午後五時五十六分開議
○議長(川島忠一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続行いたします。
四十四番矢島千秋君。
〔四十四番矢島千秋君登壇〕
○四十四番(矢島千秋君) 日本の活力と発展は、現実に東京、大阪を中心とする人口集中地帯の工業の発展とともにあったといわれております。
二〇〇三年の日本の生産性データで見ましても、東京都は一千一万円で第一位、大阪、滋賀、神奈川、愛知、千葉、三重と続き、所得もほぼリンクしております。しかし、国は、均衡ある国土の発展の言葉のもとに、大都会の活力を地方へと移転させようとし、都市の抑制政策が行われてまいりましたが、このことは、かえって日本経済の地盤沈下を招き、国力の停滞につながったのであります。その間、法の規制を受けなかった中京地区の発展、また二〇〇二年の工場等制限法廃止後の大阪の活性化が多くを物語っておるのであります。
東京の場合は、産業構造の転換が比較的うまくいったといわれておりますが、都市政策は全く不十分でありました。都市の魅力と活力が、自由な発想を保証する空間と合理的時間の持ち方を可能とする集積とするなら、大都市の停滞は大きなロスであります。
資源のない日本が、これからも世界と伍してその活力を維持するためには、環境負荷の少ない生活など調和すべき課題はあるものの、業務地域である都心部の高密度化と必要な投資は避けられないのであります。それにもかかわらず、国は、法人事業税、法人住民税一兆四千億円の税源移転という同じ過ちを踏もうとしております。
東京の持てる力と課題を認識し、展開してきた石原知事の政策により、東京に本来のエネルギーが戻り始めるなど、効果を生んでいるにもかかわらず繰り返す、かような発想が、日本の活力の後退を招くのではないかと思えてなりません。知事のご見解をお伺いいたします。
東京都がつい先ごろまで、財政再建団体に陥るかもしれないという危機的、困難な状況にあったことが少し昔のことと思えるほど、財政の好転を果たしてまいりました。そして、全庁挙げての財政再建への取り組みが、財政当局の長年の財政運営上の課題のことごとくのクリアにつながってまいったのであります。
しかし、税収好調局面の歳出増の圧力に惑わされない、財政規模の維持は、今後の健全財政にとって基本的な要件であり、財務局が昨年、財政中期フレームを示しているのも、そのかたい決意をあらわすためのものであることは、理解できるのであります。
また、現実の世界は、作為、不作為にかかわらず、いかなる形でか必ず結果が出るものでありますから、財政上、積極的、意思的に取り組む結果として、厳しい予算の手続となり、事業終了後の効果と効率性測定と活用のための政策評価、事務事業評価が財務局に移管され、予算査定と政策評価というルーチンの中で活用されることになったことは、評価するものであります。
しかし、今後は、政策評価の透明性を増すため、事務事業評価に第三者を加えることも検討すべきであり、また、事業稼働を保証する意味でも、民間でいうところの内部統制の議論を参考に、支援部隊を検討すべきではないかと思いますが、意見として申し述べておきます。
さて、政策運営を自立的有効なものとするため、シーリング予算の組み立てと事業との関係をどのようにすることが必要かということであります。予算査定と事務事業評価の間に、行政マネジメントを生かす内部統制方策が重要ではないかということです。この点について取り組みをお伺いいたします。
明治に制定された府県制により、近代監査制度が自治体の補助機関として始まり、昭和二十二年、長と対等の立場で監査することに強化されたのであります。
東京都では、この監査委員の定数を、平成十九年度に従来の四人から五人へと条例改正されております。また、監査委員の事務を補助させるため監査事務局が置かれ、適法性、税金の有効活用、組織の合理的運営など、多様な視点から監査が行われております。
この監査部隊をどのようにとらえるかは、大きな分かれ目であります。何よりも、監査が事業の適法性と公金使途の透明化確保を基礎に、合理性、効率性を高める、いわばお金を生む事務事業であるという認識が必要であります。この観点からは、東京都の財政規模と予算の多様性が拡大する中、実働部隊である事務局職員の人数は心もとないのではないか。
定数を追いますと、昭和五十二年度には百十名であったものが、平成元年度には百二名、平成十四年度には九十七名となり、平成十九年度は九十名であります。その間、財政規模は四兆円から十三兆円に拡大しているのであります。
他府県では、政令指定都市などを抱えており、単純な比較はできないのでありますが、一般会計、特別会計の財政規模と監査事務局の職員数の比較では、東京都は現員九十名、大阪府は四兆二千億円で四十八名、愛知県は三兆円で三十名、埼玉県は二兆二千億円で三十名であり、不足感はぬぐえないのであります。
東京都のように膨大な領域と予算規模を持つ自治体にとって、現在の体制は十分であるのか。外部監査制度が生まれたとしても、全体に目を光らせる監査業務の専門職の保証された人的体制は強化しなければならないと思うのでありますが、監査事務局長のご意見を伺います。
都市の魅力は、生命、財産の安全を基本条件に、多様な人材の集積の力にあります。また、治安は日本人の基本的な信頼であるだけに、ないがしろにできない大きな課題であります。
警視総監の治安状況の報告では、認知件数は大幅に減少しているとあり、資料によっても、社会を脅かす凶悪犯が減少し、検挙率は上がっているのであります。本来業務に警視庁はよく取り組み、結果を出しているということになります。この観点からは、治安の悪化は風説にすぎないという意見にもつながります。この点についてご見解をお伺いいたします。
あわせて、日本の治安状況について理解を深めるためには、先進諸外国の犯罪状況の比較が必要であります。都市の形、社会の仕組みが違うとしても、傾向と特徴をお伺いいたします。
また、統計によりますと、路上犯罪、侵入犯も明らかに減少しておりますが、この背景の一つには、住民団体あるいは自治体の協力があったわけであります。にもかかわらず、体感治安の不安は高まったままであります。
体感治安が不安感を持って語られるのは、地域社会の弱体化が、軽微な窃盗などの取り締まり強化を警察に求めることによるものであるとするならば、警察官の増員は避けて通れないのであります。実際、多様な形で繁華街の取り締まりが強化される一方、繁華街と住宅地の境界があいまいとなり、犯罪の拡散が原因となっているのではないか。
そこで、今後の体感治安改善を対策に生かすためにも、自治体、地域住民の皆さんの協力など、取り組んできた対策、方法、内容について精査し、次の対策に生かすべきと思いますが、ご見解をお伺いいたします。
戦災復興以来、東京の都市整備、道路建設は、拡大するモータリゼーションに対応するため、自動車優先の基盤整備が行われてまいりました。そして現在、道路整備は、限られた財源を生かしながら優先順位の中で行われております。
また、戦前に計画され、戦後、戦災復興事業の中で完成を見た渋谷、新宿、池袋、大塚の駅前広場も同様で、自動車交通と人のさばきを中心とした姿のまま、現在に至っております。今後、自動車の交通量が減少していく中で、こうした駅前広場は、積極的に人中心の整備をしていくべきかと考えますが、お考えをお伺いいたします。
また、今後の道路整備に当たっては、広幅員の歩道や一方通行など、エリアの道路ネットワークなどを考慮し、全体として可能な限り人中心の立場から整備していく必要があります。
例えば、池袋駅西口には、間もなく中央環状新宿線ランプと池袋西口を結ぶ、都市計画道路一七二号線が完成となります。これにより、放射状で三本の道路が環状六号線と結び、利用に供されることになります。このように面的条件が整う中では、歩行者優先の立場から道路整備の考え方を見直していくことができると思いますが、この点についてお伺いをいたします。
同様に、戦後復興の対象事業として完成された大塚駅前広場も、自動車交通の処理の時代の計画のまま現在に至っております。ここでは、交通の結節点として駅舎の改築が進められており、現在はエレベーターすらない駅から、南北自由通路を擁したバリアフリーの駅へと姿を変えてまいります。まさにこのときこそ、JR敷地を含め、人中心の立場から見直す絶好の機会でもあります。東京都の今後の取り組みに期待をするものであります。
日本の代表的港湾として国の施策を担う東京港は、埠頭公社を中心に、臨海地域の交通、冷暖房、高い収益と金融資産を有する貸し会場事業をグループ化し、不良債権の処理を織り込みながら、局関連事業を地域ネットワークとして完成させました。臨海地域の、港湾局所管の事業体を結集し、臨海地域の一体運営という衣を着せたわけでありますが、その中核事業である港湾行政についてお伺いをいたします。
ご承知のように、一千億円を投下した北九州のコンテナターミナル会社が、開港二年目にして債務超過に陥り、また昨年、日本に寄港した世界一のコンテナ船が、東南アジアと欧州を結ぶ航路に就航したと聞いております。
現在、東京港は世界貿易港で二十三番目のコンテナ取扱量であります。この東京港と川崎、横浜を合わせても、第一位のシンガポールの半分にも届かない水準であります。国は、従来の横並び均一港湾行政から、全国六港をスーパー中枢港湾に指定し、投資の重点化を始めるなど対策をとっており、東京港もその一つでありますが、世界と肩を並べるには全く集中が足りないといわれております。
日本はこれまで、海上大量輸送のおかげで、極東という不利な条件をはねのけ、低廉な海上運賃により日本の経済発展が助けられてまいりました。しかし、現在の海上輸送における拠点の地位低下は、このままでは、ものづくり大国としてコスト上昇につながりかねないのであります。
ここで考えねばならないのは、今後の東京港の目指す方向性の選択であります。現在、東京港は、首都圏後背人口を支える輸入偏重構造でありますが、その需要対応を中心に、コスト競争力を高め、北米基幹航路の寄港回数死守を目的にするのか、あるいは大型化するコンテナ船に対応する日本の内航、外航等、ハブ・アンド・スポーク・ネットワーク港湾の性格を強めるため、迅速、集中的な投資を国に要請し、国際競争力を高め、国際基幹航路としての性格を強化するアジアトップクラスの港湾を目指すのかということであります。
そこで、東京港の目指す方向性と、それを実現する戦略をどのように考えているのか、お伺いをいたします。
また、東京都も国も、外国人観光客の誘致に力を注いでおります。見詰められるまちは美しくなるだけに、観光施策は経済効果だけではない重要な意義もあるのであります。
さて、東京への国際観光交通手段は飛行機、船ということになりますが、このうちワールドクルーズ船の誘致は大きなインパクトを与えるものであります。世界の臨海大都市、東京港への大型客船の寄港は、国内クルーズに比べ五倍以上ある経済効果もさることながら、観光施策のシンボルでもあります。
そこでお伺いいたしますが、港湾施策として、ワールドクルーズ船の受け入れをどのように考えるのか。大型化するワールドクルーズ船受け入れは、積極的に取り組む課題であり、そのための必要な対応も検討すべきではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
東京都のスポーツ行政は、組織が再編され、スポーツに親しむ者として、都民の皆さんの健康増進の意味からも、これからの事業展開に期待する者の一人であります。
さて、日本のアマチュアスポーツは、これを支えてきた企業のスポーツに対する取り組みが、所有から地域住民、自治体との協力支援、あるいはビジネスへと転換してまいりました。
自立は、競技団体のみならず、レクリエーションスポーツ、地域スポーツといわれるものも同様で、定期的な使用を可能とする場所の確保とあわせ、運営マネジメントの能力育成がキーポイントであります。この点について、東京都は既に平成十三年度から課題に取り組んでおり、評価するところであります。
こうした中、平成十九年度重点事業として、地域スポーツクラブの設立されていない市区町村を対象に、地域スポーツクラブ設立モデル事業を挙げております。
この事業では、スポーツという商品の特殊性、参加者の満足度とマーケティングなどを十分に理解する、軸となるリーダーの育成が、クラブを継続し、広く地域に支持されるための重要な課題であります。最終的に、スポーツ施設を中心としたドイツ型の地域スポーツクラブを想定することになるのでありましょうが、今回の事業でのこれらの点について、取り組みをお伺いいたします。
また、地域スポーツクラブ設立に際しては、民間で組織運営に携わり、定年を迎え、地域に戻ってくる経験豊富な意欲のある人たちも積極的に受け入れ、地域スポーツクラブ設立、運営のリーダーとして位置づけるべきではないかと思いますが、ご意見を伺います。
以上をもちまして私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 矢島千秋議員の一般質問にお答えいたします。
日本の活力についてでありますが、ご指摘のとおり、国は、均衡のある国土の発展という名のもとに地方に非効率な投資を続けてきました。一方で大都市は、渋滞や通勤ラッシュ、空港容量の不足などといった不便を余儀なくされてまいりました。
法人二税の分割基準の見直しにせよ、ふるさと納税にせよ、東京への集中、集積自体を害悪視して、東京を痛めつけることが日本の発展につながるかのような誤った議論が繰り返されていると思われます。そうした議論には都市に対する文明工学的な認識が欠けていると思わざるを得ません。
東京は、世界に類のない高度な集中、集積を持つ、非常に本来は機能的であるはずの日本の頭脳部、心臓部であります。東京が十全に機能を発揮することが我が国の命運を左右することは自明であります。東京に積極的に投資をし、機能向上を図り、活力を高めていくことが日本全体の発展にもつながると信じております。
また、地方の真の発展に必要なのは、地方がみずからの意思と才覚で行動のできる権限と財源を国から移管することであります。しかるに、現内閣の財務大臣は一切税源は分与しないといってはばからない。とにかく太政官制度以来続く中央支配の構造を変えない限り、地方の発展はないと思います。小手先だけのまやかしの改革とは一線を画しまして、「十年後の東京」を実現して、東京のさらなる成熟発展を図るとともに、真の地方分権改革の断行を国に求め、日本の活力を高めていきたいと思っております。
他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁いたします。
〔警視総監伊藤哲朗君登壇〕
○警視総監(伊藤哲朗君) 初めに、治安状況についてお答えいたします。
近年の犯罪状況を見ますと、全国における全刑法犯の発生件数は、昭和期にはおおむね百四十万件前後であったものが、平成に入り急激に増加し、平成十四年には約二倍の二百八十万件に達しました。
このため、警視庁を初め全国警察では平成十五年から犯罪の抑止に取り組み、その結果、治安状況報告のとおり、犯罪の発生件数は年々減少し、検挙率は向上するなど、着実に成果を上げてきているところであります。
しかしながら、昭和期と比べると犯罪発生件数は依然として多く、その内容も、親族間での凶悪な事件や路上強盗、ひったくりなど、平穏な社会生活を営んでいる人々に対する凶悪事件が多発しており、いつ、だれが、どのような被害に遭うかわからないといった不安感があることも事実であります。
警視庁といたしましては、今後とも、犯罪総数の抑止とあわせて、都民、国民に不安を与える重要・凶悪事件や身近で発生する犯罪の抑止に努めてまいりたいと考えております。
次に、先進諸外国との犯罪状況の比較について申し上げます。
統計の方法等がそれぞれの国により異なりますので、正確な比較は困難でありますけれども、平成十六年の殺人事件による死亡者数を見てみますと、アメリカは一万六千百三十七人、イギリスは八百二十人、我が国は六百三十八人で、人口比で見てもアメリカは日本の約十一倍、イギリスは日本の約三倍となっております。
また、平成十七年における強盗事件の認知件数を都市別で見ますと、ニューヨーク市では二万四千四百二十七件、大ロンドンでは四万五千三百十一件で、これに対し東京は七百三十三件と極めて少ない数字であり、人口比で見ても、ニューヨーク市が東京の五十倍、大ロンドンが約百倍となっております。
我が国の治安状況が良好な理由の一つとして、厳しい銃器規制が挙げられますけれども、平成十六年中の殺人事件による死亡者のうち、銃撃によるものは、銃器規制の緩やかなアメリカでは九千三百二十六人、一方、銃器規制の厳しいイギリス、日本ではそれぞれ七十七人、十七人となっておりまして、厳しい銃器規制が殺人などの凶悪な事件の発生を抑止していることがうかがえるところであります。
最後に、地域住民との協力関係について申し上げます。
近年、安全・安心に対する意識の高まりとともに、都民の皆様の防犯に対する関心が大いに高まっており、防犯ボランティア団体は、平成十五年には約百五十団体、一万四千人であったものが、昨年末には三千二百団体、十四万三千人とふえてきております。これらの団体は、防犯パトロールを初め、通学路などにおける子どもの見守り活動や環境美化活動などに積極的に取り組んでおりまして、地域の犯罪抑止に大きく寄与していただいているところであります。
警視庁では、こうした地域住民による自主防犯活動をさらに拡大するため、犯罪や防犯に関する情報の提供や合同パトロールの実施、効果的な自主防犯活動に資する情報の提供、防犯ボランティア相互の意見交換の機会の積極的提供などを実施しているところであります。
今後とも、防犯ボランティアの活動を支援してまいりますとともに、自治体、関係機関との連携を強化し、安全・安心なまち東京の実現に努めてまいりたいと考えております。
〔財務局長村山寛司君登壇〕
○財務局長(村山寛司君) 予算における行政マネジメントについてでございます。
都財政は、長期にわたりまして、マイナスシーリングによる歳出削減なしには予算が編成できないという困難な時代を経てまいりました。今日、ようやくそれを克服し、都財政は「十年後の東京」の実現に向け、政策諸課題や、これから更新期を迎える膨大な社会資本ストックへの対応などに中長期的視点に立って取り組むべき新たなステージを迎えております。
これからの財政運営に求められておりますのは、今後予想される激しい社会経済変動の中にあっても、政策課題を着実に実行し得る弾力的で強靭な財務体質を築くとともに、マネジメントにおいても事業の実施結果を従来にも増して重視し、結果をしっかり検証することによって、次の事業展開をより効果的、効率的なものにする仕組みを充実することであります。
十八年度から導入された新たな公会計制度は、予算編成過程で実施する事務事業評価と相まって、事業の事後検証をより効果的に実施することを可能にしております。
以上の観点に立ちまして、予算編成手法について、シーリング手法などの見直しを行いまして、各局の自主性を一層発揮できるようにするとともに、事業の実施結果を評価、検証し、次期の予算に的確に反映する新たなマネジメントサイクルの確立に取り組んでまいります。
〔監査事務局長白石弥生子君登壇〕
○監査事務局長(白石弥生子君) 監査事務における人的体制の強化についてでございますが、昨年度から導入されました新公会計制度に対応いたしまして、広範にわたる都の行財政運営を効率的、効果的に監査していくためには、お話のとおり事務局機能の充実が重要であります。
これまでも、職員の専門能力を高めるため、経営分析などの専門研修の充実に努めるほか、システムエンジニアや公認会計士など、専門家の監査技術や手法の習得を図ってまいりました。
さらに、この七月一日には新たに公認会計士一名を任期つき職員として採用し、人的体制を強化する予定でございます。
今後とも、都の行財政運営を経済性、効率性、有効性の観点からチェックする監査委員監査の充実を図ってまいります。
〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕
○都市整備局長(只腰憲久君) まず、駅前広場の整備についてでございます。
池袋、新宿などの副都心のターミナル駅の駅前広場につきましては、安全で円滑な交通処理などを目的にいたしまして、その多くは戦前から戦後にかけて都市計画決定されてございます。その後、増加する自動車交通にも対応できるよう、順次整備が進められてまいりましたが、現在、交通混雑や人と車のふくそうなど、課題を抱えている箇所も見受けられます。
今後の駅前広場の整備のあり方につきましては、地域の将来像などを踏まえ、人と自動車の共存にも配慮していくことが重要と考えております。
次に、面的に道路整備が進捗した地域のまちづくりでございますが、道路ネットワークが一定程度整備された地域におきましては、交通処理機能を損なわない範囲におきまして、さまざまな道路利用者に対応した道路の再編整備が可能であると考えられます。
このため、これらの地域におきましては、ご指摘のように、歩行者や自転車にも配慮して道路のあり方を工夫していくことも、地域にとっては望ましいのではないかと考えております。
〔港湾局長津島隆一君登壇〕
○港湾局長(津島隆一君) 二点の質問にお答えいたします。
まず、東京港の目指す方向性についてのお尋ねであります。
東京港は、半径百キロの首都圏でとらえますと、ニューヨークやロンドン、パリをはるかにしのぐ、世界最大規模の人口とGDPを有する大経済圏を背後に抱えております。このことから、東京港は、シンガポールや香港、釜山といった、国際貨物の積みかえを中心に行う国際ハブ港湾とは異なり、住民生活や産業活動に必要な貨物を中心に取り扱う、いわゆる市場立地型の港湾であると考えております。
こうした東京港の機能を堅持し、首都圏四千万人の生活と産業を支えていくためには、国際基幹航路の大型船が直接寄港するメーンポートとしての地位を今後とも維持発展させていくことが東京港の使命であると認識しております。
そのためには、第一に、船舶の大型化や海上貨物の急増に対応できる高規格ふ頭を整備すること、第二に、背後圏との貨物輸送を効果的に行うための十分な荷さばき地を確保すること、第三に、港湾施設と内陸部を結ぶ円滑な道路網の整備が必要となってまいります。
このことを踏まえまして、第七次改訂港湾計画では、中央防波堤外側に新たな高規格コンテナふ頭を整備していくとともに、大井、青海の既存コンテナふ頭の背後を拡張して港湾機能を強化することとしており、今後、外貿コンテナふ頭の三極体制を強力に進めてまいります。
あわせて、国や関係各局とも連携して、東京港臨海道路や首都圏三環状道路等の着実な事業推進を図り、円滑な交通ネットワークの構築に努めてまいります。
こうした取り組みを着実に実施し、今後とも、首都圏の社会経済活動を支える一大物流拠点として、東京港の国際競争力の強化を図ってまいります。
次に、外航客船の誘致についてのお尋ねでございます。
客船は港の花ともいわれ、港に潤いとにぎわいを与えるとともに、東京への海外からの観光客誘致にもつながるものでございます。
このため、多くの客船に東京港を利用してもらえるよう、都はこれまで、毎年実施している海外でのポートセールスにおいて、クルーズ会社を訪問し、銀座や浅草などの東京の観光スポットを紹介する誘致活動を行ってまいりました。
また、臨海地域の開発の進展に伴い、港湾機能と都市機能とが一層共存する東京港におきましては、十年後のオリンピック招致の機運も盛り上がってきており、人的交流が広がる客船誘致を進める環境がより整ってきていると考えております。
こうした状況を踏まえ、今後、クルーズ客を温かくもてなす仕組みづくりや、東京ならではの歴史や文化の体験メニューの開発、主要な近隣観光名所との連携策等について、客船やクルーズに精通した識者の意見も聞き、より多くの寄港が実現するよう、さらに効果的な誘致策を検討してまいります。
なお、大型化するクルーズ船に対するハード面での受け入れ態勢についても、重要な事項と承知いたしておりますが、入出港する際の航行の安全性や客船ターミナル機能の確保等の検討が必要であると認識しております。
〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 地域スポーツの振興についての質問にお答えいたします。
都は、生涯にわたってスポーツに親しめる社会の実現を目指し、地域の日常的なスポーツ活動の場として、地域スポーツクラブの設立促進とクラブ運営の支援に取り組んでおります。
今年度から開始する地域スポーツクラブ設立モデル事業におきましては、地域説明会や普及活動などにより、参加者ニーズの把握を行い、地元の区市町村と連携しながら、地域実態に即した取り組みを行ってまいります。
さらに、地域スポーツクラブの設立支援協議会で、人材の発掘、育成、活用策の検討や、設立モデル事業を通じて、地域に潜在している経験豊富な人材にクラブマネジャー、リーダーとして活躍していただくこと等を積極的に促進してまいります。
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