平成二十五年東京都議会会議録第七号

平成二十五年六月三日(月曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番大場やすのぶ君
四番和泉 武彦君
五番福士 敬子君
六番矢島 千秋君
八番野上ゆきえ君
九番山下ようこ君
十番佐藤 広典君
十一番中村ひろし君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番松葉多美子君
二十番小宮あんり君
二十一番吉住 健一君
二十二番桜井 浩之君
二十三番山崎 一輝君
二十四番鈴木 章浩君
二十五番鈴木 勝博君
二十六番山内れい子君
二十七番小山くにひこ君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番伊藤こういち君
三十七番大松あきら君
三十八番中山 信行君
三十九番高倉 良生君
四十番菅  東一君
四十一番田中たけし君
四十二番鈴木 隆道君
四十三番宇田川聡史君
四十四番高橋 信博君
四十五番中屋 文孝君
四十六番鈴木あきまさ君
四十七番くりした善行君
四十八番星 ひろ子君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十三番神野 吉弘君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番上野 和彦君
六十番吉倉 正美君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番近藤  充君
六十五番高橋かずみ君
六十六番三宅 正彦君
六十七番早坂 義弘君
六十八番相川  博君
六十九番山加 朱美君
七十番吉原  修君
七十一番林田  武君
七十二番柳ヶ瀬裕文君
七十三番西崎 光子君
七十四番原田  大君
七十五番伊藤 ゆう君
七十六番尾崎 大介君
七十七番山口  拓君
七十八番伊藤まさき君
七十九番松下 玲子君
八十番西岡真一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番服部ゆくお君
八十八番こいそ 明君
八十九番きたしろ勝彦君
九十番高木 けい君
九十一番神林  茂君
九十二番遠藤  衛君
九十三番三原まさつぐ君
九十四番田島 和明君
九十五番古賀 俊昭君
九十六番泉谷つよし君
九十七番くまき美奈子君
九十八番大西さとる君
九十九番今村 るか君
百番増子 博樹君
百一番いのつめまさみ君
百二番小沢 昌也君
百三番石毛しげる君
百四番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番三宅 茂樹君
百十一番山田 忠昭君
百十二番村上 英子君
百十三番野島 善司君
百十四番川井しげお君
百十五番吉野 利明君
百十六番宮崎  章君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番斉藤あつし君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番和田 宗春君
百二十六番馬場 裕子君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 一名
  七番 土屋たかゆき君
 欠員
    五十二番 五十四番

 出席説明員
知事猪瀬 直樹君
副知事安藤 立美君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長前田 信弘君
総務局長笠井 謙一君
財務局長中井 敬三君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長小林  清君
警視総監西村 泰彦君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長中西  充君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長松田 芳和君
交通局長中村  靖君
水道局長増子  敦君
消防総監北村 吉男君
下水道局長小川 健一君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長塚田 祐次君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
監査事務局長松井多美雄君
収用委員会事務局長醍醐 勇司君

六月三日議事日程第一号
第一 第百四十五号議案
  平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第百四十六号議案
  災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百四十七号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百四十八号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百四十九号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第六 第百五十号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七 第百五十一号議案
  東京都子供・子育て会議条例
第八 第百五十二号議案
  東京都動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百五十三号議案
  東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百五十四号議案
  東京都海岸漂着物地域対策推進基金条例
第十一 第百五十五号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百五十六号議案
  東京都立川合同庁舎(二十五)改築工事請負契約
第十三 第百五十七号議案
  若潮橋旧橋撤去工事(その二)及び新橋下部工事(その一)請負契約
第十四 第百五十八号議案
  善福寺川調節池工事(その二)請負契約
第十五 第百五十九号議案
  無線装置(基地用送受信機本体)外六点の製造請負契約
第十六 第百六十号議案
  土地の売払いについて
第十七 第百六十一号議案
  ヘリコプターの買入れについて
第十八 第百六十二号議案
  消火装置外二点の買入れについて
第十九 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時開会・開議

〇議長(中村明彦君) ただいまから平成二十五年第二回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   三番   大場やすのぶ君 及び
   六十四番 近藤 充君
を指名いたします。

〇議長(中村明彦君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 平成二十五年五月二十七日付東京都告示第七百八十八号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案十八件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について依頼がありました。
 次に、都議会説明員について、副知事秋山俊行は病気療養中のため、本定例会を欠席するとの通知がありました。
 次に、平成二十五年第一回定例会の会議において同意を得た教育委員会委員、固定資産評価審査委員会委員及び公害審査会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、平成二十四年度東京都一般会計予算外三件の明許繰越について、平成二十四年度東京都一般会計予算外一件の事故繰越について及び平成二十四年度東京都病院会計予算外九件の繰り越しについて、それぞれ報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について提出がありました。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第一回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(八ページ)に掲載〕

〇議長(中村明彦君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から六月七日までの五日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、会期は五日間と決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) 次に、議員の表彰についてお諮りいたします。
 百十七番比留間敏夫君及び百十六番宮崎章君には、東京都議会議員として、多年にわたり地方自治の確立と都政の進展のために貢献せられ、その功績はまことに顕著であります。
 本議会は、その功労を多とし、表彰することにいたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、本議会は、両君を表彰することに決定いたしました。
 お諮りいたします。
 表彰文は議長に一任せられたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより、議長において起草いたしました表彰文により表彰いたします。
    表彰状
比留間敏夫殿
 あなたは東京都議会議員として
 多年にわたり
 常に都政の発展に貢献され
 その功績はまことに顕著であります。
 ここに永年の功労を多とし表彰します。
   平成二十五年六月三日
東京都議会
   〔拍手〕

    表彰状
宮崎  章殿
 あなたは東京都議会議員として
 多年にわたり
 常に都政の発展に貢献され
 その功績はまことに顕著であります。
 ここに永年の功労を多とし表彰します。
   平成二十五年六月三日
東京都議会
   〔拍手〕
 なお、表彰状の贈呈については、議長において取り計らいたいと存じますので、ご了承願います。

〇議長(中村明彦君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事猪瀬直樹君。
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 平成二十五年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 ただいま、多年にわたり都政に貢献された比留間敏夫議員、宮崎章議員が表彰をお受けになりました。お二人の都政の発展に尽くされたご功績に対して、深く敬意を表し、心からお喜び申し上げます。
 オリンピックは人類の持っている夢のあらわれであります。
 この市川崑さんが総監督をした記録映画の名作「東京オリンピック」の冒頭に映る言葉は、すべての人々に夢を贈るオリンピックの力を端的にあらわしたものだと思います。
 一九六四年のオリンピック、あのころの日本は、変化を恐れず、新しいものに挑戦する、国じゅうがそんな気風に満ちていました。人々は、日本の成長とみずからの生活の向上を心の中で重ね合わせながら、それぞれの夢に向かって懸命に駆け上がったのです。
 あれから半世紀がたち、私たちは、世界でもたぐいまれな、豊かな社会を築き上げました。しかし、地球温暖化、エネルギーの問題、急速に進む少子高齢化など数々の困難に直面し、経済的には新興国から猛追を受け、人々の心の中には、行き詰まり感が充満しています。そして、何よりも一番の問題は、多くの日本人が、未知なるものに挑戦し困難を乗り越えようとする前向きな気持ちを欠いていることなのです。
 今、安倍総理は、脱デフレの経済政策を展開しています。効果を上げていると思います。人々の気持ちも一緒に前向きになれば、日本はもっと明るくなると思います。
 世界のフロントランナーとなった私たちは、自分で新しい未来をつくらなければならない。我々の先にはだれもいないからです。だからこそ、二〇二〇年大会のビジョンは、ディスカバー・トゥモローなのです。何としても招致をかち取り、みずからの手で自分の未来をつかみとる気概、自信と希望を日本人の中に取り戻していきます。
 私は、きのう、ロシアのサンクトペテルブルクから帰ってきました。あらゆるスポーツの国際団体の代表が一堂に会し、IOC委員の四割が参加するスポーツアコード会議に、フェンシングの銀メダリストである太田雄貴選手らとともに出席してまいりました。会議参加者がオリンピック・パラリンピックに寄せる一番の期待は、関心は、アスリートがベストコンディションで競技に臨むことができ、大会を最も高いレベルで開催できる都市はどこかということです。そのために現地では、アスリートファーストに重点を置いた活動を行いました。アスリートたちが時間どおりに競技会場に移動できる世界トップクラスの輸送システム、良好な治安、多様な食文化など東京の強みと魅力をアピールしてまいりました。さらに、強固な財政基盤など開催計画を確実に実行し、大会を成功に導く高い実現能力と、東京がオリンピックムーブメントに積極的に貢献する決意を、そして東京ならではのホスピタリティーを、競技団体の幹部やIOC委員にパッション、情熱を持って訴えました。プレゼンテーションだけではなく、記者会見、現地の関係者を招いた懇談会、その他さまざまな場面で東京を宣伝してきました。
 帝政ロシアの首都であったサンクトペテルブルクは、一八世紀の雰囲気を残した、モスクワに次ぐ大都市であります。人口五百万人です。ポルタフチェンコ知事に東京招致への応援をお願いし、さらに、観光振興や廃棄物処理の分野で両都市が交流していくことになりました。
 今回の招致活動を通じて、今後の参考となる貴重なアドバイスも多く聞くことができました。非常に充実したものであったと思っております。
 先般のニューヨーク出張では、ブルームバーグ市長と会談し、東京の招致活動に力強いエールを送っていただきました。ニューヨークを訪れる中で、未来の課題は常に都市から始まるという思いを改めて強くいたしました。今後、世界の主要な都市との二都市間の交流も強化してまいります。互いに持つノウハウを共有することで、都市問題の解決に積極的に貢献していきたいと思います。
 ニューヨーク訪問中に、ボストンマラソンで爆弾テロ事件が起きました。卑劣なテロ行為を絶対に許すことはできません。亡くなられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、負傷された方々にお見舞い申し上げます。東京の治安は誇るべきものと自負しておりますが、首都を預かる最高責任者として、気を緩めることなく、こうしたリスクに対しても必要な対策を講じてまいります。
 来月、スイスのローザンヌで開かれるテクニカルブリーフィングに出席いたします。東京がIOCのベストパートナーであることを委員全員に直接訴えることができる大事な場であり、全力を尽くしてまいります。七月二十五日には八戸から東京までをランニングと自転車で駆け抜ける、あしたへの道一千キロメートル縦断リレーが出発します。二〇二〇年の聖火リレーの姿を頭に思い浮かべながら、被災地を元気づけていきたいと思います。
 九月七日の開催都市決定まで百日を切りました。マラソンでいえば、三十キロを超えたぐらいの地点であります。これからの十キロが正念場です。最後の最後まで攻め抜いていきます。攻めて、攻めて、攻め抜いていきます。この戦いは、政府、経済界、スポーツ界など国家を挙げた総力戦であります。都民、国民の皆様、都議会の皆様の力強いご支援をよろしくお願いいたします。
 先ほども少し触れましたが、安倍政権が進める脱デフレ政策の一本目の矢である金融政策に市場は敏感に反応し、株価も上昇するなど、経済の雰囲気は変わってきています。財政政策のかなめである政府の十五カ月予算のうち平成二十五年度の本予算も、先般、成立しました。本定例会では、政府の緊急経済対策に呼応した補正予算案を提案しております。新たに創設された地域の元気臨時交付金などを活用しながら、公共事業を早期に実施することで、景気を支え、雇用の創出にもつなげていきます。そして、三本目の矢である成長戦略は、日本の心臓である東京の成長なくして成り立ちません。東京都は、上下水道、病院、消防、地下鉄やバスなど多くの現場を持っています。その東京が、安倍政権が投げたボールを受けとめ、それをさらに深掘りしていきます。
 都市での活動を妨げる要因を取り除き、人、物、資本、情報を引きつけ、世界の活力を取り込むことで、日本全体が潤います。そのために、東京が進めているのがアジアヘッドクオーター特区であります。先月、この特区のバージョンアップを訴えるために安倍総理に会い、政府の産業競争力会議にも出席してまいりました。
 海外企業の日本進出に当たって、まず障壁となっているのが、高い法人実効税率です。特区内に業務統括拠点などを置く外国企業に対して、平成二十三年度に四〇・七%であった税率をこの四月に二八・九%に引き下げており、復興増税終了後の平成二十七年度からは二六・九%にすることが既に決まっています。これをさらに、ソウルや上海を下回る二〇・二%にまで下げるよう、政府と交渉を進めています。
 外国人が海外に赴任する場合には、通常、単身ではなく家族で赴任します。家族で生活しやすい環境も整えなければなりません。医療面では、世界標準の質を保証するJCIという国際評価があります。現在、都内で二つの病院が取得していますが、これを大幅にふやしていきたいと思います。また、特区のエリア内に配属する救急隊の英語による対応能力を高めていきます。親にとって最も気がかりな子どもの教育については、特区内へのインターナショナルスクール誘致など教育環境の充実に取り組みます。
 また、建物の容積率にインセンティブを与えるなどの手法を用いて民間開発を誘導し、国際的な中枢業務拠点、外国人向けの生活相談機能、魅力ある文化拠点など良好な都市環境を整えてまいります。
 さらに、産業競争力会議では、日本の標準時間を二時間早めるという大胆な提案をしました。世界の一日のお金の流れが日本から始まることで日本経済が活性化すれば、雇用にも消費にもプラスになると思います。時間をつかさどることは、今や国家戦略でもあるのです。政府には、この国の将来のため、タブーのない議論を期待しています。
 同時に、東京の交通システムの利便性を国際水準に引き上げなければなりません。ニューヨークも、ロンドンも、パリも、地下鉄の運営は一元化され、バスは二十四時間動いています。東京でも、都営バスの六本木と渋谷を結ぶ路線で、ことしじゅうに二十四時間運行を始めることにしました。
 なぜ、この決断をしたのか。世界のビジネスは二十四時間動いているからです。しかし、それだけではありません。私たちのライフスタイルに一石を投じるためでもあります。バスや地下鉄が二十四時間動いている欧米の都市では、仕事が終わった後、夜遅くまでオペラを見て、その後レストランに行く、それが日常の光景です。日本のように終電を気にすることはありません。夜をゆとりある時間に変えることで、東京の新しい可能性を引き出してまいります。人生を充実させるためには、ワークライフバランスが大切です。日本の標準時間を二時間早めるという提案をしたのも、時間は有限ですが、可能性は無限であるからです。時間という市場を開発できれば、プライベートも充実し、内需の拡大にもつながって、東京の魅力にさらに磨きがかかると思います。
 現在、私鉄のバス会社は、終電後に郊外へ向かう深夜バスを運行しています。これも、時間の新しい可能性です。今後、そうしたバス路線と都営バスをターミナル駅で接続させるなど、幅広い視点から検討を進め、東京の都市力向上に生かしてまいります。
 稠密に張りめぐらされ、安全かつ正確な東京の地下鉄網は、世界の大都市と競争する上で最大の武器であるはずですが、二つに分かれているがゆえに、利用者は二重運賃や乗りかえでの不便を強いられ、持てる力を十分に発揮できておりません。
 歴史をひもとけば、昭和十六年、当時、鉄道省の官僚で、後に総理大臣となる佐藤栄作が主導した陸上交通事業調整によって、東京メトロの前身である帝都高速度交通営団が、東京の地下鉄を独占することになりました。同時に、東京中心部のバスと路面電車は、東京市に一元化されました。今の都営バスと都電であります。そして戦後、東京都は都議会とともに、一体的、効率的な交通体系を確立するため、地下鉄を含めた首都の交通一元化を政府に求めてまいりました。しかし、高度経済成長時代の急激に増大する交通需要に対応する必要から、東京の地下鉄は、営団と後発組である都営の二元体制になったままです。
 地下鉄のネットワークが概成した今、都営地下鉄の経営も黒字となり、社会状況も当時とは大きく変わりました。我が国は人口減少社会に突入し、東京の人口も二〇二〇年には減少に転じると見込まれています。鉄道の経営も当然、効率化しなければなりません。少子高齢化によって、バスへの期待も高まってくると思います。駅やその周辺のバリアフリー化を進めるなど、バスと地下鉄の乗りかえをさらに便利にしていく必要があります。首都の地下鉄やバスを、外国人にもわかりやすいものへと変えていく必要もあります。我が国の政治経済の中心部の真下にトンネルを持つ地下鉄は、セキュリティーへの十分な配慮も不可欠です。
 九段下の壁は、九段下のばかの壁は取り払いましたが、メトロとか都営とか、これまでの縦割りのやり方は通用しません。過去、現在、未来を正しく見詰め、東京の都市力を高める、利用者本位の新しい交通政策、総合的な政策が求められています。地下鉄の一元化も、この大きな思想の中でとらえなければならないのです。
 都心部に金城湯池の独占的権益を持つ会社を、このまま完全民営化しようとする国土交通省の姿勢は理にかなったものなのでしょうか。私はそう思いません。公の出資を元手に、さらに五千五百億円もの補助を受けて、道路という公共の空間の下にトンネルをつくり上げてきた地下鉄から生まれた利益は、東京メトロという一会社の自由な振る舞いのためではなく、利用者である都民、国民のために使われるべきなのです。
 今月末の株主総会には、安全・安心の追求と利用者視点に立ったサービスの提供を、経営理念として定款に盛り込むなど、初めての株主提案を行っています。あわせて、この理念を実現するため、東京都、政府、東京メトロから成る経営改革会議の設置を要求してまいります。株主としての権利も行使し、だれのための地下鉄なのか、地下鉄の公共性とは何かを世に問いたいと思います。
 同時に、首都政府の責任として、将来を見据え、首都の総合的な交通政策と公共交通のあり方について検討を進めてまいります。
 また、大江戸線の全三十八駅では、利用者の安全を守るホームドアの整備を終えました。これで、ホームドアの整備率は、メトロの四四%を上回る六一%になりました。外見からはわからない障害のある方が身につけることで、周囲の理解が得られやすくなるヘルプマークも、大江戸線で試行的に取り組んできましたが、来月からバスや都電も含めたすべての都営交通に広げてまいります。
 東京を訪れる外国人の数は、二〇〇一年の年間二百七十万人と比べて、二〇一〇年には六百万人へと倍以上にふえました。しかし、その後、大震災の影響で旅行者数は落ち込みましたが、そこから急速に回復し、観光は今、成長産業として再び注目を集めております。先般、改定した観光産業振興プランでは、東京を訪れる外国人の数を、二〇一七年には一千万人へと大幅にふやす目標を掲げました。国際会議や企業の研修旅行、展示会といった、いわゆるMICE機能を強化して、ビジネスで東京を訪れる人もふやします。
 臨海副都心では、昨年度から始めた東京都独自の補助制度により、コンベンションホールの新設や外国人向け観光情報の提供といった民間の取り組みを支援していきます。今後は、大規模なMICE施設とレストランや劇場、大人の社交場としてのカジノなど観光施設を一体とした統合型リゾート施設の整備を検討してまいります。国会における一日も早い法整備を期待しております。
 活力ある都市を実現すると同時に、東京は世界のフロントランナーとして、エネルギーの確保と環境への配慮を両立していく必要があります。
 政府は、この四月、電力システムに関する改革方針を閣議決定し、二〇一五年度から順次、電力改革を実施するとしています。しかし、九つの電力会社による地域独占体制の壁は厚く、実際に競争原理が働くようにすることで、初めて中身を伴った真の改革になるのです。そのためには、競争相手となる新電力の育成が不可欠であります。
 東京都は、電力の複数契約や都庁舎への地域冷暖房センターからの電力の導入など率先垂範してきましたが、さらに東京都の施設への新電力導入を拡大していきます。昼間に電力需要の山が来るオフィス型施設への導入が適していることから、こうした施設を一まとめにして入札を実施するなど、新電力が参入しやすい環境を整えます。秋以降、順次入札を行い、三十施設、四万キロワットであった新電力との契約を、三百五十施設、十万キロワットを目標に拡大していきます。
 さらに、経済産業大臣に面会し、新電力と域外供給を合わせたシェアを三〇%にすることを目指して、なすべき事項を提案しました。大事なことは、新電力に十分な電源を持たせることです。電力会社による卸電力取引所への電源の一層の投入に加えて、発電所の売却という手法も含め老朽化した火力発電所をリプレースし、新電力を参入させることを求めました。また、都営の水力発電について、競争入札を実施した結果、年間十億円に満たなかった電力料収入が十七億円にふえただけでなく、落札した新電力は常に電気を生み出すベース電源を得ることになりました。公営の水力発電は、全国で二百四十万キロワットの発電能力を有しており、原発二基分に相当します。経済産業大臣には、この貴重なベース電源を新電力が利用できるよう環境整備を提案し、先月の九都県市首脳会議でも東京の先進的な取り組みを紹介しました。今後も、東京は具体的な施策を展開する中で生み出した発想で、新電力の育成を進めてまいります。
 続いて、東京電力の改革について申し上げます。
 これまで東京電力の経営改革本部と定例会合を重ねながら、東電病院に象徴されるむだを指摘してきました。また、新電力の電力供給量が足りないときに、一定量の電力を融通する常時バックアップの拡大を東京電力に強く要請し、これを実現してきました。発送電分離を先取りし、社内に競争原理を取り入れた社内カンパニー制も、この四月から動き出しています。東京電力は、徐々に変わってきていると思います。
 老朽化した火力発電所のリプレースは、東京電力にとっても喫緊の課題であります。リプレースに関するアセスの期間を短縮するため、当時の政府にロジックを駆使して要求し、環境省が合理化してもなお二年以上かかるとしていたものを、さらに一年強にまで短縮させました。これからは、いよいよ具体的にリプレースを進めていかなければなりません。そのためにも、まずは、個別の発電所の事業収支など、経営情報の詳細な開示が必要です。情報なくして、新電力が参入していくことも、資金を呼び込むこともかないません。株主提案を通じて情報公開を推し進め、リプレースに向けた体制を構築するよう強く求めていきます。
 一方で、東京都は、CO2削減のため、世界に先駆けて都市型キャップ・アンド・トレード制度を創設し、事業者の方の意欲的な取り組みを引き出してまいりました。このたび、二〇一五年度以降の五年間の削減率を新たに定めました。より大幅な削減を展開する期間として、二〇一〇年度からの五年間の削減分を含め、オフィスビルで一七%、工場などでは一五%の削減としています。あわせて、中小企業が所有する事業所については、削減義務の対象外とし、病院、福祉施設などについては、削減率を軽減する特例を設けました。めり張りをつけた制度設計でCO2削減の取り組みを東京にしっかりと根づかせます。東京都も業種別に研修会を開催するなど、きめ細かな対応を図り、事業者の方の取り組みを後押しいたします。
 温暖化という地球規模の課題に対して、ニューヨークで、ブルームバーグ市長に世界の大都市がCO2削減に取り組むC40のワークショップを東京で開催するという提案をしました。都市におけるCO2削減の柱である建築物の省エネ分野について、東京の先進的な取り組みを伝え、大都市同士の連携を深めていきたいと思っています。
 次に、上下水道の国際展開について申し上げます。
 副知事の時代、マレーシアに赴いて、東京の技術と運営ノウハウをアピールし、その後、現地の上下水道に関する改善策を盛り込んだマスタープランを提案しました。東京水道は、日本企業、現地企業とチームを組み、漏水などをなくす無収水対策のパイロット事業実施に向けて、マレーシア政府と交渉を進めております。
 東京下水道では、マスタープランを具体化し、首都クアラルンプール郊外で、下水道施設の設計、建設、維持管理を一括して行うプロジェクト提案をしておりました。このたび、相手政府との交渉を最終段階へ進めるため、日本企業、現地企業、監理団体の東京都下水道サービスの三者で合弁会社を立ち上げる運びとなりました。これが動き出せば、日本の下水道分野での官民連携による海外展開では最大規模となります。引き続き、都庁が蓄積してきた高い技術力とインフラの総合的な運営能力を最大限活用することで、世界の水環境の改善に貢献し、日本の産業力強化にも結びつけてまいります。
 次に、少子化対策について申し上げます。
 私はこのまま少子化が進むことに大変な危機感を持っています。人口の減少によって経済が縮小して、社会の活力が低下し、社会保障や地域での支え合いといった社会のシステムそのものが成り立たなくなるからです。
 本定例会に提案している補正予算案には、今年度創設した東京スマート保育について運営費への補助を拡充し、定員を四百人から六百人にふやす予算を盛り込んでおります。また、保育の現場を支える方々の処遇改善も盛り込みました。認証保育所や東京スマート保育などで働く方の分は東京都が独自に措置します。
 こうした子育て家庭への支援に加え、若者の雇用環境の改善など、結婚や出産をためらう若者をどう支えるのかといった課題にも本腰を入れて取り組まなければ、解決の糸口を見出すことは難しいと思います。
 まずは、検討の土台を固めるため、東京の人口減少が都民生活に直接どのような影響を及ぼすのか、詳細な調査を始めました。来月には、局横断的なプロジェクトチームを立ち上げます。大都市東京の実情を十分に加味しながら、これまでの常識を一歩も二歩もはみ出た斬新な発想で、少子化打破の突破口を見つけていきたいと思います。
 就職支援でも、新しい政策が求められています。都内の有効求人倍率は一・二倍ですが、失業率は今も四%台を推移しております。仕事があっても職につけないという実態があります。
 都内のハローワークには、年間百万人の求人がありますが、実際に就職に結びつくのはわずか二割で、実に八割の求人情報は眠ったままなのです。カウンセリングやセミナー、職業訓練といった求職者の事情に応じた支援をきめ細かく行ってこそ、具体的な就職につなげることが可能となります。
 本来ならば、ハローワークを移管して、仕事のやり方を変えることが必要なんです。しかし、厚生労働省の抵抗で、遅々として進まない中、それを悠長に待つことはできません。そこで、民間とタッグを組み、TOKYO就活スタイルという新たな就職支援のモデルを構築することにしました。先月、民間の人材サービス業界の方々やソーシャルネットワークの専門家などから成るプロジェクトチームを立ち上げ、検討を始めました。
 スピード感を持って取り組み、新しい東京モデルとして目に見える具体的な成果を出すことで、ハローワークの移管を含め、我が国の雇用政策のあり方そのものを変えていきたいと思います。
 次に、島しょ地域の津波対策について申し上げます。
 東京都は、先月、南海トラフ巨大地震の島ごとの詳細な被害想定を発表しました。明らかになったのは、ほとんどの地域が震度五強以下であり、揺れや液状化などの被害は小さいものの、大きな津波によって人的被害が予想されるということです。深夜の地震で避難がおくれれば、最大千八百人の死者、行方不明者が発生します。
 しかし、迅速に避難すれば、津波による人的被害をゼロにすることもできます。昨年、私も参加した神津島の防災訓練では、地震発生十一分後に二十五メートルの津波が到達するとの前提で高台に避難する訓練を行いました。村役場の人が道路の海抜二十五メートルのところに赤い旗を掲げ、津波の際は、ここまで逃げるようにと目で見てわかる工夫をするなど、村民の三人に一人が参加して熱心に取り組んでいました。ことしは、十月に新島で訓練を行います。島で大きな地震に遭ったら、急いで逃げるということを徹底していただきたいと思います。
 秋のスポーツ祭東京二〇一三の開会まで、あと四カ月に迫りました。関係者の皆様の懸命なご努力により準備も順調に進んでおります。秋のスポーツ祭東京の先頭を切って、九月二十八日に、味の素スタジアムで行われる国民体育大会の開会式では、会場を満員にして大いに盛り上げ、国体とそれに続く全国障害者スポーツ大会を成功に導きたいと思います。この大会を通じて、多摩・島しょの豊かな自然や歴史など、東京の多様な魅力を発信してまいります。
 さて、本定例会は、皆様にとりまして、現任期最後の定例会であります。今、改めて、この四年間を思い起こすと、さまざまな出来事がありました。二年前の三月十一日の東日本大震災では、東京でも三百五十万人という大量の帰宅困難者が発生し、その後は深刻な電力不足に見舞われました。さまざまな都政の課題に対して、都議会での真摯な議論を通じて、帰宅困難者対策条例など、先進的な施策を生み出し、あるいは、現実的な解を見出しながら、都政は前に進んでまいりました。困難な時期にあって、東京の発展に力を尽くされたことに心より感謝申し上げます。
 現任期を最後にご勇退される方々には、これまでのご労苦に対し、都民を代表して、深く敬意と感謝の意を表します。また、改選を迎えられる皆様には、心よりご健闘をお祈り申し上げます。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、予算案一件、条例案十件など、合わせて十九件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(中村明彦君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

〇七十四番(原田大君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時四十一分散会


文書質問趣意書及び答弁書

二五財主議第一〇八号
平成二十五年五月二十四日
東京都知事 猪瀬 直樹
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   文書質問に対する答弁書の送付について
 平成二十五年第一回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。
     記
   畔上三和子議員

平成25年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 畔上三和子

質問事項
一 江東区内の都バス路線の拡充について

一 江東区内の都バス路線の拡充について
都バスは、地下鉄などの交通機関の拡充により、利用者の減少傾向にあるとのことですが、例えば江東区でいえば東西の地下鉄は整備されているものの、南北交通はバスに頼るしかなく、都バスはまさに都民の貴重な足として大きな役割を果たしています。とりわけ高齢化社会の中で、都バスの利便性の向上は欠かすことのできない課題と考えます。今後もさらにバスの利便性・安全性の向上に努めるとともに、都民から寄せられています要望に応えていただきたく質問します。
1 今年度からスタートしました「錦13」東陽町駅から豊洲駅までのバス路線の試行運転では、平日のみであり、しかも1時間に1本で1日7本というもので、利用しにくいという声が寄せられています。江東区役所前から有明がん病院までの延長と、増便を求める声が上がっています。試行運転による評価と今後の見通しをお示しください。あわせて、こうした要望に応えるべきと考えますが、いかがですか。
2 「陽20」東大島駅から東陽町駅までのバス路線では、新砂の高齢者医療センターを経由し大変住民から喜ばれていますが、東大島駅の始発が平日の場合8時42分で、病院の診療開始時間に間に合わないこと、1時間に1本と少なく、東陽町駅から東大島駅への路線では14時台にはなく、改善を求める声が寄せられています。改善を求めますが、いかがですか。
3 「亀24」は、東大島駅前経由で亀戸駅と葛西橋を結ぶ路線ですが、新砂の高齢者医療センターまでの延長を希望する声が多く寄せられています。また東大島駅前のバス停は、駅バスターミナルに入って他路線との接続をよくしてほしいという声も寄せられています。改善を求めますが、いかがですか。
4 住民要望に応える都バスの拡充を切に求めるものですが、採算性の問題などをクリアするには、ミニバスの配車など区との協議もおこない、柔軟な対応が必要と思います。バス路線の拡充についての自治体との協議はどのようにおこなっているのですか、お答えください。

平成25年第一回都議会定例会
畔上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 江東区内の都バス路線の拡充について
  1 今年度からスタートした「錦13」東陽町駅から豊洲駅までのバス路線の試行運転では、平日のみであり、しかも1時間に1本で1日7本というもので、利用しにくいという声が寄せられている。江東区役所前から有明がん病院までの延長と、増便を求める声が上がっているが、試行運転による評価と今後の見通しを伺う。あわせて、こうした要望に応えるべきだが、見解を伺う。

回答
 錦13折返系統(東陽町駅前~豊洲駅前)は、区役所などがある東陽町と、近年開発が進む豊洲を結ぶ路線として、地元区の要望を踏まえ、平成24年4月1日に運行を開始しており、現在、利用状況等を検証しています。

質問事項
 一の2 「陽20」東大島駅から東陽町駅までのバス路線では、新砂の高齢者医療センターを経由し大変住民から喜ばれているが、東大島駅の始発が平日の場合8時42分で、病院の診療開始時間に間に合わないこと、1時間に1本と少なく、東陽町駅から東大島駅への路線では14時台にはなく、改善を求める声が寄せられている。改善を求めるが、見解を伺う。

回答
 都営バスでは、乗客潮流の変化を的確に捉え、限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、路線やダイヤの見直しを行っています。
 陽20系統の利用状況等を踏まえると、増便等は困難です。

質問事項
 一の3 「亀24」は、東大島駅前経由で亀戸駅と葛西橋を結ぶ路線だが、新砂の高齢者医療センターまでの延長を希望する声が多く寄せられている。また東大島駅前のバス停は、駅バスターミナルに入って他路線との接続をよくしてほしいという声も寄せられている。改善を求めるが、見解を伺う。

回答
 亀24系統の延伸及び東大島駅バスターミナルへの乗り入れについては、所要時分が増加することから運行回数を減少せざるを得ないこと、運行回数を維持する場合には採算性が厳しくなること、特に、延伸については他系統と重複し、非効率であることから、困難です。

質問事項
 一の4 住民要望に応える都バスの拡充を切に求めるが、採算性の問題などをクリアするには、ミニバスの配車など区との協議もおこない、柔軟な対応が必要である。バス路線の拡充についての自治体との協議はどのようにおこなっているのか伺う。

回答
 都営バスでは、江東区内のバス路線に関して、毎年、区議会「まちづくり・南北交通対策特別委員会」の要望を受けるなど、区と協議を行っています。

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