○副議長(石井義修君) 十四番河野百合恵さん。
〔十四番河野百合恵君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○十四番(河野百合恵君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
深刻な景気悪化、雇用破壊、社会保障の改悪で都民が苦しんでいます。住民の福祉と暮らしを守るべき都政の役割を今こそ発揮すべきときです。しかし、提案された補正予算案は、商店街の街路灯整備など幾つかの前進はありますが、都民の暮らし、福祉に直接かかわる予算は全体の一五%にすぎず、極めて不十分なものです。しかも、その一方、オリンピック招致を看板にして、外環道建設を初め不要不急の公共事業には大盤振る舞いするという、大型開発中心の逆立ちしたものとなっています。私は、このような逆立ちをただし、都民の福祉、暮らしを守る緊急対策を最大限に進める立場から質問します。
第一に、高齢者福祉です。
石原都政は、この十年間に空前の福祉切り捨てを進めてきました。寝たきり高齢者の福祉手当も、マル福も廃止されました。特別養護老人ホームの人件費補助も、整備に欠かせない用地費補助も廃止されました。東京都の歳出総額に占める老人福祉費の割合は、九九年度は全国二位だったのが最近は全国四十七位、最下位に転落しています。
知事は、困った人には生活保護制度があるといって福祉切り捨てを進めました。しかし、群馬県の無届け施設の火災で犠牲になった高齢者のうち六人は、生活保護を受けている都民でした。生活に困窮する東京の高齢者が入れる公的施設が少ないために、貧困ビジネスというべき劣悪な施設に頼らざるを得ないのです。まさに政治の責任ではありませんか。
知事は、三月の予算特別委員会で、日本ほど高福祉低負担の国はないと答弁しました。生活保護を受けている東京の高齢者の約八百人が、都内、都外の劣悪な施設に頼らざるを得ない現状のどこが高福祉ですか。発言を撤回すべきです。知事の答弁を求めます。
区長会は、石原知事に低所得の要介護高齢者のための施設整備促進に向けた財政支援などを求める緊急要望を提出しました。直ちに具体化する必要があると思いますが、どうですか。
東京都は、特別養護老人ホームを三年間で五千人分ふやす計画ですが、用地費補助を廃止して本当にふやせると思っているのですか。しかも、入所待機者は三万八千人を超えており、都の目標では間に合いません。用地費助成を再開するとともに、少なくとも三年間で一万人分を緊急整備することを求めるものですが、それぞれ見解を伺います。
七十五歳の年齢で高齢者を差別する後期高齢者医療制度に対し、厳しい批判が沸き起こっています。年金収入の少ない高齢者にとって、医療費はとりわけ重い負担です。イギリス、フランスなど世界の主要な国では医療費無料が大きな流れです。子どもの医療費は、都独自に無料化を実施し拡大しているのです。せめて七十五歳以上の高齢者の医療費無料化に踏み出すよう提案します。知事の答弁を求めます。
第二に、子育て環境の整備です。
まず、保育所の待機児解消です。日本共産党の調査で、ことし四月、認可保育所への入園を申し込んで入れなかった児童は一万数千人に及ぶと見られます。保育園に入れず、働きたくても働けないという事態の打開は急務です。
待機児をなくすために、一番要望が集中している認可保育所を三年間で一万五千人分はふやすことが必要だと考えますが、どうですか。そのためにも用地費補助や公立保育園整備への補助が緊急に求められていますが、それぞれ答弁を求めます。
小児医療や周産期医療の危機が深刻なときに、石原知事と自民党、公明党が三つの小児病院廃止条例を強行したことに都民の怒りが広がっています。日本共産党は、存続のために全力を尽くすものです。
都立墨東病院の医療体制の立て直しも切実な要求です。同病院の患者の四分の一は江戸川区民ですが、産科の医師はまだ三人も不足したままです。地域医療を支援すべき都立病院が、逆に地域医療機関から支援を受けないと立ち行かない事態が続いているのです。一体いつまでに墨東病院の医師不足を打開するのですか、お答えください。
都立墨東病院と清瀬小児病院が、労働基準監督署から医師の残業代などの問題について是正勧告を受けたことがわかりました。勧告の内容を明らかにするとともに、勧告に沿い直ちに是正すべきですが、どうですか。
江戸川区では、東京臨海病院が休日夜間の小児救急を休止しており、区南部の住民にとって深刻な問題になっています。都はこの事態をどう認識していますか、また、どう解決に取り組むのですか、答弁を求めます。
さて、今回の補正予算案で初めて整備費が計上された外環道です。地上部道路も合わせれば一メートル一億円もかかる巨大道路で、東京都の負担は最大八千億円にもなることが予想されます。東名以南を含めれば、東京での道路建設では過去最高額の三兆五千億円となります。
外環道促進の旗振りをしてきたのは、ゼネコンや鉄鋼、セメントメーカーです。しかも、我が党の笠井亮衆議院議員の国会質問によって、大深度トンネル工法の実現性を検討してきた先端建設技術センターが、技術開発を選定する側の国交省の天下りOBと選定されるゼネコン側によって構成されており、自作自演によるものであることが明らかになりました。知事、このことをどう考えますか。大体、こうした巨大道路はすべて大手ゼネコンに発注されるものです。外環道建設は一部のゼネコンなどを潤すだけではありませんか。
外環道の整備費は国直轄事業負担金とされています。これは本来地方自治体が負担する必要のないものであり、全国知事会はその廃止を求めています。知事は、この当たり前の立場をなぜとらないのですか。それぞれ知事自身の答弁を求めます。
経済対策というのなら、このような巨大道路の建設計画は中止し、都民の懐を暖め、中小業者の営業に役立つ支援こそ優先すべきです。まず、中小建設業の仕事確保です。都内には四万三千の建設業者があり、四十五万人が建設業に従事しています。しかし、建設不況のもとで仕事がなく、従業員をコンビニで働かせているなどの声があふれ、雇用保険にも入れず、生活費に事欠く職人さんも少なくありません。
私は、都民の住宅改善の支援や生活密着型公共事業の拡充を緊急に行うことによって、都民の生活環境を改善し、あわせて中小建設業の仕事の確保を大幅にふやすことを提案するものです。
日本共産党は、生活密着型公共事業の雇用創出効果を試算しました。都営住宅三千戸、認可保育所百五十カ所、特養ホーム百カ所の建設、歩道や路面補修の予算を今年度の二・五倍にすることなどによって、合計延べ二百四十八万人の建設労働者の仕事を確保することが可能なのです。
建設業を東京の重要な産業の柱に位置づけ、都内中小建設業支援のための緊急三カ年プロジェクト計画を立て、生活密着型公共事業を拡充すること、また、中小建設業の仕事となる木造個人住宅の耐震化工事への助成について基準を緩和し、助成額も現在の二十一万円から五十万円に引き上げることを提案します。
製造業支援では、緊急に都内すべての業者の実態調査を実施すること、すぐれた技術と事業継続の意思を持ちながらも、受注の確保が困難で経営が厳しい中小企業に対して、新製品や新技術を開発するための一件五百万円から一千万円程度の委託研究制度を創設し、経営の継続と技術の継承を図れるようにすること、区市町村や業者の提案に基づく元気を出せものづくり支援事業を立ち上げることを提案します。
消費不況の直撃を受けている商店街対策として、国に対して消費税増税の中止と食料品非課税、免税点の三千万円への引き上げを求めるべきです。また、全都一斉消費税ゼロデーの開催と支援、プレミアムつき商品券への助成などを都として実施することを提案します。それぞれ答弁を求めます。
商店街の街路灯のLED化にとどまらず、個々の店舗でのLED導入、省エネ化への助成を行うなど総合的なエコ商店街事業を立ち上げること、また、街路灯の維持費の助成を行うことを求めます。お答えください。
中小零細企業の資金繰りは深刻です。都として、超低利、三年据え置き、返済十年の融資制度をつくるとともに、無利子や長期返済などの区市町村の融資の取り組みを支援することを求めます。
新銀行東京の決算が発表されました。東京都の全面的支援にもかかわらず、融資の焦げつきの増大による破産更生債権及びこれらに準ずる債権が昨年同期よりも五十六億円も増大し、営業収支は四年連続百億円を超える赤字という極めて深刻なものです。
都は、再建計画より改善されているといいますが、不良債権の処理を先送りして延命させているだけではありませんか。設立の目的である中小企業への融資は三割にすぎず、新銀行東京を継続させる意義は全くありません。知事、問題を先送りし、損失を拡大するのではなく、直ちに破綻処理に踏み出すべきです。
再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 河野百合恵議員の代表質問にお答えいたします。
予算特別委員会における発言についてでありますが、高齢社会が生み出す問題の背景には、社会の制度疲労がもたらす構造的な課題や家族のあり方など、さまざまな素因があります。そうしたことへの対応なくして本質的な解決は得られません。社会保障制度についていえば、日本が成熟した国家に脱皮するためには、負担と給付のバランスの議論を避けて通ることはできないと思います。ことし三月の予算特別委員会での発言は、こうしたことに言及したものでありまして、発言が持つ意味合いを正確にとらえていただきたいと思います。
高齢者の医療費助成についてでありますが、国において高齢者医療制度について見直しを行っているところでありまして、都として新たな医療費助成を実施する考えはありません。
他については、関係局長から答弁いたします。
〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕
○福祉保健局長(安藤立美君) 四点についてお答えを申し上げます。
まず、要介護高齢者施設にかかわる特別区長会からの緊急要望についてでありますが、本要望は、未届け施設に対する届け出の徹底と安全性の確保や低所得の要介護高齢者対策に関するものでありました。
都は、先ほど答弁したとおり、有料老人ホームに該当する施設に対しましては、届け出の促進と入居者の安全・安心を確保するため、すべての施設を対象に防火設備に対する助成を行うとともに、福祉事務所への高齢者支援員の配置を促進するなど緊急対策を講じることといたしました。
また、介護基盤の整備につきましては、区市町村みずからが推計した介護サービス量に基づいた整備を計画的に進めるため、既に都独自の補助を行うなど区市町村を支援しているところであります。
次いで、特別養護老人ホームの整備促進についてでありますが、都は、既に高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域の補助単価を最高一・五倍に加算するなど、着実な整備に取り組んでおります。
また、お話の特別養護老人ホームの用地取得費助成事業につきましては、たび重ねて答弁しているとおり、国の規制緩和や定期借地権制度の導入、さらには融資制度の充実など、状況が大きく変化をいたしました。こうしたことから、本事業は昨年度着工分をもって終了しており、復活することは考えてございません。
次いで、認可保育所の整備についてでありますが、都は、待機児童の解消に向けて、認可保育所だけでなく、大都市東京に合った保育サービスを提供する認証保育所や認定こども園などを整備する保育サービス拡充緊急三カ年事業に取り組んでおりますが、今年度の整備目標を当初計画の一・五倍に引き上げることといたしました。
また、用地確保が困難な大都市の実情を踏まえ、マンション等の賃貸物件による保育所整備を都独自に補助してまいりましたが、安心こども基金の活用により賃借料にも補助対象を拡充し、保育所等の設置促進に取り組むこととしており、用地費補助を行う考えはございません。
なお、公立保育所の整備につきましては、既に一般財源化されており、都として補助する考えはございません。
最後に、小児救急医療についてでありますが、小児科医師の不足や小児医療を行う施設の減少など、都内における小児医療提供体制は非常に厳しい状況に置かれております。
都は、これまでも小児医療を担う医師を養成確保するため、医師の勤務環境改善に対する支援や奨学金制度の創設などの取り組みを行ってまいりました。これに加えて、先ほど答弁しましたとおり、地域における医療体制の強化のための都独自の対策として、小児の休日・全夜間診療事業に参画する医療機関の医師確保への支援や、小児科医師を医療機関に派遣する大学への支援を行ってまいります。こうした取り組みにより、安全・安心な小児医療提供体制を確保してまいります。
〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕
○病院経営本部長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、墨東病院における産科医確保についてでありますが、都は、産科医の大幅な処遇改善により年収を従前の約一・五倍に引き上げたことを初め、二十四時間院内保育、育児短時間勤務制度の導入等、重層的、総合的な医師確保対策を国に先駆けて実施してまいりました。また、この間、都内大学医学部等に対し人材派遣要請を強力に行ってきております。
この結果、都立病院の常勤産科医師数は、この四月には昨年の四月に比較して二割以上増加するとともに、墨東病院の常勤産科医も三名増となるなど、着実に産科体制の強化が実現しております。産科医不足は全国的に深刻の度を増しておりますが、都としては、引き続き墨東病院の産科医の確保に努めていくこととしております。
次に、墨東病院と清瀬小児病院の労働基準監督署からの是正勧告についてでありますが、現在、勧告内容の事実関係について精査するとともに、労基署と事実認識や見解の相違等について協議を行っているところであります。
都では、これまでも産科医業務手当の創設などの処遇改善や、医師の昼夜を問わない連続勤務を軽減するいわゆる一直二勤務制度の導入など、医師の勤務環境の改善を行ってきております。
いずれにいたしましても、労基署の指摘内容につきましては、状況調査や関係機関との協議を十分に行った上で適切に対応してまいります。
〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕
○都市整備局長(只腰憲久君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、外環の建設技術についてでありますが、外環は、大深度、長距離のトンネルでございますことから、事業者である国におきまして、構造、施工方法、防災対策などさまざまな技術検討が行われております。検討に当たりましては、国は、各分野の専門家から成る委員会を設置するとともに、調査業務につきましては、特定の施工者が利益を得ることがないような発注方式を採用してきたと聞いております。
次に、外環の経済効果についてでございますが、外環の整備によりまして、今後、おおむね十年間にわたりまして継続して建設工事に事業費が投入されることから、建設業を中心として、産業界全体に幅広く有効需要が生み出されるものと考えております。外環の費用対便益は十分高く、まさに必要な道路でございまして、都は、一日も早い完成を目指して事業を推進するよう国に求めてまいります。
最後に、木造住宅の耐震化への助成制度についてでございますが、都は、防災都市づくり推進計画に定める整備地域を対象に、地震による住宅の倒壊が道路閉塞や火災を招き、避難応急活動を妨げるとともに、大規模な市街地火災につながるおそれがあることから、公的助成を実施しております。
都といたしましては、このような重点的な取り組みが防災対策上重要であると考えておりまして、今後とも制度の周知徹底など普及啓発に努め、耐震改修の促進を図ってまいります。
〔建設局長道家孝行君登壇〕
○建設局長(道家孝行君) 外かく環状道路の整備費についてお答えをいたします。
外環は、東京から全国に放射状に伸びる高速道路を環状に連結し、東京のみならず、広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路であります。
これまで都は、国に強く働きかけ、精力的に交渉を重ねた結果、先月整備計画が策定され、今回成立した国の補正予算に外環の整備費が盛り込まれました。都においても、今回の補正予算に直轄事業負担金など必要な経費を計上するとともに、今後、国の業務の一部を受託する協定を結び、これまで道路整備で培ってきた経験を生かし、迅速に測量や用地取得を実施してまいります。
今後、国に対して安定的な事業費の確保と早期着工を強く働きかけるなど、沿線区市と連携し、早期完成に向け積極的に取り組んでまいります。
〔産業労働局長佐藤広君登壇〕
○産業労働局長(佐藤広君) 中小企業対策等のご質問にお答えいたします。
まず、東京の産業における建設業の位置づけについてであります。
建設業を東京の重要な産業の柱に位置づけるべきであるとのご主張でありますが、東京には多種多様な業種が存在し、いずれも東京の経済を支える重要な産業であります。このため都は、業種のいかんにかかわらず、意欲的に経営革新等に取り組む中小企業を支援しております。
次に、都内製造業の実態調査についてでありますが、都では従前から、産業振興施策の企画立案等に活用する目的で、都内中小製造業について、三年ごとに実態調査を実施してきたところであります。前回の調査は平成十八年度に実施をしておりまして、当初予定どおり、今年度実態調査を実施することとしております。
次に、中小企業の新製品や新技術の開発に対する支援についてでありますが、都は、中小企業が行う新製品や新技術の開発に対しまして、経費の一部を助成する各種の制度を整備いたしますとともに、都立産業技術研究センターにおいてアドバイスを行うなど、総合的に支援を実施しております。また、中小企業の受注の拡大については、今回の補正予算案の中に受注開拓緊急支援事業の創設を盛り込んだところでございます。
このように、都は既に各種の制度を通じ、中小企業の新製品、新技術の開発や受注の拡大を支援しております。
次に、ものづくり支援事業の立ち上げについてであります。都は、区市町村が提案する企業誘致等を支援いたします創造的都市型産業集積創出助成事業や、地域の中小企業が特産品などの地域資源を活用して事業化を図ることを支援いたします地域中小企業応援ファンド事業などを通じまして、既に東京のものづくり産業の活性化を図っております。
今後とも、これらの事業を着実に実施してまいります。
次に、商店街における消費税ゼロデーの開催と支援についてでありますが、商店街が、例えば消費税ゼロと銘打って行う消費税相当分の値引きにつきまして、都が支援をする考えはございません。
次に、プレミアムつき商品券への助成についてでありますが、プレミアムつき商品券を発行することは、各地域の商店街の振興に寄与するものと考えております。このため、都内商店街がプレミアムつき商品券を発行する場合の印刷経費や地元での利用を促すイベント経費を、既に新・元気を出せ商店街事業の助成対象としております。
次に、商店街の各個店が実施をいたします省エネ化への助成についてでありますが、新・元気を出せ商店街事業は、商店街の振興を目的として、その意欲的な取り組みを支援するものでございまして、こうした観点から、商店街の各個店は支援の対象としておりません。
次に、街路灯の維持費の助成についてでありますが、新・元気を出せ商店街事業は、商店街の活性化に向けたイベントなど、その意欲的な取り組みを支援するものでありまして、街路灯の電気料等の維持経費は助成の対象としておりません。
次に、ご提案のありました新たな融資制度の創設についてでありますが、都は、昨年十月から、国の緊急保証制度に対応いたしまして、制度融資の最優遇金利を適用した最長十年の融資メニューであります経営緊急を既に実施をしております。加えて本年四月には、この間の金利動向に合わせて最優遇金利をさらに引き下げますとともに、国の制度改正を受け、経営緊急の据置期間を一年から二年に延長したところでもございます。
なお、据置期間をさらに長くすることは、据置期間後の返済負担が重くなるなど、中小企業の資金繰りの実態を踏まえないこととなりまして、お話のありました新たな融資制度をつくることは考えておりません。
次に、都内の区市町村の融資制度に対する都の支援についてであります。
都内の区市町村の中には、制度内容がそれぞれに異なる独自の融資制度を実施しているところがございます。これらの融資制度は、各自治体がそれぞれの地域の産業の実情や制度実施に係る財政負担等を含めた総合的な政策判断に基づきまして、主体的に実施しているものであります。
一方、都は、都内全域の中小企業を対象とした制度融資の実施を通じて資金繰りを支援する役割を果たしますとともに、その内容も他の道府県と比べまして手厚い措置をとっておりまして、区市町村独自の融資制度について、お話のような支援を行うことは考えておりません。
最後に、新銀行東京の再建についてであります。
新銀行東京は、現経営陣のもとで着実に経営再建を進め、平成二十年度決算において再建計画を上回る業績を上げたところであります。中小零細企業向け融資の実績は約七百件、二百十億円であり、全体に占める割合は、件数で約九割、金額で約四割となっております。また、現在も約一万社に及ぶ中小零細企業を支援しておりまして、そのうち赤字、債務超過先は約五千社、その従業員と家族は約十五万人にも及んでおります。
昨年来何度も申し上げておりますが、仮に破綻処理を行えば、こうした企業や預金者を初め、多くの都民に多大な負担を強いる結果を招くこととなります。新銀行東京は、今期も再建計画を上回って達成できると見込んでおり、今後とも着実に再建に向け取り組んでまいります。
なお、新銀行東京の不良債権処理についてでございますが、平成二十年度決算におきまして、金融再生法開示債権に対して八八・五%と十分な水準を引き当てております。不良債権処理の先送りといったご指摘は当たりません。
〔財務局長村山寛司君登壇〕
○財務局長(村山寛司君) 中小企業の仕事確保についてでございますが、東京都は、従来から、生活や福祉に関する施設整備を含め、事業の必要性や緊急性に基づき積極的に都市インフラの整備を進めてきておりまして、昨年の二度にわたる補正予算や二十一年度当初予算におきましても、例えば小中高等学校や福祉施設等の耐震化などが含まれており、また今回の補正予算においても、老人ホームの防火対策などを計上しているなど、同様のスタンスでございます。
このように、都が推進する都市インフラ整備事業は、中小企業の参画が得られやすいものが多数含まれておりまして、中小企業の受注拡大に大いに寄与しております。
〔主税局長熊野順祥君登壇〕
○主税局長(熊野順祥君) 消費税についてでありますが、第一回定例会でもご答弁申し上げたとおり、食料品など生活必需品に対する軽減税率につきましては、適用範囲の合理的な設定が困難であることや課税方式の見直しが必要であることなど、課題が多く指摘されております。
また、事業者免税点制度につきましては、平成十五年度税制改正におきまして、消費税の信頼性や制度の透明性を向上させる観点から、三千万円を一千万円に引き下げたものでございます。
税率の問題も含め、こうした点につきましては、今後消費税を含む抜本的な税制改正が検討される中で十分議論されるべきであると考えております。
〔十四番河野百合恵君登壇〕
○十四番(河野百合恵君) 二点、石原知事に再質問します。
日本ほど高福祉低負担の国はないという発言について、知事は、負担と給付のバランスの議論を避けて通れないという話にすりかえました。日本は高福祉だという根拠をはっきり答えてください。知事が立って答えられないなら、根拠がないことをいっているのは、知事、あなた自身ということになりますよ。発言を撤回すべきですが、どうですか。
第二に、外環道と新銀行東京について、知事はみずから答えることもできませんでした。恥ずかしくありませんか。外環道は浪費そのものです。国直轄負担金は全国の知事が制度の廃止や支払いの拒否まで発言しています。使途には国交省の職員の退職金まで含まれています。きっぱり拒否すべきです。
知事、逃げないで、以上二点、ご自身で答えてください。(拍手)
〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕
○福祉保健局長(安藤立美君) 再質問をいただきましたが、ご質問については、先ほどの知事の答弁でしっかり答えておりますので、再質問については、私の方から答えさせていただきます。
高福祉低負担の件でありますけれども、東京都は、高齢者が住みなれた地域で生き生きと暮らせる安全・安心な社会を実現するためにさまざまな施策に取り組んでおりまして、そうした施策は今年度予算におきまして、一般歳出ベースで過去最高を計上しているということにも端的にあらわれているというふうに思います。
また、議員からのご質問で、未届け有料老人ホームの事故の件で、これをもって高福祉といえるのかということでありましたが、本件について申し上げれば、先ほどもお答えしましたとおり、届け出の促進と入居者の安全・安心を確保するための緊急対策を講じるなどの対応を迅速に行っているわけでありまして、こうした行政としての取り組みを確実に行うということは当然のことといたしまして、その上で知事からは、将来にわたって安心できる社会を実現するためには、根本的な課題として、我が国の社会保障制度における負担と給付のバランスの議論は避けて通ることができないと申し上げたものであり、この点は予算特別委員会の発言と一貫しているものであります。
〔建設局長道家孝行君登壇〕
○建設局長(道家孝行君) 外かく環状道路についての再度のご質問にお答えいたします。
外環は、東京のみならず広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路であるということは、論をまたないと思います。このたび、国の補正予算に外環の整備費が盛り込まれたことから、先ほども申し上げたとおり、都の今回の補正予算案においても、外環の直轄事業負担金を含む必要な経費を計上いたしました。
今後とも、早期完成を目指して、国と連携しながら、総力を挙げて取り組んでまいります。
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