平成二十六年東京都議会会議録第十三号

〇副議長(藤井一君) 七十番北久保眞道君。
   〔七十番北久保眞道君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇七十番(北久保眞道君) まず初めに、都市外交について伺います。
 知事は就任以来、積極的に都市外交を推進し、今月初めには、アジア大都市ネットワーク21の第十三回総会に出席するため、ロシアのトムスクに出張したと聞いています。東京オリンピック・パラリンピック開催まで丸六年を切った今、姉妹友好都市を初め、海外の諸都市とさまざまな分野で知見を共有するなどして交流を深めることは、大変意義深いものと評価しております。
 我が都議会自民党でも、積極的に海外の都市との関係を深めており、私自身も、五月に都議会自民党オイスカ議員連盟のマレーシア行政調査団の一員としてマレーシアを訪問し、マハティール前首相や連邦直轄領大臣、クアラルンプール市長らと会談などを行ってきました。
 調査の中で感じたことは、クアラルンプール、マレーシアの人々の東京、日本への大きな関心と期待であり、東京がアジアの諸都市と実務面で交流することの大切さを実感いたしました。
 世界がますますボーダーレス化する中、アジアは大切な隣人であり、巨大な市場であります。関係を深め、相手の発展に力を尽くすことは、みずからの発展につながると考えます。
 知事は、アジネットを見直すといっておられますが、東京と日本にとって、アジアは最重要地域です。
 知事に、今後、アジアとの実務面での交流をどのように深化させていかれるのか、所見を伺います。
 次に、多摩の道路ネットワーク整備について伺います。
 多摩地域は、都心に隣接する利便性や豊かな自然の残る環境など魅力にあふれており、現在、四百万人を超える人口を有しております。しかし、今後、人口が減少に転じるとともに、高齢化の進展や大規模工場の撤退など、地域を取り巻く状況が大きく変化することが想定されることから、対応が必要と考えます。
 このため、都は、昨年三月に、新たな多摩のビジョンを策定し、多摩地域の進むべき方向性を示したところですが、こうした取り組みを遅滞なく進めていくことが重要です。
 このビジョンが目指す、魅力にあふれ、活力に満ち、安全・安心が確保された多摩の実現に向けては、多摩地域の豊かな潜在力を引き出し、新たな発展を加速させる必要があり、そのためには、人と物の流れをスムーズにする道路ネットワークの充実が不可欠です。
 我が党では、政策提言として、多摩地域のさらなる活性化のための南北交通アクセスの整備、分断されている道路のネットワーク化の推進、都市計画道路の無電柱化の推進などを掲げ、これまでの都の取り組みである多摩南北道路を初めとした道路整備の推進を後押ししてきています。
 しかしながら、多摩地域における都市計画道路の整備率は、いまだ六割に満たず、とりわけ私の地元、東村山市では二割にも満たない状況であるなど、道路ネットワークの整備は道半ばであり、早期の整備を望む声が高まっています。
 こうした中、昨年度には、西武線の東村山駅付近の連続立体交差事業が事業化されました。この事業は、東村山駅周辺にある踏切を解消することで、渋滞の著しい市内の道路状況を大きく改善するとともに、周辺のまちづくりにも大いに寄与するものと確信しております。
 また、連立にあわせて事業化された府中所沢線については、東村山市内を南北に貫く都市計画道路であり、新たな骨格となる幹線道路として、地域の住環境改善、防災性向上、交通渋滞緩和のために整備の推進が望まれています。
 昨年度の事業化は喜ばしいことですが、地元では引き続き、残る未着手区間への展開に大きな期待を寄せています。
 そこで、府中所沢線の事業化に向けた取り組みについて伺います。
 また、府中所沢線とつながり、埼玉県とのかけ橋となる東村山所沢線についても、多摩地域の発展のために大変重要な道路であります。埼玉県側においては既に飯能から所沢間が完成し、徐々に沿道開発も進み、地域ににぎわいをもたらしております。都県境の所沢側は用地買収も進んでおり、残るは都内区間のみであります。これがつながれば、多摩地域と埼玉県の広域的な道路ネットワークが完成し、広域的な防災活動にも効果的です。
 つきましては、この道路についても、次期事業化計画に位置づけ、早期整備に向け、積極的に取り組んでいただくよう要請し、次の質問に移ります。
 次に、都立公園の取り組みについて伺います。
 私の地元東村山市、東大和市、武蔵村山市は、豊かな自然環境に恵まれた地域であり、この地域に広がる狭山丘陵は、三市の住民にとって心和ませるすばらしい空間であります。朝、日中、夕方と終日、年齢、性別を問わず散歩、ジョギングを楽しまれる方がいらっしゃいます。
 今月一日、アメリカの映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞の名誉賞を八国山緑地を舞台とした「となりのトトロ」を制作した宮崎駿監督が授与されると発表され、まことに誇らしい気持ちであります。
 「となりのトトロ」の中では、私が少年時代、多感な時期を過ごした昭和三十年代の初頭の人々の暮らしと里山の風景が描かれていると思いますが、狭山丘陵は、今でも変わらず、コナラやクヌギなどの雑木林の緑に包まれ、春には若葉、秋にはたくさんのドングリが見られるとともに、アオゲラ、アカゲラのキツツキ類やヒタキ類など多くの野鳥も観測されるなど、豊かな自然が残されており、私を初め、地元住民にとって心癒されるふるさとの大事な原風景であり、昨年の第三回都議会定例会において武蔵野の美しい面影を残す狭山丘陵における都立公園の整備状況について伺い、着実に整備が進んでいることを答弁いただきました。地域と連携した保全活動も重要と考えます。
 そこで、狭山丘陵の緑を守るために、都立公園で行われている取り組みについて伺います。
 次に、水道の給水装置工事関係の電子化について伺います。
 水道局では、配水管から建物内に給水管を引き込む給水装置工事で、インターネットを利用した工事申請を導入するなど、本年一月から電子化を開始しました。
 これにより、指定事業者が工事施工の申請などで水道局へ足を運ぶ回数が減少し、業務が効率化されるとともに、工事を迅速に施工できることから、都民サービスの向上が期待できます。
 また、この電子化は、将来の労働人口の減少等社会情勢の変化にも対応するもので、小規模な企業が多い事業者の労働環境の改善にも効果があり、意義あるものと評価できます。
 一方で、中には、昔からのやり方を変えることに円滑に対応できない事業者もいるのではないかと心配されたため、我が党は導入に当たって、サポート体制の確保を提言しました。その結果、電子申請システムを円滑に導入することができたと聞いておりますが、利便性のさらなる向上に向けた努力を継続していただくことを必要だと思います。
 そこで、給水装置工事関連の電子化の現在の状況と今後の展開について伺います。
 次に、下水処理場など、防災対策について伺います。
 東日本大震災では、東北地方で下水処理場などが被災し、震災後の住民生活に大きな影響を与えました。さらに、発電所が甚大な被害を受け、電力供給能力が低下し、計画停電や夏季の電気使用制限が実施されました。都内の年間電力使用量の約一%を消費している下水道局も停電などへの対応を迫られたと聞いております。
 実際に、私の地元でも、東日本大震災の際には計画停電を経験しました。ちょうど夕方から夜にかけての二時間もの間、停電が続き、自宅で、暖房も電灯も消えた中で過ごし、また、家の外を見ると、近くの交通信号やまちじゅうの明かりも消えており、不便と不安を強く感じたのを覚えています。
 その後、私の知人たちからも、この停電で同じような思いをしたと聞いており、停電による影響の大きさを痛感したところです。
 一方、水再生センターやポンプ所などの下水道施設には、数多くの機械や電気設備があり、下水処理や雨水排除などに使われると聞いております。下水道は二十四時間三百六十五日やむことなく稼働しており、万が一その機能が停止すれば、下水処理やポンプがとまり、衛生上の問題や浸水被害が懸念されます。マグニチュード七クラスの首都直下型地震は、まさにいつ発生してもおかしくないといえる状況に、喫緊に対策を講じる必要があります。
 このことから下水処理や雨水排除を担う水再生センターやポンプ所の耐震化のスピードアップが必要だと考えますが、今後の取り組みについてお伺いします。
 以上、質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 北久保眞道議員の一般質問にお答えいたします。
 アジアとの実務面での交流についてでありますが、今月初めに参加しましたアジア大都市ネットワークの総会では、共同事業の報告がありました。例えば、感染症対策プロジェクトでは、新型インフルエンザのほか、デング熱を初めとする感染症についても実務レベルで知見を共有しております。地球温暖化も進む今、こうした感染症の知見は、我が国の今後を左右する貴重な情報であります。
 また、先月の総合防災訓練には、ソウル特別市、台北市、新北市からも参加があり、ともに危機管理能力を高めることができました。災害に国境はありません。いざというときに、近隣同士、互いに助け合う体制を築くことが必要だと考えております。
 アジア競技大会も先般視察してまいりましたが、スポーツ面や芸術文化を含めて、さまざまな分野で存在感を高めているのがアジア地域であります。
 経済面でも、中小企業の海外展開の支援や産業交流展を初め、国際見本市での交流など、具体的な取り組みを進めてまいりたいと思っております。
 東京はこれまで、アジアの大都市と連携して、共通の課題に共同で取り組み、また、その成果をアジア地域の発展につなげることを目的に活動してまいりました。今後も、東京と相手の都市がウイン・ウインの関係になるよう取り組みを積み重ねてまいります。
 なお、ネットワークの見直しについては、発足後十数年を経ての、総会の形骸化を危惧してのものであります。例えば、市長さんや知事さん、今回、トムスクの知事さんと私、この二人だけトップが出て、あとは皆さん代理でした。こういうことを考え直す必要があるということで、このネットワークは会員都市の合議制でありますので、今後、各都市の意見を東京が事務局として集めることになりますが、これまで培った実質的な協力関係や成果は大事にしていきたいと思っております。
 今回のアジネットの見直しがさらなるアジアとの関係強化につながるよう、しっかりと検討してまいります。ご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、府中所沢線の事業化に向けた取り組みについてでございますが、この路線は、多摩地域の自立性を高め、地域の活性化や防災性の向上にも寄与する、東京と埼玉をつなぐ重要な骨格路線でございまして、都はこれまで、約九割の区間で道路建設事業を実施しております。
 最後の未着手区間であります最北端の一・八キロメートルの区間につきましても、東村山市内の狭隘な道路の交通を円滑化する観点から、早期に整備することが必要であると考えております。
 このため、この区間について、本年十一月に事業着手に向けた地元説明会を開催し、測量を開始いたします。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、多摩地域における骨格幹線道路ネットワークの整備を積極的に推進してまいります。
 次に、狭山丘陵の緑を守るための都立公園の取り組みについてでございますが、狭山丘陵は、縄文時代の遺跡や鎌倉時代の古戦場など歴史的資源を有し、雑木林を主体とする良好な里山景観が残る、次世代へ継承すべき都民の貴重な財産でございます。
 都は、八国山緑地や東大和公園などで、都民やNPOなどと協働した雑木林を再生する活動などを通じ、公園への愛着や自然への理解を求める取り組みを行っております。
 また、都県境を越えた所沢市や入間市などの各自治体や市民団体などと一緒に、未来の里山の保全、活用を考えるシンポジウムや自然体験フェアを二カ月間開催するなど、狭山丘陵の魅力を発信しております。
 今後とも、こうした都民や県民などと連携した取り組みをさらに進め、首都圏に浮かぶ緑の島ともいうべきかけがえのない狭山丘陵の保全に努めてまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 給水装置工事関係の電子化についてでございますが、水道局では、業務の迅速化によるお客様サービスの向上を目指しまして、本年一月から事業者の工事申請や水道管管理図の閲覧を、順次、電子化してまいりました。
 この電子化は、図面の保管状態の改善のほか、災害時における破損や亡失などの被害が回避されることなどから、危機管理の強化にもつながるものと考えております。
 電子化の導入に当たりましては、ご提案の趣旨を踏まえ、ヘルプデスクによる相談対応を行ってきておりますが、今後も、事業者への講習会の実施など、サポート体制を充実してまいります。
 また、関係団体へのヒアリングや事業者へのアンケートを通して意向を把握し、さらに利用しやすくすることで、お客様サービスの一層の向上につなげてまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

〇下水道局長(松田芳和君) 水再生センターやポンプ所の耐震化についてでございますが、下水道局では、想定される最大級の地震動に対する施設の耐震化を進めておりまして、水再生センター、ポンプ所のうち、建築物や上部の覆蓋が広域避難場所などに利用されている箇所の耐震化は既に完了しております。
 しかしながら、水をくみ上げる揚水のほか、簡易処理や消毒など震災時においても必ず確保すべき機能を担う施設については、平成二十五年度末で、水再生センター、ポンプ所、計百八施設のうち対策が完了しているものは八施設にとどまっておりまして、取り組みのスピードアップが必要でございます。
 そこで、今年度十一施設、来年度二十七施設で新たに工事着手いたしまして、オリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までに全ての施設で耐震化を完了させるよう取り組んでまいります。

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