〇議長(中村明彦君) 五番山崎一輝君。
〔五番山崎一輝君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕
〇五番(山崎一輝君) 初めに、中小企業対策についてお伺いをいたします。
新・元気を出せ商店街事業は、我が党からの要望により平成十五年度にスタートし、質と量の両面から充実を図りながら、商店街振興の面で大きな役割を果たしてきました。
同事業では、商店街の意欲のある取り組みを後押しするため、都が経費の一定部分について助成をしてきました。しかし、この事業の前提となるわずかな自己資金すら確保できず、商店街の活性化に向けた計画やアイデアをうまく実行できずにいる中小の商店街もあると聞いております。
我が党は、さきの予算特別委員会の宇田川聡史議員の質疑の中で、やる気はあっても自己負担の資金を集める力がなく、都の補助をあきらめざるを得ない商店街にも、しっかりと目くばせをするべきと問題提起をしたところであります。厳しい状況にある商店街が、費用の負担を抑えながら、新・元気を出せ商店街事業を利用できるような支援を速やかに行うべきと考えますが、所見を伺います。
次に、都市交通の一翼を担うべき自転車についてお尋ねをします。
自転車は環境負荷が少なく、まちの回遊性も高めることができ、日常生活での利用のほか、観光地でのレンタサイクルやスポーツなど、幅広くさまざまな目的で使用されております。ロンドン、パリなどの海外の諸都市では、自転車が都市の交通体系の中に位置づけられ、自転車を共有して使う自転車シェアリングが大きく普及をしております。大都市東京においても、さらに自転車の普及を進め、より快適な都市空間を確保し、東京のプレゼンスを高めるためには、安全対策を十分考慮した自転車シェアリングなど、戦略的な自転車普及策の展開が必要であると考えます。
こうした中、江東区では、自転車シェアリングの実証実験をことしの秋ごろから実施することを発表いたしました。自転車を普及し、環境負荷の低減を図るためには、江東区のような自治体が実施する自転車シェアリング事業と連携を深めるなど、都として広域的展開の視点も踏まえた取り組みが重要と考えますが、今後の自転車施策の展開について伺います。
次に、臨海副都心開発についてお尋ねいたします。
昨年策定したアジアヘッドクオーター構想において、臨海副都心は、東京に進出する外国企業を掘り起こすために重要な役割を担い、MICE、国際観光拠点を推進する地域となり、大いに期待をしております。
昨年、東京モーターショーが二十四年ぶりに東京で開催をされ、世界じゅうから八十四万人をも超える入場者を数えましたが、この集客をひもとくと、一つに、地域が連携して関連イベントを開催したことが大きく寄与したと、私も現場を見てそう感じました。
同様に、MICE等の開催に合わせ、地域が連携して盛り上げに向けた取り組みを行うことで集客効果が高まり、臨海副都心でのMICE開催の付加価値向上となり、さらにMICE誘致に貢献するものと考えております。
こうした取り組みを充実することにより、MICE、国際観光拠点として発展を目指すことが重要であると考えますが、今後の取り組みについて伺います。
また、青海地区南側は、昨年、東京都立産業技術研究センターがオープンし、こうした産業支援施設を活用した企業創生ゾーンとしての発展が期待をされております。企業創生ゾーンの環境をフルに活用し、行政と民間が連携し、効果的な起業家支援などを行うことにより、特色のある企業が生み出され、ひいてはアジアヘッドクオーター特区として海外企業の進出にもつながるのではないかと考えます。
今後、臨海副都心をMICE、国際観光拠点として、青海地区南側の企業創生ゾーンとしての活性化に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、舟運の活性化による臨海部の観光振興についてお尋ねいたします。
東京には、ことしに入り、東京ゲートブリッジを初め、先ごろオープンした新名所、ダイバーシティ東京や東京スカイツリーなど、次々と新たな観光スポットが誕生をいたしました。これらを将来にわたって東京の魅力的な観光資源として生かしていくためには、観光スポット間のネットワーク化を図るなど、東京全体で相乗効果を高める取り組みが重要です。
とりわけ臨海部は、羽田空港国際化に続き、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化や豊洲の新市場開設に伴う千客万来施設の整備が進むなど、今後も大きく集客が伸びることが予想をされます。臨海副都心から羽田空港や隅田川上流など、水上交通を活性化することにより、観光スポットとしての魅力も一層大きくなると期待をしております。
こうした臨海部の水上アクセス活性化に対する都の認識を伺います。
また、江東区では、この秋、東大島の旧中川の河川敷に川の駅を整備する予定だと聞いております。この川の駅には、飲食などが楽しめる川床や、そして足湯などの施設を初め、和船やカヌーの乗り場を整備することになっており、都民の憩いの場として大いににぎわうのではないかと期待をしております。
中でも一番の目玉は、多目的スロープを整備し、都内初の水陸両用バスの営業運行を開始することです。水陸両用バスは、東京スカイツリーや亀戸天神や勝ち運の香取神社を陸路で回り、川の駅から進水をして、水上の遊覧を楽しめると聞いております。
こうした江東区の先駆的な取り組みは、江東区のみならず、ウオーターフロント全体の観光の活性化につながる極めて有意義なことであると思います。
このような取り組みを、都としても、新市場開場を控えた豊洲や高い集客力を持つ臨海副都心でも行えるよう、関連施設の整備を含めて積極的に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
次に、オリンピック・パラリンピック招致についてお伺いします。
先月の二十四日早朝、東京は二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の立候補都市に選定をされました。東京の開催計画をもってすれば、一次選考を通過したのは当然のことというものの、非常に喜ばしいことであります。
私の地元にある東京ゲートブリッジでは、これを記念し、オリンピックをイメージした五色でのライトアップも実施されました。IOCのレポートでも指摘されたとおり、今後は、支持率の向上が何といっても喫緊の最重点課題です。より一層、招致機運を本気で、本気で盛り上げていかなければなりません。
先週、オリンピック・パラリンピックの開催に伴う経済波及効果が発表をされました。それによると、全国の生産誘発額は約三兆円、雇用誘発数は約十五万人とのことで、改めて大会開催に伴う効果が裏づけられました。
このような大会の開催効果や理念、意義を都民、国民にわかりやすく伝えることは、支持獲得に向けて非常に重要なことであります。特に、本定例会の我が党の代表質問でも述べたとおり、再生した日本の未来を担っていく若者への働きかけも必要です。
私は、三月の予算特別委員会において、ブログやツイッター、フェイスブックなどの活用について提言をしました。このような若者が参加をしやすい手段をさらに活用していくことが求められております。今後、インターネット上でのサポーターズクラブのような仕組みやソーシャルネットワーク等の媒体を利用していくことを強く要望いたします。招致活動のうねりを、ロンドン・オリンピック・パラリンピックもあることから、より力強いものとする時期に来ていると考えますが、見解を伺います。
最後に、豊洲新市場に合わせて開設する千客万来施設についてお尋ねいたします。
豊洲新市場整備については、土壌汚染対策、施設の建設などを一つ一つ着実に進めていくことが重要であります。東京の新たな観光拠点として整備する千客万来施設も、地元の期待も高く、あわせて具体化に向けた取り組みを進めていく必要があります。
MICEの質問の中で先ほども触れましたが、都内の観光商業施設の開発動向を見ると、つい先日、新下町流を目指した商業施設ソラマチを併設する東京スカイツリー、また、これに先立って臨海副都心のダイバーシティ東京、そして渋谷駅前のヒカリエにも大規模なスポットが相次いで誕生いたしました。これらの施設は、その地域の特性を踏まえ、ターゲット層を明確にした上で、独自の魅力を打ち出し、話題を呼んでおります。
新市場の千客万来施設についても、ほかの観光スポットとの差別化をしっかりと図り、集客力の高いにぎわいを実現していくことが非常に重要であります。それと同時に、開発を担う民間事業者の知恵と工夫をどう引き出していくのかがかぎになります。
私は、築地の場外市場のようなあの温かみのある、あの何ともいえないにぎわいをつくるのが、都の責任の一つであると考えます。
千客万来施設において、にぎわいを創出していくために、ほかの商業施設との差別化をいかに図るのか、また、どのような手順で整備を進めていくのか伺い、質問を終わります。(拍手)
〔産業労働局長前田信弘君登壇〕
〇産業労働局長(前田信弘君) 山崎一輝議員の一般質問にお答えいたします。
新・元気を出せ商店街事業についてでありますが、都はこれまで、本事業により商店街に対してさまざまな支援を行ってまいりました。しかし、店舗数や売り上げが減少して、自己資金を十分に確保することが難しく、イベントを開催したくても実施に踏み切れない商店街も、お話のように存在いたします。
このため、今年度、新・元気を出せ商店街事業による特別の対応として、こうした商店街に対し、三十万円以下の開催経費で、防災、環境など、当該商店街にふさわしいテーマを掲げてイベントを実施する場合、都の補助を上乗せすることといたします。実施時期は、この秋以降を予定しております。
こうした施策により、イベントの実施に踏み切れない商店街にも目くばせをして、都内商店街の活性化に取り組んでまいります。
〔環境局長大野輝之君登壇〕
〇環境局長(大野輝之君) 自転車施策の今後の展開についてでございますが、自転車は、自動車からの転換が可能な移動手段の一つでございまして、その利用を促進することは、大気汚染対策や地球温暖化対策にも有効でございます。また、自転車シェアリングは、自転車の利用を促進するとともに、自転車が共同利用されることから、その利用者が特定されることから、放置自転車対策や交通ルールの周知にも効果が期待できます。
今回、江東区の取り組む実証実験は、道路幅員が広く、地形的にも比較的平たんで、自転車利用に適した臨海部を対象としたものでございまして、通勤や業務、観光など、多様な目的での自転車の利用が見込めるものでございます。
また、その運用面におきましても、利用料金を柱とした民間事業者主体による事業の運営や最新のICT技術を活用した利用者へのルート案内など、新たな試みも予定されております。
都としては、関係部局で構成する自転車シェアリングに関する連絡会を近く立ち上げまして、駐輪施設の立地や安全対策に関する助言等、区への支援も行い、環境を初め、安全、観光、健康など、さまざまな効果、知見の収集を進めてまいります。
今後、こうした取り組み等によりまして、都市生活と調和のとれた新たな自転車利用の広域的な普及を図ってまいります。
〔港湾局長中井敬三君登壇〕
〇港湾局長(中井敬三君) 臨海部に関する四点のご質問にお答えいたします。
まず、臨海副都心におけるMICE等に合わせた地域連携の取り組みについてでありますが、東京モーターショーの開催に当たっては、臨海副都心まちづくり協議会や臨海ホールディングスグループが中心となって、「ゆりかもめ」乗車券のセット販売や花火の打ち上げなど、地域全体で関連イベントを開催したことが、モーターショーだけでなく、まち全体の来訪者の増加に寄与したと認識しております。
また、本年のゴールデンウイークには、ダイバーシティ東京のオープンに合わせて、ドイツ観光局と連携したイベントの開催が行われるなど、地域を挙げての取り組みが行われ、大きな集客につながっております。
さらに、秋には、関係者の努力により、世界でも有数の映画祭であり、国内外から来訪者が多数訪れる東京国際映画祭の関連事業が臨海副都心で開催されることになっております。地域では、これを核として、まち全体での関連イベントを現在企画中でございます。
今後とも、地域の進出事業者等との連携を一層強化し、MICE関連イベントに合わせた効果的なイベントを展開し、MICE誘致の取り組みを強力に推進してまいります。
次に、臨海副都心における企業創生ゾーンの活性化についてでありますが、ご指摘のとおり、青海地区南側の企業創生ゾーンには、東京都立産業技術研究センターのほか、国の産業技術総合研究所や民間のSOHO施設などが既に立地し、技術革新と新しいビジネス機会の創出の場として、集積を備えつつあります。
こうした地域のポテンシャルをさらに高めていくため、本年度創設した外国企業の進出促進等に資する先駆的な事業への助成制度を活用するなど、民間の創意工夫を生かした企業創生ゾーンのさらなる活性化を図ってまいります。
さらに、新たなビジネス機会の創出に向けて、ビッグサイトで行われる展示会等との一層の連携を図り、MICE事業との相乗効果を生み出す取り組みを充実させてまいります。
次に、水上アクセスの一層の活性化についてでありますが、ご指摘のように、ウオーターフロントに魅力ある施設のオープンが相次ぎ、これを効果的に結ぶために水上交通を活用することは、時宜にかなって重要と考えております。浅草や日の出などと臨海副都心を結ぶ水上バスの定期航路には、最近、相次いで新型船が投入されており、舟運による臨海副都心への来訪者が年間約三十万人に達するなど、ウオーターフロントのネットワーク化に水上交通が大きく寄与しております。
都としては、水上アクセスの一層の向上を図るため、不定期航路の規制緩和を国に引き続き働きかけていくとともに、既存桟橋の有効活用策の検討を積極的に進めるなど、ウオーターフロントの魅力向上に努めてまいります。
最後に、水陸両用バスの豊洲や臨海副都心での取り組みについてでありますが、江東区で導入予定の水陸両用バスは、それ自体大きな観光資源となるものであり、ウオーターフロント全体の観光の活性化につながるものと認識しております。豊洲は、新市場移転により千客万来施設ができるなど、今後、観光客の集客が大いに期待できるエリアであります。また、臨海副都心は、MICE、国際観光関連施設の誘致を積極的に進めることにしており、外国からの来訪者も含め、より大規模な集客エリアになることが期待されます。
こうしたことから、豊洲や臨海副都心の整備の進捗に合わせて、水陸両用バスの就航が実現できるよう、関係機関とも調整の上、検討を進めてまいります。
〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕
〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック招致についてでございますが、招致活動への支持をさらに拡大させていくため、インターネットやソーシャルネットワークなどを活用することは大変有効であると認識しております。
さきの予算特別委員会での山崎議員からのご提言を踏まえ、フェイスブックやツイッターにおいて有名アスリートの応援メッセージなどを掲載しております。これらに対し、招致を支援するコメントが寄せられるなど、賛同の輪が広がっております。
今後、スポーツ界はもとより、あらゆる分野において影響力のある著名人から、みずからの言葉で招致を応援するメッセージを発信してもらえるよう、働きかけてまいります。また、招致委員会において、インターネットによる簡単な操作で招致活動を応援できる仕組みをつくるとともに、小口募金を受け付ける体制を早急に整備するなど、都民、国民が招致活動へ積極的に参画し、さらに発信していくような、広がりのある仕組みを構築してまいります。
ロンドン・オリンピック・パラリンピックの盛り上がりも活用しながら、このような新しい媒体を利用した参加型の招致活動を展開し、招致の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
〔中央卸売市場長中西充君登壇〕
〇中央卸売市場長(中西充君) 豊洲新市場の千客万来施設の整備についてでございますが、ほかの商業施設との差別化を図り、にぎわいを実現していくためには、築地で培われた世界でも有数の食文化を継承するとともに、新市場に隣接するという強みを最大限生かしつつ、独自の魅力を備えることが重要でございます。
こうした観点から、市場ならではの専門的なノウハウを生かし、食に親しめる体験の場やしゅんの食材情報など、食の魅力発信機能を設けるとともに、市場に来る食のプロが評価する品質を備えた物販や、新鮮な食材を生かした飲食等の店舗により一般客を魅了し、市場と一体となった活気とにぎわいを形成するよう、民間の開発を誘導いたします。
このようなにぎわいを実現し得るアイデアを引き出していくため、民間事業者の参加につながる開発スキームを見きわめつつ、募集に向けた方針を本年夏に公表するなど、整備に向けた取り組みを進めてまいります。
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