平成二十三年東京都議会会議録第五号

平成二十三年二月二十二日(火曜日)
 出席議員 百二十五名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番吉住 健一君
四番桜井 浩之君
五番山崎 一輝君
六番野田かずさ君
七番福士 敬子君
九番山内れい子君
十番くりした善行君
十一番小山くにひこ君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番大松あきら君
二十番鈴木 章浩君
二十一番菅  東一君
二十二番きたしろ勝彦君
二十三番田中たけし君
二十四番鈴木 隆道君
二十五番星 ひろ子君
二十六番柳ヶ瀬裕文君
二十七番淺野 克彦君
二十八番新井ともはる君
二十九番佐藤 由美君
三十番中村ひろし君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番中山 信行君
三十七番高倉 良生君
三十八番橘  正剛君
三十九番松葉多美子君
四十番神林  茂君
四十一番早坂 義弘君
四十二番高木 けい君
四十三番宇田川聡史君
四十四番鈴木あきまさ君
四十五番矢島 千秋君
四十六番山加 朱美君
四十七番西崎 光子君
四十八番滝沢 景一君
四十九番中谷 祐二君
五十番笹本ひさし君
五十一番山下ようこ君
五十二番神野 吉弘君
五十三番鈴木 勝博君
五十四番興津 秀憲君
五十五番岡田眞理子君
五十六番伊藤 ゆう君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番伊藤 興一君
六十番吉倉 正美君
六十一番上野 和彦君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十四番吉原  修君
六十五番山田 忠昭君
六十六番三宅 正彦君
六十七番石森たかゆき君
六十八番高橋 信博君
六十九番服部ゆくお君
七十番こいそ 明君
七十一番原田  大君
七十二番佐藤 広典君
七十三番尾崎 大介君
七十四番伊藤まさき君
七十五番山口  拓君
七十六番松下 玲子君
七十七番野上ゆきえ君
七十八番西岡真一郎君
七十九番今村 るか君
八十番吉田康一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番遠藤  衛君
八十八番三原まさつぐ君
八十九番中屋 文孝君
九十番村上 英子君
九十一番林田  武君
九十二番田島 和明君
九十三番樺山たかし君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番くまき美奈子君
九十六番大西さとる君
九十七番いのつめまさみ君
九十八番門脇ふみよし君
九十九番小沢 昌也君
百番石毛しげる君
百一番花輪ともふみ君
百二番大津 浩子君
百三番大塚たかあき君
百四番相川  博君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番川井しげお君
百十一番高橋かずみ君
百十二番野島 善司君
百十三番三宅 茂樹君
百十四番吉野 利明君
百十五番宮崎  章君
百十六番比留間敏夫君
百十八番斉藤あつし君
百十九番増子 博樹君
百二十番泉谷つよし君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
  八番 土屋たかゆき君
 欠員
百十七番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監都市整備局長兼務河島  均君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長比留間英人君
財務局長安藤 立美君
警視総監池田 克彦君
主税局長荒川  満君
生活文化局長並木 一夫君
スポーツ振興局長笠井 謙一君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
建設局長村尾 公一君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長新田 洋平君
消防総監新井 雄治君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長宮川 雄司君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長山本 洋一君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長藤井 芳弘君

二月二十二日議事日程第五号
第一 第八十八号議案
中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約
第二 第九十三号議案
環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一─環二汐留工区)請負契約
第三 第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第四 第百二号議案
平成二十二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第五 第八十五号議案
都立板橋学園特別支援学校(仮称)(二十二)改築工事請負契約
第六 第八十六号議案
東京芸術劇場(二十二)改修工事請負契約
第七 第八十七号議案
東京消防庁金町消防署庁舎(二十二)新築工事請負契約
第八 第八十九号議案
東京芸術劇場(二十二)改修電気設備工事請負契約
第九 第九十号議案
東京芸術劇場(二十二)改修空調設備工事請負契約
第十 第九十一号議案
警視庁鮫洲運転免許試験場庁舎棟(二十二)改築空調設備工事請負契約
第十一 第九十二号議案
白子川地下調節池工事(その五)請負契約
第十二 第九十四号議案
古川地下調節池取水施設工事請負契約
第十三 第百三号議案
平成二十二年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第十四 第四十六号議案
東京都新しい公共支援基金条例
第十五 第四十八号議案
東京都消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例
第十六 第五十八号議案
東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十七 第五十九号議案
東京都地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例
第十八 第六十号議案
東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十九 第六十一号議案
東京都妊婦健康診査支援基金条例の一部を改正する条例
第二十 第六十二号議案
東京都子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例
第二十一 第百四号議案
平成二十二年度東京都母子福祉貸付資金会計補正予算(第一号)
第二十二 第七十三号議案
東京都中山間地域等農業活性化支援基金条例を廃止する条例
第二十三 第七十四号議案
東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第二十四 第百五号議案
平成二十二年度東京都農業改良資金助成会計補正予算(第一号)

   午後一時開議

〇議長(和田宗春君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(和田宗春君) これより日程に入ります。
 日程第一から第二十四まで、第八十八号議案、中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約外議案二十三件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

財政委員会議案審査報告書
第八十八号議案
中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約
第九十三号議案
環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一─環二汐留工区)請負契約
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月二十一日
財政委員長 高木 けい
東京都議会議長 和田 宗春殿

総務委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費 総務委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
総務委員長 高倉 良生
東京都議会議長 和田 宗春殿

財政委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
予算総則
歳入
歳出
都債─財政委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月二十一日
財政委員長 高木 けい
東京都議会議長 和田 宗春殿

文教委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出─文教委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
文教委員長 原田  大
東京都議会議長 和田 宗春殿

都市整備委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出─都市整備委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
都市整備委員長 いのつめまさみ
東京都議会議長 和田 宗春殿

厚生委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
債務負担行為 厚生委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
厚生委員長 くまき美奈子
東京都議会議長 和田 宗春殿

経済・港湾委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出─経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
経済・港湾委員長 西岡真一郎
東京都議会議長 和田 宗春殿

環境・建設委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出─環境・建設委員会所管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
環境・建設委員長 橘  正剛
東京都議会議長 和田 宗春殿

警察・消防委員会議案審査報告書
第百一号議案
平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費 警察・消防委員会管分
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
警察・消防委員長 宇田川聡史
東京都議会議長 和田 宗春殿

総務委員会議案審査報告書
第百二号議案
平成二十二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
総務委員長 高倉 良生
東京都議会議長 和田 宗春殿

財政委員会議案審査報告書
第八十五号議案
都立板橋学園特別支援学校(仮称)(二十二)改築工事請負契約
第八十六号議案
東京芸術劇場(二十二)改修工事請負契約
第八十七号議案
東京消防庁金町消防署庁舎(二十二)新築工事請負契約
第八十九号議案
東京芸術劇場(二十二)改修電気設備工事請負契約
第九十号議案
東京芸術劇場(二十二)改修空調設備工事請負契約
第九十一号議案
警視庁鮫洲運転免許試験場庁舎棟(二十二)改築空調設備工事請負契約
第九十二号議案
白子川地下調節池工事(その五)請負契約
第九十四号議案
古川地下調節池取水施設工事請負契約
第百三号議案
平成二十二年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月二十一日
財政委員長 高木 けい
東京都議会議長 和田 宗春殿

文教委員会議案審査報告書
第四十六号議案
東京都新しい公共支援基金条例
第四十八号議案
東京都消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
文教委員長 原田  大
東京都議会議長 和田 宗春殿

厚生委員会議案審査報告書
第五十八号議案
東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第五十九号議案
東京都地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例
第六十号議案
東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第六十一号議案
東京都妊婦健康診査支援基金条例の一部を改正する条例
第六十二号議案
東京都子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例
第百四号議案
平成二十二年度東京都母子福祉貸付資金会計補正予算(第一号)
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
厚生委員長 くまき美奈子
東京都議会議長 和田 宗春殿

経済・港湾委員会議案審査報告書
第七十三号議案
東京都中山間地域等農業活性化支援基金条例を廃止する条例
第七十四号議案
東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第百五号議案
平成二十二年度東京都農業改良資金助成会計補正予算(第一号)
 本委員会は、二月十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成二十三年二月十八日
経済・港湾委員長 西岡真一郎
東京都議会議長 和田 宗春殿

〇議長(和田宗春君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 三十五番大島よしえさん。
   〔三十五番大島よしえ君登壇〕

〇三十五番(大島よしえ君) 私は、日本共産党都議団を代表して、第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算外二議案に反対の立場から討論を行います。
 我が党は、最終補正予算において、税収減による一般財源の減収分を補てんするための減収補てん債を発行することや、既定予算の執行状況を精査し、現時点での不用額を減額し、一定程度の基金を確保することを否定するものではありません。
 しかし、今回の補正予算は、都民の暮らしの困難が増大している中で、基金残高を確保することを第一義的なものとしており、財源を緊急に必要な都民施策を充実するために振り向けるという点で、根本的弱点があるといわざるを得ません。
 すなわち、国の補正予算に関連した子宮頸がん等ワクチン接種や緊急雇用創出事業など、暮らしや福祉にかかわる施策はあるものの、都独自の施策はなく、都民の切実な願いに照らせば極めて不十分です。
 我が党は、未就職卒業者と中小企業をマッチングさせる未就職卒業者緊急就職サポート事業や生活道路の維持補修、歩道の整備など、来年度を待たずに実施できるものは、前倒しして直ちに実施すべきと考えます。
 また、視力と聴力の障害がある盲ろう者に対する通訳介助者派遣の時間数が少ないため、年度末になると利用を抑制せざるを得ない深刻な事態が生じています。年度当初から派遣時間数をふやしてほしいという要望が出されていました。被爆者団体東友会の健康指導委託費も、被爆者の高齢化に伴って相談件数がふえ、相談時間も長くなっている実態に合わせて増額することが切実に求められています。補正予算を組むなら、こういう問題への対応こそ優先すべきです。
 また、都財政が厳しいといいながら、本来、国の責任で行われるべき首都高速道路整備事業に十億円もの都債を発行し、出資を続けることは認められません。
 次に、第八十八号議案についてです。
 もともと中央環状品川線は、首都高速道路株式会社が行う事業です。にもかかわらず、東京都は、総事業費の半分である二千億円も負担して、街路事業として直接施行で乗り出したのです。
 今回の請負契約は、こうした事業の一環として施行される事業です。東京都が首都高の事業を肩がわりし、税金を投入することは認められません。
 第九十三号議案、環二地下トンネル築造工事請負契約についてです。
 もともと環状二号線道路事業は、現道のない住宅密集地域に骨格幹線道路を整備するものであり、長年にわたって住民の強い反対があったものです。
 ところが、新橋─虎ノ門間については、森ビルによる超高層ビル建設と一体で進められることになり、森ビルが特定建築者になって、市街地再開発事業により生ずる保留床を取得することを前提に、超高層ビル建設とその下の地下トンネルの整備を一体で行うものです。こうして、地下トンネルの虎ノ門出入り口は、地上五十一階の超高層ビルである森ビルに接するという、至れり尽くせりの開発になるのです。
 環状二号線建設を、成算もない国際コンテナ戦略の過大な港湾計画と臨海部開発の受け皿として、また、開発利益を享受する大企業の適正な負担もなしに工事を進めることは重大な疑義があり、見直すべきです。
 都民の暮らし、雇用が一層深刻さを増しているもとで、総力を挙げて都民施策の拡充に取り組むことが求められています。高速道路や港湾建設など、国の大型開発を肩がわりすることはきっぱりとやめ、都民の雇用、住宅、福祉の充実に全力を尽くすことを求めて、討論を終わります。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 十三番田中健君。
   〔十三番田中健君登壇〕

〇十三番(田中健君) 私は、都議会民主党を代表して、第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)外知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、第百一号議案について申し上げます。
 この補正予算は、雇用の下支え、疾病対策や介護などに国の補正予算を活用するものが主なものです。
 中でも、住民生活に光をそそぐ交付金は、住民ニーズがありながら対応がおくれていた分野、また雇用の発生が期待できる分野、例えば、消費者相談などの経費、女性相談センターのセキュリティー強化といったDV被害者対策、そして、こころといのちの総合相談会などの自殺総合対策、児童虐待など、専ら立場の弱い人たちにこれまで以上に力を入れたいとの思いで創設されました。
 都においても、長期にわたって既存の民間団体への補助金削減が続き、各団体が自立的な活動が求められるとともに、既存制度の谷間にある難病やひきこもり、若者の心の問題、高齢者の見守り支援など、新たな分野での支援活動に対しては、必ずしも十分な対応が行われてきませんでした。
 今回の都の補正予算は、国の方針を踏まえた対策となっていますが、国の交付金のあるものだけに限らず、より一層積極的な施策展開を求めるものです。
 次に、第四十六号議案、東京都新しい公共支援基金条例について申し上げます。
 新しい公共が目指す社会は、官依存型の社会から脱却し、市民、NPO法人、企業等によって国民の多様なニーズにきめ細かくこたえるサービスがむだのない形で提供され、一人一人に居場所と出番のある協働型の社会であります。
 新しい公共型社会の着実な実現のため、その担い手となり得るNPO法人等の民間非営利団体への財政安定化のための支援、さらには、NPO法人等の活動を下支えする市民ファンドや中間支援組織に対する支援を強化していく必要があります。
 NPO法人が約六千七百団体と数多く存在する東京都は、この支援基金の活用を機に、率先して寄附文化を社会に根づかせ、行政依存型ではなく、都民一人一人が地域社会の役割を担う新しい公共型社会の早期実現に努めることを求めるものです。
 次に、第六十号議案、東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 本案は、国が新たに設置した基金を受け入れ、国が十分の十補助している介護基盤の緊急整備特別対策事業、既存施設のスプリンクラー整備特別対策事業をさらに充実させるものです。
 具体的には、施設整備費補助単価の増額、認知症高齢者グループホームなどの防災対策に対しての新たな補助、地域の見守り活動などへ助成するための規定整備です。
 本条例改正によって、新たに三百二億円が積み増しされます。既存施設利用者の生活環境の改善とともに、必要とされる施設整備促進につながるよう期待をするものです。
 次に、第六十二号議案、東京都子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例について申し上げます。
 本案は、若年女性に多く発生する子宮頸がんのワクチン、特に小児において重篤な症状を示し、重い後遺障害を残すことも多いインフルエンザ菌のワクチンなど、緊急に予防接種を促進するための基金を設置するものです。
 予防接種については、法定接種の見直しやワクチンの国内生産体制確保など、国での検討課題もありますが、長年必要性が叫ばれながら対応されてこなかった新たな予防接種への国による公費助成が実現したことは、大きな前進であります。都においても、実施について適切な対応を求めるものです。
 次に、第七十四号議案、東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 本条例は、国の補正予算に基づき、臨時特例交付金事業が平成二十四年度まで延長されることに伴い改正され、百二十六億円の基金の積み増しとともに、介護や医療、環境、観光などに加え、成長分野を支える基盤として教育研究を追加するなどの見直しが図られています。
 私たち都議会民主党は、昨年九月の代表質問でも、厳しい雇用情勢にかんがみ、都としても早期に雇用対策が実施できるよう準備すべきであると主張してきました。
 既に昨年十二月議会で補正予算を成立させた県もある中で、都としては、今回の積み増しとあわせて、既に雇用対策事業を予定している区市町村が着実に実施ができるよう、二十二年度内の速やかな執行を求めます。
 また、二十三年度以降の事業の実施については、成長分野において、失業者や未内定者の次の雇用につながるよう、切れ目のない、かつ、厚みのある雇用創出事業に取り組まれることを強く求めるものです。
 以上、都議会民主党を代表しての討論を終わります。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 五番山崎一輝君。
   〔五番山崎一輝君登壇〕

〇五番(山崎一輝君) 私は、都議会自由民主党を代表いたしまして、第百一号議案、平成二十二年度一般会計補正予算(第二号)を初め、本日の本会議において議決する全議案に賛成の立場から討論を行います。
 第百一号議案の補正予算は、不用額の精査により生み出された財源を、基金残高の確保に充てるなどしております。これは、これまで我が党と都が手を携え取り組んできた、将来を見据えた堅実な財政運営の一環であるといえます。
 我が国全体が閉塞感に覆われている今だからこそ、東京が先陣を切り、混迷する日本に活路を切り開かなければなりません。そのためにも、積極的な施策展開を支え得る財政基盤を維持していくよう、堅実な取り組みを継続して行われることを求めます。
 そのほか、第八十六号議案の東京芸術劇場改修工事請負契約など都有施設の維持更新を計画的に進めていくもの、第九十三号議案を環二地下トンネル築造工事請負契約など東京の都市機能を高めるインフラ整備を力強く進めていくもの、さらには、第九十四号議案の古川地下調節池取水施設工事請負契約など水害から都民の安全を守るための契約案も提案されております。いずれも不可欠な事業で、時期にかなったものであり、着実に進めていくことを要望いたします。
 さて、本定例会も、本日の中途議決の後、予算特別委員会で平成二十三年度予算の審議が本格的に始まるわけであります。
 今、若者には就労の道が狭められ、サラリーマンは会社の将来を憂い、中小企業は円高にも苦しみ、そして、高齢者は国が本当に自分たちを守ってくれるのか疑問を抱いております。
 このように、我が国全体が活力を失い、いいようのない不安感が漂う今日の状況においては、都民の生命、財産を守り、安全と安心を実現するという政治の責任が、一層問われるものとなります。
 国政は迷走を繰り返し、国民に安易におもねってばかりで、国家の未来像を示すことができておりませんが、我々都議会は、都民に安心をもたらし、将来への展望を指し示すための議論を、徹底して重ねていかなければなりません。
 最後に、都議会自由民主党は、与党第一党として、物事の本質をとらえた議論を通じ、筋の通った施策のありようを示し、そして施策を着実に実行していくことで、責任ある都政運営に邁進していく決意であることをお誓い申し上げ、討論を終わります。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 十七番栗林のり子さん。
   〔十七番栗林のり子君登壇〕

〇十七番(栗林のり子君) 都議会公明党を代表いたしまして、平成二十二年度東京都一般会計補正予算を初め、全議案に賛成する立場から討論いたします。
 まず、第百一号議案、一般会計補正予算(第二号)について申し上げます。
 本案は、歳入歳出予算の精査を行い、財政環境が依然厳しい状況の中でも、今後の積極的な施策展開を支え得る財政基盤を堅持するための基金残高の確保を図るとともに、国の補正予算を踏まえた所要の経費を計上するものであります。
 まず、歳入歳出予算の精査についてであります。二十二年度の税収を見ると、都税そのものは当初予算よりわずかながら増の見込みとはなったものの、今後の大きな伸びが期待できない中では、可能なときに基金残高を確保する努力を行うことが常に重要です。
 そうした点から、都民サービスに影響のない不用額となることが明らかな歳出の整理や、適切な範囲での減収補てん債の発行などによる歳入の確保などにより基金取り崩し額を縮減したことは、都の、堅実な財政運営に対する積極的な姿勢のあらわれとして評価いたします。
 国の補正予算に関連する予算案及び条例案について申し上げます。
 子宮頸がんの予防ワクチン接種に関する公費助成の充実は、これまでの我が党の主張と合致するものであり、評価します。
 都においては、国に先駆け、二十二年度から区市町村包括補助により支援を実施していましたが、今回の対応により、基金を活用した支援が年度途中から可能となり、二十三年度からは都内ほとんどの区市町村で公費助成が行われる見込みです。
 しかし、子宮頸がんで亡くなる方を一人でも減らすため、都としても、検診の重要性や、子宮頸がん予防ワクチンの接種の有効性や重要性に関する情報提供を積極的に行うとともに、二十四年度以降の事業継続を国に対して強く求めていくべきであります。
 また、緊急雇用創出事業臨時特例基金への積み増しは、いまだ雇用状況が好転しない中であることから、住まい対策のほか、雇用の創出、人材育成に関する支援策、雇用の継続につながる取り組みなどの充実に、今後も期待するところであります。
 地域自殺対策緊急強化基金については、今回の拡充により、うつ病医療体制強化事業を新たに支援メニューに加えていますが、自殺の要因にうつ病との関連が高いといわれていることから、今後、うつ病治療に効果がある認知行動療法を取り入れることに期待するものであります。
 政権交代から一年半近く経過した現在、国においては、財政の健全化やデフレ脱却の対策、そしてマニフェスト見直しにも、何一つ展望が示されず、民主党内の紛争に終始するありさまです。
 国政が混乱、停滞していても、都政に停滞は許されません。だからこそ、首都東京は、強固な財政基盤を堅持し、都民を不安から守る基礎体力を維持していかなければなりません。
 都議会公明党は、あくまでも都民与党の立場を貫き、緊急課題に着実に対応するとともに、都民の将来の安心と希望につながる施策の実現に向け邁進することをお約束し、討論といたします。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって討論を終了いたします。

〇議長(和田宗春君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一及び第二、第八十八号議案、中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約外議案一件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(和田宗春君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 次に、日程第三、第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(和田宗春君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 次に、日程第四から第二十四まで、第百二号議案、平成二十二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)外議案二十件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
明二十三日から三月十日まで十六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、明二十三日から三月十日まで十六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は三月十一日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時二十七分散会

ページ先頭に戻る