平成二十三年東京都議会会議録第九号

〇副議長(鈴木貫太郎君) 九十七番大西さとる君。
   〔九十七番大西さとる君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇九十七番(大西さとる君) 東日本大震災で被災された方々にお見舞いを申し上げ、質問に入ります。
 東京都の中で相対的に低いとされている東部地域、特に足立区の学力レベル。私は、この地域の学力アップの課題に正面から取り組んでまいりました。特に、この地域に住んでいる学力を高めたいと志す子どもたちを応援する制度についてお伺いをいたします。
 足立区には、一たんつまずいて、しかし、もう一度頑張ろうとする子どもたちを応援する、そんなチャレンジスクールやエンカレッジスクールという制度は十分に整っています。
 一方、東京都には、大学進学を目指す子どもたち、これを応援する進学指導重点校、進学指導特別推進校があります。しかし、この支援校が、足立区のみならず、東京都二十三区の中では西側の半分にしかないことを昨年の第一回定例議会で、私はここでパネルを使って皆様に説明し、指摘をさせていただきました。
 当然のことながら、足立区でも、江戸川区でも、葛飾区でも、勉強を頑張りたい、学問で身を立てたい、そんな子どもたちはたくさんいるわけでございます。地域的な格差をなくす、そのことを私は求め続けてまいりました。
 昨年、東京都は、ようやくこの地域的な教育格差を是正すべく、足立区と江戸川区に、地域的なバランスを配慮するという形で、進学指導推進校を一校ずつ指定していただきました。足立区は、江北高校が指定されたわけでございます。この英断に対しまして、私は心より謝意を述べさせていただきます。本当にありがとうございました。
 しかしでございます。しかしでございます。このようなすぐれた施策であるにもかかわらず、機能したか甚だ疑問な点がございます。昨年の秋の時点で、足立区の区長及び足立区の教育長がこのことを知りませんでした。
 先日、私は、たくさんの中学を回ってまいりました。校長先生、副校長先生、そして、進路指導を担当する教諭、みんなに聞いてまいりました。そうしたら、皆が口をそろえていったこと、ほとんど説明がなかったんだ、進学校になって何が変わるかわからなかった、このような答えが返ってまいりました。これでは当然、生徒に説明することはできません。生徒自体も知らなかったのも事実でございます。それでは、石原知事がさっき使われましたけど、仏つくって魂入れずじゃないでしょうか。
 結局、足立で指定された江北高校の倍率は、男子一・一七倍、女子に至っては一・〇六倍と、過去と比べても変化がありません。競争率だけが重要なことではない、これはわかっています。しかし、よい制度であることが周知されれば、自然と競争率はアップされます。例えば、他の進学校でいいますと、日比谷高校は二・三倍を超え、同じ範疇の三田高校は二倍を超えております。
 そして、行政関係者のみならず、子どもを持つ親御さんにもほとんど知られていなかったということもあります。私の都議会レポートを見て、これ何ですかって聞いてきた親もたくさんいます。
 そして、先日、足立区も区議会議員選挙が行われました。その中のとある候補の選挙公報の中に、足立区にも進学校が必要だ、こういうことも書いているわけです。政治を志す者がこんなことも知らない、私は本当にがっかりいたしました。これらの事例を通して、この制度がいかに知れ渡っていないかが明らかになったと思います。
 東部地域の多くの優秀な中学生が、進学校としての江北高校を目指すよう切磋琢磨し、お互い励まし合いながら頑張る姿が理想だと思います。来春の選考に向けて万全な体制、告知を行ってほしいと考えますが、教育長の所見を伺います。
 次の課題ですが、最近、ディベートの有用性について、一時期よりも議論されなくなったと感じております。欧米人と日本人の資質の違いの一つに、論理的思考力が、日本人が劣るといわれております。この論理的思考力、ロジカル・ウエー・オブ・シンキング、これを養成するために効果があるといわれているディベートは、欧米では授業に取り入れているところが多いと聞きます。
 今後、各教科の授業にディベートや討論などをより一層取り入れ、言語活動を充実させることが必要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、交通政策について伺います。
 私たち都議会民主党は、石原知事の政策には是々非々の態度で臨んでいるのは皆様もご承知のとおりです。新銀行東京や築地市場の移転問題は非の立場です。一方、過去のディーゼル規制や三環状道路などは是の立場です。今回、さらに羽田空港の国際化、これは私は大きな是であると考えます。
 空港は近くにあることにこしたことはありません。例えば、日本で一番使いやすい空港として挙げるのはどこか。国際空港でいえば、やはり福岡空港だと思います。地下鉄が直結されており、博多駅は二つ目、最も大きな繁華街である天神駅には五駅、十一分で着きます。天神駅を東京駅に例えると、品川駅に空港があることになります。こう考えると、いかに福岡空港が利便性に富んでいるのかわかります。
 反対に、利便性の悪い空港はたくさんあります。例えば、大分空港は市内までの距離があり、時間がかかる。または、交通手段が少ないなどの問題により、空港利用率、利用者ともに下がってきてしまっております。
 羽田空港には、この利便性があります。それゆえ、国際線の利用率は上がっております。羽田空港での国際線利用率は、JALにおいては、成田空港の国際線の搭乗率が六〇%から七〇%に対して、羽田空港の国際線搭乗率は七〇%から八〇%に達しています。ANAにおいても、ロサンゼルスやハワイへの総旅客者数は、羽田国際線開港後一・五倍まで伸びています。
 しかしながら、国際線の発着回数は、国内線の発着回数年間三十二万回に対して、年間六万回でしかなく、その半数が早朝、深夜となっています。平成二十六年三月までに達成するとしている計画でも、国際線は九万回の予定で、三万回しかふえず、これは十分といえる数値ではありません。
 羽田に一番近い他国の国際空港である韓国の釜山空港、これには成田からしか飛んでいないなど、就航路線にはまだまだ不十分なところもございます。また、羽田空港には、現在においては三千メートルの滑走路しか存在しておりません。乗客、貨物満載状態では、アメリカの東海岸やヨーロッパにまで飛ぶことができず、満席になったとき、毎回積載量調整をしているのが現状でございます。
 このような状況を克服するためにも、今後、国際線の発着枠の拡大や、例えばさらに長い五本目の滑走路建設について、議論、設計を始めるなど、羽田のさらなる機能強化への取り組みが必要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、今回の東日本大震災で、海岸から約一キロメートル内陸にある仙台空港が津波による大きな被害を受けました。この惨事を目の当たりにして、海上空港である羽田についても津波対策が必要であると思いますが、所見を伺います。
 次に、車両の駐車に関して警視総監に伺います。
 道路交通法改正により、平成十八年六月から施行となった駐車監視員による取り締まり制度は、幹線道路の渋滞をなくすために、違法駐車の一掃という大きな目標のために制度化されたものであります。そのおかげで都内の交通渋滞は減り、スムーズな交通が実現し始めているところもあります。
 しかしながら、最近では、その取り締まりエリアを路地裏まで拡大し、あたかも検挙すること自体が目的のような取り締まりになっているのではとの声が上がっています。
 例えば、生協。生協は、戸別に生鮮食料品など生活必需品を配達する組織であり、東京都の世帯の三割以上が加入しております。特に購買弱者である高齢者や妊婦には、配達料免除などの社会公共性も兼ねた組織であります。当然、ほぼ定時にトラックが駐車するわけでございますが、それをねらったかのように駐車監視員による取り締まりを受けたとの声も聞かれます。
 また、ほとんど交通量のない道路に面した公園のトイレの前では、タクシーを初めとするドライバーが用を足すのをあたかも見張っていたかのように検挙するという事例も伺います。
 これがすべてだと思いませんが、果たしてこのような駐車の取り締まりの実態が適切と考えておられるのか、本来の目的であったのか、今後の駐車監視員の運用や取り締まりの方向性についても伺います。
 次に、昨年、警視庁が始めた荷さばきに配意した駐車規制の緩和については、物流業界を中心に大きな反響がありましたが、荷さばきに配慮した駐車の規制緩和のさらなる拡大についても警視総監に見解を伺います。
 次に、地元の課題について伺います。
 足立区に第十二中学校という学校があります。十三クラス、五百名弱の生徒が通う中学です。近々校舎全体が補修工事に入る予定となっております。その中学の余り広くない校庭の隣に都営住宅の跡地があります。補修工事期間、運動場にプレハブ校舎が建設される予定となっていますが、その期間中、運動場が使えなくなってしまいます。隣接している都営団地跡地を運動場として使えるようにお願いいたします。生徒数からも決して大きくない運動場であり、今回の補修期間のみならず、将来的にも運動場として使用できるように検討していただきたいと思いますが、見解を求めます。
 先ほど、我が党の中谷議員から都有地の有効利用の話がありましたが、地元が切望していることを改めてお伝えさせていただきます。
 次に、足立区にある土づくりの里について伺います。
 この施設は、一九八八年に下水道工事のために掘り起こした土を再生し、次の工事現場に使用するという目的で、一時的な暫定使用という形態でつくられました。そして、翌年、地元の方々との協議の結果、多少前後はするとの前置きつきでありますが、一九九四年には返還するということも決定されました。
 この場所は、広域避難所にも指定され、地元の方々の安全な場所で、また、憩いの場所であるべきものの、今は鉄のフェンスで囲まれ、その中から大きなダンプカーが出入りし、近隣に、噴煙をまき散らして迷惑をかけ続けています。
 私は、この問題を二〇〇七年、二〇〇九年の決算特別委員会において取り上げました。二〇〇七年には、この土が本当に再利用されているか疑問であることも指摘させていただきました。出てくるトラックを追跡したところ、埼玉県の残土資材センターに直行するといった光景も見受けられました。二〇〇九年には、本当に必要ならば恒久的な使用を明言すべきだともお願いしましたが、明言はありませんでした。
 必要性にも疑問を抱かざるを得ない土づくりの里、一体いつまで使い続け、地元の方々に迷惑をかけ続けるのか、都の所見を伺います。
 次に、東京電力の計画停電。私の住む足立区は、荒川区や町田市とともに頻繁に停電となりました。私の家は七回停電が実施されました。日に二回停電となった日もあります。
 私は、現在マンションの十九階に住んでおりますが、夜に停電になった日、家に帰ってみました。十九階から見る景色は不思議なものでした。それは、ある道路までは真っ暗、そして、それにもかかわらず、その道路から向こう側はこうこうと電気がついているわけでございます。その道路の手前の交差点では、お巡りさんがたくさん大変な思いをして交通整理をしていました。道路の先の方々は一度も停電を経験していないということ。停電に協力することに抵抗は感じません。しかし、七対ゼロ、これでは余りにもひどいではありませんか。この余りにも顕著な不平等、不公平について都の見解を求めます。
 また、この夏に予測される供給量不足においても同じことが発生しないように求めますが、所見を伺います。
 最後に、これはもう足立区ではありませんが、震災対策の中で気になったことがあります。ペットと暮らす人が避難所を敬遠するということであります。もちろんペットと暮らすことができればよいのですが、ペットを受け入れてくれる避難所が少なかったのも事実でしょう。
 先日、近所のマンションのペットクラブの方とお話ししたところ、この犬はペットでなく家族なんです。私たちだけが避難所に行くことなんて絶対無理ですと、はっきりとおっしゃっておりました。
 東日本大震災においても大きな問題となっておりましたが、東京が被災したとき、ペットとともに避難したいという方々に対する施策をお伺いさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 大西さとる議員の一般質問にお答えいたします。
 羽田空港のさらなる機能強化についてでありますが、羽田空港は、首都圏はもとより、我が国全体の発展のため、極めて重要な役割を担っておりまして、空港機能の強化とさらなる国際化が不可欠であります。
 四本目の滑走路の整備によりまして、本格的な国際空港となりましたが、東京の持つポテンシャルを考慮すれば、国際線の発着枠は決して十分ではないと思います。
 いまだ国内、国際の割り振りは決まっていない昼間の二万七千回の発着枠についても、極力国際線に振り向け、ビジネスニーズの高い欧米などの都市へ、一層、就航拡大を図る必要があると思います。
 首都圏の空港容量は、近い将来限界となるために、あらゆる角度から拡大の可能性を検討すべきでありますが、羽田の新たな滑走路の建設については、羽田の港に関する航路の問題などがありまして、東京港の港湾機能との調整は非常に困難であります。
 むしろ、今取り組むべきは、平時には余裕が十分ある、しかも日本で最長の滑走路を持っていながらほとんど使われていない横田基地の、第一段階としては共同使用という形の有効活用であると思います。
 首都圏の空港容量の拡大のために、ビジネス航空の受け入れも含めて、その実現を引き続き国に強く求めてまいります。
 他の質問については、警視総監、教育長、技監及び関係局長から答弁します。
   〔警視総監池田克彦君登壇〕

〇警視総監(池田克彦君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 初めに、駐車取り締まりの方法の今後の方向性についてであります。
 違法駐車の取り締まりは、道路本来の機能を確保し、交通の安全と円滑を図るため、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いて行っているところであります。
 また、駐車監視員による放置車両確認事務は、地域特性と違法駐車の状況を踏まえ、重点路線や重点地域を定めた、取り締まり活動ガイドラインに沿って行われております。
 この取り締まり活動ガイドラインは、各警察署におきまして、違法駐車の状況、違法駐車を原因とする交通事故、渋滞状況などの実態を把握した上で、警察署協議会、それから地域住民の皆さんの要望を反映させ、毎年見直しをしております。しかしながら、幹線道路や駅周辺等を重点とする方向性は一貫しておりまして、短時間駐車の営業車を意図的にねらったような取り締まりは行っておりません。
 警視庁といたしましては、今後とも適正な指導取り締まりにより、駐車の整序化、良好な駐車秩序を確立して、交通の安全と円滑を図ってまいりたいと考えております。
 次に、荷さばき車両に配意した駐車規制の見直しについてであります。
 これまで、実施の可否等を詳細に調査した上、規制緩和が妥当と認められた区間について地域住民等との意見調整を行い、荷さばき駐車のルールに関する合意が調った区間から順次実施してまいりました。
 今後とも、地域住民の皆さん及び物流事業者等のご意見やご要望を十分に踏まえ、交通の安全と円滑を確保しつつ、荷さばき車両に配意した、よりきめ細かな駐車規制を推進してまいります。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、城東地区における進学指導推進校についてでございます。
 都教育委員会は、大学進学への生徒の希望をかなえるため、進学指導の強化に取り組んでおります。その一環として、昨年、進学校の全都的な配置バランスも勘案し、城東地区において江北高校と江戸川高校を進学指導推進校に指定し、周知を図ってまいりました。 今後とも、こうした指定の趣旨を、地区の教育委員会及び中学校の進路担当者等に対して確実に伝えてまいります。
 また、指定校が中学生に対する募集活動をさらに強化するよう指導するとともに、指定校が進学指導の取り組みを一層強化して、進学実績を上げられるよう積極的に支援してまいります。
 こうした取り組みを通して、指定校が進学への意欲と能力のある地域の中学生に選ばれるよう努めてまいります。
 次に、言語活動のより一層の充実についてでございます。
 児童生徒の思考力、判断力、表現力等をはぐくむためには、読書活動等を通して知識や論理を身につけさせた上で多様な言語活動を行わせ、言語能力の向上を図ることが重要でございます。
 平成二十年改訂の新学習指導要領は、すべての教科等で言語活動の充実を求めておりますが、都教育委員会は、既に平成十六年度から言語活動に係る指導資料の作成等を行ってまいりました。本年度からは新たに言語能力向上推進事業を開始いたしまして、読書や文書表現に加え、ディベートや討論を行わせるなど、言語能力の向上を図る教育を進めております。
 今後、こうした取り組みの成果を全都に普及するとともに、猪瀬副知事をリーダーとした、言葉の力再生プロジェクトとも連携を図りまして、言語能力の向上を推進してまいります。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の津波対策についてでございますが、国によると、羽田空港では旅客ターミナルビルや滑走路などの主要施設の地盤高は、高潮に対応してAPプラス六メートル以上にかさ上げされているとのことでございまして、今回の東北地方太平洋沖地震で発生した津波による被害も生じておりません。
 現在、国は東日本大震災を踏まえまして、中央防災会議で、地震、津波被害の把握、分析や、今後の対策の方向性などについて検討を行っております。都としては、その結果によっては必要な対策を実施するよう国に求めてまいります。
 次に、都営団地跡地の運動場活用についてでございます。
 都営住宅の建てかえにおきましては、老朽化した住宅を更新するとともに、敷地の有効利用や団地の集約により用地を創出し、地域のまちづくりなどに活用することが重要と考えております。
 お話の足立区立第十二中学校に隣接する都営住宅団地の跡地につきましても、このような考え方に基づき、建てかえを行わず創出したものでございまして、地元の足立区からは、かねてより学校用地としての活用について要望を受けておるところでございます。
 当該跡地の利活用については、公共、公益目的の利用を優先する観点に立って、区の要望を踏まえまして検討を行ってまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 土づくりの里についてでございますが、この施設は下水道工事からの建設発生土を改良して、都内の工事の埋め戻しに再利用する極めて重要な施設でございます。
 この施設でつくられた改良土は、石灰などをまぜて強度を増したもので、液状化対策にも大いに効果があり、今回の大震災で液状化の被害を受けた江東区新木場地区などにおいて、下水道管の本格的な復旧のための埋め戻し材としても使用してまいります。
 なお、お話の、他県に向かったトラックの事例でございますが、請負者が確保している仮置き場所に改良土を搬入した上で都内の工事現場に搬出したものでございまして、適切に運用されておりました。
 本施設の運営につきましては、これまで中川処理場連絡協議会において、地元の皆様のご意見、ご要望に十分配慮しながら、防音壁や緑地帯の設置、土ぼこりの飛散を防ぐ散水など、対策を講じてきております。
 また、当局が所有します隣接地を地域の避難場所として利用可能な公園とし、約三ヘクタールから五・六ヘクタールに拡大してまいりました。
 今後とも、本施設の運営に当たりましては、中川処理場連絡協議会において、地元の皆様のご意見、ご要望に十分配慮しながら、課題を解決してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 計画停電についてでございますが、三月十四日から実施されました計画停電は、ライフラインに支障を及ぼし、都民生活や経済活動に大きな影響をもたらすとともに、対象区域とそれ以外の地域の間に不平等を生じさせるなど、多くの課題を伴うものでございました。
 このため、都は三月十八日、国に対して、電気事業法に基づく電気の使用制限という、より合理的な利用規制に速やかに移行するよう緊急要望を行っております。
 その後、国は、計画停電を原則不実施に改め、大口の電力需要家に対して、最大使用電力の一五%削減を義務づけましたが、中小規模事業所と家庭に対しては十分に実効性のある対策を示すことができておりません。
 都としては、先月策定しました電力対策緊急プログラムに基づきまして、計画停電を回避するよう夏の電力危機にしっかりと対処してまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 災害発生時の動物対策についてのご質問にお答えいたします。
 都はこれまで、飼い主の責務について説明した小冊子を作成いたしまして、その中で、災害発生時には動物を同行して避難することや、避難所において他の避難者に配慮することなどを取り上げ、周知を図っております。
 今後、東京が被災した場合に、同行避難が円滑に行われますよう、避難所の運営主体でございます区市町村に対しまして、今回、都が開設した避難所において実施いたしました動物の管理場所や必要な資材の確保などについて、具体的に避難所運営のためのマニュアルに定めるよう働きかけてまいります。

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