平成十九年東京都議会会議録第十号

   午後一時一分開議

○議長(川島忠一君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川島忠一君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(川島忠一君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都人事委員会委員の選任の同意について外人事案件四件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(川島忠一君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十五番野島善司君。
   〔六十五番野島善司君登壇〕

○六十五番(野島善司君) 最初に、多摩・島しょ振興について伺います。
 その一つは、財政支援についてです。
 国から地方への税源移譲が実施されました。これからの時代、各自治体は創造性を発揮し、みずからの責任において施策を選択し、自立的な都市経営を行っていかなければなりません。
 そのためには、将来の税収に結びつくような都市基盤整備や産業振興などに取り組み、税源を涵養していくことが必要なことはいうまでもありません。
 一方、財源の有効活用には、経常経費の圧縮と投資的財源の確保を可能にする効率的な行財政運営が求められます。さきの東京市町村自治調査会の調べによれば、多摩地域の自治体の人件費比率は二年連続して減少し、職員数の抑制や給与の適正化を初め、さまざまな点で行財政改革が進展している様子が見てとれます。
 私は、これまでも、厳しい財政事情の中、このような視点で努力を続ける多摩の市町村に対し都が適切な支援をするよう求めてまいりました。昨年度、従前の交付金を統合し創設した市町村総合交付金は、財政支援の観点からそれにこたえたものと受けとめております。
 この三月には、初めて交付が行われたところですが、都は、市町村総合交付金を設けたことにより、従前に比較して各市町村のまちづくりや経営努力にどのような効果があったと認識しているのか伺います。
 その二つは、三宅島でのオートバイを活用した復興支援のイベントです。
 私自身、離島を余儀なくされた、東久留米に仮住まいをされた方をお見舞いに訪れたことや、八王子のげんき農場で農作業に取り組む三宅の人々の交流会に参加したこともございました。また、テレビ朝日のダイオキシン報道により風評被害をこうむった所沢市の農家の方々が、その和解金のほとんどを三宅島の農業復旧のためにご寄附申し上げたいということで、その橋渡しをしたこともありました。その時々にお会いした三宅の人は、島の復興はと、今こんなことを思っております。
 さて、一般の道路を使用したオートバイレースについて、日本共産党さんは、無理やりに知事の海外出張やトップダウンとかに結びつけんがために、いたずらに不安をあおることに終始しております。それは、三宅の人々の復興への願い、思いに逆行するものと受けとめているのは私一人でしょうか。大切なことは、知事が所信表明で言及なされましたように、多くの関係者の理解と協力を得て開催されることであり、それにより来島者がふえ、住民の励みになり、島の復興に資することになろうかと思っております。要は、多くの人々が参加し、楽しめるイベントにすることだろうと思います。
 この秋開催に向けて、都として、このイベントをどのように支援していくのかを伺います。
 その三つは、産業振興についてです。
 多摩地域の製造品出荷額は約六兆円と、区部を上回り、特にエレクトロニクス関連では都内出荷量の九割を占めるほど、産業面においても大きな存在感を示しております。
 冒頭、都市経営における税源涵養が今後ますます重要になる旨申し述べたところですが、直接的な税収効果のみならず、ベッドタウン的な都市形成をしてきた多摩地域に就業の機会を確保し、都市経営の自立化を促進する意味合いからも、産業振興は極めて重要です。
 多摩地域を俯瞰いたしますと、国道一六号線沿線に工業立地がなされ、目を転じますと、この一六号線沿線には、従来から工業集積がなされてきた神奈川県相模原市、埼玉県西部の狭山市、入間市とつながるベルトゾーンが見てとれます。加えて、圏央道の整備により、埼玉県においては、田園都市産業ゾーン基本方針を策定し、この沿線自治体が産業団地の造成等に動き出しておりますし、千葉、茨城にもポテンシャルがあります。都は、西南部物流拠点の整備促進の方向も打ち出しております。
 このような立地にある都県がそれぞれの持つ資源を有効に活用し、競争しつつ連携して、一六号線、圏央道沿線を産業の首都圏ベルトゾーンとして育成していくべきと考えます。多摩が東京の多摩にとどまらず、首都圏の中核としての発展が期待されるところです。産業の振興には、人材の育成、移動インフラの整備、事業立地ゾーンの確保等さまざまな条件、要素があることはいうまでもありません。都県、各市町村がそれぞれに持つ特性を大いに発揮していかなければなりません。そうした視点での多摩の強みは何か、大学の存在だろうと思っております。
 そこで、多くの大学が立地する多摩地域が、産学公連携の中心地として、首都圏の産業振興の牽引役を果たすべきと考えております。知事のご所見を伺います。
 次に、地球温暖化対策についてです。
 さきのハイリゲンダム・サミットの主要なテーマになるほど、地球温暖化への関心が高まりを見せています。国の総合エネルギー調査会は、地球温暖化防止のための省エネルギー強化策の検討を始め、その中では家庭・オフィス部門対策が最大の焦点とのことです。
 折しも都は、大企業などへのCO2排出削減量の義務化を打ち出しました。数値目標や罰則、排出権取引、家庭の協力等のさまざまな壁がありますが、環境先進都市を目指す東京の取り組みが日本を牽引し、世界をリードすることを願ってやみません。
 昨日は、我が党の代表質問に対しまして知事の力強い答弁をいただいたところでございますが、冒頭、局長の決意のほども伺っておきたいと思います。
 さて、京都議定書で義務づけられた日本の温暖化ガス排出削減目標に対し、製造業など産業部門は五・五%減、家庭・業務部門では四〇%増、また、都内全体のCO2排出量のうち家庭部門は二三%を占めているとのことでございます。
 私たちの便利な生活がCO2の増加、地球温暖化を引き起こしていることは気にしながらも、環境負荷の高い生活を変えられないというのが私自身の実感でもございます。
 今後、CO2削減のためには、家庭部門、生活者としての協力を得ることが重要であり、そのための普及啓発が不可欠でございます。
 都のこれまでの取り組みと、今後どのようにこの問題を展開させていこうとしているのか伺います。
 家庭や中小企業の省エネルギーを促進するためには、例えば省エネ住宅、施設、設備に対する税の減免や償却の前倒し等の税制の活用、省エネ努力や再生可能エネルギーの導入に対してインセンティブを働かせる仕組みも重要です。ご所見を伺います。
 次に、都市整備施策について伺います。
 一つは、無電柱化の推進についてです。
 私の利用する西武池袋線東久留米駅は、関東の駅百選の一つに選定されています。駅舎の富士見テラス、ここからは、名前のとおり富士山を望み見ることができます。そして、駅前からの都市計画道路のうち六百メートルは無電柱化されておりますが、その先、千メートルは電柱があります。これを対比して見ますと、この電柱が消えれば、景観もよくなり、安全、快適な歩行空間も確保され、加えて、緑化の促進、防災機能の向上も図れるわけでございます。
 都の「十年後の東京」では、センター・コア・エリア内の都道を無電柱化するとしておりますが、それ以外の区部や多摩地域における無電柱化について、どのように取り組んでいかれるのか伺います。
 区市町村における無電柱化の促進に当たっては、事業主体の違いによる財源の枠組みもありますし、その道路の性格の差異もあります。多摩についていえば、多摩地域における都市計画道路の整備方針に定めた路線については、都、市町村施行の別なくすべてを、既存道路については、商業・業務集積の高い、あるいは高まりが期待される地域の路線、周辺公共空間と相まって良好な都市景観が期待される路線等、総合的に勘案しながら面的な無電柱化に取り組むべきと考えます。
 区市町村事業への財政支援については強く要望するにとどめ、技術的な支援についてお伺いをいたします。
 二つは、潤いと安らぎのある緑空間の創出についてです。
 先般、都は、環境軸ガイドラインを公表し、道路、河川、公園などの公共空間の緑と民有地の緑を組み合わせ、緑豊かな都市空間を創造する指針を示しました。
 しっかりとした環境軸を打ち立て、民間開発にあっては、公共空間と連続する緑空間の確保を誘導し、緑地保全地域、市町村の保存緑地や保存樹林、屋敷林等の地域に根づいた緑や河川管理との整合性に留意しつつ、緑化が可能な河川域の活用等、あらゆる緑を組み合わせ、広がりと厚みのあるグリーンロードネットワークを実現し、すぐれた都市景観の創出、都市環境の改善に取り組むべきと考えます。環境軸の形成の具体的な取り組みについて伺います。
 三つは、中古住宅の流通についてです。
 都は、本年三月に新たな住宅マスタープランを策定し、その中で、住宅が長期にわたって活用される市場を実現するための施策の一環として、中古住宅の流通促進に積極的に取り組む方向性が示されました。
 私は、これまでも一般質問や予算特別委員会でこの課題に取り組んでまいりました。市場で中古住宅の流通が促進されるには、住宅の品質や性能等に関する住宅検査の実施と住宅履歴の整備が必要です。これらにより、商品としての住宅の質が高まり、安心・安全な取引が確保され、中古住宅市場の活性化につながるものと考えます。
 さて、先月、自民党の住宅土地調査会は、世代を超えて受け継がれる超寿命住宅の普及に向けた提言、二百年住宅ビジョンをまとめました。この中でも、住宅履歴や住宅検査について提言もなされております。国もこの提言を受けて中古住宅の流通促進の動きのある中で、最大の住宅市場である都としても、国に先んじて施策を推進すべきでございます。
 本年の予算特別委員会において、都の具体的な取り組みの一つとして、これら住宅履歴や住宅検査の必要性を盛り込んだ、都民が安心して中古住宅を売買できるガイドブックを作成中であるとのご答弁もいただきました。間もなくまとまるものと聞いておりますが、ガイドブック作成の意義とその内容について、改めてお伺いをいたします。
 また、ガイドブックは中古住宅市場を活性化する第一歩であり、その取り組みを評価するものでございますが、ガイドブックの活用はどのような効果をもたらすのか、また、ガイドブックの都民への普及策など、今後の取り組みについてもお伺いをいたします。
 最後に、都市農業についてお伺いいたします。
 生産基盤である農地の保全策は、都市計画上の生産緑地制度や税法上の納税猶予制度が講じられ、この間、幾つかの見直しも行われ、今日に至っております。
 都市計画上の手法としては、保全すべき農地をゾーニングして調整区域へ逆線引きする手法があります。しかし、小規模な生産緑地と都市的利用が既になされ、蚕食状態になっている都市近郊地帯では現実味がありません。新たな都市計画的手法も必要です。また、屋敷林等に対する多額の相続税の捻出のために農地を処分するのも実情でございます。屋敷林を広く都民に開放する等の公共・公益性を高めつつ、相続税等の軽減措置を講じることも重要でございます。
 農地や屋敷林の保全策については、都庁内に設置されました関係局の協議会でさらに議論を深めるとともに、国に要望していただくよう求めておきます。
 ところで、多摩地域の農地では緑化用植物の生産も盛んです。
 都はこのたび、新たに千ヘクタールの緑を創出するなどとした緑の東京十年プロジェクト基本方針を発表いたしました。緑あふれ潤いのある都市環境の創出のためにも、緑化用植物の生産振興を図るべきと考えますが、所見を伺って、質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 野島善司議員の一般質問にお答えいたします。
 多摩地域の産業振興についてでありますが、多摩地域は、先端技術を有する企業や大学、研究機関が集積しておりまして、産業発展の大きな可能性を有しております。
 今後、圏央道などの都市インフラの整備に伴って、隣接する埼玉や神奈川県との産業交流が一層拡大することが見込まれております。
 数多くの大学や研究機関を擁する多摩地域は、将来にわたり広域的な産学公連携の中核的な役割を担っているものと考えております。
 この機を逃さず、周辺県とも協力し、都域を超えた幅広い産学公連携を促進することで、多摩地域を都市型産業の一大集積地としてさらに発展させ、首都圏の産業活性化を牽引していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 多摩・島しょ振興に係る二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、市町村総合交付金創設による効果についてでございます。
 第一に、ものづくり産業の育成を初めとした地域経済の活性化や、公共施設の耐震化による安全・安心なまちづくりなど、各市町村が独自に取り組む施策について、これまで以上に幅広く、かつ積極的に支援をいたしましたことにより、特色ある地域づくりに貢献することができたと考えております。
 第二に、各市町村の行財政改革の成果に応じて交付額を算定する仕組みを取り入れましたことを契機として、市町村における人事給与制度の改善などが一層進展をいたしました。こうした点は、ご指摘の税源涵養にも通じるものと認識をしております。
 今後とも、この交付金制度をさらに効果的に活用いたしまして、努力と創意工夫により地域の発展に取り組む市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、三宅島のバイクイベントに対する支援についてでございます。
 このイベントは、島の復興に向けて、年間を通じ来島者をふやすことにより、産業、観光振興の起爆剤となるよう実施をするものでございます。そのため、ご指摘のとおり、バイク愛好者のみならず、すべての人が楽しめる、にぎやかなイベントとすることが成功の条件と考えております。
 三宅村では、こうした考えのもと、事業の実施主体となるNPO法人を組織し、多くの関係者の協力を得ながら、空港を使ったドラッグレースやラリーはもとより、島の多彩な魅力をアピールできる企画について検討を進めております。
 都といたしましても、企画運営面を初め、安全対策や輸送対策等について積極的に支援するなど、このイベントが成功するよう、全力で取り組んでまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 地球温暖化対策に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、気候変動対策への取り組みについてでありますが、近年の熱波や干ばつ、降雨量の増加といった異常気象に見られる地球全体の気候変動は、都民の生命、財産、健康にも直接的な影響を与え得る深刻な環境問題でございます。
 こうした認識に立ち、今般、都は、気候変動対策方針を策定し、この問題に対する今後十年間における基本姿勢を明確にして、地球温暖化の原因である温暖化ガスを着実に削減していくことといたしました。
 この方針に基づき、まず、都庁みずから率先して省エネ対策を実施していくとともに、都民や企業等の省エネ意識を高め、あわせて、日本の誇る環境技術がフルに活用されるような仕組みを構築するなど、世界で最も環境負荷の少ない都市の実現に向けて、最善の努力を着実に積み重ねてまいります。
 次に、家庭部門でのCO2削減対策についてでありますが、都はこれまで、全国に先駆けた家電製品の省エネラベリング制度の創設など、家庭で消費されるエネルギーの約五割を占める電力使用量の削減に向けた取り組みを進めてまいりました。
 今回発表した気候変動対策方針では、家庭でのCO2削減をさらに強化するため、住宅自体の省エネルギー性能の向上や、給湯器の高効率化の推進とともに、白熱球一掃作戦の展開をきっかけとして、家庭での省エネ行動の拡大を促していく方針をお示しいたしました。
 今後、家庭での電気代やガス代の節減が日本のCO2の削減に直結することを明確に示すため、テレビ、ラジオなどさまざまな媒体も活用して、具体的な省エネの取り組みを都民に呼びかけるキャンペーンを積極的に展開してまいります。
 最後に、家庭や中小企業の省エネルギーを促進する税制についてでありますが、家庭や中小企業から排出されるCO2を削減するためには、省エネ努力や再生可能エネルギー導入が進むような視点に立って仕組みを構築していく必要がございます。
 こうした観点から、省エネルギーの促進のための新しい税制について、省エネ投資等の促進、省エネ行動への誘導など幅広い角度で、東京都税制調査会を活用しながら検討してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 無電柱化に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都道における無電柱化の今後の取り組みについてでありますが、無電柱化事業は、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災の強化を図る上で大変重要な事業であります。
 このため、センター・コア・エリア内及びオリンピック関連施設周辺はもとより、その他の区部や多摩地域の都道についても、環状七号線、青梅街道など緊急輸送路や、八王子、町田などの主要駅周辺などで無電柱化を推進してまいります。さらに、街路事業で都道の新設や拡幅を行う場合などさまざまな機会をとらえて、無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、区市町村に対する技術的支援についてでありますが、区市町村道の無電柱化を進めるに当たっては、区市町村に経験やノウハウの蓄積が少ないこと、狭い道路では技術的に無電柱化が困難なことなどの課題があります。
 都は、区市町村に対し、東京都道路整備保全公社と連携して、設計や施工などにかかわる技術支援を行うとともに、電線共同溝のコンパクト化など、狭い歩道における無電柱化技術の開発に、国や電線管理者と連携して取り組んでまいりました。
 今後とも、より多くの区市町村が無電柱化に取り組めるよう技術的な支援に努め、面的な広がりに配慮した無電柱化を推進することにより、美しいまち東京の実現を目指してまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、環境軸の具体的な取り組みについてでございます。
 道路や河川等の緑と、まちづくりで生まれる緑が一体となって、広がりのある緑空間を創出するため、このたび、環境軸ガイドラインを策定いたしました。
 この中で、民間都市開発に対して、周辺と一体となった質の高い緑空間の形成を誘導するため、公開空地等のみどりづくり指針を示しておりまして、来月には施行することとしております。
 また、地元区市町と連携して、早期に環境軸の具体化を図る推進地区といたしまして、道路整備や沿道まちづくりが進められている環状二号線や府中所沢線などを今年度中に位置づけてまいります。
 これらの施策を積極的に展開して、早期に環境軸の形成を図り、すぐれた都市景観の創出や都市環境の改善に向けて取り組んでまいります。
 次に、中古住宅を売買するためのガイドブックについてでございます。
 既存の住宅ストックを有効に活用し、住宅選択の幅を広げるためには、中古住宅の流通促進が重要でございます。
 本ガイドブックは、中古戸建て住宅の取引に当たりまして、売り主や買い主が確認すべき事項等を示すことにより、安心して売買できる環境をつくることを目指すものでありまして、近々公表することとしております。
 その内容といたしましては、土地や建物の状況等について情報提供すべき事項をチェックリストとして示すとともに、売買契約における留意事項を盛り込む予定でございます。
 また、新築時の工事記録や修繕記録など住宅履歴の整備や、住宅の状況等を確認するための住宅検査の実施を推奨することとしております。
 最後になりますが、ガイドブックの活用による効果と今後の取り組みについてでございます。
 売り主と買い主の双方が住宅に関する情報を共有化することで、中古住宅取引上のトラブルの軽減等が期待できます。また、住宅の状態や品質、性能に関するより正確な情報が提供されることから、売買時の住宅の信頼性を高めることができ、中古住宅の流通拡大につながるものと考えております。
 今後の取り組みでございますが、ホームページを活用するほか、パンフレットを作成し、不動産流通業者や区市町村を通じまして配布するなど、ガイドブックの内容を都民に広く普及させてまいります。また、住宅検査につきましても、不動産流通団体や住宅検査機関等で構成されます中古住宅流通促進連絡会と連携し、普及に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 緑化用植物の生産振興についてお答えをいたします。
 東京都はこれまで、公共事業で使用いたします苗木の生産委託や、栽培施設の整備補助などによりまして、緑化用植物の生産振興を図ってまいりました。
 また、農林総合研究センターにおきまして、施工、維持管理が容易な樹木や、屋上、壁面への新たな緑化用植物などの研究開発に取り組んできております。
 今後はさらに、大都市に適した緑化用植物の研究開発を進めまして、事業者や生産者にその情報を提供するとともに、イベント等により東京産の緑化用植物をPRするなど、生産振興を積極的に図ってまいります。