平成二十三年東京都議会会議録第九号

〇議長(和田宗春君) 四十五番鈴木あきまさ君。
   〔四十五番鈴木あきまさ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇四十五番(鈴木あきまさ君) 初めに、東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 大震災の衝撃が今も心に残り、日本全体が重苦しい雰囲気にありますが、とうとい犠牲に報いるためにも、この日本をよりよい国家社会にしていくことが、生ある我々の責務でもあります。そうした決意で、みずからの職務を全うしていくことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。
 さきの東日本大震災を教訓として、首都直下地震への備えをさらに強化することが求められております。その際、東京が被災して、政治や経済など中枢機能が麻痺し、日本全体がとまらないようにする必要があることは論をまちません。
 そこでまず、現在の首都機能のバックアップ体制について伺います。
 一方で、大阪に副首都を建設し、東京をバックアップする構想が新聞紙上をにぎわせています。また、全国各地が、首都機能の一部を受け入れようと手を挙げる動きを見せ始めています。これらは、かつての首都機能移転論が亡霊のようによみがえったものにほかなりません。
 とりわけ、大阪府知事と愛知県知事、名古屋市長が臨時国会を大阪と愛知で毎年交互に開くことを求めておりますが、これはバックアップに名をかりながら、首都移転に向けて地ならしせんとする企てであります。
 国家財政が破綻に瀕している中で、莫大な公共事業で新しいまちをつくるのは非現実的であります。仮に建設しても、いざというときに東京から何百キロも離れたところへ政府機能が即座に移動できるわけではありません。現実的なのは、東京を初め首都圏の中で、防災力を徹底的に高めながら、機能の分散も図り、相互にバックアップできるようにすることであります。単なる箱物づくりでしかない副首都建設の議論をしている場合ではありません。今求められているのは、被災地の一日も早い復旧、復興であります。
 震災を口実にリスク管理の美名のもとで、首都機能移転論が復活しようとしていることに対して、知事の所見を伺います。
 さて、東日本大震災の影響により、東京の抱える課題は新しい局面を迎えています。電力供給の減少は、首都機能や産業活動に対する大きな制約となり、また、首都圏を襲う大地震を想定した災害に強いまちづくりの実現に向けて、都市全体の耐震化が不可欠です。
 こうした課題の解決を図るためには、国や大企業の技術開発のみに頼るのではなく、都内中小企業の将来性のある高度な技術を活用することが重要と考えます。私の地元大田区は、ものづくり産業の拠点として、実際に省エネや災害対策のための技術開発には非常に意欲的です。行政としても、こうした会社をしっかりとサポートすべきです。
 例えば、都は昨年度、省エネなど、環境分野における都市課題解決に役立つ研究開発テーマに沿った中小企業の新製品開発を支援しています。今年度は、安全・安心分野において同様に支援していくこととしております。震災後の都市の課題がより顕在化した今こそ、こうした流れをさらに加速させていくことが必要と考えます。
 震災後の状況を踏まえ、省電力製品や災害対策技術の開発促進にどのように取り組んでいくのか見解を伺います。
 今回の震災は、東京湾の沿岸地域でも液状化現象や地盤沈下などを引き起こして、工場に被害の生じた事例を出しております。
 大田区でも、ある事業協同組合の倉庫が地震の揺れにより破損した上に、建物そのものが沈み込んで、その復旧に大きく手間取っているような状況を聞いております。中小企業の事業組合は、震災復旧などに対応できる自己資金やノウハウが十分ではなく、組合に加入している個々の会社に追加で負担を求めようとしても、長引く景気低迷により、そうした分担は困難であるのが現状です。
 過去に例を見ない今回の震災のようなときにこそ、行政が復旧への手助けを図るべきです。都は、中小企業事業協同組合等の団体が所有する施設の被害に対し、早期復旧に向けた支援に取り組むべきであると考えますが、所見を伺います。
 今回の大地震は、都内中小企業に大きな影響を及ぼしており、東京都中小企業団体中央会の調査では、多くの中小企業が受注や売り上げの減少などの影響を受けたことが明らかになっております。
 実際に、都内中小企業は、震災から受けたダメージから一日も早い回復を目指すために、販路を新たに見出したり、新分野での技術開発に取り組むなど、懸命の努力を進めております。
 都としても、このような企業に対して、的確なサポートを行うことが重要ですが、中小企業の中には、行政に提出する書類の作成に手間取ったり、補助金などをもらい受けるまでの資金繰りをどうするべきかなど、都の窓口では相談の難しい悩みを抱えている実態もあります。
 また、ことしの夏の節電対策については、業種ごとの実態に応じた支援が求められています。今回の震災の影響は広範囲にわたるため、復興に向けては一社だけの努力では限界があり、ものづくり企業を初めとする中小企業同士の連携が重要となっております。さまざまな経営相談や節電のサポートなどについて、都は、同じ業種の互助組織のかなめである中小企業団体中央会を活用して組合等への支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、避難者への就労支援についてですが、東日本大震災による地震の影響や原子力発電所の事故などにより、都内に避難をしてきた方々は、一時的な避難所から順次、都営住宅等へ移り、生活再建に向け努力を続けられています。
 今後、仕事を通じて安定した収入を得ていくことが必要となっていきますが、被災地の復旧状況を見ると、避難の長期化が予想され、残念なことに、避難された方々全員が早期にふるさとに戻り、なれ親しんだ仕事に復帰できる状況にはありません。
 こうした中、地元に帰り復興事業で働きたいと考える方がいらっしゃる一方で、やむを得ず都内で仕事探しを考える方など、避難者の方々の意向もさまざまであると思います。
 しかしながら、現下の厳しい雇用状況のもとでは、避難されている方々が今までの職業経験や知識を生かせるような仕事に新たにつくことは、なかなか困難な状況にあります。
 そこで、都は、避難者の方々のそれぞれの意向を踏まえ、次の就職につながるよう、避難者を対象とした職業訓練を充実し、機会を提供していくことが必要と考えます。東京だからできる支援と考えますが、見解を伺います。
 次に、都市農業の振興についてですが、我が党はこれまでも、農地の少ない区部の小中学校の学校給食に、安全・安心な都内産農産物を供給すべきと主張してきました。都もこれにこたえ、現在、八王子市内の都有地を農地として有効活用し、区部の小中学校に都内産農産物を供給する取り組みを開始いたしました。
 この農場は、とうきょう元気農場と名づけられ、都と地元の農業者などが力を合わせて、安全で安心な農産物の生産に取り組んでいると聞いています。都有地の利活用と学校給食を通じた地産地消の取り組みとをうまくマッチさせた取り組みであり、大変意義のある事業と、大いに期待をしているところです。
 そこで、とうきょう元気農場における取り組み状況について伺います。
 また、とうきょう元気農場は、八王子市内の自然豊かな場所に開設された約六ヘクタールの広々とした農場であると聞いていますが、こうした農場で子どもたちが自然と触れ合い、農作業などを体験できたら、さらにすばらしいことではないでしょうか。
 この農場を、子どもたちの農作業体験等の場として大いに活用すべきと提案しますが、所見を伺います。
 次に、観光まちづくりについて伺います。
 大田区は、羽田空港の再拡張や国際化などに伴い増加する旅行者を空港周辺地域に取り込むため、都の支援を受け、大田、品川地域で広域的な観光まちづくりを進めてきました。
 こうした取り組みが評価され、大田区のメーンステーションの一つである蒲田が、銀座、秋葉原とともに観光庁の訪日外国人旅行者受け入れ環境整備事業の中で、戦略拠点に選定されました。
 全国で十二の戦略拠点のうち、東京都初の選定地として蒲田が選定されたことは、蒲田が羽田から東京を訪れる外国人旅行者の玄関口として期待をされているものと考えます。銀座、秋葉原は既に海外に知られていますが、この機会に蒲田も海外に開かれたまちとして、関係者が一丸となり、世界に向けて情報発信をしていってほしいと思います。
 蒲田を初め、大田区は羽田空港を擁するとともに、池上本門寺や馬込文士村などの歴史、文化的な環境、多摩川や臨海部の水辺環境、商店街、温泉の出る銭湯、羽根つきギョーザや汐焼きそばなどのB級グルメ、そして、世界に誇るものづくりの中小企業の集積など、豊かな観光資源があります。
 この観光庁の事業は、国と大田区の間の単年度事業ですが、大田区は次年度以降も外国人受け入れ機会の拡大と体制の整備を継続する予定です。
 地域がみずからの力で外国人旅行者を受け入れるための観光まちづくりに取り組み始めた今こそ、この主体的な取り組みが軌道に乗るよう、東京都も引き続き支援を行うべきではないかと思いますが、所見を伺います。
 次に、東京港について伺います。
 都では、平成十八年度に、東京港海岸保全施設緊急整備計画を策定し、水門や防潮堤などの耐震対策を推進しています。この計画の中には、私の地元大田区の貴船、呑川、北前堀、南前堀のいわゆる港南四水門も含まれており、それらは建設されてから相当期間が経過し、老朽化しているため、津波、高潮への備えを考えると早急な対策が必要であります。
 一方、これらの水門の内側は、かつては河川でありました。現在も埋立地から残った水面に、小型船の係留等に利用されていることから、都と地元区では、港南四水門の整備のあり方について協議を継続していると聞いています。
 そこで、今後、都はどのように取り組むのか伺い、私の全質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 鈴木あきまさ議員の一般質問にお答えいたします。
 首都機能についてでありますが、未曾有の震災を目の当たりにして、東京が災害に見舞われた際に、首都機能をどのように維持し、場合によっては代替するかを改めて検討、検証するのは大変必要なことだとも思います。
 しかし、最近の議論を見ますと、初めに移転ありきの感が否めずに、かつての首都機能移転論をも想起させます。これは、私、知事に就任して、率先してつぶした国の愚策でありますが、それがよみがえるのでは本当に困る話でありまして、首都機能は莫大な費用をかけて、単に箱物をつくれば担えるものでは決してありません。本当に役に立つものでなければ、いざ災害が起こったときにかえって深刻な混乱を招くことにもなりかねません。
 また、二十一世紀は都市の世紀でありまして、都市間競争に勝ち抜くことのできる都市を持つ国家でなければ、世界の中でも存在感を失っていくと思います。東京の新しい価値を生み出す力は、多彩な人材や質の高い情報、技術の高度な集中、集積に裏打ちされたものでありまして、二つとつくることは、これは決してできません。安易な機能分散で東京の力をそぐことは、私はむしろ日本の自殺行為だと思います。
 しかし、同時に、この昼間人口は四百万近くふえるという、しかも、その人たち、昼間の都民のために、ライフラインというものを都が都の負担で担保、保証しなくちゃいけないというのも、非常に健康な現象ではないとも思います。
 いずれにしても、日本における首都東京の存在を正確にとらえた上で議論をする必要があると思います。一時的なバックアップと首都の機能を移転するということを混同してはならないと思います。
 まず、震災が発生しても日本のダイナモが麻痺せぬように、東京を高度な防災力を持った都市に変える必要があると思います。その上で、万万万が一の事態が発生したときのために、現実に機能するバックアップ体制がつくられるべきものであると思います。
 そもそも、かつての首都移転論も、何を発したかといいますと、時に自民党を牛耳っていた金丸信という政治家が、何の発想でか、国会の真下で地震が起こったときにどうするか、これはやっぱりどこかへ移らなくちゃいけないから、八王子あたりの体育館を借りて、折り畳みいすを並べて国会をやるんだなということをいって、周りの側近がそれを非常に拡大解釈して、おだてて、一種の利権の進展のために首都移転なる珍論があちこちに起こりまして、一時、騒然としたものであります。
 今の時点で大阪や中京の人たちが臨時国会を大阪で開くなどというのは、まさに噴飯の話でありまして、臨時国会などというものは国会議員が移るだけで構成できるものじゃないわけです。これに必要な各省庁の役人が動かなかったら国会など成立しませんし、こういう案がただの空疎な案として出てくるのも、非常に東京にとっても迷惑といいますか、笑止の話でありまして、私たちはやっぱり東京という機能というものを、東京の、国家にとっての存在の意義というものを要するにしんしゃくした上で、その東京に万万万が一のことが起こったときに、その機能をいかにバックアップするかという最低限の措置というものを積極的に考えるべきだと思っております。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 首都機能のバックアップ体制の現状についてでございますけれども、これまで、災害時に国家の中枢機能が復旧するまで、一時的にその機能を支えるための、いわゆるバックアップ対策が講じられてきております。
 国では、霞が関の個々の官庁の耐震性を向上させるとともに、災害時の防災司令機能のバックアップ拠点となる広域防災基地を立川に整備しております。
 さらに、九都県市におきましては、都が主導いたしまして、広域的な災害対応力を強化する観点から、立法や行政機能の代替施設として、さいたま新都心や横浜市のみなとみらいを初め、首都圏各地の大規模施設を活用することとしております。
 あわせて、首都機能のバックアップのためには、単なる施設の準備にとどまらず、首都圏の自治体が相互に連携して応援する仕組みが必要であることから、九都県市では、災害時の相互応援に関する協定を結びまして、例えば都が被災した場合は埼玉県が支援の中心を担うということなど、被災した自治体への支援を混乱なく実施できるよう、取りまとめを行う自治体をあらかじめ定めているところでございます。
 このような実効性のある仕組みのもとで、被災状況に応じた物資の提供や人員の派遣、被災者の受け入れを初めとする支援を円滑に行う体制が構築されているところでございます。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の製品や技術の開発促進についてであります。
 現在、東京では、省電力や地震対策などの課題に直面しており、都内の中小企業がそのすぐれた力を発揮して、節電に役立つ製品や耐震性を高める技術などの開発に取り組むことが重要であります。
 こうした中小企業の取り組みを支援するため、都立産業技術研究センターでは、電気の消費量を抑えるLED照明や、少ない電力で機械を動かすモーターなどの装置について、その性能を評価する検査機器をふやすなどにより、製品や技術の開発をサポートする体制の充実を図ることとしております。
 また、災害に強い都市をつくり上げるために不可欠な耐震技術や、今回の原子力発電所の事故により必要性が高くなった放射線関連の技術につきまして、都市課題解決のための技術戦略プログラム事業における技術開発テーマに追加するとともに、それらに連動して、中小企業による製品開発の助成件数も拡大する予定であります。
 こうした取り組みにより、省エネ化や災害対策などに役立つ中小企業の製品開発を的確に支援し、東京の都市課題を解決してまいります。
 次に、中小企業団体の被災施設等の復旧についてであります。
 事業協同組合等の倉庫や設備について、地震による被災から早期の復旧を図ることは、その組合に加入している多数の会社の生産活動を安定させることにつながります。
 国では、今回の震災を激甚災害に指定して、中小企業の協同組合の施設などが被災した場合に助成を行うこととしておりまして、都は国と協力して、こうした仕組みを活用し、施設の復旧経費の四分の三を助成することで組合の負担軽減を図ることとしております。
 また、中小企業等のグループが被災施設を復旧する場合においても、復興事業計画の提出を受けた上で、組合への助成と同じレベルの支援を行い、多くの会社の経営基盤の回復を図ることとしております。
 さらに、組合等の自己負担の部分につきましても、都は、中小企業基盤整備機構と協調して無利子貸付などの金融支援を実施してまいります。
 こうした取り組みを総合的に進めることにより、震災の影響から速やかな復旧を目指す中小企業の支援を着実かつ効果的に展開してまいります。
 次に、中小企業団体等の震災対応への支援についてであります。
 今回の震災の影響により都内中小企業が直面いたします経営課題への対応や、この夏の節電対策について、同業の中小企業等によって組織される事業協同組合や、その指導を行う役割を持つ中小企業団体中央会と十分な連携をとりながら、効果的な解決の道をつくり上げることが重要であります。
 そのため、中央会が、組合から持ち込まれた加盟企業の経営課題などの解決を効果的にサポートできるよう、中小企業診断士などの専門家による相談窓口を設けたり、組合向けの節電セミナーの実施に取り組む場合に、都として支援してまいります。
 こうした取り組みにより、事業協同組合を支える中央会を的確に活用した施策を推進し、震災からの復興に努力する都内中小企業の経営環境の改善を進めてまいります。
 次に、避難者に対する職業訓練についてであります。
 ご指摘のとおり、被災地復旧の長期化が懸念される中、避難者の方々の就業支援が喫緊の課題でございます。
 このため、都は、避難者の方々を対象に就職に関するアンケートを行いまして、避難者のさまざまな意向に応じた幅広い職業訓練を実施し、就業を支援していくこととしております。アンケートの結果によりますと、仕事をする希望の地域でございますが、地元で就職を希望する方が二二%、都内及び首都圏での就職を希望される方が六四%に上っております。
 そのため、まず、被災地での就職を希望する方々を主な対象にいたしまして、現地での復興事業に携わる人材ニーズに対応した、ブルドーザーなどの建設機械操作や建築の基礎技術を習得する職業訓練を、民間教育訓練機関を活用して実施いたします。
 次に、主として都内などでの就職を希望する方々に対しましては、その方々の年齢や経歴などが多岐にわたっていることから、個々の状況に応じて新たな技術や技能を身につけていただけるよう、この十月から職業能力開発センターの全科目において避難者優先入校枠を創設し、多様な職業訓練の受講機会を提供してまいります。
 今後とも、職業訓練を効果的に実施していくことにより、避難者の就業を支援し、生活再建を後押ししてまいります。
 次に、とうきょう元気農場における取り組み状況についてであります。
 都は、昨年度、八王子市大谷地区にある都有地を農地として整備し、今年度から農産物の生産を開始いたしました。五月には、区部の小中学校の栄養士さんや流通業者などの関係者を交え、学校給食への提供開始に向け、意見交換を行っております。
 現在、農場では、地元の農業者やNPOなどの協力により、ジャガイモやタマネギ、大根など七種類の農産物が栽培されております。来月からは、大田区や江東区などの区部の小中学校を対象として、農場でとれた新鮮で安全・安心な農産物を本格的に提供してまいります。
 本農場では、栽培に当たって農薬の使用をできるだけ控えるとともに、出荷に当たっては、放射能検査も実施することとしております。
 今後とも、都は、計画的な農産物の生産、供給に努め、学校給食を通じた地産地消を推進してまいります。
 次に、とうきょう元気農場を子どもたちの農作業体験の場として活用することについてであります。
 農業と触れ合うことの少ない都会の子どもたちが農作業を体験することは、農業に親しみ、自然への理解を深め、食育を推進する上で大変意義があると考えます。
 このため、今年度は、この農場の農産物を提供いたしました学校の子どもたちなどを対象として、農作業体験イベントを行うことを予定しております。その第一回目として、来月七月の上旬に、農業者から農産物の育て方の話を直接聞いたり、ジャガイモの収穫作業や選別作業などの農作業体験、試食会などを実施いたします。
 今後とも、都は、とうきょう元気農場を活用して、子どもたちの食育を推進してまいります。
 最後に、地域における外国人旅行者受け入れ体制整備についてであります。
 地域がその特色ある観光資源を生かし、外国人旅行者の誘致に主体的に取り組むことは、東京の観光振興にとって重要であります。
 今般、大田区蒲田が国の訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備に係る戦略拠点として選定されたことは、これまでの地域の観光まちづくりにおける意欲ある取り組みが評価されたものであり、意義のあることと認識しております。
 都は、平成二十年度から三年間、多言語広域マップの作成など、大田、品川地域の広域観光まちづくりを支援してまいりました。今年度も、大田区に対しまして、多言語による観光案内標識の設置の支援を予定しております。
 今後も外国人旅行者の受け入れ機会の拡大が図られますよう、定期的な情報交換や助言を継続して実施してまいります。
   〔港湾局長中井敬三君登壇〕

〇港湾局長(中井敬三君) 港南四水門の整備のあり方についてでありますが、貴船、呑川、北前堀及び南前堀のいわゆる港南四水門については、大地震による液状化への対応が課題となっております。
 一方で、これら四水門については、その立地状況を踏まえ、散策路としての機能の確保や周辺環境への配慮など、地元が進めるまちづくりとの整合も図る必要があることから、総合的な視点に立った対策について、これまで地元区との協議を進めてまいりました。
 このうち、先行して検討を行っている南前堀水門については、今回の東日本大震災を踏まえ、水門の廃止も視野に入れ、地元区と連携して取り組みの促進を図ってまいります。
 また、残る水門についても、整備の方向性について、地元区と具体的な協議を進めてまいります。

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