平成二十二年東京都議会会議録第四号

○副議長(鈴木貫太郎君) 二十七番柳ヶ瀬裕文君。
   〔二十七番柳ヶ瀬裕文君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○二十七番(柳ヶ瀬裕文君) 私からは、児童虐待対策について、医療について、特別支援学校について、築地市場について、順次質問をさせていただきます。
 ことしの一月、江戸川区で、小学校一年生の岡本海渡君が、両親からの暴行によって亡くなりました。私も八歳の子どもを持つ一人の親として、このような事件を見ると胸が締めつけられる思いでございます。今後、このような事件が繰り返されることがないよう、東京都がとるべき施策についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 昨年の九月、海渡君が通っていた歯科医が、左ほおと両ももにあざを見つけ、子ども家庭支援センターに通報、同センターは、その日、学校長に連絡、二日後に家庭訪問した際、父は、二度と手を上げないと約束をしたそうです。報告を受けたセンターは、緊急性はないと判断、センターから文書報告を受けた墨田児童相談所も、解決済みと認識をしていたとのことです。十月に入って、海渡君が都立墨東病院に入院、診断は急性硬膜下血腫で、特に病院からの届け出等はありませんでした。十二月から学校を欠席がちになり、一月二十三日に最後の暴行を受け、病院へ搬送、二十四日にお亡くなりになったというのがその経緯でございます。
 ここで、どうしたらこの虐待に的確に対処できたのかを考えてみますと、まず第一に、子ども家庭支援センターの専門性に課題があるだろうというふうに考えます。
 児童福祉法の改正で、区市町村が虐待通告の窓口的な役割を担うようになりました。子ども家庭センターは、さまざまなところから集まってくる通告を受けて、その事例は緊急性が高いのかどうか、困難度がどうなのか、そこを検討して、児相に支援を求めるかどうかを決めます。しかし、この作業はさまざまな要因があって、非常に難しい判断を伴うものだと考えます。
 現状の子ども家庭支援センターには、虐待の専門家が配置されているわけでもなく、能力的にこの重要な役割を担い切れていないのではないか、そのように心配をしています。今回の海渡君の件では、歯科医が気づくほどの傷があり、母親の若さや、子どもと同居して間もないなど、リスクが重なっていることを考えると、緊急性はないと判断した子ども家庭支援センターも、その報告をうのみにしてしまった児童相談所にも問題があります。
 そこで、虐待の早期発見、早期対処のためには、最初の通告窓口である子ども家庭支援センターの専門性を高めることが急務だと考えますが、見解をお伺いします。
 その取り組みの一つとして、例えば、今児童相談所では、三つの区から職員が派遣されてきています。この職員は児相の職員と一緒になって一年程度事案に取り組み、さまざまなケースの経験を積むことができます。また、その研修の終了後、各区の虐待対応の中核的な役割を果たし、将来的にはセンターそのもののレベルアップが期待できます。
 今メニューとしてある短期の研修では、複雑、困難な虐待事例に対処する能力をつけることは難しいでしょう。このような長期間の研修を可能にする、また、より多くの区市町村が職員を派遣しやすくする仕組みづくりが必要だと考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、児童相談所も子ども家庭支援センターがまだ未成熟であるという認識に立って、支援の要請ではなく、たとえ、これは報告であったとしても、その事例によっては積極的にフォローしていく、そういった姿勢が重要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
 第二に、医療機関側の意識に問題があります。平成二十年に実施した都内病院の児童虐待対応の実態調査によれば、児童虐待対応のための具体的な取り組みを実施していると回答した病院は約二〇%でした。つまり、八〇%の病院は、特に何もしていないということになります。
 平成十七年に埼玉県が実施した医療機関向け児童虐待実態調査によれば、小児科医の約四割が虐待の通告に抵抗感を持っているということがわかりました。また、虐待を発見後、関係機関に通告、連絡をとったのは、小児科で約五割というデータもあります。判断に自信が持てないというのが主な理由ではありますけれども、少数ではありますが、トラブルに巻き込まれたくないといった回答もあったようです。これは本音をあらわしているのではないでしょうか。さまざまな理不尽な要求をするモンスターペイシェントも問題化する中で、虐待の可能性を発見しても、親とのトラブルを恐れ、通告にちゅうちょしてしまうことがあるのではないかと考えます。今回の海渡君の件では、亡くなる三カ月前に都立墨東病院に入院していますけれども、急性硬膜下血腫という、虐待では非常によく見られる診断でありながら、何らの通告もなされていませんでした。
 そこで、医療機関の虐待に対する意識の向上に向けて、院内検討委員会の設置やチェックリストの作成など、これは都が推進していくことが必要だと考えますが、見解をお伺いします。
 また、医師が通報をためらうことがないように、例えば、ある特定の所見が見られる場合には、組織として検討がなされるようなシステムづくりを後押しするべきだと考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、根本的な問題としては、児童相談所のマンパワー不足があります。私も品川児童相談所を視察してきましたけれども、職員一人で百件以上のケースを担当するなど、非常に大きな負担が一人一人の職員にかかってきています。職員の増員が望まれるということは、これはいうまでもないんですけれども、現場で頑張っている職員が、この困難な事例に疲弊して、少なくともバーンアウトしないような取り組みが重要であるというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。
 多くの子どもたちが虐待で亡くなっていきました。本日も、奈良県で、五歳の息子に食事を与えず餓死をさせたという報道が出ていました。報告されている事例は氷山の一角であるともいわれています。一人一人の事例から、現状からの改善策を考えていくことが私たちの責務だろうというふうに考えます。都が今後も児童虐待対策に真摯に取り組むことを切望して、次の質問に移ります。
 新型インフルエンザ対策です。十月二十九日の厚生委員会の質疑において、今回の新型インフルエンザでは小児患者の重症化が問題である、そのように指摘をさせていただきました。また、質疑の中で、国が推計しているピーク時の小児重症患者百五十三名、これは推計値ですね、百五十三名に対して、都内医療機関の受け入れ可能なベッド数が六十五名と圧倒的に不足している状況が判明しました。しかし、都は受け入れできる病院数をふやすため、さらなる要請を行うと、そのとき答弁をしていながら、十月から今日まで何ら結果を残していないということが明らかになっています。
 結果としては、その後、小児重症患者も緩やかに推移し、大事に至らなかったわけですが、もし国の推計値どおり患者が発生した場合、受け入れ医療機関がなく、子どもの重症患者がたらい回しになり、死亡するということが起きてもおかしくない状況だったと考えます。問題のポイントは都と病院の関係です。今回の小児重症患者の受け入れ要請では、小児入院ベッドを持つ八十五の病院に対してお願いをして、四十六の病院から、これは断られている。その断った病院の中には、小児の休日・全夜間診療事業を実施していて、救急患者は原則受け入れなくてはならないという条件となっている病院が九つも入っているんですね。
 都は、ベッド数が圧倒的に不足するという緊急事態においても要請を断られ、各病院にも事情があるから仕方がないんだ、患者がふえたらさらに要請を行うなどと答弁をしています。
 今回は弱毒性の豚インフルエンザでしたから、重症患者も少なく、このような対応でもしのげたのかもしれません。しかし、もし強毒性の鳥インフルエンザが発生し、大規模な医療の確保が必要となった、求められるようになった、そのときに、果たして都がリーダーシップをとって、千三百万都民の健康と命を守ることができるのか、非常に不安があります。
 そこで質問ですが、東京都は、今回の新型インフルエンザを経験して、何を学び、その教訓を今後どのように生かそうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
 また、強毒性の鳥インフルエンザが発生した場合、医療提供体制の確保のためにどのように都内医療機関をコントロールしていこうとしているのか、所見をお伺いします。
 次に、特別支援教育について質問します。
 私の自宅のすぐ近くには矢口特別支援学校がありますが、入学する子どもの増加によって教室不足になり、劣悪な教育環境を強いられています。図書室、パソコン室などの特別教室はなくなり、普通教室は教室をカーテンで仕切り、二つの教室として使用しています。また、子どもたちが履きかえる靴箱の場所さえ確保ができていません。
 こうした状況は、ほかの特別支援学校においても同様な状況があるというふうに聞いています。これから特別支援教育推進計画の第三次計画を策定するとのことですが、知的障害のある児童生徒が増加している現状を踏まえ、子どもたちの教育環境を確保していく効果的な対応策を講じていく必要があると考えますが、所見をお伺いします。
 最後に、築地市場の移転問題についてお伺いします。
 私は、昨年十二月十八日に行われた築地市場の移転・再整備に関する特別委員会において、築地市場の現在地再整備に関して、晴海仮移転案などについて質問してきました。そのときの東京都の答弁は極めて冷たいものでございましたけれども、その後、二月に、二十一世紀築地プロジェクトという団体が、晴海の都有地を活用した三つの現在地再整備案を示したこともあり、改めて晴海地域の現状についてお伺いをしたいと思います。
 特別委員会で、晴海の敷地の中で、仮移転先として使用できるスペースについて質問した際に、東京都は、晴海の都有地にはふ頭や公園、道路があるために約十五ヘクタールを想定していると答えていました。しかし、私たちが再三オリンピックの例を出していたように、その気になれば、大きな敷地をこの晴海において確保できるはずなんです。
 そこで、三月末をもってなくなってしまう前に、東京オリンピック・パラリンピック招致本部から答弁を求めておきたいと思いますけれども、立候補ファイル概要版の平面図でも確認できるように、二〇一六年のオリンピックメーンスタジアムの建設に当たっては、道路のつけかえを想定されていたのか、また、公園やふ頭の中にサブグラウンドなど、施設の一部が建設されることも想定したのか、見解をお伺いします。
 また、二十一世紀築地プロジェクトの具体案の中には、晴海に隣接する豊海地区の冷蔵庫群との連携が可能になるとの提案がありました。豊海地区についていろいろ調べてみましたら、東京都民に新鮮な水産物を円滑に供給するとの構想のもとに始まった財団法人東京水産振興会という団体があることがわかりました。当財団は、東京都の監理団体でも報告団体でもありませんが、理事には東京都の港湾局長や産業労働局長、中央卸売市場長、東京都の元副知事などが名を連ねており、隣接する築地市場との連携や都民に対する水産物の提供に関して、東京都がどの程度把握しているのかが気になるところです。
 当財団の事業として、豊海ふ頭を水産関係十九社に分割貸付し、各社は、冷蔵倉庫、水産物配送等の施設用地として利用しているとのことですが、東京都は、豊海地区の冷蔵倉庫の利用状況や取扱量、あるいは築地市場との連携について実態を把握しているのでしょうか。把握しているのであれば、それらの状況について見解をお伺いしたいと思います。
 最後に、築地市場に関しては、もともとすべての関係者の合意で、現在地再整備を進めてまいりました。それがとんざした最も大きな理由は、工事に必要な種地を確保できなかったからではないでしょうか。当時、仮移転先は汐留の国鉄用地を予定していましたけれども、借地料などの交渉がまとまらず、断念した経緯があります。そのために狭い敷地でローリングを繰り返さなければならず、多くの問題が噴出しました。
 移転予定地であった豊洲に除去できるかどうかわからない土壌汚染が見つかり、また、晴海や豊海周辺に魅力的な種地を確保できる可能性が高くなってきた今、当初の皆さんの願いであった現在地再整備を検討するのは極めて自然であり、ごく当然のことなのです。
 知事の英断を期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 柳ヶ瀬裕文議員の一般質問にお答えいたします。
 知的障害特別支援学校の児童生徒の増加への対応についてでございます。
 都教育委員会では、東京都特別支援教育推進計画第一次、第二次実施計画を平成十六年度及び平成十九年度に策定し、知的障害が軽い生徒の職業的自立を目指す新しいタイプの学校づくりや、特別支援学校のセンター的機能を活用した区市町村への支援の充実、職業教育の充実など、計画事業を着実に推進してまいりました。
 この間、平成十九年度の学校教育法の改正など、特別支援教育をめぐる環境が大きく変化する中で、特別支援教育を希望する児童生徒がふえており、特に知的障害のある児童生徒数の増加が著しい状況にございます。
 現在、第三次実施計画の策定に向けまして、課題ごとに検討を行っているところであり、児童生徒数の将来推計や特別支援学校の施設整備の現況などを考慮しながら、特別支援学校の教育諸条件の整備につきまして、計画に反映させてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 六点についてお答えを申し上げます。
 まず、子ども家庭支援センターの専門性向上についてでありますが、都は、センター職員の実践を通した相談援助技術の習得を支援するため、原則として一年間、児童相談所に職員を受け入れる研修を平成十五年度から行っております。また、今年度からは児童相談の専門職である児童福祉司任用資格者の増配置への支援や、その育成研修を実施しております。
 次に、児童相談所の子ども家庭支援センターへの支援についてでありますが、児童相談所は、専門性の高い困難事例に対応する機関として、区市町村と適切な役割分担、連携を図りながら、児童虐待防止に取り組んでおります。関係機関から虐待に関係する情報があった場合には、その都度、所内で緊急に検討会議を開催して方針を決定し、対応しているところであります。
 次に、医療機関における虐待対応についてでありますが、医療機関には、子どもの診療を通じた児童虐待の早期発見の機能が期待されております。都では、病院が適切に通報等の対応ができるよう、平成十九年度より、都内の病院に勤務する医師、看護師、医療ソーシャルワーカー等を対象とした研修を実施するとともに、児童相談所が直接病院に働きかけ、院内虐待対策委員会の設置を促進してまいりました。
 今後ともこれらの取り組みを進めるとともに、委員会がより効果的に機能するよう、設置病院間の連絡会等を行い、医療機関の虐待への対応力向上を図ってまいります。
 また次に、児童相談所の相談体制強化についてでありますが、児童相談所では、複雑困難な相談事例が増加していることから、児童福祉司を平成十三年度の百六人から、平成二十一年度には百七十二人に大幅に増員するとともに、チーム制を導入し、複数の児童福祉司で協議をしながら対応しております。また、経験年数に合わせた研修を実施するとともに、平成二十年度より、児童福祉に関する専門副参事を配置し、困難事例に対するスーパーバイズやOJTを行っております。このような取り組みを通じ、職員の専門性の向上と組織としての対応力の強化を図っております。
 なお、今般の事案につきまして、一昨日、江戸川区の検証結果が公表されましたが、都におきましても、現在、児童福祉審議会の部会で専門家による検証を実施しており、その報告を踏まえ、必要な対応を図ってまいります。
 続きまして、今回の新型インフルエンザ対策の検証についてでありますが、都は現在、各地域ごとに、実際に診療に当たった医療機関や関係団体から、今回の流行における医療体制のあり方について意見を聞いております。その中で、限られた医療資源における患者の重症度や流行状況に応じた病床確保のあり方や、病院の機能に応じた医療機関の役割分担、診療所と病院の連携体制などについて検証を行っております。また、国におきましても、今回の新型インフルエンザ対策について検証を行っており、新たな法制化も視野に入れた検討を行っております。
 今後、こうした現場の意見や国の動向も踏まえながら、医療提供体制のあり方についてさらに検討してまいります。
 次に、強毒性の鳥インフルエンザが発生した場合の対応についてでありますが、都は現在、計画的に抗インフルエンザウイルス薬の備蓄を進めているほか、独自の補助制度を創設し、医療機関における入院病床の整備や人工呼吸器、個人防護具など医療資器材等の備蓄に対する支援を行っております。
 こうした取り組みを引き続き進めるとともに、蔓延期でのすべての医療機関における新型インフルエンザ診療体制の確保、病院の機能や患者の重症度に応じた搬送先の選定、空床情報の速やかな把握などを徹底するための検討を進めてまいります。実際に発生した場合には、ウイルスの病原性や患者の発生動向を十分見きわめて、適切な医療提供体制の確保に努めてまいります。
 さらに、国は現在、行動計画の改定を検討しており、その内容を踏まえながら、予防や相談体制のあり方などを含む総合的な対策についても取り組みを進めてまいります。
 なお、ご質問の中で、十月の厚生委員会のやりとりの後、病院に対し要請をせずに何ら結果を残していないというご批判がございましたので、改めて当時の状況と当局並びに都内の医療機関、区市町村、関係者の対応について述べさせていただきます。
 今回の新型インフルエンザは、小児患者が多いという特徴があり、都は、九月の流行注意報発令後、直ちに関係医療機関を集め、小児医療体制の確保を要請いたしました。その結果、九月末の時点で重症患者の受け入れが可能な三十九の医療機関、病床数にしまして六十五床でございますが、これを含めて八十六の医療機関により、入院患者を受け入れる体制を確保することができました。また、東京消防庁の救急医療情報システムを活用し、迅速な受け入れ体制についても確保したと思っております。
 さらに、患者さんが病院に殺到して混乱を招くことを防ぐために、医師会や関係機関、区市町村と連携し、休日、夜間時の診療体制の拡充を図るとともに、相談窓口の設置や医療資器材等の確保に対する支援を行うなど、総合的に対策を講じてまいりました。
 今回の新型インフルエンザの流行のピークであります、十月二十八日時点の小児の重症患者は二十四人でありました。これは、ご指摘のあった国の推計百五十三人を大幅に下回るものであります。都は、流行がピークに至る前から、小児医療機関等に対し、患者が急増する場合には、小児科以外の診療科の病床を投入することなども含め、最大限の病床を確保するよう強く要請する準備を進めておりました。
 こうした中で、患者サーベイランスや小児の入院患者数調査により、流行の動向を監視してきましたが、ただいま述べたとおり、国の推計を大きく下回って推移したため、当時確保していた病床数六十五床で対応可能と判断し、さらなる要請は行わなかったものであります。その後、流行は終息し、現在に至っております。
 新型インフルエンザ対策は、お話の医療体制の確保とともに、適切な感染防止対策の実施、ワクチンの確保と接種、的確なサーベイランスなど総合的な対策が必要であります。そして、都としては、抗インフルエンザ薬六百万人分の確保など、先進的に取り組んできたつもりでございます。しかし、何と申しましても、いわば未知の敵との戦いであります。今回の経緯を検証し、できる限りの準備を引き続き進めてまいりたいと思っております。
   〔東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック・パラリンピック招致本部長(荒川満君) オリンピックスタジアムの建設についてお答えします。
 晴海地区におけるオリンピックスタジアムの敷地面積は、当初十七ヘクタールで計画しておりました。その後、IOCからの要求や、近年求められる大規模大会への対応を踏まえ、立候補ファイルを作成する過程で拡大したものであります。そのため、敷地内の道路をつけかえるとともに、補助競技場など施設の一部については、ふ頭用地及び公園敷地の一部も使用することを想定して立候補ファイルを作成し、IOCに提出しております。
 実際の建設に当たりましては、道路のつけかえに加え、ふ頭機能の縮小への対応、補助競技場を公園施設として位置づけることが必要となり、そのための詳細な設計、関係機関との調整、都市計画等の変更は招致決定後に行うこととしていたところであります。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

○中央卸売市場長(岡田至君) 豊海地区の冷蔵倉庫の利用状況や取扱量、築地市場との連携についてのご質問ですが、豊海地区は、水産庁の所管する財団法人東京水産振興会が、水産業の振興に寄与することを目的に豊海水産基地として整備したもので、水産関係の事業者により、冷蔵倉庫、配送センター、加工場など、多くの関係施設が設置されております。このうち冷蔵倉庫につきましては、同財団の事業概要によりますると十一施設ございまして、収容能力は四十五万立米となっております。
 この冷蔵倉庫を築地市場水産物部の卸売業者が使用する場合は、中央卸売市場条例の市場外保管場所に当たり、都にあらかじめ届け出る必要がございます。現在、十一施設すべてに届け出がなされてございます。この豊海地区の冷蔵倉庫は、築地市場の冷蔵倉庫の使用を基本としながら、取扱物品の一時保管など、補助的機能として利用してございます。

○議長(田中良君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十八分休憩