平成二十六年東京都議会会議録第十七号

   午後一時開議

〇議長(高島なおき君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(高島なおき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(高島なおき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第二十二号、高齢者の医療費の助成に関する条例が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

〇議長(高島なおき君) 昨日に引き続き質問を行います。
 四十七番小宮あんりさん。
   〔四十七番小宮あんり君登壇〕

〇四十七番(小宮あんり君) 我が国は、世界に類のない高齢化社会を迎えつつあります。高齢化社会とは、すなわち長寿社会です。誰もが健康で長生きできることを誇れる社会にするためにも、高齢者の方々の不安を取り除き、皆が安心して暮らせる東京をつくる。まずはその観点から質問を始めます。
 来年には、この東京でも全人口の二三%が六十五歳以上の高齢者となります。東京都はこれまで、都有地を活用するなどして、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム、サービスつき高齢者住宅など、施設の整備を進めてきました。
 しかし、土地の限られた東京では、施設の整備には限界があります。何より、高齢者の身になれば、住みなれた家に、地域に暮らし続けながら、医療や介護が適切に受けられる、そうした環境を整備することが必要です。
 今は元気で自宅に暮らしていても、いつか病気で入院することになったら、その先の生活がどうなるのか、不安に思う高齢者の方々の声を聞きます。東京都の調査によれば、多くの方が、病気で入院しても、状態が安定したら、なるべく早く住みなれた家に帰って療養したいと望んでいます。そのためには、入院したまさにそのときから、患者の退院後の生活を見据えた退院支援を行っていくことが重要です。
 こうした中、本定例会において、都は、消費税増収分を活用した新たな基金の設置条例案と関連する補正予算案を提案しています。病院が患者一人一人に合わせた、きめ細かい退院支援を行い、在宅療養への円滑な移行を進めていけるよう、今回の基金を最大限有効に活用していくことが重要です。
 そこで、病院における在宅療養への円滑な移行の推進に向けた今後の取り組みについて伺います。
 さて、在宅で暮らすこうした高齢者や家族を心配する親族の思いにつけ込んで、相変わらず、いわゆる振り込め詐欺が、手をかえ品をかえ横行しています。警察庁の直近の発表によれば、ことし十月末までの全国の振り込め詐欺は、認知件数、被害総額のいずれも昨年を上回り、地域に暮らす高齢者や家族に大きな不安を与えています。こうした振り込め詐欺への対策は喫緊の課題であり、早急に被害の防止に努めるべきと考えます。
 今後の取り組みについて伺います。
 また、元気な高齢者が住みなれた家に、地域に生き生きと暮らし続けるためには、安全に外出できる環境づくりが必要です。町会や自治会の活動に参加したり、商店街に買い物に行ったり、かかりつけの医者に行くなど、自宅とさまざまな施設をつなぐ道路、まちのインフラや交通体系のあり方が重要です。高齢者だけでなく、小さいお子さんやベビーカーを押す家族、また障害のある人にも優しいまちづくりが求められています。
 道路の無電柱化は、都市景観の改善や歩道の快適性をつくり出すだけでなく、災害時に電柱が倒れて緊急車両や物資を運ぶ道路を塞ぐことのないように、防災の観点からも推進すべきです。都議会自民党の公約集に東京から電柱をなくしますと掲げているように、都心部の都道だけでなく、都内全域で無電柱化を推し進めることが重要です。
 国においても、低コストの無電柱化技術の導入や、無電柱化基本法案を議員立法として国会に提出する予定であり、無電柱化推進に向けたさまざまな動きが活発です。
 そこで、無電柱化のより一層の推進に向けた今後の取り組みについて所見を伺います。
また、無電柱化を面的に推進するためには、区市町村における取り組みが必要であり、都だけでなく、区市町村においても技術者を育成していくことが重要です。
 都議会自民党の都市政策推進本部では、去る七月に東京電力の無電柱化モデル施設の視察を行い、その構造や技術について知見を広めてまいりました。電気や通信に関する理論や無電柱化に必要な機器のコンパクト化など、無電柱化に欠かせない技術が進化を続けていると実感しました。
 そのような技術を区市町村でも活用していくためには、高い能力を持った技術者を育成するための支援を積極的に行っていく必要があると考えます。所見を伺います。
 さて、高齢者を含め、誰もが移動しやすい都市を実現する上で重要なのは鉄道です。平成三十二年の東京五輪開催後を見据えた鉄道網の整備に当たっては、臨海部だけでなく、多摩地域まで東京全体を見渡し、路線の整備効果を見きわめながら取り組むべきと考えます。
 国は、本年五月より、交通政策審議会において、東京圏における今後の都市鉄道のあり方についての議論を開始しました。
 こうした動きを踏まえて、都においても調査検討を進めていますが、鉄道網の充実に向けて、この内容をどう生かしていくのか伺います。
 また、まちを分断する鉄道は、各地のまちづくりに大きく影響します。杉並区内の西武新宿線には、朝夕のラッシュ時に四十分以上も遮断しているあかずの踏切が残されています。こうしたあかずの踏切を解消するには、複数の踏切を同時に除却する連続立体交差事業の推進が不可欠です。
 西武新宿線の野方駅から井荻駅、さらにその先の東伏見駅までの二区間が都において鉄道立体化の事業候補区間に位置づけられており、これを受けて、私の地元である杉並区では、下井草駅、井荻駅、上井草駅の各駅で住民による駅周辺まちづくり協議会が設置をされ、構想を取りまとめるなど、新たなまちづくりの機運が高まっています。
 改めて、この区間の現状について伺います。
 さて、これからの交通政策は、インフラの量の拡大を目指す政策から、利用者目線に立ち、使いやすさや快適性を重視した政策へと深化すべきです。五十年前の東京五輪開催時には、首都高速道路や東京モノレールが開通するなど、まさに量の拡大が行われました。これに対し、二度目の東京五輪を開催するに当たっては、成熟都市のモデルとして、時代に即した東京の姿を示していくことが必要です。
 現在、都は交通政策のあり方検討会を開催し議論を進めていますが、都が目指す交通政策について見解を伺います。
 都知事は過日の所信表明において、環境先進都市としての東京を世界に発信していくと述べられました。最近、集中豪雨や豪雪、季節外れの台風など異常気象が頻発しています。地球温暖化がその主な原因と考えられます。都内では集中豪雨への対処法として、河川の調節池や下水の貯留管の整備などを計画的に進めていますが、本来、こうした被害の根本原因である地球環境の変化に対しても、東京都が率先して取り組んでいかなければなりません。世界最先端の日本の環境技術を活用し、東京が世界一の環境都市として国際社会をリードし、将来の子供たちに美しい国と安全なまち、持続可能な社会を伝えていかなければなりません。
 都知事が東京五輪大会後を見据え、力を入れる、今後の水素社会の実現に向けた取り組みについて、知事の見解を伺います。
 また、先日十五日、世界初の一般向け燃料電池車が発売されました。いよいよ水素社会の幕あけです。この動きを確かなものとするためには、燃料電池車の普及に先んじて、水素ステーションの整備が不可欠です。
 昨日の我が党の代表質問の中では、大手事業者への整備費支援策についてまずは伺いましたが、都内に数多く存在する中小ガソリンスタンドなど、既存のインフラを活用することも重要です。また、新たに土地を確保して事業を始める中小参入者には、都独自のさらなる支援策が不可欠です。都の取り組みを伺います。
 そして、水素の活用だけでなく、まち全体で環境を向上していくには、個々の住宅へのきめ細かい環境対策等により、地域全体のエネルギー効率を高めていくことも必要です。これまでも都は、太陽光発電や蓄電池導入への支援など、さまざまな取り組みを積み重ねてきました。
 今後も区市町村と連携した取り組みをさらに進化させるとともに、新築住宅と比べて対策が進みにくい既存住宅の省エネ化を促す、そうした取り組みも重要です。所見を伺います。
 さて、先般の総選挙においても、自民党が政権に復帰してこの二年間で新たに百万人の雇用を生み出したことがたびたび取り上げられました。
 都としても、今後、新しい事業に挑戦する意欲ある人たちが創業しやすい環境を整える必要があります。最近では、民間事業者や区市町村等がさまざまなインキュベーション施設、いわゆる創業者の拠点となる施設を運営し、これに地域の金融機関なども力を注ぎ始めています。
 都は、長期ビジョンの中間のまとめにおいて、都内の開業率四・六%を今後十年間で一〇%台へ引き上げるという大きな目標を掲げました。この目標の実現には、これまでの事業に加え、新たな創業活性化支援が必要です。
 そこで、創業者の立ち上げ期の支援を強化するとともに、民間や区市町村等が行う創業支援施設の取り組みを後押しするなど、より積極的な施策を展開すべきと考えます。見解を伺います。
 また、我が国の産業や経済活動を支える大きな潜在力である女性の力をいかに発揮してもらうかは、今後、人口減少社会を迎えるに当たり、社会全体の活力を高める大切な要素です。
 都内就業者の約七割が働く中小企業で、社内の実態を踏まえた女性が働きやすい職場環境の整備を進めていくことが必要です。過日、私も、運送業界の方から、初めて短時間勤務を募集してみたが、予想以上に反応があったというお話を伺いました。健全な待遇を維持しつつ、正規か、非正規かではなく、個人の人生設計に合った仕事の選択をより柔軟にできるようにして、多様な勤務形態を確保する。そのことで女性が働きやすい環境をつくり出して、活力ある東京を、女性ならではの視点も生かしながら、ともに支えていく。
 本定例会には、女性の活躍推進人材育成事業が補正予算として提案されました。この事業の狙いと取り組み内容について伺います。
 最後に、子供たちを取り巻く社会問題、危険ドラッグに対する子供たちへの教育について伺います。
 ことしになって、危険ドラッグが原因で、みずから命を失ったと見られる人が全国で百十一人に上り、昨年の十倍以上になっています。
 都においては、福祉保健局の取り組みにより、東京都薬剤師会等の協力もいただいて養成した薬物専門講師が、ボランティアで小学校や中学校、高校へと出向いて薬物の危険性を教えていますが、児童や生徒がそうした被害に巻き込まれることがないよう、学校において改めて薬物乱用防止教育を充実させるべきと考えます。見解を伺います。
 ここまで、高齢者や女性、子供たちなど、社会的に弱い立場にある方々の目線から、東京をどのようなまちにしていくか伺ってきました。そうした方々に優しいまちは、誰にとっても住みやすく、安全で快適なまちになるからです。東京に住む人全てが、二十三区も多摩も島も、東京を自分のふるさととして誇りに思い、いつまでも住み続けたいと願う、世界で一番の都市東京を目指して、これからも都議会自民党の一員として全力で取り組んでいくことを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 小宮あんり議員の一般質問にお答えいたします。
 水素社会の実現に向けた取り組みについてでございますが、二〇二〇年は終着点ではなく、その先の日本と東京の発展のための通過点でありまして、私は、東京オリンピック・パラリンピック後に、水素社会の実現というレガシーを残していきたいと考えております。
 水素戦略会議では、中長期の水素社会を展望しつつ、二〇二〇年までの戦略目標をあわせて設定し、オリンピック・パラリンピックでの水素エネルギーの活用に向けた環境整備に速やかに取り組んでいくこととしております。
 具体的には、水素ステーションは二〇二〇年までに三十五カ所を整備し、その後五年間で八十カ所までふやしてまいります。燃料電池車も二〇二〇年までに六千台、その五年後には十万台の普及を目指します。燃料電池バスについても、都みずから都営バスに率先して導入し、民間を先導していきたいと思っております。
 こうした戦略目標の実現に向けて、実用化の初期段階を強力にバックアップするため、水素ステーション整備や燃料電池車の導入等に関する都独自の支援策を盛り込みました補正予算案を本定例会に提出してございます。
 本日、東京で第一号となる商用の水素ステーションが練馬の谷原に開設されました。今後、官民一体となってスピード感を持って取り組み、水素社会の実現に向けて我が国を牽引してまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁いたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 薬物乱用防止教育の充実についてでありますが、本年七月、都教育委員会は、区市町村教育委員会及び学校に対し、危険ドラッグ乱用防止に関する通知を出し、現在実施している薬物乱用防止教室において危険ドラッグを重点的に取り上げることや、保護者や地域の方々にも参加を呼びかけ啓発することなど、児童生徒にその危険性を認識させるよう指導の徹底を図ったところでございます。
 今後、危険ドラッグには麻薬や覚醒剤以上の危険性があることや、乱用により死亡した事例などを掲載した教師用指導資料を来年三月までに作成をしてまいります。
 さらに、警察や医療などの関係機関と連携し、危険ドラッグに重点を置いた専門的な教員研修を来年度新たに実施することなどを通して、学校における薬物乱用防止教育の充実に努めてまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、無電柱化事業の今後の取り組みについてでございますが、無電柱化は、防災機能の強化や良好な都市景観の創出、快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
 都は、年内に新たに策定する計画に基づき、五年間で区市町村道と合わせて九百十六キロメートルの整備を推進いたします。このうち、都道の新規路線百七十二キロメートルについては、周辺区部や多摩地域を中心に、都市防災機能強化の視点から、緊急輸送道路や主要駅周辺などで整備を進めてまいります。
 さらに、幅員の狭い区市町村道での無電柱化を実施するため、公共空間などを活用した機器類の設置などの可能性について関係局と検討を行うとともに、情報の共有化や新技術の適用に向けて、新たに関係区市と技術的研究を行う場を設け、検討を進めてまいります。
 次に、無電柱化を推進するための区市町村に対する技術支援についてでございますが、区市町村道では、これまで無電柱化の実施事例が少なく、今後事業を推進するためには、区市町村の技術水準の確保に向けて都が支援することが重要でございます。
 このため、都が策定した電線共同溝整備マニュアルに基づきました設計や施工などにかかわる講習会を行うとともに、実物大のモデルにより立体的な構造の理解を図る実践的な研修を広く実施してまいります。また、各区市町村の事業実施に当たり、法的手続や技術上の課題解決に関して、引き続き個別具体的に助言や指導を行い支援をしてまいります。
 今後とも、都がリーダーシップを発揮し、無電柱化技術の普及促進を図り、風格ある都市景観の形成と高度防災都市の実現に向け、無電柱化を積極的に推進してまいります。
 最後に、西武新宿線野方駅から東伏見駅間の鉄道立体化についてでございますが、連続立体交差事業は、複数の踏切を同時に除却することで道路ネットワークの形成を促進し、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業でございます。この区間には、あかずの踏切が十七カ所あり、都市計画道路が八カ所で交差するなど、鉄道立体化により大きな効果を得られる区間であると認識をしております。
 都は、現在、事業範囲や構造形式などの調査を実施し課題の把握を行うなど、事業化の可能性について検討しております。
 今後とも、鉄道事業者と連携し、地元のまちづくりの動向を勘案しながら、鉄道立体化の検討を進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 病院から在宅療養への円滑な移行についてお答えします。
 都はこれまで、高齢者が安心して病院から在宅へ移行できるよう、入院早期から退院後に向けて取り組むべき事項を段階ごとにまとめた退院支援マニュアルを作成するなど、医療機関の退院支援の取り組みを支援してまいりました。
 また、今年度から新たに、地域医療を担う二百床未満の指定二次救急医療機関に対し、入院患者の在宅移行支援を行う看護師等の配置を支援するとともに、人材育成のための研修カリキュラムの作成を進めております。
 今回策定した医療介護総合確保法に基づく計画には、このカリキュラムを活用した全ての病院を対象とする研修の実施や、中小病院への人材配置など、新たな支援策も盛り込んでおり、今後、基金を活用し、病院から在宅療養への円滑な移行を一層推進してまいります。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君) 高齢者に対する特殊詐欺の被害防止についてでございますが、都内では、十一月末現在において、認知件数、被害額ともに昨年同時期と比較すると減少したものの、深刻な被害状況が続いております。
 都はこれまでも、実演式講話やリーフレットによる啓発などの対策を講じてきているものの、手口の巧妙化等により被害の撲滅に至っておりません。
 このため、これまでの取り組みに加えて、電話を受ける段階での対策を強化するなど、さまざまな対策を実施することが必要でございます。
 そこで、特殊詐欺の抑止効果が高い自動通話録音機につきまして、警視庁等と連携した緊急対策として一万台の設置を目指すなど、さまざまな対策を検討してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、鉄道ネットワークの充実についてでございますが、国は、鉄道ネットワーク整備に関する現在の審議会答申が平成二十七年を目標年次としていることから、交通政策審議会におきまして、来年度中に次期の答申を取りまとめるとしております。
 都といたしましても、こうした国の動向を踏まえ、本年五月、学識経験者などで構成される委員会を設置いたしました。この中で、駅を中心とした拠点間相互の連携強化の必要性や、国際競争力を高めるための空港アクセスの改善効果など、さまざまな観点から鉄道ネットワークのあり方について議論を行っております。
 今年度内に中間のまとめを行い、引き続き議論を重ねた上で、審議会における検討の進捗状況を踏まえまして、来年度、都の具体的な考え方を国に示す予定でございます。
 次に、都が目指す交通政策についてでございますが、成熟都市としてさらなる発展を目指す東京では、交通網の充実とともに、既にあるインフラを活用し、誰もが利用しやすく、環境に優しい交通体系を構築していくことが重要でございます。
 学識経験者を交えた検討会では、案内表記の多言語対応やホームドアの整備、乗りかえ経路の段差解消など、外国人来訪者や高齢者、障害者など、誰にとっても快適で便利な交通体系について提案を受けました。
 また、オープンカフェなど、にぎわいのある歩行者空間や、ネットワーク化された自転車走行空間の実現に向け、限られた道路空間の活用方法についても意見が出されてございます。
 今後、検討会での議論を踏まえまして、次世代を見据えた利用者本位の交通政策を取りまとめ、世界一便利で快適な都市東京を実現してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水素ステーションの整備についてでございます。
 燃料電池車の普及に向けては、高コストの整備費や運営費などの課題がある中で、利用者の利便性を考慮しながら早期にステーションを整備していくことが重要でございます。
 水素戦略会議の中間まとめでは、二〇二〇年までに最寄りのステーションへの到達時間が十五分程度になるよう、三十五カ所を整備していく目標を掲げております。
 この目標の実現に向けて、本定例会に提案しております補正予算案には、整備費だけではなく、土地の賃借料も含む運営費をも対象とする都独自の推進策を盛り込んでおります。また、中小事業者に対しましては整備費全額を補助するとともに、運営費補助も増額するなど、手厚い支援策としております。
 こうした取り組みを進め、国に規制緩和も強く求めながら、ステーションの整備を強力にバックアップしてまいります。
 次に、地域における省エネの推進についてでございます。
 地域のエネルギー利用効率を高めるためには、家庭や事業所での賢い省エネ、節電を促す取り組みが重要でございます。
 都はこれまでも、区市町村が行う家庭や中小規模事業所の省エネ対策に対して支援を行ってきており、今後も、こうした区市町村が町会や商店街など地域の団体と連携して行う取り組みを支援してまいります。
 また、新築と比べて省エネが進んでいない既存住宅では、熱の出入りの多い開口部などに断熱性能の高い建材を活用することが効果的であり、今後、リフォーム時に省エネ性能の向上を図る仕組みについて検討してまいります。
 こうした取り組みを進めることで、都市のエネルギー利用効率の一層の向上を図ってまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、創業支援の強化についてでございますが、東京が将来にわたり持続的に発展していくためには、新たな産業分野を切り開く起業家やベンチャー企業を数多く生み出し、その成長を促すことが不可欠でございます。そのためには、創業希望者の目標となる成功モデルの輩出や、創業を幅広く支える環境づくりが重要でございます。
 そこで都は、今後、実現性の高いすぐれたビジネスプランを持つ創業希望者に対する経費の助成などについて、さらなる支援策の充実を検討してまいります。
 加えて、高度なノウハウを有する民間創業支援機関や地域の産業に精通した区市町村による、多様なインキュベーション施設の整備に対する支援を検討するなど、一層の創業環境の向上を図り、新たなビジネスの創出による産業の活性化を加速してまいります。
 次に、女性の活躍推進についてでございます。
 中小企業において女性の活躍を推進するためには、職域の拡大や職場環境の改善などに向けた社内体制を整え、個々の職場実態を踏まえた具体的な行動につなげていくことが必要でございます。
 このため、都が新たに開始する女性の活躍推進人材育成事業では、中小企業の管理職等を対象に、女性の能力発揮を進めるための目標や計画の作成方法などに関する研修を実施し、社内で推進をしていく人材を育成いたします。
 また、研修修了者を女性の活躍推進責任者とする中小企業に対しインセンティブを付与するとともに、責任者が取り組みを着実に進められるようフォローアップも行ってまいります。
 こうした事業を通じて、女性の活躍推進に取り組む中小企業を積極的に後押ししてまいります。

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