平成二十四年東京都議会会議録第七号

平成二十四年六月五日(火曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番桜井 浩之君
五番山崎 一輝君
六番福士 敬子君
七番土屋たかゆき君
八番野田かずさ君
九番山内れい子君
十一番関口 太一君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番松葉多美子君
十九番伊藤こういち君
二十番鈴木 章浩君
二十一番菅  東一君
二十二番きたしろ勝彦君
二十三番早坂 義弘君
二十四番高木 けい君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番高倉 良生君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番遠藤  守君
四十番相川  博君
四十一番高橋 信博君
四十二番中屋 文孝君
四十三番村上 英子君
四十四番矢島 千秋君
四十五番高橋かずみ君
四十六番山加 朱美君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番大松あきら君
六十番中山 信行君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山田 忠昭君
六十五番林田  武君
六十六番小宮あんり君
六十七番吉住 健一君
六十八番神林  茂君
六十九番野島 善司君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番西岡真一郎君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番野上ゆきえ君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番田中たけし君
九十番宇田川聡史君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十五番吉田康一郎君
九十六番斉藤あつし君
九十七番泉谷つよし君
九十八番くまき美奈子君
九十九番大西さとる君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番吉原  修君
百十二番鈴木あきまさ君
百十三番宮崎  章君
百十四番川井しげお君
百十五番三宅 茂樹君
百十六番吉野 利明君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番増子 博樹君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 なし
 欠員
   十番 九十四番 百四番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長笠井 謙一君
財務局長安藤 立美君
警視総監樋口 建史君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長井澤 勇治君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長松田 芳和君
消防総監北村 吉男君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長加藤 英夫君
監査事務局長塚本 直之君
収用委員会事務局長細野 友希君

六月五日議事日程第一号
第一 第百三十四号議案
  東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例
第二 第百三十五号議案
  都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第三 第百三十六号議案
  東京都公債条例の一部を改正する条例
第四 第百三十七号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第五 第百三十八号議案
  東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百三十九号議案
  東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第七 第百四十号議案
  東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百四十一号議案
  東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百四十二号議案
  東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百四十三号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十一 第百四十四号議案
  東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百四十五号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百四十六号議案
  救急業務等に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百四十七号議案
  警視庁野方庁舎(仮称)(二十四)新築工事請負契約
第十五 第百四十八号議案
  都立保谷高等学校(二十四)改修工事請負契約
第十六 第百四十九号議案
  東京国際フォーラム(二十四)ホール棟改修工事請負契約
第十七 第百五十号議案
  東京国際フォーラム(二十四)電気設備改修工事請負契約
第十八 第百五十一号議案
  東京国際フォーラム(二十四)空調設備改修工事請負契約
第十九 第百五十二号議案
  擁壁築造工事(二十四 四─放三十五)請負契約
第二十 第百五十三号議案
  新指令管制システムの製造請負契約
第二十一 第百五十四号議案
  東京都立学校における部活動中の事故に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について
第二十二 第百五十五号議案
  ヘリコプターの買入れについて
第二十三 第百五十六号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第二十四 第百五十七号議案
  東京都下水道条例の一部を改正する条例
第二十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時開会・開議

〇議長(中村明彦君) ただいまから平成二十四年第二回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十四 番 田中  健君 及び
   六十九番 野島 善司君
を指名いたします。

〇議長(中村明彦君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(鈴木省五君) 平成二十四年五月二十九日付東京都告示第九百六十号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案二十四件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について依頼がありました。
 次に、平成二十四年第一回定例会の会議において同意を得た収用委員会委員及び固定資産評価審査委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、平成二十三年度東京都一般会計予算外三件の明許繰越について、平成二十三年度東京都一般会計予算外二件の事故繰越について及び平成二十三年度東京都病院会計予算外八件の繰り越しについて、それぞれ報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について報告が二件ありました。
 内容は、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例の報告について並びに訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告についてであります。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について提出がありました。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第一回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(七ページ)に掲載〕

〇議長(中村明彦君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、委員会条例第五条第三項ただし書き及び第四項の規定により、議長において、それぞれ許可及び指名いたしました。

   常任委員所属変更名簿
総務委員から厚生委員へ  吉田康一郎君
財政委員から総務委員へ  馬場 裕子君
厚生委員から財政委員へ  松下 玲子君
〔以上 平成二十四年四月四日付〕
公営企業委員から都市整備委員へ  川井しげお君
〔以上 平成二十四年五月三十一日付〕
文教委員から公営企業委員へ  野田かずさ君
環境・建設委員から文教委員へ  小宮あんり君
〔以上 平成二十四年六月四日付〕

〇議長(中村明彦君) 次に、閉会中の防災対策特別委員並びにオリンピック・パラリンピック招致特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、お手元配布の名簿のとおり指名いたしました。

   防災対策特別委員辞任・選任名簿
〇辞任
 たきぐち学君(民主) しのづか元君(民主)
 馬場 裕子君(民主)
〔以上 平成二十四年四月四日付〕
〇選任
 中谷 祐二君(民主) 神野 吉弘君(民主)
 大津 浩子君(民主)
〔以上 平成二十四年四月四日付〕

   オリンピック・パラリンピック招致特別委員辞任・選任名簿
〇辞任
 西沢けいた君(民主) 小山くにひこ君(民主)
〔以上 平成二十四年四月四日付〕
〇選任
 新井ともはる君(民主) 佐藤 由美君(民主)
〔以上 平成二十四年四月四日付〕

〇議長(中村明彦君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から六月二十日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 平成二十四年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 我が国が、戦後、独立を回復してから、ことしでちょうど六十年が経過いたします。しかし、日本人は、独立を回復した後も長きにわたってアメリカ依存の平和を当たり前のこととして考えてきました。アメリカに奉仕し、その引きかえに手に入れた経済的繁栄が永久に続くような錯覚に陥り、現実を見ずとも権利さえ主張すれば何でもかなうというじだらくな風潮が国じゅうに蔓延してきたのであります。
 我々の周りでは、シナが海軍力を膨張させ、覇権的な海洋進出を続け、近隣の国々を脅かし、同胞を誘拐し、拉致した北朝鮮は、ミサイル実験を強行し核兵器の開発を続けております。ロシアは、我が国の領空近くに爆撃機を飛行させるなど威嚇行動をとっております。みずからの手でみずからを守るという当然のことを放棄し、各国が国益を構えてしのぎを削る国際社会の本質から目を背け、事なかれ主義を貫いてきた報いが、今、みずからの生命、財産を脅かす危機となってあらわれているのであります。
 国の政治家たちは、危機を叫んではみても、具体的な行動は一向に見えず、本当に危機を自覚しているようには思えません。こうした中にあっては、東京こそが、天はみずから助くる者をのみ助くという人の世の公理を思い起こし、一地方という垣根を超えてでも、国家のために行動を起こさなければならない、この国の未来はありません。
 都は、豊穣な海、豊かな自然など尖閣諸島の有する特徴を生かして、東京のためにも、都民のためにも、そして国家のためにも、施策を実行すべく三つの島を購入する決断をいたしました。小笠原諸島と伊豆諸島を擁する都が、国の無為のまま荒廃した島々をよみがえらせることで、国土保全にもつなげてまいります。
 これに対しては、中国との間には領土問題があることを認めるようで得策ではないなどと、もっともらしく語る向きもありますが、これこそ戦後、我が国で幅をきかせてきた安易な事なかれ主義にほかなりません。
 シナは、海底資源埋蔵の可能性を知るや、我が国が尖閣諸島の領有を開始してから八十年近くがたった昭和四十六年になって、この島々がシナ固有の領土であるとの荒唐無稽な主張を始めました。近来、付近に漁船などを出没させて領海侵犯を繰り返し、一昨年には、厚い装甲を備えた漁船と称する特殊船が、我が国の巡視船に体当たりするなど、実力行使に出てきました。
 昨今、外国の資本がこの国のあちこちの土地を買い占めている現況の中で、一刻も早くあの島々の権利を個人から公の所有へと切りかえ、領土と排他的経済水域を確かに守る手だてを講じる必要があります。
 弱腰な態度に終始し、不作為を決め込む国にかわって、都は、日本の実効支配を強化すべく、石垣市や沖縄県とも連携しながら、豊穣な海や豊かな自然など、島の特徴を生かした活用方法について検討してまいります。
 東京が起こした行動に対しては、全国から多くの賛同の声や拠金が寄せられております。心から感謝申し上げます。こうした国民の国家を思う志は、我が国を救う大きな大きなよすがになると思います。これを力にしながら、国の賃貸借契約の切れる来年の四月の所有権移転を目指して取り組んでまいります。
 続いて、横田基地の軍民共用化の問題について申し上げます。
 人と物の交流が、都市や国家の活力と繁栄を左右する現代において、空港容量の確保は、その国の浮沈に直結する大事な問題であります。今から九年前、都は、我が国最大級の滑走路を有する横田基地の軍民共用化の実現に向け、日米両政府を動かして交渉の端緒を開きました。しかしその後、日本政府は、特に外務省は、平時はほとんど使われていない兵たん基地である横田基地について、軍事運用上の理由から共有化は困難とするアメリカの主張をうのみにし、日本の国益そのものであるこの問題に真剣に取り組んでこなかったのです。
 私は、こうした国の態度に業を煮やし、さきの訪米では、国務省の要人とも直談判してまいりましたし、帰国後、野田総理にも直接要請して、さきの日米首脳会談の中で、この問題を再び取り上げさせることができました。
 今後、この新たな動きを確かな足がかりとして、まずは日本側において体制を固め直し、一枚岩となってアメリカとの実質的な交渉に臨んでまいります。
 外交は本来、国の役割でありますが、都はこれからも、日本のために必要とあらば、いつでも行動を起こし、国を突き動かしてまいります。
 政治、行政の不作為は、後々まで、都民、国民に多大な損失を及ぼすことになります。東京は、国家存亡の危機を乗り越えるために、日本のダイナモとしてなすべきことを果断に実行してまいります。
 大震災以降、エネルギーの問題が我が国に重くのしかかっております。戦災からの復興と高度成長を実現してきた我が国の電力供給体制は、今や制度疲労を来しており、その改革は避けられない課題であります。そのためには、まず最大の電力会社であり、制度疲労の象徴とも呼ぶべきさまざまな問題が露呈した東京電力の構造改革が不可欠であります。
 料金値上げを盛り込んだ総合特別事業計画も策定されましたが、家庭や中小企業への影響も大きいことから、コスト削減をさらに前倒しするなど、改革を加速させなければなりません。
 都は、首都東京の行政を預かる責任者として、株主や大口ユーザーの立場も利用し、株主総会を含め、あらゆる機会をとらえて、経営の透明化や競争原理導入によるコスト削減など具体的な要求を行ってまいります。あわせて、実績のある公認会計士を社外取締役として送り込み、改革の実行を迫ります。
 さらに、電力会社による地域独占の電力供給体制を改め、市場自体の競争性も高めていかなければなりません。先般、経済産業大臣に対して、市場開放の数値目標を示した上で、新規参入を促進する手だてを講じるよう要求いたしました。
 都独自でも、具体的な取り組みを進めております。奥多摩にある都の水力発電所で生み出す電力は、条例によって東京電力のみを売却の相手方としてきましたが、他の事業者にも売却可能とするよう検討を進めております。また、水道や都立高校といった都の施設では、今年度から、東京電力以外の事業者とも供給契約を結び、調達先の多様化を図っております。
 地域独占の電力会社に頼らない東京産の電力を創出する取り組みである天然ガス発電所の建設では、三カ所の候補地において事業化が可能であるとの調査結果が出ました。次のステップとして、周辺の自然環境について調査を進めてまいります。
 ことしもまた、間もなく暑い夏を迎えます。昨年の夏は、都民、国民、企業それぞれの懸命な努力で節電を実現し、過度に電力を使ってきた我々の生活を見直すきっかけともなりました。この夏の東京電力管内の電力需給見通しは、昨年よりは改善しているものの、電力不足を補うため、現在稼働させている老朽火力発電所は、故障のリスクがつきまとい、地球環境にも悪影響を与え続けております。我々は、これからも節電を継続し、定着させていかなければなりません。
 そのためには、昨年の経験をもとに、合理的な節電を進める必要があります。都民、国民、企業の皆様には、みずからの周りを改めて点検し、照明の照度を落とすことや省エネ型機器への切りかえなど、日常的な節電を行うようにお願いいたします。また、万一の電力需給逼迫時に備えて、時間帯を限ってさらに節電を上乗せする方策をあらかじめ用意しておくようお願いいたします。
 そうした取り組みを後押しすべく、大規模事業所には、省エネ取り組み事例を具体的に紹介し、導入を促します。中小企業には、電気料金の値上げの影響も緩和すべく、無料の省エネ診断に加え、業種別の省エネ研修会を開催いたします。さらに、電気の使用状況を監視制御する装置の導入も支援するなど取り組みを充実させております。家庭には、専門家を派遣して節電方法をきめ細かく助言するとともに、熱中症に備えて自治会や民生委員など地域の力による高齢者の見守りも実施いたします。
 直接請求によって、本定例会に提出されている東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案について申し上げます。
 エネルギーは、国家を支える重要な基盤の一つであります。経済、産業はエネルギーを消費して新たな富を生み出し、それが医療、福祉、教育、防災、治安などに回り、高度に発達した社会を支えているのです。今、政府がなすべきは、現実的な期間を想定して、その間、我々がどの程度の経済成長を目指し、そのためにいかなるエネルギーをどれだけ確保していくのかの大きなシミュレーションを行うことです。そして、その結果を国民にも示して、センチメントではなく理性的な討議のもとで、政治が責任のある決断を下さなければなりません。
 原子力発電所の稼働の是非は、国家の安危を左右する問題であります。政府が、安全性はもちろん、経済性、産業政策、温暖化対策、安全保障などを複合的に考慮した上で、専門的な知見も十分に踏まえて冷静に判断すべき事柄であると思います。直接民主制が間接民主制を補完する重要な手段であることは論をまちませんが、ただ観念的に原発の是非のみを問い、その結果がにしきの御旗のごとく力を持つならば、国を滅ぼす危険なことにもなりかねません。
 ゆえにも、本条例案には反対であります。都議会の皆様には、賢明な判断をいただくようお願いいたします。
 喫緊のエネルギー問題に加えて、都民、国民の抱える大きな不安が災害対策であります。先般、都は、最新の科学的知見を踏まえて、首都直下地震を再検証し、海溝で起こる元禄型関東地震や、活断層で起こる立川断層帯地震も対象に加えて、被害想定を見直しました。最大震度七の地域があらわれるなど明らかになった事実を直視し、九月には地域防災計画の見直しの素案を打ち出すなど、高度防災都市の造形を加速させてまいります。
 今回の想定では、火災や建物の倒壊により大きな被害が発生するという東京の弱点が改めて浮き彫りになりました。木造住宅密集地域の不燃化は焦眉の急であり、助成の上乗せや都税の減免などを行う不燃化特区の先行実施地区を八月を目途に選定いたします。
 一方、木密地域は、細やかな人情にあふれる地域であり、そこに息づく共助の精神を防災力の向上に結びつけてまいります。地元消防署や消防団員の方々が、町会、自治会などの防災訓練を支援し、初期の消火活動を担う人材も育成いたします。先日認定した防災隣組ともあわせて共助の力でまちを守る取り組みを展開してまいります。
 津波に関する想定では、地盤沈下を見込んでも波が東京湾の防潮堤を超えることはなく、現在の高さで防護可能としております。しかし、これに安住して対策を怠っては想定外という言葉を再び繰り返すことになりかねません。水門や防潮堤などの耐震性を総点検し、必要な強度を備えるよう整備を着実に進めてまいります。
 島しょ地域については、今後、港ごとに具体的な津波高を想定した上で対策を講じてまいります。地震発生後、津波到達までの時間が短く、高台へ避難するいとまがないと想定される大島の岡田港については、避難施設の整備に着手いたします。
 震災発生時に、救援、救助活動の動脈となる道路が閉塞しては、発災直後の最も重要な時間をいたずらに失うことになります。このため、この四月から緊急輸送道路の沿道建物に耐震診断を義務づけております。診断で現状を明らかにし、助成や低利融資制度により耐震性の向上を後押ししてまいります。あわせて、耐震性を有する建物を表示するマークを配布し、建物の性能を広く知らせることで、都民、国民の意識を高めてまいります。耐震化の取り組みは、まだ緒についたばかりでありますが、ビル所有者の方は、地震を我がこととしてとらえて、社会への責務を果たしていただくようお願いいたします。
 都民の生命、生活に直結するライフラインの施設や病院なども対策を進めてまいります。三郷浄水場には、被災時にも安定した給水を確保するため、二万キロワットの発電設備の増設に着手いたします。また、震災時の衛生環境の悪化を防ぐため、下水道管の耐震化をさらに進めるとともに、汚水を処理する水再生センター同士を連絡管で相互に結ぶことで、一方のセンターが被災した際にも汚水を処理できる体制を整えます。災害医療の中心的な役割を担う都立広尾病院には、災害発生時にも医療活動が可能となるよう、新たな常用発電機の設置に着手いたします。
 一方、国や全国知事会では、首都のバックアップ、機能分散という議論が、またぞろ繰り広げられております。震災リスクを口実に、むだな箱物づくりが他方で行われれば、国力をますます衰退させることになります。首都の防災力向上こそが先決でありまして、そのためにも国は、道理もなく奪った法人事業税を東京に速やかに返還すべきであります。確実な撤廃に向け、都議会の皆様の一層のお力添えをお願いいたします。
 都民、国民の安全・安心を守りつつ、機能性の向上や生活に潤いを与える魅力ある空間の創出など、都市としての総合力を高めてもまいります。
 都市の機能性の欠如は、東京で活動する主体の力をそいでまいりました。かつてアジアの中心的地位にあった東京が、他のアジア都市の猛追を受けているゆえんは、文明工学的視点を欠いた政治、行政の不作為にあります。東京の未整備な環状道路は、その最たるものでありまして、知事就任以来、交通渋滞の解消に全力で取り組んでまいりました。そのかなめとなる外環道は、事業者となる高速道路会社も決まりまして、今年度トンネル工事に着手する運びになりました。二〇二〇年までの確実な完成を国に求めてまいります。
 首都としての風格も高めてまいりたいと思います。緑の拠点たる公園を整備し、街路樹の充実を図り、緑あふれる都市の姿を、この秋に上野恩賜公園や井の頭恩賜公園などで開催する全国都市緑化フェアで発信したいと思います。隅田川ルネサンス事業など、水の都東京を復活させる取り組みともあわせて美しいまち並みの再生を進めてまいります。
 東京では、六十七年ぶりに復元された丸の内駅舎に加え、東京スカイツリーや渋谷ヒカリエといった新たな魅力が次々に生まれております。四月には、東京都美術館が世界の名品と出会える新たな文化の発信拠点としてリニューアルするなど、芸術文化の魅力も高まっております。この機をとらえ、外国人旅行者を積極的に呼び込んでまいりたいと思います。十月には、各国財務大臣、中央銀行総裁が集まるIMF、世界銀行の総会が東京で開催されます。震災後も変わらない東京の魅力を感じてもらうことで、オリンピック・パラリンピックの招致実現にもつなげてまいります。
 次に、被災地支援について申し上げます。
 先般、震災に加えて原発事故や風評被害に苦しむ福島県のPRを兼ねて、都の呼びかけによって裏磐梯での関東知事会が開催され、その場で今後も福島を初め被災地を連帯して支援していくことを決議いたしました。とりわけ福島を強力に支援するため、都は、民間の協力を得てキャンペーンを継続的に展開し、都内主要駅や都のイベントで特産品を販売するほか、被災地応援ツアーとともに観光PRを重点的に行ってまいります。また、互いの友情を心に長く刻むために、福島と東京の桜の木を贈り合う桜の交流プロジェクトを実施いたします。福島から贈られた桜の木は、全国都市緑化フェアで都民に披露いたしてまいります。
 被災地のインフラの復旧や災害に強い新たなまちづくりも後押ししてまいります。都は、被災地が求める即戦力の人材を供給すべく、都、区市町村などのOBや民間の技術者を任期つき技術職員として採用し、九月から最長五年間被災地に派遣いたします。目に見える形でまちが復興していくことは、懸命に立ち上がらんとする被災地の人々を勇気づけることになると思います。この全国初の試みを広く紹介し、今後のモデルケースともしてまいります。
 日本の再生を果たしていく上で明確な目標となる二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会については、先月、ケベックで開かれたIOC理事会で、東京都が立候補都市に選ばれました。予測された当然の結果であり、厳しい戦いはまさにこれからであります。改めて気を引き締め、まずは来年一月の国際プロモーション開始に向けて、開催計画と招致戦略にさらに磨きをかけてまいります。
 来月から開催されるロンドン・オリンピックには私自身も現地に赴きまして、IOCなどの関係者に対して、東京の優位性をしっかりと訴えてまいりたいと思っています。同時に、国家を背負って勝負に挑む日本代表の選手も応援いたします。日本人が国家との一体感を感じるこの機会をてこにして、都民、国民の招致機運をさらに盛り上げてまいりたいと思います。
 日本を復活させるためには、オリンピック・パラリンピック招致を絶対に実現しなければなりません。JOCを初めスポーツ界、経済界など、国家の総力を挙げた取り組みを強く求めてまいります。東京もなすべきことは、確実に実行してまいります。
 さて、現在の国政は、消費税の税率引き上げなどをめぐって混乱し、惨たんたる状況を呈しております。政治家主体の政治を唱えた与党は、官僚を使いこなせず、マニフェストなる実現不可能な数々の約束がおもしとなって、政治を前に進めることができないのであります。しかし、これに対抗する野党もまた、中央官僚に操られながら長い間政権を担ってきた自分たちの責任を棚上げにしております。
 日本は今、国家としての大事な歴史的岐路に差しかかっております。国政が機能不全に陥っている中で、進むべき針路を指し示すことができるのは、国政の担い手とは対照的に高い志と現実感覚、実行力を兼ね備えた地方の政治家たちであります。わけても首都東京の政治家たちには、傾いたこの国を立て直す大きな使命と責任があると思います。
 日本のために、この東京を国家再生の起点とすべく、全力を尽くしてまいります。皆様のご賛同とご協力をお願いするものであります。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含めて、条例案十五件、契約案七件など、合わせて二十五件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(中村明彦君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明六日から十一日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明六日から十一日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月十二日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時二十九分散会


文書質問趣意書及び答弁書

二四財主議第九二号
平成二十四年五月二十八日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   文書質問に対する答弁書の送付について
 平成二十四年第一回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。
     記
   福士敬子議員
   山内れい子議員
   畔上三和子議員
   中村ひろし議員
   大島よしえ議員

平成24年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  福士敬子

質問事項
一 セクシャルマイノリティに対する施策について

一 セクシャルマイノリティに対する施策について
警察庁がまとめた自殺統計の速報値によると、2011年中の国内の自殺者数は、3万513人で、14年連続で3万人を超えることが明らかになった。
ところで、人口のうち、一定の割合で存在しているいわゆる性的少数者、セクシャルマイノリティについても、3万人を超える自殺者の中に少なくない割合で潜在していることが想定される。近年、進められつつある調査では、同性愛者等は異性愛者に比べて自殺未遂率が高いとの結果が出ており、対策は一刻を争い、決して看過できないものと考える。
異性愛者は、友人たちと話し合ったり、経験を共有したり、家庭生活等の情報も得ることができるが、思春期にその性的指向に気付いた同性愛者の多くは、相談相手もなく、悩むことになる。近年、諸外国では同性婚を認める法も少しずつ出てきているが、日本ではまず前段のセクシャルマイノリティについての理解と教育すら行なわれず、社会的な差別を強いられている。
セクシャルマイノリティの自殺対策については、子どもの頃からの教育体制と、行政における相談窓口の整備が、まずは特に重要であると考える。以上を踏まえ、質問する。
1 セクシャルマイノリティに対する人権施策について
ひとことに性的少数者、セクシャルマイノリティと言っても、実際にはその姿は実に多様だが、都において、性的少数者、セクシャルマイノリティの実態を具体的にどのように理解し、把握しているか、また、人権施策における位置づけはどのようになっているか、伺う。
2 セクシャルマイノリティの自殺対策について
関西看護医療大学等が行った『わが国における都会の若者自殺未遂経験割合とその関連要因に関する研究』によると、2000人以上に行なった調査で、男性においては、自殺未遂のリスクは異性愛者に比べ、異性愛でない人は約6倍高いとの報告がある。また、宝塚大学看護学部の日高庸晴准教授が中心となり行なった同性愛・両性愛男性に対するインターネット調査では、3人に2人は自殺を考えたという結果がある。さらに性同一性障害の68%が自殺を考えたという岡山大学大学院の報告もあり、セクシャルマイノリティが自殺のハイリスク層であると考えられる。
しかし、東京都の発行するゲートキーパー手帳では、自殺の危機要因として、NPO法人ライフリンクの自殺実態白書2008からの「事業不振、職場環境の変化、過労、身体疾患、職場の人間関係、失業、負債、家族の不和、生活苦、うつ病」などが挙げられており、セクシャルマイノリティに関する記述はなされていない。また、相談機関の選び方についても、示されている例は<心身の健康問題を抱えている場合><経済問題を抱えている場合><家庭問題を抱えている場合>となっている。セクシャルマイノリティはどの分類にも入らないのではないかと考えられるため、相談窓口を探しにくい。
ア 都として、セクシャルマイノリティの自殺リスクをどのようにとらえているか、また、自殺対策におけるセクシャルマイノリティの位置づけはどのようになっているのか、伺う。
イ セクシャルマイノリティであることを理由とした自殺者について、都において、該当する事例を把握しているか、状況を伺う。
3 学校におけるセクシャルマイノリティについて
セクシャルマイノリティの場合、一番相談しにくいのが実は家族であるという報告がある。このため、セクシャルマイノリティであることを自覚した児童・生徒は、家族に相談できないまま悩みを抱える例も多い。学校教育におけるセクシャルマイノリティ教育は重要な問題であると考える。
ア セクシャルマイノリティが存在しているという事を踏まえ、学校においては様々な機会を捉え、すべての児童・生徒に、男女の平等など人権尊重の理念について、発達段階に応じた指導を行なうことが重要であると考える。男女の平等など人権尊重の理念について、どのように指導しているか伺う。
イ 性同一性障害の診断の有無にかかわらず、自分の性別に対する違和感をもつ児童・生徒が、どの学級にも存在していることが考えられる。セクシャルマイノリティであることを理由に、疎外感や不安感を感じたり、いじめや嫌がらせを受けたりすることがないよう配慮ある学級の運営を図ることが重要と考える。公立学校におけるいじめ問題に対する基本的な姿勢について伺う。
ウ 教員が、性同一性障害などセクシャルマイノリティに対して、正しい理解と知識を深めることが必要である。その際に、性同一性障害のある児童に対しては、文部科学省が2010年4月23日に「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」の通知を発出した。本通知を受けて、具体的にどのような対応をしているか伺う。
4 相談窓口について
東京都のホームページから「性同一性障害」で検索を行なうと、最初のページには性同一性障害者性別特例法施行の通知や委員会議事録、精神・神経科、メンタルヘルスクリニック病院の一覧などが表示されるが、都における相談窓口は示されない。さらに、同性愛者等のセクシャルマイノリティについては触れられてもいない。セクシャルマイノリティが抱える悩みに関する専用の窓口を新たに設置したり、外部団体と連携を取ったりすることで的確な対応を図るとともに、担当窓口に容易にアクセスできるよう都ホームページを改善すべきと考える。
現在、セクシャルマイノリティが抱える悩みに関する問い合わせについて、都ではどの相談窓口がどのように対応しているか、伺う。
2000年に「東京都人権施策推進指針」が出されて以来、同性愛者等を含む理解・人権対策について質問をしてきたが、性同一性障害は医学的疾患として社会的認知を得たために少しずつ社会に定着しているものの、セクシャルマイノリティはさらにその陰で問題点や対策が見落とされているのではないかと危惧する。特にこの間、思春期になって子どもが悩みを持った時の対応がどれだけ取られているか。今行政が考えている以上に暗闇の中にあると思われる。セクシャルマイノリティ関連のNPO法人はいくつかある。民間の活動とも手を携えつつ、今後は更に子ども対策にも目を向けていくべきことを要望しておく。

平成24年第一回都議会定例会
福士敬子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 セクシャルマイノリティに対する人権施策について
1 ひとことに性的少数者、セクシャルマイノリティと言っても、実際にはその姿は実に多様だが、都において、性的少数者、セクシャルマイノリティの実態を具体的にどのように理解し、把握しているか、また、人権施策における位置づけはどのようになっているか、伺う。

回答
都の相談窓口における、性的少数者、セクシュアルマイノリティに関する相談内容をみると、性的指向に対する周囲の無理解からの偏見や差別があることが認められます。
都は、平成12年に、21世紀を展望して、東京都が総合的に人権施策を推進していくための基本理念を示し、その実現のための道すじを明らかにした「東京都人権施策推進指針」を策定し、各局が連携・協力しながら、各種の人権施策を進めています。
この指針において、性同一性障害者や同性愛者をめぐる問題を人権課題の一つとして位置付けています。

質問事項
一の2 セクシャルマイノリティの自殺対策について
ア 都として、セクシャルマイノリティの自殺リスクをどのように捉えているか、また、自殺対策におけるセクシャルマイノリティの位置づけはどのようになっているのか、伺う。

回答
自殺の背景には、健康問題、経済・生活問題、人間関係、また、その人の性格傾向、死生観など様々な要因があり、複雑に関係しています。
都が設置する自殺相談ダイヤルでは、セクシュアルマイノリティも含めた相談者の悩みを受け止め、必要に応じて専門的な相談機関につなぐなどの対応をしています。
また、平成23年度の電話相談員の研修では、セクシュアルマイノリティについても取り上げています。

質問事項
一の2のイ セクシャルマイノリティであることを理由とした自殺者について、都において、該当する事例を把握しているのか、把握状況を伺う。

回答
東京都における自殺の状況については、警視庁が原因・動機別に健康問題や経済・生活問題などのカテゴリーで分類していますが、セクシュアルマイノリティに該当するカテゴリーはないため、把握していません。

質問事項
一の3 学校におけるセクシャルマイノリティについて
ア 男女の平等など人権尊重の理念について、どのように指導しているか伺う。

回答
人権尊重の理念とは、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることであり、それを指導する機会は、全ての教育活動の様々な場面にあります。学習指導要領に基づき、各学校は、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができるよう、それぞれの能力や適性を引き出す指導を行っています。

質問事項
一の3のイ 公立学校におけるいじめ問題に対する基本的な姿勢について伺う。

回答
いじめは、人間として絶対に許されない人権侵害であるという基本的認識に立つことが必要不可欠です。
いじめ問題については、いじめられている児童・生徒を徹底して守り通すこと、学校・家庭・地域社会の連携を推進することなどを明確にした上で、学校として組織的に取り組んでいます。

質問事項
一の3のウ 性同一性障害のある児童に対しては、文部科学省が2010年4月23日に「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」の通知を発出した。本通知を受けて、具体的にどのような対応をしているか伺う。

回答
都教育委員会では、文部科学省の通知を踏まえ、各学校に対して、教育相談に関わる校内体制を効果的に活用すること、児童・生徒の心情に十分に配慮した対応をすることなどを求めた通知を、平成22年5月21日に発出しました。
さらに、この通知を平成24年3月に発行した人権教育の実践的な手引である「人権教育プログラム」に掲載して、公立学校の全教員に配布するとともに、研修等で活用し、その内容の周知・徹底を図っています。

質問事項
一の4 現在、セクシャルマイノリティが抱える悩みに関する問い合わせについて、都ではどの相談窓口がどのように対応しているか、伺う。

回答
現在、都では、セクシュアルマイノリティの人々が抱える悩みについては、人権をはじめ医療・福祉、教育など様々な窓口で相談を受けており、必要に応じ、より適切な相談機関を紹介するなど、相互に連携し、対応を行っています。
例えば、人権に関する相談窓口としては、東京都人権プラザがあります。そこでセクシュアルマイノリティの方からの心や身体の悩み、支援や自助に関する相談を受けた場合には、相談者の話を十分に聴いた上で、医療機関や民間の活動団体を紹介するなどの対応を行っています。

平成24年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  山内れい子

質問事項
一 水道需要予測について

一 水道需要予測について
1 東京都水道局の水需要予測の委託調査について
ア 東京都水道局が平成15年度から23年度に行った「水需要予測に関する調査研究」の委託件名、委託先、委託契約金額をすべて明らかにされたい。
イ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託で得られた成果の要点を毎年度ごとに明らかにされたい。
ウ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託で得られた将来の使用水量の予測値(目標年度と東京都の使用水量)をすべて示されたい。毎年度の予測のケースがいくつかある場合はケースごとに示されたい。
エ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託で得られた成果を東京都水道局の行政にどのように反映させたのかを明らかにされたい。
オ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託契約金額は700万円から2000万円の規模であったと聞く。平成15年度以降の委託契約額の合計は1億円を超えると想定される。これだけ多額の公費を使ったにもかかわらず、東京都水道局の水需要予測は平成15年12月に行ったものがいまだに使われており、毎年度の水需要予測委託調査の結果がまったく活用されていない。これはまさしく公費の無駄遣いではないか。このことに関して都の見解を示されたい。
2 東京水道施設再構築基本構想(素案)の水需要予測について
ア 東京水道施設再構築基本構想(素案)に「第5章 再構築に向けた基本的な考え方 5-2 水道需要の見通し (1)将来の水道需要の見通し」で次の記述がある。
 「これまでに経験した実績を確実に踏まえ、配水量の変動や漏水を考慮した一日最大配水量を見通すと、ピーク時概ね600万立法メートルになる可能性がある。」
 この見通しで概ね600万立法メートルになるのは何年度であるのかを明らかにされたい。
イ 上記の見通しで600万立法メートルを算出するために用いた次の基礎データをすべて明らかにされたい。
 総人口、水道普及率、一人当たり生活用水の使用量、都市活動用水の使用量、工場用水の使用量、有収率、負荷率
ウ 上記の一人当たり生活用水の使用量、都市活動用水の使用量、工場用水の使用量の将来値を求めた計算式を示されたい。
エ 上記イで用いた有収率の数字の根拠を説明されたい。
オ 上記イで用いた負荷率の数字の根拠を説明されたい。
カ 東京都水道の一日最大配水量は平成4年度から概ね年々減少し、平成23年度は1日あたり480万立法メートルにとどまっている。将来においてこの減少傾向が反転して急速な増加傾向に変わり、1日あたり600万立法メートルまで増加することはありえないことである。東京都がいまだに実績と全く乖離した架空の水需要予測を行うのはなぜなのか。その理由を明らかにされたい。
キ 「2020年の東京」によれば、東京都の人口は2020年にピークを迎える。すでに徴候は見られ、2010年から2011年への人口増はわずかになっている。一人当たり配水量はすでにほぼ減少の一途を辿っているから、2020年以降は人口の減少によって、一日最大配水量の減少傾向に拍車がかかることは必至である。東京都は2020年度以降の水需要の動向をどのように見ているのか、都の見解を示されたい。

平成24年第一回都議会定例会
山内れい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 水道需要予測について
1 東京都水道局の水需要予測の委託調査について
ア 東京都水道局が平成15年度から23年度に行った「水需要予測に関する調査研究」の委託件名、委託先、委託契約金額をすべて伺う。

回答
都が平成18年度から平成23年度までに行った「水道需要予測に関する調査研究」の委託件名、委託先及び委託契約金額は、次のとおりです。
・ 水道需要予測に関する調査研究(平成18年度)委託は、三井情報開発株式会社と2万0895千円で契約
・ 水道需要予測に関する調査研究(平成19年度)委託は、株式会社日水コンと9030千円で契約
・ 水道需要予測に関する調査研究(平成20年度)委託は、株式会社日水コンと9870千円で契約
・ 水道需要予測に関する調査研究(平成21年度)委託は、株式会社三菱総合研究所と7350千円で契約
・ 水道需要予測に関する調査研究(平成22年度)委託は、みずほ情報総研株式会社と5523千円で契約
・ 水道需要予測に関する調査研究(平成23年度)委託は、みずほ情報総研株式会社と9345千円で契約
なお、平成15年度から平成17年度までの調査研究委託については、文書保存期間を経過しており、確認できませんでした。

質問事項
一の1のイ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託で得られた成果の要点を毎年度ごとに伺う。

回答
本調査研究委託では、一日平均使用水量の将来値の算出に際して、次のとおり多様な予測手法や設定条件を用いた様々な報告を受けています。
・ 平成18年度委託は、主成分回帰モデルの検討、水道需要に係る意識の構造変化に関する調査等
・ 平成19年度委託は、原単位積み上げモデルの構築、水使用動向要因の将来シナリオ構築等
・ 平成20年度委託は、原単位積み上げモデルの改良、時系列傾向分析による推計等
・ 平成21年度委託は、説明変数として床面積に着目した重回帰モデル式の構築等
・ 平成22年度委託は、説明変数として床面積に着目した重回帰モデル式の改良等
・ 平成23年度委託は、複数の将来シナリオを想定した幅広い分析の実施等

質問事項
一の1のウ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託で得られた将来の使用水量の予測値(目標年度と東京都の使用水量)をすべて伺う。毎年度の予測のケースがいくつかある場合はケースごとに伺う。

回答
本調査研究委託では、様々な設定条件等に基づき、将来の一日平均使用水量の予測値を算出しています。各年度における最小と最大の一日平均使用水量(生活用水、都市活動用水、工場用水の3用途の合計)の予測値は、以下のとおりです。
・ 平成18年度委託は、目標年度を平成37年度とし、最小値は1日あたり3317千立方メートル、最大値は1日あたり4618千立方メートル
・ 平成19年度委託は、目標年度を平成37年度とし、最小値は1日あたり3703.4千立方メートル、最大値は1日あたり4034.4千立方メートル
・ 平成20年度委託は、目標年度を平成37年度とし、最小値は1日あたり3986千立方メートル、最大値は1日あたり4446千立方メートル
・ 平成21年度委託は、目標年度を平成32年度とし、最小値は1日あたり4705千立方メートル、最大値は1日あたり4738.2千立方メートル
・ 平成22年度委託は、目標年度を平成32年度とし、最小値は1日あたり4290.1千立方メートル、最大値は1日あたり4719.2千立方メートル
・ 平成23年度委託は、目標年度を平成32年度とし、最小値は1日あたり3420千立方メートル、最大値は1日あたり5260千立方メートル

質問事項
一の1のエ 毎年度の「水需要予測に関する調査研究」の委託で得られた成果を東京都水道局の行政にどのように反映させたのか伺う。

回答
水道需要予測は、常に変動する社会経済動向等を的確に把握しつつ、現行予測手法の検証や新たな手法の検討を多方面から行う必要があります。
このため、水道需要予測に関する調査研究委託では、予測精度、説明性の向上等を目的として、予測手法の検討、社会経済指標のデータ収集、水道需要と社会経済動向との関連性の整理など、幅広く実施してきています。
都は、これまでも水道需要予測の見直しを適宜実施してきており、本調査研究委託で得られた様々な成果を水道需要予測の見直しに向けた検討に適切に活用しています。

質問事項
一の1のオ 東京都水道局の水需要予測は平成15年12月に行ったものがいまだに使われており、毎年度の水需要予測委託調査の結果がまったく活用されていない。これはまさしく公費の無駄遣いではないか。このことに関して都の見解を伺う。

回答
都は、これまでも水道需要予測の精度及び説明性の向上等を目的とした本調査研究委託において、多様な予測手法や様々な社会経済指標データ等の分析・検討により得られた成果を水道需要予測の見直しに向けた検討に活用しており、今後も引き続きこの成果を活用していきます。

質問事項
一の2 東京水道施設再構築基本構想(素案)の水需要予測について
ア 東京水道施設再構築基本構想(素案)に次の記述がある。「これまでに経験した実績を確実に踏まえ、配水量の変動や漏水を考慮した一日最大配水量を見通すと、ピーク時概ね600万立方メートルになる可能性がある。」この見通しで概ね600万立方メートルになるのは何年度であるのかを明らかにされたい。

回答
都では、大規模浄水場等が間もなく一斉に更新時期を迎え、これらを再構築していく必要があることから、「東京水道施設再構築基本構想」を策定し、水道需要の見通しを示しました。
本構想では、一日平均使用水量は平成30年代にピークを迎えると見通しています。これに配水量の変動や漏水等を考慮した一日最大配水量についても、同様の時期におおむね600万立方メートルとなる可能性があると考えています。

質問事項
一の2のイ 上記の見通しで600万立方メートルを算出するために用いた次の基礎データをすべてうかがう。総人口、水道普及率、一人当たり生活用水の使用量、都市活動用水の使用量、工場用水の使用量、有収率、負荷率。

回答
水道需要の見通しで、おおむね600万立方メートルと算出するために用いたデータは次のとおりです。
計画給水区域内人口 1332万人
給水普及率 100パーセント
一人当たり生活用水使用水量 一人1日あたり243.3リットル
都市活動用水使用水量 1日あたり1152千立方メートル
工場用水使用水量 1日あたり41千立方メートル
有収率 94パーセント
負荷率 79.6パーセント

質問事項
一の2のウ 上記の一人当たり生活用水の使用量、都市活動用水の使用量、工場用水の使用量の将来値を求めた計算式を伺う。

回答
一人当たり生活用水使用水量、都市活動用水使用水量、工場用水使用水量の将来値を求めた計算式は、次のとおりです。
・ 一人当たり生活用水使用水量については、ロジスティック曲線式
y=c-(c-K)/(1+e(a-bx))
a,b,c,e,K:定数、x:変数
・ 都市活動用水使用水量については、ロジスティック曲線式
y=c-(c-K)/(1+e(a-bx))
a,b,c,e,K:定数、x:変数
・ 工場用水使用水量については、年平均増減率式
y=y0(1+r)x
y0,r:定数、x:変数

質問事項
一の2のエ 上記イで用いた有収率の数字の根拠を伺う。

回答
これまでの実績や計画的な漏水防止対策の取組に加え、切迫性が指摘されている首都直下地震による影響を勘案し、水道需要の見通しにおける有収率を94パーセントと設定しました。

質問事項
一の2のオ 上記イで用いた負荷率の数字の根拠を伺う。

回答
負荷率は、気象条件、曜日、渇水の影響など、様々な要因により変動するものと考えられ、将来の負荷率は傾向分析により推計する性質のものではありません。
水道需要の見通しにおける負荷率は、首都東京の安定給水を確保する観点から、分析の対象とした昭和50年代から現在までの最小値を採用し、79.6パーセントと設定しました。

質問事項
一の2のカ 東京都水道の一日最大配水量は平成4年度から概ね年々減少し、平成23年度は1日あたり480万立方メートルにとどまっている。将来においてこの減少傾向が反転して急速な増加傾向に変わり、1日あたり600万立方メートルまで増加することはありえないことである。東京都がいまだに実績と全く乖離した架空の水需要予測を行うのはなぜなのか。その理由を伺う。

回答
将来の水道需要を見通すため、これまでの実績を長期的に分析し、実績期間内の水使用の傾向から合理的な推計が可能な時系列傾向分析を用いて、「2020年の東京」で示された人口動向に基づき、実際にお客さまが使用される一日平均使用水量を推計しました。時系列傾向分析に当たっては、過去の増減傾向を踏まえて、実績のすう勢に最もよく適合する傾向線を用いて推計しています。
この推計値を基に、浄水場等からの配水過程での漏水や日々の供給量の変動を過去の実績を踏まえて考慮し、将来の一日最大配水量をピーク時におおむね600万立方メートルと見通しました。
この際、漏水に関しては、これまでの実績や計画的な漏水防止対策の取組に加え、切迫性が指摘される首都直下地震による影響を勘案し、供給量の変動に関しては、安定供給確保の観点から、分析の対象とした期間の最大の変動幅を採用しています。
このように、今回示した将来の水道需要の見通しは、これまでに経験した実績を確実に踏まえ、最新のデータを用いて、長期的観点から合理的手法により見通したものです。

質問事項
一の2のキ 「2020年の東京」によれば、東京都の人口は2020年にピークを迎える。以降は人口の減少によって、一日最大配水量の減少傾向に拍車がかかることは必至である。東京都は2020年度以降の水需要の動向をどのように見ているのか、都の見解を伺う。

回答
将来の水道需要を見通すため、これまでの実績を長期的に分析し、実績期間内の水使用の傾向から合理的な手法を用いて、「2020年の東京」で示された人口動向に基づき、一日平均使用水量を推計しました。
この推計値を基に、漏水や配水量の変動実績を考慮し、将来の一日最大配水量をピーク時におおむね600万立方メートルと見通しました。
本構想では今後25年間程度を見通しており、2020年度から2035年度までの人口動向を踏まえると、この期間においては、水道需要はピーク時とほぼ同程度で推移すると考えています。

平成24年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  畔上三和子

質問事項
一 都内に避難している被災者支援について
二 商店街支援の推進について

一 都内に避難している被災者支援について
東日本大震災、福島原発事故から、一年が経ちました。しかし、今もなお東京に避難を余儀なくされている方は、9226人にのぼります(2月23日現在)。その8割以上が福島県の方々であり、原発事故収束の見通しが立たないなかで、「帰りたいけど帰れない」「これからの生活設計が立てられない」など、まったく先の見えない不安や、被ばくしているのではないかという恐怖など、避難生活が長期化するなかで大変な困難と苦しみを抱えています。自主避難といわれる方々も絶えず支援の線引きに苦しみ続けています。東京都が、こうした被災者の苦しみに心を寄せ、被災者が東京で安心して暮らすことができるよう被災者の実態に合った支援をするよう強く求めるものです。とりわけ被災者のみなさんからは、「来年の7月以降も、いまの住宅に住めるのか、大変不安」という多数の声が寄せられています。放射能がどうなるのか見通しがまったく立たない以上、都として、自主避難の人も含め、応急仮設住宅期限の延長を決めるべきです。同時にそれは、自己負担なしでの住宅提供であるべきです。知事は、3月9日の定例記者会見において、「その人たちを無理やり帰すわけにいかないじゃないですか。東京は東京の責任でその人たちをかばいますよ」とおっしゃっていました。
1 応急仮設住宅の「入居から2年」という期限を延長することを居住者に、早期にお知らせすることを求めますが、どうですか。
2 親せき宅などに避難していた人たちが、これ以上親せきに頼れないと、応急仮設住宅への入居を望んでいます。また、少しずつですが東京に避難する人が増えており、住まいの支援が必要です。さらに、取り急ぎ3世帯4世帯一緒に入居したけれど、生活基盤をつくる上で別居できるようにしてほしいなど、避難生活が長期化するなかで、新たな問題も出てきています。こうした住宅要望にこたえることを求めます。どうですか。
3 仕事の都合上、父親だけは福島にいるなど、家族がバラバラの生活を強いられている家庭も多くあり、お金の心配なく東京と福島を行き来できるよう支援が求められています。被災者の高速道路利用の無料化を継続するよう、国に求めてはどうですか。
  また、離れて暮らす家族が週末には行き来できるよう、東京と福島を結ぶ無料バスを都が運行してはどうですか。
4 4月の失業手当の打ち切りが迫っており、就労支援の強化は急務です。就職相談活動をきめ細かに進めるとともに、区市町村が行っている雇用創出を促進すること、都としても雇用の提供を行うことが必要です。避難している人向けに、都が雇用の提供をはじめ就労支援をおこなうべきと考えますが、伺います。
5 東京では、移動に公共交通の利用が不可欠で、その交通費は大きな負担です。都営交通の一日乗車券を、高齢者や障害者に限定せず、被災者全員に支給すること、シルバーパスのように民間バスも利用できるものに改善することなど、負担の軽減が求められています。都営交通や都内交通の無料パスを被災者に支給すること、また子どもたちの急病などに対応できるようタクシー券等を提供することを求めます。
6 きめ細かな情報提供を強めるとともに、都が補助金を支給している区市町村社協による孤立化防止事業を実施している自治体は都内で何カ所ですか。都内全域で実施されるよう支援することを求めますが、どうですか。
7 「小さくてよいから畑で土いじりがしたい」との要望が寄せられています。避難者のみなさんは慣れない東京でたくさんのストレスをため込んでいます。1260人の被災者がいる東雲住宅の近くにある江東区の都立辰巳公園の一角などを、農園として活用することが切望されていますが、都として被災者農園を早急に設置してはいかがでしょうか。
8 父親は仕事で福島を離れられないため、実態として「ひとり親」状態になっている親子が多くいます。父親が福島におり都内で母子で避難している方に対する相談体制の整備と支援が急がれていますが、都の認識を伺います。
9 避難先の区市町村が住民に対して独自に実施している乳幼児医療費助成や小中学生の医療費助成を、避難している子どもたちに実施した場合、国の財政措置を受けることができることになりました。しかし、私が知るかぎり都内で実施している自治体はありません。都はこの制度を区市町村に周知していると言いますが、都内自治体で実施している所はあるのですか。
10 国の財政措置がせっかくできたのに活用されていないのは、対象者の把握の設定や、医療機関、審査支払い機関、被災地の地元自治体との調整など、さまざまな課題があり、容易に実施できるものではないからです。そのことを、どう認識しているのですか。
11 乳幼児や小中学生の子どもといっしょに都内に避難している被災者にとって、乳幼児医療費助成や小中学生の医療費助成の窓口無料化は、切実な願いです。都内避難者のこの切実な願いにこたえるため、都内区市町村が国の財政措置を活用した窓口無料化にふみだすことができるよう、東京都として、医療機関、審査支払機関、被災地の地元自治体との調整に乗り出すことや、対象者の把握の設定について支援を行うよう求めるものですが、どうですか。
二 商店街支援の推進について
1 商店街の現状認識について
日本経済の長期低迷と世界経済危機、これらを「口実」にした大企業のリストラ、雇用破壊のもとで、国民の所得が大幅に減り、貧困と格差が広がり、多くの中小企業が経営難におちいり、地域経済は深刻な実態にあります。こうした中でも、商店街は地域の住民が必要とする商品やサービスを提供する重要な拠点であると同時に、安心して暮らし続けられる、そのまちの要としての役割を果たそうと、懸命に努力を続けています。
日本共産党都議団は、今年の1月末から2月中旬にかけて、島しょ地域を除く全区市町村と都内の約1400商店街にアンケート調査を実施したところ、53区市町並びに81商店街から、回答をいただきましたが、そのことがよく分りました。
そのアンケートに示された実態は、経済の長期低迷、少子高齢化、大型店の出店による売上の減少、世代交代を機に店をたたまざるを得ないなど個々の商店の状況は厳しく、商店街としても実に厳しい環境におかれていることがよくわかります。私は、商店街を守り、発展させていくために、東京都の商店街支援施策の抜本的拡充が求められていることを痛感しました。
東京都は、商店街実態調査、商店街施策の説明会、支援事業の相談、各種支援事業などを通して、都内の商店街について実情を把握していることと思います。都として、現在の商店街の状況について、どのように認識していますか。
2 情報交換会の開催について
まず、私が驚いたのは、都と区市町村、商店街との情報交換が、スムーズにいっていないことです。これまで、私たちは商店街施策についての提案を、いく度となくしていますが、決まって東京都の回答は、区市、商店街の要望を聞きながら、その実態を十分に把握したうえで実施しているという旨の回答をくり返してきたからです。
しかし、自治体へのアンケートでは、残念ながら都と区市の情報交換が密接に行われていないことをしめす声が上がっています。たとえば、「新規事業等に関する情報提供をもっと頻繁にやってほしい」「都と区市がもっと連携すれば活性化につながることができるはずなので、もっと密になって話し合いをし、商店街活性化に頑張りたい」「都の実務担当者が直接商店街と意見交換を行い商店街の現状を把握してもらいたい」「区での定数確定や予算要求終了後の情報提供では、次年度の事業実施は困難だ」などです。
これまで商店街振興プランを改定するにあたって、6区市が勉強会・情報交換会、4市町が情報提供の改善を求めています。買い物困難者支援では、成功例、消費行動調査・買物趣向調査など情報を要望している自治体が13%もありました。
商店街からも、「東京都の事業説明会が駆け足で説明されよくわからない」などの声でも出ています。
商店街振興連絡会の開催時期、区市町村への説明会の時期を早めて、新規事業や事業変更内容等の情報を早く提供すること。全国の先進的な取り組みの情報提供、区市町村、商店街と連携した情報・意見交換会を頻繁におこない、商店街・地元自治体の現状・要望をよく聞くこと。それぞれ提案しますが、どうですか。
こうした改善は、お金をかけなくてもできるわけですから、直ちに検討にはいってもらいたいと思います。
3 新元気を出せ!商店街事業について
「新元気を出せ!商店街事業」の改善を求める声も、多く寄せられました。
「新元気を出せ!商店街事業費補助金交付申請」の区から都への申請にあたり、申請時期が年度当初の4月に限られているという声があがっています。なぜですか。
「空き店舗対策」事業については、空き店舗の性質上、最長1年先の契約交渉が難しく、4月1日申請のみというのは、極めて機械的な対応です。年度途中での対応をできるよう要望しますが、どうですか。
その他にも、商店街からの年度途中での事業申請などがあっても、現状の制度のままでは対応が難しいわけですから、せめて年度上半期、下半期など複数時期の申請が可能になるように改善できないのですか。
4 自己資金がない商店街への支援について
自己資金がなく、商店街活動の支援事業を受けられない事態になっている現状も浮かび上がりました。都や区の商店街支援事業について、活用したことがない商店街が8%近くありました。その理由は、「自己資金がない」が33%です。
しかし、先に述べたように、商店街の実態は深刻であり、自己資金がなければ商店街の活性化をしようにも、その支援事業も受けられないというのでは、打開の糸口を見いだすことさえ極めて困難になります。
街路灯のLED化についても、環境改善に必要だということは分っていても、なかなか踏み出せず、なんとか地元負担の改善はできないかという声も11%ありました。自治体からは、特定施策推進型商店街事業で対応したとしても地元負担が5分の1があることについて、単価が高いので地元負担の軽減を求めています。
このように、自己資金が捻出できずに支援事業の活用もできない商店街にたいして、自己負担がなくても受けられる支援事業をつくる必要があると思いませんか。そういう時期になっているという認識はありますか。
5 立て替え払いの負担軽減について
自己資金が無い中でやっと支援事業を受けられたとしても、事業終了後でないと支援金が交付されないという、立て替え払いによる自己資金不足の問題も起きています。
この問題では、私たちは2010年第2回定例会で、補助金の交付が工事費用支払い完了後になることで財政力の弱い商店街がLED化に踏み切れないでいることを紹介し、改善を求めましたが、都は答えようともしませんでした。残念でなりません。
震災ガレキの受け入れでは、運搬、放射線測定等の請負事業者にたいして、国の補助金の支払いまで待たせないようにと、都が東京都環境整備公社に運転資金を貸付、公社が請負業者に迅速な支払いを出来るような仕組みをつくりました。
やろうと思えばできるのではないですか。
ア 商店街の支援事業でも、交付金が下りるまで商店街が自己負担しなければならない問題を改善する仕組みを考えるよう提案しますがどうですか。
イ ある商店街では、街路灯の交換費用を用意するために、会長、役員等が個人で保証手続きをしているとのことです。商店街は、公共的要素が強い訳ですから、都としてこのような問題を解決する仕組みを考えたらどうですか。
6 書類の作成などの負担の軽減について
商店街の負担は、資金問題だけではありません。書類の作成なども負担もあります。そのため、商店街支援事業を活用したことがない理由として、その「手続きが負担だ」とするところが22%もありました。一方商店街支援事業を活用している商店街でも、改善して欲しい点の一番は、「実績報告の簡素化」が52%、次に多いのが「申請手続きの簡素化」が45%です。
区市町村からも、「商店会の役員の高齢化もあり書類の作成の煩わしさから補助金申請が減少傾向にある」との声が上がっています。
申請手続きの簡素化は、公金を扱う行政側からは、その性格上、厳格な手続きを要求するのは当然という言い分があります。しかし、本当に改善できないことなのでしょうか。
ア 都として、商店街に実情に気持ちを寄せて、事務の合理化、簡素化と不正受給の防止の両立が、どうしたら図られるのか、真剣にその打開策の検討に入るべきではありませんか。都は、これまで、何か具体的に検討したことはあるのですか。検討したことがあるというなら、具体的に示して下さい。行政側だけで考えるのではなく、商店街、区市町村と連携して、よりよい方法を考えて、少しずつでも前にすすめたらどうですか。
イ 支援事業の手続きの実務作業を専門にして、困難な商店街に専門家を派遣する制度はつくれませんか。
7 適用要件の緩和について
都の商店街支援事業についての改善要望として、商店街から「適用要件の緩和を」が33%、「複数年にまたがる活用を可能にする」という要望も27%もあります。
区市町村からも、適用要件の緩和、補助対象・補助率の拡大などは、25%の自治体からあがっています。
商店街、区市町村からも共通してあがり、各事業にも共通するものとして、商店街支援事業を複数年にまたがって活用できるようにする仕組みをつくるよう提案します。
8 専門家の支援について
東京都には、約10年前までは、経営の現場を回り、要望や経営相談にきめ細かく応じ、現場の実態を都の施策に反映することに責任を負った都の常勤職員である経営指導職が50人以上もいました。
ところが、東京都は2001年4月から、その専門員が活躍していた現場である商工指導所を廃止しました。2007年4月からは、この専門職制度さえも廃止してしまいました。このため、業者からは、経営に行き詰まったとき、いつでも相談できる所がなくなってしまい困っているとの声も上がっていました。
それでも問題がないとする都の言い分は、都と中小企業振興公社や東京商工会議所などの支援機関が連携し、経営指導員などが中小企業を直接訪問して経営改善を助言するなど、引き続き個々の中小企業の経営課題にもきめ細かく対応するからだというものです。
ところが、今回アンケートによって、実際に利用している商店街からは、「評論家ではなく本当の専門家を」「実績を積んだ人が必要」「実態に合わない指導が多い」などがあり、その商店街の問題について精通した、実際に役立つ専門家を要望するものが、約半数を占めています。
都は、現在の専門家派遣制度で十分だという認識は、商店街の要望とかけ離れたものだとは思いませんか。自治体からも商業振興策を考えるうえで、専門家のサポートを要望しています。都として、従来のように商店街の問題にきめ細かく、責任をもって、系統的に相談にのり、提言できる常勤の専門職を置くよう求めます。お答え下さい。
9 区市町村包括補助制度の創設について
都の2001年3月に策定された「商店街振興プラン」に基づき、各区市町が商店街振興プランを作成した自治体は、42区市町ありました。しかし、その後改定しているところは、14区市にとどまっています。
改定にあたっては、事前に商店主及び消費者を対象に実態調査等を行い商店街の現状把握・分析の必要性を認識しながら、経費上の理由からプラン改定の先送りをせざるを得ない実態があることもわかりました。
ア 各区市町村が商店街振興プランの改定、新規作成をするための費用を、財政支援するよう求めますがどうですか。
区市町村からは、「広い事業に利用できる補助事業を新設してほしい」「活力が低下している商店会、資産が少ない商店会への支援メニューを新設してほしい」「新規商店会設立への支援事業を新設してほしい」「地域ブランド開発につながる事業への支援をしてほしい」など、新規事業の創設を要望している区市町村も、6自治体からありました。
各区市町村が商店街振興プランで掲げる自治体独自のメニューに沿った事業に対する補助制度の創設も、7区市が求めています。
イ 都として、各区市町村が行う商店街振興・活性化事業に対し、これまでの都の支援メニューにない商店街支援事業を行う場合でも支援できる、包括補助制度の創設が有効であると考えますが、どうですか。
10 街路灯、LED化について
ア 商店街の街路灯について、その電気料金について、都も負担してほしいとの要望は、86%の商店街からあがっています。財政難の商店街も増えています。都は検討をすすめるべきではないですか。
街路灯の電気料金について、LED化で最小契約電力料金を引き下げることができるかもしれないのに、そうした仕組みがあることさえ知らないという商店街も少なくありませんでした。
イ 東京都として、LED化を進めた各商店街にたいして最小契約電力料金を引き下げ制度を周知すること、LED化の普及にともない最小契約電力の引き下げることを、東京電力に申し入れたらどうですか。
ウ 都はLED化した商店街を把握しているわけですから、東京電力の対応を待つのではなく、都として、このような制度を商店街に周知してはどうですか。
エ 複数区にまたがっている商店街がLED化を進める場合は、商店街が各区との調整をするのは困難であるという声が上がっています。このような商店街については、都が把握できているわけですから、地元商店街にまかせるのではなく、都としてそれぞれの区にたいして調整役を買って出るべきではありませんか。
オ 商店街街路灯のLED化支援事業について、老朽化した街路灯の支柱を含めた更新する際にLED化する場合の支援を、都は2013年度で終了すると告知していると、複数の区市町村が言っています。
  これにたいして期間の延長を求める声が11自治体(21%)からでています。こうした声を重く受けとめるべきではありませんか。
カ 商店街では、LED化については検討中、あるいは今後検討するとしているところもあります。都内全商店街のLED化の実施状況について、示してください。
11 買い物弱者支援事業について
買物弱者支援については、私たちは、2010年6月に、いち早く都議会で提案し、その実態調査、支援策を求めてきました。その後、都は、昨年12月「高齢者の購買動向に関する調査報告書」を発表、今年度からモデル支援事業を打ち出しました。
もう一歩進めるために、何点か提案します。
ア 買物弱者支援事業については、38%の自治体が、「事業プランの策定から事業実施まで資金面での複数年にわたる助成」など、財政面での具体的な支援を要望しています。今年度から実施されるモデル事業の複数年の支援と事業経費支援を求めていることを合わせると、すでにいろいろ検討に進み出した40%の自治体が財政面での具体的な支援を要望していることになります。こうした声を、都としてどう受けとめますか。
イ 買い物弱者支援事業は、社会問題となっている孤立化の問題を考えると、福祉分野との連携によるマンパワーを活用した仕組みづくりを検討することも重要です。
主に宅配事業における宅配員や事務員の人件費の補助をはじめ、高齢者や障害者の利用者に対する配送料の補助など、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストに対する補助制度を検討すべきと考えますが、どうですか。
商店街が、サービス介助士の民間資格をもった人を養成し、商店街に来た高齢者の荷物を持ったり商品の詳細な説明をしたりして買い物を補助する。こうした取り組みをする場合について、支援したらどうですか。
12 後継者対策問題、空き店舗対策について
ア 後継者難のなかで、商店街の機能を維持するための施策の要望を聞く際に、私たちは、具体例として、「商店街機能を維持するために、事業承継を希望する経営者と、事業承継したい起業者をマッチングさせ、事業が軌道にのるまで、金融支援、経営相談、専門家を派遣する。協力できる貸店主にも生活支援事業を都として立ち上げるなど、どうですか。その他、ご提案はありませんか。」とお尋ねしました。その結果、12%の商店街が、積極的に受けとめて回答を寄せていました。都として検討してはどうですか。
イ 自治体として事業継承プランを策定しているところが5自治体あります。これから、具体化が始まろうとしているところです。各自治体が考えている、振興プラン作り、アンケート調査、中間組織の設立、街コンなど、具体的な取り組みに支援してはどうですか。都としても、こうした動きを積極的に支援して行くことが必要だと考えますが、どうですか。
13 大型店問題について
大型店問題で意見を寄せていただいた商店街は54%と、非常に関心が高いことが、改めてよくわかりました。
大型店の集客能力を商店街との敵対ではなく「共生」の方向で行っている商店街も11%ありましたが、45%が「共存共栄などあり得ない」とはっきり言い、商店街の半数以上が大型店の身勝手な出店に、困り果てている声が寄せられました。
東京都の「商店街実態調査」によれば、2007年と2010年を比較すると、商圏内への大型店の増加で、来街者が「減少した」は70.5%から76.2%に増加、売上が「減少した」は75.6%から81.7%に増加するなど、深刻です。5人以下の小規模店舗は、この8年間で73%に減少しました。売上高も73%に減少しました。このまま、大型店の身勝手な出店を、見過ごしておくことはできない事態です。
ア 都として、大規模店舗の無秩序な出店を規制する新たな法整備を国に求めるよう要望します。
イ 大型店の身勝手な出店について、出店事業者と住民団体、商店街、自治体とが、地域経済振興をめざし、事前説明会の実施、影響調査の実施、商店街への影響軽減策、商店街振興への協力などを、相互で取り決める「商店街振興協定」を結べるようなルールづくりをしてはどうですか。
  都有地など公有地は、公共目的で活用すべきものであり、地域商業に打撃を与える大型商業施設の誘致になる売却、貸付は中止するよう求めますがどうですか。
  小売商業調整法にもとづく中小業者からの申請について、地域経済振興の立場から活用できるように積極的に支援するよう求めますが、どうですか。

平成24年第一回都議会定例会
畔上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都内に避難している被災者支援について
1 応急仮設住宅の「入居から2年」という期限を延長することを居住者に早期にお知らせすることを求めるが、所見を伺う。

回答
都は、災害救助法に基づく応急仮設住宅として、都営住宅等の提供を行い、平成24年3月末現在、約5千4百人の避難者の方々を受け入れています。
受入期間については、国の通知及び被災県からの依頼に基づき、入居日から3年間としており、既に、全ての受入世帯にお知らせしています。

質問事項
一の2 避難生活が長期化するなかで、新たな問題も出てきている。こうした住宅要望にこたえることを求める。所見を伺う。

回答
都内に避難された方については、被災県の意見等を踏まえ、応急仮設住宅への受入れを行い、平成23年12月28日をもって受入相談の受付を終了しました。
受入れに当たっては、十分な期間を設け、随時の相談も受けるとともに、入居を希望される地域、高齢者の有無など世帯の状況や、個別の事情などに十分配慮しながら、都営住宅等による受入れを行って参りました。

質問事項
一の3 高速道路利用の無料化を継続するよう国に求めてはどうか。また、東京と福島を結ぶ無料バスを都が運行してはどうか。所見を伺う。

回答
高速道路の無料化についてですが、原発事故による避難者の支援として、平成24年4月1日から平成24年9月30日までの期間、被災時の居住地が福島第一原子力発電所の事故による国が定めた警戒区域、計画的避難区域または緊急時避難準備区域にあった方については、無料措置が適用されています。さらに、平成24年4月20日付けの国土交通省発表によると、平成24年4月28日より対象者及び対象インターチェンジの見直しが行われ、対象者については、居住地が特定避難勧奨地点の設定を受けた者が追加となり、また、対象インターチェンジについては、仮移転している町村役場の最寄りのインターチェンジが追加となりました。これらの見直し措置は、被災市町村や被災者等からの要望を受けて実施されたものであると聞いており、都として新たに無料措置を国に求める予定はありません。
また、無料バスの運行についてですが、現在、東京電力株式会社に対し、避難等対象者は、帰宅の際に自家用車や公共交通機関を使った場合の移動費用を請求することが可能となっています。都が東京と福島を結ぶ無料バスを運行する予定はありません。

質問事項
一の4 避難している人向けに、都が雇用の提供をはじめ就労支援をおこなうべきと考えるが、所見を伺う。

回答
都は、被災され都内に避難している方々に対し、被災求職者を優先的に雇用する震災等緊急雇用対応事業により、区市町村とも連携しつつ、臨時的な雇用の場の創出を図っています。
また、都内での就職を希望されている避難者の方の就職を支援する窓口を昨年8月から東京しごとセンターに開設し、就職に関する相談・助言から就職後の定着に至るまで一貫した支援を行うなど、就労支援に取り組んでいます。

質問事項
一の5 都営交通や都内交通の無料パスを被災者に支給すること、また子どもたちの急病などに対応できるようタクシー券等を提供することを求めるが、所見を伺う。

回答
都営交通や都内交通の無料パスについてですが、都内避難者で、70歳以上の高齢者及び障害者手帳等をお持ちの方を対象に、利用者負担なしに、都営交通の地下鉄、バス等を無料で何回でもご利用頂くことができる、都営交通優待一日乗車券を平成23年8月から交付しております。
また、子どもたちの急病等への対応についてですが、専門の救急隊による救急搬送サービスがあるほか、都内全避難世帯に対し、「医療機関案内サービスひまわり」の案内ダイヤルをはじめとする各種相談窓口の一覧表を郵送にて案内していることから、最寄の医療機関を受診することが可能であると考えており、都がタクシー券等を提供する予定はありません。

質問事項
一の6 きめ細かな情報提供を強めるとともに、都が補助金を支給している区市町村社協による孤立化防止事業を実施している自治体は都内で何か所か。都内全域で実施されるよう支援することを求めるが、所見を伺う。

回答
都は、都内避難者向けに、被災地の行政情報や都の支援情報を定期的に提供するほか、平成23年7月に福祉総合相談窓口を設置し、様々な相談に対応しています。
平成23年9月に開始した、都内避難者への戸別訪問や交流会の開催などを行う孤立化防止事業については、平成23年度末現在、15区市の社会福祉協議会で実施しており、このほか、区市町村も、避難者の受入状況に応じて、保健師や地域包括支援センター職員による戸別訪問など、独自に支援を行っています。

質問事項
一の7 被災者がいる東雲住宅の近くにある都立辰巳公園の一角などを、農園として活用することが切望されているが、都として被災者農園を早急に設置してはいかがか、所見を伺う。

回答
国家公務員宿舎東雲住宅に避難している避難者からの要望とのことですが、江東区においては、現在、近隣の公園などで土に触れることができる支援策を検討していると聞いています。

質問事項
一の8 父親が福島におり都内で母子で避難している方に対する相談体制の整備と支援が必要と考えるが所見を伺う。

回答
都は、平成23年7月に都内避難者を対象とした福祉総合相談窓口を設置し、広く周知を図りながら、様々な相談に対応しています。
また、母子のみで避難している方については、保育所や学校の決定など、二重生活における課題を抱えていることから、平成24年1月から3月まで、専門の窓口を設置し、相談支援を行っています。

質問事項
一の9 避難先の区市町村が住民に対して独自に実施している乳幼児医療費助成や小中学生の医療費助成を、避難している子供たちに実施した場合、国の財政措置を受けることができるようになった。都はこの制度を区市町村に周知していると言うが、都内自治体で実施している所はあるのか、伺う。

回答
都内に避難されている方のうち、医療費の窓口負担が免除の対象とならない方に対する乳幼児医療費助成や義務教育就学児医療費助成については、実施主体である各区市町村が判断し実施するものであり、その状況について都は区市町村から報告を求めていません。

質問事項
一の10 国の財政措置がせっかくできたのに活用されていないのは、対象者の把握の設定や、医療機関、審査支払機関、被災地の地元自治体との調整など、様々な課題があり、容易に実施できるものではないからである。そのことをどう認識しているのか伺う。

回答
現在、東日本大震災による被災者のうち、原子力発電所の事故に伴う警戒区域等の住民であるなど、一定の要件に該当する方については、医療費の窓口負担は免除されています。また、免除の対象とならない方であっても、償還払いにより住民票のある市町村が実施する医療費助成を受けることができる仕組みになっています。
都内に避難されている方のうち、医療費の窓口負担が免除の対象とならない方に対する乳幼児医療費助成や義務教育就学児医療費助成については、実施主体である各区市町村が判断し実施すべきものと考えます。

質問事項
一の11 都内区市町村が国の財政措置を活用した窓口無料化を踏み出すことができるよう、東京都として、医療機関、審査支払機関、被災地の地元自治体との調整に乗り出すことや、対象者の把握の設定について支援を行うよう求めるが、所見を伺う。

回答
都内に避難されている方のうち、医療費の窓口負担が免除の対象とならない方に対する乳幼児医療費助成や義務教育就学児医療費助成については、実施主体である各区市町村が判断し実施するものであり、都として調整や支援を行うことは考えていません。

質問事項
二 商店街支援の推進について
1 東京都は、商店街実態調査、商店街施策の説明会、支援事業の相談、各種支援事業などを通して、都内の商店街について実情を把握していることと思う。都として、現在の商店街の状況について、どのように認識しているか伺う。

回答
都内の商店街の状況については、今年3月に発表した「東京都産業振興基本戦略」(2011から2020)のなかで記したとおり、「近年、商店街の衰退が全国的に深刻な問題となっている。多くの商店街が、経営者の高齢化や後継者不足、消費者ニーズの多様化、大型店の進出、激化する低価格競争などの課題を抱え、厳しい経営環境に立たされている。一方、都内、特に区部においては、公共交通機関のネットワークが高度に発達しており、消費者の徒歩による買物行動が多く見られることから、にぎわいのある商店街が多数存在し、全国的に見ればけ有な地域といえる。」と認識しています。

質問事項
二の2 商店街振興連絡会の開催時期、区市町村への説明会の時期を早めて、新規事業や事業変更内容等の情報を早く提供すること。全国の先進的な取り組みの情報提供、区市町村、商店街と連携した情報・意見交換会を頻繁におこない、商店街・地元自治体の現状・要望をよく聞くこと。それぞれ提案するが、所見を伺う。

回答
都は、商店街振興施策の実施に当たっては、これまでも区市町村や商店街に対する情報提供に力を入れています。

質問事項
二の3 「新元気を出せ!商店街事業費補助金交付申請」の区から都への申請にあたり、申請時期が年度当初の4月に限られているという声があがっている。何故か伺う。

回答
「新・元気を出せ!商店街事業」の申請時期については、前年度に区市町村向けの事前説明会を実施し、区市町村が商店街と十分な検討を行う期間を設けた上で新年度の4月に受付を行っているものです。

質問事項
二の4 自己資金が捻出できずに支援事業の活用もできない商店街にたいして、自己負担がなくても受けられる支援事業をつくる必要があると思わないか。そういう時期になっているという認識はあるか、伺う。

回答
商店街は商業を営む商店の集合であり、これに対して自己負担を伴わない支援事業を作る考えはありません。

質問事項
二の5 立て替え払いの負担軽減について
ア 商店街の支援事業でも、交付金が下りるまで商店街が自己負担しなければならない問題を改善する仕組みを考えるよう提案するが、所見を伺う。

回答
地方自治体の支出について、地方自治法の規定では、金額が確定し、履行の確認後に支払を行うことを基本としています。
また、補助金の支出に当たって特例として前払いすると、提出書類が増加するなど商店街の事務手続の大きな負担になることから行う考えはありません。

質問事項
二の5のイ ある商店街では、街路灯の交換費用を用意するために、会長、役員等が個人で保証手続きをしているとのことである。商店街は、公共的要素が強いのだから、都としてこのような問題を解決する仕組みを考えたらどうか。所見を伺う。

回答
商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物できる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者の責任により行われるべきものと考えます。

質問事項
二の6 書類の作成などの負担の軽減について
ア 都として、商店街の実情に気持ちを寄せて、事務の合理化、簡素化と不正受給の防止の両立が、どうしたら図られるのか、真剣にその打開策の検討に入るべきではないか。都は、これまで、何か具体的に検討したことはあるのか。検討したことがあるというなら具体的に伺う。行政側だけで考えるのではなく、商店街、区市町村と連携して、よりよい方法を考えて、少しずつでも前にすすめたらどうか。所見を伺う。

回答
公金を支出する以上、適正な手続が求められます。
都は、これまでも必要最小限の資料の提出を求めた上で、書類の記入に当たってきめ細かくサポートするなど、十分な対応を行っています。

質問事項
二の6のイ 支援事業の手続きの実務作業を専門にして、困難な商店街に専門家を派遣する制度はつくれないか。所見を伺う。

回答
都は、これまでも必要最小限の資料の提出を求めた上で、書類の記入に当たってきめ細かくサポートするなど、十分な対応を行っています。
ご質問の制度を作る考えはありません。

質問事項
二の7 商店街、区市町村からも共通してあがり、各事業にも共通するものとして、商店街支援事業を複数年にまたがって活用できるようにする仕組みをつくるよう提案する。所見を伺う。

回答
地方自治法第208条で「会計年度及びその独立の原則」が規定されています。
商店街が取り組む事業については、会計制度にのっとり、それぞれ実施される年度において補助しているところから、年度をまたがる補助を行うことはできません。

質問事項
二の8 都は、現在の専門家派遣制度で十分だという認識は、商店街の要望とかけ離れたものだとは思わないか。自治体からも商業振興策を考えるうえで、専門家のサポートを要望している。都として、従来のように商店街の問題にきめ細かく、責任をもって、系統的に相談にのり、提言できる常勤の専門職を置くよう求める。所見を伺う。

回答
都は、これまでも専門家チームを商店街に派遣して、きめ細かなサポートを行っています。

質問事項
二の9 区市町村包括補助制度の創設について
ア 各区市町村が商店街振興プランの改定、新規作成をするための費用を、財政支援するよう求めるが所見を伺う。

回答
平成13年4月に都が発表した「区市町村商店街振興プラン策定に関する指針」では、区市町村の主体性を最大限尊重しており、プランの改定や新規作成は、区市町村が自らの責任において行うものです。

質問事項
二の9のイ 都として、各区市町村が行う商店街振興・活性化事業に対し、これまでの都の支援メニューにない商店街支援事業を行う場合でも支援できる、包括補助制度の創設が有効であると考えるが、所見を伺う。

回答
都は既に「新・元気を出せ!商店街事業」において、区市町村が策定した商店街振興プランに基づく、商店街の自主的・意欲的で多種多様な取組を支援しています。
区市町村に対する包括的な補助制度を新たに立ち上げることは考えていません。

質問事項
二の10 街路灯、LED化について
ア 商店街の街路灯について、その電気料金について、都も負担してほしいとの要望は、86%の商店街からあがっている。財政難の商店街も増えている。都は検討をすすめるべきではないか。所見を伺う。

回答
商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境の整備などのため、商店街自らが設置したものであり、都としては、その街路灯の電気代は、各設置者が負担すべきものと考えます。

質問事項
二の10のイ 東京都として、LED化を進めた各商店街にたいして最小契約電力料金を引き下げ制度を周知すること、LED化の普及にともない最小契約電力の引き下げることを、東京電力に申し入れたらどうか。所見を伺う。

回答
LED化により街路灯の使用電力が削減されることは、当該商店街も当然把握しているものです。契約電力の変更は、各設置者と東京電力との協議により行われるべきものと考えます。

質問事項
二の10のウ 都はLED化した商店街を把握しているわけであるから、東京電力の対応を待つのではなく、都として、このような制度を商店街に周知してはどうか。所見を伺う。

回答
LED化により街路灯の使用電力が削減されることは、当該商店街も当然把握しているものです。契約電力の変更は、各設置者と東京電力との協議により行われるべきものと考えます。

質問事項
二の10のエ 複数区にまたがっている商店街がLED化を進める場合は、商店街が各区との調整をするのは困難であるという声が上がっている。このような商店街については、都が把握できているわけであるから、地元商店街にまかせるのではなく、都としてそれぞれの区にたいして調整役を買って出るべきではないか。所見を伺う。

回答
商店街は地域に密着した存在であり、まず地元自治体と十分に調整を行って頂きたいと思います。

質問事項
二の10のオ 商店街街路灯のLED化支援事業について、老朽化した街路灯の支柱を含めて更新する際にLED化する場合の支援を、都は2013年度で終了すると告知していると、複数の区市町村が言っている。期間の延長を求める声が11自治体(21%)からでている。こうした声を重く受けとめるべきではないか。所見を伺う。

回答
都は、「環境対応型商店街活性化事業」により、商店街において、LEDや太陽光を活用した街路灯などを整備し、地球温暖化対策の必要性を地域社会にPRすることを支援しています。こうした環境問題については、都民のご理解とご協力を速やかに得ることが重要であり、同事業を短期間に集中して展開することでその効果を高めています。

質問事項
二の10のカ 商店街では、LED化については検討中、あるいは今後検討するとしているところもある。都内全商店街のLED化の実施状況について伺う。

回答
都は、「特定施策推進型商店街事業」により、平成18年度から平成22年度までに157件の街路灯等のLED化を支援しています。

質問事項
二の11 買い物弱者支援事業について
ア 買物弱者支援事業については、38%の自治体が、「事業プランの策定から事業実施まで資金面での複数年にわたる助成」など、財政面での具体的な支援を要望している。こうした声を、都としてどう受けとめるか伺う。

回答
「買物弱者支援モデル事業」では、買物弱者へのサポート事業として優れた成果を期待できる商店街の取組をモデルとして選び、地元の区市町村と協力して助成を行います。
この場合、区市町村の事業計画については、区市町村の負担において策定して頂くことになります。

質問事項
二の11のイ 買い物弱者支援事業は、福祉分野との連携によるマンパワーを活用した仕組みづくりを検討することも重要である。イニシャルコストだけでなく、ランニングコストに対する補助制度を検討すべきと考えるが、どうか。商店街が、サービス介助士の民間資格をもった人を養成し、商店街に来た高齢者の荷物を持ったり商品の詳細な説明をしたりして買い物を補助する。こうした取り組みをする場合について、支援したらどうか。所見を伺う。

回答
「買物弱者支援モデル事業」は、買物弱者へのサポート事業として優れた成果を期待できる商店街の意欲的な取組をモデルとして選び、地元の区市町村と協力して助成するものです。モデル事業の実施により課題を検証して参ります。
なお、人件費などの経常的経費は補助対象とはなりません。

質問事項
二の12 後継者対策問題、空き店舗対策について
ア 後継者難のなかで、商店街の機能を維持するための施策の要望を聞く際に、具体例として、「商店街機能を維持するために、事業承継を希望する経営者と、事業承継したい起業者をマッチングさせ、事業が軌道にのるまで、金融支援、経営相談、専門家を派遣する。協力できる貸店主にも生活支援事業を都として立ち上げるなど、どうですか。その他、ご提案はありませんか。」と尋ねたところ、12%の商店街が、積極的に受けとめて回答を寄せていた。都として検討してはどうか。所見を伺う。

回答
既に「新・元気を出せ!商店街事業」などを通じて、事業承継の取組を支援しています。

質問事項
二の12のイ 自治体として事業継承プランを策定しているところが5自治体ある。都としても、こうした動きを積極的に支援して行くことが必要だと考えるが、所見を伺う。

回答
平成13年4月に発表した区市町村商店街振興プラン策定に関する指針では、区市町村の主体性を最大限尊重しており、これまでも都は、区市町村のプランに基づいた商店街の取組に対して、支援を行っています。
なお、各区市町村においては、地域の特性を踏まえたプランを各々の責任において作成しているものと承知しています。

質問事項
二の13 大型店問題について
ア 都として、大規模店舗の無秩序な出店を規制する新たな法整備を国に求めるよう要望するが、所見を伺う。

回答
大規模店舗の出店については、大規模小売店舗立地法に基づき、設置者は周辺の生活環境に配慮し、維持運営を行うこととなっています。
都としても、法の趣旨を踏まえ、引き続き適切な運用に努めます。

質問事項
二の13のイ 大型店の出店について、出店事業者と住民団体、商店街、自治体とが、地域経済振興をめざし、事前説明会の実施、影響調査の実施、商店街への影響軽減策、商店街振興への協力などを、相互で取り決める「商店街振興協定」を結べるようなルールづくりをしてはどうか。大型商業施設の誘致になる売却、貸付は中止するよう求めるがどうか。小売商業調整法にもとづく中小業者からの申請について、地域経済振興の立場から活用できるように積極的に支援するよう求めるがどうか。所見を伺う。

回答(産業労働局)
大型店の出店については、大規模小売店舗立地法に基づき適正に対応していきます。また、小売商業調整特別措置法は、小売業の事業活動の機会の適正な確保等を目的として、中小小売商団体からの申出に、相当の理由があると認められるなどの場合には、都道府県知事が必要な調査等を行うこととなっています。都としては法の趣旨にのっとり適切に対処していきます。

回答(財務局)
都有地は都民から付託された貴重な財産であり、その財産価値を最大限に発揮させるとともに、都政の喫緊の課題解決に向け、利活用を推進していくことが重要です。
このため、行政用途が廃止された都有地の利活用については、まず、第一に、都の事業への活用可能性につき、庁内各局に照会し、活用希望がない場合には、地元区市町村に照会を行います。
地元の区市町村でも活用希望がない場合に、民間への貸付や売却について検討していきますが、その際、規模の大きな都有地については、地元区市町村とも十分協議を行っています。
今後とも、都有財産のより一層の利活用を推進していきます。

平成24年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  中村ひろし

質問事項
一 高齢者の生活と住まいについて

一 高齢者の生活と住まいについて
3月15日に東京都総務局が発表した「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」によると、平成24年1月1日のデータで、「総人口に占める65歳以上人口の割合は20.76%、調査開始以来過去最高を更新」となり、高齢社会がますます進展しています。ところが、人口割合だけではなく、住まい方の変化の中で、「一世帯当たり人員は1.99人、都全体で初めて2人を下回り調査開始以来過去最小」となったことは、一人暮らしが必ずしも高齢者とは限らないとはいえ、いわゆる独居高齢者の増加が推測されます。昨今では、報道でも「孤独死」が報じられるなど、高齢社会における問題は、とりわけ都会である東京都において深刻な問題になります。
高齢そのものは悪いことではないはずですが、寝たきりや介護のイメージからあまりよい受け止め方をされていません。本来、長寿は喜ばしいことであり、いつまでも元気で安心して暮らせることは良いことのはずです。住宅政策は生活そのものでもあり、所得階層に応じた多様で重層的な対応がより一層必要です。有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、ケア付き賃貸住宅、シルバー住宅などの充実が必要です。もちろん、施設の整備だけでなく、地域の支え合いのようなソフト面での施策も必要です。住宅政策と福祉政策のより連携が必要です。
以下、高齢社会における生活と住まいについて質問します。
1 世帯数が2人を下回ったことは、翌日の報道では知事も衝撃を受けたことが報じられています。この事実は、さまざまな観点から対応を考える必要はありますが、住宅政策の視点から、都としてどのような認識を持っているのか伺います。
2 民間賃貸住宅の入居者制限を行っている家主は全体の19.6%になるとの調査データがあります。これは、単身の高齢者だけでなく、高齢者のみ世帯の場合も不可になる場合があるようです。高齢者にとって賃貸住宅を探す際に大変苦労されるとの話も聞きます。こうした状況について、原因をどう認識し、どのように対応するのか所見を伺います。
3 東京都住宅政策マスタープランが改定される中で、「空き家を高齢者などの新しい住まい方である『共同居住(グループリビング)』用に改修する場合や、木造住宅密集地域内の従前居住者向けの移転先住宅として活用する場合に、改修費用の一部を助成するモデル事業を実施します。」との項目が記載されました。空き家の活用という側面からの事業のようですが、「共同居住(グループリビング)」という概念が盛り込まれたことは大きな意義があると考えます。
  「共同居住(グループリビング)」は、自立した住民が、プライバシーを尊重しあいながら、支え合い生活する暮らし方です。高齢社会において医療や介護等の公的負担が大きくなる中、施設ではなく、地域での孤立でもなく、自宅での生活に近い自立した生活を望む取り組みが各地で行われています。先駆けとして、神奈川県藤沢市の「COCO湘南台」があり、私も訪問しお話を伺いました。また、都内でも狛江市の「狛江共生の家・多麻」を見学しましたが、このように多くの実例ができています。
  平成24年度予算には、「民間住宅活用モデル事業等」として1億円が計上されました。その中で、「共同居住(グループリビング)」の事業の概要を伺います。
4 今回の事業では空き家の所有者と希望する高齢者のマッチングが大切だと考えます。とりわけ、各市区町村やNPO法人などの民間団体等の協力は必要不可欠になると考えます。どのように事業を進めるのか伺います。
5 今後、高齢社会において、さまざまな暮らし方がある中で、この「共同居住(グループリビング)」という住まい方についての都の認識、今後どのように対応していくのか伺います。

平成24年第一回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 高齢者の生活と住まいについて
1 世帯数が2人を下回ったことは、さまざまな観点から対応を考える必要はあるが、住宅政策の視点から、都としてどのような認識を持っているのか伺う。

回答
都民の家族構成、生活様式等は、大きく変化しており、世帯規模の縮小と同時に高齢化が進行し、高齢夫婦のみ世帯や高齢単身世帯が急速に増加していると認識しています。

質問事項
一の2 民間賃貸住宅の入居制限を行っている家主は19.6%になるとのデータがある。単身の高齢者だけでなく、高齢者のみの世帯も不可になる場合がある。こうした状況について、原因をどう認識し、どのように対応するのか所見を伺う。

回答
財団法人日本賃貸住宅管理協会が実施した調査によると、入居制限を行っている理由として「家賃の支払に対する不安」、「居室内での死亡事故等に対する不安」などがあります。
都はこれまでも、高齢者の入居を拒まない民間住宅の登録・情報提供、宅地建物取引業者を対象とした講習会の開催及びリーフレットの作成・配布を始めとした幅広い情報提供や啓発活動を実施しています。今後とも高齢者の居住安定確保に取り組んでいきます。

質問事項
一の3 平成24年度予算に「民間住宅活用モデル事業等」として1億円が計上された。その中で「共同居住(グループリビング)」の事業の概要を伺う。

回答
都は、平成24年度に国が創設する民間賃貸住宅に対する改修助成事業を活用し、空き家を共同居住用等に改修する場合に、国による補助に加えて、その費用の3分の1、1戸当たり上限100万円の助成を行うモデル事業を実施します。

質問事項
一の4 空き家の所有者と希望する高齢者のマッチングが大切だと考える。とりわけ、区市町村やNPO法人などの民間団体等の協力は必要不可欠になる。どのように事業を進めるのか伺う。

回答
住宅マスタープランにおいて、空き家を高齢者などの新しい住まい方であるグループリビング用に改修する場合に、改修費用の一部を助成するモデル事業を示しています。
事業の実施に当たっては、広く提案を募り、モデル事業にふさわしい取組を選定します。

質問事項
一の5 今後、高齢社会において、さまざまな暮らし方がある中で、この「共同居住(グループリビング)」という住まい方についての都の認識、今後どのように対応していくのか伺う。

回答
共同居住は、高齢者にとっての安心できる暮らしの実現を始め、都民の多様なニーズに応じた、東京における新たな居住形態の一つであると認識しています。
モデル事業を実施し、その取組を都民、事業者へ紹介していきます。

平成24年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  大島よしえ

質問事項
一 防災対策について

一 防災対策について
東日本大震災の教訓等を踏まえ、今後の東京の防災対策の方向性と具体的取組を示す地域防災計画の見直しが、東京都防災会議の中で進められています。この防災会議の中では「被害想定」案を策定するために設置された地震部会が、東日本大震災の実態等を踏まえ、「首都直下地震による東京の被害想定」の見直しを行っています。被害想定は4月にも出され、東京都地域防災計画の修正も今年8月ごろには出されると聞いています。
こうした被害想定や、東京都の地域防災計画を踏まえ、区市町村でもそれぞれの地域防災計画を見直して新たな対策をつくる準備が進められています。
1 2006年に作成されたマグニチュード7.3の東京湾北部地震の被害想定では、約399万人の避難者が発生するとしています。今後の見直しで震度7の揺れを想定すると、避難者発生数はより多くなると考えられます。
  足立区では、第1次避難所として区立小中学校、都立高校、私立学校が指定されていますが、現在の被害想定のもとでの避難者発生予測人数30万人に対して、収容可能人数が15万人程度です。これでは避難所の外に避難者があふれてしまいます。東京都は現在の被害想定のもとでも発生避難者数に対して、避難所の収容人数が不足するという現状を、どう把握しているのか伺います。また、こうした第1次避難所の収容人数の不足を補う避難所確保策について、どのように検討しているのか伺います。
2 都の被害想定では、447万人余の帰宅困難者が発生するとしています。帰宅困難者対策として、東京都では、徒歩による帰宅支援の一環として、全都立学校及び東京武道館を「帰宅支援ステーション」として位置付け、災害時に水道の水、施設内のトイレ及びテレビ、ラジオ等の情報の提供を行うこととしています。
  東日本大震災当日は、足立区内でも各鉄道車両の停車などにより、北千住駅をはじめ、駅前に多くの帰宅困難者によるいわゆる「駅前滞留」が起こりました。足立区でも一次避難所などを開放し、休憩場所として提供しましたが、都心からの帰路には多くの徒歩帰宅者が集中し、食料・水・トイレなどの不足が教訓になりました。
  大災害の発生時には、一次避難所として使用できる施設の不足とともに、支援物資の調達が問題になります。帰宅困難者と地域住民両方に支援対策を講ずる必要がありますが、施設に収容しきれない状況が予想されます。都としてどのように受け入れ、対応しようとしているのか伺います。
3 障害者や、要介護高齢者など災害時要援護者用避難所(第2次避難所)を設けることも必要になります。都の被害想定では、自力脱出困難者は2万2713人と予測していますが、こうした中で、第2次避難所に収容すべき人数は何人と予測しているのですか。また、特養ホームや障害者施設なども第2次避難所として指定されていますが、こうした施設では通常の利用者以上の収容は体制も十分とれず困難も多いということです。今後、第2次避難所をどのように整備していくのか伺います。
4 避難所へ避難する前に、近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場として安全が確保されるスペースを有する学校のグラウンド、神社・仏閣の境内等がいっとき避難場所として指定されています。
  足立区内にある舎人公園、東綾瀬公園、中川公園の3つの都立公園も、いっとき避難場所となっています。都立公園には、総合公園、運動公園、特殊公園、緑地など様々な種別がありますが、種別によって、防災機能の整備に違いがあるのか伺います。
5 足立区内の3つの都立公園に整備されている防災施設の設置状況が、それぞれ違います。舎人公園では非常用トイレは52基、防災用照明や応急給水槽は設置されていますが、かまどベンチや、備蓄倉庫はありません。東綾瀬公園には、応急給水槽も防火用貯水槽もないのです。中川公園には入口表示灯3基と防災用照明11基しかありません。このように公園によって設置物が異なることについて、防災施設の基準をどのように位置づけて配置しているのか、また、その根拠は何ですか。
6 都立公園では、震災対策として避難場所の確保、防災拠点の整備、震災対策への寄与が求められていますが、今後の具体的な整備目標と達成年次についてどう検討しているのですか。また、こうした公園は、いっとき避難場所として整備するということですが、第一次避難所の不足を補うことも考え、避難所の設置もできるよう備蓄倉庫なども含め、防災施設としての強化・拡充を図るべきと思いますが、都の見解をうかがいます。
7 東京湾北部を震源地にM7.3の地震が発生すると、都内のエレベーター約14.5万台のうち約9200台で閉じ込めが発生すると想定されています。東日本大震災の際に、都内で発生した民間建築物のエレベーターの閉じ込め事故は、エレベーター事業者の大部分が会員となっている社団法人日本エレベーター協会の3月12日時点の調査によれば、84件とのことです。民間建築物におけるエレベーターの地震対策としては、P波感知型地震時管制運転装置などの設置が必要です。この装置の設置は、2009年度以降「建築基準法施行令」で義務づけられているため、それ以前のエレベーターについては設置されていないことが推定されるので、都は、既存エレベーターにおける地震時管制運転装置などの設置状況の調査を行うとともに、今回の地震による閉じ込め事故の実態を把握するとのことでした。設置状況調査の結果と実態把握の結果についてうかがいます。
8 これらの調査結果などを活用して、建築物の所有者に対して具体的な改善事例などを周知し、エレベーターの閉じ込め防止対策に取り組むように促すということですが、こうした対策への助成を検討すべきと考えます。どうですか。
9 東京都は、「木密地域不燃化10年プロジェクト」の実施方針を示しました。この中で延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路の整備に取り組むと言いますが、地域住民の合意なくして強行することは許されません。地域コミュニティを大事にし、住民追い出しにならないように、希望する従前居住者が住み続けることができるように、都が従前居住者用住宅として、木造密集地域に新たに都営住宅を建設することを検討すべきと思いますが、見解をうかがいます。

平成24年第一回都議会定例会
大島よしえ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 防災対策について
1 都は現在の被害想定のもとでも発生避難者数に対して避難所の収容人数が不足するという現状をどう把握しているのか伺う。また、こうした第1次避難所の収容人数の不足を補う避難所確保策について、どのように検討しているのか伺う。

回答
避難所については、東京都地域防災計画において、設置者である区市町村が確保することとなっています。区域内で不足する場合には、各区市町村が、他の自治体との相互応援など多様な取組により被災者の受入先を確保するほか、都としても必要な支援を行うこととしています。
なお、島しょを除く都内全域でみると、平成18年5月の被害想定における避難所生活者数は約260万人ですが、平成22年4月現在、避難所の最大収容人員数は約395万人となっており、避難所生活者数を上回っています。

質問事項
一の2 大災害の発生時には、一次避難所として使用できる施設の不足とともに、支援物資の調達が問題になる。帰宅困難者と地域住民両方に支援対策を講ずる必要があるが、施設に収容しきれない状況が予想される。都としてどのように受け入れ、対応しようとしているのか伺う。

回答
帰宅困難者への対応については、「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」において、国、地方公共団体、民間企業が相互に連携・協働して、帰宅困難時に待機する場所がない人への一時滞在施設の確保や、徒歩帰宅者のための災害時帰宅支援ステーションの拡充など、様々な課題について検討を行っています。今後、都では、この協議会での議論も踏まえ、平成24年3月に公布された東京都帰宅困難者対策条例に基づき、実施計画の策定を進めていくこととしています。

質問事項
一の3 障害者や、要介護高齢者など災害時要援護者用避難所(第2次避難所)を設けることも必要になる。都の被害想定の中で、第2次避難所に収容すべき人数は何人と予測しているのか。また、特養ホームや障害者施設なども第2次避難所として指定されているが、こうした施設では通常の利用者以上の収容は体制も十分とれず困難も多いということである。今後、第2次避難所をどのように整備していくのか伺う。

回答
二次避難所に収容すべき災害時要援護者数は、現在の被害想定の中では算定していませんが、災害時要援護者については、区市町村において、要援護者名簿等への登録を希望した方や同意をした方などを把握しています。
また、東京都地域防災計画では、区市町村において、二次避難所を確保・運営することとしていますが、都においても、発災時の状況に応じ、都立施設の二次避難所としての活用を調整するなど必要な支援を行うこととしています。

質問事項
一の4 避難所へ避難する前に、近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場として学校のグラウンド、神社・仏閣の境内等がいっとき避難場所として指定されている。舎人公園、東綾瀬公園、中川公園の3つの都立公園もいっとき避難場所となっている。都立公園には、総合公園、運動公園、特殊公園、緑地など様々な種別があるが、種別によって、防災機能の整備に違いがあるのか伺う。

回答
都市公園の種別は、都市公園法に規定されており、この種別毎に配置及び規模の基準が定められています。
一方、建設局が所管する都立公園80公園のうち60公園は、大規模救出・救助活動拠点、ヘリコプター活動拠点候補地等の救援活動拠点として、あるいは避難場所として、地域防災計画において位置付けられており、その役割を果たすことが求められています。
これらの防災公園としての整備は、都市公園の種別によるものではなく、災害時にそれぞれの公園が果たすべき機能を発揮できるよう進めています。

質問事項
一の5 足立区内の3つの都立公園に整備されている防災施設の設置状況が、それぞれ違う。公園によって設置物が異なることについて、防災施設の基準をどのように位置づけて配置しているのか。また、その根拠は何か伺う。

回答
都立公園の防災公園整備においては、それぞれの公園が災害時に果たす役割に応じて、防災施設の整備を進めています。
例えば、大規模救出・救助活動拠点となる公園では、救援活動のための大型車両の進入を可能とする入口の改修や園路舗装の強化等を、ヘリコプターの活動拠点となる公園では、ヘリポートとなる広場や車両アクセスの整備等を実施しています。
避難場所となる公園では、主要な入口に夜間の停電時にも避難者を誘導する入口表示灯を、園路に段差がある箇所等の注意箇所には防災用照明を設置しています。
また、水道の供給が止まっても使用できる防災トイレは、避難想定人口等から、その必要数を整備しています。
なお、備蓄倉庫については、地元区市町村からの要望により、設置を許可しています。

質問事項
一の6 都立公園では、震災対策として避難場所の確保、防災拠点の整備、震災対策への寄与が求められているが、今後の具体的な整備目標と達成年次についてどう検討しているのか。また、こうした公園は、いっとき避難場所として整備するということだが、第一次避難所の不足を補うことも考え、避難所の設置もできるよう備蓄倉庫なども含め、防災施設としての強化・拡充を図るべきと思うが、都の見解をうかがう。

回答
建設局が所管する都立公園80公園のうち、防災活動拠点や避難場所等に位置付けられている60公園において、防災トイレやソーラー式公園灯の設置、主要園路の拡幅など、防災公園としての整備を進めてきています。
引き続き、着実に防災機能の充実のための整備を進め、「文化の森」再生事業に併せてこれらの整備を行っている上野恩賜公園を除き、平成25年度には、全ての公園で防災公園の整備が完了します。

質問事項
一の7 民間建築物におけるエレベーターについて、P波感知型地震時管制運転装置の設置状況調査と、今回の地震による閉じ込めの実態把握の結果について伺う。

回答
東日本大震災を受け、都が実施した調査では、都内の民間建築物のエレベーター総数は約14万3千台であり、そのうち、約3割の4万8千台にP波感知型地震時管制運転装置が設置されていました。
また、東日本大震災によるエレベーターの閉じ込めは、メーカーの調査によると、都内で65件発生しています。

質問事項
一の8 エレベーターの閉じ込め防止対策について、助成を検討すべきと考えるが、所見を伺う。

回答
エレベーターについては、建物の所有者等が、その安全性を確保することが基本であり、閉じ込め防止対策に助成を行う考えはありません。

質問事項
一の9 東京都は「木密地域不燃化10年プロジェクト」の実施方針を示した。この中で延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路の整備に取り組むというが、地域住民の合意なくして強行することは許されない。地域コミュニティを大事にし、住民追い出しにならないように、希望する従前居住者が住み続けることができるように、都が従前居住者用住宅として、木造密集地域に新たに都営住宅を建設することを検討すべきと思うが、所見を伺う。

回答
「木密地域不燃化10年プロジェクト」においては、延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路を対象に特定整備路線を指定し、関係権利者に対し、生活再建等のための特別の支援策を実施していきます。
これまで都は、従前居住者の受皿となる共同住宅を建設する地元区に対し、費用の補助を行ってきました。今後とも、こうした必要な支援を行っていきます。
なお、従前居住者用住宅として新規に都営住宅を建設することは考えていません。

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