平成二十年東京都議会会議録第三号

○議長(比留間敏夫君) 四十一番鈴木あきまさ君。
  〔四十一番鈴木あきまさ君登壇〕

○四十一番(鈴木あきまさ君) 「十年後の東京」を着実に実現するためには、きめ細やかな中小企業政策が必要です。都議会自民党では、党内部にプロジェクトチームをつくり、昨年十二月に発表された東京都産業振興指針の策定に当たり、さまざまな要望を反映してまいりました。
 指針の中でも述べられているとおり、東京の産業全体の底上げを図るには、基盤を支える中小企業への支援が必要です。私の地元である大田区を初め、都内にはすぐれた技術を有する金型加工やメッキなどの基盤技術産業が多数集積しており、東京のみならず日本のものづくりの発展に大きく貢献してきました。
 しかし、こうした町工場は、現在、原油や原材料価格の高騰によるコストを販売価格に転嫁できず、日々の経営が圧迫されるなど、極めて厳しい局面にあります。
 財務省の法人企業統計によれば、資本金一億円以上の大企業が、バブル期を超えて過去最高の経常利益を更新しているのに対して、資本金一千万円以上一億円未満の企業は、バブル期の半分にも満たず、まだその痛手から立ち直ってはいません。ましてや零細企業の窮状は明らかです。
 こうした東京のものづくり産業の礎ともいうべき基盤技術を担う中小企業の底上げに今こそ全力を挙げるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 先端的な産業分野も基盤技術の存在なくしては成長、発展は期待できません。しかし、大企業を中心とする発注者の品質やコストなどに対する要求が厳しさを増すとともに、発注形態も、部材ごとの発注から完成品に近い形での納入が求められる一括発注やユニット発注に変わってきています。基盤技術を担う中小企業は、個々にすぐれた技術を有しているにもかかわらず、この変化にうまく対応できず、受注機会の減少や収益の悪化など、深刻な課題に直面しています。
 こうした課題の解決に向け、都は、共同受注体制の構築や技術力強化に取り組む中小企業グループを支援する基盤技術産業グループ支援事業を来年度から行うとのことであり、大きな効果を発揮するものと期待しています。この事業を着実に実施し、意欲ある中小企業グループを成功に導いていくべきと考えますが、具体的な事業展開について伺います。
 次に、東京都地域中小企業応援ファンドについて伺います。
 今、地域では、農産物、観光資源、伝統工芸品などの地域の資源を活用した特産品の開発により新しいビジネスをつくり出そうという動きがさまざまな形で生まれています。また、大都市東京においては、安全・安心、福祉、教育といった都市特有の課題の解決をビジネスチャンスととらえるコミュニティビジネスや社会的企業家の活動も活発になっています。こうしたさまざまな地域の資源や課題から新たなビジネスを創出する取り組みを都が後押ししていくことは、地域の活性化を図る上で効果があるものと考えます。
 都は、二百億円規模の果実活用型基金を創設し、これらの取り組みを支援するとのことでありますが、その具体的内容を伺います。
 地域産業の活性化には商店街振興も重要です。都はこれまで、地域コミュニティの核である商店街の活性化を図るため、新・元気を出せ商店街事業を初めとする支援を強力に推進してきました。その成果もあって、都内の商店街では工夫を凝らしたさまざまなイベントなど活性化に向けた数多くの取り組みが繰り広げられています。
 こうした取り組みの中でも、近隣の商店街が一体となって行う共催イベント事業は、集客効果や取り組みの面的広がりが期待でき、商店街を中心とした地域の発展に大いに役立つものと考えます。
 一方で、共催事業は、各商店街の事情によりさまざまな調整が必要となるため、商店街が個々に開催するイベントに比べ、実施に向けてのハードルが高くなっています。加えて、現在の新・元気を出せ商店街事業では、イベント事業への補助が一商店街当たり年二回までに限られていることもあり、共催事業が大きく増加しないのが現状であります。また、商店街単独の個性あるイベント事業を優先すれば、複数商店街の共催イベント事業を中止せざるを得ない現状にあります。
 都は、地域商業振興あるいは商店街の再生の観点から、商店街の意欲を喚起し、集客効果が大きい共催イベント事業がより広く実施することができるよう工夫すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、地産地消のまちづくりについて伺います。
 中国産冷凍ギョーザの農薬問題はいまだに原因解明がなされないばかりか、次々に新たな問題が発覚し、輸入食品に対する都民の不安は高まる一方です。こうした中で、都民が切実に求めているのは、顔の見える生産者がつくった安心できる食材です。
 今、全国的に盛んに地産地消がうたわれていますが、東京では昔から当然のように地産地消が行われてきました。東京の農林水産業は、消費者の目の前でつくられ、提供される地産地消の原点といえます。私の住む大森は、昭和三十年代後半まで半農半漁の生活が営まれ、農業、漁業が盛んに行われていました。このような産業が地域のコミュニティの核として重要な役割を担っていたのです。
 最近、大田区大森在住の元ノリ生産者や問屋関係者が、ふるさとの食の歴史を後世に伝えたいという思いから、教育の一環として大森ふるさとの浜辺公園の沖にさおを立てて、絶滅危惧種の浅草ノリが四十四年ぶりに復活しました。その復活したノリを利用し、小学校でノリつけ体験が行われ、ノリの佃煮もつくられました。甘味があって、口の中でとろける浅草ノリ独特の味を楽しむことができたと、地元は大変活気づいております。
 さらに、大森海苔のふるさと館が四月に開館し、かつて日本一の生産高を誇り、全国に伝播した本場といわれる養殖技術がよみがえることとなります。
 このように、地域住民が地域の特産品に目を向け、積極的に利用し、愛し、誇りとして、産業振興のみならず、観光資源としての利用や食育の推進、地域コミュニティ活性化の起爆剤としていく地産地消のまちづくりが大変重要であります。
 一方、農業では、区内の地名を冠した馬込半白キュウリや馬込大太三寸ニンジンが伝統野菜として知られ、今でもつくられています。また、全国レベルの展覧会で農林水産大臣賞ほか数々の賞を受賞している高い技術を持ったシクラメン農家が栽培を続けています。そして、これらを初めさまざまな農産物は、直売所などで区民に直接販売されています。
 東京の農地は年々減少してきていますが、農地は、農産物を生産する基盤だけではなくて、防災空間、自然環境、潤いや安らぎといったさまざまな機能を都民に供給できる場でもあります。
 こうした農業と農地の持つすぐれた機能を都民生活に生かし、地域住民の目をもっと地元の農業、農地に向け、地産地消のまちづくりを進めることが求められています。そのためには、地元の農業について次代を担う子どもたちはもちろん、都民が親しみ、理解してもらうことが大事です。地産地消のまちづくりを進めるためにも、都民が農業と触れ合い、体験し、理解するための施策を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 平成十七年の第四回定例会で、私は食育について質問し、伝統食品や食文化への理解を深めること、農作業体験等を通して食べ物を大切にする心を養うことの重要性を主張しました。そして、民間のボランティアの方々が核となって人材を育成し、ネットワークをつくって食育を進めることを提案しました。
 現在、都内では多くの団体が地元産食材の活用などの食育活動を展開するようになっています。食の生産現場を身近に感じる機会が少なく、また、食の外部化や簡素化が進んでいる東京では、都民の健康を確保し、感性豊かな人材を育てる食育を推進することが大変重要です。東京の食育を加速するには、こうした食育に取り組む団体の活動を支援するとともに、連携を深めていくことが大変有効と考えますが、所見を伺います。
 次に、青少年の健全育成について伺います。
 都は、青少年問題協議会の答申を受けて、少年院出院者の立ち直り支援を図るため、本年度から本格的に保護司への支援に乗り出しました。昨年夏には、就労や就学に関する都の施策を一覧できるように編集した保護司用の少年支援ガイドブックを作成し、早速保護司会を通じて保護司へと手渡され、そのガイドブックを活用いたしております。
 保護司は、国の制度のもとで活動しており、これまで都からのサポートはありませんでした。治安の回復向上を切望する都民の負託にこたえるためにも、自治体として再犯防止に取り組むべき更生保護に対する関与を強めるべきと常々私は述べてきましたが、都と法務省や保護司会との連携がようやく進みつつあることをうれしく思います。
 現在、更生保護法の施行等も控え、保護司がさらに多様な社会的役割を求められる中、これまで以上に地域やさまざまな方々の理解、協力を必要としているように感じます。青少年・治安対策本部には実質的な意味での窓口としての役割を担っていただきたいと思っております。
 また、少年の更生を図る上で、安定した職につかせ、生活基盤を整えることが不可欠と実感していますが、これは個々の保護司にとって最も難しい部分の一つでもあります。都が保護司会等との連携をすることで、特に就労に関して保護司支援が進むことを期待しています。
 こういう現状の中で、東京都では、保護司への支援について今後もどのように取り組んでいくのか、伺います。
 保護司への支援を厚くしていただくことで、再非行に走る少年が一人でも減ることが望まれますが、青少年が心身ともに健やかに育つ上で、現在、インターネットの有害情報が大きな障壁となっています。
 インターネットの普及は、日常生活に大きな利便をもたらしている反面、出会い系サイトやわいせつ・暴力画像などの有害情報にも簡単にアクセスでき、青少年が心身ともに危険にさらされています。本来、有害コンテンツ自体の管理や規制で解決すべきなのでしょうが、表現の自由等の兼ね合いもあり容易ではなく、当面はやはりフィルタリングの普及が最も有効な措置かと思われます。
 東京都では、平成十九年に東京都青少年の健全な育成に関する条例を改正し、携帯電話の販売店などに対して、利用者に青少年が含まれている場合にはフィルタリングの告知、勧奨を求める規定を盛り込みましたが、現在のフィルタリングの普及状態についてはどのようになっているか、伺います。
 国も、ようやく昨年の十二月、増田総務大臣が携帯電話等事業各社に対して青少年に対するフィルタリングサービスの導入促進について要請を行うなど、フィルタリングをめぐる状況は大きく変化したところです。しかし、ほぼデフォルトに近くなったとはいえ、フィルタリング導入の可否はあくまでも携帯電話購入者の意思を確認して決めるわけです。
 また、民間会社による調査結果によると、子どもからフィルタリングの解除をお願いしたら解除に同意する、アクセスしたいサイトによっては解除に同意すると回答した親が合計で七五%いたとの結果が出ています。
 こうした状況を踏まえますと、親に対する意識啓発がますます重要と考えますが、東京都は親に対する意識啓発のための対策としてどのように考えているのか、また、このような対策は小学生の親から始めなければ効果が期待できないと考えますが、所見を伺います。
 次に、防災・防火対策について伺います。
 東京消防庁管内の平成十九年第三・四半期の火災状況が昨年末示されましたが、それによると、火災件数は四千四百十四件で、前年同時期と比較して十三件増加し、亡くなられた方も百十二人で、前年同期と比べて三十人も増加しています。ここで顕著な特徴として、亡くなられた方のほとんどが住宅や共同住宅から出火した火災で亡くなられており、さらにほとんどが高齢者であることです。
 大田区の各町会も、みずからのまちはみずからが守るという精神で、日ごろから初期消火訓練や応急手当講習などの防災訓練に積極的に参加し、まち一丸となって防火、防災に取り組んでいます。
 昨年の第一回定例会で、既存住宅においても住宅用火災警報器の設置が義務化されましたが、住宅用火災警報器の設置についても、まちぐるみで火災による死者をなくそうと積極的に取り組んでいるところであります。
 火災による死者の八割が住宅火災から発生しており、住宅火災で亡くなる人の四割が発見のおくれによるものです。住宅用火災警報器があれば、火災による死者数を三分の一に減らせるといわれております。
 そんな中、昨年末、私の町会内で同時期に三件もの火災が発生いたしました。今回の火災を教訓に、一日でも早く住宅用火災警報器を各住宅に設置してもらいたい。まちから火災による死者は出すまいと、以前にも増して町会役員を中心に地元大森消防署と連携して防災教室を開催するなど、積極的に活動を始めました。
 しかし、一般的には、いざ住宅用火災警報器を設置してもらおうとしても、どこに行けば購入できるのか。また、どこに幾つ設置すればよいのか。さらには、取りつけ方はどうするのか。悪徳業者にだまされないかなど、さまざま不安を抱えているのが現状です。
 先般、東京消防庁が実施したアンケートでも、平成二十二年四月一日から既存住宅にも住宅用火災警報器の設置が義務づけられたのを知っていますかとの問いに、五四・三%の方々が、知らないと答えています。半数の都民が設置しなければならないことすら知らないというのが現状です。住民の防火、防災意識が幾ら高くても、住宅用火災警報器に関する知識がなければ、設置には結びつきません。
 そこで伺いますが、平成二十二年四月一日の全戸設置実現に向け、東京消防庁では住宅用火災警報器に関するさまざまな情報提供も含め、今後さらに普及啓発を行うべきと考えますが、現在の普及状況とあわせて所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
  〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 鈴木あきまさ議員の一般質問にお答えいたします。
 基盤技術を担う中小企業への支援についてでありますが、東京には多様な基盤技術を有する中小企業が数多く集積しております。製品の独創性や高付加価値を支えるこうした中小企業の技術は、東京、日本のものづくり産業の発展にとって不可欠であります。
 しかしながら、現在、都内中小企業の多くは、国際競争の激化や後継者不足など、厳しい経営環境に置かれておりまして、ものづくり産業の持続的な発展が危ぶまれています。
 このため、中小企業の幅広い技術、経営支援ニーズに対応する産業支援拠点を区部と多摩に整備いたします。加えて、販路開拓や人材育成などさまざまな側面から支援を一層強化し、基盤技術を担う中小企業の底上げに全力を注いでまいるつもりであります。
 他の質問については関係局長から答弁します。
  〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず基盤技術産業グループ支援事業についてでございます。
 本事業は、ものづくり中小企業がグループを形成し、互いの技術やノウハウを持ち寄りまして、技術力の向上や受注体制の強化に向けて行う取り組みを支援するものでございます。
 都は、こうした活動に必要な共同設備やシステムの導入などに係る経費を助成するとともに、事業の進捗管理やアドバイスを行う専門家を派遣するなど、中小企業グループの取り組みをきめ細かく支援してまいります。これによりまして、発注者の多様化するニーズに対応できる高い技術力を有する中小企業グループを各地域に創出いたしまして、東京のものづくり産業の活性化を図ってまいります。
 次に、東京都地域中小企業応援ファンドについてでございます。
 地域の特色ある資源の活用だけではなく、地域の課題や大都市東京の特性に着目し、新たなビジネスを立ち上げようとする取り組みは、都市全体に魅力と活力をもたらす、極めて重要なものであると認識しております。
 都は、こうした取り組みを一段と活発にさせていくために、都内各地域の多様で魅力的な地域資源の発掘と活用を積極的に支援することといたしました。具体的には、観光や農産物など、地域の身近な資源を活用した取り組みを初めとするさまざまな事業を対象にいたしまして、中小企業やNPOなどへ事業化に要する資金を助成するものでございます。
 また、経験豊富な企業OBなどを地域応援ナビゲーターとして活用いたしまして、地域資源の掘り起こしから事業の立ち上げ、販路開拓まで、総合的に支援をしてまいります。
 次に、新・元気を出せ商店街事業についてでありますが、近隣の商店街が連携し、共同で開催するイベント事業は、単独で行うものに比べまして、各商店街の知名度アップや集客力の向上など、大きな効果が期待できます。また、その実施を契機に商店街同士の連携がより一層深まり、地域の多様な人材の交流が促進されることで、商店街活動の活性化と地域コミュニティの維持発展にも大いに役立つものと考えております。
 このため、都は来年度、試験的に、従来のイベント補助とは別に共催イベント事業を補助対象といたします。その事業成果を踏まえまして、平成二十一年度から本格実施を検討してまいります。
 次に、都民の農業に対する理解についてでございますが、都民が農業と触れ合い、体験し、理解することは、地産地消をまちづくりに生かす上でも重要と考えております。
 都はこれまで、農産物直売所、観光農園、農業体験農園の整備や学童農園の運営を支援するほか、農業にかかわりたいと希望する都民を対象といたしました実践農業セミナーを開催してきております。今後は、地域住民と農業者の相互理解のもと、レクリエーション機能や教育機能など、農業、農地の持つさまざまな機能をまちづくりに生かしていく区や市の取り組みに対して支援を行いまして、農業に対する理解の促進に努めてまいります。
 最後に、食育団体への活動支援などについてであります。
 東京の食育を進めるには、食に関するさまざまな団体の活動を支援するとともに、こうした団体や行政機関等が連携し、共同して取り組むことが重要と考えております。そのため、平成十八年度から、食育団体が実施いたします、例えば環境保全型農業を理解するための田んぼの生き物調査や伝統を知るためのみそづくり体験など、それらの活動を支援してきているところでございます。
 また、昨年十一月には、七十四団体の参加を得まして、第一回の東京都食育フェアを開催いたしました。さらに、本年二月には、民間の十団体や学識経験者、行政等から成る食育推進協議会を発足させまして、情報の共有化を図りつつ、共同して取り組みを進めていくことを決定したところでございます。これを機に、こうした団体との連携をさらに深めまして、東京の食育を積極的に推進してまいります。
 〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(久我英一君)
 保護司活動への支援についてのご質問でございますが、保護司の方々が行う少年に対する就労支援につきましては、法務省の協力雇用主制度の役割が大きいものの、都内では、少年院出院者等を雇い入れる事業者が不足しております。このため、都は昨年、都内の商工会議所に対し加盟事業者への広報を依頼したところでありますが、今後、協力雇用主制度周知のためのビデオやポスターを新たに作成し、広く事業者に配布することで、少年の就労先の掘り起こしに取り組んでまいります。
 都といたしましては、今後とも保護司活動支援協議会における関係行政機関との意見交換を進めるとともに、少年非行防止に携わるNPOとの交流の機会を提供するなどして、保護司の方々への支援に取り組んでまいります。
 次に、フィルタリングの普及状況についてでありますが、総務省が昨年五月に発表した全国調査では、携帯電話でインターネットを使っている十八歳未満の子どものうちフィルタリングを利用しているのは約一七%でございました。また、ことし一月に実施した都政モニターアンケートでは、子どもが利用する携帯電話の契約時にフィルタリングの告知がなかったという回答が六七%でございました。
 都は現在、携帯電話等販売店の販売員に対して、契約時のフィルタリングの告知、勧奨をどのように行っているか等の実態調査を実施しておりますが、この結果も踏まえ、今後より一層フィルタリングの普及啓発に取り組んでまいります。
 最後に、親に対する意識啓発についてでありますが、子どもを有害情報から守るためには、親がネット社会への問題意識を持ち、家庭内で、メディアとのつき合い方について主導的な立場で子どもと話し合うことが重要であります。
 都は、インターネットやゲームの利用に関して親子で家庭のルールづくりを行うための冊子「ファミリeルール」を作成し、保護者向けの講座を開催してまいりました。今後は、ファミリeルールの啓発チラシを小学生の保護者に配布し、より低年齢から注意を喚起するよう努めてまいります。
 また、インターネット環境に関する幅広い知識を持った人材をeメディアファシリテーターとして養成し、講座の実施体制の一層の拡充を図り、家庭における意識啓発に取り組んでまいります。
  〔消防総監小林輝幸君登壇〕

○消防総監(小林輝幸君) 住宅用火災警報器の普及啓発についてでございますが、昨年七月に実施しました消防に関する世論調査では二四・三%の世帯が住宅用火災警報器を設置していると回答しております。東京消防庁では今後とも、新聞、テレビ、ポスターやホームページなどの広報メディアの活用や住宅防火診断等の機会を活用し、住宅用火災警報器の有効性を周知するなど、より一層の設置促進を図ってまいります。
 また、町会、自治会を初め、区市町村、関係業界などとの連携をさらに深め、購入方法、具体的な設置場所等を含めたきめ細かい情報の提供や災害時要援護者宅への取りつけ支援などにも努めてまいります。