平成二十五年東京都議会会議録第八号

〇議長(中村明彦君) 四十七番くりした善行君。
   〔四十七番くりした善行君登壇〕

〇四十七番(くりした善行君) 都の就労支援施策について伺います。
 五月二十一日、都において、失業者や転職を希望する人に対する就職支援のあり方を見直す検討会議が設置をされました。猪瀬知事はこれにつき、かねてから主張していた、ハローワーク業務の国から地方への移譲を求めていく上での一つのステップだというふうに宣言をされております。
 現在、国で行われている地方分権の議論の中でも、ハローワーク業務の移管については、専門部会が設置されるなど、特に重要視をされております。
 我々維新の会は、地方の潜在力を生かし、国民生活をより豊かにする、中央集権体制の打破、地方分権を大きな柱として掲げております。この移管の成否が今後の地方分権の流れを左右することから、この移管については、国政とも連携しながら後押しを行っていきたいと考えております。
 その前段階となる都の新たな就労支援施策においても、都民の方から見て使いやすいサービスと、今後のハローワーク業務の移管を見据えたサービス構築とを両立していかなくてはいけないと考えますが、検討会議における議論から構築をしようとしているTOKYO就活スタイルの実現を通して、都はどのような付加価値をつくり出そうとしているのか、また、ハローワークとの今後の連携、すみ分けについてはどのように考えているのか、知事の所見をお伺いいたします。
 昨年四月、石原慎太郎前東京都知事が発表した、都による尖閣諸島購入計画に対して、日本全国から、都に対して十四億円を超える多くの寄附金が寄せられました。政府が国有化を表明したことから、この寄附金は、国による施設整備のために基金として活用を待っている状態でありますが、寄附の数は十万件以上、また、中には百万円を超える大口の寄附を行った方もおられると聞いております。
 それらの方々の思いにこたえるためにも、都からも国に対して積極的な活用の提言を行っていかなくてはならない、また、経過についても、国民に向けて発信をしていかなくてはならないと考えます。都は、尖閣諸島活用基金の取り扱いについて、今後、国に対して施設整備等活用策を提案していくとしておりますが、その進捗状況についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) くりした善行議員の一般質問にお答えします。
 就業支援についてでありますが、都内ハローワークには年間百万人を超える求人がありますが、八割の求人情報は眠ったままであります。
 本来ならば、ハローワークを移管して、仕事のやり方を変えることで、硬直した労働市場を改革していくべきであります。しかし、遅々として進まない現状にあることから、日本の心臓部である東京から、就職支援を時代に即した効果的なスタイルに変えていく必要があります。
 東京は、人材サービス事業者の集積において全国で群を抜いており、また、近年、若者の就職活動におけるSNSの普及は目覚ましいものがあります。
 このため、東京都は、民間事業者の知恵やノウハウを活用した都独自の就職支援モデルや、SNSを活用した新しいスタイルの構築に向け、先月、TOKYO就活スタイルプロジェクトチームを立ち上げ、第一回目の会合では活発な議論が交わされたところであります。
 TOKYO就活スタイルという東京モデルをつくり、その成果を示すことで、我が国の雇用政策のあり方そのものを変えていきたいと思っております。
 なお、その他の質問については知事本局長が答弁いたします。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 尖閣諸島活用基金についてのご質問にお答えいたします。
 東京都は、寄せられた寄附金の志を受けまして、所有者となった国が行う島々の活用に関する取り組みの資金とするために、本年三月、さきの定例会の議決に基づきまして、十四億円を超える基金を造成したところでございます。
 昨年九月、国の所有に先立ちまして都が行った現地調査では、地元漁業者のための施設の設置や自然環境の保護などの必要性を確認いたしました。施設の設置等については国が判断するものでございますが、現在、これらの課題について、情報収集や関係省庁との意見交換等を行っております。
 今後も、この基金を国に託すため、石垣市など地元自治体とも連携し、都民、国民の志が生かされるよう国への提案等を通じて対応してまいります。

〇議長(中村明彦君) 以上をもって質問は終わりました。

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