平成二十六年東京都議会会議録第十五号

平成二十六年十一月二十八日(金曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番石川 良一君
十番宮瀬 英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番やながせ裕文君
二十八番田中 朝子君
二十九番塩村あやか君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番中山 信行君
三十八番吉倉 正美君
三十九番上野 和彦君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
五十番野上ゆきえ君
五十一番上田 令子君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番まつば多美子君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保真道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番両角みのる君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十七番服部ゆくお君
九十八番こいそ 明君
九十九番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番村上 英子君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし
 欠員
    四十九番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長遠藤 雅彦君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

十一月二十八日議事日程第一号
第一 第二百十一号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第二 第二百十二号議案
東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
第三 第百八十六号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百八十七号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百八十九号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第二百六号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百八十四号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)
第八 第百八十五号議案
平成二十六年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第九 第百八十八号議案
公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百九十号議案
職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百九十一号議案
職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百九十二号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百九十三号議案
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百九十四号議案
職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第百九十五号議案
職員の分限に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百九十六号議案
職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第百九十七号議案
職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第百九十八号議案
東京都特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例
第十九 第百九十九号議案
職員の配偶者同行休業に関する条例
第二十 第二百号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第二百一号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二十二 第二百二号議案
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第二十三 第二百三号議案
東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第二十四 第二百四号議案
東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第二十五 第二百五号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第二十六 第二百七号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第二十七 第二百八号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第二十八 第二百九号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十九 第二百十号議案
宅地建物取引業法等関係手数料条例の一部を改正する条例
第三十 第二百十三号議案
東京都保護施設等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第二百十四号議案
東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
第三十二 第二百十五号議案
東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第二百十六号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第二百十七号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第二百十八号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第二百十九号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第二百二十号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第二百二十一号議案
東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第二百二十二号議案
東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第二百二十三号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第二百二十四号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第二百二十五号議案
東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第二百二十六号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十四 第二百二十七号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第二百二十八号議案
東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第二百二十九号議案
東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第二百三十号議案
東京都地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十八 第二百三十一号議案
東京都福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第二百三十二号議案
東京都動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第二百三十三号議案
東京都地域医療介護総合確保基金条例
第五十一 第二百三十四号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第五十二 第二百三十五号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第二百三十六号議案
東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
第五十四 第二百三十七号議案
東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第二百三十八号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第二百三十九号議案
警視庁鮫洲運転免許試験場技能試験コース棟・駐車場棟(仮称)(二十六)新築工事(その二)請負契約
第五十七 第二百四十号議案
都立高島特別支援学校(二十六)増築及び改修工事請負契約
第五十八 第二百四十一号議案
東京国際展示場(二十六)受変電設備改修工事請負契約
第五十九 第二百四十二号議案
東京消防庁立川防災施設(二十六)空調設備改修工事請負契約
第六十 第二百四十三号議案
新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期─一工区整備工事(二十六 三─主四青梅街道)その二請負契約
第六十一 第二百四十四号議案
石神井川取水施設工事(その一)請負契約
第六十二 第二百四十五号議案
当せん金付証票の発売について
第六十三 第二百四十六号議案
杉並区学校教育職員の主任教諭選考に係る事務の受託について
第六十四 第二百四十七号議案
東京都石神井学園の指定管理者の指定について
第六十五 第二百四十八号議案
東京都小山児童学園の指定管理者の指定について
第六十六 第二百四十九号議案
東京都船形学園の指定管理者の指定について
第六十七 第二百五十号議案
東京都八街学園の指定管理者の指定について
第六十八 第二百五十一号議案
東京都勝山学園の指定管理者の指定について
第六十九 第二百五十二号議案
東京都片瀬学園の指定管理者の指定について
第七十 第二百五十三号議案
東京都七生福祉園の指定管理者の指定について
第七十一 第二百五十四号議案
東京都八王子福祉園の指定管理者の指定について
第七十二 第二百五十五号議案
東京都千葉福祉園の指定管理者の指定について
第七十三 第二百五十六号議案
東京都東村山福祉園の指定管理者の指定について
第七十四 第二百五十七号議案
東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
第七十五 第二百五十八号議案
東京都視覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
第七十六 第二百五十九号議案
東京都八王子自立ホームの指定管理者の指定について
第七十七 第二百六十号議案
東京都立東部療育センターの指定管理者の指定について
第七十八 第二百六十一号議案
東京都奥多摩ビジターセンターの指定管理者の指定について
第七十九 第二百六十二号議案
東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
第八十 第二百六十三号議案
東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
第八十一 第二百六十四号議案
東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
第八十二 第二百六十五号議案
東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
第八十三 第二百六十六号議案
東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
第八十四 第二百六十七号議案
土地の買入れについて
第八十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について
議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第十八号
領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書
第二 議員提出議案第十九号
地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書
第三 議員提出議案第二十号
二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める意見書
第四 議員提出議案第二十一号
二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める決議

   午後一時開会・開議

〇議長(高島なおき君) ただいまから平成二十六年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

〇議長(高島なおき君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

〇議長(高島なおき君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   八番   大津ひろ子さん 及び
   六十五番 きたしろ勝彦君
を指名いたします。

〇議長(高島なおき君) 謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民西山鴻月氏には、去る十一月三日、また、名誉都民松本源之助氏には、十一月十一日に逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

〇議長(高島なおき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(新美大作君) 平成二十六年十一月二十一日付東京都告示第千五百四十五号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、平成二十六年十一月二十八日付で、本定例会に提出するため、議案八十四件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について依頼がありました。
 次に、平成二十六年第三回定例会の会議において同意を得た監査委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、人事委員会より、平成二十六年十月九日付で、都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

〇議長(高島なおき君) この際、平成二十六年十月二十八日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において、自治功労者として表彰を受けられました方々をご紹介いたします。
 在職二十年以上、古賀俊昭君。
 在職十五年以上、服部ゆくお君。
 ここに敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。
   〔拍手〕

〇議長(高島なおき君) 次に、閉会中の議員の辞職について申し上げます。
 去る十月二十一日付をもって、新宿区選出吉住健一君より、議員を辞職したい旨、届け出がありました。
 本件は、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、議長において、同日付をもって辞職を許可いたしました。

〇議長(高島なおき君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一八ページ)に掲載〕

〇議長(高島なおき君) 次に、東京都議会海外調査団について申し上げます。
 本議会において、去る十月二十八日から十一月五日まで、ミュンヘン、デュッセルドルフ及びアムステルダムへ、また、十一月六日から十五日まで、ニューヨーク及びロンドンへ、それぞれ海外調査団を派遣いたしました。
 海外調査団を代表いたしまして、それぞれ報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。
 百十五番野島善司君。
   〔百十五番野島善司君登壇〕

〇百十五番(野島善司君) このたび、東京都議会を代表して、ドイツ連邦共和国、オランダ王国へ都議会自由民主党のきたしろ勝彦議員、高橋信博議員、神林茂議員、近藤充議員、堀宏道議員、川松真一朗議員とともに海外調査を行いましたので、ご報告を申し上げます。
 私たち海外調査団は、先進事例を調査研究し、世界で一番の都市東京を一日も早く実現させるという強い意識のもと、オリンピック・パラリンピックを契機に持続発展可能な都市を目指す姿としての都市計画、働き方の多様性を軸にした産業労働政策、さらには今後の人口動態を踏まえた福祉政策、次世代のITを活用した農業政策などについて現地視察及び現地関係者との意見交換をしてまいりました。
 訪問都市の選定に当たり、同じ敗戦国ながら今やヨーロッパの雄という立場にいるドイツを支える産業諸政策や、日本がモデルとした年金制度も確立している福祉政策を学びに、この国の経済の中心であるミュンヘン、工業の中心であるラインルール地方のデュッセルドルフを選びました。
 また、十年先、二十年先の東京を探るために自転車政策、ワークシェアリング、ITを活用した農場と、この種の政策では世界のトップを走るアムステルダムを選定した次第で、いずれも最前線の都政の課題解決に当たり最適な都市として決定した次第でございます。
 以下、訪問都市順に主な調査概要を報告申し上げます。
 まず、ミュンヘン市都市計画局を訪れ、今や世界各地で都市計画の有効政策である歩行者専用モールについて、現地担当者やクラムト博士からの意見聴取、意見交換を踏まえて、実際に歩行者専用モールを視察いたしました。もともとは一九七二年に開催されたミュンヘン・オリンピックの前に、当時の市長が、国内で考えが広がっていた歩行者専用区間をまちの中心に据えようと、五〇年代、六〇年代から継続してきた旧市街地に環状線をつくろうとした自動車優先計画から歩行者優先計画へ政策転換の決断をいたしました。
 当初は、今まで通れた道を車が通れなくなるため、沿道の商店街等からは抵抗があったそうでありますが、歩行者専用区間が年々ふえていき歩行者専用道のネットワークが確立されると、まちの回遊性が生まれ、今ではミュンヘンのにぎわいにはなくてはならない政策になっていました。
 デュッセルドルフ市経済振興局とのディスカッションでは、女性の就業も含む雇用政策の先進事例を研究いたしました。家庭と仕事の両立ができるようにするには各機関との連携が不可欠で、デュッセルドルフ市は、特に家族に優しい政策を掲げ、子供の養育、介護しやすいバックボーンが形成されていました。
 実際に、ドイツ連邦政府のアンゲラ・メルケル首相、デュッセルドルフ市が所属するノルトラインウェストファーレン州のハンネローレ・クラフト首相も女性であり、現地の研究所ではフレックスタイム勤務を中心にした新たな雇用形態などを考え、中小企業の人事部と連携することで産業の活性化を目指していました。
 また、中部ニーダーライン商工会では、ドイツの産業労働政策の大きな柱であるマイスター制度を調査いたしました。職業教育の重要性を何よりも大切に考えている組織で、産業マイスターの育成に力を注いでおりました。
 また、近隣にある手工業協会では、手工業マイスターの実態に迫ってまいりました。ドイツも日本と同様に、その経済を支えているのは中小企業であります。当然、その中小企業の職人見習いたちを自前で育て上げるのは容易ではなく、かわりに手工業協会が地域の若者を集めて実習を行っており、伝統のわざを現地の若者が熱心に学んでいる様子を肌で感じました。
 オランダ王国では、ちょうど私たちの訪問時期がオランダ国王来日直後であり、行く先々で温かく受け入れていただきました。
 二〇一三年度実績で労働人口の五〇%がパートタイム勤務をしており、EU二十八カ国中で断然トップであります。ちなみに、二位のドイツは二八%となっています。
 労働形態の多様性については、有期、無期の労働契約が混在している環境で、労働法上はフルタイム、パートタイムの区別がありません。つまり、労働時間、労働期間に差別がないわけであります。だからこそ、人それぞれの個性が反映される労働形態の多様性が展開されており、国民の幸福度が高いということもうなずけます。
 自転車政策も大変進んでおり、アムステルダム都市圏では多くの方が通勤に自転車を利用しております。自転車政策は現代社会の課題を解決できるんだと市民が語ってくれました。例えば、環境に優しいまちがつくれるということであり、肥満解消であったりします。
 東京都が目指す自転車専用道路も縦横に張りめぐらされ、その専用道のあり方も、先進都市らしく地域ごとに工夫がされており、今後、私たちが参考にしたい事例がたくさんありました。
 いずれにいたしましても、各調査先におきまして、現地大使館、領事館の皆様方には大変お世話になり、各地で未来の東京を描くために必要なご助言をいただいてまいりまして、改めて感謝を申し上げる次第でございます。
 我が調査団は、今後、都政の発展のため、調査結果を踏まえた質問や発言を行ってまいります。理事者の皆様にも調査の成果を積極的に捉えていただき、活用していただきますことを期待し、本会議での海外調査報告といたします。
 なお、本日は時間の制約上、全てを語ることはできませんでしたので、改めて調査報告書を上程させていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

〇議長(高島なおき君) 続きまして、五十三番小山くにひこ君。
   〔五十三番小山くにひこ君登壇〕

〇五十三番(小山くにひこ君) このたび、東京都議会を代表して、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催準備と会場計画や、国際競争力向上のための都市計画並びに交通基盤整備等を調査してまいりましたので、ご報告させていただきます。
 本調査は、平成二十六年十一月六日から十五日までの日程で、ニューヨーク、ロンドンの二都市を訪問してまいりました。
 調査団の団長を私、小山くにひこが務めさせていただき、団員に西沢けいた議員が参加をいたしました。
 今回の調査は、二〇二〇年にオリンピック・パラリンピックを開催する東京にとって参考とすべき二〇一二年のロンドン大会の会場計画と、大会開催後の後利用について調査をしてまいりました。
 また、さまざまな機関による世界都市ランキングで東京より上位のニューヨーク、ロンドンの都市計画を調査するとともに、両都市の空港行政や交通基盤整備等の状況を調査してまいりました。
 ニューヨークでは、まず、災害から人を守る都市計画として、都市型の水害対策を調査しました。二〇一二年十月のハリケーン・サンディによって、ニューヨークは大規模な浸水と停電により、甚大な人的、経済的被害が生じました。このような都市型水害からニューヨークを守るための都市計画の一つが、ビッグUと呼ばれるプロジェクトです。ビッグUは、ハリケーン・サンディによって被害を受けたマンハッタンの五十七丁目の西端から四十二丁目の東端までの周辺約十三キロメートルにわたって、U字形の地域一帯を公園や水辺空間として活用する堤防を整備する計画であります。
 同計画は、水害対策のインフラ基盤の整備という面だけでなく、市民生活の向上も図ろうとしております。地域の住民ニーズを何度となくヒアリングし、対話を重ねることでプロジェクトに反映させ、同計画が策定をされました。災害対策と都市開発を一体として行うビッグUという計画の内容や手法は、今後の都政において大変参考となるものでありました。
 次に、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港を初めとして、ニューヨーク周辺の六つの空港を管理運営していますニューヨーク・ニュージャージー港湾公社を訪問し、空港の整備の状況や空港までの交通基盤整備について調査をいたしました。
 公社が管理をしています六空港の航空需要は、二〇一四年の総旅客数一億一千六百万人が、二〇二四年に一億四千六百万人にふえ、二〇三四年には一億七千八百万人に達すると予測をされております。この需要予測に合わせて、新設の滑走路や効率的な運用によって発着数の拡大を図っていくことが示されました。
 また、公社が管理していますパストレインを初めとして、今後の空港アクセスの改善や、公社が所有していますワールドトレードセンターの再開発についても説明を受けました。ニューヨークと東京の航空需要予測に対する課題や取り組みについて有意義な意見交換をさせていただきました。
 ニューヨークでの最後の調査は、ニューヨーク市都市計画局において、ニューヨークの都市計画と公園管理局により、都市公園開発について説明を受けました。特にハドソンヤードの再開発と都市公園開発のハイラインについては、現地の視察も含め調査を行いました。
 ハドソンヤードは、鉄道の車両基地や工場や倉庫が建ち並ぶ地域でありましたが、二〇一二年のオリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムの建設予定地となりました。二〇一二年の開催がロンドンに決定した後、ニューヨーク市が設置しましたハドソンヤード・インフラストラクチャー・コーポレーションが債券を発行して、ハドソンヤード開発公団にファイナンスし、メトロポリタン交通局とニューヨーク州が協力をして歴史的な大開発事業が決行されることになりました。
 オフィススペースと住宅スペースが両立した地域において、二〇三〇年代に全工程が完了する予定となっております。新駅の設置も計画されており、ニューヨーク最大の再開発事業として注目を集めています。
 また、ハイラインについては、現在、年間四百万人の観光客が訪れるニューヨークの新たな名所となっておりますが、もとは高架の貨物鉄道であり、その廃線を保存し、遊歩道として活用することで、大成功をおさめております。
 この事業は二人の青年の活動から始まり、フレンズ・オブ・ザ・ハイラインという組織がつくられ、広範な市民運動によって遊歩道として再整備され、ニューヨークでは、メトロポリタン美術館に次ぐ二番目に観光客の多い施設となっています。ハドソンヤードとハイラインは、東京においても大いに参考とすべき開発でありました。
 次に訪問しましたロンドンでは、二〇一二年のオリンピック・パラリンピックの開催都市として、大会後の状況や各会場の後利用を中心に調査を行ってまいりました。
 ロンドン市交通局では、二〇一二年大会に合わせて整備されました交通基盤として、ジャベリンやエミレーツエアライン、ストラトフォード駅の再整備、さらには、ヨーロッパ最大の事業として建設が続いていますクロスレールについて、現地視察を含め調査を行いました。
 ロンドン市庁舎では、ボリス・ジョンソン・ロンドン市長が委員長を務めるロンドン・エンタープライズ委員会からヒアリングし、ロンドン南東部のニューアム区のテムズ川沿いのロイヤルドッグス地域の再開発や、生命科学を中心とした企業群による都市開発を行うメッドシティーなど、これからのロンドンの都市計画を調査することができました。
 二〇一二年の大会後も成長と発展を続けるロンドンの戦略は、ボリス・ジョンソン・ロンドン市長の二〇二〇年へのビジョン、地上で最も偉大な都市、ロンドンの野望の中で、ロンドンの直面する課題を取り上げ、克服するために実行すべきことを明らかにし、果敢に挑戦していこうとするビジョンが掲げられております。
 そして、今回の調査で最も重きを置きましたのが、二〇一二年のロンドン・オリンピック・パラリンピック大会の会場整備と後利用の調査であります。東京開催においても、都が整備する会場施設と後利用は極めて重要です。
 東京都は、舛添知事のもと、会場計画を見直し、再検討されておりますが、ロンドンにおいても招致決定後に会場計画を見直し、変更いたしております。特に恒久施設については、後利用の採算が見込めない施設は全て仮設や既存施設で対応したとのことでありました。
 そのような点を踏まえ、都が整備する新設予定の施設について、同じ競技が行われましたロンドン大会の競技会場の現場視察とヒアリングにより調査をしてまいりました。
 まず、競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミングが行われましたアクアティクスセンターでは、大会開催後の客席数を減らす設計やジムの併設、さらには他施設との一体的運営で効率的な施設運営を行っておりました。
 ボートやカヌーのスプリント競技が行われましたイートンドニーでは、大会開催後の施設において、パーティーなどの商業的なイベント開催によって収支の均衡を図っていることや、施設の維持管理費がかからない設計を行ったことなどの説明を受けるとともに、東京の海の森水上競技場整備に当たっての課題や留意点についてアドバイスをいただきました。
 バレーボール競技については、当初の新設会場から、ふだんは展示会などとして利用されている既存施設のアールズコートに変更し、開催をされました。
 バトミントン競技についても、整備費削減のため、当初の仮設会場を変更して、既存施設で開催をしました。
 また、葛西臨海公園の隣接地を活用した整備が検討されておりますカヌーのスラローム競技会場のリーバレー・ホワイトウオーターセンターでは、施設運営の責任者から、後利用のビジネスモデルが成立しない限り恒久施設とすべきでないなど、大変重要な指摘をいただきました。
 このほか、スポーツ・イングランドなどを訪問し、ロンドン・オリンピック・パラリンピックが残したレガシーについて調査を行いました。今回の調査は、二〇二〇年の東京開催に向けて大変参考となり、また、東京都が進めるべき会場計画や、開催準備に反映していかなければならない必要性を強く感じました。
 本日の報告は以上とさせていただき、調査の詳細につきましては後日の報告書にてお示しをしたいと思います。
 最後に、今回の調査に当たりご協力いただきました全ての皆様に深く感謝を申し上げ、調査報告とさせていただきます。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)

〇議長(高島なおき君) 以上をもって東京都議会海外調査団の報告は終わりました。

〇議長(高島なおき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十八号、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書外意見書二件、決議一件が提出をされました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(高島なおき君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月二十五日までの二十八日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(高島なおき君) ご異議なしと認めます。よって、会期は二十八日間と決定いたしました。

〇議長(高島なおき君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 舛添要一君。
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 平成二十六年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 名誉都民である西山鴻月さんが十一月三日に、同じく名誉都民である松本源之助さんが十一月十一日に逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 さて、安倍総理が衆議院を解散し、国民の信を問うことになりました。しかし、私は、首都東京のリーダーとして、都政を着実に前へと進めてまいります。日本の再浮上を確固たるものとするためにも、問題の本質を捉えた政策をスピーディーに展開し、必要があれば、国に対しても遠慮なく、声を大にして主張していく考えであります。都議会の皆様と力を合わせ、都民、国民への責任をしっかりと果たしてまいります。そして、時に大胆に挑戦し、東京が先例をつくることで日本を力強く牽引してまいります。
 まず、地方法人課税をめぐる不合理な国の措置について申し上げます。
 法人事業税の暫定措置や法人住民税の国税化は、受益と負担という地方税の原則に反し、地方分権に逆行するものであります。これらの不合理な偏在是正措置は、直ちに撤廃され、地方税として復元されなければなりません。また、法人実効税率の引き下げにおいては、地方の歳入に影響を与えないことが大前提であります。
 私は、この不合理な偏在是正措置の撤廃に向け、関東地方知事会の会長として官房長官に、また、愛知県など大都市部の五都府県市で総務大臣にも要請を行ってまいりました。都議会からも、法人実効税率引き下げや不合理な偏在是正に対する意見書を提出していただいております。都議会の皆様とともに、東京選出の国会議員や特別区長会、市長会、町村会、同じ志を持つ他の自治体と一致団結し、全力を尽くしてまいります。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。
 この際、東京一極集中という批判に対して一言申し上げます。
 本来、この問題は、明治以来の中央集権体制をどう変えていくのかという、国の形から考え直して答えを出すべきものであります。そもそも、地方の繁栄と大都市の発展は二律背反の関係ではありません。この問題を大都市対地方の対立という図式にゆがめ、経済成長をリードする大都市の活力をそぐことは、みずから国家衰退への道を選び取る愚かな選択にほかなりません。東京と地方がゼロサムゲーム的に争うのではなく、プラスサム、すなわちウイン・ウインの関係を築くことができるよう、今後も力を尽くしていく考えであります。
 本定例会には、補正予算案を提案しております。都議会の皆様からの提言を取り入れながら、オリンピック・パラリンピックの準備、水素社会の実現、切実な都民ニーズがある福祉政策、危険ドラッグや災害対策といった都民の安全・安心の確保など、世界一の都市東京の早期実現に資する中身を計上いたしました。
 この補正予算は、二〇二〇年とその先の明るい未来に向けて、スタートダッシュを切る予算と位置づけております。そして、来年度予算ではギアをトップへと上げて、さらに政策の効果を全国的に波及させることで、日本全体の発展につなげていくつもりであります。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックという大きな目標を前にして、ともすれば六年後ばかりに目を奪われがちでありますが、大切なのは、東京で生まれて、東京で暮らせてよかったと都民が実感できるまちにしていくことであります。都民の暮らしを脅かす切実な課題に正面から取り組み、安全・安心という都政の礎をしっかりと築いてまいります。
 エボラ出血熱が世界中を不安に陥れております。都内でも感染の疑い例が発生し、検査の結果は幸い陰性でありましたが、対応に当たってさまざまな課題が浮かび上がってまいりました。エボラ出血熱など一類感染症患者を受け入れる医療機関として都内で指定されておる四病院のうち、三つは都立病院、公社病院であります。都では、関係部局や保健所などによる連絡会議を立ち上げるとともに、感染の発生を想定した訓練を行うなどの対応をとっております。
 私は、厚生労働大臣として新型インフルエンザの対応を経験したときに、いざ危機に直面した際には、現場からの情報、現場の経験、そこから生まれる知恵が大きな力になることを学びました。現場を持つ東京都は、国や区市町村、九都県市などとも緊密に連携しながら、引き続き緊張感を持って対応してまいります。
 喫緊の課題であります危険ドラッグにつきましては、さきの定例会で可決いただいた改正条例で、警察官にも立入調査権限が付与されることから、福祉保健局と警視庁が連携をより強化し、対策を進めてまいります。インターネット上の膨大なデータを解析して販売店舗を把握し、流通実態を調査するほか、プロバイダーに対し販売サイトの削除を要請するなど、監視指導も強化してまいります。安易に危険ドラッグに手を出すことがないよう、普及啓発にも一層力を入れていきたいと思います。
 また、交通事故による死者数が、昨年を上回りかねないペースで増加しております。都では、警視庁を中心に重点的な対策を講じておりますが、都民の皆様も事故に遭わない、起こさないよう、交通ルールの遵守、交通安全の推進に特段のご理解とご協力をお願いいたします。
 さて、昨年十月に大島で発生した土砂災害から一年がたち、先月、追悼式に参列してまいりました。大島の方々の苦しみ、悲しみをしっかりと胸に刻み、その経験を今後の災害対策に生かしてまいります。
 土砂災害警戒区域等の指定に先立つ基礎調査を加速させ、従来の計画を二年前倒しして、平成二十九年度までに都内全地域の調査を完了させたいと思います。さらに、その結果を速やかに公表することで、円滑な避難行動、警戒避難体制の整備を促進してまいります。
 また、大規模自然災害等から都民、国民の命を守り、日本の首都である東京が機能不全に陥ることがないよう、東京都国土強靱化地域計画の策定に着手してまいります。
 続きまして、小笠原諸島や伊豆諸島の周辺海域における中国漁船の違法操業について申し上げます。
 これは、我が国の領海と排他的経済水域の権益を侵すばかりでなく、地元漁業者の操業に著しく支障を来し、住民にも不安を抱かせるものであります。私は、中国政府に対し、再三、事態の改善を強く求め、また、官房長官にも会い、安倍総理に対し実効性ある対策を求めました。十二月一日には、高島なおき議長を初め都議会の方々とともに小笠原に行って、この目で現地の状況を確認してまいります。
 現場で取り締まりに当たっている海上保安庁や水産庁の方々の努力に対し、感謝申し上げます。東京都におきましても、漁業調査指導船が海上の監視に当たっているほか、警視庁の機動隊員などが島の警備に当たっております。昨日の時点で、周辺の海域から中国漁船が姿を消したということでありますが、貴重な水産資源を守り、住民の安全・安心な暮らしを確保するため、引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、福祉政策の充実について申し上げます。
 先般、国際パラリンピック委員会のフィリップ・クレイヴァン会長と親しく懇談する機会を得ました。パラリンピック選手は、体の不自由なところを気にするよりも、使える部分を最大限に生かすことを考えている、自身も障害者であるクレイヴァン会長がそのときおっしゃっていた言葉は、ノーマライゼーションの思想を表現した大変勇気づけられるものでありました。パラリンピックの開催都市でもある東京も、ノーマライゼーションという社会福祉の基本原理が当たり前に通用する都市にしていかなければなりません。
 とりわけ、ソフト面、心のバリアフリーが大切だと思います。例えば、車椅子の方が困っているときに、周りの人たちが少し勇気を出して手をかせるようになればすばらしいことであり、そうした機運の醸成に一層力を入れていきたいと思います。
 障害者の方が地域で安心して生活できる基盤も充実させてまいります。定期借地権の一時金への補助を拡充し、借地を活用した施設整備も新たに支援することで、グループホームなどの整備を促進してまいります。さらに、既存の家屋などを借り上げた短期入所施設の新設、増設も新たに支援し、在宅サービスの充実を図ってまいります。
 少子高齢化社会への対策にも積極的に取り組んでまいります。
 整備を促進している特別養護老人ホームについては、土地の値段が高いことに加え、資材価格の高騰もネックとなってきており、建築価格の上昇に対応するための支援策を緊急的に講じてまいります。また、地域医療介護総合確保基金を新たに造成し、その一部を直ちに事業化して、在宅療養の基盤整備や医療従事者の確保も進めたいと思います。
 待機児童ゼロに向けた保育サービスの充実にも取り組んでまいります。来年度の子ども・子育て支援新制度の開始に向けて、事業所内保育施設が地域の子供たちを受け入れ、認可施設へと移行するために必要な改修の費用などを支援してまいります。さらに、保育人材を確保し、離職防止を図るため、保育従事者のための宿舎借り上げを支援することで、働きやすい環境を整えてまいります。
 続いて、雇用就労対策についてであります。
 恒産なければ恒心なし、安定した職業という基礎があればこそ、人々は豊かさを実感できます。私は、働く人の三分の一が非正規という状況は尋常ではないと、そういう強い問題意識を持っております。安定した仕事につきたいと望む非正規の方々への就職支援を、今後の都の重点政策に位置づけてまいります。都が積極的に動いて、国も巻き込んでいくことで、非正規の方々の正社員への転換を強力に推し進めていく考えであります。
 大都市東京では、フリーターを初めとする若者の就労の問題、例えば高校を中退した若者が就職も復学もしないままフリーターになってしまう問題、あるいは福祉分野における人手不足など、さまざまな課題が顕在化しております。これらの課題に総合的に取り組むため、産業労働局、福祉保健局、教育委員会など都の関係部署が連携し、総力を挙げて対策を進めてまいります。国の機関であります東京労働局と協議する場も創設するなど、雇用就労対策には一層力を入れていきたいと思います。
 先月、ロンドンとベルリンを訪問いたしました。十八世紀、十九世紀にパクス・ブリタニカを築き上げたイギリスの首都ロンドンは、その後の歴史の激動の中で、さまざまな困難を克服して、その活力を再び取り戻し、今日の地位を築きました。ボリス・ジョンソン市長とは、二〇二〇年大会開催に向けてのサポートや都市マネジメント分野などで、今後、協力関係を築いていくことで合意いたしました。
 ベルリンも、そのロンドンとしのぎを削ってきた都市であります。東京とは友好都市二十周年であり、今後、都市づくり、環境、文化交流の分野で協力を進めていくことで、クラウス・ヴォーヴェライト市長と合意書を交わしました。
 世界の国々、世界の都市との友好関係を築くことで、オリンピック・パラリンピックを成功に導き、さらに、防災、テロ対策、少子高齢化、環境、観光振興、文化振興など、東京都が進める政策を後押しする観点からも、都市外交を効果的に展開するための基本戦略を検討しておりましたが、先般、その素案を発表いたしました。特に都市外交の要諦は、人と人との活発な交流であり、新たに人材育成のための基金を創設したいと考えております。年内には最終的な方針をまとめ、都民生活の向上に資する都市外交を進めてまいります。
 二〇一二年大会が大成功をおさめたロンドンでは、元ロンドン大会組織委員会CEOのポール・ダイトン卿のお話を直接伺ったほか、オリンピックパークを初め多数の会場の大会後の姿を自分の目で確認してまいりました。六月の所信表明以来、組織委員会の森会長とともに、IOCを初め国内外の競技団体とも意見を交換しながら、二〇二〇年大会の会場計画の再検討を慎重に進めてまいりました。そして、都が整備を受け持つ十の競技会場について、東京の将来に責任を持つ知事として、確実に大会を成功させる責任を持つ開催都市の長として決断いたしました。
 夢の島ユース・プラザ・アリーナA、Bと若洲オリンピックマリーナの三施設については、新設を中止して既存施設を活用することにいたします。海の森水上競技場は整備内容を大幅に見直し、また、葛西臨海公園のカヌースラローム競技会場については、自然環境等に配慮した結果、隣接地を活用して整備することにいたしました。その他の施設は、現計画地において整備をいたしますが、今後も既存の公園施設などへの影響について検討を継続してまいります。
 再検討に当たりましては、選手第一という視点に十分配慮をしております。また、見直しを行わなかった場合と比べ、全体としておおむね二千億円程度の整備費圧縮も可能と見込んでおります。今後も関係者の協力を得ながら、整備費の縮減に努めてまいります。しかし、それだけに目を奪われて、大会後も都民に利用され喜ばれる施設にするという見直しの本来の目的を忘れてはなりません。この二つのバランスを常にとりながら、会場計画をさらにブラッシュアップしていく計画であります。
 改めて申し上げるまでもなく、二〇二〇年は終着点ではありません。その先も、東京と日本が発展するための通過点であります。オリンピック・パラリンピックが終わった後で、整備した競技会場が使われず、周辺のまちもゴーストタウンのようになっては、大会自体が幾ら盛り上がったところで、成功とはいえません。
 来月お示しする長期ビジョンで、東京の将来像を形づくる有形無形のレガシーをまず明らかにする考えであります。そのレガシーを具体化していくため、同時並行的に立ち上げたレガシー委員会が動き出しております。この委員会は私が直轄して、私の責任のもとで東京の未来像を描きます。選手村や競技会場を整備する臨海部などでは、まちづくりと一体となった総合的なプランが必要であり、民間の知恵や地域の声を集め、検討を進めてまいります。委員会での検討内容を反映させ、レガシーの全体像をレガシービジョンとしてまとめてまいります。
 さらに、そのレガシーをインフラや拠点の整備、防災都市づくりはもとより、環境、文化などの観点も加えながら、今後の都市づくりに効果的に組み込み、都市の持続的な発展に結びつけるための検討を続けてまいります。国や区市町村などとも連携し、最終的には、二〇二〇年大会のさらに十年後、さらに二十年後を見据えた東京全体の都市づくりのグランドデザインとして明らかにしたいと思います。
 多くの海外からのお客様をお迎えするため、観光施策も積極的に進めてまいります。東京の玄関口、羽田空港内の観光情報センターを二十四時間化するなど、案内機能を強化したいと思います。また、外国人旅行者が多く集まるまち中で、ボランティアの方が外国語で案内する街なか観光案内を来年度から実施する準備を進めてまいります。
 この街なか観光案内を含む観光ボランティアにおいては、参加する人がチームとして一体感を感じられるようなユニホームの作成やチーム名の公募を行いたいと思っております。二〇二〇年大会に向けて、メディアも活用しながら、ボランティア機運の醸成につなげていきたいと思います。
 政府や民間団体とともに検討を重ねてまいりました多言語対応協議会は、一昨日、交通機関や飲食店、宿泊施設などでの取り組み方針を固めました。例えば、飲食店では、食材をピクトグラム化し、アレルギーや宗教上の理由で食べられない食材が入っていないか視覚的にわかるようにいたします。今後、全国知事会とも連携して、この取り組みを日本中に広げてまいります。
 Wi-Fiの整備やデジタルサイネージの活用も含め、こうした外国人観光客の受け入れ環境の整備を、今後五年間で官民一体となって集中的、計画的に進めるため、新たな指針を年内に定めたいと思います。
 また、東京を訪れた旅行者が日本各地に足を伸ばし、その魅力を味わっていただくことは、リピーターをふやし、東京にとっても、日本全体にとってもメリットが大きいと思います。まずは、東北六県と仙台市、さらに民間を交え、広域の観光ルート作成などについて協議を始めます。東京が先頭に立ち、日本全体での旅行者誘致を進めてまいります。
 海外からのお客様へのおもてなしをテーマに、先般、小金井市で都民の方々とシンポジウムを行いました。会の最初にこういう質問をしたんです。外国人が話しかけてきたら、おもてなしできますか。ほとんどの方が、自信がない、そっちの方に手を挙げた。しかし、英語の寸劇で道案内の事例を紹介しました。私もエキストラとして、その寸劇に参加いたしました。そうしますと、会の終わりに同じ質問をしたら、ほとんどの方が、それぐらいなら私だってできますよと、こう手を挙げてくださったんです。
 こんなほんの小さなきっかけとやる気で、外国人に気持ちを十分伝えることができるわけであります。こうした動きをさらに盛り上げていきたいと思いますし、都議会の先生方のご地元においても、ぜひそういう取り組みを盛んに進めていただきたいとお願いいたしたいと思います。
 二〇二〇年には、大会運営に当たるボランティアが約八万人、観光案内や交通案内を行うボランティアが一万人以上必要になると想定しております。今後、ボランティアの裾野を拡大するための戦略を策定し、組織委員会や区市町村、民間企業と密接に連携しながら、機運醸成を図っていきたいと思います。
 世界中の方々をおもてなしするに当たり重要なことは、安全・安心と快適さを両立させることであります。二〇二〇年大会に向けてテロ対策を強化し、その質をさらに高め、東京が誇る最高の治安の中で、お客様が東京のまちを楽しめるようにしていきたいと思っております。
 一九六四年のオリンピックでは、新幹線が初めて走り、日本の社会の形が大きく変わりました。そして、二〇二〇年、この変革に当たるものが、水素社会の実現だと思っております。ロンドンに参った際に、チャタムハウスやジャパンソサエティーで、東京、何考えてんだということを直接英語で発信させていただきました。そのときに出た質問が、舛添知事、新幹線が五十年前、残りましたね、あなたは二〇二〇年の後、何残すんですか。私の答えは水素社会。つまり、この水素社会というのは、先般、実際に燃料電池車に試乗して都庁の周りを走りましたけれども、物すごく静かですね。非常に静かで、加速していただくとガソリン車と全く遜色ありませんでした。東京オリンピック・パラリンピック大会では、競技会場と選手村の間の輸送には、燃料電池車や電気自動車等の次世代自動車だけを走らせたいと思っております。
 燃料電池車は、国を挙げて普及を推し進める段階に入っておりまして、東京都は今般、目標数値を定め、取り組むべき方策をまとめました。まず、都内に水素ステーションを二〇二〇年までに三十五カ所設置し、その後、五年間で八十カ所にふやします。三十五カ所あれば、最寄りのステーションまでの到達時間は大体十五分程度でありまして、十分実用に耐え得ると思います。燃料電池車も二〇二〇年までに六千台、その五年後には十万台普及させ、都みずからも都営バスに率先して燃料電池バスを導入し、民間を先導してまいります。さらに、家庭用燃料電池を二〇三〇年には百万台にまでふやしたいと思います。実用化の初期段階を強力にバックアップすることで、普及を加速させてまいります。
 この水素で走る自動車について利点。車一台のその設備で、直下型地震、例えば起こって停電したときに、おうち一軒分の電力はその車で賄えます。都バスがもしそうであれば、小学校一つ分の電池が賄えます。そういう危機管理の役にも立つということを強調しておきたいと思います。
 さて、再生可能エネルギーにつきましても、消費電力に占める割合を現状の六%から、二〇二四年には二〇%にまで高めたいと思っております。私は何とか二〇二〇年までに二〇%ということを申し上げておりました。しかし、検討会で専門家の皆様方とよくよく検討すると、ちょっとそれは不可能に近いということで、十年後の二〇二四年に二〇という数字、これでも非常に大胆な数字だと思いますが、都民の皆さん、そして都議会の皆さんのご協力いただいて、必ずこの数字を実現したいと思っております。
 そして、環境問題に取り組む上で忘れてはならないのが、使用するエネルギーの総量を減らして、可能な限り自然への負荷を減少させるということであります。
 二〇二〇年までに二〇〇〇年比で二〇%の省エネを実現するという現在の目標については、これまでの取り組みを着実に実施すれば達成できると見込んでおります。そこで、さらに意欲的な取り組みに踏み込むべく、今後二〇三〇年まで、二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減するという新たな省エネ目標を定めました。建物の断熱性能の向上や燃料電池の普及など、家庭、産業、業務、運輸それぞれの部門の省エネ対策を支援しながら、目標達成に向けて取り組んでまいります。
 スマートシティーの試みは、神奈川県で行われております。ベルリンを見てまいりました。そしてベルリンでは、日独センターにおいて私も講演をして、ベルリンと東京でスマートシティーを目指そうと、そういう話をいたしました。
 このロンドンとベルリンでは、さらに自転車の活用の状況も見てまいりました。それぞれ道路事情、利用の状況などはさまざまでありますが、大変参考になりました。当然、東京には東京の実情があります。今後、自転車走行空間の整備やシェアサイクルなど、東京と日本にふさわしい自転車政策をしっかりと進めていく考えであります。
 ロンドンではチャタムハウスで、先ほど申しましたように、東京の将来像とそれに向けた政策を紹介し、シティーで金融の第一線で活躍する方々と東京国際金融センター構想について議論してまいりました。その中で感じましたのは、世界中から資金、人材、情報が集まるロンドンのすごさであります。
 私の記憶が正しければ、ロンドンの銀行家の四分の三は、イギリス人じゃなくて外国人であります。これがまさに国際金融都市ということでありまして、そこにはこの資金、人材、情報が集まっていますから、大きなビジネスチャンスが生まれるわけであります。金融の力は集積にあるということをロンドンで改めて認識した次第であります。
 日本経済の機関車たる東京を国際金融の拠点にして、世界の富を日本へ呼び込まなければなりません。国内外から多数の金融関係者が集まる国際会議を国や民間と協働して開催するなど、国際金融都市東京を国内外にプロモートする具体的な戦略を早急に立ててまいります。
 国家戦略特区の取り組みも具体的に進め始めております。グローバル企業やベンチャー企業の活動を後押しする雇用労働相談センターの来年一月の開設を目指してまいります。さらには、海外から家族と赴任するビジネスパーソンにとって、日本での子供の教育は大変気がかりな問題でありまして、外国企業が集まる都心部のインターナショナルスクールを充実させていきたいと考えております。
 また、特区の区域内では、まちづくりの機運が高い地域に道路管理の一部を担ってもらい、地域の人がみずからの創意工夫で景観に配慮した道路など質の高い公共空間や、新しいにぎわいを生み出す方策を検討しております。規制緩和で、地元企業などから成る地域団体がオープンカフェや広告、イベントなどを展開することを可能にして、その収益を道路管理や地域の魅力向上に役立てる新たな仕組みをつくってまいりたいと思っております。
 隅田川を中心とした地域、東京スカイツリーの脇を流れる北十間川のような隅田川に通じる川筋は、江戸の昔からにぎわいにあふれ、独特の和の情緒を醸し出してきました。浅草寺とスカイツリーが伝統と現代を鮮やかに両立させている浅草地域、国技館や旧安田庭園など歴史と文化が色濃い両国地域など、隅田川に沿って観光、文化施設が点在しております。
 地元区や民間企業とも協力し、こうした施設と川の結びつきを強め、テラスの連続化や夜間照明、船を使った移動の活性化などにより、かいわいのにぎわいをさらに引き出してまいります。東京の顔として、ウオーターフロントの魅力を高めていきたいと思います。
 さて、ことしのノーベル物理学賞は、赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの三氏が、青色発光ダイオードの開発で受賞することが決まりました。まさしく、ものづくり大国日本の面目躍如であります。
 東京の中小企業でも、すぐれた技術が次々と生み出されております。先日、東京都ベンチャー技術大賞の表彰式に出席してまいりました。ことしの大賞は、文章をパソコンなどに入力すると、実在の人の声で再現することができる画期的な音声の合成技術であります。こうした東京の中小企業の技術が、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックでも大いに活用されることを期待しております。
 卓越した技術を生み出すのは、すぐれた人材であります。都民の活躍をしっかり支え、東京に集う人材の力を最大限引き出してまいります。
 東京の人材を考えたときに、最も潜在力を有しているのが女性だと思います。来年度、東京都の政策の方向性を示す女性活躍推進白書を出し、多様なライフスタイルに応じた実効的な取り組みにつなげていきたいと思います。また、国際レベルでの活躍推進のネットワークを構築するため、有識者へのヒアリングを行い、人材交流の促進も検討してまいります。中小企業での女性活躍を後押しするための人材育成プログラムも、来年度から実施すべく準備を進めていきたいと考えております。
 グローバル化が進む中にあって、国際感覚を備え、世界の舞台で活躍できる人材を育てることは、首都東京の大きな責任であると思います。
 教員の指導力を向上するため、国際協力機構、JICAとの連携を強化いたします。青年海外協力隊員の派遣前訓練に準じた体験研修である東京グローバル・ユース・キャンプに公立学校の教員を参加させ、異文化理解を深め、国際貢献意欲を高めます。また、青年海外協力隊の経験をした方を教員として新たに採用するほか、現職教員の協力隊への派遣を拡大し、帰国後は国際貢献の経験を教育に還元してまいります。
 広い世界観と問題意識、たくましい精神力、高度なコミュニケーション能力を身につけた教員が子供たちへの教育に当たることで、グローバル人材育成の基盤を強化していきたいと考えております。
 先般、全国知事会の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会推進本部では、大会の成功と日本全体の成長に向けた取り組みを、オールジャパンで推し進めることを決議いたしました。オリンピック・パラリンピックには、不可能を可能に変え、社会を変革する力があります。その力を引き出し、五十年後、百年後、私たちの子や孫に、東京と日本に何を残せるのか、そのレガシーこそが最も大切なものであります。今後は、そのことを基軸に据えた都政を展開してまいります。そして、長期ビジョンを仕上げ、来年度の予算編成にも臨んでまいります。
 ロンドンでポール・ダイトン卿は、こう述べておりました。成功への鍵は人々に自分たちの大会だと感じてもらうことである。
 二〇二〇年大会も、国民一人一人の力を結集し、史上最高のオリンピック・パラリンピックを実現し、すばらしいレガシーを残していきたいと思っております。
 都議会の皆様、都民、国民の皆様のお力添えをお願い申し上げます。
 なお、職員の給与につきましては、人事委員会の勧告を踏まえ、勤勉手当の支給月数の引き上げなどを内容とする条例改正案を提案しております。信賞必罰を徹底し、職員の力を存分に引き出すことで、都民サービスの充実を図ってまいります。
 本定例会には、これまで申し上げたものも含め、予算案二件、条例案五十三件など、合わせて八十五件の議案を提案しております。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)

〇議長(高島なおき君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入られることを望みます。

〇議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(高島なおき君) 異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入ることに決定いたしました。

〇議長(高島なおき君) 日程第一から第六まで、第二百十一号議案、東京都営住宅条例の一部を改正する条例外議案五件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事安藤立美君。
   〔副知事安藤立美君登壇〕

〇副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました六議案についてご説明申し上げます。
 いずれも条例案でございまして、まず、第百八十六号議案から第二百六号議案までの四議案は、東京都人事委員会勧告等を踏まえ、職員の給与等に関して所要の改正を行うものでございます。
 第二百十一号議案及び第二百十二号議案は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部改正に伴い、規定の整備を行うものでございます。
 よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(高島なおき君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に関する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(新美大作君) 人事委員会の回答は、第百八十六号議案、第百八十七号議案、第百八十九号議案及び第二百六号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

二六人委任第一〇七号
平成二十六年十一月二十七日
東京都人事委員会委員長 関谷 保夫
 東京都議会議長 高島なおき殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十六年十一月二十一日付二六議事第二九二号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百八十六号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
二 第百八十七号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
三 第百八十九号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
四 第二百六号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております第二百十一号議案外五議案については、委員会付託を省略されることを望みます。

〇議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(高島なおき君) ご異議なしと認めます。よって、第二百十一号議案外五議案は、委員会付託を省略することに決定いたしました。

〇議長(高島なおき君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一及び第二、第二百十一号議案、東京都営住宅条例の一部を改正する条例外議案一件を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり可決されました。

〇議長(高島なおき君) 次に、日程第三から第六まで、第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案三件を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり可決されました。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 日程の順序を変更し、追加日程第一から第四までを先議されることを望みます。

〇議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(高島なおき君) ご異議なしと認めます。よって、日程の順序を変更し、追加日程第一から第四までを先議することに決定いたしました。

〇議長(高島なおき君) 追加日程第一、議員提出議案第十八号、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書を議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十八号
領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十六年十一月二十八日
(提出者)
小林 健二  加藤 雅之  川松真一朗
山内  晃  栗山よしじ  小松 大祐
鈴木 章浩  大津ひろ子  石川 良一
宮瀬 英治  おときた駿  田中  健
斉藤やすひろ 栗林のり子  遠藤  守
伊藤こういち 堀  宏道  河野ゆうき
柴崎 幹男  ほっち易隆  舟坂ちかお
清水 孝治  島崎 義司  やながせ裕文
田中 朝子  塩村あやか  中山ひろゆき
西沢けいた  大松あきら  中山 信行
吉倉 正美  上野 和彦  鈴木 錦治
木村 基成  高椙 健一  栗山 欽行
大場やすのぶ 和泉 武彦  近藤  充
小宮あんり  三宅 正彦  野上ゆきえ
上田 令子  小山くにひこ あさの克彦
新井ともはる まつば多美子 高倉 良生
橘  正剛  野上 純子  谷村 孝彦
桜井 浩之  きたしろ勝彦 松田やすまさ
山崎 一輝  神野 次郎  菅野 弘一
北久保真道  田中たけし  神林  茂
宇田川聡史  高橋 信博  両角みのる
中村ひろし  島田 幸成  今村 るか
大西さとる  東村 邦浩  小磯 善彦
鈴木貫太郎  木内 良明  秋田 一郎
中屋 文孝  早坂 義弘  崎山 知尚
鈴木 隆道  鈴木あきまさ 山加 朱美
高橋かずみ  相川  博  山田 忠昭
服部ゆくお  こいそ 明  田島 和明
斉藤あつし  尾崎 大介  石毛しげる
藤井  一  長橋 桂一  中嶋 義雄
ともとし春久 古賀 俊昭  林田  武
高木 けい  村上 英子  吉原  修
野島 善司  三宅 茂樹  川井しげお
高島なおき  立石 晴康  吉野 利明
野村 有信  内田  茂  酒井 大史
山下 太郎
東京都議会議長 高島なおき殿

領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書
 我が国の国土面積は世界第六十二位であるが、排他的経済水域を加えると世界第六位の広さとなる。それはすなわち、我が国が広い海洋と長い海岸線を持ち、安全保障の面では領土・領海、排他的経済水域の守りが大変難しいことを意味している。
 平成二十二年に発生した尖閣諸島における漁船衝突事件は、領土・領海に対する国民の意識を大きく喚起したが、その後、同諸島の一部が国有化されたものの、我が国全体の領土・領海の守りが強化されたとの実感は薄い。
 それを裏付けるかのように、都の小笠原海域では、本年九月から最大で二百隻を超える中国漁船が確認され、領海侵犯事件が発生している。海上保安庁などの粘り強い努力にもかかわらず、多数の中国漁船が領海及び排他的経済水域内に長期にわたり居座り続け、さらに、中国漁船の一部は、北上して伊豆諸島海域の領海侵犯に及んでいる。このことによる漁業、観光業等への影響は著しく、伊豆・小笠原諸島の島民の安全な生活環境が脅かされている。
 そもそも、この問題は、宝石サンゴといわれる赤サンゴの違法採取を目的とした中国漁船の無法な行いによるものであり、中国政府には自国民の法令順守への取組を強く求めるとともに、我が国もこうした事案に対しては、法と正義に基づいて、厳正に対処すべきものであることは言うまでもない。
 よって、東京都議会は、この異常事態を早急に改善するよう、中国政府に厳重なる抗議の意思を表明するとともに、国会及び政府に対し、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を図るためのあらゆる手段を講じるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十六年十一月二十八日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
防衛大臣
警察庁長官 宛て

〇議長(高島なおき君) 本案に関し、四十八番三宅正彦君より趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 四十八番三宅正彦君。
   〔四十八番三宅正彦君登壇〕

〇四十八番(三宅正彦君) 私は、ただいま上程となりました本議案に対して、伊豆・小笠原諸島選出の唯一の東京都議会議員として、提案理由の説明を行います。
 本年九月五日、小笠原諸島に見なれない漁船が近づいていることが確認されました。日増しに数のふえる漁船が中国国旗を掲げて近づいてくるのが確認されたのは、その数日後のことでした。
 小笠原海域には、以前から、まれにそうした船が来ることがあっても、今回のような大船団を組んで来たことはなく、夜ともなれば、島から目視できる距離に多数のいさり火が不気味にともる光景が、多くの島民を不安にさせました。また、中国漁船の一部は北上して伊豆諸島海域にまで及びました。
 中国大陸から二千キロメートル以上離れている小笠原海域に来る彼らの目的は、宝石サンゴといわれる赤サンゴの密漁であり、既に中国では採取を禁じられていることから、特に品質のよい日本産の赤サンゴは中国では極めて高値で取引されていると聞きます。
 赤サンゴの生息地はほぼ全て領海内であり、彼らの領海侵犯は明白です。また、彼らの漁法は極めて乱暴で、おもりのついた底引き網のような漁網で海底をくまなくさらっていくことから、漁場は破壊され、赤サンゴ以外の海洋生物、例えば貴重なウミガメなども一網打尽にされます。世界自然遺産に登録された東京都の貴重な自然が、このような無法者たちに荒らされることは、私は黙って見ているわけにはいきません。
 先般、小笠原村の森下村長や同志の議員とともに、官房長官、国土交通大臣を初め、防衛省、農林水産省に現下の窮状を訴えてまいりました。しかし、東京都の小笠原諸島がこのような状況にあることを、都が声を大にして訴えずにして、誰が救いの手を差し伸べてくれるのでしょうか。
 来週、舛添知事が父島を訪れます。報道では、きのう、周辺海域から中国漁船が姿を消したとのことですが、予断は許されず、また再び起こり得ることもあります。現地の切実な声を聞き、東京都の領海や排他的経済水域が侵されていることについて、しっかりと受けとめていただきたいと思います。
 そして、私たち都議会も力を合わせて、こうした不法行為を断固として許さない姿勢を表明すべきと考えます。領土、領海、排他的経済水域を守ることは、第一義的には国の責務であることから、私は、国会及び政府に対して、東京都議会の強い決意を込めて意見書を提出することを、以下、案文を朗読し、提案いたします。
領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書
 我が国の国土面積は世界第六十二位であるが、排他的経済水域を加えると世界第六位の広さとなる。それはすなわち、我が国が広い海洋と長い海岸線を持ち、安全保障の面では領土・領海、排他的経済水域の守りが大変難しいことを意味している。
 平成二十二年に発生した尖閣諸島における漁船衝突事件は、領土・領海に対する国民の意識を大きく喚起したが、その後、同諸島の一部が国有化されたものの、我が国全体の領土・領海の守りが強化されたとの実感は薄い。
 それを裏付けるかのように、都の小笠原海域では、本年九月から最大で二百隻を超える中国漁船が確認され、領海侵犯事件が発生している。海上保安庁などの粘り強い努力にもかかわらず、多数の中国漁船が領海及び排他的経済水域内に長期にわたり居座り続け、さらに、中国漁船の一部は、北上して伊豆諸島海域の領海侵犯に及んでいる。このことによる漁業、観光業等への影響は著しく、伊豆・小笠原諸島の島民の安全な生活環境が脅かされている。
 そもそも、この問題は、宝石サンゴといわれる赤サンゴの違法採取を目的とした中国漁船の無法な行いによるものであり、中国政府には自国民の法令順守への取組を強く求めるとともに、我が国もこうした事案に対しては、法と正義に基づいて、厳正に対処すべきものであることは言うまでもない。
 よって、東京都議会は、この異常事態を早急に改善するよう、中国政府に厳重なる抗議の意思を表明するとともに、国会及び政府に対し、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を図るためのあらゆる手段を講じるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

〇議長(高島なおき君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。
 なお、本案に対し、十四番米倉春奈さん外十六名より修正動議が提出されました。これを本案とあわせて議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十八号
領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書に対する修正動議
 右の動議を別紙のとおり地方自治法第百十五条の三及び東京都議会会議規則第十三条の規定により提出します。
  平成二十六年十一月二十八日
(提出者)
米倉 春奈  白石たみお  里吉 ゆみ
和泉なおみ  尾崎あや子  徳留 道信
河野ゆりえ  小竹ひろ子  畔上三和子
大島よしえ  松村 友昭  植木こうじ
かち佳代子  曽根はじめ  清水ひで子
大山とも子  吉田 信夫
東京都議会議長 高島なおき殿

議員提出議案第十八号
領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書に対する修正案
一 修正箇所
 本文中「のあらゆる手段を講じる」を「、法と正義に基づいて厳正に対処する」に改める。
二 修正理由
 「あらゆる手段」では、自衛隊による軍事的手段をも含めることになり、日中間の緊張激化と戦争の危険を招くことになる。強力な外交と海上保安庁等による警戒と取締りの強化で問題の解決を図るべきである。
領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を求める意見書
 我が国の国土面積は世界第六十二位であるが、排他的経済水域を加えると世界第六位の広さとなる。それはすなわち、我が国が広い海洋と長い海岸線を持ち、安全保障の面では領土・領海、排他的経済水域の守りが大変難しいことを意味している。
 平成二十二年に発生した尖閣諸島における漁船衝突事件は、領土・領海に対する国民の意識を大きく喚起したが、その後、同諸島の一部が国有化されたものの、我が国全体の領土・領海の守りが強化されたとの実感は薄い。
 それを裏付けるかのように、都の小笠原海域では、本年九月から最大で二百隻を超える中国漁船が確認され、領海侵犯事件が発生している。海上保安庁などの粘り強い努力にもかかわらず、多数の中国漁船が領海及び排他的経済水域内に長期にわたり居座り続け、さらに、中国漁船の一部は、北上して伊豆諸島海域の領海侵犯に及んでいる。このことによる漁業、観光業等への影響は著しく、伊豆・小笠原諸島の島民の安全な生活環境が脅かされている。
 そもそも、この問題は、宝石サンゴといわれる赤サンゴの違法採取を目的とした中国漁船の無法な行いによるものであり、中国政府には自国民の法令順守への取組を強く求めるとともに、我が国もこうした事案に対しては、法と正義に基づいて、厳正に対処すべきものであることは言うまでもない。
 よって、東京都議会は、この異常事態を早急に改善するよう、中国政府に厳重なる抗議の意思を表明するとともに、国会及び政府に対し、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益確保を図るため、法と正義に基づいて厳正に対処するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十六年十一月二十八日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
防衛大臣
警察庁長官 宛て

〇議長(高島なおき君) これより採決に入ります。
 まず、米倉春奈さん外十六名より提出されました修正案について、起立により採決をいたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
 次に、原案について起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立多数と認めます。よって、本案は原案のとおり可決されました。

〇議長(高島なおき君) 追加日程第二、議員提出議案第十九号、地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書を議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十九号
地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十六年十一月二十八日
(提出者)
小林 健二  加藤 雅之  川松真一朗
山内  晃  栗山よしじ  小松 大祐
鈴木 章浩  大津ひろ子  石川 良一
宮瀬 英治  おときた駿  小松 久子
田中  健  斉藤やすひろ 栗林のり子
遠藤  守  伊藤こういち 堀  宏道
河野ゆうき  柴崎 幹男  ほっち易隆
舟坂ちかお  清水 孝治  島崎 義司
やながせ裕文 田中 朝子  塩村あやか
山内れい子  中山ひろゆき 西沢けいた
大松あきら  中山 信行  吉倉 正美
上野 和彦  鈴木 錦治  木村 基成
高椙 健一  栗山 欽行  大場やすのぶ
和泉 武彦  近藤  充  小宮あんり
三宅 正彦  野上ゆきえ  上田 令子
西崎 光子  小山くにひこ あさの克彦
新井ともはる まつば多美子 高倉 良生
橘  正剛  野上 純子  谷村 孝彦
桜井 浩之  きたしろ勝彦 松田やすまさ
山崎 一輝  神野 次郎  菅野 弘一
北久保真道  田中たけし  神林  茂
宇田川聡史  高橋 信博  両角みのる
中村ひろし  島田 幸成  今村 るか
大西さとる  東村 邦浩  小磯 善彦
鈴木貫太郎  木内 良明  秋田 一郎
中屋 文孝  早坂 義弘  崎山 知尚
鈴木 隆道  鈴木あきまさ 山加 朱美
高橋かずみ  相川  博  山田 忠昭
服部ゆくお  こいそ 明  田島 和明
斉藤あつし  尾崎 大介  石毛しげる
藤井  一  長橋 桂一  中嶋 義雄
ともとし春久 古賀 俊昭  林田  武
高木 けい  村上 英子  吉原  修
野島 善司  三宅 茂樹  川井しげお
高島なおき  立石 晴康  吉野 利明
野村 有信  内田  茂  酒井 大史
山下 太郎
東京都議会議長 高島なおき殿

地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書
 地方が自立し、地域の課題を主体的に解決していくためには、更なる地方分権の推進と財政自主権の確立により、自らの権限と財源に基づいて行財政運営を行うことが不可欠である。
 しかしながら、地方法人特別税・地方法人特別譲与税や今年度新たに導入された地方法人税は、受益と負担という地方税の原則に反し、地方分権の流れに逆行するものであり、地方自治の本旨にもとるものである。
 さらに、来年度から予定されている法人実効税率の引下げにおいては、全ての地方自治体の歳入に影響を与えないことが大前提であり、また、地方自治体が行う超過課税は、憲法で保障された課税自主権に基づくもので、地域の実情に応じた行財政運営を行う上で必要不可欠な財源であり、地方自治体の判断が尊重されるべきものである。
 現在、国や地方において東京一極集中の是正が議論になっているが、「地方創生」という旗印の下、東京から財源を奪うことは、日本経済を牽引する東京の活力を削ぐことであり、日本の国際競争力の低下にもつながりかねない。日本の将来を考えれば、大都市である東京と、元気で豊かな地方がそれぞれの強みを発揮し、その相乗効果により、より多くの付加価値を生み出していくことが重要である。
 地方自治体は、教育や産業振興、少子高齢化への対応など様々な行政サービスを担っており、都においても、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた万全の準備を始め、社会保障関係費の増加や社会資本ストックの維持更新への対応など、膨大な財政需要が存在している。こうした中、地方財政が抱える巨額の財源不足を根本的に解決するためには、地方間で限られた財源を奪い合うのではなく、国と地方の役割分担に見合う税財源が必要であり、地方税財源全体の充実・強化を図ることが重要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、法人実効税率の引下げに当たっては、確実な代替財源を確保するとともに、不合理な偏在是正措置である地方法人特別税・地方法人特別譲与税と地方法人税を直ちに撤廃して地方税に復元し、日本再興を支える地方税財政制度を確立すべく、総体としての地方税財源の拡充に取り組むよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十六年十一月二十八日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
社会保障・税一体改革担当大臣
経済財政政策担当大臣
地方創生担当大臣 宛て

〇議長(高島なおき君) なお、本案に対し、十四番米倉春奈さん外十六名より修正動議が提出されました。これを本案とあわせて議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十九号
地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書に対する修正動議
 右の動議を別紙のとおり地方自治法第百十五条の三及び東京都議会会議規則第十三条の規定により提出します。
  平成二十六年十一月二十八日
(提出者)
米倉 春奈  白石たみお  里吉 ゆみ
和泉なおみ  尾崎あや子  徳留 道信
河野ゆりえ  小竹ひろ子  畔上三和子
大島よしえ  松村 友昭  植木こうじ
かち佳代子  曽根はじめ  清水ひで子
大山とも子  吉田 信夫
東京都議会議長 高島なおき殿

議員提出議案第十九号
地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書に対する修正案
一 修正箇所
 本文中「さらに、来年度から予定されている法人実効税率の引下げにおいては、全ての地方自治体の歳入に影響を与えないことが大前提であり、また、」及び「、法人実効税率の引下げに当たっては、確実な代替財源を確保するとともに」を削る。
二 修正理由
 大企業の法人税の実質負担率は一四パーセントと低く、中小企業の二五パーセントに比べて著しい不平等になっている。現在でも既に優遇されている大企業への更なる法人税減税は行うべきでない。大企業の利益のほとんどは、内部留保や株主配当に回されており、景気回復につながらない。
地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃及び地方税財源の拡充等に関する意見書
 地方が自立し、地域の課題を主体的に解決していくためには、更なる地方分権の推進と財政自主権の確立により、自らの権限と財源に基づいて行財政運営を行うことが不可欠である。
 しかしながら、地方法人特別税・地方法人特別譲与税や今年度新たに導入された地方法人税は、受益と負担という地方税の原則に反し、地方分権の流れに逆行するものであり、地方自治の本旨にもとるものである。
 地方自治体が行う超過課税は、憲法で保障された課税自主権に基づくもので、地域の実情に応じた行財政運営を行う上で必要不可欠な財源であり、地方自治体の判断が尊重されるべきものである。
 現在、国や地方において東京一極集中の是正が議論になっているが、「地方創生」という旗印の下、東京から財源を奪うことは、日本経済を牽引する東京の活力を削ぐことであり、日本の国際競争力の低下にもつながりかねない。日本の将来を考えれば、大都市である東京と、元気で豊かな地方がそれぞれの強みを発揮し、その相乗効果により、より多くの付加価値を生み出していくことが重要である。
 地方自治体は、教育や産業振興、少子高齢化への対応など様々な行政サービスを担っており、都においても、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた万全の準備を始め、社会保障関係費の増加や社会資本ストックの維持更新への対応など、膨大な財政需要が存在している。こうした中、地方財政が抱える巨額の財源不足を根本的に解決するためには、地方間で限られた財源を奪い合うのではなく、国と地方の役割分担に見合う税財源が必要であり、地方税財源全体の充実・強化を図ることが重要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、不合理な偏在是正措置である地方法人特別税・地方法人特別譲与税と地方法人税を直ちに撤廃して地方税に復元し、日本再興を支える地方税財政制度を確立すべく、総体としての地方税財源の拡充に取り組むよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十六年十一月二十八日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
社会保障・税一体改革担当大臣
経済財政政策担当大臣
地方創生担当大臣 宛て

〇議長(高島なおき君) まず、米倉春奈さん外十六名より提出されました修正案について、起立により採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
 次に、原案について起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立多数と認めます。よって本案は原案のとおり可決されました。

〇議長(高島なおき君) 追加日程第三、議員提出議案第二十号、二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める意見書を議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第二十号
二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める意見書
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十六年十一月二十八日
(提出者)
小林 健二  加藤 雅之  川松真一朗
山内  晃  栗山よしじ  小松 大祐
鈴木 章浩  大津ひろ子  石川 良一
宮瀬 英治  おときた駿  田中  健
斉藤やすひろ 栗林のり子  遠藤  守
伊藤こういち 堀  宏道  河野ゆうき
柴崎 幹男  ほっち易隆  舟坂ちかお
清水 孝治  島崎 義司  やながせ裕文
田中 朝子  塩村あやか  中山ひろゆき
西沢けいた  大松あきら  中山 信行
吉倉 正美  上野 和彦  鈴木 錦治
木村 基成  高椙 健一  栗山 欽行
大場やすのぶ 和泉 武彦  近藤  充
小宮あんり  三宅 正彦  野上ゆきえ
上田 令子  小山くにひこ あさの克彦
新井ともはる まつば多美子 高倉 良生
橘  正剛  野上 純子  谷村 孝彦
桜井 浩之  きたしろ勝彦 松田やすまさ
山崎 一輝  神野 次郎  菅野 弘一
北久保真道  田中たけし  神林  茂
宇田川聡史  高橋 信博  両角みのる
中村ひろし  島田 幸成  今村 るか
大西さとる  東村 邦浩  小磯 善彦
鈴木貫太郎  木内 良明  秋田 一郎
中屋 文孝  早坂 義弘  崎山 知尚
鈴木 隆道  鈴木あきまさ 山加 朱美
高橋かずみ  相川  博  山田 忠昭
服部ゆくお  こいそ 明  田島 和明
斉藤あつし  尾崎 大介  石毛しげる
藤井  一  長橋 桂一  中嶋 義雄
ともとし春久 古賀 俊昭  林田  武
高木 けい  村上 英子  吉原  修
野島 善司  三宅 茂樹  川井しげお
高島なおき  立石 晴康  吉野 利明
野村 有信  内田  茂  酒井 大史
山下 太郎
東京都議会議長 高島なおき殿

二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める意見書
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催は、都民、国民がスポーツに親しむ機会を広げるとともに、スポーツを通じて日本と世界の人々が友情と相互理解を深め、日本人の心や文化を全世界に発信する絶好の機会である。
 野球・ソフトボールは、残念ながら二〇一二年ロンドン大会よりオリンピックの競技から除外された。しかし、競技人口も多く、人気の高い日本の国民的スポーツであるとともに、これまでの世界大会の輝かしい実績から見ても、日本代表選手の活躍が大いに期待される競技である。
 また、空手道は、古来琉球と呼ばれていた沖縄を発祥の地とし、長い歴史の中で、自らの心身を鍛え、礼儀を重んじる日本を代表する武道の一つとして発展を遂げてきた。空手道における心身の鍛錬と人格の陶冶は、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を醸成するなど、次代を担う青少年の健全な育成に大きな役割を果たしてきた。
 このように、日本人に馴染みの深い野球・ソフトボールと空手道がオリンピック競技に選ばれ、日本代表選手が、世界中の人々の注目を集める競技舞台で活躍することは、我々国民に大きな感動と夢を与えるものとなる。とりわけ、東日本大震災から復興を遂げた被災地の人々の心に力強いエールを送ることとなる。さらには、野球・ソフトボールと空手道の持つ魅力を、世界中に広めることにもつながり、競技の一層の普及発展のために意義深いことである。
 二〇二〇年大会が東京で行われるこの好機を捉え、野球・ソフトボールと空手道を愛好する全ての都民、国民の声を結集し、IOCを始めとする関係者へ届けていく必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、二〇二〇年東京大会において野球・ソフトボールと空手道の競技実施が実現するよう、必要な支援、働き掛けを行うことを強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十六年十一月二十八日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
東京オリンピック・パラリンピック担当大臣 宛て

〇議長(高島なおき君) 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立総員と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。

〇議長(高島なおき君) 追加日程第四、議員提出議案第二十一号、二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める決議を議題といたします。
 案文は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第二十一号
二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める決議
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十六年十一月二十八日
(提出者)
小林 健二  加藤 雅之  川松真一朗
山内  晃  栗山よしじ  小松 大祐
鈴木 章浩  大津ひろ子  石川 良一
宮瀬 英治  おときた駿  田中  健
斉藤やすひろ 栗林のり子  遠藤  守
伊藤こういち 堀  宏道  河野ゆうき
柴崎 幹男  ほっち易隆  舟坂ちかお
清水 孝治  島崎 義司  やながせ裕文
田中 朝子  塩村あやか  中山ひろゆき
西沢けいた  大松あきら  中山 信行
吉倉 正美  上野 和彦  鈴木 錦治
木村 基成  高椙 健一  栗山 欽行
大場やすのぶ 和泉 武彦  近藤  充
小宮あんり  三宅 正彦  野上ゆきえ
上田 令子  小山くにひこ あさの克彦
新井ともはる まつば多美子 高倉 良生
橘  正剛  野上 純子  谷村 孝彦
桜井 浩之  きたしろ勝彦 松田やすまさ
山崎 一輝  神野 次郎  菅野 弘一
北久保真道  田中たけし  神林  茂
宇田川聡史  高橋 信博  両角みのる
中村ひろし  島田 幸成  今村 るか
大西さとる  東村 邦浩  小磯 善彦
鈴木貫太郎  木内 良明  秋田 一郎
中屋 文孝  早坂 義弘  崎山 知尚
鈴木 隆道  鈴木あきまさ 山加 朱美
高橋かずみ  相川  博  山田 忠昭
服部ゆくお  こいそ 明  田島 和明
斉藤あつし  尾崎 大介  石毛しげる
藤井  一  長橋 桂一  中嶋 義雄
ともとし春久 古賀 俊昭  林田  武
高木 けい  村上 英子  吉原  修
野島 善司  三宅 茂樹  川井しげお
高島なおき  立石 晴康  吉野 利明
野村 有信  内田  茂  酒井 大史
山下 太郎
東京都議会議長 高島なおき殿

二〇二〇年東京大会における野球・ソフトボールと空手道の競技実施を求める決議
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催は、都民、国民がスポーツに親しむ機会を広げるとともに、スポーツを通じて日本と世界の人々が友情と相互理解を深め、日本人の心や文化を全世界に発信する絶好の機会である。
 野球・ソフトボールは、残念ながら二〇一二年ロンドン大会よりオリンピックの競技から除外された。しかし、競技人口も多く、人気の高い日本の国民的スポーツであるとともに、これまでの世界大会の輝かしい実績から見ても、日本代表選手の活躍が大いに期待される競技である。
 また、空手道は、古来琉球と呼ばれていた沖縄を発祥の地とし、長い歴史の中で、自らの心身を鍛え、礼儀を重んじる日本を代表する武道の一つとして発展を遂げてきた。空手道における心身の鍛錬と人格の陶冶は、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を醸成するなど、次代を担う青少年の健全な育成に大きな役割を果たしてきた。
 このように、日本人に馴染みの深い野球・ソフトボールと空手道がオリンピック競技に選ばれ、日本代表選手が、世界中の人々の注目を集める競技舞台で活躍することは、我々国民に大きな感動と夢を与えるものとなる。とりわけ、東日本大震災から復興を遂げた被災地の人々の心に力強いエールを送ることとなる。さらには、野球・ソフトボールと空手道の持つ魅力を、世界中に広めることにもつながり、競技の一層の普及発展のために意義深いことである。
 二〇二〇年大会が東京で行われるこの好機を捉え、野球・ソフトボールと空手道を愛好する全ての都民、国民の声を結集し、IOCを始めとする関係者へ届けていく必要がある。
 よって、東京都議会は、二〇二〇年東京大会において野球・ソフトボールと空手道の競技実施をここに強く求めるものである。
 以上、決議する。
  平成二十六年十一月二十八日
東京都議会

〇議長(高島なおき君) 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(高島なおき君) 起立総員と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。

〇六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十九日から十二月十六日まで十八日間、議案調査のため休会されることを望みます。

〇議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(高島なおき君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十九日から十二月十六日まで十八日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月十七日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時十五分散会


文書質問趣意書及び答弁書

26財主議第397号
平成26年11月20日
東京都議会議長
高島なおき殿
東京都知事
舛添 要一

文書質問に対する答弁書の送付について

 平成26年第三回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

おときた駿議員
西沢けいた議員
里吉ゆみ議員
西崎光子議員
小竹ひろ子議員
中村ひろし議員
斉藤あつし議員
大山とも子議員
吉田信夫議員

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 おときた駿

質問事項
一 ギャンブル依存症対策について
二 シェアサイクルの普及と展望について
三 妊娠相談ほっとラインの運用について
四 特別支援学校体育館へのエアコン設置について
五 舛添都知事による都市外交について
六 補助86号線について

一 ギャンブル依存症対策について
 東京都における、ギャンブル依存症対策、特に教育分野についてお伺いいたします。平成26年8月20日、厚生労働省が我が国におけるギャンブル依存症の疑いがある人は成人男性の8.8%、女性の1.8%で、全体では4.8%にのぼるという、衝撃的な調査結果を発表いたしました。これはすでにカジノがある先進諸国と比べても圧倒的に高い数値で、5年前の調査結果(男性9.6%、女性1.6%)からも改善が見られません。
 我が国でもカジノ創設に向けた議論が国会で活発になる中で、このギャンブル依存症の問題は避けて通れません。観光・経済政策としてのカジノを否定するものではありませんが、我が国ではすでに公営賭博以外にも、「遊戯」という名目で様々なギャンブルが常態化しており、これを早期のうちに正しく認識しておくことが必要不可欠と考えます。特にここ東京都は、日本有数の盛り場を抱える首都として、全国の自治体に先駆けた対応が期待されています。そこで、以下の3点についてお伺いいたします。
1 ギャンブル依存症を減らすためには、「予防」がもっとも大切です。義務教育や高校教育段階で、ギャンブルについての正しい知識と向き合い方を学習すれば、ギャンブル依存症は軽減できると考えられます。そこで、ギャンブル依存症に対する現時点での都教育委員会の取組を教えてください。
2 今後は薬物依存症、インターネット依存症などと並び、「ギャンブル依存症」も青少年における重大な社会問題と捉え、早期の段階から教育現場で児童・生徒に適切な指導を行う必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
3 現状でも東京都には地方競馬場などの施設が多く存在します。そうした施設が多く所在する自治体として、利用者や施設任せにするだけではなく、東京都としても民間団体や施設等とも協力してギャンブル依存症への啓発を行うべきと思われますが、現状と今後の展望をお聞かせください。

二 シェアサイクルの普及と展望について
 東京都内のシェアサイクル事業についてお伺いいたします。東京都では、江東区や臨海部で行政が主導によるシェアサイクル事業がスタートしている一方で、渋谷区では民間事業者が自ら自転車を置く「ポート」を開拓し、ビジネスとしてシェアサイクル事業を展開しており、注目を集めています。都市部の重要な交通手段であり、排気ガスも発生させないエコな乗り物である自転車と、そのシェアサイクルという形態はより一層普及していくことが望まれますが、公金を投入した行政主導によるシェアサイクル事業の拡大は、市場で芽生え始めているビジネスの目を摘むことにもなりかねません。そこで、以下の2点について質問いたします。
1 東京都内にシェアサイクルを普及していくにあたり、行政主導・民間主導にそれぞれのメリットとデメリットがあると考えられます。今後の方向性について、現時点での方針をご教示ください。
2 シェアサイクルの収益化の観点から、自転車に表示する広告物についてお伺いいたします。現在、自転車に広告物を表示する場合、東京都屋外広告物条例第14条第3号を根拠に、平成26年度「屋外広告物のしおり」において、車体のフレーム本体のみが可能とされています。このため、自転車のもっとも目立つ場所である、カゴ部分への広告設置ができません。
 一方で、ネーミングライツや案内板への広告掲載など、行政や事業者の所有するインフラへ広告物掲載をすることで、財源を賄う手法が今日では非常に一般的なものになっています。カゴへの広告表示が可能になれば、こうした事業を促進することにも繋がります。
 行政主導にせよ、民間主導にせよ、シェアサイクルの更なる普及・活用のためにも、自転車に表示する広告物はカゴにも可能とする、もしくはカゴも本体と見なすなどの運用変更を行い、収益化を促進することが望ましいと考えますが、見解と対応をお伺いいたします。

三 妊娠相談ほっとラインの運用について
 平成26年7月1日より開設された、東京都の妊娠相談ほっとラインについてお伺いいたします。日本でもっとも低い出生率に留まる東京都において、妊娠・出産に悩める女性たちへのケアが重要なことは論を待ちません。その対策として、電話やメールで相談ができる「妊娠相談ほっとライン」が開設されたことは望ましいですが、大切なのはその運用です。せっかくのシステムも、活用されなければ目に見えない「ハコもの」と同じことで、単なる行政コストともなりかねません。多くの都民の方々に利用していただくためにも、運用における不断の改善は欠かせないと考えます。そこで、以下の3点についてご質問いたします。
1 平成26年7月1日から現在(9月末)までの電話・メールによる相談件数をそれぞれお示しください。
2 電話による相談の時間帯は、「月・水・金 午前10時から午後4時まで、火・木・土 午後4時から午後10時まで」という不規則なものになっており、わかりづらい・利用しづらいとの指摘もあります。この時間帯を設定した理由と狙いを教えてください。
3 利用者の更なる増加とサービスの充実のために、相談時間の延長・統一を望む声もありますが、今後の展望について見解をお伺いいたします。

四 特別支援学校体育館へのエアコン設置について
 都内の特別支援学校における施設、体育館へのエアコン設置についてお伺いいたします。特別支援学校の体育館では、生徒たちの予期せぬ行動に対応するために、その出入口は使用中締め切られているのが常態です。近年、真夏は連日の猛暑日となる東京都内では、2階の窓の開放や、扇風機の使用などでは室温調整に限界があります。また、特別支援学校に通学する生徒たちの特性も多様化しており、中には体温調整が難しい生徒も存在します。熱中症などによる健康被害を防ぐためにも、特別支援学校の体育館へエアコン設置は早急に予算化・設置を進めるべきと考えますが、現状と今後の展望をお示しください。

五 舛添都知事による都市外交について
 舛添都知事による都市外交、特に7月の韓国訪問についてお伺いいたします。舛添都知事は就任以来、都市対都市による外交と交流の重要性を強調しておられます。確かに、隣国や世界各国都市との交流は大切なことであり、それを否定する理由はありません。しかしながら、こと「外交」分野に関しては国や外務省の専管事項であり、東京都および都知事の職責としては不適切なもので、あくまで都市交流に留めるべきとの指摘もあります。そこで、下記の質問についてお答えください。
1 東京都知事として行った7月23から25日の韓国訪問において、朴大統領との会談は当初予定されていなかったものと聞いています。舛添知事と朴大統領の会談が決定したのは、正確にいつのタイミングなのかお答えください。
2 政治家同士の会談ですから、内容のすべてを公開することは難しいと存じますが、会談の中で朴大統領が「東京都には韓国人学校を新設するための土地が不足している。東京都として協力してもらうことはできないか?」という申し出をされ、舛添知事はこれを快諾したと一部メディアで報道されています。この事実関係について、東京都はどのように把握をされているのか教えてください。
3 都有地を保育施設などの福祉施設に活用し、待機児童をゼロにすることは舛添都知事の公約です。仮に東京都が韓国人学校新設のための土地確保に協力するとすれば、都有地の提供という可能性も大いに出てきます。韓国との友好関係の樹立や、韓国人学校の重要性を認めないわけではありませんが、待機児童や待機高齢者に悩む都民が数多くいる中で、それは政策の優先順位としては違和感を覚えます。東京都として、今後韓国人学校新設のために協力する可能性があるか否か、あるとすれば、どのような方法によるものなのか、明確にお答えください。

六 補助86号線について
 先の定例会に引き続き、補助86号線についてお伺いいたします。平成26年第二回定例会における文書質問に対して、東京都から回答がありました。その回答に基づき、以下の3点をお伺いいたします。
1 回答の中で、「志茂地域は火災危険度が4から5と高い」「震災時に大きな被害が想定される整備地域」とありますが、平成24年3月に第8回が行われた「地域別延焼危険度測定」に基づいて策定された「地域危険度測定調査」は、平成25年9月発行のものが最新のデータです。志茂1丁目の耐火建築への建て替えは補助86号線予定地付近を中心にここ4、5年以内に着手された例が多く、データは最新の状況を反映していないという指摘があります。また平成24年4月18日公表の「首都直下地震等による東京の被害想定(概要版)」によれば、北区自体が23区の中でも出火件数・焼失棟数が少ない方に入っており、ここからも地域危険度測定調査の設定には疑問が残ります。また、状況の異なる志茂1丁目から5丁目までを「志茂地域」として同一視して評価対象としていることも問題です。これらの指摘についての、東京都の見解をお伺いいたします。
2 特定整備路線の必要性について、「特定整備路線である補助86号線(志茂一丁目地内)を早急に整備し、延焼遮断帯の形成を図り、併せて、避難や救助活動の空間を確保する必要があります」との回答でしたが、志茂地区内にはすでに清掃工場前の道路が存在します。北本通りや隅田川と一体で延焼遮断帯となるものであり、ここに補助86号線の拡幅による遮断帯を設けることは屋上屋を重ねるもので、その有効性を疑問視する専門家の声があります。重複する延焼遮断帯との棲み分けや効果について、東京都の見解をお聞かせください。
3 地域住民への説明について、「これまで事業概要及び測量説明会のほか、個別相談会や自治会主催の場での事業説明を実施するなど、地域への説明を重ねてきました」との回答がありました。しかしながら、測量説明会の開催は1回のみで、しかも住民全体への告知が不十分だったとの声があります。自治会への説明会では参加者が町会員のみで、個別相談会の対象者もこれまでは地権者のみへの回答だったと聞いています。今後、町会員や地権者以外の地域住民を対象とした説明がなされるのかどうか、東京都の対応を教えてください。

平成26年第三回都議会定例会
おときた駿議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 ギャンブル依存症対策について
1 義務教育や高校教育段階で、ギャンブルについての正しい知識と向き合い方を学習すれば、ギャンブル依存症は軽減できると考えるが、現時点での都教育委員会の取組について伺う。

回答
 これまでも都教育委員会は、児童・生徒の問題行動の未然防止に向けて、未成年による勝ち馬投票券の購入や、19歳未満の者のスポーツ振興投票券の購入が、法により禁止されていることなどを、各学校において、児童・生徒の発達段階に応じて指導を行うよう通知するなどしています。
 また、自分の意思ではインターネットを通じて行う有料のゲームをやめられず、日常生活に悪い影響が出るなど、依存的な傾向が見られる事例についての指導資料を、全公立学校に配布するなどして、義務教育段階からゲームへの依存を防止する指導を行っています。

質問事項
一の2 今後は、薬物依存症、インターネット依存症などと並び、「ギャンブル依存症」も青少年における重大な社会問題と捉え、早期の段階から教育現場で児童・生徒に適切な指導を行う必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 今後、都教育委員会は、都の精神保健福祉センターが作成している資料を学校に紹介するなどして、教員やスクールカウンセラーがギャンブル依存症についての理解を深められるようにしていきます。
 また、各学校が、校内研修等により、保護者や関係機関等と適切に連携して、ギャンブル依存症を含め、様々な依存症の未然防止に向けて指導できるよう努めてまいります。

質問事項
一の3 都としても、民間団体や施設等とも協力してギャンブル依存症への啓発を行うべきだが、現状と今後の展望について伺う。

回答
 都では、ギャンブル依存症の解説や患者を抱える家族へのアドバイス等を盛り込んだリーフレットを作成するとともに、ホームページに掲載し、広く都民に周知を図っています。
 また、精神保健福祉センターにおいて、区市町村や保健所等と連携しながら、ギャンブルを含む様々な依存症についての専門相談を実施するほか、同じ経験を持つ仲間が相互に助け合う活動を行っている民間団体の協力も得ながら、正しい知識や適切な対応方法等を学ぶ家族教室を実施しています。
 今後ともこうした取組により、ギャンブル依存症に関する知識の普及啓発に努めていきます。

質問事項
二 シェアサイクルの普及と展望について
1 都内にシェアサイクルを普及していくにあたり、今後の方向性について、現時点での方針を伺う。

回答
 自転車シェアリングは、今後本格的な普及拡大が見込まれる事業であり、現段階では、利便性の高いステーション設置場所の確保など、都としても区市町村と連携しながら推進していくことが必要と考えています。
 都は既に、関係部局と連携しながら、駅前など利用しやすい場所の確保に向けた調整を行うとともに、区市町村補助制度において、今年度から新たに自転車シェアリング事業を補助対象メニューに加えるなど、普及に向けた取組を進めてきました。
 都内では、江東区等に加え、千代田区と港区で10月から事業が開始されており、今後、更なる普及拡大を図るため、引き続き利用促進に向けた調整を行ってまいります。

質問事項
二の2 自転車に表示する広告物について、現在、自転車に広告を表示する場合、車体のフレーム本体のみが可能だが、自転車に表示する広告物はカゴにも可能とする、もしくはカゴも本体とみなすなどの運用変更を行い、収益化を促進すべきだが、見解と対応について伺う。

回答
 自転車への広告物については、東京都屋外広告物条例に基づき、車両本体へ表示することが認められています。
 シェアサイクルに関する区等からの要望を踏まえ、本年7月、自転車前部のカゴについても本体とみなすこととし、8月に区市町村に周知しています。

質問事項
三 妊娠相談ほっとラインの運用について
1 都の妊娠相談ほっとラインについて、平成26年7月1日から現在(9月末)までの電話・メールによる相談件数をそれぞれ伺う。

回答
 平成26年7月1日から同年9月30日までの相談件数は、電話189件、メール19件となっています。

質問事項
三の2 電話による相談の時間帯は、不規則なものになっており、わかりづらい・利用しづらいとの指摘もあるが、この時間帯を設定した理由と狙いについて伺う。

回答
 電話相談の受付時間を設定するに当たっては、同様の電話相談を実施している他の自治体の相談実績や開設時間も参考にした上で、会社員や専業主婦、学生など、生活サイクルの異なる多様な相談者に対応するため、複数の時間帯としました。

質問事項
三の3 利用者の更なる増加とサービスの充実のために、相談時間の延長・統一を望む声もあるが、今後の展望について、見解を伺う。

回答
 都は現在、インターネットの検索サイトにバナー広告を掲出するほか、福祉保健局ホームページのトップページにバナーを貼り、相談者がこの窓口に容易にアクセスできるようにしています。
 また、今後、JRや地下鉄での車内広告や医療機関でのリーフレットの配布等も行い、都民への周知を図っていきます。
 今後とも、利用者の更なる増加とサービスの充実に向け、利用実績の推移を見ながら、妊娠相談ほっとラインを適切に運用していきます。

質問事項
四 特別支援学校体育館へのエアコン設置について
 都内の特別支援学校における体育館へのエアコン設置について、早急に予算化・設置を進めるべきだが、現状と今後の展望について伺う。

回答
 肢体不自由特別支援学校では、障害が重度の児童・生徒の体調管理に万全を期する必要があることから、先行して体育館の冷房化を行っています。
 近年、知的障害や視覚・聴覚障害などの特別支援学校についても、障害の重度・重複化、多様化が見られる児童・生徒もおり、教育活動を体育館で実施する機会が増えております。
 特に真夏日や猛暑日における健康状態の急変やパニックなどを防止する必要性が高まっていることから、特別支援学校における体育館の冷房化について、検討しています。

質問事項
五 舛添都知事による都市外交について
1 7月23から25日の韓国訪問において、知事と朴大統領の会談が決定したのは、正確にいつのタイミングなのか伺う。

回答
 朴大統領との会談が決定したのは、会談当日となる7月25日朝です。

質問事項
五の2 会談の中で朴大統領が「東京都には韓国人学校を新設するための土地が不足している。都として協力してもらうことはできないか」という申し出をし、知事はこれを快諾したと一部メディアで報道されている。この事実関係について、都は、どのように把握をしているのか伺う。

回答
 7月25日の会談において、朴大統領から、韓国人学校が手狭になっているので対応について協力をお願いしたいとの話があり、知事から、都としてできる限り対応する旨、回答しました。

質問事項
五の3 仮に都が韓国人学校新設のための土地確保に協力するとすれば、都有地の提供という可能性も大いに出てくる。都として、今後、韓国人学校新設のために協力する可能性があるか否か、あるとすれば、どのような方法によるものなのか伺う。

回答
 現在、どのような協力があり得るのか、検討を行っているところです。

質問事項
六 補助86号線について
1 事業の根拠としている地域危険度測定調査は、最新の状況を反映していないこと、首都直下地震等による東京の被害想定と結果が異なる設定であること、また、状況の異なる志茂一丁目から五丁目までを同一視していることについて、都の見解を伺う。

回答
 「地震に関する地域危険度測定調査」は、地震に対する各地域の危険性を相対的に比較するため、同じ強さの揺れが生じた場合の被害状況を基に各地域の危険度を測定しており、まちづくりの指標としてふさわしいものです。調査に当たっては、調査時点における都内全域の最新のデータを用いています。
 なお、「首都直下地震等による東京の被害想定」は、地震による都全体の被害像を把握するため、特定の震源で発生する地震を想定しており、この結果だけで各地域の危険性を評価することは不適切です。
 また、志茂一丁目から五丁目までについては、火災危険度はいずれも4又は5と高く、防災性の向上を図る必要があるという点では、同様の課題を抱えている地域です。

質問事項
六の2 特定整備路線の必要性について、「特定整備路線である補助86号線(志茂一丁目地内)を早急に整備し、延焼遮断帯の形成を図り、併せて、避難や救助活動の空間を確保する必要がある」との回答だったが、志茂地区内にはすでに清掃工場前の道路が存在し、北本通りや隅田川と一体で延焼遮断帯となるものである。重複する延焼遮断帯との棲み分けや効果について、都の見解を伺う。

回答
 都は、「防災都市づくり推進計画」に基づき、都市計画道路等の延焼遮断帯により、市街地を一定のブロックに区切り、燃え広がらないまちの実現を目指しています。
 火災危険度が5の志茂一丁目及び二丁目では、不燃化特区の取組に加え、補助86号線を特定整備路線として早急に整備することにより、整備済みの北本通り及び補助246号線と連続した延焼遮断帯を形成し、市街地の安全性を高める必要があります。
 さらに、補助86号線は、火災危険度の高い一丁目地内で整備されるため、延焼の危険性を低減するほか、避難、救援活動の空間としての機能、歩行者空間の創出や区域内交通の効率的な集散などの重要な役割も果たします。

質問事項
六の3 地域住民への説明について、今後、町会員や地権者以外の地域住民を対象とした説明がなされるのかどうか、都の対応について伺う。

回答
 昨年10月に説明会を開催し、事業の概要や必要性、測量の進め方について説明し、幅広い意見、質問にお答えしました。開催に当たっては、道路及び沿道の測量範囲の方々を対象に周知をしています。
 また、昨年12月には自治会への説明を2回、個別相談会を12回行い、自治会や地権者以外の参加者からの質問や、電話による問合せにも適宜対応しています。今後も用地説明会や個別相談会を開催するなど、引き続き丁寧な対応をしてまいります。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 西沢けいた

質問事項
一 個人住民税の給与からの特別徴収の推進について

一 個人住民税の給与からの特別徴収の推進について
 都税収入は増加傾向にあり、今後の景気動向を期待する声があります。しかし、東京都財務局がまとめた平成25年度の決算資料においては、東京都の不安定な財政構造などを取り上げ、財政状況は予断を許さない状況であることを指摘しています。
 こうした状況の中において、税金の徴収効率を高め、滞納率を低下させる取組みは欠かせません。
 平成26年2月に開催された個人住民税徴収対策会議において、毎年12月を「オール東京滞納STOP強化月間」として継続実施することに加え、都区市町村によるオール東京として特別徴収を推進していくこととなったと聞いております。
1 この特別徴収の推進においては平成26年度から平成28年度を推進期間として進めていくということですが、区市町村でもホームページで取り上げたり、協力いただく事業者の方への丁寧な説明など、それぞれ特別徴収を進める取組みが進められています。しかし、勤務地と居住地が同一の区市町村とは当然限らないわけであり、広域的なまさにオール東京での取組みが必要です。この推進期間での具体的な取組みはどのようなものか伺います。
2 東京都としてはまずは自身の監理団体に加えて、報告団体や助成金を支出している深く関係のある団体などにも特別徴収の実施を働きかけるなどの取り組みを進めていくべきと考えます。聞くところによると、例えばある団体ではパート・アルバイト従業員に対しては特別徴収をしておりません。しかし、パート・アルバイトであっても原則特別徴収するのが総務省・全国地方税務協議会の見解です。また東京都非常勤職員(再雇用職員、専務的非常勤職員)についても原則特別徴収とする旨の事務連絡が平成25年3月に出ていると聞いております。そこで、こうした団体について今後どのような対応を取られるのか伺います。

平成26年第三回都議会定例会
西沢けいた議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 個人住民税の給与からの特別徴収の推進について
1 特別徴収の推進において、平成26年度から平成28年度を推進期間として進めていくとのことだが、この推進期間での具体的な取組はどのようなものなのか伺う。

回答
 平成26年度から平成28年度の特別徴収推進期間においては、都と区市町村が一体となって、PRチラシの配布や広報紙への掲載を行い、事業主の理解を得るとともに、税理士会をはじめとした関係団体にも協力を求めていきます。

質問事項
一の2 都として、自身の監理団体に加えて、報告団体や助成金を支出している深く関係のある団体などにも、特別徴収の実施を働きかけるなどの取組を進めるべきだが、今後、どのような対応を取るのか伺う。

回答
 都では平成26年4月、監理団体に対して特別徴収の適切な対応が図られるよう働きかけを行いました。今後、報告団体など東京都と関係の深い団体についても、適切な対応が図られるよう働きかけていきます。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 公立小中高等学校の特別教室等の冷房化について

一 公立小中高等学校の特別教室等の冷房化について
 公立小中学校及び都立学校の特別教室等の冷房化について質問します。学校施設の冷房化についてはわが党もくり返し求めてきましたが、都民の強い世論と運動におされ、都立高校の普通教室は2006年度より冷房化されました。2011年度より小中学校の普通教室へのクーラー設置の補助が実施され、特に遅れていた多摩地域の小中学校の冷房化が一気に進みました。今年度からは、特別教室の中で都立高校ではすでに冷房化されている音楽室、視聴覚室、図書室及びパソコン室が都の補助の対象となりました。しかし、現在の計画では完了までにあと4年かかります。
1 都の計画を前倒しして、対象の特別教室全室の冷房化を早急に終わらせるべきです。
 特別教室の冷房化の補助により、特に多摩地域での小中学校での冷房化が進むことが期待されています。ところが工事費400万円以下の工事は国の補助の対象にならず、都の補助も出ないため、実際には使えない場合があるとの声が寄せられています。学校によっては補助対象の4教室のうち、すでに冷房化されている教室もあるため、今回の補助対象となるのは1教室のみ、ところが1つの教室の工事では400万円に届かないため、結局補助制度が使えないというのです。
2 国の補助が使えない場合も、全額区市町村の負担とならないよう、都独自の補助を行うことを求めます。
 現在、都立高校では冷房化の対象となっていない、小中学校では都の補助の対象となっていない、理科室、家庭科室、美術室などの特別教室の冷房化も強い要望となっています。
 文部科学省の調査結果によると、今年4月1日現在、都内公立小中学校の教室で冷房化されているのは、普通教室は99.9%、特別教室は65.4%でした。教室数でいうと特別教室3万1414教室のうち、冷房設備の設置は、2万541教室。未設置が1万3600教室です。都立高等学校では、普通教室は100%、特別教室は62.0%でした。特別教室8,504教室中、冷房設備の設置は、5,276教室、未設置が3,228教室です。
 東京都公立高等学校PTA連合会が行った、学校環境アンケートの調査結果を拝見しました。特別教室の冷房化がされていないために、授業に支障があったとの声がいくつも寄せられています。都立高校197校のうち72校が回答を寄せていますが、その中で、空調設置の要望があったのは、調理室、美術室、理科室、被服室、武道場などとなっています。
 また、授業に支障がなかったかとの問いには、「生徒が授業中に体調不良」114件、「教員が授業中に体調不良」41件などと報告されています。授業の時間帯をずらしたり、場所や内容の変更を余儀なくされたとの回答も多く、都立高校でも生徒たちの授業に支障がでていることは明らかです。ましてや健康にも影響が出ていることは重大な問題です。今年は、昨年に比べれば暑い日が少なかったとはいえ、PTA連合会がおこなった、ある都立高校での調査では、9月6日調査した6つの特別教室の気温は29.8度から34.1度、湿度も80%でした。
 小中学校についても同様です。夏の暑い時期、冷房のない理科室では実験ができない、暑い美術室で作品を作っていると汗がたれて作品を汚してしまう、火を使う調理実習は熱くてとてもできないなど、明らかに授業に支障となっている状況が出されています。
 特別支援学校の保護者などからも、体育館があまりにも暑いため、大型扇風機を使用するなどの工夫もしていますが、一部にしか風が流れずほとんど効果がないうえ、扇風機の大きな音が気になって授業に集中できないなどの訴えが寄せられています。
3 都立高校の理科室や家庭科室、美術室などの各特別教室の利用状況や、実際の授業にどのように支障がでているのかをつかみ、特別教室での冷房化を計画的にすすめるべきです。
4 また各高校の個別の事情に応じて、早期に設置が求められるところについては柔軟に対応することが必要と考えますが、いかがですか。
5 小中学校についても、現在冷房化されていない特別教室について、利用状況や授業に支障がでていないかなど調査し、優先度の高い教室から冷房化がすすめられるよう都として補助対象を拡大すべきと考えますが、いかがですか。
6 都立高校のPTA連合会からは、特に武道場の冷房化を求める声が寄せられています。都として調査・検討し、要望に応えることを求めます。
7 視覚障害や知的障害特別支援学校などのまだ冷房化されていない特別教室や体育館についても、早期に冷房化することを求めます。

平成26年第三回都議会定例会
里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 公立小中高等学校の特別教室等の冷房化について
1 公立小中学校の音楽室、視聴覚室、図書室及びパソコン教室の特別教室の冷房化について、現在の計画では完了までにあと4年かかる。都の計画を前倒しして、対象の特別教室全室の冷房化を早急に終わらせるべきだが、所見を伺う。

回答
 各区市町村は、校舎等の耐震化や老朽化対策といった学校の施設・設備の整備に係る重要な課題を抱える中で、特別教室の冷房化を進めています。
 都は、区市町村がその実情を踏まえて計画的に特別教室の冷房化を進められるよう、特別教室冷房化支援事業の期間を平成26年度からの5年間としたものです。

質問事項
一の2 特別教室の冷房化の補助について、国の補助が使えない場合も、全額区市町村の負担にならないよう、都独自の補助を行うべきだが、所見を伺う。

回答
 公立小中学校の冷房化については、設置者である区市町村が、国の補助制度を活用して、その権限と責任において行うことが原則です。
 都は、今後とも、区市町村を支援するため、国の補助対象となる事業のうち早急に整備が必要な特別教室について都独自の財政支援を行っていきます。

質問事項
 一の3 都立高校の理科室や家庭科室、美術室などの各特別教室の利用状況や、実際の授業にどのように支障がでているのかをつかみ、特別教室での冷房化を計画的にすすめるべきだが、所見を伺う。

回答
 今後、都立高校において、いまだ冷房化していない理科室、家庭科室などの特別教室の利用状況等に基づき、冷房化の対象とすべき教室を検討していきます。

質問事項
 一の4 各高校の個別の事情に応じて、早期に設置が求められるところについては柔軟に対応すべきだが、所見を伺う。

回答
 都立高校においては、防音性が求められる等の理由により、音楽室や図書室等の特別教室を冷房化することとしていますが、それ以外の特別教室についても、教室の配置や周辺環境等に配慮すべき事情がある場合には、冷房化の必要性を個別に判断し、適切に対応しています。

質問事項
 一の5 小中学校についても、現在、冷房化されていない特別教室について、利用状況や授業に支障が出ていないかなどを調査し、優先度の高い教室から冷房化が進められるよう、都として補助対象を拡大すべきだが、所見を伺う。

回答
 都は、今年度から小中学校を対象に、都立高校において整備が完了している音楽室等の特別教室の冷房化に係る補助事業を開始し、区市町村が計画的に冷房化を進められるよう支援しています。
 今後、都立高校においていまだ冷房化していない特別教室の利用状況等に基づき、冷房化の対象とすべき教室を検討した上で、その結果を踏まえ、小中学校について総合的に検討していきます。

質問事項
一の6 都立高校のPTA連合会からは、特に武道場の冷房化を求める声が寄せられており、都として調査・検討し、要望に応えるべきだが、所見を伺う。

回答
 都立高校において、いまだ冷房化していない理科室、家庭科室などの特別教室について、冷房化の対象とすべき教室の検討を行っていくこととしていますが、武道場については調査・検討を行うことは考えていません。

質問事項
一の7 視覚障害や知的障害特別支援学校などの、まだ冷房化されていない特別教室や体育館についても、早期に冷房化すべきだが、所見を伺う。

回答
 特別支援学校の体育館については、真夏日や猛暑日における児童・生徒の健康状態の急変やパニックなどを防止する必要性が高まっていることから、冷房化を検討しています。
 また、特別教室については、従前から、障害種別や児童・生徒の障害の状態等に配慮すべき事情がある場合には、冷房化の必要性を個別に判断し、適切に対応しています。いまだ冷房化していない特別教室の冷房化についても引き続き検討していきます。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 西崎光子

質問事項
一 リニア中央新幹線計画の環境影響評価について

一 リニア中央新幹線計画の環境影響評価について
 リニア中央新幹線計画について、東京都は3月24日、環境影響評価条例に基づき、東海旅客鉄道株式会社あて「意見書」を提出しました。内容は、大気質、騒音・振動、低周波音、水質、磁界等々について詳細に意見を述べています。
 JR東海は4月に「評価書」を公表し、8月26日には補正版を公表、このまま10月には着工へと進めようとしています。
 ところが、都が提出した意見書に対して、JR東海は「評価書」の中で項目ごとに見解を出していますが、都の指摘事項が解決したと言えるのか疑問です。
1 意見書提出以降、JR東海の評価書をめぐって、これまでの経過がどのようになっているのか伺います。また、JR東海の対応について、都はどのように評価しているのか、見解を伺います。
 都内のリニア新幹線施設は、ほとんどが地下深くを通ることになるため、特に地下水や土壌への影響が心配されています。地下水の水質や水位について、JR東海は、シート養生をする、モニタリングや定常的窓口設置などを見解として示していますが、工事によって井戸涸れが起こったときには、もう取り返しがつきません。
 また、発生する大量の残土も大きな問題です。発生残土について、東京都の意見書では、以下のように書かれています。
 ・ 建設工事に伴い発生する副産物の再利用及び再資源化について、「東京都建設リサイクル推進計画」の数値を目標として、事業者により実行可能な範囲内で再利用及び再資源化を図るとしている。
 しかしながら、建設発生土や建設廃棄物など副産物の発生量が膨大であることから、可能な限り再利用等の方法や数量について明らかにするとともに、それぞれ目標を達成するための方策等について具体的に示すこと。
 ・ 建設工事に伴い発生する膨大な建設発生土の処理・処分方法及び発生土置き場の具体的な位置や規模等について不明確であることから、関係機関と協議の上、具体的な残土処理計画を早急に策定すること。
 併せて、発生土置き場の設置による周辺環境に及ぼす影響の内容及び程度について把握するため、必要に応じて調査及び予測・評価を行い、環境保全のために必要な措置を講じること。
 ・ 建設工事に伴い発生する建設発生土について、本事業内で再利用又は他の公共事業等への有効利用に努めることにより発生量を低減できるとしているが、既に砒素などの重金属類による土壌汚染が判明し、自然由来の汚染土壌が存在する可能性が高いことから、建設発生土の管理方法を明らかにし、適正な処理、処分の根拠について具体的に示すこと。
 ・ 建設工事に伴い発生する建設発生土及び建設廃棄物の予測について、これまでの施工実績を参考に発生量を算出しているが、その算出根拠が不明確であることから、参考とした施工事例と本事業との類似性等も踏まえ具体的に記述すること。
 ・ 建設工事及び鉄道施設の供用に伴い発生する廃棄物等について、実行可能な範囲内で再利用・再資源化を図り、関係法令等に基づき適正に処理、処分することから環境影響を低減できると予測・評価している。
 しかしながら、建設発生土をはじめとする膨大な廃棄物等の具体的な処理、処分方法等が示されておらず、発生土置き場の設置による周辺環境に及ぼす影響についても明らかにされていないことから、ある程度の不確実性も考慮した上で、廃棄物等に係る事後調査を実施し、環境に及ぼす影響の程度の把握に努めること。
 例えば町田市では、JR東海から残土捨て場が明らかにされていません。立坑から排出した残土はその交通路やダンプの台数、通行ルートも定まらないものと見られます。町田市の幹線道路は交通量も多く日中の渋滞もあり、計画は予定通りに進まない可能性も高いと見られます。静かな住宅街もあり、住民にとって生活環境に重大な影響を及ぼします。
 これに対して見解および評価書資料編では、新たな発生土置き場について現時点で具体的な位置・規模等の計画を明らかにすることが困難であること、候補地が決定次第、調査及び影響検討を実施し必要な環境保全措置、事後調査及びモニタリングの計画を策定、適切な時期に公表する計画であることなどが述べられています。
2 都内では、建設発生土は600万、建設汚泥151万等と予測されており、そのうち町田市では、トンネル工事の建設発生土が278万です。発生土置き場については、位置と規模がはっきりしないと、環境への影響を調べることもできません。発生土置き場を設置する場合には、どのようにチェックするのか伺います。
3 豊洲新市場の埋立地に活用された残土の汚染を防ぐことができず、大変大きな問題となりました。町田市にはヒ素が溶出した地点があり、汚染土が出てくることが考えられます。建設発生土の搬出から処理までのフロー図は資料編に示されていますが、汚染土のチェック及び汚染が見つかったときの対策は、だれがどのようにするのでしょうか。また、その際の都の役割について伺います。

平成26年第三回都議会定例会
西崎光子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 リニア中央新幹線計画の環境影響評価について
1 リニア中央新幹線計画について、環境影響評価条例に基づく意見書提出以降、JR東海の評価書をめぐって、これまでの経過がどのようになっているのか伺う。また、JR東海の対応について、都は、どのように評価しているのか、見解を伺う。

回答
 JR東海は、知事審査意見書を受理した後、当該意見を考慮して環境影響評価書を作成し、平成26年4月23日に国土交通大臣へ提出しました。
 国土交通大臣は、平成26年6月5日に送付された環境大臣の意見を踏まえて、7月18日に国土交通大臣意見をJR東海に送付しました。
 JR東海は、関係都県知事や関係大臣の意見を踏まえて作成した補正後の環境影響評価書を、平成26年8月26日に国土交通大臣へ提出し、同評価書において、主な鉄道施設の位置や規模を明らかにするとともに、予測の妥当性について根拠を示すなどの対応をしております。

質問事項
一の2 都内では、建設発生土は600万立方メートル、建設汚泥は151万立方メートル等と予測されており、発生土置き場については、位置と規模がはっきりしないと、環境への影響を調べることもできないが、発生土置き場を設置する場合には、どのようにチェックするのか伺う。

回答
 JR東海は、環境影響評価書において、発生土置き場を今後計画する場合には、場所の選定、関係者との調整を行った後に、調査及び影響検討を行い、周辺環境への影響をできる限り回避・低減するよう適切に対処するとしています。
 また、調査及び影響検討の結果等については、関係自治体及び地域住民に対して公表を行うとしています。
 なお、今後は東京都環境影響評価条例に基づき、JR東海が実施する事後調査に係る手続を進めていきます。

質問事項
一の3 建設発生土の搬出から処理までのフロー図は資料編に示されているが、汚染土のチェック及び汚染が見つかったときの対策は、だれがどのようにするのか。また、その際の都の役割について伺う。

 回答
 汚染土のチェック及び汚染が見つかったときの対策については、環境影響評価書において、JR東海が学識経験者と相談するなどして、適切に実施するとしています。
 なお、今後は東京都環境影響評価条例に基づき、JR東海が実施する事後調査に係る手続を進めていきます。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 小竹ひろ子

質問事項
一 子どもの貧困問題解決のために

一 子どもの貧困問題解決のために
 子どもの貧困が深刻な社会問題になっています。親が夜遅くまで働いているために朝に起きられない、朝食を食べていない、ユニフォーム代や遠征費など親の負担を気づかって入りたい部活をがまんし、「お金のかからない部活はどれか」と聞いて入部する、修学旅行や遠足も欠席するなど、貧困が子どもの学校生活をゆがめ心に傷を与えています。
 子どもの6人に1人が貧困状態という深刻な状態にあります。今年発表された2012年の相対的貧困率は16.3%と、2009年に比べ0.6%増、過去最悪の状況になりました。なかでも、母子家庭の多いひとり親世帯の貧困率は54.6%をこえており、経済協力開発機構(OECD)加盟33ヵ国中最悪の水準になっています。
 子どもの貧困の解決は、緊急課題として位置づけられなければなりません。昨年議員立法で成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づく「大綱」が、今年8月に閣議決定されました。「大綱」は教育の支援・生活の支援・保護者に対する就労の支援・経済的支援の4分野の支援策をまとめましたが、既存事業が中心で、子どもの貧困対策に関する検討会(有識者会議)などが求めていた子どもの貧困率改善の数値目標設定や、給付型奨学金の導入、ひとり親家庭への児童扶養手当の対象年齢引上げ等が、財源の裏付けがないとして検討会提言から後退しています。
 「家庭に学習机などなく勉強する習慣がない」「基礎ができていない」など、子どもの貧困は深刻な問題を生んでいます。母子家庭などでは低賃金で、ダブル、トリプルワークで夜遅くまで働いているため、子どもにかかわるゆとりがないなどの実態があります。
 9月に発表された東京都「長期ビジョン(仮称)」中間報告には、最悪の水準になっている子どもの貧困対策は全くふれられていません。一方、わが党の代表質問に都は、「貧困は子どもたちの生活や成長にさまざまな影響を及ぼすため、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、福祉、教育、就労と言った面から必要な環境整備を図っていくことが重要であると認識しております」と答えています。
1 東京都が福祉先進都市を標榜するのであれば、子どもの貧困を解消するため、保護者の就労を含めた総合的な「子どもの貧困対策計画」を都として策定すべきです。国も、地域実情をふまえた計画策定を求めています。いかがですか。
 「子どもの貧困」を解決し、貧困の連鎖を断つ上で、教育を受ける権利の保障は欠かせません。以下、教育にしぼって質問します。
 憲法26条は、教育を受ける権利と保護者の子どもに教育を受けさせる義務、および義務教育無償を定めています。しかし義務教育無償といっても、実際には国公立小・中学校の授業料と私立も含めた小・中学校の教科書の無償にとどまっています。
 義務教育を受けるために保護者が払う経費は、学校給食費や学用品費、クラブ活動費、修学旅行費など、子ども1人あたり公立中学校では年間約17万円、公立小学校では約10万円にも上ります。塾などに行かなくてもこれだけの費用を義務教育でも払わなければなりません。その負担は年々増え、4月からの消費税増税も追い討ちをかけ、保護者の肩に重くのしかかっています。
 こうした中、経済的な理由で就学が困難な児童生徒の保護者に学用品費や学校給食費などを支援する就学援助制度は、子どもの教育を支える重要な役割を果たしています。ところが、その就学援助制度の所得基準となっている生活保護の基準が、昨年8月に引下げられ、今後も引下げが予定されています。これにより就学援助の対象外となる世帯が生じないよう国は財政措置を講じましたが、2013年度限りにとどまっています。しかし、生活保護基準引き下げの影響回避を地方自治体まかせにするべきではありません。
 また2005年には、就学援助の準要保護世帯の国庫補助金が一般財源化され、区市町村では、その所得基準を引下げざるを得ない状況も生じています。
2 小中学校における就学援助制度が生活保護基準の見直しによる影響を受けないよう、財政措置を講じることや、一般財源化した準要保護世帯への国庫補助金を復活するなど制度の拡充をはかることを国に求めるべきです。いかがですか。
3 あわせて貧困世帯のセーフティネットである生活保護基準の切り下げを行わないよう、国に求めるべきです。見解を伺います。
4 今年は、生活保護基準引下げによる影響が出ないよう、多くの区市町村が努力をして、従来の所得基準を維持しています。また、準要保護の所得基準は、都内区市町村によりまちまちです。東京の子どもたちがどの子も等しく安心して学べるようにする第一歩として、都が区市町村を補助して所得基準を引上げ、就学援助制度を拡充することを求めます。いかがですか。
5 消費税8%増税をうけた就学援助単価の増額の対応が自治体によりまちまちです。どの自治体もすべての援助費目の支給額に消費税分の上乗せをきちんとできるよう、特別区財政調整交付金に就学援助単価の増税分を上乗せすることを求めます。
6 また就学援助制度の対象者を掘り起こし、受給漏れをなくすためにも、これを扱う学校事務職員の役割は重要です。少なくとも国基準に見合う正規職員の配置を各学校に行うことを求めます。
 1年間の学校給食費は、小学生が平均で4万円を超し、中学生では5万円を超えています。消費税増税も加わりその負担は年々重くなっています。文部科学省が2014年1月に発表した給食費未納調査でも、学校関係者が「34%が親の経済的理由だ」と答えています。
 お隣の韓国のソウル市では学校給食無償化を実施しています。国内でも1951年に山口県和木町の小学校で始まり、中学校に拡大しました。近年では少子化対策として、学校給食の完全無償化が、北海道三笠市、兵庫県相生市などの自治体に広がっています。山梨県早川町、丹波山村は2012年から、給食費、教材費・修学旅行費なども合わせて実質義務教育無償化を実現しています。
 就学援助は申請しなければ受けられません。低賃金でダブル、トリプルワークで必死に子育てをしている母子家庭やDVを受けている外国籍の母親など、一番困難を抱え必要としている人が、受給漏れになっているケースをなくすためにも給食費の無償化が求められています。
 また、多摩地域の市町村の中学校給食は、デリバリー給食など給食費前払いの注文制になっている自治体があります。これらの中学校では給食の喫食率も高くなく、お弁当も給食も食べない生徒がいます。朝食欠食の子どもの多くが母子家庭など貧困家庭だといわれているなど、1日の食事を給食に頼る子どもがいることを考え合わせると、少なくとも食を保障し、どの子もおいしく暖かい給食を食べられるようにすることが重要です。そのためにもデリバリー方式でなく自校調理などによる給食の実施と、給食費無償化の方向を目指すべきです。
 東京が給食費等の無償化を実現すれば、全国に大きな影響を与えるでしょう。
7 学校給食無償化の一歩として、都内のすべての小中学校でおいしく暖かい完全給食を実施し、保護者の給食費負担を軽減するため、食材費に対する補助制度を確立すべきですが、見解を求めます。
 高校教育にとっても、貧困問題は深刻です。
8 2010年度に公立高校の授業料無償化が実現しましたが、今年4月より所得制限が導入され就学支援金制度となりました。高校生の学びを社会で支えるという理念の応対も問題ですが、同時に、所得制限の導入は現場の混乱を招いています。本来支援金を受け取れる家庭の子どもであるにもかかわらず、所得の証明が出せないために、受けられないケースが生まれかねません。
 高校授業料無償化は世界の流れでもあります。貧困の連鎖を断ち切るためにも、国に対し無償化を要求していくべきです。見解を伺います。
9 都として年収350万円以下の家庭の高校生は、私立学校でも授業料ゼロになるよう、授業料補助などの制度の拡充を求めます。
 アルバイトをしながら高校に通う生徒も多くいます。高校は教科書をはじめ学用品などすべてが自己負担です。専門高校の教科書は2,000円以上もするものもあります。文部科学省「平成24年度『子供の学習費調査』の結果について」によれば授業料以外の教育費の負担は、子ども一人当り全国の公立高校で平均23万円、私立高校では平均48万円にのぼるなど、負担は大変です。
10 高校生の学ぶ権利を保障するためにも、高等学校における就学援助制度を実施すべきだと考えますが、いかがですか。
11 国の就学支援金の制度改正と同時に設けられた、高校生等奨学給付金制度の給付額および所得基準を都独自に拡大することを求めます。
 また、都立夜間定時制高校に通う生徒にとって、給食制度は欠かせないものです。給食が1日分の食事と言う生徒、給食費の1ヶ月または3ヶ月分が前納できないため、給食を食べられない生徒もいます。1食380円の負担とはいえ、まとめて払うことが困難であったり、ファストフードやカップラーメンなど、より安い食べ物ですませたり、コンビニエンスストアでアルバイトをしていて賞味期限切れ直前の弁当ですませている生徒もいると聞いています。関係者から思春期、成長盛りの高校生の食事として栄養面でも問題があり、心配だとの声があがっています。
12 都教育委員会は定時制高校の給食の提供方法を見直すとしていますが、縮小・廃止の方向での見直しは認められません。自校方式を基本にあたたかい給食を提供すること、そして給食費負担の大幅な軽減を求めます。
 貧困の連鎖を断ち切る上でも、大学や専門学校への進学は重要です。貧困世帯の進学率は低く、例えば東京の生活保護世帯の大学進学率は22.8%で、都内全世帯の高校卒業生の63.0%を大きく下回っています。進学希望の子どもたちは、高校時代にアルバイトをして入学金を貯めるなど、苦労をしています。学費も生活費も自力で用意しなければならないため、多くの子どもたちが進学を諦めています。
13 貧困世帯の大学進学率を上げるために、都として数値目標を設定し、支援策を講ずることは重要と考えますがいかがですか。
 東京の子どもの貧困をなくし、貧困の連鎖を解消するため、教育を受ける権利の保障は重要であり、その立場から現行制度を見直し充実を求めるものです。

平成26年第三回都議会定例会
小竹ひろ子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 子どもの貧困問題解決のために
1 子どもの貧困を解消するため、保護者の就労を含めた総合的な「子どもの貧困対策計画」を、都として策定すべきであり、国も、地域実情をふまえた計画策定を求めているが、見解を伺う。

回答
 全ての子供達が、個性や想像力を十分に伸ばし、次代を担う社会人として育つためには、必要な環境が成長段階に応じて得られるよう、家庭・学校・地域で体制整備を行っていくことが必要です。
 こうした考えに立って、都はこれまで、次世代育成支援行動計画やひとり親家庭自立支援計画等を策定し、様々な施策を進めてきました。
 例えば、保護者の就労等の問題を抱えた家庭に対しては、区市町村の生活相談窓口や国のハローワーク、都の就労支援機関等の専門相談に適切に結び付けるなど、様々な機関が連携して対応しています。
 今年度は、ひとり親家庭自立支援計画を改定するとともに、子供・子育て支援事業支援計画を新たに策定することとしており、来年度には、子供・若者計画を策定する予定です。
 都としては、こうした計画に、支援が必要な子供達への施策を盛り込み、総合的に推進していく考えです。

質問事項
一の2 小中学校における就学援助制度が生活保護基準の見直しによる影響を受けないよう、財政措置を講じることや、一般財源化した準要保護世帯への国庫補助金を復活するなど、制度の拡充をはかることを国に求めるべきだが、見解を伺う。

回答
 就学援助は、学校教育法により、区市町村にその実施が義務付けられており、その権限と責任において適切に実施するものと考えています。平成17年度に「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」が改正され、準要保護者に対する就学援助については、地方の実情に応じた取組にゆだねることが適切であるという国の判断から国庫補助が廃止され、国から区市町村へ税源移譲されたところです。国に対して、準要保護者への国庫補助金の復活や、要保護者に係る就学援助を含めた制度の拡充を求めることは考えていません。

質問事項
一の3 貧困世帯のセーフティネットである、生活保護基準の切り下げを行わないよう国に求めるべきだが、見解を伺う。

回答
 国は、平成23年2月に設置された社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果に基づき、年齢・世帯人員・地域差といった制度内の「歪み」を調整するとともに、前回見直しを行った平成20年度以降の物価動向を勘案して、基準の一部を改正し、平成25年8月1日から適用しました。
 この改正においては、改正前の生活扶助基準からの改定幅は10パーセントが限度となるよう調整されたほか、平成25年8月から3年間かけて段階的に実施するといった激変緩和措置が講じられています。
 また、国は、「生活保護基準については、毎年度、国民の消費動向や社会経済情勢を総合的に勘案し、予算編成過程で検討されるものであり、今後、物価の上昇に伴い国民の消費動向が上昇する場合には、そのことも勘案しつつ、改定を検討する」こととしています。
 都は、国に対し、生活扶助基準の見直しに当たっては、大都市の生活実態を踏まえたものとするよう、提案要求しています。

質問事項
一の4 東京の子どもたちが、どの子も等しく安心して学べるようにする第一歩として、都が、区市町村を補助して所得基準を引上げ、就学援助制度を拡充するべきだが、見解を伺う。

回答
 就学援助は、学校教育法により、区市町村にその実施が義務付けられており、要保護者に対しては国庫補助事業として、準要保護者に対しては区市町村が一般財源で賄うべき単独事業として実施されており、区市町村がその権限と責任において適切に実施するものと考えています。
 したがって、都として区市町村を補助するなど、新たな対策を講ずることは考えていません。

質問事項
一の5 消費税増税をうけた就学援助単価の増額の対応が、自治体によりまちまちであり、どの自治体もすべての援助費目の支給額に消費税分の上乗せをきちんとできるよう、特別区財政調整交付金に就学援助単価の増税分を上乗せすべきだが、見解を伺う。

回答
 都区財政調整制度は、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保することを目的としています。また、特別区財政調整交付金は、使途が特定されない、各区の自主的な判断により使うことができる一般財源です。
 都区財政調整における基準財政需要額については、これまでも都と区で協議を行い、毎年の合意を重ねてきたものであり、今後とも適切に対応していきます。

質問事項
一の6 就学援助制度の対象者を掘り起こし、受給漏れをなくすためにも、これを扱う学校事務職員の役割は重要であり、少なくとも国基準に見合う正規職員の配置を各学校に行うべきだが、見解を伺う。

回答
 小中学校の事務職員については、原則として、1校あたり1人の配置としていますが、国の基準に該当する就学援助対象者の児童・生徒数の多い学校又は大規模な学校については、臨時職員を配置して適切に対応しています。

質問事項
一の7 学校給食無償化の一歩として、都内のすべての小中学校で完全給食を実施し、保護者の給食費負担を軽減するため、食材費に対する補助制度を確立すべきだが、見解を伺う。

回答
 学校給食法では、学校給食は学校の設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童又は生徒の保護者が負担することとされています。
 小・中学校における学校給食費は、学校設置者である区市町村が、地域の実情や特性を考慮して決定しており、学校給食費の改定や就学援助を含む保護者負担の軽減策等についても、区市町村の判断により行われています。
 なお、平成25年度の都内の完全給食実施率は、小学校が1,298校中1,294校で99.7パーセント、中学校620校中608校で98.1パーセントであり、特段の事情のある学校を除き、ほとんどの学校において完全給食が実施されています。

質問事項
一の8 2010年度に公立高校の授業料無償化が実現したが、今年4月より所得制限が導入され就学支援金制度となった。高校授業料無償化は世界の流れでもあり、貧困の連鎖を断ち切るためにも、国に対し無償化を要求すべきだが、見解を伺う。

回答
 平成26年度から全国の公立高校に導入された就学支援金制度は、低所得世帯の生徒等について高等学校教育に係る経済的負担が十分に軽減されていないことを理由として、その負担の軽減を適正に行うという目的で、国会での慎重な審議を経て実施されているものです。
 このため、国に対し高校授業料の無償化を求めることは考えていません。

質問事項
一の9 都として、年収350万円以下の家庭の高校生は、私立学校でも授業料がゼロになるよう、授業料補助などの制度を拡充すべきだが、見解を伺う。

回答
 都では、国の就学支援金に加え、所得に応じて区分を設け補助する特別奨学金事業を行い、保護者の授業料負担の軽減を図っています。
 年収350万円未満世帯については、就学支援金、特別奨学金、育英資金の合計額が、都内私立高校平均授業料はもとより、学校納付金相当額をも上回っており、必要な支援はできていると考えています。
 さらに、平成26年度からは、国の就学支援金の見直しと併せて、特別奨学金の給付を充実させるとともに、授業料以外の教育費負担を軽減するため奨学給付金制度を創設し、実施しています。

質問事項
一の10 高校生の学ぶ権利を保障するためにも、高等学校における就学援助制度を実施すべきだが、見解を伺う。

回答
 就学援助制度は、義務教育において経済的理由により就学困難と認められる者に対して区市町村に実施が義務づけられている事業です。
 高等学校教育においては、国が、平成26年度から就学支援金制度の改正に併せて、低所得世帯の経済的負担をさらに軽減する目的で奨学のための給付金制度を新たに設けました。この新しい制度は、国公私立高等学校等に通学する生徒で、生活保護世帯又は住民税所得割額の非課税世帯を対象に教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給するものです。これを受け、都においても、この制度を適切に実施しています。
 さらに、私立高校に対しては、これまでも学校に対する経常費補助を通して授業料の抑制を図るとともに、国の就学支援金に加え特別奨学金や育英資金等の幅広い施策を総合的に活用して、修学上の保護者負担を軽減しています。

質問事項
一の11 国の就学支援金の制度改正と同時に設けられた、高校生等奨学給付金制度の給付額および所得基準を、都独自で拡大すべきだが、見解を伺う。

回答
 都立高校については、「奨学のための給付金」により教科書や学用品等に係る費用が給付されることで、従前よりも低所得世帯の生徒等の高等学校教育に係る経済的負担の軽減が図られています。
 私立高校においても、同様の奨学給付金制度を実施し、保護者の授業料以外の教育費負担を軽減するとともに、国の就学支援金の見直しと併せて、都独自の特別奨学金の給付を充実させています。
 したがって、奨学のための給付金制度の給付額及び所得基準を都独自で拡大することは考えていません。

質問事項
一の12 都教育委員会は、定時制高校の給食の提供方法を見直すとしているが、縮小・廃止の方向での見直しは認められない。自校方式を基本にあたたかい給食を提供すること、そして給食費負担の大幅な軽減をすべきだが、見解を伺う。

回答
 定時制高校の給食は、勤労学生の在籍割合の低下や生徒のライフスタイルの多様化、外食産業等の学校周辺環境の変化などに伴い、喫食率が低下しています。
 都教育委員会では、給食の質を確保するとともに、生徒数に応じた適切な方式による給食の提供に努めています。
 給食費負担の軽減に関しては、勤労青少年の高等学校定時制課程への修学を促進し、教育の機会均等を保障することを目的として、「都立高等学校定時制(夜間)課程夜食費補助金制度」により、有職者、求職中の者等を対象に、給食食材費の一部を補助しています。

質問事項
一の13 貧困世帯の大学進学率を上げるために、都として数値目標を設定し、支援策を講ずることは重要と考えるが、見解を伺う。

回答
 我が国では、広く大学等で学ぼうとする人を対象とした日本学生支援機構の奨学金や、低所得世帯を対象とした社会福祉協議会の教育支援資金などの公的な支援を受けられるほか、各大学においては、学内奨学金や、授業料等の減免・猶予など、大学進学のための様々な支援策が講じられています。
 こうした支援策に加え、都では、低所得世帯の子供を対象として、平成20年度から、学習塾の費用や受験料について独自に支援する「受験生チャレンジ支援貸付事業」を実施しており、大学等に入学した場合には、その返済を免除しています。
 都としては、世帯の所得の状況にかかわらず、大学進学率の数値目標を設定することは考えていません。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 中国残留邦人等の支援について

一 中国残留邦人等の支援について
1 今年10月1日から新たに配偶者支援金制度が始まりました。中国残留邦人等と長年にわたり労苦をともにしてきた特定配偶者が、中国残留邦人等が死亡した後も安定した生活を送ることができるようにと創設されたものです。制度の趣旨を活かすため、円滑な制度の運営が求められます。そこで、都内に対象となる方は何人いるか伺います。
2 特定配偶者の対象者となる方々にどのようにお知らせをし、もれなく支援ができるのか伺います。
3 中国残留邦人等は法律で公営住宅に優先入居できるよう定められています。しかし、その機会がなく高齢になり民間賃貸住宅に住む方もおり、公営住宅への入居ができていない方もいます。そうした方の中で、どのくらいの方が入居を希望していますか伺います。
4 公営住宅に入居できていない方々は、通常の募集では優遇はされていますが高倍率のため当選できない状況です。そのため、別に入居の斡旋をしているとのことですが、住んでいる地域の住宅ではないため入居ができていないという状況です。すでに高齢となり生活環境の大きな変化に対応が困難な状況では、住み慣れた地域での入居が望まれます。希望をとることなく漠然と枠だけつくって毎年公募して入居できず、また次の年も同じことを繰り返すのではいつまでも解決しません。膨大な人数でもなく今後大幅に増える状況でもないなか、希望の入居先を聞けば、毎年同じことを繰り返すこともありません。制度の趣旨と特殊性、さらには高齢化の状況からして都として最優先で取り組むべき課題と考えます。今後の取り組みについて所見を伺います。

平成26年第三回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 中国残留邦人等の支援について
1 今年10月1日から、新たに配偶者支援金制度が始まったが、都内に対象者は何人いるのか伺う。

回答
 配偶者支援金は、中国残留邦人等の死亡後に、遺された配偶者の安定した生活を支援する目的で、本年10月から、新たに支給されることとなりました。
 都内において、配偶者支援金の支給対象である特定配偶者は、本年8月末日現在で68人です。

質問事項
一の2 特定配偶者の対象者にどのようにお知らせをし、もれなく支援ができるのか伺う。

回答
 支給対象である特定配偶者に対しては、中国残留邦人等に対する支援の実施機関である区市等において、リーフレット「配偶者支援金のご案内」(日本語版、中国語版及びロシア語版)を利用し、個別に説明するなどにより、漏れなく申請できるよう周知しています。

質問事項
一の3 中国残留邦人等は法律で公営住宅に優先入居できるよう定められているが、その機会がなく入居ができていない方の中で、どのくらいの方が入居を希望しているのか伺う。

回答
 本年10月1日現在で、都内に居住している中国残留邦人等は1,264世帯であり、このうち公営住宅に入居している世帯は1,100世帯、高齢者施設等に入所している世帯は36世帯です。これらを除いた、民間賃貸住宅等で暮らしている世帯は128世帯ですが、公営住宅への入居希望の有無は把握していません。
 なお、都営住宅では、中国残留邦人等を対象に年2回の特別割当を実施しており、今年度第1回目の募集では、希望のあった5世帯全てが当選しています。

質問事項
一の4 中国残留邦人等の公営住宅の優先入居について、制度の趣旨と特殊性、さらには高齢化の状況から、都として最優先で取り組むべき課題だが、今後の取組について、所見を伺う。

回答
 都は、中国残留邦人等に対して、東京都営住宅条例に基づき、居住の安定について特別の配慮が必要であると認められる者として、都営住宅の特別割当を行っています。
 また、一般募集においても、当選率を一般の7倍高くする優遇措置を講じています。
 中国残留邦人等に対する特別割当制度については、平成21年度に「帰国後3年未満であること」、「過去に都営住宅等の割当てを受けていないこと」といった要件を撤廃するなど、これまでも必要な見直しを行ってきており、今後も、入居希望などの実態を踏まえ、適切に対応していきます。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 斉藤あつし

質問事項
一 無戸籍者の解消に対する東京都の対応について
二 2020年東京オリンピック・パラリンピック大会のパラリンピック大会について
三 未成年者による殺人事件の予防と対処について

一 無戸籍者の解消に対する東京都の対応について
1 無戸籍者は推計で全国に1万人とも言われている。東京都は人口の10%が在住しており、多くのデータで全国民を対象にした発生数の10%が都内で発生する場合が様々な種類のデータで示されている。しかし、この無戸籍者についてのデータは戸籍という調査のベースがないから正確な調査の難易度が相当高いと推察する。今年の7月31日には法務省は全国の市町村に対して無戸籍者の把握に努め、問題解決に取り組むよう通知を行ったが、どの自治体も数の正しい把握はそもそも難しいと思う。一般的にどのような事象でも東京都の統計は全国の1割程度の場合が多いが、東京都内にはどのくらいの数の無戸籍者がいると推測されるか、都としての所見を伺う。
2 地方自治体は住民の福祉に努めるものと理解する。しかし、無戸籍状態では生活に必要な公的支援が正しく受けられない場合が多いと推察する。法務省はホームページで無戸籍者の戸籍に記載されるための手続について詳細を説明している。そのQ&Aのサイトでは冒頭の説明として
 「夫と事実上の離婚状態となった女性(夫の氏を称して婚姻)が、他の男性の子を懐胎し、(元)夫との婚姻中又は離婚から300日以内にその子を出生した場合には、原則として、その子は(元)夫の子と推定され、(元)夫とその女性が婚姻していた当時の戸籍に記載されることになります。しかし、その女性が、(元)夫に子の存在を知られたくないなど、何らかの理由から、出生届を提出しないために、子が戸籍に記載されないことがあります。この子が成年となり、自ら法的な手続をとることができるようになった場合で、母が既に離婚しているときは、どうしたら戸籍に記載されることができるのでしょうか。戸籍に記載されるための手続を知りたい方は、次のQ&Aを読んでみてください。」
 とあります。この文章の主体には「戸籍を早く取れる人は取りましょう」という意志はなく、「取りたい人はどうぞ」という立場の説明になっている。しかし、戸籍は本人の自由意思で「あってもなくてもいいよ」というものではない。
 地方自治体として都は、戸籍への記載に対して、事情があって逡巡していたり手続きが難しそうと感じている都内在住者に対して、「戸籍への記載を早くすることの重要性」を積極的に訴えていく、そして「早くすべきであり、行政側も取得の協力に労を惜しまない」という姿勢をはっきりと示していく工夫を、市区町村と共にすることが人道的にも理想である。法務省のホームページも「取った方がいい」という姿勢が見えないため、戸籍への記載を難しいものと考えている人にはためらいを解消しにくい。更には無戸籍ということから教育を十分に受けられなかった人も想定する必要があるが、法務省も努力はみられるがまだ文章が難しい。そして、やはりこういう課題を現実の相談窓口は市区町村になるかと思われる。東京都もより分かりやすいホームページで戸籍に記載されるための手続を平易に理解させ、取得へ誘導すべきであり、同時に各市区町村に広報と相談対応を指示することも行うべきと思う。東京都はどのように考えるのか。

二 2020年東京オリンピック・パラリンピック大会のパラリンピック大会について
1 パラリンピックの地上波テレビ放送については日本ではこれまで開催時間に対して十分な放映時間の確保や詳細な競技放映が進んでいないようだと感じる。NHKにおいて2012年のロンドンオリンピック地上波放送は8月分を見ると、Eテレでの8月29日の27時30分から3時間の開会式(生中継。時差の都合で深夜)、30日(木)にはNHK総合で15時台に45分間の開会式録画ダイジェスト、同日Eテレで20時から録画ダイジェスト、31日(金)NHK総合で15時台に45分間の録画ダイジェスト、同日Eテレで20時から録画ダイジェストという具合に多少興味がある視聴者にとって観易い、気付き易い放映とは思えない。また、民放での放送がないのは「日本ではスポンサーがつかないためではないか」という推測もある。
 2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた研究において、どのようにパラリンピックを多くの人に観ていただき、知っていただく工夫を進めるかということは重要である。過去の日本でのパラリンピックの地上波テレビ放送の実態についての東京都の所見を伺う。
2 私は、日本が先進国として、東京が2度目の開催ということを踏まえ、パラリンピックは日本においての新しい試み、世界としても新しい試みを実行すべきと考える。東京都としては2020年の東京のパラリンピック大会の地上波放映はどうあるべきと考えるか、所見を伺う。

三 未成年者による殺人事件の予防と対処について
1 2014年7月26日に長崎県の佐世保市で発生した女子高校生による殺人事件は社会に衝撃を与えた。特に佐世保市が10年前に同様の事件を受けて「命の教育」を教育委員会が積極的に行ってきたにもかかわらずこのような事件が発生したことも、防止できなかったという点で衝撃である。私は、精神障害などの医療的対処の必要性という側面も考慮すれば、「教育委員会の活動で防ぐことができる」、「防げなかった教育委員会に責任がある」とは考えていない。学校は子供が互いの命を尊重し、他人を傷つける事のないようにするための取組みや、他人を傷つけることが心配される子供に対する対応をどのように行っているのか、東京都教育委員会の所見を伺う。
2 児童相談所に事件の事前に相談が診察した精神科医からあったとされる。他害の恐れがあるという通報に児童相談所はどのように対応をするのであろうか。児童相談所の一般的な対応について、所見を伺う。

平成26年第三回都議会定例会
斉藤あつし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 無戸籍者の解消に対する東京都の対応について
1 今年の7月31日に、法務省は全国の市町村に対して無戸籍者の把握に努め、問題解決に取り組むよう通知をしたが、都内には、どのくらいの無戸籍者がいると推測されるのか、所見を伺う。

回答
 戸籍制度については法務省が所管し、その事務は市区町村の法定受託事務とされており、都は関与していません。
 そのため、無戸籍者の人数については、都は把握していません。

質問事項
一の2 こういう課題の現実の相談窓口は市区町村になるかと思われる。都も、より分かりやすいホームページで戸籍に記載されるための手続を平易に理解させ、取得へ誘導すべきであり、同時に、各市区町村に広報と相談対応を指示すべきだが、都はどのように考えるのか伺う。

回答
 都は戸籍制度に関与しておらず、無戸籍者の解消については国において対応すべきものと考えています。
 なお、国は無戸籍者について、社会生活上様々な不利益を被ることがあるほか、各種の行政サービスを享受する上で困難が生じると考え、ホームページの見直しや市区町村への協力依頼など、様々な取組を通じて無戸籍者の戸籍への記載を促していると聞いています。

質問事項
二 2020年東京オリンピック・パラリンピック大会のパラリンピック大会について
1 過去の日本でのパラリンピックの地上波テレビ放送の実態について、都の所見を伺う。

回答
 パラリンピック大会に関する地上波テレビ放送が、オリンピックに比べて少ない、という状況については認識しております。
 都としても、パラリンピック大会が積極的に報道されるよう、各メディアに働きかけていく必要があると考えています。

質問事項
二の2 都として、2020年の東京のパラリンピック大会の地上波放映は、どうあるべきと考えるのか、所見を伺う。

回答
 都は、2020年大会の開催に向けて、東京都提供番組や広報東京都を活用してパラリンピックスポーツやパラリンピアンの紹介などパラリンピックに関する情報発信を充実してきました。
 パラリンピックにかかわる情報が、様々なメディアを通じて広く発信され、パラリンピックの価値や競技の魅力が多くの人々に伝わることが重要と考えます。

質問事項
三 未成年者による殺人事件の予防と対処について
1 学校は、子供が互いの生命を尊重し、他人を傷付けることのないようにするための取組や、他人を傷付けることが心配される子供に対する対応を、どのように行っているのか伺う。

回答
 各学校では、道徳や特別活動をはじめ、教育活動全体を通して、全ての児童・生徒に、生命を尊重する態度を育む指導を推進しています。
 他人を傷付けようとする行為や攻撃的な態度等、気になる様子が見られる児童・生徒に対しては、教員やスクールカウンセラーが、子供や保護者の相談に乗り、支援を行うなどして、未然防止を図っています。
 また、学校だけでは解決が困難な問題については、全公立学校に設置している「学校サポートチーム」の連絡会における情報共有や対応策の協議などを通して、保護者、民生・児童委員、警察、医療機関などと連携・協力して問題解決に向けた取組を行っています。
 さらに、状況に応じて、教育分野に関する知識に加え、社会福祉等の専門的な知識や技術を有するスクールソーシャルワーカーが、児童・生徒が置かれた環境へ働きかけを行うとともに、関係機関等とのネットワークを活用し支援を行っています。

質問事項
三の2 今回の殺人事件において、児童相談所に通報とも理解できる連絡が、診察した精神科医からあったとされるが、このような通報の際に、児童相談所はどのような対応をするのか伺う。

回答
 児童相談所に、一般的な育成上の相談があった場合は、子供の発達状況、生育歴、学校の適応状況、保護者の状況等を調査し、社会診断や心理診断、必要に応じて医学診断や一時保護所での行動診断を行い、援助の方法を決定します。
 今回の事件のような、「人を殺しかねない子供がいる」との相談を児童相談所が受けた場合は、相談者から、子供や保護者の状況を可能な限り確認し、必要な場合には面接などの支援を行います。
 また、相談・調査の過程において緊急度の高いケースなど、対応が必要と判断した場合は、直ちに医療機関や保健所等の関係機関と連携し、一時保護などを行います。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 大山とも子

質問事項
一 新国立競技場建て替え問題と都営霞ヶ丘アパートについて

一 新国立競技場建て替え問題と都営霞ヶ丘アパートについて
 都は、文部科学省と日本スポーツ振興センター(JSC)がすすめる新国立競技場整備計画を理由に、住民の意向も無視して都営霞ヶ丘アパートを廃止し、住民を追い出そうとしています。
 都による廃止通告から2年が経過しますが、茨城大学稲葉奈々子准教授の最近のアンケート調査でも、30人の住民は「このまま霞ヶ丘アパートに暮らしたい」と求めています。また新国立競技場計画にたいし、改修を含め抜本見直しを求める建築家や都民の声は、当初の想定をこえて広がる一方です。世論調査でも、回答者の4割が改修、3割が計画見直しを求め、改築は2割と少数です。
 私は、2012年の第3回定例会に、霞ヶ丘アパート廃止計画を白紙に戻し住民との話し合いを始めるべきとの文書質問を提出しましたが、あらためて、新国立競技場計画による都営霞ヶ丘アパート廃止計画を見直し、居住者が住み続けられることを求め、以下質問します。
1 そもそもオリンピックのメインスタジアムである競技場整備のために、都営住宅を廃止し住民を追い出すことは、住民の居住権を奪うものであり、オリンピック憲章の「人間の尊厳保持に重きを置く」とする理念に反する行為ではありませんか。都としてどのように検討したのですか。
2 たとえ国とJSCがナショナルプロジェクトだとしてアパート廃止を前提とした計画を立てたとしても、都は、都営住宅とその入居者を守る立場から是正を求めるべきです。都営住宅を廃止することなく、競技場を改築ないし改修する変更等はありえたはずです。都としてそうした努力、働きかけは行わなかったのですか。
3 廃止決定の経過、手続きも疑問です。JSCが有識者会議にデザインの募集要項を提案する前に、影響を及ぼす明治公園、都営住宅を所有する都に事前の相談、協議はあったはずですが、どうだったのですか。またどう対応したのですか。事前協議もなく一方的に現在の明治公園、都営住宅を廃止する前提での募集要項を発表したとしたら、それ自体許されるものではないと思いますが、いかがですか。
4 廃止の決定手続きがどのように行われたかが不透明です。都市整備局は、廃止を決定した文書は存在しないとの説明を行っていますが、都としていつ、どのような手続きをへて廃止を決定したのですか。廃止決定にかかわる文書を都民が求めたのにたいし都市整備局は「存在しない」と回答したと聞いています。廃止決定を決めた文書は存在しないのですか。そうだとしたら行政運営における公平性、透明性の確保という行政手続きの上からもきわめて不適正ではありませんか。
5 現在、約180世帯が居住していますが、現在は明治公園となっているところに居住していて、1964年の東京オリンピックのときの立ち退きによって霞ヶ丘アパートに移転した方々を始め、長年居住してきた方々が多くいます。したがって、入居者の多くは高齢者であり、廃止し、他の団地への転居を求めることは、たとえ新宿区内であろうと隣接区の都営住宅への移転であっても、高齢者の暮らしにも心身にも深刻な影響をもたらすものです。そうした点はどのように検討したのでしょうか。
6 そして、最近の茨城大学稲葉奈々子准教授のアンケートでは回答者40人中、30人の居住者がいまでも「このまま霞ヶ丘アパートに暮らしたい」と回答し、「70年余り住み慣れた地を離れたくない。他地での生活環境の違いについていく自信がない」など切実な声が寄せられています。現時点で、こうした居住者の思いをどう受け止めますか。
7 知事は、記者会見での質問に答え、廃止決定の経過について「これはちょっと報告を受けて、どうだったかということを確認しないといけません」とのべました。報告を受けたのですか、その報告をどう受け止めたのですか。
 また、「できれば現場を見て、そういう判断をしたいと思います」とも発言していますが、いつ現場に行くのですか。
8 建築家、都民のあいだで、改修も含む新国立競技場計画の見直しを求める声が広がり、3人の建築家から改修による整備が提案されています。こうした改修案なら都営住宅は廃止する必要はありません。あらためて都営住宅の存続を求め、改築計画の見直しを国に迫るべきではありませんか。

平成26年第三回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新国立競技場建て替え問題と都営霞ヶ丘アパートについて
1 新国立競技場計画による都営霞ヶ丘アパートの廃止について、都として、どのように検討したのか伺う。

回答
 国が進める国立競技場建替えに当たり、計画対象範囲に霞ヶ丘アパートの敷地全体が含まれたことから、都は、国家プロジェクトとして進める国立競技場の建替えに協力することとし、居住者の移転を決定しました。
 都が行うのは、追い出しではなく、移転であり、移転に当たっては、近隣の都営住宅への入居のあっせんや移転料の交付などの対応を行うものであり、住民の居住権を奪うとする指摘は、全く当たりません。

質問事項
一の2 都営住宅を廃止することなく、競技場を改築ないし改修する変更等はありえたはずであり、都としてそうした努力、働きかけは行わなかったのか伺う。

回答
 国が進める国立競技場建替えに当たり、計画対象範囲に霞ヶ丘アパートの敷地全体が含まれたことから、都は、国家プロジェクトとして進める国立競技場の建替えに協力することとし、居住者の移転を決定しました。

質問事項
一の3 JSCが有識者会議にデザインの募集要項を提案する前に、影響を及ぼす明治公園、都営住宅を所有する都に事前の相談、協議はあったはずだが、どうだったのか。また、どのように対応したのか。事前協議もなく一方的に現在の明治公園、都営住宅を廃止する前提での募集要項を発表したとしたら、それ自体許されるものではないが、所見を伺う。

回答
 平成24年7月13日に、JSCが主催する国立競技場将来構想有識者会議(第2回)が開催され、JSCから、国立競技場建替えに当たり、都市計画の見直しの範囲に明治公園や霞ヶ丘アパートの敷地を含む案が説明され、新国立競技場の計画対象範囲に含まれることが了承されました。
 これを受け、都は、国家プロジェクトとして進める国立競技場の建替えに協力することとしました。
 JSCから、廃止についての都への事前相談、協議はありませんでした。

質問事項
一の4 都として、いつ、どのような手続きを経て廃止を決定したのか。廃止決定を決めた文書は存在しないのか。そうだとしたら行政運営における公平性、透明性の確保という行政手続きの上からも、きわめて不適正ではないのか、所見を伺う。

回答
 霞ヶ丘アパートには、現在も居住者が暮らしており、用途廃止は行っていません。
 なお、都においては、公営住宅法第44条第3項に基づく用途廃止を行う場合の必要な事項を定めた「都営住宅等の撤去事業及び用地活用に関する要綱」に従い、霞ヶ丘アパートを撤去団地として選定する決定を行っています。

質問事項
一の5 入居者の多くは高齢者であり、他の団地への転居を求めることは、高齢者の暮らしにも心身にも深刻な影響をもたらすが、そうした点はどのように検討したのか、所見を伺う。

回答
 移転に当たっては、生活環境に大きな変化を生じさせないよう、同一区内又は近隣の団地であって、できるだけまとまった戸数を確保できる団地として、都営原宿・神宮前アパート、都営百人町アパートなどを移転先住宅として選定し、居住者に説明しています。

質問事項
一の6 最近のアンケートでは回答者40人中、30人の居住者がいまでも「このまま霞ヶ丘アパートに暮らしたい」と回答し、「70年余り住み慣れた地を離れたくない。他地での生活環境の違いについていく自信がない」など切実な声が寄せられている。現時点で、こうした居住者の思いをどのように受け止めるのか、所見を伺う。

回答
 都は、霞ヶ丘アパート町会常任委員会に移転が必要となることを説明して以降、居住者全体への説明、近隣の都営住宅への入居あっせん、移転料の交付を行うほか、個別の相談に対しても、居住者の事情などに配慮しながら、丁寧な対応を行っています。

質問事項
一の7 知事は、記者会見で、廃止決定の経過について「確認しないといけない」と答えたが、報告を受けたのか。その報告をどのように受け止めたのか。また、いつ現場に行くのか伺う。

回答
 国が進める国立競技場建替えに当たり、計画対象範囲に霞ヶ丘アパートの敷地全体が含まれたことから、都は、国家プロジェクトとして進める国立競技場の建替えに協力することとし、居住者の移転を決定して、これまで非常に丁寧にきめ細かく居住者対応を行っています。現場視察も行っています。

質問事項
一の8 改修も含む新国立競技場計画の見直しを求める声が広がっており、あらためて都営住宅の存続を求め、改築計画の見直しを国に迫るべきだが、所見を伺う。

回答
 国が進める国立競技場建替えに当たり、計画対象範囲に霞ヶ丘アパートの敷地全体が含まれたことから、都は、国家プロジェクトとして進める国立競技場の建替えに協力することとし、居住者の移転を決定しました。

平成26年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 吉田信夫

質問事項
一 国民健康保険の広域化への対応について

一 国民健康保険の広域化への対応について
 国民皆保険を保障する命綱ともいえる国民健康保険をめぐっては、毎年のように保険料(税)の値上げがくりかえされ、高い保険料が生活を脅かすなど深刻な事態がおきています。今年度の国民健康保険料通知にたいしても、都下の区市町村にたいし9万件をこえる苦情や問い合わせが殺到しました。
 それだけにわが党は、国民健康保険料引き下げのために、国に国庫負担引き上げを求めるとともに、都としても財政支援を拡充するよう提案してきました。
 ところが国は、財政投入の責任をはたすことなく、国民健康保険の広域化を推進し、来年度からは、都道府県が定めたルールに従って医療給付費総額の実績にもとづき各区市町村に拠出金が請求される仕組みになり、それにもとづいて区市町村は保険料を設定することになります。わが党は、国民健康保険は住民に身近な自治体で運営すべきであり、国と区市町村の財政負担を後退させ、被保険者に一層の負担を求める広域化を進めるべきではないと考えます。
 来年度から広域化への重大な一歩というべき財政運営の都道府県単位の一元化が進められるもとで、都の対応が問われています。この問題を中心に、以下質問します。
1 国民健康保険問題の解決のためには、国保運営の困難の原因を明確にすることが前提です。国も都も、被保険者の低所得化の一方で高齢者の増加による医療費の増加という構造的問題があると認めていますが、被保険者の低所得層の増加、他方高齢化による医療費の増加、さらに所得に占める保険料負担の他の社会保険との比較など、東京における状況を具体的に明らかにしてください。
2 都の「国民健康保険財政安定化支援方針」では、「高額な医療費に見合う収入の確保が困難になっている」と記されていますが、構造的問題解決のためには、医療給付の増加分をそのまま保険料引き上げに反映させるのではなく、公的な財政支援の拡大が不可避と考えますが、どう考えますか。
3 ところが「東京都国民健康保険財政安定化支援方針」では、「給付に見合う保険料に近づける必要がある」とし、「計画的に保険料率の見直しを図る必要がある」としています。この方針では、構造的解決にはならないではありませんか。
4 さらに「安定化支援方針」では、国保運営の困難な被保険者の納入の困難解決のための支援を示さないまま、差押さえの強化などを含め収納率の引き上げを保険者にせまり、区市町村ごとの収納率の目標を定めています。都はいかなる権限を理由に、保険者である区市町村に収納率をさだめその実行を求めるのですか。
5 構造的問題解決のためには、都も強調するように、国が必要な財源策をとることが求められていますが、いまだに実行されていません。そうした現状のなかで、都としてどう対処するのですか。都として財政支援なしには、構造的問題の解決は先送りになるではありませんか。
6 これまで都は、保険料は保険者である区市町村によって決定されていることを強調してきました。来年度からは区市町村が決定することはかわりませんが、都が決定したルールに基づき求める拠出金額が各区市町村の保険料を左右することとなります。それだけに都の責任は重大です。単純に医療給付の増大を区市町村に押し付けるなら、保険料の引き上げを招きます。都としてどう対応するのですか。
7 都が拠出金の拠出方法をどう設定し、具体的にどれだけの拠出金額を示すのかは、区市町村にとってきわめて重大なことです。それだけに、保険者である区市町村の理解、合意をえてすすめることが重要と考えます。どう対応していますか。千葉県では、拠出金問題などを検討する連携会議の検討状況を公表しており、市町村別の拠出金のシミュレーションも明らかにしています。東京都は明らかにしていませんが、千葉県のように検討状況を明らかにすべきではありませんか。
8 国のスキームでは、保険料の格差を是正しようとすれば、高い保険料を下げるための財政負担は、保険料が低い区市町村が負担する仕組みになります。これでは、共同安定化事業によって保険料を上げざるをえない自治体がうまれます。現在のシミュレーションでは、どれだけの自治体が今年度にくらべて上がるのですか。
9 さらに国のスキームでは、医療費交付金よりも1%を超える拠出金は都の調整交付金で補填することになっていますが、その補填財源のために、これまで定率で交付されてきた区市町村への調整交付金が減額になるのではありませんか。どう対応するのですか。
10 都として共同安定化事業の拡大によって、保険料が上がる事態を回避するために、都としての対応が求められています。どう対応するのですか。
11 保険料格差の是正というなら、高い保険料に合わせるのでなく、低い保険料に合わせるべきではありませんか。また是正のための補填財源は、区市町村同士での調整でなく、国と都の負担で行うべきではありませんか。都は、国の責任を強調していますが、現時点で国の追加財源措置が示されていないもとでは、都として格差是正の財政支援を行うことを求めます。

平成26年第三回都議会定例会
吉田信夫議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 国民健康保険の広域化への対応について
1 国も都も、被保険者の低所得化の一方で高齢者の増加による医療費の増加という構造的問題があると認めているが、被保険者の低所得層の増加、他方高齢化による医療費の増加、さらに所得に占める保険料負担の他の社会保険との比較など、東京における状況について具体的に伺う。

回答
 後期高齢者医療制度の創設により、平成20年度から国保の加入者は75歳未満となりました。
 その後の状況を見ると、都内区市町村国保の平成21年度と平成24年度の加入者一人当たりの平均所得は、それぞれ、121.6万円、120.0万円となっています。
 65歳から74歳までの前期高齢者の加入割合は、それぞれ、26.8パーセント、27.5パーセントとなっています。
 加入者一人当たり医療費は、それぞれ、26.5万円、28.5万円となっています。
 加入者一人当たりの所得に占める保険料の割合は、それぞれ、6.7パーセント、7.1パーセントとなっています。なお、国の資料によると、平成24年度の割合は、市町村国保の全国平均9.9パーセント、協会けんぽ7.6パーセント、健保組合5.3パーセントとなっています。

質問事項
一の2 構造的問題解決のためには、医療給付の増加分をそのまま保険料引き上げに反映させるのではなく、公的な財政支援の拡大が不可避だが、所見を伺う。

回答
 国民健康保険制度の構造的問題については、国民皆保険制度を守るという観点から、制度設計者である国が責任を持って抜本的解決策を講じることが必要であると認識しています。
 現在、「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」において、制度見直しに関する議論が進められており、都は既に、国に対し、構造的な問題の解決、必要な財源の確保等について、提案要求をしています。

質問事項
一の3 「東京都国民健康保険財政安定化支援方針」では、「給付に見合う保険料に近付ける必要がある」とし、「計画的に保険料率の見直しを図る必要がある」としている。この方針では、構造的解決にはならないが、所見を伺う。

回答
 国民健康保険の給付等に要する費用については、原則として保険料と法定負担の公費で賄うこととされています。
 本来、保険料で賄うべき額を確保せず、一般会計から多額の法定外繰入を行うことは、給付と負担の関係が不明確となるほか、国保加入者以外の住民にも負担を強いることとなります。
 そのため都は、国民健康保険法第68条の2の規定及び国が示す要領に基づき、財政運営の安定化を図るために東京都国民健康保険財政安定化支援方針を定めており、その中で、区市町村は、計画的に保険料率を見直し、給付に見合う保険料率に近づけていく必要があるとしています。
 構造的な問題の解決、必要な財源の確保等については、都は既に、国に対し、提案要求をしています。

質問事項
一の4 さらに「安定化支援方針」では、区市町村ごとの収納率の目標を定めているが、都は、いかなる権限を理由に、保険者である区市町村に収納率をさだめ、その実行を求めるのか、所見を伺う。

回答
 国民健康保険法第4条第2項では、「都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない」とされています。
 また、同法第68条の2第1項では、「都道府県は、国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化を推進するための当該都道府県内の市町村に対する支援の方針を定めることができる」とされており、都は、この規定に基づき、財政安定化支援方針を定めています。
 保険料の納付状況の改善は、同条第2項において定めるものとされている事項の一つです。
 都道府県が支援方針で保険者規模別の収納率目標を定めず、各区市町村の収納率が、国民健康保険の調整交付金の交付額の算定に関する省令で定められた基準を下回った場合は、当該区市町村に対する国の普通調整交付金の交付額が減額されることとなります。

質問事項
一の5 構造的問題解決のためには、国が必要な財源策をとるべきだが、いまだに実行されていない現状のなかで、都として、どのように対処するのか。都として財政支援なしには、構造的問題の解決は先送りになるのではないのか、所見を伺う。

回答
 国民健康保険制度の構造的問題については、制度設計者である国が責任を持って抜本的解決策を講じることが必要であり、都は、国に対し、構造的な問題の解決、必要な財源の確保等について、繰り返し提案要求をしています。

質問事項
一の6 都は、保険料は保険者である区市町村によって決定されることを強調してきたが、都が決定したルールに基づき求める拠出金額が各区市町村の保険料を左右することになる。単純に医療給付の増大を区市町村に押し付けるなら、保険料の引き上げを招くが、都として、どのように対応するのか、所見を伺う。

回答
 国保財政の広域化の観点から実施されている保険財政共同安定化事業は、区市町村国保の拠出金を財源として同一都道府県内の医療給付費の負担を共有するものであり、毎年の医療費の変動による財政影響や医療費の差による保険料の相違を緩和し、国保財政の安定化や保険者間の保険料の平準化を図ることを目的としています。
 平成24年の法改正により、平成27年度から、事業の対象が、これまでの1件30万円を超える医療費から、全医療費に拡大されるとともに、都道府県調整交付金の負担割合が平成24年度から医療給付費等の7パーセントから9パーセントに引き上げられました。
 この事業拡大に伴う財政への影響は、引き上げられた調整交付金で調整することとなっています。
 都の調整交付金による具体的な調整方法等については、区市町村の意見を聴きながら、今後、必要な激変緩和措置を講じる方針です。

質問事項
一の7 都が拠出金の拠出方法をどのように設定し、具体的にどれだけの拠出金額を示すのかは、保険者である区市町村の理解、合意をえてすすめるべきだが、どのように対応しているのか。検討状況を明らかにすべきだが、所見を伺う。

回答
 保険財政共同安定化事業の拡大後の拠出方法や激変緩和措置等については、平成25年度から、都と区市町村等の代表者からなる東京都国民健康保険財政安定化連携会議において、具体的な対応方針を検討し、その結果を区長会、市長会及び町村長会に報告しています。
 都の調整交付金の配分割合については、今後、東京都国民健康保険委員会への諮問・答申を経て、本年度内に東京都国民健康保険調整交付金条例の改正を提案する予定です。

質問事項
一の8 国のスキームでは、保険料の格差を是正しようとすれば、高い保険料を下げるための財政負担は、保険料が低い区市町村が負担する仕組みになるが、現在のシミュレーションでは、どれだけの自治体が、今年度にくらべて上がるのか伺う。

回答
 保険財政共同安定化事業は、毎年の医療費の変動による財政影響や医療費の差による保険料の相違を緩和し、国保財政の安定化や保険者間の保険料の平準化を図ることを目的としており、事業拡大に伴う財政への影響は都道府県調整交付金で調整することになっています。
 国保の保険料率は、法令等に基づき、医療給付費をベースに、国及び都の支出金や前期高齢者交付金、被保険者の所得など様々な要素を勘案した上で、保険者である各区市町村の議会で審議して決定されるものです。

質問事項
一の9 さらに国のスキームでは、医療費交付金よりも1パーセントを超える拠出金は都の調整交付金で補填することになっているが、その補填財源のために、これまで定率で交付されてきた区市町村への調整交付金が減額になるのではないか。どのように対応するのか、所見を伺う。

回答
 保険財政共同安定化事業の拡大に伴う財政への影響は、引き上げられた都道府県調整交付金で調整することとされています。
 都としては、区市町村の要望を踏まえ、事業の拡大による影響を緩和しつつ、都の調整交付金の定率交付分はなるべく確保していく方針です。

質問事項
一の10 都として、共同安定化事業の拡大によって、保険料が上がる事態を回避するためにどのように対応するのか、所見を伺う。

回答
 保険財政共同安定化事業の拡大に伴う財政影響は、都道府県調整交付金で調整することとされています。
 都は、法改正の趣旨や区市町村からの要望を踏まえ、必要な激変緩和措置を講じていく方針です。

質問事項
一の11 保険料格差の是正というなら、高い保険料に合わせるのではなく、低い保険料に合わせるべきではないのか。また是正のための補填財源は、区市町村同士での調整ではなく、国と都の負担で行うべきではないのか。現時点で国の追加財源措置が示されていないもとでは、都として格差是正の財政支援を行うべきだが、所見を伺う。

回答
 保険財政共同安定化事業が拡大された後も、国保の保険者は区市町村であり、保険料の料率は、それぞれの自治体の議会で審議して決定されるものです。
 都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき、各保険者に対する財政支援を行っており、新たな支援を行うことは考えていません。

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