○副議長(石井義修君) 五番きたしろ勝彦君。
〔五番きたしろ勝彦君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○五番(きたしろ勝彦君) 知事に就任される前の話で恐縮ですけれども、約十二、三年前、パラオに行かれたとき、ステラ号でガイドをしたスティーブン・シンジ・チバナ氏をご記憶でしょうか。私は、彼からサンゴの勉強をさせてもらいました。
昨年、知事は、地球温暖化の深刻な影響を受けているツバルを視察されました。我が日本にも、まさに同じ運命をたどろうとしている島があります。小笠原の沖合九百キロにある沖ノ鳥島です。
沖ノ鳥島は、国土面積を上回る広大な排他的経済水域を支えている、サンゴ礁に囲まれた、我が国にとって極めて重要な島であり、知事もかつて直接島に上陸し、その重要性を訴えられました。
国は、平成十八年度から、沖ノ鳥島におけるサンゴの増殖技術の開発に取り組んでおり、先般、平成十九年度調査結果の中間報告が公表されたところであります。
サンゴの二酸化炭素を吸収し酸素を排出する営みは、木の六から十六倍にも上るという研究結果もあります。そうした観点からすると、サンゴは、美しさだけでなく、豊かな生態系をはぐくみ、大気中の二酸化炭素濃度を減少させる、地球温暖化防止にも有効な、地球上の大切な宝物といえます。
地球温暖化等による海水温の上昇で、白化現象が懸念される沖ノ鳥島のサンゴの保護、増殖は、我が国の広大な排他的経済水域を守ることにもつながっていくものと思いますが、知事の見解をお伺いいたします。
私は、水と緑の都、環境に優しいガーデンシティー東京をつくることを政治のテーマの一つとしております。
そこで、環状第二号線における新たな緑の散歩道と魅力の創出についてお伺いをいたします。
新橋―虎ノ門間の地上部道路では、緑豊かなゆとりある歩道空間の確保とともに、地域の交流やにぎわいの創出のため、歴史的な視点などを加え、表参道や絵画館前の道路のように、緑の名所、観光名所となるような整備が重要であると考えます。
一例として、明治後期に、当時の尾崎行雄東京市長が、米国のタフト大統領夫人の希望により、日本の桜をプレゼントし、その返礼としてハナミズキが贈られた逸話があります。
日本の桜がポトマック河畔で今も愛されていることから、マッカーサー道路とも呼ばれているこの環状二号線に、ハナミズキをシンボル的に植樹することで、地域の話題性を高める効果などが期待できます。広がりのある歩道空間を活用して、新たな千客万来の魅力を地元住民とともにつくり上げていくことが重要であると考えます。
そこで、地上部道路の整備に関する地元との取り組みについて、考え方を伺います。
次に、品川駅周辺の運河地区は、最近、マンション開発が活発に行われ、ウオーターフロントとしてのにぎわいにあふれる街並みが形成されてきました。
運河の水質も、以前に比べると改善されてきましたが、人々が集う憩いの場となるためには、さらなる水質改善が望まれるところであります。そのためには、油を下水道に流さないなどの日常生活の意識改革や、合流式下水道の改善対策の強化などが必要であります。
芝浦水再生センターでは、老朽化した施設の更新にあわせて、処理機能の高度化を図る再構築事業に着手すると聞いていますが、運河の水質を改善するための芝浦水再生センターの取り組みについて伺います。
品川駅周辺は都心の南に位置し、東海道新幹線品川駅の開業に続き、羽田空港の本格的な国際化を控え、利便性が高まるとともに、さまざまな開発が実施、計画されています。品川駅に隣接する芝浦水再生センターでは、その立地条件を生かし、周辺のまちづくりと整合を図った土地の有効利用が求められている。
その一方で、臨海部では高層ビルが林立したことにより、海からの風が内陸部に入り込みにくくなり、都心部のヒートアイランド現象の一因となっています。このため、品川駅周辺エリアでは、風の道を確保し、内陸部に海からの風を呼び込むことでヒートアイランド現象を緩和する効果が期待されております。
そこで、芝浦水再生センターの再構築に当たり、水質改善の取り組みに加えて、風の道の確保など、どのように環境に配慮していくのか、お伺いをいたします。
次に、都立公園のスポーツ施設について伺います。
東京都は昨年十月、スポーツ振興基本計画を策定するため、東京都スポーツ振興審議会を発足させました。審議会の冒頭、知事は、スポーツという有効な手だてをもって、若い人たちに健全に育ってほしいとの発言をされ、スポーツの振興について強い決意を述べられました。
大都市である東京には、人口と比べればまだまだスポーツ施設が不足していますが、スポーツの振興を図っていくためには、新たな施設整備とあわせ、既にある身近なスポーツ資源をいかに有効に活用していくかということも大切です。
都立公園にあるテニスコートや野球場などの施設は、都民の身近なスポーツの場として大変重要な役割を果たしていますが、しかし、もっと有効に活用できる余地があるのではないかと思っています。
例えば、私の地元、芝公園のテニスコートでは、照明設備がありますが、冬場には夕方になると閉鎖されてしまいます。また、砧公園の野球場でも同様に夜間に利用できる季節が限られ、残念がる利用者の声も寄せられています。ひところよりは利用時間も若干延長されているようですが、民間などでは冬場でも夜間営業している施設も多く、平日の夜間であっても結構にぎわっているように思います。
そこで、せっかくの施設ですので、都立公園でも、都民のスポーツ活動の機会を拡大するために、需要に応じて夜間に利用できる期間を広げてはどうかと考えますが、見解を伺います。
都内には多数のマンションが存在します。都民の住まいとして、都心部などを中心に、今やマンションが一般的なものとなりつつあります。その中には、古い耐震基準で建築されたものも少なくありません。
昨日の我が党の代表質問でも取り上げましたけれども、阪神・淡路大震災のときも、旧耐震基準の建物の被害が大きかったと聞いています。都民の住生活の安全と安心を確保するため、古い基準のマンションの耐震化は喫緊の課題であります。
私は、緊急輸送道路沿道の建物だけでなく、都内の分譲マンションの耐震改修助成制度をつくるべきと主張してきました。
都は、平成二十年度から新たに分譲マンションの耐震改修助成を開始するとのことですが、地域限定せずに都内全域を対象とした今回の助成制度を高く評価するものであり、この制度創設を契機に、マンションの耐震化を大きく進めてもらいたいと思います。
また、耐震化を進めるために、都民の耐震化に対する機運を高めるとともに、耐震化助成の主体となる区市や、実際にマンション耐震改修を行う管理組合の積極的な取り組みを促していくことが不可欠であります。
都は、関係者に対しより具体的に働きかけを行うことが必要と考えます。その方策を伺います。
また、この助成制度の効果を上げるには、制度自体が区市や管理組合にとって使いやすいものとなっていることが大切であり、運用に際し十分配慮するよう要望しておきます。
次に、実際にマンションの耐震化を行うには、関係する専門分野からの協力がなくてはなりません。マンション管理組合が耐震化に取り組もうとしても、十分な専門知識を持っているとは限らず、耐震化の具体的な進め方や相談先についても、なかなかわかりにくいというのが実情です。
こうした管理組合の相談に乗り、適切な情報提供やアドバイスをし、耐震化に向けた区分所有者の合意形成を促すなど、管理組合を支援していくための仕組みが必要であります。都が関係団体と連携して、耐震化支援のための仕組みづくりを行い、マンションの耐震化を強力に促進していくべきと考えますが、所見を伺います。
次に、東京港の国際競争力強化について伺います。
昨日の我が党の代表質問に対し、今後とも基幹航路を維持強化していくため、東京港は、隣接する横浜港等と連携して東京湾全体の港湾機能を強化していくとの答弁がありましたが、このことや船舶の大型化対応などのハード面での対策に加え、日本全体の物流構造を見据えて集荷力を高めていくことも欠かせません。
現在、東京港では、輸入貨物が輸出の約一・五倍となっています。輸出貨物を増加させることが、船会社にとって魅力ある港づくりにつながることになり、輸出貨物の集荷は重要であります。
近年では、例えば二〇一〇年の稼働を目指して埼玉県寄居町に新規設備投資を行うなど、東京港背後圏の物流需要は増大しており、また、三環状道路や国内輸送を担う地方港湾の整備が着実に進んでおり、背後圏も拡大する傾向にあります。
東京港の国際競争力を強化するには、このような国内の動向も踏まえ、輸出貨物の誘致に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。
近年、ひきこもりやニートと呼ばれる社会的、経済的自立が困難な若者が、十代、二十代に限らず、三十代以上にまで及んでいます。このような状態が長期化することは、本人や家族にとって大きな負担となるだけではなく、将来における若年労働者の減少や社会的負担の増大につながることも懸念され、社会全体で対応すべき重要な課題です。特にひきこもりは、全国で二十六万人から百六十万人との推計もありますが、その実態を把握することが難しく、これまで、こうした状態にある若者の数や要因等は明らかにされてきませんでした。
今回、都が全国自治体に先駆けて真正面から取り組み、ひきこもりの実態を調査したことは大いに評価すべきものです。調査の速報値によると、都内でひきこもりの状態にある十五歳から三十四歳までの若者は、少なくとも全体の〇・七二%に当たる約二万五千人はいると推計されています。
都は現在、ひきこもりの問題に対してどのように取り組んでいるのですか、お伺いします。
今回の実態把握は、ひきこもり問題に対する本格的な取り組みへの第一歩にすぎません。我が国の未来を担う若者たちが一人でも多く、健やかな自立、社会参加を実現できるよう支援していくことは喫緊の課題です。
今後は、都として、ひきこもりの若者に対して、早期発見や早期対応などの対策を講じていくことが極めて重要であると考えます。都は、ひきこもりの問題解決に向け今後どのように取り組むのか、伺います。
次に、硫黄島旧島民の宿泊墓参について伺います。
太平洋戦争の激戦地となった硫黄島では、昭和十九年に当時の島民一千人余り強制疎開となり、現在に至るまで帰島できない状況が続いております。
都は、硫黄島旧島民の方々のため、硫黄島への墓参事業を昭和五十四年度から実施しており、現在は、年二回、自衛隊機による日帰り墓参となっております。
先般、硫黄島旧島民の方々から、墓参事業の宿泊化についての請願があり、都議会としては、旧島民の方々の心情をしんしゃくし、国会及び政府に対して、輸送支援や施設の確保など、積極的な支援を強く要請する意見書を提出いたしました。
現在の日帰り墓参では、限られた滞在時間で慌ただしく島内をめぐるため、高齢化の進む旧島民の方々にとっては、体力的に極めて厳しく、宿泊墓参の実現を強く求めるところであります。
そこで、宿泊墓参の実現について、都は今後、どのような取り組みを進めていくのか、お伺いをいたします。
一昨年の教育基本法、昨年の教育関連三法に続き、ことしは学習指導要領の改訂が予定されています。
大きな制度改正の一方で、学校では、保護者からの理不尽な要求や児童生徒間のトラブルを教員が一人で抱え込み、結果として解決を困難にしていると聞きます。こうしたとき、問題を個々の教員任せにするのでなく、学校が組織的に対応することが非常に重要です。
都教育委員会では、学校の組織的な問題解決力を向上するため、主幹制度の導入などを進めてきたとのことですが、どのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
また、学校全体で課題を受けとめ、解決していくためには、組織の責任者である管理職の役割が重要です。
従来に比べ、特色ある学校経営を行うなど、校長、副校長の職務内容は困難度を増し、責任は重くなっています。ところが、近年、教育管理職選考の受験率が低下し、校長、副校長のなり手が減少していると聞きます。
校長、副校長に優秀な人材を確保するためには、処遇改善が重要だと考えますが、所見をお伺いをいたします。
そしてまた、古川の調節池事業がスタートすることになりました。関係者の皆さんに心から感謝を申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) きたしろ勝彦議員の一般質問にお答えいたします。
温暖化防止と沖ノ鳥島の保全についてでありますが、サンゴ礁から成る沖ノ鳥島は、日本全体の面積を上回る約四十万平方キロメートルもの排他的経済水域を支えておりまして、極めて重要な島であり、国の今直轄管理区域となっております。
現在、国は、沖ノ鳥島のサンゴの維持回復を図っておりますけれども、国土保全や自然環境保全の観点から非常に重要な取り組みでありまして、その成果を大いに期待しております。
東京都も、小笠原組合の漁協長の菊池さんにお願いしまして、沖縄のパヤオ式の魚礁を島の周囲に幾つか設置し、大きな漁獲が上がるようになりました。魚とサンゴの相関関係もありまして、非常に期待をしておりますが、しかし、お話のとおり、今後、地球温暖化の影響に伴う水温上昇によって、サンゴ礁の衰退化の兆候である白化現象が、沖ノ鳥島を含む世界各地のサンゴにも及ぶと懸念されております。
このように温暖化の影響が複合的、重層的であることを改めて自覚し、引き続き地球温暖化の防止に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
〔教育長中村正彦君登壇〕
○教育長(中村正彦君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
まず、学校の組織的な課題解決力を向上するための取り組みについてでございます。
都教育委員会は、平成十五年度から、学校に、指導監督権限を持つ新たな職として主幹を設置するなど、国に先駆けた教育改革を行ってまいりました。
主幹は、副校長を補佐し、教諭を指導監督する職であり、主幹の配置によりまして、学校が組織として課題を迅速に解決できるようになったと考えております。
さらに、同じ教諭でありましても、授業改善や生活指導等への取り組み、学校運営へのかかわりなど、職務の困難度や責任の度合いに大きな違いが生じていることから、今年度、都内公立学校の管理運営に関する規則を改正し、これまで一つの職であった教諭の職を二つに分化し、学校に主任教諭の職を置くことができることとしたところでございます。
この主任教諭には、学校運営に積極的に貢献し、主幹を補佐するとともに、同僚や若手教員への支援などの役割を果たすことを期待しておりまして、平成二十一年四月からの任用を予定し、関係機関と協議を進めているところであります。
次に、教育管理職の処遇改善についてであります。
近年、学校の抱える課題が複雑化、多様化する中、校長、副校長の職務の困難性、重要性がますます増大していることから、教育管理職の職責等に応じた適切な処遇は重要であると認識しております。
現在、国において、教員給与につきまして、めり張りのある給与体系への見直しが進められております。昨年の東京都人事委員会の報告におきましては、こうした国の見直し内容などさまざまな要素に留意しつつ、都の行政職との対応を基本とする方向で、来年度の勧告を目途に検討を進めていくとしております。
都教育委員会としては、関係機関と精力的に協議しつつ、年功的、一律的な教員の給与体系を見直し、教育管理職の処遇改善を含め、職責、能力、業績をより一層重視する給与制度の構築に取り組んでまいります。
〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕
○都市整備局長(只腰憲久君) 三点のご質問にお答えをいたします。
まず、環状二号線の整備に関する地元との取り組みについてでございますが、都は、新橋―虎ノ門間の地上部道路に関しまして、平成十八年六月に、地元港区や沿道住民と環状二号線地上部道路計画検討会を設置いたしまして、歩車道の配置や歩行者空間の整備内容などにつきまして検討を重ねてきております。
お話の地域の交流やにぎわいの創出につきましては、街路樹の樹種や配置などの工夫による景観の向上や、現地から出土した大名屋敷の石積みの活用など、多様な視点から議論を進めております。
今後とも、地元住民と十分協議を重ねるとともに、関係機関と調整を図りまして、「十年後の東京」に位置づけられておりますグリーンロードネットワークにふさわしい、緑豊かで魅力ある地上部道路の整備に取り組んでまいります。
次に、マンション耐震化への働きかけについてでございます。
都が今回創設いたしましたマンション耐震改修助成制度を十分生かしまして耐震化を進めるには、身近な区市町村や管理組合自身の取り組みが不可欠でございます。
都といたしましては、区市町村に対しまして、連絡協議会など多様な機会を通じて、耐震化に向けた先進的な取り組み事例の紹介や情報の提供等を行い、都の制度を活用した助成制度の創設及び充実を促してまいります。
また、旧耐震基準で建設されましたすべてのマンションの管理組合を対象にしまして、耐震改修の進め方や助成制度等を記載したパンフレット等を提供いたしますとともに、必要に応じまして、管理組合の理事会等において説明を行うなど、耐震化に向けた合意形成を強力に支援してまいります。
最後に、耐震化支援のための仕組みづくりについてでございます。
マンション耐震化には、幅広い分野の専門的な知識や技術が不可欠でありまして、関係分野が協力して管理組合を支援することが必要でございます。
そのため、都といたしましては、構造や設計、工事、マンション管理等の各専門分野の団体と、耐震化に向けて相互に連携を図るための組織を本年度中に設立いたします。
この組織におきまして、管理組合に対する相談体制を整備し、区市町村を通じて、耐震診断から改修実施に至るまでのさまざまな相談に対応いたします。
さらに、講演会や相談会、耐震改修事例の見学会等の実施によりまして管理組合の啓発を行ってまいります。
こうしたさまざまな取り組みを行うことによりまして、マンションの耐震化を積極的に促進してまいります。
〔下水道局長前田正博君登壇〕
○下水道局長(前田正博君) 芝浦水再生センターについての二点のご質問にお答えいたします。
まず、運河の水質を改善するための取り組みについてでございますが、芝浦水再生センターは、我が国の中枢機能が集積しております地域の下水を昭和初期から処理し、快適な都市環境の創出に大きな役割を果たしてまいりました。
これまでも、高浜運河などの水質改善を図るため、降雨初期の汚れた下水をためる雨天時貯留池や処理水の放流先を変更する放流渠の整備などを行ってまいりました。
今後は、運河のさらなる水質改善のために、雨天時貯留池の増設を図ってまいります。また、施設の再構築に合わせまして、窒素や燐を除去する高度処理を導入するなど、放流水質の一層の向上を図ってまいります。
次に、再構築に当たっての環境への配慮についてでございます。
芝浦水再生センターでは、ヒートアイランド対策として風の道を確保するため、高さを抑えて低層利用するエリアと集約的な高層化を図るエリアに分けて再構築事業を行ってまいります。
事業実施に当たりましては、省エネルギーやCO2排出量削減などに努めるため、下水再生水や下水の有する熱を供給するなど、下水道のポテンシャルを最大限に生かした取り組みを行い、品川駅周辺のまちづくりに貢献してまいります。
〔建設局長道家孝行君登壇〕
○建設局長(道家孝行君) 都立公園のスポーツ施設の夜間利用についてのご質問でございますが、都立公園のスポーツ施設は、主にレクリエーションのためのスポーツの場として多くの都民に利用されており、施設を有効に活用することは、公園の魅力を高める上でも重要であります。
スポーツ施設の夜間利用については、利用者ニーズや立地条件などを踏まえて必要な照明設備を設置し、これまで、原則として四月から十月までを夜間利用の実施期間としてまいりました。
今後、施設の一層の有効活用を図るため、砧公園野球場などでは、多くの利用が見込まれる期間について夜間利用を拡大するとともに、冬でも利用が見込まれる芝公園テニスコートなどでは、通年にわたり夜間利用ができるようにしてまいります。
今後とも、都立公園のスポーツ施設の有効活用を図り、利用者のニーズにこたえるよう努めてまいります。
〔港湾局長斉藤一美君登壇〕
○港湾局長(斉藤一美君) 東京港への輸出貨物の誘致についてのご質問にお答え申し上げます。
巨大な消費地を直背後に持ちます東京港は、輸入超過となる傾向にありますが、お話しのように、輸出貨物を誘致し、バランスのとれた港とすることは、国際基幹航路を維持拡大していくために大変重要でございます。
近年、北関東や南東北地域におきまして、全国の増加率を上回ります製造工場の立地や、内陸部の貨物集散の物流基地でございますインランドデポの開設が進んでおりまして、東京港への新たな輸出需要が生まれつつあります。
また、三環状道路等の着実な整備や、地方港湾の機能強化によりまして、生産地からの物流アクセスが飛躍的に向上することが見込まれます。
このため、今後、輸出貨物誘致の対象地域を首都圏から東日本一帯にも広げますとともに、これまで実施してまいりましたセミナー形式の東京港のつどいに加えまして、各地で地元荷主企業と東京港の物流事業者との商談の場を設定するなど、実践的かつ積極的に東京港の輸出貨物誘致を展開してまいります。
〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕
○青少年・治安対策本部長(久我英一君)
ひきこもり対策についてでありますが、現在、都は、ひきこもりの状態にある若者やその家族などに対して、インターネットによるメール相談や電話相談を実施しております。また、ひきこもりに係るさまざまな相談機関で実際に相談に応じている実務担当者による連絡会議を開催し、情報交換を行うなど、相互の連携の強化に努めております。
このたび、ひきこもりの問題に対して、さらに有効な対策を講じるため、実態調査を実施し、人数推計等を行うとともに、都内で支援活動に取り組んでいるNPO法人の活動状況についても調査し、効果的な支援プログラムの開発を進めているところでございます。
次に、今後の取り組みについてでありますが、実態調査によれば、情報の提供や相談などの支援を希望している、ひきこもりの状態にある若者は八割を超えております。
こうした若者やその家族に対して引き続き相談対応を行うとともに、新たにNPO法人と協働して社会参加を促すための支援を実施するなど、きめの細かい対応を行ってまいります。
また、ひきこもりを未然に防止するため、不登校経験者や高校中退者及びその家族等に対して、進路に関する情報の提供や助言などの働きかけを行うセーフティーネットモデル事業を実施してまいります。
都は今後、このように関係機関等と緊密に連携し、予防から自立支援まで一貫した対策に取り組んでまいります。
〔総務局長押元洋君登壇〕
○総務局長(押元洋君) 硫黄島旧島民の宿泊墓参についてのご質問にお答え申し上げます。
都は、昭和十九年の強制疎開後、ふるさとに帰島できない旧島民の方々のため、硫黄島への墓参事業を昭和五十四年度から実施をしております。
現在は、年二回、自衛隊機による日帰り墓参を実施しておりますが、ゆとりを持って島を訪れたいという旧島民の方々の心情については真摯に受けとめております。
宿泊墓参を実現するためには、防衛省による輸送支援を初め、宿泊場所や医療体制の確保など、解決すべきさまざまな課題がございます。
今後、都は、こうした課題を解決するため、国土交通省、防衛省及び小笠原村との協議の場を設置するなど、宿泊墓参の実現に向けた検討を進めてまいります。
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