平成二十一年東京都議会会議録第十六号

平成二十一年十二月一日(火曜日)
 出席議員 百二十五名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番吉住 健一君
四番桜井 浩之君
五番野田かずさ君
六番鈴木 章浩君
七番福士 敬子君
八番山内れい子君
九番くりした善行君
十番西沢けいた君
十一番中村ひろし君
十二番田中  健君
十三番関口 太一君
十四番小山くにひこ君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤 興一君
二十番きたしろ勝彦君
二十一番田中たけし君
二十二番鈴木 隆道君
二十三番神林  茂君
二十四番早坂 義弘君
二十五番星 ひろ子君
二十六番柳ヶ瀬裕文君
二十七番淺野 克彦君
二十八番新井ともはる君
二十九番佐藤 由美君
三十番たきぐち学君
三十一番田の上いくこ君
三十二番島田 幸成君
三十三番しのづか元君
三十四番滝沢 景一君
三十五番大島よしえ君
三十六番大松あきら君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番松葉多美子君
四十番高木 けい君
四十一番石森たかゆき君
四十二番高橋 信博君
四十三番中屋 文孝君
四十四番村上 英子君
四十五番矢島 千秋君
四十六番高橋かずみ君
四十七番西崎 光子君
四十八番中谷 祐二君
四十九番笹本ひさし君
五十番山下ようこ君
五十一番神野 吉弘君
五十二番鈴木 勝博君
五十三番興津 秀憲君
五十四番岡田眞理子君
五十五番伊藤 ゆう君
五十六番原田  大君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番中山 信行君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十五番山田 忠昭君
六十六番山崎 一輝君
六十七番菅  東一君
六十八番宇田川聡史君
六十九番林田  武君
七十番三宅 茂樹君
七十一番佐藤 広典君
七十二番尾崎 大介君
七十三番山口  拓君
七十四番松下 玲子君
七十五番伊藤まさき君
七十六番野上ゆきえ君
七十七番西岡真一郎君
七十八番今村 るか君
七十九番吉田康一郎君
八十番斉藤あつし君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番遠藤  衛君
八十八番三原まさつぐ君
八十九番吉原  修君
九十番野島 善司君
九十一番鈴木あきまさ君
九十二番田島 和明君
九十三番樺山たかし君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番泉谷つよし君
九十六番くまき美奈子君
九十七番大西さとる君
九十八番増子 博樹君
九十九番いのつめまさみ君
百番門脇ふみよし君
百一番小沢 昌也君
百二番花輪ともふみ君
百三番大津 浩子君
百四番相川  博君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番吉野 利明君
百十一番こいそ 明君
百十二番服部ゆくお君
百十三番川井しげお君
百十四番宮崎  章君
百十五番比留間敏夫君
百十七番石毛しげる君
百十八番大塚たかあき君
百十九番和田 宗春君
百二十番山下 太郎君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番大沢  昇君
百二十三番中村 明彦君
百二十四番土屋たかゆき君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番田中  良君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 二名
六十四番 山加 朱美君
百十六番 川島 忠一君

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事菅原 秀夫君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監米村 敏朗君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長河島  均君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長比留間英人君
会計管理局長新田 洋平君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
消防総監新井 雄治君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長泉本 和秀君
労働委員会事務局長関  敏樹君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長野口  孝君

十二月一日議事日程第一号
第一 天皇陛下御在位二十年にあたり賀詞を奉呈することについて
第二 第百四十七号議案
  平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第三 第百四十八号議案
  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百四十九号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百五十号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百五十一号議案
  東京都非常勤職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百五十二号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百五十三号議案
  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百五十四号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百五十五号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百五十六号議案
  東京都高等学校等生徒修学支援基金条例
第十二 第百五十七号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百五十八号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百五十九号議案
  都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第百六十号議案
  東京都社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例
第十六 第百六十一号議案
  東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例
第十七 第百六十二号議案
  東京都地域医療再生基金条例
第十八 第百六十三号議案
  東京都地域自殺対策緊急強化基金条例
第十九 第百六十四号議案
  東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例
第二十 第百六十五号議案
  東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例
第二十一 第百六十六号議案
  東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第二十二 第百六十七号議案
  東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第二十三 第百六十八号議案
  東京都森林整備加速化・林業再生基金条例
第二十四 第百六十九号議案
  東京都公害紛争処理条例の一部を改正する条例
第二十五 第百七十号議案
  東京都地域グリーンニューディール基金条例
第二十六 第百七十一号議案
  土壌汚染対策法関係手数料条例
第二十七 第百七十二号議案
  東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第二十八 第百七十三号議案
  東京都給水条例の一部を改正する条例
第二十九 第百七十四号議案
  東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第百七十五号議案
  東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第百七十六号議案
  都立小金井地区科学技術高等学校(仮称)(二十一)改築工事請負契約
第三十二 第百七十七号議案
  都立江戸川特別支援学校(二十一)校舎改修工事請負契約
第三十三 第百七十八号議案
  東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修電気設備工事請負契約
第三十四 第百七十九号議案
  東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修空調設備工事請負契約
第三十五 第百八十号議案
  東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修給水衛生設備工事請負契約
第三十六 第百八十一号議案
  古川地下調節池工事(その一)請負契約
第三十七 第百八十二号議案
  中央環状品川線大井ジャンクション鋼けた製作・架設工事(その一)請負契約
第三十八 第百八十三号議案
  消防事務の受託について
第三十九 第百八十四号議案
  当せん金付証票の発売について
第四十 第百八十五号議案
  東京都収入証紙条例を廃止する条例の施行に伴う旅券の申請受理及び交付等に係る事務委託の変更及び規約の一部の変更について
第四十一 第百八十六号議案
  備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
第四十二 第百八十七号議案
  地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターが徴収する料金の上限の認可について
第四十三 第百八十八号議案
  京浜港連携協議会の設置について
第四十四 第百八十九号議案
  東京都奥多摩ビジターセンターの指定管理者の指定について
第四十五 第百九十号議案
  東京都立神代植物公園の指定管理者の指定について
第四十六 第百九十一号議案
  奥多摩町公共下水道使用料徴収事務の受託について
第四十七 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について

   午後一時開会・開議

○議長(田中良君) ただいまから平成二十一年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(田中良君) まず、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   三番   吉住 健一君 及び
   六十六番 山崎 一輝君
を指名いたします。

○議長(田中良君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月十六日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

○七十四番(松下玲子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程第一を先議されることを望みます。

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程第一を先議することに決定いたしました。

○議長(田中良君) 日程第一、天皇陛下御在位二十年にあたり賀詞を奉呈することについてを議題といたします。
 天皇陛下におかせられましては、本年をもって御在位満二十年をお迎えになられました。まことに慶賀の至りにたえません。
 つきましては、東京都議会として、天皇陛下に賀詞を奉呈し、慶祝の意を表したいと存じます。

○七十四番(松下玲子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本件は、二十三人の委員をもって構成する賀詞起草特別委員会を設置し、案文を起草されることを望みます。

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、二十三人の委員をもって構成する賀詞起草特別委員会を設置し、案文を起草することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、お手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
   〔賀詞起草特別委員名簿は本号末尾(九ページ)に掲載〕

○議長(田中良君) これより直ちに、議会運営委員会室に委員会を招集いたします。委員におかれましては速やかに起草を終了し、報告されるよう希望いたします。
 委員会開会のため、暫時休憩いたします。
   午後一時四分休憩

   午後一時三十一分開議

○議長(田中良君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 賀詞起草特別委員長の報告を求めます。
 賀詞起草特別委員長大沢昇君。
   〔百二十二番大沢昇君登壇〕

○百二十二番(大沢昇君) 賀詞起草特別委員会委員長報告を行わせていただきます。
 天皇陛下の御即位二十年に当たり、天皇陛下に差し上げるべき賀詞起草の特別委員会の経過並びに結果についてご報告を申し上げます。
 先ほど議長より指名されました我々二十三名の委員は、直ちに委員会を開催し、委員長の互選を行いましたところ、不肖私が委員長の重責を担うことになりました。
 委員一同、終始敬けんなる態度をもちまして賀詞の起草に当たりましたところ、その成案を得ました。
 ここに案文を朗読いたします。
     賀詞
  天皇陛下におかせられましては
  本年をもって御在位満二十年という
  慶賀に堪えない節目の年を
  お迎えになられました
  東京都議会は
  一千三百万都民とともに
  ここに 謹んで祝意を捧げます
    平成二十一年十二月一日
       東京都議会議長 田中  良
 以上、謹んでご報告申し上げます。
 満場の皆様のご賛同を心からお願い申し上げ、委員長報告といたします。
 ありがとうございます。

○議長(田中良君) 以上をもって、賀詞起草特別委員長の報告は終わりました。

○議長(田中良君) これより採決を行います。
 本件は、特に敬意を表するため、起立により採決いたします。
 ただいまの委員長報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕

○議長(田中良君) 起立総員と認めます。よって、本件は、委員長報告のとおり決定いたしました。(拍手)
 なお、本件は、議長において、皇室へ奉呈の手続をとりますので、さようご了承願います。

○議長(田中良君) この際、謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民森繁久彌氏には、去る十一月十日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

○議長(田中良君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(鈴木省五君) 平成二十一年十一月二十四日付東京都告示第千五百三十六号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案四十五件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について依頼がありました。
 次に、平成二十一年第三回定例会の会議において同意を得た公安委員会委員及び人事委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、人事委員会より、平成二十一年十月九日付で都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき、知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

○議長(田中良君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一〇ページ)に掲載〕

○議長(田中良君) 次に、東京都議会友好代表団について申し上げます。
 本議会を代表いたしまして、去る十一月三日から九日まで、ソウル特別市及び北京市へ友好代表団を派遣いたしました。
 友好代表団を代表いたしまして、報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。
 ソウル特別市及び北京市訪問東京都議会友好代表団副団長林田武君。
   〔六十九番林田武君登壇〕

○六十九番(林田武君) 東京都議会友好代表団のソウル特別市及び北京市訪問について、ご報告申し上げます。
 田中良議長を団長とし、民主党、自由民主党、公明党、日本共産党の各会派の代表から成る友好代表団十名は、ソウル特別市議会及び北京市人民代表大会常務委員会の招聘を受け、十一月三日から九日までの七日間、ソウル特別市、北京市及び上海市を訪問いたしました。
 訪問の目的は、東京都とソウル特別市及び北京市との友好親善の増進に寄与するとともに、各都市に共通する都市問題等に関して調査及び意見交換を行い、都議会における政策立案に資することでありました。
 特に今回は、中華人民共和国建国六十周年、東京都・北京市友好都市締結三十周年という節目の年の訪問でした。
 まず、十一月三日から五日まで、ソウル特別市を訪問いたしました。
 ソウル特別市議会の林承業副議長及び政務副市長就任予定のソウル特別市政府の徐張恩政務調整室長を表敬訪問し、友好関係のさらなる推進を確認するとともに、環境対策、文化遺産と調和した都市づくりや経済振興策などについて活発な意見を交換いたしました。
 また、水素に化学反応を起こして電気を生産するという盧原水素燃料電池発電所を視察いたしました。従来の火力発電所よりも高効率で低公害、低騒音であり、小規模な施設のため分散して設置することが可能というもので、新しいタイプの発電所として大いに参考になりました。
 さらに、ソウル中心部を流れる川、漢江を観光資源や市民の憩いの場として活用することを目指した漢江ルネッサンスプロジェクトについて説明を受け、現地を視察いたしました。
 その他にも、市議会で運用されている電子会議システム、多目的に利用されているワールドカップスタジアム等を視察し、活発な意見交換を行いました。
 続いて、五日から七日まで北京市を訪問いたしました。
 北京市人民代表大会常務委員会の杜徳印主任及び北京市政府の郭金龍市長を表敬訪問いたしました。
 三十年にわたる文化、経済など幅広い分野での東京都と北京市の交流が、両都市、さらには日中の友好に大きく貢献したことを再確認いたしました。同時に、環境問題を初め世界的な大都市となった両都市の抱える諸課題について、率直な意見交換を行いました。
 また、世界最先端の技術を駆使した天然ガス式の発電所である北京太陽宮熱電所を視察いたしました。従来の石炭式発電所の倍以上という高いエネルギー効率、有害物質を二十五分の一に削減した技術、世界一静かな発電所といわれる騒音対策などの説明を受け、意見を交わしました。
 ほかにも、初の国立劇場である国家大劇院、北京市の都市計画の歴史が、さまざまな映像や模型などによって展示された都市計画展示館、オリンピック終了後も観光資源初め多目的に活用されているオリンピックスタジアム、鳥の巣などを視察し、意見交換を行いました。
 続いて、七日から九日まで上海市を訪問いたしました。
 上海市人民代表大会常務委員会の楊定華副主任の表敬訪問では、上海万博に向けて急速に進むインフラ整備の状況や金融危機の克服などについて伺い、東京都の成長の過程や現状にも触れながら、大都市特有のさまざまな課題を克服するための英知を共有し、世界へ発信していくことの大切さを確認いたしました。
 市内では、着々と準備が進む上海万博会場、至るところで道路、ビル、地下鉄網等の工事が急ピッチで進められている状況を目の当たりにし、さらに四百九十二メートルの上海国際金融センターから上海を一望するなど、変貌を続ける上海市のスケールの大きさ、活力を体験いたしました。また、最高時速四百三十キロで三十キロの距離を八分で結ぶリニアモーターカーに乗車し、その実用性を体験いたしました。
 七日間で三都市の訪問というハードなスケジュールでしたが、それぞれの都市で友好のきずなを一層深めるとともに、発展著しいソウル特別市、北京市、上海市のありのままの様子を見聞し、お互いの都市問題とその解決策について大いに議論するなど、大変有意義な訪問となりました。
 最後に、このたびの訪問に当たり、お世話をいただきましたソウル特別市、北京市及び上海市の皆さんに改めて心より厚く御礼を申し上げ、東京都議会友好代表団の報告とさせていただきます。(拍手)

○議長(田中良君) 以上をもって、東京都議会友好代表団の報告は終わりました。

○議長(田中良君) 次に、二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会開催都市決定に伴う派遣について申し上げます。
 本議会において、去る九月二十九日から十月四日まで、コペンハーゲン市へ代表団を派遣いたしました。
 代表団を代表いたしまして、大沢昇君より、報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。
 百二十二番大沢昇君。
   〔百二十二番大沢昇君登壇〕

○百二十二番(大沢昇君) 二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会、開催都市決定に伴う派遣の概要につきまして、ご報告申し上げます。
 田中良議長を団長とした派遣団十名は、九月二十九日から十月四日までの六日間、デンマーク王国コペンハーゲン市に参りました。この派遣は、特定非営利法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会からの依頼を受け、東京都や招致委員会と一体となった招致活動を目的として実施したものであります。
 まず、派遣団は、立候補都市のプレゼンテーションや投票が行われるIOC総会の会場となるベラセンター、IOCのオープニングセレモニーが行われるオペラハウス、サイクリングイベントが開催される市庁舎前広場など招致の中心となる施設を視察いたしました。
 次に、間寛平さんアースマラソンのコペンハーゲン到着イベントの会場となるゲフィオンの泉に向かいました。寛平さんは、二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致大使でもあり、マラソンとヨットのみで世界一周をするアースマラソンに挑戦をしております。高橋尚子さんを初めとしたオリンピック・パラリンピックのメダリスト、デンマーク日本人会や二〇一六年東京オリンピックを望む学生の会の方々とともに、寛平さんのコペンハーゲン到着を盛大に迎えました。国内外のメディアに向けて、東京へのオリンピック・パラリンピック招致を強くアピールしてまいりました。
 また、夜には、ソーシャルファンクションが開催され、間寛平さんを囲んで石原知事、高橋尚子さんやロサ・モタさんなど多くのアスリートの方々が参加し、国内外のメディアにも公開されました。田中議長は開会のあいさつで、また、オリンピック・パラリンピック招致特別委員会吉野委員長が乾杯のあいさつにおいて、二〇一六年オリンピック・パラリンピックの東京開催を強くアピールいたしました。派遣団の団員は、現地メディアなどの取材に対して、積極的に東京のPRを行ってまいりました。
 十月一日には、デンマーク・オリンピック委員会主催のサイクリングイベントが開催されました。四立候補都市の若者が、プレゼンテーション会場となるベラセンターをスタートし、市庁舎前のゴールまで、各都市のPRをしながら自転車で走るイベントであります。派遣団は、ゴール地点で東京代表の若者を迎え、寛平さんとともに東京招致を大いにアピールしてまいりました。
 夕方には、IOC総会の出席者や多くのアスリートの出席により、決起集会が開催されました。JOC副会長でもある福田富昭招致委員会理事の開会のあいさつの後、田中議長が乾杯のあいさつで、東京招致の強い決意を表明いたしました。また、川井議員の発声で、最後まで頑張ることを誓い、IOC委員への招致活動に向かう参加者を盛大に送り出しをいたしました。
 十月二日は、IOC総会が開催され、投票に先立ち、四候補都市が、シカゴ、東京、リオデジャネイロ、マドリードの順番で四十五分間のプレゼンテーションと質疑が行われました。
 派遣団は、開催都市決定東京応援ツアーで駆けつけた方々とともに、ホテルからプレゼンテーション会場に向かう石原知事、田中議長を初めとした東京の代表団を力強く送り出しました。
 各都市のプレゼンテーションは、ホテル内のプレスルームで視聴し、東京のプレゼンテーションは、平和、環境を訴えるすばらしいもので、会場にいた外国のプレスの評判も非常に高く、結果が期待されました。
 投票は、夕食会の会場となるホテルに設置されたビジョンで視聴し、一回目の投票で東京が勝ち抜き、大いに期待が膨らみましたが、しかし、まことに残念ながら二回目の投票で東京の落選が発表されました。その後、IOCのロゲ会長から、二〇一六年オリンピックの開催都市として、リオデジャネイロに決定したことが発表されました。
 夜は、応援ツアー、日本人会、学生の会など東京招致にご協力をいただいた方々に御礼を申し上げるとともに、オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けた熱い思いを伺うなど意見交換を行ってまいりました。
 今回の招致を通じて、今後とも、東京がオリンピック・パラリンピックの招致活動を通じて訴えてきた世界平和の尊さや地球環境の大切さなどの理念の実現に向けて取り組むことが重要であると強く感じております。
 以上をもちまして、二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会、開催都市決定に伴う派遣団を代表しての報告といたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(田中良君) 以上をもって、二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会開催都市決定に伴う派遣の報告は終わりました。

○議長(田中良君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 平成二十一年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 去る十一月十日、名誉都民である森繁久彌さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 さて、十月二日、コペンハーゲンで開催されたIOC総会で、二〇一六年オリンピック・パラリンピックの開催都市がリオデジャネイロに決まりました。
 日系移民とその子孫が多く住み、我が国と深いつながりを持つブラジルの都市での開催を心から祝福いたします。また、東京が世界に訴えた地球の環境を守り平和を実現するとの理念は人類普遍の理念でありまして、これをぜひともリオデジャネイロ大会においても実現してほしいと思います。リオデジャネイロは東京とともにC40のメンバーでもあり、環境技術などで協力を行ってまいりたいと思います。
 招致活動に際しては、都議会及び国会の招致議員連盟の方々を初め、政権発足直後にもかかわらずIOC総会に駆けつけてくださった鳩山首相及び政府関係者、アスリート、招致大使の方々、現地応援ツアーに参加した皆さんなど、最後の最後まで奮闘いただいた皆様に心から感謝を申し上げます。
 勝利のために応援をいただいた多くの都民、国民、企業や地域、都内はもとより全国の自治体など、すべての皆様に厚く御礼を申し上げます。
 招致レースは、地球最大のイベントの開催をかち取るためとはいえ、国家同士が総力を挙げてぶつかり合う大変熾烈な戦いでありました。それゆえ、開催都市決定のメカニズムは複雑きわまりなく、東京は、IOCの求める条件をすべて十全に満たした開催計画を用意したにもかかわらず、勝利には手が届きませんでした。
 しかし、我々がこれまで力を尽くしてきた取り組みは、未来につながる重要な意味を持っていると思います。
 スポーツ分野では、子どもたちにオリンピアン、パラリンピアンとの交流を通じて、努力するすばらしさを伝える取り組みを進めました。都民、国民のスポーツに対する意識もかつてなく高まっており、例えば東京マラソンは、定員の九倍もの応募が殺到しております。わずか三回の開催で、世界最高位、ゴールドラベルの大会にまで成長したことは、こうした高まりを背景にしているからにほかなりません。
 環境分野でも、開発優先で来た現代文明を環境と調和した姿に変える象徴として、カーボンマイナスオリンピックを掲げ、国内外に大きな一石を投じました。そして、東京はみずから率先してモデルビルディングに取り組み、街路樹の倍増や校庭の芝生化など、十年計画に沿って着実に前進させてきました。都市として初めて、世界で初めてICAPに加盟しております。
 招致活動は、都市の総合力の競い合いでもあり、東京の豊穣な歴史と文化などさまざまな魅力を海外に発信したことは、東京の存在感を世界の中でさらに高めていくため、またとない機会ともなりました。中でも、各国の大都市に比して正確無比な公共交通網や良好な治安は、高く評価されました。
 これを跳躍台として、今後、二十一世紀の都市モデルの造形を一層進めてまいります。先進的な環境政策を一段と加速するとともに、美しく安全で住み心地のよい世界の範となる都市へと東京を成熟させてまいります。
 十月二日のIOC総会前後に行われた内閣府の調査によれば、オリンピックなどの国際大会を我が国で開催することを望む国民の割合が八九・四%にも上り、過去最高となっておりました。こうした国民のオリンピックへの期待をさらに高めながら、今回の招致活動のレガシーである貴重な経験を最大限生かして、やがては日本でのオリンピック開催という大きな夢を実現していきたいと思います。
 豊かな緑に包まれた美しい環境を次代に引き継ぐとともに、最終プレゼンテーションに登壇してくれた三科怜咲さんなど若者たちの思いに報いるためにも、次なる国内候補都市を選定する手続の時間的問題をも勘案して、先般、再挑戦についての意思を表明しました。
 もとより再挑戦については、都民、国民の意向を十分にそんたくし、都議会の皆様との議論を踏まえた、東京としての結論を出していくべきものと考えております。都議会の皆様、都民、国民の皆様のご理解をよろしくお願いいたします。
 なお、現在、二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致活動報告書をまとめさせております。会計監査も実施し、公表してまいります。
 次に、国政について申し上げます。
 現在、我が国は停滞のただ中にあり、これまでかち得てきた経済的豊かさも、さらには国家としての存在感さえも失いかねない状況にあります。国家のかじ取りを担うべき国政が、一貫性、継続性を自負する官僚によって壟断されて硬直をきわめ、政治家も本質的な改革を先送りにしてきたからにほかなりません。この国を変身蘇生させるためには、官僚支配を撤廃し、社会工学上最も力を持つ政治が、国家の大計に立って、その責任を十分に果たさなければならないのであります。
 こうした状況の中で誕生した新政権の動向を刮目してまいりました。鳩山首相が就任早々、高いCO2削減目標を掲げ、国際社会をリードする政治としての強い決意を示したことを高く評価いたします。
 鳩山首相が掲げた目標を達成するには、大規模事業所にCO2の排出削減義務を課し、削減した排出量を取引する市場を創設してCO2削減にインセンティブを与える、いわゆるキャップ・アンド・トレードの枠組みを構築することが不可欠であります。これを日本全体で実施するには、さまざまな意見の相違や利害の対立を乗り越えなければなりません。
 既に東京都は、昨年、全会一致で世界初の都市型キャップ・アンド・トレードの導入を決定しており、来年四月より開始いたします。そうした東京から、全国的な制度のあり方についての具体的な提言を行い、導入を先導してまいりたいと思います。
 今回の提言では、国が発電所や製鉄所など大規模施設を対象として運営する国家キャップ・アンド・トレードと、現場を知る地方がオフィスビルや製造工場などを対象とする地域キャップ・アンド・トレードを組み合わせた、国と地方がともに積極的な役割を果たす制度を示しました。国には、都が蓄積してきたノウハウを惜しみなく提供してまいりたいと思います。同時に、首都圏での先行実施に向けた具体的な議論を八都県市に呼びかけてまいります。
 今月開催される国連のCOP15の場において、CO2削減の国際的枠組みづくりは難航することが予想されております。国家間交渉の停滞を日本が突き破っていくためにも、国際公約である高いCO2削減目標の実現を、国運を賭す決意で急がなければなりません。東京は、他の都市とともに連携しながら、この動きを牽引してまいりたいと思います。
 一方、新政権の国政運営について懸念される点もあり、首都を預かる知事として、幾つか建言したいと思います。
 新政権は、マニフェストに掲げた、コンクリートではなく人を大事にする政治の理念に沿って公共事業を削り、子ども手当など国民への直接給付に政策の重点を移そうとしております。
 確かに、むだな公共事業は許されません。しかし、理念先行の、初めに言葉ありきで社会資本整備そのものを過小評価しては、政治の責任を果たすことにはなりません。
 急峻な山々が連なり、平野部が限られた狭隘なこの国土に一億を超える人々が暮らすには、社会資本の整備によって地勢的不利を克服し、国民の生命と財産を守り、生活を支えていかなければなりません。都内においても、整備を進めている奥多摩の山間部を支える道路や区部東部に広がるゼロメートル地帯を守る河川の護岸などが、こうした社会資本整備の重要性を示しております。
 また、社会資本の整備は、国家財政がよって立つ経済を活性化し、発展させる原動力でもあります。費用対効果の高い事業の実施は、先行き不透明な景気への即効薬ともなり、将来にわたって経済の成長を促し、国民生活を向上させます。特に、外環道のような首都圏のみならず日本全体の活力を引き出す事業は、全速力で進めなければなりません。
 こうした社会資本整備の重要性をしんしゃくせずに、新政権は、利水、治水に大きな効果を持つ八ッ場ダムの建設について、中止の判断に至った根拠も明らかにしないまま、関係自治体との協議もなく、マニフェストに基づき中止する方針を示しております。
 もとより国民は、マニフェストに書かれた公約の遵守のみを求めているのでは決してありません。政治と国民を結ぶ言葉であるがゆえの重みを持つとしても、その公約ありきで柔軟性、機動性を欠いては、国民の期待にこたえることはできません。日々刻々変化する社会経済情勢をにらみながら、国家の大計に立って冷静に政策を選択し、限りある財源を最も効果的に使うことが国民の求める政治なのであります。
 国の来年度予算編成では、マニフェストに掲げた内容であっても、事業効果や経済への波及を十分に吟味すべきであります。吟味の上で、複雑な連立方程式を解くがごとくに、政策の整合性、優先度を判断し、勇気を持って決断することを強く求めてまいります。
 新政権は、国の官僚の支配を排し、自治体がみずからの責任とみずからの財源で主体的に施策を展開できるよう、地方主権を確立しなければなりません。
 国の官僚はこれまで、地方を信用せず全国画一の基準を構え、制度が実態と乖離しても、なお現状維持を図って、みずからの権限、財源を死守してまいりました。
 これに対して都は、現状に即した新しい行政のフォーマットを提起し、国に変革を迫ってまいりました。とりわけ認証保育所は、大都市の実情に立脚した基準を設け、時代おくれとなった国の制度自体を抜本的に見直したことから、既に四百七十カ所以上設置され、東京における子育ての支援策の大きな柱に成長したのです。
 国の官僚による基準設定や制度運用を通じた地方支配を政治が根本から変えなければ、地方主権は成り立ち得ません。年内に国が策定する地方分権改革推進計画では、国が地方を管理下に置いてきた仕組みに政治の力でメスを入れ、地方へ権限と財源を大きく移す道筋を明確に示すことを求めます。
 地方主権の実現を占う試金石となるのが、国の来年度予算における地方への対応であります。国はこれまで、地方への税源移譲を中長期的な課題として棚上げし、その時々の都合で財政負担をつけ回してきました。新政権からも、子ども手当などに対して財政負担を求められる懸念が十分あります。
 地方主権を実現するべく、新政権は、これまで置き去りにされてきた自治財政権の確立に向けて、大きくかじを切らなければなりません。当然にして、法人事業税の暫定措置を即時撤廃すべきであります。これは、民主党の複数の議員たちが、福田内閣時代に強く国会で反対してくれたものであります。同時に、新たに実施する国策は、全額、国の財源で遂行するように求めます。
 また、国は地方の懐を当てにするのではなく、公会計制度を一変し、複式簿記・発生主義会計を導入してむだを省くとともに、職員定数の削減や組織のスリム化といった、みずからの身を切る改革を果断に行うべきであります。
 国政の動向を引き続き刮目してまいります。ただし、都政は、現場で次々と発生する課題への対応を迫られており、国の動きを待つわけにはいきません。直面する緊急課題に迅速に対処し、現場ならではの創意と工夫を凝らして、都民生活を守ってまいります。
 新型インフルエンザは、この一カ月余り、流行警報の発令された状況が続いております。都は、発生当初より、医師会を初め関係機関と緊密に連携し、流行の状況を迅速に把握して診療体制を整えてまいりました。学校等における流行の拡大防止にも、全力で取り組んでおります。
 先月上旬、妊娠中の方や基礎疾患を有する方へのワクチン接種が全国で始まりました。都では、患者の発生動向を詳細に分析し、国のスケジュールを前倒しして、幼児へのワクチン接種を既に開始しております。
 今後も、流行の状況に機動的に対応しながら、重症化した患者のための病床確保を引き続き進めるなど、万全の対策を講じてまいります。
 雇用情勢は、完全失業率が高い水準で推移しており、依然として深刻であります。雇用の場の創出とともに、一人一人の状況に即した就職相談など、多面的な支援を講じなければなりません。
 とりわけ、離職を余儀なくされた方々が安心して新年を迎えられるよう、年末特別相談会を実施し、労働問題の解決や早期の再就職につなげてまいります。また、学生の厳しい採用状況を踏まえ、先月開催した合同面接会を二月に再度実施し、区市町村とともに連携して実施する緊急雇用創出事業を拡充するなど、切れ目なく支援を講じてまいります。
 年末、年度末に向けて、資金繰りに悩む小零細企業を支えていかなければなりません。これまで都は、緊急保証制度に対応した制度融資を積極的に推進し、開始から一年間の実績は六万九千件、一兆五千億円になっております。十月からは、地域の金融機関と連携した都独自の新たな保証つき融資制度の取り扱いを開始し、順次、取扱金融機関を拡大しております。
 今後も、現下の経済危機を踏まえ、これらの融資制度によって小零細企業の資金需要への対応に万全を期してまいります。
 首都ゆえに先鋭的にあらわれるさまざまな課題にも、現場発の発想で都民の安全と安心を守るべく、確実に手だてを講じてまいります。
 日本は、世界に類を見ない速さで高齢化をしております。今後急増する単身や夫婦のみの高齢者世帯の不安を解消するには、介護保険が対象にしていない多様なニーズにもこたえるなど、現場に即した発想で対策を講じていくことが必要であります。
 このたび、群馬県の未届け有料老人ホームでの火災事故も教訓として、国の縦割りの弊害ゆえ別個に展開されてきた住宅政策と福祉政策に、東京という現場で横ぐしを通して、新しい住まいのモデルを構築しました。
 介護関連施設や診療所などを併設し、緊急時のサポートも備えた高齢者向けの賃貸住宅などケアつき住まいを、民間の力、投資意欲を生かして提供してまいります。地域の支援窓口も創設し、自宅で暮らす高齢者を二十四時間体制で見守るほか、日常生活の手助けなども行ってまいります。
 産科、小児科などを中心とする医師不足が現場に疲弊をもたらす中、医療機関の連携のもと、限られた資源を有効に活用し、都民の安心を確保しなければなりません。
 都民が安心して子どもを産むことができるように、昨年来、周産期医療について緊急対策を重ねております。これまで周産期連携病院を九カ所指定し、スーパー総合周産期センターも三カ所設けました。八月には東京消防庁に周産期搬送コーディネーターを配置し、十月にも都立大塚病院に総合周産期母子医療センターを設置しております。
 さらに、安心して子どもを育てることができるように、小児医療体制を一層強化してまいります。重篤な子どもを迅速に受け入れ、外科、内科を問わず、小児特有の症状に対応した高度な救命医療を行う子ども救命センターを新たに設置するとともに、地域における医療機関相互の協力体制も強化してまいります。
 子どもを健やかに成長させるためには、心身ともにバランスよく鍛え、確かな学力を培う必要があります。これまでも、授業内容の改善や教員の資質向上はもとより、生活習慣を確立し、体力も向上させるべく、幅広く取り組んでまいりました。
 先般、東京都教育委員会が調査したところ、生活環境が大きく変化する小学一年生、学習の内容が難しくなり、量も格段に増加する中学一年の入学直後に、多くの児童生徒がそれに順応し切れずに不安を抱え、授業中の規律低下などにつながっていることが明らかとなりました。
 今後、教育委員会と連携して早急に改善を進め、次代を担う子どもたちに、人生を生き抜く力を身につけさせてまいります。
 去る十月、台風十八号は全国で百名を超す死傷者を出すなど、大きな被害をもたらしました。都内でも、一時間最大雨量が五六ミリという豪雨を記録しましたが、河川のはんらんは全く起きませんでした。災害リスクを把握し、環状七号線の地下など都内全域二十八カ所に、小学校のプール約七千三百杯分の水をためることのできる地下調節池を建設するとともに、河川の護岸整備など複合的に取り組んできたからであります。
 今後も、古川地下調節池や白子川地下調節池の整備などを着実に進め、豪雨対策をさらに強化して、都民の安全と安心を確保してまいります。
 二〇一三年に開催する首都として五十四年ぶりの東京国体は、国内最大規模のスポーツ大会であると同時に、多摩・島しょの豊かな自然や歴史など、東京の多様な魅力を発信する絶好の機会でもあります。
 現在、競技施設の整備などを着実に進めており、先月から、大会の愛称やマスコットキャラクターの公募も始めました。多くのトップアスリートの参加により競技水準を一層向上させ、障害者スポーツ大会とも連携させるなど、新しい国体像を構築しながら、大会を成功に導いてまいります。
 最新の調査によれば、東京の人口は千二百九十九万三千九百二十人となっており、千三百万人の大台が目前となっております。東京は、人、物、情報を引き寄せる独特の強い磁気を帯びながら、都市機能の集積が生み出す活力にあふれ、最も著名な食のガイドブックも世界一と認めた食文化などの魅力に満ちております。
 東京を初めとする大都市には、地球の人口の五割を超える人々が住むまでになっておりまして、二十一世紀は都市の世紀ともいえます。都市は、人々の夢をかなえ、便利な生活をもたらし、文明発展の原動力となっております。
 一方で、多大なエネルギーと資源を消費して地球環境に大きな負荷をかけており、社会の成熟に伴い発生した少子化などの危機にも直面しております。大都市の世紀にあって、大都市のあり方が国家の将来を決定づけ、地球の未来をも左右するといっても過言ではありません。
 東京は、長い歴史の中で震災や戦災など幾多の試練を乗り越え、大気汚染など困難な大都市問題を克服しながら、高度な集中、集積を遂げてまいりました。東京が持つ豊かな経験、最先端技術、多種多才な人材こそ、難局を乗り越えるための力にほかなりません。
 それゆえ都政は、東京の持つ力を大きく花開かせ、新しい歴史を紡いでいかなければなりません。国家の大計をも方向づける、いわば首都の大計に立って、きれいな空気と水、豊かな緑を次世代に引き継ぎ、未来を担うひとみ輝く子どもたちを育てていかなければならないのです。
 足元を見れば、厳しい経済情勢が都税収入を直撃しております。国とは異なり財政再建を果たしておりまして、今回の税収減がすぐさま深刻な事態を招くわけではありません。しかし、来年度以降、都を取り巻く状況がますます厳しくなることは間違いありません。
 ゆえにも、手綱をいま一度締め直しつつ、打つべき手は揺るぎなく打ってまいります。「十年後の東京」への実行プログラムを改定し、効果の高い施策を厳選して来年度予算を編成いたします。東京の持つ可能性と潜在力を信じ、日本と世界の未来を東京の手で切り開くべく、全力で都政運営に当たってまいります。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、予算案一件、条例案二十八件など、合わせて四十六件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(田中良君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○七十四番(松下玲子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二日から七日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二日から七日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月八日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時十七分散会


文書質問趣意書及び答弁書

二一財主議第三七六号
平成二十一年十一月二十日
         東京都知事 石原 慎太郎
 東京都議会議長 田中  良殿
   文書質問に対する答弁書の送付について
 平成二十一年第三回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。
     記
   福士敬子議員
   興津秀憲議員
   野上ゆきえ議員
   斉藤あつし議員
   たぞえ民夫議員
   大山とも子議員
   石毛しげる議員
   和田宗春議員

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  福士敬子

質問事項
一 東京都のホームレス対策について

一 東京都のホームレス対策について
 昨年のリーマンショック以来の世界的な不景気や年末年始に話題になった派遣切りなどで、ホームレスになる人が増える状況が予想される。東京都のホームレスの現状と今後の方針について質問する。
1 東京都におけるホームレスの定義
 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法で、『「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者をいう』とあるが、欧米では「占有する権利のある宿泊施設を持たない者」「賃貸借契約によって保証された住居をもたない人」などの定義が一般的であり、こうした定義に従うといわゆるネットカフェ難民もホームレスに該当すると考えられる。
 東京都はいわゆるネットカフェ難民はどう捉えているのか。ホームレスではないとするならば、いわゆるネットカフェ難民はホームレス支援策の対象にならないのか。ならないとすればその理由を明らかにせよ。
2 ホームレスの現況把握について
 ホームレス人数が減少している反面、高齢化が進み、求職率が落ちている。高齢化に伴い、働きたくても働けない人の率が増えていると考えられる。
ア ホームレス数の推移について、昼夜異なる場所で生活をするホームレスについて2重カウントをしている可能性と共に、見逃しや数え落としがあるのではないかと思われるが、どのように認識し、どの程度の誤差があると考えているのか。
 また、男女比はどうなっているか。19年度地域生活移行支援事業を実施していない区におけるホームレス数の推移はどうなっているのか。明らかにせよ。
イ ホームレスの中には病気を持った人や精神的な問題を抱えるなど、特別なケアが必要な人がいると思われるが、その対策をどのように取っているか。
 ホームレスの健康調査について行なっているのか。もし行なっていないならその理由を明らかにせよ。
3 ホームレス地域生活移行支援事業について
ア ホームレス地域生活移行支援事業は対象地域が限定されているようだが、対象地域の選定はどのように行なわれたのか。また、地域生活移行支援事業を実施していない地域のホームレスについてはどのような対策をとっているのか。
イ ホームレス地域生活移行支援事業について、どのように評価しているのか。また、改善点はどこにあると考えているのか。
ウ 移行後のホームレスについてどのようなアフターケアをしているのか。
 社会生活への復帰として都営住宅やアパート等で就労自立を行なっているホームレスには、具体的にどのようなアフターケアをしているのか。
 社会生活への復帰として半福祉・半就労や生活保護を選んだホームレスにはどのようなアフターケアをしているのか。アフターケアをしていないならその理由を明らかにせよ。
 また事業期間満了をむかえた人々の転宅状況や退去状況などの居住状況、収入状況、就労状況、生活状況についてどのように把握しているのか。また、アフターケアの必要性についてどのように考えているのか。
エ ホームレス地域生活移行支援事業で移行したホームレスについて、追跡調査を行なっているのか。行なっていないとすればその理由を明らかにせよ。
オ ホームレスの人々は様々な要因で、区内から区外へと移動せざるを得ない状況がある。ホームレス地域生活移行支援事業は三多摩地域では対象地域外となっているようだが、三多摩地域でも行なう予定はあるのか。行なわないとしたらどのような理由で行なわないのか、その理由を明らかにせよ。
4 NPO法人等による路上生活者支援について
 身体的、体力的問題で充分に働く事ができない路上生活者に対して、炊き出し等の支援は生きるうえで必要不可欠なものであると考える。また、炊き出しに来た人の相談にのることで、NPO法人等は実態を把握し必要な手当て等が把握されていると聞く。
ア NPO法人等が行なっている炊き出し支援等の実態を把握しているか。
イ 新聞報道などによれば池袋や渋谷など地域の炊き出しが中止や規模縮小になる例が見受けられる。こういう事例を東京都は把握しているか。これに対して東京都として何らかの対策を取る必要があると思うがどうか。

平成21年第三回都議会定例会
福士敬子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 東京都のホームレス対策について
1 東京都はいわゆるネットカフェ難民をどう捉えているのか。ホームレスではないとするならば、ネットカフェ難民はホームレス支援策の対象にならないのか。ならないとすればその理由を伺う。

回答
 都は、インターネットカフェや漫画喫茶等に寝泊まりしながら不安定な雇用形態で就労する方々に対し、全国に先駆け平成20年度より、生活、居住、就労の相談や資金貸付けを行う「住居喪失不安定就労者サポート事業」を実施しています。
 本事業の利用者については、生活状況を把握した上で、必要に応じホームレスを対象とした自立支援システム等の利用を紹介するなど、利用者の支援に取り組んでいます。

質問事項
一の2 ホームレスの現状把握について
ア ホームレス数の推移について、昼夜異なる場所で生活をするホームレスについて2重カウントをしている可能性と共に、見逃しや落としがあるのではないかと思われるが、どのように認識し、どの程度の誤差があると考えているのか。また、男女比はどうなっているか。19年度に地域生活移行支援事業を実施していない区におけるホームレス数の推移はどうなっているのか、それぞれ伺う。

回答
 路上生活者概数調査は、道路・公園、河川などを対象に目視によりホームレスの概数を把握し集計するもので、状況によっては重複する可能性はありますが、経年的な推移をとらえることができています。
 平成21年1月の概数調査における男女比については、東京都区部2,341人のうち女性は62人、2.6%、市町村部110人のうち女性は4人、3.6%となっています。
 平成16年8月末から借上げ住居への入居を開始した「地域生活移行支援事業」の実施対象外の区については、平成16年夏期と20年夏期の概数調査で対比すると、ホームレス数は減少しています。

質問事項
一の2のイ ホームレスの中には病気を持った人や精神的な問題を抱えるなど、特別なケアが必要な人がいると思われるが、その対策をどのように取っているか。ホームレスの健康調査について行っているのか、それぞれ伺う。もし行っていないならその理由を伺う。

回答
 自立支援システムにおいて設置している緊急一時保護センターへの入所時に、健康診断を実施するとともに、センター内に医師等を配置し、入所者の日常的な健康管理も行っています。その結果、医療的ケアが必要と判断された場合は、福祉事務所と連携し、医療機関に受診させるなど適切に対応しています。
 さらに、自立支援システムを利用しないホームレスに対しては、巡回相談において、個人ごとに状況を把握するとともに、必要な場合には福祉事務所につなげるなどの適切な対応を行っています。

質問事項
一の3 ホームレス地域生活移行支援事業について
ア ホームレス地域生活移行支援事業は対象地域が限定されているようだが、対象地域の選定はどのように行われたのか、地域生活移行支援事業を実施していない地域のホームレスについてはどのような対策をとっているのか、それぞれ伺う。

回答
 都は、特別区と共同で、23区内に緊急一時保護センター及び自立支援センターを設置し、ホームレスの心身の健康回復や就業・住宅相談などにより自立を支援しています。
 「ホームレス地域生活移行支援事業」は、平成16年度から19年度の時限事業として都区共同事業で実施しました。
 平成16年度から17年度は、都内でホームレス数が100人以上の上位5公園を重点的に対象地域としました。さらに、平成18年度から19年度は、隅田川流域及びその他地域を対象とし、「その他地域」については各区がリストアップした地域を基に都区で検討して決定しました。

質問事項
一の3のイ ホームレス地域生活移行支援事業についてどのように評価しているのか。また、改善点はどこにあると考えているのか、それぞれ伺う。

回答
 「ホームレス地域生活移行支援事業」の実施により、4年間で1,945人のホームレスが借上げ住居に入居し、概数調査によればホームレス数は半減しています。
 公園等で生活していた路上生活者を地域生活に移行させる上で、本事業は一定の成果を挙げました。
 こうした取組を踏まえ、平成20年度からモデル事業として、自立支援センター入所者が地域生活の訓練をするために利用する「自立支援住宅」を設置しています。

質問事項
一の3のウ 移行後のホームレスについてどのようなアフターケアをしているのか。
 社会生活への復帰として都営住宅やアパート等で就労自立を行なっているホームレスには、具体的にどのようなアフターケアをしているのか。
 社会生活への復帰として半福祉・半就労や生活保護を選んだホームレスにはどのようなアフターケアをしているのか。していないならその理由は何か。
 事業期間満了をむかえた人々の転宅状況や退去状況などの居住状況、収入状況、就労状況、生活状況についてどのように把握しているのか。また、アフターケアの必要性についてどのように考えているのか、それぞれ伺う。

回答
 「ホームレス地域生活移行支援事業」利用者のアフターケアについては、借上げ住居へ入居している間、NPO法人などの生活サポート団体が定期的に訪問し、生活全般の相談を行うとともに、必要に応じてハローワークや福祉事務所等につなげています。
 2か年の事業期間を終了し、地域のアパート等に居住している者に対し、最長で6か月間継続してアフターケアを行い、地域生活がより安定するよう配慮しています。
 借上げ住居の入居期間終了に当たっては、利用者の就労面など自立に向けた状況を踏まえ、個々の利用者に即して民間団体や関係機関等と検討会を開くなど、きめ細かな支援を行っています。

質問事項
一の3のエ ホームレス地域生活移行支援事業で移行したホームレスについて、追跡調査を行っているのか。行っていないとすればその理由を伺う。

回答
 「ホームレス地域生活移行支援事業」により地域生活に移行し、アフターケアが終了し、就労自立した者については、事業の所期の目的をおおむね達成したものと判断し、追跡調査は行っていません。
 なお、本事業により地域生活へ移行した利用者が、生活に困ったことがある場合、一般の都民と同様、区市町村が行う相談や各種の支援を受けることができます。

質問事項
一の3のオ ホームレスの人々は様々な要因で、区内から区外へと移動せざるを得ない状況がある。ホームレス地域生活移行支援事業は三多摩地域では対象地域外となっているようだが、三多摩地域でも行う予定はあるのか。行わないとしたらどのような理由で行わないのか伺う。

回答
 多摩地域のホームレス数は、各市の福祉事務所などの個別対応により減少し、平成16年冬期概数調査で159人、平成21年冬期概数調査で110人となっています。
 「ホームレス地域生活移行支援事業」は、ホームレス問題が顕著な区部において、都と特別区の共同事業として、平成16年度から19年度まで時限で行った事業であり、多摩地域において行う予定はありません。

質問事項
一の4 NPO法人等による路上生活者支援について
ア NPO法人等が行っている炊き出し支援等の実態を把握しているか伺う。

回答
 NPO法人等の行っている炊き出し支援については、特に把握していません。

質問事項
一の4のイ 新聞報道などによれば池袋や渋谷など地域の炊き出しが中止や規模縮小になる例が見受けられる。こういう事例を東京都は把握しているか。これに対して東京都として何らかの対策を取るべきだが、見解を伺う。

回答
 NPO法人等の行う炊き出しについては、個々の判断により主体的・自主的に行っている活動と考え、特に把握していません。
 都は、特別区と共同で、民間団体や関係機関等とも連携し、居住・就労・生活面を支援する自立支援システムの取組を積極的に推進し、一人ひとりの自立に向けたきめ細かな支援を行っています。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  興津秀憲

質問事項
一 東村山高校エンカレッジスクール化について

一 東村山高校エンカレッジスクール化について
 公教育における都立高校の役割は日ごとに重要になってきていると理解している。また、多様な学び方の提供という必要性も求められている。このたび都立東村山高校はエンカレッジスクール化を発表している。エンカレッジスクールの有用性は高いと感じている。
 しかしながら、今回の東村山高校のエンカレッジスクール化について、現在の入学されている生徒さん及び保護者の方々には情報提供が少ないままにエンカレッジスクール化が打ち出されたと受け止めている生徒・保護者の方々も多いと聞いている。
 以下についてお伺いしたい。
1 東村山高校エンカレッジスクールとして選定した経緯。
2 現在通学中の生徒さんへの情報提供と説明を丁寧に進めるべきであると考えるが、教育委員会の説明会開催など対応は如何であったか?
3 また、今後の生徒さん保護者さんへの説明の方策について、その時期、方法について。

平成21年第三回都議会定例会
興津秀憲議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 東村山高校エンカレッジスクール化について
1 東村山高校をエンカレッジスクールとして選定した経緯を伺う。

回答
 エンカレッジスクールは、「都立高校改革推進計画」に基づき、力を発揮しきれずにいる生徒に、社会生活を送る上で必要となる基礎的・基本的学力を身に付けさせることを目的として指定しており、中途退学率の減少や進路決定率の向上等の成果があがっています。
 現在、4校を指定していますが、入学選抜の応募倍率が高倍率で推移しニーズが高いこと、また、全都的な配置バランスを取る必要があることなどから、新たな指定を行うべき状況にありました。
 都教育委員会は、東村山高校を平成18年度から3年間重点支援校に指定し、生活指導の徹底、進路希望の実現、部活動の充実などの取組を支援してきましたが、依然として入学選抜の倍率低迷や中途退学者が多いなど課題の改善が見られていません。
 こうしたことから、学校改革に向けた更なる支援を行うため、東村山高校をエンカレッジスクールとして指定しました。

質問事項
一の2 現在通学中の生徒への情報提供と説明を丁寧に進めるべきだが、教育委員会の説明会開催など、どう対応したか伺う。

回答
 都教育委員会は東村山高校をエンカレッジスクールに指定するに当たり、保護者等を対象とした説明会を指定前の平成21年7月29日及び同年8月8日に開催し、指定後の同年8月25日には、PTA役員との意見交換を行いました。
 また、生徒に対しては、同年9月1日に、校長から、エンカレッジスクールの指定は平成22年度入学生からであり在校生には影響がないことや、これまで以上に教育活動を充実させていくことなどを説明しました。

質問事項
一の3 今後の生徒・保護者への説明の方策、時期、方法について伺う。

回答
 都教育委員会はこれまで、指定前の平成21年7月29日及び同年8月8日に保護者説明会を開催するとともに、指定後の同年8月25日にはPTA役員との意見交換を行ってきました。
 今後とも、PTA役員、学校関係者に対しては、適宜、情報提供や説明を行うとともに、要望等については適切に対応していきます。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  野上ゆきえ

質問事項
一 練馬地区中高一貫6年制学校(仮称)の開校について

一 練馬地区中高一貫6年制学校(仮称)の開校について
 東京都立大泉高等学校(全日制課程)は、練馬地区中高一貫6年制学校へ改編され、平成22年度開校新たに開校・開設予定となっている。現大泉高校の敷地内に設置予定の中高一貫教育校の整備について、以下伺う。
1 近隣住民の住環境の確保について
ア 開校に伴い改築することになっているが、いわゆる反転改築となり、近隣住民にとっては大きな住環境の変化となる。
 周辺の町会の役員も大泉高校の改築についての概要や今後のスケジュールについても把握していない方がいると伺っており、近隣住民の理解が十分得られているとは言い難く説明が不十分である。今後の説明会についてはどのような内容で行う予定か。
イ 反転改築となり周辺の住環境が変化することで住民は不安を感じている。不安を解消する設計上の工夫や配慮はどのように行うのか伺う。
2 敷地内の樹木の診断について
 同校敷地内の樹木で、伐採・撤去が必要と判断されたものについては、ベッコウタケ発生による倒木が理由となっている。しかし、各地でキノコを克服した事例は多くあり、保存する樹木と伐採する樹木の基準が不透明である。撤去・伐採を選別したその論拠について伺う。
3 都市の緑化保全における大泉高校の役割について
ア 都市における緑の創出や貴重な緑の保全は、ヒートアイランド現象緩和やエコロジカルな空間の確保、また憩いや安らぎの場の確保など重要な役割を果たす。永年大泉高校周辺地域は、緑やたたずまいを含めた街並み全体の品格、景観と緑が一体的となっている。貴重な樹木を保全するため、23区の中には建物の新築や増改築等により、やむを得ず樹木を移植する場合、その費用の一部を助成する施策も進められている。
 公共施設としての大泉高校整備にあたりの緑化保全に対する計画について伺う。
イ 開校予定に立地する練馬区は、練馬区は都内でも緑豊かな住宅都市と言われ、畑や屋敷林、憩いの森など武蔵野の面影を残す地域である。
 平成21年8月24日付練馬区環境まちづくり事業本部から教育長宛に提出された公文書21練土公第734号には、『都立大泉高校の建て替えに伴う既存樹木の取り扱いについて』では、教育長が撤去すると判断したサクラ3本について『桜並木の景観確保のためには枝振りの大きいこれらの樹木は貴重です。したがって、倒木時の安全対策および腐朽菌被害拡大防止対策を講じたうえで、枯死するまでその場に残存させること』を対応策も示した上で要望をしている。特に都が伐採を予定している樹木の中で練馬区が残存要望しているものに対しては、できる限り意向に沿うよう検討することが必要である。都の今後の対応について伺う。
ウ グリーンバンクとメモリアルツリーの成果グリーンバンクシステム(以下、GBS)とは、特にUR都市機構を中心とし建替集合住宅において長い時間をかけて共に成長した樹木を、緑豊かな環境や美しい風景として継承していくシステムである。また、樹木の保存・移植・リサイクルに取り組むものであり、同機構では、住棟周りで約7割、森では8割以上の高木をGBSでまかない、やむを得ず伐採となった樹木を、材としてベンチなどにリサイクル活用している。また、同機構では、居住者自ら植え育てた樹木を申請・登録したものを、建替後の団地に移植する事業を行っている。居住者の思い出と四季の彩を添えるものである。
 大泉高校の敷地内にある樹木の中には、開校時に当時の学生が卒業記念として植樹をしたものもあると聞いている。また、校門から校舎まで続いている桜並木は、大泉高校卒業生も地域住民も共に成長と年月重ね、思いを共有してきた樹木である。
 今後、グリーンバンク、メモリアルツリー、グリーンバンクシステムといった視点を取り入れ、公共施設としての公立学校の環境整備に取り組むことが必要と考えるがいかがか伺う。
エ 開校にあたっては、生徒の学習の環境を整えることが第一優先課題であり、教科あるいは指導内容の充実が今後求められる。一方で、生徒の成長を支える周辺環境、特に地域の方々の理解や支援が重要である。毎日部活動で校舎外を走る大泉高校の生徒を見守り、敷地内の樹木の落ち葉を清掃する町会の方々。常に側面から生徒を支えて見守る方々の活動や姿も大切な学校運営の一つである。
 大泉高校のOBもまた、高校のよき伝統、自らが享受し感化された素晴らしい学習環境を後輩たちに受け継ぎたいと考えている。平成21年度文教委員会に提出された、陳情二〇第一一五号にもある通り「近隣住民、保護者、卒業生等の関係者は、今後の計画について強い懸念を抱いている」と出された訴えに教育庁は真摯に対応しなくてはならない。新設校開設にあたっては、開かれた学校運営をめざし、言いっぱなしやりっぱなしにならないよう周辺住民、卒業生等、学校運営を支援してくださっている方々への丁寧な説明と、より一層の支援をお願いするべく開校準備にあたられたい。
 練馬地区中高一貫6年制学校(仮称)の開校準備をどのように進めていくのか改めて伺う。

平成21年第三回都議会定例会
野上ゆきえ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 練馬地区中高一貫6年制学校(仮称)の開校について
1 近隣住民の住環境の確保について
ア 開校に伴い改築することになっているが、いわゆる反転改築となり、近隣住民にとっては大きな住環境の変化となる。近隣住民の理解が十分得られているとは言い難く説明が不十分である。今後の説明会についてはどのような内容で行う予定か伺う。

回答
 大泉高等学校・大泉高等学校附属中学校については、平成21年1月22日に第1回住民説明会を実施し、練馬地区中高一貫6年制学校(仮称)の概要、特色及び施設整備の考え方、現校舎の反対側のグラウンド側に新校舎を建築するいわゆる反転改築の必要性、工事のスケジュール予定などを説明しました。その後、説明会で出された要望等を踏まえ、平成20年度末に基本設計を終了しました。
 また、同年6月29日に実施した第2回説明会では、第1回説明会の説明内容のほか、新校舎の建築規模、現校舎の解体規模、配置計画、建物の概要、日影図、敷地内の桜の現状と今後の取扱い等について説明し、参加者の一定の理解を得られたものと考えています。
 今後も、外構工事計画など、平成21年度末までに策定する実施設計の進ちょくにあわせ、説明会を開催する予定です。
 また、平成22年第二回都議会定例会において、工事請負契約議案として付議する予定であり、請負業者が決定した後に、具体的な工事施工方法や工期などについて、説明会を実施します。
 さらに、新校舎完成後の平成24年度には、旧校舎の解体工事やグラウンド・外構工事を予定していますが、各工事の着工前には工事施工方法などの説明会を実施していきます。

質問事項
一の1のイ 反転改築となり住環境が変化することで住民は不安を感じている。不安を解消する設計上の工夫や配慮はどのように行うのか伺う。

回答
 近隣住民の不安を軽減するための施設計画上の工夫や配慮として、反転改築することによる日影への影響については、建物をできる限り敷地境界から離すとともに、屋根の高い体育館を南側に配置することで、規制基準を十分下回り、北側への影響を解消するようにしました。また、体育館の屋根の高さを、敷地境界に近い部分は低くし、さらに敷地周囲に、3.5メートル以上の緑地帯を設置して、建物の圧迫感を軽減しました。
 また、建物構造上の工夫として、音楽室は校舎中側に配置し、音漏れを低減するために複層ガラスや防音壁を設けるとともに、校舎などから周辺住宅へのプライバシー保護の観点から、バルコニーに植栽を設けたり、窓ガラスを不透明にするなどの配慮を行っています。
 さらに、反転した新たなグラウンドには、現在の樹木を可能な限り保全していくとともに、新たに周辺の芝生化、防砂ネットやグラウンド散水設備の設置、植栽計画などを行い、砂じん対策を講じています。

質問事項
一の2 同校敷地内の樹木で伐採・撤去が必要と判断されたものは、ベッコウタケ発生による倒木が理由となっている。しかし各地でキノコを克服した事例は多くあり、保存する樹木と伐採する樹木の基準が不透明である。伐採・撤去を選別した論拠について伺う。

回答
 大泉高校敷地内の桜については、樹齢50年に及ぶ大樹が多く、老木化がすすんでいることから、樹木の状況や移植の可能性などについて、専門家である樹木医に調査を委託しました。
 伐採については、ベッコウダケの繁殖のほか、樹勢や樹形、開口空洞、根元の揺らぎ、キノコや虫、病害などの状態を総合的に判断し、撤去が必要との診断結果を根拠としています。
 伐採は、菌の感染防止や、倒木による事故防止の観点から近隣住民及び生徒の安全確保のため限定的に行いますが、移植や捕植等により、学校周辺の緑豊かな景観を将来に継承していきます。

質問事項
一の3 都市の緑化保全における大泉高校の役割について
ア 大泉高校周辺地域は永年、景観と緑が一体的となっている。貴重な樹木を保全するため、23区の中には建物の新築や増改築により樹木を移植する場合、費用の一部を助成する施策も進められているが、公共施設としての大泉高校整備にあたっての緑化保全に対する計画について伺う。

回答
 都教育委員会は、「10年後の東京」計画の実現に向け、「緑の東京10年プロジェクト」を主体的・積極的に推進しています。
 都立学校の改築に当たっては、自然保護条例の緑化基準を十分に満たすほか、校庭芝生化、屋上緑化などの事業も計画的に実施しています。
 大泉高校においては敷地内に多種にわたる樹木が存在し、緑豊かな学校として永く地域から親しまれており、校舎の改築に当たっては、校地内の樹木を可能な限り保全するとともに、植樹等により緑化比率を20%から25%に引き上げるなど、周辺景観に配慮しながら、一層の緑化に努めていきます。

質問事項
一の3のイ 都が伐採を予定している樹木のうち、桜3本については練馬区が残存要望をしており、できる限り意向に沿うよう検討することが必要である。都の今後の対応について伺う。

回答
 都教育委員会は練馬区の要望に伴い、平成21年9月に樹木医により精密診断を実施しました。3本の桜については、空洞率が高いこと、ベッコウダケによる白色腐朽が進行しており、倒木等の危険性や他樹木への感染の影響があることから、撤去が必要との診断結果でした。
 このため、菌の感染防止や倒木による事故防止の観点から安全確保のため、これらの樹木については伐採することとしました。

質問事項
一の3のウ 今後、グリーンバンク、メモリアルツリー、グリーンバンクシステムといった視点を取り入れ、公共施設としての公立学校の環境整備に取り組むことが必要と考えるが、見解を伺う。

回答
 都立学校の改築に当たっては、現存する樹木については移植等により可能な限り保全するとともに、新たに植樹するなど計画的に緑化を推進し、快適な環境整備に努めていきます。

質問事項
一の3のエ 開設にあたっては、開かれた学校運営をめざし、周辺住民、卒業生等、学校運営を支援してくださっている方々への丁寧な説明が必要である。練馬地区中高一貫6年制学校(仮称)の開校準備をどのように進めていくのか改めて伺う。

回答
 都教育委員会ではこれまでも説明会を開催し、大泉高等学校・大泉高等学校附属中学校の教育理念や教育課程の概要や特色、新校舎の建築規模、配置計画、敷地内の桜の現状と今後の取扱い等について説明してきました。今後とも、こうした説明会を工事の進捗に合わせ開催するとともに、地域、保護者などの理解と協力のもと、平成22年度開校に向けて、準備を進めていきます。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  斉藤あつし

質問事項
一 都営住宅の駐車場について
二 東京都の救急搬送受け入れについて
三 救急医療体制について

一 都営住宅の駐車場について
 都営住宅の駐車場は、一時のガソリン高値や、住民の高齢化の進行などによって以前よりも空き駐車場が増えている。活用の一環としてホームページなどで公開して借主募集をしているのは工夫の一つだろうと考える。そこで伺う。
1 現状の空き状況はどのようになっているのか?
2 駐車場の空きをなくしていく今後の取り組み方針はどのようなものなのか?
3 駐車場の金額設定については、周辺の民間駐車場の月額を参考にしていると聞いているが、どのような調査方法で参考額を調べているのか?
4 その調査結果からどのような方法で金額決定をしているのか
5 周辺よりも結果的に高めになることはないのか?
6 都営住宅居住者の駐車場は時々抽選で場所の入れ替えをしているが、どのようなタイミングで入れ替えを実施し、どのような方法で抽選をしているのか。
7 いくつか新規契約募集物件を見てみると、敷金3カ月分という物件がいくつもある。都市整備局として平均的な駐車場敷金は何カ月と考えているのか?また、敷金3カ月の根拠を教えていただきたい。
8 確かに駐車場でも舗装の剥離などもあり、修繕目的の保証金としての敷金をとることは無意味とは思わないが、「敷金」というものをとらない駐車場もある。1か月程度が実際には多いかと思う。周辺不動産事情を鑑みて、同程度の契約条件を旨としていると私は都営住宅に対して理解していたが、不自然な印象を受ける。そもそも、都営住宅駐車場における敷金の目的・意味について教えていただきたい。
9 敷金3カ月は現在の民間の駐車場事情からして高いと思うのだが、いかがか。また、変更の検討などはないのか?所見を伺う。
二 東京都の救急搬送受け入れについて
 一般の患者も救急の患者日々刻々と受け入れる都立八王子小児病院。単純な救急車受入統計の公表はありますので、以下のような数字について教えてください。
1 都立八王子小児病院の総患者数のうち、救急で初診し、1週間以内の入院つながった案件の全体に対する比率を教えてください。この数はいわゆる2次救急の比率を聞くものです。ただし、2次救急としての抽出が困難な場合は、疾患による区分けで高度治療と一般的な治療の比率を出していただいても結構です。
2 本年3月の予算審議の厚生委員会のなかで病院経営本部が質問の答弁ではなく自主的に示した清瀬小児病院周辺の医療機関に対して出した説明文書があるのだが、その内容を示していただきたい。
3 北多摩北部医療センターでは将来40床の小児科を想定しています。医師配置は8人を予定、と伺っています。40床での24時間の医師の勤務シフトがどうなるのか想定または案を教えてください。
4 看護師配置についても、どのように考えていますか?
三 救急医療体制について
 日々小児救急に取り組む救急医療機関、告示機関は多数ありますが、2次救急の小児となると大変な苦労があると思います。
1 福祉保健局の「小児科対応可能な休日・全夜間診療事業実施医療機関一覧」の中の「東京都指定2次救急医療機関一覧(ホームページ公開版)」では48施設とあるが、この施設で緊急入院に対応できる病床を何床確保しているか伺う。
2 休日・全夜間診療事業(小児)の平成20年度の決算額について伺う。
3 休日・全夜間診療事業(小児)の委託料の内訳及び算定方法について伺う。

平成21年第三回都議会定例会
斉藤あつし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都営住宅の駐車場について
1 現状の空き状況はどのようになっているか伺う。

回答
 平成21年3月末現在、都営住宅の駐車場は45,616区画あり、そのうち未契約のものは8,741区画あります。

質問事項
一の2 駐車場の空きをなくしていく今後の取組方針について伺う。

回答
 都営住宅の駐車場については、居住者を対象とした定期公募による一世帯一区画の利用が原則ですが、空きが生じている場合は、近隣にある都営住宅の居住者に対する募集や定期公募後の入居者に対する常時受付などにより、利用の拡大を行っています。
 また、恒常的に空きがあり、近隣住民等から利用希望がある駐車場については、駐車場整備費に国の補助金が入っていることから、国の目的外使用許可を受けた上で、地域住民向けの公募を実施しています。
 今後とも、これらの取組により引き続き適切に対応していきます。

質問事項
一の3 駐車場の金額設定については、周辺の民間駐車場の月額を参考にしているとのことだが、どのような方法で参考額を調査しているのか伺う。

回答
 指定管理者である東京都住宅供給公社が、近傍の複数の民間駐車場について、現地を確認するとともに、不動産業者等から賃料を聞き取ることにより、民間駐車場の賃料水準を調べています。

質問事項
一の4 その調査結果からどのような方法で金額決定しているのか伺う。

回答
 東京都住宅供給公社が、近傍の複数の民間駐車場の賃料をアスファルト舗装か砂利敷きかといった形態等により補正した平均額を、東京都営住宅条例第89条第3項に基づいて、あらかじめ知事の承認を得て、都営住宅の駐車料金として定めています。

質問事項
一の5 周辺よりも結果的に金額が高めになることはないのか伺う。

回答
 駐車料金は、近傍の複数の民間駐車場の賃料の平均額を基に定めています。

質問事項
一の6 都営住宅居住者の駐車場は時々抽選で場所の入れ替えをしているが、どのようなタイミングで入れ替えを実施し、どのような方法で抽選をしているのか伺う。

回答
 都営住宅の駐車場については、利用機会の公平性を確保するため、3年ごとに公開抽せんを行い利用者及び利用区画を東京都営住宅条例第85条及び第88条第1項に基づいて決定しています。

質問事項
一の7 新規契約募集案件には敷金3ヵ月分という物件がいくつもある。都市整備局として平均的な駐車場敷金は何ヵ月と考えるか。また、敷金3ヵ月の根拠について伺う。

回答
 東京都営住宅条例第90条により、駐車料金3月分に相当する金額を保証金として納付いただいています。

質問事項
一の8 敷金を取らない駐車場もある。都営住宅駐車場における敷金の目的・意味について伺う。

回答
 都営住宅の駐車場の保証金は、利用許可が取り消され、又は駐車場が返還された場合において、滞納分の駐車料金等に充当するためのものです。

質問事項
一の9 敷金3ヵ月は現在の民間の駐車場事情からして高いと思われるが、どうか。また、変更の検討などはないのか、所見を伺う。

回答
 東京都営住宅条例第92条第1項第2号では、駐車料金を3月以上滞納したときは、利用許可を取り消し、明渡しを請求するとしていることから、駐車料金3月分に相当する金額を保証金として納付いただいています。

質問事項
二 東京都の救急搬送受け入れについて
1 都立八王子小児病院の総患者数のうち、救急で初診し、入院につながった案件の全体に対する比率について伺う。この数はいわゆる二次救急の比率を聞くものである。

回答
 平成20年度の速報値では、八王子小児病院の救急患者数は6,379人であり、そのうち5,590人、率にして87.6%は外来対応となっており、残りの789人、率にして12.4%が入院対応となっていますが、総患者数に対する二次救急の比率の統計データはありません。
 なお、平成18年度実績を基に分析したところでは、八王子小児病院の入院患者は一日当たり69人となっており、そのうち新生児医療や心臓血管外科医療等の三次医療の患者で60.8人、88.1%を占めています。

質問事項
二の2 本年3月の予算審議の厚生委員会で病院経営本部が自主的に示した、清瀬小児病院周辺医療機関に対して出した説明文書の内容を伺う。

回答
 ご指摘の本年3月の厚生委員会における病院経営本部の発言は、地域の理解をどう得るのかということに関連して、北多摩北部地域での小児初期救急医療を確保するために設置している協議会開催の機会などをとらえて、データ類を関係者に対してできるだけオープンにしてきたことを申し述べたものであり、平成19年2月に東京都と清瀬市で「清瀬市の小児医療に関する検討会まとめ」(以下、「まとめ」という。)を策定するにあたっても同様の対応をしてきました。
 「まとめ」においては、平成17年度の清瀬小児病院の時間外救急患者数の地域別割合を示しており、清瀬市19.4%、東村山市19.8%、東久留米市15.5%、西東京市3.8%、小平市2.8%となっています。

質問事項
二の3 多摩北部医療センターは将来40床の小児科を想定し、医師配置を8名予定しているとのことである。40床での24時間の医師の勤務シフトの想定または案を伺う。

回答
 財団法人東京都保健医療公社が運営する多摩北部医療センターの小児科では、常勤医師及び非常勤医師が病棟や外来で診療業務を行っており、既に平成21年6月15日から診療体制を拡充し、当直体制を2系列確保し、入院患者に対応する病棟業務と救急患者に対応する救急外来の業務を行っていると聞いています。
 40床運営時においても、今後の患者の動向に配慮しつつ、現行の医師配置及び勤務シフトを基本としていくと聞いています。

質問事項
二の4 看護師配置について、どのように考えているか伺う。

回答
 財団法人東京都保健医療公社が運営する多摩北部医療センターの小児科病棟では、現在、常勤看護師23人を配置し、日勤帯8時15分から17時まで、夜勤帯3人配置による16時から翌9時までの二交替制勤務により病棟運営を行っていると聞いています。
 40床運営時の看護師の配置については、今後の入院患者の動向などを見つつ、検討していくと聞いています。

質問事項
三 救急医療体制について
1 福祉保健局の「小児科対応可能な休日・全夜間診療事業実施医療機関」では東京都指定二次救急医療機関が48あるが、この施設で緊急入院に対応できる病床を何床確保しているか伺う。

回答
 都では、24時間365日常時小児科医が救急診療を行う医療機関を確保する「休日・全夜間診療事業(小児)」を実施しています。
 平成21年10月1日現在、緊急入院に対応する確保病床は73床となっています。

質問事項
三の2 休日・全夜間診療事業(小児)の平成20年度の決算額について伺う。

回答
 平成20年度の休日・全夜間診療事業(小児)の決算額は、669,622千円となっています。

質問事項
三の3 休日・全夜間診療事業(小児)の委託料の内訳及び算定方法について伺う。

回答
 休日・全夜間診療事業(小児)参画医療機関に対し、小児科医の医師確保料及び確保病床数に応じた緊急入院のための病床確保料を支出しています。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  たぞえ民夫

質問事項
一 商店会の街路灯支援について

一 商店会の街路灯支援について
 都内では、約10万軒の小売店があり、93万人が働いています。小売店の82%は就業者10人未満の小規模店で、年間販売額の70%は中小商店が占めています。いま、元気で頑張っている商店がある一方、長期の消費不況や大型店の影響で閉店に追い込まれる商店がふえ、シャッター通りとなっている商店街も生まれています。
 地域経済に欠かせない商店を守り、振興することは自治体の最重要課題の一つです。地元で商売をしている商店主は、地域社会の核として、お祭りに、消防団に、防犯活動にと、地元のためにがんばっています。何代にもわたって地域の伝統、分化をはぐくんできた店も少なくありません。商店、商店街は地域に欠かせない「公共財産」であり、商店街の振興は、地域経済の振興、まちづくりのカナメのひとつです。
 都内には、各地に約2800の商店街がありますが、活気のある商店街がさらに元気になるよう、また、活気をとりもどそうとがんばっている商店街にはもう一度元気を取り戻してもらうよう支援が必要です。
 今回は、とりわけ要望の高い街路灯支援にしぼって質問します。
 最初に、省エネ化への取り組みにたいする支援についてです。
 わが党は、昨年地球温暖化対策にとりくむ商店街支援事業を提案しましたが、今年度の緊急経済対策として国の事業としても街路灯のLED化(蛍光灯や電球の比べ少ない電力で発光し長持ちする発光体)に補助金がでるようになりました。LED化は7~8割の省エネ効果があると言われています。また、電気代などコスト削減に有効です。一つひとつの店舗のLED化、省エネ化への支援も急がれます。
 ところが、国の事業は今年度限りの事業と言われており、小さい商店会などでは申請する準備をしている内に、すでにその枠はいっぱいになり受付が終了してしまいました。
1 街路灯のLED化については、国の事業が終了しても、都として積極的に支援を続けることが求められますが、どうですか。
2 都として、街路灯のLED化を希望する商店会については、その事前相談、積算など、すべての商店会に無料で対応するよう求めますが、いかがですか。
 次に、街路灯維持への支援についてです
 第一は、街路灯の電気代についてです。
 私の地元世田谷区内には、112の商店街に4576基の街路灯がありますが、これらの街路灯は、商店街の照明としてだけでなく、防犯や地域の安全など、行政がはたすべき仕事の一部を商店街が担っている「地域の明かり」です。
 商店の売り上げが減少していくなかで、商店会がこの街路灯の電気代を負担することが、とても大変になっています。
 会長さんなどから、「公道に街路灯を置いており、おおぜいの区民が通勤や通学、買い物にと歩いているのに、照明代である電気代は商店会が負担するのは筋が違うのではないか」「商店のない公道は自治体が全額負担するのに、商店がある街路灯については商店会が一部負担するのは不公平だ」と語っています。現在、都道に面した商店街には東京都から、区市町村道に面した商店街には区市町村から補助が出ているところもありますが、補助はまちまちで、都の支援を求める要望が寄せられています。
3 国道、都道、区市町村道にかかわらず、広域自治体である東京都が商店会の街路灯の電気代を補助する支援をもとめますが、どうですか。
 第二に、電球の交換についてです。
 電球を交換するなどの維持管理も商店会の大きな負担になっています。電球が消耗して切れた時に、クレーン車をもっていないため脚立に登って取り換えることは商店の人にとって気苦労の多いことです。危険もともないます。電球交換を業者に委託すれば1本・1万3千円程度の経費がかかります。
 そのため、少なくない商店会が交換をためらって、暗いままにしている商店会も少なくありません。
4 電球は一定期間の耐用年数があるので、使用期限を迎える時期に都として街路灯の一斉点検を実施するという無料点検診断事業を立ち上げてはどうですか。
5 電球の交換費用ですが、電球が切れるたびの部分的交換よりも、一定期間の基準にもとづいて一斉交換をした方が費用負担を考えると、安価だと言われています。商店会が共同して、街路灯電球の一斉交換する場合に、補助制度を立ち上げるよう求めます。どうですか。
6 世田谷区では一斉交換に、地元業者の仕事、雇用創出にもなるとして取り組みを始めています。都として実施すれば緊急の雇用対策にもつながりますが、いかがですか。
7 交換した電球のリサイクルについても、都として中小企業と連携した委託研究をしてはどうですか。
 第三に、街路灯を更新する際の、問題についてです。
 既設の街路灯をやめ、新しい街路灯に設置しなおすケースも各地で生まれています。
 その場合、設置する工事契約は商店会ですが、会長や理事長が保証人となります。実際には商店会の会長など役員が個人的にむすばざるをえないケースもあります。
 いずれの場合も、会長職の個人経営者が廃業などした場合には、街路灯にかかわるすべての契約を最初から取り決めることになりますが、容易なことではありません。また、商店会の会費収入がいちじるしく落ち込み、街路灯そのものが維持できなくなった場合、保証人となっている会長職の責任が問われることになってしまいます。これでは、更新の必要性を頭では理解できても、契約には二の足を踏んでしまいます。
 さらに大変なのは、都内の商店会の8割を占める未組織の商店会です。契約主体そのものが、商店会の会長、理事長など、個人として契約することになるからです。会長、理事長が自分の本業で融資を受けている場合など、商店会活動にかかわる融資が自らの経営を左右することになります。
8 街路灯の新規設置、更新する工事契約などについて、契約をむすぶ商店会側にどのような問題が生じているのか、都として調査をおこなうこと。また、街路灯の工事契約にあたって個人負担や責任を軽減するシステムなど、具体的な支援策をつくるよう求めます。それぞれ、見解を求めて質問を終わります。

平成21年第三回都議会定例会
たぞえ民夫議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 商店会の街路灯支援について
1 街路灯のLED化については、国の補助事業が終了しても、都として積極的に支援を続けることが求められるが、見解を伺う。

回答
 街路灯のLED化については、これまでも「新・元気を出せ!商店街事業」のうち、東京都の施策に協力して商店街が実施する事業を対象とする「特定施策推進型商店街事業」で都が直接補助しており、今後とも本事業により支援していきます。
 なお、これとは別に今年度については、国の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用して「商店街街路灯LED化特別支援事業」を実施しましたが、来年度以降については、国の動向を注視していきます。

質問事項
一の2 都として、街路灯のLED化を希望する商店会については、その事前相談、積算など、すべての商店会に無料で対応するよう求めるが、見解を伺う。

回答
 都は、これまでも商店街から事前に相談があった場合は、その内容に応じ、きめ細かく対応しています。

質問事項
一の3 街路灯維持のため、国道、都道、区市町村道にかかわらず、広域自治体である東京都が商店会の街路灯の電気代を補助する支援を求めるが、見解を伺う。

回答
 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、都としては、その街路灯の電気代は、各設置者が負担すべきものと考えます。

質問事項
一の4 街路灯電球には一定期間の耐用年数があり、使用期限を迎える時期に都として街路灯の一斉点検を実施する無料点検診断事業を立ち上げてはどうか、見解を伺う。

回答
 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者により行われるべきものと考えます。

質問事項
一の5 街路灯電球が切れるたびの部分的交換よりも、一定期間の基準に基づいて一斉交換をした方が費用負担を考えると、安価だと言われている。商店会が共同して、街路灯電球の一斉交換をする場合に、補償制度を立ち上げるよう求めるが、見解を伺う。

回答
 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者により行われるべきものと考えます。

質問事項
一の6 世田谷区では、街路灯電球の一斉交換が地元業者の仕事・雇用創出にもなるとして取り組みを始めている。都として実施すれば緊急の雇用対策にもつながるが、見解を伺う。

回答
 世田谷区の緊急雇用対策については承知しています。
 しかしながら、商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者により行われるべきものと考えます。

質問事項
一の7 交換した街路灯電球のリサイクルについても、都として中小企業と連携した委託研究をしてはどうか、見解を伺う。

回答
 蛍光灯や水銀灯のリサイクルは、都内はもちろん既に全国各地で行われています。
 なお、都内中小企業が新たなリサイクル技術の開発に取り組む場合には、新製品・新技術開発に対する助成や、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにより技術支援することは可能です。

質問事項
一の8 街路灯の新規設置、更新する工事契約などについて、契約をむすぶ商店会側にどのような問題が生じているのか、都として調査を行なうべきである。また、街路灯の工事契約にあたって個人負担や責任を軽減するシステムなど、具体的な支援策をつくるべきだが、それぞれ見解を伺う。

回答
 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置するものであり、街路灯の工事契約は商店街自らの責任で行うものと考えます。
 なお、街路灯の新規設置や更新の際には、都の職員による現地訪問や区市町村からの情報収集などによる調査を行っています。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  大山とも子

質問事項
一 都立東村山高校のエンカレッジスクールへの転換について

一 都立東村山高校のエンカレッジスクールへの転換について
 7月29日に都立東村山高校で臨時保護者会が開かれました。校長先生の始めのあいさつは、終業式の日に生徒を通じて手紙を配布し、これからの学校についてということで、臨時保護者会の開催をお知らせしたが、保護者の皆さんは内容が分からず、不安や困惑を感じたのではないでしょうか。エンカレッジとしてスタートするということを、早くお知らせしたかったが、本日まで話せなかった、という話から始まりました。
 東村山高校は2006年度から昨年度まで、重点支援校として進路指導中心に取り組み、一人一人のカルテも作りながら丁寧に指導し、学校行事や部活の活性化のために積極的に取り組み、地域との連携もしてきました。そんな中で生徒が成長していることを、保護者も地域の人たちも共に感じているのです。この取り組みをさらに、発展・充実させようと意気込んでいたことは、ホームページでの校長先生の今年度のあいさつからうかがい知ることができます。「本校は昭和43年に創立され、42周年を迎えます。これまで、地域に根ざした学校として成果を上げてきました。その成果が評価され、平成18年度より3年間『地域密着型中堅進学校』として東京都重点支援校に指定されました。東村山高校には勢いがあります。今年度はさらに飛躍しようと新しい取り組みに挑戦しています。まさに新しく生まれ変わったと言っても過言ではありません。従来の良さは残しつつ、さらに面倒見の良い学校として『魅力ある学校』にしようと努力しています。」ということです。そこに、だれもが予想すらしていなかったエンカレッジスクール指定ということが出てきたのです。
 このことを知った保護者がインターネットで「エンカレッジスクール」と検索すると、平成14年4月11日の教育委員会定例会で委員の方がエンカレッジスクールのことを「落ちこぼれの学校とはっきり言えばいい」との発言が出てくることに驚き、生徒たちの心が傷つくことを心配しています。在校生は今の東村山高校を選んで入学してきたのに、性格の違う学校になってしまうことへの戸惑いは、大きいものがあります。
 しかも、都教委の担当副参事は説明会の場で、東村山高校のとりくみについて、「素晴らしい」と思っていると評価し、エンカレッジスクールになっても、これらの取り組みは継続するというのですから、保護者にとっては、エンカレッジスクールにする必然性が全く理解できないのは、当然ではないでしょうか。
1 東村山高校をエンカレッジスクールに指定した理由は何なのですか。明確にお答えください。
2 エンカレッジスクールにするということを、夏休みに入ってから説明会を開いて知らせ、「決定だ」と言って、保護者が何と言おうが来年度から実施するという乱暴さにも、保護者は納得できません。自分たちも、調べたり話し合ったりする時間がほしい、来年4月などと拙速に実施するのではなく、せめて、1年くらい延期できないのか。という思いは当然です。ところが都教委はそうした声を無視して8月14日、東村山高校をエンカレッジスクールに指定することを一方的に報道発表してしまいました。
 なぜ、こんな当たり前の要望さえも、聞く耳をもたないのですか。
 説明会を開いたと言っても、都民の声を聞く、聞いて改めるべきことは改める、話し合いで歩み寄るなど、都教委には行政として基本的な姿勢が全くないということです。東村山高校が生徒、保護者、地域と教職員で、学校をつくってきたように、学校は、都教委が勝手にラベルを貼るのではなく、生徒と教職員と保護者、地域がつくっていくものです。
3 いくら都教委がいいことだからといっても、納得がない中での押し付けでは、学校は良くなりません。教育に押し付けや強制は最もなじまないものであり、来年、4月からの実施はやめるべきです。
4 説明会当日保護者に配布された資料は、07年4月に出された「新しいタイプの高校における成果検証検討委員会」の報告書から「成果」は、引用しているにも関わらず、「課題」については引用しないという、意図的な資料と言わざるをえません。
 なぜ、「課題」は、引用しなかったのですか。
 この方針は決定だと都教委に言われても、今でも納得できない保護者は、大勢います。文化祭などの時も保護者同士が会えば、その後どうなっているのか、という話になり、最終的には、悔しいね、さびしいね、ということになるといいます。また、どこに不安をぶつければよいのかわからない保護者もいます。
5 PTAの役員と校長、都教委と話し合いもされたと聞いていますが、その場で出された保護者からの要望にはどうこたえるのですか。具体的に答弁してください。
6 また、話し合いは継続し、生徒や保護者、教職員の心配や要望について、きちんと対応し、要望を実現することは、最低限、都教委がやらなければならないことです。答弁してください。
7 都教委は、今回の件について再三、発表前に情報が流れたことが保護者を不安にさせたと言っていますが、問題はそんなところにあるのではありません。都教委が、当事者にも何の相談もなく方針を押し付けることこそ問題なのです。今後は、どの学校であれ、学校にかかわることはきちんと、保護者、教職員、生徒に事前に相談することを求めます。

平成21年第三回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都立東村山高校のエンカレッジスクールへの転換について
1 東村山高校をエンカレッジスクールに指定した明確な理由を伺う。

回答
 エンカレッジスクールは、「都立高校改革推進計画」に基づき、力を発揮しきれずにいる生徒に、社会生活を送る上で必要となる基礎的・基本的学力を身に付けさせることを目的として指定しており、中途退学率の減少や進路決定率の向上等の成果があがっています。
 現在、4校を指定していますが、入学選抜の応募倍率が高倍率で推移しニーズが高いこと、また、全都的な配置バランスを取る必要があることなどから、新たな指定を行うべき状況にありました。
 都教育委員会は、東村山高校を平成18年度から3年間重点支援校に指定し、生活指導の徹底、進路希望の実現、部活動の充実などの取組を支援してきましたが、依然として入学選抜の倍率低迷や中途退学者が多いなど課題の改善が見られていません。こうしたことから、学校改革に向けた更なる支援を行うため、東村山高校をエンカレッジスクールとして指定しました。

質問事項
一の2 エンカレッジスクール化を来年四月などと拙速に実施するのではなく、一年くらい延期できないかという保護者の声を無視し、都教委は八月十四日、東村山高校をエンカレッジスクールに指定することを一方的に報道発表した。なぜ、このような当たり前の要望さえも、聞く耳をもたないのか、見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、東村山高校について、中途退学や入学選抜など解決すべき喫緊の課題があり、早期の学校改革が必要であることなどから、平成21年8月14日付けでエンカレッジスクールとして指定し、支援することとしました。指定に当たっては、保護者等を対象とした説明会を指定前の平成21年7月29日及び同年8月8日に開催するとともに、指定後の同年8月25日にPTA役員との意見交換を行いました。

質問事項
一の3 教育に押し付けや強制は最も馴染まないものであり、来年四月からの実施はやめるべきである。見解を伺う。

回答
 都教育委員会は東村山高校を平成18年度から3年間重点支援校に指定し、生活指導の徹底、進路希望の実現、部活動の充実などの取組を支援してきました。しかし依然として入学選抜の倍率低迷や中途退学者が多いなど課題が改善されない状況にあることから、学校改革に向けて更なる取組を支援するため、保護者の意見も踏まえた上で、平成22年度からエンカレッジスクールとすることを決定しました。
 現在、来年度に向け鋭意準備を進めています。

質問事項
一の4 説明会当日保護者に配布された資料では、〇七年四月に出された「新しいタイプの高校における成果検証検討委員会」の報告書から「成果」は、引用しているにも関わらず、「課題」については引用していない。 なぜ、「課題」は、引用しなかったのか、見解を伺う。

回答
 「新しいタイプの高校における成果検証検討委員会」の報告書における成果と課題について、都教育委員会は配布した資料と口頭により説明しています。
 なお、東村山高校においては、既設校の課題を踏まえ、実社会で耐えうる人材の育成を図るため、定期考査に代わる「エンカレッジテスト(仮称)」を導入する予定です。

質問事項
一の5 PTAの役員と校長、都教委と話し合いもしたとのことだが、その場で出された保護者からの要望には具体的にどうこたえるのか伺う。

回答
 都教育委員会は、PTA役員等から出されたこれまでの意見や要望等については、可能な限り今後の学校運営等に活かしていきます。

質問事項
一の6 話し合いを継続し、生徒や保護者、教職員の心配や要望について、きちんと対応し、要望を実現することは、最低限、都教委がやらなければならないことであるが、見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、今後ともPTA役員、学校関係者に対しては、適宜、情報提供や説明を行うとともに、要望等については適切に対応していきます。

質問事項
一の7 都教委は、今回の件について再三、発表前に情報が流れたことが保護者を不安にさせたと言っているが、問題はそこにあるのではなく、都教委が、当事者にも何の相談もなく方針を押し付けることこそ問題なのである。今後は、どの学校であれ、学校にかかわることはきちんと、保護者、教職員、生徒に事前に相談することを求める。

回答
 都教育委員会は、これまでも生徒の能力・適性、興味・関心、進路希望などの多様化に対応し、都民にとって魅力ある学校づくりを進めるため、都立高校改革を着実に推進してきました。
 今後とも、都立高校の設置管理者として、社会状況の変化や都立高校に対する都民のニーズを的確に把握し、都民に信頼される学校づくりの実現に努めていきます。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  石毛しげる

質問事項
一 震災時における犬対策について

一 震災時における犬対策について
 平成16年8月、文部科学省の地震調査研究推進本部地震調査委員会が南関東において、「平均間隔200~400年の関東地震クラスの今後30年以内における発生確率は最大で0.8%であるが、マグニチュード7程度(M6.7~7.2程度)の地震の発生確率は70%である。」との見解を発表している都民の生命、財産の安全を確保するための喫緊の課題が山積している。
 都は平成18年12月に「10年後の東京」において「災害に強い都市をつくり、首都東京の信用力を高める」ことを、防災上重要な建築物や住宅の耐震について具体的な数値目標を掲げて策定した。平成19年3月には「東京耐震改修促進計画」19年5月には「東京都地域防災博」を策定した。
 しかし、この「計画」の中には、今や家族の一員となっている動物に対しての視点が明記されていません。何時起きてもおかしくない関東の直下型の地震に備え、都は毎年秋に総合防災訓練を実施している。石原都知事は、先の訓練の講評で「自助、共助、公助」の大切さを述べている。
 「備えあれば憂いなし」の言葉のように訓練を重ねることは重要である。地震直後被災された都民はすでに明らかになっている学校や公園など安全地帯を求め、自ら避難場所へと向かうことが想定される。都民一人ひとりの安全を確保することが第一であるが、その家族となっているペットについても同様である。地震直後のペット対策、とりわけ犬対策について伺う。
 現在、都内で41万頭の犬が登録されている。しかし、ペットフード会社等ではその倍以上飼育されているという資料もある。どちらにせよ、不確定であると思うが、相当数の犬が飼育されていると想像できる。こうした犬が街中で野放しになったり、避難場所へ連れてこられたりすることが想定され、都民と動物の安全に関し、混乱が起こることが考えられる。
 そこで、
1 都は地震直後の飼い犬に対し、どのような事態を想定し、どのような対策を考えているか。
2 「都の犬に対する考え方」を飼い主の避難時における行動指針にまとめ、周知徹底すべきと考えるが所見を伺う。
3 さらに、避難場所にすでに設置されている都市公園内のドッグランを一時的な活用を検討する考えはないか伺う。
4 災害発生時には、速やかに動物の保護、飼い主とはぐれた被災動物の円滑な救援が都民の安全確保のためにも重要である。避難が長期化した場合を想定して、他県との協力関係の構築も必要となろう。平常時から獣医師会、動物愛護団体、民間ボランティア等のネットワークを構築し、非常時に協力が得られる担保が求められる。所見を伺う。

平成21年第三回都議会定例会
石毛しげる議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 震災時における犬対策について
1 都は地震直後の飼い主に対し、どのような事態を想定し、どのような対策を考えているか伺う。

回答
 発災後、飼い犬の多くは飼い主とともに避難することが見込まれますが、負傷したり、飼い主とはぐれたりした犬が生じることも想定されます。そのため、都は、「東京都地域防災計画」に基づき、発災直後から、「動物保護班」、「動物医療班」を編成し、被災住民への動物援護に関する情報の提供、被災動物の保護、搬送及び避難所等での獣医療を実施します。
 また、避難所においては、区市町村と連携し、避難所での動物飼育状況の把握や獣医師の派遣、保護施設への動物の受入れや譲渡等の調整などを行います。

質問事項
一の2 「都の犬に対する考え方」を飼い主の避難時における行動指針にまとめ、周知徹底すべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 都では、飼い主の社会的責任の徹底のために作成した小冊子の中で、避難時には動物と一緒に避難することや、ケージでの飼養など避難所における他の避難者に対する配慮、えさやトイレ用品など動物用避難物品の備蓄、個体識別のための鑑札やマイクロチップの装着など、災害時の備えについて、周知徹底を図っています。
 また、区市町村や地域の獣医師会と連携し、災害時における動物の保護体制や飼い主の注意事項について、普及啓発を行っています。

質問事項
一の3 避難場所にすでに設置されている都市公園内のドッグランの一時的な活用を検討する考えはないか、所見を伺う。

回答
 発災後に保護された被災動物は、原則として、東京都獣医師会や動物関係団体が設置する「動物救援本部」が、都内に2箇所ある動物愛護相談センターを活用し、飼育管理を行うこととなります。
 「動物救援本部」から、更なる保護施設の確保について要請があった場合には、都は、区市町村や関係機関と連携し、保護施設の確保に努めます。

質問事項
一の4 災害発生時には、速やかに動物の保護、飼い主とはぐれた被災動物の円滑な救援が都民の安全確保のためにも重要である。避難が長期化した場合を想定して、他県との協力関係の構築も必要となる。平常時から獣医師会、動物愛護団体、民間ボランティア等のネットワークを構築し、非常時に協力が得られる担保が求められるが、所見を伺う。

回答
 都では、平成19年4月に策定した「東京都動物愛護管理推進計画」に基づき、災害による避難が長期化した場合に、飼い主不明の被災動物を新たな飼い主や一時預かりボランティアに円滑に引き継いでいくため、動物愛護団体や譲渡ボランティア、更には他県市とのネットワークの構築に向けて関係団体との調整を図っています。

平成21年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  和田宗春

質問事項
一 東京都の公文書館行政の将来について

一 東京都の公文書館行政の将来について
 国では、海上自衛隊の航海日誌の廃棄問題や年金記録の改ざん問題などが明らかになっているように、公文書が「国民の共通財産」であるという意識が弱いと国民の非難が集中している。
 さらに、制度面でも公文書の保管、管理については、諸外国と比較しても、多くの不備が目立つといわれてきている。
 国、地方を問わず、行政の記録を作成、着実に保管していくことは、国民・都民に対する説明責任の基盤であり、民主主義の基本である。
 国においては、公文書管理法が今年6月に成立して、やっと第一歩を踏み出している。
 一方で、政権交代によって、戦後日本の大きな課題であった核問題の密約文書をはじめとして、行政記録の公開が注目を浴びている。
 政策、あるいは政治政策は、実現すれば終わりではなく、その形成過程を記録し、その結果まで明記し、後世に史実として残すことではじめて、後世の評価・検証に活用されることになり、加えて、将来にも生かされることになる。
 われわれ東京都においては、公文書を一元的に保管・公開していく役割を担うものとして「東京都公文書館」がある。
 いままで注目を浴びることの少ない施設ではあるが、このように、重要な機能を有しているし、有せるはずの存在である。
 国においても、ようやく前記のように法整備を行い、取組を強化したようであるが、ようやくアメリカなどの公文書行政の先進国に追いつこうとする、そのスタート地点に立ったといえる。
1 このような状況のなかで、都においては、公文書館について、どのような取組を図っているのか。
2 また、法整備を受けて、国や他の自治体も様々な取組を強化していくと考えられる。今後、それら、関係機関とも連携を強化して、共同で検討・研修して、委員会などを立ち上げて、新たな機能強化への取組を検討していくべきと考えるが、どうか。
 以上、2点について、質問する。

平成21年第三回都議会定例会
和田宗春議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 東京都の公文書館行政の将来について
1 行政の記録を着実に保管するため、国では今年6月、公文書管理法が成立したが、都においては公文書館について、どのような取組を図っているのか伺う。

回答
 東京都公文書館は、国立公文書館の設置に先立ち、昭和43年に開設され、以来、都の公文書や庁内刊行物などの収集・保存、利用を図るとともに、史料編さんに関する事業を行っています。
 都においては、行政記録の適切な保存のため、東京都文書管理規則に基づき、庁内の文書を知事部局をはじめ共通のルールで管理しています。また、文書総合管理システムを活用して、文書の発生から廃棄までを一元的に管理する仕組みを国に先駆けて構築しています。
 さらに、本年度から、各局の文書のうち重点的に収集・引継ぎを行う公文書を指定するなど、公文書の収集・引継ぎの仕組みをよりきめ細かく整備し、公文書館の基礎となる収蔵資料の充実を図る新たな取組を行っています。

質問事項
一の2 国の法整備を受けて、国や他の自治体も様々な取組を強化すると考えられる。今後、それら関係機関とも連携を強化して、共同で検討・研修して委員会などを立ち上げて、新たな機能強化への取組を検討していくべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 東京都公文書館においては、毎年行われる全国公文書館長会で、国立公文書館や各道府県・政令市の公文書館などと、公文書館を巡る諸問題についての意見交換や職員の研修を行ってきています。
 また、都立中央図書館や江戸東京博物館などとも所蔵資料展の共同開催、資料貸出しや東京都図書館等連絡会を通じた情報交換をはじめ、様々な場面で連携を図っています。
 今後とも、これまでの関係機関との連携も活かし、幅広く情報交換や意見交換などを行い、公文書館の機能強化に努めていきます。

ページ先頭に戻る