○副議長(鈴木貫太郎君) 九十八番大西さとる君。
〔九十八番大西さとる君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○九十八番(大西さとる君) 民主党、文教委員会所属の議員を中心といたしました、教育関係に重きを置いた海外調査を行いました。調査先は、学習到達度調査において連続世界一となったフィンランド、教育投資額世界トップのデンマーク、そしてイギリスでございます。この三国を訪問して共通して感じたこと、それは、教育機会の平等、公平という理念をとても強く持っていたということです。また、教育は人づくり、国づくりであり、国づくりには教育が一番大切であるとの強い理念を感じました。
授業がわからない、できない子どもには、学習が定着するまで教えることが当然として行われておりました。特にフィンランドでは、そのような子が前兆を見せると、個別指導室でマン・ツー・マンないし少人数のクラスが編制され、そして、そこで徹底的に指導がされ、もとのクラスに戻しておりました。また、一クラス十五人から、多くても二十五人程度であったこともあり、わからない子どもをなくし、中位以上の子どもをつくるという姿勢がはっきりとあらわれておりました。
もう一点は、特に教員養成に熱心であると感じました。教員自体が社会的にも人気職種であり、給料は低いものの、社会的地位も高いという状況もあり、大学入学時から教員を目指す学生がほとんどであり、教員養成課程で一年時からたび重なる実習を行うなど、教員を目指す学生をサポートする体制がとても充実していたことには驚かされました。
東京都では、一部ではありますが、やっと四十人学級から三十九人、三十八人と進んでいく方針が示されております。これ自体は評価するものですが、まだまだ不十分だといわざるを得ません。授業についていけなくなった子どもの特別指導に対しても、教員の数が足らないのが現状でしょう。
実際、台東区のように、大学生をアシスタントに起用しているところもあり、成果が出ているとの話も聞きますが、教育庁として、今後、教員の数、質をどのような方向に導こうとしておられるのか、所見を伺います。
フィンランドでは、ヘルシンキのような都市でも、またラップランドのような過疎地でも同様の教育が受けられると胸を張っておられました。これは教育機会の平等、公平という理念が強いことのあらわれでもありますが、ここで、東京の都立高校における教育の不平等、不公平とも思われる一つの事例を提示させていただきます。
都立高校には、勉強を頑張ろうとする子どもたちを応援する進学指導重点校や進学指導特別推進校を指定しています。以後、便宜上、一くくりに進学校とさせていただきますが、これらの進学校は、勉学を頑張り、難関大学を目指す子どもたちを応援するため、特別に予算を組み、教師を重点配置し、補習などを充実し、難関大学と呼ばれる大学入試合格を目標に日々努力している学校です。
その結果、例えば日比谷高校では、昨年、東大に十六名、早稲田に百二十六名、慶応にも百二十七名など、大きな成果を出しています。有名大学に行くだけがすべてじゃない、そんな意見もありますが、みずから希望している子どもたちが、このように大きな壁を超えて結果を出す、すばらしいことだと思います。
この進学校の所在地に、教育の不平等、不公平があると思います。今、残念ながら東京都におきましては、地域間の学力格差がはっきりとあらわれています。皆様もご存じのように、西高東低と呼ばれるこの区部の状況、その状況がこの進学校の所在地にも影響を与えています。
この地図を見てください。これは、まず小学校における学力調査。これの平均点を超えている区はどこにあるか、それをまず赤い四角で囲みました。そして、中学校の平均点以上のところはどこにあるか、それをこの上に重ねてみますと、このようになります。そして、先ほどの進学校が一体どこに存在するのか、それを合わせますと、このようになります。進学校があるのは、このように東京の真ん中から西部。残念ながら、この右側、要するに、足立区やら東部には一切ないわけです。
私は、この問題を、昨年の文教委員会で同じ質問をしてみました。なぜ東側に勉強を頑張る学校がないんですか、そのように伺いました。結果は、その学校の過去の実績をもって指定をしているというものでした。これって、おかしくないですか。全くないところに住んでいる子どもたち、この中にも進学を頑張ろうとする子どもはたくさんいるわけです。
じゃ、この子どもたちは一体どうしているのか。日比谷高校に行っています、戸山高校にも新宿高校にも行っています。例えば日比谷高校の実績で見ますと、足立区からは十六名。ある学年ですね。そして、葛飾からも十名。そして、江戸川区からも三十一名も進学しています。そして、例えば戸山高校ですと十三名。また、青山高校には足立区からは二十三名も行っています。これだけの子どもを一つにまとめれば、十分、向こう側にも新しい進学校をつくるだけの子どもたちはいるわけです。しかし、残念ながら、今、その子どもたちは、長い間電車に揺られ、時間をむだにして日比谷高校に通っているわけです。
この進学校というものは、子どもにとっては、特に進学を目指す子どもにとっては、本当にすばらしい環境です。カリキュラムが違います。ノウハウがあります。そして、何よりも、同じ目標を持つ仲間が集まります。時に切磋琢磨して、そして励まし合う、そういうすばらしい環境だから、みんなこの真ん中に行ってしまうわけです。
一たんドロップアウトして、リチャレンジする子ども、これをサポートする体制は必要です。一方で、進学を頑張ろうとする子に対して、それをサポートする、そういう体制も必要じゃないでしょうか。しかし、この地図が示すように、今、東京における進学という観点から見れば、余りにも地域的なバランスがとれていない、これが現状じゃないでしょうか。私は、この東側、東京東部、また、この北側の方に、ぜひとも進学校をつくっていただきたい。
今回は区部だけをピックアップさせていただきましたが、どんな場所に生まれようが、子どもはひとしく平等に教育を受ける権利があります。それをぜひとも守っていただきたい。そのことをお伺いさせていただいて、東京都の見解を伺います。
次に、公立中学の課題について伺います。
中学受験が年々熱を帯びているといわれておりますが、六年生の三分の二以上が受験をしている、そんな小学校もございます。私は自分なりに、どうしてそんなに中学受験をするのか、いろんな区のお母さん、お父さんに聞いてみました。そしたら、子どもが受験する学校の教育理念がすばらしいとか、施設がすばらしいとか、そういう答えが返ってくると思いました。しかし、残念ながら――そういう親御さんもいたんですが、少数。ほとんどの親御さんが、区立には行かせたくないという、そのような答えが返ってまいりました。
この背景には、公立中学校における不登校やいじめ、対人関係にかかわるトラブルなど生活指導上の課題や、公立中学校では高校入試に必要な学力が身につかないのではないかという学力の課題に対する保護者の不安があるものと考えます。
東京都はこのような状況をどのように改善しようとしているのか、所見を伺います。
また、訪問したすべての国で、読書の大切さというものを挙げておりました。先日、石原知事も所信表明の中で、読解力を深めることの大切さ、これを指摘しておりましたが、読解力を養うためには本を読むことが必要であります。そして、そこに図書館の意義は大きいと思います。
一九七一年、東京都は、他県に先駆けて、都立高校すべてにおいて図書館に司書を置きました。当時、この政策は大きな反響を呼び、東京都はすごいと絶賛されたと伺っております。一九七一年から採用された司書は、三年後には多くは定年を迎えてしまいます。しかしながら、この十年間近く、新たな司書の採用はありません。
都立高校では、午前中の授業時間中でも図書館利用が多いと聞きます。また、図書館は、司書の方の存在により、大きく価値が変わります。司書がいない図書館は、単なる書庫になってしまいます。また、図書館の多くが、図書が傷んだり、新たな書籍購入ができないという状況に悩んでいます。
こうした状況を踏まえつつ、高校における読書活動の推進と今後の学校図書館の運営について都はどのように考えているのか、お伺いをいたします。
私たち海外調査の目的は教育が中心でございましたが、それ以外にも交通政策も学んでまいりました。
それは、コペンハーゲンとロンドンでございます。両都市とも、中世に建てられた古い家並みが続く美しいまちであります。それは、道路の拡幅が非常に困難であるということを意味し、コペンハーゲンはまだしも、ロンドンに至っては、道路状況は東京よりもひどいという感じがいたしました。双方、市内中心部の自動車による交通渋滞に悩んでおり、思い切った改善策に取り組んでいました。
コペンハーゲンにおきましては、自動車交通からの脱却を図るべく、自転車に乗りかえる政策を進めております。(パネルを示す)自転車専用道路、専用レーンや駐輪場の整備を進め、同時にメトロなどの公共交通の整備をしております。一方で自動車に対しては、規制地域を設けたり、中心部の駐車場代金を高額にするなど、抑制政策を推し進めております。
ロンドンでは、市内中心部の特定地域に入るには、一日当たり千三百円もの渋滞税が課金されます。このような簡単なカメラを設置し、車のナンバーをコンピューターに送信するだけ、未払いの車は罰金対象になるという、比較的簡単な投資で運営されるエリア方式を採用し、成功しておりました。ことしの年末までには料金もさらに上がるそうですが、その一方で、バス路線の大幅な整備やタクシーの充実が行われていました。ロンドン郊外にお住まいの方がいっていました。以前は二十分から三十分に一本しかなかったバスが、これが始まってから五分置きにやってくる、そのようにおっしゃっています。それは、渋滞税の収入の四分の三を、このバス整備にかけている成果でもございます。
これらの事例を参考に東京都の交通事情を見てみますと、思い切った政策がとられているとは思えません。東京都の交通政策、将来像に疑問が残ります。「十年後の東京」では、高速道路を中心とするネットワークの整備や踏切など、部分的な箇所の改善に終始しており、将来のビジョンが描かれておりません。
我々は、今回の調査内容を十分吟味し、今後さまざまな提案を行いたいと考えております。今回視察した都市では、さまざまな施策を複合的に組み合わせることで大きな効果を上げています。東京においても、渋滞による都市の機能不全を解消するとともに、環境問題という観点からも、交通インフラを整備し、そのインフラを効果的に使用するという、ハード、ソフト両面からの大胆な施策展開が必要だと思いますが、知事の所見を伺います。
昨年十月、タクシーに関する特別措置法が施行されました。この法律は、小泉改革による行き過ぎた規制緩和によるタクシーの供給過剰状態、事故の増加、サービス低下、労働条件の低下などを是正することが目的であり、東京都は対象地域となっております。
そこで、東京都として、現状をどのように認識し、どのように対応しようとしているのか、所見を伺います。
また、昨年十二月、第四回定例議会で、我が党の質問に前の警視総監は、駐車禁止規制の見直しを行っていきたいと答弁しております。その後、三カ月近くたったわけでございますから、具体的な見直し策をお伺いいたします。
タクシーが客待ちで交差点付近にとめても違反になります。昨年は現金輸送車が、何と四十一件も駐車違反とされています。宅配業者も苦しんでいます。駐車取り締まりに関しても、各党からも質問も出ておりますが、私からも、現状に即した措置が必要だと思いますが、所見をお伺いさせていただきます。
今後、海外調査に対しての詳細報告は、後日、皆様に小冊子としてお配りいたしますが、教育、交通、その他、消費者行政についても調査しております。また、他の議員からも、さまざまな角度から質問させていただきます。よろしくお願いをいたします。
これをもちまして質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 大西さとる議員の一般質問にお答えいたします。
交通インフラの整備と活用についてでありますが、道路や鉄道等の交通インフラは、都市の機能や利便性を向上させるだけではなく、国際競争力を高めるなど、首都東京の経済活性化の基盤となる極めて重要な社会資本であります。
東京の鉄道は、世界に類を見ない高密度で正確、安全なネットワークを構築しておりますが、例えば二十三区に限っていいますと、一キロ平方の中で、これだけ地下鉄も含めて鉄道の駅の多い都市というのは世界にありません。いずれにしろ、ターミナル駅の再編成などにより、一層の強化を図っていきたいと思います。
また、東京の最大の弱点となっている交通渋滞を解消するために、三環状道路を初めとした道路整備を強力に進めていきたいと思います。
こうした鉄道網や道路網は、低炭素型都市づくりを進めていく上でも不可欠な基盤となります。
一方、最先端の情報通信技術を活用して、信号制御による緊急車両や空港直行のバスの所要時間の短縮などを行いまして、一層、安全で快適な交通環境を実現していきたいと思います。
今後とも、交通インフラ面からもさまざまな施策を重層的、複合的に展開して、東京を世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市へと進化させていきます。
先ほどパネルで北欧の自転車事情の映像を見せていただきましたが、私もオリンピックの問題でヨーロッパにしげしげ参りました。そこで、ドイツや北欧のスカンジナビアの諸国で非常に自転車が普及しているのをうらやましく思いましたが、これは日本で非常に難しいんです。ということは、日本の交通事情、住宅事情を考える上で、私たちが考えなくちゃいけないのは、世界である意味で最も劣悪な地政学的な日本の条件というものを、私たちは忘れてはならないと思います。
それは、日本の国土の面積はイギリスよりもかなり大きいですが、イギリスの可住面積、彼らはインハビタブルスペースといいますけれども、これは日本の何と八倍あります。彼らのいう可住面積というのは、傾斜度十二度以下の土地のことでして、ですから、イギリスも日本の八倍以上ある。しかも、ドイツに至っては日本の十五倍、フランスは何と二十数倍です。こういった条件が、日本での自転車の活用を非常に困難にしているわけでして、日本では道交法がどうなっているか、よくわかるようでわかりませんが、もともと自転車は車道を走らなくちゃいけないようですけれども、車道を走ると危ないから歩道を走る。歩道で大きな事故を起こす例が多々ありますが、いずれにしろ、私も自分の健康のために、都庁に通ってくるのは、大田区から自転車で通えたらと思うけれども、とても度胸がない。
まあそういう事情がありまして、このごろ先進国では自転車が大はやり、発展途上国では自動車が大はやりという皮肉な現象が起こっていますが、いずれにしろ、私たち、自転車の活用ということを考えるにしても、私は地政学的な条件というものをやっぱり考えて、いろいろ策を練る必要があると思います。
他の質問については、警視総監、教育長及び都市整備局長から答弁いたします。
〔警視総監池田克彦君登壇〕
○警視総監(池田克彦君) 駐車問題に関する二件のご質問にお答えいたします。
初めに、駐車禁止規制の見直し策についてでございます。
荷さばき車両等に配慮した駐車規制の見直しに関しましては、昨年十二月の第四回定例議会においてご説明申し上げましたとおり、新駐車対策法制が施行される以前から見直しを行っておりまして、これまで貨物自動車等を対象に段階的に規制緩和を実施してきたところでございます。
しかしながら、その後もさらなる規制緩和の要望があることを受け、都内一円で実態調査を行ってまいりました。その結果、規制緩和の必要性が高いと思われる約四十区間を抽出し、現在、規制緩和の可否等について、さらに詳細な調査を行っているところでございます。
これらの区間は、荷さばき等の需要が多く認められるところから、所要の検討を行っておりますが、同時に、地域住民の皆様のご意見を踏まえる必要もありまして、その調整を行っているところでございます。
今後、規制緩和が妥当と判断された場所において、貨物自動車等を対象に規制時間を緩和する方向で準備を進めてまいりたいと考えております。
また、関係機関等に対し、道路外の駐車スペース整備の働きかけを継続して行うとともに、物流業界が進めている共同配送等の取り組みなどとも連携し、交通の安全、円滑を図ってまいります。
次に、現状に即した駐車取り締まりについてでございます。
ただいまのご指摘にもありますように、都民生活や経済活動上、車の利用は欠かせないものであるということは十分認識しております。しかしながら、一方で、違法駐車は、交通事故や交通渋滞などの原因となっていることもまた事実でございます。
このようなところから、違法駐車の取り締まりにつきましては、良好な駐車秩序を確立し、交通の安全と円滑を図るため、今後とも、悪質、危険性、迷惑性の高い違反に重点を指向した適正な取り締まりを推進してまいりたいと考えております。
〔教育長大原正行君登壇〕
○教育長(大原正行君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、今後の教員採用における数、質の確保についてでございます。
現在、教員の大量退職に伴い、多くの教員を採用する必要性が生じておりますが、その大量退職は今後十年間継続すると見込まれておりまして、教員の質の維持向上のために応募者数を増加させる取り組みを行うことは喫緊の課題となっております。
一方、全国の状況を見ますと、地方によっては、採用枠が小さいために非常に高い倍率になったり、あるいは優秀な人材が正規教員になりにくい状況もございます。このため、地方からの受験者増を図る観点から、来年度は、東京、仙台に加えまして福岡でも選考を実施する予定でございます。
また、これまで都に対する応募者数が少ない地方の教員養成大学とも連携を図り、その学生が東京の教育の魅力を十分理解できるよう、説明会などを積極的に実施してまいりたいと考えております。
さらに、今般、秋田、大分、高知の三県と採用選考の連携に関する協定を締結したところでございますが、来年度から、これら三県の一次試験で一定の成績をおさめた者は都の二次試験に進むことのできるような新たな選考を実施いたします。
また、質の高い教員を採用するためには、選考内容について工夫、改善することが必要でございます。お話のございました小中学校でアシスタントとして授業補助を行うなど、さまざまな体験活動を通じて培った実践的指導力については、今後とも選考において適切に評価してまいります。
次に、進学指導重点校についてでございます。
都教育委員会は、生徒の多様化が一層進む中で、生徒の学習希望にこたえるため、中高一貫教育校の設置など都立高校改革を推進してまいりました。
こうした施策の一環として指定しました進学指導重点校及び進学指導特別推進校におきましては、進学実績が着実に向上しており、学区制を撤廃したこともありまして、生徒たちはそういった学校の実績あるいは校風というものを慕って、遠路いとわず、これらの高校を目指して通ってくれておるところであります。
一方、これらの高校におきましては、蓄積をした進学指導のノウハウがさまざまな機会を通じて、ほかの高校でも共有できる状況になってきております。
今後は、実績のほかに、お話があったように、地域性などにも着目をして、進学指導重点校などの進学指導の取り組みや実践を活用して、進学指導を強化する学校の配置を検討していく時期を迎えていると考えております。このため、全都的な配置バランスや、あるいは地域からのニーズ、それから進学状況などを踏まえまして、進学対策を強化する取り組みを検討し、都立高校全体の進学指導のレベルアップを図ってまいりたいと考えております。
次に、公立中学校の課題についてでございます。
平成二十年度の問題行動等の実態調査では、都内の公立中学校における不登校の出現率やいじめの認知件数は減少しているものの、一部の学校ではございますが、暴力行為の件数は増加しております。
また、都や国の学力調査では、学力の定着状況はおおむね良好でございますが、基礎的、基本的な学習事項が身についていない生徒がいることも明らかになっております。こうした現状を改善することが、公立中学校全体の信頼をより一層高めることにつながると考えております。
都内公立中学校では、学校と地域関係者で構成する学校サポートチームを全校で設置し、暴力行為等の問題の解決に取り組みますとともに、学力調査結果に基づく授業改善推進プランを作成し学力向上に取り組むなど、信頼される学校づくりに努めております。
都教育委員会ではこれまで、スクールカウンセラーの全校配置、習熟度別少人数指導のための教員加配、生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準でございます東京ミニマムの作成、配布など、健全育成と学力向上の両面から公立中学校を支援してまいりました。
今後とも、こうした支援策を区市町村教育委員会と連携しながら推進し、公立中学校の教育の改善充実に努めてまいります。
最後に、都立高校における読書活動の推進と学校図書館の運営についてでございます。
現在、各都立高校においては、生徒の読書に親しむ態度を育成するために、司書教諭を中心に全教職員の協力体制のもとで、生徒の主体的な読書活動の充実に取り組んでおります。
平成二十二年度は、都立高校六校において、学校の実情や生徒の読書状況に応じて読書活動を推進するモデル事業を実施し、平成二十三年度にその達成結果をテキストとして取りまとめ、各学校に情報提供いたします。
さらに、計画的に読書活動の取り組みを進めようとする学校を読書活動重点支援校として指定し、蔵書の充実や外部講師の招聘など、読書活動推進に向けた取り組みを支援してまいります。
また、学校図書館の運営に携わっております司書につきましては、今後数年間に多数が定年を迎えることになりますが、これらの経験豊かな職員を再任用職員として活用してまいります。
学校図書館につきましては、今後とも運営の方法や人的配置について必要な検討を行い、利用の促進を図ってまいります。
〔都市整備局長河島均君登壇〕
○都市整備局長(河島均君) タクシー事業の適正化への対応についてお答えいたします。
都内では、規制緩和による新規参入などによりましてタクシーが増加する一方、長期的に需要が減少していることから、需給バランスが崩れ、客待ちタクシーに起因する渋滞が発生するなど、交通問題を引き起こしております。
昨年十月、いわゆるタクシー適正化・活性化法に基づきまして、国や都、タクシー事業者などを構成員とする地域協議会が設立され、十二月には、二十三区と武蔵野市、三鷹市で構成される交通圏におきまして、需給バランスの改善やタクシーサービスの活性化、安全性の維持向上などの目標を定めた地域計画を策定いたしました。
都は、引き続き、これまで行ってきた渋滞対策などの交通政策を通じて、タクシー事業者などが本計画で定めた目標を実現するための取り組みに協力してまいります。
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