平成二十六年東京都議会会議録第九号

〇議長(吉野利明君) 六番小松大祐君。
   〔六番小松大祐君登壇〕

〇六番(小松大祐君) 本会議において初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 初めに、道路ネットワークについて伺います。
 国土交通省によれば、道路渋滞による東京都の経済的損失は年間一・二兆円ともいわれております。世界一の都市東京の実現のためには、何としても改善すべき社会問題の一つだと認識しております。
 活発な都市活動を支えるためには、東京の機能性向上は不可欠であります。現在、整備を進めている三環状道路は、都心の交通渋滞を大きく緩和し、物流の信頼性を高める重要な交通インフラとなることが期待されています。
 また、都は、首都直下地震から都民の生命と財産を守るという使命があります。自然災害は避けることができませんが、被害を極小化し、都市機能の迅速な復興を実現するためには、道路ネットワークの確保が極めて重要であることを、私たちは東日本大震災から学びました。
 同時に、国では、羽田空港の機能強化など、首都東京の国際競争力を高めるための政策研究に着手しています。こうした政策とも、東京の道路ネットワークの整備は緊密に連動しています。
 そこで、都市機能の向上に資する道路ネットワーク整備について、知事の見解を伺います。
 次に、二〇二〇年の完成を目指して整備を進めております外環へのアクセス道路の整備についてお聞きします。
 外環の沿線地域では、インターチェンジの設置により、交通利便性の向上が大いに期待されています。事業効果を最大限まで発揮するためには、インターチェンジに集中する交通を円滑に処理することが重要となります。
 外環の中央ジャンクション周辺においても、三鷹三・四・三号線など、インターチェンジへのアクセス向上に資する都市計画道路が順次事業化されているところです。
 このように、広域的な道路ネットワークの形成は、通過交通を抑制するなど、交通渋滞緩和だけではなく地域の安全性向上にも大きく寄与するものです。
 しかし、この三鷹三・四・三号線と接続する世田谷区側の補助二一九号線については、いまだに事業化されておりません。このまま整備が進まなければ、本来の事業効果が得られないだけではなく、周辺の生活道路へ交通が集中してしまうこと、また、住宅街への通り抜け車両が増大していくことが懸念されます。
 外環沿線は、区市の境界が続いております。事業が進むたびに、自治体間で事業化の不整合が生じる可能性を強く危惧しております。ゆえに、このような区市をまたぐ都市計画道路の整備については、広域自治体である東京都がより積極的に関与し、リーダーシップを発揮して、地元の区市との調整を推進するべきものと考えます。
 そこで、補助二一九号線の事業化に向けた取り組みについてお尋ねいたします。
 このように、円滑な交通の確保、渋滞の解消のためには、三環状道路を初めとする都市計画道路を着実に整備し、都市間あるいは都市内の道路をネットワーク化していくことが重要であります。しかしながら、こうした整備には、財政的な制約とともに多くの時間を要します。
 このため、都は、警視庁と連携し、信号制御の高度化や交差点改良など、既存の道路における総合的、集中的な対策、ハイパースムーズ作戦を平成二十年度より進めてきました。こうした対策により、例えば、環状八号線の世田谷─杉並区間において、ピーク時旅行時間を二二・四%削減するなど具体的な成果につながってきました。
 また、建設局では、交通関係のビッグデータであるプローブ情報を活用した東京都交通情報管理システムの開発も進めており、今後の展開を大いに期待しております。
 このように、都の交通渋滞はさまざまな施策によって改善傾向にあります。しかし、ロンドン、パリといった海外の先進都市と比較しますと、例えば、平均旅行速度などにおいて、いまだに低位であり、さらなる改善整備が必要と考えられます。
 東京の人口動態や道路ネットワーク、公共交通網は、日々変化を続けています。今後の渋滞対策は、さらに精度の高い需要予測に基づいた取り組みが不可欠です。
 そこで、東京の渋滞解消に向けて、先ほど申し上げましたプローブ情報の活用や、需要予測信号のさらなる導入など、既存道路における渋滞原因に即した対策を、各機関との連携により、さらに積極的に進めるべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。
 次に、海の道である離島航路について伺います。
 東京の島しょ地域には、例えば、御蔵島のイルカウオッチング、三宅島では火山噴火の歴史を目の当たりにできるなど、ここでしか味わえない体験の場を提供しており、まだまだ観光振興の大きな可能性を有しています。
 今月二十七日、竹芝から三宅島、御蔵島を経由して八丈島へ行く航路において、二十二年ぶりに新造船「橘丸」が就航すると聞いております。さらに、「橘丸」は、夏の観光シーズンには大島にも寄港するため、大島を経由した新たな伊豆諸島観光の選択肢が広がることが期待されています。
 この機会を捉え、新船効果をより一層高めるためには、島の玄関口である港自体が旅行者にとって魅力的な存在であること、それが観光客を島に呼び込む一助となるのではないかと考えます。
 そのためにも、港の中核となる船客待合所のハード、ソフト両面での活用が重要と考えますが、見解を伺います。
 次に、都市農地の保全について伺います。
 都市農地は、都民に新鮮で安全・安心な農作物を提供するだけではなく、日々の生活に潤いと安らぎを与えてくれる都民の貴重な財産であります。また、災害時には避難場所となるなど、都民生活において極めて重要な役割を果たしております。しかし、都市化の進展や相続により、この十年間で約千ヘクタールもの農地が失われており、農地の減少に歯どめがかかっておりません。
 こうした中、国においては、都市における農業、農地の持つ重要性を改めて見直し、それを保全していくための制度改革の議論が進められていますが、いまだ制度改正には至っておりません。
 都市農地を保全していくためには、国の制度改革を待つだけではなく、都においても、さまざまな視点から農地保全策を積極的に講じること、国に対しても働きかけていくべきと考えますが、都はどのように取り組みを進めていくのか伺います。
 次に、非正規雇用労働者に対する就業支援について伺います。
 景気回復とともに、雇用情勢も改善の兆しが見られており、民間調査機関の発表によれば、来春卒業予定の大学生等の求人倍率は三年連続で上昇し、一・六一倍となるなど、新規学卒者を取り巻く就職環境は大幅に改善しています。
 しかし、一九九〇年代半ばに就職期を迎えた世代、いわゆる就職氷河期に大学を卒業した方は、現在では三十歳から四十歳に達する年齢となっております。この世代には、正社員として就職できないまま、やむを得ず非正規雇用を続けている方が多く存在しています。こうした方々が、このまま安定した収入を得ることなく、さらに高齢化してまいりますと、将来的には、社会保障費が増加し、財政負担の増大が不可避となります。私は、同世代の一人として、このことを強く危惧しております。
 履歴書の空白期間が長引くほどに、正規雇用や就業への困難さは増してまいります。そうなる前に、正規雇用、安定就業への転換を促すさまざまな手段を積極的に講じていくことの方が、将来の財政負担抑制の観点から有効だと考えます。
 こうした背景を踏まえ、正社員を望みながら非正規で働いている就職氷河期世代の求職者に対して、きめ細かな支援を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、教育について質問をいたします。
 これまで都議会自民党は、子供の心を耕していく心の教育が極めて重要であるとの思いから、道徳教育の必要性、重要性を強く訴えてまいりました。都においても、国に先駆けて、道徳授業の地区公開講座や、道徳教育教材集の作成、配布などの施策に取り組んでまいりました。
 こうした中、国では、平成二十七年度からの道徳の教科化実施に向けて検討を進めておりますが、都の所見を伺います。
 いうまでもありませんが、教科化は万能薬ではありません。現場からは、効果的な指導方法や評価基準がわかりにくいとの声を耳にしております。現場の教師の力量や都合によって授業の効果が損なわれては本末転倒であります。
 そこで、道徳教育にかかわる教員の指導力向上に向けて、都はどのように取り組まれるのか伺います。
 子供の体力向上は、学力の向上とともに教育の最重要テーマです。しかし、子供の体力は、昭和五十年代と比べ低下傾向が長期間続いています。また、他県と比較しても、相対的に学校施設が狭小であり、また地域の広場が少ないなど、都内の子供たちを取り巻く運動環境は条件が厳しいものと認識しております。
 こうした中、都教育委員会は、平成二十二年に、総合的な子供の基礎体力向上方策を策定し、さまざまな工夫を凝らした体力向上の取り組みを展開してきました。その結果、小学生は、平成二十年度には全国と比べて大きく下回る水準であった体力が、今や全国平均を上回るまで向上したと聞いています。一方、中学生では、依然として運動量、体力ともに低い水準にあります。
 しかし、都の掲げる昭和五十年代の子供の体力水準にまで向上させていくという目標には、学校だけの取り組みに頼っていては達成が厳しいものと考えています。家庭はもとより、地域にある少年野球などのスポーツ団体、地域の人材を活用するなど、子供を取り巻くさまざまな人のネットワークを広げることによって、身近な生活の中から子供の基礎体力を向上させる取り組みも不可欠であると考えます。
 そこで、子供の体力向上に向けた地域との連携について所見を伺います。
 最後に、町会、自治会の活動支援について伺います。
 町会、自治会はこれまでも、地域から大きな力を生み出してまいりました。今、東京は、少子高齢社会に直面し、震災への対応など課題が山積しております。これらの課題に対応するには、共助の担い手である町会、自治会の力が不可欠です。
 これまでも、防災訓練や廃品回収に、手弁当で朝から晩まで身を粉にして取り組むなど、役員の皆様の強いボランティア精神による防災、防犯、町内美化などの活動が地域社会を支えてきました。
 東京が直面する困難な課題の解決に向け、町会、自治会の役割の重要性を認識し、これまで以上に結びつきを強めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 我が党の提案により導入された地域の底力再生事業助成は、防災、防犯などの面で各地で多くの成果に結びついております。
 一方、町会、自治会は、高齢化の進行や共同住宅の急増などを背景に、加入率の低下や担い手不足といった課題に直面しており、改めて活動基盤の強化が課題となっています。
 都は、これまでの実績を踏まえ、長期的な視点に立ち、地域力を高めていくための支援策を検討すべきですが、所見を伺います。
 以上で私からの質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 小松大祐議員の一般質問にお答えいたします。
 都市機能の向上に資する道路ネットワークの整備についてでございますが、東京には一日百万台以上の車が隣接県から入ってまいります。しかも、首都高速都心環状線を走る車の約六割が都心に用事のない通過交通であり、機能的な都市活動の支障となっております。
 現在、整備が進んでおります三環状道路は、こうした通過交通を周辺部に振り向け、交通渋滞という東京の弱点を解消し、羽田、成田の空港や京浜港へのアクセス性を高めて、人や物の流れを活性化させます。また、環状第二号線や多摩の南北道路などの整備は、多くの人が東京を訪れる二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催時の移動の利便性を高めます。さらに、こうした都市の骨格となる幹線道路は、都内の交通を円滑にし、防災性も向上させるなど、その先の東京の成長の基盤ともなります。
 道路ネットワークを適切に形成することは、交通、物流、防災、環境など複合的な効果をもたらし、首都東京の発展、ひいては日本の成長にとっても不可欠なものであります。
 今後も、東京の機能性の向上に資する道路の整備を着実に進めてまいります。
 町会、自治会の活動への基本認識についてご質問がございました。
 東京が直面しております少子高齢化の進行や防災などの課題に対応していくには、都が地域との連携を強める必要があります。
 東日本大震災におきましては、地域のきずなや人と人との支え合いの重要性が再認識されました。東京でも、町会、自治会の皆さんが自分たちの地域は自分たちで守ると、そういう自治の原点ともいえる信念のもと、日夜、地域の課題解決のための活動に取り組んでおられます。
 私自身、認知症を患った母親の介護を経験しましたが、その中におきましても、地域に暮らす方々に支えられた経験がありました。人と人との支え合いの重要性を肌身をもって実感してきたところでございます。
 誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる町、それが私の目指す世界一の都市東京の姿であります。その実現に向けまして、独居高齢者の見守りや、防災力の向上に率先して取り組む町会、自治会は、都政に不可欠かつ重要なパートナーであります。
 今後とも、連携協力関係を揺るぎないものとするために、全力で支援に取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、道徳の教科化についてでありますが、小中学校における道徳の時間は、教科外の教育活動として位置づけられていることから、教科書はなく、児童生徒に対する評価も行っておりません。このため、具体的な教材や指導方法は、各学校の裁量に委ねられており、授業内容は多様な状況にございます。
 現在、国は道徳教育の充実に向け、道徳を教科化して教科書を使用することとする一方で、道徳の特性を踏まえて、一般の教科のような成績評価をしないなどの方向で、具体的な検討を行っております。
 今後、道徳が教科として位置づけられた場合、教科書が定められるなど、具体的な指導内容が明確になることから、道徳教育の充実が図られるものと期待をされます。
 次に、道徳教育にかかわる教員の指導力向上についてでありますが、都教育委員会は、これまで都独自に道徳の教材集や指導資料を作成して各学校に配布するとともに、全ての小中学校での道徳授業地区公開講座の実施を推進するなど、教員の指導力向上に取り組んでまいりました。
 本年度は、区市町村教育委員会や教員研究団体と連携し、確かな指導力を身につけるための具体的な演習を中心とした道徳教育推進教師養成講座を新たに実施いたします。この講座の実施を通し、小中学校における道徳授業の核となる実践力のある教員を養成してまいります。
 都教育委員会は、今後、国の教科化への動向を注視しつつ、これらの施策を推進し、各学校が組織的に指導力向上を図る体制を確立してまいります。
 次に、体力向上に向けた地域との連携についてでありますが、子供の体力向上を図るためには、家庭はもとより、地域、競技団体などの関係機関との協力が重要でございます。
 このため、都教育委員会は、総合的な子供の基礎体力向上方策の主要な柱に地域との連携を位置づけ、地域人材の中学校部活動への活用や大学と連携したトレーニングの実践的な研究などを進めてまいりました。
 区市町村においても、体育授業への大学生の活用や競技団体と連携した小中学生の駅伝大会の実施など、さまざまな取り組みが展開されております。都教育委員会はこうしたすぐれた取り組みの普及や、子供の体力の現状を学校から地域に発信することに努めるとともに、今後の対策に地域との連携を十分生かすよう検討を進め、子供の体力向上の取り組みを推進してまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 都市計画道路補助第二一九号線についてでございますが、この路線は、杉並区と世田谷区とを結び中央道と並行する延長約一・七キロメートルの都市計画道路でございます。また、三鷹市の三鷹三・四・三号線と接続し、外環の東八道路インターチェンジ周辺における交通の円滑化と生活道路への通過交通の流入抑制に資する道路でございます。
 このため、国と都が平成二十一年に策定した外環沿線の地域課題に対する対応方針では、補助二一九号線のうち、三鷹市境から世田谷区の烏山通りまでの約五百五十メートルの区間について、事業化の検討を進めることとしております。引き続き、地元の区市とも調整するなど、事業化について検討を進めてまいります。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君) 既存の道路における渋滞対策についてでありますが、渋滞解消のためには、道路整備とあわせ、既存の道路において渋滞箇所ごとの原因に応じた対策を関係各機関が連携し、効果的に実施することが極めて重要であります。
 このため、都は、警視庁等と連携し、ITSも活用した渋滞対策事業、ハイパースムーズ作戦を進めており、平成二十年度から四年間では、対象区間全体のピーク時旅行時間を一二・三%削減しております。
 引き続き、警視庁等関係機関と連携し、需要予測信号の導入などの対策を進めるとともに、ご指摘のプローブ情報も活用しながら、これまでの取り組みを検証し、最新の渋滞箇所の要因を把握するなどして、交通状況の変化を踏まえた効果的な渋滞対策に着実に取り組んでまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 船客待合所の活用についてでございますが、都では観光客を迎える港そのものが観光資源であると認識しており、老朽化した船客待合所等の更新を計画的に進めております。
 現在、八丈島の神湊港では、島内最大の底土海水浴場に隣接するように移転し新築した船客待合所が竣工間近であり、イベントスペース等も備え、新たな観光拠点として期待されております。
 また、新船「橘丸」の寄港により、航路のハブ機能が備わる大島の岡田港においても、船客待合所の建てかえを予定しており、道の駅をイメージしたにぎわい施設や雄大な富士山を望める展望レストランの設置など、乗り継ぎをする方にも楽しんでいただける工夫をしてまいります。こうした整備により、空港ターミナルに相当する船客待合所を利用者にとって一層魅力あるものとし、島の振興につなげてまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市農地を保全するための取り組みについてでありますが、都市農地を保全するには国の制度改革はもとより、都としても独自の保全策を講じていく必要がございます。
 まず、国に対しては、農地を都市に有用な存在として位置づけるとともに、生産緑地制度や相続税制度などの改善を行うよう、引き続き強く求めてまいります。
 また、都独自の保全策としては、防災や環境保全など農地の多面的機能を発揮させることで農地保全を図るプロジェクトを、今後十年にわたって展開いたします。さらに、農業の継続が農地保全の前提となることから、パイプハウスなどの生産施設の整備や販売促進の取り組みに対する専門家の派遣など、経営力の向上を支援してまいります。
 今後とも、こうしたさまざまな視点から施策を展開し、都市農地の保全に努めてまいります。
 次に、非正規労働者に対する就業支援についてでありますが、正規雇用を望みながらも、かなわないまま年齢を重ねることは、本人にとって不利益なばかりでなく、社会にとっても大きな損失であります。雇用環境が改善しつつあるこの機を捉え、正規雇用に向け支援することが重要であります。
 このため、都は、しごとセンターにおいて、個々の適性に応じたキャリアカウンセリングや、少人数でのグループワーク、企業に対する採用助成金の支給等により、非正規の経験が長い方に対する就業支援を行っております。今年度新たにセミナーと実習を組み合わせて正規雇用に結びつける事業を開始し、今月から企業での実習が始まりました。
 今後とも、就職氷河期世代など長期にわたり非正規雇用を余儀なくされている方の実情を踏まえ、安定した就業に向けて積極的に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 長期的視点に立った町会、自治会に対する支援策についてでありますが、都は、町会、自治会の地域の力を高める取り組みを支援するため、平成十九年度から地域の底力再生事業を創設し、助成対象の拡大や活動の実態に合わせた制度改善を進めてまいりました。これまでに一千七百近くの団体が、防災訓練や防犯パトロール、地域交流イベントや町会、自治会への加入促進などの取り組みにこの制度を活用してきております。
 一方で、町会、自治会は、その重要性が増しているにもかかわらず、担い手不足や役員の高齢化、加入率の低下により、組織や活動の維持が大変厳しい状況に置かれております。町会、自治会が地域の課題解決などにこれまで以上に力を発揮するには、組織基盤の強化はもとより、活動の幅を広げるため、PTA、老人クラブ、消防団などの地域の団体との協働事業の促進や、新たな事業の着手に向けた企画や実行のノウハウを高める支援のあり方についても着目する必要があると考えております。
 このため、都といたしましては、これまでの支援策の成果も踏まえ、行政と地域との協力関係の強化に向け、町会、自治会の方々の声を十分聞きながら、今後、長期ビジョンを策定する中で、支援の強化について具体的な検討を進めてまいります。

〇議長(吉野利明君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後六時休憩

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