平成二十五年東京都議会会議録第八号

平成二十五年六月四日(火曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番大場やすのぶ君
四番和泉 武彦君
五番福士 敬子君
六番矢島 千秋君
八番野上ゆきえ君
九番山下ようこ君
十番佐藤 広典君
十一番中村ひろし君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番松葉多美子君
二十番小宮あんり君
二十一番吉住 健一君
二十二番桜井 浩之君
二十三番山崎 一輝君
二十四番鈴木 章浩君
二十五番鈴木 勝博君
二十六番山内れい子君
二十七番小山くにひこ君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番伊藤こういち君
三十七番大松あきら君
三十八番中山 信行君
三十九番高倉 良生君
四十番菅  東一君
四十一番田中たけし君
四十二番鈴木 隆道君
四十三番宇田川聡史君
四十四番高橋 信博君
四十五番中屋 文孝君
四十六番鈴木あきまさ君
四十七番くりした善行君
四十八番星 ひろ子君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十三番神野 吉弘君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番上野 和彦君
六十番吉倉 正美君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番近藤  充君
六十五番高橋かずみ君
六十六番三宅 正彦君
六十七番早坂 義弘君
六十八番相川  博君
六十九番山加 朱美君
七十番吉原  修君
七十一番林田  武君
七十二番柳ヶ瀬裕文君
七十三番西崎 光子君
七十四番原田  大君
七十五番伊藤 ゆう君
七十六番尾崎 大介君
七十七番山口  拓君
七十八番伊藤まさき君
七十九番松下 玲子君
八十番西岡真一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番服部ゆくお君
八十八番こいそ 明君
八十九番きたしろ勝彦君
九十番高木 けい君
九十一番神林  茂君
九十二番遠藤  衛君
九十三番三原まさつぐ君
九十四番田島 和明君
九十五番古賀 俊昭君
九十六番泉谷つよし君
九十七番くまき美奈子君
九十八番大西さとる君
九十九番今村 るか君
百番増子 博樹君
百一番いのつめまさみ君
百二番小沢 昌也君
百三番石毛しげる君
百四番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番三宅 茂樹君
百十一番山田 忠昭君
百十二番村上 英子君
百十三番野島 善司君
百十四番川井しげお君
百十五番吉野 利明君
百十六番宮崎  章君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番斉藤あつし君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番和田 宗春君
百二十六番馬場 裕子君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 一名
  七番 土屋たかゆき君
 欠員
    五十二番 五十四番

 出席説明員
知事猪瀬 直樹君
副知事安藤 立美君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長前田 信弘君
総務局長笠井 謙一君
財務局長中井 敬三君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長小林  清君
警視総監西村 泰彦君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長中西  充君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長松田 芳和君
交通局長中村  靖君
水道局長増子  敦君
消防総監北村 吉男君
下水道局長小川 健一君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長塚田 祐次君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
監査事務局長松井多美雄君
収用委員会事務局長醍醐 勇司君

六月四日議事日程第二号
第一 第百四十五号議案
  平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第百四十六号議案
  災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百四十七号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百四十八号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百四十九号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第六 第百五十号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七 第百五十一号議案
  東京都子供・子育て会議条例
第八 第百五十二号議案
  東京都動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百五十三号議案
  東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百五十四号議案
  東京都海岸漂着物地域対策推進基金条例
第十一 第百五十五号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百五十六号議案
  東京都立川合同庁舎(二十五)改築工事請負契約
第十三 第百五十七号議案
  若潮橋旧橋撤去工事(その二)及び新橋下部工事(その一)請負契約
第十四 第百五十八号議案
  善福寺川調節池工事(その二)請負契約
第十五 第百五十九号議案
  無線装置(基地用送受信機本体)外六点の製造請負契約
第十六 第百六十号議案
  土地の売払いについて
第十七 第百六十一号議案
  ヘリコプターの買入れについて
第十八 第百六十二号議案
  消火装置外二点の買入れについて
第十九 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第二号追加の一
第一 東京都収用委員会委員の任命の同意について(二五財主議第一一五号)
第二 東京都収用委員会委員の任命の同意について(二五財主議第一一六号)
第三 東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(二五財主議第一一七号)
第四 東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(二五財主議第一一八号)

   午後一時開議

〇議長(中村明彦君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(中村明彦君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都収用委員会委員の任命の同意について外人事案件三件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(中村明彦君) これより質問に入ります。
 百二十一番酒井大史君。
   〔百二十一番酒井大史君登壇〕

〇百二十一番(酒井大史君) 私は、都議会民主党を代表して、当面する都政の主要課題について、猪瀬知事並びに関係局長にお伺いをいたします。
 まず、憲法改正手続を定める憲法九十六条の改正についてお伺いをいたします。
 猪瀬知事は、第一回定例会の和田前議長の憲法に関する質問に対して、必要な改正も含めて、国民全体で議論して決めていくことが大事とし、結果として国家の基本法としての価値を高める、そういう憲法にしていきたいと答弁をされました。
 私たちは、日本国憲法のあるべき姿を国民全体で議論し、その上で、国権の最高機関である国会が我が国の最高法規たる憲法の改正案を主権者である国民の投票に付す以上、党派を超えた国会議員の大多数の合意を得ることが、国会が責任を果たすということであり、憲法の国家の基本法としての価値を高めることにもつながると考えるものです。
 しかし、現行の憲法九十六条に定める国会の三分の二を超える議員の賛同はとても得られそうにないから、自分たちの改正案は横に置いて、先にルールだけを二分の一に変えようというのは、余りにもこそくなやり方ではないでしょうか。九十六条改正そのものについても、改憲を唱える学者からも、憲法の本質を無視した暴挙とまで批判をされています。憲法改正が大事だと考えるならば、改正案を掲げて正々堂々と王道を歩むべきであると考えます。
 そこで、憲法改正のあるべき姿について知事の所見を伺います。
 また、地方自治体にとっては、単に地方自治の本旨としか定められていない現行憲法にはいささか不満も残ります。知事も、憲法九十二条の地方公共団体という言葉は、これは地方を見下した表現で、東京都が団体のわけがない、首都政府ですとも述べておられます。
 現行憲法の第九十二条から第九十五条及び関連条項も含めて、地方自治の本旨に関して、憲法は具体的な意味を明示しておりません。民主党は憲法提言において、補完性の原理に基づき、国と地方自治体の基礎自治体、広域自治体の権限配分を憲法上明確にすることをうたっていますが、東京都としても、自治権拡充の立場から憲法改正について検討することも必要であろうと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、都政運営についてお伺いをいたします。
 いわゆるアベノミクスに国民の不安と期待が交錯しています。この間、株式市場は乱調を来し、債券市場の乱高下により長期金利が上昇し、住宅ローン金利の引き上げや社債発行の見送りにもつながっています。円安も、輸出効果だけではなく、輸入額の増大ももたらし、貿易赤字が続いております。何より、円安に伴う値上げが中小事業者や家計を圧迫し、収入も上がらず、都民生活にはいまだ恩恵がもたらされておりません。円安効果による企業所得の増大も、働く者に還元されなければデフレ脱却にはつながらず、長期金利の上昇は国家の財政にとっても大きな打撃となります。
 経済を活性化する成長戦略が求められていますが、安倍政権の成長戦略第一弾、第二弾は、それほど具体性のあるものではありません。知事は、国の成長戦略について、多くの現場を持っている東京は、キャッチャーとしてさまざまな先行事例を実施していくと述べましたが、都民生活の向上のためどのような対処をお考えなのか、所見をお伺いいたします。
 本定例会に提出された平成二十五年度補正予算案は、昨年末発足した安倍政権による十兆二千八百十五億円もの平成二十四年度補正予算を受けて編成をされたものです。しかし、東京都を初め各自治体は既に平成二十五年度予算を決定しており、これに上乗せされる補正予算の執行がその実を発揮できるとは考えられません。事実、補正予算に盛り込まれた公共工事の内容を見ると、追加されたのは二十億円余にすぎず、独自の公共事業の前倒しでは、実際の事業に使われるのは約四十億円にすぎません。
 救いは、民主党政権時代に積み立てたものも含む百六十八億円の基金事業が予算化されたことに加え、都独自の保育事業に対する支援策が盛り込まれたことです。都は今回の補正予算についてどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。
 次に、子育て支援について伺います。
 都議会民主党は、四年前の都議選マニフェストで二万人分の保育サービスの供給を掲げ、平成二十年から二十四年までに都内の保育所の定員を約三万人ふやしてまいりました。都は、今年度から平成二十六年度までの三年間で保育サービスを二万四千人分整備する計画を立てていますが、就学前児童の人口は平成十八年以降増加を続けており、今後の保育需要はますますふえることが予想されます。待機児童の解消には、保育サービスの需要を適切に把握した上で整備を進める必要があります。
 本定例会では、民主党政権下で成立し、平成二十七年度から本格施行される予定の子ども・子育て支援法等に基づき、東京都子供・子育て会議条例が提案をされています。私たちは、子育て当事者を初めとする関係者が参画する子供・子育て会議において、認証保育所運営費補助の引き上げなどによる保護者負担の軽減や、利用料金の応能応益化、保育サービスの量的供給増と質の向上など、東京の保育についても議論をしっかりと行っていくべきと考えております。
 そこで、今後、この会議での議論も踏まえて、保育サービスを拡充していく必要があると考えますが、都の所見をお伺いいたします。
 都は、待機児童解消のため、認可保育所を初め、都独自の認証保育などの認可外保育施設の整備を進めてきましたが、こうした取り組みは私たちも評価をいたしております。
 その一方で、認可保育所の利用を希望する保護者の方々が多いのも事実です。認可保育所と認証保育所の基準は基本的には変わらないにもかかわらず、認可保育所を希望する一番大きな理由は、平均の保育料が認可保育所の約一万七千円に対して、認証保育所は約四万九千円との調査結果もあるように、保育料の格差にあるのではないかと考えます。
 認可と認証に対する補助額の違いは、国が認証保育所を認めず、応分の負担をしようとしないことが一番の原因だと考えます。また、子ども・子育て支援新制度においても、現在のところ、認証保育所のほとんどは国の財政措置が見込めない状況にあると聞きますが、都としても、認証保育所が新制度の給付対象となるよう、国に対して強く働きかけていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
 都は、国に先駆けて、今年度から小規模保育、いわゆる東京スマート保育の整備を促進する補助制度を開始しています。ゼロ歳児から二歳児を対象として、定員六人以上十九人以下の空き家、空き店舗、空き公共施設等を活用した保育サービスの整備を促進する市区町村を支援するものです。今年度は二十カ所、定員三百八十人分の確保を目指した予算が組み込まれていますが、この制度に対する市区町村からの反響と、今回の補正予算も踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。
 待機児童解消に向けて保育サービスを拡充するためには、また保育の質を確保、向上させるためにも、現在でも不足しているといわれる保育を支える人材の確保、育成が重要でございます。
 そこで、保育人材の確保、育成に向けた今後の取り組みについて、所見をお伺いいたします。
 次に、雇用対策について伺います。
 女性が能力を発揮し、生き方、働き方を選択できるようにすることは、少子高齢化が進展し、労働力人口が減少していく我が国の将来に非常に重要な意味を持ちます。しかし、今なお日本女性の就業率は、二十五歳から四十四歳の間で落ち込む、いわゆるM字カーブを描いており、諸外国と比べても就業率は低い状態にあります。これは、出産を契機として仕事をやめる女性が依然として多く、また、一たん離職をすると、意欲があってもなかなか希望する職につけないことが背景にあると考えられます。
 都として、女性が出産後も働き続けることができる職場環境づくりに取り組む企業への支援と、離職した女性の再就職支援に取り組むべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、近年、職場においては、雇用形態の多様化や人間関係の複雑化、長時間労働を背景に、働く方のストレスが増加をする傾向が続いています。厚生労働省によれば、三人に一人の労働者が、過去一年間に自分の仕事に対する強い不安やストレスを感じています。こうした状況を反映して、平成二十三年度の精神障害の労災請求件数と支給決定件数は、いずれも過去最高となっています。また、都の労働相談情報センターでのメンタルヘルス不調者にかかわる相談件数も、前年に比べ一割以上増加をいたしております。
 こうした状況を踏まえ、都はメンタルヘルス対策を積極的に推進していくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、医療対策について伺います。
 都は、救急搬送時間の短縮を図るため、救急医療の東京ルールを開始し、搬送先の医療機関がなかなか決まらない患者を、地域の医療機関が協力連携して、迅速に受け入れる体制を構築するなどの対応を行ってまいりました。また、救急車の増車や救急隊の増強も着実に進めております。
 その結果、救急出場件数がふえる中で、救急搬送時に医療機関の選定が困難になった事例の一日当たりの発生率は、東京ルールを開始した平成二十一年の二・三八%から、平成二十四年には二・二三%に減少しております。一方、過去五年間の救急搬送の実態を見ますと、救急搬送時間は、残念ながら、平成十九年の四十六・二分から年々少しずつ延びており、平成二十三年では五十一・六分となっているのが現状です。
 搬送時間の延伸は全国的な傾向でもありますが、今後高齢者も急増するため、救急搬送の需要はさらにふえ、救急搬送時間もさらに延びることが懸念されます。
 都は、迅速適切な救急医療の確保のため、救急医療体制の充実を図る必要があると考えますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 都議会民主党は、四年前のマニフェストで、東京小児ERの整備を提案しました。これに対して、現在、都では、四カ所指定された三次救急医療を担うこども救命センターを中心に、こども救命搬送システムが運営されています。直近の救命救急センターでの治療継続が困難な重篤患者を迅速に受け入れ、小児特有の症状に対応した高度な救命治療が受けられる体制が整備されました。さらに、緊急性の高い小児患者の命を守るため、トリアージを七つの小児二次救急医療機関で実施し出しております。
 そこで、小児救急医療体制の充実に向けた今後の取り組みについて所見をお伺いいたします。
 東京での風疹の大流行は、いまだやむ気配を見せておりません。既に昨年一年間の患者数の三倍を超え、五月二十六日分までの報告数は二千三百三十八人に達しています。
 こうした中、都は、本年三月から、緊急対策として、市区町村が大人への風疹の予防接種を実施した場合、要した費用の二分の一を補助することとしました。生まれ来る子どもたちを先天性風疹症候群から守るためには、この制度を利用して、妊娠を希望する女性や妊婦の夫への予防接種を進めていく必要があります。
 また、多くの方が働く東京では、企業にも積極的な情報発信を行い、風疹の予防やワクチン接種の重要性に関する理解を広げることが必要と考えます。
 そこで、都の補助事業を活用した市区町村の風疹の予防接種の実施状況と、企業などへの都からの情報提供の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、介護についてお伺いをいたします。
 できる限り要介護にならないよう、介護予防サービスを適切に確保するとともに、要介護状態になっても、高齢者のニーズや状態の変化に応じて必要なサービスが切れ目なく提供される、包括的かつ継続的なサービス体制、いわゆる地域包括ケアシステムでは、高齢者の日常生活圏域において、予防、介護、医療、生活支援、住まいの五つのサービスがセットで提供されることが求められ、現状では、特に在宅医療の仕組みづくりが重要といわれます。まずは訪問診療や訪問看護、訪問介護などのサービスを担うマンパワーの確保を進め、地域での受け皿づくりを進めることが喫緊の課題であります。
 一方で、国の社会保障・税一体改革では、介護予防が重点化、効率化の大きな柱の一つとなっており、昨年度から市町村介護予防強化推進事業、予防モデル事業が要支援者等に必要な予防サービスと生活支援サービスを明らかにするために実施をされております。この結果をもとに、予防効果の高いサービス体系を構築することとされておりますが、こうした動きも注視をしていく必要があります。
 そこで、地域包括ケアの構築に向けた課題についての認識と今後の取り組みについて、所見をお伺いいたします。
 都が平成二十三年に行った調査では、都内認知症高齢者は約三十二万人で、六十五歳以上人口の約一二・五%と推計されています。また、このうちの四分の三に当たる約二十三万人が、見守りまたは支援が必要な認知症高齢者であるとされています。今後、さらに高齢化が加速する中で、認知症高齢者の急増が予想をされております。
 認知症対策としては、早期の診断による発見や診断結果に基づく早期の治療が重要といわれていますが、認知症の疑いのある高齢者の中には、みずから受診をしようとしない方もいるため、こうした方への訪問による早期の診断と対応が必要です。
 現在、都では、認知症の専門医療や人材育成などを担う認知症疾患医療センターが、十二カ所、指定を受けて稼働しています。今後、地域で認知症の人を支えていくために、医療機関や介護事業者が連携して、認知症の早期診断、対応の取り組みを進めていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、教育施策についてお伺いをいたします。
 初めに、学びの機会均等に向けた私立高校に通う生徒への授業料補助についてお伺いをいたします。
 民主党は、平成二十二年に公立高校無償化を実現させ、私学にも就学支援金を支給することとしました。その結果、保護者の負担が軽減をされ、経済的な理由による中途退学者も減少するなど、大きな成果を得ることができました。
 しかしながら、安倍政権は、高校無償化に所得制限を設けることを検討しています。高額所得者に負担を求めるのであれば、累進税制によればよく、子どもたちの学費に格差を設けるべきではありません。所得制限を導入することのないように、都としても国に働きかけをしていくよう求めておきたいと思います。
 さて、東京都においては、国の就学支援金に上乗せする形で特別奨学金補助を行っていますが、一人当たりの補助単価は毎年微増しており、私学に通う生徒の経済的負担も年々、少しずつですが、軽減をされております。昨年の九月には、我が国とマダガスカルのみが留保していた国際人権A規約第十三条二、中等・高等教育無償化の漸進的導入を定めている規約への留保を撤回したことから、今後、さらに私立高校生に対する授業料軽減補助を拡充していかなくてはならないと考えます。公立、私立学校の授業料格差を縮小し、だれもが教育内容で学校を選び、学べるよう、学びの機会均等を促進していくべきと考えます。
 そこで、都においては、国に対して就学支援金の拡充を引き続き求めるとともに、特別奨学金補助の拡充を行っていくべきと考えますが、所見をお伺いをいたします。
 次に、専修学校の助成についてお伺いをいたします。
 近年の厳しい雇用情勢のもと、職業実践教育を担う私立専修学校への期待はますます高まっています。その中でも、中学卒業者を対象とする専修学校の高等課程は、中学生の段階で自分の進むべきキャリアを発見した生徒に職業教育の場を提供するとともに、高校中退などさまざまな事情を抱えた生徒に対しての再チャレンジの場となるなど、子どもたちの多様なニーズにこたえる役割を果たしています。
 その役割の重要性から、私立専修学校高等課程を今後一層充実させるためにも、補助対象経費を私立高等学校と同等に扱い、教育振興費補助を増額していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 また、専門的な技術、技能を持つスペシャリストを輩出するためには、都立専門高校の役割も重要です。このたび都教育委員会は、新たに都立専門高校における技能スタンダードを発表しましたが、この取り組みによって、生徒の技能、技術力の専門性が向上され、都立専門高校の教育力、ブランド力の向上につながることが期待をされております。
 そこで、今後、どのように技能スタンダードを活用し、都立専門高校生の専門性を向上させていくのか、見解をお伺いいたします。
 次に、都立高校生の中途退学者に対する社会的自立支援についてお伺いをいたします。
 中途退学者に占める、学校にも行かず就職もしていない割合が、二十二年度は平成九年度に比べて大幅に増加しており、これらの中途退学者がニートやフリーターなどの予備軍になっていると考えられ、大きな問題となっています。
 都教育委員会は、昨年の七月から十一月にかけて中途退学者の追跡調査を行い、ことしの三月にその結果が報告されました。その中で、中途退学後のハローワークや心の相談機関などの若者支援機関の活用状況に関する調査がありますが、特に利用したことがないという回答が、ニートになった者を筆頭に圧倒的多数であるという結果が出ております。
 今後、行き先が決まっていない中での中途退学を食いとめる予防対策を行っていくことはもとより、こうした状況から、退学した後、支援機関の利用を促すなどのフォローもしっかり行っていく必要があると考えます。
 そこで、今後、中途退学者に対する社会的自立支援に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、自立と社会参加に向けた小中学校の特別支援学級の教育についてお伺いをいたします。
 現在、知的障害特別支援学級に在籍する児童生徒は、学習上、生活上の困難の程度も多様であり、また、発達障害をあわせ持つ児童生徒の入級も増加している状況です。平成二十四年度の都内の知的障害特別支援学級の在籍者数は、小中学校合わせて七千九百五十一人ですが、今後も微増していくことが予想されています。
 こうした状況の中、将来の自立と社会参加に向けて、児童生徒一人一人の障害の程度に応じたきめ細かな教育が求められますが、その一方で、現在、専門性と経験を身につけたベテラン教員の大量退職時代を迎えるため、教員の専門性の維持向上を図っていく必要があります。
 都教育委員会は、昨年度までの二カ年で、特別支援学級と特別支援学校の連携による専門性向上プロジェクトを実施してきましたが、その内容を踏まえ、今後、都内公立小中学校の特別支援学級における指導力向上に向けてどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。
 次に、知的障害特別支援学校における職業教育についてお伺いをいたします。
 東京都は、今後十年間でさらに三万人増の障害者雇用を達成し、だれもがともに暮らす社会を実現するとしていますが、知的障害特別支援学校の高等部普通科卒業生の一般就労率は、現在三〇%前半にとどまっています。今後、一般就労率の向上を図るため、民間企業等との連携を強化し、新たな職種、職域の開拓を進めるとともに、企業等のニーズに適切にこたえられるよう、職業教育を充実させていかなければなりません。
 都教育委員会は、東京都特別支援教育推進計画の第二次実施計画から、現在の第三次実施計画に至るまで、知的障害特別支援学校における職業教育改善校や実践研究校の指定など、職業教育の充実に向けた研究開発を行ってきたようですが、これまでの取り組みの実績と今後の展開についてお伺いをいたします。
 次に、体罰についてお伺いをいたします。
 都教育委員会は、ことし一月に都内公立学校における体罰の実態調査を開始し、三月の第一次報告を受けて、五月に最終報告を発表しました。最終報告では、昨年度に体罰と認定されたものが百四十六校百八十二人、不適切、行き過ぎた指導が三百三十五校五百四十二人にも上りました。
 先般、文科省が定めた運動部活動での指導ガイドラインには、肉体的、精神的な負荷や厳しい指導と、体罰等の許されない指導との区別や、適切な指導体制に関しての内容などが含まれておりますが、何が体罰に該当するのかの判断基準については、各市区町村や個々の教員、保護者等によって異なることから、都教育委員会としても、このようなガイドラインや調査結果に基づき、統一の基準を示していく必要があると考えます。
 体罰根絶のため、都教育委員会は、体罰基準を明確化し、効果的な指導方法の考案、普及を図るとともに、各学校において、組織一体となった教員一人一人の意識改革への取り組みが進むよう、今後の対策を講じるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、築地市場の移転問題についてお伺いをいたします。
 都議会民主党は、四年前、築地市場の移転について、豊洲の移転予定地から高濃度の汚染物質が検出されるなど、安全性が確認されておらず、関係者の合意も得られていないことから、強引な移転には反対とする主張をいたしました。現在、土壌汚染対策工事が、工程等を調整しながら、慎重かつ丁寧に進めているのは確認をしているところですが、都民にとって食の安全を確保していくことが重要であるとの我々の認識はいささかも変わっておりません。
 そこで、我々の主張に沿って、食の安全に万全を期すため、一年間開場を延期して行っている土壌汚染対策の現状と今後の見込みについて、確認をさせていただきたいと思います。
 また、昨年二月に、関係者である地元中央区とは、築地地区で中央区と東京都が協力して食文化の拠点継承に向けて取り組むことなどを合意しています。現在、中央区では、築地場外市場の区有地に、食のプロに支持され、一般客、観光客にも親しまれる食のまち築地のにぎわいの拠点となる約百店舗の施設を先行的に整備する計画があります。こうした築地のまちづくりに協力し、築地市場の移転後の食文化の拠点継承に向けた都の見解をお伺いいたします。
 我々都議会民主党は、この四年間、さまざまな指摘や提案をして、その都度、深い議論をしながら進めてまいりました。今後も、土壌汚染対策の進捗状況、地下水モニタリングの結果などを注視し、豊洲新市場が安心・安全な状態で開場されるよう取り組んでまいります。
 都には、土壌汚染対策の確実な実施、汚染の処理を完了した上での施設建築工事の着手など、それぞれの段階でリスクコミュニケーションなどの取り組みを通じて、都民や市場関係者の理解や信頼を得て、豊洲新市場の整備を進めることを強く求めておきます。
 次に、首都圏直下地震、南海トラフ地震などの震災、台風やゲリラ豪雨など、東京が備えを万全にし、不安を解消していかなければならない震災災害対策について、それぞれお伺いをいたします。
 まず、都が独自に実施した南海トラフ巨大地震の被害想定についてです。
 島しょの町村の防災対策につなげるため、詳細な検討が実施され、島ごとの人的被害、建物被害や、島しょ町村における港ごとの浸水域などが明らかにされました。人々の避難条件を変化させたときの人的被害は、津波から避難する条件を迅速化すればするほど人的被害が軽減できると示されています。
 三十メートルを超えるような津波の到来は極めてまれと推察されますが、万が一発生した場合、迅速に避難することが命を守るために重要であると明らかになりました。今回の被害想定を受け、このように津波からの避難がますます重要になる中、都としてどのように取り組むのかお伺いをいたします。
 改正耐震改修促進法が五月二十二日に成立し、本年十一月に施行される見通しとなりました。国は大規模建築物に対して、平成二十七年末までに耐震診断の実施を義務づけるとともに、補助制度の拡充を行い、耐震化を加速させるとしています。
 都においては、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断を義務化し、国に先駆けて取り組みを進めてきています。建物所有者の実質的負担をゼロ化し、東京の大動脈であり、輸送ネットワークを保持するため、特定沿道建築物の耐震診断を平成二十五年度で完了し、平成二十七年度末には緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を完了するとしています。
 耐震性が不足する建物を残さないよう、そして一刻も早く耐震化を完了するよう、取り組みを強化すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 阪神・淡路大震災における死者の七割を占めた神戸市内での死者のうち、建物の問題を原因として亡くなられた方の割合は、兵庫県監察医の調査結果では、実に九五・五%にも達しているとのことです。瓦れきと化した家屋の下敷きとなり、内臓破裂や骨盤骨折でのほぼ即死、多くの建物が同時に被災したため、救助活動が円滑に進まず、瓦れきによる圧死、あるいは下敷きになって逃げ出せずに火災で命を落とされた方々も多くいました。
 そのため、これまで都議会民主党は、繰り返し建物の耐震化推進を求め、阪神・淡路大震災の教訓として、耐震化は既に終了しているべき事項であると申し上げてきました。建物の耐震化は、震災被害の抑止、すなわち生命を守るための基本中の基本として、早急に進めていかなければならない課題でございます。
 都は、耐震診断、耐震補強への助成は、都が定めた整備地域内のみを対象とするとしてきましたが、一刻も早く、また一世帯でも多く耐震化するため、木造住宅の耐震化助成対象地域をさらに拡大すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 こうした対策を進める中で、忘れてはならないのは、地域でまずだれよりも先に災害現場へ駆けつけ、人命救助活動等を行う消防団員の皆さんです。消防団員は、団員招集計画に基づき所定の参集場所へ参集することが原則ですが、災害の状況によっては、所定の参集場所へ参集することなく、被災地において人命救助活動等を行うのがより有効な場合もあります。
 既に特別区内では、団員が自己団に参集するのに長時間を要する場合などの一定の条件下において、自己団区域以外で活動することが可能になっています。こうした取り組みが、特別区と市町村あるいは市町村と市町村の間でも進むことになれば、貴重な人材である消防団員の皆さんの能力を十全に生かしていくこともできるのではないかと考えます。
 しかし、そのためには、共通する消防団員証による身分の確認から、装備資機材の提供、負傷時の補償など、さまざまな課題をあらかじめ協定していく必要があります。現在、一部市町村を除いて、都内市町村長が消防団に関し、消防相互応援協定を締結しようとするときは、あらかじめ東京都知事と協議することになっていますが、市町村長の協議申し入れに対して都はどのように対応するのか、所見をお伺いいたします。
 近年、雷雨性豪雨や台風による水害が増加しており、降雨状況の変化に対応した対策を推進することが急務であります。先般、東京都は、今後の河川整備において目指すべき目標整備水準を、現在の時間五〇ミリの降雨への対応から、区部では時間最大七五ミリ、多摩では時間最大六五ミリに引き上げることにより、局地的短時間の時間一〇〇ミリの降雨でも安全を確保していくこととしました。
 一方、豪雨対策については、平成十九年に東京都豪雨対策基本方針を定め、対策が急がれる神田川など七流域において、平成二十九年度を目標年次とする豪雨対策計画を策定をし、浸水被害の状況や流域の特性を踏まえ、河川、下水道の整備及び雨水の流出を抑制するための流域対策を総合的に推進し、頻発する局地的集中豪雨への対処を進めてきました。さらに、平成二十二年七月には、石神井川流域で発生した集中豪雨による浸水被害を契機に、緊急豪雨対策を定め、浸水被害の危険性の高い地域において集中的に整備を行っています。
 都民が安心して暮らせる安全なまちを実現するためには、緊急豪雨対策に掲げる緊急的、効果的施策を着実に進めていく必要がありますが、見解をお伺いいたします。
 次に、環境、エネルギー施策についてお伺いをいたします。
 東日本大震災後、三回目の夏を迎えます。東京電力管内における今夏の電力需給見通しでは、安定供給に最低限必要な三%以上の六・七%の予備率の確保が見込まれています。この需給想定には、震災前の夏に比べ一〇・五%の節電の定着が盛り込まれており、我が党が一昨年、二十一年ぶりに議員提案をし、そして成立をいたしました省エネ条例に基づき、引き続き省エネ、節電の必要性を訴えていくことが必要であると考えます。
 一方で、供給量には、老朽化した火力発電の増強が盛り込まれており、当面はCO2の排出量増加が避けられないという事実を忘れてはなりません。先日、世界の指標とされるハワイの観測所におけるCO2濃度が初めて四〇〇ppmを超えたとの報道がありました。一九五八年の観測開始時には三一五ppmだったということであり、この五十年余りで急速に上昇したことになります。電力の安定供給とCO2排出量の削減という二つの課題を同時に解決していかなければならないのです。
 そこで、改めてこの夏の電力需要の見通しを踏まえ、この二つの課題の解決に向けた都の所見をお伺いいたします。
 省エネ、節電は、CO2削減はもとより、コスト削減にも直結をしてまいります。都は、二〇一〇年度から大規模事業所を対象としたキャップ・アンド・トレード制度を運用しています。都の発表によれば、大規模事業所の二〇一一年度の排出量は、基準排出量と比べ約二三%の削減となり、節電、省エネの取り組みが進んでいることがうかがえます。
 一方で、都内の業務、産業部門のCO2排出量の六割を占める中小規模事業所の取り組みも大きな課題です。都はこれまで、地球温暖化対策報告書制度等を活用し、中小規模事業所におけるエネルギー利用の効率化を促してきましたが、大規模事業所と同様に、より一層対策を推進、継続することが必要と考えます。
 中小規模事業所では、人材面、技術面などさまざまな課題があると思いますが、都は今後、さらなる対策をどのように推進をしていくのか、お伺いをいたします。
 また、事業者の対策のみならず、家庭においても無理のない節電を効果的に進めていく必要があります。スマートエネルギー都市東京を実現するため、住宅のスマート化に向けた取り組みについて、都の見解をお伺いいたします。
 次に、東京の魅力を高める施策について伺います。
 まずは、緑施策についてですが、森記念財団や、イギリスの雑誌「モノクル」、ドイツのシーメンス社など、世界の都市比較調査が実施されています。これらの調査の評価項目を見ると、環境分野の項目には必ず緑地に関する事項が設けられており、緑は都市の魅力向上に不可欠な要素であることがわかりますが、東京は上位にランクインをしておりません。
 都は、水や緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを目標に掲げ、都市空間の緑化を推進しています。都市における緑は、都民に潤いや安らぎを与えるだけでなく、風格ある都市景観を創出するほか、防災機能の強化にも寄与するなど、その役割は多様かつ重要と考えます。
 東京の魅力向上に不可欠な緑の保全、創出について、これまでの都の取り組みの成果をお伺いいたします。
 また、緑は生き物の生存基盤としても重要であり、特に二〇一〇年に開催された生物多様性条約第十回締約国会議以降は、生物多様性の保全の観点からもその注目度は高まってきています。都内でも、数百年前の豊かな森が再現され、生物多様性の保全が進められている事例もあります。こうした取り組みを都全体に広げていく必要があると考えますが、生物多様性に配慮した緑施策の今後の展開について、都の所見をお伺いいたします。
 次に、こうした緑豊かな都市環境の中でも、大正時代に整備された都市構造と風格ある緑を備え、日本を代表するスポーツ施設が集積している神宮外苑のまちづくりについて伺います。
 本地区では、多くの樹木による豊かな自然環境を守りつつ、新たな時代のスポーツニーズに対応した施設整備や、安全で円滑な移動を可能とする配置、バリアフリー化によるアクセス性向上など、東京の新しい魅力となるまちづくりの推進が求められております。
 私は、多くの国民やアスリートがスポーツを楽しむ一大拠点としてさらに発展をさせるとともに、都心の豊かな自然の中で都民が楽しめるようなランニングコースを設置することで、さらに魅力が向上するものと考えます。
 このように、より多くの都民が楽しめる、もっと魅力的な東京となるよう、神宮外苑地区のまちづくりを進めていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 最後に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京招致について伺います。
 本年九月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるIOC総会において、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催都市が決定されるまで、いよいよ三カ月に迫ってきました。これからは、IOC委員やその関係者に東京での開催を戦略的に印象づけていくための国際プロモーションが重要になってまいります。
 先日、ロシアのサンクトペテルブルクで開催されたスポーツアコード会議は、立候補している三都市による初めての公式のプレゼンテーションの機会であり、国際プロモーション活動を展開していく上で極めて重要な場面でした。知事もみずから現地に赴き、積極的なPR活動を行いましたが、国際スポーツ界の関係者が一堂に会するこの会議は、先日のイスラムに関する発言による影響を挽回する上でも重要な機会であったのではないでしょうか。
 そこで、今回のスポーツアコード会議ではどのような国際プロモーション活動を行い、具体的にどのような成果を上げることができたのか、知事に見解をお伺いいたします。
 今こそ東京招致に向けて、都民、国民の心を改めて一つにするときではないでしょうか。東京の開催支持率は七〇%台まで押し上がってきましたが、イスタンブールやマドリードの開催支持率にはいまだ及んでおりません。山場を迎える今後の招致レースにおいて、東京は、招致実現に向けてさらなる国内機運の盛り上げを推し進め、その姿をIOC委員やその関係者に伝えることで、東京の熱意をアピールすることが重要だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 開催都市決定まであと三カ月。決定する九月には、スポーツ祭東京二〇一三が開催されます。現在、その開催に向け、一般の人々も参加できるデモンストレーションの関連スポーツイベントが各地で行われておりますが、こうした機会も利用しながら、オリンピック・パラリンピックの招致に向けた国内機運をさらに盛り上げていただきたいと考えます。
 私たち都議会民主党は、スポーツの力で子どもたちに夢をつかむ機会を与え、日本を復興させるためにも、引き続き招致成功に向け、都民や関係者の方々とともに、全力で取り組んでまいります。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終えます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 酒井大史議員の代表質問にお答えします。
 憲法改正についてでありますが、第一回定例会で申し上げましたが、憲法九条のもとで、我が国は国防をアメリカにゆだね、戦争を国家の想定外にしてきました。そのことで、大戦で疲弊した国力を涵養し、産業や国民生活の向上に振り向け、日本の復興と繁栄に貢献したことも事実であります。
 しかし、戦後日本がその繁栄の向こうにたどり着いた地平は、ディズニーランドのような特異な国家でありました。自分の意見や主張も実証されない、いわばごっこの世界、フィクションの世界ができ上がり、危機をリアルに想像する力を失ってしまったのです。
 東日本大震災と原発事故を経験した日本は、起こり得る危機を想定する社会へと転換しなければいけません。将来のリスクを想定して、あるいはこれからの時代の変化に対応していくため、憲法の改正条項の問題や、それだけを先行して改正することも含めて、さまざまな議論が起きるのは当然であります。要は、国民全体で議論し、決めることが大事だということです。
 私は、国民主権、基本的人権の尊重という基本原理を変えてはならないと思っています。そして、この変えてはならない原則に、想定外のない、リアルな平和主義を加えるべきだと思います。
 いずれにせよ、来るべき国政選挙で、それぞれの政党が憲法改正についてわかりやすい選択肢を示すことで、国民の間で議論が盛り上がることを期待しています。
 次に、都民生活の向上に向けた都政運営についてであります。
 知事就任以来、一人一人が輝く社会の実現を目指して、施策の展開に努めてまいりました。例えば、都民の安全を守るため、不燃化特区を大幅に拡大し、災害に負けない都市の整備を進めるとともに、安心して子どもを産み育てられる社会を実現するため、東京スマート保育を初めとする東京都独自の保育施策を積極的に推進しています。さらに、上下水道の海外展開など、東京の高い技術力を生かした先進的な政策にも取り組んでいます。
 同時に、日本の心臓である東京のさらなる発展は、日本経済の再生と切り離して考えることはできません。現在、安倍政権は、脱デフレの経済政策を進めており、国の成長戦略により、企業の業績改善や、雇用と所得の拡大が実現することを期待しています。
 東京都も、国に呼応し、現場を持つ強みを生かした政策を展開していきます。今定例会でも、政府の緊急経済対策に連動した補正予算を提案しておりまして、公共事業の早期実施などにより、景気を支え、雇用の創出につなげていきたい。こうした政策を加速させ、人々を覆う心のデフレを取り払い、東京に元気を取り戻していきたいと思っています。
 次に、サンクトペテルブルクにおけるスポーツアコード会議の成果についてでありますが、この国際会議は、IOC委員の四割を含む世界じゅうの競技団体の役員ら約二千人が集うとともに、招致を目指す三つの立候補都市が初めて一堂に会する会議でありました。
 私自身は、プレゼンテーションにおいて、もし財布を落としても現金が入ったまま手元に戻ってくる──実際に三十億円戻ってきているんです。そういう治安のよさや、現在、四千億円の基金が銀行にあります、その財政力。正確に運行される輸送インフラなど、東京の都市の都市力、確実な大会運営能力を強く訴えました。
 また、フェンシング銀メダリストの太田雄貴選手などとともに、会場内に設けた招致ブースや現地の有力者、国内外のメディア関係者を招待して開催した招致懇談会などにおいて、東京の二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会開催に向けた熱意と開催計画の優位性を訴えてきました。こうした取り組みを通じて、IOC委員及びその関係者に対し、東京が最高のパートナーであるということを強く印象づけることができたと思っております。
 今回のスポーツアコード会議での成果を弾みとして、今後の国際招致活動においても、引き続き東京への支持拡大に努め、九月のIOC総会において確実に招致をかち取る決意でいます。
 なお、その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 五点の質問にお答えをいたします。
 まず、専門高校生徒の専門性向上についてでありますが、社会で通用する実践力のある人材を育成するため、都教育委員会は、技術、技能の確実な習得と有用な資格の取得促進を目的に、在学中に身につけるべき事項を基礎から応用、発展まで段階別に示した専門高校技能スタンダードを策定し、推進校を十校指定いたしました。
 今後、この技能スタンダードに基づき、例えば電気科では、電気配線工事などの技術習得と電気工事士などの資格取得を目指すよう、各学校が目標を設定した上で計画的に実習を行い、実習の終了時などに一人一人の習得状況を確認してまいります。習得が不十分な生徒には繰り返し指導するなどして、すべての生徒への技術、技能の定着と伸長を図り、社会で求められる専門性を確実に身につけさせてまいります。
 次に、中途退学者に対する社会的自立支援についてであります。
 高校を中途退学した者は、ニートなどに至るリスクが高いにもかかわらず、中途退学後は自立に役立つさまざまな情報が届いていないため、十分な支援が受けられない現状があります。
 ことし三月に発表した都立高校中途退学者等追跡調査においても、退学後の若者を支援する機関等の利用状況については、特に利用したところはないという回答が全体の六六・三%でありました。
 そこで、都教育委員会は、中途退学者の社会的自立に向け、都立高校と若者の自立を支援するNPO等とが連携して、一人一人の状況に応じて必要な機関等につなげ、学び直しや就労などに結びつくきめ細かな支援を行ってまいります。
 次に、特別支援学級の教員の指導力向上についてであります。
 都教育委員会は、小中学校の特別支援学級に、都立特別支援学校の教員を継続的に派遣し、実際の指導場面での助言を行うことにより、教員の専門性向上を図るモデル事業を九地区において実施してまいりました。本事業により、特別支援学級では、子どもの障害実態を踏まえた学習課題の設定や、教材の工夫等の授業改善が図られるとともに、助言を受けた教員が他校の教員を支援するなど、成果が上がっております。
 都教育委員会は、今年度、すべての区市町村教育委員会に対し、本事業のすぐれた実践を周知するとともに、都立学校からの教員派遣を活用した専門性向上のための計画策定を働きかけ、特別支援学級の教員の専門性向上を推進してまいります。
 次に、特別支援学校の職業教育についてであります。
 都教育委員会は、高等部普通科における知的障害が中重度の生徒の職業能力を開発するため、実践研究校を指定し、生徒の特性や技能に適した作業学習の改善充実を図っております。実践研究校では、作業工程の細分化や補助具の工夫、開発によって、生徒の理解力や技能に応じた作業が可能となり、生徒の主体的な活動意欲の向上や、一人でできる作業領域の拡大などの成果があらわれております。
 今後は、こうした研究成果を全校に普及させるとともに、各校が生徒の状況に応じた指導内容と方法を確立することで、生徒一人一人の手順に従って作業する力などを伸ばし、進路先の企業や就労継続支援事業所等の期待にこたえられるよう育成してまいります。
 最後に、体罰基準の明確化と今後の対策についてであります。
 このたびの体罰調査では、教員の体罰に対する認識不足や、体罰が効果的な指導であるとする誤った考え方があるなどの課題が明らかとなりました。
 今後、都教育委員会は、文部科学省が示したガイドラインを踏まえつつ、部活動指導等の在り方検討委員会において、体罰と指導の範囲を明確にしたガイドラインを示してまいります。また、効果的な体罰防止プログラムの開発や、全顧問教諭を対象とした研修の実施などの総合的な対策を、八月を目途に策定し、学校や区市町村教育委員会と一体となって教員の意識改革を進めてまいります。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 憲法改正に係る都としての検討についてのご質問にお答えいたします。
 東京の活力を高め、都民の暮らしを守る施策を展開するためには、地方分権改革が必要であります。このため、都は国に対して権限や財源の移譲を要求するとともに、認証保育所など都独自の新しい施策を展開し、その実績をもとに国への提言を行うなど、具体的な取り組みを着実に進めてまいりました。今後とも、国からの権限移譲など、地方分権改革の推進を国に強く求めてまいります。
 憲法の改正については、知事がご答弁されたとおり、国民全体で議論して決めることが大事と考えますが、同時に、改正手続は立法府である国会の発議により行われるとされております。
 都としては、今後とも、地方自治に関する憲法の規定についての議論を注視してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 補正予算についてでありますが、今回の補正予算は、国の緊急経済対策に呼応するとともに、子育て支援の強化に向けた都独自の取り組みを行うことを目的として編成したものであります。
 具体的には、地域の元気臨時交付金を活用して、東京の防災力の向上や経済の活性化に資する公共事業を前倒しするとともに、小規模保育の拡充など、待機児童の解消を加速化させる取り組みを盛り込んでおります。いずれも、現下の都政の重要課題への対応として不可欠な取り組みであることから、これらを着実に実施して具体的な成果を積み上げていくことが重要であると考えております。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 九点のご質問にお答えいたします。
 まず、保育サービスの拡充についてですが、都はこれまで、保育の実施主体である区市町村が実施したニーズ調査の結果を踏まえ、東京都保育計画を策定し、保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいりました。
 新たな子ども・子育て支援制度では、保育に加え、幼児教育や地域の子育て支援についてもニーズ調査を行った上で、平成二十六年度末までに区市町村が事業計画を策定し、これに基づいて保育サービスの拡充に取り組むこととなります。都は、区市町村の事業計画を踏まえ、子ども・子育て会議の意見も聞きながら、広域的な立場から区市町村に対する支援計画を策定してまいります。
 次に、認証保育所についてですが、大都市ニーズにこたえる認証保育所は、広く都民の支持を得て設置が進んでおり、本年五月一日現在、六百九十五カ所、定員は二万三千人を超え、東京の保育施策として不可欠なものとなっております。
 都はこれまで、認証保育所を国の制度に位置づけ、十分な財源措置を講ずるよう要求してまいりましたが、国はいまだに認証保育所の実績を認めておりません。国は本年四月から、子ども・子育て会議の中で、新たな制度の具体的な基準について議論を始めており、都は、認証保育所が新制度の中に位置づけられるよう引き続き強く求めてまいります。
 次に、小規模保育への取り組みについてですが、現在、新宿区、杉並区及び豊島区で事業者の公募が行われているほか、板橋区や北区でも整備を予定しており、その他の区市町村からも、人員や設備に関する基準などについて多くの問い合わせが寄せられております。
 今回の補正予算では、運営費補助の拡充も図ることとしており、今後、保育の実施主体である区市町村による小規模保育の整備が一層進むよう、説明会の開催や個別の相談などさまざまな機会を通じて、積極的に働きかけてまいります。
 次に、保育人材の確保、育成についてですが、都はこれまで、保育所勤務経験者で現在は勤めていない人を対象に、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するほか、未経験の有資格者を対象に、最新の知識や技術を習得するためのセミナー等を実施するなど、保育人材の確保に努めてまいりました。また、質の高い保育人材を育成するため、安心こども基金を活用し、区市町村が保育士等に対して実施する研修を支援してまいりました。
 今年度は、新たに保育団体等と連携し、保育士養成校の新卒者等を対象に、職場体験の充実を図るほか、今後の保育人材の確保、育成策に生かすため、保育士有資格者を対象に就労や離職状況等の調査を実施いたします。
 次に、救急医療体制の充実についてですが、都はこれまで、いつでも症状に応じた適切な医療を受けられるよう、初期、二次及び三次救急医療の体制を整備するとともに、救急医療の東京ルールを定め、東京消防庁に搬送コーディネーターを配置するなど、医療機関への迅速な搬送体制を構築してまいりました。
 こうした体制を一層充実させるため、昨年七月には、救急医療対策協議会に、社会構造の変化に対応する救急医療体制のあり方について諮問を行い、本年五月に、継続的かつ安定的な体制確保の観点から、見直しの方向性について答申がございました。
 今後、この答申や、診療報酬制度との整合性も踏まえながら、関係機関とも十分協議の上、救急医療体制の見直しについて検討してまいります。
 次に、小児救急医療体制についてですが、都は現在、区市町村が実施する小児初期救急医療事業に支援を行うとともに、入院が必要な救急患者に対し、小児科医師が二十四時間体制で診療を行う二次救急医療機関を都内五十一カ所で確保しております。
 また、重篤な小児救急患者を必ず受け入れ、高度な救命医療を行うこども救命センターを四カ所整備するとともに、このセンターを中核として、地域の実情に応じた医療機関相互の連携体制を構築しているところでございます。
 今年度からは、こども救命センターに入院している患者の円滑な退院に向けた取り組みを開始しており、今後とも、小児救急医療体制の一層の充実に努めてまいります。
 次に、風疹対策についてですが、都は、妊娠中に風疹ウイルスに胎児が感染し発生する先天性風疹症候群を防止するため、三月から全国に先駆けて緊急対策を開始し、現在、都内のすべての区市町村で、妊娠を希望している女性や妊娠している女性の夫等を対象とした予防接種が行われております。
 また、風疹への感染を予防するため、ツイッターやホームページにより、広く都民に対し、発生状況や予防接種に関する情報を発信しており、流行の中心となっている働く世代に対しては、商工会議所等の企業団体や健康保険組合などを通じて、職場や家庭等における感染予防や予防接種の重要性等について啓発を行っているところでございます。
 今後とも、積極的な情報発信を行い、感染拡大の防止に努めてまいります。
 次に、地域包括ケアシステムについてですが、医療や福祉、住まいなど多様なサービスを日常生活の場で切れ目なく提供する地域包括ケアシステムの実現のためには、医療と介護の連携を強化し、在宅療養を推進することが重要であります。
 このため、都は、病院から在宅への円滑な移行を調整する窓口を設置する区市町村を包括補助等により支援するとともに、医療と介護の連携に重要な役割を果たす訪問看護ステーションの拠点整備や、連携の核となる介護支援専門員や看護師等の人材の育成にも取り組んでいるところでございます。
 国は昨年から、全国十三の区市町村で、予防サービスと生活支援サービスを組み合わせたモデル事業を実施しており、今後その成果も踏まえながら、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進めてまいります。
 最後に、地域における認知症への取り組みについてですが、認知症高齢者の在宅生活を支えていくために、都は現在、十二の認知症疾患医療センターを中心に、地域における医療と介護の連携を進めており、今年度は、新たに早期発見、診断、支援のための取り組みを開始いたします。
 この取り組みでは、区市町村に配置した認知症コーディネーターが、かかりつけ医や介護事業者等と連携して、認知症の疑いのある方を訪問し、適切な介護サービス等につなげるとともに、認知症疾患医療センターの医師、看護師、精神保健福祉士等から成る専門チームが訪問、診断し、早期に支援する取り組みも開始いたします。
 今後とも、医療と介護の両面から関係機関の連携を進め、地域における認知症対応力の向上を図ってまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性の就業についてでございます。
 労働力人口が減少する中、働く意欲のある女性が、能力を十分発揮できる機会を確保することは重要でございます。
 都はこれまで、女性が出産後も継続して働ける仕組みづくりなど、仕事と生活の両立についてすぐれた取り組みを進める企業を認定し、そのノウハウを広く発信してまいりました。
 今年度からは、育児も含め、仕事と生活の両立を進める中小企業に対し、短時間勤務制度の導入など、企業の実情に応じた取り組みを支援する事業を開始いたしました。
 また、再就職を希望する女性のため、保育サービスつきの職業訓練などを行うとともに、東京しごとセンターではキャリアカウンセリングのほか、就職に役立つ実践的な知識やスキルを提供するプログラムを実施しております。
 今後とも、意欲ある女性の就業を支援してまいります。
 次に、職場におけるメンタルヘルス対策についてでございます。
 労働者が心の健康を保持し、生き生きと働ける労働環境を整備するため、都はこれまで、メンタルヘルスに問題を抱えている従業員への対応や職場環境の改善方法、関係法令等について、セミナーや専用のホームページを通じて、幅広く普及啓発を行ってまいりました。
 また、労働相談情報センターにおいて、事業主や労働者などそれぞれの立場からの相談に応じております。
 今年度は、企業における取り組みをさらに支援するため、事業主などを対象にしたシンポジウムと相談会をあわせて開催することとしており、こうした取り組みを通じ、職場におけるメンタルヘルス対策を推進してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 私立学校に対する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、私立高校の生徒への特別奨学金についてでございますが、都の特別奨学金制度は、公私の授業料格差の是正を図る観点から、一定所得以下の保護者を対象として、所得に応じて授業料の一部を補助するものであり、国の就学支援金制度が導入される以前から実施し、保護者の授業料負担の軽減を図ってまいりました。
 都といたしましては、私立高校に対する基幹的補助である経常費補助を初めとして、特別奨学金制度など幅広い施策を総合的に実施し、公私格差の是正も含め、私学振興に努めてまいります。
 次に、私立専修学校教育振興費補助についてであります。
 都では、教育条件の維持向上と生徒の経済的負担の軽減を図るとともに、経営の安定性と健全性を高めるため、私立専修学校の高等課程に対し、学校運営費の一部について補助を行っております。しかしながら、専修学校は、学校教育法第一条で定める高等学校とは位置づけが異なっており、また、国の助成制度がなく、都単独の補助には一定の限界があるため、国に対して専修学校高等課程への助成制度の創設を要望してまいりました。
 今後とも、私立専修学校の振興発展を図るため、引き続き国に対して、助成制度の創設を要望してまいります。
   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事についてでございます。
 現在、五街区及び七街区においては、操業由来の汚染土壌、汚染地下水の対策を進めており、四月末時点で、汚染土壌については、対象区画の約八割で対策に着手し、約六割が完了しております。また、汚染地下水については、約七割で着手し、約五割が完了しており、対策が完了した箇所から液状化対策を進めております。
 六街区では、仮設土壌処理プラントにおいて全街区の汚染土壌処理を行うとともに、他の街区から敷地の西側に仮置きしました盛り土を搬出し、操業地盤面以下の土壌の掘削や汚染土壌、汚染地下水の対策に着手しております。
 今後は、引き続き液状化対策を進めるとともに、六街区の仮設土壌処理プラントを順次移設し、プラント下の対策を行うなど、三街区間で綿密な工事調整を行い、予定どおり施設建設工事に着手してまいります。
 次に、築地市場移転後の食文化の継承についてでございますが、都と中央区は昨年四月に都区検討会を立ち上げ、築地市場移転後も、築地が食文化の拠点として活気とにぎわいを継承していくための検討を重ねてまいりました。
 区が場外に整備を進める店舗施設についても、築地地区のにぎわいを途絶えさせることなく継承するという観点から、積極的に協力しております。
 都としては、市場移転後も築地と豊洲がともにブランドとして並び立つよう、今後とも引き続き区と連携し、築地が食文化の拠点としてはぐくんだ活気とにぎわいの継承について協力してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、津波からの避難対策についてでありますが、本年五月に公表いたしました都の被害想定では、南海トラフ巨大地震による津波であっても、迅速な避難により人的被害が大きく軽減されることが明らかとなりました。
 都はこれまでも、町村が行う避難対策を支援しており、例えば、昨年十一月の神津島で実施した総合防災訓練では、避難目標地点を定めた上で、避難完了までの時間を計測する実践的な訓練を実施し、村と連携して避難経路などの具体的な対策を検討いたしました。
 ことしは、最大の津波高が想定された新島で総合防災訓練を実施し、その訓練での検証結果を島しょ町村等で構成される連絡会で情報共有するなど、それぞれの島で避難の迅速化に向けた取り組みが進むよう支援をしてまいります。
 次いで、消防相互応援協定にかかわる協議についてでありますが、特別区及び消防を委託している市町村の区域において発災時に消防団が活動する場合は、消防総監または消防署長のもとで行動することとなりますが、あらかじめ自治体の区域を超えた応援内容などについて協定を締結する場合があります。
 お話の市町村の消防団員が特別区で活動する場合の協定については、東京消防庁と当該市町村が締結することとなり、その際には、消防事務の受託者である都への協議が必要となります。
 こうした協定では、既に多摩地域においては、複数の隣接する市町村間で締結をされており、今後とも、協定締結に関する協議の際は、東京消防庁の意見を十分に踏まえ、適切に対応をしてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてでございますが、耐震診断が義務化された建築物約五千棟のうち、既に半数以上が診断を実施しており、今後は、診断結果を踏まえた耐震改修に速やかにつなげていくことが重要でございます。
 このため、今年度から耐震性が著しく低い建築物に対する改修助成単価を割り増し、また、改修費用の融資限度額を引き上げました。
 さらに、耐震診断アドバイザーに加え、新たに建設業者や弁護士、コンサルタントなど、耐震改修に向けた具体的な相談に対応する各種アドバイザーの無料派遣を開始いたしました。
 引き続き、都としては、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に向けて、全力で取り組んでまいります。
 次に、木造住宅の耐震化助成についてでございますが、都は、防災都市づくり推進計画に定める、震災時に大きな被害が想定される整備地域を対象として、住宅の倒壊による道路閉塞や大規模な市街地火災を防止するという公共性の観点から、区と連携し、公的助成を行っております。
 都としては、財源を効率的、効果的に活用するため、引き続き整備地域に的を絞り、重点的に木造住宅の耐震化助成を行ってまいります。
 次に、緊急豪雨対策についてでございますが、平成二十二年七月の集中豪雨を踏まえ、浸水の危険性が高い神田川流域など七流域を中心に、緊急豪雨対策を策定し、取り組みを進めております。
 具体的には、流域を超えた地下調節池の活用、下水道施設の整備による大規模地下街等への浸水防止、公共施設を活用した雨水の一時貯留施設の設置促進など、局の垣根を超えて、迅速かつ集中的に対策を実施しております。
 今後とも、関係局や地元区市などと連携し、緊急豪雨対策に全力で取り組み、安全で安心な東京の実現を目指してまいります。
 最後に、神宮外苑地区のまちづくりについてでございますが、本地区は、首都東京の象徴となる景観を有するとともに、日本を代表するスポーツ施設が集積し、国民や競技者がスポーツに親しむ一大拠点となっております。新国立競技場の計画が具体化したことを受け、こうした地域特性も踏まえ、都は、にぎわいあふれるスポーツ、文化、交流のまちの形成や、緑豊かで風格と活力を兼ね備えたまちの形成などを目標とした地区計画の策定に向けて取り組んでおります。
 今後とも、関係者等と連携し、この目標の実現に向け、成熟した都市東京の新しい魅力の拠点となるまちづくりを進めてまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 五点のご質問でございます。
 まず、電力の安定供給とCO2削減についてでございますが、この夏は、昨年の最大需要を上回る電力の供給力を確保できると見込まれておりますが、この供給力には、効率の悪い老朽化した発電設備の稼働や石炭火力発電の増強が含まれておりまして、CO2排出量の増加が懸念されております。
 電力需給バランスの安定化とCO2削減という二つの問題を同時に解決するには、需要側の取り組みとして、省エネ節電を一層進めていくとともに、供給側の取り組みとして、天然ガスコンバインド発電への転換、再生可能エネルギーや高効率なコージェネレーションなど、低炭素な自立分散型電源の普及を促進することが必要でございます。
 都は、東日本大震災以降、こうした施策を強化してきておりまして、今後とも需給両面から二つのエネルギー問題の解決に取り組んでまいります。
 次に、中小規模事業所の省エネ、節電についてでございますが、都はこれまで、中小規模事業所の削減量を、キャップ・アンド・トレード制度における大規模事業所の削減義務履行に利用できる仕組みを設けるとともに、事業者団体などと連携して、中小規模事業所を対象とした地球温暖化対策報告書制度に取り組む事業所の拡大を図り、さらには、無料の省エネ診断や区市町村等と連携した研修会を実施してまいりました。
 今年度からは、この報告書制度におきまして、省エネの目標を設定、公表できるようにして、積極的に省エネ対策に取り組む事業者の意欲を高めるようにいたしました。今後とも、このような方策を展開していくことにより、中小規模事業所の対策を着実に推進してまいります。
 次に、住宅のスマート化に向けた取り組みについてでございますが、エネルギー使用の見える化を図り、需給の効率的な制御により、省エネやピークカットを促す仕組みを取り入れたスマートハウスが普及してきております。こうしたスマートハウスは、今後市場拡大が見込まれておりまして、大きなビジネスチャンスを生み出す成長産業としての期待も高いものでございます。
 都としては、この機をとらえ、HEMSの導入を前提に、燃料電池等の設備の導入を促進する補助事業を今年度から開始いたします。これによりまして、家庭におけるエネルギーの効率化と市場の活性化の双方を後押ししてまいります。
 次に、緑の保全、創出の取り組みの成果についてでございますが、都は、自然保護条例に基づく保全地域制度により、手つかずの貴重な緑地などを保全するとともに、開発許可制度によりまして、開発行為に際しても緑の保全に努めてまいりました。また、都市農地の保全を図るため、相続税制度の改善などについて国への提案を行ってまいりました。
 一方、新たな緑の創出に向けましては、都市公園等の整備を進めるとともに、緑化計画書制度を活用し、これまでに屋上や壁面など建築物上の緑化だけでも、日比谷公園の面積の九倍もの緑を生み出してまいりました。緑化計画書制度など、都の先駆的な取り組みは、他の自治体での類似制度の創設につながるとともに、国際的にも高く評価されております。
 最後に、生物多様性に配慮した緑施策についてでございますが、生物多様性の保全と回復のためには、生き物の生存基盤となる緑の量の確保に加え、質を高めることが重要でございます。昨年策定した緑施策の新展開でも、こうした考え方を示してまいりました。今年度からは、生態系に配慮した緑のネットワークの拡大に向け、区市町村が行う在来種による緑化を支援してまいります。
 また、保全地域では、湿地の再生によって、希少な植物が復活した事例も生まれております。こうした成果を生かし、今後、他の保全地域や自然公園等における希少種の保全に積極的に取り組んでまいります。これらの取り組みを、都民、企業、区市町村等と連携して推進し、生物多様性を背景とした自然の恵みを受け続けられる、魅力的で快適な都市空間を広げてまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック招致についてでございます。
 招致獲得には、都民、国民がオリンピック・パラリンピックの東京開催を待ち望む姿をIOC委員に強くアピールすることが重要でございます。そのため、先月三十日に行われました開催都市決定百日前記念イベントでの盛り上がりの様子を、スポーツアコード会議のプレゼンテーションの場でも紹介をいたしました。
 今後は、夏に開催を予定しております、青森八戸から東京までの千キロメートル縦断リレーや、スポーツ祭東京二〇一三のプレイベントでのオリンピアン、パラリンピアンによる招致PRなどの様子を海外に積極的に発信してまいります。
 具体的には、オリンピック関連の海外メディアに精力的に働きかけるとともに、英文でのホームページやツイッターなど多様な手法を駆使して、招致実現を待ち望む東京の熱意の高さを幅広く訴えてまいります。

〇議長(中村明彦君) 百十一番山田忠昭君
   〔百十一番山田忠昭君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇百十一番(山田忠昭君) 平成二十五年第二回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表いたしまして、質問をいたします。
 近年、政治家もジャーナリストも閉塞感という言葉を口にしてきました。何よりも都民、国民が不安に包まれてきました。
 この四年間を振り返ると、民主党政権による政治主導という名の決められない政治によって国政は不安定さをきわめ、我が国は外交も経済もがけっ縁に立たされてきたのであります。
 こうした状況にあっても、我が党は責任政党としての矜持を片時も忘れることなく、東京から日本を再生させるべく、さまざまな施策を着実に進めてまいりました。
 とりわけ木密地域の不燃化、都市インフラの整備などの首都の防災力強化や認証保育所の整備、介護サービスの充実などによって少子高齢社会への対応を前進させたほか、地域のきずなを強めるべく町内会や商店街などの活性化に傾注してまいりました。
 そうした中で、安倍政権誕生により、人々の心に再び明るい兆しが出てまいりました。いわゆる三本の矢の一つであります金融緩和により、不合理な円高が是正され、製造業に反転攻勢のチャンスが訪れております。
 政治が変われば、日本が変わる。我々も、日本の中心東京から、都民、国民の期待に政策の確かな実現でこたえてまいります。
 安倍政権は、本年二月に十兆円を超える大型補正予算を編成し、日本経済再生に向け緊急経済対策に取り組んでおります。
 その効果が早くもあらわれ、我が国経済は株価の上昇、個人消費の持ち直しなど、明るい兆しが見え始めております。
 このような景気回復の流れを、より確かなものとすることが重要であることから、先月我が党は、都としても国の経済対策に対応した取り組みを早期に実施するよう緊急要望を行ったところであります。これにこたえ、速やかに補正予算案が提案されたことは大いに評価するものであります。
 そこで、今回の提案された補正予算により、どのような効果を見込んでいるのか、見解をお伺いをいたします。
 次に、安全・安心なまちづくりについてお伺いをいたします。
 我が党は、東日本大震災の直後、対策推進本部を設置し、速やかに復旧、復興に向けた緊急要望を都に行うとともに、防災対策の強化に向け、二度にわたり具体的な提言を行い、都民の目線による対策の推進などを求めてまいりました。
 都は昨年、この提言を踏まえて地域防災計画を修正し、ハード、ソフト両面から対策を推進しており、引き続き、休日でも夜間でも災害に対する安全・安心を確保した高度防災都市づくりを進めていく必要があります。
 我が党の提案などを踏まえてスタートさせた木密地域の不燃化特区については、まず先行実施地区での取り組みが始まったところでありますが、木密地域の整備は一刻を争う時間との勝負であります。
 各区の関心が高まっているこの機をとらえ、区と連携し、また民間の力もかりながら、さまざまな支援策を複合的、効果的に活用し、住民の抱える多様な課題に的確に対応していくことが、結果として安全・安心なまちの早期実現につながると考えます。
 あらゆる工夫を凝らしながら、スピード感を持って木密地域の整備を進めていくことを強く求めるものであります。
 まずは、発災時の初動対応についてであります。
 発災後七十二時間以内に、いかに救助活動を行えるかが人命を左右します。こうした観点から、現在都が進めております各機関の発災時の連携方法や手順等を定める首都直下地震等対処要領の策定は、極めて重要なことだと考えます。
 この対処要領の策定に当たっては、火災が懸念される木密地域、孤立化も想定される山間部など、東京にはさまざまな地域特性があるということを踏まえた上で救出救助などの応急対策を確実に実施できるよう、より実効性の高いものとしていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、応急仮設住宅の供給についてお伺いをいたします。
 首都直下地震などが発生すれば、都内では数十万棟に及ぶ建物に被害が出ると想定されており、多くの応急仮設住宅の供給が必要となります。
 東日本大震災の被災地では、従来のプレハブだけでなく、木造の応急仮設住宅が建設され、被災者の方々の受け入れが行われました。短期間に応急仮設住宅を供給するためには、プレハブに加え、木造の仮設住宅も活用すべきと考えます。
 自治体の中には、木造の応急仮設住宅を供給する団体と震災時の供給に関する協定を締結する動きも見られます。
 都においても、応急仮設住宅について木造の導入を図るなど、供給体制の充実が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、都立公園の防災機能の強化についてお伺いをいたします。
 都立公園は、平常時においては潤いある都市環境を創出し、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供する重要な都市施設であります。
 一方、震災時においては、防災上重要な役割を果たすことも期待されており、八十一公園のうち、六十公園が都や区市町村の地域防災計画において避難場所や救出救助活動の拠点などに位置づけられております。
 かねてより我が党は、減災都市の実現を目指し、避難所や病院、公共施設に発電設備や蓄電池を配備することを強く要望してまいりました。
 これを受けて、都においては、避難場所等となる公園の防災強化に向け、非常用発電設備を舎人公園に設置するリーディングプロジェクトがいよいよ実現する運びとなると聞いております。
 そこで、舎人公園への非常用発電設備の設置に向けた取り組み状況についてお伺いをいたします。
 都では、津波による浸水被害などを考慮し、避難場所等の指定見直しを行いましたが、住民一人一人が安全に避難できるよう周知徹底すべきであります。引き続き都民の安全・安心の実現に向けて迅速かつ的確に対応するよう強く訴えておきます。
 また、島しょの津波に対応した避難対策も重要であります。
 先月、都は南海トラフ巨大地震に関する独自の被害想定を実施し、その詳細な結果を公表しました。この結果、津波による一定の被害が想定されるものの、素早く避難することで津波による死者がゼロとなる可能性があるということであります。
 今回の都の被害想定により、積極的に避難対策に取り組むことの重要性が明らかとなり、島の人々にとっても大きな希望へとつながりました。
 今後は、迅速な避難につながる事前の備えなど、津波による被害軽減に向け、ハード、ソフトを組み合わせた総合的な対策が必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、公共施設における雨水の一時貯留施設等の設置促進についてお伺いをいたします。
 現在進められております緊急豪雨対策では、公共施設を対象とした一時貯留施設等の設置促進を対策の柱の一つとしております。
 都では、昨年度、設置のための技術指針を策定するとともに、区市が整備に向けた実施計画を策定する際、費用の一部を補助する制度を新たに設けております。
 これらの支援により、今後、さらに整備を進めていくべきと考えますが、設置促進に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、下水道の浸水対策についてお伺いをいたします。
 我が党は、都に対し、都民の安全・安心を最優先とした施策の一つとして、浸水対策を推進するよう強く要望し、下水道局においては、貯留施設の整備を前倒すとともに、六月を浸水対策強化月間として位置づけ、都民に浸水への備えをお願いするなど、効果的な取り組みを進めており、評価しているところであります。
 しかしながら、最近では一時間に五〇ミリを超える豪雨が季節によらず多く発生し、これについても被害を軽減することが重要と考えます。
 そこで、下水道における浸水対策の現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 また、人が多く集まる大規模地下街については、一時間に五〇ミリを超える豪雨対策として大規模な貯留施設などの整備が必要ですが、高層ビルや商業施設などが集積する地区では、広い用地の確保が容易ではありません。
 渋谷駅東口では、駅周辺のまちづくりの中で貯留施設を整備していると聞いており、事業を進める上では、こうした工夫も重要であると考えます。
 そこで、大規模地下街における浸水対策の現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、環境施策についてお伺いをいたします。
 都はこれまで、気候変動の危機の回避に向け、先進的な取り組みを実施するとともに、都内の大規模排出事業者として、みずからも率先して徹底した省エネルギー施策や再生可能エネルギーの導入を進めてきました。
 今後、東京を後世に誇れるクリーンな都市とするため、CO2削減などを進めて環境負荷を低減させるとともに、経済成長を支え、環境にも優しいエネルギー政策を展開するスマートエネルギー都市を実現しなければなりません。
 都は、これに向けた重要な一つのツールとなるキャップ・アンド・トレード制度において、先般、次期の削減義務率を決定し、我が党の要望等も受けた配慮を盛り込みました。
 東日本大震災以降の電力事情の大幅な変化を受け、東京の都市活動におけるエネルギーのさらなる効率化が求められております。その意味では、本制度が果たす役割は大きいものと考えます。
 そこで、本制度を活用してスマートエネルギー都市を実現し、後世に誇れるクリーンな東京を目指すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 一方、東京の都市活動の中でも、下水処理には大量のエネルギーが消費されております。そのため、下水道事業においては、率先して省エネルギー対策を進める必要があり、未利用、再生可能エネルギーのさらなる活用を図ることが重要と考えます。
 そこで、下水道事業における未利用、再生可能エネルギー活用の取り組み状況と今後の予定についてお伺いをいたします。
 次に、アジアヘッドクオーター特区についてお伺いをいたします。
 現在、安倍政権は、日本を今度こそ本当によみがえらせるため、新たな成長戦略を構え、その一つとして、世界で一番ビジネスのしやすい国にすべく、特区制度を抜本的に見直しております。
 日本の心臓である東京は、新たな成長戦略を牽引し、中核とならなければなりません。極めて大事な局面において、その東京を預かる都知事には、粉骨砕身、都政のかじ取りに当たっていただきたい。そして、政権と緊密に連携をし、アジアヘッドクオーター特区を新たな特区へとバージョンアップしていくべきであります。我々もしっかりと取り組みますけれども、都の所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、国際展開についてお伺いをいたします。
 我が党では、ミャンマー友好議員連盟を設立し、同国の発展を後押ししております。ミャンマーの国づくりを官民一体となって支援するため、先月、安倍総理が同国を訪問し、電力や水道などのインフラ整備や人材育成を行うことになりました。
 水道局は、技術力やこれまでの取り組みが評価され、自治体で唯一、総理の訪問に同行しましたが、ミャンマーにおける今後の事業展開についてお伺いをいたします。
 また、かねてから我が党は、下水道事業の国際展開について、水や衛生問題に直面する国や地域のニーズをしっかりと把握し、課題解決に貢献するべきと主張してまいりました。
 このたび、都においては、マレーシアの首都クアラルンプール郊外で下水道施設の設計、建設、維持管理を一括して行う大規模プロジェクトを実現させるため、合弁会社を設立するとのことであり、世界の水環境の改善とともに、日本の産業力強化にもつながる取り組みとして高く評価すべきものであります。
 また、このプロジェクトは、東京下水道が持つ技術、ノウハウが、海外の水ビジネスの場においても、世界最高の水準にあることを示すよい事例ではないかと思います。
 そこで、今回のマレーシアでの下水道事業の国際展開の意義をお伺いいたします。
 次に、中小企業の経営力の強化についてお伺いをいたします。
 国の成長戦略の具体化が大詰めとなり、その内容への期待が高まっております。その一方、多くの中小企業は、長引く景気低迷の影響を克服することが重要な課題となっております。
 都は、我が党の強い要望を受け、中小企業の経営課題の解決を支援する経営力向上TOKYOプロジェクトを実施いたしました。これは、会社経営者から高い評価を受け、今年度も新たな形で再開することとなっております。景気が回復基調にある今こそ、中小企業が経営の内容の見直しを図り、業績の改善を実現する努力を後押しすることが重要であります。
 都は、中小企業の経営力の強化に向けた施策を着実に進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、東京の成長を担う中小企業の支援についてお伺いをいたします。
 我が党は、都内中小企業の支援に向けた的確な政策展開をリードしてきたと自負しております。この三月の中小企業金融円滑化法の終了に当たっても、我が党の緊急要望の内容が速やかに実現をし、企業の資金繰りへの懸念を取り除く上で成果を上げたものと考えております。
 経済に明るい兆しが出ている中、アベノミクスと連動した大胆な経済対策を実施し、日本を支えるものづくり産業の復活等に着実に取り組むべきであります。
 そのため、成長分野での創業を促すとともに、すぐれた技術力を持つ中小企業が存分に力を発揮できる支援が重要であります。
 成長分野で事業を展開する中小企業などを後押しする取り組みを展開させていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、中小企業の人材確保についてお伺いをいたします。
 都内には、数多くの中小企業や多様な人材が集まっております。東京が将来に向け持続的に発展する上で、成長の期待できる企業にすぐれた人材を結びつける取り組みは重要であります。
 これまで我が党は、若者や女性、高齢者など多様な人材の活用が必要と強調してまいりました。とりわけ、若者の就職がままならない状況が続けば、その能力を活用する機会を失い、社会的にも大きな損失をもたらします。長い目で見れば、社会保障制度の根幹をも揺るがしかねない問題であります。
 若者が中小企業を支える人材として力を発揮できるよう、雇用面からの対策が重要と考えますが、都としてどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。
 次に、国の成長戦略に連動したワークライフバランスの推進についてお伺いをいたします。
 国では、安倍総理が成長戦略の中核に女性の活躍を掲げ、総理みずからが経済団体に三年間の育児休業などを要請するとともに、ワークライフバランスの推進についてさまざまな取り組みを始めようとしているところであります。
 一方、我が党は、早くから地域コミュニティの重要性に着目をし、地域の底力再生事業助成により町会、自治会活動の活性化に努めてまいりました。この事業は、地域における防災への取り組みなど、着実に成果を上げてきており、今後とも本事業を活用し、地域の活動を活性化させることが望まれております。
 都においても、アベノミクスと連動し、すべての女性が職場でも地域でも生き生きと輝き活躍できる東京を実現することが必要であります。
 それには、これから社会の担い手となる若者がワークライフバランスを考え、人生設計をしていくことが重要であります。そのための取り組みについて所見をお伺いいたします。
 東京を世界で一番の都市にするためには、高齢者や障害者、子育て世代に優しい東京をつくり、だれもが地域で安心して暮らせる幸福実感社会を実現しなければなりません。
 その観点から何点かお伺いをいたします。
 まず、子育て支援についてお伺いをいたします。
 都は、認可保育所や認証保育所などさまざまなサービスを総動員して保育サービスの拡充を図ってまいりましたが、それを上回る保育ニーズが生じており、待機児童の解消には至っておりません。この背景には、社会環境の変化に伴い、子育てに関する人々の考え方が多様になるなど、さまざまな要因があると考えられます。
 我が党は、国に対しては子ども・子育て支援新制度に関する緊急要望を、都に対しては国の緊急経済対策への速やかな対応に向けた緊急要望として、待機児童解消を初め、子育て支援に一層積極的に取り組むよう要望してまいりました。
 延長保育、ゼロ歳児保育など大都市特有の保育ニーズにこたえていくためには、さまざまなサービスを組み合わせ整備することにより、量を拡大することが重要であります。また、サービスの質を支える人材の確保、定着を進めるための工夫もあわせて行っていくことが重要であります。
 都は、今後どのように取り組んでいくのか、その所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者対策についてお伺いをいたします。
 高齢化に伴い、都内の六十五歳以上のひとり暮らし世帯も一貫して増加しており、平成三十七年には全世帯の一三%に当たる八十二万世帯となる見込みであります。
 都は、我が党の少子・高齢化政策推進本部の提言を受け、さまざまな独自の施策を展開しておりますが、ひとり暮らし等でも住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、区市町村とともに高齢者を地域で支え見守る仕組みづくりを強力に推進すべきであります。所見をお伺いいたします。
 こうした取り組みは、都民の健康寿命を八十歳まで延伸することに必ず寄与するものであり、健康づくり施策との連携もあわせて要望しておきます。
 次に、障害者施策についてお伺いをいたします。
 我が党は、障害者が入所施設から地域生活に安心して移行できる支援体制の整備を求めてまいりました。
 これまでグループホームなどの地域生活基盤が整備され、就労している障害者の独立、自活に向けた必要な支援を行う通勤寮が法的に明確に位置づけられるなど、着実にその成果を上げております。
 この四月には障害者総合支援法が施行され、障害者の地域社会における共生の実現に向け、社会参加の確保や社会的障壁の除去を行うこととされましたが、都においても、地域移行を初め、地域生活の支援を一層充実すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、がん対策についてお伺いをいたします。
 都は、がん対策推進計画に基づき、さまざまな施策を展開し、がんによる死亡率の低下など、着実な成果を上げてまいりました。
 本年三月には、今後の高齢化の進展によるがん患者の増加を見据え、がん対策の一層の充実を図るとともに、小児がん対策やがん患者の就労等、新たな課題への対応も盛り込み、東京都がん対策推進計画を改定いたしましたが、今後、この改定計画に基づき、がん対策を具体的にどのように進めていくのかをお伺いいたします。
 次に、東京都地域医療再生計画についてお伺いをいたします。
 国は、二十四年度補正予算において地域医療再生臨時特例交付金を確保し、都道府県に交付すると聞いております。
 都は、この交付金を活用し、都民の命と健康を守る安心都市東京の実現を目指していくべきと考えます。
 交付金活用に当たっては、地域医療再生計画を追加策定することとなっており、都は先月、計画案を作成し、国に提出いたしました。
 そこで、都が作成した地域医療再生計画案の基本的な考え方についてお伺いをいたします。
 最近、医師等の関与のもとで使用されてきた医療用医薬品から、一般用に移行される医薬品が増加しており、使用者が健康被害を受けるリスクもあることから、我が党は、一般用医薬品の販売に際しては、薬剤師等の専門家が対面により使用者の状態把握、適切な情報提供を行うよう、国に要望したことを申し添えておきます。
 次に、観光振興についてお伺いをいたします。
 全世界の旅行者数は、今後二十年間で、現在の約二倍の十八億人になるといわれております。観光は経済波及効果が大きく、ふえ続ける世界の旅行者を積極的に東京に呼び込み、新たな消費を生み出していくことは、これからの東京の成長を支える重要な戦略であります。
 さらに、世界の人々との交流により東京の活力をさらに高めていくことは、世界に冠たる国際都市としての確固たる地位を築いていくことにもつながります。
 都は、先月、東京都観光産業振興プランを策定し、東京を訪れる外国人旅行者数を大幅に増加させることとしております。これを実現するためには、旅行者誘致に向けた新たな取り組みを強力に展開していくべきと考えますが、今後の都の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、臨海副都心の開発についてお伺いをいたします。
 前回の第一回定例会で、我が党は、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化が日本の経済を牽引する成長戦略であり、青海地区北側の開発は、厳しい都市間競争の上で重要なかぎとなることを明らかにいたしました。
 都では、独自の補助制度を活用した民間のコンベンションホール拡充やイベントによるにぎわいの創出など、MICE、国際観光機能の充実に取り組んでまいりました。
 しかし、今、アジアでは、シンガポールや韓国、フィリピンなどが、日本に先んじて、巨大な集客力と経済効果を持つカジノ併設の統合リゾート開発を進めており、特にシンガポールでは、大型クルーズ客船による集客力強化にも取り組むなど、競争は厳しさを増しております。
 後発の日本では、東京が先兵となって打てる手を今打たなければ、世界の潮流から取り残されてしまいます。
 今後、アジアナンバーワンの国際観光都市東京を目指し、明確な戦略を持って、臨海副都心の開発を一層進めることが必要であります。見解をお伺いいたします。
 次に、多摩の振興についてお伺いをいたします。
 本年三月に策定いたしました、新たな多摩のビジョンについてお伺いをいたします。
 第一回定例会でも申し上げましたが、ビジョンはあくまでも出発点であり、多様な顔を持つ多摩の特性を十分に踏まえ、実現に向けた具体の取り組みを推進することが重要であり、まず、都みずからが、全庁一丸となって取り組みを進めることが必要であります。そして、市町村や民間企業等も巻き込んで、ビジョンの具体化に向けた取り組みを進めなければなりません。
 また、本年は多摩の東京移管百二十年目であると同時に、スポーツ祭東京二〇一三が開催される、多摩地域にとって大きな節目の年でもあり、都は、こうした契機を生かし、多摩の魅力発信プロジェクトを推進するとしております。
 本プロジェクトを活用して、多摩地域で活動するさまざまな主体と、ビジョンで掲げた進むべき方向性を共有し、新たなビジョンの理念の浸透を図っていくことも重要であります。
 そこで、ビジョンの具体化に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、水道事業についてお伺いをいたします。
 我が党は、首都東京を支える最も重要な都市インフラである水道について、さまざまな提案をしてまいりました。これを受け、水道局では、水道管路の耐震継ぎ手化を大幅に前倒しするなど、震災対策を初めとした施策を積極的に進めてまいりました。
 そうした中で、多摩地区の水道は、区部と比べて施設の整備がおくれている印象がぬぐえません。例えば、配水管ネットワークの骨格となる配水本管の整備水準は区部の半分以下で、バックアップ機能が不十分な状況であります。長年にわたる市町への事務委託が完全解消された今こそ、さらなるレベルアップを図るべきと考えます。
 水道局では、本年五月、多摩水道改革計画二〇一三を策定いたしました。
 そこで、配水管ネットワークの整備について、今後の取り組みをお伺いいたします。
 また、多摩地区の浄水所等は、市町が水道事業を担っていた時代に築造された、小規模で老朽化した施設が多数存在をし、脆弱な状況にあります。こうした施設が事故等で停止した場合には、多摩地区の住民生活や都市機能に多大な影響を及ぼすことになります。
 そこで、これらの浄水所等の整備について、今後の取り組みをお伺いいたします。
 また、多摩と島しょ地域の農林水産業の振興について、我が党は、農地の保全や農家の経営力強化を初め、林業や水産業の活性化など、幅広い分野で多くの提案を行ってまいりました。
 今後は、大消費地に近接する多摩・島しょの強みを生かし、地産地消を重視した効果の高い政策の展開を図るべきことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、教育についてお伺いをいたします。
 東京、ひいては我が国に活気と発展をもたらすのは、夢と希望を持ち、いかなる障壁にも立ち向かう若い力であります。経済社会のグローバル化が急速に進展する中、知力、体力、人間力を備え、世界と渡り合える若者の育成に首都東京が率先して取り組み、国を牽引していかなければなりません。
 我が党は、若者に夢や希望を与える教育都市東京を目指し、さまざまな取り組みを推進してまいります。
 教育都市東京では、理数教育を拡充し、技術立国を支える人材を育成するとともに、海外留学、進学を後押しし、年間二千人の若者を海外武者修行に送り出し、世界と渡り合える若者を育てます。
 また、知、徳、体の基礎的な力を、すべての子どもが習得できるようにいたします。これまでも我が党は、知、徳、体の育成のため、土曜授業の活用を提言し、推進してまいりました。
 学校の教育活動を一層充実するため、学校週五日制の趣旨を踏まえつつ、引き続き、都内公立小中学校の土曜授業を拡充すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 教育の成否は、教育に直接かかわる教員にかかっております。しかしながら、その教員による体罰が問題となっております。
 先般、都教育委員会は、体罰の実態調査の最終報告を発表しました。それによれば、平成二十四年度に百四十六校で百八十二人の体罰があり、学校内外で体罰を容認してしまう風土があることや、部活動指導等において一部に体罰を指導の一環と考える教員がいることなどの課題も明らかになりました。
 我が党は、極めて深刻な問題と受けとめており、学校ではいかなる理由があっても、体罰は絶対にあってはならないと考えます。
 そこで、都教育委員会は、今後、体罰根絶に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。
 これまで我が党は、すべての都民を元気にする、スポーツ文化都市東京をつくるために、スポーツを楽しめる環境づくりや世界を目指すアスリートの育成など、スポーツ振興に取り組んでまいりました。
 とりわけ、オリンピック・パラリンピック招致においては、率先して都内の町会、自治会や各種団体の地域力によるご支援をいただきながら、全国にも呼びかけ、東京招致のために最大限のエネルギーを傾注してまいりました。さまざまな努力が実り、現在までに、東京招致を要望する百六十万もの署名が集まっており、そこには都民、国民の熱い期待や希望が込められております。
 先月、トルコを訪れた安倍総理がイスタンブールにエールを送り、フェアプレーの精神を演出しました。これまで築いてきたオールジャパンの体制がしっかりと根づいていることを確認することができました。今後、東京の強みをしっかり訴え、招致活動に取り組むべきと考えます。
 そこで、先日のスポーツアコード会議での成果を踏まえ、今後の招致レースに臨む知事の決意をお伺いいたします。
 次に、スポーツ祭東京二〇一三についてのお伺いをいたします。
 スポーツイヤーである本年の集大成となるスポーツ祭東京二〇一三本大会が、九月二十八日より開催されます。
 この大会は、都内六十二全区市町村で開催され、多摩・島しょの豊かな自然や歴史、文化、観光資源など、東京の魅力を全国に発信する絶好の機会となります。
 東京には、全国から人々が集まり、生活しております。各道府県の出身者の多くは、遠く離れたふるさとへの郷愁の念があるものであります。
 このような思いが集まる東京だからこそ、スポーツ祭東京二〇一三では、東京のみならず、ふるさとへも元気を発信し、スポーツを通じて日本じゅうが大いに元気づくような取り組みを実施すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 さて、都議選の投票日は六月二十三日と、残すところあと二十日余りであります。我々都議会自民党は、日々、都民や各種団体からの声をじかに聞く中で、政権政党として、都民の目線に立ち、東京都民の安全・安心を守り、首都東京から日本を元気にする取り組みを行ってまいりました。
 とりわけ、三年余りの民主党政権が停滞させてきた政策に関して、中小企業対策はもとより、法人事業税の暫定措置の撤廃を初めとする地方税制度の見直し、防災対策の充実強化など幅広い分野にわたり、安倍政権に対し緊急要望を行い、政策を推進してまいりました。
 自民党の安倍内閣は、民間の成長戦略を打ち出し、金融、財政政策に加え、強い経済を取り戻すためのアベノミクスは非常にうまく機能して、リーマンショック前の水準に戻るという快挙を達成しております。
 このような状況にあっても、都民の生活、仕事を守り、責任ある政治を貫き、東京の未来を切り開くため、山積する課題の本質を見きわめながら都政をリードしていく、それが都議会自民党に課せられた責務であり、都民の期待にこたえる道であります。
 来るべき都議選には、東京を世界で一番の都市にをメーンキャッチとして、安全・安心ビジョンと、活気・発展ビジョンを柱に、災害に強い安全な東京、都民の命と健康を守る安心都市東京、高齢者や障害者に優しい東京、日本の将来を担う子育て世代に優しい東京、後世に誇れるクリーンで美しい東京、力強い経済で日本をリードする東京、すべての都民を元気にするスポーツ文化都市東京、そして人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくるなど、世界一の東京の創造を目指し、引き続き猪瀬知事とともに全力を傾注する覚悟であります。
 私たちは、公認候補全員の当選で新たな東京をつくる決意であることを表明して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 山田忠昭議員の代表質問にお答えします。
 特区のバージョンアップについてでありますが、日本は近代以降、外圧という国家の危機をばねに発展してきました。しかし、世界のフロントランナーとなった今、我々はみずからの力で課題を見出し、目標を構えて前に進んでいかなければなりません。
 首都を預かる知事として、これまでの常識にとらわれずに発想して、都議会の皆様と議論を重ね、ご協力も得ながら、日本に自信と希望を取り戻していきたい。
 近代からの歴史軸──近代というのは明治維新以降この百五十年間のグローバル社会ですが、そこから見て、改めて見て、このご質問にある特区の問題を初めとする成長戦略では、日本人の知恵と覚悟が試されているというふうに思います。
 安倍政権が新たな成長戦略の検討を急いでおりますが、これに期待しています。この戦略は東京抜きにはあり得ないと思います。
 安倍総理がピッチャーであるならば、我々は国家戦略特区というボールを、現場を有する東京都がキャッチャーとしてしっかり受けとめ、地下鉄、バス、病院、学校、消防、水道、下水道、さまざまな現場を持っている東京都がキャッチャーとしてしっかりと受けとめて、アジアヘッドクオーター特区の取り組みを深掘りしていきたい。
 こうした観点から、過日出席しました産業競争力会議におきまして、第一に、海外企業の日本進出に当たり、障害となっている法人実効税率をさらに引き下げ、香港やシンガポールの水準に近づけるよう求めてきました。
 第二に、外国企業の誘致に向けては、ビジネスの利便性やそこで働く外国人とその家族が医療や教育の面などにおいて安心して生活できる環境整備が不可欠であります。
 そこで、入国手続など国に規制緩和を求めています。またあわせて、東京都としては、例えば病院を対象に世界標準で医療の質を保証するJCI認証の取得など──JCI認証というのは、今、聖路加病院とNTT病院がありますが、工場におけるISO規格のようなそういう認証ですけれども、アメリカならアメリカの保険が、例えば、聖路加なら聖路加病院に入ると適用される、そういう認証を得なければいけない。そういうJCI認証の取得支援など、幅広くこうした分野での取り組みを推進していきます。
 さらに、東京の交通システムの利便性を国際水準に引き上げる必要があります。
 ロンドンでもパリでもベルリンでもニューヨークでも、バスは二十四時間動いています。とりあえずは六本木と渋谷、試行的にまずやってみようと思っています。
 こうした取り組みを含めて、時間の市場を開発して、人々のプライベートを充実させ、内需の拡大につなげていきたい。そうすることで、東京の魅力はさらに磨きがかかると思っています。今後とも、日本再生のため、安倍政権が進める成長戦略の実現に向けて政府と連携を密に図っていきたい、こう思っております。
 続いて、オリンピック・パラリンピックについてでありますが、招致レースを優位に戦い抜くためには、東京の強みを最大限生かせる分野にIOC委員の関心が向くよう戦略的に訴えかけていくことが重要であります。
 先週、ロシアのサンクトペテルブルクでのスポーツアコード、国際競技連盟の会議です。スポーツアコードでは、大会開催のビジョン、大会の開催の運営能力、この双方を兼ね備えているということが必要である。これをIOC委員及びその関係者に改めてもう一度強く印象づけることができたと、そういうふうに実感しております。
 七月初旬ですが、スイスのローザンヌにおいて、すべてのIOC委員が出席するテクニカルブリーフィングがあります。そこに出席します。そして、最終プレゼンテーションの場であるアルゼンチンのブエノスアイレス、これ九月七日であります。IOCの総会に出席します。
 そこで、東京が友情、尊敬といったオリンピズムの精神を持って大会開催を成功させるという熱意を示したい。さらに、東京が世界で最も安全・安心な都市であり、大会を成功に導く強固な財政力を有していることなど、大会実現能力が極めて高いことを最大限にアピールしたい。
 開催都市が決定されるIOC総会では、安倍総理にもプレゼンターとしてご登壇いただくよう強く要請しておりまして、国家の総力を挙げて臨んでいきたい、そう思っております。
 今後も、他都市への敬意を持って、これまで以上に全力を挙げて招致レースに臨んでいきます。都議会の皆様のご支援をいただき、オールジャパンの体制で必ずや招致をかち取っていく、その決意でいます。
 なお、その他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、公立小中学校の土曜授業の拡充についてであります。平成二十年の学習指導要領の改訂に伴い、授業時数がふえたことや開かれた学校づくりを一層推進する観点から、土曜授業を行う小中学校は増加をしております。
 土曜授業を有効に活用している学校では、親子参加型の体力づくり講習会や地域の方をゲストティーチャーとして招いた特色ある教育活動の実施、授業時数及び放課後のゆとりの確保などに効果を上げております。
 今後とも、都教育委員会は、学校週五日制の趣旨を踏まえた土曜授業のすぐれた取り組み例についてリーフレット等で周知するなどして、学校が月二回を上限として土曜日を積極的に活用し、家庭や地域と一体となって子どもたちの学力向上や体力向上の取り組みを一層推進できるよう、区市町村教育委員会を支援してまいります。
 次に、体罰根絶に向けた取り組みについてであります。
 このたびの体罰調査では、教員が体罰を行った理由として、六割が一時的な感情によるもの、四割が体罰を教育の手段と考えているものという結果となりました。
 この背景には、子どもにわかるように言葉で冷静に指導する力量の不足や、部活動では厳しい指導も必要と体罰を容認する風土があるなど、根が深い問題がございます。
 このため、都教育委員会は、部活動指導等の在り方検討委員会において、効果的な体罰防止プログラムの開発、全顧問教諭を対象とした都独自の研修の開発と実施、児童生徒や保護者の意識改革に向けた啓発活動の強化などを柱とした総合的な対策を八月を目途に策定し、学校や区市町村教育委員会と一体となって体罰の根絶に取り組んでまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 都立舎人公園への非常用発電設備の設置についてでございますが、都立公園は風格ある都市景観を形成し、首都東京の魅力を高める憩いの場であり、震災時には避難や救出救助の拠点になるなど、都民生活に欠かすことのできない都市施設でございます。
 首都直下地震などの発災時に地域の防災機能の強化を図るため、「二〇二〇年の東京」計画にリーディングプロジェクトとして位置づけ、舎人公園に応急復旧活動のための公園電源を確保し、周辺の生活関連施設にも電力供給する非常用発電設備を新たに設置することといたしました。
 具体的には、耐震性にすぐれた管により都市ガス供給を受け、電源が復旧するまでの間、四千八百キロワットの連続運転が可能な設備といたします。
 さらに、公園に隣接する北足立市場、日暮里・舎人ライナー、足立トラックターミナルにも発災時に必要な電力を供給するものでございます。今年度中に計画を策定してまいります。
 今後とも、関係部署と連携し、高度防災都市の構築に向けて、公園の防災機能の早期強化に全力で取り組んでまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 補正予算についてでありますが、今回の補正予算は、国の緊急経済対策に時期を逸することなく呼応するとともに、子育て支援の強化に向けた都独自の取り組みを行うことを基本に編成を行っております。
 具体的には、まず地域の元気臨時交付金を活用し、公共事業を前倒しするとともに、昨年度に積み立てを行った基金を活用した取り組みを早期に行うことにより、地域の景気を支え、雇用の創出を進めてまいります。
 また、国の対策を補完するため、認証保育所などで働く保育士等の処遇改善を行うほか、小規模保育の拡充を図るなど都独自の子育て支援を一層強化してまいります。
 こうして編成した補正予算を円滑かつ着実に執行することにより、東京の活力のさらなる向上や都民の安全・安心の確保にしっかりとつなげてまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、首都直下地震等対処要領の策定についてでありますが、発災時には、自衛隊、警察、消防等各機関が緊密な連携のもと、都内各地域でその被害の状況に応じた救出救助活動を速やかに展開していく必要があります。
 そのため、対処要領では、想定される被害の特性などに応じて、複数の区市町村を単位とする十カ所程度の圏域を設定し、各機関の初動対応等を明確化してまいります。
 具体的には、密集市街地が広がる圏域では、建物倒壊や火災被害に対応した救出活動と災害拠点病院等への経路の確保、急傾斜地の崩壊が懸念される山間部では、ヘリによる被害者の救助や救援物資の搬送など、各圏域の地域特性に応じた災害活動をあらかじめ定めておきます。
 実践的な訓練を重ね、各機関の連携内容の検証や改善を進め、実効性ある対処要領の策定につなげてまいります。
 次いで、島しょの津波対策についてであります。
 想定された巨大な津波から人命を守るには、これまでの防潮堤整備などハード対策とあわせ、住民避難を軸にしたソフト対策を行うなど総合的な取り組みが重要となります。
 このため、海岸保全施設に加え、津波避難タワーなどの整備を着実に進めてまいります。また、町村の具体的な避難計画の策定が進むよう、新たな想定に基づき、島ごとに津波による浸水地域を明らかにして、避難方向などを図示したハザードマップ基本図を作成し、提供してまいります。
 さらに、この十月には、最大の津波高が予想された新島におきまして、総合防災訓練を実施し、観光客や災害時要援護者を含めた迅速な避難方法などを検証してまいります。
 今後とも、ハード、ソフト両面から対策を総合的に推進することで、津波による死者ゼロを目指してまいります。
 最後に、新たな多摩のビジョンの具体化に向けた取り組みですが、まず東京都みずからが全庁一丸となって取り組めるよう、多摩島しょ振興推進本部のもとに都の施策に関する検討会を設け、全庁横断的な体制を整備してまいります。
 また、都や市町村に加え、多摩地域で活動する学識経験者、民間企業等で構成するビジョン連携推進会議をこの夏ごろを目途に新設し、まちづくりや産業振興等、さまざまな分野について意見交換を行うなど、多面的な検討を進めてまいります。
 こうした検討を踏まえ、都の取り組みのほか、市町村、民間企業等による先進的な取り組みも含めて取りまとめ、年度内に新たな多摩のビジョン行動戦略を策定いたします。
 さらに、多摩の東京移管百二十周年などを契機に実施する多摩の魅力発信プロジェクトも有効に活用し、暮らしやすいまちづくり等をテーマとしたシンポジウムを開催するなど、ビジョンの考え方を広く普及させてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、応急仮設住宅の供給体制の充実についてでございますが、都においては、震災等により家屋が被災し、居住が困難となった方に対して、都営住宅などの公的住宅や借り上げによる民間賃貸住宅とともに、直接建設により応急仮設住宅の供給を行うこととしております。
 仮設住宅の建設につきましては、現在、プレハブ建築による住宅の建設に関する協定を締結しておりますが、東日本大震災の被災地では木造の仮設住宅も建設され、迅速な供給に寄与したと聞いております。
 都においても、供給体制を重層化して充実を図り、震災等への備えを強化していくことが重要と考えており、今後、木造の応急仮設住宅について適切な供給ができるよう、関係団体との協定の締結に向けて取り組みを進めてまいります。
 次に、公共施設を活用した雨水の一時貯留施設についてでございますが、都は率先して都営住宅などを活用した一時貯留施設等の整備を進めるとともに、都と関係する二十八区市で構成する協議会での技術指針の周知に加え、区市での取り組みをさらに進めるため、実施計画策定への補助制度を昨年度導入いたしました。
 今年度は、都営住宅三団地に加え、練馬区内の都立高校や武蔵野市内の中学校の校庭などで整備されることとなっております。
 また、実施計画策定についても、昨年度の西東京市に引き続き、大田区と世田谷区が補助制度を活用いたします。
 今後も、協議会の場に加え、直接、区市に対し一時貯留施設等の設置を働きかけるなど、あらゆる機会をとらえ、整備促進に取り組んでまいります。
   〔下水道局長小川健一君登壇〕

〇下水道局長(小川健一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道における浸水対策についてでございますが、現在、浸水の危険性が高く、優先的に整備することとした対策促進地区二十地区のすべてで事業に着手し、平成二十九年度までの完了を目指しております。
 また、かつての川を下水道幹線として利用している流域などでは、幹線が浅く埋設されているため、浸水被害が発生しやすい状況にございます。
 このような流域二十地区を重点地区として新たに選定し、既存の幹線の下に新たな幹線を整備する手法なども取り入れ、対策を実施していくことといたしました。
 今後は、こうした取り組みに加え、浸水対策として整備してきた貯留管や貯留施設等を新たな幹線と連結するなどの検討を行い、一時間五〇ミリメートルを超える降雨に対しても浸水被害を軽減してまいります。
 次に、大規模地下街の浸水対策についてでございますが、これまでに新宿駅などの四地区で一時間七五ミリの降雨に対応できる貯留施設などを整備してまいりました。
 お話の渋谷駅東口では、駅周辺の開発事業者により四千立方メートルの貯留施設の建設工事が進められております。
 また、新橋・汐留駅地区では、大規模な貯留施設整備に必要な用地の確保が困難なため、既存の下水道管網を太い管に取りかえるなど、下水道管を増強する手法を採用することとし、今年度着手してまいります。
 さらに、東京駅丸の内口、銀座駅、上野・浅草駅の三地区においても、さまざまな工夫を取り入れ、平成二十七年度までに施設整備に着手してまいります。
 これらの浸水対策を強力に推進し、安全・安心な東京の都市づくりに貢献してまいります。
 次に、下水道事業における未利用、再生可能エネルギーを活用した取り組みについてでございます。
 これまで下水処理水を放流するときの高低差と豊富な水量を利用した小水力発電、汚泥の処理工程で発生するメタンガスを利用した発電、施設上部等を活用した太陽光発電などに取り組んできております。
 今後は、汚泥焼却時の熱の有効利用により、運転に必要な電力をみずから発電できるエネルギー自立型の焼却システムを開発、導入してまいります。
 また、太陽光発電につきましては、水処理施設のふたに太陽光パネルを張りつけるなどの工夫により、設置コストを縮減し、メガワット級の太陽光発電施設を増設してまいります。
 こうした取り組みにより、エネルギーのさらなる効率的、効果的な利用を進めてまいります。
 次に、下水道事業の国際展開についてでございますが、東京の下水道事業は、都市機能が高度に集積し、人口が稠密な東京にあって、短期間に整備をなし遂げるなど、高度な技術と効率的な運営能力を持っております。
 このたび、省スペース型の下水処理場の建設や、効率的な維持管理手法など、東京が培った技術や経験が、水環境の改善を目指すマレーシア政府から高く評価され、下水道整備プロジェクトを進めていくための合弁会社を設立する運びとなりました。
 このプロジェクトが実現すれば、計画人口五十四万人で数百億円の事業となり、官民連携による下水道分野での海外展開では最大規模のものとなります。
 これは、海外展開を目指す他の自治体や事業者にとって、リーディングケースを示すものであり、日系企業の参入機会を創出していくなど、大変意義深いものと考えております。
 今後とも、東京のすぐれた技術を海外に発信し、世界の水環境の改善と、東京ひいては日本の産業力の強化に貢献してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) キャップ・アンド・トレード制度を活用したスマートエネルギー都市の実現についてございますが、二〇一〇年度からの本制度の導入に伴い大規模事業所では、省エネ推進体制の構築や削減対策の計画化など総量削減義務の履行に向けた取り組みが進められてまいりました。震災後の電力不足に際しましては、これらの取り組みを生かした効果的な節電が行われ、企業活動に大きな支障を来すことなく、大幅な削減を実現することができました。LED照明などの省エネ性能の高い機器の導入が飛躍的に進むとともに、電力使用状況を見える化するシステムなど、エネルギー需要の効果的な管理を可能とする仕組みも広く普及されるようになってまいりました。
 今回、都は、オフィスビルでの一七%削減など、第一期を大きく上回る第二期削減義務率を定めました。この削減目標は、震災後の踏み込んだ省エネ対策を定着化させ、都内の大規模事業所が、エネルギー使用量及びCO2排出量の削減と企業活動の発展を両立させるスマートエネルギー都市のトップランナーとしての役割を果たす基礎になるものでございます。
 今後とも、東京が世界に先駆けて実現した都市型キャップ・アンド・トレード制度を最大限に活用するなど、我が国のすぐれた省エネ技術の一層の活用とエネルギーマネジメントシステムの全面的な普及を推し進め、スマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、ミャンマーにおける今後の事業展開についてであります。
 ミャンマーでは、浄水場等の施設整備が不十分であるなど、安全な水が手に入らないほか、設備の老朽化による断水や漏水、さらには人材の不足など、さまざまな問題が生じております。こうした中、水道局では、これまで東京をモデルとして水道の改善を目指すミャンマーの最大都市ヤンゴン市から幹部職員を受け入れ、研修を実施するなど人材育成を支援しております。また、都と連携して国際貢献ビジネスを推進する監理団体の東京水道サービスが、同市の水道マスタープランの策定に協力しております。
 さらに、今般、首相に同行し、ヤンゴン市で開催された日本・ミャンマー経済セミナーにおきまして、都市の発展における水道の役割などについて私がプレゼンテーションを行ってまいりました。
 今後、民間企業とも連携し、東京水道の世界一の技術をもって、ミャンマーの発展に貢献してまいります。
 次に、多摩地区における配水管ネットワークの整備についてでありますが、多摩地区では、これまで市や町ごとに給水してきた経過から、配水管の整備が区部と比べて不十分な状況にあります。
 また、バックアップする管がないため、漏水事故の際に断水が広範囲に及ぶとともに、老朽化した管の取りかえも困難となっております。
 このため、本年五月に策定いたしました多摩水道改革計画二〇一三に基づき、市や町の区域内はもとより、市や町の区域を超えた配水管の整備を重点的に行い、配水管ネットワークを構築してまいります。
 これにより、バックアップ機能を強化し、事故時や管路更新時における給水の安定性を向上させてまいります。
 最後に、多摩地区の浄水所等の整備についてであります。
 多摩地区には浄水所が七十カ所、給水所等が百二十六カ所存在し、そのほとんどは、市や町が水道事業を経営していた時代に整備された小規模施設であります。
 このうち、浄水所の約八割が、築造後四十年以上を経過し、老朽化が進行しており、また、事故時にバックアップとして機能する給水所の配水池容量が不足しているなど、多くの課題を抱えております。
 このため、施設の集約化、老朽化施設の更新、必要な配水池容量の確保などに取り組んでまいります。
 今後、多摩水道改革計画に基づき、こうした施設整備などの施策を強力に推進し、多摩地区水道の水準を向上させてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の経営力の強化への支援についてでございます。
 都はこれまで、商工会議所など中小企業支援機関と協力して、企業の現場に経営の専門家を派遣し、さまざまな課題解決の実現を支援してまいりました。
 今年度、都は、中小企業支援機関とともに、新・経営力向上TOKYOプロジェクトを新たに開始し、企業の規模に応じたきめ細かな経営診断を現場で実施するなど、より効果の高い支援を展開いたします。
 これに加え、抜本的な経営の見直しを図る中小企業の努力を後押しするため、経営変革アシストプログラムを新たに実施し、業績の向上を目指す計画の策定からその実行までを総合的に支援するなど、事業内容の一層の充実を図ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みにより、都内の中小企業の経営力の強化を着実にサポートいたします。
 次に、成長分野での中小企業支援についてでございます。
 中小企業が成長分野へ参入しやすい環境を整え、その事業の発展に向け、経営、技術、資金などさまざまな面から支援を行うことが重要でございます。
 都はこれまで、インキュベーション施設を整備し、経営ノウハウ等の提供を進めており、今年度から施設同士の協力を促し、段階に応じた創業支援を開始いたします。また、企業が研究機関等から技術の導入を図る経費に助成し、速やかな事業実現を促進しておりますが、今後、大学等と共同した新製品開発への新たな支援も開始することとし、現在、具体的な技術開発テーマの検討を進めております。
 資金面でも、金融機関の独自のノウハウを活用した新メニューを七月から開始するなど、支援の充実を図ります。
 今後は、国の成長戦略をも踏まえ、成長分野での中小企業の事業の発展を支える取り組みを進めてまいります。
 次に、中小企業の人材確保と若者の雇用についてでございます。
 東京の中小企業が持続的に成長していくためには、次代を担う若者と有為な人材を求める中小企業を結びつける若年者就業対策の充実と強化が必要です。
 このため、都は今年度、介護、省エネルギー、防災の三つの成長産業分野を対象に、研修と就労体験を組み合わせた支援プログラムを実施し、若者の就業を後押しいたします。
 また、民間就職情報サイトを活用した若者就活応援プロジェクトでは、参加企業の職場環境や技術力等を独自調査し、企業PRを含めた求人情報を効果的に発信いたします。
 さらに、先月立ち上げたTOKYO就活スタイルプロジェクトチームにおいて、民間のノウハウを活用した都独自の就職支援モデルを構築してまいります。
 今後とも、これらの取り組みを通じて、意欲ある若者の就業機会を確保し、東京の産業振興を人材面から推し進めてまいります。
 最後に、外国人旅行者の誘致に向けた都の取り組みでございます。
 世界の旅行者数は、今後二十年間で倍増すると予想されており、都は、先月策定した観光産業振興プランにおいて、海外の主要な旅行市場の動向や特性を詳細に調査し、東京の魅力を強く印象づける、より効果的な誘致活動を展開することといたしました。
 また、経済成長が著しい東南アジア等の国のうち、旅行者の大幅な増加が見込まれますベトナムやインドネシアなどに対して、民間事業者と連携した重点的な誘致活動を新たに実施いたします。さらに、行き先や目的をみずから自由に選択する個人旅行者の増加に対応するため、SNSなどの多様な媒体で東京のきめ細かい観光情報を発信するなど、今後、都市間競争に打ち勝てるよう、外国人旅行者の誘致に向け幅広い施策を積極的に展開してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 国の成長戦略に連動したワークライフバランスの推進についてでありますが、仕事と生活を両立できる社会を築くためには、将来、社会の担い手となる若者が、ワークライフバランスの意義や重要性を認識し、長期的な視野で人生を考えていくことが重要であります。
 都はこれまで、男女平等参画のための東京都行動計画に基づき、ウエブサイトを通じた情報発信、企業の先進的な取り組みを紹介する実践プログラムの活用などにより、ワークライフバランスの推進に取り組んでまいりました。
 今年度は、新たに若者を対象として、両立支援制度の知識やキャリア形成の必要性を理解するためのセミナーを実施するとともに、大学等と連携した講座を開催いたします。
 また、ワークライフバランスの推進に向けた国の方針や施策を的確に把握し、フォローアップするための普及啓発にも努めてまいります。
 今後とも、若者を初めとした都民全体に、仕事と家庭、地域生活の調和への意識を高めるとともに、国の施策とも連動し、すべての女性が活躍できる社会の実現を積極的に図ってまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、多様な保育ニーズへの対応についてですが、都はこれまで、保育の実施主体である区市町村のさまざまな取り組みを支援しており、平成二十三、二十四年度には、新たに年一万人分以上の保育サービスが整備されました。
 今後、こうした区市町村の取り組みを一層促進するため、国の待機児童解消加速化プランで示された支援策を含め、安心こども基金を活用するとともに、施設整備に係る事業者や区市町村の負担を軽減する都独自の支援策や、都有地の活用を推進いたします。また、今年度創設した小規模保育の運営費補助を、今回の補正予算で拡充いたします。
 さらに、サービスを担う保育人材の確保や定着を図るため、国が認可保育所のみを対象に行う処遇改善を、認証保育所や小規模保育等にも拡大して実施いたします。こうした施策を総合的に展開し、多様な保育ニーズにこたえてまいります。
 次に、高齢者を地域で支える仕組みについてですが、お話のとおり、高齢者の生活を地域で支えるためには、日ごろからの見守り活動や、支援が必要なときにサービスにつなぐ仕組みづくりが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、包括補助を通じて区市町村における見守りの取り組みを支援するとともに、シルバー交番設置事業により拠点の整備を進めており、三月には、担い手となる人材育成や個人情報の取り扱い等の具体的事例を盛り込んだガイドブックを取りまとめたところでございます。
 今年度は、このガイドブックも活用し、高齢者を日常的に見守り、異変に気づいた場合に地域の専門機関につなぐサポーターの養成について、新たに区市町村を支援するなど、地域資源を活用した見守り体制の一層の充実を図ってまいります。
 次に、障害者の地域生活を支える施策についてですが、都は障害者の地域生活への移行を進めるため、障害者の地域移行・安心生活支援三か年プランにより、整備費の特別助成を実施し、地域生活基盤の整備を図っているところでございます。
 また、知的障害者の就労と生活を一体的に支援する通勤寮を初め、入所施設からグループホームへの移行や、グループホーム等から一般住宅への移行に取り組んでおり、今年度からは、新たに地域移行促進コーディネーターを入所施設に配置し、障害者への支援を行ってまいります。
 さらに、今回の障害者総合支援法の施行を踏まえ、障害者の社会参加を支援する、手話通訳等の意思疎通支援についても、区市町村における実施状況を勘案しながら広域的な対応など、都としての充実策を検討してまいります。
 次に、今後のがん対策についてですが、都は現在、新たながん対策推進計画に基づき、関係機関と連携し、施策の具体化に向けた取り組みを進めているところです。
 小児がん医療では、本年八月までに診療連携ネットワークに参画する医療機関を選定し、秋には連携体制を検討する小児がん診療連携協議会を立ち上げてまいります。
 また、がん患者の就労等相談支援につきましては、年内に実態調査を実施し、治療と就労の両立に関する課題を把握した上で、具体的な支援策の検討を開始いたします。
 がんに関する総合的な情報提供では、現在実施している患者団体等からのヒアリング調査を踏まえ、年度内に東京都がんポータルサイトを立ち上げる予定でございます。
 今後も、都民や関係機関と一体となって新たな施策を展開し、がん対策の一層の強化を図ってまいります。
 最後に、地域医療再生計画についてですが、都は、超高齢社会の到来を見据え、ことし改定した東京都保健医療計画の重点課題のうち、災害医療と在宅療養に関する施策を柱に、地域医療再生計画案を作成いたしました。
 災害医療では、航空機による広域患者搬送拠点における臨時医療施設、SCUの整備や、災害時に医療機関情報を共有する広域災害救急医療情報システム、EMISを都内全病院に配備することなどを盛り込みました。
 また、在宅療養につきましては、体制整備に積極的に取り組む区市町村への支援や、がん患者の円滑な在宅療養への移行支援などに取り組むこととしております。
 今後、国の有識者会議の審議を経て、施策の採択と交付決定がなされることとなっており、これを受け、本年秋までに都の地域医療再生計画を決定する予定でございます。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 臨海副都心の戦略的な開発についてですが、統合リゾート、いわゆるIRに関する法整備など国の成長戦略策定の動きも注視しつつ、まず、ウオーターフロントという地域独自の魅力を生かした取り組みに直ちに着手し、集客力を高めていきます。
 具体的には、大型クルーズ客船のさらなる積極的な誘致やその受け入れ体制の充実、臨海副都心を起点とする新たな舟運ルート開設支援などさまざまな工夫で、国内外の旅行客を引きつける観光資源の開発を進めていきます。
 さらに、臨海副都心の各エリアを容易に移動できる新たなシステムであるモビリティーロボットなどの最先端技術や、多言語による情報提供などきめの細かい外国人サービスなどにより、地域としての付加価値を高め、アジアの諸都市との厳しい都市間競争に勝ち抜いてまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) スポーツ祭東京二〇一三における首都東京ならではの取り組みについてでございます。
 スポーツ祭東京二〇一三は、都道府県を代表する選手によって繰り広げられます国内最大のスポーツ大会でございまして、郷土の誇りを胸にトップアスリートや障害のある選手による真剣勝負が展開されます。
 ご指摘の東京の特徴を生かした取り組みとして、ふるさとの選手等を応援する、ふるさと応援団を都道府県ごとに総勢一万人を超える規模で結成いたしまして、心のこもった応援活動を行います。
 具体的な活動としては、開閉会式や都内各所の競技会場で、ふるさと出身の選手を応援することはもとより、選手からもふるさと応援団へ、SNSなどを活用しメッセージを伝えるなど、双方向コミュニケーションを通じて、大会の盛り上げを図ってまいります。
 また、各競技会場にふるさと応援団が足を運ぶことで、都内のにぎわいをさらに創出し、東京の地域振興にもつなげていきます。
 大会開催まであと百日余りでございますが、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を初めて一つの祭典として開催するスポーツ祭東京二〇一三の成功を期して、万全な準備を行ってまいります。

〇副議長(ともとし春久君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十三分休憩

   午後四時開議

〇副議長(ともとし春久君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十三番谷村孝彦君
   〔六十三番谷村孝彦君登壇〕

〇六十三番(谷村孝彦君) 私は、都議会公明党を代表し、知事、警視総監、教育長並びに関係局長に質問いたします。
 初めに、都営バスの二十四時間運行について質問します。
 猪瀬知事は、現地時間四月十五日午前、ニューヨークで、都営バスの一部路線において年内に二十四時間運行をすることを突如として表明し、昨日の所信表明でも改めて言及されました。決断の理由として、世界のビジネスは二十四時間動いている、私たちのライフスタイルに一石を投じるためとしております。
 東京の魅力向上への知事の熱意は少なからず伝わってまいりますが、その手法に対して、都民の中には、二十四時間運行による消費エネルギーの増加など環境への悪影響、眠らないまちの治安の悪化、深夜、早朝の運転士確保による人件費の増加、これまで行ってきた行政改革との整合性などを疑問視する意見もあります。
 加えて、都営バスはいまだ赤字事業であり、二十四時間運行の採算性の見通しも明らかにされないままでの決定に対し、赤字が拡大し、他の不採算路線の存続にも影響が出るのではないかと懸念する声も上がっております。
 こうした都民の声に真摯に耳を傾け、慎重に検討すべきと考えます。見解を求めます。
 あわせて、運行ルートに予定される渋谷・六本木地域における盛り場総合対策の取り組み状況と今後の課題について警視総監に答弁を求めます。
 次に、保育所の待機児童解消について質問します。
 都は平成十三年度より、大都市の保育ニーズに対応するため、その特性に着目した都独自の基準を満たす認証保育所の設置を促進してきました。また、継続して深刻な課題となっている保育所の待機児童解消のため、都議会公明党が求めてきた定期利用保育、短時間保育、一時保育などに加え、今年度からはスマート保育を開始するなど、都は、重要施策として多様な保育サービスを拡充しております。
 また、都議会公明党が待機児童解消に向けた保育士の確保対策を緊急に申し入れたことにこたえ、都が今定例会の補正予算案に保育従事者の処遇改善策を組み入れたことも高く評価いたします。
 しかし、都内の待機児童数は依然として七千人を超え、サービスの需要に供給が追いついておりません。また、保護者からは、認可保育所と認証保育所の保育料の差が大きく、経済的理由から子どもを認証保育所に預けられない、保育料の差額補助があっても、市区町によって大きな差があるとの声も寄せられております。その結果、都内のある市からは、今年度、待機児童が百人以上いるにもかかわらず、四月当初では、認証保育所の定員に百人以上のあきがあるという皮肉な実態も報告されております。
 一方、認証保育所の事業者からは、人件費などの運営費を考えれば、これ以上の保育料の引き下げはとてもできないとの声が上がっております。認証保育所の保育料を引き下げる方法の一つとしては、やはり認証保育所を国の制度として位置づける必要があります。保護者や事業者の声にこたえるためにも、平成二十七年度から始まる新たな子ども・子育て支援制度の中に認証保育所制度を位置づけるよう、国に対してこれまで以上に強く求めるべきであります。知事の見解を求めます。
 また、保護者からは、多様な保育サービスの広域的な情報を求める声が上がっております。都は、横浜市が実施した保育コンシェルジュのようなきめ細やかな利用者支援の取り組みが市区町村において行われるよう支援すべきであります。また、広域的な情報が利用者に届くように、行政区域を超えた取り組みが進むよう市区町村を支援すべきであります。見解を求めます。
 雇用の回復こそ景気回復の本丸でありますが、年齢や特性に応じた就労支援がとりわけ重要となります。特に若年者の就労支援を強化する上では、都立高校を進路が未決定のまま卒業する生徒や、中途退学者などへの適切な支援が欠かせません。
 都はこのたび、都立高校の中途退学者等の追跡調査を初めて行い、去る三月、その概要を公表しました。
 詳細な分析及び議論は今後に譲りますが、退学後に正社員となった生徒の多くが、働くための知識や経験を学校で身につけられる機会があれば退学はしなかったと回答している点がとりわけ注目されます。学校でのキャリア教育の重要性を改めて浮き彫りにした調査結果ではないでしょうか。
 都は今年度、中途退学の予防、進路未決定卒業者や中途退学者への支援を強化するため、NPOなどと連携した新規事業を開始するとしております。本事業はモデル実施のため、当面はNPO関係者が幾つかの実施学校を巡回するものと思われますが、事業効果を高めるためには、NPO関係者が日ごろから在学生徒と触れ合い、親しむことが大切であります。親近感が自然な形で醸成されていなければ、中途退学に至る前の相談も、中途退学後の良好な信頼関係も築けるはずがありません。
 そのために、例えば本事業に参画するNPO関係者などを実施学校におけるキャリア教育と連携する中で活用していくことが大切であります。本事業全体の政策効果を高めるための取り組みについて、都の見解を求めます。
 都内では二年後に、六十五歳以上人口が四分の一に及び、その二十年後には約三割に達します。超高齢社会が間近に迫る中、持続可能な都内経済の発展を導くためには、元気で意欲のある高齢者の方々には、可能な限り社会を支えていただく側に回っていただくことも肝要であります。
 一方、本年四月からは、改正高年齢者雇用安定法が施行され、希望者全員に対する段階的な六十五歳までの雇用確保が義務づけられました。これ自体は大変に評価すべきことでありますが、定年後の第二の人生で新たな挑戦をする際に必要な気力と体力のタイミングをはかることが非常に難しくなるケースも出てくるとの指摘があります。より多くの高齢者の方々に定年後も引き続きご活躍いただくためには、より早い段階から、高齢期を見据えた、いわゆるキャリアの棚卸しや生活設計を導くことが必要となります。
 また、働き盛りの中高年の求職者にとっては、みずからの知識、経験に見合う求人情報が少ないため、やむを得ず単純作業に従事している事例が少なくありません。日本経済の発展を長く支えてこられた、こうした方々の貴重なノウハウを生かすためには、異なる職種での経験を生かし合う中高年連携の創業支援も強化すべきであります。
 定年後に向けた適切な人生設計のため、都は、個別的な相談を強化すべきであり、中高年向け求人のミスマッチ感の解消に努めるべきと考えます。中高年齢者が自己の適性に即した高齢期の働き方を効果的に選択できるよう支援すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、首都直下、多摩直下地震等の災害から都民を守る防災、減災対策について質問します。
 まず、非構造部材の耐震化についてであります。
 東日本大震災では、都内でも天井、壁、照明器具、窓ガラス等の落下による人的被害が発生したことから、非構造部材の耐震化は極めて重要であります。特に、児童生徒が学ぶ学校や多くの人が利用する公的施設は災害時に避難所ともなるため、早急に対策を講じる必要があります。
 都立学校の非構造部材については、今年度から三年計画で耐震化に着手しておりますが、公立小中学校の施設については、具体的な整備計画がいまだ明確になっておりません。市区町村に対し、整備計画を早急に策定するよう促すなど、耐震化に向けた取り組みを強力に後押しすべきであります。見解を求めます。
 次に、帰宅困難者対策であります。
 都は、首都直下地震による一時滞在施設の需要を九十二万人分と予想し、そのうち七万人分を都立施設で確保しました。残る八十五万人分の一時滞在施設は民間等に協力を依頼することになりますが、民間事業者からは、一時滞在施設として協力するに当たり、帰宅困難者を受け入れる際の事業者責任に関して基準等が明示されないと安心して対応できないとの指摘が出ております。
 都は国に対して、発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設を要望しておりますが、制度の創設に当たっては、協力を求める事業者の意見を十分反映させるべきであります。見解を求めます。
 次に、液状化対策についてであります。
 これまで都議会公明党は、本会議や予算特別委員会において、首都直下地震に備えた液状化対策について継続的に取り上げ、面的整備事業に合わせた対策の必要性を主張してまいりました。ことし三月には、国土交通省においても、宅地の液状化被害可能性判定に係る技術指針案を発表し、液状化対策に関する国費助成の方針を打ち出しました。その後、四月には、正式に技術指針として発表するなど、いよいよ公明党の掲げる防災・減災ニューディール政策のもと、国による対策が具体化しつつあります。
 国が動き始めた今こそ、都は、区画整理などの面的なまちづくりに合わせて、区と連携して液状化対策推進の支援策を講じるべきと考えます。見解を求めます。
 次に、公社住宅についてであります。
 公社住宅は、戦後の復興期や高度経済成長期の深刻な住宅不足を背景として供給が開始されたことなどから、全体約七万戸の半数以上が築四十年以上となっており、耐震化やバリアフリー化に対する要望の声が日増しに大きくなっております。居住者の方々が安心して暮らしていくためには、まずは公社住宅の耐震化が喫緊の課題であり、住宅の老朽化状況によっては建てかえなども計画的に実施していくことが必要であります。
 現在、公社住宅の建てかえは公社一般賃貸住宅の再編整備計画に基づいて実施されておりますが、計画策定から既に十年以上が経過しております。この計画の見直しも含め、公社住宅の耐震化に積極的に取り組むべきであります。見解を求めます。
 次に、多摩地区の給水拠点についてであります。
 震災時に断水が発生した際には、応急給水を素早く行うことが重要でありますが、多摩地区の給水拠点の多くは、区部とは異なり、小規模で無人の浄水所等となっているため、住民が立ち入ることのできない状態となっております。
 震災直後は水道局職員が給水拠点に速やかに参集できないことも想定されるため、都議会公明党は、給水拠点において、水道局職員を待たずに住民の方々が自分たちで応急給水できる体制づくりが必要であると従来から指摘してまいりました。こうした状況を受け、水道局では、水道施設の敷地の一部を応急給水の専用エリアとして区画することとし、私の地元である東村山市の八坂の給水所でも既に実施されております。
 しかし、このような整備が必要な給水拠点は多摩地区に八十カ所以上もあり、このうち整備が完了しているものは、平成二十四年度末現在で二十八カ所にとどまっております。震災対策が急務となっている今、東村山浄水場を初め他の給水拠点においても早急に整備すべきと考えますが、見解を求めます。
 また、こうした取り組みに加え、震災時に地域住民の方々が使いやすいよう、応急給水エリアに入るためのかぎの取り扱いなど詳細な部分まで関係者と取り決めておくべきであります。さらには、日ごろから、地元の市と町や住民の方々と、応急給水訓練を実施しておくことも重要となります。整備が完了した施設については、地元の市と町や自治会、町会との連携強化が重要であると考えますが、見解を求めます。
 次に、超高齢社会に対応した、優しいまちづくりについて質問します。
 都議会公明党はこれまで、都営住宅などの建てかえに際しては、元戸数を維持しつつも、新たに創出された敷地の有効利用を図り、地域のまちづくりに役立てるべきと主張してまいりました。高齢者が急速に増加している今日では、高齢者向け福祉サービスの整備拡充を図ることが一層重要となってまいります。
 さらに、高齢者が安心して生活する上では、福祉施設の整備に加えて、医療、介護、日常の買い物など、住まいの近くに生活利便施設がそろった優しいまちづくり、すなわちコンパクトシティーが必要であります。
 そこで、今後の都営住宅の建てかえに当たっては、こうした医食住の機能を複合的に整備するなど、民間を活用した事業手法も使いながら創出用地の活用を進めるべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都市農業の振興について質問します。
 過日、公明党都市農業振興プロジェクトチームは、都内で農業関係団体及び農業後継者の方々と意見交換をいたしました。席上、関係者からは、農地が都市における貴重な緑地空間として機能していることは農業者個人の努力によって保たれているのであり、この事実に目を向けて都市農業振興を推進してもらいたいとの強いご要望が寄せられました。
 都市農地の保全を図るには、農地の緑地空間、食育推進の場、防災空間等の多面的機能に着目し、住民生活やまちづくりに生かしていくことが重要であり、都として支援策を講じていくべきであります。見解を求めます。
 また、農業を産業として再構築していくことも重要であり、そのためには、新たな視点で経営力の強化や創意工夫に取り組む意欲的な農業者への支援も不可欠であります。必要な施設整備を促進するための支援策を強力に進めていくべきと考えますが、見解を求めます。
 また、さきに触れた意見交換の中では、都市農地が激減している最大の理由は相続税の問題であるとの強い指摘がありましたが、まさにそのとおりであります。相続税負担の早急な見直しをするよう、引き続き国に対して強く働きかけるよう要望いたしておきます。
 次に、大型クルーズ客船の誘致促進について質問します。
 ことしのゴールデンウイークには、東京港として史上最大のクルーズ客船である「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が入港しました。この船の大きさは十三万七千総トンと、映画でも有名な「タイタニック号」の約三倍あり、その全長は三百十一メートルと東京タワーの高さに匹敵します。
 都議会公明党も、クルーズ客船に対する都民の関心の高まりを受け、この大型客船の視察を行いました。この船は、海面からの高さが六十三メートルもあり、レインボーブリッジを通過することができないため、東京港の本来の客船ふ頭である晴海ふ頭には着岸できず、大井水産物ふ頭を改良して受け入れることになったと聞いております。
 しかし、大井水産物ふ頭は、あくまでも貨物ふ頭であるため、海外の大型クルーズ客船を受け入れる施設としては甚だ不適切といわざるを得ません。また、貨物ふ頭として使用しない休日しか大型クルーズ客船が着岸できない状況にもあります。
 海外の大型クルーズ客船には、日本のどの港よりも東京港に入港したいというニーズがあると聞いておりますが、肝心の東京港の現況では、将来の大きなチャンスをみすみす逃すことにもなりかねません。新鋭の大型客船がレインボーブリッジをくぐれないことを踏まえ、速やかに具体的な検討をすべきであります。
 大型クルーズ客船の誘致を今後もさらに積極的に進めるとともに、その受け入れ体制の充実を進めていくべきと考えますが、あわせて見解を求めます。
 さて、本定例会は、第十八期都議会の最終定例会となりますので、一言申し上げます。
 この四年間の都政及び都議会は、いまだかつてない激動の四年間となりました。都議選直後に国では政権交代となり、国政は三年余にわたり迷走を続け、マニフェストは、もはや公約破綻の代名詞となるまで朽ち果ててしまいました。加えて、千年に一度といわれる東日本大震災が発生し、民主党は、政権担当能力の欠落に加え、危機管理能力の未熟さをも露呈する始末でありました。
 一方、都政にあっては、史上初めてとなる任期途中での都知事の辞職、都議会史上初めての議長不信任決議の可決など、国政の混迷は、都政をも大きく揺さぶる結果となりました。昨年十二月には再び政権交代があり、同時に猪瀬都知事が誕生しました。
 都議会公明党は、国政に影響を受ける都政ではなく、国政をもリードする東京を再建するために、今後とも政策でリード、東京から政策実現を進めるべく、全力で取り組んでいくことを改めて都民の皆様にお誓いを申し上げまして、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 谷村孝彦議員の代表質問にお答えします。
 認証保育所についてでありますが、東京都独自の認証保育所は、待機児童の九割以上を占める三歳未満の低年齢児を中心に受け入れ、育児休業明けなど、年度途中の保育ニーズにも柔軟に対応してきました。平成十三年の制度創設以来、多くの都民の支持を得て、今や六百九十五カ所、定員は二万三千人を超えています。
 しかし、厚生労働省は、こうした認証保育所の実績をかたくなに認めず、財政措置を講じようとしない。
 全国一律の認可保育所制度だけでは、全国一律の認可保育所制度だけでは、大都市の待機児童問題は解決しません。認証保育所、東京スマート保育、保育ママなど、多様な保育サービスの整備が必要であります。
 国はこの四月に、平成二十五年、六年度の二年間で、全国で約二十万人の保育サービスを集中的に整備する待機児童解消加速化プランを策定し、平成二十七年度から始まる新たな制度についても、議論を開始しています。
 この機会をとらえ、東京都は、保護者、事業者の声にこたえるためにも、認証保育所を国の制度に位置づけるよう、国に対し、一層強く求めてまいります。
 なお、その他の質問については、警視総監、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監西村泰彦君登壇〕

〇警視総監(西村泰彦君) 渋谷及び六本木地区における盛り場総合対策の取り組み状況等についてお答えいたします。
 警視庁では、だれもが安全で安心して楽しめる盛り場環境を実現するため、渋谷及び六本木地区において、関係機関や防犯ボランティアと連携したパトロール、機動隊による警戒活動、本部捜査員を投入した違法風俗店の一斉摘発、関係警察署との共同捜査、風俗営業所に対する立ち入りなどを集中的かつ波状的に推進しているところであります。
 その結果、犯罪の発生状況につきましては、昨年の刑法犯認知件数が、渋谷地区において約三千七百件、六本木地区が約千六百件と、いずれも五年前の平成十九年と比較して大幅に減少するなど、一定の成果が認められたところです。
 しかしながら、特に深夜帯を中心に酔客の絡んだ暴行、恐喝、傷害や器物損壊事案等の犯罪は依然として多発しており、悪質な客引きや違法風俗店の存在も大きな問題となっているほか、最近では、渋谷地区におけるいわゆる脱法ハーブ販売店の乱立、六本木地区におけるアフリカ系外国人による悪質な客引き行為等、体感治安を悪化させる新たな要因も見られるところであります。
 警視庁といたしましては、こうした現状を踏まえ、渋谷及び六本木両地区における諸対策を引き続き強力に推進するとともに、昨今、違法行為が潜在化、巧妙化している現状や盛り場環境の悪化を招くような新たな事象を注視し、脱法ハーブの販売店舗に対する東京都との合同立ち入りや各種法令を適用した検挙活動の実施など、関係機関、団体等と協働しながら、盛り場環境の浄化に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中途退学未然防止等進路支援事業についてであります。
 都立高校生が、みずからの進路を見出し、社会人として自立していくには、専門的かつ幅広い知識や経験に基づいて支援を行うことが効果的であります。
 そこで、都教育委員会は、都立高校と若者の自立支援に実績のあるNPO等とが連携するモデル事業を今年度から開始いたします。
 在校生には、キャリア教育の一環として、NPO関係者を交えた進路ガイダンスや、退学のおそれのある生徒への個別相談などを実施していきます。また、中途退学者や進路未決定卒業者には、こうした取り組みを通じて得た情報や信頼関係を生かして、切れ目のない支援を行ってまいります。
 今後、その成果等を検証しながら、次年度以降の取り組み内容の充実に努めてまいります。
 次に、公立小中学校の非構造部材の耐震化についてであります。
 児童生徒の安全確保はもとより、災害時には避難所としての役割も担うことから、非構造部材の耐震化は極めて重要であります。
 現在、区市町村教育委員会は、国のガイドブックを活用した非構造部材の耐震点検と耐震対策に着手しており、都教育委員会は、その対策費用のうち区市町村負担分を全額補助するほか、国の登録を受けた専門技術者を活用するなど、財政面、技術面から支援を行っております。
 今後、国はガイドブックをもとに具体的な対象及び指標を作成することとしており、これを受けて速やかに区市町村教育委員会が全体計画を策定し、耐震対策を進められるよう引き続き支援をしてまいります。
   〔交通局長中村靖君登壇〕

〇交通局長(中村靖君) 都営バスの二十四時間運行についてでございますが、都心部における深夜時間帯の交通利便性の向上を図ることは、国際都市東京の魅力や都市力を高めるなど、東京の発展に貢献するものであると認識しております。
 このため、都営バスにおいて、試験的な取り組みとして、観光客、ビジネスマンなどの利用が見込まれ、ターミナル駅に接続する渋谷─六本木間について、本年中に二十四時間運行を開始することといたしました。
 お話のとおり、都営バス事業は経常赤字でありますが、これまで経営の効率化に努め、着実に改善しております。
 公営企業は、事業の採算性を十分に考慮する必要がございますが、今回予定しているバスの運行は、バス事業の経営に大きな影響を与えるものではないと考えております。
 今後、国や警視庁など関係機関とも十分調整を図りながら準備を進めてまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 保育サービス利用者に対する支援についてでございますが、保育の実施主体である区市町村が、保護者の保育ニーズに合わせて、適切な保育サービスにつなぐ取り組みは、待機児童対策という観点からも極めて有効でございます。
 こうした取り組みは、今年度から安心こども基金の補助対象となりましたが、現在の国の要領では、実施場所が子育てひろばに限定されております。そのため、都は保護者の利便性を高める観点から、区市町村の柔軟な取り組みを認めるよう国に対して求めているところでございます。
 また、都は今後、多くの区市町村で取り組みが進むよう、先進的な事例を紹介するほか、区市町村が相互に連携し、行政区域を超えた対応もできるよう、人材育成や情報共有などを積極的に支援してまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢期の働き方の選択についてでございます。
 高齢者が、長年培った知識や経験を生かし働き続けるため、定年前の早い段階から職業生活の設計を行い、みずからに適した働き方を選択することが重要でございます。
 都はこれまで、東京しごとセンターにおいて、キャリアカウンセリングなどのきめ細かな就職支援のほか、起業やNPOでの就業など、多様な働き方についての相談やセミナーを行ってまいりました。
 これに加えて、今年度から、しごとセンターで中高年者が高齢期の働き方を適切に選択できるよう、自分のキャリアをより正確に理解する方法やライフプランの立て方などに関するセミナーと個別相談を実施いたします。
 こうした取り組みを通じまして、みずからの希望や能力に応じた高齢期の働き方の実現に向け支援してまいります。
 次に、都市農地の保全を図る都の取り組みについてでございます。
 都市農地は、農業の生産基盤としてだけでなく、環境保全や防災など、さまざまな機能を有しております。このため、都は、農業・農地を活かしたまちづくり事業を実施し、農地の多面的機能を生かす取り組みを行う区市に対して、ソフト、ハードの両面から支援を行っております。
 具体的には、各区市の取り組みに対し専門的な助言を行うとともに、農道等を活用した散策路や防災兼用農業用井戸等の整備に補助を行っております。
 さらに、今年度からは、これまで区や市を単位といたしまして、その全域を事業対象としていたものを、地域の実情を踏まえ、より小規模なエリアでも実施できる仕組みといたしました。
 今後とも、都市と農業の共存に向けた取り組みを進め、貴重な都市農地の保全に努めてまいります。
 最後に、農業者の施設整備に対する支援についてでございます。
 都は、平成十年度から、経営改善に取り組む意欲的な農業者等を対象といたしまして、さまざまな施策を実施しており、現在は都市農業経営パワーアップ事業により、経営力強化を図るための施設整備を支援しております。
 これらの事業によりまして、これまでに農業用パイプハウス約一千五百棟のほか、共同直売所や農産物加工施設等が整備されており、生産や販売が拡大するなど、農業者の経営改善に大きく貢献してまいりました。
 今年度も、農業用パイプハウスに加え、酪農用飼料の生産機械などの整備について補助する予定でございます。
 今後とも、意欲的な農業者の取り組みを支援し、都市農業の振興に努めてまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設についてでありますが、一時滞在施設の管理者には、多数の帰宅困難者を安全に受け入れる責務が生じることから、事前の対策や災害時の対応に関して、責任の範囲をあらかじめ明確にしておくことが必要でございます。
 都は国に対し、免責基準となる制度の創設を要望しておりますが、実効ある制度とするためには、現場の対応を行う事業者や法制度に通じた有識者の意見を十分に踏まえることが不可欠でございます。
 このため、国や自治体、経済団体などから成る帰宅困難者等連絡調整会議において、有識者も加えた一時滞在施設の管理責任に関するワーキンググループを新たに設置いたします。この場を活用し、実態に即した議論を深め、国が行う制度構築の取り組みを強力に後押ししてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、液状化対策についてでございますが、国が打ち出した方針は、土地区画整理事業などにおいて、宅地と一体的に行われる道路等の公共施設の液状化対策に対して国費助成を行うとしたものでございます。
 現在、その具体的な支援策について、国が制度要綱を検討中であり、近日中に明らかになると聞いております。
 こうした国による支援策の整備を受け、区からの提案があれば、都としても、区画整理などのまちづくりに合わせた液状化対策について、区と連携して勉強を始めていきたいと考えております。
 次に、公社住宅の耐震化についてでございますが、公社は都の住宅政策の一翼を担う重要なパートナーであり、公社住宅の耐震化は、居住者の安心・安全を図る上で喫緊の課題であると認識しております。
 このため、公社では耐震化整備プログラムに基づき、建てかえ対象以外の住宅について、計画的に耐震改修に取り組んでおり、昨年度末時点で耐震化率は八九%と着実に進んでおります。
 また、公社住宅の建てかえについては、ご指摘のとおり計画策定から十年以上が経過していることから、少子高齢社会など社会経済情勢の変化に的確に対応していくため、現在、再編整備計画の見直しを進めており、年内を目途に改定することとしております。
 都としては、平成三十二年度の耐震化率一〇〇%の達成に向け、こうした公社の取り組みを引き続き支援してまいります。
 最後に、都営住宅における創出用地の活用についてでございますが、都営住宅においては、老朽化した住宅の建てかえを推進するとともに、敷地の有効利用を図って用地を創出し、地域のまちづくりに活用することが重要でございます。
 これまでも、創出用地を活用し、地域に求められる福祉施設などの整備に取り組んできており、高齢化が急速に進行する中にあって、身近な地域で医食住の機能の充実が一層求められていると認識しております。
 今後も、都営住宅の建てかえに当たり、住みやすい住宅を整備するとともに、創出用地において、民間の活力も生かして、高齢者が暮らしやすいサービスや店舗などの機能の導入を促進し、生活環境の向上に取り組むなど、地域の特性やニーズを踏まえたまちづくりに寄与してまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩地区における震災時の給水拠点についてであります。
 多摩地区では、給水拠点の多くが無人の浄水所等の水道施設であり、震災時には水道局職員が参集し、かぎをあけて応急給水することになっております。
 そこで、震災時に、職員の参集を待たずに、地域住民みずからが円滑に応急給水に取り組めるようにするため、施設用地の一角に、新たにフェンスで区画した応急給水エリアを設定するとともに、常設の応急給水栓を設置するなどの整備を順次行っております。
 今後、整備が必要な施設は五十四カ所でありますが、首都直下地震等の切迫性が指摘されている中、更新工事等にあわせて実施するもの以外の四十七カ所すべてを本年度中に整備してまいります。
 次に、給水拠点の整備後における地元市町との連携強化についてでありますが、応急給水を円滑に実施していくためには、給水拠点の整備に加え、当局と市や町との間で、応急給水エリアに入るためのかぎの取り扱いや応急給水訓練等につきまして、あらかじめ取り決めておくことが必要であります。
 このため、給水拠点の整備後に、順次、市や町とこれらを定めた覚書を締結し、これに基づき、当局、市や町、自治会等と十分連携して訓練を実施してまいります。
 このように地域との連携を強化していくことで、住民みずからによる応急給水の実効性を高め、災害対応力の強化を図ってまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) クルーズ客船の誘致促進についてですが、今回の「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」の入港については、テレビや新聞で多数報道されましたが、乗客の皆様や運航する船会社から高い評価をいただき、来年以降の寄港についても打診を受けるなど、東京港に対する期待を改めて感じたところです。
 そこで、当面は、貨物ふ頭である大井水産物ふ頭を活用して誘致を進めてまいりますが、大型客船の受け入れ体制としては、日よけ、雨よけ対策を初めとして、まだまだ課題があると認識しております。
 今後は、ご指摘の趣旨をも踏まえ、出入国手続の迅速化や乗客の快適性をさらに追求し、施設面での整備改善を図っていくとともに、「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」を初めとする大型客船受け入れの実績を積み重ね、ノウハウの蓄積やサービス改良を継続し、クルーズ客船の誘致に一層努めてまいります。

〇副議長(ともとし春久君) 五十八番かち佳代子さん
   〔五十八番かち佳代子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇五十八番(かち佳代子君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 知事は所信表明で、安倍政権のアベノミクスなる経済政策が効果を上げていると述べましたが、賃金は前年比で下がり続ける一方、ガソリンや小麦、住宅ローンの金利などが上がり、庶民の悲鳴の声が広がっています。もうけているのは一握りの富裕層だけです。投機とバブルをあおる金融緩和の危険性は、五月の株価急落、乱高下で浮き彫りになりました。
 しかも、安倍政権は、企業が一番活動しやすい国をつくるといって、解雇の自由化やサービス残業の合法化などを検討しています。これは、日本社会全体をブラック企業化するものです。
 さらに、消費税大増税と社会保障の一体改悪により、消費税は来年八%、生活保護制度の改悪、年金給付の連続削減と支給開始年齢先延ばし、医療費の窓口負担増などが計画されています。これが進められたら、暮らしは破壊され、日本経済がさらに冷え込むことは明らかです。知事、いかがですか。
 知事は、消費税増税を主張する一方、政府に多国籍企業などの誘致のため、法人実効税率を二〇%へ引き下げるよう提案しました。しかし、多国籍企業への行き過ぎた減税競争や免税地域を利用した税金逃れが各国を財政危機に追い込んでおり、国際的批判が広がっているのです。
 今、日本を含む国際社会にとって重要なことは、無国籍企業化した多国籍企業に対し、各国の税財政や雇用ルールを守るという社会的責任を果たさせるための取り組みを進めることだと考えますが、知事、いかがですか。
 実体経済の立て直しには、日本経済の六割を占める家計を温め、事業所の九九%を占める中小企業を元気にすることこそ緊急課題です。経済活動の利益が、国民、都民、中小零細企業に確実に回るようにする手だてこそ講ずるべきです。いかがですか。
 この間、二十三区の国民健康保険料は毎年値上げが続き、市町村も多くが値上げしています。滞納世帯は二三%に及び、収納率は全国最低です。二十三区の今回の値上げで、夫婦二人で夫の年収が二百万円の世帯の保険料は、三年前の九万一千円が十五万七千円に、七二%もの値上げになります。
 都は、二〇〇〇年以降、国保への都独自支援を三百二十億円から四十三億円まで減らしました。国民健康保険法は、都道府県が区市町村国保に補助を交付できると明記し、その内容を制約していません。国保料、国保税の負担軽減へ、都独自の財政支援の上乗せに踏み出すべきです。いかがですか。
 パパ、ママの乱といわれる認可保育園増設を求める都民の声が広がっています。我が党の二月の調査で、認可保育園に申し込み、入れない子どもは二万三千人でした。四月一日時点の旧定義の待機児童数を調べると、二十一区二十五市で約二万一千人に及び、昨年より二千人もふえています。都はどう認識していますか。
 知事は前議会で、認可保育所もふやすと答えましたが、何人分の認可保育園をいつまでにふやすのですか、あわせてお聞かせください。
 特別養護老人ホームの待機者は四万三千人、老老介護など現状は深刻です。知事は、施設整備も大事ですし、在宅支援も進めていかなければいけないと答弁しました。特養ホームを初め、施設の整備及び在宅支援の充実をどう進めるのですか。
 石原前都政以来、高齢者一人当たりの老人福祉費は実額で二三%も減らされました。他の道府県は平均五三%増、減らしたのは東京都だけで、全国一位から二十九位に転落です。巨大な財政力を持つ東京都が全国平均程度でよいのですか。
 地価は全国一高いのです。実態にふさわしい財政投入をしないから、老人保健施設もグループホームも小規模多機能施設も、整備率は全国最低水準です。全国一の福祉都市東京を取り戻すため、全力を尽くすべきです。知事、いかがですか。
 大型開発優先、福祉、暮らしに冷たい猪瀬都政の姿勢は、アクションプログラム二〇一三にあらわれています。総事業費の三一%が大型開発で、少子化対策、医療対策はそれぞれ二%、高齢者対策は三%にすぎません。中でも外環道は、関越─東名間の本線の事業費が一兆二千八百億円、地上部道路を合わせると約二兆円、一メートル一億円もかかる巨大開発です。
 外環建設による環状八号線などの渋滞解消効果はわずかであり、莫大なお金を注ぎ込んで近く開通する中央環状線や圏央道に加えて、さらにこれだけの巨額投資で高速道路をつくる必要はありません。
 我が国は、既に人口減少社会に突入しています。外環などの大型開発にメスを入れ、少子高齢社会に対応できるよう、福祉、暮らしを最優先にした財政運営を行うべきと考えますが、いかがですか。
 外環三キロ分の事業費で三万人分の認可保育園、二万人分の特養ホームの整備ができます。福祉、暮らし最優先の都政への転換を強く求めるものです。
 国会で憲法九条改定を中心とした改憲派が多数を占めていますが、とりわけ改憲派が憲法九十六条の改定による改憲手続の緩和を憲法改定の突破口として押し出したことに、立場の違いを超えて批判が広がっています。
 近代の立憲主義は、主権者である国民がその人権を守るため、憲法によって国家権力を縛るという考え方に立っています。そのために、憲法を時の権力者の都合で安易に変えることができないよう、改憲要件を厳しくしているのが世界的常識です。改憲手続緩和は絶対に許してはなりません。
 憲法九十六条改定への知事の見解を伺い、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) かち佳代子議員の代表質問にお答えします。
 暮らしと経済の立て直しについてでありますが、今、日本に必要なのは、未知なるものに挑戦し、困難を乗り越えようとする前向きな気持ちであります。安倍政権は、脱デフレの経済政策を展開しており、景気が上向き、人々の気持ちも前向きになれば、日本はもっと明るくなると思います。
 私は、知事就任以来、一人一人が輝く社会の実現を目指し、例えばケアつき住まい一万戸の整備、東京スマート保育を初め東京都独自の保育施策の推進、不燃化特区の大幅拡大など、さまざまな政策を考えて始めています。
 今後とも、政府の経済政策と連携しつつ、東京都の先進的な政策を加速させ、人々を覆う心のデフレを取り払い、東京に元気を取り戻していきたいと、こう思っています。
 高齢者施策についてであります。
 老人福祉費に係る決算額についてお話がありましたが、介護保険制度の導入など、比較の前提となる制度が大きく変わっている中で、過去と比べて、単純に高齢者一人当たりの額について議論することは意味がありません。
 今年度の福祉と保健の分野の予算額は一兆円を超え、一般歳出に占める割合は二二・二%といずれも過去最高となっています。高齢者施策でいえば、高齢者のためのケアつき住まいの整備、認知症の早期発見、診断、治療のための新たなシステムの構築など、費用対効果の高い新しい施策に取り組んでいます。
 また、特別養護老人ホームなどの介護サービス基盤についても、東京都独自の整備費補助や未利用の都有地の減額貸付などを実施しています。
 今後とも、区市町村のニーズを踏まえて、計画的に高齢者施策を進めていく考えであります。
 憲法九十六条についてでありますが、都議会民主党からもほとんど同じ内容の質問がありましたので、答弁が一部重複しますけれども、ご容赦願いたい。
 先ほど、東日本大震災と原発事故を経験した日本は、起こり得る危機を想定する社会へと転換しなければいけないと申し上げました。将来のリスクを想定し、あるいは、これからの時代の変化に対応していくために、憲法の改正条項についてもさまざまな議論が起こるのは当然であります。要は、国民全体で議論して決めることが大事で、そのことによって憲法の、国家の基本法としての価値も高まると、そう考えるのが当然です。
 ご質問の中で、国民の権利を守る近代立憲主義についての話がありましたが、国民主権、基本的人権の尊重という憲法の基本原理は変えてはならないと思っています。それは、大方の国民が共有している価値観だと思います。そして、我々が本当に平和を望むなら、この基本原理にリアルな平和主義を加えるべきだと思う。戦争を想定外にすれば、かえって戦争を防ぐ手だてを見つけることができなくなる。来るべき国政選挙で、それぞれの政党が憲法改正についてわかりやすい選択肢を示すことで、国民の間で議論が盛り上がることを期待しております。
 なお、その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 東京都の外国企業誘致についてのご質問にお答えいたします。
 まず、ご指摘のありました多国籍企業に対する課税制度につきましては、国際社会の枠組みの中で適切なルール化が検討されているものと承知しております。
 一方、現実の国際社会経済では、台頭するアジア諸都市との間で外国企業誘致に向けた都市間競争が激しさを増しております。
 外国企業の誘致は、すぐれた経営資源の受け入れにつながり、また、国内の企業にとりましては販路拡大や新たなビジネスチャンスが創出されるなど、東京と日本の国際競争力の強化につながるものであると考えております。
 このため、過日、産業競争力会議において、アジアヘッドクオーター特区に進出する外国企業に対する法人実効税率のさらなる引き下げを求めたものでございます。
 今後とも、戦略的に外国企業誘致を進めてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 中小企業の振興等についてでございます。
 国では、景気対策などにより、中小企業の活性化や雇用情勢の改善に取り組んでおります。
 都も、中小企業に対しまして、経営や技術の面からのサポートや資金繰りの支援を行うとともに、雇用の確保を推し進めるなど、必要な対策を適切に実施しているところでございます。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 三点の質問にお答えいたします。
 まず、保険料負担軽減のための財政支援についてですが、都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき、各保険者に対する財政支援を行っております。保険料負担軽減のため、都として新たな支援を行うことは考えておりません。
 次に、認可保育所の増設についてですが、保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所、認定こども園、家庭的保育など地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものであり、国の現在の定義では、地方自治体の単独保育施策の利用児童は待機児童に含まれておりません。
 都はこれまで、区市町村や事業者の負担を軽減する都独自の支援策や未利用都有地の貸し付け、定期借地権利用に対する支援などを実施しており、平成二十三、二十四年度には、認可保育所も含め、新たに年一万人分以上の保育サービスが整備されました。
 今後とも、地域のニーズを踏まえ、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。
 最後に、介護サービス基盤の整備についてですが、都は、特別養護老人ホーム等の整備を促進するため、整備状況が十分でない地域の補助額を加算するほか、都有地の減額貸付や定期借地権の一時金に対する補助への加算など、独自の多様な手法を講じているところです。
 また、在宅サービスの充実を図るため、訪問看護ステーションやショートステイの整備を支援するとともに、訪問看護や訪問介護を担う人材の育成等にも取り組んでいるところです。
 今後とも、介護保険の保険者である区市町村が地域のニーズを踏まえて算定したサービス見込み量に基づき、計画的に介護サービス基盤の整備を進めてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 財政運営についてでありますが、外環道を初めとする都市インフラの整備は、都民の利便性や国際競争力の向上、東京の活力維持などに不可欠な取り組みであり、着実に進めていく必要があるものと考えております。
 また、福祉や医療、雇用や中小企業対策など、都民にとって必要なそのほかの施策にも的確に財源を振り向けてきております。
 引き続き、財政の健全性に十分留意しながら、ハード、ソフト両面にわたり山積する都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。
   〔五十八番かち佳代子君登壇〕

〇五十八番(かち佳代子君) 再質問をします。
 私は、認可保育園を希望したのに入れなかった旧定義の待機児童が二万一千人に及ぶことへの認識と対応を聞きました。ところが答弁は、認証保育所などに入れたら待機児童に含まないという国の定義を代弁するものでした。
 これは、厚生労働省が待機児童を少なく見せるために変えたものです。子どものより安全、健康、幸せを守れる水準の認可保育園が多くの方の願いです。
 旧定義の待機児童は昨年より二千人もふえ、この六年間に倍増しているんです。この深刻な事態をどう認識し対応するのか、明確に整備計画を示してお答えいただきたいと思います。(拍手)
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) かち議員の再質問にお答えします。
 先ほどもご答弁したとおり、認可保育所の増設についてでございますが、保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所、認定こども園、家庭的保育など地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものであり、国の現在の定義では、地方自治体の単独保育施策の利用児童は待機児童に含まれておりません。
 都はこれまでも、区市町村や事業者の負担を軽減する都独自の支援策や未利用都有地の貸し付け、定期借地権利用に対する支援などを実施しており、平成二十三、二十四年度には、認可保育所も含め、新たに年一万人分以上の保育サービスが整備されました。
 今後とも、地域のニーズを踏まえ、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。

〇議長(中村明彦君) 七十三番西崎光子さん
   〔七十三番西崎光子君登壇〕

〇七十三番(西崎光子君) 知事就任後、半年が過ぎ、この間、知事は、都バスの二十四時間営業や日本の標準時間を二時間早めることを政府の産業競争力会議に提案したと報道され、唐突な提案の真意に戸惑った都民が少なくありません。
 知事は、経済活動を優先し、東京を二十四時間眠らないまちにすることが世界都市の要件とお考えなのでしょうか。東京は日本の首都であると同時に、一千三百万人もの人が生活するまちであり、生活者ネットワークは、生活都市東京を目指して、福祉や教育、食の安全などの生活課題にしっかり取り組んでいくべきと考えます。
 スマートシティー東京とは矛盾し、都民の生活スタイルに大きく影響する今回の知事の提案には慎重な議論が必要です。東京をどういうまちにしたいと考えているのか、猪瀬知事が描く東京の将来像について伺います。
 東京の高齢化は、二〇三〇年には六十五歳以上の高齢者が三百六十一万人、うち二百十一万人が七十五歳以上になり、ひとり暮らしや高齢者の夫婦のみ世帯が急増されると推測されています。これに伴って、介護や医療を必要とする人もふえ、高齢になっても、障害があっても、医療を含む生活全般の安定が図られ、その人らしい充実した人生を全うできるような在宅療養生活の実現が求められています。
 今後、在宅療養患者や家族の負担を軽減するためのセーフティーネットの構築など、都民に最も身近な行政機関である区市町村における取り組みを進めていくことが必要です。
 そこで、都は、在宅療養の推進に向け、区市町村支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
 環境改善に向けて、川の水質調査やNO2測定など、継続的に活動している多くの市民団体の要望を受けて、生活者ネットワークは、かねてから提案をしてきました。
 東京の大気汚染対策は、工場のばい煙規制に始まり、近年ではディーゼル車の排出ガス規制などによって、一九七五年ぐらいに比べると、東京の空気は確実にきれいになりました。
 この冬、中国からPM二・五の流入問題が大きく報道され、都ではホームページなどでデータを公表しています。市民の不安にこたえるためには、数値などを適時わかりやすく情報提供することが課題です。東京のこれまでの取り組みについて、国内の他都市やアジアを初めとする世界の諸都市にも積極的にノウハウを提供すべきです。
 東京の大気環境について、これまでの取り組みの成果と情報の発信、今後の取り組みについて所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 西崎光子議員の一般質問にお答えします。
 東京の将来像についてでありますが、私が知事就任の際、一人一人が輝く社会を実現するということを、都政の基本方針として都民にお示ししました。日本が世界のフロントランナーとなった今、心のデフレを脱却して、さらなる発展を遂げるためには、これまで当たり前だと思ってきたことを、発想を思い切って転換して、新しいモデルを示すことが必要だろうと。
 GDPは、この二十年間、五百兆円のまま、ずっととまったままです。どこかで発想を変えなきゃいけない。
 都営バスの二十四時間運行も、まずは六本木と渋谷、やってみようじゃないかと。今、都営バスの最終バスは、渋谷に一時十五分に着きます。そして、一時三十分から、東急バスが新横浜や青葉台に二千円で運行しています。そこまで民間はやっています。ロンドンも、パリも、ニューヨークも、ベルリンもみんな二十四時間バスをやっています。
 東京は、まず少しやってみようじゃないかと、そういうことを考えたり、あるいは時間という市場、これも考えてみようじゃないかと。仕事終わって、焼き鳥屋に行って帰るだけじゃ、これは、市場は深まりません。もっと違う考え方をしていいと思う。
 例えば、東京ジャイアンツは夜六時に始まりますが、ニューヨークヤンキースは夜七時に始まります。あるいは、ニューヨークメッツも夜八時に始まったりします。サントリーホールは夜七時に始まりますが、ブロードウエーは夜八時に始まったりします。そういうふうに、時間の市場がまだあるだろうと。考え方をちょっと変えてみるのも、賛否両論あっていいんです。ちょっと考えてみようということが、まず大事です。
 東京は、まだまだ多くの可能性を秘めた都市であります。アートやスポーツを盛んにして、多様なライフスタイルはもちろん、ビジネスの分野においても新たなスタイルを生み出すなど、都市の可能性を引き出して、東京から日本を牽引していきたいと、こういう思いでお伝えしました。
 なお、その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 在宅療養の推進についてですが、都はこれまで、地域における在宅療養の取り組みを進めるため、病院から在宅への円滑な移行等を調整する在宅療養支援窓口や、医療、介護の関係者等による協議会を設置する区市町村を支援してまいりました。
 また、患者や家族が安心して療養できるよう、区市町村が地域の医療機関に病状急変時等に利用できる病床を確保する取り組みについても支援しております。
 ことし改定した東京都保健医療計画では、在宅療養を重点課題に位置づけており、また、今般作成した地域医療再生計画案でも、地域における在宅療養の体制整備への新たな施策を盛り込んでおります。
 今後とも、在宅療養の推進に向け、区市町村を一層支援してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 東京の環境施策の成果と今後の取り組みについてでございますが、都はこれまで、工場や発電所への排出ガス規制、ディーゼル車排出ガス対策などの先駆的な施策により、東京の大気環境の大幅な改善を実現してまいりました。
 都の環境施策は、都民の命と健康を守る上で重要な役割を果たしただけでなく、東京の都市としての魅力を高め、ビジネス活動の場としての価値の向上にも、少なからぬ寄与をしたものと認識しております。
 都市環境の改善と都市活力の向上を両立させてきた東京の環境施策は、経済成長の中で環境悪化に直面しているアジアの諸都市にも貴重な教訓を含むものでございます。
 今後とも、これまでの取り組みを継承し、世界に誇れる東京の環境施策を発展させるとともに、その成果を国内外に発信してまいります。

〇議長(中村明彦君) 四十七番くりした善行君
   〔四十七番くりした善行君登壇〕

〇四十七番(くりした善行君) 都の就労支援施策について伺います。
 五月二十一日、都において、失業者や転職を希望する人に対する就職支援のあり方を見直す検討会議が設置をされました。猪瀬知事はこれにつき、かねてから主張していた、ハローワーク業務の国から地方への移譲を求めていく上での一つのステップだというふうに宣言をされております。
 現在、国で行われている地方分権の議論の中でも、ハローワーク業務の移管については、専門部会が設置されるなど、特に重要視をされております。
 我々維新の会は、地方の潜在力を生かし、国民生活をより豊かにする、中央集権体制の打破、地方分権を大きな柱として掲げております。この移管の成否が今後の地方分権の流れを左右することから、この移管については、国政とも連携しながら後押しを行っていきたいと考えております。
 その前段階となる都の新たな就労支援施策においても、都民の方から見て使いやすいサービスと、今後のハローワーク業務の移管を見据えたサービス構築とを両立していかなくてはいけないと考えますが、検討会議における議論から構築をしようとしているTOKYO就活スタイルの実現を通して、都はどのような付加価値をつくり出そうとしているのか、また、ハローワークとの今後の連携、すみ分けについてはどのように考えているのか、知事の所見をお伺いいたします。
 昨年四月、石原慎太郎前東京都知事が発表した、都による尖閣諸島購入計画に対して、日本全国から、都に対して十四億円を超える多くの寄附金が寄せられました。政府が国有化を表明したことから、この寄附金は、国による施設整備のために基金として活用を待っている状態でありますが、寄附の数は十万件以上、また、中には百万円を超える大口の寄附を行った方もおられると聞いております。
 それらの方々の思いにこたえるためにも、都からも国に対して積極的な活用の提言を行っていかなくてはならない、また、経過についても、国民に向けて発信をしていかなくてはならないと考えます。都は、尖閣諸島活用基金の取り扱いについて、今後、国に対して施設整備等活用策を提案していくとしておりますが、その進捗状況についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) くりした善行議員の一般質問にお答えします。
 就業支援についてでありますが、都内ハローワークには年間百万人を超える求人がありますが、八割の求人情報は眠ったままであります。
 本来ならば、ハローワークを移管して、仕事のやり方を変えることで、硬直した労働市場を改革していくべきであります。しかし、遅々として進まない現状にあることから、日本の心臓部である東京から、就職支援を時代に即した効果的なスタイルに変えていく必要があります。
 東京は、人材サービス事業者の集積において全国で群を抜いており、また、近年、若者の就職活動におけるSNSの普及は目覚ましいものがあります。
 このため、東京都は、民間事業者の知恵やノウハウを活用した都独自の就職支援モデルや、SNSを活用した新しいスタイルの構築に向け、先月、TOKYO就活スタイルプロジェクトチームを立ち上げ、第一回目の会合では活発な議論が交わされたところであります。
 TOKYO就活スタイルという東京モデルをつくり、その成果を示すことで、我が国の雇用政策のあり方そのものを変えていきたいと思っております。
 なお、その他の質問については知事本局長が答弁いたします。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 尖閣諸島活用基金についてのご質問にお答えいたします。
 東京都は、寄せられた寄附金の志を受けまして、所有者となった国が行う島々の活用に関する取り組みの資金とするために、本年三月、さきの定例会の議決に基づきまして、十四億円を超える基金を造成したところでございます。
 昨年九月、国の所有に先立ちまして都が行った現地調査では、地元漁業者のための施設の設置や自然環境の保護などの必要性を確認いたしました。施設の設置等については国が判断するものでございますが、現在、これらの課題について、情報収集や関係省庁との意見交換等を行っております。
 今後も、この基金を国に託すため、石垣市など地元自治体とも連携し、都民、国民の志が生かされるよう国への提案等を通じて対応してまいります。

〇議長(中村明彦君) 以上をもって質問は終わりました。

〇議長(中村明彦君) これより日程に入ります
 日程第一から第十九まで、第百四十五号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第一号)外議案十七件、専決一件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事安藤立美君。
   〔副知事安藤立美君登壇〕

〇副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました十九議案についてご説明を申し上げます。
 初めに、第百四十五号議案は、一般会計補正予算案でございます。国の緊急経済対策に対応し、平成二十四年度最終補正予算で積み立てを行った基金等を活用した取り組みを行うなど、三百四十一億円の補正を行うものでございます。
 第百四十六号議案から第百五十五号議案までの十議案は条例案でございます。
 新設の条例は二件です。
 第百五十一号議案、東京都子供・子育て会議条例は、子ども・子育て支援法の制定等を踏まえ、条例で東京都子供・子育て会議を設置するものでございます。
 第百五十四号議案、東京都海岸漂着物地域対策推進基金条例は、海岸漂着物等に係る地域における対策の推進に向けた資金に充てるため、基金を設置するものでございます。
 次に、一部を改正する条例であります。
 第百四十六号議案、災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例は、新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当が創設されたことを踏まえ、規定を整備するものでございます。
 第百四十九号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、地方税法の一部改正に伴い、都民税利子割の納税義務者から法人を除外するものなどでございます。
 第百五十号議案、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例は、介護サービス情報の調査及び公表の対象となるサービスが追加されたことに伴い、規定の整備を行うものなどでございます。
 第百五十二号議案、東京都動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、非営利の動物愛護団体などが業として行う動物の譲渡などを、第二種動物取扱業として届け出る制度が新設されたため、規定を整備するものでございます。
 第百五十五号議案、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例は、警察官の定員を改めるものであります。
 このほか、法令の改正に伴い規定を整備するものは三件ございまして、一部を改正する条例の合計は八件であります。
 第百五十六号議案から第百五十九号議案までの四議案は契約案でございます。
 第百五十六号議案、東京都立川合同庁舎(二十五)改築工事など、契約金額の総額は約八十四億三千万円となっております。
 第百六十号議案から第百六十二号議案までの三議案は事件案でございます。
 第百六十号議案は、多摩ニュータウン事業で整備した宅地を売り払うものであり、第百六十一号議案は、更新時期を迎える警視庁のヘリコプターを買いかえるものであります。
 第百六十二号議案は、消防庁のヘリコプターに取りつける消火装置等を買い入れるものであります。
 次に、専決であります。
 東京都都税条例の一部を改正する条例は、施行までの間に議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 上程になりました十九議案の説明は以上ですが、このほかに人事案を送付いたしております。
 まず、東京都収用委員会委員でございます。
 七月十二日に任期満了となります相澤俊行氏につきましては再任し、金岡昭氏の後任には、山内隆夫氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会予備委員でございます。
 七月十二日に任期満了となります前川修満氏につきましては再任し、新たに関葉子氏を任命いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(中村明彦君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 人事委員会の回答は、第百四十六号議案について異議はないとの意見であります。

二五人委任第一三号
平成二十五年五月二十八日
東京都人事委員会委員長 関谷 保夫
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十五年五月二十七日付二五議事第五五号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第十九までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第十九までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一及び第二、東京都収用委員会委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。
   〔別宮議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会委員の任命の同意について二件

二五財主議第一一五号
平成二十五年六月三日
東京都知事 猪瀬 直樹
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十五年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     相澤 俊行

      略歴
現住所 東京都世田谷区
相澤 俊行
昭和二十五年四月二十三日生(六十三歳)
昭和四十九年三月 慶應義塾大学法学部卒業
昭和五十五年九月 新光監査法人入所
昭和六十年三月  公認会計士登録
平成元年十月   税理士登録
平成二年一月   相澤公認会計士事務所開業
平成五年六月   東京都割賦販売許可業者調査員
平成七年七月   日本公認会計士協会東京会業務委員
平成十六年七月  東京都収用委員会予備委員
平成二十二年七月 東京都収用委員会委員
現在       公認会計士、税理士

二五財主議第一一六号
平成二十五年六月三日
東京都知事 猪瀬 直樹
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都収用委員会委員 金岡昭は平成二十五年七月十二日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     山内 隆夫

      略歴
現住所 東京都練馬区
山内 隆夫
昭和二十三年二月十四日生(六十五歳)
昭和四十七年三月 東京教育大学文学部卒業
昭和四十七年四月 東京都入都
昭和五十四年三月 明治大学法学部卒業
昭和六十三年四月 東京都交通局早稲田自動車営業所長
平成元年十二月  東京都総務局副主幹 〈福利厚生事業団派遣〉
平成三年四月   東京都総務局副参事 〈財団法人福利厚生事業団派遣〉
平成四年四月   東京都港湾局開発部臨海副都心開発推進室開発企画担当課長
平成七年六月   東京都港湾局総務部企画室計理担当課長
平成八年四月   東京都港湾局総務部計理課長
平成九年七月   東京都城北福祉センター所長
平成十一年六月  東京都総務局行政改革推進室組織担当部長
平成十二年八月  東京都総務局行政改革推進室長
平成十三年七月  東京都総務局人事部長
平成十五年六月  東京都収用委員会事務局長
平成十六年七月  東京都生活文化局長
平成十八年七月  東京都福祉保健局長
平成十九年五月  東京都退職
平成十九年六月  財団法人東京都中小企業振興公社理事長
現在       公益財団法人東京都中小企業振興公社理事長

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) 追加日程第三及び第四、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。
   〔別宮議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について二件

二五財主議第一一七号
平成二十五年六月三日
東京都知事 猪瀬 直樹
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十五年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     前川 修満

      略歴
現住所 埼玉県草加市
 前川 修満
昭和三十五年七月二十九日生(五十二歳)
昭和五十八年三月 同志社大学商学部卒業
昭和五十八年四月 渋谷工業株式会社入社
昭和六十二年九月 港監査法人入所
平成三年三月   公認会計士登録
平成四年八月   公認会計士前川修満事務所開業
平成五年八月   税理士登録
平成十五年七月  日本公認会計士協会経営研究調査会・中小企業経営専門部会委員
平成十六年六月  日本公認会計士協会東京会常任幹事
平成十八年七月  日本公認会計士協会国際委員会委員
平成十八年八月  アスト税理士法人代表社員
平成十九年六月  日本公認会計士協会東京会渋谷地区会長
平成十九年八月  東京税理士会税務会計学会経営部門委員
平成二十二年七月 東京都収用委員会予備委員
現在       公認会計士、税理士

二五財主議第一一八号
平成二十五年六月三日
東京都知事 猪瀬 直樹
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を、新たに任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     関  葉子

      略歴
現住所 東京都目黒区
関  葉子
昭和四十五年八月三十日生(四十二歳)
平成七年三月   東京大学経済学部卒業
平成七年四月   監査法人トーマツ入所
平成十四年十月  弁護士登録
平成十八年六月  日本弁護士連合会行政訴訟センター委員
平成十八年十一月 銀座プライム法律事務所入所
平成十九年四月  国士舘大学非常勤講師
平成二十二年八月 東京都国土利用審議会委員
現在       弁護士、公認会計士

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) 陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました陳情五件は、お手元に配布の陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 明五日及び六日の二日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、明五日及び六日の二日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は六月七日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後五時二十五分散会

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