平成二十四年東京都議会会議録第四号

〇副議長(ともとし春久君) 四十七番西崎光子さん。
   〔四十七番西崎光子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇四十七番(西崎光子君) まず初めに、地球温暖化対策について伺います。
 知事の所信表明でも触れられておりましたが、CO2削減に向けた世界の枠組みを決める国際会議COP17が、昨年末、南アフリカで開催されました。しかしその結論は、削減に向けた枠組みづくりを、及びその実行を大幅に先送りするというものです。COP17における国際的な枠組みづくりそのものは、EU諸国の奮闘によって、どうにか破綻を避けることができましたが、このような結果となったことは、地球温暖化に対する危機感が薄れてきたような気がしてなりません。
 地球温暖化対策を怠ることは、将来に禍根を残すことです。CO2を確実に削減し、地球温暖化の危機を回避していくことには、強い決意を持って、地球温暖化対策を貫徹していくことが不可欠と考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、エネルギー対策についてです。
 三・一一の地震や原発事故をきっかけに、現在、原子力発電所のほとんどが稼働を停止しています。電気を使う側が省エネに取り組むことはもとより、電気をつくることについても、太陽光や風力など、再生可能エネルギー、自然エネルギーの促進やスマートシティの実現に向けた取り組みが今後期待されます。
 こうした状況の中、東京都は、電力の安定供給に直接貢献するインフラ整備のための官民連携のファンドの創設を発表しました。このファンドは、民間資金の呼び水として、都が出資をし、総額数百億円のファンドを創設、民間金融機関の融資などと合わせて一千億円規模の事業費を目指すものと聞いておりますが、官民連携インフラファンドを東京都が創設する意義について伺います。
 ファンドの主な投資先は、首都圏を中心に十から三十万キロワット級の発電事業に集中投資するほか、再生可能エネルギー事業や、首都圏以外の事業も対象とのことです。都内の電力の安定供給のためには、どの程度の発電が必要であり、このファンドでどのくらいを見込むのか。また、官民連携インフラファンドの想定する規模の出資が集まるのかなど、市場調査等を踏まえて、発電事業のニーズをきちんと把握することが必要です。投資を始めるに当たり、発電事業の見通しをどうとらえているのか伺います。
 このファンド創設に当たり、都は予算案に三十億円の出資金を計上しており、その運用をこれから公募するファンドマネジャーに託すことになりますが、ファンドという性格上、元本は保証されません。
 そこで、インフラファンドが電力の安定供給に有効活用されているかどうか、情報を公開し、都民に対する説明責任を果たすことが求められていることを、まず申し上げておきます。その上で、このファンドの運用状況など、都はしっかりと監視すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、放射能対策についてです。
 未曾有の大震災から間もなく一年が経過します。大震災による福島第一原子力発電所からの放射能の影響は、都内においても、食品、水、廃棄物など、さまざまな分野に及び、不安に感じる都民も少なくありません。こうした中、都は三月から、宮城県女川町の震災瓦れきを受け入れるため、一部事務組合や区市町村と合同で住民説明会を行っています。
 説明会の場では、受け入れた災害廃棄物による放射能汚染を心配する声が上がっており、説明会の場所や回数についても、区市町村の求めに応じて開催していくことが必要です。
 震災瓦れきの受け入れ中も、こうした不安の声にこたえて、受け入れに対する理解を求めていく必要があります。都として今後どう対応していくのか伺います。
 放射能汚染の心配は瓦れきだけではありません。国や都は、大気や水、土壌などさまざまなモニタリングを行っていますが、環境に放出され降り積もった放射性物質についても不安がぬぐえません。
 二〇一二年二月の環境審議会の答申によれば、放射性物質のリスクについてさまざまな意見があり、また、さまざまな情報が飛び交っているとされています。都は、科学的根拠に基づいた丁寧な説明に努めるべきと考えます。今後、長きにわたって向き合っていかなければならない放射能問題に対して、環境局としてどのように対応していくのか伺います。
 東京都は、環境確保条例に基づき、水質、土壌、大気等の汚染防止対策に取り組んできました。最近では、土壌汚染対策やディーゼル車規制、温暖化対策など、国に先駆けて取り組みを進めています。
 一方、現行の条例には、放射性物質対策については特段の規定はありません。今回の事態を受けて、今後、放射性物質への対策についても、条例に具体的な規定を設けることを検討すべきではないでしょうか、見解を伺います。
 子どもたちが毎日食べている学校給食の放射能測定が、地域の自治体で始まっています。特に牛乳については、生活者ネットワーク・みらいも、これまで測定と結果の公表を求めてきました。東京学乳協議会が、学校給食用牛乳の放射性物質の自主検査を行い、その結果を公表したことは一歩前進と考えます。しかし、検査結果は、測定下限値五十ベクレル以下でした。一方、昨日、日本乳業協会は、測定下限値を十ベクレルとした百六十五社の自主検査の結果、すべてでセシウムは検出されなかったと発表しました。
 現在の暫定規制値は二百ベクレルですが、四月から適用される新基準が五十ベクレルとなることを考えると、給食用牛乳における測定下限値を引き下げ、より詳細に調べるとともに、数値を公表すべきと考えますが、所見を伺います。
 四月からの給食の放射能検査は、新基準を踏まえて実施することになります。東京都教育委員会は、国の補助を受けて測定機器を購入し、区市町村では独自事業のほか、地方消費者行政活性化基金を使って、機器購入や検査委託をしたり、国民生活センターの機器貸与を使うなどして検査を実施しています。
 今後、長きにわたって検査を続ける必要がありますが、その体制づくりをどうするのか伺います。
 放射能問題は、ごみや大気、水、食べ物など、多岐にわたり、また短期間で解決する問題ではありません。みずから放射能測定を行う市民団体も各地に発足しておりますが、適正な検査を行える人材の育成や研修なども重要になってまいります。都としても継続して取り組むため、局を超えて放射能専門の部署を設けることを提案しておきます。
 男女雇用機会均等法が施行されて二十五年が経過し、働く女性が増加した一方で、長時間労働を避けられず、家事や育児に追われる中で、仕事と家庭の両立をあきらめてしまう人は少なくありません。そのため、働きながら子どもを産み育てやすい環境づくりが求められています。
 大震災による交通機関の混乱や原子力発電事故に伴う電力不足や節電対策等の面からも、在宅勤務の導入や長時間労働の削減など、これまでの働き方を見直す企業も見受けられました。このような働き方を見直す動きは、ワークライフバランスを定着させるきっかけとなったものです。
 都はこれまで、仕事と生活の調和のとれた社会の実現を目指し、企業の労働環境整備を支援するためのさまざまな取り組みを進めてきましたが、今後は、なお一層積極的な取り組みが求められます。都の見解をお聞かせください。
 女性の社会参加が活発になり、近年、勤労者世帯の過半数が共働き世帯になるなど、生き方、働き方、価値観も多様化していますが、仕事や子育てなどをめぐる社会基盤は、必ずしもこうした変化に柔軟に対応しているとはいえない状況です。
 一方、介護との両立が必要となるのは、企業においては中核となる役割を担っている世代が多く、育児に比べると、男性の比率が高くなる傾向があります。介護のために働き盛りの従業員が退職せざるを得ない状況になることは企業にとっても深刻な問題です。安心して子育てや介護と仕事の両立ができる社会をつくっていくためには、ワークライフバランスの推進に取り組んでいくことが極めて重要です。
 男女平等参画のための東京都行動計画の改定に関する東京都男女平等参画審議会の答申では、ワークライフバランスの推進についてどのように提言し、今後どのように取り組みを進めていくのか伺います。
 最後に、配慮が必要な子どもの支援について伺います。
 杉並区内の養育家庭に委託していた児童が死亡し、里母が傷害致死容疑で逮捕される事件がありました。この事件を受けて、都ではこれまで、検証結果や再発防止策がまとめられ、児童虐待死亡ゼロを目指した支援のあり方として審議会の提言が出されました。
 養育家庭制度は、児童が家庭的な環境の中で、特定の大人との愛着関係を築きながら、基本的な信頼関係を獲得し、健やかに育つ子どもができる社会的な擁護の仕組みですが、さまざまな問題を抱えた子どもを地域の中で育てていくためには、児童相談所の職員を増員するだけでは限界があります。養育家庭が抱える諸課題にきめ細かく対応するためには、多様なサービスを展開することが必要であり、NPO法人などによる地域の子育てネットワークを生かしたサポートシステムが求められます。都の所見を伺います。
 養育家庭に登録していても、児童の委託を受けない期間ができる場合もあります。また過去に里親の経験を持っていても、現在は養育家庭の登録はしていない人もいます。板橋区では、ひとり親や支援の必要な子育て家庭に対して、養育家庭の経験を有する人を活用していると聞いており、子育てに悩む親にとって貴重な取り組みとなっております。こうした養育家庭における子育て支援の取り組みを広げることも重要だと考えますが、都の所見を伺います。
 長引く景気低迷と貧困層の拡大、生活保護受給世帯、要支援家庭の増加などが、子どもの生活面だけではなく学習面などにも影響を及ぼし、切実な問題になっています。
 区市町村の現場では、貧困世帯の子どもに対してさまざまな学習支援が実施されています。先日、報道されました荒川区や足立区などの例は、学校もかかわった施策です。
 都は、福祉分野で生活保護世帯への塾代助成や、保護世帯以外への受験料、塾代貸し付けを実施していますが、利用実績は増加しています。しかし、教育委員会には、貧困世帯への学習支援というメニューがなく、区市町村で実施している事業への支援もありません。
 学校現場では、困難を抱える子どもたちへのサポートが模索されていますが、東京都教育委員会でもそれを認識し、教育と福祉の連携で、子どもの視点に立った支援が求められています。
 そこで、貧困世帯の子どもへの学習支援等が必要だと考えますが、教育委員会の認識を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 西崎光子議員の一般質問にお答えします。
 地球温暖化対策についてでありますが、地球環境の異変は、深度を増しておりまして、例えば、北極圏における海氷は、近年急激にその面積が減少しているだけでなく、氷そのものも薄く、かつもろいものになっております。NASAのハンセン教授が以前予言したとおり、このまま進むと、あと十年余で北極海の氷は解けてしまう。それだけ大洋の、海水の量もふえるわけですが、かつまた、シベリアの永久凍土も解け出しておりまして、ヒマラヤの氷も解けておりますし、まさにそのティッピングポイントは目前にあると思います。
 この数年来、世界じゅうで見られる異常気象、時と場所を選ばぬ豪雪とか豪雨というのは、実は異常気象じゃなくて通常の気象でありまして、海水の量がふえれば、蒸発する水の量もふえるわけでありますから、それが雨になり、あるいは雪になって降ってくるというのは当然の理であります。
 人類が滅亡のふちにあるにもかかわらず、この間のダーバンのCOPの会議を見ましても、とにかく大国がわがままをいって協力せずに、九時間か十時間会議が延びたのは当たり前のことでありますが、それで出た結果というのが、とにかく四年後に新しいルールをつくって、さらにそれをその五年後に実現しようという、まことに間が抜けたというか、話にならない結論ですが、一方、我が国の政府も、一向に実効性のある温暖化対策を講じようとしていませんし、京都議定書の削減義務を放棄するなど、地球の未来に対する背信行為というものを重ねております。ほかがやらなきゃ、うちもやらぬということでは、これはやっぱり国民に対する背信としかいいようがない。
 私、よく引用するのですけれども、有名なゲオルグの詩句じゃありませんが、たとえあす地球が滅びるとも、君はきょうリンゴの木を植えるという、そういう姿勢を持たなければ、この地球は、もうもたないんじゃないか。
 我々が今なすべきことは、高い削減目標を掲げて、この国のすぐれた環境技術を十二分に活用し、低炭素社会への転換を先導することでありまして、またCOP17で、国際的枠組みづくりを忌避したアメリカや中国、シナ、インドですね。日本の外交力を発揮して、こんなものはどうも望むべくもありませんが、世界の世論を強くつくり上げて、彼らに削減義務を負わせることを迫るべきではないかと思います。
 都は、都市型キャップ・アンド・トレードなど、これまで導入してきた地球温暖化対策を、東京の経済界と協働し、強力に推し進めていくとともに、国に対して地球の未来に対する責任を果たすように、これからも飽かずに求めていきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、学校給食用牛乳の自主検査についてでございますが、都教育委員会は、昨年十二月、学校給食の安全・安心の確保及び保護者の不安払拭に向けて、東京学乳協議会に対し、学校給食用牛乳供給事業者の自主検査結果を公表するよう要請を行いました。この要請に応じ、同協議会は、各供給事業者から、学校給食用牛乳の提供を受けて自主検査を行い、その結果を公表したものでございます。
 今後の自主検査については、基準値等の変更を踏まえ、同協議会において適切に対応されるものと認識しております。
 次に、学校給食の放射線検査を実施するための体制づくりについてでございますが、都教育委員会は、学校給食に対する保護者の不安払拭のため、食品の放射線検査機器を購入し、都内公立学校を対象に、一校当たり年間三回程度、調理前の給食食材を、前日までに検査できる体制を整備いたします。
 なお、各区市町村における検査は、それぞれ独自の考え方で実施されているものと認識しております。
 次に、子どもたちへの学習支援等についてでございますが、各学校は、日々の授業を充実することはもとより、学習面で課題のある児童生徒に対しては、家庭の経済状況に関係なく、補習、補講や取り出し授業、習熟度別の少人数指導等を行っており、都教育委員会も、さまざまな角度から支援を行っております。都教育委員会は、今後とも、学校教育を一層充実させ、児童生徒一人一人の課題に応じた学力向上を図ってまいります。
 なお、経済的に課題のある世帯に対しては、各区市町村教育委員会と福祉部門との連携のもとに、就学援助など、必要な支援が行われているところでございます。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 官民連携インフラファンドに関する三点の質問にお答えをいたします。
 まず、東京都が創設する意義についてでございますけれども、東日本大震災以降、原子力発電所の再稼働にめどが立たない中、国は電力の安定供給の解決策を示しておらず、電力の大消費地である都として、都民生活や企業活動を守るため、電力供給の速やかな安定化に取り組む必要があるというふうに考えております。その課題解決の一つの方策として、都の資金を呼び水とする官民連携インフラファンドを創設し、できるだけ早期に、広く首都圏を中心とした発電事業に集中的に投資していく予定でございます。
 また、このことに加えまして、インフラ更新に民間資金を活用するモデルケースを実例で示すことによりまして、国や他の自治体を先導する役割をも果たすものであるというふうに考えております。
 次に、発電事業の見通しをどうとらえるかという点でございますけれども、自治体や民間企業では、東京電力の値上げ発表後、電力需給契約の相手を、特定規模電気事業者、いわゆるPPSに切りかえる動きが加速しておりますが、PPSでは新たなニーズにこたえられるだけの供給能力がなく、新たな設備投資が必要となっている状況にございます。
 こうした発電事業を、当ファンドでは投資先として想定しておりまして、資金需要は十分にあるものというふうに考えております。
 なお、再生可能エネルギーによる発電事業につきましても投資対象というふうにいたしますが、実際に資金需要が生じるかどうかは、国が決定する買い取り価格などの動向に左右されるものというふうに考えております。
 最後に、ファンド運営者に対する都の監視についてでございますけれども、原則として資金の運用は公募により選定するファンド運営者の責任においてなされるということになりますが、都としては出資者の一人として、出資目的に沿って運営されているかどうかといった観点から適切にチェックをしていくこととなります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 三点のご質問でございます。
 まず、宮城県女川町の災害廃棄物の受け入れについてでございますが、都は区市町村等と共同で、二月から、住民説明会と運営協議会を、合計しまして約三十回開催しております。
 説明会等では、被災地での選別内容や、都内での処分方法とともに、清掃工場の排ガスから放射性物質は検出されておらず、また、敷地境界の空間放射線量率も、試験焼却中とその前後で変化がないことなどを説明しております。
 本格搬入が始まる女川町の災害廃棄物の放射能測定結果も逐次公表するとともに、区市町村と連携しまして、住民の疑問や不安の声に丁寧に対応し、理解を求めてまいります。
 次に、放射能についての都民への説明についてでございますが、放射性物質につきましては、知識や情報の不足により不安を持つ都民もいるために、正確な知識を普及することが大切でございます。
 このため、都は、本年一月、環境局のホームページに、都内における放射性物質の状況や、局所的汚染と面的汚染に関するリスクの違いなどをわかりやすく示すコーナーを設けました。今回の環境審議会の答申も踏まえまして、ホームページに、放射線の時間的な減衰調査結果も掲載し、内容を充実させるなど、放射性物質に係る正しい知識や情報を継続的に提供してまいります。
 最後に、放射性物質対策に関する条例の規定に関してでございますが、国は、放射性物質による汚染を環境基本法の適用除外としている現状を改めるため、今国会に改正法案を提出しております。これに対しまして、都の環境基本条例及び環境確保条例は、公害の範囲としまして、大気汚染等いわゆる典型七公害に加え、放射性物質による汚染のように、いまだ公害としての理解が定着していない問題につきましても、条例の制定当初から適用除外とはしておりません。したがいまして、条例改正が必要な状況にはないと理解しております。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) ワークライフバランスの推進についてでありますが、労働者がいきいきと働きながら、子育てなど家庭における役割を果たすためには、仕事と家庭生活の両立が可能となる雇用環境を整備することが重要であります。
 都はこれまで、中小企業両立支援推進助成金事業によりまして、社内体制の整備などの経費の一部を助成することで、両立支援に取り組む企業を支援してまいりました。
 また、すぐれた取り組みを進める中小企業を認定するほか、働き方を見直す先進的な企業の取り組みを、東京モデル事業により支援し、ワークライフバランス推進に向けた社会的機運の醸成を図ってまいりました。
 今後とも、こうした事業を着実に実施するとともに、認定企業等の取り組みの成果を広く社会に発信し、ワークライフバランスの一層の推進を図ってまいります。
   〔生活文化局長井澤勇治君登壇〕

〇生活文化局長(井澤勇治君) ワークライフバランス、仕事と生活の調和の推進のための今後の取り組みについてでございますが、現在、都は、平成二十三年度内を目途に、男女平等参画のための東京都行動計画の改定作業を進めております。
 本年一月に発表された審議会の答申では、過度な長時間労働の改善を含め、画一的ではなく、柔軟で多様な働き方が選択できるように、企業の取り組みを促進することや、働く人が自身の働き方を主体的に考え、見直すための啓発活動を行うなど、仕事と生活の調和の推進に重点的に取り組むべきことが提言されました。
 今後、答申を踏まえて行動計画を改定し、男女平等参画の推進に向けて、関係各局等と連携し、仕事と生活の調和の実現を図ってまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、養育家庭への地域における支援についてでございますが、虐待を受けた児童などを早期に発見し、適切に保護をするため、区市町村では、子ども家庭支援センターを中心として、保育所や医療機関などの地域の関係機関が連携をいたします要保護児童対策地域協議会を設置いたしまして、情報の共有を図っております。
 都は、養育家庭につきまして、このネットワークを活用し、これまで以上に情報共有を図り、地域全体で支援していく取り組みを進めていくこととしておりまして、区市町村がネットワークにおいて、地域で子育て支援に関する取り組みを実施しておりますNPOやボランティア団体等と連携することは、その一助になるものと考えております。
 次に、養育家庭による子育て支援についてでございますが、区市町村におきましては、子育て家庭を支援するため、子ども家庭支援センターで相談に応じるほか、子育て広場や一時預かりなど、多様な取り組みを行っております。
 これらの中では、地域の子育て経験者が子育て家庭を支援する取り組みなども行われており、お話の板橋区における養育家庭の経験を生かした取り組みもその一例でございます。
 都は、区市町村が地域の実情に応じて行います子育て支援策を、包括補助事業により支援いたしておりまして、今後も、区市町村の創意工夫を生かした取り組みを促進してまいります。

〇議長(中村明彦君) 以上をもって質問は終わりました。

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