平成二十二年東京都議会会議録第五号

平成二十二年三月九日(火曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番吉住 健一君
五番桜井 浩之君
六番野田かずさ君
七番福士 敬子君
八番土屋たかゆき君
九番山内れい子君
十番くりした善行君
十一番中村ひろし君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤 興一君
二十番鈴木 章浩君
二十一番きたしろ勝彦君
二十二番田中たけし君
二十三番鈴木 隆道君
二十四番神林  茂君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番大松あきら君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番松葉多美子君
四十番早坂 義弘君
四十一番高木 けい君
四十二番石森たかゆき君
四十三番高橋 信博君
四十四番中屋 文孝君
四十五番村上 英子君
四十七番西崎 光子君
四十八番滝沢 景一君
四十九番中谷 祐二君
五十番笹本ひさし君
五十一番山下ようこ君
五十二番神野 吉弘君
五十三番鈴木 勝博君
五十四番興津 秀憲君
五十五番岡田眞理子君
五十六番伊藤 ゆう君
五十七番古館 和憲君
五十九番中山 信行君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十四番高橋かずみ君
六十五番山加 朱美君
六十六番山崎 一輝君
六十七番菅  東一君
六十八番宇田川聡史君
六十九番山田 忠昭君
七十番林田  武君
七十一番原田  大君
七十二番佐藤 広典君
七十三番尾崎 大介君
七十四番松下 玲子君
七十五番山口  拓君
七十六番伊藤まさき君
七十七番野上ゆきえ君
七十八番西岡真一郎君
七十九番今村 るか君
八十番吉田康一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番三宅 茂樹君
八十八番遠藤  衛君
八十九番吉原  修君
九十番野島 善司君
九十一番鈴木あきまさ君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十四番樺山たかし君
九十五番斉藤あつし君
九十六番泉谷つよし君
九十七番くまき美奈子君
九十八番大西さとる君
九十九番増子 博樹君
百番いのつめまさみ君
百一番門脇ふみよし君
百二番小沢 昌也君
百三番花輪ともふみ君
百四番大津 浩子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番こいそ 明君
百十二番服部ゆくお君
百十三番川井しげお君
百十四番吉野 利明君
百十五番宮崎  章君
百十六番比留間敏夫君
百十七番相川  博君
百十八番石毛しげる君
百十九番大塚たかあき君
百二十番和田 宗春君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番田中  良君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 三名
四十六番 矢島 千秋君
五十八番 かち佳代子君
百五番  大山とも子君

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事菅原 秀夫君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監池田 克彦君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長河島  均君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長比留間英人君
会計管理局長新田 洋平君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
消防総監新井 雄治君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長泉本 和秀君
労働委員会事務局長関  敏樹君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長野口  孝君

三月九日議事日程第五号
第一 第百四号議案
環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一―環二築地)請負契約
第二 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)
第三 第三十三号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第四 第三十六号議案
平成二十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第五 第百十三号議案
平成二十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第六 第九十九号議案
東京都美術館(二十一)改修工事請負契約
第七 第百号議案
東京都子ども家庭総合センター(仮称)(二十一)新築工事請負契約
第八 第百一号議案
都立江東地区第二養護学校(仮称)(二十一)改築工事請負契約
第九 第百二号議案
東京都美術館(二十一)改修電気設備工事請負契約
第十 第百三号議案
東京都美術館(二十一)改修空調設備工事請負契約
第十一 第百十四号議案
平成二十一年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第十二 第百十五号議案
東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第十三 第百九号議案
土地の買入れについて
第十四 第百十一号議案
平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について

   午後一時一分開議

○議長(田中良君) これより本日の会議を開きます。

○議長(田中良君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十四まで、第百四号議案、環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一─環二築地)請負契約外議案十三件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

   財政委員会議案審査報告書
 第百四号議案
環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一―環二築地)請負契約
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月八日
財政委員長 中屋 文孝
 東京都議会議長 田中 良殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出―総務委員会所管分
   繰越明許費
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
総務委員長 小磯 善彦
 東京都議会議長 田中 良殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   予算総則
   歳入
   歳出―財政委員会所管分
   都債
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月八日
財政委員長 中屋 文孝
 東京都議会議長 田中  良殿

   文教委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出―文教委員会所管分
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
文教委員長 大西さとる
 東京都議会議長 田中  良殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出―都市整備委員会所管分
   繰越明許費
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
都市整備委員長 尾崎 大介
 東京都議会議長 田中  良殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出―厚生委員会所管分
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
厚生委員長 門脇ふみよし
 東京都議会議長 田中  良殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出―経済・港湾委員会所管分
   繰越明許費
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
経済・港湾委員長 小沢 昌也
 東京都議会議長 田中  良殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出
   繰越明許費―環境・建設委員会所管分
   債務負担行為
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
環境・建設委員長 藤井  一
 東京都議会議長 田中  良殿

   警察・消防委員会議案審査報告書
 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中
   歳出―警察・消防委員会所管分
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
警察・消防委員長 石森たかゆき
 東京都議会議長 田中  良殿

   総務委員会議案審査報告書
 第三十三号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
 第三十六号議案
平成二十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
 第百十三号議案
平成二十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
総務委員長 小磯 善彦
 東京都議会議長 田中  良殿

   財政委員会議案審査報告書
 第九十九号議案
東京都美術館(二十一)改修工事請負契約
 第百号議案
東京都子ども家庭総合センター(仮称)(二十一)新築工事請負契約
 第百一号議案
都立江東地区第二養護学校(仮称)(二十一)改築工事請負契約
 第百二号議案
東京都美術館(二十一)改修電気設備工事請負契約
 第百三号議案
東京都美術館(二十一)改修空調設備工事請負契約
 第百十四号議案
平成二十一年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月八日
財政委員長 中屋 文孝
 東京都議会議長 田中  良殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百十五号議案
東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
厚生委員長 門脇ふみよし
 東京都議会議長 田中  良殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百九号議案
  土地の買入れについて
 第百十一号議案
平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 本委員会は、三月四日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十二年三月五日
環境・建設委員長 藤井  一
 東京都議会議長 田中  良殿

○議長(田中良君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 五十七番古館和憲君。
   〔五十七番古館和憲君登壇〕

○五十七番(古館和憲君) 日本共産党都議団を代表して、第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算外一議案に反対の立場から討論を行います。
 まず、最終補正予算案です。
 我が党は、国の補正予算に伴う緊急雇用創出事業臨時特例基金の拡充など、暮らしや福祉にかかわる施策には賛成です。しかし、いずれも都独自の施策はなく、都民の切実な願いに照らせば極めて不十分であります。
 都民の暮らしの困難を緊急に打開するためには、補正予算においても、オリンピック準備基金などの一部を取り崩して活用すべきであります。また、不用額の削減はあり得ることですが、耐震改修促進事業費等を三十一億円以上も削減することは、余りにも安易で後ろ向きであります。むしろ、耐震工事の助成基準を緩和するなど拡充し、耐震化を促進すべきであります。
 他方で、本来国の責任で行われるべき羽田空港再拡張事業に十九億円もの都債を発行して、無利子貸し付けを行うことは納得できません。
 重大なのは、全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートの整備に四億三千万円を計上していることです。
 これは、地震、津波等に関する緊急情報システムを整備するためとされております。しかし、もともとJアラートは、有事法制の一環である国民保護法に基づくものであります。有事法制は、米軍が他国に対し先制攻撃戦争を行った場合でも、日本にとって武力攻撃予測事態であると称して発動され、地方自治体、企業、住民を戦争協力に動員するものであります。Jアラートは、基本的にそのための仕組みづくりであり、容認できません。
 しかも、Jアラートの誤作動により、混乱が各地で相次いでいるのです。マスコミも、ある自治体の担当者が、災害情報なら気象庁の情報を自治体が判断をして防災無線で流せば十分、その方がかえって間違いが少ないといっています。軍事問題の専門家も、防災ばかりか有事対応にも全く役立たない、むだの見本みたいなものと断言していると報じているのです。
 次に、第百四号議案、環状二号の工事契約についてであります。
 今回の工事区間は、もともとは築地市場の現在地再整備を前提とした地下化の都市計画決定であり、臨海副都心へのアクセス道路として開発者負担とすべきものでした。ところが、破綻した臨海開発を救済し、築地市場の豊洲移転を進めるために地上化し、一般会計で負担することになったのです。築地市場の再整備が都政の重大争点になっているときに、豊洲移転前提の橋梁工事を認めることは、断じてできません。
 我が党は代表質問で、十一年間の石原都政は、自民党の小泉構造改革路線を都政において先取りしてきたものと指摘をいたしました。これに対して知事は、何をもって構造主義といわれるのかわからないなどと答弁しました。
 小泉構造改革とは、小さな政府、民でできることは民でといって、社会保障を切り下げ、行政サービスを縮小民営化し、弱肉強食の社会経済づくりを推し進めるものでした。国民、都民は、庶民に痛みを押しつけるこの路線に審判を下したのです。
 石原都政は、まさにこういう路線を先取りしてきました。雑誌「世界」の昨年十二月号でも、研究者が共通して石原都政を構造改革路線とし、厳しく批判しているではありませんか。石原知事には、冷静かつ客観的に自己分析されるよう、申し上げておきます。
 また、石原都政のもとで歳出総額に占める老人福祉費の割合が全国二位から最下位に転落したことについて、福祉保健局長は、決算額による比較は全く意味がないという驚くべき答弁をいたしました。だとしたら、東京都はなぜ普通会計決算を毎年発表しているのですか。総務省に、普通会計決算は意味がないと物申したことはあるのですか。かつて与党議員も、普通会計とは総務省の定める基準によって全地方公共団体の会計を統一的に集計したものと評価する発言をしたではありませんか。
 さらに、高齢者人口がこの間に三割ふえているのに、老人福祉費の額を二割、四百七十七億円減らしていることも明白な事実であります。マル福や老人福祉手当の廃止などを次々進めた結果であります。都合の悪い事実であっても潔く認め、発言を撤回すべきことを指摘しておきます。
 我が党は、都が官製ワーキングプアをつくり出していることについて知事の認識をただしましたが、総務局長が、指摘は当たらないと答弁しました。これまた事実をゆがめるものであります。
 知事のもとで、東京都では非常勤や臨時の職員は知事部局だけで七千人を超え、教員や公営企業、財政監理団体にも広がっているのです。都立学校のある時間講師の方は、週五日働いても月十二万円、生活保護費にも届かず、明け方五時までダブルワークをせざるを得ないのです。これが官製ワーキングプアではないというのですか。
 総務局長の発言のように、都政のコスト削減だけを至上命題とし、都民や職員の生活を顧みようとしない立場は、地方自治体の職員としてあるまじきものだ、このことを指摘せざるを得ません。都の正規職員をふやすとともに、非常勤や臨時職員の待遇改善を行うべきことを申し上げて、討論を終わるものです。(拍手)

○議長(田中良君) 七十二番佐藤広典君。
   〔七十二番佐藤広典君登壇〕

○七十二番(佐藤広典君) 私は、都議会民主党を代表して、第三十三号議案、東京都区市町村振興基金条例改正案外知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致について述べます。
 先日、NPO法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会が、四年間の招致活動を取りまとめた招致活動報告書を公表しました。一九六四年東京大会から約半世紀ぶりの招致活動は、決して順風満帆なものではなく、苦難の道のりでありました。報告書では、東京のとった招致戦略やIOC総会の結果、招致活動の諸課題が提示されています。
 しかし、この議論には、東京都以外の招致関係者からの意見聴取が必要であることなど、いまだ道半ばであるといわざるを得ません。私たちは、二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致失敗の総括については、今後も議論を続けていくべきだと述べさせていただきます。
 次に、第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)及び第百十三号議案、平成二十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)について述べます。
 企業収益の悪化に伴い、一般会計は、二千八百四十一億円を減額補正して六兆六千四百六十六億円となりました。都は、減収補てん債を発行するとともに、東京都住宅供給公社からの貸付金の繰り上げ償還、財政調整基金の取り崩しなどで二千十九億円の歳入を確保しています。
 歳出では、計画どおり進捗しない、予定した規模に及ばない事業や給与費の不用額、契約差金などを精査、減額するとともに、都債の借りかえ抑制をとめるなどして三千百九十四億円を削減しています。
 こうした減額補正ではありますが、都民サービスには極力支障を及ぼすことなく、かつ、国の二次補正予算を措置することで都民生活の安全・安心に一層資していくことを求めるものです。さらに、後年度負担にも配慮した都債の適切な管理を行っていくことを要望しておきます。
 特別区財政調整会計は、八百三十九億円を減額補正して八千六百三十五億円となりました。
 景気が本格的な回復に至るには、なお相当の時間を要すると見られ、都や特別区の税収は今後も厳しい状況が続くと思われます。こうしたときこそ、特別区の行政サービスの水準を確保すべく、都と特別区の間でしっかり議論、対応していただくことを要望しておきます。
 次に、第百四号議案、環二朝潮運河橋りょう下部工事請負契約について申し上げます。
 本議案は、環状二号線の中央区晴海四丁目から銀座八丁目までの区間内である晴海五丁目付近の朝潮運河橋梁の基礎工事の契約案です。
 この晴海四丁目から銀座八丁目までの区間については、そもそも地下方式で整備される計画でしたが、築地市場の移転を前提に地上化されたという経緯があります。
 そこで、都議会民主党は、さきの代表質問において、仮にこの工事を認めると、私たちの主張する築地市場の現地再整備の再検討の選択肢を狭めることが懸念されるため、築地地区の道路構造を地下方式に再変更した場合でも、朝潮運河橋梁工事には影響がないのかお聞きしました。
 しかし、東京都技監の答弁は、朝潮橋梁に影響はないが勝どき地区でさらなる用地取得が必要になるなどの課題があるとの答弁であり、環状二号線の道路構造を変更する場合には障害のある可能性が言及されました。
 このため、先日の環境・建設委員会で、朝潮橋梁の建設を進めたとしても、環状二号線の築地地区を地下方式に変更することは現実的に可能なのかどうか、改めて確認させていただきました。
 東京都技監からは、仮に築地地区の道路構造が変更になった場合でも朝潮運河橋梁に影響はないこと、都市計画の変更については、理由があれば所要の手続を経て法的に可能であること、道路構造令を満たしていることから技術的に可能であること、さらなる用地取得が必要になることについては課題ではあるが、これまでの実績からも実態的に対応が可能であるとの明確な答弁をいただきました。
 したがって、朝潮橋梁の建設は今後の築地市場現地再整備案の検討には支障がないと判断し、本議案に賛成することといたしました。
 次に、第百十五号議案、東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例案について申し上げます。
 本議案は、国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金の目的に、求職中の貧困、困窮者等に対する生活、就労、住宅等に関する必要な支援が追加されることに伴い、基金の設置目的を改めるものです。
 これにより、基金事業としてさらに国から助成を受ける額は約百四十五億円であります。すべて国庫補助事業で、既に実施中の住宅手当緊急特別措置事業の拡充、生活保護受給者等に対する就労支援の強化、ホームレス対策事業の充実、生活福祉資金貸付事業における相談体制の充実です。
 これら事業は、離職、住居喪失者に対し、生活を立て直すための資金や就労に向けた支援を速やかに提供することにより、早期自立を支援するものです。従来手薄だった貧困、困窮者への支援について新たに強化している事業でありますから、さまざまな課題、改善点もあります。
 しかしながら、特に若年層の失業者が多い現在、こうした支援を今行わなければ、将来にツケを残すことになってしまいます。複数分野にまたがる支援を総合的に行うことを目指し、東京都としてもしっかりと取り組まれるよう求めるものです。
 さらに、国に対しても建設的提言をし、より有効な体制を構築していくよう要請をし、都議会民主党を代表しての討論を終えます。(拍手)

○議長(田中良君) 六番野田かずさ君。
   〔六番野田かずさ君登壇〕

○六番(野田かずさ君) 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、第百十二号議案、平成二十一年度一般会計補正予算(第四号)を初め、本日の本会議において議決する全議案に賛成の立場から討論を行います。
 一昨年に始まった世界規模での経済危機が、都民や中小企業を直撃しました。この影響により、法人二税を初めとする都税収入は、約五千億円と当初予算を大幅に下回る見込みとなっております。
 今回の補正予算では、大幅な税収減に対応していくため、都民サービスに支障を来さないことを前提に、歳入歳出の両面にわたり可能な限り手を尽くし財源を確保しております。それと同時に、都民の安全・安心にかかわる事業などを適切に推進するものとなっており、これらは我が党の考えと軌を一にするものであります。
 まず、財源の確保については、歳出面では、給与費の不用額や契約差金など都民サービスに直接関係しない経費などについて、徹底して精査をしております。また、歳入面においても、新たな収入確保に全力で取り組むとともに、発行余力の範囲内で減収補てん債を発行し、それでもなお不足する額について財政調整基金を活用しております。こうした努力は、今後想定される経済変動に備え、財政の対応力をしっかりと確保しようという姿勢のあらわれであると考えます。
 二点目の事業の推進については、我が党が国政において設置した子育て支援や雇用創出のための基金をさらに拡充することや、中小企業の受注機会の拡大につながるインフラ整備を実施すること、そして生活福祉資金貸付事業の拡充など、現下の都民の不安を払拭すべく、我が党がこれまで必要性を主張してきたものが盛り込まれております。一日も早く事業の効果を都民や中小企業が享受できるよう、速やかに実施していくよう求めるものでございます。
 本定例会も、本日の中途議決の後、予算特別委員会で平成二十二年度予算の審議が本格的に始まります。我々都議会自由民主党は、今後とも責任与党として、前向きで建設的な議論を展開し、都民のために汗をかき続ける決意であることを申し上げ、討論を終了いたします。(拍手)

○議長(田中良君) 十九番伊藤興一君。
   〔十九番伊藤興一君登壇〕

○十九番(伊藤興一君) 都議会公明党を代表し、平成二十一年度東京都一般会計補正予算を初め、全議案に賛成する立場から討論いたします。
 まず、第百十二号議案、一般会計補正予算(第四号)について申し上げます。
 本案は、法人二税など都税収入が、単年度として過去二番目となる五千四十六億円という大幅な減収にもかかわらず、歳入歳出の両面にわたる精査に努め、都民サービスに支障を生じさせないよう必要な財源を確保するものであります。
 歳出面においては、平成二十一年度予定事業を中断することなく予算執行状況の総点検を実施し、事務費などの不要不急な経費の一部を先送りするなどの工夫、努力が十分に生かされております。
 歳入面においては、減収補てん債などにより財源を確保した上、今後の経済変動に備え、安易な基金の取り崩しを避け、財政調整基金の活用を五百十七億円と必要最小限にとどめています。こうした都の取り組みを評価するものであります。
 次に、国の補正予算に関連して申し上げます。
 今回の二次補正予算は、前政権が厳しい経済状況の中にあって、矢継ぎ早に景気対策や課題への対策として講じたものを継承したものであります。であるならば、鳩山政権はなぜ前政権が組んだ一次補正予算を凍結したのか、不可解としかいいようがありません。一つだけいえることは、この凍結により、国民に与えた不安と経済的損失は多大なものであったということであります。
 まず、緊急雇用創出事業臨時特例基金による事業は、貧困、困窮者等への住まい対策に加え、新たに重点的に介護、医療、農林水産、環境、観光分野などの雇用創出や人材育成を図る事業を実施することとなっており、その効果を大いに期待するものであります。
 安心こども基金についても、前政権が子育て支援として緊急に対策を講じた基金の継続にすぎませんが、待ったなしの喫緊の課題である待機児童解消や母子家庭の支援に向けた基金の積み増しであり、課題解決へ向けて早急に事業化を図るべきであります。
 これらの基金事業について、都は国に対し、適切な改善や今後の継続を強く求めていくべきであります。加えて、理不尽な法人事業税の一部国税化の制度も即時撤廃するよう、国に強く求めるべきと申し上げておきます。
 今、日本経済は内需拡大や雇用の安定化などの課題に直面しております。首都東京がみずからの行財政運営を過てば、それこそ日本の将来は真っ暗やみであります。
 今後とも、都議会公明党は、選挙目当ての耳ざわりのいい妄言や揚げ足取りの議論を行う民主党や、将来に備えた基金の積み立てより目先の予算の消化のみを主張する共産党の無責任な議論には一切耳をかさず、目下の緊急課題に対応するとともに、将来を見据えた積極的な政策を実現させる都民与党として取り組んでいくことをお約束し、討論といたします。(拍手)

○議長(田中良君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(田中良君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一、第百四号議案、環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一―環二築地)請負契約を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(田中良君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(田中良君) 次に、日程第二、第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(田中良君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(田中良君) 次に、日程第三から第十四まで、第三十三号議案、東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例外議案十一件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 明十日から二十九日まで二十日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、明十日から二十九日まで二十日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月三十日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時二十八分散会

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