平成二十五年東京都議会会議録第十六号

   午後三時二十六分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百七番長橋桂一君。
   〔百七番長橋桂一君登壇〕

〇百七番(長橋桂一君) 都議会公明党を代表して質問します。
 四百三十万票もの期待を担って誕生した猪瀬知事に対する突然の疑惑報道に、都民は今、大きな怒りと深い失望を感じています。せっかくかち取った二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの招致の決定にさえ傷を与えかねません。
 年の瀬の厳しい資金繰りに直面する中小零細企業の経営者の間には、五千万円もの大金を無利子、無担保、無保証、しかも無期限で借り受けたとされる猪瀬知事に対し、激しい怒りが渦巻いております。
 都庁の一般職員は、利害関係者との接触に関する指針において、低利の賃借さえ禁じられています。しかも、実際に職務上の配慮を施したかどうかも関係ありません。ひとえに、都民の信頼を損ねることを避けるために厳しい自戒措置を設けているのであり、現に平成十四年八月には九十九万円の無利子賃借で懲戒免職となった職員の例もあります。
 知事は記者会見で、病院も老健施設も都内で徳洲会がやっていることは知らなかった、建設予定があることも知らなかったと述べられましたが、平成十九年から副知事を務め、しかも平成二十年十一月からは東京都の周産期医療体制整備プロジェクトチームの座長を務めるなど、医療行政に熱心だった当時の猪瀬副知事が知らなかったでは済まされません。
 ましてや、病院や老健の設置について、都が何かしらの許認可や補助金の権限を有していることは、都政関係者ならば誰もが知る常識であります。
 法的な判断の結果をまつまでもなく、道義的、政治責任は断じて免れません。たとえ、知事のいうとおり資産報告における不実記載であったとしても、都政のトップみずからが都条例を破ったことだけでも前代未聞の不祥事であり、到底容認できるものではありません。
 都議会公明党は、これまでの記者会見や所信表明を聞く限り、質疑の形式が一方通行の本会議ではこれ以上の事実は明らかにならないと判断し、まずは総務委員会に移して一問一答でただしていく方針を固めました。改めて知事には、真実を明らかにすることを求めておきます。
 都知事の職は、都民との信頼の上に成り立つものであります。我が党は本定例会においては、疑いの渦中にある猪瀬知事には代表質問、一般質問を通し、その他の政策課題についても一切答弁を求めないことにいたしました。
 猪瀬知事の疑惑に決着がつくまでの間も都政には停滞が許されません。この問題の推移のいかんにかかわらず、我が党は都庁と都議会の関係各位と力を合わせて、迫りくるさまざまな都政課題に適切に対応し、二〇二〇年の東京大会の成功を目指してまいります。その決意を申し上げて、以下、本題に入ります。
 去る十月十六日に発生した大島土石流災害は、死者三十五名、行方不明者四名という甚大な被害となりました。ここに、ご逝去された方々及びご遺族の皆様には哀悼の意をささげますとともに、負傷者の皆様に対し心よりお見舞い申し上げます。また、行方不明になっている方々の一刻も早い発見をお祈りいたします。
 発災直後、我が党の大島町議は、被害の大きかった地区に直行し、目を疑うような変わり果てた惨状の中、泥だらけになりながら被害状況の把握に奔走しました。
 その情報は、すぐさま都議会公明党にも伝えられ、翌日には我が党の都議会議員、さらには国会議員が相次いで現地入りをし、応急給水支援や住民相談窓口の設置、瓦れきの早期受け入れなど、被災地のニーズに迅速かつ的確、具体的な対応を図るよう都に申し入れ、実現をさせてまいりました。
 私も、被災一カ月後の課題を調査するため、十一月十九日、都議会公明党調査団の一員として現地入りしました。土石流によってなぎ倒された流木など、瓦れきの大部分は除去されていましたが、あるじを失い手つかずとなったままの倒壊家屋や折れ曲がったビニールハウスなども散見され、改めて自然の猛威を思い知らされました。
 大島町では、現在も災害対策本部が継続中ですが、今後は復興対策本部が設置されます。同対策本部が取り扱う業務は、被災者の生活再建を初め、町道などの復旧、観光、農業、漁業などの産業の回復、砂防、治山工事の実施など、ソフト、ハード両面にわたって膨大であり、町役場だけでは到底対応できません。都は、大島町復興に向け全力で支援すべきであります。見解を求めます。
 次に、被災者の心のケアについて質問します。
 現地では、災害により家族を失った方や児童生徒及び団員など救出救援活動に携わった方々の中に心に傷を負った方々も多いとの声を聞きました。
 都は既に大島町の要請を受け、保健師や心理職、スクールカウンセラーなどの専門職を通じ心のケアを行っています。しかし、心の不調や障害は時間が経過してから発生するケースもあることから、こうした取り組みを継続し、注意深く見守っていく必要があると考えます。今後の対応について、教育庁及び福祉保健局の見解を求めます。
 伊豆大島の風物詩ともいえる椿まつりは、例年一月下旬から三月下旬まで開かれ、約四万人の観光客が訪れる同島最大のイベントであります。大島町では、自分たちの力で、被災地になった島を盛り上げていく思いから、復興に向けたキックオフ行事とするべく、椿まつりを明年一月二十六日から開催すると決めたそうであります。
 都は、被災された方々の心を癒やすために、芸術文化を活用した支援を行うとともに、椿まつりの積極的なPRをするなど、来島者をふやす支援をすべきであります。例えば、都響やヘブンアーティストを派遣するなど、具体的な取り組みを検討すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、豪雨対策について質問します。
 今回、大島を襲った台風は、もし東京の区部や多摩地域を襲っていれば、さらに甚大な被害が発生したであろうことは容易に予測されます。現に、平成十七年の集中豪雨では、神田川、妙正寺川、石神井川流域など、杉並、中野、北区などで洪水が発生し、住宅など約五千八百棟が浸水、また平成二十二年には石神井川流域の練馬、板橋、北区などで六百六十棟が浸水しました。
 夜間、瞬時に床上高くまで浸水した家屋もあり、被災された多くの住民の皆様が現在でも大雨のたびに恐怖を感じておられます。
 東京都は、これまで時間五十ミリの降雨に対応できるという整備水準を目標に、護岸整備や調節池などを組み合わせ治水対策を進めてきました。しかし、近年の気候変動などにより、ゲリラ豪雨と呼ばれる時間百ミリ以上の局地的な集中降雨が都内で発生するようになりました。ことしも、目黒区で時間百ミリを超えるゲリラ豪雨に見舞われました。
 このため、都は、昨年十一月、河川の整備水準の目標を区部は時間七十五ミリ、多摩地域は六十五ミリに引き上げましたが、過密化が進み川幅を大きく広げることのできない都心部を初め、都内においてこれらの整備水準を達成するためには、調節池の果たす役割が重要になります。
 調節池の整備には時間がかかることから、一刻も早く具体的な検討を進めていかなければなりません。新たな整備水準の達成に向けた取り組み状況について見解を求めます。
 平成二十三年三月十一日、東京都議会は、特定緊急輸送道路に面する旧耐震の一定規模の建物の耐震化を促すため、いわゆる耐震化条例を議決しました。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、首都直下型地震から都民の生命、財産を守るために制定した耐震化条例は、まさに東日本大震災が発生したその日に成立したのであります。
 その後、努力義務期間を経て、昨年四月には診断の完全義務化がスタートしました。既に多くの対象建物で耐震診断が実施されていますが、残念ながら、三割弱の特定沿道建築物がいまだに実施をされておりません。
 都内での震災被害の拡大を抑制するためには、何としても耐震化条例の制定目的を完遂し、残りの建築物についても一日も早く耐震化を実現しなくてはなりません。
 しかし、耐震診断では、建物調査などに一定の期間を要するため、助成の期限である今年度末までに診断の完了が間に合わないとの声が上がっています。都や関係自治体が総力を挙げて平成二十七年度までに耐震化の完了を目指す中、診断実施に前向きになり始めた建物所有者の気持ちをそぐことのないよう、診断の助成期間を延長すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 都は、原則として自己負担なしの診断助成を実施しています。しかし、建物構造が複雑である場合などでは、耐震診断に必要な調査項目が通常よりもふえて、結果的に助成金の限度額を超えてしまい、一定の自己負担が生ずる場合があると聞いております。
 ようやく診断に至った後も、耐震改修工事にはより多額の費用を要するため、工事費用の捻出が所有者にとっての最大の悩みの種であります。
 そこで、診断から改修に至る耐震化の取り組み全体の中で工夫を凝らし、建物所有者が負担する総費用を少しでも軽減していくことが、耐震化加速の最善策と考えますが、見解を求めます。
 次に、東日本大震災の被災地支援について質問します。
 我が党は、都による的確な支援策を講じるため、復旧、復興の進展に合わせて被災地を訪問し、現場から政策提言を積み重ねてきました。先月も岩手、宮城、福島三県を視察し、関係者と意見交換をしてまいりました。
 復旧から復興に移りつつある被災自治体では、県外等に避難している住民をいかに早く帰郷させることができるかが課題となっております。県外避難者は、いつごろ帰郷できるのか、仕事があるのか、子供はどの学校に通わせるのかなど、先行きが見通せず、焦燥感を募らせております。
 都内には、いまだ八千人を超える方々がふなれな土地で避難生活を余儀なくされております。一方で、避難者の中には、長引く避難生活の中で帰郷を諦め都内で生活していくことを選択する人も出てきているのも事実であります。
 震災から三年、避難者の思いは個々に異なり、求められる支援策も多岐にわたっております。都は、避難者の生の声を拾い上げ、現状を十分に把握した上で、被災自治体と協議するための連絡機関を設置するなど、被災自治体と十分に連携して避難者支援を進めるべきです。所見を求めます。
 次に、地震、津波被害のほかに原発事故とも闘われている福島県支援について質問します。
 第一に、福島県産業の柱の一つである観光への支援策についてであります。
 まずは、我が党が提案し、都が平成二十三年から三年連続実施をしてきました被災地応援ツアーを高く評価するものであります。
 しかしながら、県内への観光客は、いまだ震災前の水準の八割に満たないのが実情であります。福島県からも、あともう一押しという状況のため、ぜひとも被災地応援ツアーを来年度も継続してもらいたいと県知事名での要望書を預かってまいりました。被災地応援ツアー継続に向けての見解を求めます。
 第二に、福島県の農水産物への風評被害対策であります。
 農産物については、これまで県独自の取り組みに加え、都も我が党の提案を受けて、消費者団体などの被災地研修を実施するなど、その安全性の説明に努め、成果を上げてきております。
 しかし、水産物については、いまだ風評被害を払拭する上で効果的な手が打たれていません。消費者に安全であることを確認してもらい、安心感を与えるためにも、水産物を対象とした消費者団体の被災地支援研修会を実施すべきです。都の見解を求めます。
 現在、津波で打撃を受けた地域では、復興に向けて新しいまちづくりの検討が進められております。とりわけ、奇跡の一本松で知られる岩手県陸前高田市では、先進的な福祉のまちづくりを復興の主眼に据え、防災面も含め高齢者や障害者が安心して暮らすことができる取り組みを推進しています。
 東京は、オリンピック・パラリンピックで、被災地の復興した姿を世界に示していくと位置づけております。被災県がパラリンピアンの競技合宿などの誘致に取り組めるよう、福祉の先進都市を標榜する東京から、被災地の福祉のまちづくりにノウハウを提供できる機会を設けることが新たな被災地支援になると考えますが、所見を求めます。
 陸前高田市などでは、市外との交流人口をふやすプロジェクトを推進しており、その中で防災研修の受け入れ体制も整えています。都内の町会、自治会や商店街関係者を初め、多くの都民が被災地に足を運び、震災から得た教訓を学ぶことは、東京の防災対策をさらに進めていくことにもつながります。
 研修の受け入れ体制のある被災自治体が、多くの都民の来訪を求めてアピールする場を設けられるよう支援していくべきと考えます。見解を求めます。
 東京を代表して、積極的に被災地に赴き、復興支援に尽力した団体の一つが東京都交響楽団、いわゆる都響であります。実は、都響は、一九六四年の東京オリンピック大会を記念して、首都東京の音楽大使として創設された、前回大会のレガシーでもあります。
 この都響は、一流の音楽を子供たち、お年寄りやハンディキャップを持つ方々にも届けてきました。
 我が党からの要望に応えて、被災地の方々にも積極的に励ましの演奏を届けてくれました。まさに、被災地の心の復興に大きな役割を果たしてきました。
 そこでまず、被災地支援を初めとする都響の教育、社会貢献活動への取り組みについて見解を求めます。
 また、都響は、再来年創設五十周年を迎えます。その間、世界一流の指揮者や演奏家たちの競演などを通して、着実にその演奏技術を高めており、いわば我が国を代表するトップレベルのオーケストラの一つであります。
 七年後のオリンピック開催を視野に入れると、都響を都の持つすぐれた文化資源として、さらに充実をさせていくとともに、多彩な活動を展開して、その魅力を国内外にアピールしていくことが重要であります。今後の都響の活動について見解を求めます。
 東京でのオリンピック・パラリンピックの開催は、被災地においても大きな希望となり、復興の姿を全世界に発信していく絶好の機会であります。
 しかし、開催都市決定に沸き上がっている一方、被災地においては復興がおくれてしまうのではとの懸念の声も聞かれます。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たっては、被災地の復興なくして成功はあり得ないとの強い決意を断じて絶やしてはなりません。その意味でも、被災地の声を大会に反映させていく仕組みづくりが大切であります。
 明年二月には、大会組織委員会が立ち上がるスケジュールとなっておりますが、その大会組織委員会の中に、被災地の方々の声を具体化する専任の部門を設置すべきであります。見解を求めます。
 次に、教育について伺います。
 グローバル化が進む世界にあって、未来を担う子供たちには伸び伸びと活躍できる力をつけさせていかなければなりません。その第一歩は、何といっても語学であり、東京都教育委員会は、さまざまな取り組みを展開しております。
 国際社会では、言葉や文化の違いを超えて人間同士としてつながるコミュニケーション力が必要となります。いわなくても伝わるという情緒的な交流ではなく、母国語であれ、外国語であれ、的確に言葉を選び、論理的に伝え合い、理解し合っていく言語能力が求められております。
 そこで、都教育委員会は、現在、国語を中心に全ての教科において、言語能力向上推進事業に取り組んでおります。国際社会で活躍するための必須の能力として、子供たちの言語能力を磨くための取り組みを一層充実する必要があると考えますが、所見を求めます。
 教員の資質向上の課題は、日本だけではなく、世界の主要国共通の重要課題になっています。
 教育大臣レベルの会合はAPECで四年ごとに開催されており、G8の教育大臣フォーラムの議長声明でも、国際経験を通じた能力向上の機会を教員に与えることに特別の優先順位を置くと記されております。
 教員同士が文化や言語の違いを超えて切磋琢磨し合うことは、互いの教育力向上に大きく寄与しますが、実際には教員同士の国際交流はまだ緒についておりません。
 教員の海外派遣等の機会を捉え、都教育委員会が率先して現地の教育委員会や学校の協力関係を構築し、教員同士の交流の促進に取り組むべきです。見解を求めます。
 次に、少子高齢化対策について質問します。
 都議会公明党は、都庁の構造的福祉プロジェクトチームの検討に呼応して、会派内に少子化対策と高齢化社会対策の二つのプロジェクトチームを設置し、検討を進めております。
 まず、少子化対策については、子育て中の家庭への支援はもちろん、経済的理由などから結婚や出産をためらう若者を支援していくことが、基本的な対策として重要であります。子育て家庭への支援について、都は、有識者などで構成する子供・子育て会議を立ち上げ、子育て中の都民の意見も聞きながら、新たな計画を策定するとしております。
 そこで、もう一方の柱である若年者支援についても、支援の対象となる若年者自身の声を聞くため、同様の会議を立ち上げ、効果的な施策に結びつけるべきであります。見解を求めます。
 子育てのスタートとなる産後ケアの充実もまた重要な柱であります。出産後の女性は、育児の悩みなどから情緒不安になりがちといわれております。
 世田谷区と武蔵野大学が運営している世田谷区の産後ケアセンターでは、出産後四カ月未満の母子が宿泊や日帰りで滞在し、助産師と保育士が二十四時間体制で心と体の両面から支援しております。
 都議会公明党は、先月、視察をいたしましたが、充実したケア体制が評判を呼び、予約に十分対応できないほど希望者がふえているとのことで、産後ケアに対する公的支援強化の必要性を改めて痛感しました。
 また、出産後速やかに適切な支援につなげるためには、妊娠中から相談支援を始めることも有効です。核家族化の進行や、地域コミュニティの希薄化が著しい東京においては、特にこうした支援が求められております。
 都は、産後ケアの充実を子育て支援策の重要な柱の一つに据え、強力に推進すべきと考えますが、見解を求めます。
 十三時間の延長保育や低年齢児への保育など、大都市特有のニーズに対応するために創設された認証保育所は、都内の待機児童対策として、今や不可欠な存在となっております。
 一方、国は、これまで一向に認証保育所の実績を認めようとせず、認可保育制度にこだわり、ことし六月には、認可外保育施設に対する認可への移行支援策を打ち出しました。
 しかし、東京都が誇る認証保育所は、多様な保育ニーズに柔軟に対応できるよう工夫されており、当然のことながら、認証保育所を進んで選択した保護者のニーズにも、引き続き応えていかなければなりません。加えて、今回、国が打ち出した認可への移行支援策も、事実上、一部のタイプの認証保育所は対象外とされております。
 そこでまず、認証保育所への都民の高い期待を踏まえ、都は今後も認証保育所の独自性を堅持し、その整備を進めていくべきと考えますが、見解を求めます。
 ひとえに認証保育所の課題は、国の支援がないことに起因する保育料の負担感にあります。その意味で、認証から認可への移行策は負担軽減の一つの選択肢ではありますが、問題は、認証保育所独自の積極的な保育サービスが、認可への移行と同時に提供されなくなってしまうおそれがある点にあります。
 国は現在、認可保育所全体に対し、保育時間の延長などを促すための支援策を検討しておりますが、その内容が十三時間保育の水準に達するかが危惧されています。
 そこで都は、国に対し、認可への移行支援では、現在の認証保育所のサービス水準を維持する支援策を実施するよう求めるべきであります。また、もし国の支援策が不十分な場合には、迅速に暫定的な都独自の取り組みを講じるべきだと考えます。あわせて見解を求めます。
 国は、待機児童解消加速化プランにおいて、平成二十九年度末までに約四十万人の保育の受け皿を整備し、待機児童をゼロにする目標を掲げました。大変にすばらしい内容ですが、それは同時に、今後、新たに大量の保育士が必要になることを意味しております。
 現状のままでは、全国で七万四千人、東京だけでも二万二千人もの保育士が不足する計算になります。しかも今後、認可への移行支援が打ち出されることによって、保育士を十割とする保育施設がふえていけば、保育士の不足はさらに深刻の度を増すことになります。その解決のためには、認証保育所保育士の一層の処遇改善など、多角的に対策を講じる必要があります。
 そこで、都が、今年度実施している三万人の保育士資格者を対象とした処遇や労働環境などの実態把握の現状と、それを踏まえた保育人材の確保策の強化について見解を求めます。
 次に、高齢者支援についてです。
 東京は、今後も他県からの人口流入が続くため、高齢化とは無縁と思われがちです。しかし、高度経済成長期の大量の都内移転者が一挙に高齢化していくため、都内でも平成二十二年からの十五年間で六十五歳以上の人口が約六十二万人も増加するとの分析もあります。
 そこで、都議会公明党のプロジェクトチームの調査検討の成果を踏まえ、何点か質問します。
 まず、医療を活用した健康増進についてであります。
 都民に対し、生活実態に即した医療的助言が早目に提供されていく取り組みが広がれば、要介護状態や重症疾患の発症を防ぐだけでなく、健康寿命の増進にもつながります。
 しかし、こうした相談窓口は、地域包括支援センターが担う介護系と、在宅療養支援窓口で地区医師会などが担う医療系とに分かれております。別々の建物で別々の専門家によって提供されており、利用者には不便といわざるを得ません。
 こうした点において、医療と介護の両面にわたって日常的にケアを展開する訪問看護ステーションの看護師は、健康に役立つ的確なアドバイスをきめ細かく提供することが可能な身近で貴重な人材であります。
 都議会公明党が視察した新宿区戸山の暮らしの保健室では、保健師の資格をあわせ持つ経験豊かな看護師を中心に、多様な専門家や運営スタッフがボランティア的に支え合っていました。気兼ねなく相談を受け付けてもらえるという雰囲気づくりに成功しており、幅広い健康相談に無料で応じています。
 優秀で意欲のある訪問看護師などを活用し、都民が気兼ねなく相談できる窓口機能を整えていけば、高齢者の健康な生活を支えていくことにつながります。
 今後、区市町村がこうした取り組みを推進していく場合には、都は、これを支援する新たな事業展開を検討すべきと考えますが、見解を求めます。
 また、在宅療養を担う訪問診療や看護の課題の一つは、バックベッドの確保、すなわち必要な際には速やかに入院できるという保障がなかなか得られにくい点にあります。
 我が党が視察した長野県の佐久総合病院では、予防は治療にまさるとの視点に立って、五十年前から地域の全家庭を対象に訪問の診療、看護に取り組み、今も地域ケア科という訪問専門のセクションを設け、医師と看護師が、病状の急変時にも、いつでも手術や入院が可能な安心感のある取り組みを展開しています。
 一方、都では、在宅医が訪問看護ステーション等と連携しながら、チームとして二十四時間の診療体制を確保する取り組みや、区市町村が地域の医療機関に病状急変時などに利用できる病床確保の取り組みについて支援しています。
 この点、東京都保健医療公社が運営する公社病院は、地域との連携を存在意義の一つとして誕生したものであり、民間病院に先立って、むしろ積極的に地域を支援し、バックベッドの確保などの貢献を果たすべきであります。見解を求めます。
 次に、特別養護老人ホームの整備について質問します。
 都内の各自治体が把握する特養入所申込者数は、平成二十二年十月時点で約四万人となっています。その一方で、空き家を活用した高齢者支援の取り組みもいまだ容易に進展しておりません。地価が高く土地の確保が難しい都内での特養整備の最大の課題を解決するには、新たな手法を編み出していかなくてはなりません。
 貴重な都内の土地の有効活用を図るためには、従来からの公有地活用に加えて、異なる種類の高齢者向け施設を同一の敷地内や建物などにあわせて建設する複合化が効果的です。
 国内のある大都市圏の社会福祉法人は、駅前などの交通利便のよい土地を有効活用した中高層階の複合施設内に、特養や介護老健、デイサービスやショートステイ、小規模多機能、リハビリ病院や高齢者向け賃貸住宅などを組み合わせて展開しています。
 こうした取り組みは、事務所機能の一本化などでコスト削減が進み、結果的に介護の費用負担も減らします。また、好立地であるため、利用者や家族が訪れやすいだけではなく、施設側も優秀な介護人材を獲得しやすいという利点もあります。
 さらには、同一の建物内の高齢者向け住宅にあらかじめ移り住むことにより、なれた環境の中で施設に入所できます。また、複合施設内の各種の宿泊機能の活用によって、出張や家族旅行などに伴う介護ニーズにも対応できるため、仕事や生活と介護の両立、三立が図りやすいなどのメリットも数多く見受けられます。
 都は、複数業種の高齢者施設の連携による機能強化や施設の共有化など、複合化の利点が都内でも生かされるよう、複合型施設の整備を行う区市町村や事業者に対する支援を行うべきと考えます。見解を求めます。
 用地の確保が困難という都市部の課題を踏まえ、行政区域外エリアでの特別養護老人ホームの活用など、都民の選択肢の幅を広げる工夫も大切となります。
 例えば、杉並区では、静岡県南伊豆町にある杉並区の土地を活用して特別養護老人ホームの整備を検討しています。この動きは、国の検討会でも取り上げられ、高齢者本人の意思の尊重を前提としながらも、住民同士のつながりが深い自治体間の取り組みを対象に、規制緩和の方向性が示されました。
 都も本年九月、国に対し、区市町村が共同して特別養護老人ホームを整備する新たな手法を緊急提言しています。
 住民同士のつながりが深い自治体間や出身地であるふるさとの施設に入所する方法など、協力する自治体同士が入所調整を互いの介護保険計画に明記し合うなどの新たな手法も活用し、特養整備を促進すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 高齢者支援の最後に、介護と仕事の両立について質問します。
 総務省が、ことし七月に発表した就業構造基本調査によると、仕事を持つ六千四百四十二万人の四・五%に当たる二百九十一万人が介護しながら働いています。
 平成十二年に介護保険法が施行された時点での調査では、家族介護者は圧倒的に女性が多く、八割以上を占めており、男性介護者は約一割にすぎませんでした。
 しかし、今回の発表では、男性の家族介護者が全体の三割を超え、二百万人に達しています。いわゆる介護退職も十万人を超え、さらに増加傾向にあり、経営にも影響を与えかねません。
 今回、都議会公明党が視察した企業では、先駆的に介護との両立に取り組み、人事室内にワークライフバランス課を設置、社内調査で社員の七〇%が今後介護に携わる可能性があると回答したことを受け、介護と仕事の両立セミナーを開催するなどの取り組みを展開しています。
 社内調査では、昇進への影響などを恐れて介護を隠す、いわゆる隠れ介護者の存在も明らかになり、人事担当者によれば、今後は、人事規定の改善や相談体制の構築に取り組むとのことでありました。
 都は、こうした都内企業の情報を積極的に発信し、企業同士で共有し合える仕組みを構築すべきと考えます。所見を求めます。
 また、このような民間企業へのサポートにあわせ、都は、従業員が少ない企業の現場で、経営者や社員が介護と仕事の両立のために何を必要としているのか実態を調べ、そのニーズに応えた施策づくりに取り組むべきであります。
 介護と仕事の両立に真に役立つ政策展開に向けた調査をしっかりと行うべきと考えますが、所見を求めます。
 さらに、東京都が介護と仕事の両立に向け、中長期的な視点から計画的に取り組んでいくことも重要です。
 都がこのたび論点整理を公表した新たな長期ビジョンでは、両立支援の内容は、育児と仕事の両立にとどまっています。介護と仕事の両立支援の視点も入れるべきと強く要望しておきます。
 急速に進行する少子高齢化、さらには人口減少社会が今後も本格化していくことに加え、先進国の中でも最悪といわれる債務残高など、我が国の国家財政は、依然として厳しい状況にあります。
 持続可能な社会保障制度の構築と財政健全化を同時に実現するために、国は、社会保障と税の一体改革により、平成二十四年八月に税制抜本改革法を成立させた結果、消費税の増税が決定しました。国民に新たなる負担を求めるのであれば、前民主党政権が実施して失敗した場当たり的な事業仕分けではなく、行政の無駄を徹底的に排除し続けていく仕組みづくりが重要であります。
 この点、都は、全国に先駆けて、全ての会計に我が党が提唱する複式簿記・発生主義の新公会計制度を導入するとともに、これを活用しながら、財務局内に事業評価組織を創設し、事業評価を着実に進めた結果、財政再建に成功しました。
 そこで、これまでの事業評価による取り組みの成果と二十六年度予算編成に向けたさらなる取り組みについて見解を求めます。
 国は、平成二十年度税制改正において、地域間の財政力格差の縮小の観点から、法人事業税の約半分を消費税を含む税体系の抜本改革が行われるまでの暫定措置として、地方法人特別税として分離し国税化しました。平成二十四年八月に成立した税制抜本改革法において、地方消費税率の引き上げ時期を目途に、抜本的に見直しを行うことが明記されています。
 したがって、今回、消費税率の引き上げにあわせて、法律どおりに撤廃し、地方税として早急に復元すべきであります。しかし、国は輪をかけて、今度は基礎的自治体に影響が大きい法人住民税を一部国税化しようとしています。
 このことは、地方自治体の課税自主権を侵害するだけではなく、地方分権に真っ向から反するものであります。都は、毅然たる対応をすべきであることを強く求めておきます。
 次に、契約不調問題について質問します。
 景気の回復に応じて、都内の工事件数が増加している一方で、技術者の不足や資材単価の上昇から、都が発注する工事入札の中止、不調が相次いでおります。これは、都が発注工事ごとに主任技術者の専任を厳格に求めていることが原因の一つとなっております。
 国土交通省は、ことし二月、東日本大震災からの復興の円滑化を図るため、被災地三県に限っていた主任技術者の専任配置義務の緩和を被災地以外の地域にも拡大する通達を出しております。
 都は、こうした国の動向も受け、不調が増加しつつある現在の入札状況や中小企業からの意見も踏まえ、主任技術者の専任配置義務の緩和をすべきと考えます。所見を求めます。
 次に、中小企業の支援について質問します。
 昨年十二月、多くの国民の皆様の支持をいただき、公明党と自民党の連立政権が誕生しました。そのスピード感ある政策の展開により、日本の経済は長い低迷から抜け出し、前進を始めています。
 その上で、今後も首都東京が国内経済の牽引役を果たしていくためには、都内経済を支えている中小企業が力をつけ、発展していくことが何よりも重要であることはいうまでもありません。そのためには、海外市場などに販路を開拓していく努力も必要ですが、同時に、効果の高い設備投資をしっかりと行い、すぐれた技術やよりよい製品を生み出していくことが重要であります。
 しかし、リーマンショック以降の厳しい経済環境に苦しんできた経営者の方々からは、先行きの不安が拭い切れない、設備投資はしばらく見合わせたいという慎重な声もなお聞かれます。
 日夜地道に努力している中小企業のこうした声に耳を傾け、設備経費などの負担を軽減する支援策を講じるべきと考えますが、見解を求めます。
 最後に、中小企業の年末等の資金繰り支援について質問します。
 年末を控え、事業者の皆さんは資金繰りに奔走しております。景気が回復基調にあるとはいえ、まだまだ多くの中小企業が苦労されている状況をしっかりと受けとめ、年末に向けて万全の対策を講じるべきであります。
 我が党としても、先般、厳しい経済環境と都民の雇用不安への対応を求める緊急申し入れを行い、早急な対応を求めたところです。
 さらに、我が党がかねてから主張しているとおり、動産を担保として活用した融資制度の導入など、経営基盤の弱い零細事業者の資金調達の選択肢を広げる取り組みも積極的に進めるべきであります。あわせて見解を求め、都議会公明党を代表しての質問を終わります。(拍手)
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 長橋桂一議員の代表質問にお答えをいたします。
 教育に関する三点のご質問ですが、まず、大島町の被災者の心のケアについてであります。
 今回の災害を受け、都教育委員会では、本年十月二十一日から十一月十五日の間に、心理を専門とする職員やアドバイザリースタッフ、延べ五十五人を大島町に派遣し、児童生徒、保護者、教職員延べ百九十五人に対して面接やカウンセリング等を実施し、心のケアを行いました。
 現在、大島町と協議の上、こうした子供たちには、担任や養護教諭、学校に配置しているスクールカウンセラーが引き継いで対応をしております。
 発災時には、その後の心のケアも重要でありますことから、今後とも、都教育相談センターによる電話相談で子供たちに対応するとともに、大島町や都立高校からの要請に応じて心理を専門とする職員を迅速に派遣するなど、積極的に支援をしてまいります。
 次に、言語能力を育成するための取り組みについてであります。
 子供たちが、将来、国際社会を生き抜く上で必要な思考力、判断力、表現力などを育むためには、それらの力の基盤となる言語能力を向上させることが重要であります。
 都教育委員会は、平成二十三年度から言語能力向上推進事業を開始し、現在、推進校百九十五校では、スピーチを通して自分の考えや意見を論理的に述べたり、課題の解決に向けて対話や討論を行うなど、さまざまな言語活動を通し、児童生徒の言語能力を高める取り組みを行っております。
 今後は、実践事例をまとめた報告書を都内全公立学校に配布し、新たに発表会を開催して、その成果を普及するとともに、推進校が地域の拠点となり、言葉による発信力の向上や伝統的な言語文化を重視した指導に先進的に取り組むなど、一層の充実を図ってまいります。
 最後に、教員の国際交流についてでございます。
 教員が派遣先の大学等で学び、みずからの指導力の向上を図るとともに、海外の教員との交流や現地の文化や生活等に直接触れることは、教員としての資質を高め、国際的な視野を広げる上で極めて重要でございます。
 これまでも、都教育委員会は、現地の教育委員会と連携し実施している教員等の海外派遣研修において、現地校への訪問や現地校の教員と協力して行う事業などを通して教員間の交流を行ってきております。
 今後は、教育委員会相互の連携を強化して、こうした取り組みを一層充実していくとともに、海外派遣研修報告会や国際理解をテーマとした教員対象の研修に新たに派遣された国の教員等をシンポジストや講師に加えるなどして、教員相互の国際交流を推進してまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 特定緊急輸送道路に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、耐震診断の助成期限延長についてでございますが、建物所有者への粘り強い働きかけの結果、対象建築物のうち七割を超える建築物につきまして、診断が実施されております。
 お話のとおり、震災時における緊急輸送道路の機能を確保するためには、残り三割の建築物につきましても、耐震化に向けて着実に診断を完了させる必要がございます。
 都は、診断実施を促すため、合意形成に時間を要する分譲マンションへの個別説明を行うほか、効率的に建物調査ができるよう建築士団体とともに技術マニュアルを充実させるなどの取り組みを行ってきております。
 このような取り組みにより、現在、診断の準備を進めている所有者に対応するためにも、都は、今年度までとしていた診断の助成期限を来年度まで延長し、全ての特定沿道建築物の診断完了を目指してまいります。
 次に、耐震化の取り組みに対する費用負担についてでございますが、都は、国に対しまして、提案要求などの機会を通じて、耐震化助成の拡充を繰り返し要望してまいりました。
 こうしたことを受け、先月、改正耐震改修促進法が施行され、耐震改修促進計画に位置づけた建築物につきましては、国費助成を割り増す制度が創設されました。
 この制度を活用することにより、改修工事費の所有者負担を十分の一にまで低減することが可能となるなど、所有者にとって耐震化を進める上で大きな後押しとなります。
 全国に先駆けた条例に基づき、既に診断が実施された建築物も多い中、改修までに要する費用の負担を、年明け一月から軽減できるよう耐震改修促進計画の変更に着手しました。
 都は、引き続き特定沿道建築物の耐震化に積極的に取り組んでまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、大島の復旧、復興に向けた都の支援でございますが、都はこれまで、被災者に対する生活再建支援金の支給対象の拡大や中小企業への金融支援策の拡充など、被災者の実情を踏まえた都独自の支援策を講じてまいりました。
 また、大島町に対しましても、町道の復旧等に関する技術的助言を行うとともに、被災者の生活再建に必要な罹災証明書の発行業務を円滑に進めるため、都と区市町村で協力して職員を派遣するなどの支援を実施してまいりました。
 こうした取り組みに加えまして、現在、大島応急復旧プロジェクトチームのもと、観光キャンペーンの展開や農林、漁業等の基盤整備など、さらなる復旧、復興対策も検討しており、年内を目途に総合的な対策を取りまとめてまいります。
 今後とも、大島町と十分連携し、復旧、復興に向けた取り組みを全庁を挙げて進めてまいります。
 次に、東日本大震災に係る今後の避難者支援についてでございます。
 被災地では、現在、避難者の帰還を目指して、除染や災害公営住宅の建設に全力を挙げて取り組んでおり、地域により進捗に差はございますが、復興は徐々に進み始めております。
 また、国におきましても、原発事故による避難者の帰還に向けた対策を年内にも取りまとめることとしております。
 一方、都が二月に避難者に対しまして実施したアンケート結果では、都内に定住したい人の割合が四四%、復興や除染の目途が不明なため、帰還の時期は決められない人の割合が三二%となっており、個々の事情により、生活再建への思いもさまざまでございます。
 都は、こうした避難者の意向をより詳細に把握した上で、協議の場を設けるなど、避難元自治体と連携を図り、今後の支援策について検討を行ってまいります。
 次に、被災地における福祉のまちづくりへの支援についてでございます。
 東日本大震災の大津波により壊滅的な被害を受けた陸前高田市では、現在、中心市街地での土地区画整理事業などが進行する中、高齢者や障害者に優しい福祉のまちづくりを目指していますが、その制度設計を行う知識やノウハウが不足していると聞いております。
 被災地が復興に合わせ、パラリンピアンの合宿誘致などを進めることは、復興した姿を世界に発信するという、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の考え方にも沿うものでございます。
 都は、陸前高田市はもとより、岩手県の意向なども十分に踏まえた上で、関係局と連携し、支援について具体的に検討してまいります。
 最後に、被災自治体のPR活動に対する支援についてでございます。
 多くの都民が実際に被災地を訪れ、震災の経験と教訓を共有化することは、震災の記憶の風化防止及び都民の防災意識の向上を図る上で有益であると認識しております。
 現在、被災地では震災の記憶と教訓を伝承するため、地元の語り部ガイドや新たな観光ルートづくりを推進するなど、学びの場の拡大に取り組み始めています。
 一方、都はこれまで、観光支援として被災県等の意向も踏まえ、都内物産展等におけるPRを行うとともに、被災自治体の取り組みをホームページ等により広報するなどの支援策を展開してまいりました。
 今後、都は、こうして培った観光支援における経験やノウハウを活用し、被災自治体が防災研修を通じた交流を効果的にPRできるよう、必要な支援を行ってまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、大島町の被災者の心のケアについてですが、都は、町の要請に基づき、被災者が抱える災害後の急性ストレス障害や鬱、PTSDの発症など、心身の不調に対応するため、保健師、心理職等の専門職による多職種チームを、現在までに計四回派遣しております。
 チームは、被災地域の方を中心に、自宅などを個別に訪問し、災害後に起きている心身の変化に関する健康相談や、継続的な心のケアが必要な方を把握するためのスクリーニング調査を実施しております。
 今後とも、大島町と密接に連携しながら、保健師等による個別相談や精神科医による専門相談等を行い、被災者の心のケアに関する支援を継続して実施してまいります。
 次に、産後ケアの充実についてですが、出産後の母親の孤立感や育児不安の軽減を図る産後ケアは、子供の健やかな育ちと母親の心身の健康を支える上で重要な取り組みであり、虐待の未然防止にも資するものと認識しております。
 現在、区市町村は、家族などによる援助が受けられず、心身の負担感を抱える母親を対象に、親子で宿泊して二十四時間体制で支援するショートステイや、デイケア、相談支援などを行っており、都は、こうした取り組みを包括補助事業により支援をしているところでございます。
 お話のように、出産後、速やかに適切な支援につなげるためには、妊娠中からの継続した支援も重要であることから、今後、産前からの支援も含め、都としての新たな支援策を検討してまいります。
 次に、認証保育所の整備についてですが、待機児童の多くを占める低年齢児を中心に受け入れ、育児休業明けなど、年度途中のニーズにも柔軟に対応している認証保育所は、広く都民の支持を得て設置が進んでおり、本年十一月一日現在、七百カ所、定員は二万三千人を超え、東京の保育施策として不可欠なものとなっております。
 今後、平成二十七年度の子ども・子育て支援新制度の施行に向け、東京都子供・子育て会議の中で、都内の保育サービスの拡充策についても検討する予定でありますが、未就学児童や共働き世帯の増加により、引き続き保育ニーズの増大が見込まれる中、都としては、今後とも認証保育所を保育施策の重要な柱の一つと位置づけ、整備を支援していく考えでございます。
 次に、認証保育所についてですが、認証保育所は、ゼロ歳児保育や延長保育など、都民の要望が高いにもかかわらず、認可保育所での取り組みが進んでこなかった都市型保育ニーズに的確に対応することを目的に創設した制度であり、都はこれまで、国の制度に位置づけ、十分な財政措置を講じるよう要求してまいりました。
 今後とも、国に対して、これまでの認証保育所の実績を認め、子ども・子育て支援新制度の中に認証保育所を位置づけるよう強く求めるとともに、認可保育所の公定価格の具体的な設定に当たっても、大都市部における人件費、物件費等を考慮した上で、都市型保育ニーズに対応できる給付額とするよう強く求めてまいります。
 都は引き続き、区市町村と連携し、大都市の保育ニーズに応えるサービスの充実に取り組んでまいります。
 次に、保育人材の確保についてですが、都は平成二十一年度から、保育所勤務経験者で現在勤めていない方を対象に、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するほか、未経験の有資格者を対象としたセミナーなどのさまざまな取り組みを実施し、保育人材の確保に努めてまいりました。
 今年度は、この五年間に保育士登録を行った約三万人の方を対象に、就労や離職状況等に関する調査を実施しておりますが、現在までの集計では、約半数の方が保育士として働いておらず、再就職の条件として、勤務日数や時間、勤務地などを重視する回答が多くなっております。
 今後、この調査結果を詳細に分析し、ハローワークや保育士養成施設等、関係機関との連携も強化しながら、保育サービスを担う人材のさらなる確保策を検討してまいります。
 次に、高齢者の健康を支える相談窓口についてですが、都はこれまで、高齢者が住みなれた地域で安心して生活できるよう、シルバー交番設置事業により、健康を含めたさまざまな相談に気軽に対応できる窓口を設置する区市町村を支援してまいりました。
 また、高齢者や家族からの相談を受け、医療や介護などのサービスに適切につなぐことができるよう、地域包括支援センターの職員向けに、実践的な演習を盛り込んだ独自の研修を実施し、相談スキルのレベルアップを図ってまいりました。
 高齢化が進む中、住民に身近な区市町村の取り組みは一層重要となることから、地域包括支援センターのさらなる機能強化に向け、お話の医療と介護に精通した看護師など専門職を活用した新たな支援策を検討してまいります。
 複合型の高齢者施設の整備についてですが、都は現在、都市型軽費老人ホームと特別養護老人ホーム等を併設する場合や、認知症高齢者グループホームと他の地域密着型サービスを併設する場合に、補助額を加算する仕組みを設けるなど、地域の実情に応じた施設等の整備を支援しております。
 お話のような複合型施設の整備は、土地の確保が困難な都市部において、限られた土地を有効に活用する手法の一つであると認識しております。
 今後、こうした事例について、都が開催する区市町村や事業者向けの施設整備補助事業の説明会等で紹介し、区市町村が地域ニーズを踏まえて計画的に進める介護サービス基盤の整備を積極的に支援してまいります。
 最後に、特別養護老人ホームの整備促進策についてですが、国における都市部の高齢化対策に関する検討会報告書では、杉並区と南伊豆町のような住民同士の連携が深い自治体間での整備についても、関係都道府県の介護保険事業支援計画への明記が必要であるとともに、入所者本人の意思の尊重が前提であるという考え方が示されました。
 また、都内の老人福祉圏域間では、都の介護保険事業支援計画に明記することで、特別養護老人ホームの整備数の調整を可能とするという考え方も示されております。
 都は、介護基盤の整備促進に向け、国に対し本年九月、都市部における整備手法として、近接する複数の区市町村が共同設置し利用する仕組みの構築を緊急提言しており、今後、介護保険制度の改正も見据え、新たな特別養護老人ホームの整備促進策を検討してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 文化振興に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、芸術文化を活用した伊豆大島の復興支援についてであります。
 いまだ不自由な生活を余儀なくされている被災した方々を初めとする島民の方々の心を癒やし、あすへの希望を見出すため、文化の力で復興を支援することは重要であります。
 また、島の本格的な復興のためには、できるだけ早く、主要な産業分野である観光業の再建を進めていくことも重要であり、芸術文化を活用した支援に取り組むことは、そうした面からも大きな力になると考えられます。
 このため、今後、都としては、地元大島町の意向を踏まえながら、東京都交響楽団やヘブンアーティストを派遣するとともに、椿まつりなど観光行事との連携についても検討してまいります。
 次に、東京都交響楽団の教育、社会貢献活動への取り組みについてであります。
 東京都交響楽団は、子供たちや高齢者、障害者などのための演奏活動にも積極的に取り組んでおりまして、昨年度は、都内で小中学校を対象とした音楽鑑賞教室、多摩・島しょ地域でのコンサート、福祉施設や病院への出張コンサートなど、約百三十公演を実施しております。
 また、被災地の人々の傷ついた心を癒やすため、平成二十三年度から行っている復興コンサートや学校の教室を利用した子供の演奏体験事業なども、いわき市などで二十二回行い、こうした教育、社会貢献プログラムは、都響の年間全二百五十一公演のうち六割以上を占めております。
 今後も、東京都が設置したオーケストラの役割として、多くの人々が質の高い演奏活動を通じて音楽のすばらしさに触れられるよう、教育、社会貢献活動を充実してまいります。
 最後に、今後の東京都交響楽団の活動についてであります。
 昭和四十年に前回の東京オリンピックのレガシーとして発足した都響は、現在では日本でトップレベルの交響楽団との高い評価を得ておりまして、定期演奏会などの自主公演は高い集客率を誇り、固定ファンである都響会員数もこの五年間で千人増加し、約七千人となっております。
 この間、民間からの積極的な資金の獲得や、オーケストラとしては画期的な人事制度の改革にも取り組むなど、経営面でも健全化をなし遂げてまいりました。
 創立五十周年に当たる平成二十七年には、世界的に活躍する指揮者である大野和士氏を音楽監督に迎え、秋にはヨーロッパの名立たる音楽都市をめぐる記念公演を予定しております。
 七年後の東京オリンピック・パラリンピックで、都響が文化プログラムにおいて大きな役割を果たせるよう、今後も、質、量ともに楽団員の充実を図るとともに、さらなる経営努力に取り組み、国際的にも評価されるクオリティーの高い演奏活動を展開してまいります。
   〔建設局長横溝良一君登壇〕

〇建設局長(横溝良一君) 中小河川の整備についてでございますが、頻発する集中豪雨に対応するためには、河川整備を一層効率的、効果的に進めることが重要でございます。
 このため、従来の目標を超える降雨に対しましては、道路や公園などの公共空間を活用して新たに調節池を設置することとし、近年、洪水による被害のあった石神井川や境川など五つの流域において、設置箇所や構造形式などを検討しております。
 また、神田川、石神井川、白子川の三つの異なる流域において調節池を相互に活用する広域調節池のルートなどの検討を開始いたしました。この整備により、時間百ミリの局地的かつ短時間の集中豪雨に対しても効果を発揮することができます。
 今後とも、都民の生命と財産を守るため、中小河川の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、被災地応援ツアーについてでありますが、都は、東日本大震災による被災地復興支援のための緊急対策の一環として、平成二十三年九月より被災地応援ツアーを実施しております。
 今年度は、宿泊二万泊、日帰り一万五千人分について、その費用の一部を助成しております。
 本ツアーについては、取り扱いを希望する中小の旅行事業者の数が予定の約二倍に上り、また、多くの旅行者が福島県を訪れ、現地での消費が喚起されるなど、観光振興による復興に貢献しております。
 福島県への送客につながる被災地応援ツアーについては、福島県の観光の状況等を踏まえ、検討してまいります。
 次に、仕事と介護の両立に関する情報共有についてでありますが、介護は、育児と比べて、問題に直面する従業員の置かれている状況やその事例がより多様となっております。
 こうした中、民間企業が職場で仕事と介護の両立を実現する上で他の会社の取り組み事例を参考とすることは効果的であります。
 これまで都は、介護も含め仕事と生活の両立を推進するため、すぐれた取り組みを行う中小企業の認定などを行ってまいりました。
 こうした施策に加え、今後は、仕事と介護の両立支援に取り組む事例の情報発信や、企業同士が情報交換できる機会の提供などを検討してまいります。
 次に、仕事と介護の両立に関する調査についてでありますが、民間企業での実態について、都は、職場における男女平等に関する調査の中で、介護と働き方についての基本的な内容を調べております。また、国や民間機関等も、全国のさまざまな企業や従業員などを対象に調査報告を取りまとめております。
 こうした中、都は、より効果的な施策の展開に役立てるため、東京の中小企業を対象に、従業員が働きながら介護を行う上での問題点や会社としての対応の状況等について、きめ細かく把握する必要がございます。
 今後、仕事と介護の両立の支援を一層進めるため、都内中小企業やその従業員を対象とした実態調査を検討してまいります。
 次に、中小企業の設備投資への支援についてでありますが、都内中小企業が着実に発展していくためには、新しい事業展開や競争力の高い製品づくりに向けて、効果的な設備投資を実行していくことが必要であります。
 しかし、新しい設備の導入は資金面で大きな負担となることから、中小企業にとって慎重にならざるを得ない側面もございます。
 そこで都は、今後、成長産業への参入や付加価値の高いものづくりを目指す中小企業を後押しするため、設備投資に対する助成制度を検討してまいります。
 こうした取り組みにより、東京の産業を支えている都内中小企業の成長を促進してまいります。
 最後に、中小企業の資金繰り支援についてでありますが、中小企業が事業運営に必要な資金を円滑に調達できるよう、都は、制度融資により、さまざまな融資メニューを提供しております。年末にかけては、特に資金ニーズが高まることから、資金繰り支援をさらに強化する必要がございます。
 このため、短期の運転資金の迅速な調達に対応し、原則として三営業日以内で保証審査を行うつなぎ資金融資について、上限額を引き上げる措置を講じております。
 これに加え、年末には特別相談を実施し、事業者の相談にきめ細かく対応するなど、支援に万全を期してまいります。
 また、中小企業の資金調達の選択肢を広げ、経営の安定化に資する観点から、売掛金などの動産を担保として活用する融資制度についても検討を進めてまいります。
   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君) 水産物の消費者団体向けの研修会についてでございますが、都はこれまで、青果、水産の市場関係者に加え、青果物の消費者団体向けの被災産地支援研修会を実施し、福島県内での安全・安心確保への取り組みを消費者や販売先に伝えてもらうなど、風評被害の払拭に取り組んできました。
 研修会の参加者からは、現地の検査体制を視察し、出荷関係者と直接意見を交わしたことで、安全・安心を体感できた、これだけの検査を行っていることを大勢の人に知ってほしいといった意見が出るなど、現地の取り組みへの理解が深まる有意義な機会となりました。
 現在、水産物につきましては、試験操業の区域及び対象魚種は徐々に拡大され、今後、首都圏市場への本格的出荷に向けた取り組みが進んでいくものと考えられます。
 こうした参加者の意見や被災産地の状況を踏まえまして、福島県産品の安全確保対策への理解促進が図られるよう、水産物につきましても消費者が直接見聞する機会を設けることを検討するなど、引き続き風評被害の払拭に取り組んでまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック大会運営への被災地の声の反映についてでございます。
 都は、二〇二〇年東京大会が被災地復興に向けての大きな力となることから、立候補ファイルの策定に合わせて、復興専門委員会を設置し、大会の運営主体となる大会組織委員会や都など、さまざまな主体による取り組みを盛り込んだ最終報告を取りまとめました。
 報告の中では、東北地方の伝統文化を取り入れた文化事業の実施や事前合宿の誘致、被災地での聖火リレーの実施やサッカー予選の開催など、復興に資する具体的な事業を提言しております。
 今後、これらの支援策を着実に実施するためには、被災地の自治体等と緊密な連携を図ることが必要であり、ご提案のありました被災地の声を聞く組織についても、組織委員会等の体制整備の中で検討してまいります。
   〔知事本局長中村靖君登壇〕

〇知事本局長(中村靖君) 少子化対策における若年者の意識聴取についてでありますが、都はこれまで、認証保育所の創設など、都独自の取り組みにより少子化対策を進めてきたものの、未婚化、晩婚化の進行など、さまざまな要因により少子化の流れを食いとめるまでには至っておりません。
 このような現状を踏まえ、従来の子育て家庭への支援に加え、結婚や出産前の若年者支援について、局横断的に対応するため、構造的福祉プロジェクトチームの中に若年者支援部会を設置いたしました。
 検討を進めるに当たり、若年者の意識やニーズを把握することは重要であると考えております。
 このため、若年者問題に詳しい専門家などの有識者にヒアリングを実施するとともに、今後は、インターネットにより、若年者を中心とする都内在住の二千人を対象として、就職、結婚、出産、行政に期待する取り組みなど、幅広い意見を聞く調査を実施していきます。
 これらの取り組みを通じて、若年者のニーズを多面的に把握し、施策に反映してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

〇病院経営本部長(醍醐勇司君) 東京都保健医療公社病院における在宅療養支援についてでありますが、急性期を脱した患者が安心して在宅療養生活を送れるよう、在宅医療に対する支援も含め、地域医療連携体制を強化していくことは大変重要であります。
 これまでも、公社病院では、各病院が地域の実情に応じまして、関係機関と積極的に連携した退院患者の急変時受け入れや、在院時から訪問看護ステーション等と連携して退院後の具体的な支援計画を作成するなど、在宅移行支援に向けたさまざまな取り組みを行っております。
 今後、公社の全ての病院におきまして、患者支援センターを順次整備し、在宅医や訪問看護ステーション、地域包括支援センター等との連携強化を図るとともに、地域医療充実の観点から在宅移行患者の急変時における受け入れ体制の強化にも取り組んでまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、事業評価の取り組みについてでありますが、平成十八年度に予算編成と一体的に実施する仕組みに制度を再構築して以降、昨年度までの七年間の取り組みにおいて、千五百九十九件の評価結果を公表し、累計で一千七百四十億円の財源確保につなげるなど、着実に成果を積み重ねてきております。
 この事業評価について、二十六年度予算編成に向けては、新たな公会計制度の活用など、これまで進めてきた取り組み内容を検証し、さらなる評価手法の強化、改善を図ってまいります。
 具体的には、監査事務局において新たに事例集を作成することにより、監査結果を活用した全庁横断的な検証が可能となる事例をより多く提示することといたしております。
 加えて、新たな取り組みとして、職員提案制度等を活用し、優良な事例について、その改善内容を迅速かつ的確に予算へ反映するとともに、他局においても同様の見直しが可能な類似事例がないかどうか横断的な検証を行うこととしております。
 今後とも、事業局や関係部局との連携を密にし、これまで以上に創意工夫を凝らすなど、事業評価のさらなる進化を図り、効率的、効果的な事業実施につなげてまいります。
 次に、工事における主任技術者の専任配置の緩和についてでありますが、お話のとおり、国は、工事現場に配置される主任技術者の専任の緩和に係る取り扱いについて、先般、地方自治体へ通知したところであります。
 都においても既に検討を開始しておりますが、国と同様の措置を講ずる場合は、工事現場の管理や周囲の安全対策、工事間の連携などへの影響について、工事現場の多くが高密度な市街地にある大都市特有の状況を踏まえ、慎重に検証を行う必要がございます。
 このため、工事を主管する部局等と連携し、主任技術者の専任の緩和に向け、適切な条件の設定について検討を進めてまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時四十一分休憩

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