平成二十四年東京都議会会議録第五号

平成二十四年三月八日(木曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番桜井 浩之君
五番山崎 一輝君
六番野田かずさ君
七番福士 敬子君
八番土屋たかゆき君
九番相川  博君
十番山内れい子君
十一番関口 太一君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番松葉多美子君
十九番伊藤 興一君
二十番鈴木 章浩君
二十一番菅  東一君
二十二番きたしろ勝彦君
二十三番早坂 義弘君
二十四番高木 けい君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番高倉 良生君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番遠藤  守君
四十一番高橋 信博君
四十二番中屋 文孝君
四十三番村上 英子君
四十四番矢島 千秋君
四十五番高橋かずみ君
四十六番山加 朱美君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番大松あきら君
六十番中山 信行君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山田 忠昭君
六十五番林田  武君
六十六番小宮あんり君
六十七番吉住 健一君
六十八番神林  茂君
六十九番野島 善司君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番西岡真一郎君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番野上ゆきえ君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番田中たけし君
九十番宇田川聡史君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十五番吉田康一郎君
九十六番斉藤あつし君
九十七番泉谷つよし君
九十八番くまき美奈子君
九十九番大西さとる君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番吉原  修君
百十二番鈴木あきまさ君
百十三番宮崎  章君
百十四番川井しげお君
百十五番三宅 茂樹君
百十六番吉野 利明君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番増子 博樹君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 なし
 欠員
 四十番 九十四番 百四番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長笠井 謙一君
財務局長安藤 立美君
警視総監樋口 建史君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長井澤 勇治君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長松田 芳和君
消防総監北村 吉男君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長加藤 英夫君
監査事務局長塚本 直之君
収用委員会事務局長細野 友希君

三月八日議事日程第五号
委員会審査報告
第一 第百二十三号議案
  環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十三 一─環二新大橋工区)請負契約
第二 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第三 第百三十一号議案
  平成二十三年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第四 第百十八号議案
  都立小岩高等学校(二十三)改修及び改築工事請負契約
第五 第百十九号議案
  都立板橋看護専門学校(二十三)改築工事請負契約
第六 第百二十号議案
  都立鷺宮高等学校(二十三)改築及び改修工事請負契約
第七 第百二十一号議案
  都営住宅二十三H─一〇七東(葛飾区高砂四丁目)工事請負契約
第八 第百二十二号議案
  都営住宅二十三H─一〇四西(世田谷区下馬二丁目)工事請負契約
第九 第百三十二号議案
  平成二十三年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第十 第五十三号議案
  東京都高等学校等生徒修学支援基金条例の一部を改正する条例
第十一 第七十二号議案
  東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十二 第七十三号議案
  東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第十三 第七十四号議案
  東京都妊婦健康診査支援基金条例の一部を改正する条例
第十四 第七十五号議案
  東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十五 第七十六号議案
  東京都子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十六 第百号議案
  東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十七 第百二十八号議案
  平成二十三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について

議事日程第五号追加の一第一 議員提出議案第一号 東京都がん対策推進条例

   午後一時開議

〇議長(中村明彦君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) この際、申し上げます。
 昨年三月十一日の東日本大震災の発生から間もなく一年を迎えようといたしております。
 ここに改めて亡くなられた方々のご冥福を祈るため、黙祷をささげたいと存じます。

〇議会局長(三橋昇君) 全員ご起立願います。
   〔全員起立〕

〇議会局長(三橋昇君) 黙祷をお願いいたします。
   〔黙祷〕

〇議会局長(三橋昇君) 黙祷を終わります。ご着席願います。

〇議長(中村明彦君) 初めに、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都がん対策推進条例が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

〇議長(中村明彦君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十七まで、第百二十三号議案、環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十三 一─環二新大橋工区)請負契約外議案十六件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   財政委員会議案審査報告書
 第百二十三号議案
  環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十三 一─環二新大橋工区)請負契約
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月六日
財政委員長 鈴木 章浩
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─総務委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
総務委員長 吉倉 正美
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   繰越明許費
   都債 財政委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月六日
財政委員長 鈴木 章浩
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   文教委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─文教委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
文教委員長 今村 るか
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─都市整備委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
都市整備委員長 泉谷つよし
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出
   債務負担行為 厚生委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
厚生委員長 松下 玲子
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出
   債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
経済・港湾委員長 伊藤まさき
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出
   繰越明許費 環境・建設委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定
したので報告します。
  平成二十四年三月五日
環境・建設委員長 上野 和彦
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   警察・消防委員会議案審査報告書
 第百三十号議案
  平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─警察・消防委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月六日
警察・消防委員長 菅  東一
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十一号議案
  平成二十三年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
総務委員長 吉倉 正美
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百十八号議案
  都立小岩高等学校(二十三)改修及び改築工事請負契約
 第百十九号議案
  都立板橋看護専門学校(二十三)改築工事請負契約
 第百二十号議案
  都立鷺宮高等学校(二十三)改築及び改修工事請負契約
 第百二十一号議案
  都営住宅二十三H─一〇七東(葛飾区高砂四丁目)工事請負契約
 第百二十二号議案
  都営住宅二十三H─一〇四西(世田谷区下馬二丁目)工事請負契約
 第百三十二号議案
  平成二十三年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月六日
財政委員長 鈴木 章浩
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   文教委員会議案審査報告書
 第五十三号議案
  東京都高等学校等生徒修学支援基金条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
文教委員長 今村 るか
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第七十二号議案
  東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
 第七十三号議案
  東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
 第七十四号議案
  東京都妊婦健康診査支援基金条例の一部を改正する条例
 第七十五号議案
  東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例
 第七十六号議案
  東京都子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
厚生委員長 松下 玲子
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百号議案
  東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
経済・港湾委員長 伊藤まさき
 東京都議会議長 中村 明彦殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百二十八号議案
  平成二十三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十四年三月五日
環境・建設委員長 上野 和彦
 東京都議会議長 中村 明彦殿

〇議長(中村明彦君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 十五番畔上三和子さん。
   〔十五番畔上三和子君登壇〕

〇十五番(畔上三和子君) 討論に先立ち、間もなく一年となります東日本大震災の犠牲となられた方々に対し、改めて哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 我が党は、引き続き被災地の復興と被災者支援に全力を尽くす決意でございます。
 それでは、日本共産党都議団を代表して、第百二十三号議案、環二地下トンネル(仮称)築造工事請負契約に反対の立場から討論を行います。
 まず、第百二十三号議案についてです。
 今回の地下トンネル工事は、都の骨格幹線道路の位置づけで、十四キロメートルに及ぶ環状二号線道路建設工事の新大橋工区の工事請負契約です。そもそもこの路線は、市街地再開発事業で進める新橋─虎ノ門間の地下トンネルと、汐留から臨海地域を結ぶ道路の結節点に当たる、築地市場内を貫通する道路建設です。
 このため、現在営業中の築地市場の桟橋の一部では、市場関係者が隅田川橋梁の下部工事に反対しています。しかも、豊洲新市場予定地は、液状化や土壌汚染問題などの大問題が解決されていないにもかかわらず、市場移転を前提に工事を進めるものです。
 以上の理由から、我が党は、今回の新大橋工区地下トンネル工事請負契約に反対をするものです。
 今回の最終補正予算は、税収減による一般財源の減収分を補てんするための減収補てん債を発行することや、主には既定予算の執行状況を精査し、現時点での不用額を減額するものであり、賛成でき得るものです。
 しかしながら、厳しい現下の雇用情勢や社会保障の切り下げの中で、都民の雇用と暮らしを守る施策の充実に全力を尽くすことが求められています。また、いつ起きてもおかしくない大地震や見えない放射能への不安、さらには、都内に避難されていらっしゃる被災者の方々の困難と、先の見えない苦しみが頂点に達しており、こうした不安や痛みに寄り添う都の施策の具体化は緊急の課題となっています。
 限られた財政の中で、高速道路や港湾施設建設の従来型の景気対策ではなく、都民の仕事と暮らしの安心を築いていくことで、真に持続可能な経済社会をつくる新しい都政に転換することを強く求めるものであり、我が党はこの立場で来年度予算審議に臨むものです。
 最後に、一言申し上げます。
 我が党が代表質問で、石原知事の都政運営について、事実に基づいて批判し、具体的対案を示して質問したことに対し、知事は我が党を誹謗中傷する発言を繰り返しました。しかも、知事に対する再質問に対しても、相変わらず答弁に立つことさえされませんでした。こうした態度は、知事としての資質、品性が問われる、許されざるものといわざるを得ません。住民を代表する議会に真摯に向き合い、まじめな政策論争を行うよう強く求めたいと思います。
 そのことを申し上げ、討論を終わります。(拍手)

〇議長(中村明彦君) 五十二番山下ようこさん。
   〔五十二番山下ようこ君登壇〕

〇五十二番(山下ようこ君) 私は、都議会民主党を代表して、第百三十号議案、平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)外知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、第百三十号議案について述べます。
 東日本大震災から一年が経過しますが、福島原発事故の長期化などに伴い、東京都内に避難している方は、東京都のまとめによりますと、今なお九千人以上いらっしゃいます。都においては、今後も長期滞在化する都内避難者への雇用も含めた生活支援を続け、避難者の皆さんのあすへの希望が失われることのないよう、努めなければなりません。
 この予算案では、国から交付された特別交付税が計上されています。特別交付税はこれまで、都の普通交付税算定上の財源超過額を理由に、交付されたことはありません。しかし、東日本大震災の被害の甚大さから、被災者支援に充当される被災者生活再建支援基金が底をつき、各都道府県が追加拠出することになったため、国が都の追加拠出分も含めて全額を措置することにしたものです。未曾有の国難である大震災に対して、国の総力を挙げて復旧、復興に取り組む姿勢を示しています。
 次に、第五十三号議案、東京都高等学校等生徒修学支援基金条例の一部を改正する条例について述べます。
 平成二十年のリーマンショック以降、経済的理由によって修学困難となる高校生等の急増が見込まれることから、平成二十一年度から修学支援のための基金事業が実施されてきました。しかし、いまだ日本経済の回復が見られないことから、政府の第三次補正予算に基づく基金の積み立てにより、平成二十七年度まで三年間延長することになりました。
 また、今年度から、本基金事業の中に東日本大震災で被災した世帯の児童生徒に対する就学支援も追加されましたが、同様に、今年度末限りだったものが三年間延長されることになりました。子どもたちを経済的な要因で修学困難としないためにも必要な措置であると考えます。
 次に、第七十六号議案、東京都子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例の一部を改正する条例について述べます。
 本案は、医療施設耐震化、安心こども基金、障害者自立支援法等と同じく、国における二十三年度の追加交付を受け入れる補正予算とともに、条例の有効期限の延長を行うものです。子宮頸がんは他のがんとは異なり、HPVウイルスの感染を予防することで発症を防ぐことができるがんといわれています。また、若年層に多く、近年、二十歳から二十九歳で急激に罹患率、死亡率が増加しているため、正しい知識のもとでしっかりと接種が進められなければなりません。
 接種の対象は中学生ぐらいの年齢ですので、二種類あるワクチンの違いや、ワクチンはあくまでも発がん性HPVウイルスの感染予防のためのものであり、がんの治療薬や、既に感染したHPVウイルスを排除する薬ではないこと、そして副作用があることなどについてもわかりやすい情報提供が必要です。
 また、ワクチンですべての子宮頸がんを防げるわけではないとのことですから、ワクチンに加えて、二十を過ぎたら一、二年に一度は子宮頸がんの検診を受けるという普及啓発も非常に重要であり、あわせて都としての取り組みを求めます。
 次に、第百号議案、東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例について述べます。
 今回の改正案は、国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金事業が平成二十五年度まで延長されたことに伴うものです。基金の積み増しや事業実施期間を延長することで、全国各地での避難が続く東日本大震災の被災者に対し、雇用の場を確保し、生活の安定を図ることを目的としており、東京都としてもその目的が果たせるよう着実に取り組んでいく必要があります。
 今回の補正予算と条例改正によって、事業規模の拡大と事業実施期間の延長が図られることになり、加えて、被災者については、一年以内としている雇用期間についても、複数回更新が可能となります。これらを踏まえ、被災者も正規社員化が推進されるよう、有効なスキームを検討し、雇用の場を着実に確保していくことを強く求めます。
 以上で、都議会民主党を代表しての討論を終わります。(拍手)

〇議長(中村明彦君) 六十六番小宮あんりさん。
   〔六十六番小宮あんり君登壇〕

〇六十六番(小宮あんり君) 東日本大震災より、間もなく一年が経過いたします。
 お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、一日も早い復興を願ってやみません。
 それでは、討論に入ります。
 都議会自由民主党を代表して、第百三十号議案、平成二十三年度一般会計補正予算(第二号)を初め、本日の本会議において議決する全議案に賛成の立場から討論を行います。
 東日本大震災に加え、海外経済の減速や歴史的な円高などの影響から、雇用環境の改善や企業収益の回復がおくれており、今年度の都税収入は、当初予算から八百七十六億円下回る見込みとなっております。今回の補正予算では、こうした税収減に対応すると同時に、今後のさらなる経済変動に備え、基金の取り崩しを縮減することが課題でありました。
 そのため、都は、都民サービスに影響を与えないことを前提に、歳入歳出の両面にわたり徹底的な精査を行うとともに、これまで培ってきた都債の発行余力の範囲内で減収補てん債を発行しています。基金と都債の発行のバランスをとることで、将来に向けて安定的な財政基盤を堅持していこうという姿勢は、我が党としても理解を示すものです。
 また、緊急雇用創出事業臨時特例交付金を初め、国の補正予算を踏まえて拡充される各基金に積み立てを行うとともに、本年度中に実施可能なものについては基金の一部を取り崩して事業化するなど、都民生活に密接にかかわる事項には適切に予算措置を講じています。
 このほかにも、第百十九号議案の都立板橋看護専門学校改築工事請負契約など、主要施設十カ年維持更新計画に基づき、計画的に老朽化施設の更新を行うものや、第百二十三号議案の環二地下トンネル築造工事請負契約など、東京の都市機能を向上させていくための契約案が提案されております。
 国は確固たる理念もなく、公共事業を削減し続けていますが、現下の厳しい景気状況を踏まえればこそ、新たな需要を創出し、経済への波及効果も高い公共事業に積極的に取り組むべきです。その点、今回の契約案は、いずれも都民の安心・安全を取り戻し、東京をさらなる成長と発展の軌道に乗せるために必要な事業であり、着実に推進していくことを求めます。
 本定例会も、本日の中途議決の後、予算特別委員会で平成二十四年度予算の審議が本格的に始まります。
 我々都議会自由民主党は、責任政党として、正々堂々と物事の本筋をとらえた議論を展開し、都民生活の安心・安全を実現するという政治の責任を果たすために、果断に行動していく決意であることを申し上げ、討論を終わります。(拍手)

〇議長(中村明彦君) 一番小林健二君。
   〔一番小林健二君登壇〕

〇一番(小林健二君) 都議会公明党を代表し、平成二十三年度一般会計補正予算を初め、本日の中途議決の全議案に賛成する立場から討論をさせていただきます。
 まず、第百三十号議案、一般会計補正予算(第二号)について申し上げます。
 本案は、厳しい財政環境が続く中、都税の減収に対応するとともに、歳出予算の精査により基金残高確保を図るものであります。また、国の補正予算などに関連して必要な対応を行うものであります。
 歳入面では、これまで培ってきた都債の発行余力を活用し、減収補てん債を発行するとともに、歳出面では、都民サービスに影響を及ぼさないことを前提として、不用額の精査を行い、基金の取り崩し額を縮減しています。
 今回の都の対応は、都民にとって必要な施策の着実な実施と中長期的な視点に立った堅実な財政運営を両立するという、これまでの都の財政運営の基本スタンスに沿ったものであると評価いたします。
 次に、国の予算に関連する予算案及び条例案について申し上げます。
 昨年十二月に都が公表した周産期母子医療センター等における妊婦健康診査の未受診妊婦の調査結果では、周産期搬送コーディネーターによる搬送調整事例のうち、約四割が妊婦健康診査未受診の妊婦で、四人に一人が低出生体重児であったことなどが明らかとなりました。また、未受診の理由を把握できた方の半数が経済的理由を挙げていました。
 このような中、公明党の強い主張により、先月成立した国の第四次補正予算に、必要な回数の妊婦健診を可能とする妊婦健康診査支援基金の一年延長が盛り込まれました。
 都は、この基金を活用し、区市町村と連携し、引き続き妊婦の健康管理の重要性について普及啓発に努めるなど、妊婦健康診査の受診促進を図るよう求めます。
 同様に、これも公明党が粘り強く主張してきた子宮頸がん等のワクチン接種を支援するための基金についても、一年延長されることとなり、多くの関係者が喜んでいます。
 しかし、どちらの基金も、そもそも補正予算のたびに延長するのではなく、本来安定した制度として確立すべきものであります。
 民主党政府は、医療、福祉に限らず、復興支援、景気対策と場当たり的な施策に終始しています。真に国民のための長期展望を描いて施策を推進するよう、強く求めたいと思います。
 このほか、今回拡充される各種基金は、雇用対策や子育て、障害者施策など、いずれも喫緊の課題に対応するためのものであります。
 都は、課題解決に向けて、今回積み増した基金を適切に活用し、早急に事業化を図るよう強く要望いたします。
 間もなく東日本大震災より満一年を迎えます。国の対応が遅々として進まず、国政への不信感が増大している中、被災地復興を初め日本のかなめとなる首都東京の果たすべき使命はまことに重要であります。
 都議会公明党は、これからも現場の声に真摯に耳を傾け、その声を形にし、都民与党として政策の実現に向け全力で取り組んでいくことをお誓いし、討論を終わります。(拍手)

〇議長(中村明彦君) 以上をもって討論を終了いたします。

〇議長(中村明彦君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一、第百二十三号議案、環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十三 一─環二新大橋工区)請負契約を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(中村明彦君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) 次に、日程第二から第十七まで、第百三十号議案、平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第二号)外議案十五件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、議員提出議案第一号、東京都がん対策推進条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号については、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託することに決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 明九日から二十八日まで二十日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、明九日から二十八日まで二十日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は三月二十九日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時二十五分散会

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