平成二十四年東京都議会会議録第八号

〇副議長(ともとし春久) 八十一番たぞえ民夫君。
   〔八十一番たぞえ民夫君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇八十一番(たぞえ民夫君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 初めに、都政の最重要課題の一つである防災対策です。
 四月に発表された首都直下地震等による東京の被害想定によれば、震度七が起きる危険が現実となり、震度六強が区部では七〇%の地域、多摩でも立川市など八市では九割を超える地域で発生することが想定されています。しかし、問題は、このような強い地震動による被害の想定が低く抑えられ、対象も狭いものになっています。
 三月に発表された中央防災会議による中間報告は、災害を完璧に予想することはできなくても、災害への対応に想定外はあってはならない、楽観的な想定ではなく、悲観的な想定を行うべきとしています。
 ところが、石原知事は想定作業が進められていた三月の記者会見で、震度七を想定した被害想定になるのかとの記者の質問に対し、財政にも限りがあるから、大変だという形に余りしない方がよいという趣旨の発言をしました。
 知事、こうした被害想定に介入するような発言は、政治家として絶対にやってはならないものです。被害想定はあくまでも科学的知見に導かれるものではありませんか。
 実際、中央防災会議の提起と裏腹に、都の被害想定は相当低く抑えられてしまいました。例えば、火災被害想定の前提となる風速について、前回の想定は毎秒十五メートルだったものを、今回は八メートルに下げました。総務局はその理由として、十五メートルという状態が数日間継続することは現実的でないと、驚くべき答弁をしました。
 そもそも風が数日間継続するか否かを基準にするという規定はどこにもありません。気象庁の統計で、冬の三カ月間の風の状況を調べても、毎年十メートルから十七メートルの風速を記録しています。関東大震災でも十五メートルの強風が被害を大きくしました。だからこそ、前回は十五メートルの想定をしたのではありませんか。
 しかも、被害想定報告書では、強風下における広域火災延焼による被害の最大値の評価を、今後の課題として挙げざるを得なかったではありませんか。にもかかわらず、なぜ強風を想定としないのですか。意図的に被害推計を下げようとしたといわざるを得ません。いかがでしょうか。
 強風を想定しないことは、延焼防止対策での重大な弱点を生む結果につながります。都は、延焼防止対策として、幹線道路を整備し、延焼遮断帯をつくることを最重視していますが、十メートルを超える強風下では、飛び火によって延焼遮断効果は大幅に低くなることが、火災予防審議会などの委員を務めた専門家によって指摘されています。この指摘をどうとらえているんですか。
 しかも、東京の道路には車があふれており、大震災時には、車両火災が多発する危険があります。この危険性をどう検討したのですか。
 私は、火災被害防止には、何よりも燃えにくい住宅にするための支援強化が必要だと思います。少なくとも対象を広げ、火災危険度の高い地域ならどこでも受けられるようにするとともに、助成額を大幅に拡充するべきではありませんか。
 同時に、墨田区が学者と共同研究で有効性を確認し、今年度から実施した部分不燃化改修などへの助成も現実的です。どう認識していますか。
 水害対策にも重大な問題があります。被害想定では、津波による大きな浸水被害はないとしています。しかし、専門家からは、品川区の立会川など、川幅の狭い河川については、想定される津波によって水害が発生する危険性を指摘しています。この問題をどのように検討したのですか。
 また、被害想定は、高潮と重なったときや、地震動により堤防などが損壊した場合は被害が拡大するとしています。水害対策で重要なことは堤防の耐震性です。
 都は、耐震化した堤防は大正関東地震の震度対応だから、一定の安全性を確保したといっていますが、国土交通省の最新の指針では、大正関東地震に対応できる堤防の耐震性をはかる震度は、都が進めてきた設計震度の一・六倍以上です。つまり、現状の堤防強度では、大地震で損壊し水害が発生する危険が無視できないということではありませんか。
 東部低地帯にある河川堤防などについては、震度七に対応する新たな緊急耐震化計画をつくるべきですが、いかがですか。
 鉄道の安全化も重要です。前回の被害想定では、震度七では運行電車の九二%、震度六強では二三%が脱線するとして死傷者を想定しました。しかし、なぜ今回、具体的な想定を行わなかったのですか。
 立川断層帯地震では、地震による揺れだけではなく、地表面に変位が生じた場合の影響が指摘されているだけに、断層帯を横断する鉄道施設などへの影響の調査と対策は重要課題です。鉄道事業者任せにせず、都も協力して調査、想定を行い、対策を進めるべきだと思いますが、お答えください。
 知事、都の地域防災計画をどう見直していくのかが問われています。被害想定の追加調査を行うとともに、予想される被害をでき得る限り小さくするための予防対策を第一として、ハード、ソフトの総合的対策を、専門家の協力を得て、都庁の総力を結集して検討することを求めるものです。お答えください。
 次に、原発に対する知事の認識と都民投票条例案についてです。
 我が党は、原発に関する都民投票条例については、基本的には賛成であり、修正して成立するよう努めるものです。ところが、知事は、都民投票条例について、原発問題は国が判断すべきもので、都民は口出しをするなという立場の意見を付しました。
 しかし、原発事故の被害が広く都民に及んでいる今、原発の是非について都民の意見を問うのは当然ではありませんか。一体、知事は、福島第一原発の現状をどう認識しているのですか。事態は収束に向かうどころか、原子炉などの実態や地震動による被害もわからず、再臨界などの危険も抱えています。
 四号機は、建屋の構造が弱体化し傾き、大地震が来れば倒壊する可能性が高く、専門家は、使用済み燃料プールで火災が起これば、首都圏が避難対象地域になるような危険もあることを指摘しています。また、圧力容器を突き抜けて格納器の底に張りついていると思われる核物質を取り出す技術は現状では存在していないといわれています。知事、違いますか。
 国が今やろうとしているのは、大飯原発のように、みずから決めた安全対策なるものさえまともにとらず、たまり続けている使用済み核燃料を処分する技術を持たないにもかかわらず、再稼働を強行することです。知事はそれでも構わない、国のいうとおりにすればよいというのでしょうか。
 しかも、都民投票の対象となる柏崎刈羽原発は、活断層が複雑に入り込んでいる場所に立地しているばかりか、知事もつくるべきではないといっている海岸沿いに立地しているのです。知事はそれでも安全だと考えるのですか。それこそ知事が先頭に立って、国と東電に廃止を申し入れるべきだと思いますが、どうですか。
 知事は、脱原発反対を公言して、原発の安全確保について、フランスにできて日本でできないはずはないと繰り返し発言しています。重ねていいますが、フランスだろうと、どの国だろうと、一たん原発が暴走したら、もはやそれを食いとめる手段を持ち合わせていません。
 いわんや、日本のような地震国では、フランスとは比べ物にならない危険性があるのです。科学的な根拠を示せないのに安全が確保できるかのようにいうのは、いいかげんにやめるべきです。お答えください。
 経済先進国であるドイツは、原発を全廃することを決めました。そのために、二〇二〇年までに再生可能エネルギーの比率を三五%に高める計画を進めています。知事は、再生可能エネルギーについては、ドイツにできて日本にできないはずはないといわないんですか。日本の技術を持ってすれば十分できるではありませんか。
 東京都自身、二〇二〇年までに東京のエネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの比率を二〇%程度まで高めることを目指していますが、いまだに二・九%にすぎません。都が率先して再生可能エネルギー普及の目標を達成していくべきだと思いますが、見解を伺います。
 この問題の最後に、原発がまき散らした放射能対策です。
 我が党の調査によって、都立水元公園で、一キログラム当たり二十五万ベクレルもの放射線量がある、いわゆる黒い土が発見されました。
 また、地上一メートルの空間線量が毎時一・一マイクロシーベルトの地点で、一キログラム当たり十一万ベクレルもの高濃度に汚染された土壌が発見されました。
 全体では、東部地域や臨海地域だけでも四万ベクレルを超える地点が六カ所、八千ベクレルという廃棄物管理基準を超える地点でいえば三十四カ所も確認されたのです。この問題にどう対応するんですか。
 多くの専門家も、このような高濃度の放射性物質を放置してはならないと発言しています。都としては、少なくとも都有施設については速やかに全面的な調査と必要な除染を行うべきです。
 とりわけ水元公園については、空中に飛散しやすく、呼吸を通じて体内に取り込みやすい黒い土は、速やかにすべて把握し、除染するべきですが、お答えください。
 地上一メートルで一・一マイクロシーベルトの地点について、文部科学省に聞きましたら、都に直ちに測定するよういいますとのことでした。都はどうするんですか。都民の安全を軽視し、極力、放射能対策もしないで済まそうとする都の姿勢を改めるよう求めますが、いかがですか。
 次に、福祉、暮らしの充実について伺います。
 都民は、相次ぐ社会保障の改悪、雇用の破壊などで苦しめられています。東京の勤労者世帯の実収入は、十年前に比べると月額で平均六万九千円も下がっています。国民年金受給者の平均月額も五万四千円にすぎず、全国平均以下なのに、ことし四月分からまた年金額が減ります。
 さらに、ことしは国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料がそろって値上げされます。介護保険料の平均額は、制度発足時の一・六倍を超えました。これでは生きていけないという高齢者の悲鳴が上がっています。
 知事は事あるごとに、日本は低負担、高福祉だなどといっていますが、これでもなお、そう強弁しようとするんですか。改めて、このような都民の暮らしの困難について、知事がどう認識しているか伺います。
 少なくとも国保料など三つの保険料の負担増を抑えるために、都として支援すべきではありませんか。
 都民の暮らしも経済も落ち込んでいる中で、これに追い打ちをかけるように、民主党と自民党が消費税増税と社会保障改悪をセットにした法案を成立させようとしていることに都民の批判の声が広がっています。
 労働運動総合研究所の試算によると、消費税を一〇%に引き上げれば、家計消費需要を約一四兆円も減少させ、百数十万人分の雇用が失われるとしています。国、地方を合わせた税収も二兆円以上減少することも試算されています。
 多くの専門家も、消費税の増税は景気を後退させる結果になると警告しています。知事は、消費税増税は必要だとの立場をとってきましたが、こうした試算や警告をどう受けとめますか。
 ことしに入ってから続いた孤立死は、社会保障の相次ぐ改悪の矛盾が噴き出した結果です。立川市での二つのケースは、介護している方が先に亡くなり、介護されている方がなすすべなく亡くなるという痛ましいものでした。
 高齢者、障害児者、難病患者などを介護、看護している方々、すなわちケアラーに対して行った調査によれば、ケアラーは時間的、精神的に拘束され、さまざまな問題や不安、悩みを抱えています。体や心に不調を感じても、多くの方々が受診できません。
 悲劇を繰り返さないためにも、都内のケアラーの実態をまず把握し、支援を行う必要があります。見解を伺います。
 千葉県が保健所地域ごとに設置している中核地域生活支援センターは、福祉のよろず相談所として、たらい回しにせずに、相談者の困難を丸ごと受けとめ、相談者と一緒に問題解決を図る重要な役割を果たしています。
 東京でも、社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターが、よりきめ細かな地域で総合的な相談指導を行っています。この取り組みはケアラーへの支援や孤立死防止への効果があると考えますが、いかがですか。
 防災対策や再生可能エネルギー導入、福祉、暮らしを前進させるための財源は、お金の使い方を変えれば生み出すことができます。第一に、国も都も浪費をやめることです。
 知事が二〇二〇年までの確実な完成を国に求めている外環道本線の整備費一兆二千八百二十億円のうち、国と都で一兆三百五十七億円を分担します。つまり、八割は税金でつくることが明らかになりました。まさに税金の巨額な浪費といわざるを得ません。いかがですか。
 第二に、富裕層や大企業への減税を正し、税は応能負担という本来のあり方を取り戻すことです。アメリカでも富裕層から、自分たちの課税を強化すべきという声が上がっているではありませんか。法人事業税の一部国有化の暫定措置を撤廃することとあわせて、国に強く求めるべきですが、いかがですか。
 経済の立て直しは、国民の暮らしや中小企業の経営を豊かにする内需の拡大でこそできます。
 野村総研は、全国で認可保育所を二百万人分、特別養護老人ホームを十五万人分増設した場合、約五兆円の建設費の投資に対し生産波及効果が九兆円に及ぶと試算をしています。
 その前提条件などに検討すべき問題はありますが、東京都で認可保育所と特養ホーム整備に五千億円投資すれば、経済効果は九千億円、雇用創出は六万人を超えることになります。
 また、環境省による再生可能エネルギー普及の経済効果の試算を当てはめると、東京で再生可能エネルギーに一兆三千億円投資すれば、三兆円の経済効果、六万人の雇用効果が見込まれることになります。
 福祉施設整備や再生可能エネルギーなどの拡充が大きな経済波及効果を生むことは明らかですが、どう認識していますか。都として経済効果をも試算し、こうした一石二鳥にも三鳥にもなる取り組みを積極的に進めるときだと考えますが、どうですか。
 最後に、尖閣諸島購入問題について、私たちの見解を述べます。
 尖閣諸島は、一八九五年一月の日本政府閣議決定によって日本領に編入して以来、日本の実効支配が行われてきたものです。戦後の一時期、アメリカの施政権下に置かれましたが、一九七二年に施政権が日本に返還され、今日に至っています。
 我が党は、尖閣諸島が日本に帰属しているという見解を一九七二年に発表し、歴史的にも国際法上も日本が領有している明確な根拠があることを明らかにしてきました。二〇一〇年には、領有の正当性について改めて明らかにし、日本政府並びに各国政府に我が党の見解を伝えてきました。
 中国側は、一九七〇年以降になって突如、領有権を主張し始めましたが、その主張は成り立ちません。何よりも、一八九五年以来七十五年間、一度も日本の領有に対して異議も抗議もしていないんです。
 中国の領有権の主張に正当性はありません。しかし、同時に、尖閣諸島をめぐる紛争を解決するために何よりも重要なことは、日本政府が尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性について、国際社会及び中国政府に対して、理を尽くして堂々と主張し、外交努力を尽くすことです。
 この点で、歴代の日本政府には弱点がありました。しかし、政府の取り組みに弱点があるからといって、地方自治体が尖閣諸島を購入しても問題の解決にはなりません。自治体が国家間の領土紛争に介入することは、適切ではありません。
 私たち日本共産党は、中国政府が事態をエスカレートさせたり緊張を高める対応を避け、冷静な言動や対応をとるように求めると同時に、日中両政府が問題を話し合いで平和的に解決するよう、一層の外交努力を呼びかけるものです。
 再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) たぞえ民夫議員の代表質問にお答えします。
 被害想定に対する私の発言についてでありますが、お話の記者会見における私の発言は、被害想定の数字だけがいたずらにひとり歩きをすることへの懸念から、慎重な検討の必要性を伝えるとともに、個人による自宅の耐震化など、防災対策における自助の重要性を述べたものにすぎません。
 私の発言の片言隻句をとらえるのではなくて、発言全体の趣旨を踏まえれば、共産党の指摘が全く的外れのことは明らかであります。
 新たな被害想定は、地震や津波の第一人者たちによって、最新の科学的知見に基づいて作成されておりまして、私が政治的に介入したというご指摘は全く当たりません。
 原発に関する六問の質問についてでありますが、まとめてお答えしますけれども、共産党は、知事意見書や私の所信表明を全く理解していないようでありますな。いま一度申し上げますが、エネルギー問題は国家発展のかなめでありまして、医療、福祉、教育、防災、治安など、我が国の高度な社会を支えている経済産業に必要なエネルギーをどのようにしてどれだけ確保するか、政府が大きなシミュレーションを行い、その結果を国民にも示して、政治が責任ある決断をすべきであります。
 原発稼働の是非は、国家の安危を左右する問題でありまして、国が、安全性はもちろん、経済性、産業政策、温暖化対策、安全保障などを複合的に考慮し、専門的な知見も踏まえて冷静に判断すべき事柄であります。
 また、原発稼働の是非は、立地地域にも重大な影響を及ぼすものでありまして、こうした影響も十分にしんしゃくされなければならないと思います。ゆえにも、今回の条例案には反対するものであります。
 なぜ、都民は口出しをするなとか、国のいうとおりにすればよいとか、そういう発言が出てくるのか。いつものこととはいえ、共産党独特のデマゴーグとしかいいようがありませんですな、これは。
 また、福島第一原発の話もありましたが、危険だけを喧伝し、いたずらに不安をあおる共産党のやり方こそ、ためにするものでしかないと私は思います。
 放射性物質が危険なことは論をまちませんが、廃棄物も含めて適切に管理することで、原子力を有効に活用することは可能だと思います。また、複雑な日本という国土の中では、原発の立地ごとに地勢学的な条件を考慮するのは当然であります。
 これまでの管理を真摯に反省して、日本の誇る技術も活用しながら、それぞれの地勢学的な条件に応じた対策を講じ、立地も、それを勘案して、その上で原子力を有効に活用すればいいと私は思います。フランスにできて日本にできないはずはないと私は思います。
 ドイツの原発全廃と再生可能エネルギーの話もありましたが、他国と陸続きで電力不足時には融通が可能な性格の国家と、それができない日本のような島国では、置かれた状況が全く異なっております。現にドイツは、原発大国のフランスからも電力を輸入しているわけであります。
 最後に申し上げますが、あなた方は都民の意見を問うのは当然だといい、都民投票によって原発の稼働の是非を決めることに賛成の立場のようですけれども、一方で、都民投票条例の対象であるはずの柏崎刈羽原発については、知事が先頭に立って廃止を申し入れるべきなどといっていますが、これは全く矛盾した、おかしな話ではないでしょうか。
 また、狭い意味の福祉の充実を必死に主張しているにもかかわらず、それを支える経済産業に必要なエネルギーをいかに確保するかもしんしゃくしていない。いかにもご都合主義の共産党らしい、化石になりつつある政党の主張だと私は思います。
 次いで、都民の暮らしと現在の社会保障に関する認識についてでありますが、るる保険料の値上げなど都民生活の話がありましたけれども、急激な高齢化が進む日本において、医療や介護にかかわる費用が増大することは自明の理であります。ゆえにも、給付と負担のバランスを顧みない高福祉低負担という社会保障制度は到底成り立ち得ないと、これまでも再三申し上げております。
 現在の社会保障制度は、今や制度疲労を起こして完全な行き詰まりを見せているのは、だれの目から見ても明らかでありまして、しかるに、現在国政は、税と社会保障の一体改革をめぐって混乱し、惨たんたる状況を呈しております。
 政治が今なすべきは、あるべき国家の姿を国民に指し示し、確固たる意志で新たな社会保障制度のあり方を形づくっていくことであると思います。自助、共助、公助を有機的に組み合わせることで、だれもが自立して生活できる、成熟した社会をつくらないと、我が国は、世界のだれもが経験したことのない超高齢社会を乗り越えることができずに、確実に衰退するに違いないと思います。
 最後に、尖閣についていいこというなと思ったら、最後は腰折れで、あなた方、北京へ行ってその交渉をしてきたらどうですか。
 他の質問については、技監及び関係局長から……。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、河川堤防の耐震化についてでございますが、都はこれまで、耐震性を向上させるため、国の基準に基づき、関東大震災時の震度に対してスーパー堤防整備や堤防の耐震補強などの事業を行い、一定の安全性を確保してまいりました。
 こうした対策に加え、既に、都の防災会議が示したマグニチュード八クラスの海溝型地震などを想定して、堤防の耐震性能調査を行い、本年四月に都が公表した被害想定を踏まえ、現在、調査結果を取りまとめております。
 この調査結果や今後の技術検証委員会の議論などを踏まえ、これらの地震に対する新たな整備計画を策定してまいります。
 次に、外環についてでございますが、外環は、交通分散による渋滞の解消や排出ガスの大幅な削減などの環境改善だけでなく、我が国の国際競争力を高め、経済を再び成長軌道に戻すなど、その整備効果は多岐にわたっており、外環完成による便益は事業費を大きく上回っております。
 何よりも、切迫する首都直下型地震や東海地震などにおいて、救命、復旧活動に大きな役割を果たすほか、日本の東西交通の分断を防ぎ、首都機能を堅持するなど、まさに都民、国民の生命、財産を守る命の道として重要な役割を担っております。一刻も早く完成させなければなりません。
 都は、引き続き国など事業主体と連携し、二〇二〇年夏までの開通に向け、外環の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、被害想定における風速の設定についてでありますが、今回の想定では、延焼が完全におさまるまでの間、常時同じ速度で風が吹き続けるという極めて厳しい前提のもとに風速設定を見直すこととして、最悪の事態も考慮して、都内の気象実態の約二倍に当たる風速八メートル毎秒という風速を設定いたしました。
 前回の想定では、国の中央防災会議が示した報告に基づき、平均風速を十五メートルとして被害想定を行っておりましたが、このような風速が数日間継続することは、都内の気象条件として現実的ではないため、地震部会の専門委員の意見を踏まえ、この風速は採用いたしませんでした。
 したがいまして、意図的に想定結果を下げようとしたというご指摘は当たらないと思っております。
 次いで、火災の延焼の想定についてでありますが、ただいま申し上げましたとおり、今回の想定では、実際に起こり得る最大の被害像を示すために風速設定を見直したものであり、想定結果は適切なものと考えております。
 なお、お話の飛び火に関しましては、極端な強風時において大きくなるのは当然のことであり、台風などの気象条件下では延焼拡大が発生する可能性があることについては十分認識をいたしております。
 次いで、車両火災の危険性についてでありますが、今回の想定では、客観的なデータや科学的根拠に基づき、可能な限り被害を定量的に、より精緻に算定することとし、地震部会の専門委員の議論の中で、想定に用いる手法やデータ、項目などを決定いたしました。
 お話の車両にかかわる被災については、現時点では、科学的根拠に基づき精緻に算定する手法が確立されておらず、具体的な想定は行っておりません。
 次いで、津波による浸水被害の想定についてでありますが、今回の津波に関する被害想定は、専門家の最新の知見を盛り込んだ地震モデルを設定した上で、中小河川の川幅などについても可能な限り考慮して最大津波高を算出しております。また、水門が機能しなかった場合の被害や定性的な被害も想定するなど、最大の被害像を示した内容となっております。
 なお、お話の立会川など東京湾に流入する中小河川につきましては、今回想定された津波よりも高い高潮に備える対策区間とされており、おおむね安全性は確保されております。
 さらに、都といたしましては、実際の被害が想定結果と比べて変動する可能性にも留意して、既に避難などのソフト対策も検討に着手しております。
 次いで、鉄道の脱線による被害の想定でありますが、前回の被害想定では、阪神・淡路大震災において、震度七の地域の運行列車十四本のうち十三本が脱線した実例などに基づき、人的被害を算定いたしました。
 阪神・淡路大震災以降、国や鉄道事業者において、耐震基準の見直しや橋脚などの構造物の耐震補強の推進、早期地震検知システムの改良等の対策が進められており、その結果、東日本大震災では、揺れによる高架橋の倒壊や走行中の新幹線の脱線といった大きな被害は生じておりません。
 こうした対策の進捗状況を踏まえ、被害想定を取りまとめた地震部会の専門委員の議論により、前回の想定手法を踏襲することは実態にそぐわないことなどから、具体的な想定は行っておりません。
 次いで、立川断層帯地震による鉄道施設への影響でありますが、立川断層帯地震による亀裂など地表面のずれについては、現実にどこでどの程度生じるかを特定する科学的知見は確立されておらず、このため、地震部会の専門委員の議論では、その不確実性から、具体的な鉄道施設への被害想定は行っておりません。
 都といたしましては、鉄道事業者に対し、現在の科学的知見で得られる揺れの波形や震度分布など、施設の安全対策の参考となるデータの情報提供を行うことにより、必要な対策を促してまいります。
 最後に、防災対策についてでございますが、今回の被害想定は、地震や津波の研究者の第一人者が、最新の科学的知見を踏まえて検証したもので、東京の実情に即した厳しい想定内容となっており、今後は、この想定結果に基づき、さらなる対策を講じることが重要であります。
 ご指摘を受けるまでもなく、都はこれまでも、さまざまな専門家の協力を得て、東京の総力を挙げて防災対策を進めてきており、引き続き、防災隣組の構築などの取り組みを進めるとともに、水門や防潮堤、さらには三環状道路の整備といった公助の取り組みも着実に推進してまいります。
 今後とも、自助、共助、公助のすべてにわたる取り組みを強化し、東京の防災力を高度化させてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 燃えにくい住宅にするための支援についてでございますが、都は、燃えない、燃え広がらないまちを早期に実現するため、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、特に改善を必要としている地区について、期間と地域を限定して不燃化を強力に推進することとしております。
 また、地元区の取り組みへの支援につきましては、都はこれまでも、延焼を防止するという公共性の観点から、延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建てかえや老朽建築物の共同建てかえ等に対し、費用の一部を助成してまいりました。
 今後とも、こうした必要な支援を行ってまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 二点のご質問でございます。
 まず、再生可能エネルギーの普及についてでございますが、都はこれまでも、固定価格買い取り制度が導入されない中でも、集中的な補助事業など先駆的な取り組みを展開しまして、取り組み前と比べ、太陽光発電の導入速度を十倍にしてきております。
 現在も都は、先ほどもご答弁したとおりでございますが、既に集合住宅向けの太陽光発電設置プランについて多数の提案を得るとともに、募集中の事業者提案を踏まえ、今後、太陽光発電の新たな普及スキームにつなげるなど、再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みを進めております。
 次に、放射性物質による都内の局所的汚染への対応についてでございますが、これまでもご答弁申し上げているとおり、そもそも都内の空間線量は関東地方の中でも高い水準にはなく、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域はございません。
 お話の都立水元公園につきましても、都が測定をしております一般的な環境では、高さ一メートルの地点で、昨年十一月には毎時〇・二五マイクロシーベルトであったものが、本年五月の測定では毎時〇・一九マイクロシーベルトに減少しております。
 また、文部科学省のガイドラインにおきましては、局所的な汚染に対する除染の判断は、土壌の濃度ではなく空間線量で評価することとなっております。
 このガイドラインに基づき、既に昨年十一月、都内では比較的空間線量が高いことが示された区部東部三区を対象とした調査を行いましたが、ガイドラインの目安である、地表から一メートルの高さの空間線量が周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い地点はございませんでした。したがいまして、都内におきましては、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要としたものでございます。
 なお、昨日公表されました共産党都議団の調査結果を拝見しましても、資料に空間線量が示された三十八カ所の調査地点のうち、水元公園の一カ所が地上一メーターで毎時一マイクロシーベルトを上回ったとしているものの、その他の三十七カ所では地上一メーターで毎時〇・〇八マイクロシーベルトから〇・四八マイクロシーベルトになっておりまして、ガイドラインの目安を大きく下回っております。
 その水元公園において、毎時一マイクロシーベルトを上回ったとされる地点につきましては、昨日、貴党から通報を受けました文部科学省より、周辺の一般環境も含めた状況確認の要請があったことから、念のための現地調査を行いました。
 その結果、地表から一メーターの高さの空間線量は毎時〇・九九マイクロシーベルトであり、周辺の一般環境の〇・一八マイクロシーベルトと比較して一マイクロシーベルト以上高くはございませんでした。この結果を文部科学省に連絡し、ガイドラインで除染等の目安となる値ではないことを確認しております。
 なお、調査した土壌の数値を、特別措置法の廃棄物の指定基準値である一キログラム当たり八千ベクレルと比較されておりますが、この基準は、脱水汚泥や焼却灰などが大量に集まり、放射性物質が総量として大きなものになる埋立処分場などにおきまして長時間の管理や作業に関するものでありまして、比較することは適切ではございません。
 都は、都民の安心を確保する上では、放射線に関する正確な情報を提供していくことが最も重要であると認識しておりまして、引き続き、こうした取り組みを進めてまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、保険料の負担軽減についてでございますが、国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険の各制度は、保険料や公費等によって運営することとされており、都は、法令等に基づき、国や区市町村とともに応分の負担をしております。
 さらに、平成二十四年度の保険料改定に当たっては、後期高齢者医療財政安定化基金や介護保険財政安定化基金を活用し、保険料の上昇を緩和する特別な措置を実施しておりまして、保険料の負担増を抑えるために新たな財政支援を行うことは考えておりません。
 次に、高齢者、障害児者等の介護や看護をしている方々への支援についてでございますが、介護者、看護者のニーズは、区市町村が実施する家族介護者の交流会や介護教室、障害者の当事者団体や家族の会との定期的な意見交換、保健所が実施をいたします難病療養相談会や家庭訪問等を通じまして把握をいたしております。
 都は、区市町村が実施するこうした取り組みを、包括補助事業等を活用して支援をいたしております。
 最後に、地域福祉コーディネーターによる相談支援についてでございますが、国は、地域福祉コーディネーターについて、関係機関やボランティア等と連携をして、専門的な対応が必要な問題を抱えた方に対する総合的な支援や、地域におけるネットワーク形成などを行い、地域福祉活動を促進する役割を担うものと位置づけております。
 都内の幾つかの区市町村社会福祉協議会では、区市町村と連携をいたしまして、地域福祉コーディネーターを配置しておりまして、都はこうした取り組みに対し、既に包括補助などにより支援をいたしております。
   〔主税局長新田洋平君登壇〕

〇主税局長(新田洋平君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、消費税引き上げの影響についてでございますが、急激な高齢化が進む我が国において、今後、医療や介護などの社会保障に要する費用が増大していく中で、このままでは立ち行かないのは明らかであります。
 さらに、国の借金は、今年度末には一千兆円を超える危機的状況にあり、財政健全化は待ったなしとなっております。
 こうした状況から、税収が安定的であり広く消費に負担を求め、世代間の公平を確保できるとされる消費税の引き上げにより、税源の拡充を図ることが必要であると認識されているところでございます。
 なお、現在国会で審議中の法案においては、消費税引き上げによる増収分は、社会保障に要する費用に充てることとされ、また、デフレ脱却や経済活性化に向けて総合的な施策を実施することとされております。
 次に、大企業や富裕層への課税強化についてでございますが、現在、法人税につきましては、国際競争力を強化し、雇用と国内投資を拡大する観点から、国際的に税率を引き下げる傾向にありますが、我が国の法人実効税率は、依然として先進国中、最も高い水準にございます。
 一方、所得税につきましては、今国会において最高税率の見直しを含む法案が審議されているところであり、そのあり方につきましては、広く国民的な議論の中で十分に検討されるべきものと認識しております。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 経済効果と財政運営についてでございますが、都はこれまでも、福祉や環境、医療、教育はもとより、中小企業対策や東京の都市機能の充実など、都民にとって必要な施策を着実に実施してまいりました。
 とりわけ、年間約四兆円の経済効果が見込まれます三環状道路の整備を初め、雇用創出効果や経済波及効果の高い投資的経費には、重点的に財源を投入しております。
 今後とも、財政の健全性に十分留意しながら、少子高齢化対策や新たなエネルギー政策なども含めて、直面する都市問題の解決に向け、積極的な取り組みを行ってまいります。
   〔八十一番たぞえ民夫君登壇〕

〇八十一番(たぞえ民夫君) 知事に再質問します。
 まず、被害想定です。
 知事は、みずからの記者会見の発言は、被害想定の数字がいたずらにひとり歩きすることへの懸念から、慎重な検討をと答えました。知事がそんなことをいえば、想定が影響を受けるんですよ。しかも、中央防災会議の悲観的想定を行うべきという報告に真っ向から逆らうものです。まさにあってはならない政治的介入ではありませんか。お答えください。
 次に、原発問題について伺います。
 知事、いたずらに悪罵をかけないように、きちんと答えてください。知事は、今回も原発の安全性について、何一つ具体的根拠を示せませんでした。原発は、国が判断するといいますが、その国のやることが信用できないから、都民は、自分たちの意見を聞きなさいといっているんです。知事は国に任せれば大丈夫だというんですか。福島第一原発の現状や柏崎刈羽原発の安全性についての認識も答えられませんでした。はっきり答えてください。
 放射能対策について、環境局長に三点伺います。
 第一に、文科省の要請がなかったら、はからなかった、測定もしなかったということですか。
 第二に、〇・九九マイクロシーベルトもあったのに、そのまま放置しておくんですか。文科省のガイドラインの除染基準に当たらないといいますが、その基準には科学的根拠がないんです。違いますか。
 第三に、二十五万ベクレルの黒い土は、飛散し吸入される危険もあります。専門家は、靴底について自動車内に持ち込まれる危険を指摘しています。こんなレベルの放射性物質のある場所で、子どもたちを遊ばせていいものだという都の見解は、到底都民は納得できません。どうですか。答えてください。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 先ほどの被害想定に関する知事の発言についてでございますが、先ほど知事がご答弁申し上げたとおり、お話の記者会見における知事の発言は、被害想定の数字だけがひとり歩きすることへの懸念から、科学的知見に基づいた慎重な検討の必要性と、個人による自宅の耐震化など、防災対策における自助の重要性を指摘したものであり、あたかも知事が被害想定への政治的な介入を意図していたかのようなご指摘は全く当たりません。
 今回の被害想定は、地震や津波の第一人者である専門家によって最新の科学的知見に基づいて検証されたものであり、想定結果はもとより、対象とする地震や地震動のモデル、被害想定手法など、すべてにわたり専門家の意見に基づいて作成されております。
   〔知事本局長秋山俊行君〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 三問の再質問にお答えをいたします。
 まず、一つ目でございますけれども、知事に対して、国のいうとおりにすればいいのかということのご質問がございましたけれども、先ほども知事、既に答弁はいたしておりますけれども、別の角度から、今回出されております住民投票条例、これに反対する意見書を都として、知事の意見書を出しましたので、そこでは、原子力発電所の稼働の是非は、国が責任を持って判断すべきであると。これは、エネルギー問題が国家発展のかなめであって、さまざまな利害調整を要すること、また、専門的知見も踏まえて、まさに国が判断すべき事柄であると主張しております。
 二点目が、立地地域や、その住民の多岐にわたる問題を考慮すべきということをいっておりまして、こんなことから、国のいうとおりにすればいいということではなくて、国みずからがきちんと判断すべきであるというふうに知事の方から答弁をさせていただいたところでございます。
 二点目でございますけれども、福島第一原発の現状をどう見るかということでございますが、福島第一原発につきましては、四号機の燃料プールの補強を行うなど、事故処理や安全対策は進んできているものというふうに認識をしております。
 また、知事からはこれまで、今回の福島第一原発の事故の反省を踏まえて対策を講じるべきであるというふうに再三、発言、答弁をさせていただいておりますけれども、他の原発でも既に津波対策などに着手しているものというふうに認識をしております。
 また、三点目でございますけれども、柏崎刈羽原発の安全性についてでございますけれども、知事からは、これまでそれぞれの原発の立地ごとに、その地勢学的条件を考慮し対策を講じるべきであるというふうにお答えをしております。
 柏崎刈羽原発につきましては、現在七基すべてが停止をしておりますけれども、今回の福島の事故を踏まえて、この間、津波による全電源喪失という事態の対策を既に講じており、また、順次耐震性の検証を行うなど、安全性の確認向上が進んでいるというふうに認識をしております。
   〔環境局長大野輝之君〕

〇環境局長(大野輝之君) 放射能関係の三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、文部科学省のガイドラインに基づく判断に関してでございますが、先ほどもご答弁しましたとおり、文部科学省のガイドラインにおきましては、除染の判断は空間線量で評価することとされておりまして、都としては、ガイドラインに基づき都の判断として適切に対応しております。
 次に、ご指摘のデータは、あくまでも局所的なものでございまして、そもそも滞在時間が短いこと、また、昨年十一月の都の調査によって、少し離れれば放射線量は大幅に減衰することを確認しておりまして、除染など特段の対応は必要ないものと考えております。
 最後に、内部被曝の関連でございますが、文部科学省が昨年五月に公表しました暫定的考え方の取りまとめに際し、検討した内部被曝に関する算定結果と根拠によりますと、福島県における調査でも、学校グラウンドの利用に伴う吸引や経口摂取などの被曝量の全体に対する割合は、非常に小さいものと指摘されておりまして、空間線量の影響が大半を占めるとされております。
 都内における空間放射線量は、これまでも何度かご答弁申し上げているとおり、低水準であることから、局所的汚染対策の必要はないものと認識しております。

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時十五分散会

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