平成二十二年東京都議会会議録第十七号

○議長(和田宗春君) 八十三番小磯善彦君。
   〔八十三番小磯善彦君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○八十三番(小磯善彦君) スポーツ振興について質問します。
 我が党は、かねてより、身近な地域で世代を超えて多くの住民がスポーツを楽しめる地域スポーツクラブの拡充を訴えてきました。
 都においても、三十二の区市町村に八十の地域スポーツクラブが設立されていますが、活動場所の確保に苦労し、とりわけ運営や指導に当たる人材の確保の問題は切実です。
 そこで、地域スポーツクラブの運営に当たる人材の育成、確保に向けた都の取り組みについて伺います。
 また、都は、平成二十五年までに全区市町村で地域スポーツクラブを設立することを目標に掲げていますが、未設置の区市町村も多く、一層の取り組みが求められるところです。
 私の地元、町田市では、既に二つの地域スポーツクラブが活動しています。その一つは、ことし四月に地元にキャンパスを置く法政大学が設立したもので、都内では大学が設立した初の地域スポーツクラブであります。住民の身近なスポーツの場として地元の大学を活用できることは、地域にとって大変有用です。また、大学側にとっても、地域貢献や学生の社会学習活動の機会提供など、多くのメリットがあります。
 そこで、各地の大学等による地域スポーツクラブの設立を検討すべきと考えますが、見解を求めます。
 平成二十五年に開催するスポーツ祭東京二〇一三は、国体と全国障害者スポーツ大会を一つのスポーツの祭典として実施する一大イベントであり、両大会を合わせて約三万人の選手、監督が参加し、多くの関係者や観客が会場となる区市町村を訪れます。
 運営を担う区市町村では、競技施設の整備を進めていますが、今後は本番の運営に向けた準備を本格化していく段階であります。
 競技会の運営に当たっては、競技運営の補助や来場者の案内などの多岐にわたる業務があり、これまでの事例では多くの地域住民がボランティアとして参加していますが、町田市のように複数の競技を実施する自治体では、特に多くのボランティアが必要となります。
 都としては、スポーツ祭東京二〇一三におけるボランティアの確保について、地域スポーツクラブ、大学等も巻き込んだ積極的な取り組みをすべきであります。所見を求めます。
 次に、児童虐待の未然防止策について質問します。
 厚生労働省の子ども虐待による死亡事例等の検証結果報告の中には、虐待の死亡事故に占める一歳未満の乳児の割合が高く、妊娠期から出産後まで継続的な支援を行うことが重要であると報告されています。
 母親は、出産に伴う心身への負担や育児の不安などから心身の変調を来し、不安定な時期であるほか、育児に関する知識、経験が乏しく、周囲からの支援を受けることが困難な状況になっています。
 産後うつの発症率は約一五%といわれ、これらは児童虐待の要因の一つともなっています。このため、国は平成十九年度から、生後四カ月までの乳児のいるすべての家庭を訪問する、こんにちは赤ちゃん事業を開始しました。
 これにより、区市町村においては、地域の実情に応じ、保健師や助産師、民生児童委員、子育て経験者などが生後四カ月間までの乳児のいる全家庭を訪問し、不安や悩みを聞き、子育て支援に関する情報を提供するとともに、支援が必要な家庭に適切なサービスをつなげる取り組みが実施され始めています。
 児童虐待を未然に防ぐため、都内の全区市町村がこの事業を行うよう、都が積極的に支援すべきと考えますが、所見を求めます。
 さらに、この事業により把握した要支援家庭を適切な支援につなげることが重要です。世田谷区では、区と武蔵野大学が協働で産後ケアセンターを開設し、母親の休養と体力回復に向けて、いやしとケアを提供しています。また、家事援助、育児補助を行う子育て支援ヘルパー派遣事業などの具体的な支援を行っております。
 こうした区市町村の先駆的な事業の報告や紹介をするなど、都として区市町村の取り組みをより拡充すべきであります。所見を求めます。
 次に、中小企業の画期的な技術の普及の支援について質問します。
 先月、東京都産業交流展を視察し、意欲的な中小企業の技術を拝見しました。本年のベンチャー技術大賞は、ミドリムシの屋外大量培養技術でありました。ミドリムシは、五億年以上前に誕生した生物です。ミドリムシは、植物のように光合成を行い栄養分を体内にため、動物のように細胞を変形させて動く、植物と動物の両方の性質を持っている微細藻類です。
 ミドリムシには五十九種類の栄養素が含まれ、そこには成人の必須アミノ酸すべてがあり、既に機能性食品として製品化、販売されています。また、熱帯雨林の三倍以上も高いCO2の吸収能力を持ち、温暖化対策として発電所排ガス固定化の手段として実証実験されています。さらに、ミドリムシからオイルをつくる取り組みもあり、第二世代バイオジェット燃料の供給源の一つとして注目されています。
 これは人類が直面する食料問題と環境問題に大いに貢献できる画期的な発明であり、技術であります。このような画期的な技術について、大きな産業として育てるという視点から、都としても積極的な支援をしていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 特に地球温暖化問題は世界共通の課題であり、この解決に向け研究開発に取り組むことは、中小企業やベンチャー企業が大きく成長する絶好の機会であります。ミドリムシを培養してオイルをつくり出す技術を初め、世界に通用する環境、省エネルギー技術が東京から数多く生まれるよう、技術開発への支援に取り組むべきと考えますが、所見を求めます。
 次に、消防行政について質問します。
 私の地元の町田市は、人口が四十二万人に達しようとしております。町田市は、神奈川県との境に位置し、産業、教育などを通して人の交流が盛んであり、その一方で、安全・安心のまちづくりに力を入れなければなりません。それには警察、消防の体制強化が欠かせません。
 町田市に消防署は一署でありますが、築年が古く、来庁者にとっても使い勝手が不便だと聞いております。
 東京消防庁の建てかえの計画の中に町田消防署が位置づけられており、場所については町田市が土地を提供することになっておりますが、まだ特定されておりません。町田市の安全・安心のために、前倒ししてでも、一刻も早い建てかえが必要と考えます。消防総監の所見を求めます。
 また、町田市には、相原・小山土地区画整理事業による新しいまちが誕生しております。ここは人口が急増し、小学校二校が新設、中学校一校が建設中であり、医療、福祉施設等が林立しております。こうした地域に消防署の出張所を新設すべきであります。所見を求めます。
 次に、河川の整備と特定都市河川浸水被害対策法について質問します。
 平成二十年八月に、多摩地域を中心に一〇〇ミリを超える集中豪雨があり、町田市の境川でも洪水し、床上、床下浸水被害が発生しました。
 河川の整備は下流から進めなければなりませんが、境川は下流側の神奈川県管理区間の整備がおくれているために、東京都管理区間の護岸は五〇ミリ対応の整備ができているにもかかわらず、川底を五〇ミリ対応に深く掘ることができない状況です。
 このため、町田市内の下水道については放流規制がかかり、下水道管の雨水を、あるところではおよそ三〇%、あるところでは四〇%しか河川に流せないため、これにより内水はんらんを招いてしまいます。都県境ならではの苦労があります。
 都では、この二年間、境川の旧河川敷を活用して、小さい調整池を幾つかつくるなど、少しでも治水能力を高めるために努力してきました。
 治水対策には、河川、下水道整備及び流域対策の総合的な取り組みが必要であり、都は、事業がおくれている神奈川県側の境川整備について強く働きかけるべきと考えますが、見解を求めます。
 また、近年、都内では市街化の進展に伴う雨水流出量の増大や、ゲリラ的な集中豪雨の発生による都市型水害が頻発しています。こうした状況に対処するために、特定都市河川浸水被害対策法に基づき、平成十七年四月、町田市の鶴見川が特定都市河川に指定され、総合的な治水対策が講じられています。
 浸水被害を軽減し、地域住民が安全・安心に暮らすために、一刻も早く境川を特定都市河川に指定すべきと考えますが、改めて境川を指定した場合の効果及び今後の取り組みについて、都の見解を求めます。
 次に、河川のソフト対策について質問します。
 浸水対策では、ハードとともにソフト対策が重要です。ことし七月五日に北区内で発生した石神井川の洪水により、突然、床上浸水に見舞われました。
 都内の中小河川では、局地的な集中豪雨が頻発し、都民が安全に避難できるような取り組みとして水位情報を都民に迅速に伝え、都民の自助、共助に役立てることが重要であります。
 このことは、本来、区市町村の役割でありますが、石神井川のように水位上昇が速い河川においては都が支援し、新たな仕組みの導入が有効と考えますが、見解を求めます。
 次に、大規模地下街等浸水対策計画について質問します。
 都内には、大規模な地下街や地下鉄の駅が数多くありますが、一たび浸水した場合には、人命にかかわる重大な被害が発生し、都市機能を損なうおそれがあります。
 大規模地下街などでは個別に対策を講じていますが、地下鉄、地下街、個別ビルが一体となった地下空間の浸水対策が必要です。
 昨年の四定で、我が党の質問で、八重洲地下街等浸水対策計画を策定することになりましたが、その時期と内容について明らかにすべきです。
 あわせて、その他の大規模地下街の浸水対策について、早期に計画策定すべきでありますが、見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 小磯善彦議員の一般質問にお答えいたします。
 小零細企業の画期的な技術の育成についてでありますが、人間社会の進歩というものは必ずその新しい技術の開発によってもたらされてきました。東京には、世界に誇る卓越した技術を持つ小零細企業が多数存在しておりまして、我が国の財産ともいうべきこうした企業が大きく飛躍するための機会を提供していくことが必要であると思います。
 従来は、東京で成功した企業の表彰をしていたようですけれども、成功したものは今さら表彰してもしようがないので、私、就任以来、ベンチャー技術大賞というものを創設しまして、それなりに画期的な技術を開発した、その技術を専門家に選択してもらいまして表彰を行ってきましたが、本年その大賞となりました、ミドリムシを、非常に瞬間的といいましょうか、短期間で大量培養する技術も、驚くべき発想を実現した、極めて将来性のある技術でありました。
 ミドリムシというのは植物と動物の栄養をともに兼ね備えたもので、例えばクッキーなどに入れましても非常に栄養価の高い食べ物になりますし、さらに、これを演繹しますと、何と航空機の燃料にもなるということでありまして、これまでも受賞企業の多くがこの賞をばねにして事業の拡大を実現しておりまして、営業の成績も上がっておりますが、都もその商社のOBを市場開拓のアドバイザーとして起用したりしまして、知的財産の戦略的な活用を助言するなど、幅の広い手だてを講じて支援を行ってまいりました。
 さらに、受賞企業の技術を英語の冊子にまとめまして、海外に広く紹介するなど、海外進出を強く後押ししております。今後もこのような取り組みによりまして、ベンチャー企業の画期的な技術が大きな産業として世界に販路を持って実を結んでいくよう、積極的に支援をしてまいりたいと思います。
 他の質問については、技監並びに関係局長から答弁します。
   〔東京都技監河島均君登壇〕

○東京都技監(河島均君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、境川の特定都市河川の指定についてでございますが、特定都市河川浸水被害対策法は、著しい浸水被害が発生するおそれがある河川を特定都市河川に指定し、浸水被害の防止のための対策を推進するものでございます。
 特定都市河川に指定した場合、関係自治体は共同して流域水害対策計画の策定を行い、これに基づき、河川の整備や雨水貯留浸透施設の整備を進めていくことになります。
 また、流域においては、事業者などが土地を改変する場合に、雨水貯留浸透施設の設置を義務づけることなどにより、総合的な治水対策を推進することができます。
 境川では、お話のような浸水被害が発生していることや、下流側の河川整備の進捗状況などから特定都市河川に指定し、総合的な治水対策を講じることが有効であると考えております。
 都としては、関係自治体と調整を図りながら、境川の特定都市河川の指定に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、大規模地下街浸水対策計画についてでございますが、都は、近年の局地的な集中豪雨の増加を踏まえ、浸水の危険性が高い地域を中心に、迅速かつ集中的に実施すべき施策を緊急豪雨対策として取りまとめ、その中で、大規模地下街ごとに浸水対策計画の策定を支援することといたしました。
 大規模地下街におきましては、地下鉄、個別ビルなどが接続しているため、各施設管理者が連携して、ハードとソフト両面から総合的に浸水対策計画を策定していくことが重要でございます。
 このため、都は、昨年十二月に八重洲地下街をモデルケースに選定いたしまして、各施設管理者や地元区とともに、八重洲地下街等浸水対策計画策定協議会を設置いたしました。現在、止水板設置などの浸水防止対策や、危険度の段階に応じた水害対策本部の体制のあり方、避難誘導方法など、具体的な検討を行っておりまして、今年度中に八重洲地下街における浸水対策計画を策定する予定でございます。
 また、新宿、渋谷、池袋など、その他の大規模地下街につきましては、施設管理者や関係区とともに情報連絡会を設置し、八重洲地下街での検討状況の説明など、浸水対策計画策定に向けた意見交換を行っております。
 今後、これらの地下街におきましても浸水対策計画策定を推進することが必要でございまして、このための支援策について検討してまいります。
 引き続き大規模地下街の安全・安心な機能確保に努めてまいります。
   〔スポーツ振興局長笠井謙一君登壇〕

○スポーツ振興局長(笠井謙一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、地域スポーツクラブの人材の育成、確保についてでございますが、地域スポーツクラブが安定的に運営されるためには、クラブのマネジメントに精通した人材やスポーツ指導者の育成が重要でございます。
 このため、都では、東京都スポーツ文化事業団に設置いたしました広域スポーツセンターと連携し、クラブの運営に当たるマネジャーやコーディネーターを養成するための各種講習会を開催するとともに、体育指導委員に対する研修などに取り組んでまいりました。これまで育成してまいりました人材が、これにより、多くのクラブでスタッフや指導者として活躍をしております。
 今後も、引き続き人材の養成とスキルアップに努めるとともに、住民に地域スポーツクラブの活動を体験してもらう都民参加事業の実施や、各クラブの活動状況についてインターネットにより、きめ細かく情報提供を行うなど、より多くの都民に地域スポーツクラブの魅力をPRすることにより、人材の育成、確保に寄与してまいります。
 次いで、大学等による地域スポーツクラブ設立の検討についてでございますが、地域スポーツの振興を図る上で、身近にスポーツに親しめる地域スポーツクラブの設立を進めていくことは重要であり、都はこれまで、行政職員やスポーツ関係者を対象としたさまざまな支援策を講じ、クラブの設立、育成に力を注いでまいりました。
 この結果、現在、都内には八十のクラブが設立され、地域スポーツの拠点として活動しておりますが、今後、東京都スポーツ振興基本計画で掲げた目標を達成していくためには、これまでの取り組みに加え、地域スポーツクラブの設立、運営に当たる新たな担い手を開拓し、活用していくことが必要と考えております。
 中でも、議員お話しの大学等の教育機関は、教員や学生を初め、クラブの設立、運営に当たる人材を多数有するなど、地域スポーツクラブの新たな担い手として期待できるものでございます。
 このため、今後、大学等によるクラブ設立に向けた新たな支援策を検討し、地元区市町村や地域住民とも協力しながら、地域スポーツクラブの設立をさらに進めてまいります。
 最後に、スポーツ祭東京二〇一三のボランティアについてでございますが、都におきましては、都民参加の大会を実現する観点から、開閉会式の運営や広報活動、障害者の介助などの業務に多くのボランティアの活用を予定しております。
 また、競技会の運営を担う区市町村におきましても、円滑な競技運営のためにはボランティアの活用が不可欠であり、さらに、住民参加で競技会を盛り上げていくことで住民相互の連帯感を醸成し、地域社会の活性化を促すことにもつながります。
 都におきましては、都民運動の一環としてボランティアの活用に向けた検討を進めており、区市町村におけるボランティアも含め、ご指摘にあるような各種団体や教育機関等から幅広く協力を得られるよう働きかけてまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

○福祉保健局長(杉村栄一君) 二点のご質問についてお答え申し上げます。
 まず、乳児家庭全戸訪問事業についてでありますが、本事業は、生後四カ月までの乳児がいるすべての家庭を訪問いたしまして、子育てについてのさまざまな不安や悩みを聞き、育児に関する情報提供等を行うものでありまして、支援が必要な家庭を早期に発見し、適切なサービスに結びつける方策として重要な事業でございます。
 都としては、区市町村に対しまして、子育て事業の説明会や個別の働きかけなどにより事業の実施を促しており、現在、四十八区市町村において実施されております。
 今後、すべての区市町村が本事業を実施するよう、引き続き働きかけてまいります。
 次に、要支援家庭に対する支援についてでありますが、乳児家庭全戸訪問事業などにより要支援家庭を発見した場合は、それぞれの家庭の状況に応じた適切な支援につなげることが重要であります。
 このため、都は、要支援家庭を育児支援ヘルパーなどの子育てサービス事業や各種相談事業などに結びつける仕組みづくりを行う区市町村に対しまして、包括補助制度を活用して支援を行っております。
 今後、区市町村職員等への研修において、虐待の未然防止に効果的な事例を紹介するなど、子育て家庭を支援する区市町村の取り組みを促進してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 環境問題の解決につながる技術開発の支援についてのご質問にお答えいたします。
 中小企業が、CO2削減等に役立つ技術や製品を生み出し、新たなビジネスチャンスとしていくことは重要な取り組みと考えます。このため、中小企業のそうした取り組みに対し、都立産業技術研究センターでは、来年五月の新本部の開設を機に、例えば、環境の負荷の小さいLEDや有機EL、太陽電池などを利用した製品の開発など、環境、省エネルギー分野での研究開発を積極的に支援してまいります。
 また、現在、都市課題解決のための技術戦略プログラム事業の中で、同センターと首都大学東京が協力して環境、省エネルギー技術の研究開発等を進めておりまして、その成果を今後の実用化に向けて中小企業に確実に提供してまいります。
 こうした取り組みにより、地球環境問題の解決や省エネルギーの実現につながるよう、都内中小企業による技術開発を支援してまいります。
   〔消防総監新井雄治君登壇〕

○消防総監(新井雄治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、町田消防署の建てかえについてでありますが、町田消防署の庁舎は昭和三十八年に建築され、四十七年が経過し、老朽化しております。
 このことから、東京都の主要施設十カ年維持更新計画の対象として建てかえを予定しており、現在、用地の確保を町田市に依頼しております。
 今後、用地が確定次第、町田市を初め関係部局と連携し、庁舎改築に向けた具体的な手続を速やかに進めてまいります。
 次に、消防出張所の設置についてでありますが、ご指摘の相原・小山地区は、土地区画整理事業に伴い、近年、人口が増加している地域であり、市街化が進展していると認識しております。
 当庁では、地域の消防行政需要の推移を踏まえ、消防力配備のバランスや道路状況等を総合的に勘案し、消防出張所を設置することとしております。
 今後とも、消防出張所の設置につきましては、各市町村や関係部局と十分に連携し、適切に対応してまいります。
   〔建設局長村尾公一君登壇〕

○建設局長(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、境川整備についての神奈川県への働きかけについてでございますが、境川の東京都管理区間につきましては、護岸整備がほぼ完成しており、この区間の事業効果を十全に発揮するためには、下流の神奈川県管理区間の流下能力を都の整備水準まで高める必要があります。
 このため、都はこれまで、東京都・神奈川県河川調整会議などにおいて、護岸整備を補完する遊水地の早期完成や、河川の流下能力を妨げるボトルネック箇所の解消などについて、県に要望してまいりました。このような中で、境川遊水地の一部が横浜市内に完成し、約六十六万立方メートルの施設が供用されております。
 さらに、本年十一月に開催しました都市河川の整備促進に関する一都三県連絡協議会の場において、都と神奈川県は、町田市など流域の関係市とともに新たな検討会を設けることとして、下流区間の整備促進などについて協議してまいります。
 今後とも、あらゆる機会をとらえて、神奈川県に対し境川の整備促進を一層強く働きかけてまいります。
 次に、河川における新たな情報提供の仕組みについてでございますが、洪水による被害を軽減するためには、河川の整備はもとより、都民が安全に避難できるよう、都と地元自治体が連携し、水防情報を迅速かつ的確に都民に提供することが重要でございます。
 とりわけ、水位の上昇が極めて速い石神井川では、河川が特別警戒水位に達したときに、はんらん警戒情報をいち早く都が区市に伝える新たな仕組みが有効と考えております。
 このため、今回の緊急豪雨対策としまして、都と流域の三区二市が連携して水位計や監視カメラを増設し、河川全体の水位監視体制を強化するとともに、上流の水位情報などを下流に伝え、万が一、洪水のおそれがある場合には、地域住民に直ちに情報を伝え、安全な避難ができるよう支援してまいります。
 今後とも、都民の安全・安心を確保するため、河川の防災対策に全力で取り組んでまいります。