平成二十三年東京都議会会議録第十八号

   午後一時開議

〇議長(和田宗春君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(和田宗春君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(和田宗春君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都教育委員会委員の任命の同意について外人事案件一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(和田宗春君) 昨日に引き続き質問を行います。
 五十五番興津秀憲君。
   〔五十五番興津秀憲君登壇〕

〇五十五番(興津秀憲君) それでは、一般質問をさせていただきます。
 現在の世界経済状況は日々進化し、人、物、金の交流は激烈な都市間競争時代になっていると考えます。社団法人日本経済調査協議会から二〇一一年三月に発表のあった、強靱な国際競争力をもった東京の実現という調査報告書では、バブル経済崩壊後の九〇年代後半には都心回帰の現象があらわれた。集積が富を生み、それがまた集積を生むということによって、国家の経営がスムーズに行われるという日本の特質が顕在化したのである。東京の国際競争力を高めなければならない理由は、歴史的に見ても、一国が競争力を持つためには、その中心都市が競争力を持つことが不可欠であり、日本におけるその都市は東京だからである。東京の国際競争力を高めることは、日本のエンジンとして富を生み出すことになる。日本から海外、海外から日本、その両方のゲートウエーとなるための前提条件は、世界都市の階層における最上位都市、ワールドリーディング都市のポジションを獲得することであるとされています。
 この現状を踏まえたとき、都は日本の首都として、知事のいう日本のダイナモとして、いえ、日本のエンジンそのものとして、日本を牽引すべき都市であると考えます。
 都では、平成十八年十二月に長期ビジョンである「十年後の東京」を策定していますが、さきの調査報告書によると、現在のトレンドで都市の地域総生産が推移すると、東京は、十年以内に北京と上海に抜かれ、二十年以内にシンガポール、香港に抜かれるとあります。この激烈な世界的な都市間競争に勝ち抜くことこそは、この東京に課せられた責務であると考えます。
 そのために、都として、この危機から活路を見出す重点施策として、富の拡大を図り、コンパクトシティーの創造並びに都の地域性を生かした大胆な発想とともに、人の生活の多様性を認め、東京だからこそできる多用途の複合的な機能を持った魅力的な都市空間をつくり出す必要が求められていると思います。
 また、姉妹友好都市として提携している世界の大都市との交流を進化させ、経済、環境、情報、通信など各種分野の連携をさらに深め、東京ブランドの確立、場合によっては都独自の駐在員の復活も視野に入れ、都市セールスの観点からも、しなやかな、ある意味したたかな取り組みをこの東京から進めるべきと考えます。
 都から発信する国際競争力を高めるため、アジア地域ばかりでなく、全世界的な視点から、都市間競争を勝ち抜くための施策が今求められていると考えます。知事のご所見を伺います。
 次に、多摩地区への施策についてお伺いします。
 多摩地区は、平成二十一年一月の住民基本台帳における人口は四百三万七千七百二十四人となり、都全体の三二・二六%、約三分の一になります。近郊のベッドタウンから自然環境豊富な地域まで包括している地域でもあります。
 昨今の地方自治の流れからかんがみますと、地域のことは地域で行う地方自治が進められているところでありますが、都の緊急課題等に対応する事業や、特に多摩地区でも、福祉、医療、教育、廃棄物処理、再開発等重要な課題が山積している今、財政的に脆弱な市町村が自立した自治体として、住民の負託に十分にこたえていくのは、大変厳しい状況があります。
 市町村は、限られた財源の中で創意工夫を凝らし、懸命な努力を続けていますが、小さな規模の団体だけでは限界もあります。多摩の市町村が広域的に連携し、課題を解決していくことは意義あることと思いますが、都における多摩の市町村への取り組みについて、基本的な考え方をまず伺います。
 一方、地方自治の根幹には、公平公正な運営が求められていることは基本であると認識しています。その認識に立ち、東京都全体を俯瞰したとき、果たして公平な状況にあるのかどうか、いささか疑問に思うところでもあります。
 現実には、多摩地区には財政環境が悪い地域が多数あると思います。事実、過日の新聞報道では、経常収支比率が全国ワーストフォーに入ってしまった自治体が、この多摩地区から出てしまっています。確かに財政構造は区部と多摩地区とは異なり、一概に比較はできないとは思いますが、例示的に申し上げれば、財政の調整機能を有するいわゆる貯金として財政調整基金がありますが、その残高を見ると、現在確定している数値である平成二十一年決算ベースで比較すると、区部は、残高合計四千四百二十七億二千三百八十万円余、区民一人当たり約五万円、一方、多摩の市町村では、残高合計七百三十億九千八百八十五万円余となり、多摩都民一人当たり約一万八千円、その差三万二千円、約三分の一であります。
 また、借入金である地方債の残高は、区部は七千六百四十九億五千二十七万円余、一人当たり約九万円に対し、多摩の市町村では八千五百十七億九千二百九十二万円余、一人当たり約二十一万円となり、二・三三倍の開きになります。
 現在、多摩地区においては、区部と比較すると医療費助成について、その適用年齢差は歴然として存在しますし、公立小中学校の耐震化率は、区部において九二・三%、市町村部八二・〇%と、教育環境の差もあり、都民間格差は歴然としてあるといっても過言ではないと思っています。
 また、再開発など、まちづくりの視点でも、その財政需要は大きなものがあり、多摩地区が主体的に事業を実施していく上においても、広域団体である都の施策的、財政的な支援は待ったなしと考えます。
 また、地方税のうち、基幹的な税である市町村民税個人分や固定資産税、都市計画税等は、その地に由来する税金であろうと考えますが、市町村民税法人分について、私自身の考え方があります。
 平成二十一年度決算によると、都区部における市町村民税法人分の合計は四千七百四十七億二千九百十五万円余となり、区民人口一人当たり五万六千円、多摩・島しょの合計は三百八十三億九千九百九十七万円余となり、多摩・島しょ人口一人当たり九千四百五十八円、その差は五・九二倍の開きとなります。
 例えば、この市町村民税法人分を区部市町村分と合計すると五千百三十一億二千九百十二万円余となりますが、その五五%を都内全域の調整金として考えると、その金額は二千八百二十二億二千百一万円余となり、都民一人当たりとして約二万二千円となります。この市町村民税法人分の相当額は、考え方として、ひとしく東京都民全体の税収であるべきではないかと思っています。
 この試算は一つの事例であり、このように、抜本的な財政構造と配分の見直しを図り、東京全体の発展、福祉の向上につなげていくべきではないかと考えるものであります。
 これは、私個人の多摩地区を愛するがゆえに考えた財政論でありますが、これほど区部に比べて多摩の市町村は、施策の根幹となる財政が困窮している地域が多いということを申し上げたいのであります。
 そこで、多摩の振興についてお伺いします。
 都が平成二十一年二月に策定した「多摩振興プロジェクト─多摩の総合的な振興策─」には、多摩地域の固有資源を最大限活用するとともに、首都圏の各都市との広域連携を強めることを視点に、多摩リーディングプロジェクトを拡充し、多摩の総合的な振興策として再編成するもの、首都圏の中核をなす多摩の実現を目指し、都がどのように多摩振興に取り組むかを新たな視点で明らかにするものとあります。
 今後、多摩の一層の振興を図るためには、多摩振興プロジェクトをこれまで以上に着実に推進する必要があると思います。そのためには、現在の進捗状況の検証を行うことや、市町村との連携を図ることが必要不可欠と考えます。
 都として、今後、どのように多摩の一層の振興を図っていくのかお伺いします。
 次に、私学振興についてお伺いします。
 国の施策である子ども手当、高校授業料無償化等の施策により、経済的理由による退学者は、全日制都立高校において、平成二十一年度の二%から二十二年度には〇・二%へ、定時制においては、四・三%から一・七%へと大きく減少しているところであります。また、私立高校等に通学する生徒には、就学支援金、特別奨学金など、一定の授業料軽減策が行われ、生徒の学習機会の保全には大変役立っていることと存じます。
 しかしながら、昨今の経済状況において、授業料の一部を補てんするなどのさらなる支援拡充を求める声もあります。
 また、東京都育英資金制度ですが、これは生徒個人が学校を通じて申請する仕組みです。生徒個人への心理的影響にかんがみ、これを個人から財団に直接申請できるよう、方法の変更も必要ではないかと思います。
 そこで質問ですが、保護者の急遽な失業や大幅な所得減などにより、授業料の納付ができず、私立高校生の就学の継続が困難となることがないよう、ある意味つなぎ融資のような速やかに生徒に助成金が渡る仕組み、授業料を軽減するなどの緊急的支援策を実施すべきと考えます。ご所見を伺います。
 次に、情報公開についてお伺いします。
 地方自治における情報の公開性は、非常に重要なファクターであると確信しています。東京都の情報公開制度の運用状況については、開示等決定件数は平成二十年度の五千八百三十三件から、平成二十二年度には一万六百三十八件に進捗しており、情報公開は徐々に進んでいるところであると考えられます。
 しかし、全国市民オンブズマン連絡会議がことし八月に発表した二〇一〇年度の情報公開度調査によれば、都道府県の比較で都の情報公開度はブービー賞、つまり、最下位から一つ上という状況であります。この結果となっている原因の一つとして、東京都情報公開条例で公文書開示の請求権者を制限しているということがあります。都条例では、公文書の開示請求権を都民、都内法人、都内の在学者等とし、都外の人、または団体が請求する場合には、公文書の開示を必要とする理由を明示するとされています。
 地方自治は現在、生活圏の拡大と行政の広域化で自治体の影響を受ける範囲は広がっており、情報公開の必要性はますます高まっていると思います。この条例は一九九九年の改正以来、既に十二年経過しています。したがいまして、時代の要請にこたえるべく、請求者は何人もとするべきであると考えます。ご所見を伺います。
 最後に、発電所建設について伺います。
 東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故があり、計画停電などが都民生活に大きな影響を与えたところであります。電力の供給は、日本の、そして東京の発展及び都民生活の安定に向けて、非常に重要な施策案件であると思います。
 都が現在予定している発電所は、百万キロワット級の発電所計画であり、都の施設すべてに電力を供給しても、なお余りある発電所であると伺っています。ということであれば、都の各施設に電力の送電についても、あるいは余剰電力を売電するにも、現在の電力網を借り受けることになるでしょう。現在予定されている案件は、都の土地へ民間事業者を誘致し、発電所の建設をもくろんでいるところであります。そのときに、その発電、配電の初期並びに運営コストが余りに高くなったとすれば、都民の料金負担等は大きくなってしまいます。
 一方、電力自由化の波の中ではありますが、過日の新聞報道にもありましたとおり、特定規模電気事業者、PPSから撤退している企業もあり、市場自由化がなかなか進んでいないという事実もあると思います。
 都においては、先月に調査委託に入ったところと伺っていますが、この事業に関しては、その事業の主体者、事業スキーム、事業採算性、経済効果を慎重な上にも慎重に検討をすべきであると思いますし、その事業採算性を検討した結果、都民生活への高負担が生じる等、都民にとって優位性が確認されない場合が発生し得るときには、勇気ある撤退も視野に入れ検討すべきであろうとも思います。ご見解を伺います。
 以上、一般質問といたします。
 なお、ご答弁によりましては再質問を留保いたします。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 興津秀憲議員の一般質問にお答えいたします。
 東京の今後の都市戦略についてでありますが、ご質問の内容が、いささか抽象的というか総花的で、いま一つよく理解できませんが、今後、ますます激しさを増す都市間競争を勝ち抜くことが、東京に課せられた使命でありまして、そのためには、現実性のある戦略、戦術を持って政策を展開することが不可欠であります。
 それゆえに、日本の頭脳部、心臓部であります東京の都市戦略として「十年後の東京」計画を策定し、年々手を加えながら、重層的、複合的に、具体的な施策を展開してきました。
 例えば、新しいサッカー場千五百面に相当する千ヘクタールの緑や百万本の街路樹整備など、水と緑に囲まれた都市空間の創出、東京の最大の弱点であります渋滞を解消し、東京と日本の潜在力を発揮する三環状道路の整備、大都市の多様な保育ニーズにこたえる都独自の認証保育所の拡充など、そしてまた、我々の存在の舞台であります地球を守る世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度もまたしかりであります。
 こうした取り組みをさらに加速させるとともに、東日本大震災によって明らかになりました防災力の向上やエネルギー政策の強化など、新たな課題にも対処するべく「十年後の東京」計画を充実強化した新しい計画を年内に発表して、二十一世紀の都市モデルを発信していきたいと思っております。
 都市外交についても言及がありましたが、私が主唱して始めたアジア大都市ネットワーク21では、従来の儀礼的な友好親善とは一線を画しまして、大都市が直面する課題を共同で解決する取り組みを展開しておりまして、引き続き、国際社会における東京のプレゼンスを戦略的に高めていきます。
 他の質問については、副知事及び関係局長から答弁します。
   〔副知事猪瀬直樹君登壇〕

〇副知事(猪瀬直樹君) 百万キロワット級の天然ガス発電所の設置についてのご質問ですが、その前に一言申し添えておきますと、きょうは十二月八日でありますけれども、七十年前の十二月八日、真珠湾奇襲で日米戦争が始まったわけですが、日本は対米、英、蘭、つまり蘭というのはオランダですけれども、宣戦布告したんですが、それはインドネシアの石油資源を確保するためでありました。
 戦後、日本は資源小国として原子力発電に活路を見出していくということになったわけですけれども、三月十一日の大地震、東日本大震災で原子炉が壊れ、そして、福島から九百万キロワットの電力が来なくなりました。そして、さらに新潟の柏崎刈羽で八百万キロワットのキャパシティーがあるんですけれども、中越沖地震などで、今現在来ているのは二百五十万キロワットでありますが、その二百五十万キロワットも、この一月、三月の点検でゼロになります。
 そういう中で、我々はどうしたらいいかということですが、国が有効な手だてを打てない中で、東京は都市機能を支える電力の確保という喫緊の課題に直面しておりまして、都庁一丸となってこの難局を乗り越えなければいけません。
 このため、去る八月、知事本局、財務局、都市整備局、環境局、建設局、港湾局、交通局、水道局、下水道局の関係九局の職員から成る横断型の東京天然ガス発電所プロジェクトチームを立ち上げ、百万キロワット級の発電所設置について検討を行うことにしました。
 発電所設置の目的を改めて述べますが、一つは、電力の大量消費地である首都東京がみずから行動を起こし、地産地消の東京産エネルギー確保に向けた姿勢を示すこと。二つ目は、東京湾岸には、運転開始から三十五年を超える老朽火力発電所一千万キロワットが存在しますが、このプロジェクトを、その設備更新に向けた先導的取り組みとして位置づけていくこと。三つ目ですが、東京がみずから発電所設置に取り組むことにより、これまで見過ごされてきた課題を発掘し、電気事業への参入を阻む規制の緩和について政府に対して提案要求をするなど、我が国の電力供給の自由化を推進するためのモデルとしていくこと。以上の三つが肝です。
 次に、プロジェクトチームの取り組みでありますが、これまで関係局において課題の整理を行うとともに、専門家からの情報を得ながら、都有地を一定の条件でスクリーニングし、九月に発電所設置の適地として五カ所を発表しました。そして現在、この五カ所について、事業可能性調査として、採算性の検討はもとより、さまざまな事業スキームの策定や発電所設置の技術的検証に着手したところであります。
 その際、採算性の検討に大きな影響を与える国のエネルギー政策の方向性や、東京電力の総合特別事業計画の動向を見きわめつつ、将来の電力価格や燃料である天然ガスの価格など、本プロジェクトに密接に関連する諸条件に十分留意しながら、幅広く詰めていくという形でやるのが当然であります。
 こうした取り組みに加えて、電力の安定確保に向け、電力会社からの電力だけに頼らない地域分散型発電の推進や再生可能エネルギーの導入など、総合的、戦略的に思想を持ったエネルギー政策を展開していかなければならないと、こう考えております。
 以上であります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、多摩の市町村の広域的な連携についてでありますが、市町村の役割は、基礎的自治体として福祉や教育、まちづくりなど、地域の実情に応じて住民に身近な行政サービスを提供していくことにあります。また、行財政運営におきましては、自主性、自立性を発揮し、むだのないバランスのとれた運営を行う必要がございます。
 しかしながら、現下の厳しい財政状況の中で、行政サービスをより一層効果的かつ効率的に提供するためには、市町村単独ではなく広域的に連携していくことも重要でございます。
 市町村は、これまでも廃棄物処理や病院の経営などの事業について、一部事務組合を設立し、連携して対応してきたところでありまして、今後も、都は、こうした広域的な取り組みに対し、引き続き支援を行ってまいります。
 次いで、多摩の振興についてでありますが、多摩の振興に当たりましては、地域の抱えるさまざまな課題を踏まえつつ、多摩の発展の可能性や特性などを生かすという視点から取り組むことが重要であります。このため、都は、平成二十一年二月にハード事業中心であった多摩リーディングプロジェクトを拡充し、ソフト事業も含めた総合的な振興策を推進するために多摩振興プロジェクトを策定いたしました。
 本プロジェクトは、都市基盤の整備や産業振興、福祉、医療の充実などの六分野、六十事業で構成され、各局は市町村と連携してこれらの事業を着実に推進してまいりました。
 今後とも、事業の進捗状況を検証しつつ、市町村と連携しながら、多摩振興プロジェクトを確実に推進し、多摩の一層の振興を図ってまいります。
   〔生活文化局長井澤勇治君登壇〕

〇生活文化局長(井澤勇治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、私立高校生に対する緊急的支援策についてでございますが、都は、特別奨学金により、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を助成いたしますほか、経済的理由により修学が困難な高校生等に対しまして、育英資金を貸し付けております。
 さらに、家計状況が急変した場合には、育英資金特別募集によりまして速やかに随時貸し付けを行いますとともに、学校が授業料を減免した場合には、授業料減免補助により、減免額の五分の四を補助いたしております。
 都といたしましては、こうした施策を総合的に活用し、経済的に困難な状況にある生徒の修学機会の確保に努めてまいります。
 次に、情報公開条例における公文書の開示請求権者についてでございますが、平成九年に設置された情報公開制度のあり方懇談会におきまして、開示請求権者の範囲について議論がなされております。
 懇談会では、請求権者を都民等に限定せず、何人もとすべきとの意見も出されましたが、開示の理由を明示して請求する都外の個人、法人等を対象に加えれば十分であるという意見が大勢を占めております。現行条例は、この懇談会の提言を踏まえて改正されたものでございまして、実質的に請求権者を制限するものではございません。
 今後とも、都政に関する正確でわかりやすい情報を都民、法人等が迅速かつ容易に得られる情報公開の実施に努めてまいります。
   〔五十五番興津秀憲君登壇〕

〇五十五番(興津秀憲君) それでは、発電所建設に関しまして再質問させていただきます。
 先ほど、猪瀬副知事より懇切丁寧なご答弁をいただいたところでありますが、昨日の新聞報道によると、東京電力の改革推進行動計画において、自前での発送電の転換を打ち出しています。これにより電力卸売事業者の新規参入が進むかもしれない。しかし、電気料金額も流動化するなど、今後には不透明な部分も出てきたと思います。
 先ほどのご答弁において、みずから行動を起こすという形で、建設に向けて非常に前向きなご答弁でありました。であるからこそ再質問に立ちましたが、私は、発電所建設に反対という立場ではありません。しかし、建設に当たり、そのイニシアルコスト、ランニングコストに、民間参入により、都の財政を投入すべきではないと考えています。都の財政の投入も視野に入れている建設計画なのかどうか、ご答弁を願います。(拍手)
   〔副知事猪瀬直樹君登壇〕

〇副知事(猪瀬直樹君) 採算性について十分に考慮するということは、さっき答弁しました。
 今、事業スキームを検討しているところですので、かなり緻密にやるはずですから、やるというか、これからやって、そしていずれ発表します。
 以上であります。

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