平成二十六年東京都議会会議録第十二号

   午後三時三十五分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十番高倉良生君。
   〔六十番高倉良生君登壇〕

〇六十番(高倉良生君) 都議会公明党を代表して質問いたします。
 今、私たちの周囲には、さまざまなリスクが存在しています。大規模災害を例に挙げるまでもなく、それは私たちの想定をはるかに超えて巨大なものになり、グローバル化の進展に伴い、影響が及ぶ範囲も地球規模にまで広がりつつあります。最近では、核のテロやサイバーテロ、エネルギー危機といった人為的なリスクにより、想定を超える最悪のシナリオの発生も強く指摘されています。近隣諸国との関係緊張も大きな危機をはらむものです。
 首都東京を考えるとき、直下地震の発生を初め、パンデミックやテロのような切迫性のある問題が存在していることは周知の事実です。さらにまた、確実に進む少子高齢化が及ぼす社会への影響、あるいは、都議会公明党が繰り返し主張してきた、女性が輝く社会の実現など、社会システムを変えていかなければならない幾つもの緊急課題があります。
 これらに対処するためには、都政のシステムを思い切って変革しながら、東京ならではの対応策をつくり上げる取り組みが強く求められます。そのために何よりも重要なのは、政治のリーダーシップであり、知事はそれを十分認識し、都政を前進させていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 私たち公明党は、女性の活躍推進は我が国が抱える最重要課題との認識から、女性の元気応援プランを策定し、五月に総理に提出しました。全国九百六人を誇る公明党女性議員が、女性活躍推進への新たな政策として取りまとめたものであり、あらゆる施策を盛り込んでいます。育児・介護休業制度の抜本的見直しや在宅テレワークの推進、女性の起業支援など、多様な働き方にも言及しています。
 都は、このほど女性活躍推進会議を立ち上げ、先般シンポジウムを開催するなど、機運醸成に向けた取り組みを始めています。シンポジウムで、知事は、ワークライフバランスよりライフワークバランスが重要と指摘し、働き方革命の必要を示しました。この会議を効果的に運用し、企業や学校、地域など、あらゆる場で女性活躍推進の取り組みが進むよう、裾野を大きく広げていくべきです。
 また、女性が安心して子供を産み育てるには、男女ともにワークライフバランスの意義や重要性について理解を深め、キャリアデザインの形成を促すことが必要と考えますが、都の見解を求めます。
 次に、都市外交について質問します。
 舛添知事は、就任早々より、都議会公明党の提案を受け、東京都の姉妹都市である中国の北京市、韓国のソウル特別市などを訪問し、都市外交を積極的に展開されています。国益が激しくぶつかる国家間の外交で深刻な問題が山積する中にあって、そのレジリエンスとなる民間や自治体レベルの交流が求められており、知事の都市外交は、その期待に応えるものです。
 今回のソウル市訪問では、地下鉄の安全対策における協力などで合意するとともに、セウォル号事故の犠牲者に献花され、その振る舞いが国を超えた人間同士のきずなを感じさせ、共感を広げました。
 安定した外交関係は日本経済の土台であり、東京の活力源です。今後、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、アジア大都市ネットワーク21の見直しを進めつつ、姉妹都市間で具体的な交流事業を広げながら、国の外交を補強する都市外交を展開していくべきです。
 ソウル市訪問の成果と今後の都市外交の取り組みについて、知事の所見を伺います。
 都市外交強化で連携の強化がより期待される分野の一つは、防災対策です。地震、水害、そして大規模な事故やテロによる災害に備えることは、大都市共通の重要課題です。発生が懸念されている南海トラフ巨大地震による津波の被害は、日本だけではなく、中国、台湾、フィリピンなどにも及ぶという東大地震研究所の報告もあり、東アジア沿岸部にある都市同士の防災ネットワークの構築が求められています。
 これまでも東京消防庁のハイパーレスキュー隊は、十八回にわたり海外に広く派遣され、人命救助で活躍した姿は、国内外の人々の記憶に鮮明に残っています。
 また、過日行われた都の総合防災訓練の終了後、知事がソウル市や台北市などから参加した救助隊のもとへ行き、労をねぎらう一こまがありました。外交関係はどうあれ、心の壁を感じさせない知事の姿に、当日一般で参加した方からも、感動しましたとの声が寄せられました。
 大規模災害時における要員の相互派遣のほか、訓練、対策の企画、情報など、幅広い分野で協力できる都市間の防災ネットワークを広げていくべきです。知事の所見を伺います。
 次に、今月十二日に発表した長期ビジョンの中間報告について質問します。
 この長期ビジョンの策定は、五輪招致決定後初めてで、六年後の東京大会開催を踏まえ、十年後の東京の将来像を描くとしています。二〇二〇年東京大会の成功はもちろんのこと、世界一の都市東京を目指すための今後の都政運営の新たな指針であります。
 東京が二〇二〇年以降、人口減少社会を迎える中にあっても、経済の活性化や安心の医療介護体制の構築、さらには更新期を迎えた都市インフラの整備など、さまざまな課題を解決して、成長を続けていかなければなりません。
 そのために、知事は就任後から、東京の抱える諸課題に対して精力的に現場に赴き、視察を重ねてきました。今回の中間報告では、待機児童解消の達成時期や特別養護老人ホームの整備数など、多くの政策課題に対して目標年次、目標値を設定していますが、知事として初めての長期ビジョンであるがゆえに、現場からの声をさらに生かした指針となるよう期待するものです。今後、十二月の最終報告に向け、都民や議会からの意見を聞く中で、新たな課題についても盛り込むべきです。
 そこで、東京の新たな指針となる長期ビジョンの最終報告に向けた知事の見解を伺います。
 続いて、警視庁が策定した世界一安全な都市東京実現のための警視庁ビジョンについて質問します。
 オリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致に当たっては、都内の良好な治安が大きな強みとなりました。一方で、都内の治安情勢は、特殊詐欺が依然として高い水準で発生していることに加え、サイバー犯罪が増加するなど厳しい情勢にあり、治安課題は、いまだ山積しております。アスリートの活躍を支えるために万全な開催準備を進めていくには、治安対策を担う警視庁の役割は極めて重要であります。
 そこで、二〇二〇年東京大会成功に向けた治安対策について、警視総監の見解を伺います。
 次に、文化施策について質問します。
 知事はさきの所信表明で、新たな文化ビジョンの策定を表明されましたが、都議会公明党も文化振興を前進させていく観点から、三点にわたって提案をいたします。
 一点目は、障害者の文化芸術活動の推進についてです。
 都議会公明党は、今月十九日、公益財団法人日本チャリティ協会が鳥取県で開催しているパラアート展を見てまいりました。同協会は、三十年近く前から都とともに障害者総合美術展を開催している団体です。
 総合美術展は、毎年、高円宮妃殿下がご鑑賞になられています。
 今回の鳥取でのパラアート展では、初めてヨーロッパの作家が出展し、国際色豊かな内容となりました。芸術は、国と国との垣根を取り払い、精神性豊かな交流を促進します。障害者の芸術は、それを一層推進するものです。
 都は、こうした団体の活動をオリンピック・パラリンピックの文化プログラムに積極的に反映すべきであり、知事が進める都市外交でも障害者の文化芸術交流を取り入れるべきと考えます。
 また、障害者の文化芸術のすばらしさを東京から発信する形をレガシーとして残すことは重要です。新国立競技場で世界のパラアート展の開催を検討すべきです。障害者の文化芸術の振興に向けた知事の所見を伺います。
 二点目は、民間の文化振興に対する支援であります。
 東京においても、文化芸術を愛する数々の個人や団体が、文化の力を社会に広めるべく地道に活動をされています。
 一例となるのが、民間の文化団体が主催するアート国際公募展、アートオリンピア二〇一五の取り組みであります。アートオリンピアは、いまだ国際的な評価を受けていない世界の全てのアーティストの才能を発掘し、その活動を支援することを目的として、明年、都内で開催される予定となっております。
 こうした民間の取り組みを尊重し、文化芸術に携わる方々と協調して前進していくことが肝要であります。文化ビジョンの策定に当たっては、民間の取り組みに対する支援の考え方を盛り込むべきと考えます。見解を求めます。
 三点目は、文化芸術を推進する第三者専門機関であるアーツカウンシル東京の活用であります。
 我が党は、さきの第二回定例会の代表質問において、東京大会に向けたアーツカウンシル東京の体制強化を訴えました。体制強化は、運営面、機能面において組織の充実を図っていくことはもちろんですが、何より重要なのは、政策を形成していく上で、現場の要望、知恵、経験を集積して形にしていく作業であります。
 東京都やアーツカウンシル東京が精力的に文化団体や芸術家からヒアリングを行い、その経験と知恵を文化プログラムや文化ビジョンに生かすなど、アーツカウンシル東京を十分に活用すべきであります。見解を求めます。
 次に、人権問題への対応について質問します。
 知事は、北京やソウルを訪問し、人的交流を深めることにより、お互いの心の壁を取り除こうと精力的に行動されました。ソウルからの帰国後は安倍総理と会談し、社会的な問題となっているヘイトスピーチに対する国の対応を求めました。早速、与党内で検討が開始されたことを評価いたします。
 一方、国連は、日本に対し外国人としての尊厳を傷つけるような発言を許す風潮があると指摘し、七月に国連規約人権委員会で差別的な対応に対する禁止要請を出し、続いて八月には、国連人種差別撤廃委員会でも対処勧告を出しており、国際社会からも今後の日本の対応が注視されているところです。
 こうした状況を考えると、都としても人権啓発に積極的に取り組み、国内はもとより、国外に対しても都の人権に対する姿勢をアピールしていく必要があります。その一つとして、例えば、今後、人権に関する都市宣言を発信するなど、人権の分野でも先進都市を目指すべきです。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会で、東京は、国籍や人種を超えてさまざまな方々を受け入れるわけであり、人権を尊重する社会なくして大会の成功はありません。外国人の人権擁護に向けた決意と人権啓発の取り組み強化について、知事の所見を伺います。
 千客万来の東京は、喫煙マナーのすばらしい、おもてなしの国を目指すべきです。IOC、国際オリンピック委員会が一九八八年に会場内の禁煙方針を採択しています。バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロ、ロシアのソチなど、オリンピックの開催都市には全て罰則つきの受動喫煙防止法または条例が存在しています。
 そもそも受動喫煙防止は、喫煙、禁煙の両者の願いを実現する大変大事な政策です。たばこの煙の中には、PM二・五が多量に含まれています。喫煙できる飲食店などで働く人は、PM二・五濃度が禁煙場所の五倍から十倍になり、毎日のように著しい健康被害を受けております。また逆に、喫煙者は、たばこを吸うことのできる場所を探すのに苦労をいたします。その両者の思いを生かせるのが分煙です。
 都では、知事の所信表明で、二〇二〇年大会を控え、飲食店などでの受動喫煙を防止するため、有識者や業界団体等の意見を聞く検討会を設置すると述べています。検討会の結果を生かし、受動喫煙防止を積極的に進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、危険ドラッグ対策について質問します。
 このたび都が、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部改正を今定例会に提出し、積極的な規制、監視指導の強化を図っていくことは高く評価いたします。
 しかしながら、危険ドラッグは、麻薬等の規制薬物乱用の入り口となるゲートウエードラッグとして使われるなど、麻薬、覚醒剤などの代替品として使用される懸念もあるだけではなく、人体への危険性は、麻薬、大麻、覚醒剤以上とまでいわれております。指導、取り締まりの強化とあわせ、絶対に使わないという啓発がより重要であります。改めて知事の決意を伺います。
 今回の改正には、警察職員への立入調査権限の付与、警視庁と都の相互協力体制の整備、公安委員会による知事への必要な措置の要請などが新たに加わり、摘発、取り締まりに向けて大きな効果が期待されます。
 そこで、この条例改正による対策の強化について、警視総監に伺います。
 また、危険ドラッグの使用者を出さないためには徹底した教育が重要であります。都は現在、薬物乱用防止教室を全校で実施しておりますが、危険ドラッグに関する教育はまだ十分といえません。薬剤師やNPOの専門団体などの外部講師を積極的に活用することも重要です。危険ドラッグを使用させないための指導のさらなる充実について、教育長の見解を求めます。
 次に重要なのが、薬物依存者に対する治療と治療後の自立支援に向けたサポート体制です。薬物乱用者やその家族は深い悩みや不安を抱えており、病院や自立支援施設の情報提供、生活相談など、ワンストップで相談できる体制が求められている状況です。
 都は、東京都薬物乱用対策推進計画を改定し、薬物問題を抱える人への支援を計画の柱の一つとして取り組むとしています。再乱用防止に向けた対策を強化すべきであります。見解を求めます。
 次に、子育て支援について質問します。
 我が党は今月一日、少子社会対策プロジェクトチームがまとめた、安心して産み育てられる東京にと題する政策提言を都に申し入れました。保護者の声や専門家の意見、先進的な保育事業の視察等を踏まえ、緊急を要する子育て支援策や中長期的な少子化対策を盛り込んだものです。提言の着実な実行を求めるとともに、以下、重点項目について質問します。
 初めに、緊急課題となっている保育所の待機児童解消です。
 提言では、保育所増設に向けた都有地の提供や、都内の自治体が活用しやすい情報提供を提案しました。待機児童対策について、都は、今定例会に提出している平成二十六年度補正予算案で、用地対策を中心とした保育所緊急整備事業を重点的に予算化しているなど、その迅速的確な対応は評価するものであります。
 今後の課題は、区市町村に提供する用地情報の充実です。区市町村が計画を立てる際は、所在地や面積などの基本的な情報に加えて、都有地等が活用可能となる時期などの情報が必要となります。
 活用する側の区市町村の立場に立った丁寧でわかりやすい用地情報の提供が必要と考えます。見解を求めます。
 次に、妊娠期からの支援体制の構築について質問します。
 我が党の提言の中で、現状の子育て支援策が分野ごとに縦割りとなっているために、サービスを受ける側が、医療、保健センター、子供家庭支援センターなど、それぞれの窓口に足を運ばなければならないという不便さがあることを指摘しました。
 そうした課題を解消する方策として、近年、我が国でも注目されているのがフィンランドのネウボラという制度です。主に、妊娠期から就学前までの健診、保健指導、予防接種、子育てに関する相談、他の機関との連携等をワンストップで行う切れ目のない母子支援の地域拠点です。原則として同じ保健師が一貫して担当することで、信頼関係の中で支援が行われるのも大きな特徴といわれております。
 フィンランドと我が国では社会保障制度が異なり、同じシステムをそのまま導入することは難しい面もありますが、ワンストップで行う切れ目のない子育て支援は、核家族化や地域における住民関係の希薄化が進む東京において、今後、必要不可欠な子育て支援システムになると考えます。
 区市町村がそうしたニーズに対するサービスを提供できるよう、都として支援すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、子供の貧困対策について質問します。
 平成二十四年度の厚労省調査によると、子供の貧困率が一六・三%になり、実に六人に一人が貧困家庭で生活している実態が浮き彫りになりました。貧困家庭では、学力不足により不登校や中途退学になりやすく、安定した就職が困難となり、親世代から子世代へと貧困が連鎖していくとの指摘があります。
 教育現場においては、家庭訪問をしない学校がふえてきているため、子供の家庭での様子を把握することが困難になってきています。したがって、子供の貧困の問題を、教育や学校現場だけで解決させるのが難しい状況になっています。むしろ、子供たちの学力を高めるには、落ちついて学びに向かえる家庭環境を整えることが、まず必要であります。
 都議会公明党は先日、子供の貧困対策で全国的な注目を集める、さいたまユースサポートネットを視察してきました。そこで実感したのは、誰にも相談できないまま一人で問題を抱え込んでしまう、いわゆる社会的孤立を防ぐことの重要性です。貧困家庭の中には、社会的なつながりが希薄で地域から孤立してしまっているケースが少なくありません。こうした家庭を地域で早期に発見し、地域で支援していくことが必要となります。
 この点、コミュニティソーシャルワーカーは、この地域で支えるという視点に立ち、制度のはざまや複数の福祉問題などの対応困難な事案の解決に取り組んでいます。国内でも、大阪府豊中市や北海道釧路市が、このコミュニティソーシャルワーカーを活用して貧困家庭の支援に取り組んでいます。
 現在、都は、コミュニティソーシャルワーカーの機能を持つ地域福祉コーディネーターを設置する取り組みを八つの区市で進めていますが、今後その取り組みをさらに推進していくべきであります。都の見解を求めます。
 都は現在、貧困家庭の中の生活保護の家庭の子供たちが塾に通える学習支援を独自の事業で行い、国の健全育成事業を活用した学習会などの取り組みも十一の区市で実施し、効果を上げています。
 来年四月からは、生活困窮者自立支援法が施行され、生活困窮世帯も含めた学習支援が実施されます。こうした実情を踏まえ、今後都は、より多くの区市が学習支援に取り組めるようにすべきです。見解を求めます。
 次に、子供の教育環境の充実、なかんずく小中高等学校の特別教室の冷房化について質問します。
 小中学校の普通教室冷房化は、二十三区と多摩地域を含む市町村では、財源が原因となって大きな格差が生じておりましたが、我が党の提案で、平成二十二年度から東京都が支援し、市町村でも冷房化が実施されました。
 今年度からは、公立小中学校の特別教室の冷房化支援事業を実施していますが、その特別教室は、パソコン教室、音楽室、図書室、視聴覚室に限られています。これは、都立高校の標準整備に準じています。
 都立高校の理科室など全ての特別教室を冷房化するとともに、小中学校の補助金についても同様に対象を拡大して冷房化すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、障害児保育について質問します。
 本年九月、杉並区で民間事業者が重度の障害児を対象とし、発達支援と長時間保育を行う施設を開設しました。重度の障害があるお子さんも、ここに入所することによって親の就労が可能となる画期的な施設です。
 従来は、重度障害児の保育所入所は不可能でした。しかし、障害が重度であっても、希望する人に希望する保育サービスを提供できる環境が望まれています。
 ところが現実は、たとえ障害が軽度でも保育所への入所は進んでおりません。国の検討会のデータによると、平成二十四年度では約五万人の障害児が保育所に入所していますが、これは保育所利用児童全体のわずか二・三%にすぎません。
 我が党にも、障害を理由に保育所入所を断られ、就労が困難になったという相談が数多く寄せられています。子育てに関する親の選択の幅を広げ、女性の働く意欲を支える意味でも、特に軽度の障害を持つお子さんに関しては、地域の保育所で受け入れがさらに進むよう、都は支援を強化すべきです。都の見解を求めます。
 次に、難病患者の支援について質問します。
 ことし五月に、いわゆる難病患者支援法が成立し、来年一月の施行まで、あと約三カ月になりました。現在、国は、先行して対象とする約百十疾病の案についてパブリックコメントを実施しており、その結果も踏まえ、十月中には正式に指定する予定とされています。そして、来年夏には最終的に三百の疾病までに拡大し、助成対象者は、現在の約七十八万人から約百五十万人へと、ほぼ倍増する見通しであります。
 都においても、約十五万人の方が新制度の対象になる見込みであり、その方々が安心して新制度を利用できるようにすることが非常に重要です。そのため、都議会公明党はこれまで都に対し、万全を期して対応するよう強く求めてきました。
 新制度の開始に当たり、とりわけ重要なのは、都が独自に行ってきた医療費助成制度の対象者への対応であります。都はこれまで、国の助成対象外の二十三の疾病に対し、独自助成を行ってきました。国が新制度に移行するに当たり、こうした方々からは、自身の利用している制度が今後どうなるのかといった不安の声が多数寄せられています。
 国の新制度では、所得に応じた自己負担限度額の見直しなどが行われますが、既に認定されている方に対しては、激変緩和のため三年間の経過措置が設けられます。こうした状況の中、都においては、患者の方々が安心して医療が受けられるよう、独自の医療費助成制度を継続の上、支援するとともに、必要に応じて経過措置を設けるなど、患者目線の対応をすべきです。見解を求めます。
 関連して、難病相談支援センターの機能強化について質問します。
 ことし五月の北海道難病センターに続いて、都議会公明党は七月上旬、佐賀県の相談支援センターを視察してまいりました。同センターは平成十六年九月、九州で初めて設置され、現在、NPOにより運営されています。
 このセンターは、患者や家族からの相談に細部にわたり丁寧かつ親切に応じていることで知られ、評判を聞いて、隣接する福岡はもとより、九州各県から訪れる人もいるといいます。四名いる相談員は、いずれも患者本人またはその家族、いわゆるピアカウンセリングであり、毎月一回、医師や臨床心理士等による専門研修を受け、スキルアップを図っているそうであります。
 最近では就労に関する相談がふえ、全体の三割を超えるそうです。センターでは、こうしたニーズを的確に捉え、県と協同して難病患者の雇用就労に理解のある企業や個人で構成する難病サポーターズクラブを結成。事務局として、難病支援の普及啓発や就労のためのネットワークづくりなどにも精力的に取り組んでいます。
 以上の取り組みは、都の相談・支援センターの機能強化を考える上で非常に示唆に富んでいると考えます。今後の都センターにおける相談機能の拡充について、見解を求めます。
 次に、東京大気汚染訴訟にかかわる医療費助成の見直しについて質問します。
 東京大気汚染訴訟は、自動車の排気ガスにより気管支ぜんそくを発症したとする方々が、国、東京都、自動車メーカー、首都高速道路公団を相手に、平成八年から開始した訴訟であります。本来であれば、患者の救済は国が責任を持って行うべきですが、都が主導して、平成十九年に和解が成立、都を中心とする関係者の財源により、平成二十年から医療費助成がスタートしました。
 この制度は、昨年度、創設から五年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えましたが、当初の財源を使い切る一方で、関係者から追加財源の拠出の理解も得られなかったことから、今回、一部見直しを行うことになりました。こうした状況の中、都が単独の財源により事業の継続を決断したことは高く評価したいと思います。
 その上で、今回の見直しは、新規認定の終了や自己負担上限額の設定など、大きな見直しとなるため、混乱や不安が生じないよう丁寧に対応していくことが重要です。
 そこで、制度移行に当たっては、十分な理解が得られるよう、見直し内容の周知に手を尽くすべきです。見解を求めます。
 次に、災害対策について質問します。
 この夏は、数十年に一度といわれる特別警報が相次ぎ、観測史上最大の雨量が各地で記録されました。九月十一日には北海道で、東京二十三区の面積をはるかに超える広さの地域を対象に特別警報が発せられたりもしています。
 そこでまず、九百ヘクトパスカルに迫るスーパー台風などから都民の命を守るための対策についてです。
 アメリカでは、二〇〇五年、最大時で九百二ヘクトパスカルを記録したハリケーン・カトリーナがニューオーリンズ市を襲い、一千名以上のとうとい人命が奪われました。その経験を踏まえ、二〇一二年、最大時九百四十ヘクトパスカルのハリケーン・サンディの際には、あらかじめ取り組むべき対策を時系列的にプログラム化しておく、いわゆるタイムラインに基づく防災対策を布陣し、ニューヨーク州などで大きな効果を上げています。
 都内において、もし決壊や溢水が発生した場合、中高層階の建造物へのいわゆる垂直避難だけでは被害の拡大は防げません。数日前から海抜の高い地域に避難する、広域避難が必要です。
 ところが、百数十万人もの東部低地帯に暮らす都民が、一時に鉄道や道路、橋梁などに集中すれば、台風の襲来前に人命が奪われてしまう事態になりかねません。障害者、妊婦、要介護状態にある高齢者などの要配慮者の避難などを優先させるとともに、地域を区切って秩序正しい避難を実現させる必要があります。
 そこで、被害の軽減を図るために、防災、減災のタイムラインを構築するなど、事前のソフト対策を確立しておくべきです。見解を求めます。
 さらに、避難勧告などの発令において、絶対にタイミングを逸しないという強い姿勢と、それを担保する備えが大切です。現在の災害対策基本法では、発令の権限は区市町村長にあり、権限を有する者同士が互いに様子をうかがい合い、発令の時期を逸する危惧が拭い切れません。
 この点、アメリカでは、大災害時、大統領が非常事態宣言を発する国家的な対応をとっています。我が国においても、広域避難の実効性を高めるためには、同様に国レベルの対応が必要であります。こうした点について、都は国と検討し、推進を図るべきであります。見解を求めます。
 ところで、現在の都の地域防災計画では、震災発生直後は各局それぞれの任務に取りかかることになっていますが、少なくとも初動の七十二時間は、都庁一体となって人命救出救助に全精力を傾ける必要があります。都の危機管理のかなめは、現在、総合防災部が担っていますが、総合防災部は、自然災害のみならず、テロや感染症等のさまざまな危機管理対応の連絡調整も担っております。首都東京都としてのスケールや、国との連携も視野に入れてもよいのではないかと思います。
 十三年前、米国同時多発テロが発生した際、我が党は、都の危機管理体制強化のために、東京版FEMAの創設と危機管理監の新設を提案しました。これを受け、当時の石原都知事は、首都圏FEMAなるものを立ち上げましたが、残念ながらほとんど機能しておりません。
 そこで、都各局はもちろん、自衛隊、警察、消防等との連絡調整を行う東京版FEMAの創設を改めて提案いたしますが、知事の所見を伺います。
 次に、土砂災害防止について質問します。
 昨年は東京の伊豆大島で、ことしは広島市で、豪雨による土砂災害が発生し、多くの方が犠牲となられました。土砂災害防止法の改正を国で検討していますが、都としての取り組みも極めて重要です。
 都は、平成十三年度の土砂災害防止法に基づき、危険箇所の多い西多摩地域から基礎調査に着手し、平成十七年度から順次指定を進めております。これまでに土砂災害警戒区域が約七千カ所、特別警戒区域が約四千カ所指定されています。この指定区域の中の人命に危険が及ぶおそれのある特別警戒区域には、老人ホームや病院などの要配慮者関連施設が現在三十九カ所あります。
 この施設の区域について、優先して計画的に急傾斜対策事業を進めるべきであります。見解を求めます。
 また、今述べた高齢者や病弱者などの災害弱者と並んで、児童生徒が通う教育施設についても安全確保が急がれます。建設局の調べによると、特別警戒区域に、公立、私立を含めて保育園、幼稚園が三園、小中高校二十二校、大学など二校となっています。合わせて二十七校が土砂災害特別警戒区域内にあるのが現状です。教育施設に関する危険箇所については、一刻も早く関係する都と区市町村と連携してハード面の安全対策を行うべきであります。
 さらに、休校措置や避難勧告については、国、都や各自治体と学校が緊密な連携をとって、避難できる体制づくりが重要です。学校に対する安全確保の取り組みについて見解を求めます。
 次に、伊豆大島の復興支援について質問します。
 昨年十月十六日の土砂災害から一年を迎えます。この間、瓦れきの撤去や被災した漁港の復旧など一定の成果が見えますが、被災した方々の本格的な生活再建や、大金沢など壊滅的な被害を受けた地域の再生はこれからであります。
 こうした中、大島町では、都とも協力し、今後十年を見据えた大島町復興計画を策定することとし、今月下旬の最終決定に向け、現在、詰めの作業を行っています。計画には、ソフト、ハード両面の取り組みが盛り込まれていますが、具体化するための課題は、やはりマンパワーの確保であります。
 特に、住宅再建や道路、農地、砂防施設等の復旧を同時並行で進めるには、土木、建築等の技術職や、区画整理等の専門的知識を持つ職員が欠かせません。
 都職員OBや民間人の活用を含めた人員を集中的に派遣し、復興作業を加速させるべきです。見解を求めます。
 次に、災害時の病院船による海からの救援活動について質問します。
 首都直下地震の際には、首都圏全体で多数の負傷者が発生し、病院などの医療機関も被災して機能が低下することが想定されます。災害の発生直後から動き出しやすい海からの支援は、被災者の救命率向上に大きな役割を果たすことは間違いありません。
 国は現在、医療機能を備えた病院船による海からの新たな医療支援の検討を進めており、昨年の三重県尾鷲沖に続き、ことし秋には東京湾で、病院船導入に向けた実証訓練を実施する予定です。病院船は、東京都のみならず、近隣県を含めた首都圏一体で広域的に活用することが期待されます。
 都は、東京湾での貴重な実証訓練を大規模災害発生時の対策に十分生かすべきであります。訓練の際、知事は湾岸自治体の首長とともに病院船に乗り、防災サミットを開くことも有効であります。
 都は、今回の国の実証訓練を意義あるものになるよう、国に協力していくべきと考えますが、見解を求めます。
 今回の実証訓練では、船の上における医療資器材の動作確認、救命救助活動を担う関係機関との連携や情報連絡体制のあり方など、ハード、ソフト両面での検証が期待されているところです。この中で、病院船を活用した救急医療の提供や患者の広域医療搬送には、医療チームの協力も欠かせないと考えます。
 都は、全国に先駆けて災害医療派遣チーム、東京DMATを発足させて、東日本大震災においても専門的なトレーニングを受けた医師、看護師等を被災地に派遣し、高く評価されました。
 今回の実証訓練において、国がさまざまな角度から検証を行えるよう、東京DMATが参加すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、環境問題について質問します。
 都は、東京都長期ビジョン中間報告で、再生可能エネルギーの電力利用割合を二〇%に拡大する目標を掲げました。
 また、都施設の率先行動として、二〇一九年度末に約二万キロワットの太陽光発電導入を進めるほか、都内外で再生可能エネルギーの導入拡大を図ることとしています。
 都の検討会では、導入拡大に向けた具体策の検討が進められていますが、今後、検討会の議論を踏まえ、官民連携して再生可能エネルギーを導入することが重要であります。見解を求めます。
 また、再生可能エネルギーの利用割合を高めるためには、都内に膨大に存在する戸建ての既存住宅において太陽光発電の導入拡大を図ることも重要です。既存住宅は、窓や壁からの熱の出入りが大きく、断熱性の向上などによりエネルギー利用効率を高め、エネルギー使用量を減らすことが必要です。
 そこで、再生可能エネルギーの導入に当たっては、リフォームの機会を活用して、省エネ、節電にも取り組むことが効果的です。その機会を捉えて、都としての支援をすべきであります。見解を求めます。
 最後に、国際コンテナ戦略港湾政策について質問します。
 当初、本政策は、選択と集中という理念のもと、重点的な投資を行う港湾を選定するとともに、港湾運営に民間の視点を導入し、柔軟で効率的な運営を実現することで国際競争力強化を図るというものでありました。
 しかしながら、国は、港湾運営会社に対する国の出資を可能とする港湾法の改正を行うなど前提条件を変更し、その関与を一層強めようとしています。
 先般、阪神港は、国の出資を大幅に受け入れる形で港湾運営会社を設立することを表明しました。阪神港では、今後、国主導の港湾運営会社が実態的な港の経営を担うこととなりますが、東京港とは異なる運営上の諸事情があったものと仄聞しており、事情の異なる京浜港においては、同じような手法はとり得ません。港湾の国際競争力向上は、我が国の重要課題でありますが、港の経営を国が主導すればうまくいくというような、決して単純な問題ではありません。
 東京港の今の繁栄は、港湾管理者である自治体と現場の事業者が一体となって担ってきた、さまざまな関係者の努力の結果であります。京浜港の港湾運営会社の設立に当たっては、いまださまざまな疑問の声が上がる中、現場の方々の声を十分に聞いて進める必要があり、決して拙速に進めるべきではありません。
 当初の京浜港の計画書では、今年度中の統合を計画していたようですが、政策の前提が変わった今、関係者の意見をしっかりと聞いた上で、慎重に進めるべきと考えますが、見解を求め、代表質問を終わります。(拍手)   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 高倉良生議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、政治のリーダーシップについてでありますが、私は、開会日の所信表明演説で、行政をつかさどる立場の政治家は、あしき前例踏襲と意味ある行政の継続、この二つをしっかりと見きわめることは必要であると申し上げました。
 およそ行政というものは地道な作業でありまして、東京都の行政も、その七割、八割は、日々の積み重ねであります。これを無視して、ただ派手に振る舞っても、しょせんパフォーマンスでしかあり得ません。
 官僚組織は、前例に基づいて物事を処理し、あるいは若干の改良を加えるのが得意であります。しかし、ご質問にありますような、これまで経験したことがないようなリスクや社会の大きな変化に直面したときには、それでは限界があります。その限界を破ることが、まさに都民、国民に選挙で選ばれた政治家の役割であると考えております。
 都民の安全を守り、生活の質の向上を実感できる都市を築くことが私の使命であります。それを果たすため、行政の固定観念や都合にとらわれず、都民のことを第一に考えた政策を大胆に展開してまいります。
 さらに、意味の薄れた規制は緩和して、東京に集まる人材や企業の力を最大限引き出し、経済を活性化させる。そこから生まれた新しい富を、防災や福祉、治安、教育の充実に回します。
 政治のリーダーシップを発揮することで、都政を力強く前に進めたいと考えております。
 続きまして、訪韓の成果と今後の都市外交についてでありますが、北京に引き続き、ソウル特別市長の招待により、十八年ぶりに訪問してまいりました。ソウル市長とは、さらなる関係発展に向けて、都市の安全・安心対策、環境、オリンピック・パラリンピックなどの分野で協力していくこととし、合意書を締結いたしました。今後、これを着実に実施してまいります。
 また、朴槿恵大統領にも面会し、東京都が進めるソウル市などとの都市外交に対し、理解と賛意を得ました。
 こうしたトップとの会談のみならず、ソウル大学では百五十人の学生を前に講演を行い、相互の理解につながる対話ができました。
 四月の北京と同様、都市という立場を生かしたさまざまなレベルでの交流を行うことで、国同士の関係が複雑な状況にある中にあっても、良好な関係を築くことができたと考えております。
 引き続き、海外諸都市と交流を促進し、教え、教えられる、お互いにメリットのある関係を構築してまいります。
 例えば、来年度中を目途に、自治体国際化協会の海外事務所も活用して、姉妹友好都市などへの職員派遣の拡大を検討してまいります。
 多様な都市外交を通じて、東京を一段とレベルの高い都市に引き上げるとともに、オリンピック・パラリンピックの成功に結びつけてまいります。
 都市間の防災ネットワークについてでありますが、近年、気候変動の影響などにより、世界各地で自然災害が多発しております。また、テロ行為も世界で頻発しております。
 こうした状況のもと、都は、危機管理に関する経験やノウハウの共有、災害発生時における迅速な情報交換を図るため、実務担当者会議の開催や危機管理ネットワークの構築を行ってまいりました。
 また、お話のように、海外で大規模な自然災害が発生した際には、被災国の要請に基づき、消防庁のハイパーレスキュー隊を中心とした部隊を派遣し、救助活動に当たってまいりました。
 さらに、先般行われました東京都総合防災訓練には、毎年海外の都市からの救助隊が参加し、合同訓練を行っております。ことしもソウル特別市、台北市、新北市が参加いたしました。大変皆さん熱心に参加されて、本当にうれしく思いました。こういう草の根レベルでの顔と顔を見合わせながらの交流、これが本当にすばらしい都市間協力につながると思っています。資機材に関する知識を共有することによりまして、実際に災害が発生した際に、相互に円滑な救助活動を行うことができると考えております。
 こうした協力関係は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向け、テロ対策などを含めて、ますます重要になってまいります。
 現在、庁内で都市外交推進会議を立ち上げ、年内を目途に都市外交基本戦略の策定を進めております。防災面の協力関係についても、基本戦略の中でしっかりと位置づけ、取り組んでまいります。
 長期ビジョンの最終報告に向けた見解についてでございますが、東京が持続的に発展し、さらなる成長を続けていくためには、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの先を見据えた東京の将来像を描き、都政が直面する課題に対し、解決に向けた具体的な取り組みを進めていかなければなりません。
 私は就任以来、精力的に現場に足を運び、都民の真のニーズの把握に努めてまいりました。公明党の議員の先生方にも何度も現場に一緒に行っていただきまして、まことに感謝申し上げます。
 また、困難な課題にも正面から向き合い、解決の処方箋を提示するため、タスクフォースの設置など機動的な検討体制を整え、外部の専門家の方々とも幅広く意見を交わしてまいりました。
 長期ビジョンの中間報告では、都政の多岐にわたる課題を体系的に整理し、政策目標と政策の方向性を示しました。特に政策目標につきましては、都が実施する施策の到達点だけでなく、社会や都民生活に及ぶ効果や状況も可能な限り数値化して、東京全体として目指すべき目標も積極的に明らかにしております。
 最終報告に向けまして、都議会での議論や中間報告に寄せられたご意見を十分に踏まえるとともに、引き続き検討を行っている課題につきましても、新たに目標等を加えてまいります。
 さらに、具体的な政策展開や三カ年の実施計画を盛り込むことで実効性のあるビジョンとし、都民の皆様に、未来への夢と希望を持っていただけるよう、世界一の都市東京の実現に向けた道筋をしっかりと示してまいります。
 文化ビジョンの策定に向けました障害者の文化芸術活動の振興についてでありますが、アール・ブリュットやパラアートなど障害者アートは、現代芸術の一つの分野として、また高い精神性を持って交流を促進する芸術として確立した、世界中の人々に感動と共感をもたらす芸術的価値の高いものと認識しております。
 二〇一二年のオリンピック・パラリンピック・ロンドン大会では、障害者のアートが展示されたアンリミテッドプログラムが英国全土で盛大に実施されました。
 今後具体化される東京大会の文化プログラムを多彩で魅力的なものにするためには、その芸術性が国内外でも高い評価を得ている障害者アートをプログラムに盛り込んでいくことが重要であります。
 新たに策定することといたしました文化ビジョンにおきましても、東京が障害者を含めて誰もが芸術文化に親しみ、創作を行うことのできる都市となっていくために、障害者アートの推進を主要な柱として位置づけ、その支援を積極的に進めてまいります。
 外国人の人権擁護に向けた決意と人権啓発の取り組み強化についてでございますが、ある特定の国籍の外国人を排斥する趣旨の言動、いわゆるヘイトスピーチは、一人一人の人権が尊重され、豊かで安心して生活ができる成熟した社会を実現する観点から、あってはならないことだと考えております。
 オリンピック憲章では、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じており、外国人の人権が尊重されないようでは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会を史上最高、世界一の大会にすることはできません。
 一方、表現の自由との兼ね合いなどから、ヘイトスピーチの規制は、一地方自治体ではなく、国全体で取り組むべき課題であります。安倍総理にもお話し申し上げましたが、総理指示のもと、早速対策の検討が始まっております。
 都みずからも、人権週間を中心に「広報東京都」等さまざまな媒体を活用するとともに、国や区市とも連携し、外国人の人権尊重に向けた啓発活動を一層強化していくことで、多文化共生社会を実現するよう、全力で取り組んでまいります。
 続きまして、危険ドラッグの乱用防止についてでありますが、危険ドラッグは使用者の心身をむしばみ、社会の秩序を乱す危険な薬物であります。その害悪ははかり知れず、絶対に許すことはできません。
 そのため、都は、平成十七年に国に先駆け東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定し、規制、監視指導、普及啓発を柱に、さまざまな対策を講じてまいりました。
 特に、普及啓発では、青少年、若者をターゲットに、中学生を対象としたポスター、標語の募集、薬物乱用防止高校生会議の開催、大学や繁華街でのイベントを実施するほか、リーフレットやポスターの作成、街頭ビジョンやトレインチャンネルでの動画広告、専用の啓発サイトの開設など、さまざまな媒体を活用して啓発活動を行い、薬物の危険性を強く訴えかけてまいりました。
 本定例会には、指導、取り締まりをさらに強化するため、警察職員の販売店への立入調査権限の付与などを盛り込んだ条例の改正案を提出しております。
 今後とも、国や警視庁等と連携しながら、取り締まりや監視を一層強化するとともに、行政、警察、地域が一体となって、薬物の恐ろしさをあらゆる機会を捉え繰り返し訴え、危険ドラッグの根絶に全力を尽くしてまいります。
 東京版FEMAの創設についてでありますが、現在、自然災害などの危機に対し、知事として情報収集や分析を行い、指揮命令を迅速かつ的確に行うため、自衛隊で師団長を経験した人材を危機管理監として配置し、常設の危機管理組織である総合防災部を設置しております。
 平時には、首都直下地震や大規模風水害などさまざまな危機に対処するため、地域防災計画等を策定しておりますが、計画作成に当たりましては、危機管理監指揮のもと、総合防災部の職員により、庁内各局を初め、自衛隊、警察、消防などさまざまな関係機関との調整を行わせております。
 さらに、大規模災害が発生した場合には、危機管理監より直接連絡を受け、知事である私が指揮命令を行います。人命救助において大変重要な発災後七十二時間を一秒たりとも無駄にすることのないよう、各局はもとより、自衛隊、警察とも連携しながら救出救助活動を展開してまいります。
 私は若いころ、危機管理を研究しておりまして、FEMAについても非常によく研究をさせていただきましたので、FEMAの持つすばらしい組織の運営のあり方、また対応の仕方、これを東京都の今の防災部の中にしっかりと組み入れて、先生のご意見が通るような形で危機管理をしっかりやってまいりたいと思います。
 今後とも、ご指摘の趣旨を踏まえ、迅速に災害活動ができるよう、危機管理体制を充実強化していく決意でございます。
 その他の質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔警視総監高綱直良君登壇〕

〇警視総監(高綱直良君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた警視庁の治安対策についてであります。
 警視庁では、今般、二〇二〇年に開催される同大会を見据え、犯罪をさらに減少させ、首都東京の治安に対する信頼感の醸成を図るため、治安対策の中長期的な展望として、世界一安全な都市東京実現のための警視庁ビジョンを策定したところであります。
 今後は、本ビジョンに基づき、オリンピック大会の成功に向けて、国際テロや震災への備えを万全にすることはもとより、サイバー攻撃等、新たな治安上の脅威への対策、さらには特殊詐欺、ストーカー、DV事案、危険ドラッグ等、都民に不安を与える犯罪への対策など、各種の治安対策に組織一丸となって取り組んでまいります。
 また、そのために必要な体制強化を初めとする治安基盤の充実強化を図るとともに、東京都等関係機関との連携を一層強化して、治安対策を万全なものとしていく所存でございます。
 次に、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部改正による危険ドラッグ対策の強化についてでございます。
 これまで、危険ドラッグ販売店等への警察職員による立入調査につきましては、明示的な法令上の規定がなかったため、警察といたしましては、東京都の職員等による立入検査に同行して、相手方の協力を得て立ち入りを行っていたところであります。
 しかしながら、このたびの条例改正によりまして、警察職員の立入調査の権限が明確に規定されるほか、知事と公安委員会との間の協力に関する規定が整備されることで、警察活動と行政上の措置が連動して、危険ドラッグの乱用に対し、より効果的に対処をすることが可能となります。
 今後、改正条例が成立し、施行されれば、新たに認められる権限による立入調査を積極的かつ徹底して行うなど、危険ドラッグの撲滅に向けた対策を東京都と連携協力して、一層強力に推進してまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、危険ドラッグに関する指導についてでありますが、本年七月、都教育委員会は、区市町村教育委員会及び学校に対し、危険ドラッグ乱用防止に関する通知を発出し、現在実施している薬物乱用防止教室において、危険ドラッグを重点的に取り上げることや、保護者や地域の方々にも参加を呼びかけ啓発することなど、児童生徒にその危険性を認識させる指導の徹底を図っております。
 今後、こうした取り組みに加え、危険ドラッグについての内容を盛り込んだ指導資料を改訂するとともに、薬物乱用防止教室における薬剤師や警察職員などの外部講師の積極的な活用や教員研修の実施などを通して、危険ドラッグに関する指導の充実に取り組んでまいります。
 次に、公立学校の特別教室の冷房化についてでありますが、都立高校については、普通教室の冷房化に加えて、防音性が求められるなどの理由から、特別教室のうち早急に教育環境の整備が必要な音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン教室などの冷房化を既に完了しております。
 小中学校につきましても、都独自の補助事業を実施し、平成二十五年度に全校で普通教室の冷房化を完了いたしました。さらに、今年度から小中学校を対象に、都立高校において整備が完了している音楽室等の特別教室の冷房化に係る補助事業を開始し、区市町村が計画的に冷房化を進められるよう支援をしております。
 小中高等学校の全ての特別教室の冷房化につきましては、各特別教室の利用実態や区市町村における冷房化の計画などを踏まえ、総合的に検討してまいります。
 次に、土砂災害時の学校の安全確保についてでありますが、大規模な土砂災害が相次ぐ中、発災に備え、児童生徒の安全を確保する取り組みの充実は重要でございます。土砂災害警戒区域内の都立学校では、敷地内外の危険箇所の調査に加え、危機管理計画に警報発令時の避難方法や区市町村との連絡体制を明記するなどの対策を講じております。
 また、区市町村には、こうした都立学校の取り組みを周知し、学校の避難計画の策定を促しております。さらに、本年一月に土砂災害対策の説明会を開催し、対策工事実施のための情報提供を行うなどの取り組みを行っております。
 今後も、関係局と連携して、学校設置者や区市町村の防災担当部門等に対して、ハード、ソフトの両面から学校の土砂災害対策に必要な情報を提供するなど、児童生徒の安全確保を図ってまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 老人ホームや病院等の施設に隣接する急傾斜地の安全対策についてでございますが、土砂災害から利用者の命を守るためには、まずは、施設の所有者が建物の安全や円滑な避難体制を確保し、必要に応じて行政による支援を行うことが基本でございます。
 これまでも都は、八王子市南浅川地区など所有者による対策が困難な箇所において、地元から一部負担金を受け入れ、急傾斜地における対策事業を行ってまいりました。
 今後は、土砂災害特別警戒区域内においても、施設の状況に応じて対策事業を実施してまいります。
 また、警戒区域内の施設に対しては、地元自治体が利用者の円滑な避難のために災害情報の伝達を行うこととされており、引き続き警戒避難体制の整備を促進してまいります。
 こうした対策につきまして、今後関係する区市町村との連携のもと、取り組みを一層推進してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性の活躍推進に向けた機運醸成とワークライフバランスの推進についてでありますが、女性の活躍推進には、産業、地域などあらゆる分野で女性登用や就業継続などの取り組みが進む必要があります。
 都は、機運醸成を進めるため、八月に新たに女性活躍推進会議を立ち上げるとともに、九月には、国際的に活躍する方々が参加した、女性が輝くまち・東京シンポジウムを開催いたしました。
 今後、女性活躍推進会議を中心として、企業や団体の積極的な取り組みを太鼓判事業として認定し、広くPRするとともに、特に先進的な取り組みについては、女性活躍推進大賞として知事賞を贈呈してまいります。
 また、子育てに当たりまして、家事、育児の負担が女性に偏らないようにするため、今年度新たに、夫婦でワークライフバランスの理解を深めるための啓発冊子を年内に作成し、区市町村が母子手帳と一緒に配布するほか、育児の楽しさの体験や子育てに必要な知識が得られる、父親を対象としたセミナーを十一月に開催いたします。
 さらに、若者に向けても、結婚、出産を見据えたキャリア形成や、多様な働き方の選択に加えまして、ワークライフバランスの重要性を学ぶことができるよう、大学に対して、指導教材に直接活用できる素材を積極的に提供してまいります。
 次に、文化ビジョンにおける民間の取り組みに対する支援についてであります。
 都内では、民間団体による多種多様な文化活動が行われて存在感を示しておりますが、今後、東京が世界一の文化都市となるためには、こうした民間の文化活動がさらに発展していくことが不可欠であると認識しております。
 これまでも都は、都民芸術フェスティバルや文化発信プロジェクトなどを通じて、民間の芸術文化活動に対する支援の充実を図ってまいりました。
 また、平成二十四年度に設置したアーツカウンシル東京では、芸術文化に精通した専門家の活用によりまして、民間の創意を生かす新しい助成制度や発表の場の提供など、内外の有望な若手芸術家が活躍するための仕組みを新たに導入してきております。
 文化ビジョンの策定に当たりましては、地域に根差した活動や障害者アートなどへの支援の拡充、さらには、より幅広い分野からの若手人材の発掘、育成などが可能となるよう、国内外とのネットワークや情報収集力など、アーツカウンシル東京の機能を強化し、新しい視点での民間活動の支援の充実を検討してまいります。
 最後に、アーツカウンシル東京の活用についてでありますが、アーツカウンシル東京は、民間の芸術活動を支援する専門機関として、戦略的な文化の創造発信による文化都市を形成する役割を担っております。
 オリンピック文化プログラムを魅力あるものとしていくためには、東京の文化をより強く発信していくという観点から、国内外の文化団体や芸術関係者に幅広く意見を聞き、知恵を集約することが重要であります。
 そこで、本年七月より、アーツカウンシル東京の有する専門人材も活用いたしまして、さまざまな団体にヒアリングを開始いたしました。その中では、国内外の芸術家はもとより、例えば舞台照明など芸術活動を支えるスタッフが国際的な交流を広げる場づくりの必要がある、あるいは芸術文化の送り手だけではなく、見たい側、知りたい側からの目線での情報発信が必要ではないかなど、現場の芸術活動に根差した多くの有意義な指摘をいただいております。
 今後、こうしたヒアリングで得られたさまざまなご意見を、文化ビジョンの策定や文化プログラムを具体化していく中で十分に反映してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 十点のご質問にお答えします。
 まず、受動喫煙防止対策についてですが、都はこれまで、受動喫煙防止ガイドラインを策定し、都民の理解促進はもとより、区市町村や企業に対する研修会の開催や、職場向けハンドブックの配布など、受動喫煙の健康影響や職場の環境整備に関する普及啓発を広く行ってまいりました。
 また、飲食店等に対して、分煙方法を紹介するリーフレットや、店内の禁煙、分煙の取り組み状況を店頭に表示するステッカーを配布し、事業者の取り組みを促しております。
 こうした取り組みをさらに進めるため、今回設置する検討会では、禁煙、分煙についてのさまざまな意見をお持ちの有識者や、飲食店、宿泊関連の事業者等から幅広くお話を伺うこととしており、今後、検討会での議論も踏まえながら、受動喫煙防止対策を積極的に進めてまいります。
 次に、薬物の再乱用防止に向けた対策についてですが、お話のように、薬物乱用者やその家族は深い悩みや不安を抱えることも多く、再乱用防止のためには、区市町村、相談機関、医療機関、民間機関等が連携して支援する体制を強化していくことが必要でございます。
 都では現在、相談を保健所や精神保健福祉センター等で受け、必要な場合には専門医療やセンターの薬物依存症回復プログラムにつなげております。また、プログラムは、同じ経験を持つ仲間が相互に助け合う活動を行っている民間団体の協力も得て実施しており、終了後も民間団体の情報を提供するなど、継続的な支援につなげております。
 今後、こうした取り組みを一層推進するとともに、相談や支援業務に携わる専門職員への研修や事例検討会等を一層充実し、再乱用防止に向けた対策を強化してまいります。
 次に、妊娠期からの継続的な子育て支援についてですが、現在、区市町村では、妊産婦や乳幼児に対する健康診査、保健師等による家庭訪問、子育て広場における育児相談など、さまざまな子育て支援を行っております。
 こうしたさまざまな支援を、お話のフィンランドのネウボラのように切れ目なく一貫して提供することは、子供とその親にとって有効な取り組みであると考えております。
 都は現在、産前産後に支援が必要な方に対する相談を行い、地域の関係機関につなげる専任の相談員の配置や、地域のさまざまなサービスを組み合わせた支援プログラムの作成などを行う区市町村を包括補助で支援しております。
 今後、こうした事業も活用しながら、区市町村において関係機関が連携して妊娠期からの切れ目のない支援を行えるよう、その取り組みを支援してまいります。
 次に、地域福祉コーディネーターを活用した家庭への支援についてですが、都はこれまで、子供と家庭に関する相談や支援を行う子供家庭支援センターや、身近な地域で子育て相談や親子の交流を行う子育てひろばの設置など、子育て施策の充実に取り組む区市町村を支援してまいりました。
 また、区市町村が地域の実情に応じて地域福祉コーディネーターを配置する場合には、包括補助制度等により支援しており、現在八つの区市が配置しております。
 地域福祉コーディネーターは、コミュニティソーシャルワーカーとして関係機関やボランティア等と連携した総合的な支援やネットワークづくりを担っており、都は今後、コーディネーターを活用して地域の支援体制の充実を図る区市町村の取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、生活保護世帯等の子供の学習支援についてですが、都はこれまで、独自に生活保護世帯の子供を対象に学習塾の費用助成等を行う区市を支援するほか、低所得世帯の受験生を対象に、学習塾の費用や受験料を支援してまいりました。
 また、十一の区市では、国の補助事業を活用し、生活保護世帯を対象に高校進学に向けた学習会等を実施しております。来年四月施行の生活困窮者自立支援法では、学習支援事業の対象が生活困窮世帯にまで拡大いたします。そのため、都は現在、実施主体である区市にその実施を働きかけており、現時点で二十三の区市が取り組みの意向を示しております。
 都は今後とも、生活保護世帯や低所得世帯の子供へのさまざまな支援を行いますとともに、先駆的な取り組みの内容や効果を広く紹介するなど、より多くの区市が新たな学習支援事業に取り組めるよう支援してまいります。
 次に、障害児保育についてですが、都はこれまで、保育所における障害児の受け入れを進めるため、必要な施設改修費や区市町村が行う職員研修への補助、都独自の子育て推進交付金などにより支援を行ってまいりました。その結果、昨年度は全体の七割に当たる約千四百カ所の認可保育所で障害児保育が実施されておりますが、利用者のニーズには十分に応えられておりません。
 平成二十四年度から、児童福祉法には、障害児に対する指導経験のある指導員等が保育所を訪問し、障害児や職員に対して専門的な支援を行う保育所等訪問支援が位置づけられ、現在、十区市の十一事業者によって実施されております。
 今後こうした取り組みを一層進め、保育所における障害児の受け入れが進むよう、区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、難病医療費助成制度についてですが、お話のように、国は新たな医療費助成制度において、対象疾病を現在の五十六から来年の一月には約百十に、夏ごろには約三百に拡大する予定でございます。また、所得に応じた自己負担限度額や、既に医療費助成を受けている患者に対する経過措置を設けることとしております。
 現在、都は、独自に助成している二十三の疾病について、国制度の改正内容を踏まえ支援策を検討しており、仮に新制度の対象とならない場合には、自己負担限度額など国制度との整合を図った上で、助成を継続していく方針でございます。また、必要に応じて経過措置も設ける考えであり、現行の都独自の助成を受けている患者の方々が、法施行後も安心して医療を受けられるよう、適切に対応してまいります。
 次に、難病相談・支援センターの相談機能の拡充についてですが、長期の療養を要する難病患者が安定した療養生活を確保し、生活の質の向上を図ることができるようにするためには、患者や家族のさまざまなニーズに対応し、きめ細かな相談支援を行うことが重要でございます。
 そのため、都の相談・支援センターでは、保健師等による療養相談や、ピア相談員による当事者の立場からのアドバイスを行うとともに、ハローワークと連携した就労に関する相談会やシンポジウムを実施してまいりました。
 こうした患者の療養生活に関する相談や支援等につきましては、今回の法制化で都道府県事業として改めて位置づけられており、今後示される国の基本方針や、お話の他の自治体の取り組みも踏まえながら、相談・支援センターにおけるさらなる施策展開を検討してまいります。
 次に、大気汚染医療費助成制度の見直しについてですが、今回の見直しは、平成二十年八月の制度創設から昨年度で五年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えたことから実施するものであり、この間検証を行ってまいりました。
 その結果、和解条項に基づいて創設した十八歳以上の患者への新規認定は今年度末で終了いたしますが、既に認定された十八歳以上の方に対しては、制度を創設した立場としての責任を果たすため、経過措置として、来年度からの三年間全額助成を継続し、それ以降は月額六千円を超える自己負担の全額を助成することといたしました。
 自己負担上限額は、これまでの助成実績や他の医療費助成制度との均衡を踏まえて設定しており、実施に当たっては、患者ご自身が月間の累計額を容易に把握できる仕組みも取り入れる予定でございます。
 また、制度移行に当たっては、円滑な移行が図られるよう、申請窓口である区市町村や医療機関に対して見直し内容を速やかに情報提供するとともに、ポスター、リーフレット、ホームページ、「広報東京都」など、あらゆる媒体を活用し、都民や患者の方々に対する十分な周知を図ってまいります。
 最後に、民間船舶を活用した医療機能の実証訓練への東京DMATの参加についてですが、今回国が行う訓練は、海からのアプローチによる医療機能の提供が有効なケースや運用上の課題を明らかにするため、民間船舶に医療資器材を積み込み、制約された環境のもとでの医療活動の実証訓練を行うものであると聞いております。
 この訓練に、これまで都内の大規模な事故現場や都外の被災地などで数多くの救命活動等を行ってきた東京DMATが協力することは、その経験と実績を生かした多角的な視点からの医療活動の検証を可能にするものと考えております。そのため、都としては今回の訓練への東京DMATの参加を国に対し積極的に働きかけてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 都有地等の情報提供についてでありますが、保育所を初めとする福祉施設の整備を進めていくためには、ご指摘のとおり、区市町村が都有地等の活用の検討がしやすいよう、適切に情報提供していくことが重要であると認識しております。
 そのため、都営住宅等の建てかえに伴って創出された用地や公営企業の未利用地もあわせ、活用可能な都有地等の情報を一元化するとともに、個別の土地の状況や貸付時期の目安を示すなど、区市町村に提供する情報の充実を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて区市町村の計画策定を支援するとともに、その活用の意向を早い段階から把握し、都有地等の貸し付け準備を迅速に進めるなど、福祉施設の整備を促進してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、大規模水害に備えるソフト対策についてでございます。
 都は本年七月、国、区市町村、学識経験者を交えた広域避難検討会議での議論を踏まえ、地域防災計画を修正し、新たに広域避難の枠組みを整理いたしました。計画では、ライフライン事業者や交通事業者について、平時から浸水防止対策等に取り組むことを位置づけるとともに、広域的視点から都の取り組みを明記してございます。
 具体的には、区市町村間の調整、平時からの国、都県、区市町村等の連携体制の整備、都内及び近隣県の受け入れ先確保に向けた調整、交通事業者との協定締結に向けた検討などを行うこととしており、年度内に区市町村や近隣県との担当者会議を設置いたします。
 今後とも、国の動向等も踏まえつつ、関係機関と連携しながら、大規模水害対策を着実に推進してまいります。
 次に、広域避難に関する国との検討、推進についてでございます。
 首都圏において、区市町村のみならず、都県境を越えるような大規模水害が発生した場合、地方自治体だけでは限界があり、国が前面に立った対応が必要となります。
 昨年十一月、国は、利根川や荒川の堤防の決壊、東京湾での高潮浸水が発生した場合の対応を検討するため、国、都県、区市町村、道路管理者、鉄道事業者等をメンバーとする首都圏大規模水害対策協議会を設置いたしました。現在この協議会では、大規模水害時の避難にかかわる行動計画の策定に向けて、関係機関と調整すべき事項等を把握するため、避難人口や避難手段、避難に要する時間などの基礎的な検討を行っております。
 今後とも、国が主体となった実効性ある広域避難対策が実現されるよう、国や関係機関と議論を重ねてまいります。
 次に、大島の復興支援についてでございます。
 発災以降、都は、応急仮設住宅の建設や、大金沢の堆積工のかさ上げによる機能強化等の応急対策を実施してまいりました。また、関係局や支庁による技術的な支援及び町への職員派遣により、町道の復旧や復興計画の策定など、町の復興への取り組みを支援しております。
 今後、町は、計画に掲げられた事業の具体化を図ることとなりますが、復興をなし遂げるためには、人員の確保など事業を着実に推進していくための体制整備が重要でございます。
 都は、事業推進体制の整備に向けた町の取り組みに適切な支援を行うなど、町の意向を踏まえながら、復興の加速に向け引き続き取り組んでまいります。
 最後に、病院船を活用した訓練についてでございます。
 首都直下地震の発生時には、多数の負傷者が発生するだけでなく、病院の被災やライフラインの途絶等により医療機能が低下する可能性があり、周辺自治体も含め、既存の病院等だけでは対応し切れないことも想定されます。
 こうした中、国が病院船を活用して医療機能を提供することは、負傷者の搬送等の課題はあるものの、都を含む東京湾周辺自治体にとって有効と考えられます。また、病院船を広域的に活用するなど、その実効性をさらに高めるためには、災害時に国が主体となって各自治体と受け入れ調整を行うといった、現実的な想定を置いて訓練を実施することが重要となります。
 このため、関係機関と連携しながら、実践的な訓練内容となるよう、国に対し積極的に協力してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) エネルギー施策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、再生可能エネルギーの導入拡大についてでございますが、再生可能エネルギーの導入を促進するためには、東京の特徴や課題を踏まえた多角的な取り組みが必要であると認識しております。
 地価が高く、土地が狭隘な都内では、集積する建物や駐車場の上部空間等の未利用スペースを有効活用した小規模太陽光の導入拡大が有効でございます。都施設においても、昨年度末で一万キロワットを超える太陽光発電を導入するなど、率先行動を進めており、庁内連携体制を強化して取り組みを加速してまいります。
 また、都が作成したソーラー屋根台帳を活用して、区市町村がNPOなどの民間団体と連携して地域で取り組む、太陽エネルギーの利用拡大策に対する支援も行ってまいります。
 さらに、都内にポテンシャルのある太陽熱や地中熱、バイオマス等の活用や、官民連携再生可能エネルギーファンドを通じた、被災地支援にも資する都外での導入拡大にも取り組んでまいります。
 今後も、再生可能エネルギー拡大検討会における議論を深め、十一月下旬に行う最終まとめを東京都長期ビジョンに反映し、取り組みを推進してまいります。
 次に、住宅への再生可能エネルギーの導入と、省エネ、節電への取り組みについてでございますが、都内における再生可能エネルギーの一層の利用拡大のためには、住宅への太陽光発電の導入促進が必要であり、中でも新築と比べて導入が進んでいない既存住宅での取り組みが重要でございます。
 また、家庭部門の省エネを一層進めるためには、既存住宅の断熱性を高めることなども大切であります。このため、リフォームの機会を活用して既存住宅の省エネ性能の向上を図るとともに、太陽光発電の導入を促進することが効果的と認識しております。
 今後、こうした観点を踏まえて、再生可能エネルギーの利用拡大や省エネ、節電の促進に向けた取り組みを検討してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 国際コンテナ戦略港湾政策についてですが、ご指摘のとおり、国は、港湾運営会社への国出資を可能とするなど、本政策について、民の視点の活用から国主導へと、その前提を大きく転換させました。このため、新たな港湾運営会社の設立に当たっては、これまで以上に慎重な検討が必要でございます。
 新たな会社の出資構成や担うべき役割などについては、現場の港湾関係者の方々に大きな影響を与えることから、さまざまな関係者のご意見を踏まえた上で、これらの方々が納得できる形で進めていかなくてはならないと考えております。
 都としては、法の定める京浜港の港湾運営会社の設立期限である平成二十八年九月までの間に、関係者との十分な議論を行った上で、川崎港、横浜港との合意形成を図り、国と交渉を行ってまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時五十九分休憩

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