午後三時十六分開議
○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続行いたします。
六十八番秋田一郎君。
〔六十八番秋田一郎君登壇〕
○六十八番(秋田一郎君) もう国には頼らない、久しぶりに会った友人は、淡々とそう語りました。その心は、我々世代は年金をもらえないだろうし、どうせ医療も民間保険に頼るしかないだろうといったことでした。私は、これもまた自立というのだろうかと思い、胸が痛みました。と同時に、なぜ国は頼りにならないと思うのかを私なりに考えてみました。
一つは、国が巨大過ぎ、現実に根差したシャープな問題意識を持てないからです。
最近のサミットやG8が端的な例ですが、各国が真剣に討議しようとしても、個別具体的な解決策を見出すことができずにいます。そもそも現場を持たない巨大な国の立場で、環境問題などの極めて現実的な問題の解決を具体的に扱おうとするから、無理が生じるのです。
第二に、国が進むべき目標やビジョンを提示できなくなっているからです。
かつては、明治時代の殖産興業や戦後の所得倍増計画、日本列島改造論のように、国が目指すビジョンが明らかでした。若者には夢があり、その目標に向かって官民一体となって努力をし、国を豊かにしてきました。
しかし今、目指すべき日本の将来像は国民に明確でしょうか。国の各省庁の一人一人の官僚は優秀であっても、省益の縦割りの中に閉塞しています。福祉施設や道路整備などを初め、全国一律の基準を地方自治体に押しつけた結果、各地でむだを生んでいるのはご存じのとおりです。個別分野では合理的でも、全体としては極めて非合理で、地方の実態に適さない、いわゆる合成の誤謬といった事態が生じています。
第三に、従来、国単位で考えられてきた経済の世界では、もはやグローバル化の波にさらわれ、国境が意味を持たなくなっています。
ノーベル経済学賞をとったマンデル・フレミング・モデルによれば、通貨が変動相場制のとき、国の財政政策は効果がないのです。つまり、国の財政をいかに動かしても、国境のないグローバル経済のもとでは限界があるのです。
このように、国はもはや機動性を失った巨大な恐竜ともいうべき状態にあるからこそ、頼りにならないと思われるのです。若者が夢を持てない社会に未来はありません。国がもはや、かつてのようなビジョンを示すことができないなら、東京が将来像を提示すべきです。
知事は今回の所信表明において、未来につながる明かりをともすことで、この国をあるべき航路に引き戻していくことが首都東京の使命であると述べられましたが、知事の所見を伺います。
大気汚染や温暖化などの環境問題、渋滞や駐輪対策といった交通政策の課題は、世界的に見ても大都市に集中しています。行政課題の多くは大都市に収れんするといっても過言ではないでしょう。
私は、世界に共通する都市を取り巻く多くの課題に対し、都市の間で協力すべきだと考えます。例えば、環境問題であれば、東京の先進的な取り組みを世界の各都市が取り込めばよいと思いますし、東京の水道の優秀さは既に有名です。ホームレス対策であればニューヨークに学び、観光ならパリに学ぶといったぐあいです。
それぞれの都市がお互いの得意分野をいいとこ取りできれば、相互の足らざる部分を補完し合い、ウイン・ウインの関係に立つことができます。大都市は皆、同じような問題を抱え、切実に悩んでいます。大都市が単独ではなく、手を取り合って問題認識を一つにし、解決に当たっていく道筋は、地に足のついた着実なものになるはずです。形骸化した先進国首脳会議、サミットよりも、よほど世界にとって意義あるものとなるはずです。
東京から幾ら発信しても日本が変わらないのであれば、発想を転換し、東京から世界の大都市を変え、ひいては国を変えるのです。つまり、東京がまず世界の都市に働きかけを行い、また、逆に世界の先進都市から刺激を受け、世界の都市同士がお互いの先進的要素を学び合い、変革を続けていくことが重要です。都市の基準が世界基準になっていく過程を通じて、国は変わらざるを得なくなっていくと考えます。
知事は、平成十八年、みずからロンドンに赴き、都市政策、交通政策など、お互いが直面する共通の課題に共同して取り組むため、政策提携協定を結ばれました。また、来月にはC40気候変動東京会議も開かれます。もう都市の自主的な取り組みは始まっています。
こうした努力を世界基準に発展させるには、何よりもまず、さまざまな課題について都市の間で問題意識を共有し、その解決策を構築、導入することが求められます。加えて、こうした問題解決に実際に役立つ取り組みを効果的に世界に発信していくことが重要です。東京が世界の大都市をリードする姿を国際社会にアピールすることは、東京オリンピック招致とその成功にもつながるものと確信します。
国際的な会議やイベントなどあらゆる機会を活用して、そして、あらゆる機会を東京が先導的につくって、世界の大都市が共同して課題解決に取り組む姿を戦略的に世界に発信し、東京のプレゼンスを高めていくべきと思いますが、知事のお考えを伺います。
また、こうした取り組みを積極的に行っていく上で、景気動向一つで一兆円もの税収が減るような現在の税制では、安心して政策を構築することはできません。政策形成を支える安定的な地方税制、都市税制が必須になってきますが、そうした税制像について所見を伺います。
ザ・ニアラー・ザ・ベターという言葉があります。直訳すれば、近ければ近いほどよいという意味ですが、住民に近い行政組織がサービスを担う方が住民ニーズに対応した行政サービスができるし、コストも安くなるという考え方です。
区市町村は、地域に密着したごみや福祉等の生活関連、都道府県は、基礎的自治体ではできないインフラ等の広域的な仕事、国は、地方ができない国全体にかかわる防衛、外交などマクロな政策だけを扱えばよいのです。補完性の原理とも呼ばれ、EU設立の基礎的な考え方として採用されています。
しかし現実は、国が多くの政策領域において、モンスターペアレンツのごとく自治体に過度に干渉し、結果として時間はかかり、住民のニーズに合ったサービスを提供できていません。また、国と地方の二重行政まで生じて、コストは過大になってしまっています。国は、本当に地方ができないことだけをやればよいのです。
このような国と地方のあり方について、都はどのように考えるのか、伺います。
ところで、目を転じて東京の足元を見ると、お寒い現実が目に入ります。穀物価格の騰貴など食糧安保が問われている中、東京の食糧自給率は何と一%、千二百万都民のうち、十二万人分しか賄えないのです。中央区の人口十万人と、あと少しといった程度です。実は一人では生きられないというのも、また東京の姿です。
一方、財政難にあえぐ北海道の食糧自給率は、何と二〇〇%にも達しています。こうした地方で豊かに生産される食糧を東京で安定して販売するルートをつくり、極めて低い東京の自給率をカバーできないものでしょうか。
昨年九月に、私は、国は親で、都道府県はその子ども、都道府県同士はきょうだいだという例え話を交えながら、都がリーダーシップを発揮し、一大消費地、情報集積地といった強みを生かした、より広い視野からの産業施策を展開すべきと本会議で質問をしました。
その後、いろいろな形で東京と地方との連携を進めていると聞きますが、その成果と今後の取り組みについて伺います。
また、東京と地方との連携を支えるのが道路ネットワークです。首都高速五号線で発生したタンクローリー火災事故により、昨年十二月に開通したばかりの中央環状新宿線も通行どめとなり、都民生活のみならず、地方との物流など、経済活動にも多大な影響を及ぼしました。復旧工事は異例の早さで進み、来月十四日、全面開通との発表が昨日あり、この間の東京都と首都高速道路株式会社の懸命な取り組みを高く評価いたします。
一大消費地東京の、より効率的で確実な人や物の流れを確保し、地方との連携を強化する観点からも、現在進められている中央環状線の整備を促進することが重要と考えますが、所見を伺います。
私は、海外を訪れるたびに、世界の中での東京のブランド力を痛感いたします。しかし残念ながら、職員はおろか、我々議員にも都民にも、世界の東京という意識は希薄です。
いうまでもなく、地方自治体は国の下部組織ではありません。東京は、都内GDPや財政規模を見ても、先進国並みの大きさを持った世界に冠たる都市です。都庁全体が内向き意識を払拭し、他の都市と協力することを通じて、東京から世界を変える気概を抱いていただくことを強く要望して、最後の質問に移ります。
振り込め詐欺について伺います。
ここ数年、振り込め詐欺の被害が増大し、大きな社会問題になっています。新聞やテレビを見ても、振り込め詐欺が報道されない日はありません。
報道によれば、ことし一月から八月までの全国の被害が約二百十億円に上っており、このまま推移すれば、年間の被害が三百億円を大きく上回り、史上最悪を記録しかねないとのことです。毎日、実に一億円近い被害が出ていることになります。
被害は全国各地で発生し、中でも東京都内の被害が最大であり、全体の二割以上を占めているとのことです。しかも、ご高齢の方々の被害が非常に多いと聞きます。振り込め詐欺は、人々の情愛や信頼を逆手にとった極めて卑劣な犯罪ですが、犯人たちのほとんどは、東京に巣くっているのではないかとも考えられているようです。
以上申し上げました現状を踏まえると、振り込め詐欺対策は、都民の安全と安心を守る上で喫緊の課題であると思います。警視庁におかれては、これまでもいろいろな努力を重ねてこられたことと承知しておりますが、残念ながら、問題解決にはほど遠い状況です。これ以上の被害拡大を許すわけにはまいりません。
振り込め詐欺の被害を食いとめるためには、警視庁と東京都が中心になって、社会を挙げた幅広い取り組みが必要ではないかと思いますが、今後どのような対策を進めていくか、考えをお伺いして、質問を終わります。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 秋田一郎議員の一般質問にお答えいたします。
まず、東京から日本の将来ビジョンを提示するという問題でありますが、国がいかに疲弊しておりましょうと、しかし、あくまでも国は国でありまして、都市はいかに大きくとも都市でしかありません。でありますがゆえに、日本の将来のビジョンをつくるべきものは、本来は国政であります。
その国政を実質的に運営している国の官僚、その制度は、残念ながら、いつか本分を忘れて、この国を壟断しているといっても間違いない、いい過ぎじゃないと思います。例えば事故米のケースを見ましても、農水省は、いい逃れにきゅうきゅうして、自己保身を図るばかりであります。
また、その官僚を使いこなすべき国の政治家の大半も、歴史意識、危機意識が希薄なままに、官僚の手の上で踊っているといっても過言ではないような気がいたします。
このため、変化の激しい時代に次々に発生する難題から国や国民を守ることができておりませんし、また、国民には不安、不満が募るばかりであります。
官僚ということをとらえていえば、かつては、政治家にもなりましたが、大官僚といわれていた人たちがおりましたね。岸信介、椎名悦三郎、賀屋興宣という人たちは、私は個人的にも知己を得ましたが、私が本当に尊敬していた、これは右にも左にも嫌われた、実に合理的な冷徹な現実主義者でしたけれども、賀屋興宣先生がいっていましたことは、自分たちの時代には、官僚として国を考えるときにとって、非常に大きなバリアがあったと。つまり大きなアンチテーゼがあって、それは軍だったと。この軍に対抗して、この国を合理的に運営するために、ありとあらゆる知恵を絞って抵抗したものだといっておりましたが、現今では官僚そのものがバリアになってしまって、機能していないというのが実態だと思います。
しかし、こうした時代だからこそ、国は国としての役割、使命をしっかり認識して、国家のビジョンを明確に示して国民を導かなければならないと思いますが、なかなかそれがかなわない。
ゆえにも、日本の頭脳部、心臓部であります東京は、東京としての志を同じくする都議会の皆さんの協力を得ながら、世界の範となる、つまり都市としてのモデル、これは決して地方に敷衍されるべきものでないかもしれませんけれども、まずとにかく主要部分である東京が、時代の展望に見合った都市のモデルを造形して、それを国もしんしゃくして、新しい変革の波を起こして、この国全体を健全に導いていきたいものだと思います。
次いで、都市外交についてでありますが、世界の人口の半数が都市に住まう都市の世紀にありまして、人類共通の危機が最も先鋭にあらわれるのは、やっぱり大都市であります。地球温暖化などの解決には、世界の大都市と知恵を出し合って、共同して取り組むことが重要であると思います。
現に、世界一の大国でありますアメリカでも、政府は動きませんが、それぞれ有識の、日本でいえば県のですが、州の知事が発意して新しい連帯が生まれつつありますけれども、まだなかなかそれがアメリカ全体にも世界にも及ばないうらみがございますが、こうした認識に立ちまして、私はこれまで、アジア大都市ネットワーク21や、これも大分成熟してきまして、いろんな具体的なフルーツを生んでおりますが、あるいはロンドンとの政策提携など、単なる儀礼的な友好親善にとどまらない実質的な都市外交を展開しようと思いますし、また、してまいりました。
ロンドンなどは、オリンピックのノウハウを得に行ったついでに、当時の市長のリビングストンと突っ込んだ話をしましたが、相手もまた、東京のやっている環境行政の実態に新しい認識を持って、彼が主宰した世界の大都市の会議に、二度目の会議にはぜひ参加してくれということでニューヨークにも参りました。余り参考になりませんでしたけど、そこで、やはり出席することで、東京の環境行政が相対的に、他と比べて、決して完璧とはいえませんが、かなり進んだものであると。特に東京の水の質については、参加者がみんな仰天するぐらい注目を浴びましたけれども、そういった事実というものを私たちが世界じゅうに認識させることで、日本の存在感、東京の存在感も示していきたいと思っていますが、来月にも、地球温暖化対策に先進的に取り組む世界からの実務者を招いた、C40という気候変動東京会議を開催することになりました。
これも実は、私が出席しましたニューヨークの会議で、私は非常に痛烈に批判しまして、こんな上っ面な観念事だけでは、物はちっとも進まないと。それが伝わりまして、もうちょっと実務的な、技術というものに裏打ちされた、現実を少しでも変えていく、そういう政策についての討論をする会議を開こうということで実現することになりましたが、いずれにしろ、グローバル化によって世界が時間的、空間的に狭いものになっていますこの今こそ、大都市に派生する問題の解決に向けて、危機感を共有する首長間で議論する場を持つことは、極めて有効だと思っております。
過去にありましても、大都市サミットと、あったようでありますが、これは余りフルーツのないままに立ち消えになったけど、こういったものは、私はやっぱり、全くフルーツのなかった洞爺湖サミットを見ますと、大都市間があれに対抗するというわけじゃなしに、面当てになるかもしれませんが、大都市間のサミットというものをもう一回復活して、そこで熱心な討論が行われるべきだと思っております。
他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁いたします。
〔警視総監米村敏朗君登壇〕
○警視総監(米村敏朗君) 振り込め詐欺対策についての秋田議員のご質問にお答えをいたします。
一言で振り込め詐欺と申しますが、大体、平成十五年ごろから、都内を初め全国的に被害が拡大をしてきております。さまざまな手口が次から次と出てまいりまして、おれおれ詐欺、あるいは架空請求詐欺、あるいは融資金名下の詐欺、昨今は還付金詐欺という形で被害が拡大をしているということでございます。
日本社会特有の犯罪かと、こう思っておりましたけれども、どうも仄聞するところ、隣の国、韓国でも年間三十億円ぐらいの被害が出ているというふうに聞いております。
いずれにいたしましても、議員ご指摘のとおり、この種の詐欺というのは、いわば近親者の情愛、家族の心情、心のきずな、そこにつけ込む、これをもてあそぶ、あるいは人と社会の信頼関係を逆手にとるというような犯罪でございまして、ご指摘のとおり、極めて卑劣な犯罪であります。
現に、被害者の中には、かけがえのない財産、なけなしの金を取られてしまって、最終的に自殺に追い込まれたという方もおられるわけであります。
また、この犯行グループの中心は、二十代、三十代の若者が中心になっているわけでありますが、極めてビジネス化した組織的な犯罪であります。加えて、携帯電話一本でといいますか、匿名性の高い犯罪でありまして、しかも、教本でありますとかマニュアルを片手に、半ばゲーム感覚でやっているということで、罪障感、罪の意識が極めて希薄ということであります。
いずれにいたしましても、この種の犯行グループが、今日我が国の治安攪乱要因になっているということにつきまして、警視庁といたしましても、強い危機感を持っているということであります。
そこで、これを何とか撲滅し、都民の安全と安心を取り戻すということで、私ども警視庁が取り締まりを徹底するということはもとよりでありますが、加えまして、ご高齢の方々を中心に、突然の電話で、慌ててATMに行って金をだまし取られないように、少しでも変だと感じたら、ぜひすぐ一一〇番していただきたいということで、いま一度、注意喚起の呼びかけを徹底したいというふうに考え、これまでも、さまざまな形で注意喚起を行ってきたわけであります。
先般、交通安全運動の前に調布市で開かれました、高齢者の方々を対象とした交通安全の集い、そこで冒頭、振り込め詐欺について、例えて申し上げますと、都内では昨年一年間で約三千五百件、被害額にいたしまして六十億円超、ことしは既に八月末で三千件、被害額も四十六億円を超えるということを申し上げましたら、やっぱり千五百人ぐらいのご高齢の方が、えっと驚くようなざわめきがあったわけであります。まだまだ高齢者の方々の心に響いていないという感じをいたしました。
現に、被害に遭われた方々は、振り込め詐欺という言葉は見たり聞いたりしていると。しかし、突然の電話がかかってきて、あたふたと動いている中で、これが振り込め詐欺だというのは全く気づかないというのが現状であります。
そこで、近く、高齢者のボランティアの方々、約一万人の方々に、振り込め詐欺被害防止アドバイザーということで指名をさせていただきまして、ご高齢の方々の間で、ぜひ振り込め詐欺についての被害を防止する意識を強く持っていただくよう、輪を広げていきたいというふうに考えております。
それからもう一つは、何といいましてもATM周辺対策であります。
これは、被害に遭われた方がATMで金を振り込むわけでありますし、それと犯行グループの一味、詐取金を引き出す役、これは私どもは出し子といっておりますが、これもまたATMで金を引き出しているわけでありまして、このATM周辺対策というのが極めて重要であろうというふうに考えております。そこで被害者を発見し保護する、それから、出し子を見逃さずに現場で摘発をするということも含めて、瀬戸際で食いとめていきたいというふうに考えております。
都内には、ATMの設置箇所が約一万二千ございます。できる限り警察官を動員いたしまして、立ち寄りや駐留警戒、あるいは職務質問を強化いたします。あわせて、金融機関、それからコンビニエンスストア、さらには各地域のボランティア団体の方々の協力も得ながら、携帯電話をかけながらATMを操作している方、これは特に還付金詐欺の場合、こういう形態が多いわけでありますが、そういった様子の顧客の方に積極的に声をかけていただく。
あるいは犯罪者、先ほど申し上げました出し子でありますが、これはATMの悪用を許さないということで、大方、顔が見えないように帽子をかぶったり、眼鏡、サングラスをかけたり、あるいはマスクをしたりということでありますので、そういった着用をしないようにということで、呼びかけを徹底していきたいというふうに考えております。
最後に、今後の進め方につきましては、来る十月、振り込め詐欺撲滅月間と位置づけまして、ただいま申し上げたような対策を中心に、文字どおり、社会を挙げた取り組みを展開してまいりたいというふうに考えております。
現在、東京都と諮りながら、金融機関、コンビニエンスストア、電気通信事業者を初めとして、幅広く官民の関係機関や団体に協力と連携を呼びかけているところでございます。議員の皆様方にも、都内各地域における振り込め詐欺撲滅対策の推進にお力添えいただければというふうに、この機会にぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
以上です。
〔主税局長熊野順祥君登壇〕
○主税局長(熊野順祥君) 政策形成を支える地方税制についてお答え申し上げます。
社会経済の急速な構造変化に適切に対応していくためには、旧来の国依存の地方税財政制度を早急に改め、地方による自主的、自立的な財政運営が可能となる税制の抜本的改革を行うことが急務となっております。
こうした改革を行うに当たりましては、まず、生産、分配、消費の各段階でバランスのとれた課税を行い、行政需要を賄うに足るだけの十分な財源が確保できることが不可欠でございます。
また、増加する大都市需要等に対応するために、一定程度の経済成長に応じた伸び、いわゆる伸張性は必要でございますが、同時に、住民に身近な公共サービスを安定的に提供することが地方の責務でございますので、地方消費税の充実など、安定的で偏在性が少ない税体系を構築することが重要であると考えてございます。
〔知事本局長吉川和夫君登壇〕
○知事本局長(吉川和夫君) 国と地方のあり方についてでございますが、地方が担うべきさまざまな行政分野におきまして、国の画一的な基準や過剰な関与が数多く存在するため、地方の主体的な判断が阻まれており、地域の実情に合わせた施策を効果的、効率的に展開する妨げとなっております。
また、国と地方の二重行政は、人や経費のむだを生んでおり、特に国の出先機関に関しましては、住民や議会の監視がほとんど及ばず、非効率な業務運営や不適切な事務処理を行っていても是正されないばかりか、国民の視点に立った行政という基本的姿勢すら失いがちであります。
何としても、地方に権限と財源を移すことによりまして、住民本位の行政運営を実現していかなければならないと認識しております。
こうした国の出先機関の見直しや、義務づけ、枠づけといった関与の廃止につきまして、現在、国においては、地方分権改革推進委員会が、年内を予定している第二次勧告に向けて、精力的に議論を進めております。
都はこれまでも、大臣協議などの手続的な関与の廃止や二重行政の解消につきまして主張してまいりましたが、今後とも、国等の動向を見据えつつ、都議会の皆様とも力を合わせまして、地方分権の推進に取り組んでまいります。
〔産業労働局長佐藤広君登壇〕
○産業労働局長(佐藤広君) 産業施策に係る地方との連携についてのご質問にお答えをいたします。
東京が他の地域と連携協力をいたしまして産業施策を展開していくことは、日本経済のさらなる発展につながるものと認識をしております。
本年四月に開設をいたしました全国観光PRコーナーでは、これまで、北は北海道夕張市、南は宮崎県、沖縄県など、十八の自治体がイベントに出展をいたしまして、約十三万人が来場するなど、好評を得ております。
また、この十一月に開催をいたします産業交流展では、地球温暖化防止に資する先進的な技術、製品を持つ中小企業を全国から招聘をいたしまして、販路の拡大を支援してまいります。
さらに、今後、東京進出に意欲的な中小企業を支援するために、その足がかりとなります簡易オフィスを提供する東京ブリッジヘッド事業を実施するなど、地方との連携を強化する観点から、多様な取り組みを推進してまいります。
〔建設局長道家孝行君登壇〕
○建設局長(道家孝行君) 首都高速中央環状線の整備促進についてのご質問にお答えいたします。
中央環状線は、首都圏三環状道路の一つとして、高速道路全体のネットワークを効率よく機能させ、東京のみならず、全国の人や物の円滑な流れを実現するとともに、一般道路の渋滞緩和や環境改善に大きく寄与する重要な路線であり、早期整備は不可欠であります。
現在、総延長四十七キロメートルのうち三十三キロメートルを供用しており、残る四号新宿線から三号渋谷線までの五キロメートルは平成二十一年度、さらに湾岸線までの九キロメートルは、都みずからも共同事業者となり、平成二十五年度の完成を目指し、整備を進めております。
今後とも、首都高速道路株式会社と連携し、中央環状線の一日も早い全線開通に向けて、着実に事業を推進してまいります。
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