課題があるともいわれております。
 こうしたことから、現在、海外におけるIRの現状を調査するなど、プラス、マイナス双方の影響を十分に見きわめるための検討を行っているところでございます。
 IRを整備するためには新たな法律が必要であり、今後、国会審議の動向を踏まえつつ、観光振興を初め、さまざまな観点からの幅広い意見を聞きながら、引き続き検討を進めてまいります。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、伊豆大島の観光支援についてでございますが、観光産業は大島の基幹産業の一つであり、大島が本格的な復興を果たす上で重要な役割を担っております。
 都は、大島への旅行者数の回復を目指し、今年度、一泊三千円の宿泊助成や、旅行会社と連携した割安なパッケージツアーの提供などを行っておりますが、いまだ発災前の水準には至っておりません。
 このため、宿泊助成や割安なパッケージツアーの提供を来年度も継続するとともに、復興計画に基づいて、町が取り組む観光施設の整備等を支援してまいります。
 また、新たにトレインチャンネル等を活用した観光キャンペーンを展開し、島の魅力を広くアピールしてまいります。
 こうした取り組みによりまして、伊豆大島への旅行意欲を喚起し、にぎわいの回復に向けて積極的に支援してまいります。
 次に、農林水産物を活用いたしました特産品開発についてでございます。
 世界有数の大都市でありながら、多様な食材を提供できることが東京の魅力の一つであり、こうした食材を加工した新たな地域特産品の開発は、農林水産業の振興とともに、食品産業の活性化にも効果的な取り組みでございます。
 このため、都は来年度から、地域特産品開発支援事業を開始し、多くの人が訪れるオリンピック・パラリンピック大会の開催時期をターゲットに、都内産農林水産物などを使った新たな特産品開発等に取り組んでまいります。
 具体的には、食品技術センターが開発した加工技術を活用し、野菜の風味や色を残した麺類や、安価でうまみのある魚を使ったかまぼこ、乳酸発酵を生かした漬物など、食品事業者が行う商品開発と、そのPR活動などに支援を行い、東京ならではの地域特産品の開発を促進してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

○港湾局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、船客待合所や空港ターミナル整備についてですが、都は、来島者の利便性向上や島民との交流、にぎわい創出にも配慮し、平成二十年以降、新島や神津島、八丈島等六カ所の建てかえを精力的に進めてきました。
 今後は、津波対策等防災機能はもとより、外国人も視野に入れた観光機能の一層の充実にも取り組んでまいります。
 具体的には、避難タワー設備を有する大島岡田港や式根島野伏漁港の船客待合所の整備を進めていくとともに、火山ガスの影響を注視しながら、三宅島の空港ターミナル整備に向けた準備を進めてまいります。
 さらに、平成三十年までに全ての船客待合所、空港ターミナルにおいて、多言語表示の案内板や情報発信のための大型ディスプレーを設置するとともに、無料Wi-Fiを利用できる環境を整備し、外国人を含めた観光客に効率的に観光情報等を提供し、島の魅力創出に寄与してまいります。
 次に、御蔵島への就航率向上のための取り組みについてですが、御蔵島は、周囲を断崖絶壁に囲まれ、伊豆諸島の中でも港湾を整備するのが最も困難な島の一つでございます。
 こうした中でも、島唯一の港である御蔵島港に大型定期船が接岸できる岸壁や、漁船などが係留できる小型船だまりなどの整備を長年にわたり進めてまいりました。
 しかし、新造船「橘丸」の就航効果は見られるものの、風や波の影響を大変受けやすい岸壁のため、いまだ欠航も多く、平成二十六年の就航率は、全島平均約九〇%に対し、御蔵島は約六五%にとどまっております。
 このため、現在ある岸壁の東側約三百五十メートルの位置に二つ目の岸壁を新たに整備してまいります。これにより、風向きによって使用する岸壁を使い分けることが可能となり、定期船の就航率が大幅に向上する見込みでございます。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 災害廃棄物の処理に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、大島町災害廃棄物の島外処理についてでございますが、復興の大きな支障となる災害廃棄物の島外処理に当たりましては、島からの着実な搬出スキームの構築と、復興を見据えた的確な工程管理が課題でございました。
 そのため、町から島外処理を受託した都は、東日本大震災の広域支援に用いたコンテナの改造や、新たな船舶輸送スキームの確立により、早期の搬出を実現いたしました。
 また、復興のかなめである観光振興に影響が出ないよう、市街地内の災害廃棄物の仮置き場を夏の観光シーズンより前に撤去するなど作業工程に配慮するとともに、現地にたびたび職員を派遣し、的確な工程管理に努めました。
 これらにより、災害廃棄物一万一千五百三十六トンを、特別区や民間事業者の協力も得て、平成二十五年十二月から約一年間で計画どおり処理したところでございます。
 次に、区市町村の取り組みに対する都の支援についてでございますが、首都直下地震など大規模災害に伴う災害廃棄物の円滑な処理には、具体的な被害想定や処理手順の明確化など、区市町村による事前準備が重要でございます。
 そのため、都は、実効性の高い瓦れき処理マニュアルの作成支援を目的とするワークショップや、区市町村職員を交えた被災現場調査を定期的に実施するとともに、今年度、新たに、都が東日本大震災への対応などから得た具体的なノウハウを提供する講習会を開催するなど、区市町村の災害廃棄物処理能力向上に向けた支援を強化しております。
 今後も、都は、災害廃棄物処理に関する広域的な役割を着実に果たすとともに、大島町での経験を伝える島しょ町村向けの講習を新たに実施するなど、各団体の実情に応じたきめ細かな支援を積極的に行ってまいります。
 最後に、災害廃棄物の広域処理についてでございますが、巨大地震により発生する膨大な災害廃棄物の処理には、民間や都外の自治体も含めた広範な連携体制が必要でございます。
 このため、都は、国の検討委員会に参画し、これまでの災害廃棄物処理の経験を踏まえ、民間の処理施設を円滑に活用するための制度の整備などを働きかけてまいりました。
 また、関東ブロックの協議会において、近隣自治体等に対し、都がこれまでに得たノウハウを提供するとともに、広域処理に向けた具体的な検討課題の提案を行ってまいりました。
 今後とも、こうした場において近隣自治体と連携協力し、民間処理施設等に関する情報の共有を行うとともに、実現性の高い広域処理のルールづくりの検討を主体的に進め、実効性のある行動計画の策定を目指してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

○財務局長(中井敬三君) 入札契約制度に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、島しょ地域の入札不調対策についてでありますが、島しょ地域の現下の厳しい状況を踏まえ、実効性ある入札不調対策を全庁で実施していくことが重要であると考えております。
 こうしたことから、島しょ地域特有の労務需給の特殊性などに配慮し、予定価格、工期及び仕様等の設定について、より実態に即したものとなるよう改善を速やかに行ってまいります。
 また、局ごとに公表していた発注情報を、今後は支庁管内ごとに情報を集約し利便性を高めるとともに、関係局で不調対策に関する連絡会を開催するなど、事業者の受注促進に向けた情報の共有化を図ってまいります。
 今後とも、島しょ地域において事業をより円滑に実施できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、実効性ある発注情報の提供についてでありますが、都はこれまで、入札に参加しやすい環境の整備に向けて、電子調達システム上で年間発注予定表を公表するとともに、その詳細化を積極的に図ってまいりました。
 一方、予定表は発注局ごとに作成しており、履行場所が所在する区市町村ごとに検索する機能がないなど、事業者の視点での情報提供が必ずしも十分ではないところがございました。
 このため、工事入札の全案件を対象として、履行場所や入札予定時期ごとに検索できる機能を来年度新たに追加してまいります。
 こうした取り組みを通じて、事業者の受注計画策定を効果的に支援するとともに、発注予定情報の全庁的な有効活用を一層進めるなど、発注時期の平準化に向けた環境の整備に取り組んでまいります。

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