平成二十六年東京都議会会議録第四号

〇議長(吉野利明君) 六十四番山崎一輝君。
   〔六十四番山崎一輝君登壇〕

〇六十四番(山崎一輝君) 初めに、教育施策について伺います。
 近年、領土、領海をめぐる問題が一層注目されるようになっています。
 国は、ことしの一月に、中学校及び高等学校学習指導要領解説の一部改訂を行いました。この趣旨を踏まえると、これからの国際社会を生きる子供たちが領土について正しく理解をし、国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを持つよう、自国の領土に関する教育を充実させることが求められております。
 そこで、児童生徒が我が国の領土について正しく理解ができるよう、領土に関する教育を充実させることが重要であると考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 子供たちが日本の領域の位置や隣国との距離などを正確に把握し、領土に関する認識を高めることも極めて重要であります。
 私が調べたところ、日本の領域を正しく表現した地図を掲示している都立高校等は、全体の二百四十三校のうち、わずか十九校、七・八%であり、全体の一割にも満たないのが現状であります。
 そのため、日本の領域が正しく表現されている地図、すなわち沖縄や小笠原諸島、沖ノ鳥島などの離島が正確な位置に表示されている地図を掲示することが大変重要であると考えます。いわゆる天気予報のような位置関係を省略した地図では、正確な理解はできません。常日ごろより児童生徒が正しい地図と親しむことにより、日本の領土、領域に対する正しい理解が可能となるわけです。
 そこで、我が国の領土に関する理解を深めるため、日本の領域が正しく表現されている地図を都内公立学校で活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。
 東京大会が決定をし、海外からの旅行者のより一層の増加が見込まれますが、中小の宿泊施設の中には、外国人旅行者の受け入れに不安を抱えているという話も耳にします。
 私は、こうした事業者に対し、日常英会話はもとより、外国人に生活習慣等の日本文化を伝えることが可能となる研修を実施し、おもてなし力の向上を図っていただきたいと考えます。また、それがオリンピック・パラリンピック大会の後にも、東京の観光の魅力につながっていくと確信をいたします。
 そこで、こうした中小の宿泊施設に対する支援をより強化していくべきと考えますが、都の所見を伺います。
 次に、競技施設等の整備について伺います。
 今後、都は、十の新設の会場の整備と二つの既存の会場の増改修を行うと聞いております。
 オリンピック決定後に、東京都木材団体連合会などから、新会場や新施設の整備に当たっては、日本の文化の象徴であり、木のぬくもりを感じる木造建築物を積極的に活用するようにとの要望書が提出をされました。
 全国の状況を見ても、島根の出雲ドームや秋田の大館ドームなどが木材を活用した競技施設として脚光を浴びております。
 また、オリンピック・パラリンピック競技大会終了後も、日本らしさや東京らしさや木の文化という点で、多くの利用者から親しまれ、愛されるものになることが期待をされるわけです。
 そこで、今後の施設整備に当たっては、木材の活用を積極的に図っていくべきと考えますが、都の所見を伺います。
 続いて、東京港の機能強化について伺います。
 私は、東京港の国際競争力の向上を目指した機能強化が、我が国経済の回復に大いに貢献すると考え、昨年の第一回定例会でも取り上げました。
 日本経済は、ようやく明るい兆しが見えてきましたが、まだまだ不安定な材料も多い状況です。輸出でも十分に稼げる強い日本経済の一刻も早い回復が望まれます。こうした中、日本一のコンテナ貨物取り扱い個数を誇る東京港が、その機能強化を図っていくことは、日本の成長戦略の一つの鍵を握っているといっても過言ではありません。
 そこで、東京港の国際競争力の向上を目指した機能強化について、これまでの取り組み状況とその成果について伺います。
 また、東京港の機能を強化し、国際競争力を高めていくためには、しっかりと将来を見据えた計画が重要であります。それには、アジアの経済成長が続く世界経済や、変化の激しい国際海上物流の動向を考慮すべきであります。
 今後も、国内外において東京港が重要な役割を果たせるよう、ふ頭施設の機能強化や交通ネットワークの向上などについて、しっかりと検討していく必要があります。
 そこで、現在検討を行っている第八次改訂港湾計画では、世界経済や国際物流の動向を踏まえ、物流機能の強化に向けた長期的な取り組みを示していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、MICEについて伺います。
 MICEは、一度に多くの外国人旅行者を呼び込むことだけでなく、高い経済波及効果が見込まれることから、都としても積極的に進めていく必要があります。MICEの誘致に精力的に取り組む世界の諸都市では、国際的な都市間連携を図り、有益な情報交換を行うとともに、その都市で開催するメリットをアピールするなど、活発な活動を行っていると聞きます。
 そこで、こうした諸都市との競争を勝ち抜くため、都はどのように誘致活動を展開していくのか見解を伺います。
 次に、自転車交通について伺います。
 自転車は、環境負荷のない、自動車や徒歩を補完する交通手段として、その役割が一層重要となっています。
 知事は、東京の問題点の一つに、交通体系だといっておられ、スウェーデンのストックホルムの件を引き出し、また自転車の利用を拡大するため、自転車レーンなどの整備を進めていくとの考えを表明されてきました。
 さらに、知事は、総合的な交通施策について具体的な検討を指示したと、施政方針の中で表明されたところでもあります。
 そこで、改めて自転車を含めた全体の交通体系を示すべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、自転車の利用促進について伺います。
 自転車利用促進策の一つに、自転車シェアリングがあります。一台の自転車を複数の利用者が共有して使用する仕組みで、目的地の最寄りのサイクルステーションに返却ができる、いわゆる乗り捨て利用が可能なシステムであり、ニューヨークやロンドンなど、外国の諸都市で広く普及をしております。
 こうした中、オリンピック・パラリンピックの開催も決まり、国でも超党派の議員連盟による自転車シェアリング普及に向けた提言がなされております。
 都としても、世界の範となる環境負荷の少ない都市の実現を目指す中で、今こそ自転車シェアリングを普及すべき時期に来ていると思います。
 そこで、自転車シェアリング普及に向けた都の取り組みについて伺います。
 また、環境によい自転車シェアリングをまちづくりの中にしっかりと根づかせていくことが重要です。
 私の地元江東区では、自転車シェアリングに関する実証実験が実施されていますが、この取り組みは一年を経過し、他都市の社会実験と比べ利用者数も多いと聞いております。こうしたノウハウを積極的に区市町村等へ情報提供し、自転車シェアリングの広域な普及を図っていくべきと考えます。
 加えて、各区の足並みをそろえ、都心部等で区境を越えた広域に展開を実現するためには、都として、各区の取り組みへの支援策が必要と考えます。
 そこで都は、自転車シェアリングを広域に展開させるための取り組みについて伺います。
 続いて、鉄道ネットワークの整備についてお伺いいたします。
 地下鉄八号線延伸は、運輸政策審議会答申第十八号において、平成二十七年までに整備着手することが適当な路線として位置づけられております。沿線自治体で構成される協議会で第一段階とされている豊洲から住吉間の整備は、区部東部における南北交通軸の形成、地下鉄東西線など周辺路線の混雑緩和、鉄道不便地域の解消といったさまざまな効果が期待される路線であります。
 江東区では、平成十九年度より独自調査を進め、今年度も懇談会を設置し、事業採算性等の検討を進めているとともに、平成二十二年から毎年五億円の建設基金の積み立てを行い、区議会も都に対して要請活動を行うなど、区全体で積極的に取り組んでおります。
 また、平成二十三年の豊洲新市場の都市計画決定に際して、当時の副知事が江東区長との会談において、実現に向け江東区と連携し、最大限の努力を傾注していく決意であると発言し、豊洲新市場の現在に至るわけであります。
 先月、二月二十一日の衆議院国土交通委員会において太田国交大臣は、地下鉄八号線の延伸は、東京の鉄道ネットワークの中でも極めて重要な意義を有する事業であると答弁をしております。
 私は、この地下鉄八号線の豊洲から住吉間について、早急に国と都の調整を進めていくことを強く要望し、また、期待をいたします。
 そこで、本路線の整備についてどのように取り組んでいくのか、都の所見を伺います。
 次に、森づくり推進プランについて伺います。
 都民共通の貴重な財産である多摩の森林を保全していくには、森林循環を持続させていくとともに、その一翼を担う林業の振興が必要であります。
 そこで、我が党は、今回のプラン改定に当たっても、さきの第四回定例会代表質問において、多摩産材の利用拡大に向けた受注相談窓口の設置など、一歩進んだ取り組みが必要であると提案をいたしました。重要なことは、こうした計画をいかに事業化していくかです。
 そこで、今回のプラン改定を踏まえ、どのように事業展開を図っていくのか伺います。
 最後に、下水道の浸水対策について伺います。
 私の地元江東区の木場・東雲地区は、浸水の危険性が高く、その対策が強く求められております。そこで、下水道局は、対策として江東幹線や江東ポンプ所の整備を進めております。
 平成二十三年の第二回定例会で、私がその対策の進捗を伺ったところ、関係機関等と調整中との答弁がございました。その後二年が経過をいたしましたが、現在の進捗を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 山崎一輝議員の一般質問にお答え申し上げます。
 自転車を含めた全体の交通体系についてでございますが、ご指摘のように、私はかねてより、東京の最大の問題の一つは交通体系であると考えてまいりました。都民の皆様に特に強く訴えてきたこの問題を解決するため、関係局に対し、政策の具体化に向けた検討を指示したところであります。
 今後は、鉄道やバス等の有機的な連携や自転車利用環境の整備等を含め、総合的な交通政策を取りまとめ、世界一便利で快適な都市東京を実現していく、そういうつもりで頑張ってまいりたいと思っております。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、我が国の領土に関する教育の充実についてであります。
 日本人としてのアイデンティティーを備え、グローバルに活躍できる人材を育成していくことが求められる中、将来を担う子供たちに、自国の領土を正しく理解できるようにすることは極めて重要でございます。
 我が国の領土に関する学習は、小中学校では主に社会科で、高校では主に地理歴史科や公民科で扱っており、学習指導要領では、児童生徒の発達段階を考慮しながら、自国の領土について、我が国が正当に主張している立場に基づき指導を行うこととされております。
 お話のように、本年一月、我が国の領土に関する教育を一層推進するため、学習指導要領解説が一部改訂をされました。今後、都教育委員会は、この改訂の趣旨に基づき、我が国の領土に関する学習が充実されるよう各学校を指導してまいります。
 次に、日本の領域をあらわしている地図についてでありますが、現在学校で使われている地図の多くは、南西諸島や小笠原諸島などを枠などで区切って別の位置に描く表示の方法をとっており、日本の領域全体を表現している地図は少ない状況にあります。
 我が国の領土に関する理解を深めるためには、日本の位置や隣国との距離を把握しやすい、日本の領域全体を表現している地図を活用することが有効であります。
 このため、こうした地図を全都立学校に配布し、都の独自科目「江戸から東京へ」の学習や修学旅行などの学校行事など、さまざまな教育活動で活用を図るよう指導を行ってまいります。
 また、都内公立小中学校につきましても、区市町村教育委員会に対して都立学校の取り組みを紹介するなどし、我が国の領土に関する理解が深まるよう努めてまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 地下鉄八号線の豊洲─住吉間の延伸についてでございますが、本区間を含む地下鉄八号線の延伸は、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備に着手することが適当である路線として位置づけられておりまして、区部東部における南北交通軸の形成、地下鉄東西線など周辺路線の混雑緩和、鉄道不便地域の解消といったさまざまな効果が期待されると認識しております。
 一方で、多額の事業費の確保や事業主体の確立、事業スキームの検討など、解決すべき課題がございます。地元江東区では、今年度、懇談会を設置しておりまして、都も国や東京メトロなどとともに参加いたしまして、事業採算性等の検討を進めております。
 今後とも、本路線の検討に都も参画いたしまして、関係者とともにさまざまな課題の解決を図っていくことが必要であると考えております。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、宿泊施設に対する支援についてでありますが、海外から訪れる旅行者に快適な滞在環境を提供するためには、ホテル、旅館等の宿泊施設における受け入れ環境の整備を進めていくことが重要であります。
 このため、都は、外国語の研修、無料でWi-Fiに接続できる環境の整備促進など、宿泊施設に対する支援を実施してまいりました。
 来年度は、これらに加え、生活習慣等、国によって異なる文化への理解を深めて接遇に活用する研修や、災害時等において外国人旅行者を円滑に案内、誘導するための講習会を新たに実施するなど、外国人旅行者への対応力の強化を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて、外国人旅行者の受け入れを進める宿泊施設を積極的に支援してまいります。
 次に、MICE誘致活動の展開についてでありますが、誘致を一層推進するためには、主催者が開催に当たり重視する視点や、競合都市の活動などの情報を迅速かつ的確に把握し、有効に活用する必要があります。
 このため、都は来年度、MICE先進都市の連携組織への加盟を目指している東京観光財団を通じ、海外とのネットワークを構築して、情報収集やプロモーション活動を戦略的に進めてまいります。
 また、誘致には、東京の認知度を高め、さらに主催者の開催意欲を喚起する必要があることから、海外のMICE専門誌への広告掲載や、東京の魅力をPRする冊子の作成など、情報発信の強化を進めます。
 こうした取り組みを通じ、海外の競合都市との競争を勝ち抜き、東京へのMICE誘致を推進してまいります。
 最後に、森づくり推進プランについてでありますが、今回改定するプランは、東京における持続的な森林整備と林業振興を図るための取り組みを示したものであり、今後、森林の循環の維持に必要な施策を優先的に事業化し、順次実施してまいります。
 来年度は、低コスト林業技術の確立に向け、多摩の急峻な森林にも対応可能な木材搬出手法等の調査を開始するほか、不足している森林作業道の技術者を育成するための実務研修などを実施いたします。
 また、多摩産材の利用拡大に向けて、建設業者等が円滑に調達できるよう、製品や納期、価格等の情報提供窓口である多摩産材情報センターを設置いたします。
 今後とも、プランの着実な実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) オリンピック・パラリンピックの施設整備における木材活用についてでございますが、我が国の建築における木材の活用は、まさに日本の文化であり、施設整備に活用することは、世界の方々に日本らしさを深く印象づけるものであると考えております。
 大会施設への木材の活用について、招致決定後より木材組合などの関係団体から要望の声が上がっていることは承知しております。また、国は平成二十二年に、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を制定し、木材利用のさらなる推進を図っており、都としても、多摩産材の流通や利用拡大などを進めております。
 都は、これらの状況を踏まえ、コストや耐久性なども考慮しつつ、今後、設計などを進める中で、広く施設整備における木材の活用を検討してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京港の機能強化に向けた取り組みについてですが、東京港は、首都圏を支える輸入港であると同時に、東日本の生産拠点と海外を結ぶ重要な輸出港であり、その機能強化は日本の成長戦略に不可欠でございます。
 まず、中長期的な取り組みとしては、中央防波堤外側Y1、Y2ターミナルの借り受け候補者が昨年決定し、ふ頭再編に向け、大きな一歩を踏み出したところでございます。
 また、短期的な取り組みとしては、東京港埠頭株式会社や関係事業者の努力による荷役機械の更新やターミナルゲートの増設などにより、ターミナルの処理能力を向上させ、ふ頭周辺の交通混雑を大幅に緩和いたしました。
 今後も、中長期及び短期的な取り組みをそれぞれ確実に実施することで、輸出産業をもしっかりと支え、我が国の成長戦略を牽引してまいります。
 次に、新たな港湾計画に示す物流機能強化に向けた長期的取り組みについてですが、北米等の基幹航路を堅持するため、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3ターミナルの整備を推進するなど、東京港の施設能力を増大させてまいります。
 また、ベトナムやミャンマー等、アジアの新興国の経済は、引き続き高い成長が見込まれ、アジア貨物の急激な伸びに対応していくことが極めて重要な課題となっております。このため、アジア航路への対応を重点的に検討していきます。
 具体的には、利用が低下した若洲地区の木材関連施設のあり方を見直すことによる機能転換も一つの方法と考えております。
 また、国に対して早期事業化を強く要望してきた有明と中防地区とを結ぶ南北線の整備を促進していきます。
 第八次改訂港湾計画では、東京港の機能強化に向けた長期的取り組みを示し、選ばれる港づくりに取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 自転車シェアリングに関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、自転車シェアリングの普及に向けた取り組みについてでございます。
 都では、一昨年八月に、関係部局で構成する自転車シェアリング連絡会を設置し、江東区での実証実験を契機に、自転車シェアリングの効果的な実施方法等の検討を開始いたしました。
 連絡会では、実証実験のかなめである無人式サイクルステーションに関して、駅前など利用しやすい場所への設置などについて調整するとともに、歩行者への事故防止のための安全対策などを取りまとめてまいりました。
 江東区の実証実験では、お話のように、開始一年で利用者数が二万人を超え、利用者アンケートでは、九割以上が本格導入を望むなど高い評価を得ており、また、電動アシストつき自転車の投入や二十四時間利用など、サービスの充実も図られているところでございます。
 都は、今後もこうした実証実験への支援などを通じて、都内での自転車シェアリングの普及に取り組んでまいります。
 次に、自転車シェアリングの広域展開についてであります。
 行政区域を越えて自転車を手軽に共同利用できる環境を整えることは、利用者の利便性をさらに高めるとともに、環境負荷の一層の低減にも有効でございます。
 このため、スマートフォンなどを活用した利用しやすい貸し出し手法や、利用頻度の高いステーションの配置など、江東区での実証実験から得られる有益な知見等をガイドラインとして取りまとめ、区市町村等に提供してまいります。
 あわせて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、競技会場周辺の地元自治体などを対象に、都として自転車シェアリングに関する情報共有の場を設けるとともに、計画策定やステーションの設置に係る初期費用について支援するなどにより、自転車シェアリングの広域展開を促進してまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 江東幹線及び江東ポンプ所の整備についてでございますが、江東幹線は、木場・越中島地区など江東区の八分の一を占める約五百ヘクタールの地域に降った雨水を速やかに排除するための、延長約五キロメートルの下水道幹線であります。現在、木場公園隣接地に設置した深さ約四十メートルの立て坑から、トンネルを築造するシールド機の発進準備中でございます。
 また、江東ポンプ所では、本年二月より、江東幹線で集めた雨水を辰巳運河に放流する毎秒約五十立方メートルの能力を持つ新たなポンプ所の建設に着手いたしました。整備に当たりましては、近隣住民の要望を踏まえ、地元区などの協力を得ながら、騒音対策や景観などに配慮した工夫を行い、平成三十三年度の完成を目指し、鋭意取り組んでまいります。

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