平成二十五年東京都議会会議録第十三号

〇副議長(藤井一君) 四十七番三宅正彦君。
   〔四十七番三宅正彦君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇四十七番(三宅正彦君) 初めに、国際コンテナ戦略港湾政策への対応について伺います。
 東京港は、川崎港及び横浜港と連携し、コスト低減や国内貨物集荷などさまざまな施策を展開してきており、平成二十二年八月には、国際コンテナ戦略港湾に京浜港として選定されました。このたび、その取り組みの一環として、東京港埠頭株式会社が、港湾法に定める特例港湾運営会社の申請を行いました。今後、三港の特例港湾運営会社の経営統合により発足した会社が京浜港の運営に当たることが、港湾法上予定されています。
 コンテナ船のさらなる大型化や基幹航路の再編といった海運、港湾を取り巻く情勢が変化する中、こうした京浜港が連携した取り組みは重要ではありますが、一方で、我が党はこれまでも、都民生活に直結し、日本経済を支える東京港の発展のためには、港湾管理者として現場を熟知した都が責任を持ってその運営に当たることが必要と主張してきました。
 先般、国が港湾運営会社に出資するとの報道などもありましたが、今後、特例港湾運営会社の指定を踏まえて、国際競争力強化に向け、東京港の運営にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、東京港における地震、津波、高潮対策について伺います。
 我が党は、事前防災、減災、迅速な復旧、復興を実施するために、社会インフラの老朽化対策、耐震化の加速など、国土強靭化を強力に推進することを表明してきました。今後は、国を挙げてこれを実行し、国民の安全を守ることが求められています。
 とりわけ東京においては、都民の生命、財産、首都としての中枢機能を守るため、着実な取り組みが必要です。都は、昨年十二月に、新たに東京港海岸保全施設整備計画を策定し、既に防潮堤の耐震対策や水門の遠隔操作を行う高潮対策センターの二拠点化に取り組んでいると聞いています。
 二〇二〇年にオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定した今、より確実に地震、津波、高潮対策を実施して、高度な防災都市を実現し、東京の安全性を世界に示していかなければなりません。
 そこで、東京港における地震、津波、高潮対策について、知事に伺います。
 次に、産業振興について伺います。
 リーマンショック後の景気低迷の中で、都内中小企業の多くが取引先の減少などによる売上高の低迷に苦しんできました。こうした中小企業に対し、都では経営相談を行うとともに、販路の開拓が必要という助言を受けた企業を対象に展示会への出展などを支援して、好評を得ています。
 一方で、アベノミクス効果により日本経済が順調な回復を見せる中、都内中小企業の中には、製品の改良に取り組む企業や、新たな販路を海外に求める企業など、さらなる成長を目指して積極的な取り組みを行うところもあります。政府の成長戦略と軌を一にして都内経済の活性化を図るためには、景気低迷によるダメージからの回復を目指す企業だけではなく、自社の成長を目指して新たなチャレンジを行う企業に対しても、販路の拡大に向けた支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、若年者の就業支援について伺います。
 次代を担う若者は、これからの東京の産業を支える貴重な人材であり、その安定した就業の実現に向けた効果的な支援策の充実は極めて重要です。
 我が党もそうした観点から、これまで若年者の就職を緊急的に支援する事業や、成長力のある産業分野の会社への就業をサポートする事業について、しっかりと展開していくよう、一貫して主張してきました。
 都もこれに応え、民間のノウハウを生かした若年者就業支援を行うとともに、国からの交付金も財源としながら、紹介予定派遣制度を効果的に活用した事業に取り組み、成果を上げてきました。
 しかし一方で、来年度より、国からの交付金がこうした事業の財源として活用できなくなることが見込まれています。
 そこで、若年者の就業支援については、都が責任を持ち、一層の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京の農林水産業について伺います。
 まず、農業振興について伺います。
 東京では、大消費地にある優位性を生かし、鮮度の高い農産物が、都民の食卓はもとより、都内の飲食店などにも供給されるなど、地産地消が進んでいます。島しょ地域でも昔ながらのさまざまな野菜が見直され、特産料理として提供されるなど、地産地消の芽が育ちつつあります。また、都市農地は、農業の生産基盤としてだけではなく、都民生活に潤いと安らぎをもたらし、災害時の避難場所となるなど、多面的な機能を有しています。
 近年、農業者の高齢化や収益性の悪化、農地の減少など、農業を取り巻く環境は厳しさを増していますが、経営の多角化などにより、収益性の向上を目指す意欲的な農業者も数多くいます。
 そこで、東京農業の振興に向けて、農業者の経営力の向上と農地の保全についてどのような取り組みを強化すべきと考えているのか、所見を伺います。
 次に、林業振興について伺います。
 東京の総面積の四割を占める森林は、木材供給に加え、水源の涵養や二酸化炭素の吸収、固定など、多様な機能を有しており、森林整備の一翼を担う林業の振興は極めて重要です。
 我が党がこれまで、林業振興の重要性を主張してきたことを受け、都が林道などの基盤整備や、スギ花粉発生源対策の主伐事業を推進していることにより、伐採更新が促進され、森林の循環が動き出すなど、着実に成果を上げてきています。
 しかし、木材価格の低迷が続いている中で森林整備を着実に推進していくためには、急峻な地形など東京の森林の特徴に対応した林業コストの低減とともに、多摩産材の普及策の強化が必要です。
 こうした課題を踏まえ、どのように林業の振興を図っていくのか、所見を伺います。
 次に、水産業振興について伺います。
 島しょ地域の水産業は、価格の低迷や漁獲量の減少に加え、燃油価格の高どまりなど、厳しい状況が続いています。実際に漁業者からは、燃油節約のため、漁船の速度を落として運転せざるを得ず、漁場に到着するまでに以前の倍以上の時間がかかっているとも聞いています。
 そうした中、東京都漁業協同組合連合会から我が党に対し、都が現在実施している島しょ地域の漁業用燃油の運搬経費補助の継続に加え、漁業者の燃油負担を軽減する支援策の実施について要望書が提出されました。
 我が党としても、燃油の高騰は、島しょ地域の基幹産業である水産業の低迷につながり、ひいては地域の活力をも失いかねない重要な課題であると認識しており、早急な対応が必要と考えています。
 そこで、こうした漁業者の切実な声に対し、どのように対応していくのか、所見を伺います。
 次に、東京ERの機能強化について伺います。
 都立病院は、平成十三年に墨東病院に東京ER・墨東を開設したのを皮切りに、広尾病院、多摩総合医療センターと小児総合医療センターに東京ERを設置し、救急医療の充実に取り組んできました。現在の救急医療の実態を見ると、救急患者は年々増加しており、中でも高齢化に伴い重症化、合併症を有する患者がふえています。このような医療環境の変化を踏まえ、我が党は、次世代の医療ニーズに対応した東京ERの機能強化を図るよう、さきの都議会議員選挙においても公約しました。
 都立病院では、医療環境の変化に対応すべく、本年三月、都立病院改革推進プランを策定し、東京ERの機能強化を図ることとしていますが、今後、東京ERをどのように機能強化していくのか、所見を伺います。
 さて、救急医療を含め、医療の確保は、私の地元である島しょ地域では切実です。島しょ地域では約三人に一人が六十五歳以上という、まさに超高齢社会が既に到来しており、医療に対する住民の要望は高いものがあります。
 都立病院は、都立病院改革推進プランにおいても、島しょ医療を行政的医療として位置づけ、広尾病院がその役割を担っており、島しょ地域の医療機関では、必要に応じてCT等の画像をもとに広尾病院へ診療支援を依頼する件数も年々増加していると聞いています。直面する超高齢社会の中でも、高度で専門的な医療を提供するため、今後、必要となる医療機能の強化に合わせたハード、ソフト両面での環境整備が必要であると考えます。
 そこで、島しょ医療を初めとする広尾病院の今後の医療機能などの強化について所見を伺います。
 次に、島しょ振興について伺います。
 まず、小笠原諸島の交通アクセスについて伺います。
 小笠原諸島は、昭和四十三年六月に我が国に返還されてから、本年で四十五周年を迎えました。来月五日には、父島において返還記念式典が開催されることになっていますが、小笠原にとって最重要課題は本土との交通アクセスの改善です。中でも航空路開設は、島民の長年の悲願であり、開設に向けた取り組みを着実に進めていく必要があります。
 現在、本土から千キロメートル離れた小笠原との交通手段は、片道二十五時間半かかる週一便の「おがさわら丸」しかありません。この船は、就航から十五年以上経過し、主に外洋を走ることから経年劣化が進行しています。
 また、世界自然遺産登録後、観光地としての知名度が上がり、これまでの来島者の中心であった若年層に加えて、ゆったりと旅行を楽しむ熟年の方々が数多く見られるようになっています。しかしながら、バリアフリーなどの対応もおくれているのが実情です。
 こうした状況の中、地元である小笠原村からも船舶更新に対する要望が出されています。小笠原の民生安定化と産業振興を進める上で、一刻も早く新たな船舶を建造する必要があると考えます。
 私は第一回定例会でこの点について質問し、都は、新たな部会を設置し、小笠原航路の改善などについて検討を始めたとの答弁がありましたが、新たな船舶の建造についての取り組みについて伺います。
 最後に、島しょ地域のエネルギー確保について伺います。
 島しょ地域では、医療体制や海底光ファイバーケーブル網の整備などによるインターネット利用環境の改善など、本土との格差を是正すべき課題がまだまだ多くあります。とりわけ、災害時に孤立する危険のある島しょ地域では、エネルギーの確保は重要な課題です。
 この五月に国が公表した南海トラフ巨大地震対策についての最終報告の中では、南海トラフによる巨大地震に伴う、従来の想定を大きく上回る津波の可能性が示され、その被害が懸念されます。
 このような状況を踏まえ、島しょ地域において、災害時のエネルギー確保の議論も活発になってきています。島しょ地域では、これまでも独自のエネルギー確保は重視されており、既に八丈島における地熱発電の拡大に向けた検討などが始まっています。
 しかし、昨今の被害想定の見直しを考えれば、これまで以上に島しょ地域のエネルギー確保は重要性を増していると考えます。
 その一環として、地産地消の自然エネルギー利用をさらに拡大することが有効と考えますが、所見を伺いまして質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 三宅正彦議員の一般質問にお答えいたします。
 東京港における地震、津波、高潮対策についてでありますが、東京は、東京湾、運河、川など豊かな水辺環境に恵まれた水の都であります。しかし、一たび大規模地震が発生し、水門や防潮堤などの機能が失われると、ゼロメートル地帯など東京の沿岸部は浸水し、約三百万人が暮らす地域に被害が及ぶことになります。
 このため、東京湾北部地震や元禄型関東地震などの最新の被害想定をもとに、昨年、整備計画を策定し地震、津波、高潮対策を強化することにいたしました。
 津波や高潮のおそれがあるときは水門を確実に閉めなければいけません。水門を操作する高潮対策センターに被害が出た場合も想定し、バックアップ体制をとる必要があります。そのため水門を閉めるための遠隔操作を行う拠点を、現在の一カ所から二カ所にふやすことにしています。既に新たな施設の工事に着手して、平成二十七年度には稼働することが予定されています。
 さらに、東京の沿岸部の第一線を守る水門、防潮堤については、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、耐震対策や、水門を動かす電源設備を浸水から守る耐水対策を完了することにしています。
 こうした取り組みを着実に進めることで、日本の心臓である首都東京の安全性を高めていきます。
 なお、その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 今後の東京港運営の取り組みについてですが、激化するアジア諸港との競争の中、国際競争力の強化を図るためには、東京港ならではの強みを最大限発揮していくことが必要でございます。そのため、東京港の運営に当たっては、東京の産業政策やインフラ整備と一体的に取り組むことが求められております。
 また、利用者サービスのさらなる向上を図るため、川崎港、横浜港と連携した取り組みを展開するとともに、特例港湾運営会社の経営統合を検討していく中においても、現場の実態を熟知した東京都が責任を持って港湾経営にかかわっていく体制を確保してまいります。
 なお、国土交通省は、港湾運営会社に対する国の出資など、出資構成の見直しを行うため、港湾法を改正する方向性を示しましたが、こうした国の新たな動きが、東京港の国際競争力の強化にとって具体的にどのような意義、効果があるのか、明らかにするよう国に求めてまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、成長に結びつく販路開拓支援についてでありますが、都はこれまで、厳しい経営環境に置かれた中小企業の受注機会の拡大に向けた取り組みを後押しするため、目指せ中小企業経営力強化事業により、展示会への出展助成を行うなど販路開拓の支援を行ってまいりました。
 国の成長戦略と歩調を合わせ、都内産業のさらなる活性化を図るためには、これまでの施策に加え、成長を目指して新たな取り組みを行う中小企業に対しても、新規取引先の確保に向けた積極的な支援を実施していくことが重要であります。
 今後は、都内中小企業の競争力をさらに高めていくため成長分野への参入など、新たな事業展開に取り組む意欲的な中小企業に対する販路開拓支援の充実について検討してまいります。
 次に、若年者の就業支援についてでありますが、将来を担う意欲ある若者と人材を求める中小企業とを結びつけることは、東京の産業の持続的発展を図る上で重要であると認識しております。
 このため、都は今年度、新たに民間就職情報サイトを活用して中小企業の求人情報を効果的に発信するほか、研修と就労体験を組み合わせた就職支援プログラムを千四百人規模で実施するなど、若年者と中小企業とのマッチングを支援するさまざまな事業を展開しております。
 こうした中、就職支援プログラムの財源である国の緊急雇用創出の特例交付金の活用は、今年度で終了する予定となっております。しかし、東京における若年者の就業推進は喫緊の課題であることから、都としては、より効果的、効率的な事業となるよう必要な見直しを加えるなど若年者就業支援策について、質と量の両面からさらに充実を図るよう検討してまいります。
 次に、農業の振興についてでありますが、東京において農業を振興していくには、大消費地を抱えるメリットを生かした農業経営と、農地の多面的機能の発揮という両面から、一層の施策の充実が必要であります。
 このため都は、施設整備への助成や農業経営の相談体制の整備のほか、地産地消を推進することにより、経営力向上を支援しております。また、防災兼用農業井戸や農業体験農園の整備など、農地を生かしたまちづくりに取り組む八つの区市を応援し、農地保全を図っております。
 今後は、農産物の加工品開発や販路開拓など、農業者の新たな取り組みに対する支援策に加え、地産地消の推進策として区部や多摩地域で実施している、とうきょう特産食材使用店登録制度を島しょ地域に拡大するなど、経営面における支援の強化を検討してまいります。
 また、都市農地の保全に向けては、モデルの八区市で行ってきた取り組みが地域の評価も高いことから、今後は農地保全に意欲的な他の区市への展開を検討してまいります。
 こうした取り組みにより、総合的に農業振興を図ってまいります。
 次に、林業の振興についてでありますが、森林における伐採、利用、植栽、保育という循環に不可欠な林業を振興していくには、林道整備などの基幹的な施策を着実に実施するとともに、さらなる生産性向上と需要拡大に向けた取り組みを進めていくことが重要であります。
 そこで、都は、急峻な地形への対応など東京の森林整備を行う上での課題を踏まえ、最適な木材搬出手法の導入や森林作業道を設置する技術者の養成など、コスト低減に必要な施策の充実を検討してまいります。
 また、多摩産材の利用拡大には、次代を担う子供たちへのPRが効果的であるため、保育園等の内装の木質化に対する支援など、普及啓発活動の充実を検討してまいります。
 今後とも、東京の森林整備の特徴等を踏まえ、効果的な林業振興を図ってまいります。
 最後に、島しょ地域の漁船用燃油高騰対策についてでありますが、水産業はコストに占める漁船用燃油費の割合が他産業と比較して高いため、近年の燃油価格の上昇が経営に与える影響は大きいと考えております。
 そこで、都は、燃油価格高騰による水産業への影響を抑えるため、平成二十年度から、島しょ地域に漁船用燃油を輸送する経費について補助しております。
 しかし、今般の燃油価格高騰により、島しょ地域の漁業者は、より一層厳しい経営状況となっております。
 このため、都は、島しょ地域の重要な産業である水産業を下支えする観点から、燃油価格高騰時に価格差を補塡する国の制度を活用し、補塡金に上乗せする仕組みについて速やかに検討してまいります。
 今後とも、きめ細かな水産業支援策を推進してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

〇病院経営本部長(醍醐勇司君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、東京ERの機能強化についてでありますが、救急搬送患者の高齢化に伴う、合併症を有する患者や重症患者の増加に対し、今後、先進的な医療機器の導入や施設改修を行い東京ERの機能強化を図ってまいります。
 具体的には、墨東病院で平成二十六年度に開設予定の新館に、特定集中治療室及び心臓疾患や脳卒中に対応した集中治療室を整備いたします。また、広尾病院におきましては、救急の初期診療室の改修や、内科と外科が一体で治療を行うハイブリッド手術室の設置に向けた検討を行ってまいります。さらに、多摩、小児、両総合医療センターにおきましては、それぞれ心臓疾患への対応やこども救命センターの機能拡充を目指します。
 加えまして、東京ERを初め、都立病院の救急医療の充実を図るため、トリアージ機能の強化や地域の医療機関等との連携を推進し、円滑な転退院を支援する体制を構築してまいります。
 次に、島しょ医療を初めとする広尾病院の医療機能強化についてでありますが、広尾病院では、島しょ地域の医療機関と病院を結ぶ画像診断システムの技術の向上に伴い、診療支援、入院の件数とも、ここ三年で倍増しております。あわせまして画像の精度向上や検査枚数の増加から、専門医による質の高い助言が可能となり、疾患の早期発見、治療につながっているところです。
 一方で、高齢化による医療環境の変化から、将来を見据え、今後、特に脳血管疾患や心臓病医療を強化する必要がございます。
 このため、ER関連施設の改修や、複数の専門員が一体となって、先進的な治療を安全に実施するハイブリッド手術室の新たな整備に向けた具体的な検討を行ってまいります。
 今後とも、島しょ地域を初め、さまざまな医療ニーズに対応した専門的な医療が提供できるよう一層の強化を図ってまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 小笠原航路における新たな船舶の建造についてでございますが、本土から小笠原諸島への唯一の交通アクセスである船舶の確実な運航は、島民生活の安定と産業振興を図る上で極めて重要でございます。
 一方で、ご指摘のとおり、現在運航しております「おがさわら丸」の経年劣化が進むとともに、世界自然遺産登録後、観光客の増加、特にシニア層が増加し、また、今後は海外からの観光客の増加も見込まれるなど、その取り巻く環境は大きく変化しつつあります。
 そこで現在、都は、国や小笠原村、運航事業者で構成いたします小笠原航路部会において、利便性の向上等に向け、新たな船舶の建造の検討を進めており、今後とも、関係者との協議を精力的に行い、可能な限り早期に実現できるよう取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 島しょ地域の自然エネルギー利用についてでございますが、島しょ地域は、太陽光や風力、地熱などに恵まれており、各島の特性に応じ、地産地消の自然エネルギーを活用することは重要と認識しております。
 自然エネルギーは、一般的に変動が大きく、島内で安定的な電力供給を図るには課題もありますため、送電系統を運用する東京電力とも連携しながら検討を進めてまいります。
 また、海に囲まれた島しょ地域は、波力や潮力など海洋エネルギーのポテンシャルにも恵まれ、将来的にその活用が期待されます。
 そのため、昨年国が示した海洋エネルギー利用促進に関する取組方針のとおり、海底送電ケーブルを初め必要なインフラ整備を着実に進めるなどの実用化に向けた取り組みを、国に対して強く求めてまいります。

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