平成二十三年東京都議会会議録第四号

〇副議長(鈴木貫太郎君) 三十二番田の上いくこさん。
   〔三十二番田の上いくこ君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇三十二番(田の上いくこ君) 新たな水源が必要か否かについてはこれまでにも多々議論されてきましたが、当然ながら正確なデータに基づいた判断が必要です。現行の水需要予測は、平成十五年から十年間の長期予測、二十五年までのもので、残り二年となる中、改めて水需要予測の見直しを求めるものです。
 昨年末に、将来の首都東京にふさわしい水道施設の再構築を考える会の第一回会議が開かれました。水道システム全体の安全度を向上させ、将来にわたって安定給水を確保することを目的に、首都東京にふさわしい水道施設の再構築に向けた基本構想を策定するためのものです。
 今後の水源や施設整備に当たっては長期的な視点が求められ、当然に水需要予測が必要です。考える会では、二〇一一年度じゅうに構想をまとめるとのことですが、当然、検討の前の判断材料として、年度内しかるべきときに新たな水需要予測が示されるのでしょうか。
 水源開発においては当然に費用がかかり、水道料金にかかってくるものとなります。八ッ場ダムの開発に当たっては、東京都の負担金が二〇一五年までで六百三十五億円、水道の利水分だけで四百七十二億円ですが、起債の利子分があるので、実際の事業費負担額は七百九十一億円になります。
 水道料金におけるこの建設コストの負担分は、二十二年度分で一立米当たり〇・七九二円で、暫定豊水水利権の分も含まれています。昭和四十五年から水道料金への負担が課され、六十二年から起債がありますが、毎年の起債額により影響額はその都度異なります。〇・一円に満たない年もあれば一円を超える年もあります。いわゆる標準家庭の一カ月当たりの水道使用料は二十四立米とされていますが、仮に影響額を一円で計算すると、一カ月二十四円の値上げになります。
 工事の進捗によって事業費がさらに膨らむことも考えられますが、現在の推計では、この先事業費負担分は、元利も含めてどれぐらいで償還されるのでしょうか。さらに、今後新たな水源、すなわち八ッ場ダムが完成し、安定水利権となった場合の給水原価に含まれる負担はどれくらいなのでしょうか。
 水源施設全体では、二十一年度分、一立米二十五・八四円を占めています。先ほどの標準家庭の例では、一カ月六百二十円強です。利用者に負担がかかるのですから、新たな水源開発においては、水需要予測を含め、慎重に検証されなければなりません。
 多くの都民は水源、すなわちダムと、かかる負担の関係をよく知らないのではないかと考えます。ダムに関しては、今回取り上げた利水だけではなく、治水分の負担、また、上水があるならば当然に下水料金にかかる負担もあります。利水、治水の必要性と、コストと負担の関係から、具体的な料金への影響を公に示すことが水源開発を考える上で必要です。新たな水源を開発すればそれだけ負担が増す、つまり水道料金に影響があるということを都民に告知したことはあるのでしょうか。お尋ねいたします。
 次に、北小岩一丁目東部土地区画整理事業です。
 平成十六年より江戸川区におけるスーパー堤防事業についての話し合いが始まり、北小岩一丁目東部地区では、平成十八年から五年に及ぶ議論が続いています。この土地区画整理事業は、スーパー堤防と一体化した事業とされていましたが、昨年十月末の国の事業仕分けで、治水事業であるスーパー堤防事業は事業廃止の判定があり、二十三年度予算案にも新規事業として計上されていません。
 国の見直しに伴って、区は、高規格堤防事業の有無にかかわらず、土地区画整理事業の施行に当たっては盛り土造成を行い、隣接地との高低差を解消することが必要であると方針を変更し、スーパー堤防がなくとも盛り土を伴う区画整理が必要としています。
 都の都市計画審議会での審議に先立って、都市計画については、当然、江戸川区の都市計画審議会を経ているわけですが、区の都市計画審議会の議案書では、事業の実施については国土交通省の高規格堤防事業と共同で行う予定であるとしていました。また、区の都市計画素案説明会でも、スーパー堤防事業工事が区画整理工事より先に着工されるという事業スケジュールが示され、事業はまさにスーパー堤防を前提としていました。
 ところが、今回の施行者の見解では、高規格堤防の有無にかかわらず盛り土造成とあるのですから、区が諮った都市計画と都で審議される事業計画案の内容が異なるわけです。現在の事業計画案を変更することなく、そのまま審議を進めることができるのでしょうか。ご見解を伺います。
 都の都市計画審議会では、三月に意見書の採択が行われます。ところが、提出された意見書も、十二月に行われた口頭陳述も、スーパー堤防に関するものばかりです。事業計画書案では、本地区は国の治水事業である高規格堤防事業の対象河川の江戸川沿川に位置し、本地区のほとんどが高規格堤防の施行範囲内に位置するとだけされていますが、その内容のまま審議が行われると、それらの意見は事業計画以外に関することに分類され、審査の対象になりません。
 区が複数年にわたり説明し、都市計画にも示してきた、スーパー堤防との共同事業として理解している住民は、当然、スーパー堤防についての意見をしますが、それがすべて審査の対象外になってしまうことには疑問を感じざるを得ません。審査におけるスーパー堤防事業の扱いについて、改めて都の見解を求めます。
 土地区画整理事業とは、基本的に、用地買収をせず、土地の権利を変更することなく、換地等はあれども、仮住まいから地域に戻ってくるものと認識しています。ところが、この地域においては土地の先行買収が行われ、八十八名の地権者のうち十九名が既に手放している状況です。平成十六年に行われた平井七丁目のスーパー堤防事業でも、四割がもとの土地に戻ることはありませんでした。盛り土をすることにより、通常の区画整理事業が一、二年とすれば、四年はかかる、二度の移転を強いられるなど、住民の負担が多くなってしまいます。
 スーパー堤防と切り離してまでなぜ盛り土が必要なのかは、合理的な説明がなければ納得できるものではありません。都は、スーパー堤防と離れて住民の負担を強いてまで盛り土を行う必要性をどのように認識しているのでしょうか。
 国では見合わせることになったスーパー堤防事業ですが、新聞記事によると、江戸川区長は、都の都市計画審議会で、近く北小岩地区の事業化が決まる見込み、国にはやってもらわないと困る、どこまでも押していくと話しているとあります。都の事業認可をきっかけに、区が、国のスーパー堤防事業が進むことを期待しているということです。区の目的と東京都の審議内容、また、国の判断がそれぞれ異なることになります。このような状況の中で、東京都が単なる土地区画整理事業として認可の手続を進めることには疑問があります。ご見解を伺います。
 数年前、突然降ってわいた事業案に、この地域の住民は、賛否でまちが分断され、隣の人と目を合わせられないようなコミュニティの崩壊を感じています。役所の人は何年かでかわってしまうけれども、私たち住民はずっとここに住んでいくのだという切実な思いを聞きました。住民が蚊帳の外に置かれたまま事業だけが進んでいく状況をつくってはならないと強く申し上げます。
 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画で目をみはるのは、知的障害の生徒の増加と、情緒障害等の通級指導学級の利用者の増加です。障害のある児童生徒数の将来推計にもあるように、情緒障害等の生徒数は、平成十六年度千八百三十一名から二十一年度で倍増、三十二年度の推計値では四倍強となり、著しい増加傾向です。
 こうした中、都は、小中学校における発達障害の児童生徒に対する新たな特別支援推進教育体制として、通級等の整備の考え方を示しました。しかし、義務教育での発達障害については記述があるものの、特別支援学校における発達障害の生徒に関してはほとんど触れられていません。本来、知的障害の特別支援学校に発達障害のみの生徒はいないとされていますが、知的障害の生徒のクラスに発達障害の生徒が入る例が見られます。発達障害と知的障害の重複と思われますが、発達障害の側面が大きく表に出てしまうようです。
 私の地元の白鷺特別支援学校の例では、愛の手帳を持っていない生徒は中学部で三・六%、高等部で八%ほどです。障害の重複によって知的障害が軽いなど、手帳取得に至らない生徒の割合だと推測いたします。
 第三次計画の中では、発達障害の生徒一人一人の状態は一様でないことが示され、きめ細かい支援が必要になるとされています。発達障害に伴って精神医療を受けている生徒も見られます。また現場では、教員が多動なパニックを起こしやすい自閉症の生徒の対応に追われ、すべての生徒に教育が行き届かないのではないかなど、保護者の懸念が聞こえてきます。知的障害特別支援学校において、知的障害と発達障害をあわせ持つ児童生徒がふえ、さまざまな課題がある現状をどのように認識し、今後配慮が必要な児童生徒に対してどのように指導を行っていくのか、対応についてお伺いします。
 第三次計画では、ふえていく生徒数に対応するため、併置や改築などご努力をされていることは理解しながらも、抜本的に対応していく必要があると考えます。この五年間は併置や改築で間に合うかもしれませんが、その後はどうでしょうか。
 特別支援学校の高等部に入学する生徒は、義務教育である中学校の特別支援学級に通っていた生徒が約七割とされています。すべての学校における特別支援教育の充実としながらも、高等部においては、おおむね特別支援学校に任せている現状があります。障害者にとっての一貫した教育を考えたときに、小中学校だけでなく、都立高校における特別支援学級設置も視野に入れ、今後の特別支援教育の充実を考えていくべきではないでしょうか。今後の見通しについて伺います。
 社会的養護について伺います。
 厚生労働省の児童相談所運営指針では、原則的に、一時保護の期間は二カ月を超えてはならないとされています。しかしながら、一時保護所で子どもが過ごす期間は長くなる傾向にあり、中には二カ月を超えるケースもあると聞きます。
 保護期間が長くなると、子どもの通学の問題も当然に発生してしまいます。東京都では、一時保護の長期化についてどのように認識をされているのでしょうか。
 少子化ではあるものの、社会的養護の六割ともいわれる虐待による保護児童がふえています。都がこれまで一時保護所の定員を百六十八名までに拡大してきたことには理解しつつ、一時保護所の状況により、家庭からの緊急保護ができないのではないか、懸念いたします。虐待等の通告による保護に問題が生じていないのか、状況と対策について伺います。
 児童養護施設開設は、資金面や地域での理解の問題があり、容易ではありません。都の養護児童グループホームの推進は、施設分園型グループホーム事業として長年取り組まれてきた事業だと思いますが、本園の近くでの設置となるため、どうしても地域偏在してしまいます。
 都内に児童養護施設は四十カ所以上ありますが、江戸川区や江東区には一つもありません。そういった地域の子どもたちは、もともと住んでいたところを離れての施設生活になります。中には、自然環境に恵まれた都外施設でのケアを必要とするケースや、虐待等何らかの事情によって離れた地域を選択するケースもあるでしょうが、基本的には家庭復帰や社会的、経済的自立をしていくために、地域とのかかわりが重要です。
 家庭復帰できない子どもは原則十八歳で施設を離れていきますが、地域性のないところでほうり出される格好となってしまいます。高校中退などしようものなら、十八歳未満の年齢で社会にほうり出されるわけです。
 東京都児童福祉審議会は、就労に向けた支援として、地域の企業と連携した取り組みの強化や、自立後も挫折しがちな若者を継続的に支援する仕組みの構築などを提言しており、都も取り組みを進めていますが、こうした取り組みも、生活基盤を置く地域から遠い施設に措置された場合には利用しにくいものになってしまいます。それまで住んでいた地域に近い施設を利用する必要性について、また就労支援やアフターケアについて都の認識を伺って、質問を終わります。(拍手)
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 田の上いくこ議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、知的障害特別支援学校における発達障害の児童生徒についてでございます。
 近年、知的障害特別支援学校では、知的障害が軽度で発達障害をあわせ持つ児童生徒が増加していることから、発達障害の特性を踏まえた指導を適切に行っていくことが重要であると認識しております。
 都教育委員会は、平成十七年度から、発達障害の中でも児童生徒数の多い自閉症に関する教育課程の研究を進めまして、自閉症の小学部児童が適切な行動や望ましい対人関係を身につけるための指導書を作成するとともに、講習会を開催するなどして、教員の資質向上に努めてまいりました。
 現在、各知的障害特別支援学校においては、教員が発達障害の特性について理解し、それぞれの児童生徒の状態に応じた指導を行っているところであり、特に医療が必要な場合には、関係機関と連携し、対応しております。
 都教育委員会は、平成二十三年度からは、中学部、高等部生徒の自閉症教育の研究にも着手することといたしまして、発達障害をあわせ持つ児童生徒の特性に応じた指導の充実に取り組んでまいります。
 次に、都立高校における特別支援教育の充実についてでございます。
 都立高校、特にチャレンジスクールやエンカレッジスクールなどには相当程度の発達障害の生徒が在籍しているものと推測されることから、こうした生徒への支援の充実が重要な課題であると考えております。都教育委員会では、これまでもすべての都立高校において特別支援教育コーディネーターを指名するとともに、特別支援教育に関する委員会を設置するなど、校内支援体制の整備に取り組んでまいりました。
 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画では、チャレンジスクール等の中からモデル校を指定し、個別指導計画の作成、活用による学習支援や進路指導体制の充実等を通して、特別な支援を必要とする生徒に対する適切な指導、支援のあり方について実践的研究を行うこととしており、これらの成果を踏まえ、都立高校における特別支援教育を充実させてまいります。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市計画審議会の審議の対象についてでございますが、北小岩一丁目東部区画整理事業のような区が施行する土地区画整理事業の場合、東京都都市計画審議会は、土地区画整理法第五十五条の規定に基づき、縦覧に供された事業計画案に対し提出された意見書について審査を行うこととなっておりまして、事業計画案の内容そのものを審議するわけではございません。
 次に、スーパー堤防事業に関する意見の取り扱いについてでございますが、江戸川区が作成した北小岩一丁目東部土地区画整理事業の事業計画案は、当該地区における高規格堤防事業、いわゆるスーパー堤防事業の実施を前提とするものではなく、これに関する記載もなされておりません。このため、スーパー堤防事業に関する意見は、事業計画以外に関する意見として分類し、都市計画審議会に付議しているものでございます。
 次に、北小岩一丁目東部地区の盛り土の必要性についてでございますが、本地区は、蔵前橋通りとJR総武本線の盛り土及び江戸川の堤防によって三方が囲まれたくぼ地状の地形となっており、地区内へ車両が進入できる道路は二本しかございません。また、地区内の道路の九割以上が幅員四メートル未満の狭隘道路であり、加えて、旧耐震基準の建物などが密集していることから、防災上の課題を有しております。
 区では、この地区が抱えるまちづくりの課題を早急に解決するため、土地区画整理事業を実施することとし、この中で、盛り土によって周辺地盤との高低差を解消し、防災機能の向上や宅地の利用増進を図ることとしております。都としては、地区のこのような状況を踏まえると、盛り土を行うことについて十分合理性があると認識しております。
 なお、江戸川区では、仮移転が長期に及ぶことに対する住民の不安が解消されるよう、希望者に対して土地の先行取得を実施しております。
 最後に、認可の手続についてでございますが、区は、施行者として土地区画整理事業を行う場合、土地区画整理法に基づいて、設計の概要、事業の期間、資金計画などを内容とする事業計画を作成する必要があります。都は、この事業計画の内容のうち、設計の概要のみについて、環境や防災などの技術的な観点から審査し、適当と認められる場合には法に基づいて認可を行うこととなっております。
 北小岩一丁目東部土地区画整理事業の認可については、こうした手続に基づき、適切に行うこととなります。
   〔水道局長尾崎勝君登壇〕

〇水道局長(尾崎勝君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、水道施設の再構築に向けた基本構想における水道需要予測についてございますが、この基本構想では、施設の耐用年数である五十年から百年先を見通し、将来にわたって首都東京を支える水道システム全体の安全度を踏まえ、水道施設の再構築のあり方を検討することとしております。水道システムの安全度の検討に当たっては、水道需要、水源確保、施設整備等が密接に関係することから、水道需要の見通しにつきましては、平成二十三年度内に策定する基本構想の中で示してまいります。
 次に、八ッ場ダムに係る企業債の償還期限及び給水原価への影響についてございますが、八ッ場ダムに係る企業債の最終償還期限につきましては、企業債が最長三十年間で償還されることから、平成二十七年度のダム完成から三十年後の平成五十六年度に終了することとなります。
 また、原価を対象水量で除して算出する給水原価につきましては、平成二十一年度実績で、一立方メートル当たり二百三円でございます。
 給水原価を算出する同様の方法によって、今後の八ッ場ダム負担額の影響を、平成二十二年度東京都水道局事業評価委員会で示した事業費をもとに算出すると、企業債の償還が完了する平成五十六年度までは〇・一円から一円程度、維持管理費のみとなる平成五十七年度以降は〇・〇一円程度になる見込みでございます。
 最後に、八ッ場ダムなどの水源開発に係る負担額の広報についてでございますが、渇水に対する安全度を格段に向上させる八ッ場ダムなど水源開発に係る費用は、事業評価制度による費用対効果分析や、活動ごとに原価を算出するABC分析などの経営管理手法によって定期的に分析し、公表しております。また、水源開発の事業費総額及び各年度の負担額につきましては、経営計画策定時のほか、予算審議や決算認定を行う議会において明らかにしています。こうした情報は、都民へわかりやすい内容で広くお伝えするため、「水道ニュース」などの広報誌やホームページなどの媒体を利用してお知らせしています。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 社会的養護につきまして、三点のご質問についてお答え申し上げます。
 まず、一時保護についてでございますが、虐待や非行の相談件数の増加とともに、心身の状況や家庭環境に複雑な問題を抱える子どもたちの保護がふえております。こうした子どもや家庭が抱える問題を総合的に判断し、援助方針を決定するためには、家庭調査や心理診断、行動観察などを十分に行うため、一定の保護期間が必要でございます。
 都は、保護した子どもたちの速やかな援助方針の決定に努めるとともに、一時保護所におきましては、子どもの心のケアに対応する心理職員や学習支援を行う専門スタッフの配置に加えまして、平成二十二年度から、夜間の体制を手厚くするため、一時保護対応協力員を配置するなど、保護期間中の適切な援助に努めております。
 次に、一時保護の状況と対策についてでございますが、児童相談所では、児童虐待の通告に基づき、迅速に児童の安全を確認し、必要な場合には親から分離して一時保護を行っております。保護すべき児童が一時的に集中した際には、緊急対応用の居室での保護や児童養護施設等への保護委託を行うなど、児童の速やかな安全確保に努めております。
 今後、仮称でございますが、子ども家庭総合センターの開設や、墨田児童相談所の移転改築にあわせまして、計画的に一時保護所の定員拡充を進めてまいります。
 最後に、児童養護施設の選定及び入所児童への支援についてでございますが、児童が入所する施設の選定は、児童の年齢、兄弟の有無、虐待の程度など、児童と家庭の状況を考慮して行っており、必ずしも住んでいた地域に近い施設が適切というわけではございません。また、入所児童が自立した生活を送れるようにするためにはさまざまな支援が必要であり、児童が就労自立を目指す場合には、施設と学校、児童相談所などが連携し、本人の意向を踏まえながら就労先選定等の支援を行っております。今年度からは、就職準備セミナーや就労体験を行う就業支援事業も実施いたしております。
 施設退所後につきましても、児童の相談指導や就職先への訪問などを実施する施設に対しまして、都独自の補助を行い、児童が安定して自立した生活を継続できるよう支援を行っております。

〇議長(和田宗春君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十一分休憩

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