平成二十五年東京都議会会議録第八号

〇議長(中村明彦君) 百十一番山田忠昭君。
   〔百十一番山田忠昭君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇百十一番(山田忠昭君) 平成二十五年第二回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表いたしまして、質問をいたします。
 近年、政治家もジャーナリストも閉塞感という言葉を口にしてきました。何よりも都民、国民が不安に包まれてきました。
 この四年間を振り返ると、民主党政権による政治主導という名の決められない政治によって国政は不安定さをきわめ、我が国は外交も経済もがけっ縁に立たされてきたのであります。
 こうした状況にあっても、我が党は責任政党としての矜持を片時も忘れることなく、東京から日本を再生させるべく、さまざまな施策を着実に進めてまいりました。
 とりわけ木密地域の不燃化、都市インフラの整備などの首都の防災力強化や認証保育所の整備、介護サービスの充実などによって少子高齢社会への対応を前進させたほか、地域のきずなを強めるべく町内会や商店街などの活性化に傾注してまいりました。
 そうした中で、安倍政権誕生により、人々の心に再び明るい兆しが出てまいりました。いわゆる三本の矢の一つであります金融緩和により、不合理な円高が是正され、製造業に反転攻勢のチャンスが訪れております。
 政治が変われば、日本が変わる。我々も、日本の中心東京から、都民、国民の期待に政策の確かな実現でこたえてまいります。
 安倍政権は、本年二月に十兆円を超える大型補正予算を編成し、日本経済再生に向け緊急経済対策に取り組んでおります。
 その効果が早くもあらわれ、我が国経済は株価の上昇、個人消費の持ち直しなど、明るい兆しが見え始めております。
 このような景気回復の流れを、より確かなものとすることが重要であることから、先月我が党は、都としても国の経済対策に対応した取り組みを早期に実施するよう緊急要望を行ったところであります。これにこたえ、速やかに補正予算案が提案されたことは大いに評価するものであります。
 そこで、今回の提案された補正予算により、どのような効果を見込んでいるのか、見解をお伺いをいたします。
 次に、安全・安心なまちづくりについてお伺いをいたします。
 我が党は、東日本大震災の直後、対策推進本部を設置し、速やかに復旧、復興に向けた緊急要望を都に行うとともに、防災対策の強化に向け、二度にわたり具体的な提言を行い、都民の目線による対策の推進などを求めてまいりました。
 都は昨年、この提言を踏まえて地域防災計画を修正し、ハード、ソフト両面から対策を推進しており、引き続き、休日でも夜間でも災害に対する安全・安心を確保した高度防災都市づくりを進めていく必要があります。
 我が党の提案などを踏まえてスタートさせた木密地域の不燃化特区については、まず先行実施地区での取り組みが始まったところでありますが、木密地域の整備は一刻を争う時間との勝負であります。
 各区の関心が高まっているこの機をとらえ、区と連携し、また民間の力もかりながら、さまざまな支援策を複合的、効果的に活用し、住民の抱える多様な課題に的確に対応していくことが、結果として安全・安心なまちの早期実現につながると考えます。
 あらゆる工夫を凝らしながら、スピード感を持って木密地域の整備を進めていくことを強く求めるものであります。
 まずは、発災時の初動対応についてであります。
 発災後七十二時間以内に、いかに救助活動を行えるかが人命を左右します。こうした観点から、現在都が進めております各機関の発災時の連携方法や手順等を定める首都直下地震等対処要領の策定は、極めて重要なことだと考えます。
 この対処要領の策定に当たっては、火災が懸念される木密地域、孤立化も想定される山間部など、東京にはさまざまな地域特性があるということを踏まえた上で救出救助などの応急対策を確実に実施できるよう、より実効性の高いものとしていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、応急仮設住宅の供給についてお伺いをいたします。
 首都直下地震などが発生すれば、都内では数十万棟に及ぶ建物に被害が出ると想定されており、多くの応急仮設住宅の供給が必要となります。
 東日本大震災の被災地では、従来のプレハブだけでなく、木造の応急仮設住宅が建設され、被災者の方々の受け入れが行われました。短期間に応急仮設住宅を供給するためには、プレハブに加え、木造の仮設住宅も活用すべきと考えます。
 自治体の中には、木造の応急仮設住宅を供給する団体と震災時の供給に関する協定を締結する動きも見られます。
 都においても、応急仮設住宅について木造の導入を図るなど、供給体制の充実が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、都立公園の防災機能の強化についてお伺いをいたします。
 都立公園は、平常時においては潤いある都市環境を創出し、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供する重要な都市施設であります。
 一方、震災時においては、防災上重要な役割を果たすことも期待されており、八十一公園のうち、六十公園が都や区市町村の地域防災計画において避難場所や救出救助活動の拠点などに位置づけられております。
 かねてより我が党は、減災都市の実現を目指し、避難所や病院、公共施設に発電設備や蓄電池を配備することを強く要望してまいりました。
 これを受けて、都においては、避難場所等となる公園の防災強化に向け、非常用発電設備を舎人公園に設置するリーディングプロジェクトがいよいよ実現する運びとなると聞いております。
 そこで、舎人公園への非常用発電設備の設置に向けた取り組み状況についてお伺いをいたします。
 都では、津波による浸水被害などを考慮し、避難場所等の指定見直しを行いましたが、住民一人一人が安全に避難できるよう周知徹底すべきであります。引き続き都民の安全・安心の実現に向けて迅速かつ的確に対応するよう強く訴えておきます。
 また、島しょの津波に対応した避難対策も重要であります。
 先月、都は南海トラフ巨大地震に関する独自の被害想定を実施し、その詳細な結果を公表しました。この結果、津波による一定の被害が想定されるものの、素早く避難することで津波による死者がゼロとなる可能性があるということであります。
 今回の都の被害想定により、積極的に避難対策に取り組むことの重要性が明らかとなり、島の人々にとっても大きな希望へとつながりました。
 今後は、迅速な避難につながる事前の備えなど、津波による被害軽減に向け、ハード、ソフトを組み合わせた総合的な対策が必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、公共施設における雨水の一時貯留施設等の設置促進についてお伺いをいたします。
 現在進められております緊急豪雨対策では、公共施設を対象とした一時貯留施設等の設置促進を対策の柱の一つとしております。
 都では、昨年度、設置のための技術指針を策定するとともに、区市が整備に向けた実施計画を策定する際、費用の一部を補助する制度を新たに設けております。
 これらの支援により、今後、さらに整備を進めていくべきと考えますが、設置促進に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、下水道の浸水対策についてお伺いをいたします。
 我が党は、都に対し、都民の安全・安心を最優先とした施策の一つとして、浸水対策を推進するよう強く要望し、下水道局においては、貯留施設の整備を前倒すとともに、六月を浸水対策強化月間として位置づけ、都民に浸水への備えをお願いするなど、効果的な取り組みを進めており、評価しているところであります。
 しかしながら、最近では一時間に五〇ミリを超える豪雨が季節によらず多く発生し、これについても被害を軽減することが重要と考えます。
 そこで、下水道における浸水対策の現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 また、人が多く集まる大規模地下街については、一時間に五〇ミリを超える豪雨対策として大規模な貯留施設などの整備が必要ですが、高層ビルや商業施設などが集積する地区では、広い用地の確保が容易ではありません。
 渋谷駅東口では、駅周辺のまちづくりの中で貯留施設を整備していると聞いており、事業を進める上では、こうした工夫も重要であると考えます。
 そこで、大規模地下街における浸水対策の現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、環境施策についてお伺いをいたします。
 都はこれまで、気候変動の危機の回避に向け、先進的な取り組みを実施するとともに、都内の大規模排出事業者として、みずからも率先して徹底した省エネルギー施策や再生可能エネルギーの導入を進めてきました。
 今後、東京を後世に誇れるクリーンな都市とするため、CO2削減などを進めて環境負荷を低減させるとともに、経済成長を支え、環境にも優しいエネルギー政策を展開するスマートエネルギー都市を実現しなければなりません。
 都は、これに向けた重要な一つのツールとなるキャップ・アンド・トレード制度において、先般、次期の削減義務率を決定し、我が党の要望等も受けた配慮を盛り込みました。
 東日本大震災以降の電力事情の大幅な変化を受け、東京の都市活動におけるエネルギーのさらなる効率化が求められております。その意味では、本制度が果たす役割は大きいものと考えます。
 そこで、本制度を活用してスマートエネルギー都市を実現し、後世に誇れるクリーンな東京を目指すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 一方、東京の都市活動の中でも、下水処理には大量のエネルギーが消費されております。そのため、下水道事業においては、率先して省エネルギー対策を進める必要があり、未利用、再生可能エネルギーのさらなる活用を図ることが重要と考えます。
 そこで、下水道事業における未利用、再生可能エネルギー活用の取り組み状況と今後の予定についてお伺いをいたします。
 次に、アジアヘッドクオーター特区についてお伺いをいたします。
 現在、安倍政権は、日本を今度こそ本当によみがえらせるため、新たな成長戦略を構え、その一つとして、世界で一番ビジネスのしやすい国にすべく、特区制度を抜本的に見直しております。
 日本の心臓である東京は、新たな成長戦略を牽引し、中核とならなければなりません。極めて大事な局面において、その東京を預かる都知事には、粉骨砕身、都政のかじ取りに当たっていただきたい。そして、政権と緊密に連携をし、アジアヘッドクオーター特区を新たな特区へとバージョンアップしていくべきであります。我々もしっかりと取り組みますけれども、都の所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、国際展開についてお伺いをいたします。
 我が党では、ミャンマー友好議員連盟を設立し、同国の発展を後押ししております。ミャンマーの国づくりを官民一体となって支援するため、先月、安倍総理が同国を訪問し、電力や水道などのインフラ整備や人材育成を行うことになりました。
 水道局は、技術力やこれまでの取り組みが評価され、自治体で唯一、総理の訪問に同行しましたが、ミャンマーにおける今後の事業展開についてお伺いをいたします。
 また、かねてから我が党は、下水道事業の国際展開について、水や衛生問題に直面する国や地域のニーズをしっかりと把握し、課題解決に貢献するべきと主張してまいりました。
 このたび、都においては、マレーシアの首都クアラルンプール郊外で下水道施設の設計、建設、維持管理を一括して行う大規模プロジェクトを実現させるため、合弁会社を設立するとのことであり、世界の水環境の改善とともに、日本の産業力強化にもつながる取り組みとして高く評価すべきものであります。
 また、このプロジェクトは、東京下水道が持つ技術、ノウハウが、海外の水ビジネスの場においても、世界最高の水準にあることを示すよい事例ではないかと思います。
 そこで、今回のマレーシアでの下水道事業の国際展開の意義をお伺いいたします。
 次に、中小企業の経営力の強化についてお伺いをいたします。
 国の成長戦略の具体化が大詰めとなり、その内容への期待が高まっております。その一方、多くの中小企業は、長引く景気低迷の影響を克服することが重要な課題となっております。
 都は、我が党の強い要望を受け、中小企業の経営課題の解決を支援する経営力向上TOKYOプロジェクトを実施いたしました。これは、会社経営者から高い評価を受け、今年度も新たな形で再開することとなっております。景気が回復基調にある今こそ、中小企業が経営の内容の見直しを図り、業績の改善を実現する努力を後押しすることが重要であります。
 都は、中小企業の経営力の強化に向けた施策を着実に進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、東京の成長を担う中小企業の支援についてお伺いをいたします。
 我が党は、都内中小企業の支援に向けた的確な政策展開をリードしてきたと自負しております。この三月の中小企業金融円滑化法の終了に当たっても、我が党の緊急要望の内容が速やかに実現をし、企業の資金繰りへの懸念を取り除く上で成果を上げたものと考えております。
 経済に明るい兆しが出ている中、アベノミクスと連動した大胆な経済対策を実施し、日本を支えるものづくり産業の復活等に着実に取り組むべきであります。
 そのため、成長分野での創業を促すとともに、すぐれた技術力を持つ中小企業が存分に力を発揮できる支援が重要であります。
 成長分野で事業を展開する中小企業などを後押しする取り組みを展開させていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、中小企業の人材確保についてお伺いをいたします。
 都内には、数多くの中小企業や多様な人材が集まっております。東京が将来に向け持続的に発展する上で、成長の期待できる企業にすぐれた人材を結びつける取り組みは重要であります。
 これまで我が党は、若者や女性、高齢者など多様な人材の活用が必要と強調してまいりました。とりわけ、若者の就職がままならない状況が続けば、その能力を活用する機会を失い、社会的にも大きな損失をもたらします。長い目で見れば、社会保障制度の根幹をも揺るがしかねない問題であります。
 若者が中小企業を支える人材として力を発揮できるよう、雇用面からの対策が重要と考えますが、都としてどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。
 次に、国の成長戦略に連動したワークライフバランスの推進についてお伺いをいたします。
 国では、安倍総理が成長戦略の中核に女性の活躍を掲げ、総理みずからが経済団体に三年間の育児休業などを要請するとともに、ワークライフバランスの推進についてさまざまな取り組みを始めようとしているところであります。
 一方、我が党は、早くから地域コミュニティの重要性に着目をし、地域の底力再生事業助成により町会、自治会活動の活性化に努めてまいりました。この事業は、地域における防災への取り組みなど、着実に成果を上げてきており、今後とも本事業を活用し、地域の活動を活性化させることが望まれております。
 都においても、アベノミクスと連動し、すべての女性が職場でも地域でも生き生きと輝き活躍できる東京を実現することが必要であります。
 それには、これから社会の担い手となる若者がワークライフバランスを考え、人生設計をしていくことが重要であります。そのための取り組みについて所見をお伺いいたします。
 東京を世界で一番の都市にするためには、高齢者や障害者、子育て世代に優しい東京をつくり、だれもが地域で安心して暮らせる幸福実感社会を実現しなければなりません。
 その観点から何点かお伺いをいたします。
 まず、子育て支援についてお伺いをいたします。
 都は、認可保育所や認証保育所などさまざまなサービスを総動員して保育サービスの拡充を図ってまいりましたが、それを上回る保育ニーズが生じており、待機児童の解消には至っておりません。この背景には、社会環境の変化に伴い、子育てに関する人々の考え方が多様になるなど、さまざまな要因があると考えられます。
 我が党は、国に対しては子ども・子育て支援新制度に関する緊急要望を、都に対しては国の緊急経済対策への速やかな対応に向けた緊急要望として、待機児童解消を初め、子育て支援に一層積極的に取り組むよう要望してまいりました。
 延長保育、ゼロ歳児保育など大都市特有の保育ニーズにこたえていくためには、さまざまなサービスを組み合わせ整備することにより、量を拡大することが重要であります。また、サービスの質を支える人材の確保、定着を進めるための工夫もあわせて行っていくことが重要であります。
 都は、今後どのように取り組んでいくのか、その所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者対策についてお伺いをいたします。
 高齢化に伴い、都内の六十五歳以上のひとり暮らし世帯も一貫して増加しており、平成三十七年には全世帯の一三%に当たる八十二万世帯となる見込みであります。
 都は、我が党の少子・高齢化政策推進本部の提言を受け、さまざまな独自の施策を展開しておりますが、ひとり暮らし等でも住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、区市町村とともに高齢者を地域で支え見守る仕組みづくりを強力に推進すべきであります。所見をお伺いいたします。
 こうした取り組みは、都民の健康寿命を八十歳まで延伸することに必ず寄与するものであり、健康づくり施策との連携もあわせて要望しておきます。
 次に、障害者施策についてお伺いをいたします。
 我が党は、障害者が入所施設から地域生活に安心して移行できる支援体制の整備を求めてまいりました。
 これまでグループホームなどの地域生活基盤が整備され、就労している障害者の独立、自活に向けた必要な支援を行う通勤寮が法的に明確に位置づけられるなど、着実にその成果を上げております。
 この四月には障害者総合支援法が施行され、障害者の地域社会における共生の実現に向け、社会参加の確保や社会的障壁の除去を行うこととされましたが、都においても、地域移行を初め、地域生活の支援を一層充実すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、がん対策についてお伺いをいたします。
 都は、がん対策推進計画に基づき、さまざまな施策を展開し、がんによる死亡率の低下など、着実な成果を上げてまいりました。
 本年三月には、今後の高齢化の進展によるがん患者の増加を見据え、がん対策の一層の充実を図るとともに、小児がん対策やがん患者の就労等、新たな課題への対応も盛り込み、東京都がん対策推進計画を改定いたしましたが、今後、この改定計画に基づき、がん対策を具体的にどのように進めていくのかをお伺いいたします。
 次に、東京都地域医療再生計画についてお伺いをいたします。
 国は、二十四年度補正予算において地域医療再生臨時特例交付金を確保し、都道府県に交付すると聞いております。
 都は、この交付金を活用し、都民の命と健康を守る安心都市東京の実現を目指していくべきと考えます。
 交付金活用に当たっては、地域医療再生計画を追加策定することとなっており、都は先月、計画案を作成し、国に提出いたしました。
 そこで、都が作成した地域医療再生計画案の基本的な考え方についてお伺いをいたします。
 最近、医師等の関与のもとで使用されてきた医療用医薬品から、一般用に移行される医薬品が増加しており、使用者が健康被害を受けるリスクもあることから、我が党は、一般用医薬品の販売に際しては、薬剤師等の専門家が対面により使用者の状態把握、適切な情報提供を行うよう、国に要望したことを申し添えておきます。
 次に、観光振興についてお伺いをいたします。
 全世界の旅行者数は、今後二十年間で、現在の約二倍の十八億人になるといわれております。観光は経済波及効果が大きく、ふえ続ける世界の旅行者を積極的に東京に呼び込み、新たな消費を生み出していくことは、これからの東京の成長を支える重要な戦略であります。
 さらに、世界の人々との交流により東京の活力をさらに高めていくことは、世界に冠たる国際都市としての確固たる地位を築いていくことにもつながります。
 都は、先月、東京都観光産業振興プランを策定し、東京を訪れる外国人旅行者数を大幅に増加させることとしております。これを実現するためには、旅行者誘致に向けた新たな取り組みを強力に展開していくべきと考えますが、今後の都の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、臨海副都心の開発についてお伺いをいたします。
 前回の第一回定例会で、我が党は、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化が日本の経済を牽引する成長戦略であり、青海地区北側の開発は、厳しい都市間競争の上で重要なかぎとなることを明らかにいたしました。
 都では、独自の補助制度を活用した民間のコンベンションホール拡充やイベントによるにぎわいの創出など、MICE、国際観光機能の充実に取り組んでまいりました。
 しかし、今、アジアでは、シンガポールや韓国、フィリピンなどが、日本に先んじて、巨大な集客力と経済効果を持つカジノ併設の統合リゾート開発を進めており、特にシンガポールでは、大型クルーズ客船による集客力強化にも取り組むなど、競争は厳しさを増しております。
 後発の日本では、東京が先兵となって打てる手を今打たなければ、世界の潮流から取り残されてしまいます。
 今後、アジアナンバーワンの国際観光都市東京を目指し、明確な戦略を持って、臨海副都心の開発を一層進めることが必要であります。見解をお伺いいたします。
 次に、多摩の振興についてお伺いをいたします。
 本年三月に策定いたしました、新たな多摩のビジョンについてお伺いをいたします。
 第一回定例会でも申し上げましたが、ビジョンはあくまでも出発点であり、多様な顔を持つ多摩の特性を十分に踏まえ、実現に向けた具体の取り組みを推進することが重要であり、まず、都みずからが、全庁一丸となって取り組みを進めることが必要であります。そして、市町村や民間企業等も巻き込んで、ビジョンの具体化に向けた取り組みを進めなければなりません。
 また、本年は多摩の東京移管百二十年目であると同時に、スポーツ祭東京二〇一三が開催される、多摩地域にとって大きな節目の年でもあり、都は、こうした契機を生かし、多摩の魅力発信プロジェクトを推進するとしております。
 本プロジェクトを活用して、多摩地域で活動するさまざまな主体と、ビジョンで掲げた進むべき方向性を共有し、新たなビジョンの理念の浸透を図っていくことも重要であります。
 そこで、ビジョンの具体化に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、水道事業についてお伺いをいたします。
 我が党は、首都東京を支える最も重要な都市インフラである水道について、さまざまな提案をしてまいりました。これを受け、水道局では、水道管路の耐震継ぎ手化を大幅に前倒しするなど、震災対策を初めとした施策を積極的に進めてまいりました。
 そうした中で、多摩地区の水道は、区部と比べて施設の整備がおくれている印象がぬぐえません。例えば、配水管ネットワークの骨格となる配水本管の整備水準は区部の半分以下で、バックアップ機能が不十分な状況であります。長年にわたる市町への事務委託が完全解消された今こそ、さらなるレベルアップを図るべきと考えます。
 水道局では、本年五月、多摩水道改革計画二〇一三を策定いたしました。
 そこで、配水管ネットワークの整備について、今後の取り組みをお伺いいたします。
 また、多摩地区の浄水所等は、市町が水道事業を担っていた時代に築造された、小規模で老朽化した施設が多数存在をし、脆弱な状況にあります。こうした施設が事故等で停止した場合には、多摩地区の住民生活や都市機能に多大な影響を及ぼすことになります。
 そこで、これらの浄水所等の整備について、今後の取り組みをお伺いいたします。
 また、多摩と島しょ地域の農林水産業の振興について、我が党は、農地の保全や農家の経営力強化を初め、林業や水産業の活性化など、幅広い分野で多くの提案を行ってまいりました。
 今後は、大消費地に近接する多摩・島しょの強みを生かし、地産地消を重視した効果の高い政策の展開を図るべきことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、教育についてお伺いをいたします。
 東京、ひいては我が国に活気と発展をもたらすのは、夢と希望を持ち、いかなる障壁にも立ち向かう若い力であります。経済社会のグローバル化が急速に進展する中、知力、体力、人間力を備え、世界と渡り合える若者の育成に首都東京が率先して取り組み、国を牽引していかなければなりません。
 我が党は、若者に夢や希望を与える教育都市東京を目指し、さまざまな取り組みを推進してまいります。
 教育都市東京では、理数教育を拡充し、技術立国を支える人材を育成するとともに、海外留学、進学を後押しし、年間二千人の若者を海外武者修行に送り出し、世界と渡り合える若者を育てます。
 また、知、徳、体の基礎的な力を、すべての子どもが習得できるようにいたします。これまでも我が党は、知、徳、体の育成のため、土曜授業の活用を提言し、推進してまいりました。
 学校の教育活動を一層充実するため、学校週五日制の趣旨を踏まえつつ、引き続き、都内公立小中学校の土曜授業を拡充すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 教育の成否は、教育に直接かかわる教員にかかっております。しかしながら、その教員による体罰が問題となっております。
 先般、都教育委員会は、体罰の実態調査の最終報告を発表しました。それによれば、平成二十四年度に百四十六校で百八十二人の体罰があり、学校内外で体罰を容認してしまう風土があることや、部活動指導等において一部に体罰を指導の一環と考える教員がいることなどの課題も明らかになりました。
 我が党は、極めて深刻な問題と受けとめており、学校ではいかなる理由があっても、体罰は絶対にあってはならないと考えます。
 そこで、都教育委員会は、今後、体罰根絶に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。
 これまで我が党は、すべての都民を元気にする、スポーツ文化都市東京をつくるために、スポーツを楽しめる環境づくりや世界を目指すアスリートの育成など、スポーツ振興に取り組んでまいりました。
 とりわけ、オリンピック・パラリンピック招致においては、率先して都内の町会、自治会や各種団体の地域力によるご支援をいただきながら、全国にも呼びかけ、東京招致のために最大限のエネルギーを傾注してまいりました。さまざまな努力が実り、現在までに、東京招致を要望する百六十万もの署名が集まっており、そこには都民、国民の熱い期待や希望が込められております。
 先月、トルコを訪れた安倍総理がイスタンブールにエールを送り、フェアプレーの精神を演出しました。これまで築いてきたオールジャパンの体制がしっかりと根づいていることを確認することができました。今後、東京の強みをしっかり訴え、招致活動に取り組むべきと考えます。
 そこで、先日のスポーツアコード会議での成果を踏まえ、今後の招致レースに臨む知事の決意をお伺いいたします。
 次に、スポーツ祭東京二〇一三についてのお伺いをいたします。
 スポーツイヤーである本年の集大成となるスポーツ祭東京二〇一三本大会が、九月二十八日より開催されます。
 この大会は、都内六十二全区市町村で開催され、多摩・島しょの豊かな自然や歴史、文化、観光資源など、東京の魅力を全国に発信する絶好の機会となります。
 東京には、全国から人々が集まり、生活しております。各道府県の出身者の多くは、遠く離れたふるさとへの郷愁の念があるものであります。
 このような思いが集まる東京だからこそ、スポーツ祭東京二〇一三では、東京のみならず、ふるさとへも元気を発信し、スポーツを通じて日本じゅうが大いに元気づくような取り組みを実施すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 さて、都議選の投票日は六月二十三日と、残すところあと二十日余りであります。我々都議会自民党は、日々、都民や各種団体からの声をじかに聞く中で、政権政党として、都民の目線に立ち、東京都民の安全・安心を守り、首都東京から日本を元気にする取り組みを行ってまいりました。
 とりわけ、三年余りの民主党政権が停滞させてきた政策に関して、中小企業対策はもとより、法人事業税の暫定措置の撤廃を初めとする地方税制度の見直し、防災対策の充実強化など幅広い分野にわたり、安倍政権に対し緊急要望を行い、政策を推進してまいりました。
 自民党の安倍内閣は、民間の成長戦略を打ち出し、金融、財政政策に加え、強い経済を取り戻すためのアベノミクスは非常にうまく機能して、リーマンショック前の水準に戻るという快挙を達成しております。
 このような状況にあっても、都民の生活、仕事を守り、責任ある政治を貫き、東京の未来を切り開くため、山積する課題の本質を見きわめながら都政をリードしていく、それが都議会自民党に課せられた責務であり、都民の期待にこたえる道であります。
 来るべき都議選には、東京を世界で一番の都市にをメーンキャッチとして、安全・安心ビジョンと、活気・発展ビジョンを柱に、災害に強い安全な東京、都民の命と健康を守る安心都市東京、高齢者や障害者に優しい東京、日本の将来を担う子育て世代に優しい東京、後世に誇れるクリーンで美しい東京、力強い経済で日本をリードする東京、すべての都民を元気にするスポーツ文化都市東京、そして人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくるなど、世界一の東京の創造を目指し、引き続き猪瀬知事とともに全力を傾注する覚悟であります。
 私たちは、公認候補全員の当選で新たな東京をつくる決意であることを表明して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 山田忠昭議員の代表質問にお答えします。
 特区のバージョンアップについてでありますが、日本は近代以降、外圧という国家の危機をばねに発展してきました。しかし、世界のフロントランナーとなった今、我々はみずからの力で課題を見出し、目標を構えて前に進んでいかなければなりません。
 首都を預かる知事として、これまでの常識にとらわれずに発想して、都議会の皆様と議論を重ね、ご協力も得ながら、日本に自信と希望を取り戻していきたい。
 近代からの歴史軸──近代というのは明治維新以降この百五十年間のグローバル社会ですが、そこから見て、改めて見て、このご質問にある特区の問題を初めとする成長戦略では、日本人の知恵と覚悟が試されているというふうに思います。
 安倍政権が新たな成長戦略の検討を急いでおりますが、これに期待しています。この戦略は東京抜きにはあり得ないと思います。
 安倍総理がピッチャーであるならば、我々は国家戦略特区というボールを、現場を有する東京都がキャッチャーとしてしっかり受けとめ、地下鉄、バス、病院、学校、消防、水道、下水道、さまざまな現場を持っている東京都がキャッチャーとしてしっかりと受けとめて、アジアヘッドクオーター特区の取り組みを深掘りしていきたい。
 こうした観点から、過日出席しました産業競争力会議におきまして、第一に、海外企業の日本進出に当たり、障害となっている法人実効税率をさらに引き下げ、香港やシンガポールの水準に近づけるよう求めてきました。
 第二に、外国企業の誘致に向けては、ビジネスの利便性やそこで働く外国人とその家族が医療や教育の面などにおいて安心して生活できる環境整備が不可欠であります。
 そこで、入国手続など国に規制緩和を求めています。またあわせて、東京都としては、例えば病院を対象に世界標準で医療の質を保証するJCI認証の取得など──JCI認証というのは、今、聖路加病院とNTT病院がありますが、工場におけるISO規格のようなそういう認証ですけれども、アメリカならアメリカの保険が、例えば、聖路加なら聖路加病院に入ると適用される、そういう認証を得なければいけない。そういうJCI認証の取得支援など、幅広くこうした分野での取り組みを推進していきます。
 さらに、東京の交通システムの利便性を国際水準に引き上げる必要があります。
 ロンドンでもパリでもベルリンでもニューヨークでも、バスは二十四時間動いています。とりあえずは六本木と渋谷、試行的にまずやってみようと思っています。
 こうした取り組みを含めて、時間の市場を開発して、人々のプライベートを充実させ、内需の拡大につなげていきたい。そうすることで、東京の魅力はさらに磨きがかかると思っています。今後とも、日本再生のため、安倍政権が進める成長戦略の実現に向けて政府と連携を密に図っていきたい、こう思っております。
 続いて、オリンピック・パラリンピックについてでありますが、招致レースを優位に戦い抜くためには、東京の強みを最大限生かせる分野にIOC委員の関心が向くよう戦略的に訴えかけていくことが重要であります。
 先週、ロシアのサンクトペテルブルクでのスポーツアコード、国際競技連盟の会議です。スポーツアコードでは、大会開催のビジョン、大会の開催の運営能力、この双方を兼ね備えているということが必要である。これをIOC委員及びその関係者に改めてもう一度強く印象づけることができたと、そういうふうに実感しております。
 七月初旬ですが、スイスのローザンヌにおいて、すべてのIOC委員が出席するテクニカルブリーフィングがあります。そこに出席します。そして、最終プレゼンテーションの場であるアルゼンチンのブエノスアイレス、これ九月七日であります。IOCの総会に出席します。
 そこで、東京が友情、尊敬といったオリンピズムの精神を持って大会開催を成功させるという熱意を示したい。さらに、東京が世界で最も安全・安心な都市であり、大会を成功に導く強固な財政力を有していることなど、大会実現能力が極めて高いことを最大限にアピールしたい。
 開催都市が決定されるIOC総会では、安倍総理にもプレゼンターとしてご登壇いただくよう強く要請しておりまして、国家の総力を挙げて臨んでいきたい、そう思っております。
 今後も、他都市への敬意を持って、これまで以上に全力を挙げて招致レースに臨んでいきます。都議会の皆様のご支援をいただき、オールジャパンの体制で必ずや招致をかち取っていく、その決意でいます。
 なお、その他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、公立小中学校の土曜授業の拡充についてであります。平成二十年の学習指導要領の改訂に伴い、授業時数がふえたことや開かれた学校づくりを一層推進する観点から、土曜授業を行う小中学校は増加をしております。
 土曜授業を有効に活用している学校では、親子参加型の体力づくり講習会や地域の方をゲストティーチャーとして招いた特色ある教育活動の実施、授業時数及び放課後のゆとりの確保などに効果を上げております。
 今後とも、都教育委員会は、学校週五日制の趣旨を踏まえた土曜授業のすぐれた取り組み例についてリーフレット等で周知するなどして、学校が月二回を上限として土曜日を積極的に活用し、家庭や地域と一体となって子どもたちの学力向上や体力向上の取り組みを一層推進できるよう、区市町村教育委員会を支援してまいります。
 次に、体罰根絶に向けた取り組みについてであります。
 このたびの体罰調査では、教員が体罰を行った理由として、六割が一時的な感情によるもの、四割が体罰を教育の手段と考えているものという結果となりました。
 この背景には、子どもにわかるように言葉で冷静に指導する力量の不足や、部活動では厳しい指導も必要と体罰を容認する風土があるなど、根が深い問題がございます。
 このため、都教育委員会は、部活動指導等の在り方検討委員会において、効果的な体罰防止プログラムの開発、全顧問教諭を対象とした都独自の研修の開発と実施、児童生徒や保護者の意識改革に向けた啓発活動の強化などを柱とした総合的な対策を八月を目途に策定し、学校や区市町村教育委員会と一体となって体罰の根絶に取り組んでまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 都立舎人公園への非常用発電設備の設置についてでございますが、都立公園は風格ある都市景観を形成し、首都東京の魅力を高める憩いの場であり、震災時には避難や救出救助の拠点になるなど、都民生活に欠かすことのできない都市施設でございます。
 首都直下地震などの発災時に地域の防災機能の強化を図るため、「二〇二〇年の東京」計画にリーディングプロジェクトとして位置づけ、舎人公園に応急復旧活動のための公園電源を確保し、周辺の生活関連施設にも電力供給する非常用発電設備を新たに設置することといたしました。
 具体的には、耐震性にすぐれた管により都市ガス供給を受け、電源が復旧するまでの間、四千八百キロワットの連続運転が可能な設備といたします。
 さらに、公園に隣接する北足立市場、日暮里・舎人ライナー、足立トラックターミナルにも発災時に必要な電力を供給するものでございます。今年度中に計画を策定してまいります。
 今後とも、関係部署と連携し、高度防災都市の構築に向けて、公園の防災機能の早期強化に全力で取り組んでまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 補正予算についてでありますが、今回の補正予算は、国の緊急経済対策に時期を逸することなく呼応するとともに、子育て支援の強化に向けた都独自の取り組みを行うことを基本に編成を行っております。
 具体的には、まず地域の元気臨時交付金を活用し、公共事業を前倒しするとともに、昨年度に積み立てを行った基金を活用した取り組みを早期に行うことにより、地域の景気を支え、雇用の創出を進めてまいります。
 また、国の対策を補完するため、認証保育所などで働く保育士等の処遇改善を行うほか、小規模保育の拡充を図るなど都独自の子育て支援を一層強化してまいります。
 こうして編成した補正予算を円滑かつ着実に執行することにより、東京の活力のさらなる向上や都民の安全・安心の確保にしっかりとつなげてまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、首都直下地震等対処要領の策定についてでありますが、発災時には、自衛隊、警察、消防等各機関が緊密な連携のもと、都内各地域でその被害の状況に応じた救出救助活動を速やかに展開していく必要があります。
 そのため、対処要領では、想定される被害の特性などに応じて、複数の区市町村を単位とする十カ所程度の圏域を設定し、各機関の初動対応等を明確化してまいります。
 具体的には、密集市街地が広がる圏域では、建物倒壊や火災被害に対応した救出活動と災害拠点病院等への経路の確保、急傾斜地の崩壊が懸念される山間部では、ヘリによる被害者の救助や救援物資の搬送など、各圏域の地域特性に応じた災害活動をあらかじめ定めておきます。
 実践的な訓練を重ね、各機関の連携内容の検証や改善を進め、実効性ある対処要領の策定につなげてまいります。
 次いで、島しょの津波対策についてであります。
 想定された巨大な津波から人命を守るには、これまでの防潮堤整備などハード対策とあわせ、住民避難を軸にしたソフト対策を行うなど総合的な取り組みが重要となります。
 このため、海岸保全施設に加え、津波避難タワーなどの整備を着実に進めてまいります。また、町村の具体的な避難計画の策定が進むよう、新たな想定に基づき、島ごとに津波による浸水地域を明らかにして、避難方向などを図示したハザードマップ基本図を作成し、提供してまいります。
 さらに、この十月には、最大の津波高が予想された新島におきまして、総合防災訓練を実施し、観光客や災害時要援護者を含めた迅速な避難方法などを検証してまいります。
 今後とも、ハード、ソフト両面から対策を総合的に推進することで、津波による死者ゼロを目指してまいります。
 最後に、新たな多摩のビジョンの具体化に向けた取り組みですが、まず東京都みずからが全庁一丸となって取り組めるよう、多摩島しょ振興推進本部のもとに都の施策に関する検討会を設け、全庁横断的な体制を整備してまいります。
 また、都や市町村に加え、多摩地域で活動する学識経験者、民間企業等で構成するビジョン連携推進会議をこの夏ごろを目途に新設し、まちづくりや産業振興等、さまざまな分野について意見交換を行うなど、多面的な検討を進めてまいります。
 こうした検討を踏まえ、都の取り組みのほか、市町村、民間企業等による先進的な取り組みも含めて取りまとめ、年度内に新たな多摩のビジョン行動戦略を策定いたします。
 さらに、多摩の東京移管百二十周年などを契機に実施する多摩の魅力発信プロジェクトも有効に活用し、暮らしやすいまちづくり等をテーマとしたシンポジウムを開催するなど、ビジョンの考え方を広く普及させてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、応急仮設住宅の供給体制の充実についてでございますが、都においては、震災等により家屋が被災し、居住が困難となった方に対して、都営住宅などの公的住宅や借り上げによる民間賃貸住宅とともに、直接建設により応急仮設住宅の供給を行うこととしております。
 仮設住宅の建設につきましては、現在、プレハブ建築による住宅の建設に関する協定を締結しておりますが、東日本大震災の被災地では木造の仮設住宅も建設され、迅速な供給に寄与したと聞いております。
 都においても、供給体制を重層化して充実を図り、震災等への備えを強化していくことが重要と考えており、今後、木造の応急仮設住宅について適切な供給ができるよう、関係団体との協定の締結に向けて取り組みを進めてまいります。
 次に、公共施設を活用した雨水の一時貯留施設についてでございますが、都は率先して都営住宅などを活用した一時貯留施設等の整備を進めるとともに、都と関係する二十八区市で構成する協議会での技術指針の周知に加え、区市での取り組みをさらに進めるため、実施計画策定への補助制度を昨年度導入いたしました。
 今年度は、都営住宅三団地に加え、練馬区内の都立高校や武蔵野市内の中学校の校庭などで整備されることとなっております。
 また、実施計画策定についても、昨年度の西東京市に引き続き、大田区と世田谷区が補助制度を活用いたします。
 今後も、協議会の場に加え、直接、区市に対し一時貯留施設等の設置を働きかけるなど、あらゆる機会をとらえ、整備促進に取り組んでまいります。
   〔下水道局長小川健一君登壇〕

〇下水道局長(小川健一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道における浸水対策についてでございますが、現在、浸水の危険性が高く、優先的に整備することとした対策促進地区二十地区のすべてで事業に着手し、平成二十九年度までの完了を目指しております。
 また、かつての川を下水道幹線として利用している流域などでは、幹線が浅く埋設されているため、浸水被害が発生しやすい状況にございます。
 このような流域二十地区を重点地区として新たに選定し、既存の幹線の下に新たな幹線を整備する手法なども取り入れ、対策を実施していくことといたしました。
 今後は、こうした取り組みに加え、浸水対策として整備してきた貯留管や貯留施設等を新たな幹線と連結するなどの検討を行い、一時間五〇ミリメートルを超える降雨に対しても浸水被害を軽減してまいります。
 次に、大規模地下街の浸水対策についてでございますが、これまでに新宿駅などの四地区で一時間七五ミリの降雨に対応できる貯留施設などを整備してまいりました。
 お話の渋谷駅東口では、駅周辺の開発事業者により四千立方メートルの貯留施設の建設工事が進められております。
 また、新橋・汐留駅地区では、大規模な貯留施設整備に必要な用地の確保が困難なため、既存の下水道管網を太い管に取りかえるなど、下水道管を増強する手法を採用することとし、今年度着手してまいります。
 さらに、東京駅丸の内口、銀座駅、上野・浅草駅の三地区においても、さまざまな工夫を取り入れ、平成二十七年度までに施設整備に着手してまいります。
 これらの浸水対策を強力に推進し、安全・安心な東京の都市づくりに貢献してまいります。
 次に、下水道事業における未利用、再生可能エネルギーを活用した取り組みについてでございます。
 これまで下水処理水を放流するときの高低差と豊富な水量を利用した小水力発電、汚泥の処理工程で発生するメタンガスを利用した発電、施設上部等を活用した太陽光発電などに取り組んできております。
 今後は、汚泥焼却時の熱の有効利用により、運転に必要な電力をみずから発電できるエネルギー自立型の焼却システムを開発、導入してまいります。
 また、太陽光発電につきましては、水処理施設のふたに太陽光パネルを張りつけるなどの工夫により、設置コストを縮減し、メガワット級の太陽光発電施設を増設してまいります。
 こうした取り組みにより、エネルギーのさらなる効率的、効果的な利用を進めてまいります。
 次に、下水道事業の国際展開についてでございますが、東京の下水道事業は、都市機能が高度に集積し、人口が稠密な東京にあって、短期間に整備をなし遂げるなど、高度な技術と効率的な運営能力を持っております。
 このたび、省スペース型の下水処理場の建設や、効率的な維持管理手法など、東京が培った技術や経験が、水環境の改善を目指すマレーシア政府から高く評価され、下水道整備プロジェクトを進めていくための合弁会社を設立する運びとなりました。
 このプロジェクトが実現すれば、計画人口五十四万人で数百億円の事業となり、官民連携による下水道分野での海外展開では最大規模のものとなります。
 これは、海外展開を目指す他の自治体や事業者にとって、リーディングケースを示すものであり、日系企業の参入機会を創出していくなど、大変意義深いものと考えております。
 今後とも、東京のすぐれた技術を海外に発信し、世界の水環境の改善と、東京ひいては日本の産業力の強化に貢献してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) キャップ・アンド・トレード制度を活用したスマートエネルギー都市の実現についてございますが、二〇一〇年度からの本制度の導入に伴い大規模事業所では、省エネ推進体制の構築や削減対策の計画化など総量削減義務の履行に向けた取り組みが進められてまいりました。震災後の電力不足に際しましては、これらの取り組みを生かした効果的な節電が行われ、企業活動に大きな支障を来すことなく、大幅な削減を実現することができました。LED照明などの省エネ性能の高い機器の導入が飛躍的に進むとともに、電力使用状況を見える化するシステムなど、エネルギー需要の効果的な管理を可能とする仕組みも広く普及されるようになってまいりました。
 今回、都は、オフィスビルでの一七%削減など、第一期を大きく上回る第二期削減義務率を定めました。この削減目標は、震災後の踏み込んだ省エネ対策を定着化させ、都内の大規模事業所が、エネルギー使用量及びCO2排出量の削減と企業活動の発展を両立させるスマートエネルギー都市のトップランナーとしての役割を果たす基礎になるものでございます。
 今後とも、東京が世界に先駆けて実現した都市型キャップ・アンド・トレード制度を最大限に活用するなど、我が国のすぐれた省エネ技術の一層の活用とエネルギーマネジメントシステムの全面的な普及を推し進め、スマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、ミャンマーにおける今後の事業展開についてであります。
 ミャンマーでは、浄水場等の施設整備が不十分であるなど、安全な水が手に入らないほか、設備の老朽化による断水や漏水、さらには人材の不足など、さまざまな問題が生じております。こうした中、水道局では、これまで東京をモデルとして水道の改善を目指すミャンマーの最大都市ヤンゴン市から幹部職員を受け入れ、研修を実施するなど人材育成を支援しております。また、都と連携して国際貢献ビジネスを推進する監理団体の東京水道サービスが、同市の水道マスタープランの策定に協力しております。
 さらに、今般、首相に同行し、ヤンゴン市で開催された日本・ミャンマー経済セミナーにおきまして、都市の発展における水道の役割などについて私がプレゼンテーションを行ってまいりました。
 今後、民間企業とも連携し、東京水道の世界一の技術をもって、ミャンマーの発展に貢献してまいります。
 次に、多摩地区における配水管ネットワークの整備についてでありますが、多摩地区では、これまで市や町ごとに給水してきた経過から、配水管の整備が区部と比べて不十分な状況にあります。
 また、バックアップする管がないため、漏水事故の際に断水が広範囲に及ぶとともに、老朽化した管の取りかえも困難となっております。
 このため、本年五月に策定いたしました多摩水道改革計画二〇一三に基づき、市や町の区域内はもとより、市や町の区域を超えた配水管の整備を重点的に行い、配水管ネットワークを構築してまいります。
 これにより、バックアップ機能を強化し、事故時や管路更新時における給水の安定性を向上させてまいります。
 最後に、多摩地区の浄水所等の整備についてであります。
 多摩地区には浄水所が七十カ所、給水所等が百二十六カ所存在し、そのほとんどは、市や町が水道事業を経営していた時代に整備された小規模施設であります。
 このうち、浄水所の約八割が、築造後四十年以上を経過し、老朽化が進行しており、また、事故時にバックアップとして機能する給水所の配水池容量が不足しているなど、多くの課題を抱えております。
 このため、施設の集約化、老朽化施設の更新、必要な配水池容量の確保などに取り組んでまいります。
 今後、多摩水道改革計画に基づき、こうした施設整備などの施策を強力に推進し、多摩地区水道の水準を向上させてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の経営力の強化への支援についてでございます。
 都はこれまで、商工会議所など中小企業支援機関と協力して、企業の現場に経営の専門家を派遣し、さまざまな課題解決の実現を支援してまいりました。
 今年度、都は、中小企業支援機関とともに、新・経営力向上TOKYOプロジェクトを新たに開始し、企業の規模に応じたきめ細かな経営診断を現場で実施するなど、より効果の高い支援を展開いたします。
 これに加え、抜本的な経営の見直しを図る中小企業の努力を後押しするため、経営変革アシストプログラムを新たに実施し、業績の向上を目指す計画の策定からその実行までを総合的に支援するなど、事業内容の一層の充実を図ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みにより、都内の中小企業の経営力の強化を着実にサポートいたします。
 次に、成長分野での中小企業支援についてでございます。
 中小企業が成長分野へ参入しやすい環境を整え、その事業の発展に向け、経営、技術、資金などさまざまな面から支援を行うことが重要でございます。
 都はこれまで、インキュベーション施設を整備し、経営ノウハウ等の提供を進めており、今年度から施設同士の協力を促し、段階に応じた創業支援を開始いたします。また、企業が研究機関等から技術の導入を図る経費に助成し、速やかな事業実現を促進しておりますが、今後、大学等と共同した新製品開発への新たな支援も開始することとし、現在、具体的な技術開発テーマの検討を進めております。
 資金面でも、金融機関の独自のノウハウを活用した新メニューを七月から開始するなど、支援の充実を図ります。
 今後は、国の成長戦略をも踏まえ、成長分野での中小企業の事業の発展を支える取り組みを進めてまいります。
 次に、中小企業の人材確保と若者の雇用についてでございます。
 東京の中小企業が持続的に成長していくためには、次代を担う若者と有為な人材を求める中小企業を結びつける若年者就業対策の充実と強化が必要です。
 このため、都は今年度、介護、省エネルギー、防災の三つの成長産業分野を対象に、研修と就労体験を組み合わせた支援プログラムを実施し、若者の就業を後押しいたします。
 また、民間就職情報サイトを活用した若者就活応援プロジェクトでは、参加企業の職場環境や技術力等を独自調査し、企業PRを含めた求人情報を効果的に発信いたします。
 さらに、先月立ち上げたTOKYO就活スタイルプロジェクトチームにおいて、民間のノウハウを活用した都独自の就職支援モデルを構築してまいります。
 今後とも、これらの取り組みを通じて、意欲ある若者の就業機会を確保し、東京の産業振興を人材面から推し進めてまいります。
 最後に、外国人旅行者の誘致に向けた都の取り組みでございます。
 世界の旅行者数は、今後二十年間で倍増すると予想されており、都は、先月策定した観光産業振興プランにおいて、海外の主要な旅行市場の動向や特性を詳細に調査し、東京の魅力を強く印象づける、より効果的な誘致活動を展開することといたしました。
 また、経済成長が著しい東南アジア等の国のうち、旅行者の大幅な増加が見込まれますベトナムやインドネシアなどに対して、民間事業者と連携した重点的な誘致活動を新たに実施いたします。さらに、行き先や目的をみずから自由に選択する個人旅行者の増加に対応するため、SNSなどの多様な媒体で東京のきめ細かい観光情報を発信するなど、今後、都市間競争に打ち勝てるよう、外国人旅行者の誘致に向け幅広い施策を積極的に展開してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 国の成長戦略に連動したワークライフバランスの推進についてでありますが、仕事と生活を両立できる社会を築くためには、将来、社会の担い手となる若者が、ワークライフバランスの意義や重要性を認識し、長期的な視野で人生を考えていくことが重要であります。
 都はこれまで、男女平等参画のための東京都行動計画に基づき、ウエブサイトを通じた情報発信、企業の先進的な取り組みを紹介する実践プログラムの活用などにより、ワークライフバランスの推進に取り組んでまいりました。
 今年度は、新たに若者を対象として、両立支援制度の知識やキャリア形成の必要性を理解するためのセミナーを実施するとともに、大学等と連携した講座を開催いたします。
 また、ワークライフバランスの推進に向けた国の方針や施策を的確に把握し、フォローアップするための普及啓発にも努めてまいります。
 今後とも、若者を初めとした都民全体に、仕事と家庭、地域生活の調和への意識を高めるとともに、国の施策とも連動し、すべての女性が活躍できる社会の実現を積極的に図ってまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、多様な保育ニーズへの対応についてですが、都はこれまで、保育の実施主体である区市町村のさまざまな取り組みを支援しており、平成二十三、二十四年度には、新たに年一万人分以上の保育サービスが整備されました。
 今後、こうした区市町村の取り組みを一層促進するため、国の待機児童解消加速化プランで示された支援策を含め、安心こども基金を活用するとともに、施設整備に係る事業者や区市町村の負担を軽減する都独自の支援策や、都有地の活用を推進いたします。また、今年度創設した小規模保育の運営費補助を、今回の補正予算で拡充いたします。
 さらに、サービスを担う保育人材の確保や定着を図るため、国が認可保育所のみを対象に行う処遇改善を、認証保育所や小規模保育等にも拡大して実施いたします。こうした施策を総合的に展開し、多様な保育ニーズにこたえてまいります。
 次に、高齢者を地域で支える仕組みについてですが、お話のとおり、高齢者の生活を地域で支えるためには、日ごろからの見守り活動や、支援が必要なときにサービスにつなぐ仕組みづくりが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、包括補助を通じて区市町村における見守りの取り組みを支援するとともに、シルバー交番設置事業により拠点の整備を進めており、三月には、担い手となる人材育成や個人情報の取り扱い等の具体的事例を盛り込んだガイドブックを取りまとめたところでございます。
 今年度は、このガイドブックも活用し、高齢者を日常的に見守り、異変に気づいた場合に地域の専門機関につなぐサポーターの養成について、新たに区市町村を支援するなど、地域資源を活用した見守り体制の一層の充実を図ってまいります。
 次に、障害者の地域生活を支える施策についてですが、都は障害者の地域生活への移行を進めるため、障害者の地域移行・安心生活支援三か年プランにより、整備費の特別助成を実施し、地域生活基盤の整備を図っているところでございます。
 また、知的障害者の就労と生活を一体的に支援する通勤寮を初め、入所施設からグループホームへの移行や、グループホーム等から一般住宅への移行に取り組んでおり、今年度からは、新たに地域移行促進コーディネーターを入所施設に配置し、障害者への支援を行ってまいります。
 さらに、今回の障害者総合支援法の施行を踏まえ、障害者の社会参加を支援する、手話通訳等の意思疎通支援についても、区市町村における実施状況を勘案しながら広域的な対応など、都としての充実策を検討してまいります。
 次に、今後のがん対策についてですが、都は現在、新たながん対策推進計画に基づき、関係機関と連携し、施策の具体化に向けた取り組みを進めているところです。
 小児がん医療では、本年八月までに診療連携ネットワークに参画する医療機関を選定し、秋には連携体制を検討する小児がん診療連携協議会を立ち上げてまいります。
 また、がん患者の就労等相談支援につきましては、年内に実態調査を実施し、治療と就労の両立に関する課題を把握した上で、具体的な支援策の検討を開始いたします。
 がんに関する総合的な情報提供では、現在実施している患者団体等からのヒアリング調査を踏まえ、年度内に東京都がんポータルサイトを立ち上げる予定でございます。
 今後も、都民や関係機関と一体となって新たな施策を展開し、がん対策の一層の強化を図ってまいります。
 最後に、地域医療再生計画についてですが、都は、超高齢社会の到来を見据え、ことし改定した東京都保健医療計画の重点課題のうち、災害医療と在宅療養に関する施策を柱に、地域医療再生計画案を作成いたしました。
 災害医療では、航空機による広域患者搬送拠点における臨時医療施設、SCUの整備や、災害時に医療機関情報を共有する広域災害救急医療情報システム、EMISを都内全病院に配備することなどを盛り込みました。
 また、在宅療養につきましては、体制整備に積極的に取り組む区市町村への支援や、がん患者の円滑な在宅療養への移行支援などに取り組むこととしております。
 今後、国の有識者会議の審議を経て、施策の採択と交付決定がなされることとなっており、これを受け、本年秋までに都の地域医療再生計画を決定する予定でございます。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 臨海副都心の戦略的な開発についてですが、統合リゾート、いわゆるIRに関する法整備など国の成長戦略策定の動きも注視しつつ、まず、ウオーターフロントという地域独自の魅力を生かした取り組みに直ちに着手し、集客力を高めていきます。
 具体的には、大型クルーズ客船のさらなる積極的な誘致やその受け入れ体制の充実、臨海副都心を起点とする新たな舟運ルート開設支援などさまざまな工夫で、国内外の旅行客を引きつける観光資源の開発を進めていきます。
 さらに、臨海副都心の各エリアを容易に移動できる新たなシステムであるモビリティーロボットなどの最先端技術や、多言語による情報提供などきめの細かい外国人サービスなどにより、地域としての付加価値を高め、アジアの諸都市との厳しい都市間競争に勝ち抜いてまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) スポーツ祭東京二〇一三における首都東京ならではの取り組みについてでございます。
 スポーツ祭東京二〇一三は、都道府県を代表する選手によって繰り広げられます国内最大のスポーツ大会でございまして、郷土の誇りを胸にトップアスリートや障害のある選手による真剣勝負が展開されます。
 ご指摘の東京の特徴を生かした取り組みとして、ふるさとの選手等を応援する、ふるさと応援団を都道府県ごとに総勢一万人を超える規模で結成いたしまして、心のこもった応援活動を行います。
 具体的な活動としては、開閉会式や都内各所の競技会場で、ふるさと出身の選手を応援することはもとより、選手からもふるさと応援団へ、SNSなどを活用しメッセージを伝えるなど、双方向コミュニケーションを通じて、大会の盛り上げを図ってまいります。
 また、各競技会場にふるさと応援団が足を運ぶことで、都内のにぎわいをさらに創出し、東京の地域振興にもつなげていきます。
 大会開催まであと百日余りでございますが、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を初めて一つの祭典として開催するスポーツ祭東京二〇一三の成功を期して、万全な準備を行ってまいります。

〇副議長(ともとし春久君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十三分休憩

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