午後一時開議
○議長(比留間敏夫君) これより本日の会議を開きます。
○議長(比留間敏夫君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。
○議長(比留間敏夫君) これより質問に入ります。
百十一番鈴木一光君。
〔百十一番鈴木一光君登壇〕
○百十一番(鈴木一光君) 平成二十一年第二回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表して質問をいたします。
我が国は、いまだ百年に一度といわれる世界的な金融危機の中にあります。しかし、この危機的状況に逡巡することなく、我が都議会自由民主党は石原知事とともに、足並みをそろえ、中小企業への資金繰り対策や受注機会の増加策、雇用創出策、福祉や耐震対策などの緊急対策を速やかに実行に移してまいりました。今後とも我が党は、これまで以上に都民の生活を守り、首都東京の活力向上のため、英知を結集して、具体的かつ効果的な施策を打ち出し、東京都政に責任を持って臨む決意であります。
思えば、この十年間、知事と我が党は手を携え、徳俵に足のかかっていた財政を立て直すと同時に、首都東京から、都民、国民に向けた新しいメッセージを力強く発信し、国の規制を初めとするさまざまな桎梏を打破し、我が国を牽引する先駆的な施策を次々と打ち出してまいりました。事業者の理解と協力のもとでのディーゼル車規制や不正軽油撲滅作戦などの環境施策、CBO、ベンチャー育成など中小企業対策、新公会計制度の導入、羽田空港の再拡張と国際化など、その成果は枚挙にいとまがありません。
また、地球規模で課題となっている環境対策に対しても、我が党と知事が連携のもと、都民、事業者とともに取り組む体制を構築し、大規模事業所の排出総量削減義務化や排出量取引制度の導入など、国に先駆けたCO2削減に取り組んでまいりました。このほか、周産期医療対策や新型インフルエンザ対策など、都政を取り巻くさまざまな緊急課題に臨機応変な対応を図ってまいりました。
そこで今、多くの都民が都政へ期待を寄せ、政治の責任をこれまで以上に求めている中、政治家石原慎太郎として、この難局の打開にどう責任を果たしていくのか、改めて都政を取り巻く現状についての厳しい認識と、今後の都政運営に対する強い決意を伺います。
次に、補正予算についてですが、昨年来の経済危機に対して、我が党は、都民の不安解消と中小企業の経営支援に向けた緊急対策を要望してきました。その強い要望を受け、都は、二度にわたる補正予算と平成二十一年度当初予算を通じ、なすべき策を確実に講じたところであります。
しかしながら、経済情勢の悪化は予想をはるかに上回り、中小企業の経営は依然として危機的な状況に陥っています。こうした中で、都は、極めて異例なこの時期に補正予算を編成するという英断を下しました。
次の三つの視点を踏まえた補正予算編成であるべきだと強く申し上げたいと存じます。
まず、国の経済危機対策への対応です。このようなときこそ、東京は、いち早く国の対策に連動した都独自の対策に取り組み、一日も早く中小企業の体力を回復させ、東京に活力を取り戻し、我が国全体の経済を牽引していかなければなりません。
次に、当初予算編成後に生じた状況変化への対応です。豚由来の新型インフルエンザの蔓延など、都民の安全と安心を脅かす事態が続いています。経済情勢の悪化と相まって、東京が先行きの見えない不安感と閉塞感に包み込まれており、これらを払拭する対策に早急に取り組む必要があります。
三点目は、これらの施策の実施の裏づけとなる財源の見通しであります。実施に必要な財源として、国の対策における地方負担軽減策として創設された、いわゆるハード、ソフト二つの臨時交付金が、我が党の懸命の努力の結果、都にも配分されることとなっています。
今回提出された補正予算案は、全国に先駆けて取り組んだ対応の迅速さに加え、厳しい中小企業に温かい手を差し伸べる施策や、都民の不安を解消する施策が盛り込まれるなど、内容も都民が直面する課題に的確にこたえるものとなっており、高く評価いたします。ばらまきでない確実に芽の出る種をまいたものであると考えております。
そこで、この時期に補正予算を編成した知事の考え方を伺います。
都財政を取り巻く環境が厳しさを増す中で、今回の補正予算案は、財源として臨時交付金を効果的に活用することにより、いざというときのためにこれまで蓄えた力を維持しながら、必要な施策を十分に盛り込んでいます。
そこで、補正予算における財源活用の考え方についてお伺いをしたいと存じます。
次に、オリンピック・パラリンピック招致について伺います。
四月十四日から二十日までの間、IOC評価委員会が来日し、さきに提出した立候補ファイルの内容や競技会場予定地を詳細に調査しました。この調査結果は、九月の二日までに取りまとめられ、全IOC委員の手に渡ることになります。ここで高い評価を得ることが招致実現のための必要条件であります。評価委員会の対応には、知事みずからが先頭に立ち、最先端の技術を活用したプレゼンテーションや、心遣いの行き届いたおもてなしなど、まさに日本だからこそできる創意工夫を凝らし、ムータワキル委員長も、感銘を受けたとのコメントを残し帰国したと伺っています。確かに評価委員会への対応には手ごたえがあったとしても、勝負はまさにこれからであります。
そこで、今後の招致活動の展開について、知事の所見を伺います。
今月十七、十八日にはテクニカルミーティングが開催され、十月二日に開かれる開催都市決定のためのIOC総会まであと四カ月と、招致活動もいよいよホームストレッチに入りました。今後の活動は、投票権を持つIOC委員に対して、これまでの招致活動を生かした働きかけが重要です。
また、招致をかち取るためには、さらに国内世論を盛り上げ、都民、そして国民の熱い思いを、IOCの総会開催の地、コペンハーゲンに届けることが必要です。全国紙の調査では、招致への支持率は着実に上がってきていますが、さらに招致機運を盛り上げていくことが肝要です。
そこで、今後残された四カ月、どのような招致活動を、身命を賭して行っていくつもりなのか、伺います。
次に、ことし九月に開催される東京二〇〇九アジアユースパラゲームズについて伺います。
現在、四十のうち約三十の国、地域から参加の意向が示されており、本大会に対するアジア各国の関心の高さがうかがわれます。本大会は、若いアスリートに国際大会という貴重な経験を提供するとともに、将来、パラリンピックに出場できるようなトップアスリート育成の場であります。また、東京のよさをアピールし、国や文化の異なる若者同士の相互理解を深める絶好の機会ともなります。
そこで、本大会を国際大会としてどのように魅力あるものとするのか、決意のほどを伺います。
次に、新型インフルエンザ対策について伺います。
WHOが発生を宣言して約一カ月、新型インフルエンザは瞬く間に世界各国に広がり、六月一日現在、既に六十二カ国、約一万七千人の患者が発生しております。国内でも、五月十六日に神戸で国内感染が確認されて以来、感染者は三百七十一人に上り、二十日には東京都でも感染者が確認されました。
我が党はかねてより、パンデミックを見据えた医療資器材の備蓄や医療体制の整備等を都に求めてきました。それを受け、都はこれまで、五十万着の防護服、四百万人分のタミフル、リレンザの備蓄を完了し、また、都独自の保健医療体制ガイドライン等の策定についても取り組んできました。都が、発熱相談センターや発熱外来の設置や防護服や抗インフルエンザウイルス薬の医療機関に配備など、迅速かつ的確な対応ができているのは、こうした独自の取り組みがあったからであります。
今後、強毒型のウイルスの発生も見据え、さらなる保健医療体制の充実にどのように取り組んでいくのか、伺います。
また、このたび、我が党の新型インフルエンザ対策に対する緊急要望の趣旨を踏まえ、直ちに補正予算を組み、都の感染症指定医療機関である公社荏原病院、豊島病院に感染症緊急対応病床を整備することは、大変意義深いものであります。
そこで、今回の補正予算も含め、感染症対策という行政的医療を担っている都立病院、公社病院において、今後どのように新型インフルエンザ対策に取り組んでいくのか、具体的に伺います。
専門家によると、秋からの第二波、第三波こそ警戒が必要とされており、その対策こそが都民の生命を守る上で大変重要です。都は、SARS発生時の経験を踏まえ、平成十七年度にアジア感染症対策プロジェクトを設置し、各都市の専門家の人的ネットワークを構築しています。
こうした国際的な連携を含め、今後の新型インフルエンザ対策に取り組む知事の決意を伺います。
次に、小児医療についてですが、来年三月に開設される小児総合医療センター及び多摩総合医療センターが整備されると、NICU二十四床、M-FICU九床を有する都内最大の総合周産期母子医療センターとなります。小児総合医療センターは、小児三次救急医療などを提供する小児医療の拠点として医療水準の向上に大きく寄与するものであります。こうした広域的、専門的な機能を有するとともに、小児科医師の少ない多摩地域や特別区の東部などの医療提供体制を緊急に強化することも重要です。
国は経済危機対策において、地域医療の再生を支援するとしており、こうした国の動きも踏まえながら、都としても積極的な取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。
小児総合医療センターの開設に向け医療スタッフの確保が必要となりますが、医師については、さまざまな処遇改善を図ってはいるものの、産科を初め採用環境は依然として厳しい状況です。看護師についても、全国的な不足状況は依然として改善されず、確保が困難な状況が続いていると聞いています。とりわけ医師については、産科医等の過酷な勤務が労働基準法上の問題として指摘されるケースもあり、全国的に課題となっていると考えます。
そこで、こうした状況の中で、都立病院全体での医師、看護師の確保定着及び医師の勤務環境の改善について、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、保育サービスの拡充について伺います。
都は、保育所の待機児童の解消に向け、保育サービス拡充緊急三カ年事業に取り組んでいますが、昨年来報道されているように、経済情勢の悪化による影響で保育ニーズの急増が見込まれています。
都は、この緊急事態にどのように対応していくのか、知事の所見を伺います。
保育所等の施設整備は、今年度から、都道府県が設置する安心こども基金を財源に補助する仕組みに変わりました。我が党としても、安心こども基金の創設に当たり、認証保育所の整備にも基金が活用できるよう、国に対する都の申し入れを後押ししてきました。その結果、安心こども基金には、賃貸物件による保育所整備や認証保育所開設準備経費への補助などが盛り込まれることとなりました。
そこで、この基金を最大限に有効活用し、保育サービスの緊急整備を図るべきと考えますが、所見を伺います。
なお、安心こども基金の拡充策には、病児、病後児保育の促進策が盛り込まれました。これらを活用し、都としても、病児、病後児保育の一層の充実に取り組んでいただきたいと存じます。
次に、有料老人ホームについてですが、群馬県の未届け有料老人ホーム、静養ホームたまゆらの火災事故から約二カ月半が経過しました。
この間、都は、区市の福祉事務所に対する指導の徹底や生活保護受給者の有料老人ホーム等の利用状況を調査するとともに、東京消防庁等と連携し、都内の未届け有料老人ホームの実態調査などを行ってきました。これらの調査結果を踏まえ、今回、都は緊急対策として、福祉事務所の機能体制強化など速やかな対応を行い、また、未届け有料老人ホーム等への行政指導などについて、法の整備を国に緊急提案しました。
そこで、今回の緊急対策の基本的考え方と今後の都の取り組みについて伺います。
さて、国は、経済危機対策の一環として、介護拠点を着実に整備する方針を示しました。この動きに呼応して、我が党が国に対し、事業者の負担軽減を強く要望した結果、国の補正予算案に、土地賃借料に係る経費の一部を補助するなどの具体的な支援策も盛り込まれました。
今後、都においては、国の経済危機対策をてこに介護拠点の整備を加速させるよう強く訴えておきます。
次に、介護サービス情報の公表制度について伺います。
本制度は、介護サービスの利用者が事業者を適切に選ぶための情報を提供する仕組みとして導入されたものでありますが、事業者にとっては、事務的にも経済的にも負担となっている面があります。
我が党はかねてから、この制度について事業者の負担を軽減するよう求めてきましたが、今回提案されている条例の改正案では、事業者の負担がどのように軽減されるのか伺います。
次に、緊急中小企業対策及び雇用対策について伺います。
金融危機に端を発した世界同時不況が、我が国の産業競争力を支える中小企業や就業者を直撃しています。中小企業は、業績悪化、資金繰りの悪化という厳しい経営を余儀なくされています。また、雇用調整の波は非正規雇用者から正規雇用者へと広がっており、都民の不安は一層深刻になっています。
今、我が国は、企業の業績悪化が雇用状況の悪化を招き、それが消費の冷え込みにつながり、さらに企業の業績を悪化させるといった負の循環に陥っています。こうした負の循環を早期に断ち切るために、都は、中小企業や雇用の状況に対応した絶え間ない対策を打ち出しています。
そこでまず、今回の緊急中小企業対策、雇用対策の基本的な考え方について、知事に伺います。
昨年十月から始まった国の中小企業に対する緊急保証制度について、これまで我が党は、指定業種の拡大や区市町村窓口への中小企業診断士の派遣など、その利用促進のために総力を挙げて取り組んでまいりました。その結果、都における緊急保証制度の取り扱いも、三月末で一兆八千億円を超えるなど、多くの中小企業に利用され、今年度に入ってからも緊急保証制度を利用したいという企業からの要望が根強く続いています。
国においては、補正予算により緊急保証制度の保証枠が二十兆円から三十兆円へ拡大されます。都においても、現下の厳しい経済状況を踏まえ、都内中小企業の資金繰りに不安を与えることがないよう取り組んでいくことが大切であると考えますが、今後の都の対応について伺います。
親企業の不振に伴い受注が大きく減少するなど、取引先企業の低迷に連動して業績の悪化を招いている中小企業から、支援を求める多くの声が寄せられています。受注機会の拡大に向け、大企業を初めとする発注側企業への直接的な働きかけはもとより、都内の商工関係団体などとも連携し、ぜひ実効ある支援を実施するべきであります。
また、緊急中小企業対策として、商店街ににぎわいを創出し、地域における消費を喚起することを目的に、商店街街路灯のLED化を支援するとのことですが、これは地域の消費を増進するだけでなく、工事請負事業者の受注拡大やCO2削減といった環境対策にも寄与するものであり、大いに期待しています。
可能な限り数多くの商店街において整備が促進されるよう、積極的に支援すべきと考えますが、それぞれ所見を伺います。
世界的な不況の影響を受け、我が国の雇用情勢は悪化の一途をたどり、都内の有効求人倍率も一を大きく割り込む状況となっています。求職者が増加する一方で、求人数は急激に減少し、雇用の場が失われています。
都は既に、国に先んじて打ち出した区市町村への補助金を用いて、さまざまな雇用創出に取り組んでいます。しかしながら、日々悪化する厳しい雇用情勢に対応するためには、第一回定例会で創設した二つの基金を速やか、かつ最大限に活用し、さらなる雇用創出に取り組むべきと考えます。
そこで、雇用創出に向けた現在の取り組み状況と今後の対応について伺います。
次に、都市づくりビジョンの改定について伺います。
既に明らかにされた骨子では、東京の都市再生を引き続き推進していくとともに、人口減少、超高齢社会の到来など、時代の変化を踏まえ、成熟した都市にふさわしい東京の実現を目指す基本的方向が示されています。
国際競争力や都市防災の強化などは、当然これからも重要な課題であります。これに加え、社会の変化や都民のニーズに的確に対応し、地球環境や身近な地域の潤い、まち並みの美しさなども十分考慮した都市づくりを進めていく必要があります。
今回の改定における新機軸はどこなのか、また、どのような施策に重点を置いて取り組んでいくのか、所見を伺います。
次に、多摩地域の都市づくりについて伺います。
東京の均衡ある発展のためには、都心部のみならず、多摩地域の発展が不可欠であります。多摩地域が、活力にあふれ、自立して発展していくためには、八王子、立川、多摩ニュータウン、青梅、町田の五つの核都市の整備や、地域の中心となっている生活拠点のまちづくりも重要です。
一方、市街地の外延的拡大の抑制や、既存ストックの活用による市街地の再生が求められる中で、今後、都は、核都市や生活拠点の整備など、多摩地域の都市づくりにどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
次に、多摩地域の産業振興について伺います。
都においては、中小企業の技術の高度化を支援する多摩産業支援拠点を、平成二十一年度に開設する準備を進めています。
中小企業が将来にわたって成長していくためには、独自の技術やすぐれた製品開発力を持つことが必要であることから、我が党はこれまでもその着実な整備を求めてきました。 しかしながら、昨今、現場の企業経営者からは、技術の高度化に加え、人材の育成も企業の発展に欠かせない要素であるという声を聞いています。また、農商工連携など産業間の連携による新事業の創出も、都内産業の一層の活性化に重要な課題となっています。
こうした中、都は、平成二十三年度には多摩産業支援拠点の隣接地に多摩職業能力開発センターを整備することとしています。また、隣地には、農林産業関連の研究機能を担う農林総合研究センターが既に設置されています。
これらの機関を連携させることにより、技術の高度化だけではなく、人材育成や新産業の創出など重層的な支援を展開していくべきと考えますが、所見を伺います。
次に、小笠原の情報通信基盤整備について伺います。
小笠原は、本土からの通信や放送の手段が衛星を用いた回線に限られていることから、都内では市町村単位で唯一、ブロードバンド環境が未整備であり、地上デジタル放送への対応が困難な地域として取り残され、情報格差の是正が喫緊の課題となっています。
国では、このたびの経済危機対策の補正予算において、ブロードバンドや地デジへの対応がおくれている地域を対象に改善支援の経費を措置しました。
都においても、今定例会に提出した補正予算案において、国の支援策を活用しながら、海底光ファイバーを小笠原まで敷設する経費を計上しています。海底光ファイバーの敷設は、地デジへの対応はもとより、ブロードバンド環境の実現により情報格差を抜本的に解消し、住民生活の向上や産業振興などに極めて大きな効果が見込まれるものであります。
小笠原への海底光ファイバー敷設の実現へ向けて、都としてどのように取り組むのか伺います。
次に、外かく環状道路について伺います。
政府・与党は、経済危機対策において、外環について、整備計画に位置づけることと、二十一年度補正予算で事業予算を確保することへの道筋をつけました。これを受け、去る四月二十七日に高速自動車国道の計画を審議する国土開発幹線自動車道建設会議が開催され、整備計画路線への格上げが決定されました。
思えば、平成十三年春に石原知事が、当時の扇国土交通大臣と現地を視察し、四十年来の凍結が解除されてから八年余を経て、ようやく事業段階へ踏み出すことになりました。この間、知事は、外環整備を最重要施策の一つとして掲げ、その実現に向けて指導力を発揮してこられました。
都議会においても、我が党を中心に超党派で構成する東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟を平成十三年に設立し、整備促進に向け、さまざまな活動を行ってきました。
外環は、首都東京の渋滞解消に寄与するだけでなく、広く我が国全体に便益が及ぶ重要な道路であり、一日も早い完成が待ち望まれます。
そこで、知事に改めて外環の早期整備に向けた所見を伺います。
外環の整備を進めていく上では、十分な事業費を確保していくことが重要です。今回の整備計画では、外環道十六キロメートルの事業費は一兆二千八百二十億円、事業主体は国または高速道路株式会社とされています。
そこで、今後、この事業を進めるための事業の枠組みや都負担について、どのようになるのかを伺います。
外環の早期完成に向け、これからがまさに正念場であります。都においても、外環整備推進のための組織を立ち上げ、準備を進めていると聞いています。
そこで、早期整備のため、都としての今後の具体的な取り組みについて伺います。
地上部街路である外環ノ2について、さきの定例会で、早期整備が必要な外環本線とは切り離して進めるべきものとの都の考えが示されました。地上部街路について、地元住民との話し合いを望む声がある一方で、早期の事業化を求めている住民も少なくないことから、地元区市と連携を図り、取り組む必要があります。
改めて、地上部街路について、今後どのように取り組むのか伺います。
次に、羽田空港について伺います。
世界をリードする質の高い経済社会を実現するためには、ハブ機能を担うべき首都圏空港の機能強化が不可欠であります。このため、二十四時間体制による国際定期便発着で羽田のハブ空港化の実現を目指すことを我が党は提案してきました。
そうした中、本年四月、政府・与党が取りまとめた経済危機対策の中に羽田空港のC滑走路の延伸が位置づけられ、国の補正予算に工事費が盛り込まれています。
一方、羽田空港では新滑走路の建設工事が進んでおり、来年十月の供用開始時点には、昼夜合わせて年間約六万回の国際定期便が就航することになります。
C滑走路の延伸は、国際化の動きに沿うものであり、我が国の活力の向上につながるものと考えますが、都として、その効果をどのように考えているのか伺います。
羽田空港の機能強化とともに、我が国の産業を支える東京港の機能の強化も重要です。我が党はかねてより、未曾有の経済危機に直面する今日の経済状況下であっても、必要な施設整備を行い、着実に東京港の機能強化を図るべきと提案をしてまいりました。
都もこれにこたえ、船舶の大型化などに緊急に対応すべく、大水深岸壁の再編や道路交通網の整備などを盛り込んだ港湾計画の見直しに取り組み、五月に開催の東京都港湾審議会で答申を得たことは、大いに評価いたします。
一方で、至近の距離にある京浜三港が連携を強化し、これまで積み重ねた港湾経営の実績とスケールを生かすことによって国際競争力を強化することも重要であります。
石原知事の強いリーダーシップによりスタートしたポートオーソリティーの設立を視野に入れた広域連携が推進されるよう、我々都議会も、横浜市会、川崎市議会とともに京浜港広域連携推進議員連盟を設立し、取り組んできました。京浜三港による基本的合意から一年が経過し、入港料の一元化など具体的な取り組みが進められ、広域連携が形となって見えてきました。
そこで、ポートオーソリティーの設立に向け、京浜三港の一港化を一段と強力に進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、JR中央線の複々線化について伺います。
多摩地域は、東京の人口の約三分の一に当たる四百万人を超える人口を擁しており、首都機能に隣接することによる利便性と、人、物及び情報の結節点として、一層の発展と個性の発揮を図っていくことが期待されています。
こうした多摩地域が持つ特性、優位性、ポテンシャルを発揮し、首都圏の中核をなす多摩の実現を目指していくためには、鉄道を初めとする都市基盤の充実を図っていくことが不可欠であると考えます。
その中でもJR中央線は、多摩地域と都心を結ぶ鉄道ネットワークの大動脈です。現在、平成二十二年度末の全線高架化に向け連続立体交差事業が進められていますが、これに引き続き、平成六年の都市計画決定以後、進展が見られない三鷹駅から立川駅間の複々線化を進めていくことは、多摩地域と都心との連携や沿線都市の拠点性の強化のために非常に重要であると考えます。
そこで、JR中央線の三鷹駅から立川駅間の複々線化について、知事の所見を伺います。
また、沿線の二十四市町村は、三鷹・立川間立体化複々線促進協議会を発足させ、長年にわたり熱心に取り組んでいます。協議会が設置した専門委員会では、東京都や鉄道事業者などが参画し、JR中央線複々線化の検討が進められてきたと聞いています。
そこで、この専門委員会における検討の状況と、検討結果を踏まえた今後の進め方について、所見を伺います。
次に、橋梁の管理について伺います。
都道にかかる橋梁は約千二百カ所あると聞いていますが、橋梁のかけかえには膨大な費用がかかるばかりでなく、工事期間中の交通渋滞などの問題もあり、総事業費の縮減と、かけかえ時期の平準化を図る必要があります。
都はこのたび、今後三十年間の橋梁の管理に関する中長期計画を策定し、将来の損傷や劣化を科学的に予測する手法や、耐久性を向上させる対策などを明らかにしています。
そこで、この計画の具体的効果と今後の進め方について伺います。
次に、地球温暖化対策について伺います。
本年は、ポスト京都議定書の国際的な枠組みを決定する重要な年です。現在、ドイツのボンで国連の作業部会が開催され、十二月のCOP15に向け議論が進められています。
都は、世界の都市レベルで初めて、オフィス等も対象とする温室効果ガスの総量削減義務と排出量取引制度を導入しました。こうした先進的な取り組みを情報発信し、世界の大都市の温暖化対策に貢献することは、都の重要な役割といえます。その意味で、先日ソウルで開催されたC40世界大都市気候サミットにおいて、知事が都のすぐれた環境施策をアピールされたことは、大変意義あるものであります。
また、都の先進的な温暖化対策は、日本のすぐれた省エネ技術等を活用し、設備更新を促して新たな需要を創出するものであります。また、省エネビジネスなど新たなビジネスチャンスを生み出し、省エネ対策はコスト削減にもつながるもので、東京の中小企業の高い技術力にも期待しています。
我が党はかねてより、中小企業や家庭部門を含む、これまで以上に踏み込んだ温暖化対策の展開を主張してきました。これを受け、都は今年度、太陽エネルギー利用の支援策や、CO2削減に積極的な中小企業を支援する環境減税の創設など、百七事業にも上る温暖化対策を施策化しました。こうした都の先進的かつ積極的な施策の展開は、世界的な金融不況のもとで経済的な効果も期待されます。
このように、東京の活性化とともに地球温暖化の危機を回避する温暖化対策を推進していくに当たり、改めて知事の決意を伺います。
東京都が先鞭をつけた自動車税のグリーン化が全国税制として定着しました。ディーゼル作戦や不正軽油撲滅作戦による効果が顕著にあらわれていることが示すように、東京の先進的な取り組みは国や他の地域に対して大きなインパクトを与えてきました。
我が党の主張を踏まえ今年度からスタートした東京版環境減税も、こうした意義を有する効果的な取り組みです。今後とも、東京が環境の世紀のトップランナーを担っていくとの気概を持ちつつ、環境問題の解決に資する税制のさらなる充実を図っていくべきものと考えますが、見解を伺います。
次に、水と緑に囲まれた東京の実現について伺います。
首都東京が快適で住みよい都市であるためには、身近な都市環境の向上が重要です。特に公園、道路、河川などの都市のインフラは、都民の生活や経済活動を支えるばかりではなく、緑豊かな都立公園の整備、街路樹の充実、河川の緑化などにより、都市環境を向上させる貴重な空間でもあります。
そこで、緑のネットワークの拠点となる都立公園の整備などについて、これまでの取り組み状況とその実績を伺います。
都市環境のうち、水辺は都市の豊かさや潤いを生む貴重な都市空間であり、隅田川などにおいて、スーパー堤防やテラスなど、親水性に配慮した河川整備が進められています。
一方、JR王子駅のトイレ排水が石神井川に流入していたことをきっかけに、河川の臭気対策がクローズアップされました。東京を水と緑に囲まれた美しいまちにするためには、河川環境の改善も喫緊の課題であります。
先般、我が党は都に対して河川環境の改善に関する緊急要望を行ったところであり、臭気対策など河川の環境改善に向け、早急に対策を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
次に、豊洲新市場の整備について伺います。
豊洲新市場予定地の土壌汚染については、都民が安心できる万全な対策が取りまとめられ、今後、都では、これを確実に実施するとともに、平成二十六年十二月の開場に向け、全力で整備に取り組んでいくこととしています。
築地市場は施設の老朽、狭隘化が深刻で、産地や消費者から強く求められる高度な品質、衛生管理や流通コストの削減などに十分こたえられず、取扱量の減少が続いています。
このように流通環境の変化への対応がおくれる中、市場業者の経営状況は一層厳しさを増しており、もはや一刻の猶予もありません。昨年、築地市場の業界団体の大多数から移転推進の要望をいただいたように、市場業界も新市場への強い期待を持っています。
我が党は、築地市場の現状を憂慮し、首都圏三千三百万人の食生活を支えていく市場の将来像を描き、一貫して移転整備による抜本的な施設改善の必要性を訴えてきました。
豊洲新市場は、築地では実現できなかった新たな機能を備え、都民や市場業者の期待にこたえる、これからの我が国の卸売市場のモデルとなる市場として整備すべきと考えますが、どのように取り組んで行くのか見解を伺います。
次に、八ッ場ダムについて伺います。
我が党は、この四月、関係する県会議員とともに八ッ場ダム推進議連一都五県の会を設立いたしました。私がその会長を任されましたので、事業の一層の推進に向け、精いっぱい取り組んでまいります。
ところで、一部の政党などは、論拠もあいまいな八ッ場ダム不要論を展開し、あたかもむだな公共事業であるかのように宣伝をしております。八ッ場ダム建設をめぐっては、事業の中止を求める訴訟が関係都県で起こされ、その中で初めてとなる東京地裁の判決では、都側の全面勝訴が示されました。
そこで、改めて八ッ場ダム事業の推進に向けた知事の決意を伺います。
次に、教育について伺います。
全国的に子どもの体力が長期的な低下傾向を続けている中、昨年の文部科学省の全国調査の結果、東京都の子どもの体力低下が著しいことが明らかになりました。例えば、都教育委員会の資料によれば、小学校五年生のソフトボール投げは、男女とも全国で四十六番目と低く、昭和五十四年の都平均と比較すると、男子が六メートル、女子が三・三メートルも低下しています。
知事の所信表明にも、東京の子どもたちの体力低下は憂慮すべき状況との発言がありましたが、我が党も子どもの体力向上は喫緊の課題であると認識しています。体力は人間の活動の源です。今後、具体的な目標達成に向けて早急に対策を講じ、子どもの体力向上に必要な環境整備を総合的に推進する必要があると考えます。
都教育委員会は、子どもの体力向上にどのように取り組んでいくのか伺います。
このような取り組みを進めていく中で、子どもの体力向上はもとより、学力の向上や子どもの健やかな成長を学校において支えていくのは教員にほかなりません。
現在、小学校においては、指導的立場にあるベテラン教員の大量退職に加え、ここ数年、千人を超える大量採用が続いており、若い教員が大幅にふえている状況と聞いています。
また、小学校教員は、採用直後から学級担任となり、初年度から学級運営や保護者対応などの高い能力も求められています。このような状況を踏まえると、学校における育成体制の整備は急務であると考えます。
そこで、今後、新規採用教員をどのように育成していくのか、所見を伺います。
次に、現任期、我が党、最後の質問として、日本の危機と行く末について伺います。
未来を見据えて打つべき手をしっかりと打つ、これは政治家の当然の使命であります。今後も引き続き我が党は、知事とともに、この国の行く末を憂い、東京から日本を変えるべく全力を尽くしてまいります。
とりわけ、日本の行く末に影を落とす大きな危機である少子化を何とかしなければなりません。このままでは人材は枯渇し、経済のパイが縮小します。ましてや、日本を支える東京の将来にも多大なる影響を与えます。
この状況を打開するために重要なことは、まず、本来責任を持つ国を動かすことであります。国が動かなければ課題は解決しません。
そして、この課題は、安心して子どもを産み育てられるよう、経済負担の軽減や子育てと仕事の両立支援、住宅支援などの施策を総合的に展開してこそ前進させるものであります。
そのためには、国に具体的な政策提言を行うと同時に、都が率先して行動を起こし、国を先導すべきです。現下の厳しい環境に置かれている子育て世代の状況もかんがみ、これまでの財政再建の成果も活用しながら、地に足のついた、しっかりとした政策を打ち出していくべき時期と考えますが、知事の所見を伺います。
さて、都議選の投票日は七月十二日と、残すところ、あと一カ月余りであります。我々都議会自由民主党は、日々、都民、国民の声をじかに聞く中で、都政における責任政党として、国に対しても主張すべきことは主張し、中小企業対策はもとより、地方分権の推進、まちづくり、防災・防犯、福祉・医療改革、多摩・島しょ振興など、幅広い分野にわたり、血の通った打つべき手を、これまで確実に打ってまいりました。
来るべき選挙戦には、十年後の美しい首都東京への道標である二〇〇九、東京自民党政策提言「東京・風の道をひらく」を掲げ、引き続き都政に最大多数として責任を持てるよう、全力を傾注する覚悟であります。
戦後最大の経済危機にあって、都民の生活、仕事を守り、将来の展望を切り開いていくため、山積する課題の本質を見きわめながら都政をリードしていく、それが我々東京の自民党に課せられた責務であり、都民の期待にこたえる道であります。
私たちは、石原伸晃都連会長、内田茂都連幹事長のもと、高島なおき都議会自民党幹事長を先頭として、公認候補全員の当選を目指す決意であることを表明して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 鈴木一光議員の代表質問にお答えいたします。
まず、都政を取り巻く現状認識と、今後の都政運営に臨む決意についてでありますが、日本と世界が直面する歴史と文明の大きなうねりの中で、取り組むべき課題は尽きることがございません。とりわけ、現下の世界的な経済危機、新型インフルエンザの発生、あるいは地球温暖化など、差し迫った大きな危機にさらされております。
政治は、危機の本質を正確に認識し、みずからの未来はみずからの手で切り開くという気概で、都民、国民にとって真に必要な政策を果断に講じていかなければならないと思っております。子や孫の世代への責任を果たすためにも、不作為は許されず、具体的、的確な行動こそが求められていると思います。
こうした信念に基づきまして、経済危機や新型インフルエンザへの迅速な対処はもとよりのこと、「十年後の東京」計画を羅針盤にしまして、東京を豊かな水と美しい緑にあふれた低炭素型都市へと変貌させ、二十一世紀における都市のモデルにまで高めるため、着々と取り組みを重ねてきたつもりでございます。
同時に、都の体質改善も進めまして、コスト意識やスピード感を鍛えるとともに、明治の太政官制度以来の硬直したお役所体質を払拭する起爆剤として、画期的な行政のフォーマットとなる新しい公会計制度を確立してまいりました。
若者たちにかけがえのない心の財産を贈る二〇一六年のオリンピック・パラリンピックも、五十年先、百年先の日本の礎となるに違いないと思います。
今後も東京が日本のダイナモとして、この国のさらなる発展、成熟へと導き、また世界の範ともなるように、渾身の力で都政のかじ取りを担っていきたいと思っております。
次いで、補正予算についてでありますが、今回の補正予算は、国の経済対策を早期に実施するとともに、東京の都市づくりと都民生活の緊急課題などに迅速に対応するため、都として打つべき手だてを早急に講じることを基本に編成いたしました。
そのため、今回の国の経済危機対策について、外かく環状道路の整備を初め、骨格幹線道路の整備や鉄道の連続立体交差化の推進など、実施可能なものから取り組むことといたしました。
あわせて、一連の国の経済対策に関連して、これを一層有効なものとし、また、都の当初予算編成後に生じた緊急課題に迅速に対応するため、都みずからも中小企業、雇用対策や生活者対策を強化してまいります。
この間、東京都は、緊急対策として実施した昨年の二度の補正予算と二十一年度当初予算を通じて、都民生活を守る有効な施策を切れ目なく講じてきたと思っております。
さらに今回、補正予算を編成することによりまして、国の経済対策の実効性を高めるとともに、都民が直面する危機を打破し、安心と希望にあふれた東京の創造に向けて一層の取り組みを行っていくつもりでございます。
次いで、オリンピック・パラリンピック招致についてでありますが、評価委員会の来日に際しましては、総理の出席など、国を挙げての歓迎の意を表するとともに、世界初のカーボンマイナスオリンピック、コンパクトな会場配置、盤石な財政基盤など、東京大会の特徴を余すところなく説明しまして、確かな手ごたえを感じることができたと思っております。
今月はローザンヌでIOC委員全員に対する説明会が予定されております。私も出席しまして、東京大会が環境と平和に寄与し、スポーツを通じて友情と連帯を育んでいくことを訴えてまいりたいと思っています。
しかし、最大の目標は、十月のIOC総会で東京に過半数の票を投じてもらうことでありまして、まさに我が国の外交手腕が問われておりまして、スポーツ界、経済界が有する人脈、各国政府との外交関係など、IOC委員につながるさまざまなチャンネルを陰に陽に活用して、一票でも多くの支持を獲得していかなければならないと思っております。
そのために私自身も赴きまして、招致活動に総力を挙げて取り組み、ぜひとも招致を実現して、閉塞感に覆われたこの日本に新しい希望の灯をともしたいものだと思っております。都議会初め都民、国民の皆様のなお一層のご支援、ご協力をお願いする次第であります。
次いで、今後の新型インフルエンザ対策についてでありますが、今回の新型インフルエンザは弱毒性であるといわれておりますが、今後、第二波の感染拡大や強毒型ウイルスの発生も、これは違うウイルスになるんですか、鳥型ということでありましょうか、それも危惧されますことから、警戒を怠ってはならないと思います。
かつて世界に大きな被害をもたらしたスペイン風邪を調べてみますと、ちょうど今ごろの時期に一波が来て、まあ何となく過ぎたと安心をしておりましたら、ウイルスそのものが非常にみずから強化して不意に爆発して、非常に多くの犠牲者を出したと聞いておりますから、今の程度で、豚型というんでしょうか、このウイルスが、インフルエンザが終わったということはいい切れないし、また油断はとてもできないんではないかと思います。
重要なことは、感染力や病原性などの情報を迅速に収集しまして、科学的な知見のもとに冷静かつ的確に対応していくことであります。このため都は、来るべき事態に備え、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄の拡充や、医師会などとの連携による保健医療体制の充実、危機管理体制の強化などの対策を進めてまいります。また、アジア大都市ネットワーク21においても、これまで培ってきた専門家の人的ネットワークを活用しながら国際的な連携を図っていきたいと思っております。
新型インフルエンザは人類共通の脅威でありまして、英知を集結して、この新たな疾病と闘い、都民の生命と健康の確保に全力を尽くすつもりでございます。
次いで、急増する保育ニーズへの対応についてでありますが、こういう経済不況になりまして、お子さんを持つお母さんも働かざるを得ないという現況でありますが、いずれにしろ、すべての子どもと子育て家庭を社会全体で支援する上で、待機児童の解消は喫緊の課題であります。
都は、昨年度から保育サービス拡充緊急三カ年事業により保育所などの整備を着実に進めてまいりましたが、経済情勢の悪化に伴う保育ニーズの急増により、待機児童数は増加する見込みであります。この事態に対応するため、今回の補正予算で、事業者と区市町村の負担を大幅に軽減する独自の支援策を講じ、今年度の整備目標を当初計画の一・五倍に引き上げることにいたしました。こうした集中的な取り組みによりまして保育サービスの拡充を図り、すべての人が安心して子育てできる東京を実現していきたいと思っております。
次いで、緊急中小企業対策、雇用対策の基本的な考え方についてでありますが、昨年秋に端を発した世界的な経済危機、このリセッションは、東京の経済の活力の源泉であります中小企業、とりわけ小零細企業に極めて深刻な影響を及ぼしております。また、雇用情勢も厳しさを増しております。
このため、都は既に数次の対策を講じておりまして、今年度の当初予算においても、企業の資金繰り対策や雇用対策など実効性のあるさまざまな施策を打ち出しております。しかし、経済危機の根は深く、企業の倒産件数や失業率などの経済指標は依然として厳しい状況にあります。
こうした状況を踏まえ、対策をさらに強化するとともに、国の経済危機対策を一層有効なものとするため、補正予算を編成し、さらなる中小企業対策、雇用対策を実施することといたしました。
まず、制度融資を拡充し、中小零細企業の資金繰りに万全を期すとともに、新たな取引先の開拓も強力に支援してまいります。また、雇用の創出に加え、意欲のある方々が早期に再就職できるように職業訓練を拡大していきたいと思っております。当初予算による取り組みとあわせ、これらの対策を総力を挙げて実施し、今日の危機を克服していきたいと思っております。
次いで、外環道についてでありますが、先日、国の補正予算が成立しまして、ようやく外環道の整備が動き出すこととなりました。凍結を解除してから既に八年余り、やっとここまで来たなという感じがいたしますが、これまで東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟からも多くのご支援をいただいたことに改めて感謝を申し上げます。
外環道は、費用対便益が全国でもトップレベルの指数を示す非常に大事な道路でありまして、四十年余りの間、この計画を放置したことによって失われたものもはかり知れないと思います。国際競争力の強化、我が国経済の再生を思えば、一日も早く完成させまして、おくれを取り戻すことが重要であると思います。工程短縮に向けてあらゆる努力を傾注するように国に求めてまいります。
次いで、京浜三港の一港化への取り組みについてでありますが、我が国の港湾政策はスピードと戦略性を著しく欠いておりまして、どうしてこういう三港の合理化が今まで国の主導で行われなかったか理解に苦しみますが、ようやく隣県とも合意を得まして、今日の運びになりました。現に、日本を発着する約百万個のコンテナ貨物が、この日本ではなしに、隣の韓国の釜山港をハブとして積みかえられておりまして、日本に寄港する基幹航路の維持がもう脅かされております。
京浜三港は、この現状を打破し、東アジアの国際ハブ港としての地位を確立していくために、みずからの判断と責任で進めている一港化への取り組みを加速させることといたしました。
年内に、地方自治法に定める協議会を設置しまして、三港の港湾管理者の合議により、実質的な京浜港の港湾計画を策定するなど東京湾全体の総合力を高めてまいります。また、ふ頭経営の現場においては、東京港埠頭株式会社と横浜港埠頭公社が広範な分野で共同事業を展開させ、これまでの港ごとの管理を一体的な港湾経営へと転換してまいります。
東京湾の中核に位置し、世界最大規模の経済圏を背負う三港が、ポートオーソリティーの設立に向けて京浜港の一港化を迅速果敢に進め、日本の港湾の先頭に立って、熾烈な国際間競争を勝ち抜く活路を切り開いていきたいと思っております。
次いで、JR中央線の複々線化についてでありますが、東京の鉄道は、正確、安全な多
量輸送機関として都市機能を支えております。このネットワークをさらに強化していくことは、より快適で利便性が高い都市づくりを進めていくためにも極めて重要であります。
首都圏の幹線鉄道でありまして東京の大動脈でもあるJR中央線において、未着手となっている三鷹―立川間の複々線化を実現することは、利用者の利便性向上にとどまらず、多摩地域の振興や横田の飛行場へのアクセス、さらに山梨県方面との連携強化にも資するなど大きな意義がございます。
そもそも、この中央線には新幹線がございませんので、有名な急行「あずさ」なども、急行として走ってきても、東京に入りますと複々線が完備しておりませんから、減速せざるを得ないというのが実情であります。
本来、この事業は広域的な見地から国が責任を持って進めるべきものでありますが、都としても、複々線化の実現に向け、多額の費用や採算性の確保などの課題について関係者とともに積極的に検討していくつもりでございます。
次いで、地球温暖化対策についてでありますが、温暖化がもたらす地球環境の異変は深刻の度を増しておりまして、専門家の多くが、この五、六年の後に、このままでいくとポイント・オブ・ノーリターンが来てしまうという警鐘を鳴らしております。今、国際社会に求められているのは、二〇二〇年に向けた大胆なCO2削減目標を早急に合意することでありまして、現下の経済危機を理由に対策を先送りすることは到底許されるものではないと思います。
都は、世界で初めての都市型のキャップ・アンド・トレード制度を実現するとともに、太陽エネルギーの大規模な普及策や、省エネ技術を導入する中小企業への環境減税など、先駆的な環境技術を全面的に活用するための施策を展開してまいりました。都の施策の大胆なCO2削減が経済再生にも寄与することを示す先駆的な意義を有するものであると思っております。
先ごろソウルで開催されましたC40、世界大都市気候先導グループのサミットにおいては、こうした都の取り組みを踏まえて、各都市に具体的な行動を起こすように呼びかけてまいりました。このたび都市として世界で初めてこの東京が正式に参加したICAP、国際炭素行動パートナーシップの場においても、都の先進的な施策について発言し、世界の温暖化対策の強化に貢献していきたいと思っております。
次いで、八ッ場ダムへの取り組みについてでありますが、先月の東京地裁判決は、ダムを不要とする原告の理不尽な主張を一蹴したものでありまして、司法においても都側の正当性を認めた至極当然の結果と受けとめております。
これまでも重ねて申し上げているとおり、この八ッ場ダムは、治水、利水の両面から都にとって必要不可欠な施設であると思っております。ましてや、異常気象がどんどんどんどん進んでいく現実の中で、どういう気象異変が起こって、渇水というものが大幅に到来するかもわかりません。自然の推移については、人間はたかだか想像をたくましくするだけで正確な予測をできませんし、今日、東京にとって不可欠な水がめになっております小河内ダム、あれができたときも、あれに反対した人たちは、そういわれると確かにそう読めますな、しょうがないダムといったそうですけれども、次の年に大変な水飢饉が来まして、あの小河内ダムが東京を潤すのに非常に大きな役割を果たしたという事実がございます。
今日、地球規模で生じている気候変動は人間の予測を超えたものでありまして、我々の子孫のためにも十全の備えを行っていく必要があると思います。都としては、引き続き、関連県と一層連携を強めながら、推進議連の皆さんとも力を合わせ、八ッ場ダムの早期完成に向け取り組んでいくつもりでございます。
最後に、少子化対策についてのお尋ねですが、少子化は、突き詰めれば人生に関する個々の価値観の問題でもありますが、国家という単位で見たときに、将来に与える影響は極めて大きいと思います。いいかえれば、国力とはまさに人口でもあるといえます。
このままでは、経済のパイが縮小して税収は減り、年金や医療、社会インフラの維持が困難になる、日本の伝統文化も失うことにつながります。国もさまざまな施策を講じてはいますが、国民の子どもを持つことへの不安は払拭されておらず、少子化の流れを変えるには至っておりません。
フランスも、この危機に面して、長いことかかって、かなりの要するに財政援助をすることで、今日、人口をふやしておりますが、とにかく、とりわけ子育て世代で大きな役割を占める団塊ジュニアは、就職氷河期を経験し、将来への不安が強く、子どもを持つ勇気が持てないでおります。
先日もNHKの特集で、しっかりした三十代の男性が、とても今のままでは結婚もできない、まして子どもなど持てないということを慨嘆しておりましたが、非常に印象的な番組でありました。その三十代に差しかかった団塊ジュニアの出生数が伸びなければ、その後の世代では少子化はさらに加速するわけでありまして、今が少子化のトレンドを反転させるラストチャンスというぐらいの危機感を持って思い切った施策に踏み込む必要があると思います。
これはあくまでも国の問題だと思いますけれども、しかし、国もいろいろ考えているんでしょうが、これを待つことなく、まず東京が先頭を切って、現場ならではの発想で子育ての不安や苦労を確実に解消する具体策を財政再建の成果を生かして提起し、子どもを持ちたいと望む方々を確実に応援していきたいと思っております。少子化の流れを変えるべく国を先導するために、かつてない重層的で複合的な対策を事務方に早急に検討させております。
終わります。
〔教育長大原正行君登壇〕
○教育長(大原正行君) 二点の質問についてお答えを申し上げます。
まず、子どもの体力向上についてでございます。
体力は、子どもが健全、健康に成長していく上で必要不可欠なものでございます。また、知力や気力の源でもあり、変化の激しいこれからの社会を担う子どもたちに必要な生きる力の基盤でもございます。これまで都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携し、体育授業の充実や部活動の振興、スポーツ教育の推進等、体力向上に努めてまいりました。しかしながら、お話のように東京都の子どもの体力は長期的な低下傾向の中にあって、全国平均よりもはるかに低いという憂慮すべき状況に陥っております。
こうした状況の背景や原因には、東京都の子どもを取り巻く環境、遊び、ライフスタイルの変化などさまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられます。子どもの体力向上のためには、学校だけでなく、地域社会全体で取り組まなければならないことから、都教育委員会は、関係各局の協力を得まして、総合的な対策を検討する、子供の体力向上推進本部を設置することといたしました。
今後、子どもの体力を、三年後には全国平均まで、十年後には体力がピークであったとされる三十年前の水準にまで高めていくことを目標に掲げまして、この推進本部のもと、現状や原因の詳細な分析を行う専門家会議など六つの部会を立ち上げ、その検討結果や提言に基づき、学校における対策を適時的確に講じてまいります。さらに、中長期的には、家庭、地域の協力を得るなど、社会総がかりで取り組む実効性のある体力向上施策を展開してまいります。
次に、小学校新規採用教員の育成についてであります。
採用直後から学級担任となる小学校におきましては、新規採用教員にも、体力向上や学力向上に関する指導力はもとより、児童を掌握する力や保護者に適切に対応する力など、学級担任としての実践的能力が求められております。大量退職、大量採用が毎年継続する状況におきまして、新規採用教員が実践的能力を身につけるためには、組織的、計画的な育成と校内体制の整備が必要であります。
このため、本年四月に任用を開始いたしました主任教諭が、職場内研修の手引であるOJTガイドラインを活用しまして新規採用教員の育成に当たっているところであります。さらに、再任用教員が新規採用者の指導教員として一人一人にきめ細かな指導を行うことができるよう校内の育成体制を整備してまいります。
また、従来の教員の研修体系を見直しまして、採用時から、学習指導力だけでなく、外部との連携、折衝力や学校運営力などを育成することといたしました。
具体的な取り組みといたしまして、今年度、若手教員育成プログラムの開発を進めておりまして、採用時から段階ごとの育成目標を明確にし、その到達度をチェックすることによりまして、確実に実践力や課題解決能力の向上を図ってまいります。
〔財務局長村山寛司君登壇〕
○財務局長(村山寛司君) 補正予算における財源活用についてのご質問にお答えいたします。
今回の補正予算編成におきましては、財政環境が非常に厳しい中にあって、国の経済対策への対応や、それに関連する都の緊急課題への対応を行うための財源をいかにして確保するのか、この点が課題の一つでございました。
このため、今回の国の経済危機対策に盛り込まれた地域活性化・公共投資臨時交付金と地域活性化・経済危機対策臨時交付金、この二つの交付金など、国からの財源を最大限有効に生かせるよう事業面での工夫を行っております。また、都債につきましても、将来への財政負担を十分考慮しながら適切に活用をいたしております。
これらの方策によりまして、財政調整基金につきましては、その活用を最小限にとどめておりまして、その結果、今後想定される経済変動に備えるためにこれまで培ってきております蓄積分につきましては、従来のレベルを確保することができております。
今後とも、都政に期待されている役割を着実に、かつ継続的に実施していけますよう、それにふさわしい強固な財政基盤の確立に向けまして全力を尽くしてまいります。
〔東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川満君登壇〕
○東京オリンピック・パラリンピック招致本部長(荒川満君) 今後のオリンピック・パラリンピック招致活動についてお答えいたします。
まず、海外においては、今月のローザンヌでの説明会に引き続き、来月にはナイジェリアでアフリカ各国のオリンピック委員会の総会があり、また、ローマで世界水泳、八月にベルリンで世界陸上などの国際競技大会が予定されております。こうした場にはIOC委員が数多く来訪しますので、その機をとらえて積極的に働きかけ、東京の計画のすばらしさ、まちの魅力などを強く訴えてまいります。
また、国内では、評価委員会来日に伴う招致機運の高まりをさらに加速させるため、都内区市町村や商店街、経済界、スポーツ界などと連携を強化していくことが重要でございます。
これまで、都内区市町村とは共同推進事業を実施し、オリンピズムの普及に努めてまいりましたが、今年度も十月の開催都市決定まで集中的に事業を実施し、さらなる普及啓発を図ってまいります。
また、都内の商店街には既に四万六千枚のフラッグを掲出するとともに、都内のタクシー、バス、トラックにはステッカーや幕の掲出、鉄道の各駅にものぼりやポスターの掲示など、引き続き、多くの企業、団体の協力を得て招致PRを行ってまいります。これに加えまして、スーパーマーケットやコンビニなど小売、流通業界とも新たに提携して、PRの拡大を図ってまいります。
また、スポーツ界の協力を得て、プロ野球やJリーグのスタジアムで招致PRを展開しますとともに、マラソン金メダリストの高橋尚子さんと一緒に一般公募ランナーが都内を走る招致応援リレーや応援ランを、今月二十一日を皮切りに十月まで実施する予定でございます。
今後とも、都議会の皆様のご支援、ご協力をいただきながら、招致をかち取るための活動に全力で取り組んでまいります。
〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕
○福祉保健局長(安藤立美君) 六点についてお答えをいたします。
まず、アジアユースパラゲームズについてでありますが、本大会は、アジアの障害のある若者が集い、障害者のために考案されたボッチャ、ゴールボールを含む六つのパラリンピックの正式競技を競い合う総合大会であります。中でも陸上と水泳については、国際パラリンピック委員会の公認記録となる国際水準の大会としてまいります。
大会期間中は、持てる実力を遺憾なく発揮できるよう、アジア各国の文化や生活様式に配慮したサービスを提供するとともに、国際経験豊かなボランティアを選手村や競技会場に配置してまいります。また、日本文化に触れていただくためのイベントや、日本の高校生との相互理解や友好を深めるためのプログラムを計画しております。
本大会の開催を契機として、障害者や障害者スポーツへの理解を一層深めるとともに、東京ならではの魅力ある大会としていくために全力で取り組んでまいります。
次に、新型インフルエンザ対策についてでありますが、都は今回、海外における新型インフルエンザ発生確認後直ちに、都内全保健所及び都庁内に、都民からの相談に二十四時間こたえる発熱相談センターを立ち上げるとともに、保健所や感染症指定医療機関等に抗インフルエンザウイルス薬や個人防護具等を配備いたしました。また、感染者をトリアージする発熱外来も、都内六十七カ所に設置いたしました。
さらに、国内感染の拡大を受け、都独自に医療機関や学校等の監視体制を強化し、患者の早期発見と感染の拡大防止に努めるとともに、蔓延期に外来診療を行う一般医療機関の確保を進めております。
今後、感染力のさらなる強まりや新たな強毒型の発生に備え、発熱外来や入院医療機関を対象に、施設整備や個人防護具、医療資器材等の備蓄に対して、都独自に創設する補助制度により支援をしてまいります。
また、都としても、現在四百万人分備蓄している抗インフルエンザウイルス薬を、都の人口の六〇%に当たる八百万人分までふやし、医療資器材等の備蓄についても大幅に増強するとともに、医師会、医療機関等との連携を一層強化し、保健医療体制を充実してまいります。
次に、小児医療体制の強化についてでありますが、小児科医師の不足や小児医療を行う施設の減少など、都内における小児医療提供体制は非常に厳しい状況に置かれております。
国は、お話のように都道府県が行う地域医療再生への支援を打ち出したところであり、これを踏まえ、都は緊急に、小児の休日・全夜間診療事業に参画する医療機関の医師確保への支援や小児科医師を医療機関に派遣する大学への支援を行います。
来年三月に開設する小児総合医療センターにおける高度専門的な医療の提供と、こうした地域における小児医療体制の強化をあわせて行うことにより、安全・安心な小児医療を確保してまいります。
次に、安心こども基金を活用した保育サービスの緊急整備についてであります。
この基金では、待機児童が集中する都市部の実情を踏まえた対策が随所に盛り込まれました。例えば、賃貸物件による保育所整備が新たに補助対象となり、改修経費だけでなく賃借料も対象経費に加えられたほか、施設整備の補助基準額が従来の約一・五倍に引き上げられました。また、国に対する働きかけの結果、保育所の認可基準を満たす認証保育所について、開設初年度の家賃を含む開設準備経費が補助されることとなりました。
都は、この基金を最大限に有効活用するとともに、事業者、区市町村の負担を軽減する都独自の支援策を講じ、急増する保育ニーズに対応することといたしました。
具体的には、事業者に対して事業費の八分の七まで補助するほか、認証保育所のうち基金の対象とならないものについては、都独自に同様の支援を行います。さらに、待機児童の約九割を占める三歳未満児の定員拡充に積極的に取り組む区市町村を支援するため、都が区市町村の本来負担すべき額を特別に軽減いたします。
これらの取り組みにより、認可保育所の分園や認証保育所の設置促進などを中心に、短期集中的な保育サービスの拡充に取り組んでまいります。
次に、未届け有料老人ホーム等についてであります。
今回の緊急立入調査の結果、施設の安全面や福祉事務所の機能強化などの課題が明らかになりました。このため、未届け施設に対し、引き続き届け出指導を強力に行うことに加え、高齢者が安心して暮らせるよう、都として緊急対策を講じることといたしました。
まず、有料老人ホームに該当する施設に対しましては、届け出の促進と、入居者の安全・安心を確保するため、すべての施設を対象に、スプリンクラー等の防火設備に対する助成を行います。また、福祉事務所に高齢者支援員の配置を促進するなど、生活保護を受給している高齢者に対する援助がより一層適切に行われるよう、区市の取り組みを支援してまいります。
最後に、介護サービス情報の公表制度についてであります。
今回の条例改正は、介護サービス事業所に対する訪問調査体制の見直しや公表センターの事務の効率化を図ることで、調査手数料と公表手数料の合計額を現行の四万七百円から二万六千三百円とし、事業者の負担を大幅に軽減するものであります。なお、手数料額の全国平均は約三万六千円であります。
今後とも国に対し、事業者の負担軽減を図るとともに、サービスの利用者にとってもより利用しやすい制度となるよう、改善を求めてまいります。
〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕
○病院経営本部長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、新型インフルエンザに対する都立病院等の取り組みについてでありますが、疑い患者に対する外来診療を行うため、各病院に発熱外来を設置するとともに、患者の早期入院治療に対応するため、第一種、第二種感染症指定医療機関である都立の駒込、墨東病院、公社の荏原、豊島病院の四病院に感染症病床六十床を確保しております。
今回の補正予算では、これらの病床に加え、荏原、豊島の二病院の一般病床を活用した感染症緊急対応病床百二十床の整備を進めることにより、感染症病床を補完するための機能強化を図ってまいります。
また、駒込病院においては、今年度当初予算で感染症病床を増床するための整備を行うとともに、陰圧機能を有した緊急対応病床六十四床を年度内に確保してまいります。
今後とも、都民の生命と健康を守るため、都立病院、公社病院に十全の備えを行い、公的医療機関としての役割を積極的に果たしてまいります。
次に、医師、看護師の確保定着等についてでありますが、都はこれまで、議会のご支援もいただきながら、医師の処遇改善や二十四時間院内保育、育児短時間勤務制度の導入など、総合的な確保定着対策に積極的に取り組んでまいりました。
医師については、ご指摘にあったとおり、診療分野によっては厳しい勤務実態があることも事実でございます。このため今年度は、産科医業務手当の創設などさらなる処遇改善を図るとともに、日勤に引き続き準夜帯も勤務し、翌日を休みとする一直二勤務制度の拡大や交代制勤務の導入を検討するなど、勤務体制等のさらなる改善にも取り組んでまいります。
看護師については、確保定着に効果のある二交代制勤務の拡大を図るとともに、七対一看護基準の導入に積極的に取り組んでおり、この四月からは大塚病院が、また六月からは広尾病院が、それぞれこの基準での配置を実現しております。
医師、看護師が全国的に不足する中ではありますが、都立病院の役割を十全に果たしていくため、今後も総力を挙げて課題解決に取り組んでまいります。
〔産業労働局長佐藤広君登壇〕
○産業労働局長(佐藤広君) 緊急中小企業対策など四点のご質問にお答えをいたします。
まず、緊急保証制度に関する今後の都の対応についてであります。
都は、昨年十月末に開始をされました緊急保証制度に対応しまして、制度融資に最優遇金利を適用した融資メニューでございます経営緊急を設置いたしますとともに、特に小規模企業者に対しましては、保証料の二分の一を補助する都独自の対応を行っております。
しかしながら、中小企業の経営環境が一層厳しさを増す中、本年度に入っても経営緊急の利用は、依然高い水準で推移しております。こうした状況を踏まえまして、経営緊急を含む経営支援融資の目標額を二千五百億円から七千億円に拡大することといたしまして、預託金や保証料補助に要する経費を補正予算に計上したところでございます。
厳しい経済状況のもと、中小企業の資金繰り面の不安を取り除くことは、ご指摘のとおり極めて重要であるというふうに認識をしておりまして、今後とも資金調達の一層の円滑化を図ってまいります。
次に、中小企業及び商店街に対する支援についてでございます。
世界的な不況に伴う急激な受注の減少にあえいでいる都内中小企業にとりまして、新たな受注の確保と販路の拡大が焦眉の急となっております。
このため、中小企業の受注機会の一層の拡大に向け、今年度実施をいたします経営力向上TOKYOプロジェクト等におきまして、新規受注先の開拓が必要と認められる場合、国内外の見本市への出展やPR等の経費を最大百五十万円まで助成することといたしました。加えまして、都と商工会議所や商工会等の中小企業支援機関が連携をいたしまして、大企業を初めとするいわゆる親企業へ直接出向きまして、都内中小企業への発注を要請してまいります。
一方、商業のかなめであります商店街の活性化も急務となっております。
現在、にぎわいの回復とともに環境負荷の軽減にも資するLED街路灯への転換を急ぐ商店街が日増しに増加しております。このため、都内商店街が現在計画をしております街路灯のLED化を積極的に支援すべく、必要な経費を補正予算に計上いたしまして、一件当たり最大一億二千万円を助成することといたしました。
早期に都内中小企業と商店街に活気が戻るよう、これらの施策を着実に実施してまいります。
次に、雇用創出に向けた取り組み状況等についてでございます。
雇用情勢が急速に悪化する中、増加する離職者に対して、行政が雇用の場を創出することが必要となってきております。
このため、まず都独自の区市町村補助事業では、迅速な雇用創出に向け、これまでに約二百五十の事業について交付を決定しており、既に各地域において多様な取り組みが実施されております。
次に、基金事業では、当面の雇用確保のための緊急雇用創出事業におきまして、放置自転車対策、公園の清掃などの事業を、また、継続的雇用のためのふるさと雇用再生特別基金事業におきましては、地産地消の促進や森林整備などの事業を実施することとしております。この二つの基金事業を合わせまして、都と区市町村で約二百五十の事業によりまして、今年度は四千人を超える新規雇用を創出いたします。
このような取り組みを効果的に実施いたしますとともに、刻々と変化する雇用情勢に対応し、基金の積極的、弾力的な活用によりまして、雇用創出に取り組んでまいります。
次に、産業支援機関の連携による中小企業支援についてでございます。
東京の産業を活性化させ、持続的な成長を実現するためには、産業支援機関が相互に連携をして、持てるノウハウや資源を活用し、総合的な支援を展開することが有効であるというふうに認識しております。
昭島市の旧都立短大跡地に、来年二月には中小企業を技術、経営の両面からサポートいたします新たな支援施設を、また、平成二十三年度には多摩職業能力開発センターをそれぞれ開設する予定でございます。これらと隣接して既に設置をされております農林総合研究センターとをあわせまして、近い将来、産業総合支援拠点TAMAとして、商工、雇用、農林の各支援機関が連携をいたしまして、その機能を最大限発揮してまいります。
同拠点では、例えば商工、農林の両分野の機関が連携をして行う農作業の負担軽減ロボットの開発や、各機関の施設や人材を相互に活用するオーダーメード型職業訓練などの支援を行うこととしております。
今後、技術開発や人材育成、新事業創出など、中小企業が抱えるさまざまな課題の解決に向けまして、産業支援機関の集積と連携によるメリットを十分生かして、重層的な支援を展開してまいります。
〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕
○都市整備局長(只腰憲久君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、都市づくりビジョンについてでございますが、今回の改定では、経済活力の向上、安全・安心の確保など、現行の都市づくりビジョンに基づく取り組みを強化するとともに、社会経済の変化を踏まえ、低炭素型都市への転換、水と緑のネットワークの形成、美しく風格ある景観の創出の視点を、一層重視することといたしました。
具体的には、個々の建築物はもとより、地域、街区単位における効率的なエネルギー利用の促進、幹線道路を軸とする豊かな緑の創出、地域のまちづくりと連携した歴史的景観の形成など新たな施策を、改定する都市づくりビジョンに位置づけてまいります。また、身近な圏域では、駅などを中心に都市機能を一層集約し、高齢者を含めだれもが暮らしやすい、コンパクトな市街地の形成を目指してまいります。
近々、改定案を取りまとめてパブリックコメントを実施し、七月末には、新しい都市づくりビジョンを公表いたします。今後、これをもとにして、二十一世紀のオリンピック開催の舞台にもふさわしい、世界の範となる環境先進都市東京のまちづくりに取り組んでまいります。
次に、多摩地域の都市づくりについてでございますが、現在、都では、都市づくりビジョンの改定とあわせて、多摩の拠点整備基本計画の策定にも取り組んでおります。
この計画では、それぞれの核都市について、整備方針や具体的なプロジェクト等を示し、重点的に都市づくりを展開することとしております。核都市相互の連携により、広域的な都市機能の一層の充実を図るとともに、先端技術産業等の集積による多摩シリコンバレーの形成などを進めてまいります。また、駅などを中心とする生活拠点においては、地域に密着した商業、教育、福祉などの機能の集約を図るなどにより、市街地の再編を促進してまいります。
今後、早急に素案を作成した上で速やかに公表いたしまして、活力と魅力にあふれ、自立して一層の発展を遂げる多摩地域の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
次に、外環の事業の枠組みなどについてでございます。
先ごろ開催されたいわゆる国幹会議におきまして、国は外環の事業に対し、適切な料金水準のもとで採算性の確保に配慮した整備手法として、国費を投入して事業を行う新直轄方式と有料道路方式を組み合わせた合併施行方式を導入することを明らかにいたしました。現行ルールによれば、都は新直轄方式となる部分の四分の一を負担することになります。
都としては引き続き、総事業費のコスト縮減などによりできるだけ都の負担が少なくて済むよう、国に対して求めてまいります。また、速やかに地元において事業説明会を開催するよう国に働きかけるとともに、都としても必要な協力を行ってまいります。
次に、外環の地上部街路についてでございますが、沿線四つの区市にまたがって都市計画が決定されておりまして、地元住民にさまざまな意見がございます。例えば上石神井駅周辺では、地元住民が中心となりまして、地上部街路の具体化を見据えた将来のまちづくりに取り組んでおります。
都といたしましては、地元区市の協力を得ながら、区市ごとにこの道路の必要性やあり方について話し合う場の早期実現に努めてまいります。こうした取り組みを行い、さらに広く意見を聞いた上で、都としての方針を取りまとめてまいります。
次に、羽田空港のC滑走路延伸についてでございます。
欧州各国との航空交渉が進展し、羽田からの長距離路線の需要が大きく見込まれることから、再拡張事業に加え、国はC滑走路の延伸により、市街地への騒音影響に配慮しつつ、欧米行きの大型機の離陸を可能にすることといたしました。
この結果、C滑走路において、時間帯や風向きにかかわらず長距離用大型機の運航が可能になり、再拡張事業により整備されるD滑走路の活用と相まって、二十四時間利用できる羽田空港の機能が一層高まることとなります。
C滑走路延伸は空港用地内で施工できることから、早急に実現するよう、都として国に求めてまいります。
最後になりますが、JR中央線の三鷹―立川間の複々線化についてでございます。
都は、立体化複々線促進協議会が設置いたしました専門委員会に鉄道事業者とともに参画し、平成二十年度は、将来需要の予測、事業の必要性や効果等について検討を実施いたしました。その結果、JR中央線の複々線化は、立川以西からの直通運転列車の増加による速達性の向上や通勤通学時における混雑緩和など、多摩地域などと都心との広域的な連携強化に資する効果の高い事業であることを改めて確認いたしました。
今後は、この検討結果を勘案し、多額の費用や採算性の確保等の課題解決に向け、国や鉄道事業者、沿線市等と連携を図りながら、整備の仕組みづくりなどについて検討を進めてまいります。
〔総務局長中田清己君登壇〕
○総務局長(中田清己君) 小笠原の情報通信基盤の整備についてお答えいたします。
ご指摘のように、小笠原の情報格差の是正は重要な課題と認識しております。
海底光ファイバーの敷設は、地上デジタル放送の視聴のみならず、ブロードバンド環境を利用した高速インターネットや遠隔医療など、さまざまな情報通信サービスを実現し、本土との情報格差を是正するとともに、住民生活の向上、地域の振興に大きな効果のあるものでございます。
都としては、海底光ファイバーによる小笠原の情報通信基盤の整備に向けまして、各局及び関係機関と連携して精力的に取り組んでまいります。
〔建設局長道家孝行君登壇〕
○建設局長(道家孝行君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、都の外かく環状道路に対する今後の取り組みについてでありますが、外環は、東京から全国に放射状に延びる高速道路を環状に連結し、東京のみならず、広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路でございます。
都は、その早期完成に向け、国と連携して円滑に事業を進めるため、平成二十一年四月に三環状道路整備推進部を設置いたしました。また、国が平成二十一年度補正予算に初めて外環の事業費を盛り込んだことから、都においても必要な経費を今回の補正予算案に計上いたしました。
国の補正予算成立を受け、都は速やかに国の事業の一部を受託する協定を結び、これまで道路整備で培ってきた経験を生かし、迅速に測量や用地取得を実施してまいります。
今後は、国に対し安定的な事業費の確保と早期着工を強く働きかけるなど、沿線区市と連携し、早期完成に向け積極的に取り組んでまいります。
次に、橋梁の管理に関する中長期計画についてでありますが、都はこれまで、管理するすべての橋梁を対象に五年に一度の定期点検や日常点検などを行い、その都度適切な補修、補強を実施することで安全を確保してまいりました。しかし、都が管理する橋梁の多くは高度経済成長期に集中して建設されたため、高齢化が進み、近い将来一斉に更新時期を迎えることから、かけかえ時期の平準化と総事業費の縮減を図る必要がございます。
そこで、都は、橋梁の予防保全型管理を推進していくため、長寿命化対策や耐震対策などを包含する三十年間の総合計画として、橋梁の管理に関する中長期計画を策定いたしました。この計画では、管理するすべての橋梁を長寿命化対象やかけかえ対象などに区分し、かけかえ工事などの集中に伴う交通渋滞による都市機能、都民生活への影響や工事に投じる費用などを評価し最適化するアセットマネジメントの手法を我が国で初めて採用し、橋梁ごとに適切な時期を定めて、最新の技術により耐久性を向上させる対策を盛り込んでおります。
計画の策定に当たりましては、二十年以上の橋梁点検データの蓄積、科学的な劣化予測、新たな資産運用手法の活用などを、都の技術職員、いわゆるインハウスエンジニアが行ってまいりました。
本計画をもとに橋梁の長寿命化などを図ることにより、かけかえピークを平準化し、かつ総事業費を従来と比較して三十年間で約一兆一千億縮減できます。また、二酸化炭素の排出量についても約百十万トン削減でき、従来と比較して三分の一となります。平成二十一年度から、本計画に基づき、国指定の重要文化財である清洲橋や著名橋の蔵前橋などから長寿命化対策などに着手いたします。
今後、都は、本計画を着実に実行してその効果を検証し改善していく、いわゆるPDCAサイクルの実践を通じて、高度な技術力を持つインハウスエンジニアの育成を図りながら、既存のインフラを最大限に活用した、環境負荷の少ない成熟した都市づくりを推進してまいります。
次に、水と緑に囲まれた東京の実現に向けた取り組み状況と実績についてでありますが、東京をさらに成熟した都市とするためには、緑のネットワークの拠点となる都立公園の整備やこれをつなぐ街路樹の充実、河川の緑化を進め、都民がゆとりと潤いを実感できる緑の充実を図ることが重要であります。
このため、平成二十年度におきましては、都立公園では、早期開園に結びつく公園隣接用地の取得や借地公園制度の活用により、野山北・六道山公園などで約三十一ヘクタールを新規開園いたしました。
また、道路の新設、拡幅に当たりましては、街路樹を一層充実させることはもとより、既設の都道においても、多くの都民参加によるマイ・ツリー事業などにより緑のムーブメントを展開し、連続した緑豊かな道路づくりを推進することで、約三万本の街路樹を新たに植栽いたしました。
さらに、河川では、護岸等の整備に合わせた緑化とともに、既存の護岸においても緑化を進め、中川などで約四ヘクタールの緑化を実施いたしました。
これらの取り組みを推進した結果、例えば本年三月末に交通開放しました調布保谷線の整備により、野川と神代植物公園の緑が街路樹でつながり、道路、河川、公園の緑のネットワークを形成するとともに、魅力あふれる景観を創出いたしました。
今後とも、水と緑に囲まれた美しい東京の実現に向け、総力を挙げて取り組んでまいります。
最後に、臭気対策など河川の環境改善についてでありますが、都民が親しみ憩える快適な河川環境としていくためには、ヘドロの堆積による水質悪化や臭気の発生を防止することが重要であり、これまで河川管理者である区と連携して、河川のしゅんせつを実施してまいりました。
このたびの石神井川への汚水流入や、ご質問にございました河川環境の改善に関する緊急要望を踏まえ、地元区など河川管理者が受けた臭気に関する苦情を調査し、十の河川についてしゅんせつを行うことといたしました。
苦情が多く早急な対応が求められるとともに、船舶による機械施工が可能な石神井川、神田川、隅田川、旧中川の四河川につきましては、都が緊急対策として台風期前の七月下旬までに完了させてまいります。比較的大規模で期間を要する日本橋川についても、台風期を避け、都が十一月から実施してまいります。また、目黒川、呑川、野川、垳川、越中島川の五河川につきましては、河川管理者である区が十一月から順次実施してまいります。
引き続き、地元区や関係機関と連携し、河川環境の改善に努め、水と緑に囲まれた東京の実現を目指してまいります。
〔主税局長熊野順祥君登壇〕
○主税局長(熊野順祥君) 環境問題の解決に資する税制についてお答え申し上げます。
地球温暖化対策など政策課題の解決を図る上で、税制も有効な役割を果たし得るものと認識しております。今年度から開始いたしました次世代自動車や中小企業の省エネ設備に係る東京版環境減税も、庁内連携のもと、環境主管局の施策と一体となって、都民、国民の地球温暖化防止への取り組みが一層促進されることを期待したものであり、引き続き制度の着実な普及に努めてまいります。
地球温暖化対策は待ったなしの重要課題であり、今後とも、環境問題の解決に資する税制のあり方につきまして、東京都税制調査会も活用しながら、さらに検討を重ねていきたいと考えております。
〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕
○中央卸売市場長(比留間英人君) 豊洲新市場の整備についてお答えをいたします。
豊洲新市場の整備につきましては、技術会議の提言した万全な土壌汚染対策に基づき豊洲新市場整備方針を決定し、平成二十六年十二月の開場に向け全力で取り組んでおります。
豊洲新市場では、品質管理の高度化や流通コスト削減など、築地市場では対応できない課題を解決するため、売り場全体を温度管理のできる閉鎖型として品質衛生管理の徹底を図るとともに、荷の搬入から搬出に至る物流システムの効率化を目指してまいります。
さらに、新たな顧客ニーズに対応する加工、パッケージ施設等の整備により、集荷、販売力を強化していきます。
現在、新市場建設に当たり、市場関係者の十分な理解を得ていくため、業界向け説明会を開催するとともに、業界団体の要望を受け、施設計画の詳細に関する協議を進めております。あわせて、移転に向けた市場業者への支援の検討や個別面談実施の準備も行っております。
都といたしましては、これまで築地で実現できなかった新たな機能の整備により、競争力の強化や市場業者のビジネスチャンスの拡大につなげ、魅力を高めるとともに、市場業者の円滑な移転を図り、将来にわたり都民の食生活を支える、新たな時代のモデルとなる市場として豊洲新市場の整備を進めてまいります。
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