平成二十六年東京都議会会議録第十二号

   午後一時開議

〇議長(吉野利明君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(吉野利明君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(吉野利明君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(新美大作君) 知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成二十五年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(吉野利明君) これより質問に入ります。
 百十三番村上英子さん。
   〔百十三番村上英子君登壇〕

〇百十三番(村上英子君) 平成二十六年第三回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 この夏、集中豪雨や台風が相次いで日本列島を襲いました。広島では、大規模な土砂崩れが発生し、先般、吉野議長が現地をお見舞いされました。一連の災害によって亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 いかに科学が進歩し、技術が進んでも、人間が自然をコントロールすることはできません。我が国では、いにしえより、そうした謙虚な気持ちを持って、政の基本の一つは、治山治水とし、それはすなわち国民の生命と財産を守ることとしてきました。広島での豪雨災害があった今、私たちは、このことを改めて胸に刻み、都民のため東京のために全力を尽くすことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 さて、ことし二月十二日に誕生した舛添都政は、都民の大きな期待を担ってスタートしました。以来七カ月、二百日以上が経過し、知事の精力的な活動は、既に幾つかの政策として芽を出しつつあります。今後の都政において、六年後のオリンピック・パラリンピック開催を一つの時間軸に据えるならば、政策の優先順位を明確にして、スピード感ある取り組みを進めることは必要です。
 一方で、知事も議員も、都民の直接選挙によって四年の任期で選ばれていることを考えれば、与えられた期間を使ってじっくりと練り上げる政策も必要です。
 知事は、去る五月九日の記者会見で、今までの三カ月は試運転、これからは高速道路を時速百キロで走ると公言されましたが、都政は、高速道路ばかりではなく、スピードを落として都民と同じ目線で走らなければ見えないこともたくさんあります。知事には、都民の幸せを第一に考え、スピード感が必要な政策と腰を据えてじっくり練り上げる政策を的確に判断し、一人で時速百キロを続けるのではなく、理事者や議会など多くの意見に耳を傾け、万機公論に決すべしの基本姿勢を改めて心がけていただきたいと思います。そうすることで、都政の車の両輪はしっかりと回ってまいります。
 私が知事に、このようなことをあえて申し上げなければならないのは、この間の幾つかの懸念材料が提起されたからです。
 一つは、朝鮮学校の補助金交付再検討を示唆するかのような発言です。
 都は、平成二十二年に予算計上していた補助金凍結を決めて以来、二十五年に補助金不交付を正式決定するまで、多くの議論と緻密な調査を積み上げてきました。北朝鮮による拉致、核、ミサイルの諸問題が、いまだ解決されない現状にあって、こうした発言は都の姿勢を問われます。
 折しも先週、都庁舎は、北朝鮮に拉致された日本人を奪還する決意を込めて、美しい青色にライトアップされました。いうまでもなく、これは拉致被害者救出の象徴であるこのブルーリボンの青色です。安倍総理は、拉致問題をみずからの手で解決すると明言しているように、対話と圧力を駆使しながら、ここへ来て日朝交渉を加速させています。
 都議会自民党は、長年にわたって都議会拉致議連の活動をリードし、本問題に精力的に取り組んでまいりました。それは、政府認定及び警察が判断した拉致被害者の中に、東京都関連の方が四人、また、拉致の可能性を排除できない特定失踪者が四十七人も含まれている。まさに東京の課題と認識しているからにほかなりません。
 そこで私は、この代表質問の冒頭、まず知事に、我が国の主権と国民の人権をいまだじゅうりんしている北朝鮮による日本人拉致についての見解と、今後、拉致問題解決にどのように取り組んでいくのか、決意をお伺いいたします。
 二つ目は、都市外交です。
 都市と都市との友好関係を深めることに、誰も異存はありません。しかし、都市外交が、一たび友好交流の枠を超えて、国と国との関係に触れるような動きになれば、様相は一変します。
 さきの定例会でも指摘したように、外交は国の専権事項であり、国の方針と対立することがあってはなりません。こちらの善意が必ずしも相手側に通じるとも限りません。都市外交は、こうしたリスクを極力避け、行うならば、友好交流と都市問題解決など実務的なことに徹するべきであり、ましてや都政の課題が山積する中での知事の海外出張が、それほど優先順位が高いとは思えません。
 知事は、こうした言動、行動について、いま一度、都政の原点を確認すべきと考えます。改めて、都市外交に対する知事の所見を伺います。
 外に出て行くばかりが外交ではありません。東京には、百五十三の各国大使館を初め、諸外国、地域の代表事務所が集積しており、例えば、誰もが関心のある防災を切り口に、これらの大使館などと連携を強化をしていくことも、都市外交の手段として有効だと考えます。オリンピック・パラリンピックを控え、安全・安心な東京を実現するためにも取り組むべきです。
 また、防災を通じて構築した顔の見える関係は、在京大使館などを通じた都市外交という新たな方向性にもつながります。在京大使館との連携強化について、知事の見解を伺います。
 次に、長期ビジョンについて伺います。
 既に我が党は、昨年の都議選で、十本の柱、六十の政策目標から成る政策集、東京を世界で一番の都市にを都民の皆様にお約束いたしました。問題意識を共有し、ともに世界一の東京を目指す舛添知事とは、二月の知事選を二人三脚で戦いました。私たちの目標は極めて明確です。あらゆる面で東京を世界で一番の都市にすることです。
 今月十二日に発表された東京都長期ビジョンの中間報告は、その目的に向けた行動計画のたたき台と理解しています。
 我が党は、政策推進総本部を設けて専門的な議論を重ね、都政の全領域を網羅した二百四十五項目から成る政策提言をつくり上げ、去る七月に舛添知事に直接お渡ししました。中間報告は、これらの内容におおむね沿ったものであり、評価いたします。これから十二月を目指し、お互いの公約の実現に道筋をつけるべく、長期ビジョンを仕上げていくことになります。
 そこで、長期ビジョンの策定とその実現に向けた知事の決意を伺います。
 次に、予算編成と財政運営について伺います。
 知事は、先般、二十七年度予算をオリンピック・パラリンピック開催に向けた準備を加速させ、世界一の都市東京実現に向けた取り組みを軌道に乗せる予算と位置づけ、本格的に予算編成に動き出しました。
 オリンピック・パラリンピックに向け、持続的な景気回復が望まれるものの、一方では、山高ければ谷深しという言葉もあり、都の歳入に大きな影響を及ぼす景気の動向を常に注視して予算編成を進めることが重要です。オリンピック・パラリンピックの開催が六年後に迫り、都民、国民、ひいては世界中の人々が東京に注目する中、都がこれから打ち出していく予算は、今後の都政の大きな方向性を示すという点で大切な意味を持つと思います。
 そこで、二十七年度の予算編成における基本的な方針について、知事に所見を伺います。
 時代の変化のスピードが早まる中で、緊急性の高い課題には迅速に対応することが必要です。都は、都内の待機児童数が前年から五百五十五人増加し、八千六百七十二人になったことを受け、我が党が七月三十一日に出した緊急要望を、早速、保育サービス拡充のための補正予算案として今定例会に提出しました。迅速な対応を高く評価いたします。
 そこで、補正予算の編成の考え方について知事の見解を伺います。
 政策の実現には、財源という裏づけが不可欠であり、政策展開の礎となる財源を、国が東京から収奪しようとする動きは看過することができません。
 都議会自民党は、本定例会冒頭において意見書を採択したように、都から財源を奪う国の動きに対して一貫して反対の姿勢を示してきました。
 振り返れば、平成二十年度の税制改正で法人事業税の暫定措置が導入され、さらに、平成二十六年度税制改正では、法人住民税の国税化が断行されるなど、地方分権に逆行する一連の不合理な措置により、都は累計で一兆円規模の財源を失ってまいりました。
 さらに、消費税率一〇%への引き上げにあわせて、地方法人税の拡大や法人事業税の暫定措置にかわる新たな偏在是正措置が検討されているとともに、法人実効税率の引き下げや、それに付随する超過課税の問題も顕在化しています。
 都には、防災対策や社会資本ストックの維持更新など、膨大な財政需要が存在しているにもかかわらず、国による新たな財源収奪の動きは全く予断を許さない状態です。
 平成二十七年度税制改正が間近に迫る中、地方法人課税の不合理な偏在是正措置や法人実効税率の引き下げなどの動きに対してどのように国に対処していくのか、知事の所見と決意をお伺いいたします。
 次に、我が党が昨年、都議選に際し、都民の皆様にその実現をお約束をした政策集の十の項目、六十の政策目標に沿って順次お伺いしてまいります。
 まず一つ目の柱、災害に強い安全な東京の政策目標に関連してお伺いいたします。
 我が国は、過去、多くの大規模自然災害により被害を受け、その都度、復旧、復興をなし遂げてまいりました。しかしながら、どんなにすばらしい都市をつくり上げても、災害のたびに壊滅してしまうようでは、砂上に楼閣を築くがごとき取り組みといわざるを得ません。
 これまで都は、首都直下地震や風水害など、特定の災害による被害を想定し、地域防災計画を策定して対策を講じてまいりました。こうした対策は、一定の期間内に確実に目標を達成するよう取り組むべきですが、一方で、首都機能を有する東京は、どんな自然災害が発生しても、その機能が保持されなければ、我が国の存立を脅かすことにもなりかねません。想定外であったといういいわけはできません。
 このため、事前防災、減災の取り組みを、従来の防災の範囲を超えて、国土政策、産業政策など幅広い分野で総合的かつ長期的に推し進める必要があります。
 昨年十二月に国では、我が党と公明党が共同提案をした国土強靱化基本法が制定、公布され、強靱な国づくりに向けた施策を総合的かつ計画的に推進する体制が構築され、現在、政府一丸となった取り組みが進められています。
 国土強靱化における東京の責務とは、首都機能の保持にほかならず、今こそ全庁を挙げてその取り組みを進めていくべきと考えます。知事の所見をお伺いいたします。
 次に、東京の防災プランの骨子策定について伺います。
 我が党はこれまで、災害に強い安全な東京を実現するために、都はもちろんのこと、都民、企業も一体となって防災対策を強力に推進することが重要と述べてまいりました。今回、都は、東京の防災プラン骨子を公表いたしましたが、このプランでは、これまでの地域防災計画を踏まえつつも、その計画では明らかではなかった二〇二〇年の目標が明示され、その目標に向け、都や関係機関はもちろん、都民や事業者の皆様が、今後六年間に取り組むべき具体的な内容を示しています。
 このプランは、都民、事業者の皆様にとってもわかりやすい指針ともなるべきものであり、多くの方々に読んでいただき、二〇二〇年の目標に向けて、行政ともども取り組んでいただくことで、自助、共助、公助が一体となった防災対策が強力に推進されることになると考えます。
 今後、年末に向けて、東京の防災プランをまとめていくとのことですが、都としても、これを絵に描いた餅に終わらせることのないよう、二〇二〇年までにどのように具体的に事業を展開していくのか明らかにする必要があります。東京の防災プランをどのように取りまとめていくのか、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、首都東京の防災都市づくりについてお伺いいたします。
 東京都地域防災計画の震災対策は、都民の生命や財産の保護とともに、都市機能の維持により、首都東京の防災力の高度化を図ることを目的としており、都は、首都東京の特性を踏まえた効果的な施策を進めることが重要です。
 このため、防災上、脆弱な市街地である木造住宅密集地域について、多様な手法を講じて広場をつくり、道路など必要な基盤整備を進め、これにより、燃えない、燃え広がらないまちを早急に構築するとともに、救急救命活動に必要な輸送ルートや拠点を確保することが不可欠です。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向け、首都東京の防災都市づくりに万全を期すことが必要と考えますが、知事の決意を伺います。
 震災後の首都機能を維持するためには、復旧、復興の大動脈ともなる緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を進めることも重要です。しかしながら、耐震性すら明らかになっていない建築物がいまだに少なからず残っています。
 こうした状況を速やかに解消するため、緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断の進捗状況について都民に示し、耐震化の重要性を改めて喚起する必要があります。
 さらに、平成二十七年度耐震化完了を目指した助成期限が迫る中で、改修に意欲のある建物所有者や耐震化事業に携わる関係団体からの声もしっかりと受けとめ、総力を挙げて後押しする必要があります。
 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に向けた今後の取り組みについて、所見を伺います。
 木造住宅密集地域の不燃化を重点的、集中的に促進する不燃化特区は、今年度新たに応募があった九地区を加え、整備地域の面積の約四割で取り組んでいくこととなります。
 これまで各地区では、個別訪問など地元への積極的な働きかけにより、今までなかなか進まなかった老朽住宅の建てかえなどが加速していると聞いています。これからは、各地区における具体的な取り組みを区と連携して進め、速やかに不燃化特区の成果を示し、木密地域全体の改善につなげていくことが重要と考えます。
 そこで、今後、不燃化特区の取り組みをどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、無電柱化の推進について伺います。
 無電柱化は、災害に強い安全な東京をつくるために大変重要な役割を担っています。また、ロンドンやパリなど海外の主要都市では、電線や電柱のない美しいまち並みが形成されていますが、東京の無電柱化はいまだ道半ばです。
 オリンピック・パラリンピック開催を契機に、東京を世界で一番の都市にしていくためにも、東京から電柱をなくし、日々の生活でも、広い空と美しいまち並みを実感できるようにする必要があると思います。国においては、本格的な無電柱化推進のための方策を検討していく動きがあります。
 そこで、都としても、国道、都道、区道など道路の区別なく、都内全域で無電柱化を推進すべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、中小河川の整備推進について伺います。
 冒頭申し上げたとおり、この八月には、広島県で土砂災害による甚大な被害が発生しました。都内にも、多摩・島しょ地域を中心に、土砂災害のおそれのある箇所が一万五千カ所あり、警戒避難体制の整備を促進する必要がありますが、引き続き土砂災害警戒区域などの迅速な指定に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、ことしは、この八月豪雨に象徴されるように、これまで経験したことのない大雨が全国各地で頻発しています。都内においても、八王子などで六月としては観測史上最大となる総雨量三百ミリを超える大雨があり、七月末には集中豪雨により杉並区などで浸水被害が発生しています。
 都は、平成二十四年に中小河川の新たな整備方針を策定し、目標整備水準を引き上げるとともに、本年六月には東京都豪雨対策基本方針を改定しました。局地的集中豪雨などによる水害を軽減するためには、今まで以上に強力に豪雨対策を推進する必要があります。
 そこで、新たな目標整備水準の達成に向けた中小河川整備の取り組み状況について伺います。
 近年、時間五十ミリ以上の降雨が増加しており、今後も地球環境の変化による集中豪雨や大型台風がふえると懸念されています。東京でも昨年豪雨が頻発し、合計七百棟を超える浸水被害が発生し、さらにことしも浸水被害の拡大が予想されます。
 下水道局は、昨年の豪雨による浸水被害を受けて、豪雨対策下水道緊急プランを策定し、対策に取り組んでいます。
 先日、歴代知事として初めて、ご一緒に舛添知事と私は、マンホールから、安全ベルトを着けて下におり、下水道管の内部を視察してまいりました。現場の実態をしっかりと把握した上で、豪雨から東京を守るため、早期に取り組みを進めるべきと考えます。
 そこで、下水道による今後の浸水対策について伺います。
 次に、政策集の二つ目の柱、都民の命と健康を守る安心都市東京の政策目標に関連して、まず、東京の治安対策について伺います。
 都はこれまで、治安の回復に向けて、地域や警察とともに取り組み、その結果、世界に冠たる治安のよさも大きな評価を得て、オリンピック・パラリンピックの開催をかち取ることができました。
 しかし、改めて東京の安全・安心に目をやれば、過去最悪の被害総額となった振り込め詐欺や危険ドラッグの蔓延、子供に対する凶悪事件の続発など、都民の不安は解消されていません。高齢者や子供、女性など社会的弱者はもちろん、全ての都民が安全・安心を実感できる生活の場をつくり、世界で一番の都市東京を実現するためには、従来の取り組みだけでは十分とはいえません。
 今こそ、安全・安心の確保に向けて、新たに目指すべき方向性を明らかにした上で、警視庁や区市町村、さらには地域と連携を強化して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、危険ドラッグについて伺います。
 最近、危険ドラッグの乱用者が犯罪を犯したり、重大な交通事故を起こしたとの報道が頻発し、大きな社会問題となっています。
 危険ドラッグは、合法ハーブなどと称し、あたかも安全な嗜好品のように販売されていますが、使用すると、幻覚や錯乱、意識消失などの深刻な症状を引き起こしかねない大変危険なものです。こうした危険な薬物を売ったり買ったり使ったりすることは、絶対に許されないことです。
 都はこれまで、全国に先駆け、東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定するなど、その取り組みは国も動かしてまいりました。本定例会に、さらなる規制、監視指導の強化を図るための条例案が提案されていますが、今後、合法ハーブなどと称される危険ドラッグ対策にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 次に、大気汚染医療費助成制度について伺います。
 この医療費助成制度は、東京大気汚染訴訟の和解に基づく気管支ぜんそくの患者の方々の早期救済のため、都、国、自動車メーカー、首都高速道路株式会社の応分の財源負担により創設したものです。
 大気汚染による健康被害への対策は、本来国の責任で講じるべきですが、我が党も後押ししながら、都が主導してこの制度を創設し、これまで多くの方々を救済してまいりました。
 本制度は、和解条項上、制度創設から五年を経過した時点で見直すこととなっており、本定例会に改正条例案が提出されています。
 今回の見直しに関する都の考え方と今後の対応について知事に伺います。
 次に、デング熱について伺います。
 先月末、海外渡航歴がなく国内感染したデング熱患者が約七十年ぶりに確認、報告され、以来、毎日感染が拡大している実態に都民は大いに不安を抱いています。
 都内では、感染しなかった病気が広がり、都民の憩いの場であった公園が、一時的にせよ閉鎖されるという事態を目にし、これまで遠い存在と思っていた感染症からどうやって身を守るべきなのか、不安を強めている都民は多いと思います。
 先日、知事とともに都立広尾病院を視察いたしました。その際、現場において感染症対策の実地訓練を拝見いたしました。まだまだ十分とはいえませんが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向け、多くの海外からのお客様がいらっしゃいます。
 そこで、デング熱の患者が多数確認された事態を受け、都としてどのように対策をとり、今後、感染症にどう対処していくのかお伺いいたします。
 次に、政策集の三つ目の柱、高齢者や障害者に優しい東京に関連して伺います。
 都内の高齢者人口は急速に増加しており、団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年には四人に一人が高齢者となる見込みです。今後の要介護高齢者や認知症高齢者の増加に対応し、必要な介護サービス量の確保に向けた取り組みを着実に進めていくことが必要です。
 都は、現在、高齢者保健福祉計画の改定を進めていますが、二〇二五年を見据えた特別養護老人ホーム等の介護基盤の整備目標と目標達成に向けた整備促進策について所見を伺います。
 次に、難病対策について伺います。
 本年五月に難病の患者に対する医療等に関する法律が成立し、来年一月から施行されることとなりました。この法律では、国による基本方針の策定や医療費助成制度の改正、調査研究の推進、患者の療養生活環境整備など、多岐にわたる内容が盛り込まれています。
 医療費助成の対象疾病については、来年一月には、現行制度の五十六疾病から約百十疾病に、さらに、来年夏には約三百疾病に段階的に拡大する予定と聞いています。
 そこで、施行までの準備期間が限られている今回の法制化に対し、都としてどのように対応していくのか、所見をお伺いいたします。
 次に、政策集の四つ目の柱、日本の将来を担う子育て世代に優しい東京に関して、女性政策と子育て支援について伺います。
 まず、女性の活躍推進についてお伺いいたします。
 グローバルな競争が激しくなる中で、都市としても、国としても、持てる力の全てを遺憾なく発揮していくことが必要です。
 我が国にとって大きな潜在力は、女性の力です。女性が生き生きと活躍できるようにすることは、人材の確保にとどまらず、企業や行政、さらには地域の活動においても、女性ならではの視点による新たな価値や、創造や、創意工夫をもたらし、社会全体に活力を与えることにつながります。
 国において、安倍総理は、職場で活躍している女性も、家庭に専念してきた女性も、全ての女性がそれぞれの生き方への自信と誇りを持ち、持てる可能性を開花させる旨の決意を示しております。
 女性の活躍は国を挙げての課題であり、とりわけ日本経済の中心である東京こそ、率先して取り組んでいく必要があります。
 知事に、女性が生き生きと活躍できる東京をつくることの基本認識をお伺いいたします。
 女性が生き生きと活躍できる社会の実現に向けて、女性みずからが新たな事業を起こす起業、創業を促進していくことも重要です。女性ならではの感性を生かした新たな事業は、社会の活力を支えていくことにつながります。
 長期ビジョンの中間報告では、産業活性化に向けて、開業率を一〇%まで引き上げることを目標に挙げています。
 都は、これまでも創業の促進に向けた取り組みを行ってきましたが、民間のノウハウも活用して、資金、経営面など、女性が創業するに当たって抱えているさまざまな悩みや希望に対してきめ細かく相談に応じるなど、支援の拡充を図るべきです。
 女性の創業の一層の促進に向けて、都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 女性の活躍推進に向けて、国は先月、公共調達などに関する取り組み指針を策定いたしました。その目的は、女性の活力が十分生かされるよう、国の公共調達の分野において、発注者である各省庁が女性の活躍を促す取り組みを進めることで、受注者としての企業の取り組みを一層推進することにあります。
 こうした国の方針は、地方自治体の公共調達にもしっかりと反映されるべきであり、女性の活躍推進に取り組むさまざまな分野の事業を応援するに当たり、都も同様の取り組みが求められています。
 そこで、入札契約制度において、都は発注者として女性の活躍を促す取り組みをどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
 また、女性が働きやすい環境整備は、中小企業にとって、施設を整える必要があったり、具体的なノウハウが不足していたりすることから、取り組みに結びつきにくい状況があります。
 中小企業の現場において、女性が活躍しやすい職場環境づくりを進めていくため、都は企業の取り組みを強力に後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、待機児童解消に向けた取り組みについて伺います。
 先ほど申し上げたとおり、都は、我が党の緊急要望を受け、待機児童対策を加速させるために補正予算案を今定例会に提出しました。今後も保育ニーズはふえると考えられる中、都は平成二十九年度までに待機児童ゼロを目指すとしています。
 今後、待機児童解消に向けて、どのように対応していくのかお伺いいたします。
 また、都有地の活用に関しては、去る七月三十一日、福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用策の取りまとめが発表されました。
 福祉施設の整備をより一層促進していくためには、公営企業用地についても都有地と同様の減額制度を適用し、積極的に活用していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、認定こども園について伺います。
 来年度、子ども・子育て支援新制度が施行され、新制度において創設される新たな幼保連携型認定こども園制度も活用しながら、保育サービスの拡充を展開していくものと認識しています。
 現在の幼保連携型認定こども園は、幼稚園と保育園、それぞれの認可に加え、認定こども園としての認定も受けて運営されています。
 しかしながら、新制度では、幼児教育と保育を一体的に提供する単一の施設となります。本定例会に、基準に関する条例案が提案されていますが、基準策定についての都の考え方をお伺いいたします。
 次に、子ども・子育て支援新制度の施行に向けた私立幼稚園への対応について伺います。
 新制度のもとでは、これまで別々の制度で運用されてきた幼稚園、認定こども園、保育所に共通の給付や運営の仕組みが導入されます。これらは、私立幼稚園にとって極めて大きな制度変更となるため、新制度に移行するには重大な決断をしなければなりません。
 これまで我が党は、幼稚園団体と意見交換を重ね、そこで出された現場の声を国に直接伝えてまいりました。
 また、さきの第二回定例会において、新制度における財源確保や早急な情報提供について都議会の意見書として取りまとめるなど、国に対して強く働きかけをしてまいりました。
 新制度に移行した私立幼稚園、認定こども園には、国が定める公定価格に基づく給付がなされますが、試算すると、現行の運営費補助と比較して、収入が大幅に減額する園も相当数あると聞いています。
 また、国からの情報提供がおくれたことにより、区市町村が保育料や利用調整の具体的取り扱いをなかなか決めることができず、目前に迫った十一月の園児募集に影響を及ぼしかねないとの声が上がっています。
 特に、新制度へ移行することが原則とされている認定こども園においては、強い不安の声があります。
 東京の幼児教育に極めて大きな役割を果たしている私立幼稚園が、混乱なく新制度の施行を迎えることができるよう、都として、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
 次に、子供たちを大切に育てる環境づくりの視点から伺います。
 近年、保育園や公園から聞こえる子供の声が騒音として扱われ、都条例の規制基準の対象であるとして、保育園などの施設に地元が反対する事例があります。
 我が党は、日本の将来を担う子育て世代に優しい、子供の声があふれるまち東京を実現していくことが、何よりも重要と認識しています。地域住民の理解と協力が欠かせないということは当然ですが、条例の規制が障害になっているならば早急に見直すべきです。
 都は、本年の予算特別委員会で、騒音規制の窓口である区市や施設管理者などの意見を聞いて、子供の健全な育成に配慮した制度のあり方について検討していく旨を表明いたしました。
 都は、条例の規制の見直しに向け、検討を急ぐべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の五つ目の柱、後世に誇れるクリーンで美しい東京の実現に向けて伺います。
 初めに、環境エネルギー政策について伺います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックにおいて、環境先進都市東京の姿や日本の高い技術力を世界に発信するためには、次世代エネルギーとしての期待の高い水素の利活用に向けた取り組みを着実に進めることが重要です。水素と空中の酸素を反応させて安全に電気をつくる技術は、既に確立され、製品化の段階に来ております。
 我が党は、環境エネルギー政策研究会における民間事業者も交えた議論を経て、都に対し、水素社会の実現に向け率先して取り組むよう政策提言を行いました。
 今年度内に予定されている燃料電池車の販売開始を控え、水素ステーションなどのインフラ整備が急務であり、都は、用地確保や水素の安全性に対する理解促進などの課題に対して積極的な役割を果たすべきと考えます。
 こうした状況を踏まえ、水素社会の実現に向けて具体的な施策の構築に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 我が国が持続可能な発展を継続するためには、エネルギーの利用効率を最大限に高めるとともに、安価で低炭素なエネルギーの安定的な確保に向けた取り組みが欠かせません。
 そのためには、まず、エネルギーの大消費地として責務を踏まえ、使用量の見える化や効率的な機能の普及などを通じて、無理のない省エネを最大限推進していくことが必要です。
 加えて、東京の電力安全保障という観点から、さきに触れた水素エネルギーの活用にあわせ、再生可能エネルギーやコージェネレーション設備などの分散型エネルギー源の拡充を積極的に進めていくことが重要です。
 都は、東京の特性を踏まえたエネルギー施策を、需給両面で一層強力に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 分散型エネルギー源としては、先ほど述べた燃料電池車のほか、電気自動車などの次世代自動車の普及促進も重要です。
 都はこれまで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などの次世代自動車の導入を支援し、運輸部門のCO2削減対策を推進してまいりました。電気自動車などは、このように、地球温暖化対策に寄与するだけではなく、ビークル・ツー・ホームシステムを活用すれば、電気自動車などにためた電力を住宅に供給できるなど、防災面からも有効活用することが可能です。
 都は、賢い節電を可能にするとともに、災害にも強い電気自動車などの普及を促進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、資源循環施策について伺います。
 我が国では、年間十三億トン以上の天然資源が消費されていますが、それに伴い、国内外で、CO2を初め、さまざまな環境負荷が生じています。一方、新興国の経済成長に伴い、世界の資源需給はますます厳しくなっています。
 こうした環境制約、資源制約のもとで東京の経済活力を維持発展させていくためには、資源利用のあり方を持続可能なものに転換していくことが必要です。
 都は、さきの定例会で、今年度内に資源循環の取り組み方針を策定する旨を表明いたしましたが、その際に、廃棄物のリサイクルに加え、資源循環の輪を完結するために欠かせない再生資源、特に再生砕石などのいわゆるエコマテリアルの利用促進も施策の柱に据え、持続可能な資源利用の推進に取り組んでいくことが重要と考えますが、見解を伺います。
 次に、水辺環境の改善について伺います。
 区部では、八割の地域で合流式下水道を採用し、衛生環境の改善と雨水排除の両方を同時に達成しましたが、大雨が降った際に、合流式下水道の雨水はけ口から、雨天時の汚れた下水が河川や海などの公共用水域に放流される課題があります。
 下水道局ではこれまで、雨天時の下水を従前より多く水再生センターに送水するための下水道管の整備や、雨水はけ口からのごみやオイルボールなどの流出を抑制する水面制御装置の設置をおおむね完了させたと聞いています。
 良好な水辺空間を創出するためには、これらの対策に加え、合流式下水道の改善対策を一層強化していくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、合流式下水道の改善対策に加え、河川での取り組みも重要です。
 多くの河川では、水質も以前に比べて大きく改善されておりますが、潮の干満の影響を受ける、いわゆる感潮域の河川では、水の流れが滞るため水質が悪化し、悪臭が発生しやすくなっています。感潮河川の水質改善をさらに推進していくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の六つ目の柱、力強い経済で日本をリードする東京に関連して伺います。
 初めに、東京国際金融センター構想について伺います。
 いうまでもなく、我が党は、東京を世界で一番の都市にすることを目指しています。そのためには、東京の国際競争力を高め、世界で勝てる東京、日本に変革していかなくてはなりません。
 先般、東京都がまとめた東京国際金融センター構想は、経済の血液である金融の分野で、東京が世界的な拠点となることを狙ったものです。この構想を、私たちの政策集で挙げた、力強い経済で日本をリードする東京の、具体化に資するものにしてもらいたいと思います。
 それには、構想に向けた取り組みにより、世界から集めた資金、人材、情報を地域産業の活性化や民間福祉の向上といった実態を伴った投資につなげることにより、東京の地域活性化を推進し、さらに日本経済全体に波及させる二つの観点が重要です。
 今後、東京国際金融センター構想をどのように進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、産業政策について伺います。
 東京の産業の活力を維持し、さらに強化していくためには、刻々と変化する経済環境への対応に加え、構造的な課題に対しても中長期的な視点から取り組む必要があり、二〇二〇年を一つの大きな目標として、さらにその先をも見据えた施策展開が求められます。
 まず、観光振興についてです。
 ことし我が国を訪れた外国人旅行者は、過去最高となった昨年の千三十六万人を大きく上回るペースで推移しています。
 オリンピック・パラリンピックというまたとない機会を生かし、急成長するアジアを初めとした世界の旅行需要を取り込み、観光立国としての力を高めていくべきですが、重要なのは、東京のみならず、全国津々浦々にその効果を波及させていくオールジャパンの姿勢で取り組むことが大事です。
 東京が地方の都市と連携し、例えば、羽田空港から入国して、東京を観光した後に、国内線や新幹線を利用して地方に行き、地方空港から帰国してもらう観光ルートを新たに提供することで、東京と地方の相乗効果により、来日した外国人に日本の多様な魅力を感じてもらうことができます。
 国内外のネットワークの基点である東京こそが先頭に立って、地方都市との連携を構築し、日本を牽引する役割を果たしていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 また、東京を訪れる多くの外国人旅行者にその魅力を満喫してもらうためには、公共交通を利用して円滑かつ快適に移動できる環境整備が不可欠です。
 民間の調査によれば、首都圏を訪れる外国人旅行者が移動手段として最も利用する公共交通機関は地下鉄であり、また、通信手段として無料Wi-Fiを利用したい意向が高いとのことでした。
 こうした状況を踏まえ、都営地下鉄が、東京メトロとも連携しつつ、外国人旅行者の利便性向上に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、中小企業の支援についてです。
 オリンピック・パラリンピックの開催は、中小企業にとっても、みずからの技術を世界に示し、新たな販路を切り開いていく絶好の機会です。
 展示会の開催は、そのために極めて重要であり、我が国最大の展示会施設である東京ビッグサイトは欠くことのできない施設といえます。
 さきの第二回定例会の我が党の代表質問に対し、都は、産業振興にも資する観点から、東京ビッグサイトの拡張整備を行うと答弁し、本定例会に補正予算案が提案されています。速やかな整備により、その機能が強化されることを大いに期待するものです。
 その一方で、大会の開催や準備のため、東京ビッグサイトは一定の期間施設が利用できなくなります。オリンピック・パラリンピックを歓迎しつつも、展示会に参加している中小企業やさまざまな業界団体から懸念の声が寄せられています。さらには、開設から約二十年が経過しており、大規模改善も見込まれます。
 こうしたさまざまな事情により展示会が開催できなくなることは、極力避けなければならず、具体的な対策を速やかに講じるべきと考えますが、都の取り組みをお伺いいたします。
 中小企業が抱える構造的な課題の一つが、働く人材の確保です。景気回復や建設需要などを背景に、都内の有効求人倍率が一・六倍と八年ぶりの高水準となり、人材の獲得競争の激化に多くの中小企業が苦慮しています。 中小企業が人材を確保し、その定着を図っていくためには、非正規社員の正規化や若手社員にとって働きやすい環境整備といった処遇の改善を進めるとともに、研修の充実を図るなど会社の中で人を育てる取り組みを強化していくことが有効です。
 都は、今年度から、国からの基金を活用し、こうした取り組みに対する新たな支援に取り組むとのことですが、さまざまな業種や業態ごとに雇用の実態や人材育成ニーズは異なります。
 このため、業界団体からの提案を募り、現場実態を踏まえた効果的な支援を行うべきと考えますが、中小企業の処遇改善や人材育成に対する新たな支援に都は具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
 次に、農畜産業振興について伺います。
 都内には、ブドウの高尾やトウキョウXなど、既に高い評価を獲得している多くのブランド農畜産物があります。知事も、新鮮で安全・安心なおいしい東京の食材をIOC委員にアピールし、来月には、東京味わいフェスタを開催するなど、先頭に立って、その魅力の発信に取り組んでいます。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会に向け、さらに、その振興を図っていくべきと考えます。
 世界中の人々にその魅力を味わっていただくためには、生産の拡大に向けて取り組む必要がありますが、一方で、都内の畜産農家は減少を続け、支援する都の施設も老朽化が進むなど、十分な体制にはありません。
 そこで、特に都は、トウキョウXを初めとしたブランド畜産物の生産拡大に向け、支援体制を整備していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の七つ目の柱、若者が夢と希望を持てる教育都市東京に関連してお伺いいたします。
 これからの我が国を担う人材育成について伺います。
 オリンピック・パラリンピック開催を見据え、国際社会の一員としての自覚と行動力を持ち、世界の人々と交流できる人材の育成が一層求められます。そのためには、海外で通用する英語力や世界を舞台に活躍する意欲を高めることはもとより、その前提として、世界に誇る我が国の伝統、文化、最先端の技術力などを理解し、魅力ある日本を世界に積極的に配信する力を育成することが必要です。
 このような取り組みを一層推進し、日本人としての自覚や誇りを持ち、海外で活躍する人材を育成していくことが重要であると考えます。今後の取り組みについて、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、政策集の八つ目の柱、人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくるに関連して伺います。
 初めに、国際コンテナ戦略港湾について伺います。
 厳しい国際競争を勝ち抜く上で港は重要なインフラであり、時代の変化に応じた戦略的かつ効率的な運営が求められています。しかし、平成二十二年に戦略港湾政策が出されて以降、国土交通省は、みずからの権限拡大を図ろうとするばかりで、国際競争力強化に資する有効な具体策を打ち出してはいません。
 先般、同じ戦略港湾である阪神港では、大阪、神戸両市がふ頭会社を本年十月に経営統合し、国が三分の一を超える出資を行う新たな港湾運営会社が、今後、港湾運営を担うことを表明しました。阪神港は、長期的にコンテナ貨物取扱量が伸び悩むなど、京浜港とは異なる事情があるものと認識をしています。国は港湾運営会社への出資などという施策ではなく、集中投資や規制緩和を一層推進するなど、担うべき役割をしっかりと果たしていくべきです。
 我が党はこれまでも、現場の実態を熟知し、さまざまな課題を着実に解決してきた自治体が、今後も港湾経営に責任を持つべきと主張してまいりました。
 取り巻く状況に変化が見られますが、都としては、今後の東京港の経営にどのように取り組んでいくのか、改めて知事の見解をお伺いいたします。
 阪神港では、港湾運営会社の設立に当たり、大阪、神戸の両市とも、議会の議決を要しない方式で実施したと聞いています。港湾運営会社の設立は、都民の税金と直結する課題であると同時に、まさに港湾経営のあり方の基本にかかわる重要な事項であり、議会の関与を踏まえることが不可欠です。
 今後、川崎港、横浜港と経営統合に関する検討を行うに当たり、都はどのように進めていくのか見解を伺います。
 次に、都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通について伺います。
 先般、知事は、オリンピック施設が集まる臨海部と都心とを結ぶ新たな公共交通機関の整備を発表いたしました。東京の将来にとって有益かつ非常に重要な決断をされたと考えています。
 我が党はかねてより、経済成長を支え、環境にも優しいエネルギーの活用を訴えてまいりました。今回の交通システムについても、臨海部などの成長を支え、かつ、水素社会の実現にも貢献する先駆的な技術を導入していくべきと考えます。こうした趣旨を踏まえ、さらに短い期間で整備をしていくには、知事の強力なリーダーシップが求められます。
 そこで、改めて、都心と臨海副都心とを結ぶ新たな公共交通の整備に向けた知事の決意を伺います。
 次に、国道三五七号の整備促進について伺います。
 知事は所信表明において、国道三五七号多摩川トンネルについて、国などと協議し、整備を進めることとなったと述べられました。
 国道三五七号は、国際化が進む羽田空港へのアクセス向上や京浜三港の円滑な物流の確保を図る上で重要な路線です。我が党はこれまでも、早期の整備を強く主張してきており、知事のこのたびの取り組みを大変評価するものです。
 そこで、改めて、国道三五七号の整備促進に向けた知事の決意をお伺いいたします。
 次に、道路整備のあり方について伺います。
 長い混迷と閉塞感の時代を乗り越え、回復しつつある我が国の経済を成長軌道に乗せるためには、首都東京が経済再生を牽引し、日本をリードする必要があります。このためには、経済効果の高いインフラ整備を積極的に推進することが求められます。
 道路整備は、人と物の流れをスムーズにし、国際競争力を高める上で必要不可欠です。災害時においても、交通、物流を確保するとともに、市街地の延焼を遮断するなど、強靱で安全・安心な都市づくりに寄与することが期待されています。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて着実に取り組む必要があると考えますが、道路整備のあり方について見解を伺います。
 次に、まちづくりにあわせた交通結節点の整備について伺います。
 オリンピック・パラリンピック開催に向けて、東京の国際競争力をさらに強化していくためには、都心部の拠点を中心とした開発を加速させる必要があります。
 先般、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四が示されましたが、羽田空港に近接し、リニア中央新幹線が予定されている品川駅、田町駅周辺は、東京の南側の玄関口として、これからの日本の成長を牽引する拠点となる地域であります。現在、JR東日本の新駅設置などの検討も進められていますが、増加する交通需要に的確に対応していくためには、鉄道駅などの交通結節点の整備を中心としたまちづくりが重要です。
 こうした中、ガイドラインには、この地域内にある都営地下鉄の泉岳寺駅についても、周辺開発にあわせて機能強化を検討するとありますが、都営交通の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、安定給水の確保について伺います。
 水は、食料やエネルギーと並ぶ戦略物資であり、都民生活や都市活動に欠くことができない存在です。都の水がめとして重要な八ッ場ダムの建設事業は、ようやく本体工事が契約となり、霞ヶ浦導水事業も継続方針が決定されました。
 そもそも、民主党政権は、コンクリートから人へという間違った政策によって、ダム検証の名のもと、平成二十二年、工事を中断しました。
 こうした中、利根川水系では、昨年、一昨年と二年連続で渇水が発生しています。将来にわたる安定給水の確保には、水源確保とともに、浄水場の更新、管路の耐震化などを含めた幅広い取り組みが必要です。
 そこで、首都東京の安定給水の確保について今後どう進めていくのか、お伺いいたします。
 次に、安全でおいしい水について伺います。
 水道局は、我が党とともに、世界に誇れる水道をつくり上げてまいりました。昨年度には、利根川水系の全浄水場に高度浄水処理の導入が四半世紀をかけて完了し、より高品質な水道水を供給しています。
 この先は、全ての都民が、こうした東京の水道水を直接蛇口から実感できることを目指すべきであり、さらに進んで、各戸訪問により、水質や漏水の有無などを専門的な立場から確認し、その結果を周知することが重要です。
 また、その際、さまざまなニーズを把握することができれば、一石二鳥の効果があります。
 そこで、専門的な視点を含め、多様なニーズをきめ細かく把握することで、真の意味で世界最高水準の水道を目指すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、政策集の九つ目の柱、全ての都民を元気にするスポーツ文化都市東京に関連して伺います。
 二〇一九年には、ラグビーワールドカップが日本で行われます。現在、国内の開催都市の募集が行われており、知事は所信表明で、その開催都市への立候補に向けた検討を進めていくと述べられました。ラグビーワールドカップは、オリンピック・パラリンピック、サッカーワールドカップと並ぶ世界的なスポーツ大会であります。都が開催都市となれば、ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックを二年連続で開催する世界初の都市となり、東京の魅力やスポーツ都市東京を世界に強力にアピールすることができます。
 都は、ラグビーワールドカップ二〇一九の開催都市として立候補し、オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取り組みを後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育について伺います。
 オリンピック・パラリンピックは、子供たちがスポーツに親しみ、友情や尊敬の念を育み、フェアプレーや限界に挑み、努力するオリンピズムの精神を深く学ぶ絶好の機会です。
 例えば、近代オリンピックの創始者ピエール・ド・クーベルタン男爵やアジアで最初のIOC委員になった嘉納治五郎を初め、偉人たちの生き方から、こうしたオリンピックの崇高な精神を学んだ上で、子供たちが二〇二〇年大会で実際に各国のチームを応援し、選手村で歓迎するなど、オリンピック・パラリンピックにかかわるさまざまな活動を体験することは、かけがえのない財産となるものです。それができるのは、まさに教育であり、大会後も未来にわたり語り継がれる東京ならではの取り組みを期待いたします。
 今後は、オリンピック・パラリンピック教育をどのように進めていくのか、都教育委員会の見解を伺います。
 最後に、政策目標に挙げる島しょ振興について伺います。
 初めに、大島の復興に向けた都の取り組みについて伺います。
 昨年十月の台風二十六号により大島にもたらされた未曽有の土砂災害から、間もなく一年が経過いたします。この一年間、大島の方々には大変つらく長い時間であったことをお察し申し上げるとともに、私たちの使命は、一日も早く大島の復興を進め、二度とこのような災害が起こらないよう、大島町に対する協力と支援を惜しまないことです。
 今月末には、町が今後の復興の方向性を示す大島町復興計画をまとめる予定です。復興に向け、計画に挙げられた取り組みを都と町が一体となり推進していくことが重要です。
 大島の復興はまだ道半ばですが、復興計画が策定される機会を捉え、改めて大島の復興に向けた都の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、大島の航空路線について伺います。
 全日本空輸株式会社は、搭乗客数の不振を理由に、今年十月末をもって羽田と唯一直結する大島路線を廃止する意向を表明いたしました。この路線が廃止されれば、昨年の台風二十六号による大規模災害から復興に、懸命に取り組んでいる大島町にとっては大打撃となります。
 このため我が党は、ことし三月、いち早く全日空への運航継続の働きかけを知事に強く要請するとともに、党を挙げて全日空に対し粘り強く要請活動を展開しました。また、これを受けて東京都も、全日空との交渉を続けてきたと聞いております。
 この結果、このたび全日空は、来年十月下旬までの一年間の運航継続を行う意向を明らかにいたしました。この一年間は大変重要な期間であり、路線を維持していくためには、この間に、大島町や全日空が全力で搭乗率向上に向けた取り組みを行い、大幅に搭乗者数をふやしていかなければなりません。
 さらなる搭乗率向上に向けて、大島町や全日空が行う取り組みを東京都としても支援していくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、小笠原の振興開発について伺います。
 本年三月に小笠原諸島振興開発特別措置法が改正、延長され、五月には法に基づき国が振興開発基本方針を定めています。小笠原諸島は、昭和四十三年に我が国へ復帰以降、生活や交通、産業といった社会基盤の整備が重点的に進められてきました。
 また、近年では、平成二十三年の世界自然遺産への登録や海底光ファイバーケーブルの敷設などの整備が進められています。
 その一方で、本土との交通アクセスの改善や島内産業の活性化、東日本大震災後の新たな防災対策の強化など、残された課題も多くあります。
 こうした状況の中、都では現在、今後五年間の新たな小笠原諸島振興開発計画の策定を進め、先日素案が公表されました。平成三十年には、小笠原諸島が日本に復帰してちょうど五十年となります。
 新たな振興開発計画は、計画期間の最終年度が小笠原にとって大きな節目を迎える時期となりますが、今後、小笠原の振興開発をどのように進めていくのか伺います。
 昨年九月八日未明のオリンピック・パラリンピック東京招致決定から、既に一年が経過いたしました。当初からの枕言葉であった六年後の開催は、あっという間に五年後の開催というべきものとなりました。時間があるように見えて、実は非常に厳しいスケジュールです。
 私たちは、現時点で、その五年後に向けて政策と事業を集中させていますが、本当に必要なことは、その先の十年後、二十年後、三十年後の東京の姿を展望しながら、五年後に対処していくことに違いありません。
 オリンピック・パラリンピックの取り組みも、長期ビジョンの実現も、私たちは、東京の未来を見詰めながら、長所を伸ばし短所を克服しながら、力強く前へ進んでいきたいと考えます。
 東京都議会自由民主党は、東京を世界で一番の都市にを実現するために、これからも都議会第一党の責任をしっかりと果たし、全力で政策実現へ邁進することを改めてお誓い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 村上英子議員の代表質問にお答え申し上げます。
 北朝鮮による日本人拉致についての見解と問題解決に向けた今後の取り組みについてでございますが、北朝鮮による拉致は、我が国の国家主権の侵害であると同時に、国民の生命と安全を脅かす重大な人権侵害でもあり、拉致問題の解決は、我が国の外交上の最重要課題であります。
 拉致被害者の方々が置かれている状況や、一日千秋の思いで肉親との再会を待ち望む高齢となったご家族の切なる思いを察すると、もはや一刻の猶予もございません。
 また、東京にも四人の拉致被害者と、拉致の可能性を排除できない多くの特定失踪者の方がいらっしゃるわけであります。拉致問題は、国全体の問題であることはもちろん、都にとっても重大な問題であります。
 北朝鮮の特別調査委員会による再調査が行われている今、拉致問題は、全面解決に向けた最大の勝負どころを迎えております。都民の生命と財産を守る知事として、全ての拉致被害者の一日も早い帰国が実現するよう、安倍政権には、対話と圧力の姿勢による外交努力を尽くすことを求めてまいります。
 都としても、今回初めて都庁舎をブルーリボンカラーにライトアップするなど、都民向けのさまざまな啓発活動を行ってまいりました。
 今後も引き続き、啓発活動等により、拉致問題解決に向けた機運を高めるとともに、家族会、救う会及び調査会等と連携し、早期解決を目指し、拉致被害者奪還に向けた国民運動の一翼を担いつつ、断固たる決意で国を後押ししてまいります。
 都市外交についてでございますが、国家間の利害調整を主とする外交は国の専管事項であり、都市外交が国の方針に反するようなことがあってはならないのは、ご指摘のとおりでございます。
 私の目指す都市外交は、世界の諸都市と友好協力関係を深め、教え、教えられる関係を築くことを通して、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックへ向け東京を一段とレベルの高い都市とし、都民生活の向上を図っていくものであります。
 都市外交をより戦略的、効果的に展開するため、先月末、庁内に立ち上げました都市外交推進会議において十分な検討を行い、年内に新しい都市外交戦略を策定し、長期ビジョンにも反映してまいります。
 また、職員を海外に派遣し、多様な交流を行うことは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを成功に導くためにも必要であります。来年度から職員の海外派遣を拡大してまいります。二〇一六年オリンピック・パラリンピック開催都市であるリオデジャネイロも有力なその候補地であります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、海外諸都市との交流、協力を通じて信頼関係を強固なものにしながら、東京、日本、そしてアジアを初めとした世界の発展に尽力してまいりたいと思っております。
 続きまして、在京大使館等との連携強化についてでありますが、東京は日本の首都でありますことから、各国大使館を初め諸外国、地域の代表事務所が多数存在しております。オリンピック・パラリンピックを控えた東京にとって、大使館等との顔の見える関係を構築し、これを活用していくことが重要であります。私も就任以来、各国大使の表敬をできるだけお受けし、直接話をすることを大切にしてまいりました。
 ご指摘いただきました大使館等との防災面での連携強化につきましては、特に重要であると認識しております。これまでも、都では大使館等に対し、東京都総合防災訓練に際する視察や、災害発生時の情報提供などを実施してまいりました。
 今後は、大使館等の所在地の区や国とも連携しながら、実務レベルでの連絡体制を一層強化するとともに、連携強化に向けた意見交換の機会を設けるなど、災害時に機能する協力体制づくりを行ってまいります。
 このような取り組みを通じて構築した関係を活用することで、海外に対して、東京の魅力をより効果的に発信できると思います。他都市の先進事例や協力可能な事業に関する情報の収集にもつながり、相互の信頼関係に厚みを加えていくことができます。
 都に集積する在京大使館、代表事務所という貴重な財産を生かして、実務に徹した新たな都市外交を展開してまいります。
 続きまして、長期ビジョン策定とその実現に向けた決意についてでございますが、今回の長期ビジョンは、ここで生まれ、生活し、老後を過ごすことができて本当によかった、そう思ってもらえる世界一の都市東京の実現に向けて、今後の都政運営の新たな指針として策定するものであります。
 東京は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催を控え、世界で最も注目される都市の一つになっておりますが、この大会の成功は決してゴールではありません。
 二〇二〇年の先も、東京が発展、成長を続け、都民が幸せを実感できる都市であるためには、史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現を初め、少子高齢、人口減少社会への対応など、山積する課題を解決していかなければなりません。
 そのため、今回の中間報告では、中長期を見据えて都が取り組むべき政策の目標や方向性を明らかにいたしました。
 特に、政策目標については、都が推進する施策のみならず、社会や都民生活に及ぶ効果や状況についても、できる限り数値化いたしましたが、それは、政策は絵に描いた餅であってはならないという私の決意のあらわれであります。
 さらに、年末に策定する長期ビジョンには、三カ年の実施計画を盛り込むことで、政策の進行管理を徹底し、目標の実現に向け着実に進めてまいります。
 今回の中間報告は、皆様からの政策提言を十分に反映して取りまとめました。引き続き真摯に議論を重ね、策定作業を進めてまいりたいと思っております。
 今後も、皆様との信頼関係を大事にしながら、都政運営を通じて、人々に夢と希望を贈る政治の役割をしっかりと果たしていきたいと思います。そして、東京と日本の明るい未来をともに切り開いてまいりたいと考えております。
 平成二十七年度予算編成における基本的な方針についてでございますが、来年度予算は、私が一から手がける初の本格的な予算となります。オリンピック・パラリンピック開催に向けた準備を着実に進めるとともに、世界一の都市東京の実現に向けて、スピーディーかつアグレッシブに政策を展開する予算を編成してまいります。
 こうした観点から、直面する喫緊の課題への迅速的確な対応はもちろんのこと、少子高齢化の急速な進行や激化する国際的な都市間競争への対応など、将来を見据えた重要課題に対しては、重点的かつ戦略的な取り組みを積極果敢に進めてまいります。
 一方で、景気の波に翻弄されてきた都財政の歴史を十分に踏まえて財政運営を行っていくことは、都政をつかさどる上で重要であると認識しております。
 そのため、これまで培ってきた財政対応力の一層の涵養に努めるとともに、時代にそぐわなくなった事業を抜本的に見直し、施策の新陳代謝を促進していく仕組みを予算編成に組み入れるなど、都の自己改革力を向上させてまいります。
 こうした基本方針のもと、財政の健全性を将来にわたって堅持しつつ、都民の負託に応え、日本全体の持続的発展を牽引する、新しい時代に呼応した予算をつくり上げてまいります。
 続きまして、補正予算編成の考え方についてでありますが、私は就任以来、現場を回り、東京の実情を理解するように努めてまいりました。村上英子議員とも何度か現場を一緒に回らせていただきました。そうした中で、東京には解決すべき課題が山積していることを目の当たりにしてまいりました。
 都政を預かる身として必要なことは、直面している課題に正面から向き合い、その解決に向けて必要な施策を、時期を逸することなく打ち出すことであります。
 こうした観点から、今回は、待機児童の解消など、特に緊急性が高く重要な課題の解決に向けて補正予算を編成し、新たな対策を講じることにいたしました。
 今後も、都民のニーズを見きわめつつ、緊急的な対応が必要な課題に対しては、迅速果敢に施策を展開してまいります。
 次に、平成二十七年度税制改正への対応についてでありますが、昨今の地方財政をめぐる議論は、十兆円を超える地方の財源不足の解消という本質的な議論は棚上げされたまま、都市と地方の財源争いという構図に矮小化され、不合理な税源の偏在是正措置が断行されてまいりました。
 こうした大都市の財源を狙い撃ちにした措置は、地方分権の推進に逆行するばかりか、日本経済を牽引する機関車役を担うべき大都市の活力をそぐことにもつながり、決して日本全体の成長に寄与するものではありません。
 また、大都市の自治体は財政面で一見豊かに見えるものの、今後の急速な高齢化による社会保障関係経費の増大や、社会資本ストックの膨大な更新経費など、財政需要の増加が先鋭的にあらわれることが想定されます。
 国はこのような状況を踏まえ、問題の本質に正面から向き合い、地方自治の原点に立ち返った議論をすべきであると考えております。
 これから年末にかけて、法人税の改革とともに、地方法人課税をめぐる議論がさらに活発化するなど、都にとっても極めて重要な局面を迎えます。こうした状況に鑑み、改めて都の考え方を示すため、先般、地方法人課税を巡る動向と東京都の主張を発表いたしました。
 今後、正念場に入る税制改正議論に向け、都議会の皆様を初め、都内全区市町村や志を一にする他の地方自治体等と一枚岩になって、不合理な偏在是正措置の即時撤廃と地方税への復元、そして、総体としての地方税財源の拡充を国に対して強く要求してまいります。
 国土強靱化についてでありますが、我が国は、地震、台風、火山噴火など、諸外国と比較してもさまざまな自然の脅威にさらされており、東京もまた首都直下地震など不可避のリスクにさらされております。
 東京は首都機能を有するとともに、我が国の人口の約一割が居住する日本の心臓であり、この心臓がとまることがあれば、我が国全体が死に瀕することとなります。
 現在、東京を世界一の都市にするため、福祉、医療、金融、産業など、さまざまな政策分野において取り組みを進めておりますが、施策を展開する中で、さまざまな自然災害に対する強靱性も強化確保しなければなりません。
 これまでも地域防災計画に基づき、首都直下地震等を想定した防災対策を進めてまいりましたが、国の国土強靱化基本法制定を契機に、福祉や産業、まちづくりなど、さまざまな分野において、平時からどのように災害への備えを図るのか検証、検討してまいります。
 この取り組みを通じて、いかなる自然災害に対しても、人命を最大限保護することはもちろん、被害を最小化しつつ、医療、情報通信、ライフライン等の重要機能を維持し、迅速に復旧復興を図ることができる強靱な東京を実現してまいります。
 東京の防災プランの策定についてでありますが、東京を世界一の都市にするためには、都民を初め国内外からの来訪者の安全・安心を守ることが大前提となります。
 これまでも、自然災害への備えを万全なものとするため、地域防災計画に基づき、さまざまな取り組みを進めてまいりましたが、オリンピック・パラリンピック開催を見据え、スピード感を持って対策を推進していくためには、二〇二〇年に向けた目標を設定し、具体的な工程を作成する必要があります。
 また、防災対策を進めていく上でかなめとなる自助、共助の取り組みを着実に進めていただくには、その担い手である都民、企業の皆さんの理解と協力は不可欠であります。
 このため、今回の骨子では、行政のみならず、都民、企業とともに目指す共通の将来像を明らかにし、その達成に向け必要な取り組みを誰でもわかりやすく理解できるよう、刻々と変化する災害の状況に応じて示しました。
 今後は、都議会や都民の皆様からの意見をいただきつつ、具体的かつ実効性ある取り組みと、その道筋を工程表として加え、年内に完成させたいと思っております。
 そして、このプランを二〇二〇年に向けた東京の防災の指針に位置づけ、自助、共助、公助が一丸となった防災対策を強力に推進してまいります。
 続きまして、首都東京の防災都市づくりについてでありますが、東京は我が国の人口の約一割を抱えるとともに、政治、行政、経済の中枢機能が極めて高度に集積しております。一たび大地震が発生した場合の影響は、国内にとどまらず、海外にも及ぶおそれがあります。都の防災都市づくりは、こうした首都の特性を十分踏まえ、国や区市町村との適切な役割分担、連携のもとに、政策の優先順位を明らかにして、効果的な施策を重点的、集中的に進めていく必要があります。
 何よりも、木密地域のうち、特に家屋の倒壊や火災の危険度が高い整備地域において、不燃化特区の取り組みや、延焼を食いとめ、避難路となる特定整備路線の整備を加速してまいります。
 緊急輸送道路沿道の建築物や、災害時の活動拠点、避難施設として重要な公共建築物等の耐震化を重点的に推進し、地震発生時における円滑かつ迅速な災害応急活動を可能にいたします。
 さらに、民間と連携して帰宅困難者対策を強化するなど、ハード、ソフト両面において、自助、共助、公助の全ての力を結集して、より確かな備えを講じてまいります。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の開催に向け、国内はもとより、世界各国からも多くの人々が安心して訪れることのできる世界一安全・安心な都市東京の実現に取り組んでまいります。
 続きまして、危険ドラッグの対策の強化についてでありますが、危険ドラッグは、麻薬や覚醒剤と同様に、心身をむしばみ、人の一生を台なしにするばかりか、社会の秩序を乱す危険な薬物であり、その害悪は、はかり知れません。
 都は、平成十七年に、我が国で初めて東京都薬物の濫用防止に関する条例を制定し、規制、監視指導、普及啓発を柱に、知事指定薬物の指定、販売店の取り締まり、若者と連携した普及啓発活動など、さまざまな対策を実施しております。
 本年七月には、池袋の交通死亡事故の発生等を受け、国、警視庁と合同して、販売店への一斉立入調査を行ったほか、全国の自治体に呼びかけ、危険ドラッグの対策推進会議を開催いたしました。
 また、八月には、薬事法に基づき、国と連携して、販売店への立入検査を実施し、指定薬物と疑われる物品を販売していた店舗に対し、検査結果が明らかになるまでの間、販売停止命令を行いました。
 こうした対策をさらに強化するため、本定例会に条例の改正案を提出いたしました。改正案には、新たに警察職員の販売店への立入調査権限や、都職員による危険ドラッグの収去権限の付与、都知事による指定薬物の緊急指定などを盛り込んでおります。
 現在、危険ドラッグの販売経路は、販売店だけでなく、インターネットや宅配など多様化しております。今後も、行政、警察、地域が一体となって、薬物の恐ろしさをあらゆる機会を捉え、繰り返し訴えるとともに、インターネット上での監視の強化、プロバイダーへのホームページの削除や宅配業者への自粛要請など、国や警視庁とも連携しながら、取り締まりや監視を一層強化し、危険ドラッグの根絶に全力を尽くしてまいります。
 けさ、私の自宅からこの都庁に出勤する途中、世田谷区大原交差点の近くを通りましたけれども、またここで危険ドラッグで交通事故があったというニュースを、皆さんご存じのとおりであると思います。今後、さらに、この取り組みを強化してまいりたいと思っております。
 続きまして、東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度の見直しについてでございますが、この制度は、東京大気汚染訴訟における東京高裁の和解勧告を受け、過去の大気汚染による健康被害者の救済策として創設したものでありまして、その財源は、都が三分の一、国が三分の一、自動車メーカーが六分の一、首都高速道路株式会社が六分の一と、関係者が応分の負担をすることとなっております。
 今回の見直しは、平成二十年八月の制度創設から昨年度で五年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えたことから実施するものであり、この間、検証作業を進めてまいりました。
 その結果、訴訟の争点となった大気汚染物質の濃度は、現在、都内のほぼ全ての測定局で環境基準を達成していること、関係者の拠出による二百億円の原資は今年度いっぱいでほぼ使い切ること、関係者からの新たな財源拠出は困難なことなどの現在の状況を踏まえ、和解条項に基づいて創設した十八歳以上の患者への新規認定を平成二十六年度末で終了することといたしました。
 同時に、都は、制度を創設した立場として、その責任を果たすため、既に認定された十八歳以上の患者の方への医療費の助成は継続いたします。
 具体的には、平成二十七年度から三年間は、経過措置として医療費の全額を助成します。また、それ以降は、都が和解で負担することとした三分の一に相当する財源を確保し、月額六千円を超える自己負担について全額助成いたします。
 健康被害の救済の一義的な責任は国にあります。都としては、今後とも国による救済制度の創設を求めていくとともに、関係者に対しては、本制度への協力を働きかけてまいります。
 次に、女性の活躍推進についてでありますが、世界を見渡すとトップリーダーとして活躍する女性がどんどんふえております。
 一方、日本は、女性が活躍しやすい社会に向けては道半ばであります。女性の有業率がM字カーブを描く現象には、仕事か出産、子育てかという選択を迫っている社会の姿が如実にあらわれております。もちろん、家庭に専念し、地域の活動なりに参加する女性もいます。要は、誰もが自分の希望と選択に基づく人生を送ることができる都市にしていくことが重要だと思います。
 先般、安倍総理が提唱した女性の活躍推進のための国際会議、シャイン・ウィークスに呼応して、女性が輝くまち・東京シンポジウムを開催しましたが、活発な議論が交わされ、体験に基づく有益な意見をいただきました。私も出席し、都庁の管理職に占める女性の割合が国や民間企業に比べて高いものの、これに満足することなく、さらに高めていくことが必要であることを表明いたしました。
 女性の活躍推進については、こうしたイベント等による機運醸成に加え、積極的かつ継続的な取り組みが必要であります。
 長期ビジョンの中間報告でも、女性や若者、全ての人が活躍できる社会の実現を打ち出しました。企業と人材が集積するこの東京から、女性の多様な働き方を支援し、社会的活躍を促進するなどの取り組みを進め、女性が生き生きと輝ける活力ある東京を実現してまいります。
 次に、水素社会の実現に向けた取り組みについてでありますが、水素エネルギーを都市づくりに組み込むことにより、日本のエネルギー構造の変革につなげるとともに、環境と調和した未来型都市の姿を世界に発信していくことは極めて重要であります。
 先日、水素が地域社会で実際に利用されている北九州水素タウンを視察し、電気よりも効率的な貯蔵が可能であり、家庭や地域の防災力の向上などにも寄与する水素の将来性を確信いたしました。
 最近、自動車メーカーが燃料電池車の市場投入を発表するなど、本格的な動きが出始めております。今後、こうした動きを力強く後押しするためにも、都としては、燃料電池車やバスの普及、水素ステーション整備に関する具体的な政策目標や、水素に関する社会的受容性の向上などについて、官民の英知を結集した戦略会議で議論を深め、東京都長期ビジョンに反映させてまいります。
 まずは、東京オリンピック・パラリンピックでの活用に向けた環境整備のために、初期需要の創出やステーションの早期整備に向けて、都関連用地の活用なども含め、具体的な施策を構築し、着実に布石を打ってまいります。都は全庁一丸となり、国を先導して水素社会の実現を図り、日本を力強く牽引してまいります。
 東京国際金融センター構想についてでありますが、本構想は、かつてニューヨーク、ロンドンと並ぶ金融の一大拠点であった東京の地位を取り戻し、東京、さらには、日本、アジアの経済を活性化させることを目的としております。
 そこで、海外の企業や人材がビジネスをしやすい環境づくりや、国内外から東京への資金の流れを活発化させる仕組みづくりなど、二十の取り組みを挙げました。これらにより投資を呼び込み、都内産業の活性化や福祉インフラ等の整備などの地域活性化を進めてまいります。
 また、構想の実現に向けて、都、国、民間等のメンバーから成る推進会議を九月一日に立ち上げ、実務者による分科会の設置や、各取り組みの工程表作成を決めました。
 都は、みずから行動するだけでなく、国には規制緩和等を求め、また、民間に対しても新たな取り組みを働きかけるなど、構想実現の先導役を果たしてまいります。そして、東京の国際金融センターとしての地位を復活させ、日本経済の回復を牽引してまいります。
 観光における地方都市との連携についてでありますが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会、さらに、その先を見据え、日本により多くの外国人旅行者を誘致し、観光立国を実現するためには、東京と地方が手を携えて、相乗効果を発揮する施策を展開していくことが不可欠であります。
 この夏の全国知事会で、二〇二〇年大会に向け四十七都道府県が一致協力していく体制が整い、力を合わせて日本全国の魅力を世界中に発信していくことになりました。
 東京の観光を堪能した外国人旅行者が、地方にも足を伸ばし、その土地ならではの食を味わい、四季折々の美しい景色に触れるなど、東京と地方をつないだ多様な楽しみ方を提案することができれば、日本中の魅力を世界に伝えることができます。
 このため、他の自治体や航空、鉄道事業者等の協力を得て協議体を新たに立ち上げ、具体化に向けた検討を進めてまいります。東京と地方、双方の活力を生み出す広域的な旅行者誘致を、日本のゲートウエーである東京が先頭に立って強力に推進してまいります。
 続きまして、東京港の経営についてでありますが、首都東京から日本の経済成長を牽引するためには、物流の円滑化、効率化が不可欠であり、その基盤となる港の機能の充実強化は極めて重要な課題であります。
 先般、阪神港におけるふ頭会社の経営統合が表明されましたが、京浜港と阪神港では立地特性や経営環境なども異なり、港湾運営会社の設立に当たっては、京浜港の実情を踏まえた適切な形を検討することが必要であります。
 京浜港が今後も利用者ニーズに適切に対応し、実効性ある国際競争力強化策を打ち出していくためには、現場の実態を熟知する自治体が責任を持って港湾の経営を担うことが必要との考えに変わりはありません。
 国は、港湾運営会社への出資により現場の港湾経営を主導するのではなく、港湾整備への重点投資や三環状道路といった道路ネットワークの早期構築など、国の役割をしっかりと果たすべきでありまして、その点を国に強く求めてまいります。
 日本のコンテナ物流をリードしてきた都が、今後も責任を持って港湾経営を行い、日本の成長戦略を確かなものにしていきたいと思っております。
 都心と臨海副都心とを結ぶ新たな公共交通の整備についてでありますが、臨海副都心一帯は、国家戦略特区の指定や二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会などを契機に、開発がさらに大きく進むと見込まれております。
 こうした開発動向に速やかに応え、地域を支える新たな公共交通を実現するため、経営意欲やノウハウを持つ民間等からの提案を公募しました。これまでに七社からBRT等の導入を提案する応募があり、引き続き各社の提案内容を精査して、十月末には、事業協力者として決定いたします。
 今後、事業協力者とともに、都市づくりの機会を捉えたバスターミナルの整備や水素社会の実現に寄与する燃料電池車の導入なども視野に入れ、運行の基本となる計画づくりに取り組んでまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の開催を通じて、その先の目指すべき東京の将来の姿をも見据え、利用者に優しく、環境面でもすぐれた新たな交通システムの実現を図ってまいります。
 次に、国道三五七号の整備促進についてでありますが、国道三五七号は、千葉、東京、神奈川にわたる広域的な連携強化に必要不可欠な路線であります。また、この道路の整備によって、国内外の玄関口である羽田空港が持つポテンシャルがさらに引き出され、東京臨海部全体の活性化につながります。
 本路線のうち、多摩川トンネルの区間が、都内で唯一、事業に未着手であったため、かねてから、さまざまな機会を捉えて国に対して整備を要請してまいりました。今般、多摩川トンネルについては、ともに国家戦略特区に指定された羽田空港跡地周辺と川崎側の京浜臨海部を結ぶ連絡道路と同時に整備を進めることで、国、大田区、川崎市など関係者間の合意を得ました。
 今後とも、国道三五七号の整備促進を国に強く働きかけ、東京臨海部における国際ビジネス拠点の形成を加速させるなど、世界一の都市東京の実現を支えるインフラの早期完成に取り組んでまいります。
 その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、次代を担う人材の育成についてであります。
 子供たちが、将来、国際社会で活躍するためには、語学力の向上はもとより、我が国の歴史や文化を理解し、日本人としての自覚を高めることが極めて重要であります。
 このため、都教育委員会は、都立高校における日本史の必修化や小中学校のカリキュラムの開発などを通して、日本の伝統文化に関する指導の充実を図ってまいりました。
 今後は、専門家などの外部人材を一層活用し、こうした日本の伝統文化の理解、啓発に加え、世界に誇る最先端の技術等、現代の日本のすばらしさについても体験的に学べる機会を充実してまいります。
 さらに、留学生等との交流の機会を設定し、子供たちが外国人と積極的にかかわり、魅力ある日本を世界に発信できるようにするなど、国際社会で活躍する人材の育成に取り組んでまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育についてであります。
 本年十月、学識経験者やオリンピアン、パラリンピアンなどから成る有識者会議を立ち上げます。
 会議では、学校が参加国や地域を応援する一校一国運動を初め、全ての児童生徒がオリンピック・パラリンピックにかかわる取り組みの具体化について議論いたします。さらに、子供たちがオリンピズムの普及に貢献した先人たちに学び、歴史に名を残した選手などの努力に触れることで人生の糧となるような教材の作成など、二〇二〇年大会を見据えた東京のオリンピック・パラリンピック教育について幅広く検討してまいります。
 会議での議論を踏まえ、開催都市東京にふさわしい教育を推進し、オリンピック・パラリンピックが、大会後も子供たちの財産となるよう取り組んでまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

〇東京都技監(横溝良一君) 四点の質問にお答えいたします。
 初めに、無電柱化事業の今後の取り組みについてでございますが、無電柱化は、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
 まず、オリンピック・パラリンピック開催までにセンター・コア・エリア内の計画幅員で完成した都道の無電柱化を完了させます。
 また、緊急輸送道路や主要駅周辺などを中心とした新たな五カ年計画を年内を目途に作成し、周辺区部や多摩地域を含む都内全域で事業を展開してまいります。
 さらに、区市町村道を含め、面的に広がりを持った区域の無電柱化を進めるため、国の動向を注視し、公園等の公共空間や民地を活用した機器類の設置など、新たな推進策の可能性について、関係局などと連携し、検討してまいります。
 今後とも、バリアフリー事業などとのパッケージ化も図り、無電柱化を進め、安全で美しい東京を実現してまいります。
 次に、中小河川整備の取り組み状況についてでございますが、頻発する集中豪雨に早期に対応するためには、河川整備を一層効率的、効果的に進めることが重要でございます。
 このため、時間五十ミリまでの降雨は、河川の護岸整備を基本とし、それを超える降雨については、道路や公園など用地買収を必要としない公共用地を活用した調節池で対処してまいります。
 特に、二つ以上の流域間で容量を相互に融通する広域調節池は、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。
 現在、環七通りや城北中央公園の地下など五カ所において、施設の主要な構造検討や測量などを進めております。
 また、護岸整備につきましても、八王子市の城山川で事業着手するなど、近年、各地で発生している豪雨にも備えてまいります。
 今後とも、都民の生命と財産を守るため、中小河川の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、感潮河川への水質改善についてでございますが、水質の主な指標であるBODは、都内河川における五十六の観測地点のうち、五十五地点で環境基準を達成しております。
 しかし、潮の満ち引きの影響を受ける感潮河川の中には、悪臭が発生している箇所も見られ、その対策として、川底に堆積した汚泥の除去や、水中の酸素濃度の改善などを図っております。
 都は引き続き、隅田川などで計画的に大規模しゅんせつを行うとともに、地元区が実施するしゅんせつへの支援や、水の流れを発生させ、オゾンを川底に送り込む浄化対策などについて、技術的アドバイスを行ってまいります。
 また、河川の流量をふやし、よどみを軽減させるため、現在、地下鉄の湧き水を立会川などへ誘導しており、その他の箇所へも拡大してまいります。
 最後に、道路整備のあり方についてでございますが、東京が世界の都市間競争を勝ち抜くためには、交通渋滞という最大の弱点を克服するとともに、陸海空の要衝を結ぶ道路ネットワークの形成により、人や物の流れを円滑にし、経済を活性化させることが重要であります。
 また、道路整備を積極的に進めることで、災害リスクの軽減や、美しく機能的なまちづくりを行っていくことも必要でございます。
 このため、都は、来年三月に開通する中央環状品川線や、環状第二号線など骨格幹線道路のネットワークの整備を推進するとともに、木密地域の特定整備路線、山間・島しょ部におけるバイパスの整備など、積極的に進めてまいります。
 今後とも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのみならず、その先も見据えた長期的な視点で道路整備を推進し、世界一便利で快適な都市東京を実現してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

〇都市整備局長(安井順一君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてでございますが、区市町村や関係団体と連携した取り組みの結果、八月末時点で、条例対象の建築物のうち、既に八五%以上が耐震診断に着手しております。
 その一方で、再三の要請にもかかわらず、いまだ診断が行われていない建築物もございます。都は、こうした建築物について、条例に基づき、順次公表するとともに、改めて個別訪問を行うなど、建物所有者に対しまして、耐震診断の実施を強く働きかけてまいります。
 また、区市町村窓口には、具体的な改修工事の検討や、マンションの住民との調整に時間を要するなどの声が寄せられております。こうした点を踏まえまして、所有者が確実に耐震化に取り組めるよう、国の支援策の動向も注視しながら、助成期限の延長について検討してまいります。
 次に、不燃化特区の今後の進め方についてでございます。
 京島地区や東池袋地区などでは、既に民間等とも連携した再開発などのコア事業が進んでおり、他の地区でも、老朽木造住宅の建てかえ件数が伸びるなど、不燃化特区の効果が徐々にあらわれてきてございます。
 引き続き、都市づくり公社や都市再生機構などを活用した用地取得など、防災まちづくりの支援策を積極的に進めてまいります。
 また、東京商工会議所と連携した建てかえ相談会などによりまして、住民にきめ細かく対応し、老朽木造住宅の建てかえなどを促進してまいります。
 さらに、特区制度のスタート以降、区から相談体制の充実を求める要望などもございまして、より使いやすい制度の運用を検討してまいります。
 今後とも、建物の耐震化や不燃化などのさまざまな施策を一層加速させまして、防災都市づくりを強力に推進してまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

〇下水道局長(松田芳和君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道による今後の浸水対策についてでございますが、これまでの時間五十ミリの降雨への対策に加え、昨年十二月に策定した豪雨対策下水道緊急プランに基づき、雨水整備水準のレベルアップを含めた対策を現在進めております。
 具体的には、七十五ミリ対策地区では、四地区全てで調査設計を実施しており、平成二十七年度までに実施設計に着手いたします。
 また、五十ミリ拡充対策地区では、六地区のうち一地区で主要枝線をことしの雨季前に整備完了し、既に貯留効果を発揮させております。
 今年度は、一地区で工事着手し、残る四地区についても設計を進め、早期の工事着手を目指してまいります。
 さらに、施設の完成には長期を要するため、完成施設の一部を暫定的に稼働させるなど、設計施工上の工夫を行い、平成三十一年度までに整備効果を発揮させてまいります。
 次に、合流式下水道の改善対策の強化についてでございますが、これまで計画的に進めてきた下水道管と水面制御装置の整備はおおむね完了し、今後は、降雨初期の特に汚れた下水を貯留し、雨がやんだ後に水再生センターへ送水し、処理してから河川や海に放流する対策が重要でございます。
 これまで、貯留施設百三万立方メートルを整備し、今年度に新たに十一万立方メートルを完成させ、平成三十一年度までに、累計で百四十万立方メートルを整備いたします。
 さらに、水再生センターにおいて、汚濁物を二倍程度多く除去することが可能な新技術である高速ろ過施設の導入を進め、オリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までに、合流式の水再生センター十一カ所の全てで整備を完了させてまいります。
 これらの取り組みを進めまして、首都東京にふさわしい安全で快適な水辺空間の創出に貢献してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君) 治安対策における新たな方向性についてお答えいたします。
 都は、高齢者や女性、子供などの社会的弱者を初め、全ての都民が安全・安心を実感できる生活の場の実現を目指し、これまでの治安回復の成果を踏まえて、安全・安心の一層の向上を図るため、新たな指針を策定いたします。
 これは、規範意識の向上や地域の力の強化、区市町村等との分担と連携などを基本的な方向性とし、地域の実情を踏まえたきめ細かな対策により、東京全体の安全・安心の水準を引き上げるものであります。
 今後、有識者による懇談会の検討をもとに、振り込め詐欺等から弱者を守る環境整備や、若者を含めた地域の安全・安心の担い手づくり、地域と関係機関をつなぐ情報共有の仕組みなど、効果的な施策を具体的に盛り込むことで、世界一の都市東京を目指して取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

〇福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えします。
 まず、デング熱への対応についてですが、先月二十七日に、我が国で約七十年ぶりとなるデング熱の国内感染患者が発生したことを受けまして、都は、感染源と推定された代々木公園の蚊の調査や駆除、公園の閉鎖を行いますとともに、代々木公園のある渋谷区を初め、隣接する区の九つの公園で、国や関係区と連携し、蚊のモニタリング調査を実施いたしました。
 また、都民の不安を解消するため、専用の相談電話窓口を開設するとともに、医療機関に対しましては、診療マニュアルや感染が疑われる患者の検査体制について周知を図りました。
 さらに、公園利用時の注意や蚊の発生防止対策等について、区市町村等と連携しながら、都民や公園、学校、社会福祉施設等の管理者に情報提供を行ってまいりました。
 また、今月十九日には、感染症の有識者や医療機関、保健所、国や自治体等の関係者から成る対策会議を立ち上げ、今回の事例の検証や蚊の発生防止対策、サーベイランスの強化、検査体制の整備など、蚊が媒介する感染症への今後の対策を検討することといたしました。
 国境がボーダーレス化し、人や物の移動が活発になる中、東京が多くの外国人が訪れる安全な都市として、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを開催するために、今後、国と十分に連携しながら、感染症対策の一層の強化を図ってまいります。
 次に、特別養護老人ホームなど介護基盤の整備についてですが、都はこれまで、整備率が低い地域の補助単価を最高で一・五倍に加算するほか、都有地の減額貸付、定期借地権の一時金への補助など、都独自の支援策を講じ、特別養護老人ホーム等の介護基盤の整備を促進してまいりました。
 また、さらなる整備促進を図るため、本年八月から、都有地貸付料の減額率を拡大するとともに、本定例会には、国有地、民有地について、借地料の一部を五年間補助する新たな支援策を提案しております。
 長期ビジョンの中間報告では、二〇二五年度までに特別養護老人ホームを五万五千から六万人分とする目標をお示しいたしました。今後、区市町村へのヒアリングや高齢者保健福祉計画策定委員会での議論も踏まえまして、新たな整備目標を策定し、さらなる整備促進策を検討してまいります。
 次に、難病対策の法制化への対応についてですが、都は、現在、来年一月の難病医療費助成の新制度の開始に向け、対象疾病の診断を行う医師や治療を行う医療機関の指定、都民や患者への制度や手続の案内、申請窓口である区市町村への制度の周知し、医療費助成システムの改修など、さまざまな準備を進めております。あわせて、都独自に助成している疾病につきましても、国における対象疾病拡大の状況や自己負担限度額の見直し等を踏まえた支援策を検討しており、安心して医療を受けられるよう、経過措置を含め、適切に対応していく方針でございます。
 また、今回の法制化では、患者の療養生活に関する相談や支援等が都道府県事業として改めて位置づけられており、都としては、今後示される国の基本指針やこれまで実施してきた難病相談・支援センターの取り組み等を踏まえ、今後の施策展開を検討してまいります。
 次に、待機児童解消に向けた取り組みについてですが、都はこれまで、保育サービスの整備を促進するため、国の安心こども基金に加え、都独自に、区市町村や事業者の負担を軽減する補助や、都有地の減額貸付、定期借地権の一時金への補助など、さまざまな支援策を実施してまいりました。
 また、本年八月には、都有地貸付料の減額率を拡大したほか、本定例会には、国有地、民有地の借地料補助の創設や賃貸物件に対する家賃補助の拡充、定期借地権補助の国有地への拡大等、新たな支援策も提案しております。
 平成二十九年度末までに待機児童を解消するため、長期ビジョンの中間報告では、認可保育所、認証保育所、小規模保育など多様な保育サービスを約四万人分ふやすこととしており、今後、東京都子供・子育て会議での議論や、区市町村のニーズ調査等も踏まえながら、人材確保策も含め、さらなる支援策を検討してまいります。
 最後に、新たな幼保連携型認定こども園の基準についてですが、新制度における幼保連携型認定こども園は、これまでと異なり、幼児教育と保育を一体的に提供する単一の施設として、都道府県が認可する仕組みに変わります。
 本定例会で提案している条例案は、都における新たな認可基準を規定するものであり、その内容は、より高い水準を引き継ぐという国の基本的な考え方や、現行の認定こども園、認可保育所、幼稚園の基準をもとに、東京都子供・子育て会議における議論を経て策定いたしました。
 条例案では、現在行われている保育や幼児教育の水準が確保されるよう、保育室等の面積や園庭の設置などの設備基準、職員の配置基準、開園日数、非常時や災害時の対策などを規定しており、保育室の面積や職員の資格などについては、都独自の基準を設けているところでございます。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

〇産業労働局長(山本隆君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、女性の創業促進に向けた取り組みについてでございます。
 東京が将来にわたる成長を実現するためには、女性がその力を存分に発揮し、さまざまな分野で新たな事業を立ち上げていくことが重要でございます。
 都は、今年度、女性の創業を支援するため、起業家を育成するセミナーのコースを拡充したほか、地域の金融機関と連携し、資金供給と経営サポートを行う新たな事業を立ち上げました。
 今後、女性の創業を一層進めていくためには、豊かな感性や地域に根差した発想など、その特性を踏まえたきめ細かな対応が必要でございます。このため、女性の創業に関するノウハウや知見を持つ民間の支援機関や地域の金融機関との連携を強化し、経営面や資金面での支援のさらなる拡充に向けて検討してまいります。
 次に、女性が活躍できる職場環境づくりについてでございます。
 女性が仕事を通じて活躍するためには、能力を発揮して働き続けられる職場環境の整備が重要でございます。
 都はこれまで、仕事と育児等との両立を実現する観点から、中小企業のすぐれた取り組みを認定、公表して、社会的機運を醸成するほか、社内規程の整備等に取り組む企業を支援してまいりました。本年度からは、女性の活躍を促進し、他のモデルとなる取り組みに経費を助成する事業を開始いたしました。
 今後は、管理職登用や職域拡大などを一層推進するため、中小企業のモデルとなる取り組みをさらに広めるとともに、例えば、トイレ、更衣室、仮眠室などのハード面も含めた積極的な職場環境改善に対する支援の充実を検討してまいります。
 こうした取り組みにより、中小企業における働きやすい環境を整備し、女性の活躍を促進してまいります。
 次に、展示会の開催に向けた支援についてでございます。
 さまざまな展示会を通じて、都内中小企業のすぐれた技術力や製品を国内外に発信することは、中小企業のさらなる販路開拓や取引拡大を図る上で重要でございます。
 このため、都は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを契機として、展示会施設の機能強化を目指し、東京ビッグサイトの拡張整備を進めることといたしました。
 一方で、東京ビッグサイトは大会期間中、競技会場やメディアセンターとして利用されるほか、今後、施設の大規模修繕等も見込まれることから、展示会場としての使用が一定期間制限されます。
 このため、今後、中小企業の販路開拓に支障が生じないよう、東京ビッグサイトによる仮設展示場の整備など、代替施設の確保について具体的な対策を検討してまいります。
 次に、中小企業の人材確保についてでございます。
 中小企業が魅力ある職場づくりと人材育成を進め、意欲と能力のある有為な人材を確保することは、東京の産業が持続的な発展を遂げる上で重要でございます。
 都はこれまで、雇用環境整備のための専門家派遣や助成金の支給、職業能力開発センターによる人材育成を通じて、中小企業の人材確保を後押ししてまいりました。一部の産業で人手不足の問題が顕在化する中、今月には、事業者団体からの企画を募り、社員の生産性を高めるための助言や専門資格の取得促進など、業種や業態に特有のニーズに即した団体単位での取り組みの支援を開始いたします。
 さらに、個々の企業に対しましても、処遇改善による若者の定着促進等の取り組みを支援いたします。
 こうした多面的な方策により、中小企業における人材確保を積極的に推進してまいります。
 最後に、ブランド畜産物の生産拡大についてでございます。
 トウキョウXや東京しゃもなど、都が開発したブランド畜産物は、消費者から好評を得ておりますが、オリンピック・パラリンピック大会も見据え、ブランドを浸透させていくためには、生産量の拡大に向けた取り組みが必要でございます。
 都はこれまでも、生産者団体などと連携し、新規農家を開拓するとともに、配合飼料の与え方等の飼育技術を農家に丁寧に指導するなど、生産量の拡大に向けた取り組みを行ってまいりましたが、現状では、需要の増大に見合う供給量を確保できておりません。このため、今後、飼育技術のさらなる向上等の取り組みや、農家に配布するトウキョウXの生産機能の拡充など、ブランド畜産物の生産量拡大に向けた体制整備の検討を進めてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、入札契約制度における女性の活躍を促す取り組みについてでありますが、都はこれまでも、環境や福祉などの政策目的をサポートする手段の一つとして、入札契約制度を有効に活用してまいりました。
 ご指摘のとおり、女性の活躍促進の観点から、都の取り組みを一層推進することが重要であり、公共調達の分野においても実施可能な施策を多面的に講じ、企業の女性活用の取り組みを後押ししていく必要があると認識しております。
 このため、都の全体方針や各局の取り組みを踏まえつつ、公共調達の発注者として、優先指名や総合評価の活用など、女性の活躍を促す仕組みの一層の充実に向け検討を進めてまいります。
 次に、福祉施設整備における公営企業用地の活用についてでありますが、これまで、福祉インフラ整備事業により都有地を貸し付ける際は、貸付料の減額については、公営企業の経営などの観点を踏まえ、一般会計所管の都有地のみを対象としてまいりました。
 しかし、福祉施設の整備促進に当たっては、用地確保がより一層重要となることから、新たに、公営企業用地についても、福祉インフラ整備事業と同様の減額措置を行って、積極的に用地活用が進められるよう財政上の必要な措置を講ずることといたします。
 今後、こうした取り組みなどにより、一般会計所管の土地とあわせ、都有地全体として、福祉インフラ整備事業に活用可能な用地の確保を進め、区市町村が進める福祉施設整備を積極的に支援してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 子ども・子育て支援新制度の施行に向けた私立幼稚園への対応についてでありますが、ご指摘のとおり、新制度の施行は、私立幼稚園にとって過去に例を見ない変更を伴うものであります。
 七月に実施した各園への調査では、八割を超える幼稚園が二十七年度は移行しない予定、または移行しない方向で検討中との回答でありました。
 こうした背景には、国が示した公定価格の仮単価が、定員規模がふえることに伴い逓減する構造であるため、とりわけ大規模園が多い東京では、その影響が顕著となること、また、区市町村が行う利用調整や入園希望者に対する応諾義務など、新たな運用上の取り扱いが国から示されていなかったことがございます。
 このため、都は国に対して、現行の私学助成の水準が確保されるよう、単価の見直し及び新たな運用上の取り扱いに関する詳細な情報の提供について、先月、緊急要望を行いました。この九月になって、ようやく財政措置の案や運用上の取り扱いが国から一定程度示されましたが、単価は年末まで確定せず、実施主体となる区市町村が施行に向けた準備を進めるためには、なお情報が不足している状況にございます。
 新制度は、財源確保も含め、まずは国の責任において制度の円滑移行を図るべきであります。都は、今後も、私立幼稚園や区市町村と十分に意見交換を行いながら、公定価格の見直しを中心に国に強く働きかけるとともに、新制度施行後も、私立幼稚園が安心して質の高い幼児教育を行うことができるよう、都としても必要な対策の検討に着手いたします。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、子供の声に対する騒音規制についてでございますが、環境確保条例の基準は、騒音苦情の解決の目安になるとの考え方がある一方で、子供の健全な発育を妨げるという意見があり、これらの視点を踏まえた見直しが必要と認識しております。
 これまで、区市町村の環境部署や保育部署を対象に調査をしたところ、子供の声等に対し苦情があった区市町村は約七割あり、条例の規制基準の緩和または対象外とすべきとする区市町村は約六割に上っております。また、幼稚園や保育所の団体からは、子供の声を抑制することは、子供にとってストレスになり発育上も望ましくないなどの意見がございました。
 これらを踏まえまして、子供の健全育成に配慮しつつ、苦情の解決に資するよう、条例の規制に関する都の見直しの考え方をまとめ、条例を運用している区市と速やかに協議を開始いたします。
 次に、今後のエネルギー施策についてでございますが、東京の持続的発展を支えていく上でエネルギーの効率的利用や、その安定的な確保は重要な課題でございます。
 このため、都はこれまで、賢い節電と省エネ技術の活用によるエネルギー使用量の抑制や、低炭素で高効率な分散型電源の拡大などに取り組んでまいりました。
 こうした取り組みに加え、今後は、中小規模事業所や住宅の省エネ性能の一層の向上や、都市開発の機会を捉えた建物間や街区内でのエネルギーの面的利用を促進するとともに、東京の特性を踏まえた再生可能エネルギーの導入拡大を積極的に進めてまいります。
 低炭素、快適性、防災力を兼ね備えた世界で最先端のスマートエネルギー都市の実現に向け、需給両面で実効性の高い施策を展開してまいります。
 次に、電気自動車等の普及促進についてでございます。
 電気自動車やプラグインハイブリッド車は、蓄電池として、太陽光発電等による電力の有効活用などを可能にするだけでなく、停電時には非常用電源としての活用も期待できます。
 都はこれまで、充電インフラの整備に向けた支援や、中小企業等への電気自動車等の購入補助を行ってきております。
 今年度からは新たにビークル・ツー・ビルシステムの導入支援も開始し、停電時にも建物へ電力供給を可能とすることで、災害時の事業継続を後押ししてまいります。
 また、ビークル・ツー・ホームシステムの導入支援によりまして、マンションにおいて、電気自動車等をカーシェアとして利用しつつ、非常時には共用部の電源として活用するなどの取り組みも促してまいります。
 今後とも、環境に優しく、分散型電源としても活用可能な電気自動車等の普及拡大を推進してまいります。
 最後に、資源循環施策の今後の展開についてでございますが、東京が継続的に発展していくためには、多くの都民や企業が持続可能な資源利用に取り組む循環型都市を目指す必要があると認識しております。
 このため、都が今年度に策定する資源循環の取り組み方針におきましては、事業系廃棄物のリサイクルのルールづくりや食品ロスの削減に加え、ご指摘の再生砕石など、資源の採取に伴う環境負荷を削減するために不可欠なエコマテリアルの利用促進などについて、施策の方向性を示してまいります。
 この取り組み方針を踏まえ、都は先進的な企業や関係団体との連携などにより、具体的な取り組みを進め、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会開催都市にふさわしい、持続可能な資源利用を推進してまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

〇交通局長(新田洋平君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、外国人旅行者の利便性向上についてでございますが、交通局では、より多くの外国人旅行者が東京を訪れ、都営地下鉄をご利用いただけるよう、利便性を向上させていくことが重要であると考えております。
 お話の無料Wi-Fiにつきましては、昨年度、都営バス全車両に導入いたしましたが、都営地下鉄につきましても、年内には、外国人旅行者の利用が多い駅を中心に、約三十の駅に導入してまいります。
 さらに、都営地下鉄と東京メトロの全線を割安で利用できる外国人旅行者向け乗車券の利便性向上につきまして、現在は一日単位のため、利用開始時刻にかかわらず、その日の終電までの有効期間となっておりますが、これを東京メトロと協議して変更し、利用開始から二十四時間利用できるよう着実に準備を進め、平成二十七年度中の実現を目指してまいります。
 次に、都営浅草線泉岳寺駅の機能強化についてでございますが、泉岳寺駅は、品川駅、田町駅周辺まちづくりのエリア内にあり、近隣にJR東日本による新駅の設置が予定されるなど、今後お客様の大幅な増加が見込まれておりますことから、ホーム等における安全性や快適性を向上させるとともに、周辺まちづくりにも連動した駅の機能強化が求められております。
 このため、今年度から、駅の大規模改良に向けて、ホームの新設など駅の拡張、エレベーターや点状ブロック等の整備によるバリアフリー化の推進、周辺の歩行者ネットワーク形成に係るJR新駅との連絡などにつきまして検討を行ってまいります。
 交通局といたしましては、周辺まちづくりとの整合を図りつつ、関係機関等と連携し、駅機能の強化に積極的に取り組んでまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 二つのご質問にお答えいたします。
 まず、国際コンテナ戦略港湾についてですが、自治体が出資するふ頭会社の経営統合は、港湾行政の基本にかかわる問題であり、出資構成や新設会社と既存ふ頭会社の役割分担などの重要な課題については、慎重な検討が必要であると考えております。
 このため、都としては、港湾関係者などのご意見も踏まえながら、川崎港、横浜港との合意形成を図り、国と交渉を行ってまいります。
 中でも、港湾運営会社の設立に当たっては、都民の税金により整備された財産を活用する新たな会社を設置するという、都として極めて重要な判断を行うことになることから、都議会の適切な関与を得て進めていく必要があると認識しております。
 次に、大島と羽田を結ぶ航空路線についてですが、大規模災害からの復興に取り組む大島町にとって、ことし十月に路線が廃止されることは重大な問題でございました。このたび、来年十月下旬までの一年間運航が継続されることになりましたが、当該路線の搭乗率は、昨年も約一四%と低く、路線を維持するためには課題も多いと考えております。
 これまで東京都側による働きかけにより、大島町は夏季の搭乗者への商品券配布を、全日空はダイヤの改善などを実施してまいりました。今後、大島町は商品券配布期間の延長や外国人観光客の誘致を、全日空はパッケージツアーの企画などを検討していくとのことでございます。
 都としても、来春の椿まつりの期間中に運賃助成を行うことにより、来訪者数の増加に向けた取り組みを実施するなど、この運航継続期間中に搭乗率向上に向けた取り組みが着実に進むよう、大島町、全日空を支援してまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、安定給水の確保についてでありますが、世界の主要都市の中には、過去最大や五十年に一回の渇水に対応できる水源確保に取り組んでいる都市もございます。一方、利根川水系では、近年、三年に一回程度の割合で渇水が発生するなど、東京の水源は脆弱で、一たび大渇水が発生すれば、都市機能が麻痺するおそれがあります。
 このため、八ッ場ダム及び霞ヶ浦導水を早期に完成させるよう国に求めるとともに、水源の有効活用、漏水防止対策などに取り組んでまいります。
 また、膨大な水道施設の更新や震災対策などにつきましても、計画的かつ効率的に実施し、首都東京にふさわしい水道システムに再構築してまいります。これにより、将来にわたる安定給水の確保に万全を期し、都民生活と首都東京の都市活動を支えてまいります。
 次に、安全でおいしい水への取り組みについてでありますが、水道局では、高度浄水処理の導入、徹底した水質管理、直結給水方式の普及促進など、安全でおいしい水を供給するさまざまな施策を推進するとともに、積極的なPRや、サンプル方式による満足度調査を毎年実施しております。
 しかし、全てのお客様に直接高品質の水道を実感していただくためには、ご提案のように、各戸を訪問して水道水質などの状況を確認するとともに、その結果をお知らせすることが非常に効果的であります。また、その際に、お客様ニーズをきめ細かく把握し、水道事業に反映していくことは大変有意義であります。
 そこで、今後、関係者とも緊密に連携しながら、訪問調査の実施に向けて早急に検討を進め、さらなる高水準の水道を目指してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) ラグビーワールドカップの開催についてでございますが、二〇一九年に日本で開催されますラグビーワールドカップは、世界が注目する大規模なスポーツの祭典であり、経済波及効果やスポーツ意識の高揚など、都民、国民にさまざまな意義をもたらすものと認識しております。
 また、この大会は、東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムである新国立競技場においても試合が予定されており、二〇二〇年東京大会に向けて、会場運営のノウハウを蓄積できるなど、大会の開催準備に多くの効果が期待できます。
 今後、都といたしましては、関係機関と協議の上、東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取り組みを後押しする観点からも、立候補に向けた検討を進め、ことし十月末までに結論を出してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 島しょ振興に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、大島の復興に向けた都の取り組みについてでございますが、都はこれまで、仮設導流堤の整備等の応急対策や、瓦れきの島外搬出などを進めるとともに、町の復興計画の策定に対して庁内に支援ワーキングを設置し、全庁を挙げて、組織的、継続的な支援を実施してまいりました。
 この計画では、復興住宅の建設など、被災者の生活再建支援、町道等のインフラや観光施設の復旧、元町地区の復興まちづくりなどを積極的に進めることとしております。
 都は、大島町への職員派遣や大島支庁による技術的な支援、災害復旧・復興特別交付金の活用などにより、今後とも復興に向けた町の取り組みを強力に後押ししてまいります。
 あわせて、本格的な導流堤の整備や斜面対策工事等の土砂災害対策を実施し、防災力の強化を図るなど、全庁一丸となって一日も早い大島の復興に取り組んでまいります。
 次に、小笠原の振興開発についてでございます。
 これまで都は、小笠原の地理的、歴史的な事情等による課題の克服に向け、計画に基づく振興策を積極的に講じてまいりました。これにより、生活、産業基盤の整備など、相応の成果を上げてまいりましたが、交通アクセスの改善や公共施設の老朽化など、解決すべき課題が依然として残されております。
 そのため、今回の計画素案では、現在の「おがさわら丸」、「ははじま丸」にかわる新造船の就航や浄水場の建てかえ、防波堤の改良などを計画に位置づけ、村民の生活環境に関する取り組みなどを拡充していくほか、航空路の開設に関しても引き続き幅広く検討を進めてまいります。
 今後とも、この計画に基づき、国や村と連携し、自然環境との調和や定住の促進を図り、小笠原の自立的発展を目指して振興開発に積極的に取り組んでまいります。

〇議長(吉野利明君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十七分休憩

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